以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について詳説する。なお、本発明では、段部、編成部分、折目部を区別するために、第1等の順序を表す語句を付しているが、これらの語句は発明毎、形態毎に異なるものであり、共通するものではない。
<第1の形態:請求項1記載の発明に関する>
図1は、第1の形態の編地10の概略斜視図であり、図2は要部平面図(実線部分が構造単位を表しており、符合S1,S2は実線部分の左端における各段部の範囲を表している)、図3は構造単位の組織図である。第1の形態は、斜め方向に沿う折目部が横方向に所定の間隔をあけて複数並設されるとともに、これら斜め方向に沿う折目部間に横方向に沿う折目部が設けられ、斜め方向に沿う折目部は山折目のものと谷折目のものとが横方向に交互に配置されており、横方向に沿う折目部は、鋭角に交わる斜め方向に沿う折目部と反対(鈍角に交わる斜め方向に沿う折目部と同じ)に折れる折目となっているものである。以下、より詳細に説明する。
第1の形態は、縦方向に沿う対辺及び横方向に沿う対辺からなる矩形状をなす構造単位が、縦方向及び横方向に繰り返されてなるものである。この構造単位は、それぞれほぼ同程度の縦方向長さを有する第1及び第2の段部S1,S2が上側からこの順に並設されてなり、これら第1及び第2の段部S1,S2の各々は、縦方向に沿う対辺及び横方向に沿う対辺からなる矩形状をなす矩形状の第1の編成部分L1と、縦方向に沿う対辺及び横方向に沿う対辺からなる矩形状をなし、第1の編成部分L1と同じ縦方向長さを有する第2の編成部分L2とを有している。各段部S1,S2の縦方向長さは同一とすることも、異ならしめることもできる。また、各編成部分L1,L2の横方向幅は同一とすることも、異ならしめることもできる。
第1の段部S1の第1の編成部分L1は、左上角部から右下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第1の折目部11と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第2の折目部12とを有しており、第1の段部S1の第2の編成部分L2は、左上角部から右下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第3の折目部13と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第4の折目部14とを有している。
また、第2の段部S2の第1の編成部分L1は、右上角部から左下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第5の折目部15と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第6の折目部16とを有しており、第2の段部S2の第2の編成部分L2は、右上角部から左下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第7の折目部17と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第8の折目部18とを有している。
また、第1の折目部11と第2の折目部12、第3の折目部13と第4の折目部14、第5の折目部15と第6の折目部16、第7の折目部17と第8の折目部18とは、それぞれ折れ方向が反対とされ、第1、第4、第5及び第8の折り目部11,14,15,18は折れ方向が同じとされ、第2、第3、第6及び第7の折目部12,13,16,17は折れ方向が同じとされている。これら全ての折目部11〜17は、隣接編目に対して編目構造の差異を有することによって山折りまたは谷折りとしてそれぞれ形成されるものである。
かくして構成された編地1においては、第1の編成部分L1における斜め方向に沿う折目部11,15は全て山折目をなして縦方向に沿って列なり、第2の編成部分L2における斜め方向に沿う折目部13,17は全て谷折目をなして縦方向に沿って列なり、これらが横方向に交互に繰り返されてプリーツが形成される。そして、横方向に隣り合う斜め方向に沿う折目部11,13、15,17間に、横方向に沿う折目部12,14,16,18が設けられているため、この横方向に沿う折目部12,14,16,18が突っ支いとなって、その両側に位置する折目部11,13、15,17の相互間隔が狭まり難くなる。よって、ひだの折り目間隔が安定し、寸法・形状の安定性が向上する。しかも、横方向に沿う折目部12,16、14,18の折れ方向をその縦方向に位置する斜め方向に沿う折目部11,15、13,17と反対とすることにより、プリーツの折り畳み・拡大が阻害されることもない。
ここで、隣接編目に対して編目構造の差異を有することによって形成される折目部11〜18を有する編地の具体的な編成方法について説明する。図3は第1の形態の組織図を示しており、図1の外観斜視と表裏が同じになるように記している(他の例における外観斜視図と編み図との関係も同様である)。この図は家庭用編機による機械編を想定したものであり、特に、記号を付してない目はキャリジの左右移動により編成する編目(裏編目となる。以下、機械編目ともいう)であり、記号を付してある目のうちいわゆる2目一度を除く編目は、機械編目を編成するときには針抜き目であるとともに、機械編目を所定段数まで編み上げた後にはタッピーにより当該記号の示すところの編目を作る目(以下、タッピー編目ともいう)である。
特徴的には、かかるタッピー編目が隣接編目に対して編目構造の差異を有することによって前述の各折目部11〜18が形成される。すなわち、かかるタッピー編目は、機械編目の編成段階で横糸が渡されるだけであるため、当該編目で使用される糸長が相対的に短い。したがって、これをタッピーにより編み返した場合、隣接機械編目よりも目が詰まる。
その結果、各折目部11〜18をなす各ウエールは、隣接機械編目と同じく編成されるところであるにもかかわらず、前述のタッピー編みとされるため、隣接機械編目よりも目が詰まっている編目構造を有し、かかる編目構造の差異(変化)によりその境界部が折目をなすようになるのである。このような折目の形成は、折目部の方向を問わないものである。
さらに、上記の斜め方向に沿うタッピー編目の下段側に沿っていわゆる右上または左上2目一度編目を複数入れると、当該2目一度編目と上記の斜めタッピー編目との間に、より大きい隙間が形成され、斜めタッピー編目部位が周囲からハッキリと浮き上がるようになる利点がある。しかし、かかる斜め方向の2目一度編目を設けなくとも、斜め折目部11,13,15,17は十分にくっきりと形成される。なお、これらの2目一度編目は、コンピュータ組込み型の家庭用編機等においては適宜設定を行い、機械的(すなわちキャリジの移動に伴って)に所定の編目移動を行うことによって編成することができ、またかかる編目移動の機能を有しない編機においては、いわゆるウツシで所定の編目移動を行うことによって編成することができる。
針抜き目の作り方は特に限定されないが、例えば次の(1)〜(5)の少なくとも一つを用いることができる。この場合において、編地の折れ方向、折れ長さ等によって針抜き目の作り方を変えることができる。
(1) 針抜き
対象の編目を編む際、針の位置を編まれない位置に退避させた状態で編み、単に横糸を渡すのみとする。
(2) すべり目模様として編む
すべり目は、その目を編まずに糸を横に渡す編み方で、針の位置で模様を編むことができる編み方である。
(3) 引き返し編み
引き返し編みは肩下がりを編むときに用いる編み方であり、針の位置とキャリジの昨日を使って編む編み方である。
(4) 針抜きレース模様で編む
普通の編目を編むキャリジの機能と、編目の移動だけをするレースキャリジとを使用して、選針した針を編まずに模様として針抜きにする編み方である。
(5)その他
横方向一列を針抜き目にする場合には、編地の両端だけを編み、残りをすべり目としたり、編地と同じ編目だけ編み、編地と反対の編目をすべり目とするといった方法を用いることができる。
