JP4796459B2 - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

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本発明は、空気入りタイヤの製造方法に関し、特に、生タイヤ製造時の未加硫のカーカスプライの折返工程において、このカーカスプライの端部に亀裂が生じるのを抑制する空気入りタイヤの製造方法に関する。
生タイヤは、大きく分けて、ドラム上に未加硫のインナーライナーを貼り付け、このインナーライナーの上に未加硫のカーカスプライを貼り付ける工程と、このカーカスプライの端部側に未加硫のビードコア及びビードフィラー等を配置し、これらを包み込むようにカーカスプライの端部を内側に折り返す工程と、このカーカスプライの折返し部に未加硫のサイドウォールを巻き付け、カーカスプライの幅方向中央部分を拡径し、未加硫のベルト及びトレッドゴム等の各種タイヤ構成部材を貼り付ける工程とを経て形成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−225654号公報
ところで、前述したカーカスプライの端部を内側に折り返す際には、カーカスプライの端部の周長が拡径されるが、カーカスプライは未加硫ゴムと複数本のコードとから構成されているため、コード間の未加硫ゴムが拡張して、カーカスプライの端部に亀裂を生じさせることなく折り返すことができる。
しかしながら、気温の低い冬場においては、カーカスプライの温度が低くいため未加硫ゴムが拡張し難く、カーカスプライの端部を折り返した際に、この端部のコード間の未加硫ゴムに亀裂が生じることが頻繁にある。この亀裂が生じたカーカスプライが加硫タイヤになるときには、亀裂はさらに進展し、完成品検査においてプライ端オープン(コード間の未加硫ゴムが破けた状態)と診断され、格落(手直しできない程の重不良で、廃棄以外に選択肢がない状態)となる。
また、予めカーカスプライの端部にエンドゴムを巻き付けておくことで、カーカスプライの端部に亀裂が生じるのを抑制することもできるが、エンドゴムを巻き付ける分の工数が増加してしまう。
本発明の目的は、上記事実を考慮して、カーカスプライの折返工程において、カーカスプライの温度が低い場合に端部に生じる亀裂の発生を抑制する空気入りタイヤの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の請求項1に係る空気入りタイヤの製造方法は、ドラムの外周面に帯状の未加硫カーカスプライを巻き付ける巻付工程と、前記巻付工程の後で前記未加硫カーカスプライの端部を内側に折り返す折返工程とを備えた空気入りタイヤの製造方法であって、前記未加硫カーカスプライは、互いに平行に並べられた複数本のコードを未加硫ゴムで被覆して形成され、前記折返工程で前記未加硫カーカスプライの端部を折り返す際に、前記未加硫カーカスプライの端部に亀裂が生じないような温度に前記未加硫カーカスプライの端部を加温する加温工程が、前記折返工程の前に配置されることを特徴としている。
次に請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法の作用について説明する。
例えば、気温が低い冬場などで未加硫カーカスプライの温度が低い場合には、未加硫カーカスプライのコード間の未加硫ゴムが拡張し難くい状態になる。ここで、加温工程を用いて未加硫カーカスプライの端部を折返工程で該端部に亀裂が生じないような温度に加温することで、未加硫カーカスプライのコード間の未加硫ゴムの拡張が確保されて、カーカスプライの端部に亀裂が生じるのが抑制される。従って、カーカスプライの折返工程において、カーカスプライの温度が低い場合に端部に生じる亀裂の発生が抑制されるため、未加硫カーカスプライの端部の拡張が均等となり、プライ端オープンの発生が防止される。
また、未加硫カーカスプライ全体を加温すると未加硫カーカスプライのゲージに影響が出てしまい制御し難くなる虞があるが、加温するのを未加硫カーカスプライの端部のみとしたため、未加硫カーカスプライに余計な条件変動が生じるのを回避することができる。
さらに、未加硫カーカスプライの端部を加温することでプライ端オープンの発生を抑制できるため、未加硫カーカスプライの端部にエンドゴムを貼り付ける工程を設ける必要がなくなる。
本発明の請求項2に係る空気入りタイヤの製造方法は、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法において、前記加温工程は、前記未加硫カーカスプライの端部に温風を当てることを特徴としている。
次に、請求項2に記載の空気入りタイヤの製造方法の作用について説明する。
