以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図7は本発明の第1の実施形態を例示する。図1において、1は遊技機本体で、矩形枠状の外枠2と、この外枠2に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。前枠3はガラス扉4及び前面板5を備え、その裏側に遊技盤6が配置されている。前面板5には、発射用の遊技球を貯留する上皿7が設けられている。前枠3の下部には余剰球を貯留する下皿8と、遊技盤6の遊技領域9(図2参照)へと遊技球を発射するための発射手段10用の発射ハンドル11とが設けられている。
遊技盤6には、図2に示すように、遊技球を案内するガイドレール12が装着されると共に、このガイドレール12の内側の遊技領域9に主表示手段13、第1図柄始動手段14、第2図柄始動手段15、開閉作動式の可変入賞手段16、普通入賞手段17〜19等の複数個の遊技部品が装着されている。
第2図柄始動手段15は、一対の開閉爪24を備えた開閉式であって、第1図柄表示手段20の変動後の第1図柄が所定態様(予め定められた所定の図柄)となることを条件に、開閉爪24が所定時間開放するようになっている。
可変入賞手段16は、第2図柄表示手段21の変動後の第2図柄が特定態様(同種図柄の組み合わせ等)となることを条件に、下部側の横軸廻りに回動する開閉板25が前側に開放するようになっている。可変入賞手段16の内部は複数個に分割され、その一部が特定領域26となっている。また可変入賞手段16は、これに入賞した遊技球を検出する入賞検出手段26aと、特定領域26を通過する遊技球を検出する通過検出手段26bとが設けられている。
主表示手段13は、図3及び図4に示すように、第1図柄表示手段20と第2図柄表示手段21と演出表示手段22と隠蔽手段23とを一体化したユニット体28aにより構成され、遊技領域9の略中央部分に配置されると共に、遊技盤6に対して前側から着脱自在に装着されている。なお、第2図柄表示手段21と演出表示手段22は、1個の液晶表示手段により一体に構成されている。
主表示手段13は、矩形状の表示窓27を有する表示ケース体28と、表示ケース体28の裏側にその表示窓27に対応して装着された液晶表示部29と、液晶表示部29を裏側から覆うカバー体30と、液晶表示部29の裏側でカバー体30内に収納された表示制御基板31とを備えている。
表示ケース体28は、遊技盤6の装着孔32に嵌合すると共に、前飾り板33が遊技盤6の前面に当接しており、その前飾り板33の上部側に、表示窓27の上部側を取り囲むように庇部34が設けられている。庇部34には、上部中央に主題の「ねずみ」のキャラクター等の装飾体35が、その下側に第1図柄表示手段20が夫々設けられている。
液晶表示部29は、透明又は着色透明の窓板36を介して表示窓27に対応しており、その表示領域の上部側が演出表示手段22となり、下部側が第2図柄表示手段21となっている。第2図柄表示手段21は、左右方向に複数個、例えば3個の図柄表示部37a〜37cを備え、その各図柄表示部37a〜37cに第2図柄38a〜38cを変動表示可能である。
第2図柄38a〜38cには、数字図柄、キャラクター、その他の適宜遊技図柄が使用可能であり、この実施形態では0〜9の数字図柄が使用されている。そして、この第2図柄38a〜38cは、第2図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件に、所定の変動パターン39でスクロール等により所定時間変動して停止するようになっている。なお、波線矢印は、第2図柄38a〜38cの変動中、及び変動方向を示す。
第2図柄38a〜38cの変動パターン39には、図5に示すように、リーチなし変動パターン39A、ノーマルリーチ変動パターン39B、第1スーパーリーチ変動パターン39C、第2スーパーリーチ変動パターン39D、全回転変動パターン39E等の多種類のものがあり、その変動パターン39によって、変動後の第2図柄38a〜38cが特定態様となる信頼が設定され、また信頼度の高い変動パターン39ほど出現率が低くなっている。
