JP2004041517A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】表示演出と動作演出との演出の組合せによる演出効果を向上させ、遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することである。
【解決手段】可動部材の動作態様に対応して可変表示装置において表示される表示演出として、複数の表示演出のうちから識別情報に影響を与える第1演出画像(大火炎)が選択決定されたときに、表示演出の際における特別図柄の識別情報の表示態様を変化させる差替え演出の実行が選択決定される。
【選択図】 図8
【解決手段】可動部材の動作態様に対応して可変表示装置において表示される表示演出として、複数の表示演出のうちから識別情報に影響を与える第1演出画像(大火炎)が選択決定されたときに、表示演出の際における特別図柄の識別情報の表示態様を変化させる差替え演出の実行が選択決定される。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機、コイン遊技機、スロットマシンなどで代表される遊技機に関する。詳しくは、識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様になったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機として従来から一般的に知られているものに、図柄等の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば、大当り図柄の組合せ)になったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御可能となるように構成されたものがあった。このような可変表示装置は、可変表示等による表示演出により遊技の演出をするために用いられていた。
【0003】
また、従来の遊技機においては、可変表示装置に加えて、可動部材等を動作させる動作演出により遊技の演出を行なう可動演出手段が設けられ、表示演出と動作演出とを組合せて実行するものがあった。このような遊技機においては、表示演出と可動演出との間に関連性を持たせた複合的な演出が行なわれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の遊技機では、表示演出と可動演出との間に関連性を持たせた複合的な演出が行なわれるが、可動演出と表示演出との関係が一定で単調であったため、遊技者に演出が飽きられがちであった。
【0005】
この発明はかかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、表示演出と動作演出との演出の組合せによる演出効果を向上させ、遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 識別情報(特別図柄)を可変表示可能な可変表示装置(可変表示装置8、可変表示部9)を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様(大当り図柄の組合せ)になったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御可能となる遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
遊技者に動作が視認可能な箇所に設けられ、前記可変表示装置の前面側を含む予め定められた可動範囲で動作演出を行なう遊技の演出に用いられる可動演出手段(可動部材10,10)と、
前記可変表示装置の表示状態を制御する手段であって、前記可動演出手段による動作演出が行なわれたときに、前記可変表示装置において、前記可動演出手段の動作態様に対応した表示演出を表示する制御を実行する表示制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ800の表示制御機能)と、
前記可動演出手段の動作態様に対応した表示演出を決定する手段であって、前記識別情報に影響を与える表示影響演出(第1演出画像91aを用いた表示演出)を含む複数の表示演出のうちからいずれかの表示演出(第1演出画像91a,第2演出画像91bを用いた表示演出)を選択決定する動作対応表示演出決定手段(S3,S4,S9,S10)と、
該動作対応表示演出決定手段により選択決定された表示演出を前記表示制御手段により表示する制御が実行されたときにおいて前記識別情報の表示態様(図柄演出パターン)を変化させるか否かを決定する表示態様決定手段(S3,S5,S9,S11)とを含み、
該表示態様決定手段は、前記動作対応表示演出決定手段により前記表示影響演出が選択決定されたときには、前記識別情報の表示態様を変化させる(差換え演出をする)ことを決定することを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、可動演出手段の動作態様に対応して可変表示装置において表示される表示演出として、複数の表示演出のうちから識別情報に影響を与える表示影響演出が選択決定されたときには、表示演出の際において識別情報の表示態様を変化させることが決定されるので、可動演出手段の動作態様に対応した表示演出において、表示影響演出により識別情報が影響を受けて識別情報の表示態様が変化する。このため、可動演出手段による動作演出と可変表示装置による表示演出との関係が単なる装飾的なものに留まらず、識別情報の表示態様にまで影響が及ぶこととなり、動作演出と表示演出との関係をより深く遊技状態に関連したものにし、その演出効果を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0008】
(2) 前記可動演出手段の可動範囲は、前記可動演出手段が前記可動範囲内でのいずれの位置であっても前記可変表示装置の前面側に位置するように設定されている(図3参照)。
【0009】
このような構成によれば、可動演出手段の可動範囲が可動演出手段が可動範囲内でのいずれの位置であっても可変表示装置の前面側に位置するように設定されているので、表示演出と動作演出との組合せにより、視覚的な遊技の演出が行なわれる範囲を可変表示装置での表示が行なわれる領域を超えた範囲まで拡張することができ、遊技の演出を多彩化することができる。また、可動演出手段が動作していないときでも、可動演出手段に対応した表示演出を可変表示装置に表示することにより可動演出手段と可変表示装置との組合せによる演出を行なうことができる。
【0010】
(3) 前記表示制御手段は、前記動作対応表示演出決定手段により前記表示影響演出が選択決定されたときの方が前記動作対応表示演出決定手段により前記表示影響演出が選択決定されなかったときよりも、前記可変表示装置においてリーチ状態を表示させる割合が高い(図8参照)。
【0011】
このような構成によれば、表示影響演出が選択決定されたときの方が表示影響演出が選択決定されなかったときよりも可変表示装置においてリーチ状態を表示させる割合が多くなるので、表示影響演出がされるか否かに基づいて、遊技者の期待感および興趣を向上させることができる。
【0012】
(4) 前記表示制御手段は、前記動作対応表示演出決定手段により前記表示影響演出が選択決定されたときの方が前記動作対応表示演出決定手段により前記表示影響演出が選択決定されなかったときよりも、前記可変表示装置において表示結果を前記特定の表示態様とする割合が高い(図9参照)。
【0013】
このような構成によれば、表示影響演出が選択決定されたときの方が表示影響演出が選択決定されなかったときよりも可変表示装置において表示結果を特定の表示態様とする割合が高くなるので、表示影響演出がされるか否かに基づいて、遊技者の期待感および興趣を向上させることができる。
【0014】
(5) 前記可動演出手段を発光演出するための発光体(役物飾りランプ40,40)をさらに含み、
前記表示制御手段は、前記表示演出を前記発光体の発光態様(発光色)に対応した表示態様(発光色と同じ演出表示色)によって表示する制御を行なう(図8,図9参照)。
【0015】
このような構成によれば、表示演出が発光体の発光態様に対応した表示態様によって表示されるため、可動演出手段による動作演出と表示演出との対応関係に加えて、発光演出と表示演出とが対応関係を持って実行することができ、遊技の演出を多彩化することができる。
【0016】
(6) 前記可動演出手段は、光を透過する透光部(透光部10e)を有し、前記発光体は、前記可動演出手段の裏面側に前記可動演出手段とは別体でかつ前記可動演出手段が前記可動範囲内でのいずれの位置であっても、前記発光体からの光が前記透光部を透過可能な位置に設けられている(図5の(a),(b)参照)
このような構成によれば、可動演出手段が可動範囲内でのいずれの位置であっても、発光体からの光が透光部を透過するので、可動演出手段が動作していないときと可動演出手段が動作しているときとのいずれの状態であっても可動演出手段を光らせることができる。これにより、可動演出手段が可変表示装置での表示に関連して動作する遊技の演出の演出態様を多彩化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。しかも、可動演出手段自体に発光体を設ける必要がないので、可動演出手段の構造を単純化することができる。さらに、可動演出手段による動作演出と発光演出手段による発光演出とを隣接して行なうことができるので、動作演出と発光演出とが組合わされた演出を遊技者により分かりやすくすることができる。
【0017】
(7) 前記発光体は、複数の色で発光する機能を有し、
前記表示演出は、前記発光体の発光色と同じ色を用いた表示態様によって表示される(図8,図9参照)。
【0018】
このような構成によれば、発光体の発光色と同じ色を用いた表示態様によって表示演出が表示されるので、発光演出と表示演出とが対応関係を持って実行されていることを分かりやすく示すことができ、遊技の演出を多彩化することができる。
【0019】
(8) 前記可動演出手段、前記発光体、および、前記可変表示装置は、1つのマイクロコンピュータ(演出制御用マイクロコンピュータ800)により制御される(図6参照)。
【0020】
このような構成によれば、可動演出手段、発光体、および、可変表示装置が1つのマイクロコンピュータにより制御されるので、動作演出、発光演出、および、表示演出を相互に対応させた演出の実行を容易化することができる。さらに、このような動作演出、発光演出、および、表示演出を相互に対応させた演出において、各演出間の対応関係に狂いを生じにくくさせることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様になったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機であればすべて対象となる。
【0022】
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面から見た正面図、図2はパチンコ遊技機1の遊技盤面を正面から見た正面図である。
【0023】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、縦長な方形状に枠組形成される外枠2aと、該外枠2aの内側に開閉可能に軸支されかつパチンコ遊技機1の主要構成部が集約して設けられる前面枠2bと、該前面枠2bの前面上部に開閉自在に軸支されて設けられる額縁状のガラス扉枠2とから構成されている。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿3が設けられている。前面枠2bにおいて、打球供給皿3の下部には、打球供給皿3から溢れた貯留球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。また、ガラス扉枠2の後方に位置する前面枠2bには、前面側に遊技領域7が形成された遊技盤100が着脱可能に設けられている。前面枠2bおよびガラス扉枠2は、パチンコ遊技機1の正面から見て左側の端部において軸支され、軸支位置を開閉軸として開閉される。ガラス扉枠2には、遊技盤100の遊技領域7をほぼ透視し得る透視窓が開設され該透視窓の裏面からガラス板が装着されている。
【0024】
遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、遊技効果ランプ28a,28b,28cが設けられている。そして、この例では、遊技効果ランプ28bの近傍に景品球払出時に点灯する賞球ランプ51が設けられ、遊技効果ランプ28aの近傍に補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
【0025】
さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸を可能にするカードユニット50も示されている。カードユニット50に挿入されたカード内に残額情報が記憶されている場合には、その残額の引落としに応じて、遊技者に対する遊技球の貸出しが行なわれる。
【0026】
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可能表示ランプ151、カード内に記憶された残額情報に端数(100円未満の数)が残存する場合にその端数を打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LED(Light Emitting Diode)に生じさせるための端数表示スイッチ152、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記憶媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、および、カード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を開放するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0027】
図2を参照して、遊技領域7は、遊技盤100に設けられている。遊技者が図1に示される打球操作ハンドル5を操作すれば、打球待機樋(図示せず)に貯留されている遊技用のパチンコ玉が打球発射装置(図示せず)により1発ずつ弾発発射され、区画レール101に沿って誘導されて遊技領域7内に打込まれる。
【0028】
以下、遊技領域7の構成をその遊技動作に従って詳細に説明する。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示器よりなる可変表示部9を含む可変表示装置8が設けられている。なお、可変表示部9は、液晶表示器に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置(可変表示部)により構成されてもよい。また、可変表示部9は、画像表示式の表示装置(可変表示部)に限らず、外周に複数種類の図柄が描かれた回転ドラムを回転駆動する回転ドラム式、表面に複数種類の図柄が描かれたベルトを回転移動させるものや複数種類の図柄が描かれた円盤を回転させるもの(ロタミント)等のその他の機械式(電気的駆動源により駆動される機械式のもの)の可変表示装置(可変表示部)であってもよい。
【0029】
可変表示部9は、数字、数字以外の文字、図形、模様、キャラクタ等の複数種類の識別情報(特別識別情報)としての特別図柄と、図形等の複数種類の識別情報(普通識別情報)としての普通図柄とをそれぞれ可変表示(更新表示,変動表示ともいう)可能である。ここで、キャラクタとは、可変表示装置(可変表示部)に表示される人間,動物,あるいは物等を表わす映像をいう。なお、可変表示部9により可変表示される識別情報は、数字、文字、図形、模様、キャラクタ等の識別情報であれば、どのような識別情報であってもよく、数字のみ、文字のみ、図形のみ、模様のみ、キャラクタのみ、または、これらを適宜組合せたものであってもよい。
【0030】
可変表示部9では、左図柄,中図柄,右図柄の3つの特別図柄を並んで表示可能な表示領域を有し、これらの特別図柄をスクロール等の方式で可変表示可能である。また、可変表示部9では、特別図柄の背景を表す背景画像が表示される。
【0031】
また、可変表示部9では、当り図柄である○印とはずれ図柄である×印とを普通図柄として交互に表示することにより普通図柄を可変表示(更新表示,変動表示ともいう)可能な表示領域を有している。
【0032】
なお、本実施の形態においては、液晶表示器よりなる可変表示部9に普通図柄を表示する例を示したが、これに限らず、LED、7セグメント表示器など、数字等のその他の図柄を可変表示可能なその他の表示手段を普通図柄の可変表示のために使用してもよい。つまり、普通図柄としては、何らかの形で特別図柄と区別して認識できるようなものであればよい。
【0033】
また、可変表示部9では、それぞれ最大「4」まで表示可能な始動入賞記憶表示領域とゲート通過記憶表示領域とが設けられている。この始動入賞記憶表示領域で表示されている数により、特別図柄の可変表示を始動させるための始動入賞口14への入賞数が上限を4として記憶(メモリへの記憶)されていること(始動入賞記憶という)が表示される。また、ゲート通過記憶表示器で表示されている数により、普通図柄の可変表示を始動させるための通過ゲート11への遊技球の通過数が上限を4として記憶(メモリへの記憶)されていること(普通始動記憶という)が表示される。
【0034】
なお、始動入賞口14を通過した遊技球の通路には、入賞した遊技球である入賞球(入賞玉)を検出する始動口スイッチ17が設けられており、始動口スイッチ17により遊技球が検出された場合には、始動入賞記憶表示領域で表示される始動入賞記憶数を加算更新させるための制御が行なわれる。そして、特別図柄の可変表示の開始条件が成立した場合には、始動入賞記憶表示領域で表示される始動入賞記憶数を減算更新させるための制御が行なわれとともに、特別図柄の可変表示を開始させる制御が行なわれる。
【0035】
また、通過ゲート11を通過した遊技球の通路には、通過した遊技球を検出するゲートスイッチ12が設けられており、ゲートスイッチ12が遊技球を検出した場合には、ゲート通過記憶表示領域で表示される普通始動記憶数を加算更新させるための制御が行なわれる。そして、普通図柄の可変表示の開始条件が成立した場合には、普通始動記憶表示領域で表示される普通始動記憶数を減算更新させるための制御が行なわれとともに、普通図柄の可変表示を開始させる制御が行なわれる。
【0036】
可変表示装置8の下方位置には、ソレノイド16によって開閉動作される始動入賞球装置15(電動チューリップ役物)を兼用する始動入賞口14と、ソレノイド21により駆動される開閉板29の開閉動作により開閉される大入賞口20を有する可変入賞球装置30とが上から順に配列されている。始動入賞口14に入った球は、始動口スイッチ17によって検出された後、遊技盤100の背面に導かれる。また、大入賞口20に入った球は、Vカウントスイッチ23もしくはカウントスイッチ22に検出された後、遊技盤100の背面に導かれる。また、大入賞口20から可変入賞球装置30内に入った球のうち、Vカウントスイッチ23により検出された球は、その後、カウントスイッチ22に向けて誘導され、カウントスイッチ22により検出される。したがって、大入賞口20から内部に入った球は、結果的にすべてカウントスイッチ22により検出される。
【0037】
遊技盤100には複数の入賞口19,24が通常入賞口として設けられている。遊技球の入賞口19,24への入賞は、入賞口スイッチ19a,24aによってそれぞれ検出される。複数の入賞口19,24それぞれに対応して入賞口スイッチ19a,24aが設けられているため、各入賞口19,24毎に入賞した球の検出が迅速に行なわれる。
【0038】
遊技領域7には、遊技中に点灯表示される装飾ランプ25が設けられている。また、遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26が設けられている。
【0039】
打球発射装置から発射され遊技領域7に入った打球(打玉)は、遊技領域7を下りてくる。打球が通過ゲート11を通ってゲートスイッチ12で検出されると、その検出信号に基づいて普通図柄が所定期間可変表示した後、表示結果が導出表示される制御が行なわれる。普通図柄の可変表示結果が、当り図柄として予め定められた表示態様(○印の図柄)である場合には、始動入賞球装置15が所定時間閉状態から開放状態に制御され、始動入賞口14に打球が入賞しやすい状態となる。その後、始動入賞球装置15は、閉状態となる。
【0040】
打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ17で検出されると、図柄の変動を開始できる状態であれば、可変表示部9において、特別図柄の可変表示を開始させる制御が行なわれる。一方、図柄の可変表示が開始できる状態でなければ、メモリの始動入賞記憶数および表示される始動入賞記憶数が1増やされる。そして、可変表示部9での可変表示が開始される毎にメモリの始動入賞記憶数および表示される始動入賞記憶数が1ずつ減らされる。
【0041】
可変表示部9での特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止し、表示結果が導出表示される。表示結果が導出表示されるときには、基本的に、左図柄、右図柄、中図柄の順に特別図柄が停止表示される。そして、停止時の図柄の組合せが大当り図柄の組合せ(たとえば、777等のぞろ目の特定の図柄の組合せ)となると、遊技者にとって有利な特定遊技状態である大当り遊技状態が発生し、通常遊技状態からその大当り遊技状態に移行する制御が行なわれる。大当り遊技状態においては、開閉板29の動作により、通常状態において閉状態とされている大入賞口20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)の打球が入賞するまで開放される制御が行なわれる。そして、大入賞口20の開放中に打球が特定入賞領域に入賞しVカウントスイッチ23で検出されると、継続権が発生し大入賞口20を開放させる制御が再度行なわれる。このような継続権の発生は、所定回数(たとえば15ラウンド)許容される。このような継続権の発生を繰り返す制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。
【0042】
図示を省略するが、可変入賞球装置30の内部(大入賞口20内)においては、シーソー式の玉振分部材としての大入賞口内誘導板が設けられている。この大入賞口内誘導板は、Vカウントスイッチ23の方向へ向けて傾斜した状態と、Vカウントスイッチ23とは逆の方向へ向けて傾斜した状態とのいずれかの状態に切換え可能となるようにソレノイド33により駆動制御される。その場合、大入賞口20が1回開放されたとき(1ラウンド中)には、Vカウントスイッチ23が玉を1個検出するまでは、大入賞口内誘導板がVカウントスイッチ23の方向へ向けて傾斜した状態にされることにより、玉がVカウントスイッチ23により検出されやすい状態にされ、Vカウントスイッチ23が玉を1個検出した後は、大入賞口内誘導板がVカウントスイッチ23とは逆方向へ向けて傾斜した状態にされることにより、玉がVカウントスイッチ23により検出されにくい状態にされる。
【0043】
また、可変表示装置8の可変表示中(この場合は、可変表示部9の可変表示中)においては、リーチ状態(リーチ表示)が発生する場合がある。ここで、リーチとは、表示状態が変化可能な可変表示装置(可変表示部)を有し、該可変表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せとなった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、前記複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が前記特定の表示態様の組合せとなる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチとは、表示状態が変化可能な可変表示部を複数有する可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せになった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、前記可変表示装置の表示結果がまだ導出表示されていない段階で、前記特定の表示態様の組合せが表示されやすい可変表示態様となったと遊技者に思わせるための表示状態をいう。そして、たとえば、前記特定の表示態様の組合せが揃った状態を維持しながら複数の前記可変表示部による可変表示を行なう状態もリーチ表示状態に含まれる。さらにリーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチをスーパーリーチという。
【0044】
また、リーチ状態とは、可変表示装置が可変開始された後表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、前記特定の表示態様となる表示条件から外れていない表示態様をもいう。
【0045】
また、リーチ状態とは、可変表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、前記表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の可変表示領域の表示結果の少なくとも一部が前記特定の表示態様となる条件を満たしている場合の表示状態をもいう。
【0046】
可変表示の停止時における可変表示部9での特別図柄の組合せが大当り発生の確率変動を伴う大当り図柄の組合せ(確率変動図柄の組合せともいう)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわちこのような場合には、予め定められた確率変動終了条件が成立するまで、特別遊技状態としての確率変動状態(以下、「確変」という。)という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
【0047】
また、確率変動状態では、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞球装置15の開放時間と開放回数とが増加する。さらに、確率変動状態では、特別図柄および普通図柄についての図柄の可変表示開始から図柄の停止表示までの時間(変動時間)が短縮される時短制御(変動時間短縮制御)が行なわれる。
【0048】
また、このパチンコ遊技機1においては、特別図柄の表示結果が大当りとなることが事前決定された場合には、特別図柄を一旦大当り図柄の組合せで仮に停止した後、確率変動状態を発生させるか否かを抽選により決定するように見せる演出としての再抽選表示が行なわれる。つまり、再抽選表示は、大当り図柄の組合せとなる特別図柄を一時的に仮の表示結果として表示させた後、再度可変表示開始させ、確定する表示結果をいずれかの大当り図柄の組合せとして導出表示させる演出を行なう再可変表示である。さらに言い換えると、再抽選表示は、可変表示の過程において特定表示態様(大当り図柄の組合せ)を導出した後に、再度表示結果として当該特定表示態様(大当り図柄の組合せ)と同じ、または異なる特定表示態様を導出する再可変表示である。その再可変表示の表示結果となった大当り図柄の組合せが予め定められた確率変動図柄の組合せ(たとえば、「3」,「7」等の予め定められた大当り図柄の組合せ)となった場合に、大当り制御終了後において確率変動状態が発生する。一方、再抽選の結果として確率変動図柄の組合せ以外の非確率変動図柄の組合せが表示された場合には確率変動状態は発生しない。
【0049】
