JP4798533B2 - 固体酸化物形燃料電池セルおよび固体酸化物形燃料電池 - Google Patents

固体酸化物形燃料電池セルおよび固体酸化物形燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、界面抵抗の小さい複数の層を備えた固体酸化物形燃料電池セルに関する。さらに、600℃程度の低温下においても優れた発電性能を有する固体酸化物形燃料電池セルに関する。
近年、固体酸化物形燃料電池の作動温度を600℃〜800℃程度まで低温化させることを目的とした、低温作動型固体酸化物形燃料電池の研究が精力的に行われている。低温作動型固体酸化物形燃料電池の固体電解質の構成として、空気極側にセリウム含有酸化物層を備え、燃料極側にランタンガレート酸化物層を備えた構成が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。しかし、同タイプの構成の場合、セリウム含有酸化物層とランタンガレート層間の密着性が低く、界面抵抗が大きいという課題があった。この結果、600℃まで作動温度を下げると高い発電性能が得られなかった。
特開2003−331866号公報(第1−7頁、図1−図3、表1) 特開2001−351646公報(第1−7頁、図1−図5)
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、セリウム含有酸化物およびランタンガレート酸化物を備えた層について新規な構成を採ることで、セリウム含有酸化物とランタンガレート酸化物との間での酸素イオン伝導性を損なうことが無くなる。そのため複数の層間の界面抵抗を小さくすることができるので、600℃程度の低温化においても優れた発電性能を有する固体酸化物形燃料電池を提供できる。
上記目的を達成するために本発明は、遷移金属元素を含む電極である空気極と、遷移金属元素を含む電極である燃料極との間に複数の層からなる固体電解質層を備え、前記空気極側に空気を、前記燃料極側に燃料を供給する固体酸化物形燃料電池セルであって、前記複数の層からなる固体電解質層は、前記空気極と前記燃料極との間に設けられ、一般式La1-aAaGa1-bXbO3またはLa1-aAaGa1-b-cXbZcO3(但し、AはSr、Ca、Baから選ばれる少なくとも一種、XはMg、Al、Inから選ばれる少なくとも一種、ZはCo、Fe、Ni、Cuから選ばれる少なくとも一種、但し、0.05≦a≦0.3、0≦b<0.3、0<c≦0.15、0.025≦b+c≦0.3)で表されるランタンガレート酸化物からなる第二層と、前記空気極または前記燃料極と、前記第二層と、の間に設けられ、前記空気極または前記燃料極に含まれる遷移金属元素の前記第二層への拡散を防止する、一般式Ce1-xLnxO2(但し、LnはLa、xは、0.30≦x≦0.50を満たす)で表されるセリウム含有酸化物からなり、厚みが5〜40μmである第一層を備えており、前記第一層と前記第二層との間に、前記第一層と前記第二層との間の界面抵抗を減少させるための前記セリウム含有酸化物と前記ランタンガレート酸化物とが混合された、セリウム含有酸化物とランタンガレート酸化物との混合材料からなる第三層を備えていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池セルを提供する。
本発明によれば、遷移金属元素を含む電極である空気極と、遷移金属元素を含む電極である燃料極との間に複数の層からなる固体電解質層を備え、前記空気極側に空気を、前記燃料極側に燃料を供給する固体酸化物形燃料電池セルであって、前記複数の層からなる固体電解質層は、前記空気極と前記燃料極との間に設けられ、一般式La1-aAaGa1-bXbO3またはLa1-aAaGa1-b-cXbZcO3(但し、AはSr、Ca、Baから選ばれる少なくとも一種、XはMg、Al、Inから選ばれる少なくとも一種、ZはCo、Fe、Ni、Cuから選ばれる少なくとも一種、但し、0.05≦a≦0.3、0≦b<0.3、0<c≦0.15、0.025≦b+c≦0.3)で表されるランタンガレート酸化物からなる第二層と、前記空気極または前記燃料極と、前記第二層と、の間に設けられ、前記空気極または前記燃料極に含まれる遷移金属元素の前記第二層への拡散を防止する、一般式Ce1-xLnxO2(但し、LnはLa、xは、0.30≦x≦0.50を満たす)で表されるセリウム含有酸化物からなり、厚みが5〜40μmである第一層を備えており、前記第一層と前記第二層との間に、前記第一層と前記第二層との間の界面抵抗を減少させるための前記セリウム含有酸化物と前記ランタンガレート酸化物とが混合された、セリウム含有酸化物とランタンガレート酸化物との混合材料からなる第三層を備えたので、界面抵抗の小さい複数の層を備えた固体酸化物形燃料電池セルを提供することができる。
この理由は、前記第三層を備えることで、前記第一層と前記第三層に含まれるセリウム含有酸化物とが焼成過程において粒成長し、また前記第二層と前記第三層に含まれるランタンガレート酸化物とが焼成過程において粒成長するために、複数の層は傾斜構造となる。そのためそれぞれの層間での酸素イオン伝導性を損なうことが無くなり、その結果、界面抵抗が減少し発電性能を向上させることができるからである。
また、セリウム含有酸化物の組成中のLnをLaに限定することで、他のランタノイドなどをドーピングしたセリウム含有酸化物層とランタンガレート酸化物層を積層させた構造よりも、セリウム含有酸化物とランタンガレート酸化物との反応によって生じるSrLaGa3O7などで表される高抵抗な反応相の生成を無くすことができるためである。高抵抗な反応相の生成をなくすことができるので、より発電性能を向上させることができる。
また、セリウム含有酸化物の組成が0.30≦x≦0.50であると複数の層間の界面抵抗を小さくすることができるだけでなく、セリウム含有酸化物とランタンガレート酸化物との焼成時の反応を小さくすることができるため、より発電性能を向上させることができるためである。
本発明の好ましい態様においては、前記固体酸化物形燃料電池セルは円筒型であって、 前記複数の層の中で、前記第一層を、前記第二層よりも内側に配置しているとした。
この理由は、前記第三層を備えた固体酸化物形燃料電池セルは600℃程度の低温下において優れた発電性能が得られる。固体酸化物形燃料電池セルの低温作動化は、固体酸化物形燃料電池の起動性の面から好ましい。急速起動、急速停止に対する信頼性、安定性の観点から、固体酸化物形燃料電池セルの形状については円筒型が好ましいからである。また前記固体酸化物形燃料電池セルが円筒型であるために、焼成過程においてセルは径方向に収縮する。そのため焼結性の低いセリウム含有酸化物を内側に、焼結性の高いランタンガレート酸化物を外側に配置することで、それぞれの層が剥離することなく製造できるからである。
本発明の好ましい態様においては、前記第一層は5%〜50%の空隙率を有するとした。
この理由は、第一層が5%〜50%の空隙率を有するので、第一層の表面に形成される層が、アンカー効果によって強固に接着させることが可能となるためである。強固に接着させることが可能となるため、第一層と第一層の表面に形成される層間との酸素イオン伝導性を損なうことが無くなり、その結果、界面抵抗が減少し発電性能を向上させることができるからである。
本発明の好ましい態様においては、前記固体酸化物形燃料電池セルからなるスタックを備えることを特徴とする固体酸化物形燃料電池とした。
この理由は、界面抵抗の小さい複数の層を備えた固体酸化物形燃料電池セルからなるスタックであるので、600℃程度の低温下においても優れた発電性能を有する固体酸化物形燃料電池を提供できるからである。
本発明によれば、空気極と、燃料極との間に複数の層を備えた固体酸化物形燃料電池セルであって、前記複数の層は、一般式Ce1-xLnxO2(但し、LnはLa、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc、Yから選ばれる少なくとも一種)で表されるセリウム含有酸化物からなる第一層と一般式La1-aAaGa1-bXbO3またはLa1-aAaGa1-b-cXbZcO3(但し、AはSr、Ca、Baから選ばれる少なくとも一種、XはMg、Al、Inから選ばれる少なくとも一種、ZはCo、Fe、Ni、Cuから選ばれる少なくとも一種)で表されるランタンガレート酸化物からなる第二層を備えており、前記第一層と前記第二層との間に前記セリウム含有酸化物と前記ランタンガレート酸化物とが混合された、セリウム含有酸化物とランタンガレート酸化物との混合材料からなる第三層を備えた固体酸化物形燃料電池セルを提供するので、第一層と第二層とが第三層を介した複数の層となる。そのためそれぞれの層間での酸素イオン伝導性を損なうことが無くなり、その結果、界面抵抗が減少し、600℃程度の低温下においても優れた発電性能を有する固体酸化物形燃料電池セルおよび固体酸化物形燃料電池を提供することができる。
