JP4792287B2 - 電磁ソレノイド式駆動装置及びこれを備えた家具又は建物 - Google Patents

電磁ソレノイド式駆動装置及びこれを備えた家具又は建物 Download PDF

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Description

本願発明は、電磁ソレノイド式の駆動装置及びこれを備えた家具又は建物に関するものである。
引出しや扉を備えたキャビネット等の家具、或いは建物の扉において、引出しや扉等のロック手段として電気錠を使用することが広く行われている(例えば特許文献1参照)。
電気錠には駆動手段として電磁ソレノイドが使用されており、この電磁ソレノイドは、コイルに通電(励磁)するとロッド(可動鉄心)が一方向に移動し、コイルへの通電を遮断すると内蔵したばねでロッドが他方向に移動する構造になっている。そして、電気錠の場合、施錠状態ではコイルへの通電が遮断され、解錠状態ではコイルに通電されるように設定している。これは、停電でも施錠状態を確保するためである。
また、電気錠では、引出しや扉類をロックする閂部材をロッドで駆動するようになっているが、ロッドの往復動を閂部材の動きに変える連動機構は様々であり、一般には、ロッドと閂部材との間にリンク機構のような複数の中間部材が介在させていることが多い。
実公平7−28366号公報
ところで、電磁ソレノイドは電磁力でロッドを一方向に移動させるものであるが、油圧シリンダや空圧シリンダとは異なって、電磁力によるロッドの吸引力(ロッドをばねに抗して移動させる力)はロッドの移動ストロークの各部分で一定という訳ではなく、通電によってロッドが一方向に移動するに際して、移動し初めには吸引力が弱くて移動終期に行くほど吸引力が大きくなるという特性を持っている(磁石の磁力は距離に反比例するからである)。
他方、例えば電磁ソレノイドを電気錠に使用する場合、閂部材を引出しや扉の係合部に確実に係脱させるにはある程度のストロークが必要である。そこで、閂部材のストロークを確保する対策としては、ロッドの往復動ストロークが大きい電磁ソレノイドを使用する方法(前者の方法)と、例えばテコ式のリンクを使用して、ロッドの往復動寸法を増幅して閂部材に伝える方法(後者の方法)とが考えられる。
前者の方法はロッドの往復動長さが長くなるためそれだけ電磁ソレノイドの全長が長くなり、他方、後者の方法では、電磁ソレノイドの全長は短くできるが大きなパワー(吸引力)を必要とするためにコイルの巻き数が増えることになって、これまた電磁ソレノイドが大型化するという問題がある。家具に電気錠を設ける場合、設置スペースが限られるため電磁ソレノイドはできるだけコンパクトであるのが好ましいが、従来は、被駆動部材の動作の確実性を確保しつつ電磁ソレノイドをコンパクト化することが難しかった。
本願発明は、このような現状を改善することを課題とするものである。
既述のとおり、電磁ソレノイドは通電によってロッドが一方向に移動するに際して、吸引力が移動距離と共に大きくなる特性があるが、通電によりロッドで他の部材(被駆動部材)を駆動する場合、電磁ソレノイドの吸引力は常に被駆動部材の移動抵抗よりも大きい必要がある。従って、電磁ソレノイドを選択にするに際しては、吸引力の最小値が重要な意味を持っている。
そして、被駆動部材をロッドで単に押し引きするだけの場合は、吸引力の最小値は小さくて済むがロッドのストロークが長くなるため電磁ソレノイドが大型化する一方、ロッドの往復動を単純な回動式のリンクを介して増幅する場合は、ロッドが仕事をする当初から大きなパワーが必要になるため電磁ソレノイドの吸引力の最小値は大きくならざるをえず、このため電磁ソレノイドはコイルの巻き数が大きくなって大型化する。
そして、電磁ソレノイドにおいて、コイルへの通電でロッドを一方向に移動させるに際してロッドに対する吸引力はロッドの移動距離に比例して大きくなるから、吸引力が大きい領域においてロッドに仕事をさせる(大きな負荷をかける)と電磁ソレノイドの吸引力を有効利用することができる。本願発明者は、上記のような知見と着想に基づいて各請求項の発明を完成させるに至った。
