JP4550263B2 - Copper alloy foil for laminates - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプリント配線板用の積層板に用いる銅合金箔に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の電子回路に用いられるプリント配線板は、硬質積層板(リジット基板)と可撓性積層板(フレキシブル基板)とに大別される。 フレキシブル基板は可撓性を持つことを特徴とし、可動部の配線に用いられる他に、電子機器内で折り曲げた状態で収納することも可能であるために、省スペース配線材料としても用いられている。 また、基板自体が薄いことから、半導体パッケージのインターポーザー用途あるいは液晶ディスプレイのICテープキャリアとしても用いられている。 これらの用途では高密度実装の要求から電子回路の配線幅と配線間隔を小さくしたファインピッチ化が進んでいる。
プリント配線板の導電材としては主として銅箔が使用されているが、銅箔はその製造方法の違いにより電解銅箔と圧延銅箔に分類される。 電解銅箔は硫酸銅めっき浴からチタンやステンレスのドラム上に銅を電解析出して製造される。 圧延銅箔は圧延ロールにより塑性加工して製造されるので、圧延ロールの表面形態が箔の表面に転写し、平滑な表面が得られることが特徴である。 フレキシブル基板の導電材に用いられる銅箔は、可撓性が良好であることから、主に圧延銅箔が用いられている。 なお、箔とは一般に100μm以下の厚さの薄板をいう。
【0003】
フレキシブル基板は、樹脂フィルムと導電材としての銅箔とを接着剤を用いて積層し、その後に接着剤を加熱加圧により硬化して形成される。 フレキシブル基板の樹脂と銅箔との貼りあわせには、例えばエポキシ等の熱硬化性樹脂からなる接着剤が用いられ、張り合わせ後130〜170℃の温度で1〜2時間の加熱加圧して接着剤を硬化させる。 次に、銅箔をエッチングして種々の配線パターンを形成し、電子部品をハンダで接続して実装していく。 プリント配線板用の材料にはこのような高温下に繰り返して晒されるため、耐熱性が要求される。 フレキシブル基板の樹脂基板は、樹脂フィルムにはハンダ耐熱性、耐薬品性の点から主にポリイミドおよびポリエステルが使用されていた。 近年は環境への配慮から鉛フリーハンダが用いられるようになったが、そのためハンダの融点が高くなり、プリント配線板には高い耐熱性が求められ、ポリエステルよりも耐熱性に優れたポリイミドが広く用いられている。
【0004】
しかし、フレキシブル基板に広く使われているポリイミド樹脂は吸湿性があり、加熱加圧により銅箔をラミネートした後に、乾燥した状態で取り扱わないと、大気中の水分を吸湿して変形する問題がある。 また、現在フレキシブルプリント配線板に広く用いられているポリイミド樹脂の熱膨張係数は2.7×10−5/℃であり、銅の熱膨張係数1.6×10−5/℃と異なるため、加熱時にプリント配線板の反りが生じやすい。 このため、ポリイミド樹脂を用いたプリント配線板は、近年のファインピッチ化の要求に対して寸法安定性の課題が生じている。 さらに、パソコンや移動体通信等で電気信号が高周波化しているが、これに対応するため比誘電率の小さい樹脂基板が求められている。
【0005】
このようなプリント配線板に使われる樹脂基板への要求に対して、スーパーエンジニアリングプラスチックスのひとつである液晶ポリマーの採用が検討されている。 液晶ポリマーは高強度、耐薬品性を有すると共に、吸湿性がポリイミドよりも小さく、寸法安定性に優れるといった特徴を有している。 また、液晶ポリマーの分子は細長い棒状であるが、長軸方向と短軸方向で熱膨張係数が異なるという特性を持つ。 この特性から、液晶ポリマーの分子配向性を制御することによって、液晶ポリマーの熱膨張係数を調節することが可能である。 液晶ポリマーの熱膨張係数を導電材である銅の熱膨張係数と一致させることで、加熱時に寸法変化の差を小さくすることができ、プリント配線板の反りが生じなくなる。
さらに、比誘電率はポリイミドが約3.5であるのに対して、液晶ポリマーが約3.0と小さい。 このため、液晶ポリマーは高周波用途の樹脂基板としても適している。
【0006】
液晶ポリマーは芳香族ポリエステル系の熱可塑性樹脂であるが、耐熱性に優れており、ハンダ接続が可能である。 一方で、液晶ポリマーは融点以上に加熱することによって軟化するので、導電材である銅箔と液晶ポリマーとを加熱加圧することによって、接着剤を用いることなく熱融着で貼り合わせることが可能である。 液晶ポリマーと銅箔とを接着剤で貼り合わせることも可能ではあるが、接着剤のような熱膨張係数の異なる材料を液晶ポリマーと銅箔との間に入れることは寸法安定性を損なうことになる。 プリント配線板の寸法安定性を高く維持するには、液晶ポリマーと銅箔とを直接に貼り合わせることが好ましい。
【0007】
液晶ポリマーを積層板の樹脂基板として、導電材である銅箔を接着剤を用いずに、液晶ポリマーのフィルムと圧延銅箔とを、加熱プレス機や加熱ローラーを用いて液晶ポリマーの融点以上の温度に保ちながら加圧して、熱融着で貼り合わせたところ、液晶ポリマーと純銅の圧延銅箔との接着性が悪く、剥離しやすいことが判明している。 具体的には化学式(1)に示す液晶ポリマーと銅箔を345℃にて熱融着させた場合、180゜ピール強度(JIS C 5016に準拠)は4N/cm程度しかなく、このため液晶ポリマーをプリント配線板の樹脂基板として用いることは、導電材である銅箔の剥離が生じやすく、断線などの欠陥となる問題がある。
