JP4798872B2 - フルイディック素子、フルイディック型流量計、および複合型流量計 - Google Patents

フルイディック素子、フルイディック型流量計、および複合型流量計 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フルイディック素子の製造方法、フルイディック素子、フルイディック型流量計、複合型流量計に係り、より詳しくは、流体の流量変化に対応するフルイディック振動を検出するフルイディック素子の製造方法、フルイディック素子、フルイディック型流量計、および複合型流量計に関する。例えば、都市ガス(LNG)やプロバンガス(LPG)などの流量計、あるいは、都市ガス(LNG)、プロバンガス(LPG)、エアコン、エンジンなどの流量制御装置等に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、フルイディック型流量計においては種々の提案がなされている。
例えば、特開平8−210886号公報に記載されているものとして、図6に示すようなフルイディック素子100が用いられている。このフルイディック素子100は、流体入口101、ノズル102、流路拡大部103、および流体排出口104を順次接続させて形成した流路と、流路拡大部103に配設されてノズル102の出口と対向する誘振子105と、その下流側に配置されたエンドブロック106とを有している。
【0003】
このようなフルイディック素子100を用いたフルイディック型流量計では、ノズル102から下流側に向かって噴出する流体が誘振子105の外側に沿って交互に振り分けられる。図6の誘振子105の下側に流体が流れる状態から説明すると、ノズル102から噴出する流体の大部分は流路拡大部103から流体排出口104に向けて流れるが、一部はエンドブロック106にぶつかって流路拡大部103の下側の側壁に沿って帰還流体となり、新たにノズル102からの噴出する流体の噴流に直角方向からぶつかる。
【0004】
この帰還流体のエネルギーによって、新たにノズル102から噴出する流体の噴流は今度は誘振子105の上側に流れ、一部はエンドブロック106にぶつかって流路拡大部103の上側の側壁に沿って帰還流体となり、新たにノズル102からの噴出する流体の噴流に直角方向からぶつかる。
【0005】
この帰還流体のエネルギーにより、新たにノズルから噴出する流体の噴流は、今度は誘振子105の下側に流れる。ノズル102から噴出する噴流の流れの振り分けはこのようにして繰り返される。
【0006】
フルイディック型流量計は、上記のように流体に生じた振動(交番圧力波)の周波数を圧力センサにより検出し、その検出した出力を電気信号に変換することで流体の流量を測定しようとするものである。このようなフルイディック型流量計では、流体が一定幅のノズル102から誘振子105に向けて噴出した場合に、周囲の流体の流速より速い高速の流れの「噴流」と、その流れの中に置かれた誘振子105の下流側で見られる「後流」との関係が重要となり、2次元の場で考えると誘振子105の形状がフルイディック振動特性に極めて重要な役割りを果たしている。
【0007】
より詳しく説明すると、ノズル102からの「噴流」が半無限の空間に噴出した場合は「噴流」の方向は安定するが、流路拡大部103の空間は制限があって中央には誘振子105があるので、噴流はノズル102から噴出するときの初速の方向が維持できなくなり、このため二次元の噴流が不安定となって、この不安定性によりフルイディック振動が始まるきっかけが生まれると考えられる。
【0008】
一方、流れの中に配置した誘振子105の下流側には非対称配列の渦(カルマン渦)が生成され、この渦列は蛇行する流れとなる。したがって、「後流」は振動流となり安定し得なくなると考えられる。
【0009】
このように、「噴流」も「後流」も誘振子105の形状やエンドブロック106や流路拡大部103の壁面によって影響を受けて不安定となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来のフルイディック型流量計は、小流量域での直線性が悪いが大流量域の測定に適しているので、例えば都市ガスの流量を測定するガスメータ等では、小流量域の測定に適したフローセンサ等の熱式流量検出センサとフルイディック型流量計とを合わせ持つ複合型流量計が用いられている。
【0011】
このため、フルイディック型流量計は、最低振動流量(フルイディック振動の開始流量)が低く、流量範囲には広いダイナミックレンジが望まれている。仮に、フルイディック型流量計の流体振動開始量を0流量から使うことができれば、熱式流量検出センサを用いることなくフルイディック型流量計のみによる流量計が実現できる。例えそうならなくても、フルイディック型流量計の安定した流体振動開始の流量を少しでも低くすることができれば、熱式流量検出センサへの要求仕様を緩めることができる。
