JP4793621B2 - 熱式流量計 - Google Patents

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Description

本発明は、流路を流れる液体の温度を制御し温度制御部分の上流側及び下流側の流体の温度差に基づき流量を測定する熱式流量計に関し、特に流量が大きくなっても温度検出手段の温度測定誤差やノイズの影響を軽減して高精度で測定することが可能な熱式流量計に関する。
従来の流路を流れる液体の温度を制御し温度制御部分の上流側及び下流側の流体の温度差に基づき流量を測定する熱式流量計に関連する先行技術文献としては次のようなものがある。
特開平05−079875号公報 特開平07−159215号公報 特開平10−082678号公報 特開2002−168668号公報
図5はこのような従来の熱式流量計の一例を示す構成ブロック図である。図5において1は金属の細管等で構成される流路、2は流路1を流れる流体の温度を加熱して一定温度にするヒータ等の伝熱手段、3及び4はサーミスタや白金測温抵抗体等の温度検出手段、5は上流側及び下流側の流体の温度差に基づき流量を求めるCPU(Central Processing Unit)等の演算制御手段である。
図5中”FL01”に示すように被測定液体が流れる流路1の中央部分には伝熱手段2が設けられ、この流路1上であって伝熱手段2から等間隔の位置には温度検出手段3及び4が設けられる。
また、温度検出手段3及び4の出力はそれぞれ演算制御手段5に接続され、演算制御手段5からの温度制御のための制御信号は伝熱手段2に接続される。
ここで,図5に示す従来例の動作を図6を用いて説明する。図6は流路の位置に対する流路内の被測定液体の温度分布の一例を示す特性曲線図である。演算制御手段5は予め測定された被測定液体の温度に対して、被測定液体が数度程度高い一定温度になるように伝熱手段2を制御する。
このような状態で、流量がゼロの場合には図6中”CH11”に示すように図6中”HT11”に示す伝熱手段2の設置位置を中心にして対称な温度分布を有する。このため、図6中”TS11及び”TS12”に示す温度検出手段3及び4の設置位置における温度は等しくなる。言い換えれば、温度差はゼロになる。
一方、流路1の流体が流れると図6中”CH12”に示すように温度分布のピークが下流側にシフトする。このため、図6中”TS11及び”TS12”に示す温度検出手段3及び4の設置位置における温度はそれぞれ異なることになり、図6中”DT11”に示すような温度差が生じることになる。
このような温度差は被測定液体の流量に依存した信号となるので、このような温度差に基づき演算制御手段5で流路1を流れる被測定液体の流量を求めることができる。
この結果、流路1を流れる被測定液体の温度を伝熱手段2で制御し2つの温度検出手段3及び4によって伝熱手段2の上流側及び下流側の流体の温度を測定し、演算制御手段5で当該温度の温度差に基づき流量を求めることにより、被測定液体の流量を測定することが可能になる。
但し、図5に示す従来例では、流路1として金属の細管等を用いるために金属を腐食するような液体の流量を測定することはできないといった問題点があった。
このため、前述した”特許文献2”においては耐腐食性に優れたガラス基板に流路を形成した熱式流量計(質量流量センサ)が記載されている。
図7及び図8は”特許文献2”に記載された従来の熱式流量計の他の例を示す斜視図及び断面図である。図7及び図8において6はガラス基板、7及び9はシリコン基板、8は伝熱手段、10はガラス基板6に形成された流路である。
ガラス基板6の中央部分には超音波加工やレーザ加工等によって長孔である流路10が形成される。また、ガラス基板6の上面にはシリコン基板7が陽極接合により貼り合わされる。
また、ガラス基板6の下面にはシリコン基板9が陽極接合により貼り合わされ、ガラス基板6に形成された流路10の両端部分に隣接するシリコン基板9には図7中”HL21”及び”HL22”に示すような孔が形成され、それぞれ被測定液体の流入孔若しくは排出孔として機能する。
