JP4795840B2 - 小胞体反応チップ、小胞体収納方法、反応液回収方法、及び、小胞体回収方法 - Google Patents

小胞体反応チップ、小胞体収納方法、反応液回収方法、及び、小胞体回収方法 Download PDF

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Description

本発明は小胞体反応チップ、小胞体収納方法、反応液回収方法、及び、小胞体回収方法に関するものであり、特に、バイオや医療分野における微少な細胞の反応・培養後に反応液或いは培養液を乾燥することなく且つ各細胞毎に回収するための構成に特徴のある小胞体反応チップ、小胞体収納方法、反応液回収方法、及び、小胞体回収方法に関するものである。
近年、バイオや医療などの分野では、新薬開発等のために反応液や培養液中での反応・細胞の培養が重要になっており、そのためには、反応・培養過程において反応液或いは培養液を乾燥を防ぐとともに、反応後の反応液或いは培養液を乾燥することなく、且つ、各細胞単位で回収することが必要となっている。
ここで、図9を参照して、従来の細胞反応チップの一例を説明する(例えば、特許文献1参照)。
図9参照
図9は、従来の細胞反応チップの要部断面図であり、透明基板51に複数の細胞培養槽52を設けるとともに、複数の細胞培養槽52に共通な窪み部53を設けたものであり、各細胞培養槽52に培養液55とともに細胞54を収容して細胞54の培養を行う。
なお、図示を省略するものの、窪み部53は半透明なシール部材が設けられており、培養液55の乾燥を防止するとともにバクテリア等の進入を防いでいる。
また、シール部材を介して培養液55の交換が可能になっている。
また、培養液55を回収する場合には、窪み部53を満たしている培養液55を完全に除去したのち、パラフィン等の保護液を導入して細胞培養槽52に収容されている培養液55をシールし、次いで、マイクロピペットをシール部材及び保護液を付き抜けるように突き刺して培養液55を回収することになる。
特開2004−081084号公報
しかし、上述の特許文献1の槽構造では、窪み部53が複数の細胞培養槽52に共通で、且つ、細胞の径より深い構造になっているため、各細胞培養槽52に1つの細胞54を確実に収納することが困難であるという問題がある。
また、特許文献1においては、細胞内部の核酸成分の分析を目的として、培養液や反応液の回収を目的としていないため、培養液を回収した場合、回収した培養液がマイクロピペット内で急速に乾燥してしまうという問題がある。
さらには、窪み部53が複数の細胞培養槽52に共通であるため、細胞の反応液の反応を観察する場合、反応液が窪み部53を介して各細胞培養槽52に対して触れ合っており、個々の細胞の反応状況の観察が困難になるという問題がある。
したがって、本願発明は簡単な操作で一槽に一細胞を収納でき、一槽で閉鎖した反応系をなし反応液の乾燥を防止するとともに、回収時においても反応液の乾燥を防止することを目的とする。
図1は本発明の原理的構成図であり、ここで図1を参照して、本発明における課題を解決するための手段を説明する。
図1参照
上記課題を解決するために、本発明は、小胞体反応チップにおいて、透明基板1上に短径或いは最短対角線の長さが収納する小胞体7の平均直径の1.1倍以上で深さが小胞体7の平均直径の0.5〜0.9倍の筒状収納槽3を設けた収納槽形成層2と、収納槽形成層2上に、筒状収納槽3を投影的に包含する窪み状槽5であって深さが小胞体7の平均直径の0.5倍以下の窪み状槽5を設けた窪み状槽形成層4を順次積層した構造を有することを特徴とする。
なお、本発明における小胞体7とは細胞、微生物、マイクロカプセル等の総称である。
1個の小胞体7毎に上述の構成の2段構造の槽を設けることによって、各筒状収納槽3に1個の小胞体7を確度良く収納することが可能になる。
なお、筒状収納槽3の深さが0.5倍未満であると浅すぎて小胞体7が飛び出す虞があり、また、0.9倍を超えると一つの筒状収納槽3に複数の小胞体7が収納される可能性が増す。
