JP4798026B2 - 電力線搬送通信装置、及び電力線搬送通信用結合回路 - Google Patents

電力線搬送通信装置、及び電力線搬送通信用結合回路 Download PDF

Info

Publication number
JP4798026B2
JP4798026B2 JP2007062060A JP2007062060A JP4798026B2 JP 4798026 B2 JP4798026 B2 JP 4798026B2 JP 2007062060 A JP2007062060 A JP 2007062060A JP 2007062060 A JP2007062060 A JP 2007062060A JP 4798026 B2 JP4798026 B2 JP 4798026B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
winding
power line
line carrier
carrier communication
transformer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007062060A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008227837A (ja
Inventor
賢治 國吉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2007062060A priority Critical patent/JP4798026B2/ja
Publication of JP2008227837A publication Critical patent/JP2008227837A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4798026B2 publication Critical patent/JP4798026B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Description

本発明は、電源電圧の供給及び通信信号の伝送に共用される第1及び第2導体線を用いて通信を行う電力線搬送通信に用いられる電力線搬送通信用結合回路、及び電力線搬送通信装置に関する。
図13は、背景技術に係る電力線搬送通信装置の構成を示すブロック図である。図13に示す電力線搬送通信装置100は、電力線のL相とN相とにインピーダンスアッパ回路101を介して接続される電源回路102と、電力線のL相とN相とに結合回路103を介して接続されるPLC(電力線搬送通信)モデム104とを備えている。
結合回路103は、インピーダンスアッパ回路101と並列に接続されている。結合回路103は、トランス105の一次巻線が、電源商用周波数に対して高インピーダンスとなり、電力線搬送通信の通信信号周波数に対して低インピーダンスになるキャパシタ106,107を介して電力線のL相とN相とに接続されて構成されている。そして、トランス105の二次巻線を介して、PLCモデム104が信号を入出力することにより、電力線から通信を取得したり、電力線に対して並列に信号を重畳したりすることで、電力線搬送通信が実行可能にされている。
このようにして、電力線のL相とN相とによって通信信号が伝送される場合、電力線から見た電力線搬送通信装置100の平衡度が低いと、信号品質の劣化や不要輻射の増大を招くこととなる。そこで、電力線から見た電力線搬送通信装置100の回路の平衡度を向上させるために、キャパシタ106,107が設けられている。
また、電力線のL相とN相とに直接電源回路102を接続すると、電源回路102の入力インピーダンスによりL相とN相との間のインピーダンスが低下してしまい、電力線による信号伝送が困難となる。そこで、電源商用周波数に対して高インピーダンスとなり、電力線搬送通信の通信信号周波数に対して低インピーダンスになるインピーダンスアッパ回路101を備えることで、電力線の線間インピーダンスの低下を抑制するようになっている。
また、図14に示す電力線搬送通信装置110のように、結合回路103aのトランス108における一次巻線を二つに分割し、分割された各一次巻線の間に電源商用周波数に対して高インピーダンスとなり、電力線搬送通信の通信信号周波数に対して低インピーダンスになるキャパシタ109を接続することで、回路の平衡度を向上しつつキャパシタの数を減少させる技術も知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、図14に示す電力線搬送通信装置110においても、インピーダンスアッパ回路101を削除することはできない。インピーダンスアッパ回路101としては、一般的にはチョークコイルが用いられる。そして、回路の平衡度を向上させるためには、電力線のL相とN相とのいずれにも、インピーダンスアッパ回路101を挿入する必要があるため、部品数や回路の実装面積が増大するという、不都合があった。
そこで、インピーダンスアッパ回路101が不要であって、従って部品数や回路の実装面積を低減することができる回路方式として、図15に示す電力線搬送通信装置111が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
図15に示す電力線搬送通信装置111における結合回路103bは、電力線に対して直列に信号を重畳するもので、電力線のN相がトランス113の一次巻線を介して電源回路102に接続されている。また、電源回路102の入力端子間に、電源商用周波数に対して高インピーダンスとなり、電力線搬送通信の通信信号周波数に対して低インピーダンスになるキャパシタ114が接続されている。これにより、図15に示す電力線搬送通信装置111では、インピーダンスアッパ回路を不要とし、部品数や回路の実装面積が低減されている。
WO 2004/084430 A1号公報 特開2006−74763号公報
しかしながら、図15に示す電力線搬送通信装置111では、電力線のN相にトランス113が介設されるため、L相とN相とでインピーダンスに差異が生じて回路が不平衡となる結果、電力線搬送通信の信号品質が劣化したり、不要輻射が増大したりするという不都合があった。
本発明は、このような事情に鑑みて為された発明であり、インピーダンスアッパ回路を用いることなく電力線から見た電力線搬送通信装置の回路の平衡度を向上することができる電力線搬送通信装置、及び電力線搬送通信用結合回路を提供することを目的とする。
本発明に係る電力線搬送通信装置は、電源電圧の供給及び通信信号の伝送に共用される第1及び第2導体線を用いて通信を行う電力線搬送通信装置において、前記第1導体線に一端が接続される第1巻線、及び当該第1巻線に磁気的に結合する第2巻線を有する第1トランスと、前記第2導体線に一端が接続される第3巻線、及び当該第3巻線に磁気的に結合すると共に前記第2巻線と直列接続される第4巻線を有する第2トランスとを備える結合回路と、前記第1及び第3巻線の他端に接続されると共に、前記第1及び第2導体線により供給される電源電圧を、前記第1及び第3巻線を介して受電する受電部と、前記第2及び第4巻線の直列回路に接続され、当該直列回路を介して前記第1及び第2導体線を用いた通信を行う通信部とを備え、前記結合回路は、前記第1及び第2導体線に生じるコモンモード電圧を減衰させるコモンモードチョークトランスをさらに備え、前記コモンモードチョークトランスは、前記第1及び第2導体線と、前記第1及び第3巻線との間に設けられている