演出表示手段22は、第2図柄表示手段21の図柄変動とは異なった演出表示40を行うためのもので、例えば遊技機が「ねずみ」を主題とする場合には、その「ねずみ」に関連するキャラクター、その他の演出表示40を動画的に出現させるように構成されている。
演出表示40には、図5に示すように、例えば第2図柄38a〜38cのノーマルリーチ変動パターン39B、第1スーパーリーチ変動パターン39C、第2スーパーリーチ変動パターン39D、全回転変動パターン39E等に対応して、ノーマルリーチ変動演出表示40B、第1スーパーリーチ変動演出表示40C、第2スーパーリーチ変動演出表示40D、全回転変動演出表示40E等の多種類(複数種類)の演出表示40がある。
隠蔽手段23は、演出表示手段22の演出表示40の全部(又は一部)の認識が困難な隠蔽状態(図3参照)と、認識が容易な非隠蔽状態(図6参照)とに変化可能であり、演出表示手段22の前側に配置された隠蔽部材41と、この隠蔽部材41を隠蔽状態と非隠蔽状態とに駆動する駆動手段42とを備えている。隠蔽部材41は前面側に緞帳様の隠蔽模様が表示された板材等により構成され、演出表示手段22の前側で下降位置の隠蔽状態と上昇位置の非隠蔽状態とに上下動自在である。なお、隠蔽部材41は、その左右両端側が窓板36の前側近傍で表示ケース体28の左右両側に形成された案内部43により上下摺動自在に案内されている。
駆動手段42は、カバー体30を含む表示ケース体28側に設けられたソレノイド44を備え、その可動鉄心45の前端側がリンク46等の連動手段を介して隠蔽部材41に連動連結されている。ソレノイド44は前後方向に配置され、カバー体30上のブラケット47に左右方向の枢軸48を介して揺動自在に枢支されている。リンク46はL字状等であって、ブラケット47上に左右方向のピン49を介して揺動自在に枢支されると共に、その一端側が可動鉄心45に連結され、また他端側の係合部50が隠蔽部材41の上端側の被係合部51に係合されている。可動鉄心45には、この可動鉄心45を前方向に付勢するバネ52が套嵌されており、隠蔽部材41はこのバネ52により通常は隠蔽状態に保持されている。
第1図柄表示手段20は、1個又は複数個、例えば1個の第1図柄を表示し、第1図柄始動手段14が遊技球を検出することを条件に、その第1図柄が乱数制御により所定時間変動して停止するようになっている。なお、第1図柄表示手段20は、液晶表示部29の上部に設けられている。また第1図柄にも例えば0〜9までの数字図柄が使用され、その数字図柄が順次昇順又は降順方向に変動するようになっている。
図7は制御用のブロック図である。図7において、53は主制御基板であり、この主制御基板53は、遊技領域9側に装着された液晶表示部、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠3及び遊技盤6を含む遊技機本体1の裏側の適当箇所に着脱自在に装着された基板ケースに収納されている。なお、65はランプ制御基板、66は音声制御基板である。
主制御基板53には、第1図柄表示手段20に関連する制御機能の他に、第2図柄表示手段21の制御に関連して乱数抽選手段54、遊技判定手段55、変動パターン選択手段56、停止図柄選択手段57、特別遊技状態発生手段58、制御コマンド送信手段59等を備えている。
乱数抽選手段54は、変動後の第2図柄38a〜38cが特定態様となる確率が例えば1/360のときに0〜359までの360個の乱数値を発生する等、その確率に応じて所定数の乱数値を発生し、第2図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件に、その何れかの乱数値を抽選するようになっている。