さらに、シリコン基板7上には白金やニッケル等の抵抗温度係数の大きい金属から構成されるヒータ等の伝熱手段8(温度検出手段を兼ねる)が形成され、シリコン基板7及びガラス基板6上には配線が適宜形成される。
ここで、図7及び図8に示す従来例では、ガラス基板6に流路10を形成する構成ではあるものの、流路10の上面及び下面にはシリコン基板7及び9が用いられているので、やはり、耐腐食性に問題がある。
一方、図7及び図8に示す従来例においてシリコン基板7及び9をガラス基板に置換することにより、接液部分が全てガラスとなり耐腐食性が向上するものの、ガラスは熱伝導率が小さいので、流路を流れる液体の流量が大きい場合には、伝熱手段8直下の液体が十分に温まらない。
このため、伝熱手段8直下の温度が十分に温まっていない場合には、流量の増加に伴なって上流側と下流側との温度差が小さくなるように変化する。
一方、流量が小さく、伝熱手段8直下の温度が十分に温まっている場合には、流量の増加に伴なって上流側と下流側との温度差が大きくなるように変化する。
すなわち、図9は上流側と下流側との温度差と、流量との関係を示す特性曲線図であり、図9中”TD31”に示すように上流側と下流側との温度差は、ピークを有する特性となり、測定可能な流量範囲が極めて狭くなってしまうといった問題点があった。
例えば、図7及び図8に示す従来例においてシリコン基板7及び9をガラス基板に置換することにより、耐腐食性が向上するものの、図9中”AR31”に示すような流量が小さく、伝熱手段8直下の温度が十分に温まっている状況下でのみしか流量の測定ができなくなってしまうといった問題点があった。
このような問題点を解決するために本願出願人の出願に係る「特願2004−183402」が考案された。図10は「特願2004−183402」に記載された熱式流量計の一例を示す構成ブロック図、図11は熱式流量計の一例のセンサ部分の具体例を示す平面図及び断面図である。
図10及び図11において11及び12はガラス基板、13はヒータ等の伝熱手段、14及び15はサーミスタや白金測温抵抗体等の温度検出手段、16は被測定液体が流れる流路、17は上流側及び下流側の流体の温度差に基づき流量を求めるCPU等の演算制御手段である。
図10中”FL41”に示すように被測定液体が流れる流路16の中央部分には伝熱手段13が設けられ、この流路16上であって伝熱手段13から等間隔の位置には温度検出手段14及び15が設けられる。
また、図10中”TU41”及び”TD41”に示すように温度検出手段14及び15の出力はそれぞれ演算制御手段17に接続され、図10中”CT41”に示すように演算制御手段17からの温度制御のための制御信号は伝熱手段13に接続される。
さらに、図11を用いて本発明に係る熱式流量計の一例のセンサ部分の具体例をより詳細に説明する。
超音波加工やレーザ加工等によってガラス基板12の短手方向の中央部分であってガラス基板12の長手方向に沿うように長方形の溝が形成される。また、当該長方形の溝が形成された側のガラス基板12にはガラス基板11が接着等により貼り合わされ、接液部分が全てガラスで構成された流路16が形成される。
また、流路16に接しない側のガラス基板11上であって流路16の中央部分上に位置する部分にはヒータ等の伝熱手段13が蒸着等によって形成され、流路16の上に位置し流路16に接しない側のガラス基板11上であって伝熱手段13から等間隔の位置には温度検出手段14及び15が蒸着等によって形成される。
すなわち、伝熱手段13、温度検出手段14及び15は流路16に接しない側のガラス基板11に形成されるので非接液の状態にある。
ここで、図10及び図11に示す一例の動作を図12を用いて説明する。図12は流量に対する上流側と下流側との温度差、温度和及び温度差を温度和で除算した値の関係をそれぞれ示す特性曲線図である。但し、図5に示す従来例と同様の動作に関しては説明を適宜省略する。
演算制御手段17は予め測定された被測定液体の温度に対して、被測定液体が数度程度高い一定温度になるように伝熱手段13を制御する。