また、本発明に係る電力線搬送通信装置は、電源電圧の供給及び通信信号の伝送に共用される第1及び第2導体線を用いて通信を行う電力線搬送通信装置において、前記第1導体線に一端が接続される第1巻線、及び当該第1巻線に磁気的に結合する第2巻線を有する第1トランスと、前記第2導体線に一端が接続される第3巻線、及び当該第3巻線に磁気的に結合すると共に前記第2巻線と直列接続される第4巻線を有する第2トランスとを備える結合回路と、前記第1及び第3巻線の他端に接続されると共に、前記第1及び第2導体線により供給される電源電圧を、前記第1及び第3巻線を介して受電する受電部と、前記第2及び第4巻線の直列回路に接続され、当該直列回路を介して前記第1及び第2導体線を用いた通信を行う通信部とを備え、前記結合回路は、前記第1及び第2導体線に生じるコモンモード電圧を減衰させるコモンモードチョークトランスをさらに備え、前記結合回路は、前記第1及び第2トランスが同一のコアを共有し、前記第1及び第3巻線が、互いに同一極性で当該コアに巻回されることで、当該第1及び第3巻線により前記コモンモードチョークトランスが構成される。
この構成によれば、第1及び第2導体線と電源電圧を受電する受電部との間に、第1トランスの第1巻線と第2トランスの第3巻線とがそれぞれ直列接続されており、第1トランスの第2巻線と第2トランスの第4巻線との直列回路を介して通信部が接続されているので、第1及び第2導体線に対して直列に信号の入出力を行うことが可能となる結果、背景技術に係る電力線に並列に接続された結合回路を介して信号の入出力を行うもののようにインピーダンスアッパ回路を備える必要がない。また、電源電圧の供給及び通信信号の伝送に共用される第1導体線と第2導体線とに、第1トランスの第1巻線と第2トランスの第3巻線とがそれぞれ接続されるので、背景技術のように、電力線の一相のみにトランスの巻線が接続されるものに比べて第1及び第2導体線から見た電力線搬送通信装置の平衡度を向上することができる。
また、前記通信部は、前記直列回路の端子電圧に基づき前記通信信号を取得する受信回路を備えることが好ましい。この構成によれば、第1導体線から第1トランスへ供給される信号に応じて当該第1トランスの第2巻線に誘起される信号と、第2導体線から第2トランスへ供給される信号に応じて当該第2トランスの第4巻線に誘起される信号とに基づいて、通信信号が受信されるので、第1及び第2導体線側から通信部を見た回路インピーダンスの平衡度が向上される。
また、前記通信部は、送信しようとするデータを表す信号を、前記直列回路へ供給することによって、前記結合回路により前記第1及び第2導体線に前記通信信号を生じさせる送信回路を備えることが好ましい。この構成によれば、送信回路から第1トランスの第2巻線と第2トランスの第4巻線とへ送信しようとするデータを表す信号が供給され、第1トランスの第1巻線と第2トランスの第3巻線とによって、第1及び第2導体線へそれぞれ当該データを示す通信信号が出力されるので、第1及び第2導体線側から通信部を見た回路インピーダンスの平衡度が向上される。
また、前記電源電圧に対してインピーダンスが増大し、前記通信信号に対してインピーダンスが減少するインピーダンス素子が、前記第1巻線の他端と前記第3巻線の他端との間にさらに接続されることが好ましい。この構成によれば、インピーダンス素子のインピーダンスが電源電圧に対して増大するので、第1及び第2導体線から供給された電源電圧をインピーダンス素子で低下させるおそれを低減される。また、インピーダンス素子によって、第1導体線から第1巻線、及び第3巻線を介して第2導体線に至る通信信号の電流経路が形成されるので、第1及び第2導体線により伝送された通信信号を第1及び第2トランスと作用させて、第2及び第4巻線に通信信号を誘起させることが容易となる。
また、前記直列回路において、前記第2巻線は、前記通信信号の周波数帯域を通過させる帯域通過フィルタを介して前記第4巻線と接続されていることが好ましい。この構成によれば、電力線搬送通信装置によって通信信号の送信が行われる場合には、帯域通過フィルタによって、第2及び第4巻線を流れる信号から通信信号以外の周波数成分が除去されて、第1及び第3巻線から第1及び第2導体線へ出力される通信信号のS/N比(信号対雑音比)が増大され、通信信号の品質が向上されると共に、不要な周波数成分が低減されて第1及び第2導体線から放射される不要輻射が低減される。一方、電力線搬送通信装置によって通信信号の受信が行われる場合には、帯域通過フィルタによって、第1及び第2導体線から第1及び第2トランスへ入力され、第2及び第4巻線に誘起された信号から、通信信号以外の周波数成分が除去されてS/N比が増大されるので、通信の信頼性を向上させることができる。
また、前記直列回路における前記第2巻線と前記第4巻線との接続点は、グラウンドに接続されていることが好ましい。この構成によれば、第2巻線と第4巻線との接続点がグラウンドに接続されているので、第1導体線から見た結合回路のインピーダンスと第2導体線から見た結合回路のインピーダンスとが、グラウンドを中心にして正負に対称となる結果、第1及び第2導体線から見た電力線搬送通信装置のインピーダンスの平衡度が向上する。
また、前記第2巻線と前記接続点との間、及び前記第4巻線と前記接続点との間には、前記通信信号の周波数帯域を通過させる帯域通過フィルタがそれぞれ設けられていることが好ましい。この構成によれば、電力線搬送通信装置によって通信信号の送信が行われる場合には、各帯域通過フィルタによって、第2及び第4巻線を流れる信号からそれぞれ通信信号以外の周波数成分が除去されて、第1及び第3巻線から第1及び第2導体線へ出力される通信信号のS/N比(信号対雑音比)が増大され、通信信号の品質が向上されると共に、不要な周波数成分が低減されて第1及び第2導体線から放射される不要輻射が低減される。一方、電力線搬送通信装置によって通信信号の受信が行われる場合には、各帯域通過フィルタによって、第1及び第2導体線から第1及び第2トランスへ入力され、第2及び第4巻線に誘起された信号から、通信信号以外の周波数成分がそれぞれ除去されてS/N比が増大されるので、通信の信頼性を向上させることができる。
また、前記結合回路は、前記第1及び第2導体線に生じるコモンモード電圧を減衰させるコモンモードチョークトランスをさらに備えることが好ましい。この構成によれば、電力線搬送通信装置によって通信信号の受信が行われる場合には、他の電力線搬送通信装置から第1及び第2導体線によって伝送されてきた通信信号に重畳されているコモンモード電圧が、コモンモードチョークトランスによって低減されるので、第1及び第2トランスによって取得される通信信号のS/N比が向上する結果、電力線搬送通信の信頼性を向上することができる。また、電力線搬送通信装置によって通信信号の送信が行われる場合には、第1及び第2トランスによって第1及び第2導体線に印加された信号に含まれるコモンモード成分が、コモンモードチョークトランスによって低減されるので、第1及び第2導体線から放射されるコモンモード成分に起因する不要輻射が低減される。
また、前記結合回路は、前記第1及び第2トランスが同一のコアを共有し、前記第1及び第3巻線が、互いに同一極性で当該コアに巻回されることで、当該第1及び第3巻線により前記コモンモードチョークトランスが構成されることが好ましい。この構成によれば、トランスのコア数を低減することができるので、結合回路を小型化することが容易となる。