【0008】
【化1】
【0009】
また、導電材として用いられる銅箔の素材には、純銅や少量の添加元素を含む銅合金が用いられ、導電性が重視される上記の分野では純度99.9%以上の純銅が用いられるのが一般的である。 しかし、銅は純度を上げると耐熱性の低下が著しくなるため、樹脂フィルムに積層する際或いはハンダ接続する際の加熱によって変形、断線する問題が発生し、信頼性が低下する。 このため、液晶ポリマーをプリント配線板の樹脂基板として用いるために、導電材である銅箔に対して樹脂接着性および耐熱性が要求されるようになっている。
これに対して、特願2000−247246のように、銅にCrあるいはZrを含む銅合金を積層板用銅箔とすることが提案されている。 しかし、CrあるいはZrを含む銅合金は時効析出硬化型の合金であるため、合金元素を固溶・析出する溶体化処理および時効析出といった熱処理工程が必要であり、製造に手間がかかるという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
プリント配線板で必要な接着強度は電子機器の製造条件や使用環境によっても異なるが、一般に180゜ピール強度が5.0N/cm以上であれば実用化が可能とされている。 本発明では、接着強度の目標値を180゜ピール強度が5.0N/cm以上とした。 また、導電性の目標値は50%IACS以上、耐熱性の目標値は液晶ポリマーとの熱融着、電子部品とのハンダ付けを考慮し1時間の加熱を行ったときの引張強さが、加熱前の引張強さと軟化したときの引張強さの中間となる温度が350℃以上であることとした。 液晶ポリマーと銅箔を貼り合わせた積層板用を実用化するためには、接着性を改善することが課題である。
本発明の目的は、液晶ポリマーとの接着性に優れ、しかもCu−Cr−Zr系のように長時間の時効処理が不要である積層板用銅合金箔を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、液晶ポリマーとの接着性を、導電性の優れる純銅をベースにして、少量の添加元素を加えた銅合金で改善されることを見いだした。 具体的には、液晶ポリマーとの接着性および導電性に対する各種の添加元素の影響について研究を重ねた結果、本発明は、
(1)Feを0.01〜3.0mass%含み、残部を銅及び不可避的不純物とし、極表層の酸化層、防錆皮膜の厚さがいずれも表面から10nm以下であって、導電率が50%IACS以上であり、液晶ポリマーを熱融着したときに180゜ピール強度が5.0N/cm以上であることを特徴とする積層板用銅合金箔。
(2)Feを0.01〜3.0mass%含み、更にAg、Al、Be、Co、Mg、Mn、Ni、P、Pb、Si、Sn、Ti、およびZnの各成分の内一種以上を総量で0.005〜2.5mass%を含有し、残部を銅及び不可避的不純物とし、極表層の酸化層、防錆皮膜の厚さがいずれも表面から10nm以下であって、導電率が50%IACS以上であり、液晶ポリマーを熱融着したときに180゜ピール強度が5.0N/cm以上であることを特徴とする積層板用銅合金箔。
(3)1時間の加熱を行ったときの引張強さが、加熱前の引張強さと軟化したときの引張強さの中間となる温度が350℃以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載の積層板用銅合金箔。
を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明において合金組成等を上記に限定した理由を述べる。
(1)Fe:Feは液晶ポリマーとの接着性を改善する効果があり、Feを銅に添加して銅合金箔とし、更に酸化層、防錆皮膜の厚さを規制することにより、液晶ポリマーとの接着性を向上することが判明した。 その理由は、Feが金属と樹脂の結合を促進して、界面の結合が強化されるためと考えられる。 Feの添加量が少なすぎると触媒として十分な作用をしないため、金属と樹脂の結合が十分に行われず、接着性の改善効果が小さい。 即ちプリント配線板として実用上に必要な180゜ピール強度5.0N/cm以上を付与するには、Feを0.01mass%以上添加することが必要である。 Feの添加量を増加すると接着性は良好となる。 また、Cu−Fe合金は時効析出硬化型の合金ではあるが、Fe粒子の析出の速度が非常に早く、短時間の熱処理でもFe粒子が十分に析出し、Cu−Cr−Zr系合金のように、長時間の時効処理が不要である。 具体的には、連続焼鈍ラインでの短時間焼鈍でも析出反応が進行する。 そのため、安価に製造することができる。
一方で、Feはその添加量が多くなると鋳造時に粗大なFeの析出物が生じて熱間加工性が低下すること、および導電性が低下することから、添加量の上限は3.0mass%である。 従って、ポリマーを基材とするプリント配線板の積層板用銅合金箔として、Feの適正な添加量の範囲は、重量比で0.01〜3.0mass%である。
【0013】
(2)Ag、Al、Be、Co、Mg、Mn、Ni、P、Pb、Si、Sn、Ti、およびZn:Ag、Al、Be、Co、Mg、Mn、Ni、P、Pb、Si、Sn、Ti、およびZnはいずれも銅合金の耐熱性を高める効果を有しており、必要に応じて1種以上の添加がなされる。 その含有量が総量で0.005mass%未満であると上記の作用に所望の効果が得られず、一方、総量で2.5mass%を越える場合には導電性、はんだ付け性、加工性を著しく劣化させる。 従って、Ag、Al、Be、Co、Mg、Mn、Ni、P、Pb、Si、Sn、Ti、およびZnの含有量の範囲は総量で0.005〜2.5mass%と定めた。 なお、これらの元素中PはCu中でFeと金属間化合物を生成し易く、添加することより、より析出反応が十分行われ、導電性が向上する。 また、Coは結晶粒の微細化に寄与し、安定した金属組織を得ることができ、Znははんだの耐熱剥離性を向上させる。 これらの推奨される添加量は、P:0.01〜0.15mass%、Co:0.6〜1.0mass%、Zn:0.05〜0.20mass%である。