他方、上記タッピー編目に代えて、対象の編目を編む際に供給糸のテンションを強くし、編目を小さくすることにより、編隣接編目に対して編目構造の差異をもたせて折目部11〜18を形成することも可能である。供給糸のテンションの調節の仕方は、編み機によって異なるが、編目の大小を調節するダイヤルや、供給糸の糸かけの引っ張り具合で変えることができる。
以下に他の実施形態について順次説明するが、折目部の形成原理は同様であるため以下では説明を省略する。
<第2の形態:請求項2記載の発明に関する>
図4は、第2の形態の編地20の概略斜視図であり、図5は要部平面図(実線部分が構造単位を表しており、符合S1〜S4は実線部分の左端における各段部の範囲を表している)、図6は構造単位の組織図である。第2の形態は、斜め方向に沿う折目部と縦方向に沿う折目部とが横方向に所定の間隔をあけて複数並設されるとともに、これら斜め方向に沿う折目部と縦方向に沿う折目部との間に横方向に沿う折目部が設けられ、斜め方向に沿う折目部と縦方向に沿う折目部とは折れ方向が反対となっており、縦方向に沿う折目部と横方向に沿う折目部とは折れ方向が同じ(谷折り)となっているものである。以下、より詳細に説明する。
第2の形態は、縦方向に沿う対辺及び横方向に沿う対辺からなる矩形状をなす構造単位が、縦方向及び横方向に繰り返されてなるものである。この構造単位は、それぞれほぼ同程度の縦方向長さを有する第1〜第4の段部S1〜S4が上側からこの順に並設されてなり、これら第1〜第4の段部S1〜S4の各々は、縦方向に沿う対辺及び横方向に沿う対辺からなる矩形状をなす矩形状の第1の編成部分L1と、縦方向に沿う対辺及び横方向に沿う対辺からなる矩形状をなし、第1の編成部分L1と同じ縦方向長さを有する第2の編成部分L2とを有している。各段部S1〜S4の縦方向長さは同一とすることも、異ならしめることもできる。また、各編成部分L1,L2の横方向幅は同一とすることも、異ならしめることもできる。
第1の段部S1の第1の編成部分L1は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第1の折目部21と、左上角部から右下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第2の折目部22とを有しており、第1の段部S1における第2の編成部分L2は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第3の折目部23と、右上角部から左下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第4の折目部24とを有している。
第2の段部S2における第1の編成部分L1は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第5の折目部25と、右上角部から左下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第6の折目部26と、下縁に沿って左端から右端まで展開状態で横方向に沿う折り目をなす第7の折目部27とを有している。また、第2の段部S2における第2の編成部分L2は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第8の折目部28と、左上角部から右下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第9の折目部29と、下縁に沿って左端から右端まで展開状態で横方向に沿う折り目をなす第10の折目部30とを有している。
第3の段部S3の第1の編成部分L1は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第11の折目部31と、右上角部から左下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第12の折目部32とを有しており、第3の段部S3における第2の編成部分L2は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第13の折目部33と、左上角部から右下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第14の折目部34とを有している。
第4の段部S4における第1の編成部分L1は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第15の折目部35と、左上角部から右下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第16の折目部36と、下縁に沿って左端から右端まで展開状態で横方向に沿う折り目をなす第17の折目部37とを有している。また、第4の段部S4における第2の編成部分L2は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第18の折目部38と、右上角部から左下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第19の折目部39と、下縁に沿って左端から右端まで展開状態で横方向に沿う折り目をなす第20の折目部40とを有している。
さらに、全ての縦方向に沿う各折目部21,23,25,28,31,33,35,38は折れ方向が同じ(谷折り)であり、全ての斜め方向に沿う各折目部22,24,26,29,32,34,36,39は折れ方向が同じ(山折り)であり、且つ縦方向に沿う各折目部21,23,25,28,31,33,35,38と斜め方向に沿う各折目部22,24,26,29,32,34,36,39とは折れ方向が反対とされている。また、展開状態で横方向に沿う全ての折目部27,30,37,40は、縦方向に沿う折目部と折れ方向21,23,25,28,31,33,35,38が同じ(谷折り)とされている。これら全ての折目部21〜40は、隣接編目に対して編目構造の差異を有することによって山折りまたは谷折りとしてそれぞれ形成されるものである。
かくして構成された編地1では、各段部S1〜S4において折れ方向が反対となる縦方向に沿う折目部21,23,25,28,31,33,35,38と斜め方向に沿う折目部22,24,26,29,32,34,36,39とが横方向に交互に繰り返されることによってプリーツが形成される。そして、横方向に隣り合う縦方向に沿う折目部28,35と斜め方向に沿う折目部26,29,36,39との間に、展開状態で横方向に沿う折目部27,30,37,40が設けられているため、この展開状態で横方向に沿う折目部27,30,37,40が突っ支いとなって、その両側に位置する折目部の相互間隔が狭まり難くなる。よって、ひだの折り目間隔が安定し、寸法・形状の安定性が向上する。しかも、展開状態で横方向に沿う折目部27,30,37,40の折れ方向を斜め方向に沿う折目部22,24,26,29,32,34,36,39と反対とすることにより、プリーツの折り畳み・拡大が阻害されることもない。
<第3の形態:請求項3記載の発明に関する>
図7は、第3の形態の編地50の概略斜視図であり、図8は要部平面図(実線部分が構造単位を表しており、符合S1,S2は実線部分の左端における各段部の範囲を表している)、図9は構造単位の組織図である。第1及び第2の形態は折り畳み可能な部分に横方向に沿う折目部を組み込むのに対して、第3の形態(以降に説明する第4〜第14の形態も同様)は、折り畳み可能な部分と、横方向に沿う折目部を有する幅寸法保持部とを横方向に交互に設けることにより、全体としてプリーツを形成するものである。以下、より詳細に説明する。