また、特別図柄の可変表示中には、リーチ状態が発生する旨を事前報知(予告)する予告報知(リーチ予告)が行なわれる場合があり、また、大当り状態が発生する旨を事前報知(予告)する予告報知(大当り予告)が行なわれる場合がある。リーチ予告を行なうか否かおよび大当り予告を行なうか否かは、それぞれ個別に、後述するようなランダムカウンタ(後述する各種ランダムカウンタと同様の機能のもの)の数値データを用いた抽選により事前にランダムに決定される。リーチ予告は、実際にリーチ状態が発生する場合と実際にはリーチ状態が発生しない場合との両方の場合に行なわれる。また、大当り予告は、実際に大当り状態が発生する場合と実際には大当り状態が発生しない場合との両方の場合に行なわれる。
【0050】
また、可変表示装置8における可変表示部9の左側部および右側部には、それぞれ龍の形状を模した可動演出手段(可動演出装置)として、左右一対の態様で2つ(複数)の可動部材10,10が設けられている。可動部材10,10は、可変表示装置8での表示に関連した動作演出を含む遊技の演出のために用いられる。可動部材10,10は、たとえば、可変表示部9において大当りの予告を行なう場合等、可変表示部9の表示に関連した演出を行なうときに動作させられる。
【0051】
これら可動部材10,10は、それらの近傍に配置されたソレノイド71,71のうちの対応するものと、ソレノイド72,72のうちの対応するものとにより駆動され、遊技において所定の演出動作をするために所定の可動範囲内で動作制御される。各可動部材10が動作される場合は、たとえば、龍の口を閉じた態様の待機状態から、龍の口を開いた態様の活動状態となる。さらに、各可動部材10は、口を開いた態様の活動状態から口を閉じた態様の待機状態にも制御される。この各可動部材10に対応して、可動部材10の所定箇所(龍の目)を発光させるための装飾用の発光体として、複数種類の色で発光する機能を有するLEDよりなる役物飾りランプ40が可動部材10とは別体で設けられている。このように可動部材10の所定箇所を発光させることにより、可動部材10の動作をより強調して示すことができる。つまり、役物飾りランプ40は、可動部材10を発光演出(発光による演出)するための発光体である。
【0052】
このように、可動部材10は、その動作が遊技者により視認可能な箇所に設けられ、可変表示装置8の前面側を含む予め定められた可動範囲で動作演出(動作による演出)を行なう遊技の演出に用いられる。また、可動部材10は、龍の形状を模したものを一例として示したが、可動部材10が模すものは、龍以外のものであってもよい。また、可動部材10は、可変表示において所定のキャラクタが表示される場合にはそのようなキャラクタを模したものにすれば、演出により、可変表示部9の表示演出(表示による演出)と可動部材10の動作演出とで統一性を表すことができる。
【0053】
次に、パチンコ遊技機1の裏面においては、上部に遊技球を貯留する遊技球タンクが設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方から遊技球が遊技球タンクに供給される。遊技球タンク内の遊技球は、誘導樋を通って、後述する球払出装置97に至る。入賞の発生により玉払出条件が成立した場合には、球払出装置97から景品玉としての賞球がパチンコ遊技機1の前面側に設けられた打球供給皿3または余剰球受皿4に払出される。
【0054】
入賞口スイッチ19a,24a、始動口スイッチ17およびカウントスイッチ22によりそれぞれ入賞球が検出されると、スイッチに応じて予め定められた数の賞球(景品玉)の払出しが行なわれる。たとえば、始動口スイッチ17により入賞球が検出されると6個の賞球が払出される。また、カウントスイッチ22により入賞球が検出されると15個の賞球が払出される。また、入賞口スイッチ19a,24aにより入賞球が検出されると10個の賞球が払出される。
【0055】
次に、この実施の形態に示されたパチンコ遊技機1における大当りとするかはずれとするかの決定(大当り判定ともいう)、リーチ状態とするか否かの決定(リーチ判定ともいう)、特別図柄の可変表示における変動パターンの決定、および、特別図柄の停止図柄の決定等の各種制御事項の決定のための処理手順を簡単に説明する。
【0056】
大当りとするかはずれとするかの決定は、後述する図6で示す遊技制御用マイクロコンピュータ53において、大当り決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、大当りを発生させるか否かをランダムに決定するためのものであり、たとえば、0からカウントアップして所定の上限値までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このカウント動作は、所定周期(2msec毎)で1ずつ加算されることとなる。始動口スイッチ17により始動入賞が検出されると、それに応じてこのランダムカウンタのカウント値が抽出され、その抽出値が、予め定められた大当り判定値と一致するか否かの判断がなされる。抽出されたランダムカウンタの値と大当り判定値とが一致した場合は、大当りを発生させることが決定され、大当り状態の制御が行なわれる。確率変動状態以外の通常の確率状態においては、大当り判定値がたとえば1つの数値に設定される。確率変動状態においては、大当り判定値が複数の数値に設定されることにより、確率変動状態の場合には大当りの発生確率が向上するのである。
【0057】
次に、リーチ状態とするか否かの決定(リーチ判定ともいう)は、遊技制御用マイクロコンピュータ53において、リーチ決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、大当り判定においてはずれとする決定がされた場合にリーチ状態を発生させるか否かをランダムに決定するためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が予め定められたリーチ決定値と一致する場合に、リーチ状態とすることが決定される。一方、大当り判定において大当りとする決定がされた場合には、リーチ決定用のランダムカウンタを用いた決定は行なわれず、すべての場合にリーチ状態となる。
【0058】
また、特別図柄の可変表示においてリーチ状態となる決定がされた場合(大当りとする決定が行なわれた場合と、はずれとする決定が行なわれた場合との両方を含む)には、遊技制御用マイクロコンピュータ53において、リーチ状態の変動パターンが複数種類の変動パターンのうちから選択的に決定(ランダムに決定)される。このような変動パターンの決定は、変動パターン決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、リーチ状態の変動パターンをランダムに決定するためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が、複数種類予め定められた変動パターン決定値のうちの一致するものに対応する変動パターンとすることが決定される。
【0059】
また、特別図柄の可変表示における停止図柄の決定は、遊技制御用マイクロコンピュータ53において、左,中,右の各図柄に対応する3つの停止図柄決定用のランダムカウンタのそれぞれのカウント値を用いて行なわれる。この各ランダムカウンタは、対応する特別図柄の停止図柄をランダムに決定するためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段である。複数種類の停止図柄のそれぞれには図柄決定用の数値データが対応付けられており、はずれとする決定がされた場合には、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで各ランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左,中,右の各停止図柄として決定される。一方、大当りとする決定がされた場合には、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで左図柄決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左,中,右の各停止図柄として決定される。また、リーチとする決定がされた場合には、リーチ図柄を形成する左,右図柄が、左図柄決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄として決定される。
【0060】
また、前述した大当り予告をするか否かの決定は、演出制御用マイクロコンピュータ800において、大当り予告決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、大当り予告をするか否かをランダムに決定するためのものであって、前述した大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、可変表示開始前の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が予め定められた大当り予告決定値と一致する場合に、大当り予告をすることが決定される。大当り予告をするか否かの判定は、大当りとなる事前決定がされているか否かに関わらず、可変表示が実行されるすべての場合に行なわれる。ただし、大当りとなる事前決定がされているときの方が、はずれとなる事前決定がされているときよりも、大当り予告をすることが決定される確率が高くなるように、抽出されたカウンタの値と大当り予告決定値との関係が予め定められている。
【0061】
また、前述したリーチ予告をするか否かの決定は、演出制御用マイクロコンピュータ800において、リーチ予告決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、リーチ予告をするか否かをランダムに決定するためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、可変表示開始前の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が予め定められたリーチ予告決定値と一致する場合に、リーチ予告をすることが決定される。リーチ予告をするか否かの判定は、リーチとなる事前決定がされているか否かに関わらず、可変表示が実行されるすべての場合に行なわれる。ただし、リーチとなる事前決定がされているときの方が、リーチとならない事前決定がされているときよりも、リーチ予告をすることが決定される確率が高くなるように、抽出されたカウンタの値とリーチ予告決定値との関係が予め定められている。
【0062】
また、再抽選表示が行なわれる場合の仮の表示結果となる大当り図柄の組合せは、表示制御用マイクロコンピュータ800の側で決定される。表示制御用マイクロコンピュータ800は、遊技制御用マイクロコンピュータ53からの予定停止図柄の組合せを示す表示制御コマンドの内容により、最終的な大当りの図柄の組合せである再抽選の表示結果となる大当り図柄(以下、確定大当り図柄という)の組合せを再抽選前の変動表示中に認識している。そして、表示制御用マイクロコンピュータ800では、大当りとなる場合において、再抽選開始前に一旦表示する大当り図柄(再抽選前大当り図柄という)の組合せを事前にランダムに決定する。たとえば、再抽選前大当り図柄の組合せは、前述した大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能するランダムカウンタを用い、そのランダムカウンタから所定のタイミングでカウント値を抽出し、前述した大当り図柄決定用のランダムカウンタと同様の手順で予め定められた大当り図柄およびカウント値の関係に基づいて、抽出値から決定される。
【0063】
このような再抽選前大当り図柄の組合せの決定において、確定大当り図柄の組合せが確率変動図柄の組合せの場合は、再抽選前大当り図柄の組合せが確率変動図柄の組合せおよび非確率変動図柄の組合せのいずれかとなるように決定が行なわれる。一方、確定大当り図柄の組合せが非確率変動図柄の組合せの場合は、再抽選前大当り図柄の組合せが非確率変動図柄の組合せとなるように決定が行なわれる。これにより、再抽選前大当り図柄の組合せが確率変動図柄の組合せとなった場合は、再抽選後の確定大当り図柄の組合せが必ず確率変動図柄の組合せとなるので、再抽選前大当り図柄の組合せとして確率変動図柄の組合せとなった場合の再抽選後に確定大当り図柄の組合せが非確率変動図柄の組合せとなってしまうことが防がれ、遊技者の興趣の低下を防ぐことができる。
【0064】
このパチンコ遊技機においては、制御用マイクロコンピュータにより、このような各種ランダムカウンタを用いて制御内容が決定され、その決定に従った制御が実行される。
【0065】
なお、可動部材10については、基本的に可変表示部9等の表示器の画面を動作により大きく遮らず、打玉の流路を変化させない位置に設けられている。しかし、可動部材10の設置位置は、これに限るものではない。
【0066】
次に、可動部材10,10の構成および動作について説明する。図3は、可動部材10,10の構成および動作状態を示す可変表示装置8の拡大正面図である。
【0067】
図3を参照して、2つの可動部材10,10は、向かい合った2匹の龍を示すものであり、向きが異なるが同様の形状を有する可動部材である。したがって、2つの可動部材10,10を構成する部材も、2つの可動部材で左右対称の形状となっている。ここでは、2つの可動部材10,10は、対称的形状であるため、可動部材を構成する複数の部品について同一の参照符号を付し、一方を代表例として説明する。
【0068】
可動部材10は、上頭部10a、下頭部10b、胴体部10c、および、尾部10dを含む。下頭部10bが龍の下顎に相当する部分であり、上頭部10aが下顎以外の頭部に相当する部分である。上頭部10aおよび下頭部10bは、胴体部10cの上端部に連結されている。尾部10dは、胴体部10cの下端部に位置する態様で、可変表示装置8の枠体(飾り部材)の一部を構成するミドルベース8aに取り付けられている。また、上頭部10aには、龍の目に相当する透光部10eが設けられている。この透光部10eは、透明の合成樹脂よりなり、可動部材10の裏側(具体的には可変表示装置8内部)に設けられた役物飾りランプ40の発光を透過させることにより光る。
【0069】
このような構成の可動部材10は、ミドルベース8aと、そのさらに前側に位置する枠体であるセンターベース8bとを含んで形成される可変表示装置8の表飾り(飾り部材)の空間内において動作可能な態様で設けられている。
【0070】
また、図3の(a)における破線の両矢印線に示されるように、可動部材10は、胴体部10cが尾部10dの近傍を中心として左右に揺動する態様で、ソレノイド71により駆動される。この揺動により、可動部材10全体が前方に傾くこと、および、元の位置に戻ることをするような動作が行なわれる。また、図3の(b)における実線の両矢印線に示されるように、下頭部10bは、上頭部10aと下頭部10bとの連結部を中心として上下に揺動する態様で、ソレノイド72により駆動される。この揺動により、可動部材10の口が開閉する動作が行なわれる。
【0071】
可動部材10は、図3の(a)に示されるように、待機状態において上頭部10aの先端が可変表示部9の側端部前に位置しており、図3の(b)に示されるように、活動状態において上頭部10aの先端がさらに可変表示部9の中心部へ向けて動作する。このような可変表示部9と可動部材10との位置関係により、可変表示部9での可変表示と可動部材10の動作との関連性をより強調して示すことができる。図3の(a)に示す位置から(b)に示す位置までが可動部材10の可動範囲である。
【0072】
このように、可動部材10は、可変表示装置8の前面側を含む予め定められた可動範囲で動作する。また、可動部材10の可動範囲は、可動部材10が可動範囲内でのいずれの位置であっても可変表示装置8の前面側に設定されている。
【0073】
図3の(b)に示されるように、上頭部10aの先端が可変表示部9の中心部へ向けて動作するとともに下頭部10bの先端が下側へ移動して口が開いた状態になり、透光部10eが光ると、それに応じて、可変表示部9で可動部材10の口に相当する部分から火炎が放射されているような態様の演出画像91が表示される。これにより、可動部材10の動作に関連した表示(この場合は可動部材10の口が開く動作と、火炎が放射される表示とが関連する)が可変表示部9において行なわれる。このような可動部材10の動作および可変表示部9の表示は、たとえば、リーチ状態となる前の所定タイミング、リーチ状態となった時のタイミング、リーチ状態となった後の表示結果が導出表示される前の所定のタイミング、および、大当り状態となった時のタイミング等の所定の遊技状態になったときに実行される。
【0074】
次に、可変表示部9が設けられる可変表示装置8全体の詳細な構成を説明する。図4は、可変表示装置8の分解斜視図である。
【0075】
図4を参照して、可動部材10は、上頭部10a、下頭部10b、および、胴体部10cは、複数の連結部材10fにより、動作可能な態様で連結されている。可動部材10の尾部10dは、ミドルベース8aに固定されている。連結された上頭部10a、下頭部10b、および、胴体部10cは、上頭部10a、下頭部10b、および、胴体部10cの連結部がソレノイド72によって動作させられるリンク部材10hの先端部に取付けられ、胴体部10cにおける尾部10d近傍部分がソレノイド71によって動作させられるクランク部材10gの先端部に取付けられた態様で、ミドルベース8aの左右両側部の前面側に配置される。また、上頭部10a、下頭部10b、および、胴体部10cの連結部には、リンク部材10hに連動する上頭部10aの動作を防ぐためのストッパー10iが設けられている。上頭部10aの所定位置には、透光部10eを設けるための穴が形成されおり、その穴に透光部10eが嵌め入れられる。
【0076】
ミドルベース8a裏面側の上部には、役物飾りランプ40,40等の各種LEDが設けられたセンター上基板8fが設けられている。ミドルベース8aの前面側の左側部および右側部のそれぞれには、内部空間に役物飾りランプ40が挿通される筒状の導光部81、および、導光部81から可変表示部9へ向かう光を遮蔽する遮蔽部82が形成されている。この導光部81は、役物飾りランプ40からの光を可動部材10の透光部10eまで導くためのものであり、光を導くための内部空間が一定の内径で形成されている。
【0077】
センターベース8bの下部には、可変表示装置8において左右方向から流下してくる玉を始動入賞口14の上部へ導くことが可能なステージ8eが取付けられている。センターベース8bの上部には、天飾り8cと上飾り8dとが取付けられている。
【0078】
ミドルベース8aの裏面側に設けられる枠体であるバックベース8gにおいては、中央部に、前述した可変表示部9(ここでは図示省略)が嵌込まれる長方形の開口部83が形成されている。バックベース8gの裏面側においては、左右の各側に、2つのソレノイド71,72が取付けられている。また、バックベース8gの裏面側の下部には、各種LEDが設けられたセンター下基板8hが取付けられている。また、バックベース8gの裏面側の左右両端部には、左右一対のワープ玉通路8i,8iが取付けられている。このワープ玉通路8i,8iは、可変表示装置8の上部に設けられたワープ玉入口から入った玉を可変表示装置8の裏面側で誘導し、前述したステージ8eの左右から中央へ向かって放出することが可能に構成されている。
【0079】
可変表示装置8においては、センターベース8bがミドルベース8aの表面側に取付けられ、さらに、これらがバックベース8gの表面側に取付けられる態様で、センターベース8b、ミドルベース8a、および、バックベース8gが一体となるように構成されている。
【0080】
次に、可動部材10の透光部10eがどのように光るかということについて、役物飾りランプ40と透光部10eとの関係を具体的に示して説明する。図5は、役物飾りランプ40と可動部材10の透光部10eとの関係を示す可変表示装置8の拡大図である。
【0081】
図5においては、(a)に可動部材10が待機状態である場合が示され,(b)に可動部材10が活動状態である場合が示されている。
【0082】
図5の(a)を参照して、導光部81は断面円形の筒状である。導光部81の内部空間は、内縁(内部空間の外径)が、役物飾りランプ40の外縁(外径)よりも広く、かつ、可動部材10(透光部10e)の可動範囲よりも狭く形成されている。導光部81の内部空間に役物飾りランプ40が収容されている。導光部81は、役物飾りランプ40により発光された光を先端から透光部10eに向けて導く。導光部81の可変表示部9の方の側には、導光部81から放射される光のうち、可変表示部9へ向かう光を遮蔽するための遮蔽部82が設けられている。この遮蔽部82は、導光部81の先端部において、可変表示部9側の部分を囲む態様で前方に突出する断面半円径の壁部を有しており、その突出部分により、導光部81からの光を遮蔽する。この例では、遮蔽部82は導光部81と一体的に形成されている。
【0083】
なお、この遮蔽部82は、ミドルベース8aにおいて導光部81の可変表示部9側に別体で構成される態様で設けられてもよい。つまり、遮蔽部82は、少なくとも導光部81の可変表示部9側の部分で光を遮蔽することが可能な形状であれば、どのような形状を採用してもよい。
【0084】
可動部材10が待機状態である場合は、(a)に示されるように、透光部10eの略中心部の位置に導光部81の先端部が対向するような位置となるように、可動部材10が位置決めされる。また、可動部材10が活動状態である場合は、可動部材10が可変表示部9側へ最大限動作した状態で、(b)に示されるように、透光部10eの右端部の位置に導光部81の先端部が対向するような位置となるように、可動部材10が位置決めされる。可動部材10が可動範囲内のいずれの位置であっても、導光部81の先端部が透光部10eに向かうこととなるように、可動部材10と導光部81との位置決めがなされている。このため、可動部材10がどのような状態であっても、導光部81から放射された光が透光部10eを透過するので、透光部10eが明るく光ることとなる。
【0085】
なお、透光部10eと導光部81との位置関係は、図5に示されたものに限らず、少なくとも、導光部81の内部空間は、透光部10eの可動範囲に光を導くことが可能な範囲内で、内縁が、発光体(役物飾りランプ40)の外縁よりも広く、かつ、可動部材10(透光部10e)の可動範囲よりも狭ければよい。
【0086】
図6は、パチンコ遊技機1における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。なお、図6には、制御基板として、遊技制御基板31、払出制御基板37、および、演出制御基板80が示されている。
【0087】
遊技制御基板31には、遊技制御用マイクロコンピュータ53と、スイッチ回路58と、ソレノイド回路59とが含まれている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する。スイッチ回路58は、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ23、カウントスイッチ22、入賞口スイッチ19a,24a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、球切れ検出スイッチ167、および、賞球カウントスイッチ301Aからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53に与える。ソレノイド回路59は、入賞球装置15を開閉するソレノイド16、大入賞口20の開閉板29を開閉するソレノイド21、および、大入賞口内誘導板を動作させるソレノイド33を遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って駆動する。
【0088】
また、遊技制御基板31は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示部9の可変表示開始(始動)に利用された始動入賞球の個数を示す始動情報(有効始動情報)、確率変動が生じたことを示す確変情報、および、賞球数を示す賞球情報をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する情報出力回路64を含んでいる。
【0089】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御用のプログラム等を記憶する記憶手段の一例であるROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM55、制御用プログラムに従って制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む遊技制御用のマイクロコンピュータである。この実施の形態ではROM54,RAM55はCPU56に搭載されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、CPU56とROM54,RAM55とは1チップ化されていなくてもよい。つまり、ROM54、RAM55およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、マイクロコンピュータにおける情報入出力可能な端子である。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、接続された各種スイッチ(検出器)からの信号を受け、接続された制御対象の機器を駆動する制御を行なう。
【0090】
さらに、遊技制御基板31には、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート部57のうちいずれかのI/Oポート部を選択するための信号を出力するアドレスデコード回路67が設けられている。なお、球払出装置97から遊技制御基板31に入力されるスイッチ情報もあるが、図6においてはそれらは省略されている。
【0091】
また、演出制御基板80には、表示制御、ランプ制御、可動部材制御、および、音制御の各制御手段として機能し、これらの制御により遊技の演出制御を行なうことが可能な演出制御用マイクロコンピュータ800が搭載されている。この演出制御用マイクロコンピュータ800の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ53と同様である。
【0092】
遊技制御基板31から演出制御基板80には、演出制御基板80により制御が行なわれる機器の制御のための指令情報である演出制御コマンド等の情報が伝送される。演出制御用マイクロコンピュータ800は、このような演出制御コマンドに応じて制御対象機器を駆動する制御を行なう。
【0093】
そのため、演出制御コマンドには、特別図柄および普通図柄の可変表示制御内容についての表示制御コマンド、ランプおよびLED等の発光体(以下、ランプと総称する)の制御内容についてのランプ制御コマンド、可動部材の制御内容についての可動部材制御コマンド、ならびに、音の制御内容についての音制御コマンドが含まれている。
【0094】
具体的に、表示制御コマンドとしては、たとえば可変表示の変動パターン(可変表示の開始を含む)、可変表示の停止図柄、可変表示の停止、大当り時の表示等の可変表示に関する各種指令が示される。演出制御用マイクロコンピュータ800では、この表示制御コマンドに応じて、特別図柄および普通図柄の可変表示等の表示制御を行なう。
【0095】
また、演出制御用マイクロコンピュータ800では、ランプ制御コマンドに応じて、遊技効果ランプ28a〜28c、賞球ランプ51、球切れランプ52、役物飾りランプ40、および装飾ランプ25のような発光体の駆動制御(発光動作制御)を行なう。
【0096】