以上Ag、Al、Be、Co、Mg、Mn、Ni、P、Pb、Si、Sn、Ti、およびZnはCu−Fe系合金の特性改善に有力な元素であるが、これら以外の元素であっても、銅合金の導伝率等の特性を大きく低下させずに主として固溶強化を行う元素を副成分として含む銅合金も本発明の範囲内に属するものである。
【0014】
(3)Cu−Fe合金は耐熱性のある合金であるが、上記の副成分を添加することにより、更に耐熱性が向上し、1時間の加熱を行ったときの引張強さ(TS)が、加熱前の引張強さ(TS0)と軟化したときの引張強さ(TSa)の中間(TS=(TS0+TSa)/2)となる温度が350℃以上である銅合金箔を得ることも可能である。
【0015】
ところで、プラスチック半導体パッケージに一般的に使われるエポキシ樹脂では、銅合金の表面に酸化膜(層)があっても高い接着性が得られる。 これはエポキシ樹脂と銅合金の接着が、主にエポキシ樹脂に含まれる水酸基と銅合金上に生成する酸化物の酸素原子との水素結合によるためで、添加元素は母材と酸化膜の密着性を改善している。 化学式(2)にエポキシ樹脂の分子式を示す。
【0016】
【化2】
【0017】
しかし、化学式(1)に示したような分子式を有する液晶ポリマーでは材料表層の酸化層が厚くなると上記の触媒作用を阻害するため、樹脂との密着性の改善効果が得られないことが判明した。 また、箔製品の表面の酸化が進行するのを防ぐために通常ベンゾトリアゾールなどを塗布することにより防錆皮膜を表層に形成するが、この厚さが厚いと樹脂との加熱、貼り合わせの時に防錆皮膜が分解して皮膜自体が母材より剥離しやすくなるため、結果的に樹脂との密着性を低下させることになる。 本発明者らは、研究の結果、このような液晶ポリマーとの接着性の低下を防止するためには、材料表層に生成する酸化層を表面から10nm以下、かつ防錆皮膜を表面から10nm以下とすることにより更に改善されることが判った。
本発明の銅合金箔は製造方法に限定されるものではなく、例えば合金めっき法による電解銅箔あるいは合金を溶解鋳造して圧延する圧延銅箔のような方法で製造できる。
【0018】
以下に例として圧延による方法を述べる。
溶融した純銅に所定量の合金元素を添加して、鋳型内に鋳造してインゴットとする。 インゴットは、熱間圧延である程度の厚さまで薄くした後、皮削りを行い、その後冷間圧延と焼鈍を繰返し行い、最後に冷間圧延を行って箔に仕上げる。 圧延上がりの材料は圧延油が付着しているので、アセトンや石油系溶剤等で脱脂処理をする。
【0019】
酸化層の厚さを低減するためには焼鈍で生じた酸化層を除去することが必要である。 例えば、酸洗で酸化層を除去するには硫酸+過酸化水素、硝酸+過酸化水素、または硫酸+過酸化水素+弗化物を用いることが好ましい。 また、防錆皮膜の厚さを低減するためには、例えば防錆剤の濃度を低減する方法があり、防錆剤にベンゾトリアゾールを用いた場合には、その濃度を1000ppm以下とすることが好ましい。
【0020】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明する。
銅合金の作製は、高周波真空誘導溶解炉を用いてAr雰囲気中にて高純度黒鉛製るつぼ内で純銅として無酸素銅を溶解したところへ、所定の添加元素を添加した後、鋳鉄製の鋳型内に鋳造した。 この方法で厚さ30mm、幅50mm、長さ150mm、重さ約2kgの銅合金のインゴットを得た。このインゴットを900℃に加熱して、熱間圧延により厚さ8mmまで圧延して酸化スケールを除去した後、冷間圧延と焼鈍とを繰り返し、必要により時効処理を行い、厚さ35μmの圧延上がりの銅合金箔を得た。
上記の方法で得られた厚さ35μmの銅合金箔は圧延油が付着しているのでアセトン中に浸漬して油分を除去した。 これを硫酸10mass%および過酸化水素1mass%を含む水溶液に浸漬して表面の酸化層および防錆皮膜を除去した。 この銅合金箔と液晶ポリマーとを重ねて、温度345℃に保持した平面加熱プレス機を用いて熱融着した。 ここで液晶ポリマーは前述の化学式(1)に示す分子式のものを使用した。
【0021】
このように得られた銅合金箔について、「熱間圧延性」、「酸化層と防錆皮膜の厚さ」、「導電性」、「耐熱性」および「接着強度」を以下の方法で評価した。
(1)熱間圧延性:熱間圧延性は、熱間圧延を施した材料を浸透探傷し、目視で外観を観察して、材料の割れの有無で評価した。
(2)酸化層と防錆皮膜の厚さ:オージェ電子分光分析の深さ方向分析を行い、「酸化層の厚さ」は酸素の検出強度がバックグラウンドと同一になるまでの表面からの深さを、「防錆皮膜の厚さ」は防錆剤を構成する元素である窒素の検出強度がバックグラウンドと同一になるまでの表面からの深さをそれぞれSiO2換算で測定した。
(3)導電性:導電性は20℃における電気抵抗をダブルブリッジを用いた直流四端子法で求めた。測定は試験片を幅12.7mmに切断し、電気抵抗測定間長さ50mmで行った。