また、前記コアは、環状であって、当該コアにおける前記第1トランスが構成される部分と前記第2トランスが構成される部分との間の一対の連結位置に、予め設定された間隔を有して互いに対向する突起部がそれぞれ設けられていることが好ましい。
この構成によれば、第1及び第3巻線により構成されるコモンモードチョークトランスによってコモンモード成分を低減しつつ、第1トランスが構成される部分と第2トランスが構成される部分との間の一対の連結位置に設けられた突起部によって、ノーマルモード成分、すなわち通信信号に基づく磁束の流れる経路が形成されることで、第1及び第2トランスと通信信号とを作用させることが可能となる。また、一対の突起部の対向位置に予め設定された間隔が設けられているので、突起部の磁気抵抗が増大される結果、第1及び第2導体線から供給される電源電圧により生じる磁束によって、コアが飽和するおそれが低減される。
また、前記コアは、環状であって、当該コアにおける前記第1巻線の巻回位置と前記第3巻線の巻回位置との間の一対の連結位置に、予め設定された間隔を有して互いに対向する突起部がそれぞれ設けられており、前記第2及び第4巻線は、前記突起部に巻回されているようにしてもよい。この構成によれば、第2及び第4巻線を、突起部に隣接して巻回することができるので、第2及び第4巻線の直列回路を単一の巻線で構成することで、製造工数を低減することが容易となる。また、ノーマルモード成分、すなわち通信信号に応じて、第1巻線により生じる磁束と第3巻線により生じる磁束とが、足し合わされて突起部を流れるので、第2及び第4巻線を突起部に巻回することで、磁気の結合度を増大させることができる。
また、本発明に係る電力線搬送通信用結合回路は、電源電圧の供給及び通信信号の伝送に共用される第1及び第2導体線を用いて通信を行う電力線搬送通信に用いられる電力線搬送通信用結合回路であって、前記第1導体線に一端が接続される第1巻線、及び当該第1巻線に磁気的に結合する第2巻線を備える第1トランスと、前記第2導体線に一端が接続される第3巻線、及び当該第3巻線に磁気的に結合すると共に前記第2巻線と直列接続される第4巻線を備える第2トランスと、前記第1及び第3巻線の他端に生じる電圧を前記電源電圧として出力する電源出力端子と、前記第2及び第4巻線の直列回路に生じる電圧を、前記通信信号として出力する信号出力端子と、前記第1及び第2導体線に生じるコモンモード電圧を減衰させるコモンモードチョークトランスとを備え、前記コモンモードチョークトランスは、前記第1及び第2導体線と、前記第1及び第3巻線との間に設けられている。
また、本発明に係る電力線搬送通信用結合回路は、電源電圧の供給及び通信信号の伝送に共用される第1及び第2導体線を用いて通信を行う電力線搬送通信に用いられる電力線搬送通信用結合回路であって、前記第1導体線に一端が接続される第1巻線、及び当該第1巻線に磁気的に結合する第2巻線を備える第1トランスと、前記第2導体線に一端が接続される第3巻線、及び当該第3巻線に磁気的に結合すると共に前記第2巻線と直列接続される第4巻線を備える第2トランスと、前記第1及び第3巻線の他端に生じる電圧を前記電源電圧として出力する電源出力端子と、前記第2及び第4巻線の直列回路に生じる電圧を、前記通信信号として出力する信号出力端子と、前記第1及び第2導体線に生じるコモンモード電圧を減衰させるコモンモードチョークトランスとを備え、前記第1及び第2トランスが同一のコアを共有し、前記第1及び第3巻線が、互いに同一極性で当該コアに巻回されることで、当該第1及び第3巻線により前記コモンモードチョークトランスが構成される
この構成によれば、第1及び第2導体線と電源電圧を外部に出力する電源出力端子との間に、第1トランスの第1巻線と第2トランスの第3巻線とがそれぞれ直列接続されており、第1トランスの第2巻線と第2トランスの第4巻線との直列回路を介して外部に通信信号を出力する信号出力端子が接続されているので、第1及び第2導体線に対して直列に信号の入出力を行うことが可能となる結果、背景技術に係る電力線に並列に接続された結合回路を介して信号の入出力を行うもののようにインピーダンスアッパ回路を備える必要がない。また、電源電圧の供給及び通信信号の伝送に共用される第1導体線と第2導体線とに、第1トランスの第1巻線と第2トランスの第3巻線とがそれぞれ接続されるので、背景技術のように、電力線の一相のみにトランスの巻線が接続されるものに比べて第1及び第2導体線から見た電力線搬送通信用結合回路の平衡度を向上することができる。
このような構成の電力線搬送通信装置及び電力線搬送通信用結合回路は、第1及び第2導体線に、第1トランスの第1巻線と第2トランスの第3巻線とがそれぞれ直列接続されており、第1トランスの第2巻線と第2トランスの第4巻線との直列回路を介して外部に通信信号が出力されるので、第1及び第2導体線に対して直列に信号の入出力を行うことが可能となる結果、背景技術に係る電力線に並列に接続された結合回路を介して信号の入出力を行うもののようにインピーダンスアッパ回路を備える必要がない。また、電源電圧の供給及び通信信号の伝送に共用される第1導体線と第2導体線とに、第1トランスの第1巻線と第2トランスの第3巻線とがそれぞれ接続されるので、背景技術のように、電力線の一相のみにトランスの巻線が接続されるものに比べて第1及び第2導体線から見た回路の平衡度を向上することができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電力線搬送通信用結合回路を用いた電力線搬送通信装置の構成の一例を示す回路図である。図1に示す電力線搬送通信装置1は、電力線搬送通信用結合回路の一例である結合回路2と、電源回路3(受電部)と、PLCモデム4(通信部)とを備えている。結合回路2は、トランス21(第1トランス)と、トランス22(第2トランス)と、キャパシタC1(インピーダンス素子)と、接続端子T1,T2,T3,T4,T5とを備えている。
トランス21と、トランス22とは、同一のコア20を共有している。具体的には、コア20に、第1巻線211、第2巻線212、第3巻線221、及び第4巻線222が同一極性方向に巻回されており、第1巻線211と第2巻線212とによってトランス21が構成され、第3巻線221と第4巻線222とによってトランス22が構成されている。なお、トランス21と、トランス22とは、必ずしも同一のコア20を共有するものに限らないが、コア20を共有することで、結合回路2の部品数を低減し、結合回路2を小型化することが容易となる。
接続端子T1,T2は、電源電圧の供給及び通信信号の伝送に共用される外部の導体線11(第1導体線)及び導体線12(第2導体線)を接続するための接続端子である。導体線11と導体線12との間には、例えば商用交流電源電圧や直流電圧等の電源電圧が印加されている。また、導体線11及び導体線12には、図略の他の電力線搬送通信装置が接続されており、導体線11及び導体線12を介して電力線搬送通信装置同士で互いに電力線搬送通信を実行可能にされている。そして、例えば電源ライン側(L)の導体線11が接続端子T1に接続され、中性線側(N)の導体線12が接続端子T2に接続されている。
そして、第1巻線211の一端が接続端子T1に接続され、第3巻線221の一端が接続端子T2に接続されている。また、第1巻線211の他端が接続端子T3に接続され、第3巻線221の他端が接続端子T4に接続されている。この場合、接続端子T3,T4が電源出力端子の一例に相当している。
さらに、第2巻線212の一端が接続端子T5に接続され、第2巻線212の他端が第4巻線222の一端に接続されて第2巻線212と第4巻線222とが同一極性方向で直列接続され、第4巻線222の他端がPLCモデム4の回路グラウンドに接続されている。この場合、接続端子T5が信号出力端子の一例に相当している。