第3の形態の編地50は、縦方向に沿う対辺及び横方向に沿う対辺からなる矩形状をなす構造単位が、縦方向及び横方向に繰り返されてなるものである。この構造単位は、それぞれ同程度の縦方向長さを有する第1及び第2の段部S1,S2が上側からこの順に並設されてなり、これら第1及び第2の段部S1,S2の各々は、縦方向に沿う対辺及び横方向に沿う対辺からなる矩形状をなす矩形状の第1の編成部分L1と、縦方向に沿う対辺及び横方向に沿う対辺からなる矩形状をなし、第1の編成部分L1と同じ縦方向長さを有する、第2の編成部分L2、第3の編成部分L3、第4の編成部分L4とを有しており、第1の編成部分L1、第3の編成部分L3、第2の編成部分L2及び第4の編成部分L4が左側からこの順に横方向に並ぶものである。各段部S1,S2の縦方向長さは同一とすることも、異ならしめることもできる。また、各編成部分L1〜L4の横方向幅は同一とすることも、異ならしめることもできる。
第1の段部S1の第1の編成部分L1は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第1の折目部51と、右上角部から左下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第2の折目部52とを有しており、第1の段部S1の第2の編成部分L2は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第3の折目部53と、左上角部から右下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第4の折目部54とを有している。また、第1の段部S1の第3の編成部分L3は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第5の折目部55と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第6の折目部56とを有しており、第1の段部S1の第4の編成部分L4は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第7の折目部57と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第8の折目部58とを有している。
第2の段部S2の各編成部分L1〜L4も第1の段部S1と同じ位置に折目部を有している。すなわち、第2の段部S2の第1の編成部分L1は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第9の折目部59と、右上角部から左下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第10の折目部60とを有しており、第2の段部S2の第2の編成部分L2は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第11の折目部61と、左上角部から右下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第12の折目部62とを有している。また、第2の段部S2の第3の編成部分L3は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第13の折目部63と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第14の折目部64とを有しており、第2の段部S2の第4の編成部分L4は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第15の折目部65と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第16の折目部66とを有している。
第1及び第2の段部S1,S2の各々においては、縦方向に沿う各折目部は折れ方向が同じであり、斜め方向に沿う各折目部は折れ方向が同じであり、且つ縦方向に沿う各折目部と斜め方向に沿う各折目部とは折れ方向が反対とされている。また、第1の段部S1における縦方向に沿う各折目部と、第2の段部S2における縦方向に沿う各折目部とは折れ方向が反対とされ、第1の段部S1における斜め方向に沿う各折目部と、第2の段部S2における斜め方向に沿う各折目部とは折れ方向が反対とされている。
第6の折目部56及び第16の折目部66は第10の折目部60と折れ方向が同じとされ、第8の折目部58及び第14の折目部64は第2の折目部52と折れ方向が同じとされている。これら全ての折目部51〜66は、隣接編目に対して編目構造の差異を有することによって山折りまたは谷折りとしてそれぞれ形成されるものである。
かくして構成された編地50では、各段部S1,S2において、縦方向に沿う折目部間に斜め方向に沿う折目部が設けられた折り畳み可能な部分と、横方向に沿う折目部を有する幅寸法保持部とが横方向に交互に配置されることにより、幅寸法保持部は幅方向に伸縮しないものの、全体としてはプリーツをなすようになる。そして、幅寸法保持部の横方向に沿う折目部が突っ支いとなって、その両側に位置する折目部の相互間隔が狭まり難くなる。よって、ひだの折り目間隔が安定し、寸法・形状の安定性が向上する。しかも、第1の段部S1の斜め方向に沿う各折目部と第2の段部S2の斜め方向に沿う各折目部とは、折れ方向が反対とされ、且つ横方向に沿う折目部の折れ方向は、端部が交わる斜め方向に沿う折目部と同じとされていることにより、プリーツの折り畳み・拡大が阻害されることもない。
<第4の形態:請求項3記載の発明に関する>
図10は、第4の形態の編地70の概略斜視図であり、図11は要部平面図(実線部分が構造単位を表しており、符号S1,S2は実線部分の左端における各段部の範囲を表している)、図12は構造単位の組織図である。第4の形態は、第3の形態の構造単位から第4の編成部分L4を省略し、第1の編成部分L1、第3の編成部分L3及び第2の編成部分L2が左側からこの順に横方向に並ぶ構造単位とした点が異なるものである。よって、図10〜図12中に同じ符号を用い、説明は省略する。
<第5の形態:請求項3記載の発明に関する>
図13は、第5の形態の編地71の概略斜視図であり、図14は要部平面図(実線部分が構造単位を表しており、符号S1,S2は実線部分の左端における各段部の範囲を表している)、図15は構造単位の組織図である。第5の形態は、第3の形態の構造単位から第3の編成部分L3を省略し、第1の編成部分L1、第2の編成部分L2及び第4の編成部分L4が左側からこの順に横方向に並ぶ構造単位とした点が異なるものである。よって、図13〜図15中に同じ符号を用い、説明は省略する。
<第6の形態:請求項3記載の発明に関する>
図16は、第6の形態の編地80の概略斜視図であり、図17は要部平面図(実線部分が構造単位を表しており、符合S1〜S4は実線部分の左端における各段部の範囲を表している)、図18は構造単位の組織図である。第6の形態は、第3の形態と同様、折り畳み可能な部分と、横方向に沿う折目部を有する幅寸法保持部とを横方向に交互に設けることにより、全体としてプリーツを形成するものである。以下、より詳細に説明する。
第6の形態の編地80は、縦方向に沿う対辺及び横方向に沿う対辺からなる矩形状をなす構造単位が、縦方向及び横方向に繰り返されてなるものである。この構造単位は、それぞれ同程度の縦方向長さを有する第1〜第4の段部S1〜S4が上側からこの順に並設されてなり、これら第1〜第4の段部S1〜S4の各々は、縦方向に沿う対辺及び横方向に沿う対辺からなる矩形状をなす矩形状の第1の編成部分L1と、縦方向に沿う対辺及び横方向に沿う対辺からなる矩形状をなし、第1の編成部分L1と同じ縦方向長さを有する、第2の編成部分L2、第3の編成部分L3、及び第4の編成部分L4とを有しており、第1の編成部分L1、第3の編成部分L3、第2の編成部分L2及び第4の編成部分L4が左側からこの順に横方向に並ぶものである。各段部S1〜S4の縦方向長さは同一とすることも、異ならしめることもできる。また、各編成部分L1〜L4の横方向幅は同一とすることも、異ならしめることもできる。