遊技判定手段55は、乱数抽選手段54での抽選乱数値に基づいて変動後の第2図柄38a〜38cが特定態様となるか否か、即ち特別遊技状態を発生させるか否かを判定するためのもので、乱数抽選手段54で抽選された抽選乱数値が特定態様判定値(遊技状態判定値)か否かを判定し、その抽選乱数値が特定態様判定値のときに特定態様(遊技状態発生)の判定出力を出すようになっている。
特別遊技状態発生手段58は、遊技判定手段55の判定結果が特定態様判定のときに、第2図柄表示手段21の変動後の第2図柄38a〜38cが「7・7・7」等の特定態様となることに基づいて、遊技者に有利となる特別遊技状態を発生させるためのものである。
この特別遊技状態発生手段58は、第2図柄表示手段21の変動後の第2図柄38a〜38cが特定態様となった後に可変入賞手段16の開閉板25を開放し、また開閉板25の開放から所定時間が経過するか、所定時間の経過までに可変入賞手段16に所定数の遊技球が入賞したときに開閉板25を閉じ、更に通過検出手段26bが特定領域26を通過する遊技球を検出することを条件に、最大所定回数(例えば16回)まで開閉動作(第1遊技状態)を継続させるようになっている。
停止図柄選択手段57は、遊技判定手段55の判定結果に応じて第2図柄表示手段21の変動後の第2図柄38a〜38cの種類を選択するためのもので、判定結果が特定態様判定のときに、複数種類の特定態様の中から1つを乱数抽選により選択して、変動後の第2図柄38a〜38cが特定態様となる図柄の種類を設定し、また判定結果が特定態様判定以外のときに、複数種類の非特定態様の中から1つを乱数抽選により選択して、変動後の第2図柄38a〜38cが非特定態様となる図柄の種類を設定するためのものである。なお、非特定態様のときには、3個の第2図柄38a〜38cの内、少なくとも1個が異なる図柄となる。
変動パターン選択手段56は、遊技判定手段55の判定結果に応じて多種類(複数種類)の変動パターン39の中から1つを乱数抽選により択一的に選択するためのもので、判定結果が特定態様判定のときにノーマルリーチ変動パターン39B、第1スーパーリーチ変動パターン39C、第2スーパーリーチ変動パターン39D、全回転変動パターン39E等の多種類(複数種類)の変動パターン39の中から1つを、判定結果が非特定態様判定のときにリーチなし変動パターン39A、リーチ変動パターン39B〜39Dの中から1つを夫々選択するようになっている。
なお、通常、特定態様となる信頼度の低い変動パターン39ほど、変動パターン選択手段56がその変動パターン39を選択する可能性が大となるように、各変動パターン39B〜39Eの信頼度に応じて選択率が大になっている。
制御コマンド送信手段59は、所定の制御コマンドを一方向通信により表示制御基板31側へと送信して制御指令を与えるためのもので、第2図柄始動手段15が遊技球を検出したときに、遊技判定手段55の判定結果、変動パターン選択手段56で選択された変動パターン39、停止図柄選択手段57で選択された停止図柄等に基づいて、第2図柄38a〜38cの変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド等を送信して、第2図柄38a〜38cの変動、停止等を指令するようになっている。
表示制御基板31は、第1図柄表示手段20の変動制御に関連する制御機能の他に、第2図柄表示手段21の変動制御等に関連して第2図柄制御手段60、演出制御手段61、隠蔽制御手段62を備えている。第2図柄制御手段60は、第2図柄始動手段15が遊技球を検出することを条件に、制御コマンド送信手段59からの各コマンドを解析して、その各コマンドに基づいて第2図柄表示手段21の第2図柄38a〜38cを所定の変動パターン39A〜39E等で所定時間変動させて、遊技判定手段55の判定結果が特定態様判定のときに特定態様で、それ以外のときに非特定態様で第2図柄38a〜38cを停止させるようになっている。