また、演出制御用マイクロコンピュータ800では、可動部材制御コマンドに応じて2つのソレノイド71,71および2つのソレノイド72,72(図においては、1組のソレノイド71,72が代表例として示されている)のそれぞれへ与える駆動電流を制御して各可動部材10,10の駆動制御を行なう。
【0097】
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ800では、遊技制御基板31から伝送される効果音等の音声制御に関する指令情報としての音制御コマンドに応じて、スピーカ27から出力される(発生される)音の制御を行なう。
【0098】
また、遊技制御基板31から払出制御基板37には、払出制御基板37により駆動制御される球払出装置97による賞球の払出制御に関する指令情報としての払出制御コマンド等の情報が伝送される。この払出制御コマンドは、入賞球の発生に応じた賞球の払出数等を指令するコマンドである。払出制御基板37では、払出制御用マイクロコンピュータ370(払出制御手段)が搭載されており、この払出制御用マイクロコンピュータ370が、払出制御コマンドに応じて賞球の払出制御を行なう。この払出制御用マイクロコンピュータ370の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ53と同様である。また、払出制御用マイクロコンピュータ370では、カードユニット50と相互に情報通信することにより、カードユニット50からの指令に応じた貸球の払出制御も行なわれる。
【0099】
この実施の形態では、遊技制御基板31および払出制御基板37に設けられたRAMが、バックアップ電源でバックアップされている。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間はRAMの内容が保存される。そして、各制御基板におけるCPUは、電源電圧の低下を検出すると、所定の処理を行なった後に電源復旧待ちの状態になる。また、電源投入時に、各制御基板におけるCPUは、RAMにデータが保存されている場合には、保存データに基づいて電源断前の状態を復元する。
【0100】
遊技制御基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ53)から各制御基板へ送信される情報には、制御の指令内容を示す制御コマンドと、該コマンドの取込みタイミングを示すINT信号とが含まれる。ここで、コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御モードの種類を指令する1バイトのMODEデータと、MODEデータで指令された制御モードにおける具体的な制御内容を指令する1バイトのEXTデータとにより構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、このような2バイトのデータを、指令先の各制御基板へ順次送信することにより、制御内容を指令する。
【0101】
図6においては、可変表示制御機能、ランプ制御機能、可動部材制御機能、および、音制御機能のすべてを1つのマイクロコンピュータ800に含ませ、そのマイクロコンピュータ800が前述したような表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、可動部材制御コマンド、および、音制御コマンドを受信し、そのコマンドに応じて各種制御を行なうようにした例を示した。このような構成を採用することにより、このパチンコ遊技機1では、表示制御、可動部材制御、ランプ制御、および、音制御を同期させた演出を容易に行なうことができる。
【0102】
なお、このように可変表示制御機能、ランプ制御機能、可動部材制御機能、および、音制御機能のすべてを1つのマイクロコンピュータ800に含ませる構成に限らず、可変表示制御機能、ランプ制御機能、可動部材制御機能、および、音制御機能を複数個のそれぞれのマイクロコンピュータに分割構成したり、適宜組合せて複数個のマイクロコンピュータで構成し、各マイクロコンピュータ用に定められたコマンドに応じて各種制御を行なうようにしてもよい。
【0103】
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ53のCPU56により実行される制御を説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ53では、遊技の進行を制御するための処理である遊技制御のメイン処理およびタイマ割込み処理が実行され、これらの処理により、各種制御用のサブルーチンプログラムが呼び出されて実行されることにより、各種の遊技制御が行なわれる。
【0104】
遊技制御用マイクロコンピュータ53では各種制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ800に送信するが、ここでは、表示制御コマンドを例に挙げて制御コマンドの送信例を説明する。
【0105】
まず、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、特別図柄の変動パターン(可変表示時間を含む)を指定する変動パターンコマンドを送信する。変動パターンコマンドとしては、基本的に、リーチ表示態様(リーチ状態の表示態様)とならずに表示結果がはずれとなる変動パターン、リーチ表示態様となった後に表示結果がはずれとなる変動パターン、および、リーチ表示態様となった後に表示結果が大当りとなる変動パターン等の各種コマンドが含まれる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ800は、変動パターンコマンドを受信すると、変動パターンに加えて、リーチ表示態様となるか否かと、大当りになるか否かとのそれぞれについて認識することができる。
【0106】
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、変動パターンコマンドの送信に引続き、左,中,右特別図柄の予定停止図柄を指定する停止図柄コマンドを送信する。
【0107】
その後、特別図柄の可変表示が開始されてから変動パターンコマンドにより指定した可変表示時間が経過した時に、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、特別図柄の可変表示の停止を指示するための変動停止コマンドを送信する。
【0108】
そして、可変表示の結果として大当りとなった場合、遊技制御用マイクロコンピュータ53では、大当り制御時の表示制御内容を指定するコマンド等の各種コマンドを送信する制御が行なわれる。
【0109】
表示制御用マイクロコンピュータ800では、前述したような各種表示制御コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより指定される表示制御を実行する制御を行なう。
【0110】
次に、演出制御用マイクロコンピュータ800のCPUにより実行される制御を説明する。演出制御用マイクロコンピュータ800では、所定の演出制御用のメイン処理の実行にしたがって、表示制御用のメイン処理と、ランプ制御用のメイン処理と、可動部材制御用のメイン処理と、音制御用のメイン処理とがそれぞれ実行される。
【0111】
表示制御用のメイン処理は、演出制御用マイクロコンピュータ800の表示制御機能を実現するためのメイン処理であり、この処理の実行にしたがって各種表示制御用の複数のサブルーチンが実行され、前述したような可変表示制御が行なわれる。また、ランプ制御用のメイン処理は、演出制御用マイクロコンピュータ800のランプ制御機能を実現するためのメイン処理であり、この処理の実行にしたがって各種ランプ制御用の複数のサブルーチンが実行され、前述したようなランプ制御が行なわれる。また、可動部材制御用のメイン処理は、演出制御用マイクロコンピュータ800の可動部材制御機能を実現するためのメイン処理であり、この処理の実行にしたがって各種可動部材制御用の複数のサブルーチンが実行され、前述したような可動部材10の制御が行なわれる。また、音制御用のメイン処理は、演出制御用マイクロコンピュータ800の音制御機能を実現するためのメイン処理であり、この処理の実行にしたがって各種音制御用の複数のサブルーチンが実行され、前述したような音の制御が行なわれる。このように、演出制御用マイクロコンピュータ800では、制御機能として、表示制御機能(表示制御手段)、ランプ制御手段(ランプ制御機能)、可動部材制御手段(可動部材制御機能)、および、音制御手段(音制御機能)を有している。
【0112】
次に、演出制御用マイクロコンピュータ800で実行される役物飾りランプ40の発光色制御について説明する。演出制御用マイクロコンピュータ800では、パチンコ遊技機1の遊技状態に応じて、役物飾りランプ40の発光色を複数の色のうちから選択し、選択した色で役物飾りランプ40を発光させる制御が行なわれる。
【0113】
このような制御は、演出制御用マイクロコンピュータ800において、遊技制御用マイクロコンピュータ53から受けた各種コマンドおよび実行中の制御の情報等に基づいて、現在の遊技状態がどのような遊技状態(たとえば、リーチ状態前、リーチ状態中等)であるかを判断し、遊技状態と発光色との対応関係を示すデータテーブルである発光色データテーブル(図8、図9を用いて後述する。)を用いて、現在の遊技状態に対応する発光色を選択し、その選択した色で発光するように役物飾りランプ40を制御するプログラムが実行されることにより実現される。
【0114】
次に、可動部材10,10の動作演出、役物飾りランプ40の発光演出、および、可変表示装置8の表示演出を組合せた遊技演出の一例を説明する。以下に示す遊技演出は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から受信した演出制御コマンド(表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、可動部材制御コマンド)に基づいて、演出表示制御用マイクロコンピュータ800が実行する。
【0115】
図7は、可動部材10,10の動作演出、役物飾りランプ40,40の発光演出、および、可変表示装置8の表示演出を組合せた遊技演出の一例を示す可変表示装置8の拡大正面図である。
【0116】
可変表示部9においては、特別図柄として、基本的に、1組の左図柄61,中図柄62,右図柄63がスクロール等の変動方式で可変表示される。可動部材10,10は、特別図柄の可変表示が開始される前の段階では停止状態となっており、特別図柄の可変表示が開始された後も、しばらくは停止状態となっている。このように可動部材10,10が停止状態となっている状態では、役物飾りランプ40,40は消灯状態にされている。なお、可動部材10,10が停止状態となっている状態では、役物飾りランプ40,40を所定の色で発光させる演出を行なってもよい。(a)および(b)における中図柄62を示す下向きの矢印は、図柄が変動中であることを示している。
【0117】
本実施の形態の場合、リーチ予告は、(a),(b)に示されるように、左図柄61および右図柄63を非リーチ状態で一旦停止させた後、一方の可動部材(たとえば、向かって左側の可動部材)10を動作させる(龍の口を開いた態様の活動状態にする)制御が行なわれる。このときの可動部材10の動作は、リーチ前動作と呼ばれる。このようなリーチ前動作時には、動作した可動部材10に対応する役物飾りランプ(たとえば、向かって左側の役物飾りランプ)40を青色の発光色で発光させる制御が行なわれるとともに、所定の色(青色または黄色であり、青色になる割合が黄色になる割合よりも高い)の演出画像(第1演出画像91aまたは第2演出画像91b)を表示させる制御が行なわれる。
【0118】
演出画像としては、(a)に示されたような大火炎を示す第1演出画像91aと、(b)に示されたような小火炎を示す第2演出画像91bとが選択的に用いられる。大火炎を示す第1演出画像91aは、停止している一方の特別図柄(たとえば左図柄61)上に重なる態様で表示される。これにより、龍の口から出た火炎が特別図柄に当るような状態を示す表示演出がされる。このような第1演出画像91aを表示する演出は、特別図柄の上に重なる態様で表示されるものであり、特別図柄の表示に影響を与える演出(表示影響演出)である。また、小火炎を示す第2演出画像91bは、停止している一方の特別図柄(たとえば左図柄61)上に重ならない態様で表示される。これにより、龍の口から火炎が出るが火炎が特別図柄に届かずに当らないような状態を示す表示演出(特別図柄の表示に影響を与えない演出)がされる。
【0119】
そして、(a)に示すような特別図柄の表示に影響を与える第1演出画像91aが表示されたときには、前述したような可動部材10の動作、役物飾りランプ40の発光、演出表示画像の表示が行なわれた後、左図柄61を別の図柄に差替えることにより特別図柄の表示態様を変化させる差替え演出表示が行なわれる。一方、(b)に示すような特別図柄の表示に影響を与えない第2演出画像91bが表示されたときには、差替え演出表示は行なわれない。
【0120】
第1演出画像91aの表示に応じて差替え演出表示による図柄の差替えが行なわれるときには、左図柄61および右図柄63が揃ってリーチ状態が生じるときと、左図柄61および右図柄63が揃わずにリーチ状態が生じないときとがある。図柄の差替えが行なわれるときの方が、差替えが行なわれないときよりも、リーチ状態が生じる割合が高くなるように制御される。
【0121】
また、第2演出画像91bの表示により差替え演出表示が行なわれないときには、左図柄61および右図柄63は停止したままであり、図柄の表示態様は変化しないように制御される。このように差替え演出表示が行なわれないときには、左図柄61および右図柄63が揃ってリーチ状態が生じるときと、左図柄61および右図柄63が揃わずにリーチ状態が生じないときとがある。図柄の差替えが行なわれないときは、前述したような図柄の差替えが行なわれるときよりも、リーチ状態が生じる割合が低い。
【0122】
また、図示を省略するが、本実施の形態の場合、大当り予告は、左図柄61および右図柄63をリーチ状態で一旦停止させた後、両方の可動部材10,10を動作させる(龍の口を開いた態様の活動状態にする)制御が行なわれる。このときの可動部材10の動作は、リーチ中動作と呼ばれる。このようなリーチ中動作時には、リーチ前動作と同様に、動作した可動部材10,10に対応する役物飾りランプ40,40を赤色の発光色で発光させる制御が行なわれるとともに、所定の色(赤色または黄色であり、赤色になる割合が黄色になる割合よりも高い)の演出画像(第1演出画像91aまたは第2演出画像91ab)を表示させる制御が行なわれる。
【0123】
大当り予告の場合、(a)に示されるような大火炎を示す第1演出画像91aが、両方の可動部材10,10のそれぞれに対応する態様で2つ表示され、それぞれの第1演出画像91a,91aがリーチ表示態様で停止している左図柄61および右図柄63のそれぞれの上に重なる態様で表示される場合がある。これにより、2つの龍の口から出た大火炎が特別図柄に当るような状態を示す表示演出(特別図柄の表示に影響を与える表示影響演出)がされる。また、(b)に示されるような小火炎を示す第2演出画像91bが、両方の可動部材10,10のそれぞれに対応する態様で2つ表示され、それぞれの第2演出画像91b,91bがリーチ表示態様で停止している特別図柄のそれぞれの上に重ならない態様で表示される場合もある。これにより、2つの龍の口から小火炎が出るが小火炎が特別図柄に届かずに当らないような状態を示す表示演出(特別図柄の表示に影響を与えない演出)がされる。
【0124】
そして、特別図柄の表示に影響を与える第1演出画像91a,91aが表示されたときには、このような可動部材10,10の動作、役物飾りランプ40の発光、演出表示画像の表示が行なわれた後、リーチ図柄(リーチ表示態様)となっている左図柄61および右図柄63(図柄)の両方を別のリーチ図柄に差替えることにより特別図柄の表示態様を変化させる差替え演出表示が行なわれる。一方、特別図柄の表示に影響を与えない第2演出画像91b,91bが表示されたときには、差替え演出表示は行なわれない。
【0125】
第1演出画像91aの表示に応じて差替え演出表示によるリーチ図柄の差替えが行なわれたときは、表示結果が大当り図柄の組合せとなるときと、表示結果が大当り図柄の組合せとならないときとがある。リーチ図柄の差替えが行なわれるときの方が、差替えが行なわれないときよりも、大当り図柄の表示結果が生じる割合が高くなるように制御される。
【0126】
また、第2演出画像91bの表示により差替え演出表示が行なわれないときには、左図柄61および右図柄63は停止したままであり、図柄の表示態様は変化しないように制御される。このように差替え演出表示が行なわれないときには、表示結果が大当り図柄の組合せとなるときと、表示結果が大当り図柄の組合せとならないときとがある。リーチ図柄の差替えが行なわれないときは、リーチ図柄の差替えが行なわれるときよりも、大当り図柄の表示結果が生じる割合が低い。
【0127】
このような可動部材10,10のリーチ前動作またはリーチ中動作による動作演出が行なわれたときには、第1演出画像91aの色を役物飾りランプ40の発光色と同じ色に制御することにより、可動部材10,10の動作演出と可変表示部9の表示演出との間に対応関係(龍の口の動作と火炎との対応関係)が生じるとともに、可動部材10,10の動作演出と可変表示部9の表示演出との間に対応関係(龍の目の発光色と火炎の色との対応関係)が生じる。
【0128】
以上に示したように、可動部材10,10による動作演出が行なわれたときに、可変表示装置8において、可動部材10,10の動作態様に対応した表示演出による表示状態の制御が行なわれるとともに、役物飾りランプ40,40の発光態様に対応した表示演出による制御が行なわれる。
【0129】
このような演出が行なわれることにより、遊技者に対して、リーチ予告および大当り予告をすることができる。
【0130】
次に、可動部材10,10により前述したリーチ前動作およびリーチ中動作のそれぞれが行なわれる時における演出画像の種類、特別図柄の演出パターン、色(以下、演出表示色ともいう)、役物飾りランプ40,40の発光色との関係を説明する。
【0131】
図8は、可動部材10,10によりリーチ前動作が行なわれる時における演出画像の種類、特別図柄の演出パターン、演出表示色、および、発光色の相互関係を表形式で示す図である。
【0132】
図8を参照して、リーチ前動作時における演出画像の種類、図柄演出パターンおよび演出表示色を含めた表示演出態様は、複数の表示演出態様のうちから、前述した各種ランダムカウンタと同様の機能を有するランダムカウンタR1の抽出値に基づいて選択決定される。このランダムカウンタR1がカウントする数値範囲は、「0」〜「99」である。そのカウンタ値は、リーチ前動作を実行することが決定された後、リーチ前動作の実行開始時よりも前の所定のタイミングで、抽出されて演出画像の種類、図柄演出パターン、および、演出表示色を含めた表示演出態様の決定のために用いられる。
【0133】
図8においては、R1と、演出画像の種類、図柄演出パターン、および、演出表示色のそれぞれとの対応関係がリーチ決定時(可変表示においてリーチ状態となることが事前決定されているとき)と非リーチ決定時(可変表示においてリーチ状態となることが事前決定されていないとき)とに分けて予め定められている。
【0134】
リーチ決定時において、R1の抽出値が「0」〜「9」のうちのいずれかである場合には、実行する表示演出について、演出画像の種類が第2演出画像91bに決定され、図柄演出パターンが演出なしに決定され、かつ、演出表示色が黄色に決定される。そして、R1の抽出値が「10」〜「99」のうちのいずれかである場合には、演出画像の種類が第1演出画像91aに決定され、図柄演出パターンが差替え演出に決定され、かつ、演出表示色が青色に決定される。
【0135】
一方、リーチ非決定時において、R1の抽出値が「0」〜「89」のうちのいずれかである場合には、実行する表示演出について、演出画像の種類が第2演出画像91bに決定され、図柄演出パターンが演出なしに決定され、かつ、演出表示色が黄色に決定される。そして、R1の抽出値が「90」〜「99」のうちのいずれかである場合には、演出画像の種類が第1演出画像91aに決定され、図柄演出パターンが差替え演出に決定され、かつ、演出表示色が青色に決定される。このようなリーチ決定時およびリーチ非決定時におけるR1の抽出値と各事項との関係を示すデータは、データテーブル形式で演出制御用マイクロコンピュータ800のROMに格納されており、RAMの所定領域に読出されて、演出画像の種類、図柄演出パターン、および、演出表示色の決定のために使用される。
【0136】
また、図8においては、リーチ前動作が行なわれるときの発光色の設定が演出表示色と対応付けて示されている。リーチ前動作が行なわれるときの発光色は、リーチ決定時およびリーチ非決定時を問わず青色に設定される。これにより、リーチ前動作が行なわれるときには、演出制御用マイクロコンピュータ800のランプ制御機能により、役物飾りランプ40,40を青色で発光させる制御が行なわれる。
【0137】
このように、リーチ決定時においては、第1演出画像91aの方が第2演出画像91bよりも決定される確率が高く、差替え演出の方が演出なしよりも決定される確率が高く、かつ、発光色と同じ青色の方が、発光色と異なる黄色よりも演出表示色として決定される確率が高く設定されている。一方、リーチ非決定時においては、第2演出画像91bの方が第1演出画像91aよりも決定される確率が高く、演出なしの方が差替え演出よりも決定される確率が高く、かつ、図柄演出パターンが発光色と異なる黄色の方が、発光色と同じ青色よりも演出表示色として決定される確率が高く設定されている。
【0138】
このため、リーチ決定時においては、非リーチ決定時と比べて、第1演出画像91aの方が第2演出画像91bよりも決定されやすく、差替え演出の方が演出なしよりも決定されやすく、かつ、発光色と同じ色の方が発光色と異なる色よりも演出表示色として決定されやすくなっている。これにより、前述したデータテーブルでは、第1演出画像91aを表示する決定がされたときの方が第2演出画像91bを表示する決定がされたときよりもリーチ状態を表示させる割合が多くなるようにデータが設定されている。また、差替え演出をする決定がされたときの方が演出をしない決定がされたときよりもリーチ状態を表示させる割合が多くなるようにデータが設定されている。また、演出表示色と発光色とが対応する制御をする決定がされたときの方が、演出表示色と発光色とが対応しない制御をする決定がされたされたときよりもリーチ状態を表示させる割合が多くなるようにデータが設定されている。
【0139】
このようなリーチ前動作は、リーチ状態とすることが事前決定された場合に、リーチ状態とならないことが事前決定された場合よりも実行される確率が高いため、パチンコ遊技機1においてリーチ予告として用いられる。
【0140】
図9は、可動部材10,10によりリーチ中動作が行なわれる時における演出画像の種類、特別図柄の演出パターン、演出表示色、および、発光色の相互関係を表形式で示す図である。
【0141】
図9を参照して、リーチ中動作時における演出画像の種類、図柄演出パターン、および、演出表示色を含めた表示演出態様は、複数の表示演出態様のうちから、前述した各種ランダムカウンタと同様の機能を有するランダムカウンタR2の抽出値に基づいて選択決定される。このランダムカウンタR2がカウントする数値範囲は、「0」〜「49」である。そのカウンタ値は、リーチ中動作を実行することが決定された後、リーチ中動作の実行開始時よりも前の所定のタイミングで、抽出されて演出画像の種類、図柄演出パターン、および、演出表示色を含めた表示演出態様の決定のために用いられる。
【0142】
図9においては、R2と、演出画像の種類、図柄演出パターン、および、演出表示色のそれぞれとの対応関係が大当り決定時(可変表示の表示結果が大当りとなることが事前決定されているとき)とはずれ時(可変表示の表示結果がはずれとなることが事前決定されているとき)とに分けて予め定められている。
【0143】
大当り決定時において、R2の抽出値が「0」〜「4」のうちのいずれかである場合には、実行する表示演出について、演出画像の種類が第2演出画像91bに決定され、図柄演出パターンが演出なしに決定され、かつ、演出表示色が黄色に決定される。そして、R2の抽出値が「5」〜「49」のうちのいずれかである場合には、演出画像の種類が第1演出画像91aに決定され、図柄演出パターンが差替え演出に決定され、かつ、演出表示色が赤色に決定される。
【0144】
一方、はずれ決定時において、R2の抽出値が「0」〜「44」のうちのいずれかである場合には、実行する表示演出について、演出画像の種類が第2演出画像91bに決定され、図柄演出パターンが演出なしに決定され、かつ、演出表示色が黄色に決定される。そして、R2の抽出値が「45」〜「49」のうちのいずれかである場合には、演出画像の種類が第1演出画像91aに決定され、図柄演出パターンが差替え演出に決定され、かつ、演出表示色が赤色に決定される。このような大当り決定時およびはずれ決定時におけるR2の抽出値と各事項との関係を示すデータは、データテーブル形式で演出制御用マイクロコンピュータ800のROMに格納されており、RAMの所定領域に読出されて、演出画像の種類、図柄演出パターン、および、演出表示色の決定のために使用される。
【0145】
また、図9においては、リーチ中動作が行なわれるときの発光色の設定が演出表示色と対応付けて示されている。リーチ中動作が行なわれるときの発光色は、大当り決定時およびはずれ決定時を問わず赤色に設定される。これにより、リーチ中動作が行なわれるときには、演出制御用マイクロコンピュータ800のランプ制御機能により、役物飾りランプ40,40を赤色で発光させる制御が行なわれる。
【0146】
このように、大当り決定時においては、第1演出画像91aの方が第2演出画像91bよりも決定される確率が高く、差替え演出の方が演出なしよりも決定される確率が高く、かつ、発光色と同じ赤色の方が、発光色と異なる黄色よりも演出表示色として決定される確率が高く設定されている。一方、はずれ決定時においては、第2演出画像91bの方が第1演出画像91aよりも決定される確率が高く、演出なしの方が差替え演出よりも決定される確率が高く、かつ、図柄演出パターンが発光色と異なる黄色の方が、発光色と同じ赤色よりも演出表示色として決定される確率が高く設定されている。
【0147】
このため、大当り決定時においては、はずれ決定時と比べて、第1演出画像91aの方が第2演出画像91bよりも決定されやすく、差替え演出の方が演出なしよりも決定されやすく、かつ、発光色と同じ色の方が発光色と異なる色よりも演出表示色として決定されやすくなっている。これにより、前述したデータテーブルでは、第1演出画像91aを表示する決定がされたときの方が第2演出画像91bを表示する決定がされたときよりも大当りの表示結果となる割合が多くなるようにデータが設定されている。また、差替え演出をする決定がされたときの方が演出をしない決定がされたときよりも大当りの表示結果となる割合が多くなるようにデータが設定されている。また、演出表示色と発光色とが対応する制御をする決定がされたときの方が、演出表示色と発光色とが対応しない制御をする決定がされたときよりも大当りの表示結果となる割合が多くなるようにデータが設定されている。
【0148】
このようなリーチ中動作は、大当りとなることが事前決定された場合に、はずれとなることが事前決定された場合よりも実行される確率が高いため、パチンコ遊技機1において大当り予告として用いられる。
【0149】
次に、前述したようなリーチ前動作時およびリーチ中動作時のそれぞれにおける表示演出をするために演出制御用マイクロコンピュータ800で実行される制御内容を説明する。
【0150】
