JP4791470B2 - 携帯電話機、報知方法、及びプログラム - Google Patents
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Description
PTTでは、サーバをネットワーク上に配置し、このサーバが複数のユーザから成るグループの管理を行うとともに、ユーザ間の通信制御を行う。
具体的に説明すると、まず、はじめに話し手となりたいユーザが1以上の通信相手を選び、サーバを介して通信相手に通信要求を送信する。通信相手が通信要求に応答すると、この応答した通信相手が聞き手となり、話し手と聞き手とから成るグループが形成されて、グループ通信が開始する。このグループ通信の開始時においては、サーバから話し手と聞き手の各携帯電話機に対して、聞き手が1人であるのか複数であるのかを示す情報が送信されるとともに、各携帯電話機が液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)等の表示部を備えている場合、この表示部に、例えば、図15に示すような表示がされるようになっている。すなわち、話し手以外の聞き手が1人のときは図15(a)で示すようなアイコン表示がされ、話し手以外の聞き手が複数のときは図15(b)で示すようなアイコン表示がされる。このようにしてPTT通信が開始すると、発言権を有する話し手のみが発言することができ、聞き手が話し手となって発言を行いたい場合は、現在の話し手が発言を終えて発言権を解放した後、聞き手が新たにサーバに対して発言権の取得を要求しなければならない。要求を受けたサーバが許可すると、この聞き手が発言権を取得して新たな話し手となり、発言することができるようになる。
なお、本明細書において、聞き手が1人のときの通信を「1対1」通信と呼び、聞き手が複数のときの通信を「1対多」通信と呼ぶ。
すなわち、グループ通信中は1人の話し手の音声しか聞くことができないため、話し手(仮にユーザAとする)の発言を聞いた後に自分が話し手となって発言を行う際、実はユーザA以外にも聞き手が存在していたにもかかわらずユーザA1人しかいないと思い込んで、ユーザA以外には聞かれたくない発言、例えば、ごくプライベートな内容の話や他のユーザの噂話をしてしまうという恐れがある。
そこで、本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、PTT等のグループ通信で話し手が発言する際に「1対1」通信なのか「1対多」通信なのかを容易に認識することができる技術を提供する。また、その技術を利用してグループ通信を円滑に行うことができる携帯電話機を提供すること、及びグループ通信を円滑に行うための処理を携帯電話機に実行させるためのプログラムを提供することを目的とする。
ここで、聞き手の通信装置の数に応じて異なる態様で報知する報知制御とは、例えば、スピーカによる報知であれば、聞き手の通信装置の数に応じて、音色を変える、音の長さを変える等聴覚上異なる音として認識される互いに異なる態様で放音するよう制御を行うことである。
例えば、当初特定の相手と1対1で通信を行っていたが、通信途中で他の聞き手が参加することで1対1通信から1対多通信になった場合であっても、ユーザが話し手となって発言する際に1対1通信のときとは異なる態様で報知が行われるため、ユーザは1対多通信であることを瞬時に認識することができる。
これにより、ユーザが話してとなって発言を行う直前など、ユーザが聞き手の人数を確認したいときだけ、ユーザが自発的に確認することができる。
また、前記携帯電話機は、ユーザによる所定の操作がなされた場合に、前記サーバに対して発言権の取得を要求する要求信号を送信する送信手段を備え、前記受信手段は、前記要求信号に応答して前記サーバから送信される発言の取得を許可する許可信号を受信し、前記報知制御手段は、前記受信手段が前記許可信号を受信したときに、報知制御を行うようにしてもよい。
また、前記携帯電話機において、前記状況情報は、前記聞き手の通信装置の数を示す数情報であり、前記報知制御手段は、前記数情報が示す数に応じて異なる態様で報知するよう報知制御を行うようにしてもよい。
また、前記携帯電話機はさらに、スピーカを具備し、前記報知制御手段は、前記状況情報が示す前記聞き手の通信装置の数に応じて、前記スピーカにより異なる放音態様で報知するよう報知制御を行うようにしてもよい。
