JP3539405B2 - 搬送波フィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電灯線を利用した住宅内通信方式に用いる単相三線式電灯線用の搬送波フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、広範囲の周波数帯を用いノイズ性能を強化したスペクトラム拡散方式と呼ばれる電灯線通信方式が注目され、同時に伝送搬送波の住宅外への流出を防ぐ目的で搬送波フィルタの設置が必要とされている。
【0003】
この搬送波フィルタはローパスフィルターの役割を果たし、商用周波数である商用電源に対して無視できる低インピーダンスであるため、商用電源は搬送波フィルタを通過するが、搬送波周波数帯域である135kHz〜450kHz(電波法で開放されている周波数帯が10kHz〜450kHzで、実質利用できる帯域が135kHz〜450kHz)の搬送波に対しては一定値以上のインピーダンスを有し、この搬送波を減衰させて住宅外へ流出するのを抑止する機能を果たすものである。
【0004】
以下、従来の搬送波フィルタについて図面を参照しながら説明する。
【0005】
単相三線式に用いられる電灯線用搬送波フィルタは、例えば特開平3−296313号公報に開示され、図6で示されたように、フィルタブロック34は、第1の電源線1,中性線2および第2の電源線3と、第1の電源線1の電源側に設けた第1の電源側端子1aおよび負荷側に設けた第1の負荷側端子1bと、中性線2の電源側に設けた電源側中性端子2aおよび負荷側に設けた負荷側中性端子2bと、第2の電源線3の電源側に設けた第2の電源側端子3aおよび負荷側に設けた第2の負荷側端子3bと、互いに磁束を打ち消すように同一磁路のコア9上に巻かれ第1の電源線に設けられた第1のコイル5および第2の電源線3に設けられた第2のコイル6と、第1の電源側端子1aと電源側中性端子2a間に設けられた第1のコンデンサ8と、電源側中性端子2aと第2の電源側端子3a間に設けられた第2のコンデンサ17とから構成されている。
【0006】
そして、フィルタブロック34の第1の負荷側端子1bと負荷側中性端子2b間に電気器具A、第2の負荷側端子3bと負荷側中性端子2b間に電気器具Bが接続され、第1の電源側端子1aと電源側中性端子2a間および電源側中性端子2aと第2の電源側端子3a間にはそれぞれ100Vが印加され、第1の電源側端子1aと第2の電源側端子3a間には200Vが印加される。
【0007】
以上のように構成された従来の搬送波フィルタの動作について説明する。
【0008】
一組のコア9に設けられたコイル5およびコイル6は、それぞれの磁束を打ち消す方向、即ち、同一方向に巻回されているため、単相三線式の電灯線では、第1の電源線1と中性線2との間、および中性線2と第2の電源線3との間の商用周波数電流による起磁力は互いに打ち消し合うので、磁束の発生が低減し、そのため磁束密度が低くなるので、コア9の小形化が可能になる。
【0009】
また、コイル5とコイル6とが磁気結合されると、コイル5上の搬送信号がコイル6へ、あるいはその逆の伝送が可能となるため、両100V間(即ち、第1の電源線1と中性線2間、ならびに中性線2と第2の電源線3間)での搬送波信号の伝送機能(異相間通信機能)を併せもった搬送波フィルタとして開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の従来の構成では前述のように2つの100V電源(第1の電源線1と中性線2間、ならびに中性線2と第2の電源線3間)用フィルタの小形化は実現できるものの、200V電源(第1の電源側端子1aと第2の電源側端子3a間)に対しては搬送波のフィルタ機能や通信信号の伝送機能が得られず、別途200V電源用のフィルタおよび異相間通信装置を追加するなどの対応が必要であった。
【0011】
また、近年増加傾向にあるエアコンなど家庭用200V機器に対し、フィルタの追加、大形化対応あるいは100V電源線と200V電源線間の通信ユニットの増設は電灯線搬送通信システムの普及の阻害要因の一つになっている。
【0012】
本願発明は上記状況に鑑み、小形で100V電源および200V電源においても、100V電源間や100V電源と200V電源間の通信機能(異相間通信機能)を備えた搬送波フィルタの提供を目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の搬送波フィルタは、1つまたは1組の第1のコアと、この第1のコアに同一方向に巻回された第1のコイルおよび第2のコイルと、前記第1のコイルの一端に接続された第1の電源線と、前記第2のコイルの一端に接続された第2の電源線と、前記第1の電源線と中性線との間に接続された第1のコンデンサと、前記第1の電源線と前記第2の電源線との間に接続された第2のコンデンサとを備え、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間に、前記第1のコイルと前記第2のコイルが生成する磁束の一部を外部に漏洩させるために、一部を切断したリング形状をした第2のコアを追加して設けたものである。