演出制御手段61は、制御コマンド送信手段59からの変動パターンコマンド等を解析して、その変動パターンコマンド等に基づいて演出表示手段22に出現する演出表示40を動画的に制御するためのものである。演出表示40には、例えば第2図柄38a〜38cのノーマルリーチ変動パターン39B、第1スーパーリーチ変動パターン39C、第2スーパーリーチ変動パターン39D、全回転変動パターン39E等に対応して、ノーマルリーチ変動演出表示40B、第1スーパーリーチ変動演出表示40C、第2スーパーリーチ変動演出表示40D、全回転変動演出表示40E等の多種類(複数種類)がある。そして、演出制御手段61は、変動後の第2図柄38a〜38cが特定態様となる可能性(信頼度)が高い場合を含めて、特定態様となる可能性がある場合に、多種類の演出表示40の中から1つを選択して、第2図柄38a〜38cの変動中に例えばリーチとなる等の適宜時点に演出指令を出して、演出表示手段22の演出表示40を制御するようになっている。
なお、演出表示40は、変動後の第2図柄38a〜38cが非特定態様のときにはその確定時点まで、特定態様のときには特別遊技状態の終了まで夫々表示される。また第2図柄38a〜38cのリーチなし変動パターン39Aに対応するリーチなし変動演出表示を設けても良い。
隠蔽制御手段62は、制御コマンド送信手段59からの変動パターンコマンド等を解析して、その変動パターンコマンド等に基づいて隠蔽手段23を隠蔽状態と非隠蔽状態とに変化可能に制御するためのもので、通常時には隠蔽部材41が演出表示手段22を前側から覆う隠蔽状態とし、変動後の第2図柄38a〜38cが特定態様となる可能性(信頼度)が高い場合を含めて、特定態様となる可能性がある場合に、演出表示手段22の演出表示40に同期して非隠蔽状態とするように制御すべく構成されている。従って、この隠蔽制御手段62は、第2図柄38a〜38cの変動中に例えばリーチとなる等の適宜時点に隠蔽解除指令を出して隠蔽部材41が非隠蔽状態に上昇し、変動後の第2図柄38a〜38cが非特定態様のときにはその変動の終了後に、特定態様のときには特別遊技状態の終了後に隠蔽指令を出して隠蔽部材41が隠蔽状態に下降するように駆動手段42のソレノイド44を制御可能になっている。
次に上記パチンコ機における動作について説明する。ゲームに際して発射手段10により遊技球を発射すると、その遊技球はガイドレール12を経て遊技領域9に入った後、その遊技領域9内を落下する間に普通入賞手段17〜19等に入賞するか、第1図柄始動手段14を通過しながら下方へと落下する。第1図柄始動手段14が遊技球を検出すると、第1図柄表示手段20の第1図柄が所定時間変動して所定態様又は非所定態様で停止する。そして、第1図柄が所定態様で停止すると、第2図柄始動手段15の開閉爪24が所定時間開放し、この第2図柄始動手段15に遊技球が入賞し易くなる。
第2図柄始動手段15の開閉爪24が開放して遊技球が入賞し、この第2図柄始動手段15が遊技球を検出すると、乱数抽選手段54が発生乱数値を抽選し、遊技判定手段55がその抽選乱数値から特定態様か否かを判定し、その判定結果に応じて変動パターン選択手段56が変動パターン39を選択すると共に、停止図柄選択手段57が第2図柄38a〜38cの変動後の停止図柄の種類を選択する。そして、制御コマンド送信手段59が第2図柄38a〜38cの変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンドを一方向通信により表示制御基板31側へと送信し、第2図柄38a〜38cの変動、停止等を指令する。
第2図柄制御手段60では制御コマンド送信手段59からの各コマンドを解析して、そのコマンドに基づいて第2図柄表示手段21の第2図柄38a〜38cを所定の変動パターン39等で所定時間変動させ、遊技判定手段55の判定結果が特定態様判定のときに特定態様で、それ以外のときに非特定態様で第2図柄38a〜38cを停止させる。