また、前記携帯電話機において、前記報知制御手段は、前記状況情報が示す前記聞き手の通信装置の数が1である場合は第1の態様で報知するとともに、前記状況情報が示す前記聞き手の通信装置の数が2以上である場合は第2の態様で報知するよう報知制御を行うようにしてもよい。
また、前記携帯電話機はさらに、スピーカを具備し、前記報知制御手段は、前記状況情報が示す前記聞き手の通信装置の数を回数として当該回数前記スピーカより放音することで報知するよう報知制御を行うようにしてもよい。
また、前記携帯電話機はさらに、前記状況情報が示す前記聞き手の通信装置の数を記憶する記憶手段を具備し、前記報知制御手段は、前記許可信号及び前記状況情報を受信したとき、当該受信した状況情報が示す前記聞き手の通信装置の数と前記記憶手段に記憶されている前記聞き手の通信装置の数とを比較するとともに、前記受信した状況情報が示す数のほうが前記記憶手段に記憶されている数よりも多い場合に、所定の態様で報知するよう報知制御を行い、前記記憶手段は、前記報知制御手段で前記比較が行われた後に、受信した前記状況情報が示す前記聞き手の通信装置の数を記憶することで状況情報を更新するようにしてもよい。
また、前記携帯電話機はさらに、バイブレータを具備し、前記報知制御手段は、前記状況情報が示す前記聞き手の通信装置の数に応じて、前記バイブレータにより異なる振動の態様で報知するよう報知制御を行うようにしてもよい。
また、前記携帯電話機はさらに、発光体を具備し、前記報知制御手段は、前記状況情報が示す前記聞き手の通信装置の数に応じて、前記発光体により異なる発光態様で報知するよう報知制御を行うようにしてもよい。
また、前記携帯電話機は、連結手段を介して互いに重ね合わせ可能に連結された2つの筐体と、当該2つの筐体のうち少なくとも一方の筐体における、当該2つの筐体を互いに重ね合わせたときに外部から視認できない面に配された表示手段と、前記2つの筐体が互いに重ね合わさっていることを検出する筐体検出手段とを具備し、前記報知制御手段は、前記筐体検出手段が前記2つの筐体が互いに重ね合わさっていることを検出したときにのみ、前記状況情報が示す前記聞き手の通信装置の数に応じて異なる態様で報知するよう報知制御を行うようにしてもよい。
101 第1の筐体
102 第2の筐体
103 連結部
104 アンテナ
105 スピーカ
106 表示部
107 マイクロフォン
108 操作部
109 LED発光部
110 PTT操作部
111 バイブレータ
112 USB接続部
113 無線通信部
114 記憶部
115 制御部
200 基地局
400 サーバ
700 外部装置
以下、グループ通信の一例としてPTT通信を例にとり、図面を参照して第1の実施形態について説明する。
<1.システム>
まず、PTT通信を実現するためのPTTシステムについて説明する。
携帯電話機100A〜100Cは、それぞれPTT通信が可能な携帯電話機であり、各携帯電話機は基地局200A〜200Cを介してネットワーク300に接続している。サーバ400は、PTT通信の通信制御を行うためのサーバであり、携帯電話機100A〜100Cと同様にネットワーク300に接続している。このようにして、携帯電話機100A〜100Cのそれぞれとサーバ400とがネットワーク300を介して接続され、サーバ400を介して各携帯電話機同士がPTT通信を行うことができるように構成されている。
<2.構成>
ここから、携帯電話機100の構成、及びサーバ400の構成について説明する。
<2−1.携帯電話機100の構成>
図2は、携帯電話機100の外観要部を示す斜視図である。
図2に示すように、携帯電話機100は、第1の筐体101と第2の筐体102とを連結部103を介して連結し、両筐体101及び102を互いに重ね合わせて折り畳むことが可能な、いわゆる、折り畳み型の携帯電話機である。
第1の筐体101には、アンテナ104、スピーカ105、表示部106、及びLED発光部109が備わっている。
スピーカ105は、音声信号を音に変換して放音するものであり、例えば、他の通信装置と通信を行う際に、通信相手が発する音声を放音したり、携帯電話機100への着信を報知するための着信音を放音したりする。
LED発光部109は、LED(Light Emitting Diode)を発光素子とする発光部であり、例えば、携帯電話機100への着信を報知するために間欠的に発光する。
また、第2の筐体102には、マイクロフォン107、操作部108、PTT操作部110、及びUSB接続部112が備わっている。