(4)耐熱性:耐熱性は1時間の加熱を行ったときの室温で引張強さ(TS)を測定し,加熱前の引張強さ(TS0)と軟化したときの引張強さ(TSa)の中間(TS=(TS0+TSa)/2)となるような加熱温度を軟化温度として評価した。
(5)接着強度:接着強度は180゜ピール強度をJIS C 5016に記載された方法に準拠して実施した。 測定は引き剥がし導体幅を5.0mmとし、液晶ポリマーを引張試験機側に固定して、導体である銅合金箔を180゜方向に曲げて引き剥がした。
表1に銅合金箔の組成および表2に銅合金箔の特性等の評価結果を示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
表中に「−」で示した部分は測定を実施していないことを示す。 熱間加工性は熱間圧延後に割れが発生しなかったものを○で、割れが発生したものを×で示す。 割れが発生したものは以後の試験を実施していない。 実施例のNo.1〜No.10は本発明の銅合金箔の実施例である。 表1に示すように、本発明の銅合金箔は導電率が50%IACS以上であり、液晶ポリマーを熱融着したときの180゜ピール強度が5.0N/cm以上であり、かつ優れた導電性と接着強度を有していることがわかる。 また、いずれも熱間圧延時に割れが発生しなかった。 No.1、2はFeの添加量が本発明の範囲内ではあるが、1.5mass%以下とその添加量は少なく、Ag、Al等の副成分も添加していないため、耐熱性は若干低くなった。 そして、No.3は添加したFeの添加量の合計が本発明(請求項1)の上限値3.0%に近いため、導電率が本発明中で低い値となっている。 No.4は耐熱性を向上させるために添加したNi、Si、Zn等の添加量の合計が本発明(請求項2)の上限値2.5%に近いため、導電率が本発明中で低い値となっている。
【0025】
一方、表1に示す比較例のNo.11は本発明の合金成分を加えていない圧延銅箔である。 無酸素銅をAr雰囲気中にて溶解鋳造したインゴットを箔に加工して、液晶ポリマーと熱融着した。 素材が純銅であるので導電性が大きいが、180゜ピール強度は4.0N/cmと小さいので、プリント配線板としたときに剥離が生じるため実用に適さない。
比較例のNo.12はFeの濃度が重量比で0.01%未満であったために接着性を改善する効果が十分でなく、180゜ピール強度が5.0N/cm未満と小さい。
比較例のNo.13はFeの濃度が重量比で3.0%を超えて添加したために、鋳造時にFeの晶出物が生じてしまい、熱間圧延時に割れが発生し、熱間加工性が悪い。 このため、No.13は以後の試験を実施できなかった。
比較例のNo.14は耐熱性を向上させるためにTiを添加したが、その濃度が重量比で2.5%を超えて添加したために、導電率が小さく、プリント配線板の導電材としては適さない。
比較例のNo.15は、実施例のNo.5の銅合金箔を用いて、酸洗による酸化層及び防錆皮膜の除去工程を省略することにより、酸化層の厚さが異なるものを作製してピール強度を評価したところ、180゜ピール強度が3.4N/cmと小さくなった。
比較例のNo.16は、実施例のNo.5の銅合金を用いて、最終の脱脂にて、防錆材としてのベンゾトリアゾールを2.0%(20000ppm)含有したアセトンにて脱脂したものであるが、防錆皮膜の厚さが厚く、180°ピール強度が1.1N/cmと小さかった。
【0026】
【発明の効果】
本発明の液晶ポリマーを基材とするプリント配線板の積層板用に用いる銅合金箔は、基材樹脂と優れた接着性を有し、かつ高い導電性と耐熱性を有する。これによって、微細配線を必要とする電子回路の導電材としての用途に好適である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a copper alloy foil used for a laminate for a printed wiring board.
[0002]
[Prior art]
Printed wiring boards used in electronic circuits of electronic devices are roughly classified into hard laminates (rigid boards) and flexible laminates (flexible boards). A flexible substrate is characterized by having flexibility, and it can be stored in a bent state in an electronic device in addition to being used for wiring of a movable part, so it is also used as a space-saving wiring material. Yes. Further, since the substrate itself is thin, it is also used as an interposer for semiconductor packages or as an IC tape carrier for liquid crystal displays. In these applications, fine pitches are being made by reducing the wiring width and wiring interval of electronic circuits due to the demand for high-density mounting.
