JP4793677B2 - 永久磁石形モータ - Google Patents
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Description
図4に示すように、従来技術における永久磁石形モータの永久磁石形回転子1Aは、セグメント形マグネット3を、回転子コア2Aの外周面に、周方向に等間隔に配置された突起20で位置決めし、その後セグメント形マグネット3の内周面と回転子コア2Aの外周面を接着剤(図示せず)で接着して固定している。
(1)永久磁石形モータのセグメント形マグネットをロータコアに貼り付ける際、ロータコアの突起間に接着剤を塗布し、前記突起間にセグメント形マグネットを載置して、接着剤を加熱硬化させるとき、前記セグメント形マグネットが動かないように、マグネットの外周をバンドで締付けて固定する必要があり、組立作業が面倒であった。
(2)前記セグメント形マグネットの周方向両端部の突起の間隔は、回転子コアとセグメント形マグネットセグメントの製造誤差を考慮して、セグメント形マグネットの周方向の幅よりも少し広く設定している。そのため、図4に示すように、セグメント形マグネットと突起との間にギャップGが生じ、セグメント形マグネットの位置決めが不安定になって位置決め精度が低下していた。また、これにより永久磁石形モータのコギングトルクが大きくなっていた。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、セグメント形マグネットを回転子コアの外周面に精度よく接着固定することができる永久磁石形モータを提供することを目的とするものである。
(1)請求項1の発明によれば、セグメント形マグネットの円周方向の位置決め精度が向上するので、永久磁石形モータのコギングトルクを小さくすることができる。またセグメント形マグネットの接着固定に要していたバンドおよびその作業が不要になる。
また、固定位置決め突起および可動位置決め突起を、回転子コアの製造時に同時に形成することができるので、永久磁石形モータの製造を容易に行うことができる。
更に、回転子コアに形成する突起を簡単な構成の違いで固定位置決め突起または可動位置決め突起とすることができるので、永久磁石形モータの製造を容易に行うことができる。
(2)請求項2に記載の発明によれば、セグメント形マグネットを、固定位置決め突起と可動位置決め突起間に径方向から押し込むにあたって、滑らかな円弧部と円弧部の接触とすることができ、セグメント形マグネットの損傷を防ぐことができる。また、固定位置決め突起の円弧状の突起と可動位置決め突起の円弧状の突起が、セグメント形マグネットの円弧状の突起を上から引っ掛けるようにして押さえ込む形になるので、セグメント形マグネットが回転子コアから離れることなく接着剤が硬化され、セグメント形マグネットの回転子コアへの接着固定を良好に行うことができる。
図2は、セグメント形マグネットと、固定位置決め突起および可動位置決め突起との関係を示す構成図である。
図1において、1は永久磁石形モータの回転子、いわゆる永久磁石形回転子である。2は回転軸(図示せず)の外周面に嵌合固着した回転子コア、2aは前記回転子コア2の外周面に設けた固定位置決め突起、2bは同じく前記回転子コア2の外周面に設けた可動位置決め突起、3は前記回転子コア2の外周面に接着固定されたセグメント形マグネットで外周面が円弧状をしている。
前記固定位置決め突起2aは、弾性を有しておらず、前記回転子コア2の外周面に載置される前記セグメント形マグネット3の周方向の一方端が位置する部位に設けられる。また、前記可動位置決め突起2bは、弾性を有しており、前記回転子コア2の外周面に載置される前記セグメント形マグネット3の周方向の他方端が位置する部位に設けられる。さらに、前記固定位置決め突起2aと可動位置決め突起2bの間隔は、セグメント形マグネット3の周方向の幅寸法よりも若干狭く設定されている。
前記固定位置決め突起2aと可動位置決め突起2bは、前記回転子コア2と一体的に形成されるとともに、前記固定位置決め突起2aは、周方向に幅を広く形成して強度を高め、かつ、可動位置決め突起2bは、周方向に幅を狭く形成して、前記固定側位置決め突起2aよりも強度を弱めて弾性を持たせるようにしている。
