1.この実施の形態におけるパチンコ遊技機
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、略円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bは、それぞれ、例えば、7セグメントやドットマトリクスのLED(Light Emitting Diode)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄が、変動可能に表示される。以下においては、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出装置の1つとして画像表示装置5が設けられている。なお、パチンコ遊技機1は、画像表示装置5の他にも各種の演出装置(例えば、スピーカ8、遊技効果ランプ9、可動役物17等)を備えている。
画像表示装置5は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域においては、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば、3つといった複数の可変表示手段となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示は、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいては、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときには、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示される。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hにおいては、特図ゲームに対応した可変表示の保留数を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生する。
図1に示す例においては、始動入賞記憶表示エリア5Hと共に、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、始動領域としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bにおいては、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過し難い通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bにおいては、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過し易い拡大開放状態となる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過した遊技球は、例えば、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過した遊技球は、例えば、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値以下である場合には、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値以下である場合には、第2始動条件が成立する。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7においては、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7においては、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過し易くする。
大入賞口を通過した遊技球は、例えば、図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過したときには、例えば、第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過したときよりも多くの賞球が払い出される。
遊技盤2の所定位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄を変動可能に表示する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームと称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば、4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車、及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口としては、例えば、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一又は複数の一般入賞口が設けられてもよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられている。更に、遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドルが設けられている。
画像表示装置5の上部には、可動役物17が設けられている。図1に示す可動役物17は、図示する位置を初期位置として、図示下方に移動可能な可動役物を例示している。例えば、可動役物17は、画像表示装置5の飾り図柄表示エリア5Cの中心位置まで降下する。下降した可動役物17は、上昇して初期位置に戻る。また、図1に例示する可動役物17は、回転可能である。例えば、可動役物17は、時計回り又は反時計回りに回転する。なお、可動役物17は、上下移動とともに回転可能である。図1で例示する可動役物17は、複数のLED9CCを備えることができる。LED9CCは、可動役物17が移動や回転をするときに点灯動作をさせてもよいし、移動や回転をしないときに点灯動作をさせてもよい。LED9CCの点灯動作には、1つのLED9CCの点灯動作又は点滅動作、又は複数のLED9CCの点灯動作又は点滅動作を含む。なお、本実施の形態では、可動役物17を遊技盤2の中央に配置する場合を例示したが、可動役物17の配置はこれに限定されない、例えば、遊技機用枠3の上部位置に配置してもよい。また、遊技機用枠3の上部位置の左又は右に配置してもよい。さらに複数の可動役物を遊技盤2又は遊技機用枠3に配置してもよい。
可動役物17による演出動作とは、例えば、可動役物17を上下に移動させる、可動役物17を回転させる、又はLED9CCを点灯させる等の動作を、それぞれ単独で又は組み合わせで行う動作をいう。また、これらの動作に、例えば、遊技効果ランプ9の点灯動作、画像表示装置5の表示等を組み合わせて動作させてもよい。