第1の段部S1においては、第1の編成部分L1は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第1の折目部81と、左上角部から右下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第2の折目部82とを有しており、第2の編成部分L2は、左縁に沿って上端から下端まで第3の折目部83と、右上角部から左下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第4の折目部84とを有しており、第3の編成部分L3は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第5の折目部85と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第6の折目部86とを有しており、第4の編成部分L4は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第7の折目部87を有している。
第2の段部S2においては、第1の編成部分L1は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第8の折目部88と、右上角部から左下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第9の折目部89とを有しており、第2の編成部分L2は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第10の折目部90と、左上角部から右下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第11の折目部91とを有しており、第3の編成部分L3は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第12の折目部92と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第13の折目部93とを有しており、第4の編成部分L4は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第14の折目部94と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第15の折目部95とを有している。
第3の段部S3においては、第1の編成部分L1は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第16の折目部96と、右上角部から左下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第17の折目部97とを有しており、第2の編成部分L2は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第18の折目部98と、左上角部から右下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第19の折目部99とを有しており、第3の編成部分L3は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第20の折目部100を有しており、第4の編成部分L4は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第21の折目部101と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第22の折目部102とを有している。
第4の段部S4においては、第1の編成部分L1は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第23の折目部103と、左上角部から右下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第24の折目部104とを有しており、第2の編成部分L2は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第25の折目部105と、右上角部から左下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第26の折目部106とを有しており、第3の編成部分L3は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第27の折目部107と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第28の折目部108とを有しており、第4の編成部分L4は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第29の折目部109と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第30の折目部110とを有している。
また、第1〜第4の段部S1〜S4の各々においては、縦方向に沿う各折目部は折れ方向が同じとされ、斜め方向に沿う各折目部は折れ方向が同じであり、且つ縦方向に沿う各折目部と斜め方向に沿う各折目部とは折れ方向が反対とされている。
さらに、第1の段部S1における縦方向に沿う各折目部と、第2の段部S2における縦方向に沿う各折目部とは折れ方向が同じとされ、第1の段部S1における斜め方向に沿う各折目部と、第2の段部S2における斜め方向に沿う各折目部とは折れ方向が同じとされ、第3の段部S3における縦方向に沿う各折目部と、第4の段部S4における縦方向に沿う各折目部とは折れ方向が同じとされ、第3の段部S3における斜め方向に沿う各折目部と、第4の段部S4における斜め方向に沿う各折目部とは折れ方向が同じとされている。
また、第1の段部S1及び第2の段部S2における縦方向に沿う各折目部と、第3の段部S3及び第4の段部S4における縦方向に沿う各折目部とは折れ方向が反対とされ、第1の段部S1及び第2の段部S2における斜め方向に沿う各折目部と、第3の段部S3及び第4の段部S4における斜め方向に沿う各折目部とは折れ方向が反対とされている。
さらに、第6の折目部86、第15の折目部95及び第30の折目部110は第2の折目部82と折れ方向が同じとされ、第13の折目部93、第22の折目部102及び第28の折目部108は第17の折目部97と折れ方向が同じとされている。これら全ての折目部81〜110は、隣接編目に対して編目構造の差異を有することによって山折りまたは谷折りとしてそれぞれ形成されるものである。
かくして構成された編地80では、各段部S1〜S4における、縦方向に沿う折目部81と85、83と87、88と92、90と94、96と100、98と101、103と107、105と109の間に、斜め方向に沿う折目部82,84,89,91,97,99,104,106が設けられた折り畳み可能な部分と、横方向に沿う折目部86,93,95,108,102,110を有する幅寸法保持部とが横方向に交互に配置されることにより、幅寸法保持部は幅方向に伸縮しないものの、全体としてはプリーツをなすようになる。そして、幅寸法保持部の横方向に沿う折目部86,93,95,108,102,110が突っ支いとなって、その両側に位置する折目部の相互間隔が狭まり難くなる。よって、ひだの折り目間隔が安定し、寸法・形状の安定性が向上する。しかも、横方向に沿う折目部86,93,95,108,102,110は、端部が交わる斜め方向に沿う折目部82,84,89,91,97,99,104,106と折れ方向が同じとされていることにより、プリーツの折り畳み・拡大が阻害されることもない。
<第7の形態:請求項3記載の発明に関する>
図19は、第4の形態の編地111の概略斜視図であり、図20は要部平面図(実線部分が構造単位を表しており、符合S1〜S4は実線部分の左端における各段部の範囲を表している)、図21は構造単位の組織図である。第7の形態は、第6の形態の構造単位から第4の編成部分L4を省略し、第1の編成部分L1、第3の編成部L3分及び第2の編成部分L2が左側からこの順に横方向に並ぶ構造単位とした点が異なるものである。よって、図19〜図21中に同じ符号を用い、説明は省略する。