遊技判定手段55の判定結果が特定態様判定の場合には、変動パターン選択手段56が変動パターン39の中から1つを選択し、停止図柄選択手段57が0〜9の数字図柄の中から、変動後の第2図柄38a〜38cの種類の何れかを乱数抽選等により抽選する。そして、制御コマンド送信手段59が、変動パターン選択手段56により選択された変動パターン39の変動パターンコマンド、停止図柄選択手段57により選択された図柄の図柄コマンド等を表示制御基板31側へと送信する。これによって第2図柄38a〜38cは、第2図柄制御手段60の制御により所定の変動パターン39で所定時間変動した後に、その停止図柄コマンドにより指定された種類の図柄で停止して特定態様となる。
例えば、遊技判定手段55が特定態様と判定し、変動パターン選択手段56が第1スーパーリーチ変動パターン39Cを選択し、停止図柄選択手段57が「7」を選択すると、第2図柄38a〜38cは第2図柄制御手段60の制御により第1スーパーリーチ変動パターン39Cで所定時間変動し、左右がともに「7」となるリーチを経た後、最終的に「7・7・7」の特別態様で特定態様となる。
変動後の第2図柄38a〜38cが特定態様となると、その後に特別遊技状態発生手段58が作動して特別遊技状態が発生し、可変入賞手段16の開閉板25が前側に開放する。可変入賞手段16は、開放から所定時間が経過するか、所定時間内に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞すれば、その時点で開閉板25が閉じる。そして、入賞した遊技球が特定領域26を通過すれば、再度開閉板25が開放し、最大所定回数(例えば16回)まで開閉動作を繰り返す。
一方、演出制御手段61、隠蔽制御手段62が変動パターンコマンドを解析し、第2図柄38a〜38cの第1スーパーリーチ変動パターン39Cでの変動中にリーチになると、図6に示すように演出制御手段61の制御により演出表示手段22に、第1スーパーリーチ変動パターン39Cに対応するキャラクター、その他の第1スーパーリーチ変動演出表示40Cが出現し、隠蔽手段23の隠蔽部材41が非隠蔽状態に上昇して、演出表示手段22の演出表示40により、遊技者に対して第2図柄38a〜38cの第1スーパーリーチ変動パターン39Cでの変動を演出する。
隠蔽手段23の隠蔽部材41は、通常は図3に示すように、演出表示手段22を前側から隠蔽した隠蔽状態にある。しかし、第2図柄38a〜38cがリーチになれば、隠蔽制御手段62の隠蔽解除指令によりソレノイド44の可動鉄心45がバネ52に抗して後退し、リンク46がピン49廻りにa矢示方向に回動するので、隠蔽部材41が上昇して図6に示すように非隠蔽状態となる。そして、この隠蔽手段23が非隠蔽状態となると同時、又はそれと相前後して演出表示手段22が第1スーパーリーチ変動演出表示40Cを動画的に表示する。
変動後の第2図柄38a〜38cが非特定態様の場合には、その第2図柄38a〜38cの確定後に隠蔽部材41が下降して演出表示手段22を隠蔽し、演出表示手段22の第1スーパーリーチ変動演出表示40Cが消える。しかし、変動後の第2図柄38a〜38cが特定態様の場合には、隠蔽手段23は特別遊技状態発生手段58による特別遊技状態が最終的に終了するまで非隠蔽状態を継続し、その間に演出表示手段22に表示される演出表示40により特別遊技状態を演出する。
このように演出表示手段22の演出表示40を隠蔽するための隠蔽手段23を設け、この隠蔽手段23を隠蔽状態と非隠蔽状態とに変化させることにより、従来の演出表示手段22のみによる演出に比較して演出性に変化を持たせ遊技者の興趣を喚起できる利点がある。特に隠蔽部材41をソレノイド44等の駆動手段42により隠蔽状態と非隠蔽状態とに上下動させる場合には、その構造を簡単にできる。
図8及び図9は本発明の第2の実施形態を例示し、この実施形態では、演出表示40として「リーチ!」等の文字を使用し、通常は隠蔽手段23を隠蔽状態にしておき、第2図柄38a〜38cがリーチになった場合に、隠蔽手段23を非隠蔽状態にすると共に、演出表示手段22に「リーチ!」の演出表示40を出現させるようにしている。