また、接続端子T3と接続端子T4との間には、キャパシタC1が接続されている。電力線搬送通信で使用可能な周波数は、10kHz〜450kHzと2MHz〜30MHzとがあり、商用交流電源電圧の周波数より周波数が高い。従って、キャパシタC1は、直流電源電圧や商用交流電源電圧の周波数に対してインピーダンスが増大し、電力線搬送通信の通信信号周波数に対してインピーダンスが減少する。これにより、接続端子T1,T2によって受電された電源電圧を、接続端子T3,T4を介して電源回路3へ供給しつつ、電力線搬送通信の通信信号を、接続端子T1から第1巻線211、第3巻線221を介して接続端子T2へ流すことにより、第1巻線211に磁気結合された第2巻線212と、第3巻線221に磁気結合された第4巻線222とに当該通信信号を誘起させることができる。そして、第2巻線212と第4巻線222とに誘起された通信信号が、接続端子T5からPLCモデム4へ出力される。
なお、電源回路3の入力インピーダンスが、電力線搬送通信の通信信号周波数に対して充分小さければ、キャパシタC1を設けなくてもよい。
電源回路3は、例えばスイッチング電源回路や電圧レギュレータ等の電源回路である。そして、電源回路3は、導体線11及び導体線12から、結合回路2を介して供給された電源電圧に基づき、PLCモデム4その他、電力線搬送通信装置1内部の回路の動作用電源電圧を生成すると共に供給する。なお、導体線11及び導体線12によって供給された例えば直流電源電圧等の電源電圧で、電力線搬送通信装置1の内部の回路がそのまま動作可能な場合、電源回路3を備えず、接続端子T3,T4から電力線搬送通信装置1内部の各回路部へ電源電圧を供給するようにしてもよい。この場合、接続端子T3,T4から供給された電源電圧により動作する回路部が、受電部の一例に相当する。
PLCモデム4は、例えば、変復調回路41と、送信回路42と、受信回路43と、接続端子T6とを備えている。接続端子T6は、接続端子T5と接続されている。
変復調回路41は、他の電力線搬送通信装置へ送信しようとするデータを、電力線搬送通信用の信号形式に変調して送信回路42へ出力する。送信回路42は、例えばバッファ回路421を用いて構成されている。そして、送信回路42は、変復調回路41から出力された信号に応じて、接続端子T6,T5を介して第2巻線212、第4巻線222の直列回路に信号電流を流すことにより、トランス21,22によって、導体線11,12に電力線搬送通信の通信信号を印加させるようになっている。
受信回路43は、例えば信号増幅回路431を用いて構成されている。そして、第2巻線212、第4巻線222の直列回路によって得られた信号を、接続端子T5,T6を介して受信すると共に増幅して変復調回路41へ出力する。変復調回路41は、受信回路43から出力された信号を復調して、他の電力線搬送通信装置から電力線搬送通信により送信されたデータを取得する。
上述のように構成された電力線搬送通信装置1は、導体線11,12と直列に接続される第1巻線211,第3巻線221によって、導体線11,12への電力線搬送通信信号の印加、及び導体線11,12からの電力線搬送通信信号の取得が行われるので、背景技術に係る図13、図14に示す電力線搬送通信装置110,111のようにインピーダンスアッパ回路101を設ける必要がなく、回路を簡素化して部品数を削減し、回路の実装面積を低減して電力線搬送通信装置1を小型化することが容易となる。
また、図1に示す電力線搬送通信装置1は、導体線11,12に第1巻線211、第3巻線221がそれぞれ直列接続されるので、導体線11,12から見た電力線搬送通信装置1のインピーダンスが平衡となる。これにより、電力線搬送通信装置1は、インピーダンスアッパ回路を用いることなく電力線から見た電力線搬送通信装置の回路の平衡度を向上することができる結果、背景技術に係る図15に示す電力線搬送通信装置111のように回路が不平衡となって、電力線搬送通信の信号品質が劣化したり、不要輻射が増大したりするおそれが低減される。
なお、図2に示す電力線搬送通信装置1aのように、第1巻線211に磁気結合された第2巻線212と第3巻線221に磁気結合された第4巻線222との間にバンドパスフィルタ(BPF)23(帯域通過フィルタ)をさらに設ける構成としてもよい。バンドパスフィルタ23は、電力線搬送通信の通信帯域として規定されている10kHz〜450kHzや、2MHz〜30MHz等の周波数帯域のうち、電力線搬送通信装置1aによって電力線搬送通信に用いられる通信信号の周波数帯域のみを通過させるように、フィルタ特性が設定されている。
これにより、電力線搬送通信の送信時には、送信回路42により出力された信号から、電力線搬送通信に用いられる通信信号以外の周波数成分が除去されてS/N比が増大され、電力線搬送通信の信号品質が向上されると共に、不要な周波数成分が低減されて、導体線11,12から放射される不要輻射が低減される。また、電力線搬送通信の受信時には、導体線11,12からトランス21,22によって得られた信号から、通信信号以外の周波数成分が除去されてS/N比が増大された信号が、受信回路43によって受信されるので、通信の信頼性を向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る電力線搬送通信用結合回路を用いた電力線搬送通信装置1bについて説明する。図3は、本発明の第2の実施形態に係る結合回路2b、及び電力線搬送通信装置1bの構成の一例を示す回路図である。
図3に示す結合回路2bは、図1に示す結合回路2とは、第2巻線212と第4巻線222との接続点PがPLCモデム4の回路グラウンドに接続されている点、及び接続端子T7をさらに備え、第4巻線222の他端がグラウンドではなく接続端子T7に接続されている点で異なる。この場合、接続端子T5,T7が信号出力端子の一例に相当している。
図3に示すPLCモデム4bは、図1に示すPLCモデム4とは、送信回路42b、受信回路43bの構成が異なる点、及び接続端子T8をさらに備える点で異なる。
接続端子T8は、接続端子T7に接続されている。送信回路42bは、図1に示す送信回路42とは、変復調回路41から出力された信号に応じて負極性の電圧を、接続端子T8,T7を介して第4巻線222の他端へ供給する負極性のバッファ回路422をさらに備える点で異なる。
受信回路43bは、図1に示す受信回路43とは、第4巻線222によって得られた負極性の信号を、接続端子T7,T8を介して受信すると共に増幅して変復調回路41へ出力する負極性の信号増幅回路432をさらに備える点で異なる。なお、接続端子T1〜T8は、端子台やコネクタの他、例えばランドやパッド等の配線パターンであってもよい。
このように構成された電力線搬送通信装置1bは、第2巻線212と第4巻線222との接続点PがPLCモデム4の回路グラウンドに接続されているので、導体線11から見た電力線搬送通信装置1bのインピーダンスと導体線12から見た電力線搬送通信装置1bのインピーダンスとが、グラウンドを中心にして正負に対称となる結果、導体線11,12から見た電力線搬送通信装置1bにおけるインピーダンスの平衡度が向上する。
なお、図4に示す電力線搬送通信装置1cのように、結合回路2cは、バンドパスフィルタ23と同様のバンドパスフィルタ231,232をさらに備え、第2巻線212と接続点Pとの間にバンドパスフィルタ231を設け、第4巻線222と接続点Pとの間にバンドパスフィルタ232を設ける構成としてもよい。