通常タイヤ成型工程では揮発性の高い溶剤(例えばガソリン等)を使用するため、赤熱する赤外線ヒーターの類で未加硫カーカスプライの端部を直接加温すると、引火する可能性があり赤熱する赤外線ヒーターの類は使用できない。しかし、未加硫カーカスプライの端部に温風を当てて加温する場合には、該端部と熱源との距離が確保できるため引火の可能性を限りなく低くできる。
また、例えば、加温工程に用いられる温風を生成する装置を市販の温風装置とすれば、その温風装置の温風供給口から該端部までダクトを配設する作業だけで済むのでコストが抑えられる。また、前述した市販の温風装置とダクトとで加温設備が構築できるので、設備そのものが単純な構造で済み、ドラムに近づけるのはダクト先だけで良いため軽量となり、嵩張る温風装置本体の設置場所も自由度が高くなる。
本発明の請求項3に係る空気入りタイヤの製造方法は、請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤの製造方法において、前記加温工程は、前記ドラムを回転させながら、前記ドラムの外周に巻き付けた前記未加硫カーカスプライの端部を加温することを特徴としている。
次に、請求項3に記載の空気入りタイヤの製造方法の作用について説明する。
加温工程では、ドラムを回転させながら、ドラムの外周に巻き付けた未加硫カーカスプライの端部を加温するため、工程時間の増加が抑制される。
本発明の請求項4に係る空気入りタイヤの製造方法は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法において、前記未加硫カーカスプライの端部の温度は、前記加温工程によって20〜70度の範囲に加温されることを特徴としている。
次に、請求項4に記載の空気入りタイヤの製造方法の作用について説明する。
カーカスプライの端部の温度が20度未満であれば、冬場の環境下と同じ状態のためカーカスプライの端部が十分な拡張を得られず、カーカスプライの端部に亀裂が生じるのを抑制する効果が少なく、カーカスプライの端部の温度が70度を超える場合には、カーカスプライのコードのメッキが腐食し、加硫後のタイヤのゴムとコードとの接着性の低下が懸念される。また、更に高温になった場合には、ゴム中の水分率が低下しゴム同士の接着性の低下が予想される。従って、カーカスプライの端部の温度は、20〜70度に加温されることが好ましい。
本発明の請求項5に係る空気入りタイヤの製造方法は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法において、前記未加硫カーカスプライの端部の温度は、前記加温工程によって30〜50度の範囲に加温されることを特徴としている。
次に、請求項5に記載の空気入りタイヤの製造方法の作用について説明する。
カーカスプライの端部の温度が30度以上であれば、カーカスプライの端部が十分に拡張するためカーカスプライの端部に亀裂が生じるのがさらに抑制され、カーカスプライの端部の温度が50度以下であれば、カーカスプライのコードのメッキが腐食されることもなく、加硫後のタイヤのゴムとコードとの接着性の低下が防止される。従って、カーカスプライの端部の温度は、30〜50度に加温されることがさらに好ましい。
本発明の請求項6に係る空気入りタイヤの製造方法は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法において、拡張率250%以上の空気入りタイヤに適用することを特徴としている。
次に、請求項6に記載の空気入りタイヤの製造方法の作用について説明する。
ここで言う拡張率とは、ドラムに巻き付ける前の帯状のカーカスプライの端部におけるコード間の距離X1と、加硫後のタイヤ(加硫タイヤ)のカーカスプライの端部におけるコード間の距離X2との比率(X2/X1×100%)を示している。
拡張率が大きいタイヤは、折返工程の際にカーカスプライの端部に亀裂が生じる可能性が高いため、本発明の効果がさらに効果的に発揮される。
本発明の請求項7に係る空気入りタイヤの製造方法は、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法において、建設車両用の空気入りタイヤに用いられることを特徴としている。
次に、請求項7に記載の空気入りタイヤの製造方法の作用について説明する。
通常、建設車両用の空気入りタイヤはシングル成型で成型されることが多く、シングル成型は従来成型よりも未加硫カーカスプライの端部の拡張率が高い傾向にあるため、本発明の効果がさらに効果的に発揮される。
本発明の空気入りタイヤの製造方法は、カーカスプライの折返工程において、カーカスプライの温度が低い場合に端部に生じる亀裂の発生を抑制できる。
[第1の実施形態]
