以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠(遊技枠)3及びガラス枠(前枠)18によって構成される。
前面枠3には、遊技領域10aを有する遊技盤10(図2参照)が、上部寄りに設けられる収納フレーム(図示省略)に収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)18aを備えたガラス枠18が取り付けられる。前面枠3及びガラス枠18は、それぞれ個別に開放することが可能であり、例えば、ガラス枠18のみを開放して遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠3をガラス枠18が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤10の裏側に配置された遊技制御装置500(図8参照)などにアクセスすることができる。
ガラス枠18のカバーガラス18aの周囲には、装飾光を発光する装飾部材9が備えられている。装飾部材9の内部にはランプやLED等によって構成された枠装飾装置18d(図9参照)が備えられている。枠装飾装置18dを所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9が所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠18の上方中央部には、照明ユニット11が備えられる。照明ユニット11の内部には、LEDやランプなどの発光部材が備えられる。
照明ユニット11の左側には第1可動式照明13が、右側には第2可動式照明14が備えられる。第1可動式照明13及び第2可動式照明14は、上スピーカー30aの上方に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動モータ(枠演出装置18f(図9参照))がそれぞれ備えられており、演出内容に応じて動作(例えば、回転)するように制御される。
また、遊技機1には、音響(効果音、警報音、報知音等)を発するスピーカー30が備えられる。スピーカー30には、上スピーカー30a及び下スピーカー30bが含まれる。上スピーカー30aはガラス枠18の上方に配置され、下スピーカー30bは後述する上皿21の下方に配置される。
第1可動式照明13の右側には、遊技機1において異常が発生したことなどを報知するための遊技状態LED29が備えられている。遊技機1において異常が発生した場合には、さらに、スピーカー30から異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施などが含まれる。不正行為は、例えば、磁石によって発射された遊技球の軌道を不正に操作する行為や、遊技機1を振動させる行為などである。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ(SW)39a(図8参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ(SW)39b(図8参照)によって振動を検出したりすることによって検知される。また、不正に開閉枠を開放する行為も不正行為に含まれる。このとき、枠開放センサスイッチ(前面枠開放検出スイッチ3b、ガラス枠開放検出スイッチ18b、図8参照)によって営業時間中に前面枠3やガラス枠18の開閉枠が開放されたことが検出される。以上のような不正行為が検出されると、遊技状態LED29やスピーカー30などによって異常が報知されるようになっている。
ガラス枠18のカバーガラス18aの下方には、上皿21などを含む上皿ユニットが備えられる。上皿21は、図示しない打球発射装置に遊技球(遊技媒体)を供給する。上皿ユニットには、演出ボタン31を備えた上皿カバーユニット20が含まれている。
さらに、ガラス枠18の下方位置であって前面枠3に固定される固定パネル22には、下皿23及び打球発射装置の操作ハンドル24等が備えられる。遊技者が操作ハンドル24を回動操作することによって、打球発射装置は、上皿21から供給される遊技球を遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)に発射する。すなわち、操作ハンドル24は、遊技者からの操作入力(回動操作)を受け付けることが可能な操作部の1つである。
下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3の下部右側には、ガラス枠18を施錠するための鍵25が備えられている。
また、上皿ユニットのうち上皿21の手前側には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ(SW)31a(図9参照)を内蔵する演出ボタン31が備えられている。演出ボタン31も操作ハンドル24と同様に遊技者からの操作入力(押す操作)を受け付けることが可能な操作部の1つである。遊技者は、演出ボタン31を操作することによって、表示装置48(図2参照)における変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことが可能となる。例えば、演出内容を選択させることができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では、単に変動表示ゲームとした場合には、特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、通常遊技状態で遊技者が演出ボタン31を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。なお、通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、後述する特定遊技状態(普電サポート状態または時短状態)や変動表示ゲームにおいて特別結果(大当り)の発生確率が高い状態(確変状態)や大当り状態(特別遊技状態)である。
また、変動表示ゲームが開始された後、演出ボタン31の操作を促進するための操作促進演出が実行され、操作促進演出が実行されている間に演出ボタン31を操作することによって、当該変動表示ゲームの予告演出や始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出などを実行することができる。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。また、球貸ボタン26と排出ボタン27との間には、プリペイドカードなどの残高を表示する残高表示部28が設けられる。
図2は、本発明の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤10の正面図である。
遊技盤10は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール35で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール35の外側には、前面構成部材(サイドケース)33が取り付けられている。さらに、遊技領域10aの右下側の前面構成部材33は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレート36で覆われている。そして、このガイドレール35で囲まれた遊技領域10a内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域10aには、打球方向変換部材としての風車45や多数の障害釘などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域10aを流下する。
遊技領域10aの略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース46が取り付けられている。センターケース46に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置48が配置されている。表示装置48は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース46の窓部を介して遊技盤10の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置48は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース46の窓部下方には、ステージ部46aが設けられる。センターケース46のステージ部46aには、遊技領域10aを流下する遊技球を受け入れられるように遊技領域10aに向けて開口し、センターケース46の内部に配置されたワープ通路46bを通過した遊技球が排出される。センターケース46のステージ部46aには3つの穴が開いているクルーンが設けられており(図3参照)、クルーンに排出された遊技球はいずれかの穴に落ちる。そして、落下した遊技球は、ステージ部46aの下部に設けられる誘導排出口46c又は排出口46dから遊技領域10aに流下される。このとき、誘導排出口46cは第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38の上方に配置されるため、誘導排出口46cから遊技領域10aに流下した遊技球は、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38上に流下しやすいように構成されている。第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38についての詳細は後述する。また、クルーンについての詳細は図3にて後述する。
また、センターケース46の窓部内側には、装飾部材60が設けられる。そして、装飾部材60には表示装置48を挟んで対向するケース線状発光部60a(第1枠体発光部)とケース線状発光部60b(第2枠体発光部)とがライン状に設けられる。ケース線状発光部60aとケース線状発光部60bとは、遊技機1の前方(遊技者)から見て表示装置48の左上から右下を横断する同一軸線上に位置する。そして、遊技盤10上にもケース線状発光部60aとケース線状発光部60bとからそれぞれ延在する位置にライン状の盤線状発光部47a(第1盤発光部)と盤線状発光部47b(第2盤発光部)とが設けられる。そして、これらの発光部の発光は連なるように行われ、特図変動表示ゲームにおける演出に用いられる。同様に、装飾部材60には、表示装置48の右上から左下を横断する軸線上にケース線状発光部60c(第1枠体発光部)とケース線状発光部60d(第2枠体発光部)とがライン状に設けられる。また、遊技盤10上にもケース線状発光部60cとケース線状発光部60dとからそれぞれ延在する位置にライン状の盤線状発光部47c(第1盤発光部)と盤線状発光部47d(第2盤発光部)とが設けられる。
遊技領域10aのセンターケース46の右下側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート、補助始動領域)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図8参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図変動表示ゲーム(補助ゲーム)が実行される。
また、遊技領域10aの普通図柄始動ゲート34の下方には、大入賞口ソレノイド42b(図8参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置42が設けられている。特別変動入賞装置42は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ42d(図8参照)が配設されている。
さらに、センターケース46の左下側には、三つの一般入賞口44が配置され、センターケース46の右下側には、一つの一般入賞口44が配置されている。また、一般入賞口44への遊技球の入賞は、一般入賞口44に備えられた入賞口スイッチ(SW)44a〜44n(図8参照)によって検出される。
また、センターケース46の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1特別始動領域)37が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態(誘導状態)に変換する一対の可動部材(誘導部材)38aを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2特別始動領域)38が配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口38の一対の可動部材38aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態、非誘導状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口38の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド38b(図8参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口38に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態、入賞容易状態、誘導状態)に変化させられるように構成されている。
なお、可動部材38aは、後述する遊技制御装置によって制御される。遊技制御装置は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態(普電サポート状態、時短状態)を発生させる。
一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、及び特別変動入賞装置42の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置580(図8参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠3の上皿21又は下皿23に排出するように制御する。また、第2始動入賞口38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域10aの外側(例えば、遊技盤10の右下部)には、表示装置48における特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲーム)、及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。さらに、一括表示装置50には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部が設けられている。
ここで、一括表示装置50について説明する。一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の普図変動表示部(補助変動表示部、普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)を備える。
また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)57a、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)57b、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する状態表示器58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置42の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置48において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器51又は特図2表示器52における特図変動表示ゲームを終了する。
普図表示器(補助表示部)53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる第1始動入賞口37への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、LEDランプが4つ設けられ、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口38の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する。
普図保留表示器56は、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えばLEDランプが2つ設けられる場合は、保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器57aは、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器57bは、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
状態表示器58は、例えば遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
ここで、本発明の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の実施の形態の遊技機1では、図示しない打球発射装置から遊技領域10aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域10a内の各所に配置された障害釘や風車45等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域10aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に入賞するか、遊技領域10aの最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38又は特別変動入賞装置42に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置580によって制御される払出ユニットから、前面枠3の上皿21又は下皿23に排出される。
前述のように、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図8参照)が設けられている。普図始動ゲート34は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、普図変動表示ゲーム(変換抽選)が実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる(変換抽選の当選)。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば(変換抽選の当選)、普図の当りとなって、第2始動入賞口38の一対の開閉部材(誘導部材)38aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態(誘導状態)となる。これにより、第2始動入賞口38に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口38は、内蔵されている普電ソレノイド38b(図8参照)が駆動されることにより、開閉部材38aが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37への入賞球及び第2始動入賞口38への入賞球は、それぞれの内部に設けられた始動口1スイッチ37d(図8参照)と始動口2スイッチ38d(図8参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置500(図8参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55)に表示されるとともに、表示装置48の右側にあたる装飾部材60においても表示される。
遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞、若しくはそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置、特図1表示器51又は特図2表示器52)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置48にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
表示装置48における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置48では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置48の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれか)となる。
このとき、特別変動入賞装置42は、大入賞口ソレノイド42b(図8参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、特別変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、表示装置48における飾り特図変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、特図2変動表示ゲームが実行される。
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠3に前面枠開放検出スイッチ3bやガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bには、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本発明の実施の形態の遊技盤に備えられるセンターケースに係る部材の斜視図である。