これにより、電力線搬送通信の送信を行う際は、送信回路42bにより出力された信号から、バンドパスフィルタ231,232によって電力線搬送通信に用いられる通信信号以外の周波数成分が除去されてS/N比が増大され、電力線搬送通信の信号品質が向上される。また、バンドパスフィルタ231,232によって、不要な周波数成分が低減されて、導体線11,12から放射される不要輻射が低減される。さらに、電力線搬送通信の受信を行う際には、導体線11,12からトランス21,22によって取得された信号から、バンドパスフィルタ231,232によって通信信号以外の周波数成分が除去されてS/N比が増大された信号が、受信回路43bによって受信されるので、通信の信頼性を向上させることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る電力線搬送通信用結合回路を用いた電力線搬送通信装置1dについて説明する。図5は、本発明の第3の実施形態に係る結合回路2d、及び電力線搬送通信装置1dの構成の一例を示す回路図である。図5に示す電力線搬送通信装置1dは、図1に示す電力線搬送通信装置1とは、結合回路2dにおいて、導体線11,12と、第1巻線211、第3巻線221との間にコモンモードチョークトランス24が設けられている点で異なる。
図5に示す電力線搬送通信装置1dでは、他の電力線搬送通信装置から導体線11,12によって伝送されてきた通信信号に重畳されているコモンモード電圧が、コモンモードチョークトランス24によって低減されるので、トランス21,22によって取得される通信信号のS/N比が向上する結果、電力線搬送通信の信頼性を向上することができる。また、送信の際にトランス21,22によって電源電圧に重畳された電力線搬送通信信号におけるコモンモード電圧が、コモンモードチョークトランス24によって低減されるので、導体線11,12から放射されるコモンモード電圧に起因する不要輻射が低減される。
なお、コモンモードチョークトランス24は、必ずしも独立した単体のコモンモードチョークトランスである必要はなく、例えば図6に示す電力線搬送通信装置1eのように、トランス21,22と、コモンモードチョークトランス24とが、環状のコア20を共有する構成としてもよい。これにより、トランスのコア数を低減することができるので、結合回路2eを小型化することが容易となる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係る電力線搬送通信用結合回路である結合回路2fを用いた電力線搬送通信装置1fについて説明する。図7は、本発明の第4の実施形態に係る結合回路2f、及び電力線搬送通信装置1fの構成の一例を示す回路図である。図7に示す電力線搬送通信装置1fは、図1に示す電力線搬送通信装置1とは、結合回路2fの構成が異なる。そして、図6に示す電力線搬送通信装置1eのより具体的な構成の一例に相当している。
図7に示す結合回路2fは、環状、例えば略長方形状のコア20fの一辺に、第1巻線211と第2巻線212とが同一極性方向に巻回されて、第1巻線211と第2巻線212とからトランス21が構成されている。また、トランス21が構成されている辺と、相対向するコア20fの一辺に、第3巻線221と第4巻線222とが同一極性方向に巻回されて、第3巻線221と第4巻線222とからトランス22が構成されている。
また、第1巻線211と第3巻線221とは、接続端子T1,T2側からコモンモード電流が流入した場合に、第1巻線211により生じる磁束と第3巻線221により生じる磁束とが互いに強めあう方向、すなわち互いに同一極性方向で、コア20fに巻回されている。これにより、第1巻線211と第3巻線221とによって、コモンモードチョークトランスが構成される。
そして、コア20fにおけるトランス21が構成されている辺と、トランス22が構成されている辺とを連結する一対の辺から、互いに対向する方向に突出した突起部201,202が設けられている。突起部201,202の対向面には、例えば1mm程度に設定された間隔Gが設けられている。
図8、図9は、図7に示す結合回路2fの動作を説明するための説明図である。まず、導体線11,12から接続端子T1,T2を介して第1巻線211、第3巻線221へ、コモンモード電流Icmが入力された場合、図8に示すように、第1巻線211で生じる磁束と第3巻線221で生じる磁束とは同一方向で足し合わされ、コア20fを流れる磁束B1が強められる。
そうすると、コモンモード電流Icmに対するインピーダンスが増大する結果、コモンモード電流Icm、すなわちコモンモードノイズが低減される。
次に、電力線搬送通信に用いられる通信信号に対する結合回路2fの動作を説明する。まず、電力線搬送通信装置1fによる信号受信の際に、他の電力線搬送通信装置から導体線11,12を介して電力線搬送通信装置1fへ供給される通信信号は、ノーマルモードの信号であるから、図9に示すように、導体線11から接続端子T1を介して第1巻線211へ流れる電流と、導体線12から接続端子T2を介して第3巻線221へ流れる電流とは、流れる方向が逆向きであって電流値が等しい差動電流Idmとなる。
ここで、もし仮に、突起部201,202がなかったとすれば、第1巻線211、第3巻線221により生じる磁束は、コア20fの外周を互いに逆向きに流れて相殺される結果、第2巻線212、第4巻線222には通信信号が誘起されず、従って、電力線搬送通信装置1fは、通信信号を受信することができない。電力線搬送通信装置1fによる信号送信の際においても、同様に、送信回路42から出力された信号に応じて第2巻線212及び第4巻線222で生成される磁束は、互いに相殺されて第1巻線211、第3巻線221に通信信号が誘起されない結果となって、電力線搬送通信装置1fは通信信号を送信することができない。
しかしながら、コア20fには、突起部201,202によってノーマルモードの磁束が流れる磁束の通路が形成されているので、電力線搬送通信装置1fによる信号受信の際、差動電流Idmに応じて第1巻線211により生じる磁束B2は、第1巻線211、第2巻線212、及び突起部201,202を流れ、差動電流Idmに応じて第3巻線221により生じる磁束B3は、第3巻線221、第4巻線222、及び突起部201,202を流れる。そうすると、磁束B2と磁束B3とは、突起部201,202を同一方向に流れるから、互いに相殺されることがない。
従って、電力線搬送通信装置1fによる信号受信の際、通信信号である差動電流Idmに応じて、第1巻線211、第3巻線221により生じる磁束B2,B3により第2巻線212、第4巻線222に信号電圧が誘起され、当該信号電圧が接続端子T5,T6を介して受信回路43へ出力されることで、電力線搬送通信装置1fが通信信号を受信することが可能となる。同様に、送信回路42から出力された信号に応じて第2巻線212及び第4巻線222で生成される磁束は、互いに相殺されずに、第1巻線211、第3巻線221に通信信号が誘起されて導体線11,12に印加されている電源電圧に重畳される結果、電力線搬送通信装置1fは通信信号を送信することが可能となる。
ここで、もし仮に、突起部201,202の間に間隔Gが設けられておらず、突起部201と突起部202とが連結されていたとすれば、突起部201,202の磁気抵抗が低下して導体線11,12から供給される電源電流によって生じる磁束B2,B3が増大する。そうすると、電源電流によって生じる磁束B2,B3によってコア20fが飽和し易くなるため、コア20fを飽和させないためにはコア20fを大型化しなければならないという、不都合が生じる。また、突起部201,202の磁気抵抗が低下すると、図8に示すコモンモード電流Icmが第1巻線211、第3巻線221に流れた場合、第1巻線211、第3巻線221により生じた磁束は、それぞれ磁気抵抗の小さい突起部201,202を流れる結果、突起部201,202で互いに磁束が相殺されてしまい、コモンモード電圧の低減効果が低下してしまうという不都合が生じる。