演出制御用マイクロコンピュータ800では、表示制御用のメイン処理の進行にしたがって実行されるサブルーチンの1つとして、動作対応表示態様選択処理が含まれている。この動作対応表示態様選択処理は、特別図柄の可変表示が実行される際の可動部材10,10の動作に対応して可変表示部9での表示態様を選択し、可動部材10,10の動作に対応する表示制御を行なうための制御データを設定する処理である。この動作対応表示態様選択処理により制御データが設定されると、表示制御用の制御データに基づいて可変表示部9に画像表示を行なうための表示実行処理にしたがって、設定された制御データに応じたリーチ前動作時の表示演出およびリーチ中動作時の表示演出が行なわれる。
【0151】
図10は、動作対応表示態様選択処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0152】
図10を参照して、まず、ステップ(以下、単にSという)1により、リーチ前動作条件が成立しているか否かが判断される。具体的に、S1では、演出制御用マイクロコンピュータ800において、実行する可変表示についてリーチ予告を実行する決定がされているときにリーチ前動作条件が成立していると判断する。
【0153】
S1によりリーチ前動作条件が成立していないと判断された場合は、後述するS7に進む。一方、S1によりリーチ前動作条件が成立していると判断された場合は、S2に進み、現在がリーチ決定時であるか非リーチ決定時であるかを判別する処理がなされる。具体的には、リーチ前動作の対象となる可変表示について受信した変動パターンコマンドがリーチ表示態様となる変動パターンを指定するコマンドと、リーチ表示態様とならない変動パターンを指定するコマンドとのどちらであるかを解析して、リーチ表示の変動パターンを指定するコマンドである場合はリーチ決定時であると判別し、一方、リーチ表示態様とならない変動パターンを指定するである場合は非リーチ決定時であると判別する。
【0154】
S3に進み、前述したランダムカウンタR1からカウンタ値を抽出する処理がなされる。そして、S4に進み、前述したリーチ前動作時の演出表示決定用のデータテーブル(図8)を用い、S2によるリーチ決定時であるか否かの判定結果に応じ、R1の抽出値と演出画像の種類との関係に基づいて、S3により抽出された抽出値から、演出画像の種類がランダムに決定され、決定された演出画像を表示するための制御データがリーチ前動作時の演出表示用のデータと対応付けられてRAMの作業領域に設定される。
【0155】
次に、S5に進み、前述したリーチ前動作時の演出表示決定用のデータテーブルを用い、S2によるリーチ決定時であるか否かの判定結果に応じ、R1の抽出値と図柄演出パターンとの関係に基づいて、S3により抽出された抽出値から、図柄演出パターンがランダムに決定され、決定された図柄演出パターンを表示するための制御データがリーチ前動作時の演出表示用のデータと対応付けられてRAMの作業領域に設定される。
【0156】
次に、S6に進み、前述したリーチ前動作時の演出表示決定用のデータテーブルを用い、S2によるリーチ決定時であるか否かの判定結果に応じ、R1の抽出値と演出表示色との関係に基づいて、S3により抽出された抽出値から、演出表示色がランダムに決定され、決定された演出表示色を表示するための制御データがリーチ前動作時の演出表示用のデータと対応付けられてRAMの作業領域に設定される。
【0157】
S7では、リーチ中動作条件が成立しているか否かが判断される。具体的に、S7では、演出制御用マイクロコンピュータ800において、実行する可変表示について大当り予告を実行する決定がされているときにリーチ中動作条件が成立していると判断する。
【0158】
S7によりリーチ中動作条件が成立していないと判断された場合は、この動作対応表示態様選択処理のサブルーチンが終了し、元の処理ルーチンにリターンする。一方、S7によりリーチ中動作条件が成立していると判断された場合は、S8に進み、現在が大当り決定時であるかはずれ決定時であるかを判別する処理がなされる。具体的には、リーチ中動作の対象となる可変表示について受信した変動パターンコマンドが大当りとなる変動パターンを指定するコマンドと、はずれとなる変動パターンを指定するコマンドとのどちらであるかを解析して、大当りとなる変動パターンを指定するコマンドである場合は大当り決定時であると判別し、一方、はずれとなる変動パターンを指定するコマンドである場合ははずれ決定時であると判別する。
【0159】
そして、S9に進み、ランダムカウンタR2からカウンタ値を抽出する処理がなされる。そして、S10に進み、前述したリーチ中動作時の演出表示決定用のデータテーブル(図9)を用い、S8による大当り決定時であるか否かの判定結果に応じ、R2の抽出値と演出画像の種類との関係に基づいて、S9により抽出された抽出値から、演出画像の種類がランダムに決定され、決定された演出画像を表示するための制御データがリーチ中動作時の演出表示用のデータと対応付けられてRAMの作業領域に設定される。
【0160】
次に、S11に進み、前述したリーチ中動作時の演出表示決定用のデータテーブルを用い、S8による大当り決定時であるか否かの判定結果に応じ、R2の抽出値と図柄演出パターンとの関係に基づいて、S9により抽出された抽出値から、図柄演出パターンがランダムに決定され、決定された図柄演出パターンを表示するための制御データがリーチ中動作時の演出表示用のデータと対応付けられてRAMの作業領域に設定される。
【0161】
次に、S12に進み、前述したリーチ中動作時の演出表示決定用のデータテーブルを用い、S8による大当り決定時であるか否かの判定結果に応じ、R2の抽出値と演出表示色との関係に基づいて、S9により抽出された抽出値から、演出表示色がランダムに決定され、決定された演出表示色を表示するための制御データがリーチ中動作時の演出表示用のデータと対応付けられてRAMの作業領域に設定される。S12の後、この動作対応表示態様選択処理のサブルーチンが終了し、元の処理ルーチンにリターンする。
【0162】
このように動作対応表示態様選択処理によりリーチ前動作およびリーチ中動作の実行のための制御データが設定されると、前述した表示実行処理が実行されることにより、図7〜図9に示された表示態様での表示が可変表示部9において行なわれる。
【0163】
次に、この実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
図8および図9に示されるように、可動部材10,10の動作態様に対応して可変表示部9において行なわれる表示演出として、複数の表示演出のうちから、第1演出画像91aを表示する表示演出のような特別図柄の表示に影響を与える演出が選択決定されたときには、表示演出の際において特別図柄の表示態様を変化させる差替え演出の演出パターンを実行させることが決定されるので、可動部材10,10の動作態様に対応した表示演出において、特別図柄が影響を受けて特別図柄の表示態様が変化する表示が行なわれる。このため、可動部材10,10による動作演出と可変表示部9による表示演出との関係が単なる装飾的なものに留まらず、特別図柄の表示態様にまで影響が及ぶこととなり、動作演出と表示演出との関係をより深く遊技状態に関連したものにし、その演出効果を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0164】
また、図3に示されるように、可動部材10の可動範囲が可動部材10が可動範囲内でのいずれの位置であっても可変表示装置8(可変表示部9)の前面側に位置するように設定されているので、表示演出と動作演出との組合せにより、視覚的な遊技の演出が行なわれる範囲を可変表示装置8(可変表示部9)での表示が行なわれる領域を超えた範囲まで拡張することができ、遊技の演出を多彩化することができる。また、可動部材10が動作していないときでも、可動部材10に対応した表示演出を可変表示装置8(可変表示部9)に表示することにより可動部材10と可変表示装置8(可変表示部9)との組合せによる演出を行なうことができる。
【0165】
また、図8に示されるように、第1演出画像91aを用いて特別図柄の表示に影響を与える演出により表示状態を制御する決定がされたときの方が、当該演出により表示状態を制御しない決定がされたときよりも、リーチ状態を表示させる割合が多くなるので、そのような演出がされるか否かに基づいて、遊技者の期待感および興趣を向上させることができる。
【0166】
また、図9に示されるように、第1演出画像91aを用いて特別図柄の表示に影響を与える演出により表示状態を制御する決定がされたときの方が、当該演出により表示状態を制御しない決定がされたときよりも、大当りの表示結果を表示させる割合が多くなるので、そのような演出がされるか否かに基づいて、遊技者の期待感および興趣を向上させることができる。
【0167】
また、図8および図9に示されるように、可動部材10による動作演出が行なわれたときに演出画像による表示演出が役物飾りランプ40の発光態様(発光色)に対応した表示態様(ランプの発光色と同じ色の演出表示色)で行なわれるため、可動部材10による動作演出と表示演出との対応関係に加えて、発光演出と表示演出とが対応関係を持って実行することができ、遊技の演出を多彩化することができる。
【0168】
また、図5に示されるように、可動部材10が活動状態時と待機状態時とのような可動範囲内でのいずれの位置にあっても、役物飾りランプ40からの光が透光部10eを透過するので、可動部材10が動作していないときと可動部材10が動作しているときとのいずれの状態であっても可動部材10を光らせることができる。これにより、可動部材10が可変表示装置8での可変表示部9の表示に関連して動作する遊技の演出の演出態様を多彩化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。しかも、可動部材10自体に発光体を設ける必要がないので、可動部材10の構造を単純化することができる。さらに、可動部材10による動作演出と役物飾りランプ40による発光演出とを隣接して行なうことができるので、動作演出と発光演出とが組合わされた演出を遊技者により分かりやすくすることができる。
【0169】
また、図8および図9に示されるように、表示演出が役物飾りランプ40の発光色と同じ色を用いた表示態様(演出表示色)で第1演出画像91aによる表示演出がされるので、発光演出と表示演出とが対応関係を持って実行されていることを分かりやすく示すことができる。
【0170】
また、図6に示されるように、可動部材10、役物飾りランプ40、および、可変表示装置8(可変表示部9)が1つのマイクロコンピュータ、すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ800により制御されるので、動作演出、発光演出、および、表示演出を相互に対応させた演出の実行を容易化することができる。さらに、このような動作演出、発光演出、および、表示演出を相互に対応させた演出において、各演出間の対応関係に狂いを生じにくくさせることができる。
【0171】
また、図3に示されるように、可動部材10が可変表示部9の前面側において可変表示部9の周囲を装飾する装飾部材である表飾り(ミドルベース8a,センターベース8b等により構成される)に設けられているので、可動部材10と可変表示部9とを近傍に配置することができ、可動部材10が可変表示部9での表示に関連して動作する遊技の演出をより表現しやすくなり、遊技の演出の演出効果を向上させることができる。
【0172】
また、図3に示されるように、可変表示部9により、可動部材10が可変表示部9の表示領域の前面に位置するときに、火炎の演出画像91のような可動部材10の動作と関連性を有する表示が行なわれるので、可動部材10が可変表示部9での表示に関連して動作する遊技の演出がより具体化されるため、遊技の演出の演出効果をより一層向上させることができる。
【0173】
また、図5に示されるように、役物飾りランプ40からの光を遮蔽する遮蔽部82が少なくとも役物飾りランプ40が設けられた位置、すなわち、導光部81の可変表示部9側に設けられるので、光が可変表示部9に入り込んで可変表示部9の表示が見づらくなることを防止することができる。
【0174】
また、図5に示されるように、導光部81の内部空間は、内縁が、役物飾りランプ40の外縁よりも広く、かつ、可動部材10(透光部10e)の可動範囲よりも狭いので、役物飾りランプ40からの光を広げて透光部10eに導くことができるとともに、その光を不必要に拡散させないようにすることができる。
【0175】
次に、以上説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態においては、図3に示されるように、可動部材10が待機状態にある場合にも可変表示部9の表示領域の前面側に一部が突出している例を示したが、これに限らず、可動部材10が待機状態にある場合には、可動部材10が可変表示部9の表示領域の前面側に全く位置しないようにしてもよい。
【0176】
(2) 前述した実施の形態においては、可動部材の一例として、図3に示されるように、複数の部材を連結して構成された可動部材を示した。しかし、これに限らず、可動部材は、1つの部材により構成されてもよい。
【0177】
(3) 前述した実施の形態においては、可動部材10を2つのソレノイドで駆動する例を説明した。しかし、これに限らず、可動部材10は、1つまたは2つ以外の複数のソレノイドで駆動するようにしてもよい。また、ソレノイド以外、たとえば(ステッピング)モータ等のアクチュエータで駆動するようにしてもよい。
【0178】
(4) 前述した実施の形態に示した導光部81は、内縁(内部空間の縁)が、先端部の方(透光部10eに向かう方の先端部)が広がっているものであってもよい。
【0179】
(5) 前述した実施の形態においては、1つのマイクロコンピュータ(演出制御用マイクロコンピュータ800)が遊技制御用マイクロコンピュータ53から各制御用のコマンドを受けて、可変表示制御、ランプ制御、可動部材制御、および音制御等の各制御を行なうようにしている例を示したが、これに限らず、1つのマイクロコンピュータが遊技制御用マイクロコンピュータ53から各制御用のコマンドを受けて、可変表示制御、ランプ制御、および、可動部材制御を行なうようにしてもよい。その場合には、別のマイクロコンピュータが遊技制御用マイクロコンピュータ53から音制御用のコマンドを受けて音制御を行なう。また、これに限らず、演出制御用マイクロコンピュータ800が有する機能を複数個のマイクロコンピュータに分割して持たせるようにしてもよい。つまり、可変表示制御、ランプ制御、可動部材制御、および音制御を複数個のマイクロコンピュータが実行するようにし、その複数個のマイクロコンピュータが遊技制御用マイクロコンピュータ53からそれぞれ各制御用のコマンドを受けて各制御を行なうようにしてもよい。また、可変表示制御およびランプ制御と、音制御または可動部材制御のうちのいずれか1つとを1つのマイクロコンピュータが実行するようにし、そのマイクロコンピュータが遊技制御用マイクロコンピュータ53から各制御用のコマンドを受けて各制御を行なうようにしてもよい。
【0180】
(6) また、前述した実施の形態においては、可変表示制御用のマイクロコンピュータが設置された可変表示制御基板と、可動部材制御用のマイクロコンピュータが設置された可動部材制御基板と、ランプ制御用のマイクロコンピュータが設置されたランプ制御基板と、音制御用のマイクロコンピュータが設置された音制御基板とを別体構成し、可変表示制御用のマイクロコンピュータが、遊技制御用マイクロコンピュータ53から各種制御用のコマンドを受け、さらに、可変表示制御用のマイクロコンピュータから可動部材制御用のマイクロコンピュータ、ランプ制御用のマイクロコンピュータ、および、音制御用のマイクロコンピュのそれぞれに各制御用のコマンドを送信することにより、可変表示制御、可動部材制御、ランプ制御、および、音制御が同期して実行される演出制御が実行できるようにしてもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ800において、各種の表示制御コマンドについて、可変表示制御、ランプ制御、可動部材制御、および音制御等の各制御の制御内容を対応付けて予め定めて(記憶して)おき、演出制御用マイクロコンピュータ800が、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用のコマンドを受けたときに、その表示制御コマンドに基づいて、対応する可変表示制御、ランプ制御、可動部材制御、および音制御等を行なうようにしてもよい。そのようにすれば、ランプ制御用、可動部材制御用、および音制御用のそれぞれの制御コマンドが不要となる。
【0181】
(7) 前述した実施の形態では、可動部材10が活動状態となって可変表示部9の前面側に突出した場合に可変表示部9において可動部材10の動作に関連して行なわれる表示例として、龍の開口動作と火炎との関連というような観念的な関連性を示すものを示したが、この表示の関連性は、たとえば、可動部材10が可変表示部9の前面側に突出すると特別図柄が可動部材10を避けるように移動する表示のように、より具体的な関連性であってもよい。つまり、このような表示の関連性は、可動部材10の動作と可変表示部9の表示との間に何らかの関係があると認識できるものであればどのような関連性であってもよい。
【0182】
(8) 前述した実施の形態では、役物飾りランプ40の発光態様に対応した表示演出として、ランプの発光色と同じ色で演出画像91(第1演出画像91a)を表示する例を示した。しかし、これに限らず、役物飾りランプ40の発光態様に対応した表示演出としては、役物飾りランプ40の点滅に合わせて演出画像91aを点滅表示することであってもよく、役物飾りランプ40の発光色の濃淡変化に合わせて演出画像91aを点滅表示することであってもよい。
【0183】
(9) 前述した実施の形態では、可動部材10,10が常に特別図柄を隠さないように可動部材10,10を動作させる例を示した。しかし、これに限らず、可動部材10,10(可動演出手段)が動作していないときに可動部材10,10が特別図柄(識別情報)を隠さないように動作演出し、可動部材10,10(可動演出手段)が動作しているときに可動部材10,10が特別図柄(識別情報)の少なくとも一部を隠すように動作演出をするように、演出制御用マイクロコンピュータ800の可動部材制御機能(可動演出制御手段)が動作制御をするようにしてもよい。このようにすれば、可動演出手段が識別情報を物理的に隠すことが可能になるので、動作演出と表示演出とを対応させた演出をより一層多彩化することができる。また、可動演出手段が識別情報を常に隠すわけではないので、可変表示を見る遊技者に影響が及びにくい状態で動作演出と表示演出とを対応させた演出を多彩化することができる。
【0184】
(10) 前述した実施の形態においては、前記表示影響演出が選択決定されたときに、決定される前記識別情報を変化させる表示態様として、差替え表示演出を行なう例を示した。しかし、これに限らず、前記識別情報を変動させる表示態様としては、停止すると見られる位置よりも特別図柄を滑らせて停止させる滑り表示演出、特別図柄が予定停止位置を一旦通り過ぎた後に予定停止位置まで戻って停止させる戻り表示演出、特別図柄を特別図柄の色を変化させる表示演出、特別図柄を上下反転させる表示演出、特別図柄を左右反転させる表示演出等の各種表示演出が含まれる。つまり、前記表示態様決定手段は、前記動作対応表示演出決定手段により前記表示影響演出が選択決定されたときには、前記識別情報の表示態様を変化させることを決定するが、この場合に識別情報の表示態様を変化させることとしては、識別情報を差替える差替え表示、停止すると見られる位置よりも識別情報を滑らせて停止させる滑り表示、識別情報が予定停止位置を一旦通り過ぎた後に予定停止位置まで戻って停止させる戻り表示、識別情報の色を変化させる色変化表示、識別情報を上下反転させる上下反転表示、または、識別情報を左右反転させる左右反転表示のうちのいずれを実行して識別情報の表示態様を変化させてもよい。
【0185】
(11) 前述した実施の形態は、次のように表現することもできる。表示状態が変化可能な可変表示装置(可変表示装置8、可変表示部9)を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた表示態様(大当り図柄の組合せ)になったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御可能となる遊技機(パチンコ遊技機1)であって、遊技者に動作が視認可能な箇所に設けられ、予め定められた可動範囲で前記可変表示装置での表示に関連した動作演出(リーチ状態の報知等)を含む遊技の演出に用いられる可動演出手段(可動部材10)と、該可動演出手段とは別体に設けられ、該可動演出手段の裏面側で発光する発光体(役物飾りランプ40)とを備え、前記可動演出手段は、光を透過する透光部(透光部10e)を有し、前記発光体は、前記可動演出手段が前記可動範囲内でのいずれの位置であっても、前記発光体からの光が前記透光部を透過可能な位置に設けられている(図5の(a),(b)参照)。
【0186】
このような構成によれば、可動演出手段が可動範囲内でのいずれの位置であっても、発光体からの光が透光部を透過するので、可動演出手段が動作していないときと可動演出手段が動作しているときとのいずれの状態であっても可動演出手段を光らせることができる。これにより、可動演出手段が可変表示装置での表示に関連して動作する遊技の演出の演出態様を多彩化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。しかも、可動演出手段自体に発光体を設ける必要がないので、可動演出手段の構造を単純化することができる。
【0187】
(12) 前述した実施の形態は、次のように表現することもできる。前記可動演出手段は、前記可変表示装置の前面側において可変表示装置の周囲を装飾する装飾部材(ミドルベース8a,センターベース8b等により構成される表飾り)に設けられている(図3参照)。
【0188】
このような構成によれば、可動演出手段が可変表示装置の前面側において可変表示装置の周囲を装飾する装飾部材に設けられているので、可動演出手段と可変表示装置とを近傍に配置することができ、可動演出手段が可変表示装置での表示に関連して動作する遊技の演出をより表現しやすくなり、遊技の演出の演出効果を向上させることができる。
【0189】
(13) 前述した実施の形態は、次のように表現することもできる。前記可動範囲は、前記可変表示装置(可変表示部9)の前面を含み(図3参照)、前記可変表示装置は、前記可動演出手段が前面に位置するときに、前記可動演出手段の動作と関連性を有する表示(火炎の画像91の表示)を行なう(図3の(b)参照)。
【0190】
このような構成によれば、可変表示装置により、可動演出手段が前面に位置するときに可動演出手段の動作と関連性を有する表示が行なわれるので、可動演出手段が可変表示装置での表示に関連して動作する遊技の演出がより具体化されるため、遊技の演出の演出効果をより一層向上させることができる。
【0191】
(14) 前述した実施の形態は、次のように表現することもできる。少なくとも前記発光体が設けられた位置の前記可変表示装置側に設けられ、前記発光体からの光を遮蔽する遮蔽部材(遮蔽部82)をさらに含む。
【0192】
このような構成によれば、発光体からの光を遮蔽する遮蔽部材が少なくとも発光体が設けられた位置の可変表示装置側に設けられるので、光が可変表示装置に入り込んで可変表示装置の表示が見づらくなることを防止することができる。
【0193】
(15) 前述した実施の形態は、次のように表現することもできる。前記発光体を発光制御する制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ800)をさらに備え、前記発光体は、複数の色で発光する機能を有し、
前記制御手段は、遊技状態に応じて前記複数の色のうちからいずれかの色を選択し、選択した色によって発光制御する。
【0194】
このような構成によれば、発光体が遊技状態に応じて複数の色のうちから選択されたいずれかの色で発光制御されるので、可動演出手段が可変表示装置での表示に関連して動作する遊技の演出の演出態様をより一層多彩化することができ、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
【0195】
(16) 前述した実施の形態は、次のように表現することもできる。前記発光体からの光を前記透光部へ導くための内部空間が形成された導光部(導光部81)をさらに含み、前記内部空間は、内縁が、前記発光体の外縁よりも広く、かつ、前記可動範囲よりも狭い(図5参照)。
【0196】
このような構成によれば、導光部の内部空間は、内縁が、発光体の前記外縁よりも広く、かつ、可動演出手段の可動範囲よりも狭いので、発光体からの光を広げて透光部に導くことができるとともに、その光を不必要に拡散させないようにすることができる。
【0197】
(17) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技機の一例のパチンコ遊技機を正面から見た正面図である。
【図2】パチンコ遊技機の遊技盤面を正面から見た正面図である。
【図3】可動部材の構成および動作状態を示す可変表示装置の拡大正面図である。
【図4】可変表示装置の分解斜視図である。
【図5】役物飾りランプと可動部材の透光部との関係を示す可変表示装置の拡大図である。
【図6】パチンコ遊技機における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】可動部材の動作演出、役物飾りランプの発光演出、および、可変表示装置の表示演出を組合せた遊技演出の一例を示す可変表示装置の拡大正面図である。
【図8】可動部材によりリーチ前動作が行なわれる時における演出画像の種類、特別図柄の演出パターン、演出表示色、および、発光色の相互関係を表形式で示す図である。
【図9】可動部材によりリーチ中動作が行なわれる時における演出画像の種類、特別図柄の演出パターン、演出表示色、および、発光色の相互関係を表形式で示す図である。
【図10】動作対応表示態様選択処理の処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
9 可変表示部、8 可変表示装置、1 パチンコ遊技機、10 可動部材、40 役物飾りランプ、800 演出制御用マイクロコンピュータ、91a 第1演出画像、91b 第2演出画像、10e 透光部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機、コイン遊技機、スロットマシンなどで代表される遊技機に関する。詳しくは、識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様になったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機として従来から一般的に知られているものに、図柄等の識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば、大当り図柄の組合せ)になったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御可能となるように構成されたものがあった。このような可変表示装置は、可変表示等による表示演出により遊技の演出をするために用いられていた。
【0003】