以下に本発明における固体酸化物形燃料電池について説明する。図1は本発明の固体酸化物形燃料電池における単電池の断面の一態様を示す図である。図1は、空気極1と、燃料極3と、その間に複数の層2を備えた固体酸化物形燃料電池セルであって、前記複数の層はセリウム含有酸化物からなる第一層2aと、ランタンガレート酸化物からなる第二層2bと、を備えており、前記第一層と前記第二層との間に、前記セリウム含有酸化物と前記ランタンガレート酸化物とが混合された、セリウム含有酸化物とランタンガレート酸化物との混合材料からなる第三層2cとから構成されている。
図1に示す固体酸化物形燃料電池を例として作動原理を以下に示す。空気極側に空気を流し、燃料極側に燃料を流すと空気中の酸素が、空気極触媒層近傍で酸素イオンに変わり、この酸素イオンが第一層、第二層および第三層を通って燃料極に達する。そして燃料ガスと酸素イオンが反応して水および二酸化炭素になる。これらの反応は(1)、(2)および(3)式で表される。空気極と燃料極を外部回路で接続することによって外部に電気を取り出すことが出来る。
1/2O+2e→O2− (1)
+O2−→HO+2e (2)
CO+O2−→CO+2e (3)
なお燃料ガスに含まれるCH4等も(2)、(3)式と類似した電子を生成する反応があるとの報告もあるが固体酸化物形燃料電池の発電における反応のほとんどが(2)、(3)式で説明できるので、ここでは(2)、(3)式で説明することとした。
本発明の固体酸化物形燃料電池セルは、空気極と、燃料極との間に複数の層を備えており、前記複数の層はセリウム含有酸化物からなる第一層と、ランタンガレート酸化物からなる第二層を備えており、第一層と第二層との間に、前記セリウム含有酸化物とランタンガレート酸化物とが混合された、セリウム含有酸化物とランタンガレート酸化物との混合材料からなる第三層を備えている。その理由として、前記第三層を備えることで、前記第一層と前記第三層に含まれるセリウム含有酸化物とが焼成過程において粒成長し、また前記第二層と前記第三層に含まれるランタンガレート酸化物とが焼成過程において粒成長するために、複数の層は傾斜構造となる。そのためそれぞれの層間での酸素イオン伝導性を損なうことが無くなり、その結果、それぞれの層間の界面抵抗が減少するので、600℃程度の低温下においても優れた発電性能を有する固体酸化物形燃料電池を提供できる。
本発明の第一層および第三層に含まれるセリウム含有酸化物は、ランタンガレート酸化物との反応性が低いという観点から、一般式Ce1-xLnxO2(但し、LnはLaであり、0.30≦x≦0.50)で表されるものが好ましい。上記組成とすることで、他のランタノイドなどをドーピングしたセリウム含有酸化物よりも酸素イオン伝導性は低下するものの、セリウム含有酸化物からなる第一層と、ランタンガレート酸化物を含む第二層および第三層との焼成時の反応を防止することができるためである。したがって、第一層と第三層および第二層と第三層との界面に高抵抗な不純物相を形成せず、発電性能に優れた固体酸化物形燃料電池を提供できる。
本発明の第一層は多孔質であることが好ましい。ここで示す多孔質とは、少なくとも開気孔を有するものであれば特に限定はなく、5%〜50%の空隙率を有するものが好ましい。また空隙率とは以下の方法で求められる。固体酸化物形燃料電池セルを切断し、空気極から燃料極にかけての切断面を鏡面が出るまで研磨をする。第一層の部分についてSEMで断面写真を撮り、透明なフィルム上に空隙部と粒子部を色分けしてトレースする。色分けされたフィルムを画像処理にかけて空隙部の割合を算出する。
すなわち空隙率が好ましい範囲であると、第一層の表面に形成される第三層が、アンカー効果によって強固に接着させることができる。強固に接着させることが可能となるため、第一層と第一層の表面に形成される第三層間との酸化物イオン伝導を損なうことが無くなり、その結果、界面抵抗の小さい優れた複数の層となるからである。
また本発明において好ましい態様の内の一つである、Laをドーピングしたセリウム含有酸化物は、焼結性が低いため、第一層の空隙率を好ましい範囲未満にしようとした場合、1500℃よりも高温での焼成が必要である。1500℃よりも高温で焼成すると、固体電解質層と、空気極や空気極反応触媒層との反応や、空気極支持体や空気極反応触媒層の緻密化により発電時のガス拡散が十分行われず、高い発電性能が得られない。
本発明のセリウム含有酸化物からなる第一層の厚みは10μm〜40μmであることが好ましい。この理由は、第一層の厚みを10μm以上とすることで、例えば、空気極に含まれるマンガンやコバルトなどの遷移金属元素が、ランタンガレート酸化物を含む第二層および第三層に拡散、固溶することを十分防止できるためである。一方、第一層の厚みを40μm以下とすることで、第一層における抵抗損による影響が小さいためである。従って、第一層の厚みは、空気極に含まれる遷移金属元素が、ランタンガレート酸化物に拡散、固溶することを十分防止できる範囲で、できるだけ薄くするのが好ましい。
本発明のセリウム含有酸化物からなる第一層は、酸素イオン伝導性の大幅な低下を伴わず、空気極や第二層または第三層に含まれるランタンガレート酸化物などの周囲の材料との反応による影響が起こらない範囲で、焼結助剤などの添加剤を含んでも良い。
本発明のランタンガレート酸化物からなる第二層の厚みは5μm〜50μmであることが好ましい。この理由は、第二層の厚みを5μm以上とすることで、セリウム含有酸化物を含む第一層および第三層が燃料雰囲気下で還元されることを防ぐことができるため、発電性能が低下することを防ぐことができるためである。一方、第二層の厚みが50μm以下とすることで、第二層における抵抗損による影響による発電性能低下が小さいためである。従って、第二層の厚みは、セリウム含有酸化物を含む第一層および第二層が還元雰囲気に曝されない範囲で、できるだけ薄くするのが好ましい。
本発明のセリウム含有酸化物とランタンガレート酸化物とが混合された、セリウム含有酸化物とランタンガレート酸化物との混合材料からなる第三層の厚みは、2μm以上であることが好ましい。この理由は、第三層の厚みが2μm以上であると、第一層と第三層に含まれるセリウム含有酸化物および第二層と第三層に含まれるランタンガレート酸化物が、焼成過程でそれぞれ粒成長することができるので界面抵抗が小さくなり、その結果、発電性能を高くすることができるからである。
本発明のセリウム含有酸化物は、発電性能を向上させるという観点から、燃料極と第二層との間に備えても良い。この理由は燃料極の焼成時に、燃料極に含まれる、例えば、ニッケルなどの遷移金属元素がランタンガレート酸化物を含む第二層に拡散、固溶することを防止できるためである。そのため、燃料極と第二層との界面に高抵抗な不純物相を形成せず、発電性能に優れた固体酸化物形燃料電池を提供することができる。
さらに、本発明のセリウム含有酸化物を燃料極と第二層との間に備えた場合、燃料極側に備えたセリウム含有酸化物と第二層との間に本発明のセリウム含有酸化物とランタンガレート酸化物とが混合された、セリウム含有酸化物とランタンガレート酸化物との混合材料を備えても良い。この理由は、燃料極側に備えたセリウム含有酸化物とセリウム含有酸化物とランタンガレート酸化物との混合材料および第二層とセリウム含有酸化物とランタンガレート酸化物との混合材料との間での酸素イオン伝導性を損なうことが無くなり、その結果、界面抵抗が減少するので、優れた発電性能を有する固体酸化物形燃料電池を提供できるからである。
本発明における複数の層は、燃料と空気とを遮断する隔壁としての機能を有する必要があることから、ガス透過性の無いことが求められる。ここで、ガス透過性の無い固体電解質層とは、固体電解質層の片側とその反対側面の間に0.1MPaの圧力差を設け、その間を透過するガス透過量Qで評価され、Q≦2.8×10-9ms-1Pa-1(より好ましくはQ≦2.8×10-10 ms-1Pa-1)であるものを指す。
本発明における複数の層は、固体酸化物形燃料電池の作動温度で、空気雰囲気下および燃料雰囲気下において、酸素イオン伝導性が高いことが好ましい。ここで示す酸素イオン伝導性が高い材料とは、例えば600℃程度の作動温度において高い発電性能が得られる材料であれば良い。
本発明のランタンガレート酸化物は、酸素イオン伝導性が高いと言う観点から、一般式La1-aSraGa1-bMgbO3(但し、0.05≦a≦0.3、0≦b≦0.3)で表されるものが好ましい。
本発明のランタンガレート酸化物は、酸素イオン伝導性が高いと言う観点から、一般式La1-aSraGa1-b-cMgbCocO3(但し、0.05≦a≦0.3、0≦b<0.3、0<c≦0.15、0.025≦b+c≦0.3)で表されるものも好ましい。
本発明における固体電解質層の作製法については特に制限はなく、スラリーコート法、テープキャスティング法、ドクターブレード法、スクリーン印刷法、EVD法、CVD法、RFスパッタリング法などを用いて作製することができるが、量産性に優れ、低コストであるという観点、スラリーコート法、またはスクリーン印刷法が好ましい。
本発明における固体電解質原料の作製方法については特に限定はない。共沈法やクエン酸塩法が一般的である。