<第8の形態:請求項3記載の発明に関する>
図22は、第5の形態の編地112の概略斜視図であり、図23は要部平面図(実線部分が構造単位を表しており、符合S1〜S4は実線部分の左端における各段部の範囲を表している)、図24は構造単位の組織図である。第8の形態は、第6の形態の構造単位から第3の編成部分L3を省略し、第1の編成部分L1、第2の編成部分L2及び第4の編成部分L4が左側からこの順に横方向に並ぶ構造単位とした点が異なるものである。よって、図22〜図24中に同じ符号を用い、説明は省略する。
<第9の形態:請求項3記載の発明に関する>
図25は、第9の形態の編地120の概略斜視図であり、図26は要部平面図(実線部分が構造単位を表しており、符合S1〜S6は実線部分の左端における各段部の範囲を表している)、図27は構造単位の組織図である。第9の形態は、第3の形態と同様、折り畳み可能な部分と、横方向に沿う折目部を有する幅寸法保持部とを横方向に交互に設けることにより、全体としてプリーツを形成するものであり、第3の形態と第6の形態とを組み合わせたものである。以下、より詳細に説明する。
第9の形態の編地120は、縦方向に沿う対辺及び横方向に沿う対辺からなる矩形状をなす構造単位が、縦方向及び横方向に繰り返されてなるものである。この構造単位は、それぞれ同程度の縦方向長さを有する第1〜第6の段部S1〜S6が上側からこの順に並設されてなり、これら第1〜第6の段部S1〜S6の各々は、縦方向に沿う対辺及び横方向に沿う対辺からなる矩形状をなす矩形状の第1の編成部分L1と、縦方向に沿う対辺及び横方向に沿う対辺からなる矩形状をなし、第1の編成部分L1と同じ縦方向長さを有する、第2の編成部分L2、第3の編成部分L3、及び第4の編成部分L4とを有しており、第1の編成部分L1、第3の編成部分L3、第2の編成部分L2及び第4の編成部分L4が左側からこの順に横方向に並ぶものである。各段部S1〜S6の縦方向長さは同一とすることも、異ならしめることもできる。また、各編成部分L1〜L4の横方向幅は同一とすることも、異ならしめることもできる。
第1の段部S1においては、第1の編成部分L1は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第1の折目部121と、左上角部から右下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第2の折目部122とを有しており、第2の編成部分L2は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第3の折目部123と、右上角部から左下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第4の折目部124とを有しており、第3の編成部分L3は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第5の折目部125と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第6の折目部126とを有しており、第4の編成部分L4は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第7の折目部127と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第8の折目部128とを有している。
第2の段部S2においては、第1の編成部分L1は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第9の折目部129と、左上角部から右下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第10の折目部130とを有しており、第2の編成部分L2は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第11の折目部131と、右上角部から左下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第12の折目部132とを有しており、第3の編成部分L3は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第13の折目部133と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第14の折目部134とを有しており、第4の編成部分L4は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第15の折目部135と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第16の折目部136とを有している。
第3の段部S3においては、第1の編成部分L1は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第17の折目部137と、左上角部から右下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第18の折目部138とを有しており、第2の編成部分L2は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第19の折目部139と、右上角部から左下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第20の折目部140とを有しており、第3の編成部分L3は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第21の折目部141と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第22の折目部142とを有しており、第4の編成部分L4は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第23の折目部143を有している。
第4の段部S4においては、第1の編成部分L1は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第24の折目部144と、右上角部から左下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第25の折目部145とを有しており、第2の編成部分L2は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第26の折目部146と、左上角部から右下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第27の折目部147とを有しており、第3の編成部分L3は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第28の折目部148と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第29の折目部149とを有しており、第4の編成部分L4は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第30の折目部150と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第31の折目部151とを有している。