このような状態で、上流側の温度検出手段14及び下流側の温度検出手段15で検出される温度の温度差は被測定液体の流量に依存した信号となるので、このような温度差に基づき演算制御手段17で流路16を流れる被測定液体の流量を求めることができる。
但し、前述の従来例の説明のように、流路の接液部分が全てガラスとした場合には、ガラスの小さな熱伝導率のために、例えば、温度差は図12中”TD51”に示すようにピークを有する特性となり、測定可能な流量範囲が極めて狭くなってしまうといった問題点があった。
このため、演算制御手段17は上流側の温度検出手段14及び下流側の温度検出手段15で検出される温度の温度差を求めると共に上流側の温度検出手段14及び下流側の温度検出手段15で検出される温度の温度和を求めて温度差を温度和で除算することにより、温度差を規格化する。
例えば、上流側の温度検出手段14及び下流側の温度検出手段15で検出される温度の温度和は、図12中”TA51”に示すような特性曲線となり、このような特性曲線の温度和で図12中”TD51”に示す温度差を除算することにより、図12中”NT51”に示すような規格化された温度差の特性曲線が得られる。
図12中”NT51”に示すような規格化された温度差は、広い流量範囲において単調増加を指名しているので、広い流量範囲を測定することが可能であることがわかる。
この結果、接液部分が全てガラスで構成された流路16を流れる被測定液体の温度を伝熱手段13で制御し2つの温度検出手段14及び15によって伝熱手段13の上流側及び下流側の流体の温度を測定し、演算制御手段17で当該温度の温度差を温度和で除算した規格化された温度差を求め、当該規格化された温度差に基づき流量を求めることにより、耐腐食性が高く被測定液体の広い流量範囲を測定することが可能になる。
しかし、図10及び図11に示す一例では、流路をガラスで作成し、伝熱手段13や温度検出手段14及び15を流路害に設置した場合、熱式流量計に流れる流体の流量が大きくなると強制対流による冷却効果が大きくなり、伝熱手段13の上下流に配置した温度検出手段14及び15の温度差、特に、温度和の絶対値が小さくなり、温度差を温度和で除算して規格化した際に温度検出手段の温度測定誤差やノイズの影響を受け易くなってしまうと言った問題点があった。
従って本発明が解決しようとする課題は、流量が大きくなっても温度検出手段の温度測定誤差やノイズの影響を軽減して高精度で測定することが可能な熱式流量計を実現することにある。
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
流路を流れる液体の温度を制御し温度制御部分の上流側及び下流側の液体の温度差に基づき流量を測定する熱式流量計において、
接液部分が全てガラスで構成された流路と、この流路に設けられた伝熱手段と、前記流路上であって前記伝熱手段から等間隔の位置に設けられた上流側及び下流側の温度検出手段と、初期状態で前記伝熱手段を一定温度に制御し、前記流路を流れる液体の流量が大きくなるに従って前記伝熱手段の温度を単調増加させるように制御すると共に上流側及び下流側の前記温度検出手段で検出された温度の温度差を温度和で除算した規格化された温度差を求め、規格化された温度差に基づき流量を求める演算制御手段とを備えたことにより、流量が大きくなっても温度検出手段の温度測定誤差やノイズの影響を軽減して高精度で測定することが可能になる。
請求項2記載の発明は、
請求項1記載の発明である熱式流量計において、
前記伝熱手段と、上流側及び下流側の前記温度検出手段とが非接液の状態にあることにより、流量が大きくなっても温度検出手段の温度測定誤差やノイズの影響を軽減して高精度で測定することが可能になる。
請求項3記載の発明は、
流路を流れる液体の温度を制御し温度制御部分の上流側及び下流側の液体の温度差に基づき流量を測定する熱式流量計において、
