JP4798362B2 - 締結具 - Google Patents

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本発明は、重ねられた二つの被締結部材を密着固定する締結具に関するものである。
従来から、二枚の板材を密着固定するための、いわゆる2Pクリップタイプの締結具が広く用いられている。図13には、締結具10を用いて、自動車のボデー12に部品14を固定した例が示されている。締結具10は、樹脂製のグロメット16と樹脂製のピン18とで対をなしており、グロメット16及びピン18が、ボデー12の穴12a及び部品14の穴14aの双方を貫通した状態で、両者を締結する。グロメット16は、円盤状の座部20、及び、座部20の中心部から片面側に突出する比較的短尺の円筒状突起部22を備えている。円筒状突起部22には、周方向に分割するスリットが形成されており、円筒状突起部22の先端寄りの部分は、複数の分割片22aとなっている。一方、ピン18は、円盤状の頭部24、及び、頭部24の中心部から片面側に突出する比較的長尺の柱状突起部26を備えるものである。そして、重ねられたボデー12の穴12a及び部品14の穴14aに、グロメット16の円筒状突起部22が挿通された状態で、その内部をピン18の柱状突起部26が貫通することで、グロメット16の円筒状突起部22の各分割片22aが、図13のごとく外側へと押し広げられる。そして、グロメット16の円筒状突起部22の各分割片22aと、座部20とで、ボデー12と部品14とを挟持するものである(例えば、特許文献1参照。)。
特開平8−177824号公報
しかしながら、締結具10によるボデー12と部品14との締結構造は、ボデー12の穴12a及び部品14の穴14aと、グロメット16の円筒状突起部22との間に隙間(図13の円Aで囲まれた部分)が生じ、密閉性が確保されないという欠点があった。又、グロメット16とピン18との間の密閉性も不十分であった。
そこで、図14に示されるように、ボデー12と部品14との間に、予め袋状のキャップ28を介在させ、キャップ28内でグロメット16及びピン18を結合させることで、必要な密閉性を確保した、いわゆる3Pクリップタイプの締結具30も発案されている。しかしながら、3Pタイプの締結具30は、キャップ28の部品コストや、グロメット16及びピン18の装着工程とは別個に、ボデー12と部品14との間にキャップ28をセットすることによる工数が加わるため、コストアップが不可避となるといった問題が指摘されていた。又、図15に示されるように、3Pタイプの締結具は、グロメット18の円筒状突起部22にピン18の柱状突起部26を挿入する際に、キャップ28を押し広げる力Fの分だけ挿入力が余計に必要となり、同等の挿入力Finにより締結された場合であっても、2Pタイプの締結具10と3Pタイプの締結具30とでは、引込力又は抜去力Foutに、大きな差が生じてしまうといった問題も指摘されている。
一方、図16に示されるように、ボデー12と部品14との間に、シール材32及びスクリューグロメット34を介在させ、タッピングスクリュー36をスクリューグロメット34に締付けることで、ボデー12と部品14を挟持する締結具38も存在する。しかしながら、かかる締結具38においても、スクリューグロメット34に対するタッピングスクリュー36の締付け工程とは別個に、ボデー12と部品14との間にスクリューグロメット34をセットする工程が必要であることや、タッピングスクリュー36の締付け作業に工具が必要であること、更には、密閉性を確保するためにシール材32が用いられていること等が、工数増大、部品コスト増大を招くものであった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、2Pクリップタイプの締結具において、締結作業に必要な力が増大することを防ぎ、締結工数及び部品コストの増大を招くことなく、必要な密閉性を確保することにある。
上記課題を解決するための、本発明に係る締結具は、円盤状の座部及び該座部の中心部から片面側に突出する比較的短尺の円筒状突起部を備えるエラストマー製のグロメットと、円盤状の頭部及び該頭部の中心部から片面側に突出する比較的長尺の柱状突起部を備える硬質樹脂製のピンとで対をなし、重ねられた二つの被締結部材の穴に前記グロメットの円筒状突起部が挿通された状態で、その内部を前記ピンの柱状突起部が貫通して前記円筒状突起部が外側へと押し広げられ、該押し広げられた円筒状突起部と前記座部とで、前記二つの被締結部材を挟持する締結具であって、前記グロメットの、前記円筒状突起部の外周面には前記被締結部材の穴の内壁面へと隙間無く密着する環状密着部が、前記円筒状突起部の内周面には前記ピンの柱状突起部と隙間無く密着する環状密着部が、前記座部には前記ピンの頭部及び前記被締結部材の穴周辺部の何れにも隙間無く密着する環状密着部が、各々、前記グロメットと一体に形成され、前記グロメットの座部には、前記ピンの頭部の形状に倣って弾性変形することで、前記ピンの頭部及び前記被締結部材の穴周辺部の各々に対する密着性が高まる部分が設けられ、前記ピンの頭部には、かかる座部の変形を促すための押圧部が一体に形成され、前記ピンの柱状突起部が前記グロメットの円筒状突起部に挿入された後、遅くとも貫通限度位置に至るまでに、前記グロメットの各環状密着部が、前記ピンの柱状突起部又は頭部に押されて弾性変形し、夫々の密着対象部位へと密着するように構成されており、前記グロメットの座部に設けられた、前記ピンの頭部の形状に倣って弾性変形することで、前記ピンの頭部及び前記被締結部材の穴周辺部の各々に対する密着性が高まる部分は、前記座部の周端部に沿って形成