JP2925060B2 - フルイディック流量計 - Google Patents

フルイディック流量計

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JP2925060B2
JP2925060B2 JP1942394A JP1942394A JP2925060B2 JP 2925060 B2 JP2925060 B2 JP 2925060B2 JP 1942394 A JP1942394 A JP 1942394A JP 1942394 A JP1942394 A JP 1942394A JP 2925060 B2 JP2925060 B2 JP 2925060B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、噴出ノズルから流路
内に噴出した噴流の流体振動現象に基づき、流体の流量
を測定するフルイディック流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のフルイディック流量計としては、
図17に示すようなものが知られている。図中符号1は
フルイディック流量計であり、フルイディック本体2の
開口部3には、異常時にこの開口部3を遮断してガスの
供給を停止する遮断弁4が取付られる一方、その開口部
3の流路下流側には流量計測部5が設けられている。
遮蔽弁4の先端部分には開口部3に面してガス導入口6
が形成されており、このガス導入口6は本ガスメータの
ガス流入口7に対して直角に配置されている。フルイデ
ィック本体2の内部には、開口部3をガスの流入口とす
る滞留空間8が形成されており、この滞留空間8は流量
計測部5のノズル部9に連通されている。
【0003】流量計測部5は、いわゆる流体振動形流量
計と呼ばれるものであり、ノズル9の下流側に設けられ
た拡大流路部10と、拡大流路部10内に配置されるタ
ーゲット11と、拡大流路部10の入り口付近に設けら
れた一対の圧力若しくは流量検出機構12とを主な構成
要素とし、拡大流路部10の後流側にはガス流出口13
が形成されている。
【0004】このフルイディック流量計1は、ガス流入
口7から流入したガスがガス導入口6を経て滞留空間8
内へ流入した後、ノズル9を経て拡大流路部10内へ流
入するが、ガスが狭いノズル9から拡大流路部10内へ
噴出する際に、ガスの噴流がコアンダ効果によって直進
することなく、一方の側壁に引き寄せられて歪められて
ターゲットの側部を迂回して流れることとなる。その
際、噴流主流の一部が分岐して側壁部を逆流するいわゆ
る帰還流となるが、この帰還流は左右交互に発生する。
帰還流は、ノズル9の拡大流路部10への開口部付近に
て、噴流主流に対して直交する方向に流体エネルギを付
与し、制御流としての役割を果たすこととなり、これに
よってノズル9から噴出する噴流がターゲット11の両
側面を左右交互に流れる現象が発生する。この左右交互
に流れる噴流の流れ現象により生じる圧力の変化を、一
対の圧力もしくは流量検出機構により検出し、この流体
の流れが切り替わる振動周波数を計測することにより流
量を計測するようにしたものである。ここで、ターゲッ
ト11は低流量側における振動を誘起する作用を有する
ものである。
【0005】上記流体の振動周波数は、ノズル9の幅が
大きくなる程そこから噴出する流体の噴流速度が小さく
なって、その結果小さくなる一方、ノズル9の流路幅W
が小さくなる程そこから噴出する噴流速度が大きくなっ
て、その結果大きくなる。また、ノズル9から噴射され
たジェット流は、下流に進むにつれて噴流の幅が広が
り、噴流の中心線上における速度は徐々に減速するた
め、噴流の長さLj が計測値に大きな影響を与えること
となるが、この流量計測部の場合には、ターゲット11
の位置がこの拡大流路部5の内壁面の主円弧部の半径R
によって決定されていると共に、ノズル9の出口からタ
ーゲット11の凹部の両端に形成された凸部11aまで
の距離を噴流の長さLj としている。
