JP2880062B2 - 簡易型フルイディック流量計 - Google Patents

簡易型フルイディック流量計

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JP2880062B2
JP2880062B2 JP1965994A JP1965994A JP2880062B2 JP 2880062 B2 JP2880062 B2 JP 2880062B2 JP 1965994 A JP1965994 A JP 1965994A JP 1965994 A JP1965994 A JP 1965994A JP 2880062 B2 JP2880062 B2 JP 2880062B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、噴出ノズルから流路
内に噴出した噴流の流体の振動現象に基づき、流体の流
量を測定する簡易型フルイディック流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の簡易型フルイディック流
量計としては、特開平4−278421号公報、特開平
4−278422号公報、特開平4−203936号公
報等に示すものが知られている。以下、図18を用いて
説明すると、図中符号1は簡易型フルイディック流量計
であり、フルイディック本体2の開口部3には、異常時
にこの開口部3を遮断してガスの供給を停止する遮断弁
4が取付られる一方、流路3の下流側には流量計測部5
が設けられている。遮断弁4の先端部分には開口部3に
面してガス導入口6が形成されており、このガス導入口
6はこのガスメータのガス流入口7に対して直角に配置
されている。フルイディック本体2の内部には、開口部
3をガスの流入口とする滞留空間8が形成されており、
この滞留空間8は流量計測部5のノズル9に連通されて
いる。
【0003】流量計測部5は、いわゆる流体振動型流量
計と呼ばれるものであり、ノズル9の下流側に設けられ
た拡大流路部10と、拡大流路部10内に配置されるタ
ーゲット11と、拡大流路部10の入り口付近に設けら
れた一対の圧力若しくは流量検出機構12とを主な構成
要素とし、拡大流路部10の後流側にはガス流出口13
が形成されている。
【0004】この簡易型フルイディック流量計1は、ガ
ス流入口7から流入したガスがガス導入口6を経て滞留
空間8内へ流入した後、ノズル9を経て拡大流路部10
内へ流入するが、ガスが狭いノズル9から拡大流路部1
0内へ噴出する際に、ガスの噴流がターゲットに衝突す
ることによって直進することなく、一方の側壁に押し寄
せられて歪められ、ターゲット11の側部を迂回して流
れることとなる。その際、噴流主流の一部が分岐して側
壁部を逆流するいわゆる帰還流となるが、この帰還流は
左右交互に発生する。帰還流は、ノズル9の拡大流路部
10への開口部付近にて、噴流主流に対して直交する方
向に流体エネルギーを付与し、制御流としての役割を果
たすこととなり、これによってノズル9から噴出する噴
流がターゲット11の両側面を左右交互に流れる現象が
発生する。この左右交互に流れる噴流の流れ現象により
生じる圧力の変化を、一対の圧力もしくは流量検出機構
12により検出し、この流体の流れが切り替わる振動周
波数を計測することにより流量を計測するようにしたも
のである。ここで、ターゲット11は流体振動を誘起す
る作用を有するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
簡易型フルイディック流量計にあっては、主に都市ガス
用の流量計として用いられているため、ノズル9の流路
の幅寸法W=3.2mmと比較的大きな流路幅となって
おり、また流路の平行部の長さLn はノズル幅Wの約4
倍以上に設定されているため、ノズル流路を流れるガス
は、流路の壁から受ける抵抗が大きくなる。この状態で
ガスがノズルから拡大流路部10内に噴出すると、ガス
の噴流が拡散し、ターゲット11が受ける噴流のエネル
ギーが安定せず、流量検出機構12に発生する信号が安