マイクロフォン107は、音を集音して音声信号に変換するもので、例えば、他の通信装置と通信を行う際に、携帯電話機100のユーザが発する音声を集音する。
PTT操作部110は、押下可能なキーであって、PTT通信内で携帯電話機100が話し手となって他の通信相手に対する発言を行うときに、ユーザが操作するキーである。
USB接続部112は、USB(Universal Serial Bus)規格に準拠したインターフェイスであり、携帯電話機100と、この携帯電話機100の周辺機器として提供される外部装置とを接続するのに用いられる。
無線通信部113は、携帯電話機100が基地局200との無線通信を行うための通信部であり、送信部113aと受信部113bとを含む。送信部113aは、送信対象となるデータを符号化して変調し、アンテナ104へ送出する。受信部113bは、アンテナ104から入力した信号を復調して復号化し、受信対象となるデータを取得する。
バイブレータ111は、振動を発生されるための錘を軸に備えたモータであり、例えば、携帯電話機100への着信を報知するための振動を発生する。
制御部115は、携帯電話機100に備わる各構成部104〜114と接続され、各構成部を制御するCPU(Central Processing Unit)である。特に、制御部115は、PTT通信制御部115a、報知制御部115b、筐体検出部115c、及び接続検出部115dを含む。
報知制御部115bは、スピーカ105による報知動作の制御を行う。筐体検出部115cは、第1の筐体101と第2の筐体102とが重ね合わさっていることを検出する。
<2−2.サーバ400の構成>
図4は、サーバ400の要部を示す機能ブロック図である。
サーバ400は、携帯電話機100が行うPTT通信を管理するためのPC(Personal Computer)等のコンピュータであり、ネットワークインターフェイス401、通信部402、記憶部403、及び制御部404が備わっている。
通信部402は、送信対象となるデータを符号化してネットワークインターフェイス401に送出する。また、ネットワークインターフェイス401から入力した信号を復号化して受信対象となるデータを取得する。
制御部404は、サーバ400に備わる各構成部401〜403と接続され、各構成部を制御するCPUである。特に、制御部404は、コンピュータプログラムで実現された、数情報生成部404a及びPTT通信制御部404bを含む。
PTT通信制御部404bは、携帯電話機100から送信される発言権の取得要求を受けて、この携帯電話機100への発言権を許可するか不許可とするかを判断するとともに、許可する場合はその旨を通知する許可信号を通信部402へ送出する。
<3.メンバーリストのデータ構造>
続いて、サーバ400の記憶部403で管理しているメンバーリストについて説明する。
なお、図5(a)は、2人のユーザがグループ通信に参加している場合のメンバーリストを示しており、図5(b)は、3人のユーザがグループ通信に参加している場合のメンバーリストを示している。
図5(a)及び(b)に示すように、メンバーリスト500はテーブルで構成され、各列に発言権501、名前502、及びアドレス503の項目を有する。名前502は、PTT通信に参加している携帯電話機100のユーザ名を示す。アドレス503は、名前502が示すユーザに対応する携帯電話機100に割り当てられたネットワーク上での識別子であるIP(Internet Protocol)アドレスを示す。また、発言権501は、名前502が示すユーザの中で発言権を許可しているユーザの携帯電話機100を「1」で示し、発言権を許可していない他の携帯電話機100を「0」で示している。
(A)携帯電話機100A・・・T_Suzuki。
(B)携帯電話機100B・・・H_Yamada。
(C)携帯電話機100C・・・K_Takahashi。
<4.処理動作>
<4−1.携帯電話機100の処理動作>
次に、携帯電話機100がサーバ400を介してPTT通信を行う際の処理動作について説明する。ここでは、携帯電話機100がまず最初に聞き手としてPTT通信を行う場合について示す。
まず、携帯電話機100が、サーバ400を介してPTT通信の発起人である他のユーザの携帯電話機からPTT通信要求を受信すると、このPTT通信要求に応答する(ステップS100)。