センターケース46の後方には、前面開口部と背面開口部とを有する凹室状の包囲枠体(装飾部材)60と、装飾部材60の後面開口部から遊技領域10aに臨む表示装置48と、装飾部材60の背面に収納され、表示装置48の表示領域に可動役物(可動体)を可動させることが可能な演出ユニット(第1演出装置及び第2演出装置)61〜64(図4参照)と、表示装置48が嵌め込まれる開口部を有し、装飾部材60を背面から覆う制御ベース65と、が備えられている。
装飾部材60は、センターケース46の窓部から表示装置48までの奥行を有する。そして、装飾部材60の後面開口部(表示装置48)より前面開口部(センターケース46)が大きいことを利用して、装飾部材60は、表示装置48の上下左右に、表示装置48からセンターケース46に向かって徐々に前方への高さが高くなるような傾斜面を有する。左側及び右側の傾斜面には、それぞれ表示装置48を挟んで対向するケース線状発光部(枠体発光部)60a、60bが設けられる。上側及び下側の傾斜面にも、同様に表示装置48を挟んで対向するケース線状発光部(枠体発光部)60c、60dが設けられる。
ケース線状発光部60a〜60dは、後述する変動表示ゲームにおいてライン演出(図36〜図38参照)や攻撃演出(図39、40参照)の際に所定の発光動作を行う。発光動作の詳細については、図36〜図40にて後述する。
また、装飾部材60の下側の傾斜面中央には、ワープ通路46bを通過した遊技球が排出されるステージ部46aが設けられる。ステージ部46aは、遊技球をステージ部46aから誘導排出口46c又は排出口46dに導くクルーンを有する。クルーンは、ステージ部46aに3つの穴を有し、このうち1つの穴が誘導排出口46cと連結され、他の2つの穴は排出口46dと連結される。遊技領域10aからワープ通路46bを通過した遊技球はクルーンにより3分の1の確率で第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞可能性が高くなるので、遊技の興趣が高まる。
なお、ワープ流路46bはステージ部46a左側に設けられているケース線状発光部60dを跨ぐように配置されるが、ワープ流路46bは透明な部材で構成されているため、ケース線状発光部60dの発光を妨げない。ケース線状発光部60dが発光した場合に、遊技者は途切れることないライン演出を見ることができる。
図4は、本発明の実施の形態の遊技盤に備えられるセンターケースに係る部材の斜視分解図である。
前述したように、センターケース46の後方には、装飾部材60と、演出ユニット61〜64と、表示装置48と、制御ベース65と、が備えられている。演出ユニット61〜64は、通常、装飾部材60の裏に位置する部分に収納されおり、可動の際は「激アツ」又は「ALERT」と記載されたレンズ部材610〜640が表示装置48の表示領域を覆うように可動する。
ここで、右上演出ユニット61と左下演出ユニット63とは別個に可動する場合もあるが基本的には対で可動し、最大限に可動したときに、各レンズ部材610、630に設けられる線状レンズ部610a、630aが対向(同一線上に位置)する。同様に、右下演出ユニット62と左上演出ユニット64とは別個に可動する場合もあるが基本的には対で可動し、最大限に可動したときに、各レンズ部材620、640に設けられる線状レンズ部620a、640aが対向(同一線上に位置)する。演出ユニット61〜64についての詳細は、図5〜図7にて後述する。
図5は、本発明の実施の形態の右上演出ユニットの分解斜視図である。ここでは、4つの演出ユニット61〜64のうち右上演出ユニット61を例に挙げて、その構造を説明する。
右上演出ユニット61は、レンズ部材610と、LED基板611と、可動ベース部材612とを含む可動体と、フォトセンサ613と、ガイドロッド614と、可動回転板615と、ユニットベース部材616と、モータ617とを含む機構部と、を備える。
レンズ部材610は、右上演出ユニット61の可動体が可動したときに表示装置48の前面に現れ、遊技者に視認される。レンズ部材610は、「ALERT」の文字を有するレンズ本体の左側部、すなわち可動先端部分に後方に向けて延設される線状レンズ部610aが設けられた断面L字状に形成される。線状レンズ部610aは、最大限に可動したときに対向する線状レンズ部630aとともに、前述したケース線状発光部60c、60dと、盤線状発光部47c、47dと、表示装置48によるライン表示とで、ライン演出を行う。
LED基板611は、レンズ部材610の背面に設けられ、演出の際、レンズ部材610の「ALERT」の文字部分、つまりレンズ本体に後方から光を照射する複数のLEDと、線状レンズ部610aに横から光を照射する複数のLEDとが実装されている。なお、線状レンズ部610aは、可動体の表面だけでなく裏面にも臨んでいる(図6参照)。
可動ベース部材612の前面には、LED基板611及びレンズ部材610が取り付けられる。そして、可動ベース部材612の背面に、可動ベース部材612を可動するための前述した機構部が設けられる。可動ベース部材612の背面にはガイド受部614aと係合溝部612aとが形成され、2本のガイドロッド614がガイド受部614aに挿通されるとともに、可動回転板615の前面に設けられる係合ピン615aが係合溝部612aに係合する。そして、2本のガイドロッド614の上下の端部がユニットベース部材616に支持されることで可動ベース部材が上下方向に可動可能となっている。また、ユニットベース部材616には、駆動軸挿通口616aが設けられており、ユニットベース部材616の背面に配置されるモータ617の駆動軸617aが挿通される。そして、モータ617の駆動軸617aは、可動回転板615の背面に取り付けられる。また、可動ベース部材612の上面には遮光板613aが設けられ、ユニットベース部材616に取り付けられるフォトタイプの位置検出センサ613によって可動ベース部材612の上下方向の位置が検出されるようになっている。
続いて、前述の機構構造による可動について説明する。図6は、本発明の実施の形態の右上演出ユニットの可動方法を説明する図である。ここでは、右上演出ユニット61を後方(モータ側)からみており、可動前後の構造がわかるように可動回転板615を覆うユニットベース部材616の図示は省略する。
図6(A)は可動前の図であり、図6(B)は最大限可動後の図である。前述したようにモータ617の駆動軸617aが可動回転板615に取り付けられることで、モータの駆動力が可動回転板615に伝達する。ここでは、可動回転板615による可動ベース部材612の可動方法について説明する。
可動回転板615の係合ピン615aは、可動ベース部材612の背面に設けられる係合溝部612aに係合される。また、2本のガイドロッド614は、可動ベース部材612aの背面に設けられるガイド受部614aに挿通されて上下可動可能に固定される。
図6(A)に示すように、可動前の状態では、可動回転板615の係合ピン615aがモータ617の駆動軸617aよりも上方に位置する。そして、可動が開始されると駆動軸617aの回転に伴い可動回転板615が回転する。このとき、可動回転板615の係合ピン615aが可動ベース部材612の係合溝部612aに係合されていることから、可動回転板615の回転に伴い、可動ベース部材612が下方に可動する。そして、図6(B)に示すように、可動回転板615の係合ピン615aがモータ617の駆動軸617aよりも下方に位置し、可動回転板615の最下点に到達したところで、可動ベース部材612の可動が最大となる。このとき、位置検出センサ613に対して遮光板613aは、可動ベース部材612が表示装置48の表示領域前面に現れるタイミングで位置検出センサ613による被覆部分がなくなるように設けられている。そして、このタイミングでLED基板611による発光が行われ、レンズ部材610のレンズ本体のメッセージ「ALERT」の点灯演出や線状レンズ部610aによるライン演出が実行される。
なお、前述した右上演出ユニット61の可動機構構造(図5)や可動方法(図6)は、他の演出ユニット62〜64にも適用され、それぞれレンズ部材の文字であったり可動体の可動方向が相違する。
続いて、演出ユニット61〜64の可動によるライン演出について説明する。図7は、本発明の実施の形態の演出ユニットの可動前後の配置図である。図7(A)は可動前の配置図であり、図7(B)は最大限可動後の配置図である。
図7(A)に示すように、可動前の演出ユニット61〜64は、表示装置48の表示領域の外側に配置されている。このとき演出ユニット61〜64は、前述したように装飾部材60の裏面に配置され、遊技者からは視認されない(図3、図4参照)が視認可能な状態としても良い。そして、右上演出ユニット61は下に可動し、右下演出ユニット62は左に可動し、左下演出ユニット63は上に可動し、左上演出ユニット64は右に可動する。そして、対応するレンズ部材610〜640及び線状レンズ部610a〜640aが発光動作を行う。
図7(B)に示すように、演出ユニット61〜64が最大限に可動すると、右上演出ユニット61(第1演出装置)と左下演出ユニット63(第2演出装置)は、それぞれレンズ部材610とレンズ部材630の「ALERT」が表示装置48の前面に表示され、発光される。また、線状レンズ部610a(第1発光部)と線状レンズ部630a(第2発光部)とは1本の軸線上に位置する。このとき、表示装置48では、線状レンズ部610aと線状レンズ部630aとを結ぶ1本の演出ラインL1を表示する。これにより、線状レンズ部610aと演出ラインL1と線状レンズ部630aとで1本の発光ラインが形成される。
また、図示は省略するが、装飾部材60に対向して設けられるケース線状発光部60c(第1枠体発光部)及びケース線状発光部60d(第2枠体発光部)も同様に発光する。ケース線状発光部60cとケース線状発光部60dとは、前述の発光ライン、すなわち線状レンズ部610aと線状レンズ部630aとを結ぶ軸線の延長上に位置する。さらに、図示は省略するが、遊技盤10に設けられる盤線状発光部47c(第1盤発光部)及び盤線状発光部47d(第2盤発光部)は、それぞれケース線状発光部60c、ケース線状発光部60dのライン延長上に位置する(図2参照)。そして、ケース線状発光部60c、60d及び盤線状発光部47c、47dも、演出ユニット61、63の可動に伴い、線状レンズ部610a、630aと同様の発光動作を行う。これにより、遊技盤10を右上から左下に横断する1本の発光ラインが形成されるライン演出が実行可能となる。
右下演出ユニット62(第1演出装置)と左上演出ユニット64(第2演出装置)についても同様である。最大限に演出ユニット62、64が可動したときに、表示装置48に表示される演出ラインL2と、線状レンズ部620a、640aと、ケース線状発光部60a、60bと、盤線状発光部47a、47bとからなり、遊技盤10を左上から右下に横断する1本の発光ラインが形成される。
続いて、図8〜図33を参照して制御について説明する。
図8は、本発明の実施の形態の遊技制御装置の構成を示すブロック図である。
遊技機1は遊技制御装置500を備え、遊技制御装置500は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)511を有するCPU部510と、入力ポートを有する入力部520と、出力ポートやドライバなどを有する出力部530、CPU部510と入力部520と出力部530との間を接続するデータバス540などからなる。
CPU部510は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン511と、入力部520内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)521からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン511に入力させるインバータなどからなる反転回路512と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)513などを有する。遊技制御装置500及び該遊技制御装置500によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置300で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能に構成される。
電源装置300は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部310と、遊技用マイコン511の内部のRAM511cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部320と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置500に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部330などを備える。
この実施の形態では、電源装置300は、遊技制御装置500と別個に構成されているが、バックアップ電源部320及び制御信号生成部330は、別個の基板上あるいは遊技制御装置500と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤10及び遊技制御装置500は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置300若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部320及び制御信号生成部330を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部320は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置500の遊技用マイコン511(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM511cに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部330は、例えば通常電源部310で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置500は、停電復旧後、RAM511cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部320は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン511内のRAM511c及び払出制御装置580内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン511が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン511は、CPU(中央処理ユニット、マイクロプロセッサ)511a、データを書き換え不能に記憶する(読出し専用の)ROM(リードオンリメモリ、不揮発性記憶手段)511b、データを書き換え可能に記憶する(随時読出し書込み可能な)RAM(ランダムアクセスメモリ、揮発性記憶手段)511c及び個別IDレジスタ511dを備える。
ROM511bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に(書き換え不能に)記憶し、RAM511cは、遊技制御時にCPU511aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM511b又はRAM511cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM511bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU511aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。
さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
ここで、ROM511bは、特図変動表示ゲームにおける実行時間の設定に係る変動振り分け情報を複数記憶した変動振り分け情報記憶手段を構成している。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、スペシャル4リーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<スペシャル4リーチの順に高くなるようになっている(リーチ演出によって特別結果態様が導出される確率が異なる)。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
ここで、信頼度の高低は、特別結果態様が導出されるときの演出選択及び特別結果態様が導出されないときの演出選択の割合によって算出することができる。
例えば、特別結果態様が導出される変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは10%の割合で選択され、上記SP3リーチは40%の割合で選択されるとする。一方、特別結果態様が導出されない変動表示ゲームでは、上記SP1リーチは5%の割合で選択され、上記SP3リーチは1%の割合で選択されるとする。このような選択割合が設定されていることで、SP1リーチの期待度はSP3リーチの期待度よりも低いということが言える。
本願発明においても、このようなリーチ演出(もしくは特定の演出)に対して選択割合を異ならせているため、上記のような、信頼度の高い演出、信頼度の低い演出の比較が可能となっている。
CPU511aは、ROM511b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置580や演出制御装置550に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン511は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路を備えている。さらに、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU511aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU511aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S1201)や特図普段処理(S1210)にて、ROM511bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU511aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口38の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
払出制御装置580は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置500からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。また、カードユニットと接続されていることを条件に、払出制御装置580が遊技球の発射許可信号を出すことで、発射制御装置581が発射可能状態になる。
遊技制御装置500の入力部520には、第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)521が設けられている。近接I/F521は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は、入力ポート523に入力される。
近接I/F521に入力された信号の出力はすべて入力ポート522に供給され、データバス540を介して遊技用マイコン511に読み込まれるとともに、遊技制御装置(主基板)500から中継基板591を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F521の出力のうち始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dの検出信号は、入力ポート522の他、反転回路512を介して遊技用マイコン511へ入力されるように構成されている。反転回路512を設けているのは、遊技用マイコン511の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路512を設けずに遊技用マイコン511に検出信号を直接入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dからの負論理の信号を遊技用マイコン511に直接入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。前述のように近接I/F521は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F521には、電源装置300から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部520には、遊技機1の前面枠3等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ39a及び振動センサスイッチ39bからの信号及び近接I/F521により変換された第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、カウントスイッチ42dからの信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート522が設けられている。入力ポート522が保持しているデータは、遊技用マイコン511が入力ポート522に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部520には、遊技機1の前面枠3に設けられた前面枠開放検出スイッチ3b及びガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bからの信号、及び払出制御装置580からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート523が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部520には、電源装置300からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン511等に入力するためのシュミットトリガ回路524が設けられており、シュミットトリガ回路524はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置300からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート523に入力され、データバス540を介して遊技用マイコン511に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン511に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路524によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン511に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部530の各出力ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部530を介さずに中継基板591に直接出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板591のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板591を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部520の各入力ポート(522,523)には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン511によって出力部530の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部520の各入力ポート(522,523)から遊技用マイコン511が読み込んだデータは、遊技用マイコン511のリセットによって廃棄されるためである。