第5の段部S5においては、第1の編成部分L1は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第32の折目部152と、右上角部から左下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第33の折目部153とを有しており、第2の編成部分L2は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第34の折目部154と、左上角部から右下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第35の折目部155とを有しており、第3の編成部分L3は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第36の折目部156を有しており、第4の編成部分L4は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第37の折目部157と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第38の折目部158とを有している。
第6の段部S6においては、第1の編成部分L1は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第39の折目部159と、左上角部から右下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第40の折目部160とを有しており、第2の編成部分L2は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第41の折目部161と、右上角部から左下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第42の折目部162とを有しており、第3の編成部分L3は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第43の折目部163と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第44の折目部164とを有しており、第4の編成部分L4は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第45の折目部165と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第46の折目部166とを有している。
また、第1〜第6の段部S1〜S6の各々においては、縦方向に沿う各折目部は折れ方向が同じとされ、斜め方向に沿う各折目部は折れ方向が同じとされ、且つ縦方向に沿う各折目部と斜め方向に沿う各折目部とは折れ方向が反対とされている。
さらに、第1の段部S1における縦方向に沿う各折目部と、第3の段部S3における縦方向に沿う各折目部と、第4の段部S4における縦方向に沿う各折目部とは折れ方向が同じとされ、第1の段部S1における斜め方向に沿う各折目部と、第3の段部S3における斜め方向に沿う各折目部と、第4の段部S4における斜め方向に沿う各折目部とは折れ方向が同じとされている。一方、第2の段部S2における縦方向に沿う各折目部と、第5の段部S5における縦方向に沿う各折目部と、第6の段部S6における縦方向に沿う各折目部とは折れ方向が同じとされ、第2の段部S2における斜め方向に沿う各折目部と、第5の段部S5における斜め方向に沿う各折目部と、第6の段部S6における斜め方向に沿う各折目部とは折れ方向が同じとされている。
また、第1の段部S1、第3の段部S3及び第4の段部S4における縦方向に沿う各折目部と、第2の段部S2、第5の段部S5及び第6の段部S6における縦方向に沿う各折目部とは折れ方向が反対とされ、第1の段部S1、第3の段部S3及び第4の段部S4における斜め方向に沿う各折目部と、第2の段部S2、第5の段部S5及び第6の段部S6における斜め方向に沿う各折目部とは折れ方向が反対とされている。
さらに、第6の折目部126及び第46の折目部166は第2の折目部122と折れ方向が同じとされ、第8の折目部128及び第14の折目部134は第10の折目部130と折れ方向が同じとされ、第16の折目部136、第22の折目部142及び第31の折目部151は第18の折目部138と折れ方向が同じとされ、第29の折目部149、第38の折目部158及び第44の折目部164は第33の折目部153と折れ方向が同じとされている。これら全ての折目部121〜160は、隣接編目に対して編目構造の差異を有することによって山折りまたは谷折りとしてそれぞれ形成されるものである。
かくして構成された編地120では、各段部S1〜S6における、縦方向に沿う折目部121と125、123と127、129と133、131と135、137と141、139と143、144と148、146と150、152と156、154と157、159と163、161と165の間に、斜め方向に沿う折目部122,124,130,132,138,140,145,147,153,155,160,162が設けられた折り畳み可能な部分と、横方向に沿う折目部126,128,134,136,142,149,151,158,164,166を有する幅寸法保持部とが横方向に交互に配置されることにより、幅寸法保持部は幅方向に伸縮しないものの、全体としてはプリーツをなすようになる。そして、幅寸法保持部の横方向に沿う折目部126,128,134,136,142,149,151,158,164,166が突っ支いとなって、その両側に位置する折目部の相互間隔が狭まり難くなる。よって、ひだの折り目間隔が安定し、寸法・形状の安定性が向上する。しかも、横方向に沿う折目部126,128,134,136,142,149,151,158,164,166は、端部が交わる斜め方向に沿う折目部122,124,130,132,138,140,145,147,153,155,160,162と折れ方向が同じとされていることにより、プリーツの折り畳み・拡大が阻害されることもない。
<第10の形態:請求項3記載の発明に関する>
図28は、第10の形態の編地161の概略斜視図であり、図29は要部平面図(実線部分が構造単位を表しており、符合S1〜S6は実線部分の左端における各段部の範囲を表している)、図30は構造単位の組織図である。第10の形態は、第9の形態の構造単位から第4の編成部分L4を省略し、第1の編成部分L1、第3の編成部L3分及び第2の編成部分L2が左側からこの順に横方向に並ぶ構造単位とした点が異なるものである。よって、図28〜図30中に同じ符号を用い、説明は省略する。
<第11の形態:請求項3記載の発明に関する>
図31は、第11の形態の編地162の概略斜視図であり、図32は要部平面図(実線部分が構造単位を表しており、符合S1〜S6は実線部分の左端における各段部の範囲を表している)、図33は構造単位の組織図である。第11の形態は、第9の形態の構造単位から第3の編成部分L3を省略し、第1の編成部分L1、第2の編成部分L2及び第4の編成部分L4が左側からこの順に横方向に並ぶ構造単位とした点が異なるものである。よって、図31〜図33中に同じ符号を用い、説明は省略する。
<第12の形態:請求項3記載の発明に関する>
図34は、第12の形態の編地170の概略斜視図であり、図35は要部平面図(実線部分が構造単位を表しており、符合S1〜S6は実線部分の左端における各段部の範囲を表している)、図36は構造単位の組織図である。第12の形態は、第3の形態と同様、折り畳み可能な部分と、横方向に沿う折目部を有する幅寸法保持部とを横方向に交互に設けることにより、全体としてプリーツを形成するものであり、第6の形態の第1の段部S1と第2の段部S2との間及び第3の段部S3と第4の段部S4との間に、斜め方向に沿う折目部を有しない段部をそれぞれ挿入した形態である。以下、より詳細に説明する。
第12の形態の編地170は、縦方向に沿う対辺及び横方向に沿う対辺からなる矩形状をなす構造単位が、縦方向及び横方向に繰り返されてなるものである。この構造単位は、それぞれ同程度の縦方向長さを有する第1〜第6の段部S1〜S6が上側からこの順に並設されてなり、これら第1〜第6の段部S1〜S6の各々は、縦方向に沿う対辺及び横方向に沿う対辺からなる矩形状をなす矩形状の第1の編成部分L1と、縦方向に沿う対辺及び横方向に沿う対辺からなる矩形状をなし、第1の編成部分L1と同じ縦方向長さを有する、第2の編成部分L2、第3の編成部分L3、及び第4の編成部分L4とを有しており、第1の編成部分L1、第3の編成部分L3、第2の編成部分L2及び第4の編成部分L4が左側からこの順に横方向に並ぶものである。各段部S1〜S6の縦方向長さは同一とすることも、異ならしめることもできる。また、各編成部分L1〜L4の横方向幅は同一とすることも、異ならしめることもできる。