ステップS100及びS101を経てPTT通信が開始され、携帯電話機100は聞き手としての受話処理を実行する(ステップS102)。受話処理中は、話し手である発起人の携帯電話機から送信される音声信号を受信部113bで受信し、音声信号を復調して得た音声をスピーカ105から放音する。
その後、PTT通信中に聞き手が話し手となって発言を行いたい場合、ユーザがPTT操作部110を押下することで(ステップS103:YES)、携帯電話機100はサーバ400に発言権取得要求を送信する(ステップS104)。なお、PTT操作部110を押下しないかぎり、受話処理が継続して実行される(ステップS103:NO)。
ここで、発言権の取得が許可されてサーバ400から許可信号を受信すると(ステップS105:YES)、携帯電話機100は、記憶部114に記憶されている数情報600を参照し(ステップS106)、自己が発言を行うときに聞き手の人数は何人になるのかを判断する(ステップ:S107)。聞き手は1人だと判断した場合(ステップS107:NO)は、スピーカ105にて第1態様で放音することにより報知を行い(ステップS108)、聞き手は2人以上であると判断した場合(ステップS107:YES)は、スピーカ105にて第2の態様で放音することにより報知を行う(ステップS109)。ここで、態様とは、音の鳴動回数や聴覚上異なる音として認識される音色や音の長さ等であり、例えば、第1の態様では「ピッ」と鳴動させ、第2の態様では「ピッピッ」と鳴動させるとよい。もしくは、互いに異なる音色を持つ音声データを記憶部114に記憶しておき、ステップS108で一方の音声データを再生し、S109で他方の音声データを再生するようにしてもよい。また、ここでいう態様には、何も音を鳴動させずに無音とすることも含まれるため、第1態様と第2態様とのいずれか一方を無音としてもよい。
その後、ユーザがPTT操作部110の押下を止めてOFFにしない限り、発話処理が継続して行われる(ステップS111:NO、及びステップS208:NO)。一方、PTT操作部110がOFFになると(ステップS111:YES)、再び受話処理に戻る(ステップS112)。
<4−2.サーバ400の処理動作>
次に、PTT通信を実行するためにサーバ400が携帯電話機100との間で行う処理動作について説明する。
まず、サーバ400は、PTT通信の発起人であるユーザの携帯電話機から携帯電話機100に対するPTT通信要求を受信すると、このPTT通信要求を携帯電話機100に転送する(ステップS200)。
このようにして、携帯電話機100と発起人の携帯電話機との間でPTT通信が開始する。
なお、携帯電話機100から発信権取得要求を受信しない場合(ステップS203:NO)は、ステップS202で開始したPTT通信の制御を継続する。また、携帯電話機100に発言権の取得を許可できない場合(ステップS204:NO)も、携帯電話機100に発言権の取得を許可できない旨を示すエラー通知を行ってから(ステップS206)、ステップS202で開始したPTT通信の制御を継続する。
以降、サーバ400は、携帯電話機100のPTT操作部110の押下が止められてOFFにならない限り、ステップS207で開始したPTT通信の制御を継続する(ステップS208:NO)。一方、PTT操作部110がOFFになったのであれば、PTT通信制御部404bにて、再び携帯電話機100が聞き手として受話処理を行うようにPTT通信制御を行う(ステップS209)。
<4−3.具体例>
続いて、上述した携帯電話機100とサーバ400の処理動作の具体例として、T_Suzukiが発起人となり、H_YamadaとPTT通信を開始した場合(ケース1)と、H_Yamada及びK_TakahashiとPTT通信を開始した場合(ケース2)とを対比しながら、それぞれのケースにおいてH_Yamadaの携帯電話機100Bとサーバ400が行う処理動作について説明する。
ケース1では、PTT通信の発起人であるT_SuzukiとH_Yamadaの2人がメンバーとなるため、サーバ400は記憶部403に図5(a)に示すメンバーリスト500を記憶し、一方、ケース2では、T_SuzukiとH_YamadaとK_Takahashiの3人がメンバーとなるため、図5(b)に示すメンバーリスト500を記憶する。
ここで、携帯電話機100Bが発信権取得要求をサーバ400に送信し(ステップS104)、発言権の取得が許可されて許可信号をサーバ400から受信した場合(ステップS105:YES)、記憶部114に記憶されている数情報600が示す数に応じて異なる放音態様でスピーカ105から放音することで報知を行う。(ステップS107〜S109)。
