JP4798370B2 - クランプ力調節方法及びクランプ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、クランプ力調節方法及びクランプ装置に関するもので、特に、クランプ力を必要最小限に調節可能なクランプ力調節方法及びクランプ装置に関する。
一般に、クランプ装置に汎用性を持たせる場合、ワーク形状に応じた拘束が困難であるため、ワークとの摩擦を利用するのが通例である。ここで、ワークの剛性が小さい場合、ワークを必要最小限のクランプ力で把持してワークの変形を防ぐ必要がある。そこで、従来、ワークの滑り方向の力を測定し、該測定結果に基いてクランプ力を制御するクランプ装置が開発されている。図5に、このようなクランプ装置11の一例の概略構成図を示す。このクランプ装置11は、固定側把持部16と可動側把持部17との間にワーク12(鋼板)を把持し、可動側把持部17は、スライド機構13を介して回動部材15に設けられる。そして、このクランプ装置11は、ワーク12の滑り方向の力(図5におけるF)またはワーク12の滑り方向の変位を、スライド機構13に装着された歪ゲージ14によって検出し、該検出結果に基いてクランプ駆動用モータ18の出力を制御してクランプ力を調節する。
上記クランプ装置11は、可動側把持部17を回動部材15に対してワーク12の滑り方向へスライドさせる機構13、及びワーク12の滑り方向の力F又はワーク12の滑り方向の変位を検出する歪ゲージ14に加え、歪ゲージ用アンプ19並びにA/D変換ボード20が必要であるため、システムが複雑且つ高価になる問題がある。この問題の根底にあるのは、ワーク12の滑り方向の力F又はワーク12の滑り方向の変位を測定器を用いて直接測定するところにある。そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、測定器を用いることなく、ワークのクランプ力を必要最小限に調節することが可能なクランプ力調節方法及びクランプ装置を提供することを課題としてなされたものである。
上記課題を解決するために、本発明のクランプ力調節方法は、クランプがワークをクランプする力(N)を調節する方法であって、クランプ面に直交するクランプ軸に対して所定角度(θ)をなす方向へクランプ力(N)を作用させてワークをクランプし、この状態でワークを操作した時のワークがクランプに対して運動しようとする力(F)を、該力(F)のクランプ力作用軸方向の分力(Fsinθ)に基いて取得し、該取得した力(F)に基いてクランプ力(N)を調節することを特徴とする。
本発明のクランプ力調節方法によれば、クランプ軸に対して所定角度(θ)をなす方向へクランプ力(N)を作用させてワークをクランプすることにより、ワークを操作した時のワークがクランプに対して運動しようとする力、即ちワークがクランプに対して滑り方向へ動こうとする力(F)の分力(Fsinθ)を取得することが可能になり、該分力(Fsinθ)に基いて当該力(F)を取得することがことができる。これにより、ワークがクランプに対して滑り方向へ動こうとする力(F)に応じてクランプ力(N)を最小限に調節することができる。
上記課題を解決するために、本発明のクランプ装置は、固定側クランプと可動側クランプとによって構成され、クランプ面に直交するクランプ軸に対して所定角度(θ)だけ傾斜したクランプ力作用軸を有するクランプと、ワークを実際に搬送した時のワークが前記可動側クランプに対して運動しようとする力(F)に基いてクランプ力(N)を調節するクランプ力調節手段と、を備え、前記クランプ力調節手段は、ワークを実際に搬送して前記可動側クランプを押し戻すように作用するクランプ力作用軸方向の外力が入力された時の、前記可動側クランプの変位及び速度を検出する検出部と、該検出部の検出結果に基いて、ワークが前記可動側クランプに対して運動しようとする力(F)の分力(Fsinθ)を算出し、該算出された分力(Fsinθ)に基いてクランプ力補正値(AFsinθ、ただしAはクランプ力補正パラメータ)を算出する演算部と、該演算部によって算出されたクランプ力補正値(AFsinθ)分だけクランプ力(N)を増大させる制御部と、を具備することを特徴とする。