された厚肉部であって、該厚肉部は、その非変形状態で、前記円筒状突起部が突出する片面側は、円盤状の座部平面から、緩やかな傾斜面を伴って周端部へ向かうに従い比較的小さく突出し、前記円筒状突起部の突出しないもう片面側は、円盤状の座部平面から急斜面ないし直立面を伴って比較的大きく突出した後周端部へ向かうに従い突出量が減少しており、その変形状態で、前記円筒状突起部が突出する片面側は、円盤状の座部平面と前記緩やかな傾斜面とが何れも被結束部材の穴周辺部に密着して全体に平坦面となり、かかる変形を受けて、前記円筒状突起部の突出しないもう片面側は、前記急斜面ないし直立面が座部中心へと向けて傾倒し、前記ピンの頭部の前記柱状突起部が突出する片面側に形成された、前記押圧部としての環状段差面に密着するように構成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、硬質樹脂製のピンの柱状突起部により押し広げられる、エラストマー製グロメットの円筒状突起部と、該グロメットの座部とで、二つの被締結部材を挟持する際、グロメットの円筒状突起部にピンの柱状突起部が挿入され、遅くとも貫通限度位置に至るまでに、グロメットの円筒状突起部の外周面に一体形成された環状密着部が、被締結部材の穴の内壁面へと隙間無く密着する。又、グロメットの円筒状突起部の内周面に一体形成された環状密着部が、ピンの柱状突起部と隙間無く密着する。更に、グロメットの座部に一体形成された環状密着部が、ピンの頭部及び被締結部材の穴周辺部の各々に隙間無く密着する。従って、グロメット及びピンのみからなる2Pクリップタイプの締結具でありながら、グロメット−被締結部材間の密閉性と、グロメット−ピン間の密閉性とを確保することが可能となる。その結果、キャップによりピンとグロメットとを覆うことにより密閉性を確保する必要も無くなる。
又、エラストマー製グロメットの円筒状突起部に、硬質樹脂製のピンの柱状突起部が挿入され、グロメットの座部に設けられた、ピンの頭部の形状に倣って弾性変形することで、ピンの頭部及び被締結部材の穴周辺部の各々に対する密着性が高まる部分が、ピンの頭部に一体に設けられた押圧部によって各々の密着部に対し押し付けられ、密着する。
更に、グロメットの座部の周端部に沿って形成された厚肉部の円筒状突起部が突出する片面側は、その非変形状態で、円盤状の座部平面から、緩やかな傾斜面を伴って周端部へ向かうに従い比較的小さく突出し、変形状態で、円盤状の座部平面と前記緩やかな傾斜面とが何れも被結束部材の穴周辺部に密着して全体に平坦面となることで、座部と被結束部材の穴周辺部との密閉性が確保される。
又、グロメットの座部の周端部に沿って形成された厚肉部の、円筒状突起部の突出しないもう片面側は、その非変形状態で、円盤状の座部平面から急斜面ないし直立面を伴って比較的大きく突出した後周端部へ向かうに従い突出量が減少し、変形状態で、グロメットの座部の周端部に沿って形成された厚肉部の円筒状突起部が突出する片面側の変形を受けて、前記急斜面ないし直立面が座部中心へと向けて傾倒し、前記ピンの頭部の前記柱状突起部が突出する片面側に形成された、前記押圧部としての環状段差面に密着することで、座部とピンの頭部との密閉性が確保される。
又、本発明においては、前記グロメットの円筒状突起部には、前記ピンの柱状突起部の形状に倣って弾性変形することで伸びが生じる部分が設けられ、前記ピンの柱状突起部には、かかる円筒突起部の変形を促すための押圧部が一体に形成されていることが望ましい。
本発明によれば、エラストマー製グロメットの円筒状突起部に、硬質樹脂製のピンの柱状突起部が挿入され、グロメットの円筒状突起部に設けられた、柱状突起部の形状に倣って弾性変形することで伸びが生じる部分が、ピンの柱状突起部に一体に設けられた押圧部によって、伸ばされる。その結果、グロメットの座部と、押し広げられた円筒状突起部との間に挟持される二つの被締結部材は、グロメットの円筒状突起部の伸びにより生じる引込力を座部及び押し広げられた円筒状突起部から受けて、互いの密着性が高められる。
又、本発明において、グロメットの円筒状突起部が、非変形状態において、重ねられた二つの被締結部材のうちの一方の穴径よりも大きく、もう一方の穴径よりも小さい外径寸法に形成されていることが望ましい。
本発明によれば、グロメットの円筒状突起部が、非変形状態において、重ねられた二つの被締結部材のうちの一方の穴径よりも大きいことにより、グロメット又は被締結部材の一方の穴径の寸法にばらつきが生じた場合でも、両者は必ずラップして圧入状態となり、グロメットの弾性変形により両者の密閉性が確保される。又、グロメットの円筒状突起部が、非変形状態において、重ねられた二つの被締結部材のうちの、もう一方の穴径よりも小さい外径寸法に形成されていることから、もう一方の被締結部材の穴にグロメットの円筒状突起部を挿入する際には、必ずすきまばめとなり、かかる挿入作業が円滑に行われることとなる。なお、もう一方の被締結部材の穴とグロメットの円筒状突起部との密閉性は、グロメットの円筒状突起部がピンの柱状突起部により押し広げられることで、確保される。
又、本発明において、前記グロメットの円筒状突起部の先端側貫通穴に沿って環状の厚肉部が形成され、該肉厚部が、前記ピンの柱状突起部の形状に倣って弾性変形することで、前記先端側貫通穴から突出して前記円筒状突起部の外へと折り返され、前記ピンの柱状突起部及び前記被締結部材の穴周辺部に密着するように構成されていることが望ましい。