本発明における第一層、第二層、第三層を焼結法で作製する場合の焼結方法については、高い発電性能が得られれば良く、特に限定はない。逐次焼成法でも共焼成法のいずれであっても良い。
本発明におけるセリウム含有酸化物、およびランタンガレート酸化物は、添加原子の量や種類に関係して酸素欠損を生じているため、正確には、一般式Ce1-xLnxO2-δ、およびLa1-aAaGa1-bXbO3-δのように記載される。ここでδは酸素欠損量である。しかしδを正確に測定するのは困難であるため、本明細書のセリウム含有酸化物、およびランタンガレート酸化物は便宜上、一般式Ce1-xLnxO2、およびLa1-aAaGa1-bXbO3のように記載する。
本発明における第三層は、第一層側から第二層側へ、ランタンガレート酸化物の量が徐々に多くなるように傾斜させた構造としても良い。
本発明における、空気極は電子伝導性、材料の安定性の観点から、少なくともマンガンを含むペロブスカイト酸化物が好ましい。例えば一般式(La1-xAxyMnO3と表記した場合、x、yの値は0.15≦x≦0.3、0.97≦y≦1の範囲が好ましい。ここで示す一般式中のAは、CaまたはSrが好ましい。
また少なくともマンガンを含むペロブスカイト酸化物には、Ce、Sm、Gd、Pr、Nd、Co、Al、Fe、Cu、Ni等を固溶させたものであっても良い。
本発明における空気極原料の作製法については特に限定はない。粉末混合法、共沈法、噴霧熱分解法、ゾルゲル法などで作製する方法が挙げられる。
本発明において、発電性能を向上させるという観点から、空気極と第一層との間に空気極触媒層を設けても良い。空気極触媒層としては、特に制限はないが、電子伝導性が高く、(1)式の反応をより効率良く行われることが好ましい。これらの観点から、より好ましい材料としては、一般式La1-mSrmCo1-nFenO3(但し、0.05≦m≦0.50、0≦n≦1)で表されるランタンフェライト酸化物と、一般式Ce1-yLnyO2(但し、LnはLa、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc、Yから選ばれる少なくとも一種、0.05≦y≦0.50)で表されるセリウム含有酸化物とが混合され、連通した開気孔を有する空気極触媒層が設けられ、該空気極触媒層に含まれる該セリウム含有酸化物が10〜90重量%であることが好ましい。
本発明における燃料極としては、特に制限はないが、固体酸化物形燃料電池の燃料雰囲気下において電子伝導性が高く、(2)、(3)式の反応が効率良く行われることが好ましい。これらの観点から、より好ましい材料としては、NiOとセリウム含有酸化物とが、それぞれ所定の重量比率で混合されたもの(以下、NiO/セリウム含有酸化物と示す。)、NiOとランタンガレート酸化物とが、それぞれ所定の重量比率で混合されたもの(以下、NiO/ランタンガレート酸化物と示す。)等が挙げられる。またここで示すNiO/セリウム含有酸化物におけるセリウム含有酸化物は、一般式Ce1-yLnyO2(但し、LnはLa、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc、Yから選ばれる少なくとも一種、0.05≦y≦0.50)で表され、燃料雰囲気下で還元されて電子伝導性が発現するため、混合伝導体となる。またここで示すNiO/ランタンガレート酸化物のランタンガレート酸化物は特に限定は無いが、(2)、(3)式の反応をより効率良く行うために、一般式La1-aSraGa1-bMgbO3(但し、0.05≦a≦0.3、0≦b≦0.3)で表されるもの、または、一般式La1-aSraGa1-b-cMgbCocO3(但し、0.05≦a≦0.3、0≦b<0.3、0<c≦0.15、0.025≦b+c≦0.3)で表されるもの、であることが好ましい。
またNiOは燃料雰囲気下で還元されてNiとなるため、前記混合物はNi/セリウム含有酸化物、Ni/ランタンガレート酸化物となる。
ここで示す、NiOとセリウム含有酸化物、NiOとランタンガレート酸化物とが、それぞれ混合されたものとは、粉末混合法、共沈法、噴霧熱分解法、ゾルゲル法などによって作製された原料を用いることによって、得ることができる。
(2)、(3)式の反応を効率良く行うことができ、発電性能を向上させるという観点からは、固体電解質層と燃料極の間に燃料極触媒層を設けることが好ましい。
本発明における燃料極触媒層としては、電子伝導性と酸素イオン伝導性に優れるという観点から、例えばNiO/セリウム含有酸化物、NiO/ランタンガレート酸化物等が挙げられ、重量比率としては、10/90〜50/50が好ましい。この理由は、10/90未満であると電子伝導性が低すぎるためで、一方50/50より大きいと酸素イオン伝導性が低すぎるためである。なお燃料極触媒層は、固体電解質側から燃料極方向へ、NiOの量が徐々に多くなるように傾斜させた構造としても良い。
燃料極触媒層を設けた場合の燃料極においては、抵抗損を低くするために電子伝導性の高いものであることが好ましい。この観点からNiO/セリウム含有酸化物、NiO/ランタンガレート酸化物の重量比率としては、50/50〜90/10が好ましい。この理由は50/50未満では電子伝導性が低いためで、一方90/10より大きいとNi粒子の凝集によって発電性能が低下するためである。なお燃料極は、固体電解質側から燃料極方向へ、NiOの量が徐々に多くなるように傾斜させた構造としても良い。
本発明における燃料極および燃料極触媒層は、Niの他にFe、Co、Cu、Ru、Rh、Pd、Pt等を含むものであっても良い。
本発明における固体酸化物形燃料電池セル形状については特に限定はなく、平板型、円筒型いずれであっても良く、例えばマイクロチューブのタイプ(外径10mm以下、より好ましくは5mm以下)にも適用可能である。ところで本発明における効果は、特に600℃程度の低温下において他の構成より優れた発電性能が得られる。固体酸化物形燃料電池の低温作動化は、固体酸化物形燃料電池の起動性の面から好ましい。急速起動、急速停止に対する信頼性、安定性の観点から、固体酸化物形燃料電池の形状については円筒型が好ましい。
図2に本発明の固体酸化物形燃料電池セルからなるスタックを備えた固体酸化物形燃料電池の一例を示す。空気を供給する機構10と、燃料ガスを供給する機構11と、排ガスを排出する機構12と、電気を取り出す機構13と、円筒型の固体酸化物形燃料電池セルを電気的に接続させたスタック14と、からなる。
本実施例においては、空気極を支持体として両端が開放された円筒型固体酸化物形燃料電池セルを用いた。以下に作製した円筒型固体酸化物形燃料電池の構成について図3及び図4を用いて説明する。図3は両端が開放された円筒型固体酸化物形燃料電池セル斜視図である。図4は円筒型固体酸化物形燃料電池セルの断面図である。空気極支持体4の外側に形成された複数の層2と、該複数の層の外側に形成された燃料極3とから構成されている。前記複数の層は内側に、セリウム含有酸化物からなる第一層2aと、外側にランタンガレート酸化物からなる第二層2bとを備えており、前記第一層と前記第二層との間に、セリウム含有酸化物とランタンガレート酸化物とが混合された、セリウム含有酸化物とランタンガレート酸化物との混合材料からなる第三層2cとから構成されている。さらに前記空気極支持体と前記第一層との間には、空気極触媒層5を備えており、前記第二層と前記燃料極との間には、燃料極触媒層6を備えている。なお、本実施例においては空気極を支持体とした円筒型固体酸化物形燃料電池セルを用いたが、空気極を支持体としたタイプや円筒型に限定されるものではない。
参考例1)
円筒型固体酸化物形燃料電池の作製
(1−1)空気極支持体の作製
空気極支持体の材料は、La0.75Sr0.25MnO3組成のものを用い、押し出し成形法によって円筒状成形体を作製した。さらに、1500℃で焼成を行い、空気極支持体とした。なお空気極支持体は、外径5mm、肉厚1mm、有効セル長110mmとした。
(1−2)空気極触媒層の作製
空気極触媒層の材料は、La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3の組成のLSCF粉末と Ce0.9Gd0.1O2の組成のGDC10粉末とを均一に混合したLSCF/GDC10を用いた(本明細書ではLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3をLSCFと略称し、Ce0.9Gd0.1O2をGDC10と略称し、LSCFとGDC10との混合材料をLSCF/GDC10と略称する)。なおLSCF/GDC10の重量比率は50/50とした。作製方法はLSCF、およびGDC10を各々共沈法で作製後、ジルコニアボールを用いてエタノール中で混合し、熱処理を施し、再びジルコニアボールを用いて粉砕して粒子径を調整した。このときの平均粒子径は5μmとした。この空気極触媒層粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。該スラリーを用いて、空気極支持体上にスラリーコート法により成膜し、1400℃で焼結させた。得られた空気極触媒層の厚さは15μmであった。
(1−3)第一層の作製