第1の段部S1においては、第1の編成部分L1は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第1の折目部171と、左上角部から右下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第2の折目部172とを有しており、第2の編成部分L2は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第3の折目部173と、右上角部から左下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第4の折目部174とを有しており、第3の編成部分L3は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第5の折目部175と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第6の折目部176とを有しており、第4の編成部分L4は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第7の折目部177を有している。
第2の段部S2においては、第1の編成部分L1は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第8の折目部178を有しており、第2の編成部分L2は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第9の折目部179を有しており、第3の編成部分L3は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第10の折目部180と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第11の折目部181とを有しており、第4の編成部分L4は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第12の折目部182を有している。
第3の段部S3においては、第1の編成部分L1は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第13の折目部183と、右上角部から左下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第14の折目部184とを有しており、第2の編成部分L2は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第15の折目部185と、左上角部から右下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第16の折目部186とを有しており、第3の編成部分L3は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第17の折目部187と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第18の折目部188とを有しており、第4の編成部分L4は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第19の折目部189と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第20の折目部190とを有している。
第4の段部S4においては、第1の編成部分L1は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第21の折目部191と、右上角部から左下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第22の折目部192とを有しており、第2の編成部分L2は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第23の折目部193と、左上角部から右下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第24の折目部194とを有しており、第3の編成部分L3は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第25の折目部195を有しており、第4の編成部分L4は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第26の折目部196と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第27の折目部197とを有している。
第5の段部S5においては、第1の編成部分L1は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第28の折目部198を有しており、第2の編成部分L2は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第29の折目部199を有しており、第3の編成部分L3は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第30の折目部200を有しており、第4の編成部分L4は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第31の折目部201と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第32の折目部202とを有している。
第6の段部S6における第1の編成部分L1は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第33の折目部203と、左上角部から右下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第34の折目部204とを有しており、第2の編成部分L2は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第35の折目部205と、右上角部から左下角部まで斜め方向に沿う折り目をなす第36の折目部206とを有しており、第3の編成部分L3は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第37の折目部207と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第38の折目部208とを有しており、第4の編成部分L4は、左縁に沿って上端から下端まで縦方向に沿う折り目をなす第39の折目部209と、下縁に沿って左端から右端まで横方向に沿う折り目をなす第40の折目部210とを有している。
また、第1の段部S1、第3の段部S3、第4の段部S4及び第6の段部S6の各々においては、縦方向に沿う各折目部は折れ方向が同じとされ、斜め方向に沿う各折目部は折れ方向が同じとされ、且つ縦方向に沿う各折目部と斜め方向に沿う各折目部とは折れ方向が反対とされている。一方、第2の段部S2及び第5の段部S5の各々においては、第1の編成部分L1及び第4の編成部分L4における縦方向に沿う各折目部は折れ方向が同じとされ、第2の編成部分L2及び第3の編成部分L3における縦方向に沿う各折目部は折れ方向が同じとされ、且つ第1の編成部分L1及び第4の編成部分L4における縦方向に沿う各折目部と、第2の編成部分L2及び第3の編成部分L3における縦方向に沿う各折目部とは折れ方向が反対とされている。