Although copper foil is mainly used as the conductive material of the printed wiring board, copper foil is classified into electrolytic copper foil and rolled copper foil depending on the manufacturing method. The electrolytic copper foil is produced by electrolytic deposition of copper from a copper sulfate plating bath onto a titanium or stainless steel drum. Since the rolled copper foil is produced by plastic working with a rolling roll, the surface form of the rolling roll is transferred to the surface of the foil, and a smooth surface is obtained. Since the copper foil used for the conductive material of the flexible substrate has good flexibility, a rolled copper foil is mainly used. The foil generally refers to a thin plate having a thickness of 100 μm or less.
[0003]
The flexible substrate is formed by laminating a resin film and a copper foil as a conductive material using an adhesive, and then curing the adhesive by heating and pressing. For bonding the resin of the flexible substrate and the copper foil, for example, an adhesive made of a thermosetting resin such as epoxy is used. After bonding, the adhesive is heated and pressed at a temperature of 130 to 170 ° C. for 1 to 2 hours. Is cured. Next, the copper foil is etched to form various wiring patterns, and the electronic components are connected by soldering and mounted. Since the material for the printed wiring board is repeatedly exposed to such a high temperature, heat resistance is required. In the resin substrate of the flexible substrate, polyimide and polyester are mainly used for the resin film from the viewpoint of solder heat resistance and chemical resistance. In recent years, lead-free solder has come to be used in consideration of the environment. However, the melting point of the solder has increased, and the printed wiring board is required to have high heat resistance. Polyimide, which has better heat resistance than polyester, is widely used. It is used.
[0004]
However, polyimide resin widely used for flexible substrates has a hygroscopic property, and if it is not handled in a dry state after laminating copper foil by heat and pressure, there is a problem that it absorbs moisture in the atmosphere and deforms. . Moreover, since the thermal expansion coefficient of the polyimide resin currently widely used for flexible printed wiring boards is 2.7 × 10 −5 / ° C., which is different from the thermal expansion coefficient 1.6 × 10 −5 / ° C. of copper, The printed wiring board is likely to warp during heating. For this reason, the printed wiring board using a polyimide resin has a problem of dimensional stability in response to the recent demand for fine pitch. Furthermore, the frequency of electrical signals is increasing in personal computers, mobile communications, etc. In order to cope with this, a resin substrate having a low relative dielectric constant is required.
[0005]
In response to the demand for such a resin substrate used for a printed wiring board, adoption of a liquid crystal polymer, which is one of super engineering plastics, has been studied. The liquid crystal polymer has characteristics such as high strength and chemical resistance, hygroscopicity smaller than that of polyimide, and excellent dimensional stability. Further, the molecules of the liquid crystal polymer are elongated rods, but have a characteristic that the coefficient of thermal expansion differs between the major axis direction and the minor axis direction. From this characteristic, it is possible to adjust the thermal expansion coefficient of the liquid crystal polymer by controlling the molecular orientation of the liquid crystal polymer. By matching the thermal expansion coefficient of the liquid crystal polymer with the thermal expansion coefficient of copper, which is a conductive material, the difference in dimensional change during heating can be reduced, and the printed wiring board is not warped.
Furthermore, the relative dielectric constant of polyimide is about 3.5, while that of liquid crystal polymer is as small as about 3.0. For this reason, the liquid crystal polymer is also suitable as a resin substrate for high frequency applications.
[0006]
The liquid crystal polymer is an aromatic polyester-based thermoplastic resin, but has excellent heat resistance and can be soldered. On the other hand, since the liquid crystal polymer softens when heated to the melting point or higher, it is possible to heat-press and bond the copper foil, which is a conductive material, and the liquid crystal polymer without using an adhesive. is there. Although it is possible to bond the liquid crystal polymer and copper foil with an adhesive, placing materials with different thermal expansion coefficients, such as an adhesive, between the liquid crystal polymer and the copper foil may impair dimensional stability. Become. In order to maintain high dimensional stability of the printed wiring board, it is preferable to directly bond the liquid crystal polymer and the copper foil.
[0007]
Using a liquid crystal polymer as the resin substrate of the laminate, without using an adhesive for the conductive copper foil, the liquid crystal polymer film and the rolled copper foil can be heated to a temperature equal to or higher than the melting point of the liquid crystal polymer using a heating press or a heating roller. It has been found that when pressure is applied while keeping the temperature and bonding is performed by heat fusion, the adhesion between the liquid crystal polymer and the rolled copper foil of pure copper is poor, and it is easy to peel off. Specifically, when the liquid crystal polymer represented by the chemical formula (1) and the copper foil are heat-sealed at 345 ° C., the 180 ° peel strength (according to JIS C 5016) is only about 4 N / cm. Is used as a resin substrate of a printed wiring board, there is a problem that the copper foil, which is a conductive material, is easily peeled off, resulting in defects such as disconnection.