【0014】
また請求項2記載の搬送波フィルタは、請求項1記載の搬送波フィルタにおいて、第1のコイルの他端と第2のコイルの他端との間に設けられ第1のコアに同一方向に巻回された第3のコイルと、前記第3のコイルと前記第2のコイルの他端との間に第3のコンデンサが設けられたものである。
【0015】
また請求項3記載の搬送波フィルタは、請求項1記載の搬送波フィルタにおいて、第1のコイルの両端に直列接続された第1の定電圧素子および第1の抵抗素子と、第2のコイルの両端に直列接続された第2の定電圧素子および第2の抵抗素子が設けられたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は上記した請求項1記載の搬送波フィルタによれば、1つまたは1組の第1のコアと、この第1のコアに同一方向に巻回された第1のコイルおよび第2のコイルと、前記第1のコイルの一端に接続された第1の電源線と、前記第2のコイルの一端に接続された第2の電源線と、前記第1の電源線と中性線との間に接続された第1のコンデンサと、前記第1の電源線と前記第2の電源線との間に接続された第2のコンデンサとを備え、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間に、前記第1のコイルと前記第2のコイルが生成する磁束の一部を外部に漏洩させるために、一部を切断したリング形状をした第2のコアを追加して設けたため、第1のコイルと第2のコイル間の結合度を低下させて得られる第1の電源線と第2の電源線間の漏れインダクタンスと、第2のコンデンサとで形成されるLC形フィルタにより、第1の電源線と第2の電源線間に対し通信信号を減衰させるのに十分なまでにフィルタ機能を高めることができる。
【0017】
また、請求項2記載の搬送波フィルタによれば、請求項1記載の搬送波フィルタにおいて、第1のコイルの他端と第2のコイルの他端との間に設けられ第1のコアに同一方向に巻回された第3のコイルと、前記第3のコイルと前記第2のコイルの他端との間に第3のコンデンサが設けられたため、請求項1記載の搬送波フィルタの作用に加え、第3のコイルから、第1のコイルまたは第2のコイルへ搬送信号の伝送ができる。
【0018】
また、請求項3記載の搬送波フィルタによれば、請求項1記載の搬送波フィルタにおいて、第1のコイルの両端に直列接続された第1の定電圧素子および第1の抵抗素子と、第2のコイルの両端に直列接続された第2の定電圧素子および第2の抵抗素子が設けられたため、共振度を抑え、異常な過電圧の発生や機器から発生するノイズが住宅内の電灯線上に拡大して伝播されることを抑制できる。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
【0020】
(実施の形態1)
まず図1,図2に示すように、コイルの結合度を下げ、漏れインダクタンスを発生させるインダクタ構成について説明する。
【0021】
図1から図3に示す図において、1,2,3はそれぞれ単相三線式電力線の第1の電源線,中性線,第2の電源線で、1aは第1の電源側端子、2aは電源側中性端子、3aは第2の電源側端子で、1bは第1の負荷側端子、2bは負荷側中性端子、3bは第2の負荷側端子である。
【0022】
また、4はフィルタブロックで、上記の第1の電源線1,中性線2,第2の電源線3,第1の電源側端子1a、電源側中性端子2a、第2の電源側端子3a、第1の負荷側端子1b、負荷側中性端子2b、第2の負荷側端子3b、および、第1の電源線1に設けられたコイル5、第2の電源線3に設けられたコイル6、コア9、部分コア10、コイル5の第1の電源側端子1a側とコイル6の第2の電源側端子3a側との間に設けられたコンデンサ7,コイル5の第1の電源側端子1a側と電源側中性端子2aとの間に設けられたコンデンサ8とで構成されている。
【0023】
また、第1の負荷側端子1bと負荷側中性端子2b間に負荷として電気器具A、第2の負荷側端子3bと負荷側中性端子2b間に負荷として電気器具Bが接続され、第1の電源側端子1aと電源側中性端子2a間および電源側中性端子2aと第2の電源側端子3a間にはそれぞれ100Vが印加され、第1の電源側端子1aと第2の電源側端子3a間には200Vが印加される。