定せず、振動周波数を正確に計することができないと
いう問題点があった。
【0006】また、図19に示すように、流路の長さL
n が平行部以外のノズルの入口部9aの円弧部まで含め
た長さで規定されており、流路の平行部の長さが計測値
に大きな影響を与えるにもかかわらず、その扱いが余り
明確にされておらず、その分、計測誤差が検定公差内に
収まり難いという問題点があった。
【0007】これを解決したものとしては、特開平4−
326017号公報がある。この発明のフルイディック
流量計1は、図20に示すように、ノズルの幅Aをノズ
ルの平行部Bに対して同等以上の寸法にすることによ
り、噴流がノズル壁面の抵抗の影響を受けないようにし
て、器差特性を向上させるようにしたものであるが、こ
のフルイディック流量計にあっては、ターゲット14,
15の周囲にサイドウォール16,17やリターンガイ
ド18等が配設された複雑な構造を有する旧タイプのフ
ルイディック流量計であり、本発明の簡易型のフルイデ
ィック流量計とは拡大流路部10内での噴流の流れが異
なるものである。したがって、この発明をそのまま簡易
型のフルイディック流量計に適用しても同様の効果を有
するとは到底考えられず、また、構成と効果の関係も明
確にされていなかった。
【0008】この発明は、上述した問題を解消すべくな
されたものであり、ノズル流路の幅寸法を狭くして流体
の流速を増し、かつノズル流路の壁面から流体が受ける
抵抗の影響を少なくすることより、拡大流路部内でター
ゲットに当たるガスの噴流体のエネルギーを増大させる
と共に、エネルギーの変化を少なくして、器差曲線を安
定したものとし、測定誤差を検定公差の範囲内に入れ
て、精度の高い簡易型フルイディック流量計を提供する
ことを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明の簡易型フルイディック流量計は、入口部
に円弧状の曲線が形成され、かつ所定の幅と高さと長さ
の流路を有するノズルを設け、このノズルの流路に直交
するノズル噴出面を有すると共に、前記ノズルの後流に
前記ノズルの中心線に対して対称かつ拡大された内壁面
を有する拡大流路部を設け、この拡大流路部の前記中心
線を含む流路中央部付近に前記ノズルより噴出する噴流
の直進性を阻害するターゲットを設けると共に、前記拡
大流路部の下流側に前記拡大流路部の後流部より狭い流
路幅を有する絞り流路部を設け、前記拡大流路部の内壁
面を、前記ノズル噴出面に接する主円弧部と、この主円
弧部に滑らかに接続する拡大壁部と、この拡大壁部から
滑らかに接続し、かつ下流側で前記絞り流路部に接する
副円弧部とで構成し、この副円弧部と前記絞り流量部を
流路側に張りだした円弧状の集束円弧部により接続した
簡易型フルイディック流量計であって、前記ノズルの流
路幅をW、流路長さをLn とした場合に、W=3.0m
m以下、Ln =20mm以下とし、前記W,Ln の間に
Ln /W=0〜8の関係があることを特徴としている。
【0010】
【作用】本発明の簡易型フルイディック流量計によれ
ば、ノズルの流路幅W=3.0mm以下、流路の長さL
n =20mm以下とし、Ln /W=0〜8の範囲に設定
したので、特に、LPG等の比較的元圧の高いガスを使
用する場合において、ノズルから噴出する噴流の速度が
増大し、かつ噴流が流路の壁の抵抗の影響を受け難くな
り、噴流のエネルギーを増大させ、安定化させることが
できる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の簡易型フルイ
ディック流量計の実施例について説明する。図1から図
6は、本発明の一実施例の簡易型フルイディック流量計
を示す図である。図中符号20は簡易型フルイディック
流量計を示し、この簡易型フルイディック流量計20の
上流には流路が断面円形で流体の速度分布が三次元とな
る流体供給路21が設けられており、この流体供給路2
1と簡易型フルイディック流量計20との間には流体供
給路21から供給されるガスの流れを二次元的な流に変
える流体供給アダプタ22が設けられている。
【0012】簡易型フルイディック流量計20は、図3