また、前記固定位置決め突起2aと可動位置決め突起2bは、それぞれ回転子コア2の軸方向に一箇所または複数個所形成されている。形成する突起の数により、固定位置決め突起2aと可動位置決め突起2bの強度および弾性度を自由に設定することができる。また漏れ磁束を抑えることができる。さらに可動位置決め突起2bの弾性が強くなり過ぎてセグメント形マグネット3の装着時にセグメント形マグネット3に傷をつけることを防ぐことができる。
また、前記固定位置決め突起2aと可動位置決め突起2bは、セグメント形マグネット3の極数分だけ等間隔で設けられ、前記固定位置決め突起2aと可動位置決め突起2bは、背面合せに対で配置される。
なお、回転軸の回転子コア2への嵌合固着は、セグメント形マグネット3の回転子コア2への接着固定前でも後でもどちらでも構わない。
このような構成において、回転子コアへ2のセグメント形マグネット3の固定は、次のようにして行う。
まず、固定位置決め突起2aと可動位置決め突起2b間における回転子コア2の外周面に、接着剤を塗布する。
次に、セグメント形マグネット3を、固定位置決め突起2aと可動位置決め突起2b間に、前記回転子コア2の径方向から押し込む。このとき、前記固定位置決め突起2aと可動位置決め突起2bの間隔は、セグメント形マグネット3の周方向の幅寸法よりも若干狭く設定されているので、セグメント形マグネット3の周方向の他方側端部で、弾性を有する可動位置決め突起2bを脇に押しのけるようにして、セグメント形マグネット3を、固定位置決め突起2aと可動位置決め突起2b間に押し込む。
固定位置決め突起2aと可動位置決め突起2b間に押し込まれたセグメント形マグネット3は、弾性を有する可動位置決め突起2bの弾性による反発力によって固定位置決め突起2aに押し付けられる。固定位置決め突起2aは、強度が強く弾性を有しないのでセグメント形マグネット3に押されても動くことはない。そのため、セグメント形マグネット3は、固定位置決め突起2aに押し付けられることによって周方向の位置が安定し、位置決め精度が高くなる。
この第2の実施例は、セグメント形マグネット3の周方向の両端部に円弧状の突起を形成するとともに、セグメント形マグネット3の一方側の突起に当接する固定位置決め突起2aの周方向端部に円弧状の突起を形成し、かつ、セグメント形マグネット3の他方側の突起に当接する可動位置決め突起2bの周方向端部に円弧状の突起を形成したものである。
セグメント形マグネット3の両端に形成する突起は、固定位置決め突起2aと可動位置決め突起2bに形成する突起よりも下側になるように設定されている。
このような構成にすることにより、セグメント形マグネット3を、固定位置決め突起2aと可動位置決め突起2b間に径方向から押し込むにあたって、滑らかな円弧部と円弧部の接触とすることができ、セグメント形マグネット3の損傷を防ぐことができる。また、固定位置決め突起2aの円弧状の突起と可動位置決め突起2bの円弧状の突起が、セグメント形マグネット3の円弧状の突起を上から引っ掛けるようにして押さえ込む形になるので、セグメント形マグネット3が回転子コア2から離れることなく接着剤が硬化され、セグメント形マグネット3の回転子コア2への接着固定が良好に行われる。
2 回転子コア
2a 固定位置決め突起
2b 可動位置決め突起
3 セグメント形マグネット
Claims (2)
- 回転軸に固定された回転子コアの外周面に、セグメント形マグネットが固定された永久磁石形回転子を備えた永久磁石形モータであって、
前記外周面の、前記セグメント形マグネットの周方向の一方端が位置する部位に前記回転子コアと一体的に形成された固定位置決め突起と、
前記固定位置決め突起よりも周方向の幅が狭く形成され、前記セグメント形マグネットの他方端が位置する部位に前記回転子コアと一体的に形成された可動位置決め突起とを備え、
前記固定位置決め突起と前記可動位置決め突起との間隔が前記セグメント形マグネットの周方向の幅寸法よりも狭く設定されており、
前記固定位置決め突起と前記可動位置決め突起との間に押し込まれた前記セグメント形マグネットが前記可動位置決め突起によって前記固定位置決め突起に押し付けられて固定された
ことを特徴とする永久磁石形モータ。 - 前記セグメント形マグネットの周方向の一方側と他方側に円弧状の突起が形成されており、
前記固定位置決め突起の周方向端部に、前記一方側の円弧状の突起に係合する円弧状の係合部が形成され、
かつ、前記可動位置決め突起の周方向端部に、前記他方側の円弧状の突起に係合する円弧状の係合部が形成された
ことを特徴とする請求項1に記載の永久磁石形モータ。
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