(構成)図1乃至図6にしたがって、本発明の空気入りタイヤの製造方法の一実施形態を説明する。なお、タイヤ構成部材の圧延、裁断工程等は、一般的な空気入りタイヤの製造方法と同様のためその説明を省略する。また、図中の矢印Rはバンドドラムの回転方向を示し、矢印Sはダクトの収縮方向を示し、矢印Lはダクトの伸長方向を示し、矢印Wはビードコアの搬送方向を示している。
まず、図示しないサービサーより供給された図示しない帯状の未加硫のインナーライナーが、円柱状のバンドドラム12の外周面に巻き付けられる。次いで、このインナーライナーの幅方向端部付近に帯状の未加硫のナイロンチェーファー及び帯状の未加硫のワイヤーチェーファーが巻き付けられる。なお、本実施形態では、インナーライナーの幅方向端部付近にナイロンチェーファー及びワイヤーチェーファーを巻き付ける構成としたが、ナイロンチェーファー及びワイヤーチェーファー以外のタイヤ構成部材(例えば未加硫のゴムチェーファー、未加硫のキャンバスチェーファー等)を巻き付けても良く、これらのタイヤ構成部材の選定は空気入りタイヤの種類に応じて適宜行うものとする。
(巻付工程)
次に、図1に示すように、前述したインナーライナーの上に帯状の未加硫のカーカスプライ14が巻き付けられる。これにより、バンドドラム12の外周面に円筒状のカーカスバンド16が形成される。なお、未加硫のカーカスプライ14は、図5に示すように、互いに平行に並べられた複数本のコード(本実施形態ではスチールコード)18を未加硫ゴム20でコーティングして帯状としたものである。
(加温工程)
次に、図2に示すように、バンドドラム12に巻き付けられたカーカスバンド16の両端部の温度を夫々の温度センサー34(本実施形態では非接触型の温度センサー)で計測する。この計測値が、所定の設定温度(本実施形態では30度)以下であれば、加温装置30に接続された2本の伸縮自在のダクト32が図示しないシリンダーによって押出されてカーカスバンド16の両端部へと夫々伸びる。そして、ダクト32の排出口32Aがカーカスバンド16の両端部付近の所定の位置に配置された後で、加温装置30によって生成された温風Hがダクト32内を通ってカーカスバンド16の両端部へ吹き当てられる。なお、本実施形態ではダクト32を図1乃至図3に示すように円筒状としているが、ダクト32は筒状であれば何でも良く、例えば、断面形状が多角形状又は楕円形状等が挙げられる。また本実施形態のダクト32は、図1乃至図3に示すような内筒と外筒とを備えこれらがシリンダーによってスライドさせられて伸縮する構成であるが、ダクト32が伸縮自在な蛇腹とされてシリンダーによって伸縮させられる構成であっても良いものとする。
この温風Hは、カーカスバンド16の両端部の温度が夫々所定の設定温度を超えるまで生成されて該端部に吹き当てられ、カーカスバンド16の両端部の温度が夫々の所定の設定温度を超えると、加温装置30の温風Hの生成が停止される。そして、図3に示されるようにダクト32がシリンダーによって引戻されてダクト32が収縮する。
ここで、バンドドラム12は、インナーライナーの巻き付け時から温風による加温時まで回転状態を維持している。なお、本実施形態では、バンドドラム12の下側に加温装置30を設け、カーカスバンド16の両端部の下側から温風Hを吹き当てる構成とするが、この構成に限定される必要は無く、加温装置30は、バンドドラム12から離間した位置に設けられ、ダクト32のみが伸長してカーカスバンド16の両端部に温風Hを吹き当てる構成であっても良く、バンドドラム12は回転状態が維持されていることから、カーカスバンド16の両端部へ温風Hを吹き当てるのは、下側以外であっても良いものとする。
なお、カーカスバンド16の端部の温度は、20〜70度の範囲に加温されることが好ましく、さらに好ましい加温範囲は、30〜50度である。
(折返工程)
そして、ダクト32が収縮した後で、図示しないビードキャリアによって円環状のビードコア40がカーカスバンド16の両端部付近に夫々配置され、図示しない未加硫のビードフィラーがカーカスバンド16の両端部付近に夫々配置される。なお、本実施形態では、ビードコア40とビードフィラーとを別体としたが、フィラー付きビード(ビードコアとビードフィラーとの複合体)を用いても良く、タイヤの種類によっては未加硫のスティフナー等を用いる構成であっても良いものとする。前述したように、これらのタイヤ構成部材の選定は空気入りタイヤの種類に応じて適宜行えば良いものとする。
次に、カーカスバンド16の両端部が図示しない折り返しブラダー又はプッシュキャン等によってビードコア40及びビードフィラーを包み込むように内側に折り返され、折り返し部付近に図示しない未加硫のサイドトレッドが巻き付けられて図示しない円筒状の生ケースが形成される。
そして、生ケースの軸方向中央部分が拡径されると共に生ケースの両端部が互いに接近させられ、この拡径された中央部分に図示しない未加硫のベルト及び未加硫のトップトレッド等のタイヤ構成部材が巻き付けられて図示しない生タイヤが形成される。この生タイヤは、その後、従来通りに図示しないモールドに装填され、加硫されて加硫タイヤとなる。