また、窪み状槽5の深さが小胞体7の平均直径の0.5倍を超えると、小胞体7が窪み状槽5に止まる虞がある。
また、具体的には、筒状収納槽3の短径或いは最短対角線の長さが10〜20μmであり、また、窪み状槽5の深さが2〜3μmで且つ窪み状槽5の短径或いは最短対角線の長さが50〜150μmであるとともに、筒状収納槽3が1000〜40000個/cm2 の密度で整列配置されていることが望ましい。
また、筒状収納槽3の平面形状は楕円形或いは多角形でも良いが、典型的には円形が望ましく、窪み状槽5の平面形状は円形、楕円形、多角形でも良いが、筒状収納槽3と同心の方形が望ましい。
この場合、透明基板1は透明であれば何でも良いが、典型的にはガラス或いはプラスチックが望ましく、また、収納槽形成層2と窪み状槽形成層4とはエポキシ系フォトレジスト或いはシリコン系樹脂のいずれかであることが望ましい。
また、上述の小胞体反応チップに小胞体7を収納する場合には、筒状収納槽3の整列領域6に小胞体懸濁液を滴下して放置した後、小胞体反応チップの上面を板状部材、典型的にはガラス板或いはプラスチック板ですりきることによって小胞体懸濁液中の小胞体7を各筒状収納槽3に収納すれば良く、それによって、「すりきり」という簡単な作業で各筒状収納槽3に1個の小胞体7を確度良く収納することが可能になる。
また、各筒状収納槽3に小胞体7を収納したのち、小胞体7を含有するようにドーム状に反応液8を滴下し、次いで、反応液8より比重が軽くかつ非揮発性の保護液9をドーム状の反応液8を完全に被覆し、且つ、窪み状槽5に収まる量だけ滴下することが望ましく、それによって、反応・培養工程中における反応液8の乾燥を防止することができる。
なお、本発明における反応液8とは、培養液、培養液以外の反応液8、及び、その混合液を意味するものである。
なお、この場合の非揮発性の保護液9としては、通常の水溶液より軽く且つ化学的に反応性の低いシリコンオイル或いは流動パラフィンが好適である。
また、反応後の反応液8を回収する場合には、尖頭部を有する微小溶液吸引部材を窪み状槽5内に移動させて保護液9を少量吸引し、次いで、微小溶液吸引部材を筒状収納槽3内に移動させて反応液8と保護液9とを順に毛細管現象による吸引で微小溶液吸引部材の内部に採集し、次いで、微小溶液吸引部材の尖頭部にキャップを取り付けてアンプル試料とすれば良く、反応液8は非揮発性の保護液9で挟まれた状態になるので微小溶液吸引部材の内部で蒸発・乾燥することがない。
なお、本発明における微少溶液吸引部材とは、マイクロピペット、シリンジ、或いは、キャピラリ等の総称である。
また、反応後の小胞体7を回収する場合には、反応液8を回収したのち、中空の筒状回収部材を用いて筒状収納槽3に緩衝液、典型的には燐酸緩衝食塩水を滴下し、次いで、筒状収納槽3に残存している反応後の小胞体7を緩衝液毎、筒状回収部材により回収すれば良く、それによって、反応液8及び小胞体7を分離して回収することが可能になる。
本発明によれば、1個の小胞体毎に2段構造の細胞収納槽を設けることによって、「すりきり」という簡単な工程によって、各筒状収納槽に1個の小胞体を確度良く収納することが可能になる。
また、非揮発性の保護液を2段階に分けて吸引することによって、微小溶液吸引部材の内部において反応液を保護液で挟み込むことができ、簡単な工程で反応液の乾燥を防止することが可能になる。
本発明の小胞体反応チップは、ガラス或いはプラスチックからなる透明基板上に短径或いは最短対角線の長さが収納する小胞体、典型的には細胞の平均直径の1.1倍以上、例えば、10〜20μmで深さが小胞体の平均直径の0.5〜0.9倍の筒状収納槽、典型的には円筒状収納槽を設けたエポキシ系フォトレジスト或いはシリコン系樹脂からなる収納部形成層と、収納部形成層上に、筒状収納槽を投影的に包含する窪み状槽であって深さが小胞体の平均直径の0.5倍以下、例えば、2〜3μmで且つ窪み状槽の短径或いは最短対角線の長さが50〜150μmの窪み状槽、典型的には正方形の窪み状槽を設けたエポキシ系フォトレジスト或いはシリコン系樹脂からなる窪み状槽形成層を順次積層して構成する。