可動役物17による演出動作には、複数の態様が存在する。本実施の形態では、可動役物17による演出動作として、強動作(強演出)、弱動作(弱演出)の2種類を用意している。強動作及び弱動作は、いずれも可動役物17の降下を伴う動作であり、強動作が実行されると、可動役物17が画像表示装置5の幅方向中央であって、高さ方向の中央よりもやや下方の位置(以下「下側移動位置」という)に移動する。弱動作が実行されると、可動役物17が画像表示装置5の幅方向中央であって、高さ方向の中央よりもやや上方の位置(以下「上側移動位置」という)に移動する。このため、可動役物17が強動作によって下側移動位置に移動すると、画像表示装置の幅方向中央であって高さ方向やや下方位置(以下「下側隠蔽位置」という)が可動役物17によって隠される。また、可動役物17が弱動作によって上側移動位置に移動すると、画像表示装置の幅方向中央であって高さ方向やや上方位置(以下「上側隠蔽位置」という)が可動役物17によって隠される。弱演出及び強演出は、互いに単独で実行されるようにしてもよいし、弱演出が実行された後に、発展演出として強演出が実行されるようにしてもよい。なお、弱動作や強動作が実行される際には、画像表示装置5に文字情報が表示されることがある。
可動役物17において、強動作と弱動作とは、例えば、可動役物17の上下の移動速度、上下の移動回数、下降位置、回転速度、回転方向、LED9CCの点灯動作の少なくても1つが異なるものであればよい。また、可動役物17の強動作は、可動役物17の弱動作に比べ、大当り期待度(信頼度)が高いものであればよい。また、弱動作は、弱動作及び強動作が実行されない場合に比べ、大当り期待度が高いものであればよい。なお、可動役物17による演出動作を役物演出とも称する。また、大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される。
可動役物17による役物演出は、遊技者の操作がなく実行される。具体的には、例えば、画像表示装置5による演出動作である飾り図柄の可変表示の演出パターン(変動パターン)と、可動役物17による演出動作の態様を規定する演出パターンとを別々に用意しておき、当該可動役物17による演出動作の態様を規定する演出パターンが、変動パターンに応じて選択されることにより、飾り図柄の可変表示中に、遊技者の操作がなくても役物演出が実行される。また、可動役物17による演出動作の態様を含む変動パターンを用意しておき、可動役物17による演出動作の態様を含む変動パターンが選択されることにより、飾り図柄の可変表示中に、遊技者の操作がなくても役物演出が実行されるようにしてもよい。
あるいは、可動役物17による役物演出は、遊技者の操作に応じた操作演出として実行可能としてもよい。操作演出とは、遊技者の操作(動作)に応じて複数の態様で実行可能な演出であり、複数の態様に対応する複数の操作演出パターンが用意されている。操作演出が実行されるときには、プッシュボタン31Bなどの操作手段に対する遊技者の操作(動作)を促進する(促す)促進演出が実行されるようにしてもよい。
また、可動役物17は、画像表示装置5に代えて又は加えて、他の演出装置(例えば、スピーカ8、遊技効果ランプ9等)とともに動作(連動)可能である。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持する上皿が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球等を、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば、下皿本体の上面における手前側の所定位置等に、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含む。操作桿の所定位置には、トリガボタンが設けられている。
上皿を形成する部材には、例えば、上皿本体の上面における手前側の所定位置等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的又は電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン31Bに対して成された遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次は、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1においては、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームにおいては、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示する。確定普通図柄として特定の普通図柄が停止表示された場合には、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となり、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示された場合には、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応しては、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたこと等により第1始動条件が成立した後には、例えば、前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたこと等により第2始動条件が成立した後には、例えば、前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したこと等により第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいては、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を導出表示する。このときには、確定特別図柄として特定の特別図柄が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示された場合には、「ハズレ」となる。