【0012】
すなわち、現状の複合型流量計では、例えばフルスケール4000L(リットル)/h(時間)で、200L/h〜数1000L/hの範囲をフルイディック型流量計で受け持ち、0〜200L/hの範囲を熱式流量検出センサで受け持っている。このため、熱式流量検出センサの流量受け持ち範囲が2桁もあることから小流量域の測定精度が得られ難いという問題点があった。
【0013】
これにより、熱式流量検出センサの性能に厳しい仕様が要求され、流量計として使用する場合には複雑な信号処理や流量補正演算処理が必要となる。従って、フルイディック型流量計の流体振動開始量を100L/h以下にすることができただけでも、信号処理のし易さ、信頼性、あるいは製造コストの面での改善に与える影響は大きくなる。このようなことから、フルイディック型流量計で振動を検出し始めたときの流量(最低振動検出流量)、流量−振動数特性に関してさまざまな実験的な検討を行っており、「エンドブロック奥行き:ノズル出口とノズルに対向するエンドブロックまでの距離」が重要な制御因子であることがわかっており、これまでに種々の提案がなされている。
【0014】
これを具体的に説明すると、最低振動検出流量を低下させるためにはノズルの出口とノズルに対向するエンドブロックとの距離は流路拡大部深さ方向に渡って一定であることが望ましく、かつ最適な距離が存在するのでそのようにしている。
【0015】
前述したノズルの出口と、そのノズルに対向するエンドブロックとの最適な距離よりもノズル出口に対して遠くに離れれば、フルイディック振動周波数(F)の流量(Q)依存性は同一流量時の振動周波数が低くなってゆき、流量−振動周波数の直線性(dF/dQ)が悪くなる。
【0016】
また、前述した最適な距離よりもノズル出口に近くなれば、フルイディック振動周波数(F)の流量(Q)依存性は同一流量時の振動周波数が高くなっていき、流量−振動周波数の直線性(dF/dQ)が悪くなる。
【0017】
したがって、ノズルの出口と、そのノズルに対向するエンドブロックとの距離を管理してやれば性能的にはまったく問題がなくなる。
【0018】
しかしながら、実験室レベルでの仕事ではアルミニウムブロックを切削加工することにより製作していたので問題はなかったが、製品化のために生産性を考慮して金型成型により製作することを検討してみると、ノズルの出口と、そのノズルに対向するエンドブロックとの距離は流路拡大部深さ方向に渡って一定にすることはコストのかかる課題となり、必ずしも容易でないことがわかってきた。つまり、通常の金型成型による方法では、エンドブロックがフルイディック素子の床面(底面)から柱状に直立しているため、成型時の温度分布の差によって熱応力がかかり、ノズル出口に対してエンドブロックが傾いたり、エンドブロックの根元部にバリが存在するような場合には、バリが存在する部分とそうでない部分とで流れの状態が乱れてしまい、流量計としての性能が著しく低下するという問題点があった。
【0019】
このため、生産性を重視して金型成型により製作する場合には、エンドブロックが傾いたりバリが発生しないようにするため、エンドブロックの根元部に曲面を形成する必要がある。しかしながら、この曲面の半径が大きくなるに従ってエンドブロックの傾きは抑制されるが、エンドブロックの根元部に対する噴流の剥離位置の変動が大きくなって、その結果、小流量域での流量に対するフルイディック振動周波数の直線性が悪くなるという問題点があった。
【0020】
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたものであり、実験室で得られた最適な形状による性能、小流量域でのフルイディック振動を安定させて、フルイディック振動出力による流量測定領域を小流量域側に広げることを維持しながら金型成型も可能なエンドブロックの根元部の形状、すなわち曲面半径とカット面を持ったフルイディック素子の製造方法とその製造方法により制作したフルイディック素子、フルイディック型流量計、および複合型流量計を提供することを目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明にかかるフルイディック素子は、ノズルおよびこのノズルの断面積より広い流路拡大部を接続してなる流路と、前記ノズルの出口に対向する位置で前記流路拡大部に配置された誘振子と、前記誘振子の下流側となる位置で前記流路拡大部に配置されたエンドブロックとを有し、前記ノズルから噴出される流体の流れを前記誘振子を中心に左右に振り分けて交番圧力波を生じさせるフルイディック素子において、前記エンドブロックの根元部が前記誘振子で均等に振り分けられた流体を安定に帰還するために滑らかになるように形成されており、前記流路拡大部の深さをhとし、前記エンドブロックの根元部の半径をRとした場合に、前記エンドブロックの根元部の半径Rと前記流路拡大部の深さhとの関係が、R/h=0.12以下の曲面として形成されていることを特徴とする