【0006】そして、このフルイディック流量計1は、
主にガスの元圧が180〜240mmH2 0の都市ガス
用として使用されており、このガスの元圧に最適なノズ
ル9の幅が設定されたものとなっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
フルイディック流量計にあっては、ガスの元圧が小さな
都市ガスの計測に最適なものとして作られているため、
ノズルの幅Wを小さくすると流量が制限されることか
ら、ノズルの幅がW=3.2mmと比較的大きな寸法と
なっている。そのため、このフルイディック流量計を、
LPG等のようにガスの元圧が700〜15600mm
2 Oと高い流体の流量を計測しようとする場合には、
本来ノズル幅Wを3.2mmより小さくして噴流速度を
増し、振動数を多くすることができるにもかかわらず、
従来のノズル幅W=3.2mmのままで使用されている
ため、ノズルから噴出するガスの噴流流速がそれ程増大
せず、従って流体の振動周波数が少ないまま使用されて
おり、正確な計測値が得にくいものとなっている。
【0008】また、ガスの噴流がターゲット11に衝突
する際の流速が、計測値に大きな影響を与えるにもかか
わらず、従来はターゲット11の位置が拡大流路部の主
円弧部の半径Rによって決定されているため、ターゲッ
ト11の位置とこれに衝突する噴流の流速との関係が明
確ではなく、また噴流の長さLj をノズル部の出口から
ターゲット11の凸部11aの位置までとしているた
め、ターゲット11の形状によって噴流の長さLj が変
化し、その結果ターゲット11に衝突する際の噴流の流
速が変化し、これを正確に予測することができず、正確
な計測値を得にくいという問題点があった。特に、ガス
の流量と振動周波数との関係が、Q=0.8m3 /h以
下において直線性が悪くなり、計測器の検定公差の範囲
より低い値を示し問題となっていた。
【0009】この発明は、上述した問題を解消すべくな
されたものであり、噴流の長さを明確に規定して、ター
ゲットに衝突する際の噴流の速度が最適となるように拡
大流路部内のターゲットの位置及び形状を設定すること
により、ガスの元圧が比較的高い場合にも、ノズル幅の
選択の自由度を増大させることができて、測定誤差を検
定公差の範囲内に入れて、精度の高いフルイディック流
量計を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載のフルイディック流量計は、入口部に
円弧状の曲線が形成され、かつ所定の幅と高さと長さの
流路を有するノズルを設け、このノズルの流路に直交す
るノズル噴出面を有すると共に、前記ノズルの後流に前
記流路の中心軸線に対して対称かつ拡大された内壁面を
有する拡大流路部を設け、この拡大流路部の前記中心軸
線を含む流路中央部付近に前記ノズルより噴出する噴流
の直進性を阻害するターゲットを設けると共に、前記拡
大流路部の下流側に前記拡大流路部の後流部より狭い流
路幅を有する絞り流路部を設け、前記拡大流路部の内壁
面を、前記ノズル噴出面に接する半径主円弧部と、こ
の主円弧部に滑らかに接続する拡大壁部と、この拡大壁
部から滑らかに接続し、かつ下流側で前記絞り流路部に
接する副円弧部とで構成し、この副円弧部と前記絞り流
量部を流路側に張りだした円弧状の集束円弧部により接
続し、さらに前記ターゲットを円柱状に形成し、この円
状のターゲットの側面には、前記ノズルからの噴流を
受ける側に平断面円弧状の凹部を形成すると共に、この
凹部の両端には凹部を前記円柱状のターゲットの側面
と滑らかに接続する円弧状の凸部を形成したフルイディ
ック流量計において、前記ノズル噴出面から前記ターゲ
ットの凹部の最深部までの距離を噴流の長さとして、該
ターゲットの最適位置を決定するに際し、前記ノズル入
口部の円弧半径をrn、ノズル幅をW、ノズル高さを
H、ノズル長さをLn、ノズル噴出面からターゲットの
凹部の最深部までの長さ(噴流長さ)をLj、主円弧部
半径をR、副円弧部半径をr1、集束円弧部半径をr2、