特図ゲームにおいての可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンドを所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間が経過するまでの期間、又は所定個数の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数に達するまで、繰り返し実行可能となっている。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいては、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」、の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間においては、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組み合わせの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については変動が継続している表示状態、或いは全部又は一部の飾り図柄が大当り組み合わせの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
また、リーチ状態となったことに対応しては、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像を表示させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることによって、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作は、リーチ演出表示という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9等の発光体における点灯動作等を、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様が異なる複数種類の演出パターンが、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様においては、「大当り」となる可能性が異なる。即ち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性は、異ならせることができる。
一例として、この実施の形態においては、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があること等を、飾り図柄の可変表示態様等により遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがあるようにしてもよい。具体的には、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。
「滑り」の可変表示演出においては、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図画柄表示エリアのうち所定数の飾り図柄表示エリアにて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることによって、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
「擬似連」の可変表示演出においては、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動させる演出表示を、所定回行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。「擬似連」の可変表示演出においては、擬似連変動が1回〜3回行われることにより、第1開始条件又は第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、各種の演出動作が実行されてもよい。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出、又は「滑り」や「擬似連」等の可変表示演出とは異なり、例えば、所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯等のように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があること等を、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。
予告演出には、画像表示装置5に「チャンス!」「レバーを引け!」などの文字情報が演出の一部として表示されるパターンの演出がある。また、予告演出としては、このような文字情報が表示されるパターンの演出と、文字情報が非表示となるパターンの演出とを含む複数の予告演出があり、これらの中からいずれかのパターンの予告演出が実行される。ただし、予告演出として、文字情報が表示されるパターンの予告演出のみが実行されるようにしてもよい。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前に実行されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
さらに、予告演出には、画像表示装置5に表示される画像による演出のほか、可動役物17が作動する演出がある。例えば、予告演出が開始されると、図1に示す可動役物17が作動して強動作または弱動作を行う演出が実行される。また、予告演出としては、このような可動役物17が作動する演出と、可動役物17が非作動となる演出とを含む複数の予告演出があり、これらの中からいずれかの予告演出が実行される。ただし、予告演出では、可動役物17が作動するパターンの予告演出のみが実行されるようにしてもよい。また、可動役物17が強動作または弱動作のうちの1つのみの動作を実行してもよく、これらの動作を複数実行してもよい。
したがって、予告演出では、画像表示装置5への文字情報の表示・非表示と、可動役物17の作動・非作動の組み合わせで4パターンの演出がある。そのうちの1つの予告演出は、画像表示装置5への文字情報が表示され、可動役物17が作動する演出である。他の予告演出は、画像表示装置5への文字情報が表示され、可動役物17が非作動となる演出である。さらに他の予告演出は、画像表示装置5への文字情報が非表示となり、可動役物17が作動する演出である。さらに他の予告演出は、画像表示装置5への文字情報が非表示となり、可動役物17が非作動となる演出である。予告演出では、これらの中からいずれかのパターンの予告演出が実行される。また、文字情報には、図3(A)に示す第1文字情報W1と、図3(B)に示す第2文字情報W2がある。このうち、第2文字情報が画像表示装置5に表示された場合には、第1文字情報が画像表示装置5に表示された場合に比べ、大当り期待度(信頼度)が高いものであればよい。また、第1文字情報が画像表示装置5に表示された場合には、第1文字情報及び第2文字情報が画像表示装置5に表示されない場合に比べ、大当り期待度が高いものであればよい。