第2図柄38a〜38cの変動中は、図9(A)に示すように、隠蔽手段23の隠蔽部材41が下降して隠蔽状態にある。第2図柄38a〜38cは、図8(B)〜(D)に示すように、左、右、中の順序で停止する。この場合、左の第2図柄38a〜38cが例えば「7」等のある図柄で停止し、右の第2図柄38a〜38cがそれと同種の図柄で停止すると、図8及び図9(D)に示すように、隠蔽部材41が非隠蔽状態まで上昇して、演出表示手段22の「リーチ!」の演出表示40が出現する。このように演出表示40は、文字、その他のものでも良い。
図10は本発明の第3の実施形態を例示し、この実施形態では、隠蔽手段23は通常、演出表示手段22の演出表示40を認識可能な非隠蔽状態にあり、その後に隠蔽状態と非隠蔽状態とに変化するようにしている。例えば、図10(A)に示すように、通常、隠蔽部材41は非隠蔽状態の上昇位置にある。そして、第2図柄38a〜38cの変動中に、図10(A)(B)に示すように、左の第2図柄38a〜38cが「7」等で停止した時点、その他の適宜時点で「アタレ!」等の予告的な演出表示40が演出表示手段22に出現した後、左右の第2図柄38a〜38cが同種のリーチになれば、一旦、隠蔽部材41が図10(C)に示すように隠蔽状態に下降して、演出表示手段22の演出表示40を隠蔽する。そして、第2図柄38a〜38cが特定態様となれば、図10(D)に示すように隠蔽部材41が非隠蔽状態に上昇して、演出表示手段22の「大当たり」等の演出表示40が出現する。
このように隠蔽手段23は、通常、非隠蔽状態にあり、変動後の第2図柄38a〜38cが特定態様となる可能性が高い場合に、第2図柄38a〜38cの変動中に隠蔽部材41が非隠蔽状態から隠蔽状態へと変化するようにしても良い。また変動後の第2図柄38a〜38cが特定態様となる可能性が高い場合に、第2図柄38a〜38cの変動中に隠蔽状態と非隠蔽状態とを1回又は複数回繰り返すようにしても良い。
図11〜13は本発明の第4の実施形態を例示し、この実施形態では、第2図柄表示手段21と演出表示手段22とを別体に構成すると共に、隠蔽手段23の隠蔽部材41が左右に開閉して、演出表示手段22の演出表示40の一部を隠蔽する隠蔽状態と非隠蔽状態とに変化するようにしている。
第2図柄表示手段21は、3個の7セグメント式の図柄表示部37a〜37cを備え、表示ケース体28の表示窓27の上部側に配置されている。演出表示手段22は液晶式等であって、仕切り部64を介して第2図柄表示手段21の下側に配置されており、この演出表示手段22に対応して隠蔽手段23が配置されている。
隠蔽手段23は、可撓性を有するカーテン式等の隠蔽部材41を左右に備え、仕切り部64の裏側のガイド部68内に配置された1個又は複数個の摺動子69により左右方向に開閉自在に吊り下げられている。各隠蔽部材41に対応する摺動子69は、リンク67を介して駆動手段42のソレノイド44の可動鉄心45に連結されている。
この場合、左右一対の隠蔽部材41は、通常、演出表示手段22の左右方向の中央部を除く一部を隠蔽する隠蔽状態にある。従って、遊技者は、隠蔽状態でも演出表示手段22の中央部分の演出表示40を確認可能である。変動後の第2図柄38a〜38cが特定態様となる可能性が高い場合には、隠蔽制御手段62から適宜時点に隠蔽解除指令があり、ソレノイド44が作動して可動鉄心45がb矢示方向へと移動し、各隠蔽部材41側の摺動子69をガイド部68に沿って外側へと移動させる。このため各隠蔽部材41が左右両側へと開放して非隠蔽状態になり、演出表示手段22の演出表示40の全体が出現し、その演出表示40により演出できる。
各実施形態には、次の各発明が包含されている。その第1の発明は、遊技盤6に、遊技球を検出する始動手段15と、該始動手段15が遊技球を検出することを条件に複数個の図柄が所定時間変動する図柄表示手段21とを備え、前記図柄表示手段21の変動後の図柄が特定態様となった場合に遊技者に有利な遊技状態を発生させる遊技状態発生手段58を備えた弾球遊技機において、前記遊技盤6に、前記図柄表示手段21とは異なった演出表示40を行う演出表示手段22を備え、該演出表示手段22の前記演出表示40の全て又は一部の認識が困難な隠蔽状態と、認識が容易な非隠蔽状態とに変化可能な隠蔽手段23を備えたものである。