本発明によれば、グロメットの円筒状突起部の先端側貫通穴に沿って形成された環状の厚肉部が、ピンの柱状突起部の形状に倣って弾性変形し、先端側貫通穴から突出して円筒状突起部の外へと折り返されるように変形し、ピンの柱状突起部に密着することで、ピンの柱状突起部は、環状の厚肉部により強力に締付けられる。よって、グロメットに対するピンの抜去力が増大することとなる。又、円筒状突起部の外へと折り返された環状の厚肉部が、被締結部材の穴周辺部に密着することで、グロメットと被締結部材の穴周辺部との密閉性が確保される。
又、本発明において、前記グロメットの円筒状突起部の先端側貫通穴に沿って形成された環状の厚肉部は、前記円筒状突起部の内側に突出する内側厚肉部と、前記円筒状突起部の外側に突出する外側厚肉部とからなり、前記内側厚肉部は、前記ピンの柱状突起部により前記円筒状突起部の外側へと押し出されて前記先端貫通穴を拡径するように弾性変形し、前記ピンの柱状突起部が前記グロメットの円筒状突起部に対する貫通限度位置に至った時点で、前記柱状突起部の側面に設けられた窪みと勘合するように構成され、前記外側厚肉部は、前記ピンの柱状突起部が前記グロメットの円筒状突起部に対する貫通限度位置に至った時点で、前記被締結部材の穴周辺部に密着するように構成されていることが望ましい。
本発明によれば、グロメットの円筒状突起部の先端側貫通穴に沿って形成された環状の厚肉部の、内側厚肉部が、ピンの柱状突起部により円筒状突起部の外側へと押し出されて先端貫通穴を拡径するように弾性変形し、ピンの柱状突起部が前記グロメットの円筒状突起部に対する貫通限度位置に至った時点で、柱状突起部の側面に設けられた窪みと勘合することで、ピンの円筒状突起部は、環状の厚肉部の内側厚肉部により強力に締付けられると共に、内側厚肉部が窪みから抜け難くなり、グロメットに対するピンの抜去力が増大することとなる。
一方、グロメットの円筒状突起部の先端側貫通穴に沿って形成された環状の厚肉部の、外側厚肉部は、ピンの柱状突起部が前記グロメットの円筒状突起部に対する貫通限度位置に至った時点で、被締結部材の穴周辺部に密着することで、グロメットと被締結部材の穴周辺部との密閉性が確保される。
又、本発明において、前記グロメットの円筒状突起部の先端側貫通穴に沿って肉厚部が形成され、かつ、該肉厚部を周方向に分割するスリットが形成され、該スリットにより分割された前記厚肉部の各分割片が、前記ピンの柱状突起部の形状に倣って弾性変形し外側へと押し広げられることで、前記グロメットの、円筒状突起部の外周面に形成された前記環状密着部が、前記被締結部材の穴の内壁面へと密着するように構成されていることとしても良い。
本発明によれば、グロメットの円筒状突起部の先端側貫通穴に沿って形成された厚肉部が、スリットにより周方向に分割され、スリットにより分割された厚肉部の各分割片が、ピンの柱状突起部の形状に倣って弾性変形し外側へと押し広げられる。その結果、各分割片が弾性力により元の位置に復帰しようとすることで、ピンの柱状突起部は各分割片により締付けられる。よって、グロメットに対するピンの抜去力が増大することとなる。又、各分割片がピンの柱状突起部の形状に倣って弾性変形し外側へと押し広げられることに伴い、グロメットの円筒状突起部の外周面が、被締結部材の穴の内壁面へ密着し、グロメットと被締結部材の穴周辺部との密閉性が確保される。
又、本発明において、前記グロメットの円筒状突起部の先端側貫通穴に沿って形成された肉厚部は、前記円筒状突起部の内径を縮小するように突出しており、該厚肉部は、前記ピンの柱状突起部により外径方向へと押し出されることで、前記肉厚部の各分割片が半径方向外側へと反り返るように弾性変形し、前記各分割片は、前記ピンの柱状突起部が前記グロメットの円筒状突起部に対する貫通限度位置に至った時点で、前記柱状突起部の側面に設けられた窪みと勘合し、かつ、前記各分割片の反り返りに追従して、前記グロメットの円筒状突起部の外周面に形成された前記環状密着部が、前記被締結部材の穴の内壁面へと密着するように構成されていることが望ましい。
本発明によれば、グロメットの円筒状突起部の先端側貫通穴に沿って形成された厚肉部が、円筒状突起部の内径を縮小するように突出していることから、ピンを円筒状突起部に挿通することで、各分割片は、柱状突起部により外径方向へと押し出される。そして、肉厚部の各分割片が半径方向外側へと反り返るように弾性変形し、ピンの柱状突起部は、グロメットの円筒状突起部に対する貫通限度位置まで挿入される。更に、貫通限度位置に至った時点で、各分割片が柱状突起部の側面に設けられた窪みと勘合することで、ピンの柱状突起部は厚肉部により強力に締付けられると共に、厚肉部が窪みから抜け難くなり、グロメットに対するピンの抜去力が増大する。
更に、円筒状突起部の各分割片の反り返りに追従して、グロメットの円筒状突起部の外周面に形成された環状密着部が、被締結部材の穴の内壁面へと密着することで、グロメットと被締結部材の穴周辺部との密閉性が確保される。
なお、本発明において、グロメットは、TPEからなることが望ましく、グロメットにTPEを用いることで、グロメットに必要な弾性が与えられる。
本発明はこのように構成したので、2Pクリップタイプの締結具において、締結作業に必要な力が増大することを防ぎ、締結工数及び部品コストの増大を招くことなく、必要な密閉性を確保することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明を省略する。