予告演出のうちには、先読み予告演出となるものが含まれる。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性等が予告される対象となる可変表示を開始するより前に、特図ゲームの保留情報等に基づいて実行可能となる予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり、可変表示結果が「大当り」となる可能性等を連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出とも称される。なお、特図ゲームが1回実行される間に、飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、当該飾り図柄を再び変動させる演出表示を所定回数行い、擬似的に複数回の可変表示が実行されているかのように見せる「擬似連」の可変表示演出を実行する遊技機においては、当該擬似的な複数回の可変表示にわたり、可変表示結果が「大当り」となる可能性等を連続して予告する予告演出も連続予告演出に含まれる。
先読み予告演出においても、上記の予告演出と同様、画像表示装置5に「チャンス!」「レバーを引け!」などの文字情報が演出の一部として表示されるパターンの演出がある。また、先読み予告演出としては、このような文字情報が表示されるパターンの演出と、文字情報が非表示となるパターンの演出とを含む複数種類の先読み予告演出があり、これらの中からいずれかのパターンの先読み予告演出が実行される。ただし、先読み予告演出として、文字情報が表示されるパターンの先読み予告演出のみが実行されるようにしてもよい。
また、先読み予告演出は、複数回の可変表示ゲームにまたがって実行される予告であり、複数回の可変表示ゲームの全てにおいて、画像表示装置5に文字情報を含む演出を表示してもよいし、複数回の可変表示ゲームのいずれかの可変表示ゲームで画像表示装置5に文字情報を含む演出を表示してもよい。さらに、複数回の可変表示ゲームで画像表示装置5に文字情報を含む演出を表示する際には、共通する文字情報を表示してもよいし、異なる文字情報を表示してもよい。あるいは、所定の回の可変表示ゲームについては共通する文字情報を表示し、他の回の可変表示ゲームでは異なる文字情報を表示してもよい。具体的には、1回目と3回目の可変表示ゲームでは共通する文字情報を表示して、2回目の可変表示ゲームでは異なる文字情報を表示してもよい。
さらに、先読み予告演出には、画像表示装置5に表示される画像による演出のほか、可動役物17が作動する演出がある。例えば、先読み予告演出が開始されると、図1に示す可動役物17が初期位置から下方に移動する演出が実行される。また、先読み予告演出としては、このような可動役物17が作動する演出と、可動役物17が非作動となる演出とを含む複数の先読み予告演出があり、これらの中からいずれかの先読み予告演出が実行される。ただし、先読み予告演出では、可動役物17が作動するパターンの先読み予告演出のみが実行されるようにしてもよい。
また、先読み予告演出では、複数回の可変表示ゲームの全てにおいて、可動役物17が作動する演出を実行してもよいし、複数回の可変表示ゲームのいずれかの可変表示ゲームで可動役物17が作動する演出を実行してもよい。さらに、複数回の可変表示ゲームで可動役物17が作動する演出を実行する際には、共通する作動態様で可動役物17を作動させてもよいし、異なる作動態様で可動役物17を作動させてもよい。あるいは、所定の回の可変表示ゲームについては共通する作動態様で可動役物17を作動させ、他の回の可変表示ゲームでは、異なる作動態様で可動役物17を作動させてもよい。具体的には、1回目と3回目の可変表示ゲームでは共通する作動態様で可動役物17を作動させて、2回目の可変表示ゲームでは異なる作動態様で可動役物17を作動させてもよい。
先読み予告演出の複数回の可変表示ゲームで実行される演出には、画像表示装置5への文字情報の表示・非表示と、可動役物17の作動・非作動の組み合わせで4パターンの演出がある。そのうちの1つの演出は、画像表示装置5への文字情報が表示され、可動役物17が作動する演出である。他の演出は、画像表示装置5への文字情報が表示され、可動役物17が非作動となる演出である。さらに他の演出は、画像表示装置5への文字情報が非表示となり、可動役物17が作動する演出である。さらに他の演出は、画像表示装置5への文字情報が非表示となり、可動役物17が非作動となる演出である。先読み予告演出では、複数回の可変表示ゲームで実行される演出として、これらの中からいずれかのパターンの先読み予告演出が実行される。
また、この実施の形態においては、このような先読み予告演出とは別に、可変表示が実行されるときに、当該可変表示の変動パターンや可変表示結果に基づいて、当該可変表示結果が「大当り」となる可能性等が予告される変動中予告演出が実行されるようになっている。
2.パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板等
パチンコ遊技機1には、例えば、図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、役物制御基板16といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間において伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15等も搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2等の背面には、例えば、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板等といった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12等から成るサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能等を備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED等の点灯、消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯、消灯、発色制御等を行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送するソレノイド回路111等が搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路等が搭載されている。
ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ等に基づき、遊技効果ランプ9等における点灯、消灯駆動を行うランプドライバ回路等が搭載されている。