【0042】
この請求項1に記載の発明によれば、エンドブロックの根元部における流体の剥離位置の変動が少なくなって、渦の発生する位置が安定するようになり、後流の振り分けが安定する。
【0050】
この請求項1に記載の発明によれば、曲面の半径が具体的に与えられていることから、ノズルから噴出された流体のエンドブロックの根元部における流体の剥離位置の変動が一定の範囲以下に抑制されて、後流の振り分けが安定する。
【0059】
請求項2に記載の発明にかかるフルイディック型流量計は、前記請求項1に記載のフルイディック素子と、前記フルイディック素子により発生される交番圧力波に応じた信号を出力する圧力センサと、を備えていることを特徴とする。
【0060】
この請求項2に記載の発明によれば、ノズルから噴出された流体が誘振子によって振り分けられた後に続いて、エンドブロックの根元部での流体の剥離位置の変動が少なくなるので、後流の振り分けを安定させ得るフルイディック型流量計が提供できる。
【0061】
請求項3に記載の発明にかかる複合型流量計は、前記請求項2に記載のフルイディック型流量計と、小流量域の流体の流量を検出する小流量域検出素子と、を備えていることを特徴とする。
【0062】
この請求項3に記載の発明によれば、ノズルから噴出された流体が誘振子によって振り分けられた後にエンドブロックの根元部での流体の剥離位置の変動が少なくなり、後流の振り分けを安定させ得る計測流量のダイナミックレンジの広いフルイディック型流量計を提供することができる。
【0063】
請求項4に記載の発明にかかる複合型流量計は、請求項3に記載の複合型流量計において、前記小流量域検出素子は、前記フルイディック型流量計の前記ノズルの入口側に配置されていることを特徴とする。
【0064】
この請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と同等の作用が得られる上、流路の構成を簡略化することができる。
【0065】
請求項5に記載の発明にかかる複合型流量計は、請求項4に記載の複合型流量計において、前記小流量域検出素子は、前記フルイディック型流量計の前記ノズルによる流体の流れの変動に影響されない位置に形成された小流量流路に配置されていることを特徴とする。
【0066】
この請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明と同等の作用が得られる上、小流量域検出素子の出力により流体の流量を測定する場合に、流路拡大部における流体の流れの変動に左右されずに測定が可能となる。
【0067】
請求項6に記載の発明にかかる複合型流量計は、請求項3〜5の何れか一項に記載の複合型流量計において、前記小流量域検出素子として熱式流量検出センサを用いることを特徴とする。
【0068】
この請求項6に記載の発明によれば、請求項3〜5に記載の発明と同等の作用が得られる上、小流量域での測定感度を高めることができる。
【0069】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るフルイディック素子、フルイディック型流量計、および複合型流量計の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0070】
図1は、本実施の形態に係るフルイディック素子の斜視図であり、図2は、本実施の形態に係る複合型流量計の概略構造を示す平面図である。
【0071】
まず、図1を参照してフルイディック素子1Aの構成を説明する。このフルイディック素子1Aは、図中の矢印で示した流体の流れ方向に向かうに従って流路断面積が絞られた流路絞り部2と、ノズル3と、このノズル3の断面積より広い流路拡大部4とが順次接続してなる流路5と、ノズル3の出口6に対向する位置で流路拡大部4に配置された誘振子7と、この誘振子7の下流側となる位置で流路拡大部4に配置されたエンドブロック8とを有していて、ノズル3の中心を通る中心線を挟んで対称の形状となるようにプラスチック材料を用いて成型されている。そして、流路絞り部2の上流側の端部と流路拡大部4の下流側の端部とは開放されている。また、流路絞り部2の両側の壁面には複数の溝9が形成されている。