また、小胞体反応チップを用いて反応を行う場合には、筒状収納槽の整列領域に小胞体懸濁液を滴下して放置した後、小胞体反応チップの上面を板状部材、典型的にはガラス板或いはプラスチック板ですりきることによって小胞体懸濁液中の小胞体を各筒状収納槽に収納する。
次いで、各筒状収納槽に小胞体を収納したのち、小胞体を含有するようにドーム状に反応液を滴下し、次いで、反応液より比重が軽くかつ非揮発性の保護液、例えば、シリコンオイル或いは流動パラフィンをドーム状の反応液を完全に被覆し、且つ、窪み状槽に収まる量だけ滴下する。
次いで、反応が終了したのち、マイクロピペット、シリンジ、或いは、キャピラリ等の尖頭部を有する微小溶液吸引部材を窪み状槽内に移動させて保護液を少量吸引し、次いで、微小溶液吸引部材を筒状収納槽内に移動させて反応液と保護液とを順に毛細管現象による吸引で微小溶液吸引部材の内部に採集し、次いで、微小溶液吸引部材の尖頭部にキャップを取り付けてアンプル試料とする。
最後に、中空の筒状回収部材、典型的にはマイクロピペットを用いて筒状収納槽に緩衝液、典型的には燐酸緩衝食塩水を滴下し、次いで、筒状収納槽に残存している反応後の小胞体を緩衝液毎、筒状回収部材により回収する。
ここで、図2乃至図8を参照して、本発明の実施例1の細胞反応チップを用いた細胞反応方法を説明するが、対象となる細胞が平均径が5μmの酵母の場合を例に説明する。
図2参照
まず、厚さが、例えば、1.0mmの透明なガラス基板11上にフォトレジストSU8(MicroChem社製商品名)からなるフォトレジスト12を硬化後の厚さが細胞の平均直径の0.5〜0.9倍、例えば4μmになるように塗布したのち、直径が10〜20μm、例え場、15μmのマスク13を用いて紫外線を照射したのち加熱して、照射領域14を硬化させる。
次いで、再び、フォトレジストSU8(MicroChem社製商品名)からなるフォトレジスト16を硬化後の厚さが2〜3μm、例えば2.5μmになるように塗布したのち、直径が50〜150μm、例えば、100μmのマスク17を用いて紫外線を照射したのち加熱して、照射領域18を硬化させる。
次いで、フォトレジスト16及びフォトレジスト12を現像およびリンスすることで非照射領域19及び非照射領域15のフォトレジストが取り除かれることによって、窪み状槽21及び円筒収納槽22からなる細胞収納槽20が形成される。
図3参照
図3は、本発明の細胞反応チップの概念的平面図であり、窪み状槽21及び円筒収納槽22の2段構造の細胞収納槽20が二次元マトリクス状に整列配置された構成となる。
なお、ここでは、10個×10個として図示しているが、実際には、26mm×76mmサイズのガラス基板11に1000〜40000個/cm2 、例えば、13000個/cm2 の密度で形成する。
次に、図4及び図5を参照して本発明の実施例1の細胞収納方法を説明する。
図4参照
まず、反応細胞チップ10の細胞収納槽20が整列している整列領域23に細胞懸濁液24を滴下して放置した後、反応細胞チップ10の上面をガラス板27ですりきることで、細胞25を培養液26とともに、細胞収納槽20の円筒収納槽22に収納する。
図5参照
次いで、基質溶液からなる反応液29及びシリコンオイルからなる非揮発性の保護液30をそれぞれ吐出するピエゾ駆動のインクジェットヘッド28を備えたケミカルプリンタにより、反応細胞チップ10にマトリクス配置された細胞収納槽20のXYピッチおきに反応液29および保護液30を順次滴下する。
この時、反応液29を細胞25を含有するようにドーム状に滴下することにより、その後に滴下する反応液29より比重が軽くかつ非揮発性の保護液30はドームの皮膜となって、反応槽を構成することになる。
なお、この場合、保護液30は細胞収納槽20の窪み状槽21に収まるだけの少量を滴下することによって、反応液29の蒸発を防止するとともに、隣接する細胞収納槽20と保護液30を介した混合を防止する。
次に、図6乃至図8を参照して、本発明の実施例1の回収方法を説明する。
図6参照