[0008]
[Chemical 1]
[0009]
In addition, pure copper or a copper alloy containing a small amount of an additive element is used as a copper foil material used as a conductive material, and pure copper having a purity of 99.9% or more is used in the above-mentioned field where conductivity is important. Is common. However, when the purity of copper is increased, the heat resistance is remarkably deteriorated. Therefore, there is a problem of deformation or disconnection caused by heating at the time of laminating on a resin film or soldering, and reliability is lowered. For this reason, in order to use a liquid crystal polymer as a resin substrate of a printed wiring board, resin adhesiveness and heat resistance are requested | required with respect to the copper foil which is a electrically conductive material.
On the other hand, as disclosed in Japanese Patent Application No. 2000-247246, it has been proposed to use a copper alloy containing Cr or Zr in copper as a copper foil for laminated plates. However, since a copper alloy containing Cr or Zr is an age-precipitation hardening type alloy, a heat treatment process such as solution treatment and aging precipitation for dissolving and precipitating the alloy element is necessary, and there is a problem that it takes time for manufacturing. is there.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
The adhesive strength required for the printed wiring board varies depending on the manufacturing conditions and use environment of the electronic device, but in general, practical application is possible when the 180 ° peel strength is 5.0 N / cm or more. In the present invention, the target value of the adhesive strength was set to a 180 ° peel strength of 5.0 N / cm or more. In addition, the target value of conductivity is 50% IACS or more, and the target value of heat resistance is the tensile strength when heated for 1 hour in consideration of thermal fusion with a liquid crystal polymer and soldering with electronic components. The intermediate temperature between the tensile strength before heating and the tensile strength when softened was 350 ° C. or higher. In order to put into practical use a laminated board in which a liquid crystal polymer and a copper foil are bonded together, it is a problem to improve the adhesiveness.
An object of the present invention is to provide a copper alloy foil for a laminated board that is excellent in adhesiveness with a liquid crystal polymer and does not require a long-term aging treatment like a Cu-Cr-Zr system.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have found that the adhesiveness with the liquid crystal polymer is improved by a copper alloy based on pure copper having excellent conductivity and added with a small amount of additive elements. Specifically, as a result of repeated research on the effects of various additive elements on the adhesion and conductivity with the liquid crystal polymer, the present invention is:
(1) Fe is contained in an amount of 0.01 to 3.0 mass%, the remainder is copper and inevitable impurities, the thickness of the oxide layer and the rust preventive film on the extreme surface layer is 10 nm or less from the surface, and the conductivity is A copper alloy foil for a laminate, which is 50% IACS or more and has a 180 ° peel strength of 5.0 N / cm or more when the liquid crystal polymer is heat-sealed.
(2) Fe is contained in an amount of 0.01 to 3.0 mass%, and at least one of each component of Ag, Al, Be, Co, Mg, Mn, Ni, P, Pb, Si, Sn, Ti, and Zn is contained. It contains 0.005 to 2.5 mass% in total, with the balance being copper and inevitable impurities, the thickness of the oxide layer on the extreme surface layer and the rust preventive film are both 10 nm or less from the surface, and the conductivity is 50 % IACS or higher, and a 180 ° peel strength when heat-sealing a liquid crystal polymer is 5.0 N / cm or higher.
(3) The temperature at which the tensile strength when heated for 1 hour is intermediate between the tensile strength before heating and the tensile strength when softened is 350 ° C. or higher (1) or The copper alloy foil for laminated boards as described in (2).
Is to provide.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The reason why the alloy composition and the like are limited to the above in the present invention will be described.
(1) Fe: Fe has the effect of improving the adhesion to the liquid crystal polymer, and by adding Fe to copper to form a copper alloy foil, the thickness of the oxide layer and the rust preventive film is further regulated, whereby the liquid crystal polymer It was found to improve the adhesiveness. The reason is considered that Fe promotes the bond between the metal and the resin, and the bond at the interface is strengthened. If the added amount of Fe is too small, the catalyst does not sufficiently function, so that the metal and the resin are not sufficiently bonded, and the effect of improving the adhesiveness is small. That is, in order to give a 180 ° peel strength of 5.0 N / cm or more necessary for practical use as a printed wiring board, it is necessary to add 0.01 mass% or more of Fe. Increasing the amount of Fe added improves the adhesion. In addition, Cu—Fe alloy is an aging precipitation hardening type alloy, but the rate of precipitation of Fe particles is very fast, and Fe particles are sufficiently precipitated even in a short time heat treatment, like a Cu—Cr—Zr alloy. In addition, a long aging treatment is unnecessary. Specifically, the precipitation reaction proceeds even in the short-time annealing in the continuous annealing line. Therefore, it can be manufactured at low cost.
On the other hand, when Fe is added in large amounts, coarse Fe precipitates are produced during casting, resulting in a decrease in hot workability and a decrease in conductivity. Therefore, the upper limit of the amount added is 3.0 mass%. is there. Therefore, as a copper alloy foil for a laminated board of a printed wiring board using a polymer as a base material, the range of an appropriate addition amount of Fe is 0.01 to 3.0 mass% in weight ratio.