S110以降は、上述したとおり、携帯電話機100はPTT操作部110をOFFにするまで発話処理を実行し(ステップS110)、PTT操作部110をOFFにすると受話処理に戻る(ステップS112)。
<第2の実施形態>
以下、第1の実施形態の変形例である第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同様、携帯電話機100が最初に聞き手としてPTT通信を行う場合について示す。
第2の実施形態は、第1の実施形態と比べて処理動作に相違点がある。すなわち、第1の実施形態では、PTT通信の開始に伴いステップS101で受信して記憶した数情報600を参照して報知制御を行うとしたが、第2の実施形態では、携帯電話機100が発言権を取得するたびにサーバ400から送られてくる最新の数情報を参照して報知制御を行うようにする。なお、処理動作において第1の実施形態と同一の手順については、同一の符号を付して示し、携帯電話機100の処理動作とサーバ400の処理動作についてそれぞれ相違点のみ詳述する。
<1.携帯電話機100の処理動作>
図9は、第2の実施形態における、PTT通信を行う際の携帯電話機100の処理動作を示すフローチャートである。
その後、携帯電話機100がサーバ400に発言権取得要求を送信し(ステップS105)、この要求が許可されると、携帯電話機100はサーバ400より、許可信号とともにメンバーリスト500及び数情報600を含むデータフレームを受信する(ステップS105:YES)。
<2.サーバ400の処理動作>
続いて、サーバ400の処理動作について説明する。
図11は、第2の実施形態において、サーバ400が携帯電話機100に送信するデータのデータフレームを示す概略図である。
まず、サーバ400が、PTT通信の発起人となるユーザの携帯電話機から送られるPTT通信要求を携帯電話機100に転送し(ステップS200)、この要求に携帯電話機100が応答すると、この携帯電話機100が受話処理を行うようPTT通信の制御を行う(ステップS202)。
以上のように、第2の実施形態では、携帯電話機100が発言権の取得を許可され話し手となったそのときにサーバ400によって生成される数情報600に基づいて報知制御が行われるので、ユーザが発言を行う際により確実に「1対1」通信であるのか「1対多」通信であるのかを認識することができる。例えば、最初は1対1でPTT通信を開始していたが、長時間受話処理を行っている間に新たなユーザが参加することで聞き手の人数が増えて1対多通信になったとしても、ユーザは自分が話し手となって発言するときに正確に1対多通信であることを認識することができる。
<第3の実施形態>
以下、第1及び第2の実施形態の変形例である第3の実施形態について説明する。なお、第1及び第2の実施形態と同様、携帯電話機100が最初に聞き手としてPTT通信を行う場合について示す。
第3の実施形態は、第1及び第2の実施形態と比べると処理動作に相違点がある。すなわち、第1及び第2の実施形態では、サーバ400から送られてくる数情報600が示す数の単複に応じて報知制御を行うとしたが、第3の実施形態では、ユーザが発言を行うときに、前回発言したときよりも聞き手の人数が増えていた場合にその旨の報知を行うようにする。なお、処理動作において第1及び第2の実施形態と同一の手順については、同一の符号を付して示し、携帯電話機100の処理動作とサーバ400の処理動作についてそれぞれ相違点のみ詳述する。
<1.携帯電話機100の処理動作>
図12は、第3の実施形態における、PTT通信を行う際の携帯電話機100の処理動作を示すフローチャートである。
ここで、携帯電話機100は、受信したデータフレームに含まれる数情報600が示す数と、記憶部114に記憶してある数情報600が示す数とを比較し、受信した数情報600が示す数のほうが大きい場合(ステップS115:YES)に、所定の態様でスピーカ105より放音することにより報知を行う(ステップS116)。
以降、PTT操作部110をOFFにしない限り発話処理を行い、PTT操作部100をOFFにすると受話処理の戻るのは第1の実施形態と同様である(ステップS110〜S112)。
<2.サーバ400の処理動作>
続いて、サーバ400の処理動作について説明する。