しかしながら、図7に示すように、コア20fの突起部201と突起部202との間には、間隔Gが設けられており、磁気抵抗が増大されることによって電源電流によるコア20fの飽和が生じにくくされることで、コア20fを小型化することが容易にされている。また、間隔Gにより突起部201,202の磁気抵抗が増大されることによって、コモンモード電流Icmにより生じた磁束が突起部201,202を流れることが低減される結果、突起部201,202によるコモンモード電圧の低減効果の低下が抑制される。
上述したように、図7に示す結合回路2f、及び電力線搬送通信装置1fによれば、導体線11,12からの電力線搬送通信信号の取得、及び導体線11,12に印加されている電源電圧への電力線搬送通信信号の重畳を行うトランス21,22と、コモンモード電圧を低減するコモンモードチョークトランスとを、一つのコア20fを用いて構成することができるので、磁気コアの数を減らして結合回路2fを小型化すると共に、コストを低減することが容易となる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態に係る電力線搬送通信用結合回路を用いた電力線搬送通信装置1gについて説明する。図10は、本発明の第5の実施形態に係る結合回路2g、及び電力線搬送通信装置1gの構成の一例を示す回路図である。図10に示す電力線搬送通信装置1gは、図7に示す電力線搬送通信装置1fとは、結合回路2gの構成が異なる。そして、図6に示す電力線搬送通信装置1eのより具体的な構成の一例に相当している。
図10に示す結合回路2gは、突起部201,202に、第5巻線223が巻回されて構成されている。そして、第5巻線223の一端が接続端子T5に接続され、第5巻線223の他端がPLCモデム4の回路グラウンドに接続されている。この場合、第5巻線223は、第2巻線と第4巻線との直列回路の一例に相当している。なお、第5巻線223の代わりに、第2巻線212と第4巻線222とを直列に接続して突起部201,202に巻回するようにしてもよいが、第2巻線212と第4巻線222とを、単体の第5巻線223に置き換えることによって、図7に示す結合回路2fよりも、コア20fへの巻線の巻回箇所を減らして製造工数を低減することが容易となる。
図11、図12は、図10に示す結合回路2gの動作を説明するための説明図である。まず、導体線11,12から接続端子T1,T2を介して第1巻線211、第3巻線221へ、コモンモード電流Icmが入力された場合、図11に示すように、第1巻線211で生じる磁束と第3巻線221で生じる磁束とは同一方向で足し合わされ、コア20fを流れる磁束B1が強められる。そうすると、コモンモード電流Icmに対するインピーダンスが増大する結果、コモンモード電流Icm、すなわちコモンモードノイズが低減される。
次に、電力線搬送通信に用いられる通信信号に対する結合回路2gの動作を説明する。まず、電力線搬送通信装置1gによる信号受信の際に、他の電力線搬送通信装置から導体線11,12を介して電力線搬送通信装置1gへ供給される通信信号は、ノーマルモードの信号であるから、図12に示すように、導体線11から接続端子T1を介して第1巻線211へ流れる電流と、導体線12から接続端子T2を介して第3巻線221へ流れる電流とは、流れる方向が逆向きであって電流値が等しい差動電流Idmとなる。
そうすると、図9に示す結合回路2fの場合と同様、コア20fには、突起部201,202によって磁束の通路が形成されているので、電力線搬送通信装置1gによる信号受信の際、差動電流Idmに応じて第1巻線211により生じる磁束B2は、第1巻線211、突起部201,202、及び突起部201,202に巻回されている第5巻線223を流れ、差動電流Idmに応じて第3巻線221により生じる磁束B3は、第3巻線221、突起部201,202、及び突起部201,202に巻回されている第5巻線223を流れる。そうすると、磁束B2と磁束B3とは、突起部201,202を同一方向に流れるから、互いに相殺されることがなく、かつ磁束B2と磁束B3とが足しあわされて第5巻線223を流れるから、第5巻線223と、第1巻線211及び第3巻線221との結合度が増大する。
従って、図10に示す結合回路2gでは、第5巻線223の巻数が、第2巻線212と第4巻線222とをあわせた巻数と同一であれば、図9に示す結合回路2fと比べて、信号受信時には略2倍の受信信号レベルが得られ、送信時には略2倍の出力信号レベルが得られるので、通信品質を向上させることができる。また、図10に示す結合回路2gでは、図9に示す結合回路2fと同等の送受信信号レベルを確保しつつ、第5巻線223の巻数を、第2巻線212と第4巻線222とをあわせた巻数より減少させることができるので、結合回路2gを小型化することが容易となる。
本発明の第1の実施形態に係る電力線搬送通信用結合回路を用いた電力線搬送通信装置の構成の一例を示す回路図である。 図1に示す電力線搬送通信用結合回路を用いた電力線搬送通信装置の変形例を示す回路図である。 本発明の第2の実施形態に係る電力線搬送通信用結合回路、及び電力線搬送通信装置の構成の一例を示す回路図である。 図3に示す電力線搬送通信用結合回路、及び電力線搬送通信装置の変形例を示す回路図である。 本発明の第3の実施形態に係る電力線搬送通信用結合回路、及び電力線搬送通信装置の構成の一例を示す回路図である。 図5に示す電力線搬送通信用結合回路、及び電力線搬送通信装置の変形例を示す回路図である。 本発明の第4の実施形態に係る電力線搬送通信用結合回路、及び電力線搬送通信装置の構成の一例を示す回路図である。 図7に示す電力線搬送通信用結合回路の動作を説明するための説明図である。 図7に示す電力線搬送通信用結合回路の動作を説明するための説明図である。 本発明の第5の実施形態に係る電力線搬送通信用結合回路、及び電力線搬送通信装置の構成の一例を示す回路図である。 図10に示す電力線搬送通信用結合回路の動作を説明するための説明図である。 図10に示す電力線搬送通信用結合回路の動作を説明するための説明図である。 背景技術に係る電力線搬送通信装置の構成を示すブロック図である。 背景技術に係る電力線搬送通信装置の構成を示すブロック図である。 背景技術に係る電力線搬送通信装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g 電力線搬送通信装置
2,2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g 結合回路
3 電源回路
4,4b PLCモデム
11,12 導体線
20,20f コア
21,22 トランス
23,231,232 バンドパスフィルタ
24 コモンモードチョークトランス
41 変復調回路
42,42b 送信回路
43,43b 受信回路
201,202 突起部
211 第1巻線
212 第2巻線
221 第3巻線
222 第4巻線
223 第5巻線
421,422 バッファ回路
431,432 信号増幅回路
C1 キャパシタ
G 間隔
P 接続点
T1,T2,T3,T4,T5,T6,T7,T8 接続端子