第一層の材料は、GDC10粉末を用いた。共沈法で作製したGDC10粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してGDC10スラリーを調整した。該スラリーを用いて、前記空気極触媒層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第一層の厚みは10μmとし、空隙率は4%であった。
(1−4)第三層の作製
第三層の材料は、GDC10粉末とLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2O3の組成のLSGM粉末とを均一に混合したGDC10/LSGMを用いた(本明細書ではLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2O3をLSGMと略称し、GDC10とLSGMの混合材料をGDC10/LSGMと略称する)。なおGDC10/LSGMの重量比率は50/50とした。作製方法はGDC10、およびLSGMを各々共沈法で作製後、ジルコニアボールを用いてエタノール中で混合し、熱処理を施し、再びジルコニアボールを用いて粉砕して粒子径を調整した。このときの平均粒子径は0.5μmとした。この第二層粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してGDC10/LSGMスラリーを調整した。該スラリーを用いて、前記第一層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第三層の厚みは、2μmとした。
(1−5)第二層の作製
第二層の材料は、LSGM粉末を用いた。共沈法で作製したLSGM粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。該スラリーを用いて、第三層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第二層の厚みは、30μmとした。
(1−6)燃料極触媒層の作製
燃料極触媒層の材料は、NiO/Ce0.8Sm0.2O2(本明細書ではNiO/Ce0.8Sm0.2O2をNiO/SDC20と略称する)とし、共沈法で作製後、熱処理を施し、粒子径を制御して原料粉末を得た。NiO/SDC20の重量比率は、30/70、50/50の2種類を作製した。なお粉末の平均粒子径はどちらも0.5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)10重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。燃料極の面積が17.3cmになるようにセルへマスキングをし、NiO/SDC20=30/70、50/50の順番でスラリーコート法により成膜した。燃料極触媒層の厚み(焼成後)は10μmとした。
(1−7)燃料極の作製
燃料極の材料は、NiO/SDC20とし、共沈法で作製後、熱処理を施し、粒子径を制御して原料粉末を得た。NiO/SDC20の重量比率は、70/30とした。なお粉末の粒子径は1.5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)20重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。燃料極触媒層上に、燃料極をスラリーコート法により成膜した。燃料極の厚み(焼成後)は90μmとした。次に、燃料極触媒層と燃料極を1300℃で共焼結させた。
参考例2)
円筒型固体酸化物形燃料電池の作製
(2−1)空気極支持体の作製
空気極支持体の材料は、La0.75Sr0.25MnO3組成のものを用い、押し出し成形法によって円筒状成形体を作製した。さらに、1500℃で焼成を行い、空気極支持体とした。なお空気極支持体は、外径5mm、肉厚1mm、有効セル長110mmとした。
(2−2)空気極触媒層の作製
空気極触媒層の材料は、LSCF粉末と GDC10粉末とを均一に混合したLSCF/GDC10を用いた。なおLSCF/GDC10の重量比率は50/50とした。作製方法はLSCF、およびGDC10を各々共沈法で作製後、ジルコニアボールを用いてエタノール中で混合し、熱処理を施し、再びジルコニアボールを用いて粉砕して粒子径を調整した。このときの平均粒子径は5μmとした。この空気極触媒層粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。該スラリーを用いて、空気極支持体上にスラリーコート法により成膜し、1400℃で焼結させた。得られた空気極触媒層の厚さは15μmであった。
(2−3)第一層の作製
第一層の材料は、Ce0.9La0.1O2の組成のLDC10粉末を用いた(本明細書ではCe0.9La0.1O2をLDC10と略称する)。共沈法で作製したLDC10粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してLDC10スラリーを調整した。該スラリーを用いて、前記空気極触媒層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第一層の厚みは10μmとし、空隙率は34%であった。
(2−4)第三層の作製
第三層の材料は、LDC10粉末とLSGM粉末とを均一に混合したLDC10/LSGMを用いた(本明細書ではLDC10とLSGMの混合材料をLDC10/LSGMと略称する)。なおLDC10/LSGMの重量比率は50/50とした。作製方法はLDC10、およびLSGMを各々共沈法で作製後、ジルコニアボールを用いてエタノール中で混合し、熱処理を施し、再びジルコニアボールを用いて粉砕して粒子径を調整した。このときの平均粒子径は0.5μmとした。この第二層粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してLDC10/LSGMスラリーを調整した。該スラリーを用いて、前記第一層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第三層の厚みは、2μmとした。
(2−5)第二層の作製
第二層の材料は、LSGM粉末を用いた。共沈法で作製したLSGM粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。該スラリーを用いて、第三層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第二層の厚みは、30μmとした。
(2−6)燃料極触媒層の作製
燃料極触媒層の材料は、NiO/SDC20とし、共沈法で作製後、熱処理を施し、粒子径を制御して原料粉末を得た。NiO/SDC20の重量比率は、30/70、50/50の2種類を作製した。なお粉末の平均粒子径はどちらも0.5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)10重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。燃料極の面積が17.3cmになるようにセルへマスキングをし、NiO/SDC20=30/70、50/50の順番でスラリーコート法により成膜した。燃料極触媒層の厚み(焼成後)は10μmとした。
(2−7)燃料極の作製
燃料極の材料は、NiO/SDC20とし、共沈法で作製後、熱処理を施し、粒子径を制御して原料粉末を得た。NiO/SDC20の重量比率は、70/30とした。なお粉末の粒子径は1.5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)20重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。燃料極触媒層上に、燃料極をスラリーコート法により成膜した。燃料極の厚み(焼成後)は90μmとした。次に、燃料極触媒層と燃料極を1300℃で共焼結させた。
参考例3)
円筒型固体酸化物形燃料電池の作製
(3−1)空気極支持体の作製
空気極支持体の材料は、La0.75Sr0.25MnO3組成のものを用い、押し出し成形法によって円筒状成形体を作製した。さらに、1500℃で焼成を行い、空気極支持体とした。なお空気極支持体は、外径5mm、肉厚1mm、有効セル長110mmとした。
(3−2)空気極触媒層の作製
空気極触媒層の材料は、LSCF粉末と GDC10粉末とを均一に混合したLSCF/GDC10を用いた。なおLSCF/GDC10の重量比率は50/50とした。作製方法はLSCF、およびGDC10を各々共沈法で作製後、ジルコニアボールを用いてエタノール中で混合し、熱処理を施し、再びジルコニアボールを用いて粉砕して粒子径を調整した。このときの平均粒子径は5μmとした。この空気極触媒層粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。該スラリーを用いて、空気極支持体上にスラリーコート法により成膜し、1400℃で焼結させた。得られた空気極触媒層の厚さは15μmであった。