役物制御基板16は、演出制御基板12とは別個に設けられた可動役物17用の制御基板であり、演出制御基板12等からの指令や制御データ等に基づき、可動役物17による演出動作を行う際のアクチュエータの制御を行う。演出動作を行う際のアクチュエータとは、例えば、可動役物17を上下に移動させるためのモータ又はソレノイド、可動役物17を回転させるためのモータ、LED9CC等である。役物制御基板16は、例えば、可動役物17を上下に移動させるモータ又はソレノイドの駆動回路、可動役物17を回転させるモータの駆動回路、LED9CC点灯動作させるドライバ回路等を備え、可動役物17の上下の移動速度、上下の移動回数、下降位置、回転速度、LED9CCの点灯方法等を制御する。
なお、本実施形態では、可動役物17による演出動作の制御は、演出制御基板12等から指示等に基づき役物制御基板16がモータ等のアクチュエータを駆動させることにより行うが、可動役物17による演出動作の制御の態様はこれに限定されない。例えば、演出制御基板12や主基板11が、アクチュエータを直接動作させる制御を行ってもよい。すなわち、役物制御基板16を用いずに、可動役物17による演出動作の制御を行ってもよい。
また、可動役物17による演出動作を行うプログラムは、役物制御基板16、演出制御基板12、又は主基板11のいずれの基盤に記憶されて、また、いずれの基盤で実行されてもよい。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25C等の表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば、電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作等を制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125と、画像データ等を記憶するCGROM(Character Generator ROM)126と、が搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。なお、以下の説明では、演出制御用のプログラムの実行を演出制御用CPU120が行う場合を例示して説明するが、演出制御用のプログラムの実行は他のデバイスのよって実行されてもよい。例えば、演出制御基板12以外に設けられたCPUを用いてもよい。また、単一のプロセッサを用いる代わりに複数のプロセッサを用いてもよい。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122、又はCGROM126は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、画像表示装置5に対する演出画像を示す情報信号(映像信号)を伝送するための配線や、音声制御基板13に対する指令を示す情報信号(演出音信号)を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対する指令を示す情報信号(電飾信号)を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号(操作検出信号)を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。
例えば、ROM121には、操作演出パターンを決定するために参照される操作演出パターン決定テーブル(変動パターンに応じた何れかの操作演出パターンを決定するために参照する操作演出パターン決定テーブル)が記憶されている。操作演出パターン決定テーブルには、変動パターン毎に、操作演出パターン決定用の乱数値MR6と比較される数値(決定値)が、複数種類の操作演出パターンのうちの1以上の操作演出パターンに対して割り当てられている。
3.予告演出の実行例
3−1.一回の可変表示ゲームで実行される予告演出の実行例
本実施形態のパチンコ遊技機1における予告演出の一例の実行例について説明する。ここでは、一回の可変表示ゲームで実行される予告演出の実行例について説明する。以下、図1に示す「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに表示される飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行される予告演出について説明する。ここで説明する予告演出では、弱演出が実行された後、発展演出として強演出が実行される。弱演出及び強演出は、いずれも、画像表示装置5に文字情報が表示され、可動役物17が作動する演出である。弱演出が実行されると、可動役物17が弱動作を行って上側移動位置に移動し、可動役物17によって画像表示装置5の上側隠蔽位置が隠される。また、強演出が実行されると、可動役物17が強動作を行って下側移動位置に移動し、可動役物17によって画像表示装置5の下側隠蔽位置が隠される。
可変表示ゲームが開始されると、停止状態であった図1に示す「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが可変表示を開始する。また、可変表示ゲーム中は、図3(A)に示すように、画像表示装置5の左下隅の始動入賞記憶表示エリア5Hに保留記憶表示が行われる。また、始動入賞記憶表示エリア5Hの上方には、第1特図保留記憶数を表示する第1保留記憶数表示エリア5FDが配置され、その上方に第2特図保留記憶数を表示する第2保留記憶数表示エリア5FUが設置されている。図3(A)に示す例では、第1保留記憶数表示エリア5FDには、第1特図保留記憶数「3」が表示され、第2保留記憶数表示エリア5FUには、第2特図保留記憶数「0」が表示されている。
次に、飾り図柄が「左」→「右」→「中」の順で停止表示され、最終的に飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示される。この過程で、「左」「右」の飾り図柄表示エリア5L,5Rに共通する図柄が停止表示されたときに、リーチ状態となる。例えば、「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに「7」の図柄が停止表示され、「中」の飾り図柄表示エリア5Cが可変表示状態でリーチ状態となったとする。リーチ状態となった後は、予告演出が実行されることなく、または予告演出が実行された後、「中」の飾り図柄表示エリア5Cの装飾図柄が停止表示される。
リーチ状態となった後に予告演出が実行されるときには、図3(A)に示すように、リーチ状態の飾り図柄の表示が「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rから画像表示装置5の左上隅の飾り図柄仮表示エリア5LT,5CT,5RTに移動し、リーチ状態の飾り図柄は小さく表示される。予告演出では、画像表示装置5にキャラクタCが表示されるとともに、キャラクタCの下方に「もしかして…」という第1文字情報W1が表示される。このようなキャラクタCや第1文字情報W1が表示されることにより、弱演出や強演出の実行の期待が高められる。