図6は、本発明の実施例1に用いる回収装置の概念的構成図であり、内部に対物レンズを上下移動させるフォーカス手段を持つ同軸照明付きの倒立型高倍率顕微鏡32を収容した基台31上にコントローラ付きのXYステージ33を支持・固定し、このXYステージ33によって1つ以上の細胞反応チップ10を保持し、各細胞収納槽20を観察位置まで移動する。
また、XYステージ33の上方には対物レンズをZ軸方向に上下移動させるフォーカス手段を持つ同軸照明付きの正立型高倍率顕微鏡34と正立型高倍率顕微鏡34の顕微鏡像を撮像するCCDカメラ35が設けられており、倒立型高倍率顕微鏡32によりチップ下面から透過して上面を観察するとともに、正立型高倍率顕微鏡34によりチップ上面を直接観察する。
また、XYステージ33にはキャピラリ36を位置決めするコントローラ付きのXYAステージ37とマイクロピペット38を位置決めするコントローラ付のXYZステージ39を一組以上備えており、正立型高倍率顕微鏡34の視野中心を基準にしてキャピラリ36の先端或いはマイクロピペット38先端を位置決めする。
なお、XYAステージ37のA軸はキャピラリ36の軸方向である。
また、基台31には蛍光照明光源40及び蛍光CCDカメラ41が設けられており、基台31の内部に設けられた反射鏡(図示を省略)を介して蛍光照明光源40からの励起光が細胞反応チップ10に向けて照射される。
また、キャピラリ36には空圧吐出機42が接続されており、また、マイクロピペット38には流体インジェクタ43が接続されている。
図7参照
図6に示した回収装置を用いて回収する場合には、まず、倒立型高倍率顕微鏡32により標識が発現した細胞25を識別したのち、正立型高倍率顕微鏡34の視野下において、XYAステージ37を駆動してキャピラリ36を細胞収納槽20の窪み状槽21に移動させて、保護液30を少量、例えば、1/2以下、好適には1/3だけ毛細管現象により吸引する。
なお、標識の発現を識別するためには、蛍光照明光源40から励起光を細胞反応チップ10に照射し、細胞25の内部において発生した蛍光を倒立型高倍率顕微鏡32を介して蛍光CCDカメラ41で撮像することによって標識の発現を識別する。
次いで、再び、XYAステージ37を駆動してキャピラリ36を細胞収納槽20の円筒収納槽22内に移動させて反応液29と保護液30を順に毛細管現象による吸引でキャピラリ36の内部に採集する。
なお、この時、反応液29と混合している培養液も反応液29と同時に吸引される。
最後に、キャピラリ36の先端部にキャップを取り付けてアンプル試料とする。
図8参照
次いで、XYYステージ39を駆動してPBS(燐酸緩衝食塩水)等の緩衝液44が充填されたマイクロピペット38を細胞収納槽20に接近させ、緩衝液44を微少量吐出した後に、細胞25を緩衝液44毎吸引することによって、細胞25を回収する。
本発明によれば、1個の細胞毎に2段構造の細胞収納槽を設けているので、「すりきり」という簡単な工程によって、各円筒収納槽に1個の細胞を確度良く収納することが可能になる。
また、反応液を回収する場合に、非揮発性の保護液を2段階に分けて吸引しているので、キャピラリの内部において反応液を保護液で挟み込むことができ、簡単な工程で反応液の乾燥を防止することが可能になる。
以上、本発明の実施例を説明してきたが、本発明は実施例に記載された構成・条件等に限られるものではなく各種の変更が可能であり、例えば、上記の実施例の示した厚さ及び直径は細胞を酵母とした場合の一例に過ぎず、細胞の大きさに応じて適宜変更されるものである。
例えば、円筒収納槽に限られるものではなく、平面形状は楕円形、または、正方形、六角形或いは八角形等の多角形でも良く、それに伴って、筒状収納槽の短径或いは最短対角線の長さを収納する細胞の平均直径の1.1倍以上とするとともに、深さを細胞の平均直径の0.5〜0.9倍とすれば良い。
また、窪み状槽の平面形状は正方形に限られるものではなく、円形、楕円形、長方形、或いは、六角形または八角形等の多角形でも良く、それに伴って、筒状収納槽の短径或いは最短対角線の長さを50〜150μmとするとともに、深さを細胞の平均直径の0.5倍以下とすれば良い。