(3−3)第一層の作製
第一層の材料は、Ce0.6La0.4O2の組成のLDC40粉末を用いた(本明細書ではCe0.6La0.4O2をLDC40と略称する)。共沈法で作製したLDC40粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してLDC40スラリーを調整した。該スラリーを用いて、前記空気極触媒層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第一層の厚みは2μmとし、空隙率は18%であった。
(3−4)第三層の作製
第三層の材料は、LDC40粉末とLSGM粉末とを均一に混合したLDC40/LSGMを用いた(本明細書ではLDC40とLSGMの混合材料をLDC40/LSGMと略称する)。なおLDC40/LSGMの重量比率は50/50とした。作製方法はLDC40、およびLSGMを各々共沈法で作製後、ジルコニアボールを用いてエタノール中で混合し、熱処理を施し、再びジルコニアボールを用いて粉砕して粒子径を調整した。このときの平均粒子径は0.5μmとした。この第二層粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してLDC40/LSGMスラリーを調整した。該スラリーを用いて、前記第一層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第三層の厚みは、2μmとした。
(3−5)第二層の作製
第二層の材料は、LSGM粉末を用いた。共沈法で作製したLSGM粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。該スラリーを用いて、第三層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第二層の厚みは、30μmとした。
(3−6)燃料極触媒層の作製
燃料極触媒層の材料は、NiO/SDC20とし、共沈法で作製後、熱処理を施し、粒子径を制御して原料粉末を得た。NiO/SDC20の重量比率は、30/70、50/50の2種類を作製した。なお粉末の平均粒子径はどちらも0.5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)10重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。燃料極の面積が17.3cmになるようにセルへマスキングをし、NiO/SDC20=30/70、50/50の順番でスラリーコート法により成膜した。燃料極触媒層の厚み(焼成後)は10μmとした。
(3−7)燃料極の作製
燃料極の材料は、NiO/SDC20とし、共沈法で作製後、熱処理を施し、粒子径を制御して原料粉末を得た。NiO/SDC20の重量比率は、70/30とした。なお粉末の粒子径は1.5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)20重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。燃料極触媒層上に、燃料極をスラリーコート法により成膜した。燃料極の厚み(焼成後)は90μmとした。次に、燃料極触媒層と燃料極を1300℃で共焼結させた。
(実施例4)
円筒型固体酸化物形燃料電池の作製
(4−1)空気極支持体の作製
空気極支持体の材料は、La0.75Sr0.25MnO3組成のものを用い、押し出し成形法によって円筒状成形体を作製した。さらに、1500℃で焼成を行い、空気極支持体とした。なお空気極支持体は、外径5mm、肉厚1mm、有効セル長110mmとした。
(4−2)空気極触媒層の作製
空気極触媒層の材料は、LSCF粉末と GDC10粉末とを均一に混合したLSCF/GDC10を用いた。なおLSCF/GDC10の重量比率は50/50とした。作製方法はLSCF、およびGDC10を各々共沈法で作製後、ジルコニアボールを用いてエタノール中で混合し、熱処理を施し、再びジルコニアボールを用いて粉砕して粒子径を調整した。このときの平均粒子径は5μmとした。この空気極触媒層粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。該スラリーを用いて、空気極支持体上にスラリーコート法により成膜し、1400℃で焼結させた。得られた空気極触媒層の厚さは15μmであった。
(4−3)第一層の作製
第一層の材料は、LDC40粉末を用いた。共沈法で作製したLDC40粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してLDC40スラリーを調整した。該スラリーを用いて、前記空気極触媒層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第一層の厚みは10μmとし、空隙率は25%であった。
(4−4)第三層の作製
第三層の材料は、LDC40粉末とLSGM粉末とを均一に混合したLDC40/LSGMを用いた。なおLDC40/LSGMの重量比率は50/50とした。作製方法はLDC40、およびLSGMを各々共沈法で作製後、ジルコニアボールを用いてエタノール中で混合し、熱処理を施し、再びジルコニアボールを用いて粉砕して粒子径を調整した。このときの平均粒子径は0.5μmとした。この第二層粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してLDC40/LSGMスラリーを調整した。該スラリーを用いて、前記第一層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第三層の厚みは、2μmとした。
(4−5)第二層の作製
第二層の材料は、LSGM粉末を用いた。共沈法で作製したLSGM粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。該スラリーを用いて、第三層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第二層の厚みは、30μmとした。
(4−6)燃料極触媒層の作製
燃料極触媒層の材料は、NiO/SDC20とし、共沈法で作製後、熱処理を施し、粒子径を制御して原料粉末を得た。NiO/SDC20の重量比率は、30/70、50/50の2種類を作製した。なお粉末の平均粒子径はどちらも0.5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)10重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。燃料極の面積が17.3cmになるようにセルへマスキングをし、NiO/SDC20=30/70、50/50の順番でスラリーコート法により成膜した。燃料極触媒層の厚み(焼成後)は10μmとした。
(4−7)燃料極の作製
燃料極の材料は、NiO/SDC20とし、共沈法で作製後、熱処理を施し、粒子径を制御して原料粉末を得た。NiO/SDC20の重量比率は、70/30とした。なお粉末の粒子径は1.5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)20重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。燃料極触媒層上に、燃料極をスラリーコート法により成膜した。燃料極の厚み(焼成後)は90μmとした。次に、燃料極触媒層と燃料極を1300℃で共焼結させた。
(実施例5)
円筒型固体酸化物形燃料電池の作製
(5−1)空気極支持体の作製
空気極支持体の材料は、La0.75Sr0.25MnO3組成のものを用い、押し出し成形法によって円筒状成形体を作製した。さらに、1500℃で焼成を行い、空気極支持体とした。なお空気極支持体は、外径5mm、肉厚1mm、有効セル長110mmとした。
(5−2)空気極触媒層の作製
空気極触媒層の材料は、LSCF粉末と GDC10粉末とを均一に混合したLSCF/GDC10を用いた。なおLSCF/GDC10の重量比率は50/50とした。作製方法はLSCF、およびGDC10を各々共沈法で作製後、ジルコニアボールを用いてエタノール中で混合し、熱処理を施し、再びジルコニアボールを用いて粉砕して粒子径を調整した。このときの平均粒子径は5μmとした。この空気極触媒層粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。該スラリーを用いて、空気極支持体上にスラリーコート法により成膜し、1400℃で焼結させた。得られた空気極触媒層の厚さは15μmであった。
(5−3)第一層の作製
第一層の材料は、LDC40粉末を用いた。共沈法で作製したLDC40粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してLDC40スラリーを調整した。該スラリーを用いて、前記空気極触媒層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第一層の厚みは25μmとし、空隙率は32%であった。