に示すように、フルイディック本体23と、このフルイ
ディック本体23の内部に配設されるノズル部材24と
から主に構成されている。フルイディック本体23は矩
形状に形成されており、アルミ板に外枠部25及びター
ゲット26を残して溝部27を形成したものであり、外
枠部25の流体供給アダプタ22が接続される側(上流
側)には、ガス導入口28が形成されている一方、下流
側にはガス流出口29が形成されている。ガス導入口2
8及びガス流出口29は、断面矩形に形成されて外枠部
の中央に配置されている。
【0013】フルイディック本体23の内部には、左右
対称な形状をしたノズル部材24が固定され、さらに上
部にフルイディック本体の蓋(図示せず)が取り付けら
れることにより滞留空間31、ノズル32、拡大流路部
33が形成される。ノズル部材24には、ノズル取付穴
34とカバー取付穴35とが形成され、図示しないネジ
をこれらの取付穴に嵌合させることによりノズル部材2
4をフルイディック本体23の内部に固定する。ノズル
32の下流側には、ノズル32と連通するように拡大流
路部33が形成され、この拡大流路部33の入り口付近
には一対の圧力検出機構37が設けられ、さらに拡大流
路部33の中央部には、ノズル32の中心線32cの延
長線上に、ノズル噴出面32eから噴出する噴流の直進
性を阻害するターゲット26が位置しており、このター
ゲット26の後流側には上記拡大流路部33の後流部よ
り狭い流路幅を有し、かつガス流出口29に連なる絞り
流路部38が形成されている。
【0014】ノズル32は、図4に示すように、上流側
に円弧半径Rn の曲線を有する入口部40が形成され、
この入口部40から連なる流路41は、幅寸法がW、高
さ寸法がH、長さ寸法がLn の矩形断面を有している。
本実施例では、ノズル流路41の幅W=3.0mm以下
とし、流路長さ、即ちノズル32の壁面が平行な部分の
長さLn =20mm以下とし、WとLn の比はLn /W
=0〜8の関係を有したものとなっている。図5のノズ
ル32は、流路41の長さLn =0の状態を示すもので
あり、図6は流路41の長さLn が、0<Ln ≦20m
mの範囲を示すものである。
【0015】図7は、上記ノズル32の流路41の長さ
Ln が、内部を流れるガスの速度分布に与える影響を示
したものであり、図中X点は流路Ln =0の地点、Y点
は流路長さがLn1の地点、Z点は流路長さがLn2の地点
をそれぞれ示している。図に示されるように、X地点に
おけるガスの流速は流路の中央部と壁側とで殆ど差がな
く、ほぼフラットな速度分布の状態にあり、Y地点にお
けるガスの速度分布は中心部が壁側より多少発達するた
め山型の速度分布となっており、Z点におけるガスの流
速は壁の抵抗の影響を大きく受けて、流路の中央(中心
線付近)の流速が壁側流速に比べて十分発達するため、
急な傾斜の山型の速度分布を示すようになる。
【0016】さらに、図8に示すように、流路41の下
流端部に形成されたノズル噴出面32eには拡大流路部
33が連なっており、拡大流路部33はノズル32の中
心線32cに対して対称に配置されると共に、急激に拡
大された内壁面を有している。拡大流路部33の内壁面
は、ノズル噴出面32eに連なる半径Rの主円弧部4
2、この主円弧部42に滑らかに接続する拡大壁部4
3、この拡大壁部43から滑らかに接続し、かつ下流側
で前記絞り流路部38に接する半径r1 の副円弧部44
とで構成されており、この副円弧部44と絞り流量部3
8とは、流路側に張りだした半径r2 の円弧状の集束円
弧部46により滑らかに接続されている。
【0017】ターゲット26は、図9に示すように、ノ
ズルの流路41の高さ方向に中心軸を有する直径ΦT の
円柱状に形成されており、この円柱26の側面26aに
は、ノズル32に面する側に半径RT の平断面円弧状の
凹部47が形成され、この凹部47によって噴流を受け
るようになっている。この凹部47の両端には、この凹
部47を円柱26の側面26aと滑らかに接続する円弧
状の凸部48が形成されており、凸部48は凹部47の