第2の発明は、第1の発明において、前記図柄表示手段21と前記演出表示手段22を別体としたものである。第3の発明は、第1又は2の発明において、前記演出表示手段22と前記隠蔽手段23は別体であり、前記隠蔽手段23は、前記演出表示手段22の演出表示40を隠蔽可能な隠蔽部材41と、該隠蔽部材41を前記隠蔽状態と前記非隠蔽状態とに駆動する駆動手段42とを備えたものである。
第4の発明は、第1〜3の何れかの発明において、前記隠蔽手段23は、通常時には前記隠蔽状態にあり、変動後の前記図柄が前記特定態様となる可能性が高い場合に前記非隠蔽状態となるようにしたものである。第5の発明は、第1〜3の何れかの発明において、前記隠蔽手段23は、通常時には前記非隠蔽状態にあり、変動後の前記図柄が前記特定態様となる可能性が高い場合に前記隠蔽状態となるようにしたものである。
第6の発明は、第1〜5の何れかの発明において、前記隠蔽手段23は、変動後の前記図柄が前記特定態様となる可能性が高い場合に、前記隠蔽状態と前記非隠蔽状態とに繰り返し変化可能にしたものである。第7の発明は、第1〜6の何れかの発明において、前記図柄表示手段21と前記演出表示手段22と前記隠蔽手段23とによりユニット体28aを構成し、該ユニット体28aを前記遊技盤6に前側から着脱自在に装着したものである。
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明はこれらの各実施形態に限定されるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では、第2図柄表示手段21の第2図柄38a〜38cとの関係で演出表示40をする演出表示手段22、その演出表示40を隠蔽する隠蔽手段23等を例示しているが、第1図柄表示手段20の第1図柄との関係においても同様に実施可能である。従って、図柄は、第2図柄38a〜38c、第1図柄の別を問うものではない。
演出表示手段22に液晶式のものを使用する場合には、その画像処理により隠蔽手段23を構成することも可能である。例えば、演出表示手段22の表示領域に演出表示40を表示しておき、その演出表示40に重ねて隠蔽画像を表示することにより、演出表示40を隠蔽するように構成しても良い。従って、隠蔽手段23は、各実施形態に例示の機械的手段によるものの他、隠蔽画像を利用した電気的手段を採用することも可能である。この場合にも、画像上の隠蔽手段23は、隠蔽画像の有無によって隠蔽状態と非隠蔽状態とに変化可能である。
演出表示手段22には、隠蔽手段23による隠蔽中も常時、何等かの演出表示40を表示しておき、その演出表示40の変化に同期して隠蔽手段23を制御するようにしても良い。演出表示40の表示内容は、キャラクター、その他を動画的に表示しても良いし、文字、記号等を表示しても良い。
可動式の隠蔽部材41と、この隠蔽部材41を駆動する駆動手段42とを備えた隠蔽手段23の場合、その隠蔽部材41は隠蔽状態と非隠蔽状態とに変化可能なものであれば十分であり、また駆動手段42は隠蔽部材41を隠蔽状態と非隠蔽状態とに駆動可能なものであれば十分である。例えば、駆動手段42には、ソレノイド44の他、モータ等を使用することもできる。なお、駆動手段42は電気的に制御可能な電動式であることが望ましい。
隠蔽部材41は、演出表示手段22の演出表示40を明瞭に識別できない程度の半透明な板材等により構成しても良い。隠蔽制御手段62は、表示制御基板31以外の基板、例えばランプ制御基板65、音声制御基板66等に設けても良い。また隠蔽制御手段62に専用の基板を設けても良い。
更に本発明は、パチンコ機は勿論のこと、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の弾球遊技機においても同様に実施可能である。