遊技制御装置500の出力部530は、データバス540に接続され払出制御装置580へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置550へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート531aと、演出制御装置550へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート531bとを備える。遊技制御装置500から払出制御装置580及び演出制御装置550へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部530には、演出制御装置550の側から遊技制御装置500へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート531aからのデータストローブ信号SSTB及び第2出力ポート531bからの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ532aが設けられている。なお、第1出力ポート531aから払出制御装置580へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、データバス540に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板591を介して出力するバッファ532bが実装可能に構成されている。このバッファ532bは遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F521から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ532bを通さずに中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bのようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン511に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工される。例えば、遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス540からバッファ532b、中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板591には、バッファ532bから出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板591上のポートには、遊技用マイコン511から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部530には、データバス540に接続され特別変動入賞装置42を開閉させるソレノイド(大入賞口ソレノイド42b)や第2始動入賞口38の可動部材38aを開閉させるソレノイド(普電ソレノイド38b)の開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート531c、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート531d、大当り情報など遊技機1に関する情報を外部情報端子板の情報伝達部508へ出力するための第5出力ポート531eが設けられている。外部情報端子板の情報伝達部508から出力された遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部530には、第1ドライバ(駆動回路)533a、第2ドライバ533b、第3ドライバ533c、及び第4ドライバ533dが設けられている。第1ドライバ533aは、第3出力ポート531cから出力される大入賞口ソレノイド42bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。第2ドライバ533bは、第3出力ポート531cから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ533cは、第4出力ポート531dから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ533dは、第5出力ポート531eから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板の情報伝達部508へ出力する。
第1ドライバ533aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置300から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ533cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ533bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ533cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ533bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子508へ出力する第4ドライバ533dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ532bや第3出力ポート531c、第1ドライバ533a等は、遊技制御装置500の出力部530、すなわち、主基板ではなく、中継基板591側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、外部の検査装置592へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ534が設けられている。フォトカプラ534は、遊技用マイコン511が検査装置592との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン511が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート522のようなポートは設けられていない。また、フォトカプラ534は、遊技用マイコン511から受信した情報をシリアル通信によって外部情報端子板の情報伝達部508に出力する。
次に、図9を用いて、演出制御装置550の構成について説明する。図9は、本発明の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
演出制御装置550は、遊技用マイコン511と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)551と、該主制御用マイコン551の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)554と、該映像制御用マイコン554からのコマンドやデータに従って盤表示装置(表示装置)48への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)558と、各種のメロディや効果音などをスピーカー30(30a,30b)から再生させるため音の出力を制御する音源LSI560を備えている。
主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM553、555がそれぞれ接続され、VDP558にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM557が接続され、音源LSI560には音声データが記憶された音声ROM561が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技用マイコン511からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン554へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI560への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551と音源LSI560との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。また、主制御用マイコン(1stCPU)551とVDP558との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP558には、画像ROM557から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)558aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ558b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置48へ送信する映像信号を生成する信号変換回路558cなどが設けられている。
VDP558から主制御用マイコン551へは表示装置48の映像と前面枠3や遊技盤10に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP558から映像制御用マイコン554へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン554からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン554から主制御用マイコン551へは、映像制御用マイコン554が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン551と音源LSI560との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、主制御用マイコン(1stCPU)551よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)551とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)554を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)551のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置48に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置550には、遊技制御装置500から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)552が設けられている。このコマンドI/F552を介して、遊技制御装置500から演出制御装置550へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置500の遊技用マイコン511はDC5Vで動作し、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F552には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置550には、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置10dを制御する盤装飾LED制御回路10c、前面枠3に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置18dを制御する枠装飾LED制御回路18c、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置48における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)10fを駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路10e、前面枠3に設けられている枠演出装置(例えば前記前述した第1可動式照明13、第2可動式照明14を動作させるモータ等)18fを駆動制御する枠演出モータ制御回路18eが設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路(10c、18c、10e、18e)は、アドレス/データバス559を介して主制御用マイコン(1stCPU)551と接続されている。
さらに、演出制御装置550には、遊技機1の前面に設けられた演出ボタン31に内蔵されているスイッチ31aや盤演出装置10f内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチ31bのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)551へ検出信号を入力するスイッチ入力回路570、前面枠3に設けられた上スピーカー30aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路562a、前面枠3に設けられた下スピーカー30bを駆動するアンプ回路562bが設けられている。
電源装置300の通常電源部310は、前述のような構成を有する演出制御装置550やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置48を駆動するためのDC12V、コマンドI/F552の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカーを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551や映像制御用マイコン(2ndCPU)554として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置550に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部310に設けるようにしてもよい。
電源装置300の制御信号生成部330により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン551、映像制御用マイコン554、VDP558、音源LSI560、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路(10c〜18e)、スピーカーを駆動するアンプ回路562a、562bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン554の有する汎用のポートを利用して、VDP558に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン554とVDP558の動作の連携性を向上させることができる。
以上が、本発明の実施の形態における遊技機1の構成である。次に、これらの制御回路によって行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置500のCPU511aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aを通過した遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド38bを動作させ、第2始動入賞口38の可動部材38aを所定時間開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、CPU511aは、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第1始動入賞口37に備えられた始動口1スイッチ37dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第2始動入賞口38に備えられた始動口2スイッチ38dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置550に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、表示装置48で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、スピーカー30(30a,30b)からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置500のCPU511aは、例えば、大入賞口ソレノイド42bにより特別変動入賞装置42の開閉扉42aを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は5回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
続いて、遊技制御装置500による制御について具体的な処理を説明する。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図10Aは、本発明の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図10Bは、本発明の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置500は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(S1001)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(S1002)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S1003)。さらに、割込み処理のモードを設定する(S1004)。
次に、遊技制御装置500は、払出制御装置(払出基板)580のプログラムが正常に起動するまで待機する(S1005)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、遊技制御装置500が先に起動してしまい、払出制御装置580の起動が完了する前に、コマンドを当該払出制御装置580に送信してしまい、払出制御装置580が送信されたコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
その後、遊技制御装置500は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S1006)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(S1007)。また、遊技用マイコン511に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S1008)。本実施形態では、払出制御装置580や演出制御装置550とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置500は、電源装置400内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(S1009)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S1009の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S1010〜S1013)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。S1010及びS1011の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、S1012及びS1013の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置500は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(S1013の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S1014)。