また、予告演出は、役物演出を伴って実行される。予告演出における役物演出では、まず、弱演出が実行され、図3(B)に示すように、可動役物17が画像表示装置5の上方の前面まで降下する。このとき、可動役物17は、画像表示装置5の一部である上側隠蔽位置を隠すこととなる。予告演出では可動役物17の降下とともに画像表示装置5におけるキャラクタCの下方に表示される文字情報が「チャンス!?」の第2文字情報W2に変化し、大当り遊技状態への期待をさらに高めることができる。
弱演出の実行中は、キャラクタC前面の上側移動位置に可動役物17が位置することにより、可動役物17によってキャラクタCが隠されてキャラクタCの視認性が制限される。その一方で、第2文字情報W2は上側隠蔽位置に表示されていないので、可動役物17によって文字情報の視認性が制限されることはない。
それから、弱演出が実行された後に発展演出として強演出が実行される。強演出では図3(C)に示すように、可動役物17がさらに降下し、可動役物17は画像表示装置5の下側隠蔽位置を隠す状態となる。このとき、図3(B)に示すように、「チャンス!?」の第2文字情報W2が下側隠蔽位置に表示されていると、「チャンス!?」の文字情報が可動役物17に隠されてしまい、第2文字情報W2の視認性が制限される可能性がある。
この点、本実施形態のパチンコ遊技機1では、「チャンス!?」の第2文字情報W2の表示位置を画像表示装置5の下側隠蔽位置から右側上部に移動させ、可動役物17で隠れない態様で表示するように文字情報の表示位置を調整する。また、右側上部におけるスペースを活用するため、文字情報を横書きから縦書きに変化させる。ただし、文字情報として表示する文字は共通する。こうして、画像表示装置5における文字情報の表示位置を移動させるが、画像表示装置5に表示される映像については、移動等させることなくそのまま表示する。
このように、本実施形態に係るパチンコ遊技機1では、可動役物17を用いた役物演出を含む予告演出を実行するにあたり、可動役物17が降下して画像表示装置5の前面の上側移動位置または下側移動位置に移動することにより、画像表示装置5に表示されていた文字情報を隠す上側隠蔽位置または下側隠蔽位置に移動することがある。このとき、画像表示装置5に表示されていた文字情報の表示位置を調整し、可動役物17に隠れない態様、本実施形態では、可動役物17によって隠されない位置に文字情報を表示している。このため、文字情報の視認性を確保することができる。
また、文字情報を可動役物に隠れない態様で表示するにあたり、可動役物17が画像表示装置5の前面に位置しない場合と位置する場合とでは、画像表示装置5の表示のうち、画像表示装置5に表示された映像については変化させることなく、文字情報の表示のみを変化させている。このため、画像表示装置5における映像の表示は変化させないので、映像制御の負荷を限定しながら、画像表示装置5に表示される文字の視認性を確保できる。
また、文字情報の表示を変化させて文字情報の視認性を確保するにあたり、文字情報を他の文字情報の視認性を確保できる位置に移動させている。ここでの他の文字情報とは、例えば遊技情報を表示する情報である。図3(C)に示す例では、他の文字情報は、画像表示装置5の左上隅に表示された飾り図柄、始動入賞記憶表示エリア5Hに表示される保留記憶表示、特図保留記憶数表示などである。文字情報を移動させる際には、これらの他の文字情報の視認性を確保する位置に移動させる。飾り図柄、保留記憶表示、特図保留記憶数表示の視認性を確保する位置とは、これらの表示と重ならない位置である。したがって、文字情報の表示位置を調整したことによって、画像表示装置5に表示される他の文字の視認性を確保することができる。また、予告演出で役物演出を実行するにあたり、文字情報の視認性を確保できるので、興趣の向上に寄与することができる。
さらには、他の文字情報の視認性を確保する以外にも、他の文字情報と連続して読解できる位置を避けた位置に文字情報を移動させてもよい。例えば、第1保留記憶数表示エリア5FDに続く位置に第2文字情報W2を移動させると、第1保留記憶数表示エリア5FDに表示された「3」に続いて、第2文字情報W2の「チャンス!?」が表示されると「3チャンス!?」などの誤解した読み方が生じ得る。他の文字情報と連続して読解できる位置を避けた位置に文字情報を移動させることにより、「3チャンス!?」などの誤解した読み方を回避することができる。
他の文字としては、上記の飾り図柄、保留記憶表示、特図保留記憶数表示のみとしてもよく、他の文字を含んでいてもよい。他の文字としては、例えば大当り遊技状態中に画像表示装置5に表示される大当りラウンド数、大当り中に払い出された遊技球の数と連動して表示されるポイント数、大当り遊技状態への移行時または大当り遊技状態から大当り遊技状態以外の遊技状態である通常遊技状態への移行時における打ち出し方向指示(右打ち、左打ち指示)などとしてもよい。なお、大当りラウンド数とは、大当り遊技状態中に実行されるラウンドの回数のことをいう。また、打ち出し方向とは、遊技盤2の幅方向の右側及び左側のうち、遊技球の打ち出しを推奨する方向をいう。
また、文字情報の表示を変化させて文字情報の視認性を確保するにあたり、文字情報を他の映像の視認性を確保できる位置に移動させている。具体的には、図3(C)に示す例でいえば、キャラクタCに重複しない位置に文字情報を表示している。このため、文字情報の表示位置を調整したことによって、画像表示装置5に表示される映像の視認性を確保することができる。他の映像の視認性を確保できる位置とは、例えば画像表示装置5に表示された映像のうち、特徴的な部分の視認性を確保できる位置をいう。なお、画像表示装置5には、全面にわたって映像が表示されていることがある。この場合には、例えば映像として変化の少ない背景部分に文字情報を表示してもよい。
3−2.先読み予告演出の実行例
続いて、予告演出の一つである先読み予告演出の一例の実行例について説明する。先読み予告演出は、未だ開始されていない可変表示について、可変表示の表示結果が特定表示結果になるか否かの判定結果に基づいて実行可能とされている。先読み予告演出は、複数回の可変表示ゲームにわたって実行される。例えば、第1特図保留記憶数が「2」のときに第1始動入賞口を遊技球が通過して、第1特図保留記憶数が「3」となったとする。このときの可変表示の表示結果が特定表示結果になるか否かの判定結果に基づいて、先読み予告演出が実行される。この場合、先読み予告演出は、第1特図保留記憶数に相当する3回の可変表示ゲームにわたって実行される。
この例では、3回の可変表示ゲームのうち、1回目の可変表示ゲームでは役物演出が実行されず、2回目及び3回目の可変表示ゲームで役物演出が実行される。また、1回目の可変表示ゲームでは、図3(A)に示す予告演出と類似する演出が実行され、2回目の可変表示ゲームでは弱演出が実行され、3回目の可変表示ゲームでは強演出が実行される。