すなわち、請求項1の発明は、コイルに通電するとロッドがその軸方向に沿った一方向に移動し前記コイルへの通電を遮断すると前記ロッドがばねによって他方向に移動する電磁ソレノイドと、前記電磁ソレノイドのロッドに連結されたリンクと、前記リンクが取り付けられた支持体とを備えており、前記リンクによって部材が駆動される電磁ソレノイド式駆動装置であって、前記リンクは、前記ロッドの軸心の延長線を挟んだ片側において前記支持体に枢支ピンで連結されていて、前記ロッドが一方向に移動するとリンクは前記枢支ピンを中心にして一方向に回動することが許容されており、かつ、前記リンクにおいて枢支ピンが嵌まる穴を前記ロッドの移動方向と同じ方向に長く延びる長穴に形成することにより、前記ロッドが前記一方向に移動するに際して前記リンクが前記一方向に適宜寸法だけ平行移動してから回動に転じるように設定している。
請求項2の発明は、請求項1に加えて、更に、前記リンク、前記支持体に設けたガイドピンに当たることによって前記一方向に水平移動をガイドするスライド支持部形成されており、かつ、前記スライド支持部は、前記リンクが前記長穴のストロークだけ水平移動した後はガイドピンから離反するように設定されている。
本願発明は電磁ソレノイドが内蔵された家具又は建物も含んでおり、この家具又は建物は、請求項3に記載したように、請求項1又は2に記載した電磁ソレノイド式駆動装置で引出し又は扉がロックされる電気錠を備えている。
本願発明によると、コイルへの通電によってロッドが一方向に移動してリンクを介して被駆動部材を駆動するに際して、リンクは初めはロッドの移動方向に水平移動するが、ロッドの移動初期において電磁ソレノイドの吸引力は低い一方、リンクは水平移動する状態ではその移動に対する抵抗(負荷)は小さい。このため、電磁ソレノイドの最小吸引力が小さくてもリンク(被駆動部材)を駆動させることができる。
そして、リンクがある程度の寸法を水平移動(スライド)してから回動に転じると、リンクの回動に対する移動抵抗(負荷)はテコの原理と逆の現象によって大きくなるが、その状態で電磁ソレノイドは吸引力が大きくなっているため(すなわち、吸引力が大きくなっている領域でリンクを回動に転じさせる)、電磁ソレノイドのパワーを有効に利用してリンクを確実に回動させることができる。そして、リンクの回動によってロッドの移動距離を被駆動部材に増幅して伝達できるため、ロッドの全体のストロークは短くて良い。
このように、電磁ソレノイドを使用するにおいて、最小吸引力が小さいものを使用できること(すなわちコイルの巻き数が少ない電磁ソレノイドを使用できること)と、ロッドのストロークが短い電磁ソレノイドを使用できることとにより、被駆動部材を的確に駆動しつつ電磁ソレノイドをコンパクト化でき、かつ、消費電力も抑制できるのである。従って、家具に内蔵される電気錠のように設置スペースに制約が多い駆動装置に好適である。
また、ガイド手段としてはリンクの他にガイドピンを設けるだけでよいため、構造が簡単になる利点がある。なお、ロッドでリンクを平行移動させる距離と回動させる距離との比率は必要に応じて任意に設定できるが、リンクを平行移動させるためのロッドの移動寸法が、リンクを回動させるためのロッドの移動寸法よりも小さく設定されているのが好適であると言える。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本願発明はシステム収納家具の電気錠に適用している。
(1).家具の概要