そして、遊技制御装置500は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(S1015)、これらの値が一致するか否かを判定する(S1016)。
一方、遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S1009の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(S1011又はS1013の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とS1014の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(S1016の結果が「N」)、図10BのS1040〜S1044の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置500は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(S1016の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図10BのS1017〜S1023)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(S1017)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(S1018)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S1019)。
次に、遊技制御装置500は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S1020)。高確率でないと判定された場合には(S1020の結果が「N」)、S1023以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置500は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S1020の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(S1021)。続いて、一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(状態表示器58)をオン(点灯)に設定する(S1022)。
さらに、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信する(S1023)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置500は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(S1040)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(S1041)。そして、初期化すべき領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(S1042)。
続いて、遊技制御装置500は、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間に対応する時間値を設定する(S1043)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置550に送信し(S1044)、S1024以降の処理を実行する。
遊技制御装置500は、S1023又はS1044の処理が終了すると、外部情報端子板の情報伝達部508に出力するため、個体IDレジスタ511dから個体識別情報を取得してシリアル通信回路にセットする(S2324)。
次に、遊技制御装置500は、遊技用マイコン511(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S1025)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン511内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU511aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置500は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S1026)。具体的には、CPU511aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S1027)。その後、遊技制御装置500は、割込みを許可する(S1028)。
なお、本実施形態のCPU511a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置500は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S1029)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置500は、電源装置400から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(S1030)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置500は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S1031)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(S1031の結果が「N」)、S1029の初期値乱数更新処理を再び実行し、S1029からS1031までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(S1029)の前に割り込みを許可(S1028)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(S1029)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S1031の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がS1030の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(S1032)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(S1032の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S1031)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(S1032の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S1033〜S1039)。
遊技制御装置500は、割込みを禁止し(S1033)、全出力ポートをオフに設定する(S1034)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(S1035)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(S1036)。
さらに、遊技制御装置500は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S1037)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(S1038)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S1039)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図11は、本発明の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU511aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S1101)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS1101の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置500は、入力部520を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S1102)。各種センサには、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ42dなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置500は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置550及び払出制御装置580に送信するための出力処理を実行する(S1103)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、第1大入賞口ソレノイド(SOL)42b、普電ソレノイド38bが含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力するも含まれる。
次に、遊技制御装置500は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置550や払出制御装置580等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S1104)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置550に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置550に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置580に送信したりする。
さらに、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S1105)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S1106)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置500は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(S1107)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、及びカウントスイッチ42dが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠3やガラス枠18が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S1108)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図12にて後述する。続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S1109)。
次に、遊技制御装置500は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S1110)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置50)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置500は、磁気センサスイッチ39aからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(S1111)。また、振動センサスイッチ39bからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する振動不正監視処理を実行する(S1112)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー30から報知音を出力したり、状態報知LED29を点灯させてエラー表示するなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置500は、外部情報端子板の情報伝達部508から外部装置に出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(S1113)。
そして、遊技制御装置500は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S1114)。その後、S1101の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S1115)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S1116)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(S1108)の詳細について説明する。図12は、本発明の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(S1201)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図13にて後述する。
ここで、遊技制御装置500は、乱数セーブ領域にセーブされた乱数に基づいて事前(先読み)判定を行う特図保留情報判定処理を実行する(S1202)。なお、特図保留情報判定処理の詳細については、図15にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、カウントスイッチ監視処理1を実行する(S1203)。カウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置42内に設けられたカウントスイッチ42dによって当該特別変動入賞装置42に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S1204)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、S1204の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S1205の結果が「N」)、S1217以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S1205の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S1206)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S1207)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(S1208)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(S1209)。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(S1209の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(S1210)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。特図普段処理の詳細については、図16にて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(S1209の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(S1211)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(S1209の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(S1212)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(S1209の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S1213)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(S1209の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(S1214)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(S1209の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(S1215)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉42aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(S1209の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(S1216)。大当り終了処理は、S1210の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
その後、遊技制御装置500は、特図1表示器51における図柄の変動を制御するための制御用テーブルを準備する(S1217)。続いて、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(S1218)。
さらに、遊技制御装置500は、特図2表示器52における図柄の変動を制御するための制御用テーブルを準備する(S1219)。続いて、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(S1220)。S1220の処理が終了すると、タイマ割込処理に復帰する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S1201)の詳細について説明する。図13は、本発明の実施の形態の始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、第1始動入賞口37(始動口1)に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(S1301)。このとき、第1始動入賞口37(始動口1)に遊技球が入賞したことによって送信される始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する。
続いて、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S1302)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図14にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口38の開閉部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の開閉部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(S1303)。普通電動役物が作動中である場合には(S1303の結果が「Y」)、S1306以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、普通電動役物が作動中でない場合には(S1306の結果が「N」)、第2始動入賞口38への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(S1304)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S1305)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、開閉部材38aが閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、S1304及びS1305の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
遊技制御装置500は、不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(S1305の結果が「Y」)、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。このとき、演出制御装置550にコマンドを送信し、状態報知LED29を点灯させたり、スピーカー30から警報音を出力したりする。