図1に示されるように、本発明の第1の実施の形態に係る締結具40は、グロメット42とピン44とで対をなす、いわゆる2Pクリップタイプの締結具である。なお、図1(a)に示された状態のグロメット42及びピン44の側面図及び部分断面図が、図2に示されており、図1(b)に示された状態のグロメット42及びピン44の側面図及び部分断面図が、図5に示されている。グロメット42はTPE(thermoplastic elastomer)等のエラストマー製であり、円盤状の座部46及び座部46の中心部から片面側に突出する比較的短尺の円筒状突起部48が、一体成形されたものである。グロメット42にTPEを用いることで、必要な弾性が与えられる。一方、ピン44は硬質樹脂製であり、円盤状の頭部50及び頭部50の中心部から片面側に突出する比較的長尺の柱状突起部52が、一体成形されたものである。そして、図2に示されるように、重ねられたボデー12及び部品14の穴12a、14aにグロメット42の円筒状突起部48が挿通された状態で、図3、図4、図5に示されるように、円筒状突起部48に対するピン44の柱状突起部52の挿入深さを増加させて行き、円筒状突起部48の内部にピン44の柱状突起部52を貫通させ、円筒状突起部48を外側へと押し広げることにより、押し広げられた円筒状突起部48と座部46とで、ボデー12及び部品14を挟持するものである。
図5に示されるように、グロメット42の、円筒状突起部48の外周面にはボデー12及び部品14の穴12a、14aの内壁面へと隙間無く密着する環状密着部54、56が、グロメット42と一体に形成されている。又、円筒状突起部48の内周面にはピン44の柱状突起部52と隙間無く密着する環状密着部58、60が、グロメット42と一体に形成されている。なお、図8に示されるように、環状密着部58は、円筒状突起部48の内側面に帯状に突出する潰しリブとして構成されている。
更に、座部46にはピン44の頭部50及びボデー12、部品14の穴12a、14aの周辺部の各々に隙間無く密着する環状密着部62、64が、グロメット42と一体に形成されている。そして、ピン44の柱状突起部52がグロメット42の円筒状突起部48に挿入された後(図2)、遅くとも、ピン44の頭部50がグロメット42の座部46に着座する、円筒状突起部48に対する柱状突起部52の貫通限度位置(図5)に至るまでに、グロメット42の各環状密着部54〜64が、ピン44の柱状突起部52又は頭部50に押されて弾性変形し、夫々の密着対象部位へと密着するように構成されている。
又、グロメット42の、円筒状突起部48の壁の一部は、ピン44の柱状突起部52の形状に倣って弾性変形することで、伸びが生じる部分66(図4、図5)となっており、ピン44の柱状突起部52には、かかる円筒突起部の変形を促すための押圧部として、段階的に外径を拡大させた部分68(図4)が一体に形成されている。そして、図4に示されるように、グロメット42の円筒状突起部48の、弾性変形することで伸びが生じる部分66は、ピン44の段階的に外径を拡大させた部分68と当接していない状態では、図6に模式的に符号aで示される断面形状を呈するが、図5に示されるように、弾性変形することで伸びが生じる部分66が、ピン44の段階的に外径を拡大させた部分68と当接する状態となったとき、その断面形状は、図6に模式的に符号b、cで示されるように伸びが生じる。
又、本実施の形態では、後述するシール要件を満たすために、グロメット42の円筒状突起部48が、図1(a)、図2に示される非変形状態において、図7(a)に示されるように、重ねられたボデー12及び部品14のうちの、ボデー12の穴12aの径12Dよりも大きく、部品14の穴14aの径14Dよりも小さい外径寸法48Dに形成されている。
又、グロメット42の座部46には、図5に示されるように、ピン44の頭部50の形状に倣って弾性変形することで、ピン44の頭部50、及び、部品14の穴14aの周辺部に対する密着性が高まる部分72が設けられ、ピン44の頭部50には、かかる座部46の変形を促すための押圧部70が一体に形成されている。
具体的には、グロメット42の座部46に設けられた、ピン44の頭部50の形状に倣って弾性変形することで、ピン44の頭部50及び部品14の穴14a周辺部の各々に対する密着性が高まる部分72は、図9に拡大して示されるように、座部の周端部に沿って形成された厚肉部である。この厚肉部72は、図9(a)に示される非変形状態で、円筒状突起部48が突出する片面側は、円盤状の座部46の平面から、緩やかな傾斜面74を伴って周端部へ向かうに従い比較的小さく突出している。又、厚肉部72の、円筒状突起部48の突出しないもう片面側は、円盤状の座部46の平面から急斜面ないし直立面76を伴って比較的大きく突出した後周端部へ向かうに従い突出量が減少している。なお、急斜面ないし直立面76は、グロメット42の金型成形時における成形不良の発生を防ぐために、非変形状態において、アンダーカットを構成しない角度になっている。
一方、厚肉部72は、図9(b)に示されるように、ピン44の頭部50が座部46に着座することで、図9(c)に示されるように、円筒状突起部48が突出する片面側は、円盤状の座部46の平面と緩やかな傾斜面74とが、全体に平坦面となるような変形Aを起こし、図9(a)に示される密着部Sが、何れも部品14の穴14aの周辺部に密着する。そして、かかる緩やかな傾斜面74の変形を受けて、円筒状突起部48の突出しないもう片面側は、急斜面ないし直立面76が座部中心へと向けて傾倒するような変形Aを起こし、図9(b)に示される、ピン44の頭部50の柱状突起部が突出する片面側に形成された、押圧部としての環状段差面70に密着するように構成されている。
更に、本発明の第1の実施の形態に係る締結具40のグロメット42には、円筒状突起部48の先端側貫通穴49(図2)に沿って環状の厚肉部78(図2中楕円で囲まれた部分)が形成されている。この肉厚部78は、図3に示されるように、ピン44の柱状突起部52の形状に倣って弾性変形することで、先端側貫通穴49から突出して円筒状突起部48の外へと折り返され、ピン44の柱状突起部52及びボデー12の穴12aの周辺部に密着するように構成されている。