また、従来の遊技機においては、可変表示装置に加えて、可動部材等を動作させる動作演出により遊技の演出を行なう可動演出手段が設けられ、表示演出と動作演出とを組合せて実行するものがあった。このような遊技機においては、表示演出と可動演出との間に関連性を持たせた複合的な演出が行なわれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の遊技機では、表示演出と可動演出との間に関連性を持たせた複合的な演出が行なわれるが、可動演出と表示演出との関係が一定で単調であったため、遊技者に演出が飽きられがちであった。
【0005】
この発明はかかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、表示演出と動作演出との演出の組合せによる演出効果を向上させ、遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 識別情報(特別図柄)を可変表示可能な可変表示装置(可変表示装置8、可変表示部9)を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様(大当り図柄の組合せ)になったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御可能となる遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
遊技者に動作が視認可能な箇所に設けられ、前記可変表示装置の前面側を含む予め定められた可動範囲で動作演出を行なう遊技の演出に用いられる可動演出手段(可動部材10,10)と、
前記可変表示装置の表示状態を制御する手段であって、前記可動演出手段による動作演出が行なわれたときに、前記可変表示装置において、前記可動演出手段の動作態様に対応した表示演出を表示する制御を実行する表示制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ800の表示制御機能)と、
前記可動演出手段の動作態様に対応した表示演出を決定する手段であって、前記識別情報に影響を与える表示影響演出(第1演出画像91aを用いた表示演出)を含む複数の表示演出のうちからいずれかの表示演出(第1演出画像91a,第2演出画像91bを用いた表示演出)を選択決定する動作対応表示演出決定手段(S3,S4,S9,S10)と、
該動作対応表示演出決定手段により選択決定された表示演出を前記表示制御手段により表示する制御が実行されたときにおいて前記識別情報の表示態様(図柄演出パターン)を変化させるか否かを決定する表示態様決定手段(S3,S5,S9,S11)とを含み、
該表示態様決定手段は、前記動作対応表示演出決定手段により前記表示影響演出が選択決定されたときには、前記識別情報の表示態様を変化させる(差換え演出をする)ことを決定することを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、可動演出手段の動作態様に対応して可変表示装置において表示される表示演出として、複数の表示演出のうちから識別情報に影響を与える表示影響演出が選択決定されたときには、表示演出の際において識別情報の表示態様を変化させることが決定されるので、可動演出手段の動作態様に対応した表示演出において、表示影響演出により識別情報が影響を受けて識別情報の表示態様が変化する。このため、可動演出手段による動作演出と可変表示装置による表示演出との関係が単なる装飾的なものに留まらず、識別情報の表示態様にまで影響が及ぶこととなり、動作演出と表示演出との関係をより深く遊技状態に関連したものにし、その演出効果を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0008】
(2) 前記可動演出手段の可動範囲は、前記可動演出手段が前記可動範囲内でのいずれの位置であっても前記可変表示装置の前面側に位置するように設定されている(図3参照)。
【0009】
このような構成によれば、可動演出手段の可動範囲が可動演出手段が可動範囲内でのいずれの位置であっても可変表示装置の前面側に位置するように設定されているので、表示演出と動作演出との組合せにより、視覚的な遊技の演出が行なわれる範囲を可変表示装置での表示が行なわれる領域を超えた範囲まで拡張することができ、遊技の演出を多彩化することができる。また、可動演出手段が動作していないときでも、可動演出手段に対応した表示演出を可変表示装置に表示することにより可動演出手段と可変表示装置との組合せによる演出を行なうことができる。
【0010】
(3) 前記表示制御手段は、前記動作対応表示演出決定手段により前記表示影響演出が選択決定されたときの方が前記動作対応表示演出決定手段により前記表示影響演出が選択決定されなかったときよりも、前記可変表示装置においてリーチ状態を表示させる割合が高い(図8参照)。
【0011】
このような構成によれば、表示影響演出が選択決定されたときの方が表示影響演出が選択決定されなかったときよりも可変表示装置においてリーチ状態を表示させる割合が多くなるので、表示影響演出がされるか否かに基づいて、遊技者の期待感および興趣を向上させることができる。
【0012】
(4) 前記表示制御手段は、前記動作対応表示演出決定手段により前記表示影響演出が選択決定されたときの方が前記動作対応表示演出決定手段により前記表示影響演出が選択決定されなかったときよりも、前記可変表示装置において表示結果を前記特定の表示態様とする割合が高い(図9参照)。
【0013】
このような構成によれば、表示影響演出が選択決定されたときの方が表示影響演出が選択決定されなかったときよりも可変表示装置において表示結果を特定の表示態様とする割合が高くなるので、表示影響演出がされるか否かに基づいて、遊技者の期待感および興趣を向上させることができる。
【0014】
(5) 前記可動演出手段を発光演出するための発光体(役物飾りランプ40,40)をさらに含み、
前記表示制御手段は、前記表示演出を前記発光体の発光態様(発光色)に対応した表示態様(発光色と同じ演出表示色)によって表示する制御を行なう(図8,図9参照)。
【0015】
このような構成によれば、表示演出が発光体の発光態様に対応した表示態様によって表示されるため、可動演出手段による動作演出と表示演出との対応関係に加えて、発光演出と表示演出とが対応関係を持って実行することができ、遊技の演出を多彩化することができる。
【0016】
(6) 前記可動演出手段は、光を透過する透光部(透光部10e)を有し、前記発光体は、前記可動演出手段の裏面側に前記可動演出手段とは別体でかつ前記可動演出手段が前記可動範囲内でのいずれの位置であっても、前記発光体からの光が前記透光部を透過可能な位置に設けられている(図5の(a),(b)参照)
このような構成によれば、可動演出手段が可動範囲内でのいずれの位置であっても、発光体からの光が透光部を透過するので、可動演出手段が動作していないときと可動演出手段が動作しているときとのいずれの状態であっても可動演出手段を光らせることができる。これにより、可動演出手段が可変表示装置での表示に関連して動作する遊技の演出の演出態様を多彩化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。しかも、可動演出手段自体に発光体を設ける必要がないので、可動演出手段の構造を単純化することができる。さらに、可動演出手段による動作演出と発光演出手段による発光演出とを隣接して行なうことができるので、動作演出と発光演出とが組合わされた演出を遊技者により分かりやすくすることができる。
【0017】
(7) 前記発光体は、複数の色で発光する機能を有し、
前記表示演出は、前記発光体の発光色と同じ色を用いた表示態様によって表示される(図8,図9参照)。
【0018】
このような構成によれば、発光体の発光色と同じ色を用いた表示態様によって表示演出が表示されるので、発光演出と表示演出とが対応関係を持って実行されていることを分かりやすく示すことができ、遊技の演出を多彩化することができる。
【0019】
(8) 前記可動演出手段、前記発光体、および、前記可変表示装置は、1つのマイクロコンピュータ(演出制御用マイクロコンピュータ800)により制御される(図6参照)。
【0020】
このような構成によれば、可動演出手段、発光体、および、可変表示装置が1つのマイクロコンピュータにより制御されるので、動作演出、発光演出、および、表示演出を相互に対応させた演出の実行を容易化することができる。さらに、このような動作演出、発光演出、および、表示演出を相互に対応させた演出において、各演出間の対応関係に狂いを生じにくくさせることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様になったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機であればすべて対象となる。
【0022】
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面から見た正面図、図2はパチンコ遊技機1の遊技盤面を正面から見た正面図である。
【0023】
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、縦長な方形状に枠組形成される外枠2aと、該外枠2aの内側に開閉可能に軸支されかつパチンコ遊技機1の主要構成部が集約して設けられる前面枠2bと、該前面枠2bの前面上部に開閉自在に軸支されて設けられる額縁状のガラス扉枠2とから構成されている。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿3が設けられている。前面枠2bにおいて、打球供給皿3の下部には、打球供給皿3から溢れた貯留球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。また、ガラス扉枠2の後方に位置する前面枠2bには、前面側に遊技領域7が形成された遊技盤100が着脱可能に設けられている。前面枠2bおよびガラス扉枠2は、パチンコ遊技機1の正面から見て左側の端部において軸支され、軸支位置を開閉軸として開閉される。ガラス扉枠2には、遊技盤100の遊技領域7をほぼ透視し得る透視窓が開設され該透視窓の裏面からガラス板が装着されている。
【0024】
遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、遊技効果ランプ28a,28b,28cが設けられている。そして、この例では、遊技効果ランプ28bの近傍に景品球払出時に点灯する賞球ランプ51が設けられ、遊技効果ランプ28aの近傍に補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
【0025】
さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して設置され、プリペイドカードが挿入されることによって球貸を可能にするカードユニット50も示されている。カードユニット50に挿入されたカード内に残額情報が記憶されている場合には、その残額の引落としに応じて、遊技者に対する遊技球の貸出しが行なわれる。
【0026】
カードユニット50には、使用可能状態であるか否かを示す使用可能表示ランプ151、カード内に記憶された残額情報に端数(100円未満の数)が残存する場合にその端数を打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LED(Light Emitting Diode)に生じさせるための端数表示スイッチ152、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ154、記憶媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口155、および、カード挿入口155の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を開放するためのカードユニット錠156が設けられている。
【0027】
図2を参照して、遊技領域7は、遊技盤100に設けられている。遊技者が図1に示される打球操作ハンドル5を操作すれば、打球待機樋(図示せず)に貯留されている遊技用のパチンコ玉が打球発射装置(図示せず)により1発ずつ弾発発射され、区画レール101に沿って誘導されて遊技領域7内に打込まれる。
【0028】
以下、遊技領域7の構成をその遊技動作に従って詳細に説明する。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示器よりなる可変表示部9を含む可変表示装置8が設けられている。なお、可変表示部9は、液晶表示器に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置(可変表示部)により構成されてもよい。また、可変表示部9は、画像表示式の表示装置(可変表示部)に限らず、外周に複数種類の図柄が描かれた回転ドラムを回転駆動する回転ドラム式、表面に複数種類の図柄が描かれたベルトを回転移動させるものや複数種類の図柄が描かれた円盤を回転させるもの(ロタミント)等のその他の機械式(電気的駆動源により駆動される機械式のもの)の可変表示装置(可変表示部)であってもよい。
【0029】
可変表示部9は、数字、数字以外の文字、図形、模様、キャラクタ等の複数種類の識別情報(特別識別情報)としての特別図柄と、図形等の複数種類の識別情報(普通識別情報)としての普通図柄とをそれぞれ可変表示(更新表示,変動表示ともいう)可能である。ここで、キャラクタとは、可変表示装置(可変表示部)に表示される人間,動物,あるいは物等を表わす映像をいう。なお、可変表示部9により可変表示される識別情報は、数字、文字、図形、模様、キャラクタ等の識別情報であれば、どのような識別情報であってもよく、数字のみ、文字のみ、図形のみ、模様のみ、キャラクタのみ、または、これらを適宜組合せたものであってもよい。
【0030】
可変表示部9では、左図柄,中図柄,右図柄の3つの特別図柄を並んで表示可能な表示領域を有し、これらの特別図柄をスクロール等の方式で可変表示可能である。また、可変表示部9では、特別図柄の背景を表す背景画像が表示される。
【0031】
また、可変表示部9では、当り図柄である○印とはずれ図柄である×印とを普通図柄として交互に表示することにより普通図柄を可変表示(更新表示,変動表示ともいう)可能な表示領域を有している。
【0032】
なお、本実施の形態においては、液晶表示器よりなる可変表示部9に普通図柄を表示する例を示したが、これに限らず、LED、7セグメント表示器など、数字等のその他の図柄を可変表示可能なその他の表示手段を普通図柄の可変表示のために使用してもよい。つまり、普通図柄としては、何らかの形で特別図柄と区別して認識できるようなものであればよい。
【0033】
また、可変表示部9では、それぞれ最大「4」まで表示可能な始動入賞記憶表示領域とゲート通過記憶表示領域とが設けられている。この始動入賞記憶表示領域で表示されている数により、特別図柄の可変表示を始動させるための始動入賞口14への入賞数が上限を4として記憶(メモリへの記憶)されていること(始動入賞記憶という)が表示される。また、ゲート通過記憶表示器で表示されている数により、普通図柄の可変表示を始動させるための通過ゲート11への遊技球の通過数が上限を4として記憶(メモリへの記憶)されていること(普通始動記憶という)が表示される。
【0034】
なお、始動入賞口14を通過した遊技球の通路には、入賞した遊技球である入賞球(入賞玉)を検出する始動口スイッチ17が設けられており、始動口スイッチ17により遊技球が検出された場合には、始動入賞記憶表示領域で表示される始動入賞記憶数を加算更新させるための制御が行なわれる。そして、特別図柄の可変表示の開始条件が成立した場合には、始動入賞記憶表示領域で表示される始動入賞記憶数を減算更新させるための制御が行なわれとともに、特別図柄の可変表示を開始させる制御が行なわれる。
【0035】
また、通過ゲート11を通過した遊技球の通路には、通過した遊技球を検出するゲートスイッチ12が設けられており、ゲートスイッチ12が遊技球を検出した場合には、ゲート通過記憶表示領域で表示される普通始動記憶数を加算更新させるための制御が行なわれる。そして、普通図柄の可変表示の開始条件が成立した場合には、普通始動記憶表示領域で表示される普通始動記憶数を減算更新させるための制御が行なわれとともに、普通図柄の可変表示を開始させる制御が行なわれる。
【0036】
可変表示装置8の下方位置には、ソレノイド16によって開閉動作される始動入賞球装置15(電動チューリップ役物)を兼用する始動入賞口14と、ソレノイド21により駆動される開閉板29の開閉動作により開閉される大入賞口20を有する可変入賞球装置30とが上から順に配列されている。始動入賞口14に入った球は、始動口スイッチ17によって検出された後、遊技盤100の背面に導かれる。また、大入賞口20に入った球は、Vカウントスイッチ23もしくはカウントスイッチ22に検出された後、遊技盤100の背面に導かれる。また、大入賞口20から可変入賞球装置30内に入った球のうち、Vカウントスイッチ23により検出された球は、その後、カウントスイッチ22に向けて誘導され、カウントスイッチ22により検出される。したがって、大入賞口20から内部に入った球は、結果的にすべてカウントスイッチ22により検出される。
【0037】
遊技盤100には複数の入賞口19,24が通常入賞口として設けられている。遊技球の入賞口19,24への入賞は、入賞口スイッチ19a,24aによってそれぞれ検出される。複数の入賞口19,24それぞれに対応して入賞口スイッチ19a,24aが設けられているため、各入賞口19,24毎に入賞した球の検出が迅速に行なわれる。
【0038】
遊技領域7には、遊技中に点灯表示される装飾ランプ25が設けられている。また、遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26が設けられている。
【0039】
打球発射装置から発射され遊技領域7に入った打球(打玉)は、遊技領域7を下りてくる。打球が通過ゲート11を通ってゲートスイッチ12で検出されると、その検出信号に基づいて普通図柄が所定期間可変表示した後、表示結果が導出表示される制御が行なわれる。普通図柄の可変表示結果が、当り図柄として予め定められた表示態様(○印の図柄)である場合には、始動入賞球装置15が所定時間閉状態から開放状態に制御され、始動入賞口14に打球が入賞しやすい状態となる。その後、始動入賞球装置15は、閉状態となる。
【0040】
打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ17で検出されると、図柄の変動を開始できる状態であれば、可変表示部9において、特別図柄の可変表示を開始させる制御が行なわれる。一方、図柄の可変表示が開始できる状態でなければ、メモリの始動入賞記憶数および表示される始動入賞記憶数が1増やされる。そして、可変表示部9での可変表示が開始される毎にメモリの始動入賞記憶数および表示される始動入賞記憶数が1ずつ減らされる。
【0041】
可変表示部9での特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止し、表示結果が導出表示される。表示結果が導出表示されるときには、基本的に、左図柄、右図柄、中図柄の順に特別図柄が停止表示される。そして、停止時の図柄の組合せが大当り図柄の組合せ(たとえば、777等のぞろ目の特定の図柄の組合せ)となると、遊技者にとって有利な特定遊技状態である大当り遊技状態が発生し、通常遊技状態からその大当り遊技状態に移行する制御が行なわれる。大当り遊技状態においては、開閉板29の動作により、通常状態において閉状態とされている大入賞口20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)の打球が入賞するまで開放される制御が行なわれる。そして、大入賞口20の開放中に打球が特定入賞領域に入賞しVカウントスイッチ23で検出されると、継続権が発生し大入賞口20を開放させる制御が再度行なわれる。このような継続権の発生は、所定回数(たとえば15ラウンド)許容される。このような継続権の発生を繰り返す制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。
【0042】
図示を省略するが、可変入賞球装置30の内部(大入賞口20内)においては、シーソー式の玉振分部材としての大入賞口内誘導板が設けられている。この大入賞口内誘導板は、Vカウントスイッチ23の方向へ向けて傾斜した状態と、Vカウントスイッチ23とは逆の方向へ向けて傾斜した状態とのいずれかの状態に切換え可能となるようにソレノイド33により駆動制御される。その場合、大入賞口20が1回開放されたとき(1ラウンド中)には、Vカウントスイッチ23が玉を1個検出するまでは、大入賞口内誘導板がVカウントスイッチ23の方向へ向けて傾斜した状態にされることにより、玉がVカウントスイッチ23により検出されやすい状態にされ、Vカウントスイッチ23が玉を1個検出した後は、大入賞口内誘導板がVカウントスイッチ23とは逆方向へ向けて傾斜した状態にされることにより、玉がVカウントスイッチ23により検出されにくい状態にされる。
【0043】
また、可変表示装置8の可変表示中(この場合は、可変表示部9の可変表示中)においては、リーチ状態(リーチ表示)が発生する場合がある。ここで、リーチとは、表示状態が変化可能な可変表示装置(可変表示部)を有し、該可変表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せとなった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、前記複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が前記特定の表示態様の組合せとなる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチとは、表示状態が変化可能な可変表示部を複数有する可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様の組合せになった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機において、前記可変表示装置の表示結果がまだ導出表示されていない段階で、前記特定の表示態様の組合せが表示されやすい可変表示態様となったと遊技者に思わせるための表示状態をいう。そして、たとえば、前記特定の表示態様の組合せが揃った状態を維持しながら複数の前記可変表示部による可変表示を行なう状態もリーチ表示状態に含まれる。さらにリーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいものがある。このような特定のリーチをスーパーリーチという。
【0044】
また、リーチ状態とは、可変表示装置が可変開始された後表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、前記特定の表示態様となる表示条件から外れていない表示態様をもいう。
【0045】
また、リーチ状態とは、可変表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、前記表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の可変表示領域の表示結果の少なくとも一部が前記特定の表示態様となる条件を満たしている場合の表示状態をもいう。
【0046】
可変表示の停止時における可変表示部9での特別図柄の組合せが大当り発生の確率変動を伴う大当り図柄の組合せ(確率変動図柄の組合せともいう)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわちこのような場合には、予め定められた確率変動終了条件が成立するまで、特別遊技状態としての確率変動状態(以下、「確変」という。)という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
【0047】
また、確率変動状態では、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞球装置15の開放時間と開放回数とが増加する。さらに、確率変動状態では、特別図柄および普通図柄についての図柄の可変表示開始から図柄の停止表示までの時間(変動時間)が短縮される時短制御(変動時間短縮制御)が行なわれる。
【0048】
また、このパチンコ遊技機1においては、特別図柄の表示結果が大当りとなることが事前決定された場合には、特別図柄を一旦大当り図柄の組合せで仮に停止した後、確率変動状態を発生させるか否かを抽選により決定するように見せる演出としての再抽選表示が行なわれる。つまり、再抽選表示は、大当り図柄の組合せとなる特別図柄を一時的に仮の表示結果として表示させた後、再度可変表示開始させ、確定する表示結果をいずれかの大当り図柄の組合せとして導出表示させる演出を行なう再可変表示である。さらに言い換えると、再抽選表示は、可変表示の過程において特定表示態様(大当り図柄の組合せ)を導出した後に、再度表示結果として当該特定表示態様(大当り図柄の組合せ)と同じ、または異なる特定表示態様を導出する再可変表示である。その再可変表示の表示結果となった大当り図柄の組合せが予め定められた確率変動図柄の組合せ(たとえば、「3」,「7」等の予め定められた大当り図柄の組合せ)となった場合に、大当り制御終了後において確率変動状態が発生する。一方、再抽選の結果として確率変動図柄の組合せ以外の非確率変動図柄の組合せが表示された場合には確率変動状態は発生しない。
【0049】
また、特別図柄の可変表示中には、リーチ状態が発生する旨を事前報知(予告)する予告報知(リーチ予告)が行なわれる場合があり、また、大当り状態が発生する旨を事前報知(予告)する予告報知(大当り予告)が行なわれる場合がある。リーチ予告を行なうか否かおよび大当り予告を行なうか否かは、それぞれ個別に、後述するようなランダムカウンタ(後述する各種ランダムカウンタと同様の機能のもの)の数値データを用いた抽選により事前にランダムに決定される。リーチ予告は、実際にリーチ状態が発生する場合と実際にはリーチ状態が発生しない場合との両方の場合に行なわれる。また、大当り予告は、実際に大当り状態が発生する場合と実際には大当り状態が発生しない場合との両方の場合に行なわれる。
【0050】
また、可変表示装置8における可変表示部9の左側部および右側部には、それぞれ龍の形状を模した可動演出手段(可動演出装置)として、左右一対の態様で2つ(複数)の可動部材10,10が設けられている。可動部材10,10は、可変表示装置8での表示に関連した動作演出を含む遊技の演出のために用いられる。可動部材10,10は、たとえば、可変表示部9において大当りの予告を行なう場合等、可変表示部9の表示に関連した演出を行なうときに動作させられる。
【0051】
これら可動部材10,10は、それらの近傍に配置されたソレノイド71,71のうちの対応するものと、ソレノイド72,72のうちの対応するものとにより駆動され、遊技において所定の演出動作をするために所定の可動範囲内で動作制御される。各可動部材10が動作される場合は、たとえば、龍の口を閉じた態様の待機状態から、龍の口を開いた態様の活動状態となる。さらに、各可動部材10は、口を開いた態様の活動状態から口を閉じた態様の待機状態にも制御される。この各可動部材10に対応して、可動部材10の所定箇所(龍の目)を発光させるための装飾用の発光体として、複数種類の色で発光する機能を有するLEDよりなる役物飾りランプ40が可動部材10とは別体で設けられている。このように可動部材10の所定箇所を発光させることにより、可動部材10の動作をより強調して示すことができる。つまり、役物飾りランプ40は、可動部材10を発光演出(発光による演出)するための発光体である。
【0052】