なお、本実施形態では、一つの成型ドラム上でインナーライナーの貼付けから、生タイヤの形成までを実施するシングルステージ成型方式を用いて生タイヤを製造する構成とするが、この構成に限定される必要は無く、生ケースと、ベルトトレッドバンド(ベルトとトップトレッドとを積層した円筒状のバンド)とを別々に製造してからベルトトレッドバンドに生ケースを挿入し、生ケースの外面をベルトトレッドバンドの内面に圧着させて生タイヤを形成する構成であっても良いものとする。
(作用)本実施形態の空気入りタイヤの製造方法によれば、気温が低い冬場などでカーカスバンド16の温度が低い場合であっても、折返工程でカーカスバンド16の端部に亀裂が発生しないような所定の設定温度にカーカスバンド16の端部を加温工程で加温するため、カーカスバンド16のコード18間の未加硫ゴム20の拡張が確保されて、カーカスバンド16の端部に亀裂が発生するのが抑制される。従って、カーカスバンド16の端部に亀裂が発生するのが抑制されるため、カーカスバンド16の端部の拡張が均等となり、プライ端オープンの発生が防止される。
また、バンドドラム12上のカーカスバンド16の全体を加温するとカーカスバンド16のゲージに影響が出て制御し難くなる虞があるが、加温するのをカーカスバンド16の端部のみとしたため、カーカスバンド16に余計な条件変動が生じるのを回避することができる。
さらに、カーカスバンド16の端部を加温することでプライ端オープンの発生を抑制できるため、カーカスバンド16の端部にエンドゴム等を貼り付ける工程を設ける必要がなくなる。
通常タイヤ成型工程では揮発性の高い溶剤(例えばガソリン等)を使用するため、赤熱する赤外線ヒーターの類でカーカスバンド16の端部を直接加温すると、カーカスバンド16に引火する可能性があり赤熱する赤外線ヒーターの類は使用できない。しかし、カーカスバンド16の端部に温風Hを当てて加温する場合には、該端部と熱源との距離が確保できるため引火の可能性を限りなく低くできる。
カーカスバンド16の端部の温度が20度未満であれば、冬場の環境下と同じ状態のためカーカスバンド16の端部が十分な拡張を得られず、カーカスバンド16の端部に亀裂が生じるのを抑制する効果が少なく、カーカスバンド16の端部の温度が70度を超える場合には、カーカスプライ14のコード18のメッキが腐食し、加硫後のタイヤのゴムとコードとの接着性が低下する可能性がある。従って、カーカスバンド16の端部の温度は、20〜70度に加温することが好ましい。
また、カーカスバンド16の端部の温度が30度以上であれば、亀裂の発生がさらに抑制され、カーカスバンド16の端部の温度が50度以下であれば、カーカスプライ14のコード18のメッキが腐食することもなく、またカーカスバンド16の端部が十分な拡張を得られる。従って、カーカスバンド16の端部の温度は、30〜50度に加温することが好ましい。
さらにまた、本実施形態の空気入りタイヤの製造方法を適用して製造される空気入りタイヤが、拡張率250%以上の空気入りタイヤであれば、本発明の空気入りタイヤの製造方法の効果がさらに効果的に発揮される。なお、ここで言う拡張率とは、図5に示すように、バンドドラム12上に巻き付ける前の帯状のカーカスプライ14の端部におけるコード18間の距離X1と、図6に示すように、加硫タイヤとなった状態でのカーカスプライ44の端部におけるコード18間の距離X2との比率(X2/X1×100%)を示している。また、このコード18の符号48Aは折返工程によって折り返された折り返し部分を示し、符号48Bは、折り返し部48A以外の本体部分を示し、符号48Cは折り返し部48Aの端部を示している。
そして、本実施形態の空気入りタイヤの製造方法を適用して製造される空気入りタイヤが、建設車両用の空気入りタイヤの場合にはシングル成型で成型されることが多い傾向にある。このシングル成型での拡張率は概ね180%、従来成型では拡張率は概ね140%であり、カーカスバンド16の端部は折り返す際に完全に均一な拡張をすることは難しく、局部的に拡張率が高くなることが多く、シングル成型においては拡張率250%以上となることもある。このため、建設車両用の空気入りタイヤに本発明の空気入りタイヤの製造方法を適用すれば、前述した本発明の効果がさらに効果的に発揮される。
[その他の実施形態]
第1の実施形態では、温度センサー34を用いて、自動にてカーカスバンド16の両端部を加温する構成としたが、この構成に限定される必要は無く、図4に示すように加温装置50に蛇腹状の伸縮自在のダクト52を設けて、手動にてダクト52の排出口52Aをカーカスバンド16の両端部付近まで引き伸ばし、この端部が所定の設定温度となるように温風を吹き当てた後で、手動にてダクト52を押し縮める構成であっても良いものとする。