【0024】
図1に示すインダクタ構成中のコイル5とコイル6とは2つのコア9の各々の中央脚に同一方向に巻かれたコイルで、Cはギャップを示す。また10は追加した部分コアの厚み部分の断面を示すものである。
【0025】
この部分コア10は図2に示した平面図のように、例えばリング状で厚みをもった電気的閉回路ができないよう切断部Eを設けた形状である。
【0026】
また図1において、コイル5とコイル6との間に追加した部分コア10の役割は、中央脚磁路(コア9の中央、すなわちコイルが巻回されている脚内の磁路)で磁気結合していたコイル5とコイル6に対し、磁束の一部を外脚磁路へバイパスさせて漏洩インダクタンスを発生させることである。
【0027】
一般的に、コイル5とコイル6が磁気的に完全結合していれば理想トランスとなり、漏洩インダクタンスは存在しないが、結合度が下がっていけば(つまり、磁束が漏れ、コイル5とコイル6を貫通する磁束が同じでなくなれば)、コイル5とコイル6には回路上、漏洩インダクタンスが存在するようになる。
【0028】
この漏洩インダクタンスは、図2で示されるリング状の部分コア10の厚み方向の断面積の形状(図1のC参照)や、コア9と部分コア10との間隙寸法などで調整することができ、使用する部分コア10の周波数特性によっても増減できる。
【0029】
図3では、上記のようにリング状の部分コア10の追加で生じるコイル5における等価漏れインダクタンスL5とコイル6における等価漏れインダクタンスL6とをそれぞれフィルタブロック4内の第1の電源線1および第2の電源線3上に仮想上の等価漏れインダクタンスL5,L6として記載している。
【0030】
またコンデンサ7は従来の技術で説明したコンデンサ17とは異なり、第1の電源線1と第2の電源線3間に設置する。
【0031】
今、図3において電源が200Vである第1の電源線1と第2の電源線3間の通信信号の流れを追ってみると、第1の負荷側端子1b→等価漏れインダクタンスL5→コイル5→コンデンサ7→コイル6→等価漏れインダクタンスL6→第2の負荷側端子3bとなる。
【0032】
ここで、コイル5とコイル6のインダクタンスは信号に対し互いに打ち消しあい零となるので、上述の通信信号の流れにおいては等価漏れインダクタンスL5,L6の和だけが存在することになる。従って、等価漏れインダクタンスL5,L6とコンデンサ7とによって200V電源(第1の電源線1と第2の電源線3間)用のLCフィルタ回路が形成され、電源側への信号流出を抑える。
【0033】
一方、100V回路の通信信号の流れについて、一つは第1の負荷側端子1b→等価漏れインダクタンスL5→コイル5→コンデンサ8→負荷側中性端子2bで、もう一つは負荷側中性端子2b→コンデンサ8→コンデンサ7→コイル6→等価漏れインダクタンスL6→第2の負荷側端子3bである。当然であるが後者の場合の方がコンデンサが直列接続されているので合成コンデンサ容量が減少し、フィルタ機能としては低下する。
【0034】
次に本実施の形態1の特徴であるコンデンサ7,8について説明する。
【0035】
既に説明したように、部分コア10の追加によりコイル5,6の結合度を低下させ、漏れインダクタンスを作り出し、200V回路にもインダクタンスを存在させるものである。
【0036】
しかし、この結合度を下げて漏れインダクタンスを増大させることは、商用電源による電流がコイル5,6で打ち消しあわなくなってくるので、コアが大形化になってしまうことになる。
【0037】
実験結果では、この適正値は概ねK:0.75程度(Kはコイル5とコイル6との結合度で100%であれば1.0)となり、200V回路の場合には100V回路の場合の1/2程度のインダクタンス選択が上限であった。
【0038】
この結果、一般にフィルタの減衰性能は通常コイルのインダクタンス値とコンデンサ容量の積で表されるので、200V回路すなわち第1の電源線1と第2の電源線3間に設置するコンデンサ(図3のコンデンサ7)容量は、第1の電源線1と中性線2間(図3のコンデンサ8)あるいは第2の電源線3と中性線2間に設置するコンデンサ(図6のコンデンサ17)容量の概ね2倍と大きくする必要がある。
【0039】
しかし上記のように、大きな容量のコンデンサを選択することが一方ではコンデンサの自己共振周波数の低下につながり、既に図3ではコンデンサ7,8として記載したものが、現実にはリード線や配線インダクタンスのためLCの直列回路として動作し、その共振周波数が適用周波数帯(135kHz〜450kHz)内に入り込むことが避けられない。
【0040】