図1は本願発明の実施形態に係るシステム収納家具の概略斜視図であり、システム収納家具は、複数段の引出し2を設けた下キャビネット1と、その上方に配置された上キャビネット3と、上下キャビネット1,3の間に挟み込んだ状態に配置されている薄型の中間ユニット4、上キャビネット3の上方に配置した天枠材5とで1組のシステムが構成されている。上キャビネット3は水平回動式の左右扉6,7を備えているが、引き戸式の扉であっても良い。1つのシステム式収納家具は、3つ以上のキャビネットから成っていても良い。
中間ユニット4は上下に開口した中空の枠状に形成されており、この中間ユニット4には、下キャビネット1の各引出し2を一斉にロックするための引出し用電気錠8と、上キャビネット3の扉6,7をロックするための扉用電気錠9とを内蔵している。中間ユニット4の前面には、前記した電気錠を操作するカードを読み取るリーダー10,11を設けると共に、引出し2を手動で解施錠するためのシリンダ錠12と扉6,7を手動で解施錠するためのシリンダ錠13とを臨ませている。
なお、電気錠の解施錠方法としては、カードをかざすことでロック又はロック解除できるようにしたり、タッチパネル等の入力部に暗唱番号を入力して解施錠を行ったり、或いはリモコンで操作して解施錠するなど、様々の方式を採用できる。
本実施形態は、下キャビネット1の引出し2を一斉にロック・ロック解除するための電気錠に適用している。図2では、下キャビネット1において各引出し2を一斉にロック・ロック解除するオールロック機構を模式的に示している。すなわち、オールロック機構は、キャビネット1の本体の左右側面(片面でも良い)に上下動自在に配置した縦杆14と、縦杆14を上下動させるために下キャビネット1における本体の上部(上かまちの内部)に配置した天作動杆15と、下キャビネット1における本体の内側面のうち各引出し2に対応した部位に回動自在に配置したロック杆16とを備えている。
各ロック杆16の前端部には、引出し2の左右側に設けた係合部17に係脱する鉤部16aを形成しており、各引出し2を押し込んだ状態で縦杆14が上昇すると、各ロック杆16はその前部が下降動するように回動して各引出し2は一斉にロックされ、縦杆14が下降すると、各ロック杆16はその前部が上向き動するように回動して、一斉にロック解除される。
そして、天作動杆15の左右両端部には後方に延びるアーム部15aを設けており、アーム部15aはその前後中途部を中心にして上下回動するように下キャビネット1の本体に取り付けられている。更に、アーム部15aの後端と縦杆14の上端とは、アーム部15aがその後端を上向き動させるように回動すると縦杆14が上昇するように当接又は連結されている。
従って、天作動杆15の前部を下降動すると下キャビネット1の各引出し2は一斉にロックされ(施錠され)、天作動杆15の前部が上昇動すると下キャビネット1の各引出し2はロック解除(解錠)される。天作動杆15は、その前部が上向き動するようにばねで付勢されている。なお、ロック機構には様々のものがあり(例えば天作動杆15を、その左右中間部を中心にして回動するシーソー式にしたもの)、本願発明の具体例はこの実施形態の機構に限定されるものではない。
(2).引出し用電気錠の構造
本実施形態では、中間ユニット4に設けた引出し用電気錠8によって天作動杆15を回動させるようになっている。次に、引出し用電気錠8の詳細を図3に基づいて説明する。図3のうち(A)の引出し用電気錠8の正面図、(B)は引出し用電気錠8の平面図、(C)は(A)のC−C視断面図である。
引出し用電気錠8は、中間ユニット4の内部のうち前面よりもやや奥まった部位で略左右中間に近い部位に配置されており、電磁ソレノイド20とリンク21とプッシャー(中間作動体)22とを備えており、プッシャー22で天作動杆15が下向きに押されることで施錠される。なお、プッシャーの形態は様々に具体化できる。
中間ユニット4の内部には、前後に広幅面を有する左右長手の支持体(ブラケット板)23が配置されており、電磁ソレノイド20とリンク21とプッシャー22は支持体23の後面に取り付けられている。支持体23は、中間ユニット4を構成する強度メンバーとしての基枠(図示せず)に固定されている。