絞り流路の幅をwとした場合に、前記W,rn,H,L
n,Lj,R,r1,r2,wとの間にrn/W=2、H/
W=3、Ln/W=0〜8、Ln=0〜20mm、Lj/
W=5.6〜5.68、R/W=5.6、r1/W=
2、r2/W=2.8、w/W=7.6の関係がある
とを特徴としている。
【0011】請求項2記載のフルイディック流量計は、
ノズル幅をW、ターゲットの円柱直径をФT、ターゲッ
トの凹部の円弧半径をRT、ターゲットの凹部の最深部
から凸部の最頂部の高さをhTとした場合に、前記W,
ФT,RT,hTとの間にФT/W=2.2、RT/ФT=
0.364、hT/ФT=0.182の関係があることを
特徴としている。
【0012】
【0013】
【作用】本発明のフルイディック流量計では、噴流の長
さを、ノズルの噴出面からターゲットの凹部の最深部ま
での距離として、ターゲットの位置を決定するようにし
たため、噴流長さが明確となり、噴流がターゲットに衝
突する際の速度を正確に予測することができ、ガスの流
速が最適な状態にターゲットの位置を規制できる。即
ち、ターゲットの位置をノズルに対して近づけたり遠ざ
けたりすることにより、噴流の衝突速度を増大させたり
減少させたりすることができ、これによって、計測誤差
が検定公差内に入るようにする。例えば、ターゲットの
位置が遠い場合には流量と振動周波数との特性曲線は直
線性が悪くなるが、ターゲットの位置をノズル側に近づ
けることにより、噴流の減速速度が補なわれて衝突速度
が増大し、計測誤差が検定公差内に入るようになる。流
体の元圧が比較的高い場合においては、ノズル幅を狭く
設定しても、ノズルを一定流量のガスが流れるために噴
流の速度が早くなり、これによって噴流の拡大流路部内
での振動数が高くなり、その際のターゲットの位置を噴
流の最適速度の位置に設定することで、より正確な計測
値が可能となる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明のフルイディ
ック流量計の実施例について説明する。図1から図9
は、この発明の一実施例のフルイディック流量計を示す
図である。図中符号20はフルイディック流量計を示
し、このフルイディック流量計20の上流には流路が円
形断面で流体の速度分布が三次元となる流体供給路21
が設けられており、この流体供給路21とフルイディッ
ク流量計20との間には液体供給路21から供給される
流体の流れを二次元的な流れに変える流体供給アダプタ
22が設けられている。
【0015】フルイディック流量計20は、図3から図
6に示すように、フルイディック本体23と、このフル
イディック本体23の内部に配設されるノズル部材24
とから主に構成されている。フルイディック本体23
は、図5,6に示されるように矩形状に形成されてお
り、アルミ板に外枠部25及びターゲット26を残して
溝部27を形成したものであり、外枠部25の流体供給
アダプタ22が接続される側(上流側)には、ガス導入
口28が形成されている一方、下流側にはガス流出口2
9が形成されている。ガス導入口28及びガス流出口2
9は、断面矩形に形成されて外枠部の中央に配置されて
いる。
【0016】フルイディック本体23の内部には、左右
対称なノズル部材24が固定され、さらに上部にフルイ
ディック本体の蓋(図示せず)が取り付けられることに
より滞留空間31、ノズル32、拡大流路部33が形成
される。ノズル部材24には、ノズル取付穴34とカバ
ー取付穴35が形成され、図示しないネジをこれらの取
付穴に嵌合させることによりノズル部材24をフルイデ
ィック本体23の内部に固定する。ノズル32の下流側
には、ノズルと連通するように拡大流路部33が形成さ
れ、この拡大流路部33の入り口付近には一対の圧力検
出機構37が設けられ、さらに拡大流路部33の中央部
には、ノズル32の中心軸線32cの延長線上にターゲ
ット26が位置しており、このターゲット26の後流側
には上記拡大流路部33の後流部より狭い流路幅を有