本発明のクランプ装置によれば、クランプ力作用軸をクランプ軸に対して所定角度(θ)だけ傾斜させたことにより、ワークを操作した時のワークがクランプに対して運動しようとする力、即ちワークがクランプに対して滑り方向へ動こうとする力(F)の分力(Fsinθ)をクランプ力調節手段によって取得することが可能になり、該分力(Fsinθ)に基いて当該力(F)を取得することがことができる。そして、クランプ力調節手段は、取得したワークがクランプに対して滑り方向へ動こうとする力(F)に応じてクランプ力(N)を最小限に調節することができる。
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、請求可能発明と称する)の態様を例示し、例示された各態様について説明する。ここでは、各態様を、特許請求の範囲と同様に、項に区分すると共に各項に番号を付し、必要に応じて他の項の記載を引用する形式で記載する。これは、請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施形態の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得る。
なお、以下の各項において、(1)〜(4)項の各々が、請求項1〜4の各々に相当する。
(1)固定側クランプと可動側クランプとによってワークをクランプする力(N)を調節する方法であって、可動側クランプを駆動して、クランプ面に直交するクランプ軸に対して所定角度(θ)をなす方向へクランプ力(N)を作用させてワークをクランプするステップと、クランプした状態でワークを実際に搬送して、可動側クランプを押し戻すように作用する外力が可動側クランプに入力された時の、可動側クランプの変位及び速度を検出するステップと、可動側クランプの変位及び速度の検出結果に基いて、ワークが可動側クランプに対して運動しようとする力(F)のクランプ力作用軸方向の分力(Fsinθ)を取得するステップと、取得した分力(Fsinθ)に基いて力(F)を取得するステップと、取得した力(F)に基いてクランプ力(N)を調節するステップと、を含むことを特徴とするクランプ力調節方法。
本項に記載のクランプ力調節方法は、クランプ軸に対して所定角度(θ)をなす方向へクランプ力(N)を作用させてワークをクランプすることにより、ワークがクランプに対して滑り方向へ運動しようとする力(F)、即ちワークがクランプに対して滑り方向へ動こうとする力(F)の分力(Fsinθ)を取得することが可能になり、該分力(Fsinθ)に基いて当該力(F)を取得することがことができる。これにより、ワークがクランプに対して滑り方向へ動こうとする力(F)に応じてクランプ力(N)を最小限に調節することができる。
従来のクランプ装置のように、クランプ力作用軸がクランプ面に垂直である場合(クランプ力作用軸がクランプ軸に一致している場合、θ=0)、ワークがクランプに対して滑り方向へ動こうとする力(F)の方向がクランプ力作用軸に垂直になり、該力(F)のクランプ力作用軸方向の分力(Fsinθ)が0になるため、該力(F)を測定器を用いて測定する必要があったが、本項の態様では、クランプ力作用軸をクランプ軸に対して傾斜させたことにより、測定器を用いることなく、ワークがクランプに対して滑り方向へ運動しようとする力(F)の分力(Fsinθ)を取得することが可能になり、該分力(Fsinθ)に基いて力(F)を取得し、該力(F)に基いてクランプ力(N)を最小限に調節することができるのである。
(2)ワークをクランプした静止状態の固定側クランプと可動側クランプとにワークの自重を作用させても可動側クランプが開かない最小限の初期クランプ力(Ni)を作用させてワークをクランプするステップと、クランプした状態でワークを実際に搬送して、可動側クランプを押し戻すように作用する外力が可動側クランプに入力された時の、可動側クランプの変位及び速度を検出するステップと、可動側クランプの変位及び速度の検出結果に基いて、ワークが可動側クランプに対して運動しようとする力(F)のクランプ力作用軸方向の分力(Fsinθ)を取得するステップと、初期クランプ力(Ni)にクランプ力補正値(AFsinθ、ただしAはクランプ力補正パラメータ)を加えてクランプ力(N)を増大させるステップと、を含む(1)項に記載のクランプ力調節方法。