一方、遊技制御装置500は、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(S1305の結果が「N」)、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備する(S1306)。このとき、第2始動入賞口38による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する。さらに、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S1307)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(S1302、S1307)の詳細について説明する。図14は、本発明の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって始動口1スイッチ37dや始動口2スイッチ38dから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37d)から信号が入力されたか否かをチェックする(S1401、S1402)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(S1402の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S1402の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S1403)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(S1404)。
続いて、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数である始動口信号出力回数をロードする(S1405)。そして、ロードした始動口信号出力回数に1加算して更新し、オーバーフローするか否かをチェックする(S1406、S1407)。
そして、遊技制御装置500は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(S1407の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S1408)。
遊技制御装置500は、S1408の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(S1407の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値(ここでは4)未満か否かをチェックする(S1409、S1410)。
遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満の場合には(S1410の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(S1411)。
続いて、遊技制御装置500は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置500は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S1412)、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S1413)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドの送信を設定するためのコマンド設定処理を実行する(S1414)。
次に、遊技制御装置500は、更新対象の始動口及び更新された特図保留数に対応する保留記憶領域に含まれる乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S1415)。
遊技制御装置500は、算出されたアドレスに基づいて、大当り乱数を大当り乱数セーブ領域にセーブする(S1416)。さらに、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備する(S1417)。そして、準備した大当り図柄乱数を大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(S1418)。
続いて、遊技制御装置500は、対応する変動パターン乱数1を抽出し、変動パターン乱数1セーブ領域にセーブする(S1419)。変動パターン乱数1は、後半の変動パターンのリーチ系統を決定するための乱数である。
同様に、遊技制御装置500は、対応する変動パターン乱数2を抽出し、変動パターン乱数2セーブ領域にセーブする(S1420)。変動パターン乱数2は、変動パターン乱数1によって特定される後半変動のリーチ系統から詳細な変動パターンを決定するための乱数である。
さらに、遊技制御装置500は、対応する変動パターン乱数3を抽出し、変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする(S1421)。変動パターン乱数3は、前半の変動パターンを決定するための乱数である。
ここで、特図変動表示ゲーム(特図1又は特図2)における変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置500は、乱数セーブ領域にセーブされた乱数に基づいて事前(先読み)判定を行う特図保留情報判定処理を実行し(S1422)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理の詳細については、図15にて後述する。
一方、遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満でない場合には(S1410の結果が「N」)、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dであるか否かをチェックする(S1430、S1431)。監視対象が始動口1スイッチ37dの場合には(S1431の結果が「Y」)、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(S1432)、コマンド設定処理を実行する(S1433)。その後、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
具体的には、特定のリーチ系統(ここではSP2リーチ〜SP4リーチ)の変動表示ゲーム中にオーバーフローが発生した場合には、当該変動表示ゲームにおいて遊技者参加型の演出を行う特殊(参加型)シーンが実行されるようにするため、遊技制御装置500から演出制御装置550に送信するコマンドを設定する。
また、遊技制御装置500は、監視対象が始動口1スイッチ37dでない場合は(S1431の結果が「N」)、そのまま特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図12)及び特図始動口スイッチ共通処理(図14)における特図保留情報判定処理(S1202、S1422)の詳細について説明する。図15は、本発明の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶(保留記憶)に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前(詳しくは、始動口への遊技球の入賞に基づく始動記憶の記憶時)に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置500は、まず、第2始動入賞口38(始動口2)への入賞による特図2始動記憶についての処理か否かを判定する(S1501)。
そして、遊技制御装置500は、特図2始動記憶についての処理でない場合、つまり特図1始動記憶についての処理である場合には(S1501の結果が「N」)、普通電動役物(第2始動入賞口38の開閉部材38a)の作動状態が普電サポートあり状態(電サポ中)であるか、又は、遊技状態が大当り中であるか否かを判定する(S1502)。
遊技制御装置500は、電サポ中、又は、大当り中である場合には(S1502の結果が「Y」)、特図1始動記憶についての先読み処理を実行することなく、特図保留情報判定処理を終了する。これに対して、電サポ中でも大当り中でもない場合には(S1502の結果が「N」)、特図1始動記憶について先読み処理を実行するためS1503の処理を実行する。
遊技制御装置500は、特図2始動記憶についての処理である場合には(S1501の結果が「Y」)、常に先読み処理を実行するため、S1503の処理を実行する。
遊技制御装置500は、S1503〜S1507において対象の始動記憶が大当りか否かを判定する大当り判定処理を実行する。
まず、遊技制御装置500は、大当りの確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。高確率状態である場合には(S1503の結果が「Y」)、高確率時の大当り判定値を設定する(S1504)。一方、高確率状態でない場合には(S1503の結果が「N」)、低確率時の大当り判定値を設定する(S1505)。
次に、遊技制御装置500は、対象となる乱数セーブ領域から大当り乱数をロードする(S1506)。そして、ロードした大当り判定値とS1504又はS1505の処理で取得した大当り判定値とが一致するか否かを判定する(S1507)。
遊技制御装置500は、大当り判定値と大当り乱数の値が一致して大当りとなる場合には(S1507の結果が「Y」)、対象の保留記憶で入賞した始動口スイッチに対応する大当り図柄情報テーブルを設定する(S1508)。そして、対象となる乱数セーブ領域から対象の大当り図柄乱数をロードし(S1509)、設定したテーブルから大当り図柄乱数に対応する図柄情報を取得する(S1510)。
一方、遊技制御装置500は、大当り判定値と大当り乱数の値が一致せず大当りとならない場合には(S1507の結果が「N」)、はずれ図柄情報(0)を取得する(S1511)。
続いて、遊技制御装置500は、S1510又はS1511の処理で取得した図柄情報に対応する図柄情報コマンドを準備して(S1512)、当該図柄情報コマンドの送信を設定するコマンド設定処理を実行する(S1513)。
さらに、遊技制御装置500は、対象となる乱数セーブ領域から対象の変動パターン乱数1をロードして(S1514)、当該変動パターン乱数1に対応する変動パターン乱数コマンドを準備する(S1515)。先読み処理の時点では、変動パターンのリーチ系統さえ演出制御装置550に伝達できればよいので、変動パターン乱数1のみに対応する変動パターン乱数コマンドを準備する。これにより、遊技制御装置500の処理が簡潔になる。
そして、遊技制御装置500は、準備した変動パターン乱数コマンドの送信を設定するコマンド設定処理を実行して(S1516)、特図保留情報判定処理を終了する。
変動パターン乱数は、変動表示ゲームの結果に影響を及ぼさない、すなわち、秘匿性を高める必要がない。そこで、変動パターン乱数コマンドは、乱数値のまま、もしくは、乱数値を示す情報に変換されて、演出制御装置550に送信される。そして、演出制御装置550側で、変動パターンの詳細が決定される。これに対して、大当り乱数及び大当り図柄乱数は、変動表示ゲームの結果を決定する乱数であり、秘匿性を高める必要がある。このため、大当り判定処理実行後の判定結果情報が図柄情報コマンドとして演出制御装置550に送信される。これらのコマンドが遊技制御装置500から演出制御装置550に送信されると、演出制御装置550の特図1/特図2保留記憶領域に記憶される。
なお、前述では変動パターン乱数1のみを演出制御装置550に伝達するようにしたが、変動パターン乱数1〜3を全て伝達するようにしてもよい。また、乱数値の情報を伝達するのではなく、変動パターンを決定してから変動パターン番号を演出制御装置550に伝達するようにしてもよい。
以上のように、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置550に対して通知することが可能に構成されている。演出制御装置550は、通知された情報に基づき表示装置48に表示されている保留表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。
〔特図普段処理〕
次に、前述した特図ゲーム処理(図12)における特図普段処理(S1210)の詳細について説明する。図16は、本発明の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(S1601、S1602)。
遊技制御装置500は、特図2保留数が0の場合には(S1602の結果が「Y」)、第1始動記憶数(特図1保留数)が0であるか否かをチェックする(S1603、S1604)。このように、特図2保留数のチェック(S1601)を、特図1保留数のチェック(S1603)よりも先に行うことによって、特図1変動表示ゲームよりも遊技者にとって有利な特図2変動表示ゲームを優先して実行するようにしている。
さらに、遊技制御装置500は、特図1保留数が0の場合には(S1604の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(S1605、S1606)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(S1606の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(S1607)。続いて、客待ちデモコマンドを準備し(S1608)、送信の設定をするコマンド設定処理を実行する(S1609)。
一方、遊技制御装置500は、既に客待ちデモが開始されている場合には(S1606の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置550に送信済みであるため、S1610以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置500は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1を実行する(S1610)。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、特図2保留数が0でない場合(S1602の結果が「N」)、又は、特図1保留数が0でない場合(S1604の結果が「N」)、すなわち、特図変動表示ゲームが実行される場合には、S1611〜S1618の特図変動表示ゲームの開始時に行う処理を実行する。ここでは区別せず説明するが、特図2変動表示ゲームの開始時の場合には(S1602の結果が「N」)、特図2用の処理が実行され、特図1変動表示ゲームの開始時の場合には(S1604の結果が「N」)、特図1用の処理が実行される。
遊技制御装置500は、まず、特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための対応する大当りフラグ(特図1/特図2用)に、大当り乱数の判定によってはずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ設定処理を実行する(S1611)。
次に、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームにおける特図停止図柄の設定に係る特図停止図柄設定処理を実行する(S1612)。特図停止図柄設定処理は、大当りフラグの有無及び図柄乱数に基づいて特図変動表示ゲームにおける停止図柄を決定し、図柄情報コマンドを演出制御装置550に送信する処理である。
その後、遊技制御装置500は、特図停止図柄番号(特図停止図柄)に対応する試験信号をセーブする(S1613)。続いて、特図停止図柄設定処理によって設定された図柄情報をRWMの特図に対応する図柄情報(作業用)領域にセーブする(S1614)。
次に、遊技制御装置500は、特図に対応する特図変動フラグ(変動中フラグ)をRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(S1615)。
続いて、遊技制御装置500は、変動パターンに関する情報を設定するテーブルを準備する(S1616)。そして、特図変動表示ゲームにおける変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(S1617)。なお、変動パターン設定処理の詳細については、図17にて後述する。
その後、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行する(S1618)。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブルを準備する特図変動中処理移行設定処理を実行する(S1619)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、変動中に係る試験信号、特図表示器における特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図表示器の変動中に係るフラグ、特図表示器の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。なお、S1618における変動開始情報設定処理の詳細については、図21にて後述する。
〔変動パターン設定処理〕
次に、前述した特図普段処理(図16)における変動パターン設定処理(S1617)の詳細について説明する。図17は、本発明の実施の形態の変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、前述した特図普段処理のS1614の処理で図柄情報(作業用)領域にセーブされた図柄情報がはずれ図柄情報か否かをチェックして判定する(S1701、S1702)。
遊技制御装置500は、図柄情報がはずれ図柄情報である場合には(S1702の結果が「Y」)、現在の遊技状態に対応する変動グループ選択テーブルを準備する(S1703)。はずれ時の変動グループ選択テーブルについての詳細は、図19及び図20にて後述する。
一方、遊技制御装置500は、図柄情報がはずれ図柄情報でない場合には(S1702の結果が「N」)、現在の遊技状態に対応する変動グループ選択テーブルを準備する(S1704)。大当り時の変動グループ選択テーブルについての詳細は、図18にて後述する。
そして、遊技制御装置500は、対象の乱数セーブ領域から変動パターン乱数1をロードし、準備する(S1705)。次に、2バイトで表される変動パターン乱数1の振り分け値を決める2バイト振り分け処理を実行する(S1706)。そして、振り分けた結果得られたリーチ系統のアドレスを取得し、準備する(S1707)。これにより、後半の変動のリーチ系統が決まる。
続いて、遊技制御装置500は、対象の乱数セーブ領域から変動パターン乱数2をロードし、準備する(S1708)。また、後半の変動のリーチ系統における詳細な演出を表す変動パターン乱数2の振り分け値を決める振り分け処理を実行する(S1709)。そして、振り分けた結果得られた後半変動番号を取得し(S1710)、後半変動番号を対象の後半変動番号領域にセーブする(S1711)。
そして、遊技制御装置500は、後半変動番号がリーチなし変動の番号か否かをチェックする(S1712、S1713)。
遊技制御装置500は、後半変動番号がリーチなし変動の番号の場合には(S1713の結果が「Y」)、前半変動選択テーブル1(リーチなし用)を準備する(S1714)。
一方、遊技制御装置500は、後半変動番号がリーチなし変動の番号でない場合には(S1713の結果が「N」)、前半変動選択テーブル2(リーチ用)を準備する(S1715)。
続いて、遊技制御装置500は、対象の乱数セーブ領域から変動パターン乱数3をロードし、準備する(S1716)。そして、前半の変動パターンを表す変動パターン乱数3の振り分け値を決める振り分け処理を実行する(S1717)。そして、振り分けた結果得られた前半変動番号を取得し、準備して(S1718)、変動パターン設定処理を終了する。
このように、変動パターン設定処理は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
〔大当り変動グループ選択テーブル〕
次に、前述した変動パターン設定処理(図17)のS1704で準備される大当り時の変動グループ選択テーブルについて説明する。図18は、本発明の実施の形態の大当り時の変動グループ選択テーブルの一例である。図18(A)は特図1の場合を示し、図18(B)は特図2の場合を示す。
大当り時の変動グループ選択テーブルは、現在の遊技状態に関わらず、特図1大当り又は特図2大当りに応じてテーブルが決まる。そして、変動パターン乱数1の値に応じてリーチ系統及び変動時間が決定される。大当り時のリーチ系統の種類には、ノーマルリーチ、SP1リーチ、SP2リーチ、SP3リーチ、及びSP4リーチがある。
図18(A)と図18(B)とを比較すると、特図1の場合には、リーチ系統に信頼度が高いSP4リーチは設けられていない。信頼度が高い(SP3以上)リーチ系統となる割合は、特図1の場合が30%であるのに対し、特図2の場合は60%である。また、各リーチ系統の変動時間は信頼度が高いほど長く、特図1と特図2とで設定される変動時間は同じである。
〔はずれ変動グループ選択テーブル〕
続いて、前述した変動パターン設定処理(図17)のS1703で準備されるはずれ時の変動グループ選択テーブルについて説明する。はずれ時の変動グループ選択テーブルは、特図1はずれ又は特図2はずれに応じてテーブルが決まり、さらに、現在の遊技状態(高サポ状態又は低サポ状態、特図保留数)に応じてテーブルが異なる。そして、変動パターン乱数1の値に応じてリーチ系統及び変動時間が決定される。はずれ時のリーチ系統の種類には、リーチなし、ノーマルリーチ、リーチ有無共通、SP1リーチ、SP2リーチ、及びSP3リーチがある。
図19は、本発明の実施の形態の特図1はずれ時の変動グループ選択テーブルの一例である。
図19(A)は現在の遊技状態が低サポ状態の場合に準備されるテーブルである。左側は特図保留数が1つのときのテーブルであり、右側は特図保留数が2〜4つのときのテーブルである。
左右のテーブルを比較すると、変動パターン乱数1による各リーチ系統の振り分け割合は同じであり、90%の割合で「リーチなし」が選択されるようになっている。リーチ系統に応じた変動時間は、信頼度が高いリーチほど変動時間が長く設定されている。そして、「SP1リーチ」〜「SP3リーチ」の変動時間は特図保留数に関わらず同じであるが、「リーチなし」及び「ノーマルリーチ」の変動時間は特図保留数によって異なる。特図保留数が1つのときの変動時間は、それぞれ10秒、20秒であるのに対し、特図保留数が2〜4つのときの変動時間は、それぞれ8秒、10秒である。特図保留数が多いときは保留記憶の消化を早めるため1回の変動時間を短く設定している。
図19(B)は、現在の遊技状態が高サポ状態の場合に準備されるテーブルである。左側は特図保留数が1つのときのテーブルであり、右側は特図保留数が2〜4つのときのテーブルである。