電磁ソレノイド20は、ケースとその片面から突出したロッド(可動鉄心)24とを備えており、ケースにはコイルとばねとが内蔵されている。本実施形態では、非通電状態ではロッド24はばねによって突出(前進)しており、コイルに通電されるとロッド24はばねに抗して後退動する。図3ではロッド24が前進した状態を示しており、この状態では、天作動杆15が下向きに押された施錠状態になっている。
リンク21は、その下部を中心にして回動し得るように前後長手で円形の枢支ピン25で支持体23に連結されており、かつ、枢支ピン25よりも上方の部分が板状のジョイント26を介して電磁ソレノイド20のロッド24と連結されている。
ジョイント26は電磁ソレノイド20のロッド24に上下長手の第2ピン27で水平回動可能に連結されており、また、ジョイント26はその先端部を環状に形成してこれをリンク21に形成した連結穴28に嵌め入れており、これにより、ロッド24の往復動によってリンク21が回動するようになっている。ジョイント26とリンク21とはピンで連結するなどしても良い。
リンク21の連結穴28は正面視で略台形に形成されている。これは、リンク21の姿勢の変化を許容するためである。ジョイント26とリンク21とは僅かのクリアランスで嵌まり合っている。なお、ジョイント26をリンク21の連結穴28に嵌める方法としては、ジョイント26を2つの部材で形成してから一体化するなどしたらよい。
プッシャー22はリンク21を挟んで電磁ソレノイド20と反対側に配置されており、リンク21は、引っ張りばね29で電磁ソレノイド20と反対側に向けて(すなわち施錠姿勢に向けて)引っ張られている。ばね29の端部は支持体23に突設した軸30に取り付けられている。引っ張りばね29は、リンク21に対するジョイント26の連結箇所を挟んで枢支ピン25と反対側に配置されている。
支ピン25を嵌めるためにリンク21に形成した穴は左右長手の長穴31になっており、また、リンク21の下部のうち枢支ピン25を挟んで電磁ソレノイド20と反対側の部位には、同じくガイド手段の一環として、左右方向に延びる横長平坦部31を形成しており、更に、支持体23には、ガイド手段の一環として、横長平坦部32が載る第1ガイドピン(突起)33を設けている。
従って、リンク21は長穴31のストロークの範囲で左右スライド可能であり、かつ、図3(A)で左側に移動し切った後は枢支ピン25を中心にして反時計回りに回動し得る。本実施形態では、横長平坦部32が請求項2に記載したスライド支持部になっている。
プッシャー22は正面視で第1ガイドピン33の側に向けて凹となる正面視円弧状に形成されており、同一の曲率半径の線上に形成されて2個の円弧状長穴34を形成して、この円弧状長穴34に、支持体23に設けた2本の第2ガイドピン35を嵌め入れている。従って、プッシャー22は円弧状長穴34のストロークで回動し得る。
そして、プッシャー22の上端はリンク21の上端部に当接させている。この場合、プッシャー22とリンク21とが常に点接触状態となるように、リンク21のうちプッシャー22に当る部分は正面視で半円状に形成しており、プッシャー22のうちリンク21に当接する部分は平坦状に形成している(両者を逆の関係にしても良い)。
ッシャー22の外周面には突起22aを設けている一方、支持体23には2個のリミットスイッチ(センサー)36を設けて、プッシャー22が右回動した状態と左回動した状態とで突起23a両リミットスイッチ36の接触子37に選択的に当たるようにしている。なお、プッシャー22は、1本のピンで支持体23に連結されたリンク方式とすることも可能である。
(3).電気錠の動き
次に、図4及び図5に基づいて引出し用電気錠8の動きと特性を説明する。図4は動きの説明図、図5のうち(A)(B)は比較例を示す図、(C)は比較例と本実施形態との特性を示すグラフである。