し、がつガス流出口29に連なる絞り流路部38が形成
されている。
【0017】さらに、ノズル32は、図7に示すよう
に、上流側に円弧半径rn の曲線を有する入口部40が
形成され、この入口部40から連なる流路41は、幅
W、高さH、長さLn の矩形断面を有している。この流
路41の下流端部に形成されたノズル噴出面32eには
拡大流路部33が連なっており、拡大流路部33はノズ
ル32の中心軸線32cに対して左右対称に配置される
と共に、急激に拡大された内壁面を有している。また、
拡大流路部33の流路中央部には、上記ターゲット26
が位置しており、このターゲット26によって、ノズル
32から噴出する噴流の直進性を阻害するようになって
いる。
【0018】拡大流路部33の内壁面は、ノズル噴出面
32eに連なる半径Rの主円弧部42、この主円弧部4
2に滑らかに連続する拡大壁部43、この拡大壁部43
から滑らかに接続し、かつ下流側で前記絞り流路部38
に接する半径r1の副円弧部44とで構成されており、
この副円弧部44と絞り流量部38とは、流路側に張り
だした半径r2の円弧状の集束円弧部46により滑らか
に接続されている。
【0019】ターゲット26は、図8に示すように、ノ
ズルの流路41の高さ方向に中心軸を有する直径ΦT の
円柱状に形成されており、この円柱26の側面26aに
は、ノズル32に面する側に半径RT の平断面円弧状の
凹部47が形成され、この凹部47によって噴流を受け
るようになっている。この凹部47の両端には、この凹
部47を円柱26の側面26aと滑らかに接続する円弧
状の凸部48が形成されており、凸部48は凹部47の
最深部47aから頂部までの高さhT となっている。そ
して、この実施例では、噴流の長さLj を、ノズル噴出
面32eからターゲット26の凹部47の最深部47a
までの距離として、ターゲット26の最適位置が決定さ
れている。
【0020】流体供給路21は断面円形のパイプであ
り、図9に示すように、このパイプ21の末端にはハニ
カム構造の整流器50が取り付けてある。流体供給アダ
プタ22は、矩形の箱状に形成された蓄気室51と、蓄
気室51をフルイディック本体23の上流側の外枠部2
5に固定するフランジ52と、蓄気室51を上流側の流
体供給路21に接続するための円筒部材53とから構成
されている。
【0021】蓄気室51は、フランジ52に形成された
ねじ穴52aに、図示しないねじを挿通させてフルイデ
ィック本体23に固定され、下流側がフルイディック本
体23に形成されたガス導入口28に連通されるように
なっている。蓄気室51の内部には、両側に配置されて
中央に平面台形状の流路54を形成するガイド部材55
と、背面がガス導入口28の中央を塞ぎ、かつ円弧面を
上流側に向けて、流路54の中央部に配置された平断面
半円状の円柱体56とが取り付けられている。流路54
は円柱体56によって2つの断面矩形の流路に分割され
て、上記ガス導入口28に連通されており、この流路5
4の高さhと、円筒部材53の内径寸法dp 、フルイデ
ィック本体内のノズルの流路高さHは同一寸法とされて
いる。
【0022】円筒部材53には、上流側端部に45度の
角度で縮流用テーパ57が形成されると共に、外周面に
は複数の突起58が形成されて、ホース等が確実に接続
されるようになっており、下流側端部が蓄気室51の上
流側面に接続されている。
【0023】上記のように構成された、フルイディック
流量計20によれば、流体供給路21から整流器50を
経て供給されたガスが、流体供給アダプタ22の円筒部
材53を経て蓄気室51に流入する。蓄気室51に流入
したガスはガイド部材55に導かれて流路54内を広が
りながら流れた後、円柱体56によって2つに分流され
てガス導入口28から滞留空間31内へ流入する。その
際、ガスは円柱体56とガイド部材55とで形成される
矩形断面の流路を通過して、二次元的な流れとなってガ
ス導入口28の両側から滞留空間31内へ流入する。し
たがって、ガスの流れの動圧が直接ノズル部32に作用