[0013]
(2) Ag, Al, Be, Co, Mg, Mn, Ni, P, Pb, Si, Sn, Ti, and Zn: Ag, Al, Be, Co, Mg, Mn, Ni, P, Pb, Si, Sn, Ti, and Zn all have the effect of increasing the heat resistance of the copper alloy, and one or more kinds are added as necessary. If the total content is less than 0.005 mass%, the above effect cannot be obtained. On the other hand, if the total content exceeds 2.5 mass%, the conductivity, solderability, and workability are remarkably improved. Deteriorate. Therefore, the range of the content of Ag, Al, Be, Co, Mg, Mn, Ni, P, Pb, Si, Sn, Ti, and Zn is determined to be 0.005 to 2.5 mass% in total. Note that P in these elements easily forms an intermetallic compound with Fe in Cu, and by adding it, the precipitation reaction is more sufficiently performed and the conductivity is improved. Further, Co contributes to the refinement of crystal grains and can obtain a stable metal structure, and Zn improves the heat-resistant peelability of the solder. These recommended addition amounts are P: 0.01 to 0.15 mass%, Co: 0.6 to 1.0 mass%, and Zn: 0.05 to 0.20 mass%.
As described above, Ag, Al, Be, Co, Mg, Mn, Ni, P, Pb, Si, Sn, Ti, and Zn are effective elements for improving the characteristics of the Cu-Fe-based alloy. However, a copper alloy containing, as a subcomponent, an element that mainly performs solid solution strengthening without greatly degrading characteristics such as conductivity of the copper alloy also belongs to the scope of the present invention.
[0014]
(3) The Cu—Fe alloy is a heat-resistant alloy, but by adding the above-mentioned subcomponents, the heat resistance is further improved, and the tensile strength (TS) when heated for 1 hour is increased. A copper alloy foil having a temperature that is intermediate between the tensile strength (TS 0 ) before heating and the tensile strength (TS a ) when softened (TS = (TS 0 + TS a ) / 2) is 350 ° C. or higher. It is also possible to obtain.
[0015]
By the way, the epoxy resin generally used for the plastic semiconductor package can obtain high adhesiveness even if there is an oxide film (layer) on the surface of the copper alloy. This is because the adhesion between the epoxy resin and the copper alloy is mainly due to the hydrogen bond between the hydroxyl group contained in the epoxy resin and the oxygen atom of the oxide generated on the copper alloy. The additive element is the adhesion between the base material and the oxide film. Has improved. Chemical formula (2) shows the molecular formula of the epoxy resin.
[0016]
[Chemical 2]
[0017]
However, it has been found that the liquid crystal polymer having the molecular formula shown in the chemical formula (1) does not have the effect of improving the adhesion with the resin because the catalytic action is inhibited when the oxide layer on the material surface becomes thick. . In order to prevent the oxidation of the surface of the foil product, a rust preventive film is usually formed on the surface layer by applying benzotriazole or the like. If this thickness is thick, it will be prevented during heating and bonding with the resin. Since the rust film is decomposed and the film itself is easily peeled off from the base material, the adhesiveness with the resin is lowered as a result. As a result of research, the present inventors have found that, in order to prevent such a decrease in adhesion to the liquid crystal polymer, the oxide layer formed on the material surface layer is 10 nm or less from the surface, and the rust preventive film is 10 nm or less from the surface. It has been found that this can be further improved.
The copper alloy foil of the present invention is not limited to the production method, and can be produced by a method such as an electrolytic copper foil by an alloy plating method or a rolled copper foil obtained by melting and casting an alloy.
[0018]
The method by rolling is described as an example below.
A predetermined amount of alloy element is added to molten pure copper and cast into a mold to form an ingot. The ingot is thinned to a certain thickness by hot rolling, and then subjected to skin cutting, then cold rolling and annealing are repeated, and finally cold rolling is performed to finish the foil. Since the rolling oil is attached to the rolled material, degreasing treatment is performed with acetone or petroleum solvent.
[0019]
In order to reduce the thickness of the oxide layer, it is necessary to remove the oxide layer generated by annealing. For example, it is preferable to use sulfuric acid + hydrogen peroxide, nitric acid + hydrogen peroxide, or sulfuric acid + hydrogen peroxide + fluoride to remove the oxide layer by pickling. Further, in order to reduce the thickness of the rust preventive film, for example, there is a method of reducing the concentration of the rust preventive agent. When benzotriazole is used as the rust preventive agent, the concentration may be set to 1000 ppm or less. preferable.
[0020]
【Example】
Examples of the present invention will be described below.
The copper alloy is prepared by adding a predetermined additive element to a place where oxygen-free copper is dissolved as pure copper in a high-purity graphite crucible in an Ar atmosphere using a high-frequency vacuum induction melting furnace, and then casting a cast iron mold. Cast in. By this method, an ingot of copper alloy having a thickness of 30 mm, a width of 50 mm, a length of 150 mm, and a weight of about 2 kg was obtained. This ingot is heated to 900 ° C. and rolled to a thickness of 8 mm by hot rolling to remove the oxide scale, and then cold rolling and annealing are repeated, and an aging treatment is performed as necessary, resulting in a roll having a thickness of 35 μm. A copper alloy foil was obtained.
The 35 μm-thick copper alloy foil obtained by the above method had rolling oil attached thereto, so it was immersed in acetone to remove the oil. This was immersed in an aqueous solution containing 10 mass% sulfuric acid and 1 mass% hydrogen peroxide to remove the surface oxide layer and rust preventive film. The copper alloy foil and the liquid crystal polymer were stacked and heat-sealed using a flat heating press machine maintained at a temperature of 345 ° C. Here, a liquid crystal polymer having a molecular formula shown in the chemical formula (1) was used.