流路となる溝が形成された第1のガラス基板と、前記溝が形成された側の前記第1のガラス基板に貼り合わされ接液部分が全てガラスで構成された流路を形成する第2のガラス基板と、前記流路に接しない側の前記第2のガラス基板上に形成される伝熱手段と、前記流路の上に位置し前記流路に接しない側の前記第2のガラス基板上であって前記伝熱手段から等間隔の位置に形成される上流側及び下流側の温度検出手段と、初期状態で前記伝熱手段を一定温度に制御し、前記流路を流れる液体の流量が大きくなるに従って前記伝熱手段の温度を単調増加させるように制御すると共に上流側及び下流側の前記温度検出手段で検出された温度の温度差を温度和で除算した規格化された温度差を求め、規格化された温度差に基づき流量を求める演算制御手段とを備えたことにより、流量が大きくなっても温度検出手段の温度測定誤差やノイズの影響を軽減して高精度で測定することが可能になる。
請求項4記載の発明は、
流路を流れる液体の温度を制御し温度制御部分の上流側及び下流側の液体の温度差に基づき流量を測定する熱式流量計において、
接液部分が全てプラスチックで構成された流路と、この流路に設けられた伝熱手段と、前記流路上であって前記伝熱手段から等間隔の位置に設けられた上流側及び下流側の温度検出手段と、初期状態で前記伝熱手段を一定温度に制御し、前記流路を流れる液体の流量が大きくなるに従って前記伝熱手段の温度を単調増加させるように制御すると共に上流側及び下流側の前記温度検出手段で検出された温度の温度差を温度和で除算した規格化された温度差を求め、規格化された温度差に基づき流量を求める演算制御手段とを備えたことにより、流量が大きくなっても温度検出手段の温度測定誤差やノイズの影響を軽減して高精度で測定することが可能になる。
請求項5記載の発明は、
請求項4記載の発明である熱式流量計において、
前記伝熱手段と、上流側及び下流側の前記温度検出手段とが非接液の状態にあることにより、流量が大きくなっても温度検出手段の温度測定誤差やノイズの影響を軽減して高精度で測定することが可能になる。
請求項6記載の発明は、
流路を流れる液体の温度を制御し温度制御部分の上流側及び下流側の液体の温度差に基づき流量を測定する熱式流量計において、
流路となる溝が形成された第1のプラスチック基板と、前記溝が形成された側の前記第1のプラスチック基板に貼り合わされ接液部分が全てプラスチックで構成された流路を形成する第2のプラスチック基板と、前記流路に接しない側の前記第2のプラスチック基板上に形成される伝熱手段と、前記流路の上に位置し前記流路に接しない側の前記第2のプラスチック基板上であって前記伝熱手段から等間隔の位置に形成される上流側及び下流側の温度検出手段と、初期状態で前記伝熱手段を一定温度に制御し、前記流路を流れる液体の流量が大きくなるに従って前記伝熱手段の温度を単調増加させるように制御すると共に上流側及び下流側の前記温度検出手段で検出された温度の温度差を温度和で除算した規格化された温度差を求め、規格化された温度差に基づき流量を求める演算制御手段とを備えたことにより、流量が大きくなっても温度検出手段の温度測定誤差やノイズの影響を軽減して高精度で測定することが可能になる。
請求項7記載の発明は、
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の発明である熱式流量計において、
前記演算制御手段が、
前記温度和に閾値を設定して前記温度和が閾値を下回った場合に前記伝熱手段の温度を順次上昇させることにより、流量が大きくなっても温度検出手段の温度測定誤差やノイズの影響を軽減して高精度で測定することが可能になる。
請求項8記載の発明は、
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の発明である熱式流量計において、
前記演算制御手段が、
前記温度和の値を常に一定になるように前記伝熱手段の温度を制御することにより、流量が大きくなっても温度検出手段の温度測定誤差やノイズの影響を軽減して高精度で測定することが可能になる。
本発明によれば次のような効果がある。