本項に記載の態様では、ワークを最小限の初期クランプ力(Ni)でクランプし、この状態で、ワークがクランプに対して滑り方向へ運動しようとする力(F)の分力(Fsinθ)を取得し、初期クランプ力(Ni)にクランプ力補正値(AFsinθ、ただしAはクランプ力補正パラメータ)を加えてクランプ力(N)を増大させるので、クランプがワークをクランプする力(N)を最小限に調節することができる。ここで、ワークを初期クランプ力(Ni)でクランプし、系が静止状態でつり合っている場合、即ち、Fを最大静止摩擦力とみなした場合、
F=μNcosθ(μ:静摩擦係数)
が成り立つ。そして、本項に記載の態様では、
μ・(Ni+AFsinθ)cosθ>F
を満たすようにクランプ力(N)を調節することで、ワークが滑らない(クランプが開かない)クランプ力(N)の調整が可能である。
本項の態様において、初期クランプ力(Ni)は、ワークを静止状態(ワークの移動がない状態)でクランプし、該ワークの自重によってクランプが開かないような最小限の力(Ni)を実験的に求めることにより得られる。
(3)固定側クランプと可動側クランプとによって構成され、クランプ面に直交するクランプ軸に対して所定角度(θ)だけ傾斜したクランプ力作用軸を有するクランプと、ワークを実際に搬送した時のワークが可動側クランプに対して運動しようとする力(F)に基いてクランプ力(N)を調節するクランプ力調節手段と、を備え、クランプ力調節手段は、ワークを実際に搬送して可動側クランプを押し戻すように作用するクランプ力作用軸方向の外力が入力された時の、可動側クランプの変位及び速度を検出する検出部と、該検出部の検出結果に基いて、ワークが可動側クランプに対して運動しようとする力(F)の分力(Fsinθ)を算出し、該算出された分力(Fsinθ)に基いてクランプ力補正値(AFsinθ、ただしAはクランプ力補正パラメータ)を算出する演算部と、該演算部によって算出されたクランプ力補正値(AFsinθ)分だけクランプ力(N)を増大させる制御部と、を具備することを特徴とするクランプ装置
本項に記載のクランプ装置は、クランプ軸に対して所定角度(θ)をなす方向へクランプ力(N)を作用させてワークをクランプすることにより、ワークがクランプに対して滑り方向へ運動しようとする力、即ちワークがクランプに対して滑り方向へ動こうとする力(F)の分力(Fsinθ)をクランプ力調節手段によって取得することが可能になる。そして、クランプ力調節手段は、取得した分力(Fsinθ)に基いてワークがクランプに対して滑り方向へ動こうとする力(F)を取得し、該力(F)に基いてクランプする力(N)を最小限に調節することができる。
本項に記載の態様では、ワークをクランプ力(N)でクランプし、この状態で、ワークを操作した時の挙動が検出部によって検出され、該検出部の検出結果に基いてワークがクランプに対して滑り方向へ運動しようとする力(F)の分力(Fsinθ)が算出される。さらに、演算部によってクランプ力補正値(AFsinθ)が算出され、制御部によって該クランプ力補正値(AFsinθ)分だけクランプ力(N)が増大される。これにより、クランプ力(N)を最小限に調節する、即ちクランプ力(N)をワークが滑らない(クランプが開かない)ように調整することが可能である。
本項に記載の態様では、クランプの挙動に基いてワークがクランプに対して滑り方向へ運動しようとする力(F)を取得することで、測定器を用いることなく当該力を取得することが可能になり、クランプ装置を簡素且つ小型に構成することができる。
本項の態様において、クランプの挙動は、例えば、分力(Fsinθ)がクランプに入力されてクランプが開いた時の当該クランプの変位及び速度を指す。この場合、ワークがクランプに対して滑り方向へ運動しようとする力(F)は、以下の式に基き算出することが可能である。
N´+Fsinθ=KvX´+KpX
ただし、
N´:クランプ力(N)の反力
Kv:速度フィードバックゲイン(定数)
Kp:位置フィードバックゲイン(定数)
X´:クランプ挙動の速度データ
X:クランプ挙動の変位データ