最深部47aから頂部までの高さhT となっている。そ
して、本実施例では、噴流の長さLj を、ノズル噴出面
32eからターゲット26の凹部47の最深部47aま
での距離として、ターゲット26の最適位置が決定され
ている。
【0018】流体供給路21は、図1,2に示すよう
に、断面円形のパイプであり、パイプ21の末端にはハ
ニカム構造の整流器(図示せず)が取り付けてある。流
体供給アダプタ22は、矩形の箱状に形成された蓄気室
22aと、蓄気室22aを上流側の流体供給路21に接
続するための円筒部材22bとから構成されている。蓄
気室22aは、フルイディック本体23の上流側の外枠
部25に固定され、内部の流路(図示せず)が外枠部2
5に形成されたガス導入口28に連通されるようになっ
ている。なお、蓄気室22aの流路の中央に、フラット
な背面をガス導入口28に向け、かつ円弧部を上流側に
向けた平面半円形の柱部材を配置するようにしてもよ
い。
【0019】上記のように構成された、簡易型フルイデ
ィック流量計20によれば、流体供給路21から供給さ
れたガスが、流体供給アダプタ22の円筒部材22bを
経て蓄気室22aに流入する。蓄気室22aに流入した
ガスはフルイディック本体23のガス導入口28から滞
留空間31内へ流入する。滞留空間31の内部に流入し
たガスは、ノズル32の内部へ流入するが、ノズル32
の中心線32c付近において合流したガスは、ほぼ完全
な二次元的流れとなってノズル32の入口部40から流
路41内へ流入することとなる。即ち、二方向から流入
するガスが互いに押し合いながらノズル32の流路41
内へ流入するため、ノズルの流路幅Wに対して流路高さ
Hを十分大きくしておけば、速度分布が溝の高さ方向に
対して均一となり(二次元的流れとなり)、拡大流路部
33において高精度の計測が可能となる。
【0020】ここで、円筒部材22bの内径寸法と、蓄
気室22aの流路高さと、ノズルの流路41の高さHと
を、同一寸法とすることにより、上下部分での段差がな
くなり、これによって渦の発生が防止され、計測値の精
度が向上する。
【0021】さらに、フルイディック本体23のノズル
32に流入したガスは、流路41を経た後にノズル噴出
端面32eから拡大流路部33内へ噴出する。そして、
拡大流路部33内へ噴出したガスの噴流は、ターゲット
に衝突することによって直進することなく、拡大流路部
33内の一方の側壁に押し寄せられる。その際、噴流主
流の一部が分岐して内壁部を逆流するいわゆる帰還流と
なるが、この帰還流は左右交互に発生する。帰還流は、
ノズル32の拡大流路部33への開口部付近にて、噴流
主流に対して直交する方向に流体エネルギーを付与し、
制御流としての役割を果たすこととなり、これによって
ノズル32から噴出する噴流がターゲット26の両側面
を左右交互に流れる現象が発生する。この左右交互に流
れる噴流の流れ現象により生じる圧力の変化を、一対の
圧力検出機構37により検出し、この流体の流れが切り
替わる振動周波数を計測することにより流量を計測す
る。
【0022】このように、この実施例の簡易型フルイデ
ィック流量計20は、ノズルの流路幅W=3.0mm以
下、流路長さLn =20mm以下、Ln /W=0〜8の
範囲に設定したので、流路幅が狭くなった分だけノズル
32を流れるガスの流速が増すと共に、流路長さが短く
なった分だけガスが流路41の壁の影響を受けることが
なくなり、流路41の中央部の最大流速と壁側付近の平
均流速との差がなくなって速度分布がフラットな状態と
なり、ノズル32の噴出端面32eから噴出する噴流が
拡大流路部33内で拡散することが少なくなり、即ち、
二次元的な速度分布の噴流となり、ターゲット26に当
たるガスの噴流体のエネルギーを増大させることができ
ると共に、エネルギーの変化が少なくなり、器差曲線が
安定し、測定誤差を検定公差の範囲内に収めて、精度の
高い流量計とすることができる。
【0023】以下に、本発明を、発明者等が行った実験
結果に基づいて説明する。本願の発明者は、本発明の簡
易型フルイディック流量計が、極めて精度の良い流量計
であることを実証するために、下記のような実験を行っ