(5−4)第三層の作製
第三層の材料は、LDC40粉末とLSGM粉末とを均一に混合したLDC40/LSGMを用いた。なおLDC40/LSGMの重量比率は50/50とした。作製方法はLDC40、およびLSGMを各々共沈法で作製後、ジルコニアボールを用いてエタノール中で混合し、熱処理を施し、再びジルコニアボールを用いて粉砕して粒子径を調整した。このときの平均粒子径は0.5μmとした。この第二層粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してLDC40/LSGMスラリーを調整した。該スラリーを用いて、前記第一層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第三層の厚みは、2μmとした。
(5−5)第二層の作製
第二層の材料は、LSGM粉末を用いた。共沈法で作製したLSGM粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。該スラリーを用いて、第三層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第二層の厚みは、30μmとした。
(5−6)燃料極触媒層の作製
燃料極触媒層の材料は、NiO/SDC20とし、共沈法で作製後、熱処理を施し、粒子径を制御して原料粉末を得た。NiO/SDC20の重量比率は、30/70、50/50の2種類を作製した。なお粉末の平均粒子径はどちらも0.5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)10重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。燃料極の面積が17.3cmになるようにセルへマスキングをし、NiO/SDC20=30/70、50/50の順番でスラリーコート法により成膜した。燃料極触媒層の厚み(焼成後)は10μmとした。
(5−7)燃料極の作製
燃料極の材料は、NiO/SDC20とし、共沈法で作製後、熱処理を施し、粒子径を制御して原料粉末を得た。NiO/SDC20の重量比率は、70/30とした。なお粉末の粒子径は1.5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)20重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。燃料極触媒層上に、燃料極をスラリーコート法により成膜した。燃料極の厚み(焼成後)は90μmとした。次に、燃料極触媒層と燃料極を1300℃で共焼結させた。
(実施例6)
円筒型固体酸化物形燃料電池の作製
(6−1)空気極支持体の作製
空気極支持体の材料は、La0.75Sr0.25MnO3組成のものを用い、押し出し成形法によって円筒状成形体を作製した。さらに、1500℃で焼成を行い、空気極支持体とした。なお空気極支持体は、外径5mm、肉厚1mm、有効セル長110mmとした。
(6−2)空気極触媒層の作製
空気極触媒層の材料は、LSCF粉末と GDC10粉末とを均一に混合したLSCF/GDC10を用いた。なおLSCF/GDC10の重量比率は50/50とした。作製方法はLSCF、およびGDC10を各々共沈法で作製後、ジルコニアボールを用いてエタノール中で混合し、熱処理を施し、再びジルコニアボールを用いて粉砕して粒子径を調整した。このときの平均粒子径は5μmとした。この空気極触媒層粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。該スラリーを用いて、空気極支持体上にスラリーコート法により成膜し、1400℃で焼結させた。得られた空気極触媒層の厚さは15μmであった。
(6−3)第一層の作製
第一層の材料は、LDC40粉末を用いた。共沈法で作製したLDC40粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してLDC40スラリーを調整した。該スラリーを用いて、前記空気極触媒層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第一層の厚みは40μmとし、空隙率は36%であった。
(6−4)第三層の作製
第三層の材料は、LDC40粉末とLSGM粉末とを均一に混合したLDC40/LSGMを用いた。なおLDC40/LSGMの重量比率は50/50とした。作製方法はLDC40、およびLSGMを各々共沈法で作製後、ジルコニアボールを用いてエタノール中で混合し、熱処理を施し、再びジルコニアボールを用いて粉砕して粒子径を調整した。このときの平均粒子径は0.5μmとした。この第二層粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してLDC40/LSGMスラリーを調整した。該スラリーを用いて、前記第一層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第三層の厚みは、2μmとした。
(6−5)第二層の作製
第二層の材料は、LSGM粉末を用いた。共沈法で作製したLSGM粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。該スラリーを用いて、第三層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第二層の厚みは、30μmとした。
(6−6)燃料極触媒層の作製
燃料極触媒層の材料は、NiO/SDC20とし、共沈法で作製後、熱処理を施し、粒子径を制御して原料粉末を得た。NiO/SDC20の重量比率は、30/70、50/50の2種類を作製した。なお粉末の平均粒子径はどちらも0.5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)10重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。燃料極の面積が17.3cmになるようにセルへマスキングをし、NiO/SDC20=30/70、50/50の順番でスラリーコート法により成膜した。燃料極触媒層の厚み(焼成後)は10μmとした。
(6−7)燃料極の作製
燃料極の材料は、NiO/SDC20とし、共沈法で作製後、熱処理を施し、粒子径を制御して原料粉末を得た。NiO/SDC20の重量比率は、70/30とした。なお粉末の粒子径は1.5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)20重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。燃料極触媒層上に、燃料極をスラリーコート法により成膜した。燃料極の厚み(焼成後)は90μmとした。次に、燃料極触媒層と燃料極を1300℃で共焼結させた。
参考例7)
円筒型固体酸化物形燃料電池の作製
(7−1)空気極支持体の作製
空気極支持体の材料は、La0.75Sr0.25MnO3組成のものを用い、押し出し成形法によって円筒状成形体を作製した。さらに、1500℃で焼成を行い、空気極支持体とした。なお空気極支持体は、外径5mm、肉厚1mm、有効セル長110mmとした。
(7−2)空気極触媒層の作製
空気極触媒層の材料は、LSCF粉末と GDC10粉末とを均一に混合したLSCF/GDC10を用いた。なおLSCF/GDC10の重量比率は50/50とした。作製方法はLSCF、およびGDC10を各々共沈法で作製後、ジルコニアボールを用いてエタノール中で混合し、熱処理を施し、再びジルコニアボールを用いて粉砕して粒子径を調整した。このときの平均粒子径は5μmとした。この空気極触媒層粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。該スラリーを用いて、空気極支持体上にスラリーコート法により成膜し、1400℃で焼結させた。得られた空気極触媒層の厚さは15μmであった。
(7−3)第一層の作製
第一層の材料は、LDC40粉末を用いた。共沈法で作製したLDC40粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してLDC40スラリーを調整した。該スラリーを用いて、前記空気極触媒層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第一層の厚みは50μmとし、空隙率は38%であった。
(7−4)第三層の作製
第三層の材料は、LDC40粉末とLSGM粉末とを均一に混合したLDC40/LSGMを用いた。なおLDC40/LSGMの重量比率は50/50とした。作製方法はLDC40、およびLSGMを各々共沈法で作製後、ジルコニアボールを用いてエタノール中で混合し、熱処理を施し、再びジルコニアボールを用いて粉砕して粒子径を調整した。このときの平均粒子径は0.5μmとした。この第二層粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してLDC40/LSGMスラリーを調整した。該スラリーを用いて、前記第一層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第三層の厚みは、2μmとした。