することがなく、ノズル32が動圧の影響を受けること
がない。これによって、ガスの流れの動圧が直接ノズル
32に作用した場合に生じる流量と流体振動周波数との
比例関係が成立しなくなるという不都合をなくすことが
できる。
【0024】そして、滞留空間31の内部に流入したガ
スは、滞留空間31の内部で両側から中央に向かって流
れ、中央部において合流した後、ノズル32の内部へ流
入するが、中央部において合流したガスは、ほぼ完全な
二次元的流れとなってノズル32の入口部40から流路
41内へ流入することとなる。即ち、二方向から流入す
るガスが互いに押し合いながらノズル32の流路41内
へ流入するため、速度分布が溝の高さ方向に対して均
一、即ち二次元的となり、拡大流路部33において高精
度の計測が可能となる。ここで、円筒部材53の内径d
p と、蓄気室51の高さhと、ノズルの流路41の高さ
Hとを、同一寸法とすることにより、上下部分での段差
がなくなり、これによって渦の発生が防止されると共
に、円筒部材53の上流側に縮流テーパ55を形成する
ことで、円筒部材53の流路と流体供給路21と滑らか
に接続されることでも渦の発生が防止されて、計測値の
精度が向上する。
【0025】さらに、フルイディック本体23のノズル
32に流入したガスは、狭い流路41を経た後にノズル
噴出端面32eから拡大流路部33内へ噴出する。そし
て、拡大流路部33内へ噴出したガスの噴流は、ターゲ
ットに衝突することによって直進することなく、拡大流
路部33内の一方の側壁に押し寄せられる。その際、噴
流主流の一部が分岐して内壁部を逆流するいわゆる帰還
流となるが、この帰還流は左右交互に発生する。帰還流
は、ノズル32の拡大流路部33への開口部付近にて、
噴流主流に対して直交する方向に流体エネルギを付与
し、制御流としての役割を果たすこととなり、これによ
ってノズル32から噴出する噴流がターゲット26の両
側面を左右交互に流れる現象が発生する。この左右交互
に流れる噴流の流れ現象により生じる圧力の変化を、一
対の圧力検出機構37により検出し、この流体の流れが
切り替わる振動周波数を計測することにより流量を計測
する。ターゲット26は流体振動を誘起する作用を有す
るものである。
【0026】このように、この実施例のフルイディック
流量計20は、噴流長さLj を、ノズル噴出面32eか
らターゲット26の凹部の最深部47aまでの距離と明
確に規定してターゲット26の位置を決定するようにし
ているため、噴流がターゲット26に衝突する際の速度
を最適な状態に設定することができる。即ち、ターゲッ
ト26の位置を変化させることにより、ノズルの噴出面
32eからターゲット26の凹部26の最深部47aま
での距離(噴流長さLj )を変化させて、ターゲット2
6に衝突するガスの噴流の速度を最適な値に制御するこ
とができ、これによって、測定誤差を検定公差内に入れ
ることができる。たとえば、流路幅Wと流量との関係か
ら、ターゲット26に衝突するガスの流速が適切でな
く、計測誤差が検定公差内から外れる場合にも、ターゲ
ット26の位置をノズル32に近づけたり遠ざけたりす
ることにより、最適なガスの流速を選択することができ
る。
【0027】さらに、本実施例のフルイディック流量計
では、ノズル32の入口部40の円弧半径rn 、ノズル
32の流路幅W、ノズル32の流路高さH、ノズルの流
路長さLn 、ノズル噴出面32eからターゲット26の
凹部47の最深部47aまでの長さ(噴流長さ)Lj 、
拡大流路部36の主円弧部42の半径R、拡大流路36
の副円弧部44の半径r1 、拡大流路部36の集束円弧
部46の半径r2 、絞り流路38の幅w、ターゲット2
6の円柱直径ΦT 、ターゲット26の凹部47の円弧半
径RT 、ターゲット26の凹部最深部47aから凸部4
8の最頂部の高さhT との間に、rn /W=2、H/W
=3、Ln /W=0〜8、Lj /W=5.6〜5.6
8、R/W=5.6、r1 /W=2、r2 /W=2.