また、第1の実施形態では、バンドドラム12にカーカスプライ14を巻き付けた後で、カーカスプライ14の両端部を加温する構成としたが、この構成に限定される必要は無く、バンドドラム12にカーカスプライ14を巻き付ける前にカーカスプライ14の両端部を加温する構成であっても良いものとする。
さらに、第1の実施形態では、カーカスバンド16の端部を折り返した後でタイヤ構成部材(例えば、未加硫のベルト及び未加硫のトップトレッド等)を巻き付ける構成としたが、この構成に限定される必要は無く、カーカスバンド16の端部を折り返す前にタイヤ構成部材を巻き付ける構成としても良く、この場合にはタイヤ構成部材を巻き付ける工程と加温工程とが同時進行で行われるため、別途工程時間が延びることがない。
[試験例]
本発明の空気入りタイヤの製造方法による改善効果を確認するために、本発明の第1の実施形態を適用してカーカスバンドの両端部を所定の温度に加温したカーカスバンドと、加温しなかったカーカスバンドとを用意し、これらのカーカスバンドの端部を拡張して端部から亀裂が生じた時の拡張率(亀裂開始拡張率)を計測した。
なお、亀裂開始拡張率の計測値は、所定の温度(表1に記載)で3回試験した値の平均値である。また、計測部位としてカーカスバンドのジョイント部は除外している。さらに、供試カーカスバンドのカーカスプライの端部にはエンドゴムが巻き付けられていないものとした。
Figure 0004796459
表1の結果から、本発明の空気入りタイヤの製造方法を用いてカーカスバンドの端部を加温することで、端部からの亀裂開始拡張率が向上していることが分かる。
第1の実施形態に係るバンドドラムにカーカスプライが巻き付けられる巻付工程を斜視した概略斜視図である。 第1の実施形態に係るバンドドラムに巻き付けられたカーカスバンドの両端部に温風を当てる加温工程を斜視した概略斜視図である。 第1の実施形態に係るカーカスバンドの端部にビードコアが搬送される状態を斜視した概略斜視図である。 その他の実施形態に係る加温装置を斜視した概略斜視図である。 第1の実施形態に係るバンドドラムに巻きつけられる前の帯状のカーカスプライを斜視した部分斜視断面図である。 第1の実施形態に係る空気入りタイヤの製造方法によって製造された加硫後のタイヤのカーカスプライのコードをタイヤ軸方向から見た概略部分断面図である。
符号の説明
12 バンドドラム(ドラム)
14 カーカスプライ(未加硫のカーカスプライ)
18 コード
20 未加硫ゴム
40 ビードコア
H 温風

Claims (7)

  1. ドラムの外周面に帯状の未加硫カーカスプライを巻き付ける巻付工程と、前記巻付工程の後で前記未加硫カーカスプライの端部を内側に折り返す折返工程とを備えた空気入りタイヤの製造方法であって、
    前記未加硫カーカスプライは、互いに平行に並べられた複数本のコードを未加硫ゴムで被覆して形成され、
    前記折返工程で前記未加硫カーカスプライの端部を折り返す際に、前記未加硫カーカスプライの端部に亀裂が生じないような温度に前記未加硫カーカスプライの端部を加温する加温工程が、前記折返工程の前に配置されることを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  2. 前記加温工程は、前記未加硫カーカスプライの端部に温風を当てることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  3. 前記加温工程は、前記ドラムを回転させながら、前記ドラムの外周に巻き付けた前記未加硫カーカスプライの端部を加温することを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  4. 前記未加硫カーカスプライの端部の温度は、前記加温工程によって20〜70度の範囲に加温されることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  5. 前記未加硫カーカスプライの端部の温度は、前記加温工程によって30〜50度の範囲に加温されることを特徴とする請求項4に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  6. 拡張率250%以上の空気入りタイヤに適用することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
  7. 建設車両用の空気入りタイヤに用いられることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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