このように、可動部材10は、その動作が遊技者により視認可能な箇所に設けられ、可変表示装置8の前面側を含む予め定められた可動範囲で動作演出(動作による演出)を行なう遊技の演出に用いられる。また、可動部材10は、龍の形状を模したものを一例として示したが、可動部材10が模すものは、龍以外のものであってもよい。また、可動部材10は、可変表示において所定のキャラクタが表示される場合にはそのようなキャラクタを模したものにすれば、演出により、可変表示部9の表示演出(表示による演出)と可動部材10の動作演出とで統一性を表すことができる。
【0053】
次に、パチンコ遊技機1の裏面においては、上部に遊技球を貯留する遊技球タンクが設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方から遊技球が遊技球タンクに供給される。遊技球タンク内の遊技球は、誘導樋を通って、後述する球払出装置97に至る。入賞の発生により玉払出条件が成立した場合には、球払出装置97から景品玉としての賞球がパチンコ遊技機1の前面側に設けられた打球供給皿3または余剰球受皿4に払出される。
【0054】
入賞口スイッチ19a,24a、始動口スイッチ17およびカウントスイッチ22によりそれぞれ入賞球が検出されると、スイッチに応じて予め定められた数の賞球(景品玉)の払出しが行なわれる。たとえば、始動口スイッチ17により入賞球が検出されると6個の賞球が払出される。また、カウントスイッチ22により入賞球が検出されると15個の賞球が払出される。また、入賞口スイッチ19a,24aにより入賞球が検出されると10個の賞球が払出される。
【0055】
次に、この実施の形態に示されたパチンコ遊技機1における大当りとするかはずれとするかの決定(大当り判定ともいう)、リーチ状態とするか否かの決定(リーチ判定ともいう)、特別図柄の可変表示における変動パターンの決定、および、特別図柄の停止図柄の決定等の各種制御事項の決定のための処理手順を簡単に説明する。
【0056】
大当りとするかはずれとするかの決定は、後述する図6で示す遊技制御用マイクロコンピュータ53において、大当り決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、大当りを発生させるか否かをランダムに決定するためのものであり、たとえば、0からカウントアップして所定の上限値までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このカウント動作は、所定周期(2msec毎)で1ずつ加算されることとなる。始動口スイッチ17により始動入賞が検出されると、それに応じてこのランダムカウンタのカウント値が抽出され、その抽出値が、予め定められた大当り判定値と一致するか否かの判断がなされる。抽出されたランダムカウンタの値と大当り判定値とが一致した場合は、大当りを発生させることが決定され、大当り状態の制御が行なわれる。確率変動状態以外の通常の確率状態においては、大当り判定値がたとえば1つの数値に設定される。確率変動状態においては、大当り判定値が複数の数値に設定されることにより、確率変動状態の場合には大当りの発生確率が向上するのである。
【0057】
次に、リーチ状態とするか否かの決定(リーチ判定ともいう)は、遊技制御用マイクロコンピュータ53において、リーチ決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、大当り判定においてはずれとする決定がされた場合にリーチ状態を発生させるか否かをランダムに決定するためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が予め定められたリーチ決定値と一致する場合に、リーチ状態とすることが決定される。一方、大当り判定において大当りとする決定がされた場合には、リーチ決定用のランダムカウンタを用いた決定は行なわれず、すべての場合にリーチ状態となる。
【0058】
また、特別図柄の可変表示においてリーチ状態となる決定がされた場合(大当りとする決定が行なわれた場合と、はずれとする決定が行なわれた場合との両方を含む)には、遊技制御用マイクロコンピュータ53において、リーチ状態の変動パターンが複数種類の変動パターンのうちから選択的に決定(ランダムに決定)される。このような変動パターンの決定は、変動パターン決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、リーチ状態の変動パターンをランダムに決定するためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が、複数種類予め定められた変動パターン決定値のうちの一致するものに対応する変動パターンとすることが決定される。
【0059】
また、特別図柄の可変表示における停止図柄の決定は、遊技制御用マイクロコンピュータ53において、左,中,右の各図柄に対応する3つの停止図柄決定用のランダムカウンタのそれぞれのカウント値を用いて行なわれる。この各ランダムカウンタは、対応する特別図柄の停止図柄をランダムに決定するためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段である。複数種類の停止図柄のそれぞれには図柄決定用の数値データが対応付けられており、はずれとする決定がされた場合には、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで各ランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左,中,右の各停止図柄として決定される。一方、大当りとする決定がされた場合には、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで左図柄決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が左,中,右の各停止図柄として決定される。また、リーチとする決定がされた場合には、リーチ図柄を形成する左,右図柄が、左図柄決定用のランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄として決定される。
【0060】
また、前述した大当り予告をするか否かの決定は、演出制御用マイクロコンピュータ800において、大当り予告決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、大当り予告をするか否かをランダムに決定するためのものであって、前述した大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、可変表示開始前の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が予め定められた大当り予告決定値と一致する場合に、大当り予告をすることが決定される。大当り予告をするか否かの判定は、大当りとなる事前決定がされているか否かに関わらず、可変表示が実行されるすべての場合に行なわれる。ただし、大当りとなる事前決定がされているときの方が、はずれとなる事前決定がされているときよりも、大当り予告をすることが決定される確率が高くなるように、抽出されたカウンタの値と大当り予告決定値との関係が予め定められている。
【0061】
また、前述したリーチ予告をするか否かの決定は、演出制御用マイクロコンピュータ800において、リーチ予告決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、リーチ予告をするか否かをランダムに決定するためのものであって、大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、可変表示開始前の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が予め定められたリーチ予告決定値と一致する場合に、リーチ予告をすることが決定される。リーチ予告をするか否かの判定は、リーチとなる事前決定がされているか否かに関わらず、可変表示が実行されるすべての場合に行なわれる。ただし、リーチとなる事前決定がされているときの方が、リーチとならない事前決定がされているときよりも、リーチ予告をすることが決定される確率が高くなるように、抽出されたカウンタの値とリーチ予告決定値との関係が予め定められている。
【0062】
また、再抽選表示が行なわれる場合の仮の表示結果となる大当り図柄の組合せは、表示制御用マイクロコンピュータ800の側で決定される。表示制御用マイクロコンピュータ800は、遊技制御用マイクロコンピュータ53からの予定停止図柄の組合せを示す表示制御コマンドの内容により、最終的な大当りの図柄の組合せである再抽選の表示結果となる大当り図柄(以下、確定大当り図柄という)の組合せを再抽選前の変動表示中に認識している。そして、表示制御用マイクロコンピュータ800では、大当りとなる場合において、再抽選開始前に一旦表示する大当り図柄(再抽選前大当り図柄という)の組合せを事前にランダムに決定する。たとえば、再抽選前大当り図柄の組合せは、前述した大当り決定用のランダムカウンタと同様に機能するランダムカウンタを用い、そのランダムカウンタから所定のタイミングでカウント値を抽出し、前述した大当り図柄決定用のランダムカウンタと同様の手順で予め定められた大当り図柄およびカウント値の関係に基づいて、抽出値から決定される。
【0063】
このような再抽選前大当り図柄の組合せの決定において、確定大当り図柄の組合せが確率変動図柄の組合せの場合は、再抽選前大当り図柄の組合せが確率変動図柄の組合せおよび非確率変動図柄の組合せのいずれかとなるように決定が行なわれる。一方、確定大当り図柄の組合せが非確率変動図柄の組合せの場合は、再抽選前大当り図柄の組合せが非確率変動図柄の組合せとなるように決定が行なわれる。これにより、再抽選前大当り図柄の組合せが確率変動図柄の組合せとなった場合は、再抽選後の確定大当り図柄の組合せが必ず確率変動図柄の組合せとなるので、再抽選前大当り図柄の組合せとして確率変動図柄の組合せとなった場合の再抽選後に確定大当り図柄の組合せが非確率変動図柄の組合せとなってしまうことが防がれ、遊技者の興趣の低下を防ぐことができる。
【0064】
このパチンコ遊技機においては、制御用マイクロコンピュータにより、このような各種ランダムカウンタを用いて制御内容が決定され、その決定に従った制御が実行される。
【0065】
なお、可動部材10については、基本的に可変表示部9等の表示器の画面を動作により大きく遮らず、打玉の流路を変化させない位置に設けられている。しかし、可動部材10の設置位置は、これに限るものではない。
【0066】
次に、可動部材10,10の構成および動作について説明する。図3は、可動部材10,10の構成および動作状態を示す可変表示装置8の拡大正面図である。
【0067】
図3を参照して、2つの可動部材10,10は、向かい合った2匹の龍を示すものであり、向きが異なるが同様の形状を有する可動部材である。したがって、2つの可動部材10,10を構成する部材も、2つの可動部材で左右対称の形状となっている。ここでは、2つの可動部材10,10は、対称的形状であるため、可動部材を構成する複数の部品について同一の参照符号を付し、一方を代表例として説明する。
【0068】
可動部材10は、上頭部10a、下頭部10b、胴体部10c、および、尾部10dを含む。下頭部10bが龍の下顎に相当する部分であり、上頭部10aが下顎以外の頭部に相当する部分である。上頭部10aおよび下頭部10bは、胴体部10cの上端部に連結されている。尾部10dは、胴体部10cの下端部に位置する態様で、可変表示装置8の枠体(飾り部材)の一部を構成するミドルベース8aに取り付けられている。また、上頭部10aには、龍の目に相当する透光部10eが設けられている。この透光部10eは、透明の合成樹脂よりなり、可動部材10の裏側(具体的には可変表示装置8内部)に設けられた役物飾りランプ40の発光を透過させることにより光る。
【0069】
このような構成の可動部材10は、ミドルベース8aと、そのさらに前側に位置する枠体であるセンターベース8bとを含んで形成される可変表示装置8の表飾り(飾り部材)の空間内において動作可能な態様で設けられている。
【0070】
また、図3の(a)における破線の両矢印線に示されるように、可動部材10は、胴体部10cが尾部10dの近傍を中心として左右に揺動する態様で、ソレノイド71により駆動される。この揺動により、可動部材10全体が前方に傾くこと、および、元の位置に戻ることをするような動作が行なわれる。また、図3の(b)における実線の両矢印線に示されるように、下頭部10bは、上頭部10aと下頭部10bとの連結部を中心として上下に揺動する態様で、ソレノイド72により駆動される。この揺動により、可動部材10の口が開閉する動作が行なわれる。
【0071】
可動部材10は、図3の(a)に示されるように、待機状態において上頭部10aの先端が可変表示部9の側端部前に位置しており、図3の(b)に示されるように、活動状態において上頭部10aの先端がさらに可変表示部9の中心部へ向けて動作する。このような可変表示部9と可動部材10との位置関係により、可変表示部9での可変表示と可動部材10の動作との関連性をより強調して示すことができる。図3の(a)に示す位置から(b)に示す位置までが可動部材10の可動範囲である。
【0072】
このように、可動部材10は、可変表示装置8の前面側を含む予め定められた可動範囲で動作する。また、可動部材10の可動範囲は、可動部材10が可動範囲内でのいずれの位置であっても可変表示装置8の前面側に設定されている。
【0073】
図3の(b)に示されるように、上頭部10aの先端が可変表示部9の中心部へ向けて動作するとともに下頭部10bの先端が下側へ移動して口が開いた状態になり、透光部10eが光ると、それに応じて、可変表示部9で可動部材10の口に相当する部分から火炎が放射されているような態様の演出画像91が表示される。これにより、可動部材10の動作に関連した表示(この場合は可動部材10の口が開く動作と、火炎が放射される表示とが関連する)が可変表示部9において行なわれる。このような可動部材10の動作および可変表示部9の表示は、たとえば、リーチ状態となる前の所定タイミング、リーチ状態となった時のタイミング、リーチ状態となった後の表示結果が導出表示される前の所定のタイミング、および、大当り状態となった時のタイミング等の所定の遊技状態になったときに実行される。
【0074】
次に、可変表示部9が設けられる可変表示装置8全体の詳細な構成を説明する。図4は、可変表示装置8の分解斜視図である。
【0075】
図4を参照して、可動部材10は、上頭部10a、下頭部10b、および、胴体部10cは、複数の連結部材10fにより、動作可能な態様で連結されている。可動部材10の尾部10dは、ミドルベース8aに固定されている。連結された上頭部10a、下頭部10b、および、胴体部10cは、上頭部10a、下頭部10b、および、胴体部10cの連結部がソレノイド72によって動作させられるリンク部材10hの先端部に取付けられ、胴体部10cにおける尾部10d近傍部分がソレノイド71によって動作させられるクランク部材10gの先端部に取付けられた態様で、ミドルベース8aの左右両側部の前面側に配置される。また、上頭部10a、下頭部10b、および、胴体部10cの連結部には、リンク部材10hに連動する上頭部10aの動作を防ぐためのストッパー10iが設けられている。上頭部10aの所定位置には、透光部10eを設けるための穴が形成されおり、その穴に透光部10eが嵌め入れられる。
【0076】
ミドルベース8a裏面側の上部には、役物飾りランプ40,40等の各種LEDが設けられたセンター上基板8fが設けられている。ミドルベース8aの前面側の左側部および右側部のそれぞれには、内部空間に役物飾りランプ40が挿通される筒状の導光部81、および、導光部81から可変表示部9へ向かう光を遮蔽する遮蔽部82が形成されている。この導光部81は、役物飾りランプ40からの光を可動部材10の透光部10eまで導くためのものであり、光を導くための内部空間が一定の内径で形成されている。
【0077】
センターベース8bの下部には、可変表示装置8において左右方向から流下してくる玉を始動入賞口14の上部へ導くことが可能なステージ8eが取付けられている。センターベース8bの上部には、天飾り8cと上飾り8dとが取付けられている。
【0078】
ミドルベース8aの裏面側に設けられる枠体であるバックベース8gにおいては、中央部に、前述した可変表示部9(ここでは図示省略)が嵌込まれる長方形の開口部83が形成されている。バックベース8gの裏面側においては、左右の各側に、2つのソレノイド71,72が取付けられている。また、バックベース8gの裏面側の下部には、各種LEDが設けられたセンター下基板8hが取付けられている。また、バックベース8gの裏面側の左右両端部には、左右一対のワープ玉通路8i,8iが取付けられている。このワープ玉通路8i,8iは、可変表示装置8の上部に設けられたワープ玉入口から入った玉を可変表示装置8の裏面側で誘導し、前述したステージ8eの左右から中央へ向かって放出することが可能に構成されている。
【0079】
可変表示装置8においては、センターベース8bがミドルベース8aの表面側に取付けられ、さらに、これらがバックベース8gの表面側に取付けられる態様で、センターベース8b、ミドルベース8a、および、バックベース8gが一体となるように構成されている。
【0080】
次に、可動部材10の透光部10eがどのように光るかということについて、役物飾りランプ40と透光部10eとの関係を具体的に示して説明する。図5は、役物飾りランプ40と可動部材10の透光部10eとの関係を示す可変表示装置8の拡大図である。
【0081】
図5においては、(a)に可動部材10が待機状態である場合が示され,(b)に可動部材10が活動状態である場合が示されている。
【0082】
図5の(a)を参照して、導光部81は断面円形の筒状である。導光部81の内部空間は、内縁(内部空間の外径)が、役物飾りランプ40の外縁(外径)よりも広く、かつ、可動部材10(透光部10e)の可動範囲よりも狭く形成されている。導光部81の内部空間に役物飾りランプ40が収容されている。導光部81は、役物飾りランプ40により発光された光を先端から透光部10eに向けて導く。導光部81の可変表示部9の方の側には、導光部81から放射される光のうち、可変表示部9へ向かう光を遮蔽するための遮蔽部82が設けられている。この遮蔽部82は、導光部81の先端部において、可変表示部9側の部分を囲む態様で前方に突出する断面半円径の壁部を有しており、その突出部分により、導光部81からの光を遮蔽する。この例では、遮蔽部82は導光部81と一体的に形成されている。
【0083】
なお、この遮蔽部82は、ミドルベース8aにおいて導光部81の可変表示部9側に別体で構成される態様で設けられてもよい。つまり、遮蔽部82は、少なくとも導光部81の可変表示部9側の部分で光を遮蔽することが可能な形状であれば、どのような形状を採用してもよい。
【0084】
可動部材10が待機状態である場合は、(a)に示されるように、透光部10eの略中心部の位置に導光部81の先端部が対向するような位置となるように、可動部材10が位置決めされる。また、可動部材10が活動状態である場合は、可動部材10が可変表示部9側へ最大限動作した状態で、(b)に示されるように、透光部10eの右端部の位置に導光部81の先端部が対向するような位置となるように、可動部材10が位置決めされる。可動部材10が可動範囲内のいずれの位置であっても、導光部81の先端部が透光部10eに向かうこととなるように、可動部材10と導光部81との位置決めがなされている。このため、可動部材10がどのような状態であっても、導光部81から放射された光が透光部10eを透過するので、透光部10eが明るく光ることとなる。
【0085】
なお、透光部10eと導光部81との位置関係は、図5に示されたものに限らず、少なくとも、導光部81の内部空間は、透光部10eの可動範囲に光を導くことが可能な範囲内で、内縁が、発光体(役物飾りランプ40)の外縁よりも広く、かつ、可動部材10(透光部10e)の可動範囲よりも狭ければよい。
【0086】
図6は、パチンコ遊技機1における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。なお、図6には、制御基板として、遊技制御基板31、払出制御基板37、および、演出制御基板80が示されている。
【0087】
遊技制御基板31には、遊技制御用マイクロコンピュータ53と、スイッチ回路58と、ソレノイド回路59とが含まれている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する。スイッチ回路58は、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ23、カウントスイッチ22、入賞口スイッチ19a,24a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、球切れ検出スイッチ167、および、賞球カウントスイッチ301Aからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53に与える。ソレノイド回路59は、入賞球装置15を開閉するソレノイド16、大入賞口20の開閉板29を開閉するソレノイド21、および、大入賞口内誘導板を動作させるソレノイド33を遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って駆動する。
【0088】
また、遊技制御基板31は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示部9の可変表示開始(始動)に利用された始動入賞球の個数を示す始動情報(有効始動情報)、確率変動が生じたことを示す確変情報、および、賞球数を示す賞球情報をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する情報出力回路64を含んでいる。
【0089】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御用のプログラム等を記憶する記憶手段の一例であるROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM55、制御用プログラムに従って制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む遊技制御用のマイクロコンピュータである。この実施の形態ではROM54,RAM55はCPU56に搭載されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、CPU56とROM54,RAM55とは1チップ化されていなくてもよい。つまり、ROM54、RAM55およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、マイクロコンピュータにおける情報入出力可能な端子である。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、接続された各種スイッチ(検出器)からの信号を受け、接続された制御対象の機器を駆動する制御を行なう。
【0090】
さらに、遊技制御基板31には、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート部57のうちいずれかのI/Oポート部を選択するための信号を出力するアドレスデコード回路67が設けられている。なお、球払出装置97から遊技制御基板31に入力されるスイッチ情報もあるが、図6においてはそれらは省略されている。
【0091】
また、演出制御基板80には、表示制御、ランプ制御、可動部材制御、および、音制御の各制御手段として機能し、これらの制御により遊技の演出制御を行なうことが可能な演出制御用マイクロコンピュータ800が搭載されている。この演出制御用マイクロコンピュータ800の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ53と同様である。
【0092】
遊技制御基板31から演出制御基板80には、演出制御基板80により制御が行なわれる機器の制御のための指令情報である演出制御コマンド等の情報が伝送される。演出制御用マイクロコンピュータ800は、このような演出制御コマンドに応じて制御対象機器を駆動する制御を行なう。
【0093】
そのため、演出制御コマンドには、特別図柄および普通図柄の可変表示制御内容についての表示制御コマンド、ランプおよびLED等の発光体(以下、ランプと総称する)の制御内容についてのランプ制御コマンド、可動部材の制御内容についての可動部材制御コマンド、ならびに、音の制御内容についての音制御コマンドが含まれている。
【0094】
具体的に、表示制御コマンドとしては、たとえば可変表示の変動パターン(可変表示の開始を含む)、可変表示の停止図柄、可変表示の停止、大当り時の表示等の可変表示に関する各種指令が示される。演出制御用マイクロコンピュータ800では、この表示制御コマンドに応じて、特別図柄および普通図柄の可変表示等の表示制御を行なう。
【0095】
また、演出制御用マイクロコンピュータ800では、ランプ制御コマンドに応じて、遊技効果ランプ28a〜28c、賞球ランプ51、球切れランプ52、役物飾りランプ40、および装飾ランプ25のような発光体の駆動制御(発光動作制御)を行なう。
【0096】
また、演出制御用マイクロコンピュータ800では、可動部材制御コマンドに応じて2つのソレノイド71,71および2つのソレノイド72,72(図においては、1組のソレノイド71,72が代表例として示されている)のそれぞれへ与える駆動電流を制御して各可動部材10,10の駆動制御を行なう。
【0097】
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ800では、遊技制御基板31から伝送される効果音等の音声制御に関する指令情報としての音制御コマンドに応じて、スピーカ27から出力される(発生される)音の制御を行なう。
【0098】
また、遊技制御基板31から払出制御基板37には、払出制御基板37により駆動制御される球払出装置97による賞球の払出制御に関する指令情報としての払出制御コマンド等の情報が伝送される。この払出制御コマンドは、入賞球の発生に応じた賞球の払出数等を指令するコマンドである。払出制御基板37では、払出制御用マイクロコンピュータ370(払出制御手段)が搭載されており、この払出制御用マイクロコンピュータ370が、払出制御コマンドに応じて賞球の払出制御を行なう。この払出制御用マイクロコンピュータ370の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ53と同様である。また、払出制御用マイクロコンピュータ370では、カードユニット50と相互に情報通信することにより、カードユニット50からの指令に応じた貸球の払出制御も行なわれる。
【0099】
この実施の形態では、遊技制御基板31および払出制御基板37に設けられたRAMが、バックアップ電源でバックアップされている。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間はRAMの内容が保存される。そして、各制御基板におけるCPUは、電源電圧の低下を検出すると、所定の処理を行なった後に電源復旧待ちの状態になる。また、電源投入時に、各制御基板におけるCPUは、RAMにデータが保存されている場合には、保存データに基づいて電源断前の状態を復元する。
【0100】