8、w/W=7.6、ΦT /W=2.2、RT /ΦT =
0.364、hT /ΦT =0.182の関係をもたせる
ことにより、さらに流量計の精度を向上させ、計測誤差
の検定公差の範囲内に入れることができる。
【0028】以下に、本発明を、発明者等が行った実験
結果に基づいて説明する。
【0029】本願の発明者は、rn /W=2、H/W=
3、Ln /W=0〜12、Lj /W=4〜6.4、R/
W=5.6、r1 /W=2.8、r2 /W=2、w/W
=7.6、ΦT /W=2.2、RT /ΦT =0.36
4、hT /ΦT =0.182の条件において、下記のよ
うな測定を行った。
【0030】(実験例I)まず、この実施例のフルイデ
ィック流量計20における流量Qm3 /hと、拡大流路
部での振動周波数f[Hz]との関係を、実験データに
基づいて説明する。
【0031】ここで、このフルイディック流量計の、推
算流量をQcal [m3 /h]、流体振動周波数をF[H
z]、比例常数をK[m3 /Hz・h]とした場合に、
これらの間には、Qcal =K×Fの関係式が成立する。
【0032】また、ノズル32の流路41の幅W=2.
5mm、長さLn =15mm、高さH=7.5mm、ガ
ス供給アダプタ22内に設置された円柱体56の直径を
d=15mmとした場合に、噴流長さLj を15mm,
14mm,12mmと3段階に変化させた場合のQ−f
特性曲線を、図10から図12までに示した。
【0033】これらの実験によれば、図10に示すよう
に、噴流長さLj =15mmの時には、Q=0.6m3
/h以下の範囲において、振動周波数Fは直線より低い
値を示す。また図11から分るように、噴流長さLj =
14mmの時には、全域に渡ってほぼ直線上に測定値が
存在するが図12において、噴流長さLj =12mmの
時には、Q=0.7m3 /h以下の時に実験値が直線よ
り高い値を示すようになる。
【0034】したがって、この実施例においては、噴流
長さLj =14mmにおける、測定結果が最も直線性に
優れたものとなっている。
【0035】(実験例II)つぎに、この実験例のフルイ
ディック流量計20の噴流長さLj と、器差曲線の関係
を、実験データに基づいて説明する。
【0036】この実験例のフルイディック流量計20で
は、推算流量Qcal [m/h]と、実際の流量Q[m/
h]との誤差をE[%]とした場合に、これらの間に
は、つぎの関係式が成立する。
【0037】E={(Qcal −Q)/Qcal }×100 このようにして、計算したEの値を器差と呼んでいる。
【0038】さらに、実流量Qと最大流量Qmax との比
をQ/Qmax とし、これと上記器差との関係を示す特性
曲線を器差曲線とした場合、この実施例のフルイディッ
ク流量計の器差Eは、0.05≦Q/Qmax ≦0.2の
範囲で−2.5%≦E≦2.5%の検定公差の範囲に入
り、0.2≦Q/Qmax ≦1.0の範囲で−1.5%≦
E≦1.5%の検定公差の範囲に入ることが必要であ
る。
【0039】さらに、具体的にQmax を4m3 /hとし
た場合には、フルイディック流量計の器差Eは、0.2
≦Q≦0.8の範囲で−2.5%≦E≦2.5%の検定
公差の範囲に入り、0.8≦Q≦4の範囲で−1.5%
≦E≦1.5%の検定公差の範囲に入ることが必要であ
る。
【0040】図13から図16は、ノズル32の流路4
1の幅W=2.5mm、長さL=15mm、高さH=
7.5mm、ガス供給アダプタ22内に設置された円柱
体56の直径をd=15mmとした場合に、噴流長さL
j を15mm,14mm,13mm,12mmと4段階
に変化させて、ターゲット26の位置をノズル側に近づ
けた場合の器差曲線である。
【0041】図13の噴流長さLj =15mmの場合
は、Q/Qmax が0.2以下において、器差Eは検定公
差より低い実験値を示しているが、図14の噴流長さL
j =14mmの場合は、Q/Qmax のほぼ全域に渡って
器差Eは検定公差の範囲に入っている。さらに、図15