まず、サーバ400が、PTT通信の発起人となるユーザの携帯電話機から送られるPTT通信要求を携帯電話機100に転送し(ステップS200)、この要求に携帯電話機100が応答すると、メンバーリスト500と数情報600とを含むデータフレームを携帯電話機100に送信する(ステップS201)。携帯電話機100が受話処理を行うようPTT通信の制御を行う(ステップS202)。
その後、携帯電話機100から受信した発言権取得要求を許可する場合(ステップS204:YES)、記憶部403に記憶されているメンバーリスト500に基づいて数情報600を生成し、図11に示すように、許可信号とともにメンバーリスト500と生成した数情報600とを含むデータフレームを携帯電話機100に送信する(ステップ212)。
以上のように、第3の実施形態では、携帯電話機100が聞き手として受話処理を実行している間に新たなユーザがPTT通信に参加することでメンバーの人数が増加した場合に、携帯電話機100が発言権の取得を許可され話し手となったときに報知がなされるので、ユーザが発言を行う際に聞き手が増えたことを確実に認識することができる。また、携帯電話機100が発言権を取得するたびに数情報600が更新されていくため、ユーザは、発言をするたびに前回の発言時よりも聞き手が増えているのか否かを確実に認識することができる。
<補足>
以上、本発明に係る携帯電話機100について、第1〜第3の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施の形態で示した構成に限定されるものではなく、以下のように変形することも可能である。
(1)第1〜第3の実施形態では、携帯電話機100自身に備わるスピーカ105より放音することで報知をおこなうようこととしたが、外部のスピーカに接続し、当該外部のスピーカから放音させるように構成してもよい。
外部装置700は、具体的には、携帯電話機100の周辺機器として提供されるヘッドセットや、自動車のコンソールに内蔵されていて携帯電話機100と接続可能な車載ハンズフリーキット等であり、USB接続部701、スピーカ702、マイクロフォン703、及び制御部704を備えている。
このため、携帯電話機100は、第1及び第2の実施形態で示したステップS108又はステップS109にて放音する際や、第3の実施形態で示したステップS116で放音する際に、自己のスピーカ105を駆動させずに外部装置700のスピーカ702から放音させることができる。
(2)第1〜第3の実施形態の変形例として、携帯電話機100の筐体検出部115cが、第1の筐体101と第2の筐体102とが重ね合わさっていることを検出した場合に限り、ステップS108及びステップS109や、ステップS116における報知制御を行うように構成してもよい。
(3)第1及び第2の実施形態の変形例として、ステップS108及びステップS109において、聞き手の人数に応じて報知し分けるように構成してもよい。
このように構成することで、ユーザは、発言を行う際に、聞き手の単複のみならず、聞き手の人数を具体的に知ることができる。
(4)第1〜第3の実施形態の変形例として、ステップS108及びステップS109、並びにステップS116において、スピーカ105にて放音する代わりに、携帯電話機100に備わるバイブレータ111が振動することにより報知を行ってもよい。この場合、態様とは、ユーザの圧覚や痛覚上で異なる振動として認識される振動回数や振動時間等である。
(5)第1〜第3の実施形態において、LED発光部109は、図2に示すように、第1の筐体101上のスピーカ105近傍に配置されているが、これに限定されるものではなく、例えば、第1の筐体101と第2の筐体102とを折り畳んだときでも視認可能なように第1の筐体101の背面又は側面に配置されていてもよい。
(6)第1〜第3の実施形態において、発光体としてLEDを用いたLED発光部109を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、キセノン管を用いたフラッシュであってもよい。
(7)第1〜第3の実施形態において、携帯電話機100と外部装置とを接続するインターフェイスとして、USB規格に準拠したUSB接続部112を示したが、これに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
(8)第1〜第3の実施形態において、携帯電話機100として、連結部103により第1の筐体101と第2の筐体102とが連結された折り畳み型の携帯電話機を示したが、これに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