遊技制御基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ53)から各制御基板へ送信される情報には、制御の指令内容を示す制御コマンドと、該コマンドの取込みタイミングを示すINT信号とが含まれる。ここで、コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御モードの種類を指令する1バイトのMODEデータと、MODEデータで指令された制御モードにおける具体的な制御内容を指令する1バイトのEXTデータとにより構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、このような2バイトのデータを、指令先の各制御基板へ順次送信することにより、制御内容を指令する。
【0101】
図6においては、可変表示制御機能、ランプ制御機能、可動部材制御機能、および、音制御機能のすべてを1つのマイクロコンピュータ800に含ませ、そのマイクロコンピュータ800が前述したような表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、可動部材制御コマンド、および、音制御コマンドを受信し、そのコマンドに応じて各種制御を行なうようにした例を示した。このような構成を採用することにより、このパチンコ遊技機1では、表示制御、可動部材制御、ランプ制御、および、音制御を同期させた演出を容易に行なうことができる。
【0102】
なお、このように可変表示制御機能、ランプ制御機能、可動部材制御機能、および、音制御機能のすべてを1つのマイクロコンピュータ800に含ませる構成に限らず、可変表示制御機能、ランプ制御機能、可動部材制御機能、および、音制御機能を複数個のそれぞれのマイクロコンピュータに分割構成したり、適宜組合せて複数個のマイクロコンピュータで構成し、各マイクロコンピュータ用に定められたコマンドに応じて各種制御を行なうようにしてもよい。
【0103】
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ53のCPU56により実行される制御を説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ53では、遊技の進行を制御するための処理である遊技制御のメイン処理およびタイマ割込み処理が実行され、これらの処理により、各種制御用のサブルーチンプログラムが呼び出されて実行されることにより、各種の遊技制御が行なわれる。
【0104】
遊技制御用マイクロコンピュータ53では各種制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ800に送信するが、ここでは、表示制御コマンドを例に挙げて制御コマンドの送信例を説明する。
【0105】
まず、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、特別図柄の変動パターン(可変表示時間を含む)を指定する変動パターンコマンドを送信する。変動パターンコマンドとしては、基本的に、リーチ表示態様(リーチ状態の表示態様)とならずに表示結果がはずれとなる変動パターン、リーチ表示態様となった後に表示結果がはずれとなる変動パターン、および、リーチ表示態様となった後に表示結果が大当りとなる変動パターン等の各種コマンドが含まれる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ800は、変動パターンコマンドを受信すると、変動パターンに加えて、リーチ表示態様となるか否かと、大当りになるか否かとのそれぞれについて認識することができる。
【0106】
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、変動パターンコマンドの送信に引続き、左,中,右特別図柄の予定停止図柄を指定する停止図柄コマンドを送信する。
【0107】
その後、特別図柄の可変表示が開始されてから変動パターンコマンドにより指定した可変表示時間が経過した時に、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、特別図柄の可変表示の停止を指示するための変動停止コマンドを送信する。
【0108】
そして、可変表示の結果として大当りとなった場合、遊技制御用マイクロコンピュータ53では、大当り制御時の表示制御内容を指定するコマンド等の各種コマンドを送信する制御が行なわれる。
【0109】
表示制御用マイクロコンピュータ800では、前述したような各種表示制御コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより指定される表示制御を実行する制御を行なう。
【0110】
次に、演出制御用マイクロコンピュータ800のCPUにより実行される制御を説明する。演出制御用マイクロコンピュータ800では、所定の演出制御用のメイン処理の実行にしたがって、表示制御用のメイン処理と、ランプ制御用のメイン処理と、可動部材制御用のメイン処理と、音制御用のメイン処理とがそれぞれ実行される。
【0111】
表示制御用のメイン処理は、演出制御用マイクロコンピュータ800の表示制御機能を実現するためのメイン処理であり、この処理の実行にしたがって各種表示制御用の複数のサブルーチンが実行され、前述したような可変表示制御が行なわれる。また、ランプ制御用のメイン処理は、演出制御用マイクロコンピュータ800のランプ制御機能を実現するためのメイン処理であり、この処理の実行にしたがって各種ランプ制御用の複数のサブルーチンが実行され、前述したようなランプ制御が行なわれる。また、可動部材制御用のメイン処理は、演出制御用マイクロコンピュータ800の可動部材制御機能を実現するためのメイン処理であり、この処理の実行にしたがって各種可動部材制御用の複数のサブルーチンが実行され、前述したような可動部材10の制御が行なわれる。また、音制御用のメイン処理は、演出制御用マイクロコンピュータ800の音制御機能を実現するためのメイン処理であり、この処理の実行にしたがって各種音制御用の複数のサブルーチンが実行され、前述したような音の制御が行なわれる。このように、演出制御用マイクロコンピュータ800では、制御機能として、表示制御機能(表示制御手段)、ランプ制御手段(ランプ制御機能)、可動部材制御手段(可動部材制御機能)、および、音制御手段(音制御機能)を有している。
【0112】
次に、演出制御用マイクロコンピュータ800で実行される役物飾りランプ40の発光色制御について説明する。演出制御用マイクロコンピュータ800では、パチンコ遊技機1の遊技状態に応じて、役物飾りランプ40の発光色を複数の色のうちから選択し、選択した色で役物飾りランプ40を発光させる制御が行なわれる。
【0113】
このような制御は、演出制御用マイクロコンピュータ800において、遊技制御用マイクロコンピュータ53から受けた各種コマンドおよび実行中の制御の情報等に基づいて、現在の遊技状態がどのような遊技状態(たとえば、リーチ状態前、リーチ状態中等)であるかを判断し、遊技状態と発光色との対応関係を示すデータテーブルである発光色データテーブル(図8、図9を用いて後述する。)を用いて、現在の遊技状態に対応する発光色を選択し、その選択した色で発光するように役物飾りランプ40を制御するプログラムが実行されることにより実現される。
【0114】
次に、可動部材10,10の動作演出、役物飾りランプ40の発光演出、および、可変表示装置8の表示演出を組合せた遊技演出の一例を説明する。以下に示す遊技演出は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から受信した演出制御コマンド(表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、可動部材制御コマンド)に基づいて、演出表示制御用マイクロコンピュータ800が実行する。
【0115】
図7は、可動部材10,10の動作演出、役物飾りランプ40,40の発光演出、および、可変表示装置8の表示演出を組合せた遊技演出の一例を示す可変表示装置8の拡大正面図である。
【0116】
可変表示部9においては、特別図柄として、基本的に、1組の左図柄61,中図柄62,右図柄63がスクロール等の変動方式で可変表示される。可動部材10,10は、特別図柄の可変表示が開始される前の段階では停止状態となっており、特別図柄の可変表示が開始された後も、しばらくは停止状態となっている。このように可動部材10,10が停止状態となっている状態では、役物飾りランプ40,40は消灯状態にされている。なお、可動部材10,10が停止状態となっている状態では、役物飾りランプ40,40を所定の色で発光させる演出を行なってもよい。(a)および(b)における中図柄62を示す下向きの矢印は、図柄が変動中であることを示している。
【0117】
本実施の形態の場合、リーチ予告は、(a),(b)に示されるように、左図柄61および右図柄63を非リーチ状態で一旦停止させた後、一方の可動部材(たとえば、向かって左側の可動部材)10を動作させる(龍の口を開いた態様の活動状態にする)制御が行なわれる。このときの可動部材10の動作は、リーチ前動作と呼ばれる。このようなリーチ前動作時には、動作した可動部材10に対応する役物飾りランプ(たとえば、向かって左側の役物飾りランプ)40を青色の発光色で発光させる制御が行なわれるとともに、所定の色(青色または黄色であり、青色になる割合が黄色になる割合よりも高い)の演出画像(第1演出画像91aまたは第2演出画像91b)を表示させる制御が行なわれる。
【0118】
演出画像としては、(a)に示されたような大火炎を示す第1演出画像91aと、(b)に示されたような小火炎を示す第2演出画像91bとが選択的に用いられる。大火炎を示す第1演出画像91aは、停止している一方の特別図柄(たとえば左図柄61)上に重なる態様で表示される。これにより、龍の口から出た火炎が特別図柄に当るような状態を示す表示演出がされる。このような第1演出画像91aを表示する演出は、特別図柄の上に重なる態様で表示されるものであり、特別図柄の表示に影響を与える演出(表示影響演出)である。また、小火炎を示す第2演出画像91bは、停止している一方の特別図柄(たとえば左図柄61)上に重ならない態様で表示される。これにより、龍の口から火炎が出るが火炎が特別図柄に届かずに当らないような状態を示す表示演出(特別図柄の表示に影響を与えない演出)がされる。
【0119】
そして、(a)に示すような特別図柄の表示に影響を与える第1演出画像91aが表示されたときには、前述したような可動部材10の動作、役物飾りランプ40の発光、演出表示画像の表示が行なわれた後、左図柄61を別の図柄に差替えることにより特別図柄の表示態様を変化させる差替え演出表示が行なわれる。一方、(b)に示すような特別図柄の表示に影響を与えない第2演出画像91bが表示されたときには、差替え演出表示は行なわれない。
【0120】
第1演出画像91aの表示に応じて差替え演出表示による図柄の差替えが行なわれるときには、左図柄61および右図柄63が揃ってリーチ状態が生じるときと、左図柄61および右図柄63が揃わずにリーチ状態が生じないときとがある。図柄の差替えが行なわれるときの方が、差替えが行なわれないときよりも、リーチ状態が生じる割合が高くなるように制御される。
【0121】
また、第2演出画像91bの表示により差替え演出表示が行なわれないときには、左図柄61および右図柄63は停止したままであり、図柄の表示態様は変化しないように制御される。このように差替え演出表示が行なわれないときには、左図柄61および右図柄63が揃ってリーチ状態が生じるときと、左図柄61および右図柄63が揃わずにリーチ状態が生じないときとがある。図柄の差替えが行なわれないときは、前述したような図柄の差替えが行なわれるときよりも、リーチ状態が生じる割合が低い。
【0122】
また、図示を省略するが、本実施の形態の場合、大当り予告は、左図柄61および右図柄63をリーチ状態で一旦停止させた後、両方の可動部材10,10を動作させる(龍の口を開いた態様の活動状態にする)制御が行なわれる。このときの可動部材10の動作は、リーチ中動作と呼ばれる。このようなリーチ中動作時には、リーチ前動作と同様に、動作した可動部材10,10に対応する役物飾りランプ40,40を赤色の発光色で発光させる制御が行なわれるとともに、所定の色(赤色または黄色であり、赤色になる割合が黄色になる割合よりも高い)の演出画像(第1演出画像91aまたは第2演出画像91ab)を表示させる制御が行なわれる。
【0123】
大当り予告の場合、(a)に示されるような大火炎を示す第1演出画像91aが、両方の可動部材10,10のそれぞれに対応する態様で2つ表示され、それぞれの第1演出画像91a,91aがリーチ表示態様で停止している左図柄61および右図柄63のそれぞれの上に重なる態様で表示される場合がある。これにより、2つの龍の口から出た大火炎が特別図柄に当るような状態を示す表示演出(特別図柄の表示に影響を与える表示影響演出)がされる。また、(b)に示されるような小火炎を示す第2演出画像91bが、両方の可動部材10,10のそれぞれに対応する態様で2つ表示され、それぞれの第2演出画像91b,91bがリーチ表示態様で停止している特別図柄のそれぞれの上に重ならない態様で表示される場合もある。これにより、2つの龍の口から小火炎が出るが小火炎が特別図柄に届かずに当らないような状態を示す表示演出(特別図柄の表示に影響を与えない演出)がされる。
【0124】
そして、特別図柄の表示に影響を与える第1演出画像91a,91aが表示されたときには、このような可動部材10,10の動作、役物飾りランプ40の発光、演出表示画像の表示が行なわれた後、リーチ図柄(リーチ表示態様)となっている左図柄61および右図柄63(図柄)の両方を別のリーチ図柄に差替えることにより特別図柄の表示態様を変化させる差替え演出表示が行なわれる。一方、特別図柄の表示に影響を与えない第2演出画像91b,91bが表示されたときには、差替え演出表示は行なわれない。
【0125】
第1演出画像91aの表示に応じて差替え演出表示によるリーチ図柄の差替えが行なわれたときは、表示結果が大当り図柄の組合せとなるときと、表示結果が大当り図柄の組合せとならないときとがある。リーチ図柄の差替えが行なわれるときの方が、差替えが行なわれないときよりも、大当り図柄の表示結果が生じる割合が高くなるように制御される。
【0126】
また、第2演出画像91bの表示により差替え演出表示が行なわれないときには、左図柄61および右図柄63は停止したままであり、図柄の表示態様は変化しないように制御される。このように差替え演出表示が行なわれないときには、表示結果が大当り図柄の組合せとなるときと、表示結果が大当り図柄の組合せとならないときとがある。リーチ図柄の差替えが行なわれないときは、リーチ図柄の差替えが行なわれるときよりも、大当り図柄の表示結果が生じる割合が低い。
【0127】
このような可動部材10,10のリーチ前動作またはリーチ中動作による動作演出が行なわれたときには、第1演出画像91aの色を役物飾りランプ40の発光色と同じ色に制御することにより、可動部材10,10の動作演出と可変表示部9の表示演出との間に対応関係(龍の口の動作と火炎との対応関係)が生じるとともに、可動部材10,10の動作演出と可変表示部9の表示演出との間に対応関係(龍の目の発光色と火炎の色との対応関係)が生じる。
【0128】
以上に示したように、可動部材10,10による動作演出が行なわれたときに、可変表示装置8において、可動部材10,10の動作態様に対応した表示演出による表示状態の制御が行なわれるとともに、役物飾りランプ40,40の発光態様に対応した表示演出による制御が行なわれる。
【0129】
このような演出が行なわれることにより、遊技者に対して、リーチ予告および大当り予告をすることができる。
【0130】
次に、可動部材10,10により前述したリーチ前動作およびリーチ中動作のそれぞれが行なわれる時における演出画像の種類、特別図柄の演出パターン、色(以下、演出表示色ともいう)、役物飾りランプ40,40の発光色との関係を説明する。
【0131】
図8は、可動部材10,10によりリーチ前動作が行なわれる時における演出画像の種類、特別図柄の演出パターン、演出表示色、および、発光色の相互関係を表形式で示す図である。
【0132】
図8を参照して、リーチ前動作時における演出画像の種類、図柄演出パターンおよび演出表示色を含めた表示演出態様は、複数の表示演出態様のうちから、前述した各種ランダムカウンタと同様の機能を有するランダムカウンタR1の抽出値に基づいて選択決定される。このランダムカウンタR1がカウントする数値範囲は、「0」〜「99」である。そのカウンタ値は、リーチ前動作を実行することが決定された後、リーチ前動作の実行開始時よりも前の所定のタイミングで、抽出されて演出画像の種類、図柄演出パターン、および、演出表示色を含めた表示演出態様の決定のために用いられる。
【0133】
図8においては、R1と、演出画像の種類、図柄演出パターン、および、演出表示色のそれぞれとの対応関係がリーチ決定時(可変表示においてリーチ状態となることが事前決定されているとき)と非リーチ決定時(可変表示においてリーチ状態となることが事前決定されていないとき)とに分けて予め定められている。
【0134】
リーチ決定時において、R1の抽出値が「0」〜「9」のうちのいずれかである場合には、実行する表示演出について、演出画像の種類が第2演出画像91bに決定され、図柄演出パターンが演出なしに決定され、かつ、演出表示色が黄色に決定される。そして、R1の抽出値が「10」〜「99」のうちのいずれかである場合には、演出画像の種類が第1演出画像91aに決定され、図柄演出パターンが差替え演出に決定され、かつ、演出表示色が青色に決定される。
【0135】
一方、リーチ非決定時において、R1の抽出値が「0」〜「89」のうちのいずれかである場合には、実行する表示演出について、演出画像の種類が第2演出画像91bに決定され、図柄演出パターンが演出なしに決定され、かつ、演出表示色が黄色に決定される。そして、R1の抽出値が「90」〜「99」のうちのいずれかである場合には、演出画像の種類が第1演出画像91aに決定され、図柄演出パターンが差替え演出に決定され、かつ、演出表示色が青色に決定される。このようなリーチ決定時およびリーチ非決定時におけるR1の抽出値と各事項との関係を示すデータは、データテーブル形式で演出制御用マイクロコンピュータ800のROMに格納されており、RAMの所定領域に読出されて、演出画像の種類、図柄演出パターン、および、演出表示色の決定のために使用される。
【0136】
また、図8においては、リーチ前動作が行なわれるときの発光色の設定が演出表示色と対応付けて示されている。リーチ前動作が行なわれるときの発光色は、リーチ決定時およびリーチ非決定時を問わず青色に設定される。これにより、リーチ前動作が行なわれるときには、演出制御用マイクロコンピュータ800のランプ制御機能により、役物飾りランプ40,40を青色で発光させる制御が行なわれる。
【0137】
このように、リーチ決定時においては、第1演出画像91aの方が第2演出画像91bよりも決定される確率が高く、差替え演出の方が演出なしよりも決定される確率が高く、かつ、発光色と同じ青色の方が、発光色と異なる黄色よりも演出表示色として決定される確率が高く設定されている。一方、リーチ非決定時においては、第2演出画像91bの方が第1演出画像91aよりも決定される確率が高く、演出なしの方が差替え演出よりも決定される確率が高く、かつ、図柄演出パターンが発光色と異なる黄色の方が、発光色と同じ青色よりも演出表示色として決定される確率が高く設定されている。
【0138】
このため、リーチ決定時においては、非リーチ決定時と比べて、第1演出画像91aの方が第2演出画像91bよりも決定されやすく、差替え演出の方が演出なしよりも決定されやすく、かつ、発光色と同じ色の方が発光色と異なる色よりも演出表示色として決定されやすくなっている。これにより、前述したデータテーブルでは、第1演出画像91aを表示する決定がされたときの方が第2演出画像91bを表示する決定がされたときよりもリーチ状態を表示させる割合が多くなるようにデータが設定されている。また、差替え演出をする決定がされたときの方が演出をしない決定がされたときよりもリーチ状態を表示させる割合が多くなるようにデータが設定されている。また、演出表示色と発光色とが対応する制御をする決定がされたときの方が、演出表示色と発光色とが対応しない制御をする決定がされたされたときよりもリーチ状態を表示させる割合が多くなるようにデータが設定されている。
【0139】
このようなリーチ前動作は、リーチ状態とすることが事前決定された場合に、リーチ状態とならないことが事前決定された場合よりも実行される確率が高いため、パチンコ遊技機1においてリーチ予告として用いられる。
【0140】
図9は、可動部材10,10によりリーチ中動作が行なわれる時における演出画像の種類、特別図柄の演出パターン、演出表示色、および、発光色の相互関係を表形式で示す図である。
【0141】
図9を参照して、リーチ中動作時における演出画像の種類、図柄演出パターン、および、演出表示色を含めた表示演出態様は、複数の表示演出態様のうちから、前述した各種ランダムカウンタと同様の機能を有するランダムカウンタR2の抽出値に基づいて選択決定される。このランダムカウンタR2がカウントする数値範囲は、「0」〜「49」である。そのカウンタ値は、リーチ中動作を実行することが決定された後、リーチ中動作の実行開始時よりも前の所定のタイミングで、抽出されて演出画像の種類、図柄演出パターン、および、演出表示色を含めた表示演出態様の決定のために用いられる。
【0142】
図9においては、R2と、演出画像の種類、図柄演出パターン、および、演出表示色のそれぞれとの対応関係が大当り決定時(可変表示の表示結果が大当りとなることが事前決定されているとき)とはずれ時(可変表示の表示結果がはずれとなることが事前決定されているとき)とに分けて予め定められている。
【0143】
大当り決定時において、R2の抽出値が「0」〜「4」のうちのいずれかである場合には、実行する表示演出について、演出画像の種類が第2演出画像91bに決定され、図柄演出パターンが演出なしに決定され、かつ、演出表示色が黄色に決定される。そして、R2の抽出値が「5」〜「49」のうちのいずれかである場合には、演出画像の種類が第1演出画像91aに決定され、図柄演出パターンが差替え演出に決定され、かつ、演出表示色が赤色に決定される。
【0144】
一方、はずれ決定時において、R2の抽出値が「0」〜「44」のうちのいずれかである場合には、実行する表示演出について、演出画像の種類が第2演出画像91bに決定され、図柄演出パターンが演出なしに決定され、かつ、演出表示色が黄色に決定される。そして、R2の抽出値が「45」〜「49」のうちのいずれかである場合には、演出画像の種類が第1演出画像91aに決定され、図柄演出パターンが差替え演出に決定され、かつ、演出表示色が赤色に決定される。このような大当り決定時およびはずれ決定時におけるR2の抽出値と各事項との関係を示すデータは、データテーブル形式で演出制御用マイクロコンピュータ800のROMに格納されており、RAMの所定領域に読出されて、演出画像の種類、図柄演出パターン、および、演出表示色の決定のために使用される。
【0145】
また、図9においては、リーチ中動作が行なわれるときの発光色の設定が演出表示色と対応付けて示されている。リーチ中動作が行なわれるときの発光色は、大当り決定時およびはずれ決定時を問わず赤色に設定される。これにより、リーチ中動作が行なわれるときには、演出制御用マイクロコンピュータ800のランプ制御機能により、役物飾りランプ40,40を赤色で発光させる制御が行なわれる。
【0146】
このように、大当り決定時においては、第1演出画像91aの方が第2演出画像91bよりも決定される確率が高く、差替え演出の方が演出なしよりも決定される確率が高く、かつ、発光色と同じ赤色の方が、発光色と異なる黄色よりも演出表示色として決定される確率が高く設定されている。一方、はずれ決定時においては、第2演出画像91bの方が第1演出画像91aよりも決定される確率が高く、演出なしの方が差替え演出よりも決定される確率が高く、かつ、図柄演出パターンが発光色と異なる黄色の方が、発光色と同じ赤色よりも演出表示色として決定される確率が高く設定されている。
【0147】
このため、大当り決定時においては、はずれ決定時と比べて、第1演出画像91aの方が第2演出画像91bよりも決定されやすく、差替え演出の方が演出なしよりも決定されやすく、かつ、発光色と同じ色の方が発光色と異なる色よりも演出表示色として決定されやすくなっている。これにより、前述したデータテーブルでは、第1演出画像91aを表示する決定がされたときの方が第2演出画像91bを表示する決定がされたときよりも大当りの表示結果となる割合が多くなるようにデータが設定されている。また、差替え演出をする決定がされたときの方が演出をしない決定がされたときよりも大当りの表示結果となる割合が多くなるようにデータが設定されている。また、演出表示色と発光色とが対応する制御をする決定がされたときの方が、演出表示色と発光色とが対応しない制御をする決定がされたときよりも大当りの表示結果となる割合が多くなるようにデータが設定されている。
【0148】
このようなリーチ中動作は、大当りとなることが事前決定された場合に、はずれとなることが事前決定された場合よりも実行される確率が高いため、パチンコ遊技機1において大当り予告として用いられる。
【0149】
次に、前述したようなリーチ前動作時およびリーチ中動作時のそれぞれにおける表示演出をするために演出制御用マイクロコンピュータ800で実行される制御内容を説明する。
【0150】
演出制御用マイクロコンピュータ800では、表示制御用のメイン処理の進行にしたがって実行されるサブルーチンの1つとして、動作対応表示態様選択処理が含まれている。この動作対応表示態様選択処理は、特別図柄の可変表示が実行される際の可動部材10,10の動作に対応して可変表示部9での表示態様を選択し、可動部材10,10の動作に対応する表示制御を行なうための制御データを設定する処理である。この動作対応表示態様選択処理により制御データが設定されると、表示制御用の制御データに基づいて可変表示部9に画像表示を行なうための表示実行処理にしたがって、設定された制御データに応じたリーチ前動作時の表示演出およびリーチ中動作時の表示演出が行なわれる。
【0151】
図10は、動作対応表示態様選択処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0152】
図10を参照して、まず、ステップ(以下、単にSという)1により、リーチ前動作条件が成立しているか否かが判断される。具体的に、S1では、演出制御用マイクロコンピュータ800において、実行する可変表示についてリーチ予告を実行する決定がされているときにリーチ前動作条件が成立していると判断する。
【0153】
S1によりリーチ前動作条件が成立していないと判断された場合は、後述するS7に進む。一方、S1によりリーチ前動作条件が成立していると判断された場合は、S2に進み、現在がリーチ決定時であるか非リーチ決定時であるかを判別する処理がなされる。具体的には、リーチ前動作の対象となる可変表示について受信した変動パターンコマンドがリーチ表示態様となる変動パターンを指定するコマンドと、リーチ表示態様とならない変動パターンを指定するコマンドとのどちらであるかを解析して、リーチ表示の変動パターンを指定するコマンドである場合はリーチ決定時であると判別し、一方、リーチ表示態様とならない変動パターンを指定するである場合は非リーチ決定時であると判別する。
【0154】
S3に進み、前述したランダムカウンタR1からカウンタ値を抽出する処理がなされる。そして、S4に進み、前述したリーチ前動作時の演出表示決定用のデータテーブル(図8)を用い、S2によるリーチ決定時であるか否かの判定結果に応じ、R1の抽出値と演出画像の種類との関係に基づいて、S3により抽出された抽出値から、演出画像の種類がランダムに決定され、決定された演出画像を表示するための制御データがリーチ前動作時の演出表示用のデータと対応付けられてRAMの作業領域に設定される。