【0072】
このようなフルイディック素子1Aは、図2に示すような流量計本体10に組み込まれ、この流量計本体10の上面を閉塞する蓋(図示せず)によって上面の開口面が覆われている。そして、その蓋の上面には、圧力センサ(図示せず)が取り付けられている。
【0073】
この圧力センサは、ノズル3の出口6側の両側に配置されて蓋に形成された孔11を介してフルイディック素子1Aの交番圧力波を検出し、その検出した圧力に応じた電気信号を出力する。
【0074】
また、フルイディック素子1Aに形成された溝9には、整流網12と整流格子13とが組み込まれている。流量計本体10には、流体流入口14と、流体流出口15と、流体流入口14から流体流出口15に向けて流体としてのガスを流す流路16が形成されていて、この流路16の中央部にフルイディック素子1Aが配置されている。
【0075】
フルイディック素子1Aの流路絞り部2の上流側は流体流入口14に、流路拡大部4の出口側は流体流出口15に接続されている。さらに、フルイディック素子1Aの上流側となる流路16には、地震等の異常な振動を受けたときに駆動部17により流路16を遮断する遮断弁18が組み立てられている。以上の組み立てによりフルイディック型流量計20が構成されている。
【0076】
さらに、フルイディック素子1Aのノズル3の入口側には、小流量検出素子としての感熱式流量検出センサ(以下、本実施の形態ではフローセンサと称する)19を配設することにより、複合型流量計30が構成されている。このフローセンサ19は、ガスの流量に応じた電気信号を出力するので、その出力に基づいてガスの流量が測定される。
【0077】
フルイディック型流量計20の主要な構成部品であるフルイディック素子1Aは、流体流入口14から流入したガスがノズル3から下流側に向かって噴出すると、ガスは誘振子7の外側に沿って交互に振り分けられる。図2において、ガスが誘振子7の上側を流れる状態から説明すると、ノズル3から噴出するガスの大部分は流路拡大部4から流体流出口15に向かって流れるが、一部はエンドブロック8にぶつかって流路拡大部4の上側の側壁に沿って帰還流体となり、新たにノズル3から噴出するガスの噴流に略直角方向からぶつかる。
【0078】
この帰還流体のエネルギーにより、新たにノズル3から噴出するガスの噴流は今度は誘振子7の下側を流れ、一部はエンドブロック8にぶつかり、流路拡大部4の下側の側壁に沿って帰還流体となり、新たにノズル3からの噴出するガスの噴流に略直角方向からぶつかる。この帰還流体のエネルギーにより、新たにノズル3から噴出するガスの噴流は今度は誘振子7の上側に流れる。ノズル3から噴出する噴流の流れの振り分けはこのようなコアンダ効果によって繰り返される。このようにすることで生じた流体振動(交番圧力波)を圧力センサにより検出し、その出力の周期を電気信号に変換して認識することでガスの流量を測定しようとするものである。
【0079】
ところで、フルイディック素子1Aは、ABS(Alkyl Benzene Sulfonate)、PBT(Poly Butyrene Terephthalate)、PC(polycabonate)、POM(Polyacetal resin)、BMC(Bulk Molding Compound)等のプラスチック材料により成型されている。この場合、成型後の寸法変化を小さくする上で、プラスチック材料は方向によって収縮率が異なるが、平均の収縮率が例えば5/1000程度と低いABS、PBT、PC等が好ましい。
【0080】
また、フルイディック素子1Aを成型するときは金型を用いるので、金型の合わせ目となるエンドブロック8の根元部8aにはバリが生じ易くなる。このバリは、前述したように流体がノズル3によって振り分けられてエンドブロックに沿って流れるときに流れを乱す原因となる。また、エンドブロック8が傾くことになる。
【0081】
そこで、このバリの発生や傾きを避けるために、エンドブロック8の根元部8aに曲面を形成するが、その曲面の半径が大き過ぎると流体の剥離位置の変動が大きくなる。また、そのバリや傾きを仕上げ加工等により一定値に定めることは至難であるし、コストがかさむ方法でもある。
【0082】
このため、本実施の形態のフルイディック素子1Aは、エンドブロック8の根元部8aが一定の半径以下の曲面となるような公差を満足するように成型されている。ここでいう一定の半径とは、流路拡大部の深さをhとし、半径をRとした場合に、R/h=0.12以下である。特に、R/h=0.04ならばさらによい。流路拡大部の深さhは、この例では25mmであるので、前者の半径Rは3mm、後者の半径Rは1mmとなる。