更に具体的には、グロメット42の円筒状突起部48の先端側貫通穴49に沿って形成された環状の厚肉部78は、図2に示されるように、円筒状突起部48の内側に突出する内側厚肉部80と、円筒状突起部48の外側に突出する外側厚肉部82とからなるものである。そして、図3〜図5に示されるように、内側厚肉部80は、ピン44の柱状突起部52により円筒状突起部48の外側へと押し出されて先端貫通穴49を拡径するように弾性変形し、ピン44の柱状突起部52がグロメット42の円筒状突起部48に対する貫通限度位置(図5)に至った時点で、柱状突起部52の側面に設けられた窪み84と勘合するように構成されている。一方、外側厚肉部82は、少なくともピン44の柱状突起部52がグロメット46の円筒状突起部48に対する貫通限度位置に至った時点(図5)で、ボデー12の穴12aの周辺部に密着するように構成されている。
上記構成をなす、本発明の第1の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能となる。ます、硬質樹脂製のピン44の柱状突起部52により押し広げられる、グロメット42の円筒状突起部48と、グロメット42の座部46とで、二つの被締結部材(図示の例では、ボデー12及び部品14)を挟持する際、グロメット42の円筒状突起部48にピン44の柱状突起部52が挿入され、遅くとも貫通限度位置(図5)に至るまでに、グロメット42の円筒状突起部48の外周面に一体形成された環状密着部54、56が、ボデー12の穴12aの内壁面へと隙間無く密着する。又、グロメット42の円筒状突起部48の内周面に一体形成された環状密着部58、60が、ピン44の柱状突起部52と隙間無く密着する。更に、グロメット42の座部42に一体形成された環状密着部62、64が、ピン44の頭部50及び、部品14の穴14aの周辺部の各々に、隙間無く密着する。グロメット42は、エラストマー製であることから、ボデー12及び部品14の穴12a、14a及びその周辺部と、ピン44との間に挟まれることで適宜弾性変形し、自ら環状密着部54〜64として機能するものである。
なお、環状密着部54は、円筒状突起部48の外周面と、部品14の穴14aの内壁面とが密着して構成され、環状密着部56は、円筒状突起部48の外側厚肉部82が、ボデー12の穴12aの周端を巻き込むようにして沿って折れ曲がり、穴12aの内壁面及び穴12aの周辺部に密着して構成されるものである。
又、環状密着部58は、円筒状突起部48の内側面に帯状に突出する潰しリブがピン44の柱状突起部52の外周面と密着することで構成され、環状密着部60は、円筒状突起部48の内側厚肉部80が、柱状突起部52の側面に設けられた窪み84と勘合することで構成されるものである。
更に、環状密着部62、64は、円盤状の座部46の平面と緩やかな傾斜面74とが、全体に平坦面となるような変形を起こし、図9(a)に示される密着部Sが、何れも部品14の穴14aの周辺部に密着することで構成されるものである。
従って、本発明の第1の実施の形態に係る締結具40は、グロメット42及びピン44のみからなる2Pクリップタイプの締結具でありながら、他の密閉性を確保するための部材(図14のキャップ28、図16のシール材32等)を用いることなく、グロメット42−被締結部材(ボデー12及び部品14)間の密閉性と、グロメット42−ピン44間の密閉性とを確保することが可能となる。
又、エラストマー製グロメット42の円筒状突起部48に、硬質樹脂製のピン44の柱状突起部52が挿入され、グロメット42の円筒状突起部48に設けられた、柱状突起部52の形状に倣って弾性変形することで伸びが生じる部分66が、ピン44の柱状突起部52に一体に設けられた押圧部68によって、伸ばされる。その結果、グロメット42の座部46と、押し広げられた円筒状突起部48(環状の厚肉部78)との間に挟持されるボデー12及び部品14は、グロメット42の円筒状突起部48の伸びにより生じる引込力を、座部46及び押し広げられた円筒状突起部48(環状の厚肉部78)から受けて、ボデー12及び部品14相互の密着性が高められる。
又、グロメット42の円筒状突起部48の径48Dが、図7(a)に示されるように、その非変形状態において、重ねられた二つの被締結部材(ボデー12、部品14)のうちの一方の穴の穴径12Dよりも大きくなっている。従って、図7(b)に示されるように、グロメット42又は被締結部材の一方の穴径12Dの寸法にばらつきが生じた場合でも、両者は必ずラップして圧入状態となるように(図7(b)に符号L‘で示す。)、ボデー12とグロメット42の円筒状突起部48との間には、十分なラップ寸法Lが与えられている。よって、グロメット42の弾性変形により、図7(c)に示されるように、ボデー12とグロメット42の円筒状突起部48との密着部Sには、圧力Fが付与され、密着部Sの密閉性が確保されることで、水やガスなどの流体fuの通過を確実に阻止することが可能となる。
又、図7(a)に示されるように、グロメットの円筒状突起部48の外径寸法48Dが、非変形状態において、重ねられたボデー12及び部品14のうちの、もう一方の穴径14Dよりも小さく形成されていることから、部品14の穴14aにグロメットの円筒状突起部48を挿入する際には、必ず「すきまばめ」となり、かかる挿入作業が円滑に行われることとなる。従って、重ねられたボデー12及び部品14の穴12a、14aに対するグロメット42の挿入作業が、手作業でも容易に行うことが可能となり、工具を使用する必要が無くなる。なお、部品14の穴14aとグロメット42の円筒状突起部48との密閉性は、前述のごとく、グロメットの円筒状突起部48がピン44の柱状突起部52により押し広げられることで、確保される。