請求項1,2,3,4,5,6,7及び請求項の発明によれば、接液部分が全てガラス(若しくは、プラスチック)で構成された流路を流れる被測定液体の温度を伝熱手段で制御し2つの温度検出手段によって伝熱手段の上流側及び下流側の流体の温度を測定し、演算制御手段で予め測定された被測定液体の温度に対して、被測定液体が数度程度高い一定温度になるように伝熱手段を制御すると共に前記流路を流れる液体の流量が大きくなるに従って前記伝熱手段の温度を単調増加させるように制御させ、当該温度の温度差を温度和で除算した規格化された温度差を求め、当該規格化された温度差に基づき流量を求めることにより、流量が大きくなっても温度検出手段の温度測定誤差やノイズの影響を軽減して高精度で測定することが可能になる。

以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明に係る熱式流量計の一実施例を示す構成ブロック図、図2は本発明に係る熱式流量計の一実施例のセンサ部分の具体例を示す平面図及び断面図である。
図1及び図2において11,12,13,14,15,16及び17は図10及び図11と同一符号を付してある。
図1中”FL61”に示すように被測定液体が流れる流路16の中央部分には伝熱手段13が設けられ、この流路16上であって伝熱手段13から等間隔の位置には温度検出手段14及び15が設けられる。
また、図1中”TU61”及び”TD61”に示すように温度検出手段14及び15の出力はそれぞれ演算制御手段17に接続され、図1中”CT61”に示すように演算制御手段17からの温度制御のための制御信号は伝熱手段13に接続される。
さらに、図2を用いて本発明に係る熱式流量計の一実施例のセンサ部分の具体例をより詳細に説明する。
超音波加工やレーザ加工等によってガラス基板12の短手方向の中央部分であってガラス基板12の長手方向に沿うように長方形の溝が形成される。また、当該長方形の溝が形成された側のガラス基板12にはガラス基板11が接着等により貼り合わされ、接液部分が全てガラスで構成された流路16が形成される。
また、流路16に接しない側のガラス基板11上であって流路16の中央部分上に位置する部分にはヒータ等の伝熱手段13が蒸着等によって形成され、流路16の上に位置し流路16に接しない側のガラス基板11上であって伝熱手段13から等間隔の位置には温度検出手段14及び15が蒸着等によって形成される。
すなわち、伝熱手段13、温度検出手段14及び15は流路16に接しない側のガラス基板11に形成されるので非接液の状態にある。
ここで、図1及び図2に示す実施例の動作を図3及び図4を用いて説明する。図3は流量に対する伝熱手段13の温度の変化を示す特性曲線図、図4は流量に対する上流側と下流側との温度差、温度和及び温度差を温度和で除算した値の関係をそれぞれ示す特性曲線図である。但し、図10及び図11に示す従来例と同様の動作に関しては説明を適宜省略する。
演算制御手段17は予め測定された被測定液体の温度に対して、被測定液体が数度程度高い一定温度になるように伝熱手段13を制御すると共に温度和に閾値を設定しておき、温度和が当該閾値を下回った場合には演算制御手段17は伝熱手段13の温度を順次上昇させる。
例えば、演算制御手段17は、初期状態で伝熱手段13の温度を図3中”TM71”に示すような一定温度に制御すると共に図3中”TH71”に示す時点で温度和が設定された閾値を下回った場合には図3中”CT71”に示すように伝熱手段13の温度を順次上昇(単調増加)させる。
このような状態で、上流側の温度検出手段14及び下流側の温度検出手段15で検出される温度の温度差は被測定液体の流量に依存した信号となるので、このような温度差に基づき演算制御手段17で流路16を流れる被測定液体の流量を求めることができる。
演算制御手段17は上流側の温度検出手段14及び下流側の温度検出手段15で検出される温度の温度差を求めると共に上流側の温度検出手段14及び下流側の温度検出手段15で検出される温度の温度和を求めて温度差を温度和で除算することにより、温度差を規格化する。
例えば、上流側の温度検出手段14及び下流側の温度検出手段15で検出される温度の温度和は、図4中”TA81”に示すような特性曲線となり、このような特性曲線の温度和で図4中”TD81”に示す温度差を除算することにより、図4中”NT81”に示すような規格化された温度差の特性曲線が得られる。
図4中”NT81”に示すような規格化された温度差は、広い流量範囲において単調増加を指名しているので、広い流量範囲を測定することが可能であることがわかる。