本項に記載の態様では、クランプを、例えばクランプ駆動用モータによって駆動し、該クランプ駆動用モータの出力を制御することでクランプ力(N)を調節する。検出部は、例えば、クランプ駆動用モータの回転角度位相を検出するロータリーエンコーダによって構成され、該ロータリーエンコーダの検出信号に基いて、ワークを操作してクランプに外力(Fsinθ)が入力された時のクランプの挙動(速度及び変位)を検出する。演算部は、検出部の検出結果(クランプの挙動)に基いて、ワークがクランプに対して滑り方向へ運動しようとする力(F)の分力(Fsinθ)並びにクランプ力補正値(AFsinθ)を算出する。そして、制御部は、演算部によって算出されたクランプ力補正値(AFsinθ)だけクランプ力(N)を増大させるように、クランプ駆動用モータの出力を調節する。
測定器を用いることなく、ワークのクランプ力を必要最小限に調節することが可能なクランプ力調節方法及びクランプ装置を提供することができる。
本発明の一実施形態を図1〜図4に基いて説明する。図1に示されるように、本クランプ装置1は、比較的剛性が小さいワーク2を最小限の力で滑らずにクランプするものであって、クランプベース3にそれぞれ取付けられた固定側クランプ4と可動側クランプ5とによってワーク2をクランプするハンド構造を採用する。本クランプ装置1は、固定側クランプ4に固定側把持部6が固定されると共に可動側クランプ5に可動側把持部7が固定される。本クランプ装置1は、クランプ駆動用モータ8によって可動側クランプ5を回転駆動することでクランプ力(N)を発生し、ワーク2と両把持部6,7との間の摩擦力を利用してワーク2をクランプする。
そして、図2に示されるように、本クランプ装置1は、各把持部6,7の各クランプ面6a,7aに直交するクランプ軸C0に対してクランプ力作用軸C1をクランプ前方(図1における左方向)へθだけ傾け、クランプ力(N)をクランプ軸C0に対してクランプ前方へθだけ傾倒させた軸の方向へ作用させることでワーク2をクランプする。これにより、本クランプ装置1は、ワーク2を操作した時のワーク2が滑り方向(図2における左方向)へ動こうとする(運動しようとする)力(F)を、該力(F)のクランプ力作用軸C1方向の分力(Fsinθ)に基いて取得することが可能になり、該取得した力(F)に基いてワーク2を最小限の力で滑らずにクランプすることができる構造になっている。
図1及び図2に示されるように、可動側把持部7は屈折部7bを有し、基部側の軸線(クランプ力作用軸C1に一致)に対して先端部側の軸線(クランプ軸C0に一致)が角度θだけ傾斜して形成される。また、可動側クランプ5は図1において凸状(ヘ字状)に屈折して形成される。これにより、本クランプ装置1は、クランプ駆動用モータ8によって可動側クランプ5を基部5aの周りにクランプ閉側(図1における反時計回り方向)へ駆動することにより、クランプ軸C0に対して角度θだけ傾斜したクランプ力作用軸C1方向へクランプ力(N)が作用し、ワーク2が一対のクランプ4,5の各把持部6,7によってクランプされる構造になっている。
本クランプ装置1は、クランプ力作用軸C1をクランプ軸C0に対して傾斜させたことにより、可動側把持部7に、ワーク2を操作した時のワーク2が滑り方向へ動こうとする力(F)の分力(Fsinθ)がクランプ力作用軸C1方向(クランプ力(N)の反力が作用する方向)へ可動側把持部7を押し戻すように作用する。そして、該分力(Fsinθ)が作用したことによる可動側把持部7の挙動(速度及び変位)が、クランプ駆動用モータ8に装着されたロータリーエンコーダ9(クランプ力調節手段の検出部)の検出信号に基いてマイクロコンピュータからなる制御装置10(クランプ力調節手段の演算部)によって取得される。
また、制御装置10は、取得された可動側把持部7の挙動データに基いてワーク2が滑り方向へ動こうとする力(F)の分力(Fsinθ)を算出し、さらに、クランプ力補正値(AFsinθ、ただしAはクランプ力補正パラメータ)を算出する。そして、制御装置10(クランプ力調節手段の制御部)は、クランプ駆動用モータ8の出力を制御してクランプ力補正値(AFsinθ)分だけクランプ力(N)を増大させる。
なお、制御装置10(クランプ力調節手段)は、以下の(第1式)に基いて可動側把持部7の挙動からワーク2が滑り方向へ動こうとする力(F)の分力(Fsinθ)を算出する。
N+Fsinθ=KvX´+KpX (第1式)
ただし、
N :クランプ力(N)の反力