では噴流長さをLj =13mm、図16では噴流長さL
j =12mm、と噴流長さLj を1mm単位で短くした
場合には、いずれの実験データにおいても、Q/Qmax
が0.2以下において器差Eが検定公差の範囲をオーバ
ーする結果となった。
【0042】このように、上述した実験結果から分かる
ように、この実施例のフルイディック流量計は、器差曲
線を検定公差の範囲内に収めるための最適な噴流長さL
j が存在することが判った。この実験例では、噴流長さ
Lj =14mmで器差曲線を検定公差の範囲に収めるこ
とができる。
【0043】さらに、この実験を進めて、噴流長さLj
=14〜14.2mmの範囲で、噴流長さを0.1mm
毎に変化させた場合には、非常に良好な器差曲線を得る
ことができた。特に、噴流長さLj =14.1mmの時
が、最も良好な器差曲線となった。
【0044】したがって、この実施例のフルイディック
流量計は、噴流長さLj をノズルの噴出面32eからタ
ーゲット26の凹部47の最深部47aまでと明確に規
定することにより、噴流長さLj と器差曲線とを正確に
関係づけることが可能となり、最適な噴流長さLj を選
択することができる。即ち、ターゲット26の位置を変
化させることにより、ノズルの噴出面32eからターゲ
ット26の凹部47の最深部47aまでの距離(噴流長
さLj )を変化させて、ターゲット26に衝突するガス
の噴流の速度を最適な値に制御することができ、ガスの
元圧とノズル幅Wの関係から決定される流量の範囲Qに
対して、最適な噴流長さLj を採用し、器差曲線を検定
公差の範囲内に収めることができる。特に、上述した各
部位の数値限定を行うことにより、さらに精度の良好な
流量計を実現することができる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のフルイ
ディック流量計によれば、ノズル入口部の円弧半径をr
n、ノズル幅をW、ノズル高さをH、ノズル長さをLn、
ノズル噴出面からターゲットの凹部の最深部までの長さ
をLj、主円弧部半径をR、副円弧部半径をr1、集束円
弧部半径をr2、絞り流路の幅をwとした場合に、前記
W,rn,H,Ln,Lj,R,r1,r2,wとの間にrn
/W=2、H/W=3、Ln/W=0〜8、Ln=0〜2
0mm、Lj/W=5.6〜5.68、R/W=5.
6、r1/W=2、r2/W=2.8、w/W=7.6の
関係をもたせることにより、測定誤差を検定公差の範囲
に入れることができ、精度の高いフルイディック流量計
を実現することができる。また、上記の関係が限定され
ることにより、噴流長さLjのみならず、他の条件も明
確に規定され、器差曲線が検定公差の範囲内に納まり、
さらに精度の高いものとすることができる。
【0046】また、請求項2記載のフルイディック流量
計は、ノズル幅をW、ターゲットの円柱直径をФT、タ
ーゲットの凹部の円弧半径をRT、ターゲットの凹部の
最深部から凸部の最頂部の高さをhTとした場合に、前
記W,ФT,RT,hTとの間にФT/W=2.2、RT/
ФT=0.364、hT/ФT=0.182の関係をもた
せることにより、ターゲットの詳細な寸法が明確に規定
され、さらに噴流長さLjがターゲットの最深部まで正
確に規定され、より精度の高いものとなっている。
【0047】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例のフルイディック流量計の
全体説明図である。
【図2】この発明の一実施例のフルイディック流量計の
全体説明図である。
【図3】この発明の一実施例のフルイディック本体の内
部のノズル部材が配設された状態の平面図である。
【図4】この発明の一実施例のフルイディック本体内に
設置されるノズル部材の平面図である。
【図5】この発明の一実施例のフルイディック本体の平
面図である。
【図6】この発明の一実施例のフルイディック本体の側
断面図である。
【図7】この発明の一実施例のフルイディック流量計の
ノズルより下流側の流路の説明図である。