また、図4中”TA81”及び”TD81”に示す温度和及び温度差は、図3に示すような演算制御手段17による伝熱手段13の温度制御によって、図4中”TA51”及び”TD51”に示す図10等に示す従来例の温度和及び温度差と比較して温度の絶対値が大きくなっている。
このため、従来例と比較して絶対値の大きな温度差を温度和で除算して規格化することにより、温度検出手段14及び15の温度測定誤差やノイズの影響を軽減することが可能になる。
この結果、接液部分が全てガラスで構成された流路16を流れる被測定液体の温度を伝熱手段13で制御し2つの温度検出手段14及び15によって伝熱手段13の上流側及び下流側の流体の温度を測定し、演算制御手段17で予め測定された被測定液体の温度に対して、被測定液体が数度程度高い一定温度になるように伝熱手段13を制御すると共に温度和に閾値を設定して当該閾値を下回った場合には演算制御手段17は伝熱手段13の温度を順次上昇させ、当該温度の温度差を温度和で除算した規格化された温度差を求め、当該規格化された温度差に基づき流量を求めることにより、流量が大きくなっても温度検出手段の温度測定誤差やノイズの影響を軽減して高精度で測定することが可能になる。
なお、図1等に示す実施例では演算制御手段17による伝熱手段13の温度制御に関しては、温度和に閾値を設定して当該閾値を下回った場合には演算制御手段17は伝熱手段13の温度を順次上昇させているが、特にこれに限定されるものではなく、流量が大きくなるに従って伝熱手段13の温度を順次上昇させれば良い。
また、温度和の値を常に一定になるように伝熱手段13の温度を制御しても構わないし、演算制御手段17が伝熱手段13の温度を流量に対して単調増加するように制御しても構わない。
また、演算制御手段17が伝熱手段13の消費熱量に閾値を設定して、消費熱量が当該閾値を超過した場合に、伝熱手段13の温度を上昇させても構わない。さらに、演算制御手段17が伝熱手段13の消費熱量が流量に対して単調増加するように伝熱手段13の温度を制御しても構わない。
また、図1等に示す実施例では、接液部分が全てガラスで構成された流路16を例示しているが、接液部分が全てプラスチックで構成しても構わない。この場合にも、接液部分が全てプラスチックであることにより、耐腐食性が向上する。
本発明に係る熱式流量計の一実施例を示す構成ブロック図である。 本発明に係る熱式流量計の一実施例のセンサ部分の具体例を示す平面図及び断面図である。 流量に対する伝熱手段の温度の変化を示す特性曲線図である。 流量に対する上流側と下流側との温度差、温度和及び温度差を温度和で除算した値の関係をそれぞれ示す特性曲線図である。 従来の熱式流量計の一例を示す構成ブロック図である。 流路の位置に対する流路内の被測定液体の温度分布の一例を示す特性曲線図である。 従来の熱式流量計の他の例を示す斜視図である。 従来の熱式流量計の他の例を示す断面図である。 上流側と下流側との温度差と、流量との関係を示す特性曲線図である。 熱式流量計の一例を示す構成ブロック図である。 熱式流量計の一例のセンサ部分の具体例を示す平面図及び断面図である。 流量に対する上流側と下流側との温度差、温度和及び温度差を温度和で除算した値の関係をそれぞれ示す特性曲線図である。
符号の説明
1,10,16 流路
2,8,13 伝熱手段
3,4,14,15 温度検出手段
5,17 演算制御手段
6,11,12 ガラス基板
7,9 シリコン基板

Claims (8)

  1. 流路を流れる液体の温度を制御し温度制御部分の上流側及び下流側の液体の温度差に基づき流量を測定する熱式流量計において、
    接液部分が全てガラスで構成された流路と、
    この流路に設けられた伝熱手段と、
    前記流路上であって前記伝熱手段から等間隔の位置に設けられた上流側及び下流側の温度検出手段と、
    初期状態で前記伝熱手段を一定温度に制御し、前記流路を流れる液体の流量が大きくなるに従って前記伝熱手段の温度を単調増加させるように制御すると共に上流側及び下流側の前記温度検出手段で検出された温度の温度差を温度和で除算した規格化された温度差を求め、規格化された温度差に基づき流量を求める演算制御手段と