左右のテーブルを比較すると、「リーチなし」及び「ノーマルリーチ」の変動時間が異なるのみである。その他は同じであり、図19(A)とも同じである。リーチなし」及び「ノーマルリーチ」の変動時間は、特図保留数が1つのときは20秒であるのに対し、特図保留数が2〜4つのときはそれぞれ8秒、10秒である。特図保留数が多いときは保留記憶の消化を早めるため1回の変動時間が短く設定されている。
また、高サポ状態で特図保留数1のときの「リーチなし」の変動時間は、低サポ状態の場合に比べて長く設定されている。
図20は、本発明の実施の形態の特図2はずれ時の変動グループ選択テーブルの一例である。
図20(A)は、現在の遊技状態が低サポ状態の場合に準備されるテーブルである。また、図20(B)は、現在の遊技状態が高サポ状態の場合に準備されるテーブルである。左側は特図保留数が1つのときのテーブルであり、右側は特図保留数が2〜4つのときのテーブルである。
図20(A)は、図19(A)と同じ設定がされたテーブルである。図20(B)は、図19(B)の特図保留数が1つのときの「リーチなし」及び「ノーマルリーチ」が「リーチ有無共通」にまとめられ、特図保留数が2〜4つのときの「リーチなし」の変動時間が8秒から3秒に設定されている。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、前述した特図普段処理(図16)における変動開始情報設定処理(S1618)の詳細について説明する。図21は、本発明の実施の形態の変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。変動開始情報設定処理では、決定された変動パターンに基づいて、時間値の設定などの処理を実行する。
遊技制御装置500は、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数セーブ領域を0クリアする(S2101)。
続いて、遊技制御装置500は、前半変動時間値テーブルを設定し(S2102)、変動パターン設定処理(図17)のS1718の処理で取得した前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(S2103)。
同様に、遊技制御装置500は、後半変動時間値テーブルを設定し(S2104)、変動パターン設定処理(図17)のS1710の処理で取得した後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(S2105)。
そして、遊技制御装置500は、S2103の処理で取得された前半変動時間値と、S2105の処理で取得された後半変動時間値とを加算し(S2106)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S2107)。
さらに、遊技制御装置500は、演出制御装置550に変動パターンコマンドを送信する処理を実行する。具体的には、まず、前半変動番号に対応する変動パターンコマンドのMODE部を算出し、準備する(S2108)。さらに、後半変動番号の値を変動パターンコマンドのACTION部として、準備し(S2109)、変動パターンコマンドを送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(S2110)。
続いて、遊技制御装置500は、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンド(図柄情報コマンド)をロードし、準備して(S2111)、当該飾り特図コマンドを送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(S2112)。
そして、遊技制御装置500は、演出制御装置550に飾り特図保留数コマンドを送信する処理を実行する。具体的には、まず、変動図柄判別フラグに対応する飾り特図保留数コマンドのMODE部を準備する(S2113)。
次に、遊技制御装置500は、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域のアドレスを設定し(S2114)、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を1減算して更新する(S2115)。さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドのACTION部を準備して(S2116)、飾り特図保留数コマンドを送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(S2117)。
続いて、遊技制御装置500は、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域をシフトし(S2118)、シフト後の空き領域を0クリアする(S2119)。その後、変動開始情報設定処理を終了する。
このように、前述した事前判定処理である特図保留情報判定処理(図15)では、S1515において変動パターン乱数の値をそのまま演出制御装置550に送信するように設定されていたが、変動開始時においては、変動パターン乱数による判定によって決定される変動パターン情報(番号)が設定される。
以下、演出制御装置550による制御について具体的な処理を説明する。
〔1stCPUメイン処理(演出制御装置)〕
次に、演出制御装置550によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図22は、本発明の実施の形態の演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(S2201)。次に、各種初期化処理を実行する(S2202)。各種初期化処理では、作業領域であるRAM551aを0クリアして、CPU初期化処理を実行したり、各種処理の実行に必要な初期値をRAM551aに設定したり、乱数初期化処理を実行したりする。続いて、所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(S2203)。そして割込みを許可する(S2204)。
ここで、主制御用マイコン(1stCPU)551は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S2205)。WDTは、前述した各種初期化処理(S2202)におけるCPU初期化処理で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技者による演出ボタン31の操作信号を検出し、検出した信号に応じてフラグなどの入力情報(立ち上がりエッジ)を作成する処理を行う演出ボタン入力処理を実行する(S2206)。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御装置500から受信した遊技制御コマンドを特定する遊技制御コマンド解析処理を実行する(S2207)。遊技制御コマンド解析処理は、割込みで遊技制御装置500のバッファ532aにセットされた情報を正しく受信できたか否かを判断し、受信できた場合に後のシーン制御処理のためのコマンド区分けなどを行う。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード処理を実行する(S2208)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信して表示や役物の動作等を検査する。そして、表示や音、LEDの点灯等が必要な場合は後述するS2211〜S2213の処理において制御され、検査が終了して電源が落とされると処理が終了する。テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御コマンド解析処理(S2207)において解析された制御コマンドに基づき、表示装置48に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(S2209)。なお、1stシーン制御処理についての詳細は、図25にて後述する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(S2210)。演出コマンド編集処理においてレジスタに書き込まれたコマンドは、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に出力される。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、スピーカー30から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(S2211)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置10d、枠装飾装置18d)を制御する装飾制御処理を実行し(S2212)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置10e、枠演出装置18e)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(S2213)。
最後に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(S2214)、S2205の処理に戻る。以降、S2205からS2214までの処理を繰り返す。
〔割込み処理〕
次に、前述の1stメイン処理(図22)において割込みが許可された後に実行される割込み処理の詳細を説明する。図23は、本発明の実施の形態の割込み処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、タイマ更新処理を実行する(S2301)。そして、入力処理を実行し(S2302)、出力処理を実行する(S2303)。さらに、メインコマンド受信処理を実行し(S2304)、割込み処理を終了する。
〔2ndCPUメイン処理(演出制御装置)〕
続いて、演出制御装置550によって実行されるもう一方のメイン処理の詳細を説明する。図24は、本発明の実施の形態の演出制御装置550の映像制御用マイコン(2ndCPU)554によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、メイン処理の実行が開始されると、まず、CPU初期化処理を実行する(S2401)。そして、作業領域であるRAM554aを0クリアして(S2402)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM554aに設定する(S2403)。そして、画像処理を行うグラフィックプロセッサを初期化するVDP初期化処理を実行する(S2404)。次に、Vブランク割込みなどの各種割込みを許可する(S2405)。
さらに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、各種制御処理の初期化処理を実行する(S2406)。各種制御処理の初期化処理では、制御処理で使用される変数の初期化などが行われる。例えば、表示装置48に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。そして、表示装置48の画面描画を許可する(S2407)。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、システム周期待ちフラグをクリア(初期化)して(S2408)、システム周期待ちフラグが1になるまで待機する(S2409)。システム周期待ちフラグは、Vブランク割込み処理で所定の処理が完了すると1に設定される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、システム周期待ちフラグが1になったら(S2409の結果が「Y」)、映像制御用マイコン(2ndCPU)554が正常に動作しているかを判定するためのWDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S2410)。WDTがクリアされずに所定の時間経過すると、映像制御用マイコン(2ndCPU)554がリセットされる。次に、主制御用マイコン(1stCPU)551から受信したコマンドを特定して区分けする受信コマンドチェック処理を実行する(S2411)。
そして、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、主制御用マイコン(1stCPU)551で実行されるメイン処理の1stシーン制御処理(S2309)におけるシーンの描画を準備する2ndシーン制御処理を実行する(S2412)。ここで2ndシーン制御処理は、演出の中で動きのある画像の描画に対して実行され、表示装置48に表示する予告キャラクタ等や表示優先順位などが決定される。
続いて、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、表示装置48に表示される画像のうち、演出の中で静止画で動きのない背景の描画を準備する背景処理を実行する(S2413)。背景は、特図ゲームモード、客待ち、変動パターンに応じて設定される。次に、表示装置48に表示される画像のうち、変動表示する飾り特別図柄の描画を準備する変動表示処理を実行する(S2414)。さらに、表示装置48に表示される画像のうち、各変動表示ゲームの始動記憶を表示する保留表示の描画を準備する保留表示処理を実行する(S2415)。本発明の実施の形態では、始動記憶領域に記憶された事前演出情報に基づいて保留表示を変化させて事前演出(先読み演出)を行う。
また、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、始動記憶数が無い場合や変動表示ゲームが所定時間なされない場合などは、表示装置48に客待ちデモ画面を表示するように客待ちデモ処理を実行する(S2416)。
最後に、映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、ROMのデータをRAMに転送し、表示装置48に実際に画像を表示させるための表示システム処理を実行する(S2417)。そして、再び本処理のS2408の処理に戻り、以降、S2408からS2417までの処理を繰り返す。
〔1stシーン制御処理(1stCPU)〕
次に、前述した1stメイン処理(図22)における1stシーン制御処理(S2209)の詳細について説明する。図25は、本発明の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、テストモード中であるか否かを判定する(S2501)。テストモードは、工場出荷時などCPUを検査するときに実行されるモードである。テストモード中である場合には(S2501の結果が「Y」)、1stシーン制御処理を終了する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、テストモード中でない場合には(S2501の結果が「N」)、表示装置48に表示させるシーン(表示内容全て)を変更するシーン変更コマンドを受信したか否かを判定し(S2502)、シーン変更コマンドを受信していない場合には(S2502の結果が「N」)、S2503〜S2506の処理を実行せずにS2507の処理に移行する。シーン変更コマンドとは、後述するS2508〜S2516の処理実行に対応するコマンドのことであり、例えば、電源投入コマンド、停電復旧コマンド等を示す。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、シーン変更コマンドを受信した場合には(S2502の結果が「Y」)、更新する遊技状態、すなわち、現在の遊技状態を取得する(S2503)。そして、受信したシーン変更コマンドが、遊技制御装置500から送信され、前述した遊技制御コマンド解析処理(S2207)において解析された現在の遊技状態に対応した有効なコマンドであるか否かを判定する(S2504)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したシーン変更コマンドが有効である場合には(S2504の結果が「Y」)、作業領域であるRAM551aに受信したシーン変更コマンドをセーブする(S2505)。そして、シーン(表示内容)を変更するタイミングであることを示す演出リクエストフラグをセットする(S2506)。
なお、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したシーン変更コマンドが有効でない場合には(S2504の結果が「N」)、S2505及びS2506の処理を実行せずにS2507の処理に移行する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、前述した遊技制御コマンド解析処理(S2207)において解析されたコマンド識別子に対応する処理に分岐する(S2507)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「電源投入コマンド」に設定されている場合には、電源投入処理を実行する(S2508)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「停電復旧コマンド」に設定されている場合には、後述する客待ち処理以外の停電復旧処理を実行する(S2509)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「客待ちデモコマンド」に設定されている場合には、客待ち処理を実行する(S2510)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「変動パターンコマンド」に設定されている場合には、変動中処理を実行する(S2511)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。なお、変動中処理の詳細については、図26にて後述する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「図柄停止コマンド」に設定されている場合には、図柄停止処理を実行する(S2512)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「ファンファーレコマンド」に設定されている場合には、大当りファンファーレ処理を実行する(S2513)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「大入開放n回目コマンド」に設定されている場合には、大当りラウンド中処理を実行する(S2514)。ラウンド中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定するために必要な情報を設定したりする。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「インターバルコマンド」に設定されている場合には、大当りインターバル処理を実行する(S2515)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、コマンド識別子が「エンディングコマンド」に設定されている場合には、大当りエンディング処理を実行する(S2516)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、始動入賞時及び変動開始時に遊技制御装置500から送信される保留数コマンドを受信して、当該保留数コマンドにより始動記憶の保留数の更新を行う保留数コマンド受信処理を実行する(S2517)。また、変動開始時に変動パターンコマンドより先に遊技制御装置500から送信される飾り特図コマンドを受信する飾り特図コマンド受信処理を実行する(S2518)。さらに、変動表示ゲームが大当りとなるか否かの図柄情報コマンドや実行される変動パターンを特定可能な変動パターン乱数コマンドを含む事前演出コマンドにより保留表示の演出等を設定する事前判定コマンド受信処理を実行する(S2519)。なお、事前判定コマンド受信処理の詳細については、図32にて後述する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、確率情報コマンドに応じた値を内部設定するとともに、背景コマンドを映像制御用マイコン(2ndCPU)554に送信する確率情報コマンド受信処理を実行する(S2520)。その後、1stシーン制御処理を終了する。
〔変動中処理〕
次に、前述した1stシーン制御処理(図25)における変動中処理(S2511)の詳細について説明する。図26は、本発明の実施の形態の変動中処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(S2601)。演出リクエストフラグは、前述したように、1stシーン制御処理のS2506で、主制御用マイコン(1stCPU)551が受信したシーン変更コマンドが有効なコマンドである場合にセットされる。したがって、演出リクエストフラグがある場合には(S2601の結果が「Y」)、表示装置48に表示される表示内容全体を切り替えるタイミングなので、主制御用マイコン(1stCPU)551は、受信したシーン変更コマンドに応じて各種処理を実行する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、変動表示の終了間際などに遊技者によって押された演出ボタン31などプッシュボタン(PB)情報(履歴)をクリアする(S2602)。そして、可動体(役物)の作動リクエストをセットして初期化する(S2603)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技制御装置500から送信される変動開始コマンド(変動パターン情報、及び図柄情報)に基づいてシーン変更コマンドに対応する変動パターンの詳細を決定し、当該変動パターンの情報を設定する変動パターン情報設定処理を実行する(S2604)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、同じく遊技制御装置500から送信された変動開始コマンドの図柄情報や設定された変動パターン情報に基づいて電動役物(演出ユニット61〜64)の動作態様及び線状発光部(盤線状発光部47a〜47d、ケース線状発光部60a〜60d)の態様を決める役物動作パターン設定処理を実行する(S2605)。また、変動開始コマンドの変動パターン情報によって役物動作パターンを決定しても良い。なお、役物動作パターン設定処理についての詳細は、図28にて後述する。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出のかたよりが生じないように演出情報を決定する乱数の種値を初期化する乱数シード初期化処理を実行する(S2606)。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S2604で設定された変動パターンに対応して、表示装置48で実行される飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや表示時間を管理するシーンシーケンステーブルを設定する(S2607)。飾り特図変動表示ゲームは、設定されたシーンシーケンステーブルに従って実行される。
さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551は、S2604で設定された変動パターンに対応する変動時間を設定する変動時間設定処理を実行し(S2608)、最初のシーン及びシーンの更新タイマをセットする(S2609)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、変動表示ゲームの実行開始に関する各種の設定が終了したので演出リクエストフラグをクリアし(S2610)、変動中処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出リクエストフラグがない場合には(S2601の結果が「N」)、表示装置48に表示される表示内容は一連の表示演出の一部であるので、更新タイマが0か否かに応じて表示内容を変更するか判定したり、変動パターンがSP2以上である場合に所定条件に応じて遊技者が参加可能な演出を設定したりする処理を実行する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、変動パターンがSP2リーチ以上であるか否かを判定する(S2611)。そして、変動パターンがSP2リーチ以上である場合には(S2611の結果が「Y」)、遊技状態に応じて挿入演出を行う参加型演出設定処理を実行する(S2612)。なお、参加型演出設定処理についての詳細は、図30にて後述する。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、変動パターンがSP2リーチ以上でない場合には(S2611の結果が「N」)、S2613の処理に移行する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0か否かに応じて表示内容を変更するか判定する(S2613)。
そして、主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0の場合には(S2613の結果が「Y」)、次のシーンに移行するためにシーケンステーブルに設定された次のシーンのデータを設定する(S2614)。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、更新タイマが0でない場合には(S2613の結果が「N」)、現在の表示を継続するので、処理を実行することなく変動中処理を終了する。
続いて、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出変化条件が成立したか否かを判定する(S2615)。ここで、演出変化条件の成立とは、変動パターンがSP2リーチ以上であって、かつ、S2612の参加型演出設定処理において演出変化フラグがセットされていること(すなわち、オーバーフローが発生していること)を示す。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出変化条件が成立している場合には(S2615の結果が「Y」)、特殊(参加型)シーンデータを設定し(S2616)、演出変化報知フラグをクリアして(S2617)、変動中処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出変化条件が成立していない場合には(S2615の結果が「N」)、変動中処理を終了する。
〔演出選択テーブル〕
次に、前述した変動中処理(図26)の変動パターン情報設定処理(S2604)において設定される変動パターン情報である演出態様の選択について説明する。図27は、本発明の実施の形態の変動パターンに応じた演出選択テーブルの一例である。
演出選択テーブルは、変動パターンのリーチ系統に応じて選択可能な演出態様が決まっており、SP1リーチの場合にはキャラA系〜キャラC系の演出態様が選択可能であり、SP2リーチ及びSP3リーチの場合にはキャラA系〜キャラD系の演出態様が選択可能であり、SP4リーチの場合にはキャラC系及びキャラD系の演出態様が選択可能である。
そして、リーチ系統及び演出態様に応じて変動表示ゲームの結果が大当り(特別結果)となる信頼度が設定されており、リーチ系統がノーマルリーチ〜SP4リーチになるにつれて、また、演出態様がキャラA系〜キャラD系になるにつれて、信頼度が高くなる。なお、SP4リーチにおけるキャラC系及びキャラD系の演出は、大当り確定の演出態様となる。
〔役物動作パターン設定処理〕
続いて、前述した変動中処理(図26)における役物動作パターン設定処理(S2605)の詳細について説明する。図28は、本発明の実施の形態の役物動作パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、役物動作選択テーブルを準備する(S2801)。なお、役物動作選択テーブルについての詳細は、図29にて後述する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、図柄情報及び変動パターンに応じた値を取得して(S2802)、値に応じて振り分けられた結果取得した役物動作パターンをセットして(S2803)、役物動作パターン設定処理を終了する。
〔役物動作選択テーブル〕
次に、前述した役物動作パターン設定処理(図28)で用いられる役物動作選択テーブルについて説明する。図29は、本発明の実施の形態の役物動作選択テーブルの一例である。
役物動作選択テーブルは、図柄情報及びリーチ系統情報(変動パターン情報)に基づいて、所定の動作割合で役物(上下左右演出ユニット61〜64)の動作態様及び発光ライン(盤線状発光部47a〜47d、ケース線状発光部60a〜60d、役物の線状レンズ部610a〜640a、表示装置48における演出ライン)の色を変化させるよう設定されている。役物が動く割合は、信頼度が高いリーチ系統情報(変動パターン情報)であるほど高くなる。
具体的には、リーチ系統情報が「リーチなし」、「ノーマルリーチ」のときには、図柄情報に関わらず、役物は非動作であり、発光ラインも非発光である。図柄情報が「ハズレ」の場合、リーチ系統情報が「SP1リーチ」、「SP2リーチ」、「SP3リーチ」のときに、それぞれ25%、70%、100%の割合で役物が動き、発光ラインが発光する。図柄情報が「大当り」の場合、リーチ系統情報が「SP1リーチ」、「SP2リーチ」、「SP3リーチ」、「SP4リーチ」のときに、それぞれ70%、90%、100%、100%の割合で役物が動き、発光ラインが発光する。
役物の動作には、「激アツ」のメッセージが表示される右上及び左下の演出ユニット61、63が動く「激アツ役物動作」と、「ALERT」ののメッセージが表示される右下及び左上の演出ユニット62、64が動くの「ALERT役物動作」と、全ての演出ユニット61〜64が動く「両役物動作」と、がある。役物の動作は、ALERT役物動作、激アツ役物動作、両役物動作の順で大当りの信頼度が高くなるように設定されている。また、発光ラインの色は白、青、赤、虹の順で大当りの信頼度が高くなるように設定されている。このように、同じ信頼度のリーチ系統であっても、役物の動作及び発光ラインの色によっても信頼度に差を設けることができるので、多様な演出で遊技者に大当りへの期待感を抱かせることができる。
なお、役物の動作及び発光ラインの色を前述のようにテーブルを用いて決定するのではなく、別途乱数抽選等で決定してもよい。
〔参加型演出設定処理〕
次に、前述した変動中処理(図26)における参加型演出設定処理(S2612)の詳細について説明する。図30は、本発明の実施の形態の参加型演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、現在が演出変化受付期間であるか否かを判定する(S3001)。ここで、演出変化受付期間とは、前半の変動パターンが始まってから後半の変動パターンのリーチ前半まで、すなわち、リーチ演出が開始されてから煽り演出に発展するまでの期間を示す。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出変化受付期間である場合には(S3001の結果が「Y」)、オーバーフローコマンドを受信したか否かを判定する(S3002)。そして、オーバーフローコマンドを受信している場合には(S3002の結果が「Y」)、演出変化フラグをセットし(S3003)、さらに、演出変化報知フラグをセットする(S3004)。
なお、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出変化受付期間でない場合(S3001の結果が「N」)やオーバーフローコマンドを受信していない場合には(S3002の結果が「N」)、前述のS3003及びS3004の処理を実行せずにS3005の処理に移行する。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、現在の演出が特殊(参加型)シーン中であるか否かを判定する(S3005)。そして、特殊(参加型)シーン中でない場合には(S3005の結果が「N」)、参加型演出設定処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、現在の演出が特殊(参加型)シーン中である場合には(S3005の結果が「Y」)、演出挿入タイミングか否かを判定する(S3006)。演出挿入タイミングは、後述するS3011でセットされる演出タイマが0のときである。ここで、演出挿入タイミングでない場合には(S3006の結果が「N」)、参加型演出設定処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出挿入タイミングである場合には(S3006の結果が「Y」)、挿入演出に挿入演出態様の一つである強演出を選択する(S3007)。その後、オーバーフローコマンドを受信したか否かを判定し(S3008)、受信している場合には(S3008の結果が「Y」)、挿入演出に強演出に応じた演出タイマをセットして(S3011)、参加型演出設定処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、オーバーフローコマンドを受信していない場合には(S3008の結果が「N」)、遊技者による演出ボタン31の操作入力があるか否かを判定する(S3009)。そして、演出ボタン31の操作入力がない場合には(S3009の結果が「N」)、参加型演出設定処理を終了する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)551は、演出ボタン31の操作入力がある場合には(S3009の結果が「Y」)、選択テーブルから図柄及び変動パターンに応じた挿入演出を選択し(S3010)、挿入演出として選択した演出及び該演出に応じた演出タイマをセットして(S3011)、参加型演出設定処理を終了する。なお、S3010の処理で用いる選択テーブルについての詳細は、図31にて後述する。
なお、前述のS3002及びS3008の処理では、オーバーフローコマンドの受信を条件としたが、これに限らない。例えば、S3002の処理で特図1オーバーフローが発生した場合に、S3008の処理では特図2始動記憶の発生(第2始動入賞口38への入賞)を条件成立の条件としてもよい。リーチ状態であっても遊技者に遊技球の発射を促すことが可能な(止め打ちを防止可能な)条件であればよい。
〔挿入演出選択テーブル〕
次に、前述した参加型演出設定処理(図30)における挿入演出選択テーブルについて説明する。図31は、本発明の実施の形態の挿入演出選択テーブルの一例である。
挿入演出選択テーブルは、図柄情報及びリーチ系統情報に基づいて、所定の割合で表示装置48に表示される演出態様を変化させる挿入演出が実行されるよう設定されている。挿入演出の演出態様には、弱演出、中演出、及び強演出があり、後述する図39及び図40に示すような強弱が異なる攻撃演出が設定される。攻撃の強弱は、図柄情報がハズレで、リーチ系統情報の信頼度が低いほど弱演出になる割合が高く、図柄情報が大当りで、リーチ系統情報の信頼度が高いほど強演出になる割合が高くなるように設定されている。
具体的には、図柄情報が「ハズレ」の場合、リーチ系統情報が「SP2リーチ」、「SP3リーチ」のときに、それぞれ60%、40%の割合で弱演出が実行される。これに対し、図柄情報が「大当り」の場合には、それぞれ30%、20%の割合となる。
また、図柄情報が「大当り」の場合、リーチ系統情報が「SP2リーチ」、「SP3リーチ」、「SP4リーチ」のときに、それぞれ30%、40%、70%の割合で強演出が実行される。これに対し、図柄情報が「ハズレ」の場合には、リーチ系統情報が「SP2リーチ」、「SP3リーチ」のときに、それぞれ10%、20%の割合で強演出が実行される。
なお、挿入演出の演出態様は、弱演出、中演出、強演出の順に大当りの信頼度が高くなるように設定されている。信頼度の高いリーチ演出において信頼度の高い挿入演出が実行されることで、遊技者に大当りへの期待感を抱かせることができる。
〔事前判定コマンド受信処理〕
続いて、前述した1stシーン制御処理(図25)における事前判定コマンド受信処理(S2519)の詳細について説明する。図32は、本発明の実施の形態の事前判定コマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。
事前判定コマンド受信処理は、遊技制御装置500から事前判定コマンドを受信した場合に実行される処理である。事前判定コマンドとは、前述の特図保留情報判定処理(図15)のS1512及びS1515において遊技制御装置500から演出制御装置550に送信するように設定された図柄情報コマンド及び変動パターン乱数コマンドのことである。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、まず、事前判定コマンドを受信したか否かを判定する(S3201)。事前判定コマンドを受信していない場合には(S3201の結果が「N」)、事前判定コマンド受信処理を終了する。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、事前判定コマンドを受信した場合には(S3201の結果が「Y」)、当該事前判定コマンドの内容を演出制御装置550側の対応する保留(始動)記憶領域にセーブする(S3202)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、事前判定コマンドのうち図柄情報コマンドをチェックし(S3203)、外れ図柄情報か否かを判定する(S3204)。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、図柄情報コマンドが外れ図柄情報である場合には(S3204の結果が「Y」)、現在の遊技状態に対応する変動グループ選択テーブルを準備する(S3205)。
一方、主制御用マイコン(1stCPU)551は、図柄情報コマンドが外れ図柄情報でない場合、すなわち、大当りになる場合には(S3204の結果が「N」)、特図に対応する大当り時の変動グループ選択テーブルを準備する(S3206)。
次に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、事前判定コマンドのうち変動パターン乱数コマンドに応じたリーチ系統をS3205又はS3206の処理で準備した選択テーブルから取得する(S3207)。そして、事前演出振分テーブルをセットし(S3208)、図柄情報及びリーチ系統情報に応じて事前演出における事前報知態様を選択する事前演出選択処理を実行する(S3209)。なお、事前演出振分テーブルについての詳細は、図33にて後述する。
最後に、主制御用マイコン(1stCPU)551は、対象となる保留記憶領域に選択された事前報知態様を事前演出情報としてセーブし(S3210)、事前判定コマンド受信処理を終了する。
〔事前演出振分テーブル〕
次に、前述した事前判定コマンド受信処理(図32)における事前演出振分テーブルについて説明する。図33は、本発明の実施の形態の事前演出振分テーブルの一例である。
事前演出振分テーブルは、図柄情報及びリーチ系統情報に基づいて、所定の割合で表示装置48に表示される保留記憶(保留玉)の色を変化させることにより事前演出(先読み演出)が実行されるよう設定されている。保留玉の色を変化させる事前演出が実行される報知割合は、信頼度が高いリーチ系統情報であるほど高くなる。
具体的には、図柄情報が「ハズレ」の場合、リーチ系統情報が「リーチなし」、「ノーマルリーチ」、「SP1〜SP3リーチ」のときに、それぞれ5%、10%、20%の割合で保留玉の色を変化させる事前演出が実行される。図柄情報が「大当り」の場合、リーチ系統情報が「ノーマルリーチ」、「SP1〜SP3リーチ」、「SP4リーチ」のときに、それぞれ20%、25%、50%の割合で保留玉の色を変化させる事前演出が実行される。
また、保留玉の色は、青、黄、赤、虹の順で大当りの信頼度が高くなるように設定されている。信頼度の高いリーチ演出となる保留玉の色を変化させることで、遊技者に大当りへの期待感を抱かせることができる。
続いて、図34〜図41を参照して、本発明の実施の形態における演出の一例を説明する。
〔シーン遷移〕
図34は、本発明の実施の形態における変動パターンの変動シーンの遷移について説明する図である。
図34(A)は、変動パターン別の変動シーン遷移図である。本発明の実施の形態における変動パターンには、「リーチなし」、「ノーマルリーチ」、「SP1リーチ」、「SP2リーチ」、「SP3リーチ」、「SP4リーチ」の6パターンが設定されている。また、変動シーンは1〜7のシーンがあり、順に、「リーチ前シーン」、「リーチ形成シーン」、「発展先選択シーン」、「発展先決定シーン」、「発展中シーン」、「演出煽りシーン」、「結果確定シーン」が設定されている。そして、変動パターン毎に実行される変動シーンが設定されている。
具体的には、変動パターンが「SP2リーチ」以上の場合には、1〜7の全シーンが遷移する演出が実行される。また、変動パターンが「SP1リーチ」の場合には、3番目の「発展先選択シーン」及び4番目の「発展先決定シーン」を除く5シーンが遷移する演出が実行される。また、変動パターンが「ノーマルリーチ」の場合には、1番目の「リーチ前シーン」、2番目の「リーチ形成シーン」の後、7番目の「結果確定シーン」に移行する演出が実行される。また、変動パターンが「リーチなし」の場合には、1番目の「リーチ前シーン」、7番目の「結果確定シーン」の2シーンのみが実行される。
また、「発展先選択シーン」、「発展先決定シーン」、及び「発展中シーン」には、3パターン(a,b,c)の演出態様が設定されている。演出パターンは演出ユニット61〜64の動作態様に応じて設定され(図29参照)、パターンaではALERT役物(演出ユニット61、63)が可動し、パターンbでは激アツ役物(演出ユニット62、64)が可動し、パターンcでは両役物(演出ユニット61〜64)が可動するよう設定されている。各パターンの演出態様の具体例については、図36〜図38にて後述する。
また、「演出煽りシーン」には、2パターン(x,y)の演出態様が設定されている。演出パターンは、リーチ前半に相当する2番目〜5番目の変動シーンにおいてオーバーフローが発生したか否かに応じて決定され、遊技者の操作を多く必要とする演出が行われる特殊(参加型)演出(パターンy:受動演出)と、遊技者の操作を少なくしたり操作を不要としたりする通常演出(パターンx:能動演出)とが設けられている。各パターンの演出態様の具体例については、図39及び図40にて後述する。
図34(B)は、図柄情報が大当りであって、変動パターンが「SP3リーチ」の場合のシーン遷移のタイムチャートである。上段は「発展中シーン」中にオーバーフローが発生しない場合であって、下段は「発展中シーン」中にオーバーフローが発生する場合である。
変動パターンが「SP3リーチ」の場合は、変動が開始されると1〜7の全シーンが順に実行される。そして、5番目のシーンである「発展中シーン」においてオーバーフローが発生しない場合には(上段)、次の6番目の「演出煽りシーン」においてパターンxの演出が実行される。一方、「発展中シーン」においてオーバーフローが発生した場合には(下段)、「演出煽りシーン」においてパターンyの演出が実行される。
次に、図35〜図40を参照して、前述の図34(B)における変動シーンの一例を説明する。
〔変動シーン1,2〕
図35は、本発明の実施の形態の変動シーンの「リーチ前シーン」と「リーチ形成シーン」の演出態様の一例を示す図である。
図35(A)は、飾り特図変動表示ゲームが開始されると実行される「リーチ前シーン」の演出態様を示す図である。このとき表示装置48では、画面中央で3つの飾り特別図柄が変動中である。
図35(B)は、2番目の変動シーンである「リーチ形成シーン」の演出態様を示す図である。このとき表示装置48では、3つのうち左右の飾り特別図柄が「7」で停止し、中央の飾り特別図柄が変動を続けるリーチ状態となる。画面にはリーチ状態であることを報知する「リーチ」のメッセージが表示される。そして、「リーチ形成シーン」後、3番目の変動シーンである「発展先選択シーン」へと移行される。
〔変動シーン3,4,5−パターンa〕
図36は、本発明の実施の形態の変動シーンの「発展先選択シーン」と「発展先決定シーン」と「発展中シーン」のパターンaの演出態様の一例を示す図である。