【図8】この発明の一実施例のフルイディック本体の内
部に形成されるターゲットの拡大平面図である。
【図9】この発明の一実施例のフルイディック流量計の
ガス供給アダプタ、及びガス供給路の斜視図である。
【図10】この発明の一実施例のQ−f特性曲線の説明
図である。
【図11】この発明の一実施例のQ−f特性曲線の説明
図である。
【図12】この発明の一実施例のQ−f特性曲線の説明
図である。
【図13】おの発明の一実施例の器差曲線の説明図であ
る。
【図14】この発明の一実施例の器差曲線の説明図であ
る。
【図15】この発明の一実施例の器差曲線の説明図であ
る。
【図16】この発明の一実施例の器差曲線の説明図であ
る。
【図17】従来のフルイディック流量計の内部を説明す
る断面平面図である。
【符号の説明】
26 ターゲット 26a ターゲット側面 32 ノズル 32c 中心軸線 32eノズル噴出面 33 拡大流路部 38 絞り流路部 40 ノズルの入口部 41 流路 42 主円弧部 43 拡大壁部 44 副円弧部 46 集束円弧部 47 凹部 47a 凹部の最深部 48 凸部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入口部に円弧状の曲線が形成され、かつ
    所定の幅と高さと長さの流路を有するノズルを設け、こ
    のノズルの流路に直交するノズル噴出面を有すると共
    に、前記ノズルの後流に前記ノズルの中心軸線に対して
    対称かつ拡大された内壁面を有する拡大流路部を設け、
    この拡大流路部の前記中心軸線を含む流路中央部付近に
    前記ノズルより噴出する噴流の直進性を阻害するターゲ
    ットを設けると共に、前記拡大流路部の下流側に前記拡
    大流路部の後流部より狭い流路幅を有する絞り流路部を
    設け、前記拡大流路部の内壁面を、前記ノズル噴出面に
    接する半径主円弧部と、この主円弧部に滑らかに接続
    する拡大壁部と、この拡大壁部から滑らかに接続し、か
    つ下流側で前記絞り流路部に接する副円弧部とで構成
    し、この副円弧部と前記絞り流量部を流路側に張りだし
    た円弧状の集束円弧部により接続し、さらに前記ターゲ
    ットを円柱状に形成し、この円柱状のターゲットの側面
    には、前記ノズルからの噴流を受ける側に平断面円弧状
    の凹部を形成すると共に、この凹部の両端には凹部を
    前記円柱状のターゲットの側面と滑らかに接続する円弧
    状の凸部を形成したフルイディック流量計において、前
    記ノズル噴出面から前記ターゲットの凹部の最深部まで
    の距離を噴流の長さとして、該ターゲットの最適位置を
    決定するに際し、前記ノズル入口部の円弧半径をrn、
    ノズル幅をW、ノズル高さをH、ノズル長さをLn、ノ
    ズル噴出面からターゲットの凹部の最深部までの長さを
    Lj、主円弧部半径をR、副円弧部半径をr1、集束円弧
    部半径をr2、絞り流路の幅をwとした場合に、 前記W,rn,H,Ln,Lj,R,r1,r2,wとの間
    rn/W=2 H/W=3 Ln/W=0〜8 Ln=0〜20mm Lj/W=5.6〜5.68 R/W=5.6 r1/W=2 r2/W=2.8 w/W=7.6 の関係がある ことを特徴とするフルイディック流量計。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフルイディック流量計の
    ノズル幅をW、ターゲットの円柱直径をФT、ターゲッ
    トの凹部の円弧半径をRT、ターゲットの凹部の最深部
    から凸部の最頂部の高さをhTとした場合に、 前記W,ФT,RT,hTとの間に ФT/W=2.2 RT/ФT=0.364 hT/ФT=0.182 の関係があることを特徴とするフルイディック流量計。
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