(7−5)第二層の作製
第二層の材料は、LSGM粉末を用いた。共沈法で作製したLSGM粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。該スラリーを用いて、第三層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第二層の厚みは、30μmとした。
(7−6)燃料極触媒層の作製
燃料極触媒層の材料は、NiO/SDC20とし、共沈法で作製後、熱処理を施し、粒子径を制御して原料粉末を得た。NiO/SDC20の重量比率は、30/70、50/50の2種類を作製した。なお粉末の平均粒子径はどちらも0.5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)10重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。燃料極の面積が17.3cmになるようにセルへマスキングをし、NiO/SDC20=30/70、50/50の順番でスラリーコート法により成膜した。燃料極触媒層の厚み(焼成後)は10μmとした。
(7−7)燃料極の作製
燃料極の材料は、NiO/SDC20とし、共沈法で作製後、熱処理を施し、粒子径を制御して原料粉末を得た。NiO/SDC20の重量比率は、70/30とした。なお粉末の粒子径は1.5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)20重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。燃料極触媒層上に、燃料極をスラリーコート法により成膜した。燃料極の厚み(焼成後)は90μmとした。次に、燃料極触媒層と燃料極を1300℃で共焼結させた。
(比較例1)
円筒型固体酸化物形燃料電池の作製
(比1−1)空気極支持体の作製
空気極支持体の材料は、La0.75Sr0.25MnO3組成のものを用い、押し出し成形法によって円筒状成形体を作製した。さらに、1500℃で焼成を行い、空気極支持体とした。なお空気極支持体は、外径5mm、肉厚1mm、有効セル長110mmとした。
(比1−2)空気極触媒層の作製
空気極触媒層の材料は、LSCF粉末と GDC10粉末とを均一に混合したLSCF/GDC10を用いた。なおLSCF/GDC10の重量比率は50/50とした。作製方法はLSCF、およびGDC10を各々共沈法で作製後、ジルコニアボールを用いてエタノール中で混合し、熱処理を施し、再びジルコニアボールを用いて粉砕して粒子径を調整した。このときの平均粒子径は5μmとした。この空気極触媒層粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。該スラリーを用いて、空気極支持体上にスラリーコート法により成膜し、1400℃で焼結させた。得られた空気極触媒層の厚さは15μmであった。
(比1−3)第一層の作製
第一層の材料は、GDC10粉末を用いた。共沈法で作製したGDC10粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してGDC10スラリーを調整した。該スラリーを用いて、前記空気極触媒層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第一層の厚みは10μmとし、空隙率は4%であった。
(比1−4)第二層の作製
第二層の材料は、LSGM粉末を用いた。共沈法で作製したLSGM粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。該スラリーを用いて、第三層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第二層の厚みは、30μmとした。
(比1−5)燃料極触媒層の作製
燃料極触媒層の材料は、NiO/SDC20とし、共沈法で作製後、熱処理を施し、粒子径を制御して原料粉末を得た。NiO/SDC20の重量比率は、30/70、50/50の2種類を作製した。なお粉末の平均粒子径はどちらも0.5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)10重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。燃料極の面積が17.3cmになるようにセルへマスキングをし、NiO/SDC20=30/70、50/50の順番でスラリーコート法により成膜した。燃料極触媒層の厚み(焼成後)は10μmとした。
(比1−6)燃料極の作製
燃料極の材料は、NiO/SDC20とし、共沈法で作製後、熱処理を施し、粒子径を制御して原料粉末を得た。NiO/SDC20の重量比率は、70/30とした。なお粉末の粒子径は1.5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)20重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。燃料極触媒層上に、燃料極をスラリーコート法により成膜した。燃料極の厚み(焼成後)は90μmとした。次に、燃料極触媒層と燃料極を1300℃で共焼結させた。
(比較例2)
円筒型固体酸化物形燃料電池の作製
(比2−1)空気極支持体の作製
空気極支持体の材料は、La0.75Sr0.25MnO3組成のものを用い、押し出し成形法によって円筒状成形体を作製した。さらに、1500℃で焼成を行い、空気極支持体とした。なお空気極支持体は、外径5mm、肉厚1mm、有効セル長110mmとした。
(比2−2)空気極触媒層の作製
空気極触媒層の材料は、LSCF粉末と GDC10粉末とを均一に混合したLSCF/GDC10を用いた。なおLSCF/GDC10の重量比率は50/50とした。作製方法はLSCF、およびGDC10を各々共沈法で作製後、ジルコニアボールを用いてエタノール中で混合し、熱処理を施し、再びジルコニアボールを用いて粉砕して粒子径を調整した。このときの平均粒子径は5μmとした。この空気極触媒層粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部とを混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。該スラリーを用いて、空気極支持体上にスラリーコート法により成膜し、1400℃で焼結させた。得られた空気極触媒層の厚さは15μmであった。
(比2−3)第一層の作製
第一層の材料は、LDC10粉末を用いた。共沈法で作製したLDC10粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してLDC10スラリーを調整した。該スラリーを用いて、前記空気極触媒層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第一層の厚みは10μmとし、空隙率は36%であった。
(比2−4)第二層の作製
第二層の材料は、LSGM粉末を用いた。共沈法で作製したLSGM粉末40重量部を溶媒(エタノール)100重量部、バインダー(エチルセルロース)2重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)1重量部、消泡剤(ソルビタンセスキオレート)1重量部と混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。該スラリーを用いて、第三層の表面にスラリーコート法で成膜し、1430℃で焼結させた。第二層の厚みは、30μmとした。
(比2−5)燃料極触媒層の作製
燃料極触媒層の材料は、NiO/SDC20とし、共沈法で作製後、熱処理を施し、粒子径を制御して原料粉末を得た。NiO/SDC20の重量比率は、30/70、50/50の2種類を作製した。なお粉末の平均粒子径はどちらも0.5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)10重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。燃料極の面積が17.3cmになるようにセルへマスキングをし、NiO/SDC20=30/70、50/50の順番でスラリーコート法により成膜した。燃料極触媒層の厚み(焼成後)は10μmとした。
(比2−6)燃料極の作製
燃料極の材料は、NiO/SDC20とし、共沈法で作製後、熱処理を施し、粒子径を制御して原料粉末を得た。NiO/SDC20の重量比率は、70/30とした。なお粉末の粒子径は1.5μmであった。該粉末100重量部と有機溶媒(エタノール)500重量部、バインダー(エチルセルロース)20重量部、分散剤(ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル)5重量部、消泡剤(ソルビタンセスオキオレート)1重量部、可塑剤(DBP)5重量部を混合した後、十分攪拌してスラリーを調整した。燃料極触媒層上に、燃料極をスラリーコート法により成膜した。燃料極の厚み(焼成後)は90μmとした。次に、燃料極触媒層と燃料極を1300℃で共焼結させた。