このような状況のなかで、例えば200V回路でのフィルタ特性の改善を目的に、第1の電源線1と中性線2間、中性線2と第2の電源線3間に加え、第1の電源線1と第2の電源線3間にもコンデンサを追加接続した場合は、既に存在する100V電源の共振回路と並列にもう一つの共振回路を接続することになるので、帯域内に2つの共振点が存在し、対象とする全周波数範囲にわたる必要なフィルタ減衰量の確保ができない。
【0041】
この問題への対応は、複数のコンデンサの共振点をリード線や他の配線が有するインダクタンスで調整合致させることが必要となり、極めて実現困難なものである。
【0042】
そこで、本実施の形態は、中性線2と第2の電源線3間のコンデンサ接続をやめ、第1の電源線1と中性線2間にコンデンサ8と、第1の電源線1と第2の電源線3間にコンデンサ7を接続することで、200V電源間のコンデンサ容量の確保を優先させ、かつどの電源線間にも2つの共振点を発生させないようにしたものである。従って、中性線2と第2の電源線3間のコンデンサ容量はコンデンサ7とコンデンサ8の直列接続容量となるので、得られる減衰量は三電源中最も低くなる。
【0043】
したがって、本実施の形態においては、目標減衰量に対するコイル5とコイル6の結合度、コンデンサ7とコンデンサ8の容量の設定が重要となる。例えば、コア9が定格電流60A、ギャップ1mmを設けた実効磁路長200mm2,実効断面積900mm2のE形フェライトコアの場合コア9上に、巻数7ターンのコイル5,コイル6を巻回し、18mm2の断面をもつ方向性珪素鋼板リングである部分コア10を挿入した場合、100kHz時における100V回路のインダクタンスは約13μH、200V回路では7μHであった。すなわち、得られたコイル5,6の漏れインダクタンスは3.5μHとなり、これを結合度として表現すると0.75である。
【0044】
また実使用周波数135〜450kHzの範囲に限定して、例えば減衰が1/100になる信号減衰量40dBを実現するためのコンデンサ7,8の容量は10〜20μFとかなり大きなものが必要となることが分かった。
【0045】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について、図4を参照して説明する。図4は実施の形態2におけるフィルタブロック構成とその接続を示す。
【0046】
本実施の形態2は、図4に示す通り、実施の形態1のフィルタブロック4において、第1の負荷側端子1bと第2の負荷側端子3bとの間にコイル5と同一方向に巻回したコイル56を設け、さらにコイル56と第2の負荷側端子3bとの間にコンデンサ78を設けてフィルタブロック14とした構成である。
【0047】
したがって、住宅内において、例えば、第1の電源線1と中性線2間の搬送波電圧が第1の負荷側端子1b→コイル5→コンデンサ8→負荷側中性端子2bのルートでコイル5に印可されると、100V電源間の搬送波電圧はコイル6およびコイル56に誘起される。すなわち、搬送波電圧は第1の電源線1と中性線2間、ならびに、第1の電源線1と第2の電源線3間にも伝送されることになる。
【0048】
ここでコンデンサ78の役割は商用周波を遮断して高周波の搬送波電圧のみを通過させるためのハイパスフィルタで0.1μF程度の小容量のものでよい。
【0049】
以上の構成により、コイル5,コイル6およびコイル56間の伝送特性は双方向のものであるから、搬送波信号の転送は3つのコイル(コイル5,コイル6,コイル56)すなわち3電源間(第1の電源線1と中性線2間、第2の電源線3と中性線2間、第1の電源線1と第2の電源線間)において可能となり、全異相間の通信ができる。
【0050】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3について、図5を参照しながら説明する。図5に第3の実施の形態におけるフィルタブロック構成とその接続例を示す。
【0051】
本実施の形態3は、図5に示す通り実施の形態1のフィルタブロック4において、コイル5の両端に定電圧素子であるツェナーダイオード11,12と抵抗13を直列に接続し、コイル6の両端にツェナーダイオード21,22と抵抗23を直列に接続してフィルタブロック24とした構成である。
【0052】
これは、LC共振形フィルタの共振時におけるコイル5やコイル6またはコンデンサ7やコンデンサ8の両端における電圧を抑制するためである。
【0053】
本実施の形態3のようにコイル5に並列に抵抗13を設置する場合や、コイル6に並列に抵抗23を設置する場合は、電圧の抑制のために抵抗値は低い程良いが、逆に本来の減衰特性を確保する点からは大きい方がよい。
【0054】