た。
【0024】(実験例)本実施例の簡易型フルイディッ
ク流量計20のノズル32の流路長さLn と、器差曲線
の関係を、実験データに基づいて説明する。
【0025】本実施例の簡易型フルイディック流量計2
0では、推算流量Qcal [m3 /h]と、実際の流量Q
[m3 /h]との誤差をE[%]とした場合に、これら
の間には、つぎの関係式が成立する。
【0026】E={(Qcal −Q)/Qcal }×100 このようにして、計算したEの値を器差と呼んでいる。
【0027】さらに、実流量Qと最大流量Qmax との比
をQ/Qmax とし、これと上記器差との関係を示す特性
曲線を器差曲線とした場合、本実施例の簡易型フルイデ
ィック流量計の器差E、0.05≦Q/Qmax ≦0.2
の範囲で−2.5%≦E≦2.5%の検定公差の範囲に
入り、0.2≦Q/Qmax ≦1.0の範囲で−1.5%
E≦1.5%の検定公差の範囲に入ることが必要であ
る。
【0028】さらに、具体的にQmax を4m3 /hとし
た場合には、簡易型フルイディック流量計の器差Eは、
0.2≦Q≦0.8の範囲で−2.5%≦E≦2.5%
の検定公差の範囲に入り、0.8≦Q≦4の範囲で−
1.5%≦E≦1.5%の検定公差の範囲に入ることが
必要である。
【0029】図10から図17は、ノズルの入口部40
の円弧半径Rn =5mm、ノズル32の流路41の幅W
=2.5mm、高さH=7.5mm、噴流長さLj =1
4mm、ガス供給アダプタ22の蓄気室22a内に設置
された円柱体(図示せず)の直径をd=15mmとした
場合に、ノズルの流路長さLn を0mm,1mm,3m
m,5mm,15mm,20mm,30mmと8段階に
変化させた場合の器差曲線である。
【0030】これらの図において、流路の長さLn が0
〜15mmの範囲において、器差曲線はほぼ一定した計
測値を示し、拡大流路部33内での噴流が二次元的流れ
となり、ターゲット26に衝突する噴流のエネルギーが
安定していることが分かる。また、図16のLn =20
mmの場合にも、0≦Q/Qmax ≦0.1の範囲におい
てわずかに検定公差から外れている以外は、器差Eはほ
ぼ検定公差の範囲に入っており、噴流が二次元的流れと
なっていることが分かる。しかし、図17の流路長さL
n =30mmとした場合には、器差Eの測定値が一定せ
ず、器差曲線が検定公差の範囲をオーバーする結果とな
った。
【0031】このように、上述した実験結果から、この
実施例の簡易型フルイディック流量計20は、器差曲線
を検定公差の範囲内に収めるための最適な流路長さLn
が存在することが証明された。この実験例では、流路幅
W=2.5mmの時に流路長さLn =0〜20mmの範
囲で器差曲線を検定公差の範囲に収めることができる。
この場合、Ln /W=0〜8の範囲となる。
【0032】したがって、本発明の簡易型フルイディッ
ク流量計20は、W=3.0mm以下とし、ノズルの流
路長さを入口部Rn を除いた部分、即ち流路が平行な部
分の長さと明確に規定して、その流路長さLn =0〜2
0mm以下とし、Ln /W=0〜8の範囲としたため、
流路長さLn と器差曲線との関係が実験結果より明確に
され、最適な流路長さを選択することができるものであ
り、特に、流路長さLn を短くすることにより、流路4
1の壁から流体が受ける抵抗の影響を無くし、ノズルの
噴出端面32eから噴出する流体の噴流を二次元的流れ
とすることができ、ターゲット26に衝突する噴流のエ
ネルギーが安定し、器差曲線を検定公差内に収めて、精
度の良好な流量計を実現することができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の簡易型フ
ルイディック流量計においては、ノズルの流路幅W=
3.0mm以下、流路の長さLn =20mm以下とし、
Ln /W=0〜8の範囲に設定したので、特に、LPG
等の比較的元圧の高いガスを使用する場合において、ノ
ズルから噴出する噴流の速度が増大し、かつ噴流が流路
の壁の抵抗の影響を受け難くなり、噴流はノズルの中心