【0083】
従って、このような方法で製造されたフルイディック素子1Aのエンドブロック8の根元部8aは、曲面Rのないエッジ(直角)の状態から、3mm以下の半径をもつ曲面の状態に維持されている。このような構成において、ノズル3からガスが噴出するときに、誘振子7によって振り分けられた流体(噴流)がエンドブロック8の根元部8aと根元部以外におけるガスの剥離位置の変動が許容範囲であり、後流の振り分けが安定する。
【0084】
また、ノズル3から噴出して流路拡大部を流れる流体の流れの層方向と平行な底面内における前記エンドブロック8の根元部8aの全域が均一に一定の半径以下の曲面となるような公差を満足するようにフルイディック素子1Aを成型することにより、成型されたフルイディック素子1Aのエンドブロック8の根元部8aにより、その高さ方向に直立の状態に維持される。したがって、二次元の場においても後流の振り分けが安定する。
【0085】
さらに、ノズルの中心と誘振子の中心を通る中心線で振り分けられる前記エンドブロック8の根元部8aの両側が均一に一定の半径以下の曲面となるような公差を満足するようにフルイディック素子1Aを成型することにより、エンドブロック8は直立の状態に維持される。したがって、コアンダ効果による後流の振り分けが極めて均等に行われる。
【0086】
ここで、エンドブロック8の根元部8aの曲面の半径がR/h=0.12(半径3mm)の場合の実験結果を示したのが図3〜図5である。
【0087】
図3は、本実施の形態による最低振動流量のR/hの依存性を示したグラフである。図3に示すように、R/h=0.16(半径4mm)近傍から最低振動流量が低下し始め、R/h=0.12(半径3mm)で最低振動流量が150L/Hを満足している。150L/Hを過ぎたあたりからR/hの値が小さくなるにつれて緩やかに最低振動流量が低下してゆき、R/h=0.04(半径1mm)で100L/Hを満足し、100L/Hで変曲点を持ち、R/h=0(直角)90L/Hに収束していくことがわかる。
【0088】
図4は、0L/H〜6000L/Hの流量域での交番圧力波の振動の周期で流量毎にわり算をした、すなわち一回振動当たりの流量を測定したグラフであり、パルス定数の流量依存性を示したグラフである。図4を見ると分かるように、フルイディック振動の一周期に対する流量値が安定していれば、パルス定数は一定値になり、不安定であれば傾きを持つことになる。図4のグラフに示すように、R/h=0.16でパルス定数の流量依存性は傾きを持っており、流量に対するフルイディック振動は不安定であることを示している。
【0089】
R/h=0.12でパルス定数の流量依存性は安定している。この値は従来よりも改善された値である。200L/h〜400L/h以下の小流量域において計量法で許容される器差3%の範囲に入る値であった。
【0090】
低流量域の直線性をさらに改善するには、エンドブロック8の根元部の半径Rと流路拡大部の深さの比:R/hを更に小さくすればよい。すなわち、図4に示すように、R/h=0.04ではR/h=0.12に比べてパルス定数の値がさらに小さくなっている。このことは、R/h=0.04のフルイディック振動周波数の流量依存性は、R/h=0.12よりもより大きな傾きdF/dQであることを示しており、流量測定の精度が良くなることを示している。
【0091】
これまでは、エンドブロック8の根元部8aが一定の半径以下の曲面Rとなるような公差を満足するように成型したときの実施の形態について説明をしてきた。ここでいう一定の半径とは、流路拡大部の深さをhとし、半径をRとしたときの、R/h比であった。今回、エンドブロック8の根元部8aが一定以下のカット面Cであってもよく、C/h比による公差を満足すれば良いことがわかった。
【0092】
図5は、本実施の形態におけるパルス定数の流量依存性を示したグラフである。図5では、比較のためにR/h=0.04(半径1mm)とC/h=0.04(カット面1mm)に対して実験を行ったところ、エンドブロック8の根元部8aに曲率Rを付けた場合と、カット面Cを付けた場合とで同様な効果が得られることがわかった。
【0093】
また、本実施の形態では、図2に示すように、フルイディック素子1のノズル3の入口側にフローセンサ19を配置したので、複合型流量計30としての流路16の構成を簡略化することができる。
【0104】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、エンドブロックにおける流体の剥離位置の変動が少なく、後流振り分けが安定し、これによって、小流量域でのフルイディック振動を安定化させ、フルイディック振動出力による流量測定領域を小流量域側に広げることができる。