本実施の形態3では上記要求に対し、概ね5V以下と低い信号電圧領域では高抵抗を、それ以上の電圧に対しては低抵抗を選択する構成を示すもので、第1の電源側端子1a,電源側中性端子2a、第2の電源側端子3aから共振周波数に等しい高周波ノイズが流入した場合や、負荷としての電気器具Aや電気器具Bから高周波ノイズが流出する場合に対してはツェナー電圧以上になると、ツェナーダイオード11,12,21,22が導通し抵抗13,23がコイル5,6に並列接続されて減衰抵抗として機能するので共振時の先鋭度を抑制し、ノイズの拡大を防止することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の請求項1記載の搬送波フィルタによれば、1つまたは1組の第1のコアと、この第1のコアに同一方向に巻回された第1のコイルおよび第2のコイルと、前記第1のコイルの一端に接続された第1の電源線と、前記第2のコイルの一端に接続された第2の電源線と、前記第1の電源線と中性線との間に接続された第1のコンデンサと、前記第1の電源線と前記第2の電源線との間に接続された第2のコンデンサとを備え、さらに閉回路を形成しない第2のコアが設けられたため、第1の電源線および第2の電源線間との両回路に単体で対応でき、小形軽量化と異相間通信機能をも可能とした搬送波フィルタを実現することができる。また、比較的大容量のコンデンサの適用は進相コンデンサの役割を果たし、家庭用電灯線の力率改善効果をもたらす効果を発揮する。
【0056】
また請求項2記載の搬送波フィルタによれば、請求項1記載の搬送波フィルタにおいて、第1のコイルの他端と第2のコイルの他端との間に設けられ第1のコアに同一方向に巻回された第3のコイルと、前記第3のコイルと前記第2のコイルの他端との間に第3のコンデンサが設けられたため、同一コア上に巻かれた3つにコイルによって3つの電源線が搬送波上結ばれ、3巻線の結合インダクタ1個と三個のコンデンサとからなる電源間ブリッジを構成できるので、第1の電源線および中性線間、ならびに第2の電源線および中性線間の異相間の通信機能に加え、さらに第1の電源線および第2の電源線間と、第1の電源線および中性線または第2の電源線および中性線との双方向通信も簡便構成で実現できる。
【0057】
請求項3記載の搬送波フィルタによれば、請求項1記載の搬送波フィルタにおいて、第1のコイルの両端に直列接続された第1の定電圧素子および第1の抵抗素子と、第2のコイルの両端に直列接続された第2の定電圧素子および第2の抵抗素子とが設けられたため、共振形フィルタ特有のノイズ拡大の除去ができ、信頼性,安全性の高い搬送波フィルタを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるリアクタの構成図
【図2】同実施の形態1における部分コアの形状を示す外形図
【図3】同実施の形態1におけるフィルタブロック構成とその接続図
【図4】同実施の形態2におけるフィルタブロック構成とその接続図
【図5】同実施の形態3におけるフィルタブロック構成とその接続図
【図6】従来におけるフィルタブロック構成とその接続図
【符号の説明】
1 第1の電源線
2 中性線
3 第2の電源線
4 フィルタブロック
5,6,56 コイル
7,8,78 コンデンサ
9 コア
10 部分コア
A,B 電気器具
C ギャップ
E 切断部
1a 第1の電源側端子
2a 電源側中性端子
3a 第2の電源側端子
1b 第1の負荷側端子
2b 負荷側中性端子
3b 第2の負荷側端子
L5,L6 等価漏れインダクタンス
Claims (3)
- 1つまたは1組の第1のコアと、この第1のコアに同一方向に巻回された第1のコイルおよび第2のコイルと、前記第1のコイルの一端に接続された第1の電源線と、前記第2のコイルの一端に接続された第2の電源線と、前記第1の電源線と中性線との間に接続された第1のコンデンサと、前記第1の電源線と前記第2の電源線との間に接続された第2のコンデンサとを備え、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間に、前記第1のコイルと前記第2のコイルが生成する磁束の一部を外部に漏洩させるために、一部を切断したリング形状をした第2のコアを追加して設けた搬送波フィルタ。
- 第1のコイルの他端と第2のコイルの他端との間に設けられ第1のコアに同一方向に巻回された第3のコイルと、前記第3のコイルと前記第2のコイルの他端との間に第3のコンデンサが設けられた請求項1記載の搬送波フィルタ。
- 第1のコイルの両端に直列接続された第1の定電圧素子および第1の抵抗素子と、第2のコイルの両端に直列接続された第2の定電圧素子および第2の抵抗素子が設けられた請求項1記載の搬送波フィルタ。
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