    を備えたことを特徴とする熱式流量計。
  2. 前記伝熱手段と、上流側及び下流側の前記温度検出手段とが非接液の状態にあることを特徴とする
    請求項1記載の熱式流量計。
  3. 流路を流れる液体の温度を制御し温度制御部分の上流側及び下流側の液体の温度差に基づき流量を測定する熱式流量計において、
    流路となる溝が形成された第1のガラス基板と、
    前記溝が形成された側の前記第1のガラス基板に貼り合わされ接液部分が全てガラスで構成された流路を形成する第2のガラス基板と、
    前記流路に接しない側の前記第2のガラス基板上に形成される伝熱手段と、
    前記流路の上に位置し前記流路に接しない側の前記第2のガラス基板上であって前記伝熱手段から等間隔の位置に形成される上流側及び下流側の温度検出手段と、
    初期状態で前記伝熱手段を一定温度に制御し、前記流路を流れる液体の流量が大きくなるに従って前記伝熱手段の温度を単調増加させるように制御すると共に上流側及び下流側の前記温度検出手段で検出された温度の温度差を温度和で除算した規格化された温度差を求め、規格化された温度差に基づき流量を求める演算制御手段と
    を備えたことを特徴とする熱式流量計。
  4. 流路を流れる液体の温度を制御し温度制御部分の上流側及び下流側の液体の温度差に基づき流量を測定する熱式流量計において、
    接液部分が全てプラスチックで構成された流路と、
    この流路に設けられた伝熱手段と、
    前記流路上であって前記伝熱手段から等間隔の位置に設けられた上流側及び下流側の温度検出手段と、
    初期状態で前記伝熱手段を一定温度に制御し、前記流路を流れる液体の流量が大きくなるに従って前記伝熱手段の温度を単調増加させるように制御すると共に上流側及び下流側の前記温度検出手段で検出された温度の温度差を温度和で除算した規格化された温度差を求め、規格化された温度差に基づき流量を求める演算制御手段と
    を備えたことを特徴とする熱式流量計。
  5. 前記伝熱手段と、上流側及び下流側の前記温度検出手段とが非接液の状態にあることを特徴とする
    請求項4記載の熱式流量計。
  6. 流路を流れる液体の温度を制御し温度制御部分の上流側及び下流側の液体の温度差に基づき流量を測定する熱式流量計において、
    流路となる溝が形成された第1のプラスチック基板と、
    前記溝が形成された側の前記第1のプラスチック基板に貼り合わされ接液部分が全てプラスチックで構成された流路を形成する第2のプラスチック基板と、
    前記流路に接しない側の前記第2のプラスチック基板上に形成される伝熱手段と、
    前記流路の上に位置し前記流路に接しない側の前記第2のプラスチック基板上であって前記伝熱手段から等間隔の位置に形成される上流側及び下流側の温度検出手段と、
    初期状態で前記伝熱手段を一定温度に制御し、前記流路を流れる液体の流量が大きくなるに従って前記伝熱手段の温度を単調増加させるように制御すると共に上流側及び下流側の前記温度検出手段で検出された温度の温度差を温度和で除算した規格化された温度差を求め、規格化された温度差に基づき流量を求める演算制御手段と
    を備えたことを特徴とする熱式流量計。
  7. 前記演算制御手段が、
    前記温度和に閾値を設定して前記温度和が閾値を下回った場合に前記伝熱手段の温度を順次上昇させることを特徴とする
    請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の熱式流量計。
  8. 前記演算制御手段が、
    前記温度和の値を常に一定になるように前記伝熱手段の温度を制御することを特徴とする
    請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の熱式流量計。
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