また、上記の実施例においては基板をガラス基板としているが、ガラス基板に限られるものではなく、下側から倒立型高倍率顕微鏡で細胞を観察するためにガラス基板と同様に透明であれば良く、透明プラスチック基板を用いても良いものである。
また、上記の実施例においては円筒収納槽及び窪み状槽を形成するために、エポキシ系のフォトレジストを用いているが、エポキシ系のフォトレジストに限られるものではなく、シリコン系樹脂、例えば、PDMS(ポリジメチルシロキサン)を用いても良いものである。
また、上記の実施例においては、細胞懸濁液をすりきる際にガラス板を用いているが、ガラス板に限られるものではなく、懸濁液と反応しない部材であれば良く、プラスチック板、金属板、ゴムべら等を用いても良いものである。
また、上記の実施例においては、保護液としてシリコンオイルを用いているが、シリコンオイルに限られるものではなく、シリコンオイルと同様に非揮発性で、反応液より低比重で、且つ、反応液に対して活性を持たないものであれば良く、例えば、流動性パラフィンを用いても良いものである。
ここで再び図1を参照して、本発明の詳細な特徴を改めて説明する。
再び、図1参照
(付記1) 透明基板1上に短径或いは最短対角線の長さが収納する小胞体7の平均直径の1.1倍以上で深さが前記小胞体7の平均直径の0.5〜0.9倍の筒状収納槽3を設けた収納部形成層2と、前記収納部形成層2上に、前記筒状収納槽3を投影的に包含する窪み状槽5であって深さが前記小胞体7の平均直径の0.5倍以下の窪み状槽5を設けた窪み状槽形成層4を順次積層した構造を有することを特徴とする小胞体反応チップ。
(付記2) 上記筒状収納槽3の短径或いは最短対角線の長さが10〜20μmであり、また、上記窪み状槽5の深さが2〜3μmで且つ前記窪み状槽5の短径或いは最短対角線の長さが50〜150μmであるとともに、前記筒状収納槽3が1000〜40000個/cm2 の密度で整列配置されていることを特徴とする付記1記載の小胞体反応チップ。
(付記3) 上記筒状収納槽3の平面形状が円形であり、上記窪み状槽5の平面形状が前記筒状収納槽3と同心の円形であることを特徴とする付記1または2に記載の小胞体反応チップ。
(付記4) 上記透明基板1がガラス或いはプラスチックのいずれかからなり、且つ、上記収納部形成層2と窪み状槽形成層4とがエポキシ系フォトレジスト或いはシリコン系樹脂のいずれかからなることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1に記載の小胞体反応チップ。
(付記5) 付記1乃至4のいずれか1に記載の小胞体反応チップにおける筒状収納槽3の整列領域6に小胞体懸濁液を滴下して放置した後、前記小胞体反応チップの上面を板状部材ですりきることによって前記小胞体懸濁液中の小胞体7を各筒状収納槽3に収納することを特徴とする小胞体収納方法。
(付記6) 上記各筒状収納槽3に小胞体7を収納したのち、前記小胞体7を含有するようにドーム状に反応液8を滴下し、次いで、前記反応液8より比重が軽くかつ非揮発性の保護液9を前記ドーム状の反応液8を完全に被覆し、且つ、上記窪み状槽5に収まる量だけ滴下することを特徴とする付記5記載の小胞体収納方法。
(付記7) 上記保護液9が、シリコンオイル或いは流動パラフィンのいずれかであることを特徴とする付記6記載の小胞体収納方法。
(付記8) 付記6または7に記載の小胞体収納方法によって、上記小胞体7を上記筒状収納槽3に収納して上記反応液8と反応させたのち、尖頭部を有する微小溶液吸引部材を上記窪み状槽5内に移動させて上記保護液9を少量吸引し、次いで、前記微小溶液吸引部材を前記筒状収納槽3内に移動させて前記反応液8と前記保護液9とを順に毛細管現象による吸引で前記微小溶液吸引部材の内部に採集し、次いで、前記微小溶液吸引部材の尖頭部にキャップを取り付けてアンプル試料とすることを特徴とする反応液8回収方法。