【0108】
請求項1に記載の発明によれば、ノズルから噴出した流体が誘振子で振り分けられた後流がエンドブロックの根元部における流体の剥離位置の変動を一定の範囲以下に抑制し、後流の方向を安定させることができる。
【0113】
請求項2に記載の発明によれば、ノズルから噴出された流体が誘振子によって振り分けられた後に続いて、エンドブロックの根元部での流体の剥離位置の変動が少なくなり、後流の振り分けを安定させ得るフルイディック型流量計を提供することができる。
【0114】
請求項3に記載の発明によれば、ノズルから噴出した流体がエンドブロックにおける流体の剥離位置の変動を少なくし、後流の方向を安定させ得る複合型流量計を提供することができる。
【0115】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明と同等の効果が得られる上、流路の構成を簡略化することができる。
【0116】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の効果に加えて、小流量域検出素子の出力により流体の流量を測定する場合に、ノズルにおける流体の流れの変動に左右されずに測定が可能となる。
【0117】
請求項6に記載の発明によれば、請求項3〜5に記載の発明と同等の効果が得られる上、小流量域での測定感度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るフルイディック素子の斜視図である。
【図2】本実施の形態に係る複合型流量計の概略構造を示す平面図である。
【図3】本実施の形態による最低振動流量のR/hの依存性を示したグラフである。
【図4】本実施の形態において0L/H〜6000L/Hの流量域での交番圧力波の振動の周期で流量毎にわり算をしたグラフである。
【図5】本実施の形態におけるパルス定数の流量依存性を示したグラフである。
【図6】従来のフルイディック素子の概略構成を示す平面図である。
【符号の説明】
1A フルイディック素子
2 流路絞り部
3 ノズル
4 流路拡大部
5 流路
6 出口
7 誘振子
8 エンドブロック
8a 根元部
9 溝
10 流量計本体
11 孔
12 整流網
13 整流格子
14 流体流入口
15 流体流出口
16 流路
17 駆動部
18 遮断弁
19 感熱式流量検出センサ(フローセンサ)
20 フルイディック型流量計
30 複合型流量計

Claims (6)

  1. ノズルおよびこのノズルの断面積より広い流路拡大部を接続してなる流路と、前記ノズルの出口に対向する位置で前記流路拡大部に配置された誘振子と、前記誘振子の下流側となる位置で前記流路拡大部に配置されたエンドブロックとを有し、前記ノズルから噴出される流体の流れを前記誘振子を中心に左右に振り分けて交番圧力波を生じさせるフルイディック素子において、
    前記エンドブロックの根元部が前記誘振子で均等に振り分けられた流体を安定に帰還するために滑らかになるように形成されており、
    前記流路拡大部の深さをhとし、前記エンドブロックの根元部の半径をRとした場合に、前記エンドブロックの根元部の半径Rと前記流路拡大部の深さhとの関係が、R/h=0.12以下の曲面として形成されていることを特徴とするフルイディック素子。
  2. 前記請求項1に記載のフルイディック素子と、
    前記フルイディック素子により発生される交番圧力波に応じた信号を出力する圧力センサと、
    を備えていることを特徴とするフルイディック型流量計。
  3. 前記請求項2に記載のフルイディック型流量計と、
    小流量域の流体の流量を検出する小流量域検出素子と、
    を備えていることを特徴とする複合型流量計。
  4. 前記小流量域検出素子は、前記フルイディック型流量計の前記ノズルの入口側に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の複合型流量計。
  5. 前記小流量域検出素子は、前記フルイディック型流量計の前記ノズルによる流体の流れの変動に影響されない位置に形成された小流量流路に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の複合型流量計。
  6. 前記小流量域検出素子として熱式流量検出センサを用いることを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載の複合型流量計。
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