Kv :速度フィードバックゲイン(定数)
Kp :位置フィードバックゲイン(定数)
X´:クランプ挙動の速度データ
X :クランプ挙動の変位データ
次に、本クランプ装置1を用いたクランプ力調節方法を説明する。まず、システムセットアップ時に、ワーク2を静止状態(ワーク2の移動がない状態)でクランプし、該ワーク2の自重によってクランプが開いてしまわない(可動側クランプ5が開側に動いてしまわない)最小限の力である初期クランプ力(Ni)を実験的に求めておく。次に、図3に示されるように、初期クランプ力(Ni)をクランプ力作用軸C1方向へ作用させてワーク2をクランプし、この状態でワーク2を実際に操作した時の、ワーク2が可動側把持部7に対して滑り方向(図3における左方向)へ運動しようとする力(F)の分力(Fsinθ)を、可動側クランプ5の挙動に基いて取得し、取得した分力(Fsinθ)からクランプ力補正値(AFsinθ、ただしAはクランプ力補正パラメータ)を取得する。
そして、クランプ力(N)を、初期クランプ力(Ni)にクランプ力補正値(AFsinθ)を加えた値に増大させる。これにより、クランプ装置1のクランプ力(N)を最小限に調節することができる。上述したクランプ力調節処理は、クランプ装置1によるワーク2のクランプが開放されるまでの間、補正後のクランプ力(N)に対しても行われる。
なお、図4に示されるように、クランプ力(N)を初期クランプ力(Ni)からクランプ力補正値(AFsinθ)分だけ増大させると、補正後のクランプ力(N)のクランプ軸C0方向の分力(成分)は、
(Ni+AFsinθ)cosθ
となる。ここで、系が静止状態でつり合っている場合、即ち、Fを最大静止摩擦力とみなした場合、
F=μ・(Ni+AFsinθ)cosθ(μ:静摩擦係数)
が成り立つ。そして、本クランプ力調節方法では、
μ・(Ni+AFsinθ)cosθ>F
を満たすようにクランプ力(N)を調節することで、ワークの滑り力(ワーク2が可動側把持部7(クランプ)に対して滑り方向へ運動しようとする力(F))に応じたクランプ力(N)の調整が可能である。
この実施形態では以下の効果を奏する。
本クランプ装置1は、クランプ軸C0に対して所定角度(θ)をなす方向へクランプ力(N)を作用させてワーク2をクランプすることにより、ワーク2が可動側把持部7(クランプ)に対して滑り方向へ運動しようとする力(F)の分力(Fsinθ)を取得することが可能になり、該分力(Fsinθ)に基いて当該力(F)を取得することがことができる。従来のクランプ装置では、クランプ力作用軸C1がクランプ面に垂直である場合(クランプ力作用軸C1がクランプ軸C0に一致している場合、θ=0)、ワーク2が可動側把持部7に対して滑り方向へ動こうとする力(F)の方向がクランプ力作用軸に垂直になり、該力(F)のクランプ力作用軸方向の分力(Fsinθ)が0になるため、該力(F)を測定器を用いて測定する必要があったが、本クランプ装置1では、クランプ力作用軸C1をクランプ軸C0に対して傾斜させたことにより、測定器を用いることなく、ワーク2が可動側把持部7に対して滑り方向へ運動しようとする力(F)の分力(Fsinθ)を取得することが可能になり、該分力(Fsinθ)に基いて力(F)を取得することができる。これにより、ワーク2が可動側把持部7に対して滑り方向へ動こうとする力(F)に応じてクランプ力(N)を最小限に調節することができる。
本クランプ装置1は、ワーク2をクランプした静止状態の各把持部6,7にワーク2の自重を作用させても可動側把持部7が開かない最小限の初期クランプ力(Ni)を作用させてワーク2をクランプし、この状態でワーク2を操作した時のワーク2が可動側把持部7(クランプ)に対して運動しようとする力(F)の分力(Fsinθ)を取得し、初期クランプ力(Ni)にクランプ力補正値(AFsinθ、ただしAはクランプ力補正パラメータ)を加えてクランプ力(N)を増大させたので、クランプ力(N)を最小限に調節することができる。これにより、比較的剛性が小さいワーク2であっても、ワーク2を変形させることがない。
なお、実施形態は上記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