(付記9) 付記8に記載の反応液8回収方法によって、上記反応液8を回収したのち、筒状回収部材を用いて上記筒状収納槽3に緩衝液を滴下し、次いで、前記筒状収納槽3に残存している反応後の小胞体7を前記緩衝液毎、前記筒状回収部材により回収することを特徴とする小胞体回収方法。
本発明の活用例としては、バイオや医療分野における細胞と反応液との反応現象の観察が典型的であるが、細胞に限られるものではなく、多細胞の微生物にも適用されるものであり、さらには、マイクロカプセル、例えば、バクテリアやウイルスを培養液とともに封入したマイクロカプセルにも適用されるものである。
本発明の原理的構成の説明図である。 本発明の実施例1に用いる細胞反応チップの製造工程の説明図である。 本発明の細胞反応チップの概念的平面図である。 本発明の実施例1の途中までの細胞収納方法の説明図である。 本発明の実施例1の図4以降の細胞収納方法の説明図である。 本発明の実施例1に用いる回収装置の概念的構成図である。 本発明の実施例1の途中までの回収方法の説明図である。 本発明の実施例1の図7以降の回収方法の説明図である。 従来の細胞反応チップの要部断面図である。
符号の説明
1 透明基板
2 収納部形成層
3 筒状収納槽
4 窪み状槽形成層
5 窪み状槽
6 整列領域
7 小胞体
8 反応液
9 保護液
11 ガラス基板
12 フォトレジスト
13 マスク
14 照射領域
15 非照射領域
16 フォトレジスト
17 マスク
18 照射領域
19 非照射領域
20 細胞収納槽
21 窪み状槽
22 円筒収納槽
23 整列領域
24 細胞懸濁液
25 細胞
26 培養液
27 ガラス板
28 インクジェットヘッド
29 反応液
30 保護液
31 基台
32 倒立型高倍率顕微鏡
33 XYステージ
34 正立型高倍率顕微鏡
35 CCDカメラ
36 キャピラリ
37 XYAステージ
38 マイクロピペット
39 XYZステージ
40 蛍光照明光源
41 蛍光CCDカメラ
42 空圧吐出機
43 流体インジェクタ
44 緩衝液
51 透明基板
52 細胞培養槽
53 窪み部
54 細胞
55 培養液

Claims (5)

  1. 透明基板上に短径或いは最短対角線の長さが収納する小胞体の平均直径の1.1倍以上で深さが前記小胞体の平均直径の0.5〜0.9倍の筒状収納槽を設けた収納槽形成層と、前記収納槽形成層上に、前記筒状収納槽を投影的に包含する窪み状槽であって深さが前記小胞体の平均直径の0.5倍以下の窪み状槽を設けた窪み状槽形成層を順次積層した構造を有することを特徴とする小胞体反応チップ。
  2. 請求項1記載の小胞体反応チップにおける筒状収納槽の整列領域に小胞体懸濁液を滴下して放置した後、前記小胞体反応チップの上面を板状部材ですりきることによって前記小胞体懸濁液中の小胞体を各筒状収納槽に収納することを特徴とする小胞体収納方法。
  3. 上記各筒状収納槽に小胞体を収納したのち、前記小胞体を含有するようにドーム状に反応液を滴下し、次いで、前記反応液より比重が軽くかつ非揮発性の保護液を前記ドーム状の反応液を完全に被覆し、且つ、上記窪み状槽に収まる量だけ滴下することを特徴とする請求項2記載の小胞体収納方法。
  4. 請求項3に記載の小胞体収納方法によって、上記小胞体を上記筒状収納槽に収納して上記反応液と反応させたのち、尖頭部を有する微小溶液吸引部材を上記窪み状槽内に移動させて上記保護液を少量吸引し、次いで、前記微小溶液吸引部材を前記筒状収納槽内に移動させて前記反応液と前記保護液とを順に毛細管現象による吸引で前記微小溶液吸引部材の内部に採集し、次いで、前記微小溶液吸引部材の尖頭部にキャップを取り付けてアンプル試料とすることを特徴とする反応液回収方法。
  5. 請求項4に記載の反応液回収方法によって、上記反応液を回収したのち、中空の筒状回収部材を用いて上記筒状収納槽に緩衝液を滴下し、次いで、前記筒状収納槽に残存している反応後の小胞体を前記緩衝液毎、前記筒状回収部材により回収することを特徴とする小胞体回収方法。
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