図36(A)は、3番目の変動シーンである「発展先選択シーン」の演出態様を示す図である。まず、表示装置48に表示されるリーチ状態の飾り特別図柄は、画面中央から画面左上に縮小した状態で移動する。そして、画面中央には、左側にキャラCが表示され、右側にキャラAが表示される。また、ALERT役物(演出ユニット61、63)が表示装置48の画面表示領域の前面にそれぞれ矢印方向に可動して現れ、該ALERT役物の線状レンズ部610a、630aが青色に発光する。さらに、線状レンズ部610a、630aの延長上に位置する装飾部材60のケース線状発光部60c、60dも同様に青色に発光する。また、図示を省略するが、さらにケース線状発光部60c、60dの延長上に位置する盤線状発光部47c、47dも同様に青色に発光する。そして、表示装置48において、線状レンズ部610a、630aを直線で結ぶ青色の演出ラインL1が画面表示される。このとき、青色の演出ラインL1はキャラCとキャラAとの間に表示される。このようにパターンaでは、1本の青色の発光ライン(盤線状発光部47c及び47d、ケース線状発光部60c及び60d、表示装置48における演出ラインL1)によるライン演出が行われる。
これにより、表示装置48の画面が青色のライン演出によってキャラCの画面とキャラAの画面とに分割されているかのようにみえる。そして、青色の演出ラインL1上に各キャラに向けた両端矢印マークが表示され、キャラCとキャラAのどちらを選択するかわからないキャラ選択演出が実行される。その後、どちらのキャラを選択するか決定するシーンへと移行される。
図36(B)は、4番目の変動シーンである「発展先決定シーン」の演出態様を示す図である。ここでは、発展先としてキャラCが決定される。キャラCが決定されると、他方のキャラAは非表示となり代わりにバツマークが表示される。その後、選択されたキャラの画面が拡大する一方で選択されなかったキャラの画面が縮小して消失し、選択されたキャラによる演出シーンへと移行する。そして、移行に伴い、ALERT役物(演出ユニット61、63)がそれぞれ矢印方向に可動して表示装置48の画面表示領域外に戻る。このとき、ALERT役物の可動開始とともに、まず、画面表示されている青色の演出ラインL1が選択されなかったキャラの画面を縮小するように移動して最終的にフレームアウトして非表示となり、該ALERT役物が表示装置48の画面表示領域外に可動して線状レンズ部610a、630aが遊技者から視認されなくなったら、装飾部材60のケース線状発光部60c、60d及び盤線状発光部47c、47dの発光をやめる。
図36(C)は、5番目の変動シーンである「発展中シーン」の演出態様を示す図である。前述の移行によりALERT役物が元の位置に戻り、青色の発光ラインが消える。そして、表示装置48の画面左側に表示されていたキャラCの領域が画面全体に表示される。その後、6番目の変動シーンである「演出煽りシーン」へと移行される。
〔変動シーン3,4,5−パターンb〕
図37は、本発明の実施の形態の変動シーンの「発展先選択シーン」と「発展先決定シーン」と「発展中シーン」のパターンbの演出態様の一例を示す図である。パターンbでは、パターンaで可動するALERT役物よりも信頼度が高い激アツ役物が可動する。また、発光ラインの色は赤色となり、画面表示されるキャラも信頼度が高いキャラが表示される可能性が高い。
図37(A)は、3番目の変動シーンである「発展先選択シーン」の演出態様を示す図である。まず、表示装置48に表示されるリーチ状態の飾り特別図柄は、画面中央から画面右上に縮小した状態で移動する。そして、画面中央には、右上側にキャラCが表示され、左下側にキャラBが表示される。また、激アツ役物(演出ユニット62、64)が表示装置48の画面表示領域の前面にそれぞれ矢印方向に可動して現れ、該激アツ役物の線状レンズ部620a、640aが赤色に発光する。さらに、線状レンズ部620a、640aの延長上に位置する装飾部材60のケース線状発光部60a、60bも同様に赤色に発光する。また、図示を省略するが、さらにケース線状発光部60a、60bの延長上に位置する盤線状発光部47a、47bも同様に赤色に発光する。そして、表示装置48において、線状レンズ部620a、640aを直線で結ぶ赤色の演出ラインL2が画面表示される。このとき、赤色の演出ラインL2はキャラCとキャラBとの間に表示される。このようにパターンbでは、1本の赤色の発光ライン(盤線状発光部47a及び47b、ケース線状発光部60a及び60b、表示装置48における演出ラインL2)によるライン演出が行われる。
これにより、表示装置48の画面が赤色のライン演出によってキャラCの画面とキャラBの画面とに分割されているかのように見える。そして、赤色の演出ラインL2上に各キャラに向けた両端矢印マークが表示され、キャラCとキャラBのどちらを選択するかわからないキャラ選択演出が実行される。その後、どちらのキャラを選択するか決定するシーンへと移行される。
図37(B)は、4番目の変動シーンである「発展先決定シーン」の演出態様を示す図である。ここでは、発展先としてキャラCが決定される。キャラCが決定されると、他方のキャラBは非表示となり代わりにバツマークが表示される。その後、選択されたキャラの画面が拡大する一方で選択されなかったキャラの画面が縮小して消失し、選択されたキャラによる演出シーンへと移行する。そして、移行に伴い、激アツ役物(演出ユニット62、64)がそれぞれ矢印方向に可動して表示装置48の画面表示領域外に戻る。このとき、激アツ役物の可動開始とともに、まず、画面表示されている赤色の演出ラインL2が選択されなかったキャラの画面を縮小するように移動して最終的にフレームアウトして非表示となり、該激アツ役物が表示装置48の画面表示領域外に可動して線状レンズ部620a、640aが遊技者から視認されなくなったら、装飾部材60のケース線状発光部60a、60b及び盤線状発光部47a、47bの発光をやめる。
図37(C)は、5番目の変動シーンである「発展中シーン」の演出態様を示す図である。前述の移行により激アツ役物が元の位置に戻り、赤色の発光ラインが消える。そして、表示装置48の画面右上側に表示されていたキャラCの領域が画面全体に表示される。その後、6番目の変動シーンである「演出煽りシーン」へと移行される。
〔変動シーン3,4,5−パターンc〕
図38は、本発明の実施の形態の変動シーンの「発展先選択シーン」と「発展先決定シーン」と「発展中シーン」のパターンcの演出態様の一例を示す図である。パターンCでは、パターンaとパターンbとを足し合わせるかのように、ALERT役物及び激アツ役物の両方が可動する。なお、発光ラインの色は赤色で統一となり、表示装置48の画面が発光ラインにより4分割されたようにみえる。
図38(A)は、3番目の変動シーンである「発展先選択シーン」の演出態様を示す図である。まず、表示装置48に表示されるリーチ状態の飾り特別図柄は、画面中央から画面左上に縮小した状態で移動する。そして、ALERT役物(演出ユニット61、63)及び激アツ役物(演出ユニット62、64)が表示装置48の画面表示領域の前面にそれぞれ矢印方向に可動して現れ、各役物の線状レンズ部610a〜640aが赤色に発光する。さらに、各線状レンズ部の延長上に位置する装飾部材60のケース線状発光部60a〜60dも同様に赤色に発光する。また、図示を省略するが、さらにケース線状発光部60a〜60dの延長上に位置する盤線状発光部47a〜47dも同様に赤色に発光する。そして、表示装置48において、線状レンズ部620aと640a、線状レンズ部610aと630aを直線で結ぶ赤色の演出ラインL2,L1が画面表示される。これにより、表示装置48の画面が2本の赤色の発光ラインによって4分割されたようにみえる。そして、ALERT役物61、63側の画面にはそれぞれキャラA、Bが表示され、激アツ役物62、64側の画面にはそれぞれキャラC、Dが表示され、どのキャラを選択するかわからないキャラ選択演出が実行される。その後、どのキャラを選択するか決定するシーンへと移行される。
図38(B)は、4番目の変動シーンである「発展先決定シーン」の演出態様を示す図である。ここでは、発展先としてキャラCが決定される。キャラCが決定されると、他方のキャラA,B,Dは非表示となり代わりにバツマークが表示される。その後、選択されたキャラの画面が拡大する一方で選択されなかったキャラの画面が縮小して消失し、選択されたキャラによる演出シーンへと移行する。そして、移行に伴い、ALERT役物及び激アツ役物が矢印方向に可動して表示装置48の画面表示領域外に戻る。このとき、ALERT役物及び激アツ役物の可動開始とともに、まず、画面表示されている赤色の演出ラインが選択されなかったキャラの画面を縮小するように移動して最終的にフレームアウトして非表示となり、ALERT役物及び激アツ役物が表示装置48の画面表示領域外に可動して線状レンズ部が遊技者から視認されなくなったら、装飾部材60のケース線状発光部及び盤線状発光部の発光をやめる。
なお、全役物(演出ユニット61〜64)が同時に可動する必要はない。例えば、先に信頼度の低いALERT役物61,63を可動させて、前述の図37(A)に示すパターンbの演出態様とすれば、発展先の決定において2段階の選択が実行されているかのようにみせることができ、遊技の興趣が向上する。
図38(C)は、5番目の変動シーンである「発展中シーン」の演出態様を示す図である。前述の移行により全役物が元の位置に戻り、赤色発光ラインが消える。そして、表示装置48の画面左上側に表示されていたキャラCの領域が画面全体に表示される。その後、6番目の変動シーンである「演出煽りシーン」へと移行される。
ここで、本発明の実施の形態では、発展先として選択されるキャラが表示される領域に飾り特別図柄が縮小表示されるようにしている。このため「発展先決定シーン」から「発展中シーン」に移行するときに飾り特別図柄の表示位置が変わることがないので、遊技者に違和感を与えない。
〔変動シーン6(前半)〕
図39は、本発明の実施の形態の変動シーンの「演出煽りシーン」の前半部の演出態様の一例を示す図である。
図39(A)は、「演出煽りシーン」の開始の演出態様を示す図である。表示装置48の画面中央には、3つの数字と、3つの数字の中から変動中の飾り特別図柄の停止態様となる数字を決定する煽り演出の開始を表す「攻撃開始」のメッセージと、が表示される。このとき、装飾部材60のケース線状発光部60a〜60dは、それぞれ攻撃のレベル(弱、中、強)が設定されており、順に強攻撃、強攻撃、弱攻撃、中攻撃が行われるときに発光するようになっている。なお、図示を省略するが、ケース線状発光部60a〜60dが発光するときは、それぞれの延長上にある盤線状発光部47a〜47dも発光する。さらに、ケース線状発光部60a〜60dから画面上の攻撃対象までは、演出ラインLa〜Ldが画面表示される。
開始画面以降の煽り演出は、リーチ前半に相当する「発展中シーン」(演出変化受付期間)においてオーバーフロー(OF)が発生しているか否かに応じて演出態様がパターンx(OFなし:能動演出)とパターンy(OFあり:受動演出)とに分かれる。
図39(B)は、「演出煽りシーン」の第1弾の攻撃の演出態様を示す図である。左図がパターンxの場合であり、右図がパターンyの場合である。表示装置48の画面中央には数字の「5」が表示され、パターンxの場合は(S3005で「N」)、弱中攻撃を中心にした演出となり、ここではまず弱攻撃が行われる。一方、パターンyの場合は(S3005で「Y」)、この時点でOFが発生していない場合には遊技者の操作ボタン31の操作入力による攻撃に切り替わる(S3008→S3009)。そして、画面には、遊技者参加型の特殊シーンであることを報知するとともに遊技者の操作を促す「PUSH」のメッセージが4箇所表示される。そして、遊技者の操作入力を受け付けると(S3009で「Y」)、選択テーブル(図31)から挿入演出が選択され(S3010)、ここでは中攻撃が行われる。そして、パターンxの場合は3回の攻撃が繰り返され、パターンyの場合は最大4回の攻撃が繰り返された後、第1弾の攻撃が終了となる。
図39(C)は、「演出煽りシーン」の第1弾の攻撃終了の演出態様を示す図である。両方のパターンにおいて、第1弾で攻撃の対象だった数字の「5」は撃墜されて画面から消えてゆき、数字の「6」が画面中央に表示される。なお、パターンyの場合は、特殊(参加型)シーンであることを報知する「PUSH」のメッセージが画面左下に表示される。その後、第2弾の攻撃に移行する。
〔変動シーン6(後半),7〕
図40は、本発明の実施の形態の変動シーンの「演出煽りシーン」の後半部と「結果確定シーン」の演出態様の一例を示す図である。
図40(A)は、「演出煽りシーン」の第2弾の攻撃の演出態様を示す図である。左図がパターンxの場合であり、右図がパターンyの場合である。パターンxの場合は、第1弾が弱攻撃だったのに対し中攻撃が行われる。一方、パターンyの場合は、第2弾の攻撃開始までにOFが発生し(S3008で「Y」)、OF発生による強攻撃(S3007)が行われる。そして、パターンxの場合は3回の攻撃が繰り返され、パターンyの場合は特殊シーンにおける攻撃が最大4回繰り返された後、最後の攻撃となる。
図40(B)は、「演出煽りシーン」の最後の攻撃の演出態様を示す図である。両方のパターンにおいて、今回が最後の攻撃であることを報知する「最後だ!」のメッセージが画面に追加表示される。そして、パターンxの場合は中攻撃が行われ、パターンyの場合は遊技者の操作入力による強攻撃(S3009→S3010)が行われる。その後、7番目の変動シーンである「結果確定シーン」へと移行される。
図40(C)は、「結果確定シーン」の演出態様を示す図である。ここでは、図柄情報が大当りであるので、前述の最後の攻撃の結果、数字の「6」は撃墜されて画面から消えてゆき、図39(A)で並んでいた3つの数字のうち最後に残った「7」が中央の飾り特別図柄の停止態様に決定される。そして、変動表示ゲームの結果が大当りであることが確定する。
なお、本発明の実施の形態では、パターンyの場合における挿入演出態様の決定は、遊技者の演出ボタン31のボタン操作(S3009)よりも、遊技者の発射操作によるOFの発生(S3008)を優先しているが、これに限らない。そして、OFの発生の場合には必ず強攻撃が実行されるように設定しているが、これに限らない。前述した参加型演出設定処理(図30)のS3002及びS3008の処理と同様に、リーチ状態であっても遊技者に遊技球の発射を促すことが可能な(止め打ちを防止可能な)条件を満たすときに、受動演出による(図31を用いた)挿入演出態様が決定されるような設定であればよい。また、前述の条件が満たされないときは、パターンxのような演出効果が低く設定された能動演出が実行される。
〔発光態様〕
ここで、本発明のライン演出について説明する。図41は、本発明の実施の形態の発光ラインの発光態様の一例を示す図である。ここでは、演出ユニット64に係る発光ラインを例に挙げて説明する。
本発明では、遊技盤10の奥に向かって装飾部材60と、演出ユニット63と、表示装置48と、が順に配置される。そして、図に示すように演出ユニット63が表示装置48の表示領域の前面に最大限に可動すると、図示しない遊技盤10の盤線状発光部47dと、装飾部材60の線状発光部60dと、演出ユニット63の線状レンズ部630aと、表示装置48に表示される演出ラインL1と、から1本の発光ラインが形成される。
このとき、演出ユニット63の線状レンズ部630aの背面にあたる表示装置48の表示領域にも演出ラインL1は表示される。これにより、線状レンズ部630a(レンズ部630)は、演出ユニット63のLED基板と、演出ラインL1との両方によって発光される。すなわち、線状レンズ部630a(レンズ部630)は、LED基板による光源と、演出ラインL1による後方からの光源との2方向の光源により発光される。また、装飾部材60の線状発光部60dは側方1方向から発光される。このため、線状レンズ部630a(レンズ部630)は他の発光部に比べて発光が強調される。また、線状レンズ部630a(レンズ部630)は2方向の光源により発光されるため、遊技者に対してレンズ部を綺麗に見せることができる。さらに、LED基板に輝度の弱い光源を用いたとしても演出ラインL1による光源によって線状レンズ部630a(レンズ部630)を十分に発光させることができる。
また、本発明の発光ラインは、遊技盤10の面上だけでなく該遊技盤10から奥行きがある位置に配置される装飾部材60、演出ユニット63、及び表示装置48にも形成される。そして、発光ラインは、表示装置48に表示される演出ラインL1から順に線状レンズ部630a、線状発光部60dが前方に配置されるようになり、互いの前後間隔も離れていないことから、視覚的に違和感のない1本のラインに見せることができる。さらに、発光ラインの発光態様は、演出ラインL1の画面表示による発光、線状レンズ部630aの画面表示及びLEDによる発光、線状発光部60dのLEDによる発光、の順になっており、線状レンズ部630aを介することで発光方法の変化による違和感を与えないようにしている。
前述の説明は演出ユニット63に係る発光ラインだけでなく、他の演出ユニット61、62、及び64に係る発光ラインにおいても適用される。そして、演出ユニット61〜64の役物動作態様に応じて対応する発光ラインの色が決まる(図29参照)。発光ラインの色は、対応する発光ライン(遊技盤10の盤線状発光部47a〜47d、装飾部材60の線状発光部60a〜60d、演出ユニット61〜64の線状レンズ部610a〜640a、表示装置48に表示される演出ラインL1、L2)の全てに適用されるので、本発明のライン演出は、統一感のあるライン演出を行うことができる。
(実施の形態の効果)
本発明の実施の形態によれば、対となる演出ユニット(61及び63、又は、62及び64)の可動により、対応するレンズ部(610及び630、又は、620及び640)を結ぶ演出ライン(L2又はL1)を表示装置48にて表示することで、表示装置48の画面がレンズ部及び演出ラインによって分割されているかのようにみせることができる。このように、レンズ部の発光と演出ラインの表示からなるライン演出に視覚的変化を加えることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、ライン演出は、表示装置48の表示領域内にとどまらず、表示装置48の外周に設けられる装飾部材60も用いられる。装飾部材60に設けられる対となるケース線状発光部(60c及び60d、又は、60a及び60b)の軸線上に、対応する演出ユニットの線状レンズ部(610a及び630a、又は、620a及び640a)が位置する場合にケース線状発光部もライン演出を行う。これにより、ライン演出の領域が広がるので、ライン演出を強調することができる。
ここで、ケース線状発光部60a〜60dは、装飾部材60の傾斜面に設けられる。その傾斜面は表示装置48と遊技盤10との奥行の差を埋めるように、表示装置48から遊技盤10(外側)に向かって装飾部材60の奥行方向(前後方向)の高さが高くなるよう設けられている。そして、遊技盤10には、ケース線状発光部(60c及び60d、又は、60a及び60b)の軸線上に盤線状発光部(47c及び47d、又は、47a及び47b)が設けられる。ライン演出に、さらに、盤線状発光部を加えることでライン演出を強調することができる。また、線状レンズ部から盤線状発光部は前後方向に距離があるが、ケース線状発光部が傾斜ライン状に設けられるので、連続したように見せる連続感が向上する。これにより、ライン演出の演出効果を高めることができる。
また、ライン演出において、各発光部(線状レンズ部610a〜640a、ケース線状発光部60a〜60d、盤線状発光部47a〜47d)の発光色を特別結果となる期待度(信頼度)に応じて変化させることで、遊技者に変動表示ゲームが特別結果となる期待度を効果的に知らしめることができる。
このとき、表示装置48では、各発光部の発光色に対応する演出ライン(L1、L2)が表示される。これにより、統一感あるライン演出を行うことができる。
また、表示装置48における演出ラインは、演出ユニットの後方領域にも表示される。このため、演出ユニットの線状レンズ部は、LED基板による光と演出ラインによる光との両方からの光を受けることになる。よって、遊技者に対してレンズを綺麗に見せることができるとともに、LED基板に輝度の弱い光源を用いたとしても演出ラインによる光によってレンズの十分な発光を得ることができる。
さらに、本発明の実施の形態によれば、変動表示ゲーム中に遊技領域に発射された遊技球がオーバーフローの発生等の特定条件を成立させることによって、特殊(参加型)シーンが実行され、遊技者による操作を有効とする演出(受動演出)が行われるので、遊技者に対して遊技球の発射操作を促すことができ、変動表示ゲームの興趣を高めることができる。
また、前述の特定条件は、変動表示ゲームにおいてリーチ状態が形成されてから所定期間を条件成立の有効期間とするので、止め打ちが発生しやすい遊技状態において遊技者による遊技球の発射操作を促すことができる。よって、止め打ちを防止することができ、遊技機の稼働率を上げることができる。
また、特殊(参加型)シーンでは、遊技者の操作(演出ボタン31のボタン操作又は操作ハンドル24の発射操作)に基づいて、変動表示ゲームの結果が特別結果となることに対する遊技者の期待感を煽るための煽り演出が実行される。これにより、遊技者が積極的に発射操作及びボタン操作を行うようになり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、前述の特定条件が成立せず特殊(参加型)シーンにならない場合や特殊(参加型)シーンにおいて特定条件が成立しなかった場合には、能動演出による煽り演出が実行される。ここで、煽り演出には煽りの度合に応じて弱演出、中演出、強演出の3段階がある。そして、能動演出の場合は主に弱、中の煽り演出が実行され、受動演出の場合は主に中、強の煽り演出が実行される。特定条件を成立させた場合には煽り度合の高い煽り演出が実行される確率が高くなるので、特定条件の成立に対する遊技者の積極性を高めることができる。よって、遊技者による遊技球の発射操作を促すことができる。
また、前述の特定条件は、リーチ状態であっても遊技者に遊技球の発射を促すことが可能な条件とする。ここで、特定条件をオーバーフローの発生とすると、始動記憶が記憶されない状況下において遊技者は発射操作を行うことになる。よって、遊技者に無駄打ちをさせることができ、遊技機の稼動率を上げることができる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。