まず、1回目の可変表示ゲームでは、可動役物17は、図1に示す位置に配置されたまま、画像表示装置5に特定の画像が表示される演出が実行されて、1回目の可変表示ゲームが終了する。ここでは、1回目の可変表示ゲームでは文字情報が表示されないが、1回目の可変表示ゲームで文字情報が表示されるようにしてもよい。
続く2回目の可変表示ゲームでは、可動役物17は、図3(B)に示すように、画像表示装置5の上側移動位置まで移動する弱演出が実行される。また、2回目の可変表示ゲームでは、可動役物17が下側移動位置まで降下する強演出は実行されることなく終了する。2回目の可変表示ゲームでは、画像表示装置5にキャラクタCが表示されるとともに、下側隠蔽位置に「チャンス!?」の第2文字情報W2が表示される。
さらに続く3回目の可変表示ゲームでは、可動役物17が図3(C)に示す画像表示装置5の下側移動位置まで移動する強演出が実行される。3回目の可変表示ゲームでは、弱演出からの発展を経由することなく強演出が実行される。また、3回目の可変表示ゲームにおいて、画像表示装置5には、キャラクタCとともに第2文字情報W2が表示される。
また、1回目及び2回目の可変表示ゲームでは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにそれぞれ飾り図柄が表示されるが、いずれもリーチ状態となることなく飾り図柄が停止表示されて可変表示ゲームが終了する。また、2回目の可変表示ゲームでは、画像表示装置5には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにそれぞれ飾り図柄が表示されるとともに、図3(B)に示すキャラクタCを含む映像及び文字情報が表示される。そして、第3可変表示ゲームでは、「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rに共通する飾り図柄が表示されてリーチ状態となった後、図3に示すように、リーチ状態の飾り図柄の表示が「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rから画像表示装置5の左上隅における飾る図柄仮表示エリア5LT,5CT,5RTに移動し、リーチ状態の飾り図柄は小さく表示される。
このような先読み演出において、1回目の可変表示ゲームでは、役物演出が実行されず、また、画像表示装置5に文字情報が表示されないことから、可動役物17によって文字情報の視認性が制限されることはない。また、2回目の可変表示ゲームで可動役物17が移動する役物演出が実行されるが、2回目の可変表示ゲームで実行される役物演出は弱演出である。このため、可動役物17が下側移動位置までは到達していないので、可動役物17によって文字情報の視認性が制限されることはない。
また、3回目の可変表示ゲームでは、強演出が実行され、可動役物17が下側移動位置まで移動するので、可動役物17によって第2文字情報W2の視認性が制限される可能性がある。ここで、第2文字情報W2の視認性が制限されないようにするため、第2文字情報W2の表示位置を画像表示装置5の中央から右側上部に移動させ、可動役物17で隠れない態様で表示するように第2文字情報W2の表示位置を調整する。したがって、先読み予告演出において役物演出を行う際にも、文字情報の視認性を確保することができる。また、先読み予告演出で役物演出を実行するにあたり、文字情報の視認性を確保できるので、興趣の向上に寄与することができる。
なお、上記の先読み演出では、2回目及び3回目の可変表示ゲームで役物演出を実行し、2回目の可変表示ゲームでは弱演出、3回目の可変表示ゲームでは強演出を実行しているが、各回の可変表示ゲームで役物演出、弱演出、強演出を適宜実行してもよい。また、強演出を実行する場合に、弱演出を経由して弱演出が発展して強演出を実行することもできる。また、先読み演出として3回の可変表示ゲームを実行する例について説明したが、2回または4回以上の可変表示ゲームにまたがって先読み演出を実行することもできる。また、弱演出を実行した後の可変表示ゲームでは、弱演出または強演出を実行しないことがないようにすることができ、強演出を実行した後の可変表示ゲームでは強演出を実行しないことがないようにして、いわゆる演出の格下げが生じないようにしてもよい。
さらに、強演出を実行する際、1回のゲームで文字情報の表示位置を調整するようにしているが、複数回のゲームにまたがって文字情報の表示位置を調整することもできる。例えば、2回目の可変表示ゲームで弱演出を実行し、3回目の可変表示ゲームで強演出を実行する場合に、2回目の可変表示ゲームで、弱演出を実行するにも関わらず強演出を実行する場合と同様に文字情報の表示位置を調整することもできる。このように、3回目の可変表示ゲームにおける強演出に先立って2回目の特可変表示図ゲームで文字情報の表示位置を調整することで、後続の可変表示ゲームにおける強演出を示唆することもできる。あるいは、2回目の弱演出で文字情報の表示位置を調整した後、3回目の可変表示ゲームで強演出を実行すると遊技者に思わせておいて、強演出を実行しないいわばフェイク演出を実行することもできる。このようなフェイク演出を実行することにより、強演出が実行される際の期待感をより大きくすることができる。
なお、先読み演出や擬似連演出のように、複数回の可変表示ゲームにおいて役物演出が実行される際には、その一部の役物演出では可動役物17によって隠されない位置に文字情報を移動させ、他の役物演出では文字情報が移動せず、可動役物17に隠される態様としてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、他の実施形態で実施してもよい。例えば、上記の実施形態では文字情報を遊技盤2における遊技領域の中央付近に設けられた画像表示装置5に表示しているが、他の表示装置に表示してもよい。例えば、遊技領域から外れた位置に画像表示装置5とは別個のサブ画像表示装置を設け、サブ画像表示装置に文字情報を表示してもよい。サブ画像表示装置は、例えば液晶画像表示装置を用いてもよい。また、サブ画像表示装置は、筐体に固定されている態様としてもよいし、筐体に対して移動可能とされた可動式としてもよい。サブ画像表示装置に文字情報を表示することにより、可動役物17によって文字情報の視認性が制限される場合に、文字情報の表示態様を容易に変化させることができる。したがって、文字情報の視認性を容易に確保することができる。他の画像表示装置を用いる態様は、例えば画像表示装置5の前面を覆う演出が実行される場合に有用である。また、構造物としては、可変役物17のほか、例えば固定位置で回転等することにより、移動することなく画像表示装置を隠す位置が変化する構造物であってもよい。