(9)第1〜第3の実施形態において、数情報600を、最大64ユーザまで識別できるよう6ビットの列で示したが、これに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
(10)第1〜第3の実施形態において、聞き手の通信装置の数を示す数情報600サーバ400が生成して携帯電話機100に送信する例を示したが、これに限定されるものではない。
この場合、携帯電話機100は、図5に示すメンバーリスト内の「発言権」欄を参照し、発言権のないメンバーをカウントすることで聞き手の数を認識すればよい。
具体的に動作を説明すると、第1の実施形態において、サーバ400は、ステップS201でメンバーリスト500のみを送信する。携帯電話機100は、ステップS101でメンバーリストのみを記憶し、ステップS106でメンバーリスト500を参照して聞き手の人数を認識する。
第3の実施形態において、サーバ400は、ステップS201でメンバーリスト500のみを送信し、ステップS212で許可信号とメンバーリスト500とを送信する。携帯電話機100は、ステップS101でメンバーリストのみを記憶し、ステップS114でメンバーリスト500を参照する。ステップS115では、記憶部内のメンバーリスト500を参照して割り出した聞き手の人数と、受信したメンバーリスト500を参照して割り出した聞き手の人数とを比較し、ステップ117では、記憶部内のメンバーリスト500を更新する。
(11)第1〜第3の実施形態において、ユーザがサーバ400に対して発言権を要求する操作を行ったこと(ステップS104)を契機として報知制御を行っている(ステップS108、S109)例を示したが、これに限定されるものではない。
(12)第1〜第3の実施形態において、グループ通信の一例としてPTTを例にとって説明したが、これに限定されるものではなく、本発明は、例えば、携帯電話機上で行うテレビ会議等、複数のメンバー間でグループ通信を行う種々の通信形態に適用可能である。
(13)なお、第1〜第3の実施形態において、図6、図9、及び図12に示した携帯電話機100の処理動作については、プログラム言語で記述して携帯電話機100に実行させればよく、また、図7、図10、及び図13に示したサーバ400の処理動作については、プログラム言語で記述してサーバ400に実行させればよい。
Claims (13)
- 発言権を有する通信装置に話し手が入力した音声を、発言権を有さない1以上の聞き手の通信装置に対してサーバを介して送信することで通信を行う携帯電話機であって、
前記サーバから送信される前記聞き手の通信装置の状況を示す状況情報を受信する受信手段と、
音の鳴動回数、聴覚上異なる音として認識される音色、音の長さ、又は、無音若しくは放音である態様のうち、前記状況情報が示す前記聞き手の通信装置の数に応じて異なる態様で報知するよう報知制御を行う報知制御手段とを備え、
前記報知制御手段は、ユーザにより発言権の取得に関する操作がなされた場合に、報知制御を行う
ことを特徴とする携帯電話機。 - ユーザにより発言権の取得に関する前記操作がなされた場合に、前記サーバに対して発言権の取得を要求する要求信号を送信する送信手段を備え、
前記受信手段は、前記要求信号に応答して前記サーバから送信される発言の取得を許可する許可信号を受信し、
前記報知制御手段は、前記受信手段が前記許可信号を受信したときに、報知制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。 - 前記状況情報は、前記聞き手の通信装置の数を示す数情報であり、
前記報知制御手段は、前記数情報が示す数に応じて異なる態様で報知するよう報知制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。 - 前記携帯電話機はさらに、スピーカを具備し、
前記報知制御手段は、前記状況情報が示す前記聞き手の通信装置の数に応じて、前記スピーカにより異なる放音態様で報知するよう報知制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。 - 前記報知制御手段は、前記状況情報が示す前記聞き手の通信装置の数が1である場合は第1の態様で報知するとともに、前記状況情報が示す前記聞き手の通信装置の数が2以上である場合は第2の態様で報知するよう報知制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。 - 前記携帯電話機はさらに、スピーカを具備し、