又、エラストマー製グロメット42の円筒状突起部48に、硬質樹脂製のピン44の柱状突起部52が挿入され、グロメット42の座部46に設けられた、ピン44の頭部50の形状に倣って弾性変形することで、ピン44の頭部50及び被締結部材(部品14)の穴(14a)周辺部の各々に対する密着性が高まる厚肉部72が、ピン44の頭部50に一体に設けられた押圧部70によって各々の密着部に対し押し付けられ、密着性を確保することが可能となる。
なお、図9(a)に示されるように、グロメット42の座部46の周端部に沿って形成された厚肉部72の円筒状突起部48が突出する片面側は、その非変形状態で、円盤状の座部平面から、緩やかな傾斜面74を伴って周端部へ向かうに従い比較的小さく突出し、変形状態で、図9(c)に示されるように、円盤状の座部46の平面と緩やかな傾斜面74とが何れも被結束部材(部品14)の穴(14a)周辺部に密着して全体に平坦面となることで、座部46と被結束部材の穴周辺部との密閉性が確保される。
又、図9(a)に示されるように、グロメット42の座部46の周端部に沿って形成された厚肉部72の、円筒状突起部48の突出しないもう片面側は、その非変形状態で、円盤状の座部46の平面から急斜面ないし直立面76を伴って比較的大きく突出した後周端部へ向かうに従い突出量が減少し、変形状態で、図9(c)に示されるように、グロメット42の座部46の周端部に沿って形成された厚肉部72の円筒状突起部が突出する片面側の変形を受けて、急斜面ないし直立面76が座部46の中心へと向けて傾倒し(変形A)、図9(b)に示されるように、ピン44の頭部50の柱状突起部52が突出する片面側に形成された、押圧部としての環状段差面70に密着することで、座部46とピン44の頭部50との密閉性も確保される。
又、グロメット42の円筒状突起部48の先端側貫通穴49(図2)に沿って形成された環状の厚肉部78が、ピン44の柱状突起部52の形状に倣って弾性変形し、図3〜図5に示されるように、先端側貫通穴49から突出して円筒状突起部48の外へと折り返されるように変形し、ピン44の柱状突起部52に密着することで(図5)、ピン44の柱状突起部52は、環状の厚肉部78により強力に締付けられる。よって、グロメット42に対するピン44の抜去力が増大することとなり、締結具40の締結の信頼性が高まることとなる。又、円筒状突起部48の外へと折り返された環状の厚肉部78が、ボデー12の穴12aの周辺部に密着することで、グロメット42とボデー12の穴12a周辺部との密閉性が確保される。
より具体的には、グロメット42の円筒状突起部48の先端側貫通穴49に沿って形成された環状の厚肉部78の、内側厚肉部80が(図2)、ピン44の柱状突起部52により円筒状突起部48の外側へと押し出されて先端貫通穴49を拡径するように弾性変形し(図3)、ピン44の柱状突起部52がグロメット42の円筒状突起部48に対する貫通限度位置(図5)に至った時点で、柱状突起部52の側面に設けられた窪み84と勘合することで、ピン44の円筒状突起部52は、環状の厚肉部78の内側厚肉部80により強力に締付けられる。これと共に、内側厚肉部80が窪み84から抜け難くなり、グロメット42に対するピン44の抜去力が増大することとなる。
一方、グロメット42の円筒状突起部48の先端側貫通穴49に沿って形成された環状の厚肉部78の、外側厚肉部82は、ピン44の柱状突起部52がグロメット42の円筒状突起部48に対する貫通限度位置(図5)に至った時点で、ボデー12の穴12aの周辺部に密着することで、グロメット42とボデー12の穴12aの周辺部との密閉性が確保される。
従って、本発明の第1の実施の形態に係る締結具40は、2Pクリップタイプの締結具でありながら、締結作業に必要な力が増大することを防ぎ、締結工数及び部品コストの増大を招くことなく、必要な密閉性を確保することが可能となる。
続いて、図10〜図12を参照しながら、本発明の第2の実施の形態に係る締結具について説明する。ここで、従来技術又は第1の実施の形態と同一部分、若しくは相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明を省略する。
図10に示されるように、本発明の第2の実施の形態に係る締結具86は、グロメット42とピン44とで対をなす、いわゆる2Pクリップタイプの締結具である。なお、図10(a)に示された状態のグロメット42及びピン44の側面図及び部分断面図が、図11に示されており、図1(b)に示された状態のグロメット42及びピン44の側面図及び部分断面図が、図12に示されている。
さて、第2の実施の形態に係る締結具86の、第1の実施の形態に係る締結具40との相違点は、主に、グロメット42の、円筒状突起部48の構造にある。具体的には、図10(a)及び図11に示されるように、グロメット42の円筒状突起部48の先端側貫通穴49に沿って肉厚部88が形成され、かつ、肉厚部88を周方向に分割するスリット90が形成されている。そして、図10(b)及び図12に示されるように、スリット90により分割された厚肉部88の各分割片92が、ピン44の柱状突起部52の形状に倣って弾性変形し外側へと押し広げられることで、グロメット42の、円筒状突起部48の外周面に形成された環状密着部94が、ボデー12の穴12aの内壁面へと密着するように構成されている。