[0021]
The copper alloy foil thus obtained was evaluated for “hot rollability”, “thickness of oxide layer and rust preventive film”, “conductivity”, “heat resistance” and “adhesion strength” by the following methods. did.
(1) Hot-rollability: Hot-rollability was evaluated based on the presence or absence of cracking of the material by penetrating the hot-rolled material and visually observing its appearance.
(2) Thickness of oxide layer and anticorrosive film: Analyzed by the depth direction of Auger electron spectroscopy, “Oxide layer thickness” is the depth from the surface until the detected oxygen intensity becomes the same as the background. “Thickness of rust preventive film” was measured in terms of SiO 2 in terms of the depth from the surface until the detected intensity of nitrogen, which is an element constituting the rust preventive agent, becomes the same as the background.
(3) Conductivity: The conductivity was determined by the DC four-terminal method using a double bridge for the electrical resistance at 20 ° C. The measurement was performed by cutting the test piece into a width of 12.7 mm and a length of 50 mm between the electrical resistance measurements.
(4) Heat resistance: Heat resistance is measured by measuring the tensile strength (TS) at room temperature when heated for 1 hour, and the tensile strength (TS 0 ) before heating and the tensile strength (TS The heating temperature which becomes the middle of ( a ) (TS = (TS 0 + TS a ) / 2) was evaluated as the softening temperature.
(5) Adhesive strength: The adhesive strength was 180 ° peel strength according to the method described in JIS C 5016. In the measurement, the peeled conductor width was set to 5.0 mm, the liquid crystal polymer was fixed to the tensile tester side, and the copper alloy foil as the conductor was bent in a 180 ° direction and peeled off.
Table 1 shows the composition of the copper alloy foil, and Table 2 shows the evaluation results such as the characteristics of the copper alloy foil.
[0022]
[Table 1]
[0023]
[Table 2]
[0024]
The part indicated by “-” in the table indicates that measurement is not performed. The hot workability is indicated by ◯ when cracks did not occur after hot rolling, and by × when cracks occurred. Those with cracks were not tested afterwards. No. of an Example. 1-No. 10 is an example of the copper alloy foil of the present invention. As shown in Table 1, the copper alloy foil of the present invention has an electrical conductivity of 50% IACS or higher, a 180 ° peel strength when the liquid crystal polymer is heat-sealed, and is excellent at 5.0 N / cm or higher. It turns out that it has electroconductivity and adhesive strength. In addition, no cracks occurred during hot rolling. No. Although the addition amount of Fe is within the range of the present invention for 1 and 2, the addition amount is as small as 1.5 mass% or less, and no auxiliary components such as Ag and Al are added, so the heat resistance is slightly lowered. It was. And No. 3, the total amount of added Fe is close to the upper limit of 3.0% of the present invention (Claim 1), so the conductivity is a low value in the present invention. No. No. 4 has a low conductivity in the present invention because the total amount of Ni, Si, Zn and the like added to improve heat resistance is close to the upper limit of 2.5% of the present invention (Claim 2). It has become.
[0025]
On the other hand, No. of the comparative example shown in Table 1. 11 is the rolled copper foil which has not added the alloy component of this invention. An ingot obtained by melting and casting oxygen-free copper in an Ar atmosphere was processed into a foil, and heat-sealed with a liquid crystal polymer. Since the material is pure copper, the electrical conductivity is large, but the 180 ° peel strength is as small as 4.0 N / cm, so that it is not suitable for practical use because peeling occurs when it is used as a printed wiring board.
Comparative Example No. No. 12 had an Fe concentration of less than 0.01% by weight, so that the effect of improving adhesiveness was not sufficient, and the 180 ° peel strength was as small as less than 5.0 N / cm.
Comparative Example No. No. 13 was added with a Fe concentration exceeding 3.0% by weight, so that Fe crystallized product was produced during casting, cracking occurred during hot rolling, and hot workability was poor. For this reason, no. No further test could be carried out for No. 13.
Comparative Example No. No. 14 added Ti in order to improve heat resistance, but its concentration exceeded 2.5% by weight, so the conductivity was small and it was not suitable as a conductive material for printed wiring boards.
Comparative Example No. No. 15 of the example. Using the copper alloy foil of No. 5 and omitting the removal step of the oxide layer and the rust preventive film by pickling, products having different oxide layer thicknesses were prepared and the peel strength was evaluated. Was as small as 3.4 N / cm.
Comparative Example No. No. 16 of the example. 5 was degreased with acetone containing 2.0% (20000 ppm) of benzotriazole as a rust preventive material in the final degreasing using the copper alloy of 5, but the thickness of the rust preventive film was thick, The 180 ° peel strength was as small as 1.1 N / cm.
[0026]
【The invention's effect】
The copper alloy foil used for the laminated board of the printed wiring board which uses the liquid crystal polymer of this invention as a base material has a base resin and the outstanding adhesiveness, and has high electroconductivity and heat resistance. This is suitable for use as a conductive material for electronic circuits that require fine wiring.
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