Figure 0004798533
得られたセル(燃料極有効面積:17.3cm2)を用いて発電試験を行った。空気極側の集電は、空気極支持体の内側全面に銀ペーストを塗布した後、銀メッシュを焼付けて行った。燃料極側の集電は、Niペーストを塗布した後、Niメッシュを短冊状に切断し螺旋状に巻きつけて行った。運転条件としては、燃料は(H2+3%H2O)とN2の混合ガスとした。燃料利用率は10%とした。酸化剤は空気とした。空気利用率は20%とした。発電特性は、測定温度を600℃とし、開回路電圧、および電流密度0.27A/cm2での発電電位を測定した。表1に発電試験における600℃での開回路電圧の結果、および電流密度0.27A/cm2における発電電位を示す。
参考例1、2と比較例1、2は、第三層を設ける場合と設けない場合の結果である。参考例1と比較例1、参考例2と比較例2を比較すると、参考例1、2の方が発電性能が向上していることが確認できる。ここから第三層を設けることで密着性が向上し、600℃における発電性能も向上することが確認された。また、参考例1〜3および実施例4、5は、第二層と第三層の厚みを一定として、第一層の厚みを変化させた結果である。第一層の厚みが2μmの場合は開回路電圧が低くなったが、厚みが10μm以上の場合には開回路電圧が高くなり、発電性能も向上した。しかし、第一層の厚みが50μmとなると、発電電位の低下が見られた。ここから、第一層の厚みは5μm〜40μmが好ましいことが確認された。参考例1と実施例4は第一層の空隙率が異なる場合の比較である。この結果から、空隙率の高い実施例4の方が発電性能が向上していることが確認できる。ここから、第一層は多孔質であることが好ましいと確認された。なお本試験では、発電電位は小数点第4桁まで測定しているが、便宜上小数点第2桁までの結果を掲載している。そのため参考例1と参考例2とでは10mVの差が生じているが、これは測定誤差ではなく、十分有意差があるものである。
また本実施例においては、第三層の材料はジルコニアボールを用いた粉末混合法によりセリウム含有酸化物粉末とランタンガレート酸化物粉末とを均一に混合させた。ここで示す均一とは粉末混合法、共沈法、噴霧熱分解法、ゾルゲル法で得られる原料レベルの均一性があれば十分均一であることを指しており、本実施例による粉末混合法に限ったものではない。
Figure 0004798533




参考例1、実施例4と比較例1に対しては交流インピーダンス測定を行った。交流インピーダンス測定は、交流電流を流し、その際の周波数応答からインピーダンスが算出される。固体電解質粒内の抵抗、粒界の抵抗、電極の抵抗はそれぞれの緩和時間が異なるために別々な周波数応答で現れるので、周波数の高い順から固体電解質の粒内の抵抗、粒界の抵抗、電極の抵抗と分離できる。複数の層に関係する抵抗は、各層間の界面の抵抗(界面抵抗)であり、交流インピーダンス測定で分離した粒界の抵抗に概ね相当する。界面抵抗は、測定温度600℃とし、電流密度0.1A/cm2、周波数10kHz〜0.1Hzで測定して抵抗を求めた。表2に参考例1、実施例4と比較例1に対して、求められた界面抵抗の結果を示す。


参考例1と比較例1との界面抵抗の値を比較すると、明らかに参考例1の方が低いことが確認できる。ここから第三層を設けることで各層間において、酸素イオン伝導性を損なうことが無くなり、その結果、界面抵抗が大幅に減少していることが確認された。また参考例1と実施例4とを比較すると、実施例4の方が低いことが確認できる。この原因としては、セリウム含有酸化物の組成を最適化したので、セリウム含有酸化物を含む層と、ランタンガレート酸化物を含む層との間の反応を抑制することができたことと、第一層が多孔質であるために、第一層の表面に形成される層がアンカー効果によって強固に接着されることが可能となったことによると考えられる。ここから第一層と第三層に含まれるセリウム含有酸化物は、一般式Ce1-xLnxO2-δ(但し、LnはLaであり、0.30≦x≦0.50)であることが好ましいことが確認され、かつ、多孔質であることが確認された。

セリウム含有酸化物とランタンガレート酸化物との間の反応性の確認を行った。セリウム含有酸化物粉末とランタンガレート酸化物粉末を均一に混合後、1400℃で熱処理を行い、X線回折法により結晶相を分析した。
Figure 0004798533
表3に、LSGM粉末と各セリウム含有酸化物粉末とをそれぞれ当重量ずつ均一に混合し、1400℃で2時間熱処理を行った後に、X線回折法により同定された結晶相を示した。なおLSGMの組成はLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2O3を用いた。セリウム含有酸化物の組成は、Ce0.5La0.5O2(本明細書ではCe0.5La0.5O2をLDC50と略称する)、LDC40、Ce0.7La0.3O2(本明細書ではCe0.7La0.3O2をLDC30と略称する)、Ce0.8La0.2O2(本明細書ではCe0.8La0.2O2をLDC20と略称する)、LDC10、Ce0.8Sm0.2O2(本明細書ではCe0.8Sm0.2O2をSDC20と略称する)、Ce0.9Sm0.1O2(本明細書ではCe0.9Sm0.1O2をSDC10と略称する)、Ce0.8Gd0.2O2(以下GDC20と略称する)、GDC10、の9種類を用いた。表3中の「○」は、ピークが確認できたことを表す。「×」はピークが確認できなかった、または極微小のピークであったことを表す。表3より、不純物ピークを観測しなかった、あるいは極微小のピークであったのはLDC50、LDC40、LDC30でありLSGMとほとんど反応しないことが確認できる。ここから本発明としては、より好ましくは、セリウム含有酸化物は一般式Ce1-xLnxO2-δ(但し、LnはLaであり、0.30≦x≦0.50)であることが好ましいことが確認された。
本発明の固体酸化物形燃料電池セルにおける単電池の断面を示す図である。 本発明の固体酸化物形燃料電池セルからなるスタックを備えた固体酸化物形燃料電池の一例を示す図である。 本発明の固体酸化物形燃料電池セルにおける、空気極を支持体とした円筒型セルの斜視図である。 本発明の固体酸化物形燃料電池セルにおける、空気極を支持体とした円筒型セルの断面図である。
符号の説明
1:空気極
2:複数の層
2a:第一層
2b:第二層
2c:第三層
3:燃料極
4:空気極支持体
5:空気極触媒層
6:燃料極触媒層
10:空気を供給する機構
11:燃料ガスを供給する機構
12:排ガスを排出する機構
13:電気を取り出す機構
14:円筒型固体酸化物形燃料電池セルを電気的に接続させたスタック

Claims (4)

  1. 遷移金属元素を含む電極である空気極と、遷移金属元素を含む電極である燃料極との間に複数の層からなる固体電解質層を備え、前記空気極側に空気を、前記燃料極側に燃料を供給する固体酸化物形燃料電池セルであって、
    前記複数の層からなる固体電解質層は、
    前記空気極と前記燃料極との間に設けられ、一般式La1-aAaGa1-bXbO3またはLa1-aAaGa1-b-cXbZcO3(但し、AはSr、Ca、Baから選ばれる少なくとも一種、XはMg、Al、Inから選ばれる少なくとも一種、ZはCo、Fe、Ni、Cuから選ばれる少なくとも一種、但し、0.05≦a≦0.3、0≦b<0.3、0<c≦0.15、0.025≦b+c≦0.3)で表されるランタンガレート酸化物からなる第二層と、
    前記空気極または前記燃料極と、前記第二層と、の間に設けられ、前記空気極または前記燃料極に含まれる遷移金属元素の前記第二層への拡散を防止する、一般式Ce1-xLnxO2(但し、LnはLa、xは、0.30≦x≦0.50を満たす)で表されるセリウム含有酸化物からなり、厚みが10〜40μmである第一層を備えており、
    前記第一層と前記第二層との間に、前記第一層と前記第二層との間の界面抵抗を減少させるための前記セリウム含有酸化物と前記ランタンガレート酸化物とが混合された、セリウム含有酸化物とランタンガレート酸化物との混合材料からなる第三層を備えていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池セル。
  2. 前記固体酸化物形燃料電池セルは円筒型であって、
    前記複数の層の中で、前記第一層を、前記第二層よりも内側に配置したことを特徴とする請求項1記載の固体酸化物形燃料電池セル。
  3. 前記第一層は5%〜50%の空隙率を有することを特徴とする請求項1または2に記載の固体酸化物形燃料電池セル
  4. 請求項1ないし3いずれかに記載の固体酸化物形燃料電池セルからなるスタックを備えることを特徴とする固体酸化物形燃料電池
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