【0155】
次に、S5に進み、前述したリーチ前動作時の演出表示決定用のデータテーブルを用い、S2によるリーチ決定時であるか否かの判定結果に応じ、R1の抽出値と図柄演出パターンとの関係に基づいて、S3により抽出された抽出値から、図柄演出パターンがランダムに決定され、決定された図柄演出パターンを表示するための制御データがリーチ前動作時の演出表示用のデータと対応付けられてRAMの作業領域に設定される。
【0156】
次に、S6に進み、前述したリーチ前動作時の演出表示決定用のデータテーブルを用い、S2によるリーチ決定時であるか否かの判定結果に応じ、R1の抽出値と演出表示色との関係に基づいて、S3により抽出された抽出値から、演出表示色がランダムに決定され、決定された演出表示色を表示するための制御データがリーチ前動作時の演出表示用のデータと対応付けられてRAMの作業領域に設定される。
【0157】
S7では、リーチ中動作条件が成立しているか否かが判断される。具体的に、S7では、演出制御用マイクロコンピュータ800において、実行する可変表示について大当り予告を実行する決定がされているときにリーチ中動作条件が成立していると判断する。
【0158】
S7によりリーチ中動作条件が成立していないと判断された場合は、この動作対応表示態様選択処理のサブルーチンが終了し、元の処理ルーチンにリターンする。一方、S7によりリーチ中動作条件が成立していると判断された場合は、S8に進み、現在が大当り決定時であるかはずれ決定時であるかを判別する処理がなされる。具体的には、リーチ中動作の対象となる可変表示について受信した変動パターンコマンドが大当りとなる変動パターンを指定するコマンドと、はずれとなる変動パターンを指定するコマンドとのどちらであるかを解析して、大当りとなる変動パターンを指定するコマンドである場合は大当り決定時であると判別し、一方、はずれとなる変動パターンを指定するコマンドである場合ははずれ決定時であると判別する。
【0159】
そして、S9に進み、ランダムカウンタR2からカウンタ値を抽出する処理がなされる。そして、S10に進み、前述したリーチ中動作時の演出表示決定用のデータテーブル(図9)を用い、S8による大当り決定時であるか否かの判定結果に応じ、R2の抽出値と演出画像の種類との関係に基づいて、S9により抽出された抽出値から、演出画像の種類がランダムに決定され、決定された演出画像を表示するための制御データがリーチ中動作時の演出表示用のデータと対応付けられてRAMの作業領域に設定される。
【0160】
次に、S11に進み、前述したリーチ中動作時の演出表示決定用のデータテーブルを用い、S8による大当り決定時であるか否かの判定結果に応じ、R2の抽出値と図柄演出パターンとの関係に基づいて、S9により抽出された抽出値から、図柄演出パターンがランダムに決定され、決定された図柄演出パターンを表示するための制御データがリーチ中動作時の演出表示用のデータと対応付けられてRAMの作業領域に設定される。
【0161】
次に、S12に進み、前述したリーチ中動作時の演出表示決定用のデータテーブルを用い、S8による大当り決定時であるか否かの判定結果に応じ、R2の抽出値と演出表示色との関係に基づいて、S9により抽出された抽出値から、演出表示色がランダムに決定され、決定された演出表示色を表示するための制御データがリーチ中動作時の演出表示用のデータと対応付けられてRAMの作業領域に設定される。S12の後、この動作対応表示態様選択処理のサブルーチンが終了し、元の処理ルーチンにリターンする。
【0162】
このように動作対応表示態様選択処理によりリーチ前動作およびリーチ中動作の実行のための制御データが設定されると、前述した表示実行処理が実行されることにより、図7〜図9に示された表示態様での表示が可変表示部9において行なわれる。
【0163】
次に、この実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
図8および図9に示されるように、可動部材10,10の動作態様に対応して可変表示部9において行なわれる表示演出として、複数の表示演出のうちから、第1演出画像91aを表示する表示演出のような特別図柄の表示に影響を与える演出が選択決定されたときには、表示演出の際において特別図柄の表示態様を変化させる差替え演出の演出パターンを実行させることが決定されるので、可動部材10,10の動作態様に対応した表示演出において、特別図柄が影響を受けて特別図柄の表示態様が変化する表示が行なわれる。このため、可動部材10,10による動作演出と可変表示部9による表示演出との関係が単なる装飾的なものに留まらず、特別図柄の表示態様にまで影響が及ぶこととなり、動作演出と表示演出との関係をより深く遊技状態に関連したものにし、その演出効果を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0164】
また、図3に示されるように、可動部材10の可動範囲が可動部材10が可動範囲内でのいずれの位置であっても可変表示装置8(可変表示部9)の前面側に位置するように設定されているので、表示演出と動作演出との組合せにより、視覚的な遊技の演出が行なわれる範囲を可変表示装置8(可変表示部9)での表示が行なわれる領域を超えた範囲まで拡張することができ、遊技の演出を多彩化することができる。また、可動部材10が動作していないときでも、可動部材10に対応した表示演出を可変表示装置8(可変表示部9)に表示することにより可動部材10と可変表示装置8(可変表示部9)との組合せによる演出を行なうことができる。
【0165】
また、図8に示されるように、第1演出画像91aを用いて特別図柄の表示に影響を与える演出により表示状態を制御する決定がされたときの方が、当該演出により表示状態を制御しない決定がされたときよりも、リーチ状態を表示させる割合が多くなるので、そのような演出がされるか否かに基づいて、遊技者の期待感および興趣を向上させることができる。
【0166】
また、図9に示されるように、第1演出画像91aを用いて特別図柄の表示に影響を与える演出により表示状態を制御する決定がされたときの方が、当該演出により表示状態を制御しない決定がされたときよりも、大当りの表示結果を表示させる割合が多くなるので、そのような演出がされるか否かに基づいて、遊技者の期待感および興趣を向上させることができる。
【0167】
また、図8および図9に示されるように、可動部材10による動作演出が行なわれたときに演出画像による表示演出が役物飾りランプ40の発光態様(発光色)に対応した表示態様(ランプの発光色と同じ色の演出表示色)で行なわれるため、可動部材10による動作演出と表示演出との対応関係に加えて、発光演出と表示演出とが対応関係を持って実行することができ、遊技の演出を多彩化することができる。
【0168】
また、図5に示されるように、可動部材10が活動状態時と待機状態時とのような可動範囲内でのいずれの位置にあっても、役物飾りランプ40からの光が透光部10eを透過するので、可動部材10が動作していないときと可動部材10が動作しているときとのいずれの状態であっても可動部材10を光らせることができる。これにより、可動部材10が可変表示装置8での可変表示部9の表示に関連して動作する遊技の演出の演出態様を多彩化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。しかも、可動部材10自体に発光体を設ける必要がないので、可動部材10の構造を単純化することができる。さらに、可動部材10による動作演出と役物飾りランプ40による発光演出とを隣接して行なうことができるので、動作演出と発光演出とが組合わされた演出を遊技者により分かりやすくすることができる。
【0169】
また、図8および図9に示されるように、表示演出が役物飾りランプ40の発光色と同じ色を用いた表示態様(演出表示色)で第1演出画像91aによる表示演出がされるので、発光演出と表示演出とが対応関係を持って実行されていることを分かりやすく示すことができる。
【0170】
また、図6に示されるように、可動部材10、役物飾りランプ40、および、可変表示装置8(可変表示部9)が1つのマイクロコンピュータ、すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ800により制御されるので、動作演出、発光演出、および、表示演出を相互に対応させた演出の実行を容易化することができる。さらに、このような動作演出、発光演出、および、表示演出を相互に対応させた演出において、各演出間の対応関係に狂いを生じにくくさせることができる。
【0171】
また、図3に示されるように、可動部材10が可変表示部9の前面側において可変表示部9の周囲を装飾する装飾部材である表飾り(ミドルベース8a,センターベース8b等により構成される)に設けられているので、可動部材10と可変表示部9とを近傍に配置することができ、可動部材10が可変表示部9での表示に関連して動作する遊技の演出をより表現しやすくなり、遊技の演出の演出効果を向上させることができる。
【0172】
また、図3に示されるように、可変表示部9により、可動部材10が可変表示部9の表示領域の前面に位置するときに、火炎の演出画像91のような可動部材10の動作と関連性を有する表示が行なわれるので、可動部材10が可変表示部9での表示に関連して動作する遊技の演出がより具体化されるため、遊技の演出の演出効果をより一層向上させることができる。
【0173】
また、図5に示されるように、役物飾りランプ40からの光を遮蔽する遮蔽部82が少なくとも役物飾りランプ40が設けられた位置、すなわち、導光部81の可変表示部9側に設けられるので、光が可変表示部9に入り込んで可変表示部9の表示が見づらくなることを防止することができる。
【0174】
また、図5に示されるように、導光部81の内部空間は、内縁が、役物飾りランプ40の外縁よりも広く、かつ、可動部材10(透光部10e)の可動範囲よりも狭いので、役物飾りランプ40からの光を広げて透光部10eに導くことができるとともに、その光を不必要に拡散させないようにすることができる。
【0175】
次に、以上説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態においては、図3に示されるように、可動部材10が待機状態にある場合にも可変表示部9の表示領域の前面側に一部が突出している例を示したが、これに限らず、可動部材10が待機状態にある場合には、可動部材10が可変表示部9の表示領域の前面側に全く位置しないようにしてもよい。
【0176】
(2) 前述した実施の形態においては、可動部材の一例として、図3に示されるように、複数の部材を連結して構成された可動部材を示した。しかし、これに限らず、可動部材は、1つの部材により構成されてもよい。
【0177】
(3) 前述した実施の形態においては、可動部材10を2つのソレノイドで駆動する例を説明した。しかし、これに限らず、可動部材10は、1つまたは2つ以外の複数のソレノイドで駆動するようにしてもよい。また、ソレノイド以外、たとえば(ステッピング)モータ等のアクチュエータで駆動するようにしてもよい。
【0178】
(4) 前述した実施の形態に示した導光部81は、内縁(内部空間の縁)が、先端部の方(透光部10eに向かう方の先端部)が広がっているものであってもよい。
【0179】
(5) 前述した実施の形態においては、1つのマイクロコンピュータ(演出制御用マイクロコンピュータ800)が遊技制御用マイクロコンピュータ53から各制御用のコマンドを受けて、可変表示制御、ランプ制御、可動部材制御、および音制御等の各制御を行なうようにしている例を示したが、これに限らず、1つのマイクロコンピュータが遊技制御用マイクロコンピュータ53から各制御用のコマンドを受けて、可変表示制御、ランプ制御、および、可動部材制御を行なうようにしてもよい。その場合には、別のマイクロコンピュータが遊技制御用マイクロコンピュータ53から音制御用のコマンドを受けて音制御を行なう。また、これに限らず、演出制御用マイクロコンピュータ800が有する機能を複数個のマイクロコンピュータに分割して持たせるようにしてもよい。つまり、可変表示制御、ランプ制御、可動部材制御、および音制御を複数個のマイクロコンピュータが実行するようにし、その複数個のマイクロコンピュータが遊技制御用マイクロコンピュータ53からそれぞれ各制御用のコマンドを受けて各制御を行なうようにしてもよい。また、可変表示制御およびランプ制御と、音制御または可動部材制御のうちのいずれか1つとを1つのマイクロコンピュータが実行するようにし、そのマイクロコンピュータが遊技制御用マイクロコンピュータ53から各制御用のコマンドを受けて各制御を行なうようにしてもよい。
【0180】
(6) また、前述した実施の形態においては、可変表示制御用のマイクロコンピュータが設置された可変表示制御基板と、可動部材制御用のマイクロコンピュータが設置された可動部材制御基板と、ランプ制御用のマイクロコンピュータが設置されたランプ制御基板と、音制御用のマイクロコンピュータが設置された音制御基板とを別体構成し、可変表示制御用のマイクロコンピュータが、遊技制御用マイクロコンピュータ53から各種制御用のコマンドを受け、さらに、可変表示制御用のマイクロコンピュータから可動部材制御用のマイクロコンピュータ、ランプ制御用のマイクロコンピュータ、および、音制御用のマイクロコンピュのそれぞれに各制御用のコマンドを送信することにより、可変表示制御、可動部材制御、ランプ制御、および、音制御が同期して実行される演出制御が実行できるようにしてもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ800において、各種の表示制御コマンドについて、可変表示制御、ランプ制御、可動部材制御、および音制御等の各制御の制御内容を対応付けて予め定めて(記憶して)おき、演出制御用マイクロコンピュータ800が、遊技制御用マイクロコンピュータ53から表示制御用のコマンドを受けたときに、その表示制御コマンドに基づいて、対応する可変表示制御、ランプ制御、可動部材制御、および音制御等を行なうようにしてもよい。そのようにすれば、ランプ制御用、可動部材制御用、および音制御用のそれぞれの制御コマンドが不要となる。
【0181】
(7) 前述した実施の形態では、可動部材10が活動状態となって可変表示部9の前面側に突出した場合に可変表示部9において可動部材10の動作に関連して行なわれる表示例として、龍の開口動作と火炎との関連というような観念的な関連性を示すものを示したが、この表示の関連性は、たとえば、可動部材10が可変表示部9の前面側に突出すると特別図柄が可動部材10を避けるように移動する表示のように、より具体的な関連性であってもよい。つまり、このような表示の関連性は、可動部材10の動作と可変表示部9の表示との間に何らかの関係があると認識できるものであればどのような関連性であってもよい。
【0182】
(8) 前述した実施の形態では、役物飾りランプ40の発光態様に対応した表示演出として、ランプの発光色と同じ色で演出画像91(第1演出画像91a)を表示する例を示した。しかし、これに限らず、役物飾りランプ40の発光態様に対応した表示演出としては、役物飾りランプ40の点滅に合わせて演出画像91aを点滅表示することであってもよく、役物飾りランプ40の発光色の濃淡変化に合わせて演出画像91aを点滅表示することであってもよい。
【0183】
(9) 前述した実施の形態では、可動部材10,10が常に特別図柄を隠さないように可動部材10,10を動作させる例を示した。しかし、これに限らず、可動部材10,10(可動演出手段)が動作していないときに可動部材10,10が特別図柄(識別情報)を隠さないように動作演出し、可動部材10,10(可動演出手段)が動作しているときに可動部材10,10が特別図柄(識別情報)の少なくとも一部を隠すように動作演出をするように、演出制御用マイクロコンピュータ800の可動部材制御機能(可動演出制御手段)が動作制御をするようにしてもよい。このようにすれば、可動演出手段が識別情報を物理的に隠すことが可能になるので、動作演出と表示演出とを対応させた演出をより一層多彩化することができる。また、可動演出手段が識別情報を常に隠すわけではないので、可変表示を見る遊技者に影響が及びにくい状態で動作演出と表示演出とを対応させた演出を多彩化することができる。
【0184】
(10) 前述した実施の形態においては、前記表示影響演出が選択決定されたときに、決定される前記識別情報を変化させる表示態様として、差替え表示演出を行なう例を示した。しかし、これに限らず、前記識別情報を変動させる表示態様としては、停止すると見られる位置よりも特別図柄を滑らせて停止させる滑り表示演出、特別図柄が予定停止位置を一旦通り過ぎた後に予定停止位置まで戻って停止させる戻り表示演出、特別図柄を特別図柄の色を変化させる表示演出、特別図柄を上下反転させる表示演出、特別図柄を左右反転させる表示演出等の各種表示演出が含まれる。つまり、前記表示態様決定手段は、前記動作対応表示演出決定手段により前記表示影響演出が選択決定されたときには、前記識別情報の表示態様を変化させることを決定するが、この場合に識別情報の表示態様を変化させることとしては、識別情報を差替える差替え表示、停止すると見られる位置よりも識別情報を滑らせて停止させる滑り表示、識別情報が予定停止位置を一旦通り過ぎた後に予定停止位置まで戻って停止させる戻り表示、識別情報の色を変化させる色変化表示、識別情報を上下反転させる上下反転表示、または、識別情報を左右反転させる左右反転表示のうちのいずれを実行して識別情報の表示態様を変化させてもよい。
【0185】
(11) 前述した実施の形態は、次のように表現することもできる。表示状態が変化可能な可変表示装置(可変表示装置8、可変表示部9)を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた表示態様(大当り図柄の組合せ)になったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御可能となる遊技機(パチンコ遊技機1)であって、遊技者に動作が視認可能な箇所に設けられ、予め定められた可動範囲で前記可変表示装置での表示に関連した動作演出(リーチ状態の報知等)を含む遊技の演出に用いられる可動演出手段(可動部材10)と、該可動演出手段とは別体に設けられ、該可動演出手段の裏面側で発光する発光体(役物飾りランプ40)とを備え、前記可動演出手段は、光を透過する透光部(透光部10e)を有し、前記発光体は、前記可動演出手段が前記可動範囲内でのいずれの位置であっても、前記発光体からの光が前記透光部を透過可能な位置に設けられている(図5の(a),(b)参照)。
【0186】
このような構成によれば、可動演出手段が可動範囲内でのいずれの位置であっても、発光体からの光が透光部を透過するので、可動演出手段が動作していないときと可動演出手段が動作しているときとのいずれの状態であっても可動演出手段を光らせることができる。これにより、可動演出手段が可変表示装置での表示に関連して動作する遊技の演出の演出態様を多彩化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。しかも、可動演出手段自体に発光体を設ける必要がないので、可動演出手段の構造を単純化することができる。
【0187】
(12) 前述した実施の形態は、次のように表現することもできる。前記可動演出手段は、前記可変表示装置の前面側において可変表示装置の周囲を装飾する装飾部材(ミドルベース8a,センターベース8b等により構成される表飾り)に設けられている(図3参照)。
【0188】
このような構成によれば、可動演出手段が可変表示装置の前面側において可変表示装置の周囲を装飾する装飾部材に設けられているので、可動演出手段と可変表示装置とを近傍に配置することができ、可動演出手段が可変表示装置での表示に関連して動作する遊技の演出をより表現しやすくなり、遊技の演出の演出効果を向上させることができる。
【0189】
(13) 前述した実施の形態は、次のように表現することもできる。前記可動範囲は、前記可変表示装置(可変表示部9)の前面を含み(図3参照)、前記可変表示装置は、前記可動演出手段が前面に位置するときに、前記可動演出手段の動作と関連性を有する表示(火炎の画像91の表示)を行なう(図3の(b)参照)。
【0190】
このような構成によれば、可変表示装置により、可動演出手段が前面に位置するときに可動演出手段の動作と関連性を有する表示が行なわれるので、可動演出手段が可変表示装置での表示に関連して動作する遊技の演出がより具体化されるため、遊技の演出の演出効果をより一層向上させることができる。
【0191】
(14) 前述した実施の形態は、次のように表現することもできる。少なくとも前記発光体が設けられた位置の前記可変表示装置側に設けられ、前記発光体からの光を遮蔽する遮蔽部材(遮蔽部82)をさらに含む。
【0192】
このような構成によれば、発光体からの光を遮蔽する遮蔽部材が少なくとも発光体が設けられた位置の可変表示装置側に設けられるので、光が可変表示装置に入り込んで可変表示装置の表示が見づらくなることを防止することができる。
【0193】
(15) 前述した実施の形態は、次のように表現することもできる。前記発光体を発光制御する制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ800)をさらに備え、前記発光体は、複数の色で発光する機能を有し、
前記制御手段は、遊技状態に応じて前記複数の色のうちからいずれかの色を選択し、選択した色によって発光制御する。
【0194】
このような構成によれば、発光体が遊技状態に応じて複数の色のうちから選択されたいずれかの色で発光制御されるので、可動演出手段が可変表示装置での表示に関連して動作する遊技の演出の演出態様をより一層多彩化することができ、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
【0195】
(16) 前述した実施の形態は、次のように表現することもできる。前記発光体からの光を前記透光部へ導くための内部空間が形成された導光部(導光部81)をさらに含み、前記内部空間は、内縁が、前記発光体の外縁よりも広く、かつ、前記可動範囲よりも狭い(図5参照)。
【0196】
このような構成によれば、導光部の内部空間は、内縁が、発光体の前記外縁よりも広く、かつ、可動演出手段の可動範囲よりも狭いので、発光体からの光を広げて透光部に導くことができるとともに、その光を不必要に拡散させないようにすることができる。
【0197】
(17) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】遊技機の一例のパチンコ遊技機を正面から見た正面図である。
【図2】パチンコ遊技機の遊技盤面を正面から見た正面図である。
【図3】可動部材の構成および動作状態を示す可変表示装置の拡大正面図である。
【図4】可変表示装置の分解斜視図である。
【図5】役物飾りランプと可動部材の透光部との関係を示す可変表示装置の拡大図である。
【図6】パチンコ遊技機における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】可動部材の動作演出、役物飾りランプの発光演出、および、可変表示装置の表示演出を組合せた遊技演出の一例を示す可変表示装置の拡大正面図である。
【図8】可動部材によりリーチ前動作が行なわれる時における演出画像の種類、特別図柄の演出パターン、演出表示色、および、発光色の相互関係を表形式で示す図である。
【図9】可動部材によりリーチ中動作が行なわれる時における演出画像の種類、特別図柄の演出パターン、演出表示色、および、発光色の相互関係を表形式で示す図である。
【図10】動作対応表示態様選択処理の処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
9 可変表示部、8 可変表示装置、1 パチンコ遊技機、10 可動部材、40 役物飾りランプ、800 演出制御用マイクロコンピュータ、91a 第1演出画像、91b 第2演出画像、10e 透光部。
Claims (8)
- 識別情報を可変表示可能な可変表示装置を有し、該可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様になったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機であって、
遊技者に動作が視認可能な箇所に設けられ、前記可変表示装置の前面側を含む予め定められた可動範囲で動作演出を行なう遊技の演出に用いられる可動演出手段と、
前記可変表示装置の表示状態を制御する手段であって、前記可動演出手段による動作演出が行なわれたときに、前記可変表示装置において、前記可動演出手段の動作態様に対応した表示演出を表示する制御を実行する表示制御手段と、
前記可動演出手段の動作態様に対応した表示演出を決定する手段であって、前記識別情報に影響を与える表示影響演出を含む複数の表示演出のうちからいずれかの表示演出を選択決定する動作対応表示演出決定手段と、
該動作対応表示演出決定手段により選択決定された表示演出を前記表示制御手段により表示する制御が実行されたときにおいて前記識別情報の表示態様を変化させるか否かを決定する表示態様決定手段とを含み、
該表示態様決定手段は、前記動作対応表示演出決定手段により前記表示影響演出が選択決定されたときには、前記識別情報の表示態様を変化させることを決定することを特徴とする、遊技機。 - 前記可動演出手段の可動範囲は、前記可動演出手段が前記可動範囲内でのいずれの位置であっても前記可変表示装置の前面側に位置するように設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
- 前記表示制御手段は、前記動作対応表示演出決定手段により前記表示影響演出が選択決定されたときの方が前記動作対応表示演出決定手段により前記表示影響演出が選択決定されなかったときよりも、前記可変表示装置においてリーチ状態を表示させる割合が高いことを特徴とする、請求項1または2に記載の遊技機。
- 前記表示制御手段は、前記動作対応表示演出決定手段により前記表示影響演出が選択決定されたときの方が前記動作対応表示演出決定手段により前記表示影響演出が選択決定されなかったときよりも、前記可変表示装置において表示結果を前記特定の表示態様とする割合が高いことを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。
- 前記可動演出手段を発光演出するための発光体をさらに含み、
前記表示制御手段は、前記表示演出を前記発光体の発光態様に対応した表示態様によって表示する制御を行なうことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機。 - 前記可動演出手段は、光を透過する透光部を有し、
前記発光体は、前記可動演出手段の裏面側に前記可動演出手段とは別体でかつ前記可動演出手段が前記可動範囲内でのいずれの位置であっても、前記発光体からの光が前記透光部を透過可能な位置に設けられていることを特徴とする、請求項5に記載の遊技機。 - 前記発光体は、複数の色で発光する機能を有し、
前記表示演出は、前記発光体の発光色と同じ色を用いた表示態様によって表示されることを特徴とする、請求項5または6に記載の遊技機。 - 前記可動演出手段、前記発光体、および、前記可変表示装置は、1つのマイクロコンピュータにより制御されることを特徴とする、請求項5から7のいずれかに記載の遊技機。
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