前記報知制御手段は、前記状況情報が示す前記聞き手の通信装置の数を回数として当該回数前記スピーカより放音することで報知するよう報知制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。 - 前記携帯電話機はさらに、前記状況情報が示す前記聞き手の通信装置の数を記憶する記憶手段を具備し、
前記報知制御手段は、前記許可信号及び前記状況情報を受信したとき、当該受信した状況情報が示す前記聞き手の通信装置の数と前記記憶手段に記憶されている前記聞き手の通信装置の数とを比較するとともに、前記受信した状況情報が示す数のほうが前記記憶手段に記憶されている数よりも多い場合に、所定の態様で報知するよう報知制御を行い、
前記記憶手段は、前記報知制御手段で前記比較が行われた後に、受信した前記状況情報が示す前記聞き手の通信装置の数を記憶することで状況情報を更新する
ことを特徴とする請求項2記載の携帯電話機。 - 前記携帯電話機はさらに、バイブレータを具備し、
前記報知制御手段は、前記状況情報が示す前記聞き手の通信装置の数に応じて、前記バイブレータにより異なる振動の態様で報知するよう報知制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。 - 前記携帯電話機はさらに、発光体を具備し、
前記報知制御手段は、前記状況情報が示す前記聞き手の通信装置の数に応じて、前記発光体により異なる発光態様で報知するよう報知制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。 - 前記携帯電話機は、連結手段を介して互いに重ね合わせ可能に連結された2つの筐体と、
当該2つの筐体のうち少なくとも一方の筐体における、当該2つの筐体を互いに重ね合わせたときに外部から視認できない面に配された表示手段と、
前記2つの筐体が互いに重ね合わさっていることを検出する筐体検出手段とを具備し、
前記報知制御手段は、前記筐体検出手段が前記2つの筐体が互いに重ね合わさっていることを検出したときにのみ、前記状況情報が示す前記聞き手の通信装置の数に応じて異なる態様で報知するよう報知制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。 - 前記携帯電話機はさらに、自機からの出力信号を受信可能な外部装置と接続する接続手段と、
前記接続手段を介して前記外部装置と接続されていることを検出する接続検出手段とを具備し、
前記報知制御手段は、前記接続検出手段が前記外部装置との接続を検出したときにのみ、前記外部装置に対する出力信号を制御することにより当該外部装置を介して報知制御を行う
ことを特徴とする請求項1記載の携帯電話機。 - 発言権を有する通信装置に話し手が入力した音声を、発言権を有さない1以上の聞き手の通信装置に対してサーバを介して送信することで通信を行う携帯電話機における、報知方法であって、
前記サーバから送信される前記聞き手の通信装置の状況を示す状況情報を受信する状況情報受信ステップと、
音の鳴動回数、聴覚上異なる音として認識される音色、音の長さ、又は、無音若しくは放音である態様のうち、前記状況情報が示す前記聞き手の通信装置の数に応じて異なる態様で報知制御を行う報知制御ステップとを含み、
前記報知制御ステップは、ユーザにより発言権の取得に関する操作がなされた場合に、報知制御を行う
ことを特徴とする報知方法。 - 発言権を有する通信装置に話し手が入力した音声を、発言権を有さない1以上の聞き手の通信装置に対してサーバを介して送信することで通信を行う携帯電話機に、報知制御処理を実行させるためのプログラムであって、
前記報知制御処理は、
前記サーバから送信される前記聞き手の通信装置の状況を示す状況情報を受信する状況情報受信ステップと、
音の鳴動回数、聴覚上異なる音として認識される音色、音の長さ、又は、無音若しくは放音である態様のうち、前記状況情報が示す前記聞き手の通信装置の数に応じて異なる態様で報知制御を行う報知制御ステップとを含み、
前記報知制御ステップは、ユーザにより発言権の取得に関する操作がなされた場合に、報知制御を行う
ことを特徴とするプログラム。
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