図4は施錠状態から解錠状態に移行する状態を示している。すなわち、施錠状態で電磁ソレノイド20のコイルに通電すると、ロッド24は、電磁ソレノイド20に内蔵したばねとリンク21を引っ張るばね29とに抗して後退するが、リンク21は長穴31のストロークL1だけは水平スライドし、それから、リンク21は枢支ピン25を中心にしてある角度α1だけ回動し、プッシャー22はL2の寸法だけ移動する。
天作動杆15は図示しないばねで上向きに付勢されているため(リンク21とプッシャー22とを連結しておいても良い)、プッシャー22はリンク21のスライド及び回動に連動して反時計回りに回動する。
そして、電磁ソレノイド20のロッド24とプッシャー22とを直結していると、ロッド24は、プッシャー22の必要移動距離L0だけのストロークが必要になるが、本実施形態では、リンク21が回動もすることと、リンク21に対するジョイント26の取り付け位置がプッシャー22に対するリンク21の当接位置よりも枢支ピン25に近い部分にあることとにより、テコの原理で、ロッド24のストロークはL0よりも短い寸法E0で良い。
つまり、施錠状態から解錠状態に移行するにおいて、初期段階では、リンク21とロッド24とプッシャー22とは長穴31のストロークと同じ距離L1,E1だけ移動し、次いで、リンク21が回動すると、ロッド24はE2だけ移動するのに対して、プッシャー22は、E2よりも大きい寸法であるL2だけ移動するのである。このため、ロッド24のストロークが短いコンパクトな電磁ソレノイド20でありながら、プッシャー22は天作動杆15を確実に上下動させ得る移動ストロークを確保できるのである。なお、L0が例えば10mmの場合は、L1及びE1は2.5mm、E2は5mm程度でよかった。
次に、図5に基づいて電磁ソレノイド20の吸引力との関係を説明する。図5のうち(A)はロッド24とプッシャー22とを直結した電気錠の正面図、(B)は単純な回動式リンク21′を介してプッシャー22を往復動させる電気錠の正面図である。
図5(C)のグラフにおいて、横軸のストロークはロッド24の突出寸法を示している。a,b,hはそれぞれ定格が異なる電磁ソレノイドの吸引力特性を示しており、最小及び最大の吸引力はa>b>hの関係にあり、従って、a>b>hの順でコンパクトになっている。
そして、(A)の形態においてプッシャー22に作用する移動抵抗(負荷)はグラフでAの直線になり(ばね29に抗して移動するため抵抗は漸増する)、ロッド24′にはプッシャー22の抵抗がそのまま作用する。そして、電磁ソレノイドにはプッシャー22の移動初期における最小抵抗よりも大きい吸引力が必要であるため、(A)の形態ではaの特性を持つ電磁ソレノイドが使用されることになり、従って、長さは長くて大型化する。
次に、(B)の形態においてプッシャー22に作用する移動抵抗(負荷)はグラフでBの直線になり、ロッド24′のストロークは短いものの、ロッド24′の動きを増幅させるためロッド24′にかかる初期の負荷は(A)の場合よりも高く、このため、(B)の形態ではbの特性を持つ電磁ソレノイドが使用されることになり、従って、コイルの巻き数が多くてこれまた大型化する(太くなる)。
次に、本実施形態品では、リンク21が水平スライドしている状態では、ロッド24にはプッシャー22の移動抵抗がそのまま作用しているに過ぎず、このため、ロッド24の移動初期における抵抗はAの場合と同じであり、従って、ロッド24を移動させ始めるに際しての最小吸引力は小さくてよい。
そして、リンク21が回動に転じた後は、ロッド24を移動させるための吸引力は大きくなるが、この場合、電磁ソレノイドはその特性としてロッド24の突出量が少なくなればなるほど吸引力は大きくなる性質があり、吸引力が大きい領域でロッド24を移動させリンク21を回動させ得るため、のように定格が小さくてコンパクトな電磁ソレノイドであっても、パワーを有効利用してロッド24を確実に移動させることができるのである。