本実施形態では、ハンド構造のクランプ装置1について説明したが、可動側把持部7(クランプ)の挙動が検出可能な構造であれば、例えば、可動側把持部7が、クランプ軸C0に対して所定角度θだけ傾斜したクランプ力作用軸C1方向に直線軌道で駆動されるタイプのクランプ装置1であってもよい。
本実施形態では、可動側把持部7(クランプ)の挙動をロータリーエンコーダ9によって検出したが、可動側把持部7の挙動(変位又は速度)が検出できるものであれば他のセンサ等であってもよい。
本クランプ装置の概略の構成を示す図である。 本実施形態の説明図であって、一対の把持部によってワークがクランプされた状態を示す図である。 本実施形態の説明図であって、ワークが初期クランプ力(Ni)でクランプされた状態の系に作用する力を示す図である。 本実施形態の説明図であって、図3に示される状態でクランプ力が補正された後の系に作用する力を示す図である。 従来のクランプ装置の概略の構成を示す図である。
符号の説明
1 クランプ装置、2 ワーク、7 可動側把持部(クランプ)、9 ロータリーエンコーダ、10 制御装置(クランプ力調節手段)

Claims (3)

  1. 固定側クランプと可動側クランプとによってワークをクランプする力(N)を調節する方法であって、
    前記可動側クランプを駆動して、クランプ面に直交するクランプ軸に対して所定角度(θ)をなす方向へクランプ力(N)を作用させてワークをクランプするステップと、
    クランプした状態でワークを実際に搬送して、前記可動側クランプを押し戻すように作用する外力が前記可動側クランプに入力された時の、前記可動側クランプの変位及び速度を検出するステップと、
    前記可動側クランプの変位及び速度の検出結果に基いて、ワークが前記可動側クランプに対して運動しようとする力(F)のクランプ力作用軸方向の分力(Fsinθ)を取得するステップと、
    取得した前記分力(Fsinθ)に基いて前記力(F)を取得するステップと、
    取得した前記力(F)に基いてクランプ力(N)を調節するステップと、
    を含むことを特徴とするクランプ力調節方法。
  2. ワークをクランプした静止状態の前記固定側クランプと前記可動側クランプとにワークの自重を作用させても前記可動側クランプが開かない最小限の初期クランプ力(Ni)を作用させてワークをクランプするステップと、
    クランプした状態でワークを実際に搬送して、前記可動側クランプを押し戻すように作用する外力が前記可動側クランプに入力された時の、前記可動側クランプの変位及び速度を検出するステップと、
    前記可動側クランプの変位及び速度の検出結果に基いて、ワークが前記可動側クランプに対して運動しようとする力(F)のクランプ力作用軸方向の分力(Fsinθ)を取得するステップと、
    前記初期クランプ力(Ni)にクランプ力補正値(AFsinθ、ただしAはクランプ力補正パラメータ)を加えて前記クランプ力(N)を増大させるステップと、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載のクランプ力調節方法。
  3. 固定側クランプと可動側クランプとによって構成され、クランプ面に直交するクランプ軸に対して所定角度(θ)だけ傾斜したクランプ力作用軸を有するクランプと、
    ワークを実際に搬送した時のワークが前記可動側クランプに対して運動しようとする力(F)に基いてクランプ力(N)を調節するクランプ力調節手段と、を備え、
    前記クランプ力調節手段は、
    ワークを実際に搬送して前記可動側クランプを押し戻すように作用するクランプ力作用軸方向の外力が入力された時の、前記可動側クランプの変位及び速度を検出する検出部と、
    該検出部の検出結果に基いて、ワークが前記可動側クランプに対して運動しようとする力(F)の分力(Fsinθ)を算出し、該算出された分力(Fsinθ)に基いてクランプ力補正値(AFsinθ、ただしAはクランプ力補正パラメータ)を算出する演算部と、
    該演算部によって算出されたクランプ力補正値(AFsinθ)分だけクランプ力(N)を増大させる制御部と、
    を具備することを特徴とするクランプ装置。
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