また、上記実施形態では、文字情報の表示態様を変化させるにあたり、図3(B)に示すように、画像表示装置5の中央位置に表示された第2文字情報W2を図3(C)に示すように画像表示装置5の右側上部に移動させている。このとき、画像表示装置5の中央位置に表示されていた第2文字情報W2を消去し、同時に画像表示装置5の右側上方に表示している。この態様に代えて、文字情報の表示位置を画像表示装置5の中央位置から右側上方位置まで徐々に移動させるようにしてもよい。要は、文字情報の表示態様を徐々に変化させるようにしてもよい。また、文字情報の表示位置を移動させるにあたり、可動役物17の移動速度と同じ速度で文字情報を移動させてもよく、可動役物17の移動速度よりも早く移動させてもよいし、遅く移動させてもよい。
また、文字情報の表示態様を変化させる際には、表示位置を移動させるほか、文字の色を変化させたり、文字の大きさや形状を変化させたりしてもよい。文字の形状を変化させる際には、例えば文字のフォントを変化させてもよい。また、可動役物が透明または半透明である場合、文字情報の前面に可動役物が位置すると、可動役物と文字情報の色が同一または近似する場合、文字情報が視認困難となるが、文字情報の色を可動役物の色と近似しない範囲で異なる色に変えることにより、文字情報の視認が容易となるようできる。また、文字情報が可動役物に隠されているときに、文字情報の表示を大きくすることで、文字情報のごく一部のみが可動役物に隠された状態となるようにし、または文字の大型化に伴い、文字の隙間部分が可動役物に隠されるようにして、文字情報が可動役物に隠されないようにしてもよい。文字情報の表示態様をこれらのように変化させることにより、文字情報の装飾効果を高めることができ、興趣の向上に寄与することができる。なお、文字情報の色や大きさの変化は、可動役物に文字情報が隠されないときに実行してもよい。また、可動役物17が図3(A)に示す位置から降下しない状態であっても、予告演出として文字情報を表示したり、表示した文字情報の表示態様を変化させたりすることができる。
また、文字情報の表示態様を変化させる際に、他の演出要素に応じて文字情報の表示態様を変化させてもよい。例えば、文字情報の表示態様を変化させる際に音声出力を増大させる場合には、音声出力の増大に伴って文字情報の表示を大きくしてもよい。あるいは、音声出力の出力方向が変化する場合、例えば、スピーカ8L,8Rの両方から同じ大きさで出力されていた音声が、右スピーカ8Rからの出力が大きくなる場合に、文字情報を右側に寄せるように移動させてもよい。さらには、出力される音声情報の音の特性に応じて文字情報の表示態様を変化させてもよい。例えば、出力される音の特性が金属音のような高い音となる場合に、表示される文字情報のフォントとして尖った形状のフォントを用いてもよい。また、映像の内容に応じて文字情報の表示態様を変化させてもよい。例えば、映像として躍動感が大きい映像を表示する場合には、表示される文字情報のフォントとして躍動感のあるフォントを用いてもよい。また、可動役物17の動きに応じて、表示される文字情報の表示態様を変化させてもよい。例えば、可動役物として、顔を模した顔役物を設け、顔役物の移動に追随して吹き出しが表示され、その吹き出しの中に文字情報が表示されるようにしてもよい。また、表示する文字情報としては、スピーカ8L,8Rから音声表示として歌を流す場合に、その歌の歌詞を示す文字情報としてもよい。これらのように、他の演出要素に応じて文字情報の表示態様を変化させることにより、興趣の向上を図ることができる。
また、文字情報の表示態様を変化させるにあたり、遊技者が文字情報の表示態様を変更可能としてもよい。具体的には、画像表示装置5に変化させる候補となる文字態様を複数表示し、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bを操作することで、複数の文字情報の候補の中から選択できるようにしてもよい。文字情報の選択は、リーチ演出が始まった後にできるようにしてもよいし、可変表示ゲームが開始される前にデモ画面が表示されている場合などに予め選択できるようにしてもよい。文字情報の表示態様を変更可能とすることにより、ユーザの遊技に対する参加感を高めることができる。
また、文字情報の表示態様を変化させるにあたり、表示態様変更スイッチなどを設けておき、当該表示態様変更スイッチを操作することで、文字情報の表示態様を変更可能としてもよい。表示態様変更スイッチは、例えば遊技盤2の裏側に設けておき、遊技機用枠3を開放することで操作可能となるようにしてもよい。この場合、表示態様変更スイッチは、遊技場の従業員等が操作可能となる。そして、例えば文字情報の表示態様を遊技場のコーポレートカラーに設定するなどにより、営業補助を行うことができる。
また、上記の実施形態では、予告演出(先読み予告演出)を実行する際に役物演出を実行しているが、他のタイミングで役物演出を実行してもよい。例えば、大当り遊技状態中に実行される大当り演出として役物演出を実行してもよい。この場合、文字情報を移動させるにあたり、大当りラウンド数、打ち出し方向指示、ポイント数などの文字情報の表示を避けた位置に移動させてもよい。この場合も、映像はそのままとしてもよい。
また、上記の実施形態においては、図3(A)〜(C)に移行する過程において、映像としてのキャラクタCの表示に変化はなく、文字情報については、第1文字情報W1から第2文字情報W2に変化している。これに対して、映像、特に映像としてのキャラクタの表示が変化する態様とすることもできる。また、文字情報の表示態様は変化するが文字情報自体は変化しない態様とすることができる。
また、文字情報の表示態様を変化させた場合に、変化後の映像等によっては、文字情報が背景との関係などで読みにくくなる場合が想定される。この場合、例えば文字情報の表示態様を変更した後に、文字情報の背景を白抜き等にして、文字情報を視認しやすくすることもできる。
また、演出制御基板にRTC(リアルタイムクロック)回路を設けておき、時間によって文字情報の表示態様を変化させるようにしてもよい。例えば、パチンコ遊技機1の稼働時間が長時間に及んだ場合に、文字情報を大きく表示したり、文字情報の表示輝度を低下させたりしてもよい。この場合、長時間遊技を行っている遊技者の眼精疲労の抑制を図ることができる。また、表示される文字情報の表示態様を曜日ごとや日にちごとに変化させたり、1か月などの長期間が経過したときに文字情報の表示態様を変化させたりすることにより、興趣の向上を図ることができる。
上記実施の形態では、遊技媒体となる遊技球を遊技領域に発射して、特別図柄や飾り図柄を可変表示するパチンコ遊技機1に、可動部材の変化後の態様に応じて異なる態様の所定画像を表示する所定演出を実行可能である構成等を、設けるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、スロットマシン等の他の遊技機にも、この発明の特徴となる構成や機能を適用することができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。