更に述べると、ロッド24でプッシャー22のような被駆動部材を動かすにおいて、単純に押し引きする場合は初期動力が小さい利点を有する反面ロッド24のストロークが大きくなる欠点があり、回動式のリンクを介して被駆動部材を押し引きする場合はロッド24のストロークを小さくできる反面で初期吸引力が大きくなる欠点を有しているが、本願発明は、リンクの水平移動と回動とを組み合わせることにより、初期吸引力が小さくてもリンクを回動させてロッドの移動を増幅して被駆動部材に伝達できるのであり、これにより、被駆動部材の駆動操作の確実性を損なうことなく電磁ソレノイドを小型化・コンパクト化できるのである。
(4).実施形態の利点
ところで、例えば図4において、リンク21を施錠方向に引っ張るばね29は枢支ピン25よりも上方のどの部分に配置してもよいと考えられるが、枢支ピン25に近い部位に配置すると、例えば振動等により、一種の支点越えの作用が生じて、リンク21が長穴31のストロークを移動し切る前に回動に転じる虞がある。
これに対し本実施形態のように、ばね29をジョイント26を挟んで枢支ピン25と反対側の部位に配置すると、リンク21は常に第1ガイドピン33に当接し勝手に付勢されるため、リンク21が長穴31をスライド仕切る前に回動してしまう事態を防止できる利点がある。
(5).その他
本実施形態は上記の形態の他にも様々に具体化することができる。例えば電気錠に使用する場合の適用対象は家具には限らず、建物のドアや金庫など、各種のものに適用できる。また、キャビネット等の家具に適用する場合、上記した実施形態のように中間ユニットに配置することには限らず、キャビネット本体の内部に配置できることはいうもまでもない。
勿論、電気錠以外の駆動装置にも適用できる。更に、リンクの動きを被駆動部材の動きに伝える機構は様々のものを採用できる
本願発明の実施形態に係るシステム収納家具の概略斜視図でる。 下キャビネットにおけにオールロック機構の概念図である。 電気錠の構造を示す図である。 電気錠の動きを示す図である。 電気錠の特性を示す図である。
1 下キャビネット
3 上キャビネット
4 中間ユニット
8 引出し用電気錠
15 オールロック機構を構成する天作動杆
20 電磁ソレノイド
21 リンク
22 プッシャー(被駆動部材)
23 支持体(ステー)
25 第1ピン
26 ジョイント
31 長穴
32 スライド支持部を構成する横長平坦部
33 スライド支持部を構成する第3ピン

Claims (3)

  1. コイルに通電するとロッドがその軸方向に沿った一方向に移動し前記コイルへの通電を遮断すると前記ロッドがばねによって他方向に移動する電磁ソレノイドと、前記電磁ソレノイドのロッドに連結されたリンクと、前記リンクが取り付けられた支持体とを備えており、前記リンクによって部材が駆動される電磁ソレノイド式駆動装置であって、
    前記リンクは、前記ロッドの軸心の延長線を挟んだ片側において前記支持体に枢支ピンで連結されていて、前記ロッドが一方向に移動するとリンクは前記枢支ピンを中心にして一方向に回動することが許容されており、
    かつ、前記リンクにおいて枢支ピンが嵌まる穴を前記ロッドの移動方向と同じ方向に長く延びる長穴に形成することにより、前記ロッドが前記一方向に移動するに際して前記リンクが前記一方向に適宜寸法だけ平行移動してから回動に転じるように設定している、
    電磁ソレノイド式駆動装置。
  2. 更に、前記リンク、前記支持体に設けたガイドピンに当たることによって前記一方向に水平移動をガイドするスライド支持部形成されており、かつ、前記スライド支持部は、前記リンクが前記長穴のストロークだけ水平移動した後はガイドピンから離反するように設定されている、
    請求項1に記載した電磁ソレノイド式駆動装置。
  3. 請求項1又は2に記載した前記電磁ソレノイド式駆動装置で引出し又は扉がロックされる電気錠を備えている、
    家具又は建物。
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