より具体的には、グロメット42の円筒状突起部48の先端側貫通穴49に沿って形成された肉厚部88は、円筒状突起部48の内径を縮小するように突出しており、厚肉部88は、ピン44の柱状突起部52により外径方向へと押し出されることで、円筒状突起部48の各分割片92が半径方向外側へと反り返るように弾性変形する。そして、厚肉部88は、ピン44の柱状突起部52が、グロメット42の円筒状突起部48に対する貫通限度位置(図12)に至った時点で、柱状突起部52の側面に設けられた窪み96と勘合する。更に、各分割片92の反り返りに追従して、グロメット42の円筒状突起部48の外周面に形成された環状密着部94が、ボデー12の穴12aの内壁面へと密着するように構成されている。
上記構成を有する本発明の第2の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能となる。
まず、グロメット42の、円筒状突起部48の先端側貫通穴49に沿って形成された厚肉部88が、スリット90により周方向に分割され、スリット90により分割された厚肉部88の各分割片92が、ピン44の柱状突起部52の形状に倣って弾性変形し外側へと押し広げられ、各分割片92が弾性力により元の位置に復帰しようとすることで、ピン44の柱状突起部52は各分割片92により締付けられる。よって、グロメット42に対するピン44の抜去力が増大することとなる。又、各分割片92がピン44の柱状突起部52の形状に倣って弾性変形し外側へと押し広げられることに伴い、グロメット42の円筒状突起部48の外周面(環状密着部94)が、ボデー12の穴12aの内壁面へ密着し、グロメット42とボデー12の穴12a周辺部との密閉性が確保される。
より具体的には、グロメット42の、円筒状突起部48の先端側貫通穴49に沿って形成された厚肉部88が、円筒状突起部48の内径を縮小するように突出していることから、ピン44を円筒状突起部48に挿通することで、各分割片92は、柱状突起部52により外径方向へと押し出される。そして、円筒状突起部48の各分割片92が半径方向外側へと反り返るように弾性変形することにより、ピン44の柱状突起部52は、グロメット42の円筒状突起部48に対する貫通限度位置(図12)まで挿入される。そして、貫通限度位置に至った時点で、各分割片92の厚肉部88が柱状突起部52の側面に設けられた窪み96と勘合することで、ピン44の柱状突起部52は厚肉部88により強力に締付けられると共に、厚肉部88が窪み96から抜け難くなり、グロメット42に対するピン44の抜去力が増大することとなる。
更に、円筒状突起部48の各分割片92の反り返りに追従して、グロメット42の円筒状突起部48の外周面に形成された環状密着部94が、ボデー12の穴12aの内壁面へと密着することで、グロメット42と被締結部材の穴周辺部との密閉性が確保される。
従って、本発明の第2の実施の形態に係る締結具86は、2Pクリップタイプの締結具でありながら、締結作業に必要な力が増大することを防ぎ、締結工数及び部品コストの増大を招くことなく、必要な密閉性を確保することが可能となる。
その他、本発明の第1の実施の形態に係る締結具40と同様の作用効果については、詳しい説明を省略する。
なお、本発明の実施の形態は、何れも、被締結部材としてボデー12及び部品14を締結する場合を例示して説明したが、他の被締結部材についても、締結具40、86を用いることで、高い密閉性を確保した状態で締結することが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係る締結具を単体で示した立体図である。 図1に示される締結具の側面図及び部分断面図であり、締結手順の第一段階を示すものである。 図1に示される締結具の側面図及び部分断面図であり、締結手順の第二段階を示すものである。 図1に示される締結具の側面図及び部分断面図であり、締結手順の第三段階を示すものである。 図1に示される締結具の側面図及び部分断面図であり、締結手順の最終段階を示すものである。 図1に示される締結具の、グロメットの円筒状突起部に伸びが生じる様子を模式的に示した説明図である。 図1に示される締結具に求められるシール要件を示す説明図である。 図1に示される締結具の、環状密着部に係る部分拡大図である。 図1に示される締結具の、環状密着部に係る部分拡大図である。 本発明の第2の実施の形態に係る締結具を単体で示した立体図である。 図10に示される締結具の側面図及び部分断面図であり、締結手順の第一段階を示すものである。 図10に示される締結具の側面図及び部分断面図であり、締結手順の最終段階を示すものである。 従来の、2Pクリップタイプの締結具の側面図及び部分断面図である。 従来の、3Pクリップタイプの締結具の側面図及び部分断面図である。 従来の、3Pクリップタイプの締結具の問題点を示すグラフである。 従来の、スクリューグロメット及びタッピングスクリューを用いた、2Pクリップタイプの締結具の側面図及び部分断面図である。
12:ボデー、12a:穴、14:部品、14:穴、 40、86:締結具、42:グロメット、44:ピン、46:座部、48:円筒状突起部、49:先端側貫通穴、50:頭部、52:柱状突起部、 54、56、58,60,62、64、94:環状密着部、66:伸びが生じる部分、 68、70:押圧部、72:厚肉部、74:緩やかな傾斜面、76:急斜面ないし直立面、78:環状の厚肉部、80:内側厚肉部、82:外側厚肉部、84、96:窪み、88:厚肉部、90:スリット、92:分割片

Claims (8)

  1. 円盤状の座部及び該座部の中心部から片面側に突出する比較的短尺の円筒状突起部を備えるエラストマー製のグロメットと、円盤状の頭部及び該頭部の中心部から片面側に突出する比較的長尺の柱状突起部を備える硬質樹脂製のピンとで対をなし、重ねられた二つの被締結部材の穴に前記グロメットの円筒状突起部が挿通された状態で、その内部を前記ピンの柱状突起部が貫通して前記円筒状突起部が外側へと押し広げられ、該押し広げられた円筒状突起部と前記座部とで、前記二つの被締結部材を挟持する締結具であって、