線付近の最大流速と壁側の流速との差が少なくなり、速
度分布がフラットな形状となり、拡大流路部内での噴流
が二次元的流れとなり、ターゲットに衝突する噴流体の
エネルギーを増大させることができると共に、エネルギ
ーの変化を少なくして器差曲線を安定させることがで
き、測定誤差を検定公差の範囲内に入れて、精度の高い
ものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の簡易型フルイディック流量
計の全体斜視図である。
【図2】本発明の一実施例の簡易型フルイディック流量
計の全体平面図である。
【図3】本発明の一実施例のフルイディック本体の内部
にノズル部材が配設された平面図である。
【図4】本発明の一実施例のフルイディック本体内に設
置されるノズル部材の平面図である。
【図5】本発明の一実施例のノズルの流路拡大平面図で
ある。
【図6】本発明の一実施例のノズルの流路拡大平面図で
ある。
【図7】本発明の一実施例のノズルの流路がガスの速度
分布の与える影響を説明するための説明図である。
【図8】本発明の一実施例のフルイディック本体の拡大
流路部の拡大平面図である。
【図9】本発明の一実施例のフルイディック本体のター
ゲットの拡大平面図である。
【図10】本発明の簡易型フルイディック流量計の一流
路長さに対するQ−f特性曲線図である。
【図11】本発明の簡易型フルイディック流量計の一流
路長さに対するQ−f特性曲線図である。
【図12】本発明の簡易型フルイディック流量計の一流
路長さに対するQ−f特性曲線図である。
【図13】本発明の簡易型フルイディック流量計の一流
路長さに対するQ−f特性曲線図である。
【図14】本発明の簡易型フルイディック流量計の一流
路長さに対するQ−f特性曲線図である。
【図15】本発明の簡易型フルイディック流量計の一流
路長さに対するQ−f特性曲線図である。
【図16】本発明の簡易型フルイディック流量計の一流
路長さに対するQ−f特性曲線図である。
【図17】従来の簡易型フルイディック流量計の平面断
面図である。
【図18】従来の簡易型フルイディック流量計のノズル
部分の拡大平面図である。
【図19】従来の簡易型フルイディック流量計の平面断
面図である。
【図20】従来の簡易型フルイディック流量計の断面説
明図である。
【符号の説明】
20 簡易型フルイディック流量計 26 ターゲット 32 ノズル 32c 中心線 32e ノズル噴出面 33 拡大流路部 38 絞り流路部 40 ノズルの入口部 41 流路 42 主円弧部 43 拡大壁部 44 副円弧部 46 集束円弧部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入口部に円弧状の曲線が形成され、かつ
    所定の幅と高さと長さの流路を有するノズルを設け、こ
    の故ノズルの流路に直交するノズル噴出面を有すると共
    に、前記ノズルの後流に前記ノズルの中心線に対して対
    称かつ拡大された内壁面を有する拡大流路部を設け、こ
    の拡大流路部の前記中心線を含む流路中央部付近に前記
    ノズルより噴出する噴流の直進性を阻害するターゲット
    を設けると共に、前記拡大流路部の下流側に前記拡大流
    路部の後流部より狭い流路幅を有する絞り流路部を設
    け、前記拡大流路部の内壁部を、前記ノズル噴出面に接
    する主円弧部と、この主円弧部に滑らかに接続する拡大
    壁部と、この拡大壁部から滑らかに接続し、かつ下流側
    で前記絞り流路部に接する副円弧部とで構成し、この副
    円弧部と前記絞り流量部を流路側に張りだした円弧状の
    集束円弧部により接続した簡易型フルイディック流量計
    であって、前記ノズルの流路幅をW、流路長さをLn と
    した場合に、W=3.0mm以下、Ln =20mm以下
    とし、前記W,Ln の間にLn /W=0〜8の関係があ
    ることを特徴とする簡易型フルイディック流量計。
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