Claims (12)

  1. 電源電圧の供給及び通信信号の伝送に共用される第1及び第2導体線を用いて通信を行う電力線搬送通信装置において、
    前記第1導体線に一端が接続される第1巻線、及び当該第1巻線に磁気的に結合する第2巻線を有する第1トランスと、前記第2導体線に一端が接続される第3巻線、及び当該第3巻線に磁気的に結合すると共に前記第2巻線と直列接続される第4巻線を有する第2トランスとを備える結合回路と、
    前記第1及び第3巻線の他端に接続されると共に、前記第1及び第2導体線により供給される電源電圧を、前記第1及び第3巻線を介して受電する受電部と、
    前記第2及び第4巻線の直列回路に接続され、当該直列回路を介して前記第1及び第2導体線を用いた通信を行う通信部とを備え
    前記結合回路は、前記第1及び第2導体線に生じるコモンモード電圧を減衰させるコモンモードチョークトランスをさらに備え、
    前記コモンモードチョークトランスは、前記第1及び第2導体線と、前記第1及び第3巻線との間に設けられていること
    を特徴とする電力線搬送通信装置。
  2. 電源電圧の供給及び通信信号の伝送に共用される第1及び第2導体線を用いて通信を行う電力線搬送通信装置において、
    前記第1導体線に一端が接続される第1巻線、及び当該第1巻線に磁気的に結合する第2巻線を有する第1トランスと、前記第2導体線に一端が接続される第3巻線、及び当該第3巻線に磁気的に結合すると共に前記第2巻線と直列接続される第4巻線を有する第2トランスとを備える結合回路と、
    前記第1及び第3巻線の他端に接続されると共に、前記第1及び第2導体線により供給される電源電圧を、前記第1及び第3巻線を介して受電する受電部と、
    前記第2及び第4巻線の直列回路に接続され、当該直列回路を介して前記第1及び第2導体線を用いた通信を行う通信部とを備え、
    前記結合回路は、前記第1及び第2導体線に生じるコモンモード電圧を減衰させるコモンモードチョークトランスをさらに備え、
    前記結合回路は、前記第1及び第2トランスが同一のコアを共有し、前記第1及び第3巻線が、互いに同一極性で当該コアに巻回されることで、当該第1及び第3巻線により前記コモンモードチョークトランスが構成されること
    を特徴とする電力線搬送通信装置。
  3. 前記コアは、環状であって、当該コアにおける前記第1トランスが構成される部分と前
    記第2トランスが構成される部分との間の一対の連結位置に、予め設定された間隔を有して互いに対向する突起部がそれぞれ設けられていること
    を特徴とする請求項2記載の電力線搬送通信装置。
  4. 前記コアは、環状であって、当該コアにおける前記第1巻線の巻回位置と前記第3巻線の巻回位置との間の一対の連結位置に、予め設定された間隔を有して互いに対向する突起部がそれぞれ設けられており、
    前記第2及び第4巻線は、前記突起部に巻回されていること
    を特徴とする請求項2記載の電力線搬送通信装置。
  5. 前記通信部は、前記直列回路の端子電圧に基づき前記通信信号を取得する受信回路を備えること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電力線搬送通信装置。
  6. 前記通信部は、送信しようとするデータを表す信号を、前記直列回路へ供給することによって、前記結合回路により前記第1及び第2導体線に前記通信信号を生じさせる送信回路を備えること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電力線搬送通信装置。
  7. 前記電源電圧に対してインピーダンスが増大し、前記通信信号に対してインピーダンスが減少するインピーダンス素子が、前記第1巻線の他端と前記第3巻線の他端との間にさらに接続されること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電力線搬送通信装置。
  8. 前記直列回路において、前記第2巻線は、前記通信信号の周波数帯域を通過させる帯域通過フィルタを介して前記第4巻線と接続されていること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電力線搬送通信装置。
  9. 前記直列回路における前記第2巻線と前記第4巻線との接続点は、グラウンドに接続されていること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電力線搬送通信装置。
  10. 前記第2巻線と前記接続点との間、及び前記第4巻線と前記接続点との間には、前記通信信号の周波数帯域を通過させる帯域通過フィルタがそれぞれ設けられていること
    を特徴とする請求項9記載の電力線搬送通信装置。
  11. 電源電圧の供給及び通信信号の伝送に共用される第1及び第2導体線を用いて通信を行う電力線搬送通信に用いられる電力線搬送通信用結合回路であって、
    前記第1導体線に一端が接続される第1巻線、及び当該第1巻線に磁気的に結合する第2巻線を備える第1トランスと、
    前記第2導体線に一端が接続される第3巻線、及び当該第3巻線に磁気的に結合すると共に前記第2巻線と直列接続される第4巻線を備える第2トランスと、
    前記第1及び第3巻線の他端に生じる電圧を前記電源電圧として出力する電源出力端子と、
    前記第2及び第4巻線の直列回路に生じる電圧を、前記通信信号として出力する信号出力端子と、
    前記第1及び第2導体線に生じるコモンモード電圧を減衰させるコモンモードチョークトランスとを備え、
    前記コモンモードチョークトランスは、前記第1及び第2導体線と、前記第1及び第3巻線との間に設けられていること
    を特徴とする電力線搬送通信用結合回路。
  12. 電源電圧の供給及び通信信号の伝送に共用される第1及び第2導体線を用いて通信を行う電力線搬送通信に用いられる電力線搬送通信用結合回路であって、
    前記第1導体線に一端が接続される第1巻線、及び当該第1巻線に磁気的に結合する第2巻線を備える第1トランスと、
    前記第2導体線に一端が接続される第3巻線、及び当該第3巻線に磁気的に結合すると共に前記第2巻線と直列接続される第4巻線を備える第2トランスと、
    前記第1及び第3巻線の他端に生じる電圧を前記電源電圧として出力する電源出力端子と、
    前記第2及び第4巻線の直列回路に生じる電圧を、前記通信信号として出力する信号出力端子と
    前記第1及び第2導体線に生じるコモンモード電圧を減衰させるコモンモードチョークトランスとを備え、
    前記第1及び第2トランスが同一のコアを共有し、前記第1及び第3巻線が、互いに同一極性で当該コアに巻回されることで、当該第1及び第3巻線により前記コモンモードチョークトランスが構成されること
    を特徴とする電力線搬送通信用結合回路。
JP2007062060A 2007-03-12 2007-03-12 電力線搬送通信装置、及び電力線搬送通信用結合回路 Expired - Fee Related JP4798026B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007062060A JP4798026B2 (ja) 2007-03-12 2007-03-12 電力線搬送通信装置、及び電力線搬送通信用結合回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007062060A JP4798026B2 (ja) 2007-03-12 2007-03-12 電力線搬送通信装置、及び電力線搬送通信用結合回路