    前記グロメットの、前記円筒状突起部の外周面には前記被締結部材の穴の内壁面へと隙間無く密着する環状密着部が、前記円筒状突起部の内周面には前記ピンの柱状突起部と隙間無く密着する環状密着部が、前記座部には前記ピンの頭部及び前記被締結部材の穴周辺部の何れにも隙間無く密着する環状密着部が、各々、前記グロメットと一体に形成され、
    前記グロメットの座部には、前記ピンの頭部の形状に倣って弾性変形することで、前記ピンの頭部及び前記被締結部材の穴周辺部の各々に対する密着性が高まる部分が設けられ、前記ピンの頭部には、かかる座部の変形を促すための押圧部が一体に形成され、
    前記ピンの柱状突起部が前記グロメットの円筒状突起部に挿入された後、遅くとも貫通限度位置に至るまでに、前記グロメットの各環状密着部が、前記ピンの柱状突起部又は頭部に押されて弾性変形し、夫々の密着対象部位へと密着するように構成されており、
    前記グロメットの座部に設けられた、前記ピンの頭部の形状に倣って弾性変形することで、前記ピンの頭部及び前記被締結部材の穴周辺部の各々に対する密着性が高まる部分は、前記座部の周端部に沿って形成された厚肉部であって、
    該厚肉部は、その非変形状態で、前記円筒状突起部が突出する片面側は、円盤状の座部平面から、緩やかな傾斜面を伴って周端部へ向かうに従い比較的小さく突出し、前記円筒状突起部の突出しないもう片面側は、円盤状の座部平面から急斜面ないし直立面を伴って比較的大きく突出した後周端部へ向かうに従い突出量が減少しており、
    その変形状態で、前記円筒状突起部が突出する片面側は、円盤状の座部平面と前記緩やかな傾斜面とが何れも被結束部材の穴周辺部に密着して全体に平坦面となり、かかる変形を受けて、前記円筒状突起部の突出しないもう片面側は、前記急斜面ないし直立面が座部中心へと向けて傾倒し、前記ピンの頭部の前記柱状突起部が突出する片面側に形成された、前記押圧部としての環状段差面に密着するように構成されていることを特徴とする締結具。
  2. 前記グロメットの円筒状突起部には、前記ピンの柱状突起部の形状に倣って弾性変形することで伸びが生じる部分が設けられ、前記ピンの柱状突起部には、かかる円筒突起部の変形を促すための押圧部が一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載の締結具。
  3. 前記グロメットの円筒状突起部が、非変形状態において、重ねられた二つの被締結部材のうちの一方の穴径よりも大きく、もう一方の穴径よりも小さい外径寸法に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の締結具。
  4. 前記グロメットの円筒状突起部の先端側貫通穴に沿って環状の厚肉部が形成され、該肉厚部が、前記ピンの柱状突起部の形状に倣って弾性変形することで、前記先端側貫通穴から突出して前記円筒状突起部の外へと折り返され、前記ピンの柱状突起部及び前記被締結部材の穴周辺部に密着するように構成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の締結具。
  5. 前記グロメットの円筒状突起部の先端側貫通穴に沿って形成された環状の厚肉部は、前記円筒状突起部の内側に突出する内側厚肉部と、前記円筒状突起部の外側に突出する外側厚肉部とからなり、
    前記内側厚肉部は、前記ピンの柱状突起部により前記円筒状突起部の外側へと押し出されて前記先端貫通穴を拡径するように弾性変形し、前記ピンの柱状突起部が前記グロメットの円筒状突起部に対する貫通限度位置に至った時点で、前記柱状突起部の側面に設けられた窪みと勘合するように構成され、
    前記外側厚肉部は、前記ピンの柱状突起部が前記グロメットの円筒状突起部に対する貫通限度位置に至った時点で、前記被締結部材の穴周辺部に密着するように構成されていることを特徴とする請求項記載の締結具。
  6. 前記グロメットの円筒状突起部の先端側貫通穴に沿って肉厚部が形成され、かつ、該肉厚部を周方向に分割するスリットが形成され、該スリットにより分割された前記厚肉部の各分割片が、前記ピンの柱状突起部の形状に倣って弾性変形し外側へと押し広げられることで、前記グロメットの、円筒状突起部の外周面に形成された前記環状密着部が、前記被締結部材の穴の内壁面へと密着するように構成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の締結具。
  7. 前記グロメットの円筒状突起部の先端側貫通穴に沿って形成された肉厚部は、前記円筒状突起部の内径を縮小するように突出しており、該厚肉部は、前記ピンの柱状突起部により外径方向へと押し出されることで、前記肉厚部の各分割片が半径方向外側へと反り返るように弾性変形し、前記各分割片は、前記ピンの柱状突起部が前記グロメットの円筒状突起部に対する貫通限度位置に至った時点で、前記柱状突起部の側面に設けられた窪みと勘合し、かつ、前記各分割片の反り返りに追従して、前記グロメットの円筒状突起部の外周面に形成された前記環状密着部が、前記被締結部材の穴の内壁面へと密着するように構成されていることを特徴とする請求記載の締結具。
  8. グロメットは、TPEからなることを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の締結具。
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