さらに、第1の段部S1における縦方向に沿う各折目部と、第2の段部S2における第1の編成部分L1及び第4の編成部分L4の縦方向に沿う各折目部と、第3の段部S3における縦方向に沿う各折目部とは折れ方向が同じとされ、第1の段部S1における斜め方向に沿う各折目部と、第3の段部S3における斜め方向に沿う各折目部とは折れ方向が同じとされ、第4の段部S4における縦方向に沿う各折目部と、第5の段部S5における第2の編成部分L2及び第3の編成部分L3の縦方向に沿う各折目部と、第6の段部S6における縦方向に沿う各折目部とは折れ方向が同じとされ、第4の段部S4における斜め方向に沿う各折目部と、第6の段部S6における斜め方向に沿う各折目部とは折れ方向が同じとされている。
また、第1の段部S1における縦方向に沿う各折目部、第2の段部S2における第1の編成部分L1及び第4の編成部分L4の縦方向に沿う各折目部、及び第3の段部S3における縦方向に沿う各折目部と、第4の段部S4における縦方向に沿う各折目部、第5の段部S5における第2の編成部分L2及び第3の編成部分L3の縦方向に沿う各折目部、及び第6の段部S6における縦方向に沿う各折目部とは折れ方向が反対とされ、第1の段部S1及び第3の段部S3における斜め方向に沿う各折目部と、第4の段部S4及び第6の段部S6における斜め方向に沿う各折目部とは折れ方向が反対とされている。
さらに、第6の折目部176及び第40の折目部210は第2の折目部172と折れ方向が同じとされ、第11の折目部181及び第20の折目部190は第14の折目部184と折れ方向が同じとされ、第18の折目部188及び第27の折目部197は第22の折目部192と折れ方向が同じとされ、第32の折目部202及び第38の折目部208は第34の折目部204と折れ方向が同じとされている。これら全ての折目部121〜160は、隣接編目に対して編目構造の差異を有することによって山折りまたは谷折りとしてそれぞれ形成されるものである。
かくして構成された編地170では、第1の段部S1、第3の段部S3、第4の段部S4、及び第6の段部S6における、縦方向に沿う折目部171と175、173と177、183と187、185と189、191と195、193と196、203と207、205と209の間に、斜め方向に沿う折目部172,174,184,186,192,194,204,209が設けられた折り畳み可能な部分と、横方向に沿う折目部176,181,188,190,197,202,208,210を有する幅寸法保持部とが横方向に交互に配置されることにより、幅寸法保持部は幅方向に伸縮しないものの、全体としてはプリーツをなすようになる。そして、幅寸法保持部の横方向に沿う折目部176,181,188,190,197,202,208,210が突っ支いとなって、その両側に位置する折目部の相互間隔が狭まり難くなる。よって、ひだの折り目間隔が安定し、寸法・形状の安定性が向上する。しかも、横方向に沿う折目部176,181,188,190,197,202,208,210は、端部が交わる斜め方向に沿う折目部172,174,184,186,192,194,204,209と折れ方向が同じとされていることにより、プリーツの折り畳み・拡大が阻害されることもない。さらに、本形態では、斜め方向に沿う折目部を有しない第2の段部S2及び第5の段部S5が介在されているため、プリーツの外観がよりすっきりとなる。しかも、第2の段部S2における縦方向に沿う折目部178,179,180,182、及び第5の段部S5における縦方向に沿う折目部198,199,200,201の折れ方向が、折り畳み可能な部分の折り畳みを阻害することもない。
<第13の形態:請求項3記載の発明に関する>
図37は、第13の形態の編地211の概略斜視図であり、図38は要部平面図(実線部分が構造単位を表しており、符合S1〜S6は実線部分の左端における各段部の範囲を表している)、図39は構造単位の組織図である。第13の形態は、第12の形態の構造単位から第4の編成部分L4を省略し、第1の編成部分L1、第3の編成部L3分及び第2の編成部分L2が左側からこの順に横方向に並ぶ構造単位とした点が異なるものである。よって、図37〜図39中に同じ符号を用い、説明は省略する。
<第14の形態:請求項3記載の発明に関する>
図40は、第14の形態の編地212の概略斜視図であり、図41は要部平面図(実線部分が構造単位を表しており、符合S1〜S6は実線部分の左端における各段部の範囲を表している)、図42は構造単位の組織図である。第14の形態は、第12の形態の構造単位から第3の編成部分L3を省略し、第1の編成部分L1、第2の編成部分L2及び第4の編成部分L4が左側からこの順に横方向に並ぶ構造単位とした点が異なるものである。よって、図40〜図42中に同じ符号を用い、説明は省略する。
<その他>
(a)本発明の編地は、手編みでも機械編でも編成することができる。しかし、特に上記例のように1段中の所定の目だけ詰める(目幅を小さくする)ことで折目を形成する場合、目幅を均等に詰めるのは手編みでは非常に困難な作業となる。したがって、上述のように機械編で編成することを推奨する。
(b)編み機の種類によっては、仕様上、上記例の組織図(編み図)のままでは編成が不可能な場合があるが、編み機の仕様に合わせて、適宜段や編目をずらしたり、段や編目を増減したり、編目を部分的に変えたりすることで、同様の折目部を有する編地を編成することができる。
(c)本発明においては、プリーツの広がりを防止するために適宜の形状保持加工を施すのが好ましい。形状保持加工としては、プリーツが広がらないように編地を糸で止める糸止め方法や、編糸と溶着糸とを引き揃えて編成した後、あるいは編糸に対して溶着糸を添え糸とした添糸編みによって編成した後、折目を折り曲げた状態として、アイロンのような加圧・加熱手段によって加熱しながら加圧し、溶着糸を編糸に溶着させることによって形状保持を行う方法を推奨する。後者の場合、溶着糸が溶着後には溶けて見えなくなるようにするのが好ましい。特に溶着糸を添え糸とした添糸編みの場合、溶着糸が編地の一方がわ面(任意)にのみ露出するように編成できるので、肌触りを良くしたい面や見栄えを良くしたい面の反対がわ面に溶着糸が出るようにすることで、溶着糸の影響(溶け残りが見栄えを悪くしたり、溶着部位の肌触りが悪くなったりすること)を防止できる利点がある。
さらに本発明の編地に適用する形状保持加工には、他の公知の形状保持加工(編地以外の素材に適用されるものも含む)、例えば単なる加熱処理や、形状保持剤を用いた加熱処理なども含まれる。
(d)本発明においては、縦または斜め折目部以外の部分については、折目を入れず、上記例のように平編み構造とするほか、模様編みとすることもできる。
(e)本発明においては斜め折目部の角度は特に限定されない。例えば前述の各例においては、斜め折目部をなす表編みまたは裏編みのタッピー編目は、2段縦並びで編んだ後に横の列にずらし、再度2段縦並びで編んだ後に横の列にずらすようにして形成されている。しかし、この縦並びで編むタッピー編目の数を増減することによって、例えば3目縦並びとすることによって、斜め折目部の角度を変えることができる。またもちろん、同一編地において斜め折目部毎に斜め折目部の角度をそれぞれ変えたり、同一斜め折目部内において縦並びで編むタッピー編目の数を増減することによって斜め折目部を円弧状等の曲線状としたりすることもできる。
(f)いうまでもないが、本発明の範囲内において、上記形態の一部の構造を他の形態に組み込むことも可能である。また、本発明の編地例は、衣服等に部分的に適用したり、或いはこれを単位構造として更に大きな編地として衣服等を形成したりすることもできる。
10,20,50,70,71,80,111,112,120,161,162,170,211,212…編地、L1…第1の編成部分、L2…第2の編成部分、L3…第3の編成部分、L4…第4の編成部分、S1…第1の段部、S2…第2の段部、S3…第3の段部、S4…第4の段部、S5…第5の段部、S6…第6の段部。