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008227837A JP2008227837A (ja) 2008-09-25
JP4798026B2 true JP4798026B2 (ja) 2011-10-19

Family

ID=39845927

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007062060A Expired - Fee Related JP4798026B2 (ja) 2007-03-12 2007-03-12 電力線搬送通信装置、及び電力線搬送通信用結合回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4798026B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9705562B2 (en) * 2006-07-25 2017-07-11 Broadcom Europe Limited Dual transformer communication interface
JP2012084273A (ja) * 2010-10-07 2012-04-26 Sumitomo Electric Ind Ltd コネクタ装置及び電力線通信装置
JP5498347B2 (ja) 2010-10-20 2014-05-21 株式会社メガチップス Plc/電源ハイブリッド装置および通信機能付き装置
WO2015017339A1 (en) * 2013-07-29 2015-02-05 Enphase Energy, Inc. Electromagnetic compatibility filter with an integrated power line communication interface
CN208522755U (zh) * 2015-09-26 2019-02-19 科尔摩根公司 用于改进的dc电力线通信的系统

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB9014003D0 (en) * 1990-06-22 1990-08-15 British Aerospace Data transmission apparatus
JP3539405B2 (ja) * 2001-06-15 2004-07-07 松下電器産業株式会社 搬送波フィルタ
JP2005311412A (ja) * 2004-04-16 2005-11-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd 線路状態検出装置、並びに平衡伝送システムの送信装置及び受信装置
US7286026B2 (en) * 2004-09-02 2007-10-23 Avago Technologies Ecbu Ip (Singapore) Pte. Ltd. Serial signal injection using capacitive and transformer couplings for power line communications
JP4708145B2 (ja) * 2005-10-05 2011-06-22 パナソニック株式会社 電力線通信装置
JP2008042596A (ja) * 2006-08-08 2008-02-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電源ケーブル及びテーブルタップ
JP2008067366A (ja) * 2006-08-08 2008-03-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電源装置及び電力線通信装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008227837A (ja) 2008-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4798026B2 (ja) 電力線搬送通信装置、及び電力線搬送通信用結合回路
US7199692B2 (en) Noise suppressor
WO2002051026A2 (en) Method and apparatus for transmitting a signal through a power magnetic structure
KR101428199B1 (ko) 공통모드필터 및 이를 포함하는 전원 공급 장치
WO2015159684A1 (ja) 通信装置
US10559415B2 (en) Common mode filter capable of balancing induced inductance and distributed capacitance
JP2019047165A (ja) 差動通信装置
JP3169817B2 (ja) 磁気結合信号伝送装置
JP2002261842A (ja) 平衡伝送終端装置及びそれを用いた受信装置
JP2010130312A (ja) 表面実装型パルストランス及びコモンモードフィルタ付表面実装型パルストランス
JP2004248119A (ja) Plcモデム
WO2002050851A1 (en) Transformer providing low output voltage
CN114244345A (zh) 数字隔离器
JP2005116792A (ja) コモンモードノイズフィルタ
JP2009165043A (ja) 非対称全二重伝送装置
JP2006238370A (ja) 通信線路における平衡化回路および通信装置
JP2008048156A (ja) フィルタ回路
JP2019186709A (ja) 複合フィルタ部品、及び、電力重畳回路
JP3891082B2 (ja) 交流/直流分離回路
JP3873855B2 (ja) 電子チョーク回路
JP2005080337A (ja) ノイズフィルタ、電気装置及び空気調和機
JP2013157708A (ja) 電力線通信用インターフェイス回路
JP2010109673A (ja) 信号増幅出力装置
JP2005184466A (ja) 電力線通信信号重畳装置及びそれを用いた電力線通信ネットワーク
JP2005236461A (ja) 電力線通信ネットワーク

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110502

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110517

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110705

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110718

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees