以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する発射ソレノイド142(図5参照)やその発射ソレノイド142から発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール143(図5参照)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が発射ソレノイド142(図5参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される変動表示の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット600(球貸しユニット)(図9参照)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニット600に挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニット600を介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には発射ソレノイド142(図5参照)の駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器VR1(図9参照)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器VR1の抵抗値が回動操作量に対応して変化する。そして、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器VR1の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1始動口64、第2始動口640、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1始動口64、第2始動口640、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(一般入賞口63等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット140(図5参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には、戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、2つの第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37Aには、発光手段である複数のLED37Aaと7セグメント表示器37Abとが設けられている。他方の第1図柄表示装置37Bもまた同様に、発光手段である複数のLED37Baと7セグメント表示器37Bbとが設けられている。
第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、これらの第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1始動口64へ入球したか、第2始動口640へ入球したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1始動口64へ入球した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2始動口640へ入球した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
複数のLED37Aa,37Baは、いずれも、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示装置37Ab,37Bbは、いずれも、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37Aa,37Baは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1始動口64及び第2始動口640へ入球があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、16R確変大当たりと16R通常大当たりが用意されている。LED37Aa,37Baには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「16R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が16ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「16R通常大当たり」は、最大ラウンド数が16ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2始動口640へ球が入球し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2始動口640へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2始動口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2始動口640へ球が入球しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2始動口640へ球が入球し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2始動口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2始動口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2始動口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1始動口64及び第2始動口640への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図3参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図9参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置83は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置83において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2始動口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2始動口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2始動口640へ球が入球しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2始動口640へ球が入球しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左方および右方において遊技盤に組み付けられ、遊技領域を流下する球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置83にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1始動口64が配設されている。この第1始動口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1始動口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1始動口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図9参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37AのLED37Aaで示される。
一方、可変表示装置ユニット80の正面視右方には、球が入球し得る第2始動口640が配設されている。この第2始動口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2始動口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2始動口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図9参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37BのLED37Baで示される。
また、第1始動口64および第2始動口640は、それぞれ、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1始動口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2始動口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1始動口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数と第2始動口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1始動口64へ球が入球した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2始動口640へ球が入球した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2始動口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2始動口640へ入球しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置83に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2始動口640へ入球しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2始動口640へ球が入球しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1始動口64に球が入球した場合と第2始動口640へ球が入球した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として16R確変大当たりとなる確率は、第2始動口640へ球が入球した場合のほうが第1始動口64へ球が入球した場合よりも高く設定されている。一方、第1始動口64は、第2始動口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入球可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2始動口640に付随する電動役物640aが閉鎖状態にある場合が多く、第2始動口640に入球しづらいので、電動役物のない第1始動口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1始動口64への入球によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、第2始動口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2始動口640に入球しやすい状態であるので、第2始動口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第2始動口640への入球によって16R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1始動口64の下方には、特定入賞口65aを有する可変入賞装置65が配設されている。パチンコ機10においては、第1始動口64及び第2始動口640への入球に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37AのLED37Aaを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定の条件が成立するまで(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、いずれも上記した所定の条件が成立すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、その中央部に横長矩形状に形成された特定入賞口65aを開閉するものである。具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するためのソレノイドとを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際にはソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLED37Aa,LED37Baが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓25(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。一般入賞口63、第1始動口64、第2始動口640、特定入賞口65aのいずれにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図9参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブモータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ123が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図9参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。発射ソレノイド142が発射する球の発射強度を調整するために操作される。RAM消去スイッチ123は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の内部構成について説明する。図4は、前面枠14と下皿ユニット15とが開放された状態におけるパチンコ機10の斜視図である。
パチンコ機10には、その外殻を形成する外枠11が設けられ、この外枠11に対して内枠12が開閉可能に支持される。遊技場においては、外枠11の外周面が遊技場の島と呼ばれる設置箇所に固定される。内枠12、前面枠14および下皿ユニット15は、外枠11に対して前面側に開放可能に構成されるので、パチンコ機10の前面側からは触れられない裏面側や内部に対しての点検や調整は、外枠11に対して内枠12等を前面側に開放して行われる。
外枠11には、内枠12を支持するために正面視左側の上下2カ所に金属製の上ヒンジ(図示せず)および下ヒンジ(図示せず)が取り付けられている。この上ヒンジおよび下ヒンジが設けられた側を開閉の軸として内枠12は開閉可能に支持される。
内枠12は、矩形状に形成されたABS樹脂製の内枠ベース71を主体に構成されており、内枠ベース71の中央部には略円形状の中央窓71aが形成されている。内枠ベース71の裏面側には遊技盤13の取付部が設けられ、遊技盤13が着脱可能に装着される。
内枠ベース71の中央窓71aの下側は、前面側が開放した凹状に窪んで形成されており、その奥側には、平面状の取付面71bが形成されている。取付面71bには、球を遊技盤13の前面に発射するための発射ユニット140や、上皿17および下皿50に球を排出する通路を形成する通路形成部材72等が取り付けられる。
また、球発射ユニット140の下方には、球発射ユニット140内に形成された回収通路148c(図7(a)参照)を通過した球を回収する回収口73が形成されている。この回収口73は、図示しない球排出路に連通しており、回収口73に回収された球は、球排出路へ案内される。
次に、図5を参照して、内枠ベース71の前面側下部に装着されて内枠12の一部を構成する球発射ユニット140の概要について説明する。図5は、球発射ユニット140の分解斜視図である。
図5に示すように、球発射ユニット140は、内枠ベース52下部の取付面71b(図4参照)に固定されるベース板141と、そのベース板141に取り付けられる発射ソレノイド142と、その発射ソレノイド142の一端側において発射ソレノイド142の長手方向に平行に延びるようにしてベース板141に取付固定される断面略M字状の発射レール143と、その発射レール143の基端部(発射ソレノイド142側の端部)に1球ずつ球を誘導案内する球送り機構144と、球送り機構144の上流側で球を案内する案内機構145と、を主に備えている。
ベース板141は、亜鉛合金などの金属製平板をプレス加工して形成されたものであり、内枠ベース71の取付面71bに密着された状態で固定される。
ベース板141には、発射ソレノイド142を固定するためのボス141aおよびボルト141bと、発射レール143を固定するためのボス141cとが固定されている。
発射ソレノイド142には、発射レール143と長手方向を平行にして配設される金属製のプランジャ142aと、プランジャ142aの先端を覆う樹脂製のキャップ142bとが設けられる。遊技者が操作ハンドル51を回動操作した状態中には、発射ソレノイド142は、所定時間毎に励磁と非励磁とを繰り返して行い、これに対応してプランジャ142aの出没が繰り返される。
また、発射ソレノイド142には、操作ハンドル51に連動する可変抵抗器が結線されており、操作ハンドル51の操作量に基づいてプランジャ142aの突出速度が調整され(ストローク量はほぼ一定)、球の発射速度ひいては飛び量が操作ハンドル51の回動量により調整される。
発射レール143は、発射ソレノイド142により発射された直後の球を案内するものであり、所定の発射角度(打ち出し角度)にしつつ直線的に延びるようにしてベース板141に固定されたボス141cにネジで固定されている。操作ハンドル51(図1参照)の回動操作に伴い発射された球は、まずは発射レール143に沿って斜め上方に打ち出され、その後、前述した通り2本のレール61,62(図2参照)の間に形成される誘導レールを通じて遊技領域に案内される。
なお、ベース板141には、発射レール143の基端部上に載置される球を支持して位置決めする位置決め部材146が取り付けられている。発射レール143上において位置決め部材146によって位置決めされた球は、プランジャ142aが突出されることにより、発射レール143の指向する斜め上方に向けて発射される。
球送り機構144は、上皿17から連続して案内されてくる球を1球ずつ、発射レール143の基端部に送るものであり、発射ソレノイド142の上部を被覆するようにしてベース板141に固定される樹脂製の台座部材147と、その台座部材147に軸支されて開閉可能に構成された樹脂製の開閉部材148とによって被覆されている。
次に、図6を参照して、台座部材147及び開閉部材148の内部構成について説明する。図6は、球発射ユニット140の斜視図であり、後述する開閉部材148を開放した状態が図示されている。
図6に示すように、台座部材147には、開閉部材148が設けられる前方側へ向けて係止爪147aが一体的に突出形成され、開閉部材148には、台座部材147の前面に重なる閉鎖状態にて係止爪147aが係止される係止孔148aが形成されている。
開閉部材148は、通常時には、一方側(図6左側)が台座部材147に軸支されると共に、他方側(図6右側)が係止孔148aにより台座部材147に係止されて台座部材147の前面に重なって固定された閉鎖状態となる。この閉鎖状態は、台座部材147の係止爪147aを開閉部材148の係止孔148aから外すことにより解除され、開閉部材148は台座部材147に対して前方側(図6紙面手前側)へ開放し得る。また、開閉部材148は、台座部材147に対して最大に開放することにより、上側へスライドして台座部材147から取り外し可能となっている。
開閉部材148の前面(図6紙面奥側)には、上皿17(図1参照)から案内される球を導入する導入口148b(図7参照)が設けられており、この導入口148bから球が開閉部材148の裏面側(図6紙面手前側)へ導入される。一方、開閉部材148の裏面には、その長手方向中央部分に球送り機構144が収容可能な凹部が形成されると共に、導入口148bの下方には球が通過可能な回収通路148cが形成されている。
回収通路148cは、導入口148bを通過した球を、球発射ユニット140の下方に形成された回収口73(図4参照)へ案内するためのものであり、導入口148bから送出部材152への流路から分岐する流路として形成されている。
次に、図7及び図8を参照して、球送り機構144及び案内機構145について詳細に説明する。図7(a)は、開閉部材148の裏面図であり、図7(b)は、図7(a)のVIIb−VIIb線における開閉部材148の断面図であり、図7(c)は、開閉部材148の裏面図であり、図7(d)は、図7(c)のVIId−VIId線における開閉部材148の断面図である。なお、図7(c)には、図7(a)に示す状態から案内部材161を一方向(図7(a)時計回り方向)へ回動させた状態が図示されている。
図7に示すように、球送り機構144は、球送りソレノイド151と、その球送りソレノイド151の下方に配設される送出部材152とを備え、開閉部材148に凹設された収容空間に配置されている。
送出部材152は、一端側(図7(a)左側)が開閉部材148に対して揺動可能に軸支される揺動部153と、その揺動部153の他端側(図7(a)右側)に連設される顎状のホルダ部154と、そのホルダ部154の上端に連設され揺動部153から離間する方向へ向けて延設される延設部155と、を備えている。
揺動部153は、その上面側に金属片156が取り付けられ、その金属片156が球送りソレノイド151に対向配置されている。また、ホルダ部154は、球を1個だけ収容可能に構成されている。
案内機構145は、導入口148bを通過して開閉部材148の裏面側に流入した球を送出部材152のホルダ部154又は回収通路148cのいずれか一方へ案内するためのものであり、開閉部材148に回動可能に軸支される案内部材161と、その案内部材161を回動させるための駆動力を付与する案内モータ162と、その案内モータ162の駆動力を案内部材161に伝達する複数のギヤ(図5参照)と、から構成されている。
案内部材161は、正面視略く字状に屈曲形成された誘導部163と、その誘導部163に立設される規制部164と、を備えている。誘導部163は、球を送出部材152側へ誘導する送出側誘導部165と、球を回収通路148c側へ誘導する回収側誘導部166とから構成され、それら送出側誘導部165と回収側誘導部166とが連結される連結位置(誘導部163の屈曲部分)を中心として、案内部材161が開閉部材148に回動可能に軸支されている。
規制部164は、正面視略扇形状に形成された薄板状の部位であり、回収側誘導部166の上面であって導入口148b側(図7(b)左側)側端部分に立設されている。
ここで、遊技者が支払う遊技料金に基づいて球を貸し出すにあたり、遊技料金に相当する球数を遊技者に貸し出すと共に、支払われた遊技料金に相当する消費税を徴収する必要がある。パチンコ機10では、遊技料金に相当する球数を遊技者に払い出し、遊技領域に発射された球数が一定数に到達する毎に1つの球を消費税分として回収する。
例えば、消費税率が8%、遊技者が遊技料金として500円を支払い、球1個あたりの価格を4円として125個の球を貸し出す場合、貸し出した球の中から40円分の球(10個の球)を消費税相当分として回収する。この場合、パチンコ機10は、125個の球を払出装置133(図3参照)から遊技者に払い出し、遊技領域に発射された球(アウト球)が13球(52円分)に到達する毎に、1個(4円分)の球を消費税相当分として回収する。この球回収処理は、遊技者が支払った遊技料金に対して回収すべき消費税相当分の球数(上記の場合では10個)が回収されるまで反復して実行され、回収すべき球数を全て回収し終えると、新たに遊技料金が支払われるまで球回収処理を停止する。これにより、消費税相当分の球数を過不足なく回収できる。また、遊技中に少しずつ球を回収するので、一度に多くの球を回収する場合と比べて、球の回収により遊技に与える影響を小さくすることができる。また、球回収処理を実行していることが、遊技者に認知されにくいので、遊技者は心地よく遊技を行うことができる。
なお、本実施の形態では、球1個あたり4円に設定され、消費税が8%である場合では50円に対する消費税が4円であることに着目し、遊技領域に発射された球数が13球に到達する毎に1球、即ち、52円分の球が遊技領域に発射される毎に(50円分以上の球が遊技領域に発射される毎に)4円分の消費税を回収するように構成されている。よって、消費税の徴収に伴って発生し得る端数の負担を遊技者に負わせることを回避して、遊技者に不利益が及ぶことを防止できる。またこの場合、貸球として払い出された球と賞球として払い出された球とを合わせ、130個の球が発射領域に発射されることで、10個の球が回収され、ホール側は遊技料金500円に対し40円分の消費税を徴収できる。
案内機構145は、通常状態(図7(a)に示す状態)では、導入口148bを通過して開閉部材148の裏面側へ流入した球を送出部材152のホルダ部154へ案内する。このとき、導入口148bと回収通路148cとの間に送出側誘導部165が配設され、その送出側誘導部165によって回収通路148cが閉鎖される。またこのとき、送出側誘導部165の上面側が回収通路148c側から送出部材152側へ向けて下降傾斜した状態となるので、導入口148bを通過した球が回収通路148cを通過することを防止しつつ、球を円滑にホルダ部154へ誘導することができる。
なお、開閉部材148と送出部材152との間には隙間が形成されており、その隙間寸法(図7(b)に示す左右方向における隙間寸法)よりも規制部164の厚さ寸法が小さくなっている。即ち、規制部164は、案内部材161と送出部材152との間に形成された隙間内に収容可能に構成されている。
一方、図7(a)に示す通常状態から、案内モータ162を正方向へ駆動回転して案内部材161を一方向(図7(a)時計回り方向)へ回動させた回収状態(図7(c)に示す状態)では、送出側誘導部165によって閉鎖されていた回収通路148cが開放されるので、導入口148bを通過して開閉部材148の裏面側へ流入した球が回収通路148cへ案内される。このとき、導入口148bと送出部材152との間に回収側誘導部166が配設され、その回収側誘導部166によって導入口148bから送出部材152側への流路が閉鎖される。またこのとき、回収側誘導部166の上面側が送出部材152側から回収通路148c側へ向けて下降傾斜した状態となるので、導入口148bを通過したが送出部材152側へ案内されることを防止しつつ、球を円滑に回収通路148cへ案内することができる。
また、回収通路148cには、その回収通路148c内を球が通過したことを検知する回収センサ167が設けられており、この回収センサ167が球を検知した場合、球が回収されたと判断することができる。
このように、通常状態では、導入口148bから送出部材152側への流路が形成され、導入口148bから流入した球は、送出側誘導部165によって送出部材152側へ案内され、ホルダ部154へ収容されるのを待機する状態となる。また、回収通路148cは、送出側誘導部165によって閉鎖されるので、球が回収通路148cへ案内されることを防止できる。
一方、回収状態では、回収通路148cが開放され、送出側誘導部165上で待機していた球は、案内部材161の回動に伴って落下し、回収される。
次に、図8を参照して、球送り機構144及び案内機構145の動作態様について具体的に説明する。図8(a)は、開閉部材148の部分拡大裏面図であり、図8(b)は、開閉部材148の断面図であり、図8(c)は、開閉部材148の部分拡大裏面図であり、図8(d)は、開閉部材148の断面図であり、図8(e)は、開閉部材148の部分拡大裏面図であり、図8(f)は、開閉部材148の断面図である。なお、図8では、上皿17(図1参照)内の球が導入口148bを通過して開閉部材148の裏面側へ流下した状態を模式的に図示している。また、図8(b)、図8(d)及び図8(f)には、図7(b)に対応する断面が図示され、図8(c)には、図8(a)に示す状態から後述する送出部材152を上方へ回動させた状態が、図8(e)には、図8(a)に示す状態から案内部材161を一方向(図8(c)時計回り方向)へ回動させた状態が、それぞれ図示されている。
図8(a)及び図8(b)に示すように、球送りソレノイド151がオン(励磁)されると、金属片156が球送りソレノイド151にくっつくように引っ張られて送出部材152が上方へ回動する。このとき、球送り機構144は、案内部材161側から送られた球をホルダ部154へ収容可能な状態となる。
案内部材161は、図8(a)及び図8(b)に示す通常状態において、導入口148bと回収通路148cとの間に送出側誘導部165が配設され、導入口148bを通過して案内部材161へ流下した球がホルダ部154に収容可能な状態となる。
この通常状態では、払出装置133(図3参照)から払い出された複数の球が導入口148bから連続して開閉部材148の裏面側へ流入すると、先頭に位置する球P1がホルダ部154に収容されて上下移動が規制される一方、球P1に続く球P2は、ホルダ部154に収容された球P1に支えられて流下が規制される。その結果、球P2は、送出側誘導部165上で静止する。また、その球P2に続く球P3は、球P2に支えられて流下が規制され、送出側誘導部165の手前(払出装置133から払い出されて送出部材152へ案内されるまでの流路上における送出側誘導部165の上流側、上皿17内)で静止する。
なお、通常状態では、案内部材161の送出側誘導部165が導入口148bよりも下方に位置した状態で静止する。よって、上皿17から導入口148bを通過しようとする球が送出側誘導部165に干渉することを防止して、導入口148bから開閉部材148の裏面側へ球を円滑に流下させることができる。
図8(c)及び図8(d)に示すように、球送りソレノイド151をオフ(非励磁)にすると、送出部材152は自重により下方へ回動する。これに伴い、ホルダ部154に収容された球P1は、下方へ移動した後、ホルダ部154上を転動して後方側(図8(c)紙面奥側)へ移動し、発射レール143(図5参照)へ送られる。
延設部155は、送出部材152の回動に伴って下方へ変位し、延設部155の延設先端部分が球P2へ向けられる。球P2は、ホルダ部154への移動が延設部155によって規制されるので、送出側誘導部165上で静止した状態が維持され、球P2に続く球P3は、送出側誘導部165の手前(送出側誘導部165よりも上流側、上皿17内)で静止した状態が維持される。
その後、遊技者による操作ハンドル51の操作に基づいて発射ソレノイド142がオン(励磁)されると、それと同時に球送りソレノイド151もオンとなる(図12参照)。これにより、送出部材152が再度上方へ向けて回動し、図8(a)及び図8(b)に示す状態へ戻る。このとき、延設部155によって移動が規制されていた球P2は、その移動の規制が解除されて送出部材152側へ転動し、ホルダ部154に収容され、球P3は、球P2に追随して転動し、送出側誘導部165上で球P2に支えられて静止する(図8(a)及び図8(b)参照)。
ここで、球送りソレノイド151は、オン(励磁)となってから74m秒経過すると、再びオフ(非励磁)となり、送出部材152は下方へ向けて回動する。このとき、案内機構145による球回収処理を行う必要がなければ、案内部材161は回動させず、送出側誘導部165によって球を送出部材152へ案内する通常状態(図8(c)及び図8(d)参照)が維持される。
一方、案内機構145による球回収処理を行う必要がある場合には、球送りソレノイド151がオフ状態のときに案内モータ162を一方向へ回転駆動させる。これにより、案内機構145は、送出側誘導部165によって球を送出部材152へ案内する通常状態(図8(c)及び図8(d)に示す状態)から、回収側誘導部166によって球を回収通路148cへ案内する回収状態へと移行する(図8(e)及び図8(f)参照)。
図8(e)及び図8(f)に示すように、通常状態から回収状態へ移行する際、送出側誘導部165が下方へ向けて(図8(e)に示す時計回り方向に)回動すると共に、回収側誘導部166が上方へ向けて(図8(e)に示す時計回り方向に)回動し、案内部材161は、回収側誘導部166の上面が送出部材152側から回収通路148c側へ向けて下降傾斜した状態で静止する。これにより、通常状態から回収状態へ移行する直前に送出側誘導部165上で静止していた球P2は、送出側誘導部165が下方へ回動することで落下し、回収通路148cへ案内される。回収通路148cへ案内された球P2は、回収通路148c内を落下して回収口73(図4参照)に流入し、図示しない球排出路に回収される。回収通路148c内には球が通過可能な円環状の回収センサ167が配設されており、球が回収通路148cを通過した場合には、その球の通過が回収センサ167によって検知される。
案内部材161を回動させて通常状態から回収状態へ移行する際、回収側誘導部166に立設された規制部164が上方へ回動し、その規制部164によって開閉部材148の裏面側から導入口148bの一部が塞がれる。これにより、送出側誘導部165の手前側(上流側)、即ち、上皿17(図1参照)内で静止していた球P3は、その移動が規制部164によって規制される。その結果、P3が、P2に追随して回収通路148cへ案内されることを防止し、誤って2個以上の球が回収されることを回避できる。
また、通常状態から回収状態へと移行する際、規制部164は、連なる球P2と球P3との間に割り入るように回動する。このとき、球P2が規制部材164に押され、回収通路148c側(図8(e)右側)内を落下するように促されるので、円滑に球P2を回収通路148cへ案内し、回収状態へ移行してから球P2が回収センサ167によって検知されるまでの時間を短縮することができる。
さらに、案内機構145が通常状態である場合に、球送りソレノイド151がオフされていると(図8(c)参照)、送出側誘導部165上に位置する球P2は、その移動が延設部155によって規制される。このとき、球P2は、その重心が案内部材161の回転軸よりも回収通路148c側に置かれている。よって、案内部材161を回動させた場合に、球P2が回収側誘導部166によって弾かれて暴れ、球P2が回収通路148c内を落下するまでの時間が長くなる、といった不具合の発生を抑制できる。
また、パチンコ機10で遊技を行うにあたり、遊技者は球を上皿17(図1参照)に入れる。上皿17に入った球は、導入口148bから球発射ユニット140(図5参照)内へ案内され、発射ソレノイド142(図7(a)参照)により遊技領域へ向けて発射される。案内機構145は、球発射ユニット140に設けられており、遊技者からは目視できない位置であって、球発射ユニット140内に流入する球が必ず通過する位置に配設されている。このように、当該パチンコ機10で遊技を行う限りにおいて、案内機構145による球回収処理を避けて球を遊技領域に向けて発射することができないように構成されているので、球の回収を免れつつ遊技を行おうとする不正行為を行いにくくして未回収球の発生を抑制できる。
なお、本実施の形態では、発射ソレノイド142及び球送りソレノイド151が励磁される周期が602m秒に設定されており、遊技者が操作ハンドル51(図1参照)を操作している状態では602m秒間隔で球が発射されるように構成されている。そのため、案内機構145によって球を回収した場合であっても、球の発射間隔を空けることなく、602m秒間隔で発射されることが望ましい。
そこで、パチンコ機10では、球送りソレノイド151がオン(励磁)されたときにホルダ部154へ確実に球を収容し、発射レール143へ球を送ることができるようにするため、案内機構145による球回収処理を開始する時期に制限を設けている。
詳細には図12を参照して後述するが、案内機構145による球回収処理を行おうとするときに、球送りソレノイド151がオフ(非励磁)になってから440m秒経過していなければ、案内機構145による球回収処理を開始し、送りソレノイド151がオフ(非励磁)になってから440m秒経過した場合には、新たな球回収処理の開始は行わず、案内機構145が通常状態のまま維持されるようにする。これにより、次に球送りソレノイド151がオンとなるまでに球が送出部材152の近傍に案内され、球送りソレノイド151がオンとなったときには、球が確実にホルダ部154内へ収容される。
その結果、ホルダ部154に球が収容されていない状態で球送りソレノイド151がオンとなり、送出部材152から発射レール143へ球を送ることができずに発射ソレノイド142による球の発射間隔が空く、といった不具合の発生を抑制することができる。また、球が発射される周期にバラツキが出ることを抑制できるので、球回収処理を実行した場合に、そのことが遊技者に認知されることを回避できる。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図9を参照して、上記第1実施の形態における本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図9は、第1実施の形態におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
図9に示すように、主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などの周辺制御装置(サブ制御装置)に対して動作を指示するために、データ送受信回路によって、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドが送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、コネクタ207,217を介して払出制御装置111が、また、コネクタ208,228を介して音声ランプ制御装置113が、それぞれ接続されている。その他、入出力ポート205には、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置82、発射制御装置112、外部出力端子板261、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ206が接続されている。外部出力端子板261には、ホールコンピュータ262が接続可能に構成されており、主制御装置110からホールコンピュータ262へ外部出力端子板261を介してデータ等を出力することができる。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、発射レール143上であって、発射ソレノイド142のプランジャ142aの先端を覆うキャップ142b(図6参照)の前面に球を配置するように球送りソレノイド151を制御すると共に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう発射ソレノイド142を制御するものである。発射ソレノイド142及び球送りソレノイド151は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。
具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、発射制御装置112内に設けられた信号変換回路241から発射許可信号SG3が主制御装置110の入出力ポート205に入力される。その発射許可信号SG3が入出力ポート205に入力されると、MPU201は、入出力ポート205から発射制御信号αおよび球送り制御信号βを発射制御装置112へ出力する。発射制御信号αが発射制御装置112に入力されると、発射ソレノイド142に電圧が供給され、発射ソレノイド142は、予め発射ソレノイド142の前面に配置された発射レール143上の球を、操作ハンドル51の回動操作量に応じた強さで遊技領域へ向けて発射する(図6参照)。また、球送り制御信号βが発射制御装置112に入力されると、球送りソレノイド151に電圧が供給され、球送り機構144内の球送りソレノイド151は球を1球だけ送り出し、その送り出された球は、発射ソレノイド142の前面(発射レール143の上)に配置される。
ここで、発射許可信号SG3について説明する。発射許可信号SG3は発射制御装置112内の信号変換回路241から主制御装置110の入出力ポート205へ出力される信号である。この発射制御信号SG3を出力する信号変換回路241は、論理回路であるアンド回路を主として構成されている。
信号変換回路241は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aが検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)であることを条件に、発射許可信号SG3を入出力ポート205に出力する。入出力ポート205に入力された発射許可信号SG3は、主制御装置110に入力される。遊技者が発射を意図して操作ハンドル51を回動操作している場合には、タッチセンサ51aはオン、打ち止めスイッチ51bはオフとなるので、原則的に遊技者が発射を意図して操作ハンドル51の回動操作を行っている状態においては、発射ソレノイド142によって球が発射される。
なお、詳細は図11にて説明するが、発射ソレノイド142の球の発射と、球送り機構144内の球送りソレノイド151によって行われる発射ソレノイド142の前面への球の配置とは同時にはならないように構成されている。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを備えている。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
RAM213の作業エリアには、総賞球個数メモリ213aと、上位コマンド記憶バッファ213bと、払出エラーフラグ213cと、払出許可フラグ213dとが設けられている。
総賞球個数メモリ213aは、払出制御装置111が払い出すべき、未払いの賞球の総個数を記憶するメモリである。遊技領域へ打ち込まれた球が、いずれかの入賞口63,64,65aへ入賞し、これが主制御装置110で検出されると、その入賞に応じた数の賞球の払い出しが、主制御装置110から払出制御装置111に対して指示される。
ここで、図10を参照して、主制御装置110から払出制御装置111へ出力されるコマンドについて説明する。図10は、主制御装置110から払出制御装置111へ出力されるコマンドを示した図である。
図10に示すように、主制御装置110から払出制御装置111へ出力されるコマンドは、2バイトで構成され、8ビットのパラレルデータとしてコネクタ207、217(図9参照)を介して、1バイト目、2バイト目の順に、主制御装置110から払出制御装置111へ出力される。コマンドの1バイト目は、最上位ビットがセット(「1」)され、2バイト目は最上位ビットがリセット(「0」)されている。よって、払出制御装置111は、最上位ビットのセット又はリセットにより、入力したデータがコマンドの1バイト目か、2バイト目かを判断することができる。
なお、パチンコ機10では、コマンドのすべてが必ずしも使用されるものではない。即ち、コマンドの一部のみを使用するパチンコ機10も存在する。例えば、払出復帰コマンドと、払出初期化コマンドと、5個賞球払出コマンドと、15個賞球払出コマンドだけが使用されるパチンコ機10も存在する。
主制御装置110と払出制御装置111とのデータの入出力は、主制御装置110から払出制御装置111への一方向にのみ行われる。遊技の主制御を行う主制御装置110への入力信号を極力少なくして、主制御装置110に対する不正行為を抑制するためである。このため、出力したコマンドのデータが、ノイズや、信号線の断線或いはショート、不正行為などによって変化しても、主制御装置110は、それを検出することができず、異常を発見できない。
そこで、本実施形態では、主制御装置110から払出制御装置111へ出力されるコマンドを2バイトで構成し、これらを1バイトずつ加算または排他的論理和した場合に、演算後の最下位1バイトがFFHとなるようにしている。よって、払出制御装置111では、入力した2バイトのコマンドを1バイトずつ加算または排他的論理和し、その結果がFFHでなければ、該コマンドは正常なコマンドでないと判断して、該コマンドの入力を無効化すると共に、払出制御装置111に設けられた7セグメントLED121に「C」の文字を表示して、コマンドエラーを報知する。
主制御装置110から払出制御装置111へ出力されるコマンドには、賞球の払い出しを指示する賞球コマンドがある。賞球コマンドは、遊技者や遊技場へ多大な影響を与えるので、該コマンドの出力が主制御装置110から払出制御装置111への一方向のみであっても、払出制御装置111において、入力したコマンドが正常であるか否かを判断できるように構成している。
賞球コマンドを出力する信号線に断線がある場合には、上記方式(加算または排他的論理和の結果がFFH)によって確実に検出することができる。即ち、いずれかの信号線に断線があると、その信号線のデータ(ビット)は、1バイト目も2バイト目も、必ず同じデータ(「0と0」または「1と1」)となるので、コマンドの1バイト目と2バイト目とを加算または排他的論理和した場合には、その断線した信号線に対応したビットは0となり、加算または排他的論理和の結果はFFHとならないからである。
また、本実施形態では、払出制御装置111の立ち上げ時に、必ず主制御装置110から出力される払出復帰コマンドと払出初期化コマンドとを使用して、これらのコマンドを送信する信号線や、その信号線を接続するコネクタ207,217にショート(半田ブリッジ)があるか否かを検出できるようにしている。
図9に戻り、引き続き、総賞球個数メモリ213aについて説明する。総賞球個数メモリ213aには、賞球コマンドで指示された賞球の払い出し数が加算され記憶される。総賞球個数メモリ213aの値が0でなければ、賞球の払い出しが行われ、払い出された賞球が1個検出される毎に、その値が1減算される。賞球の払い出しは、総賞球個数メモリ213aの値が0になるまで行われる。
上位コマンド記憶バッファ213bは、主制御装置110から払出制御装置111へ出力される2バイトのコマンド(図10参照)のうち、上位コマンド(1バイト目のコマンド)を記憶するバッファである。主制御装置110から払出制御装置111へは、払出復帰コマンドと、払出初期化コマンドと、15種類の賞球コマンドとが出力されるが、上位コマンド記憶バッファ213bには、これらの上位コマンド(99H,AAH,F0H〜FEH)のいずれかが記憶される。上位コマンド記憶バッファ213bの内容は、下位コマンド(2バイト目のコマンド)を入力すると、0クリアされる。
払出エラーフラグ213cは、図10に示す主制御装置110から払出制御装置111へ出力される2バイトのコマンドを、払出制御装置111が正常に入力できない場合にオンされるフラグである。払出エラーフラグ213cがオンされると、状態報知処理(図38のS1506)により、7セグメントLED121に「C」の文字が表示され、コマンドエラーの発生が報知される。一旦オンされた払出エラーフラグ213cは、2バイトの正常なコマンドを入力すると、オフされる。なお、払出エラーフラグ213cがオフされると、7セグメントLED121のエラー表示も解除される。
払出許可フラグ213dは、賞球や貸出球の払い出しを許可するためのフラグであり、立ち上げ処理においてオフされる一方(図30のS1408,S1411,S1412)、主制御装置110から出力された正常なコマンド(払出初期化コマンド、払出復電コマンド、賞球コマンドなど)を入力すると、オンされる。即ち、払出許可フラグ213dは、主制御装置110が立ち上がっていることを確認するためのフラグである。
払出制御装置111は、MPU211にアドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、コネクタ207,217を介して主制御装置110が接続されると共に、7セグメントLED121や、案内モータ162、回収センサ167、払出モータ216、外部出力端子板261、カードユニット600、球貸しボタン42、返却ボタン43などがそれぞれ接続されている。
また、払出制御装置111には、図示はしないが、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
なお、カードユニット600は、遊技者が球貸しボタン42を操作すると、カードユニット600に球貸しの信号が出力され、カードユニット600により挿入されている有価価値を記憶した磁気カード等に球貸し要求以上の金額が記憶されているか判別される。そして、磁気カードに貸球要求数以上の金額が記憶されていると、払出制御装置111のMPU211に対して、球貸し要求信号を出力する。
払出制御装置111のMPU211は、球貸し要求信号を受信すると、主制御装置110に対して、カードユニット600より球貸し要求信号を受信したことを示す貸球払出要求信号SG4を設定する。これにより、主制御装置110も、球貸しの要求を受けたことを判別することができる。よって、その球貸しの要求に対応して、消費税分の遊技球を回収する処理等を実行することができる。
7セグメントLED121は、払出制御装置111の状態を報知するための表示器(表示手段)である。払出制御装置111が主制御装置110から出力されたコマンドを入力し、そのコマンドが規定外のコマンド(無効なコマンド)であると判断された場合には、7セグメントLED121により「C」の文字が表示され、コマンドエラーの発生が報知される。また、外部出力端子板261には、ホールコンピュータ262が接続可能に構成されており、払出制御装置111からホールコンピュータ262へ外部出力端子板261を介してデータ等を出力することができる。払出制御装置111で発生したエラー等も、外部出力端子板262を介して、ホールコンピュータ262へ出力することができる。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33や表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを備えている。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、コネクタ208,228を介して主制御装置110が接続されると共に、表示制御装置114や、音声出力装置226、ランプ表示装置227などがそれぞれ接続されている。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)を制御するものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ123を有するRAM消去スイッチ回路253とを備えている。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給するものである。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチや、ソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ123が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力すると、バックアップデータ(RAM203の内容)をクリアする。
A/Dコンバータ501は、可変抵抗器VR1に発生している直流電圧(アナログ値)をデジタル値に変換し、その変換したデジタル値を入出力ポート205へ出力するアナログ−デジタル変換器である。このA/Dコンバータ501は、入力端子(アナログ入力端子)が操作ハンドル51に内蔵された可変抵抗器VR1に接続され、出力端子(デジタル出力端子)が入出力ポート205に接続されている。
A/Dコンバータ502は、可変抵抗器VR2に発生している直流電圧(アナログ値)をデジタル値に変換し、その変換したデジタル値を入出力ポート205へ出力するアナログ−デジタル変換器である。このA/Dコンバータ502は、入力端子(アナログ入力端子)が操作つまみ122aに設けられた可変抵抗器VR2に接続され、出力端子(デジタル出力端子)が入出力ポート205に接続されている。
A/Dコンバータ503は、可変抵抗器VR3に発生している直流電圧(アナログ値)をデジタル値に変換し、その変換したデジタル値を入出力ポート205へ出力するアナログ−デジタル変換器である。このA/Dコンバータ503は、入力端子(アナログ入力端子)が操作つまみ122bに設けられた可変抵抗器VR3に接続され、出力端子(デジタル出力端子)が入出力ポート205に接続されている。
操作ハンドル51は、遊技盤13の前面へ打ち込まれる球の発射強度を調整するための操作部材である。この操作ハンドル51に内蔵された可変抵抗器VR1は、A/Dコンバータ501を介して入出力ポート205に接続されている。よって、可変抵抗器VR1の抵抗値が遊技者の操作ハンドル51の回動操作量に対応して変化すると、その抵抗値の変化に対応した直流電圧が可変抵抗器VR1に発生し、その発生した直流電圧(アナログ値)がA/Dコンバータ501に入力される。入力された直流電圧は、A/Dコンバータ501によってデジタル値に変換され、入出力ポート205に出力される。これにより、可変抵抗器VR1に発生した直流電圧はデジタル値として主制御装置110に入力される。
操作つまみ122aは、入出力ポート205に入力された操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍する倍率を調整するための操作子である。操作つまみ122aには、可変抵抗器VR2と5ボルトの直流電源DC1とが設けられている。可変抵抗器VR2の一端には、5ボルトの直流電源DC1が接続され、可変抵抗器VR2の他端はグランドされている。そして、可変抵抗器VR2は、A/Dコンバータ502を介して入出力ポート205と接続されている。よって、操作つまみ122aが操作されると、可変抵抗器VR2の抵抗値が変化し、その抵抗値の変化に対応した直流電圧が可変抵抗器VR2に発生する。そして、その可変抵抗器V2に発生した直流電圧(アナログ値)がA/Dコンバータ502に入力されると、その入力された直流電圧はA/Dコンバータ502によってデジタル値に変換され、入出力ポート205に出力される。これにより、可変抵抗器VR2に発生した直流電圧はデジタル値として主制御装置110に入力される。
操作つまみ122bは、入出力ポート205に入力された操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧に加える直流電圧を調整するための操作子である。操作つまみ122bには、可変抵抗器VR3と5ボルトの直流電源DC1とが設けられている。可変抵抗器VR3の一端には、5ボルトの直流電源DC1が接続され、可変抵抗器VR3の他端はグランドされている。そして、可変抵抗器VR3は、A/Dコンバータ503を介して入出力ポート205と接続されている。よって、操作つまみ122bが操作されると、可変抵抗器VR3の抵抗値が変化し、その抵抗値の変化に対応した直流電圧が可変抵抗器VR3に発生する。そして、その可変抵抗器V3に発生した直流電圧(アナログ値)がA/Dコンバータ503に入力されると、その入力された直流電圧はA/Dコンバータ503によってデジタル値に変換され、入出力ポート205に出力される。これにより、可変抵抗器VR3に発生した直流電圧はデジタル値として主制御装置110に入力される。
D/Aコンバータ504は、入出力ポート205から出力される発射印加電圧Eα(デジタル値)をアナログ値に変換し、その変換したアナログ値を発射印加電圧Eαとして発射制御装置112へ出力するデジタル−アナログ変換器である。このD/Aコンバータ504は、入力端子(デジタル入力端子)が入出力ポート205に接続され、出力端子(アナログ出力端子)が発射制御装置112に接続されている。
発射許可信号SG3が主制御装置110に入力されると、主制御装置110内のMPU201は、入出力ポート205から発射印加電圧Eα(デジタル値)、発射制御信号αおよび球送り制御信号βを発射制御装置112へ入出力ポート205を介して出力する。出力された発射印加電圧Eα(デジタル値)は、D/Aコンバータ504によりアナログ値の発射印加電圧Eαに変換され、その変換された発射印加電圧Eαおよび発射制御信号αにより、発射ソレノイド142は、遊技領域へ向けて球を発射する。また、出力された球送り制御信号βにより、球送りソレノイド151は、発射ソレノイド142のプランジャ142aの先端を覆うキャップ142b(図6参照)の前面に球を配置する。
次に、図11を参照して、発射制御装置112の電気的構成について説明する。図11は、発射制御装置112の電気的構成を示したブロック図である。
図11に示すように、発射制御装置112は、電圧供給部304と、発射ソレノイド制御部305と、球送りソレノイド制御部306とを備えて構成されている。
電圧供給部304は、発射ソレノイド142に電圧を供給する回路であり、オペアンプOP3と、ローパスフィルタF1と昇圧器であるDC−DCコンバータCV1と、32ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC3と、コンデンサCD2とによって構成されている。オペアンプOP3のマイナス入力端子(反転入力端子)とオペアンプOP3の出力端子とは短絡されているので、オペアンプOP3はバッファアンプとして機能する。オペアンプOP3のプラス入力端子(非反転入力端子)は、入出力ポート205に接続されている。
入出力ポート205から発射印加電圧Eαが出力され、その出力された発射印加電圧Eαが電圧供給部304のオペアンプOP3のプラス入力端子(非反転入力端子)に入力されると、発射印加電圧Eαは、オペアンプOP3の出力端子から、増幅度ほぼ1で出力される。
オペアンプOP3の出力端子はローパスフィルタF1の入力端子に接続されており、このローパスフィルタF1で、オペアンプOP3の出力端子から出力された直流電圧に重畳されたノイズ(高周波成分)を減少させる。ローパスフィルタF1の出力端子はDC−DCコンバータCV1の入力端子と接続されており、更には、そのDC−DCコンバータCV1には、32ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC3が接続され、その直流電源DC3からは32ボルトの直流電圧がDC−DCコンバータCV1に供給されている。よって、ローパスフィルタF1の出力端子から出力された直流電圧(信号SC1)は、DC−DCコンバータCV1によって、直流電圧Ecに昇圧される。
DC−DCコンバータCV1の出力端子には、コンデンサCD2の一端(プラス端子)が接続されており、そのコンデンサCD2の他端は、グランドされている。よって、DC−DCコンバータCV1の出力端子から出力された昇圧後の直流電圧Ecは、後述するFETスイッチSW1のドレイン端子Dとソース端子Sとの導通が遮断されているときに、コンデンサCD2に印加され、これにより、そのコンデンサCD2には、コンデンサCD2の容量とコンデンサCD2に印加された直流電圧Ecとの積により求まる電荷が蓄えられる。なお、このコンデンサCD2に蓄えられた電荷に応じて、発射ソレノイド142に電圧が印加される。
また、DC−DCコンバータCV1の出力端子には、発射ソレノイド142の一端が接続され、その発射ソレノイド142の他端には、発射ソレノイド制御部305のFETスイッチSW1のドレイン端子Dが接続されている。また、コンデンサCD2の後段であり、発射ソレノイド142の一端と他端との間にはダイオードD2が接続され、そのダイオードD2のカソードが発射ソレノイド142の一端に、ダイオードD2のアノードが発射ソレノイド142の他端に接続されている。このダイオードD2によって、発射ソレノイド142の球の発射動作後に発生する逆起電力(サージ電圧)を抑制している。
発射ソレノイド制御部305は、発射ソレノイド142のオンオフを制御するための回路であり、抵抗値が固定された抵抗R6と、ローパスフィルタF2と、シュミットトリガインバータIC1と、FETスイッチSW1と、5ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC1とによって構成されている。
ローパスフィルタF2の入力端子は、主制御装置110の入出力ポート205と接続され、その入出力ポート205とローパスフィルタF2の入力端子との間には、抵抗R6の一端が接続されている。抵抗R6の他端は直流電源DC1と接続されており、入出力ポート205がオン状態(5ボルト状態)であれば、ローパスフィルタF2の入力端子には、5ボルトが入力され、入出力ポート205がオフ状態(ゼロボルト状態)であれば、ローパスフィルタF2の入力端子は、無入力状態(ゼロボルト状態)となる。なお、入出力ポート205はオンオフを繰り返し行うので、ローパスフィルタF2の入力端子には、入出力ポート205のオンにより発生するパルス信号である発射制御信号αが入力される。
ローパスフィルタF2の入力端子に発射制御信号αが入力されると、ローパスフィルタF2で、発射制御信号αに重畳されたノイズ(高周波成分)を減少させる。ローパスフィルタF2の出力端子は、シュミットトリガインバータIC1の入力端子と接続されており、シュミットトリガインバータIC1に入力された発射制御信号αは、シュミットトリガインバータIC1で波形が整形されると共に、波形が反転され、シュミットトリガインバータIC1の出力端子から発射制御信号γとして出力される。
シュミットトリガインバータIC1の出力端子は、FETスイッチSW1のゲート端子Gと接続される。FETスイッチSW1のドレイン端子Dは、一端がDC−DCコンバータCV1に接続された発射ソレノイド142の他端およびダイオードD2のアノードと接続され、FETスイッチSW1のソース端子Sは、グランドされている。よって、FETスイッチSW1のゲート端子Gに発射制御信号γが入力されると(5ボルト状態)、FETスイッチSW1のドレイン端子Dとソース端子Sとが導通し、発射ソレノイド142には、コンデンサCD2に蓄えられた電荷によって発生する電圧E1(最大値Ecボルト)が印加される。これにより、発射ソレノイド142のプランジャ142aが突出し、発射ソレノイド142の前面に配置された球を遊技領域へ向けて発射する。なお、詳細は図12(d)にて説明するが、コンデンサCD2に蓄えられた電荷によって発射ソレノイド142に印加される電圧E1は、印加された瞬間に最大値のEcボルトとなり、時間経過と共に、その電圧値は減少する。
一方、FETスイッチSW1のゲート端子Gに発射制御信号γが入力されていないときは(ゼロボルト状態)、FETスイッチSW1のドレイン端子Dとソース端子Sとの導通は遮断され、発射ソレノイド142には電圧E1が印加されない。これにより、発射ソレノイド142のプランジャ142aは、発射ソレノイド142内部に設けられたバネ(図示せず)によって、突出状態から初期状態に戻される。
球送りソレノイド制御部306は、球送りソレノイド151のオンオフを制御するための回路であり、抵抗値が固定された抵抗R7と、ローパスフィルタF3と、シュミットトリガインバータIC2と、FETスイッチSW2と、5ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC1と、12ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC2とによって構成されている。
ローパスフィルタF3の入力端子は、主制御装置110の入出力ポート205と接続され、その入出力ポート205とローパスフィルタF3の入力端子との間には、抵抗R7の一端が接続されている。抵抗R7の他端は直流電源DC1と接続されており、入出力ポート205がオン状態(5ボルト状態)であれば、ローパスフィルタF3の入力端子には、5ボルトが入力され、入出力ポート205がオフ状態(ゼロボルト状態)であれば、ローパスフィルタF3の入力端子は、無入力状態(ゼロボルト状態)となる。なお、入出力ポート205はオンオフを繰り返し行うので、ローパスフィルタF3の入力端子には、入出力ポート205のオンにより発生するパルス信号である球送り制御信号βが入力される。
ローパスフィルタF3の入力端子に球送り制御信号βが入力されると、ローパスフィルタF3で、球送り制御信号βに重畳されたノイズ(高周波成分)を減少させる。ローパスフィルタF3の出力端子は、シュミットトリガインバータIC2の入力端子と接続されており、シュミットトリガインバータIC2に入力された球送り制御信号βは、シュミットトリガインバータIC2で波形が整形されると共に、波形が反転され、シュミットトリガインバータIC2の出力端子から球送り制御信号δとして出力される。
シュミットトリガインバータIC2の出力端子は、FETスイッチSW2のゲート端子Gと接続される。FETスイッチSW2のドレイン端子Dは、球送りソレノイド151の他端およびダイオードD3のアノードと接続され、球送りソレノイド151の一端には、ダイオードD3のカソードおよび12ボルトの直流電圧を供給する直流電源DC2が接続されている。また、FETスイッチSW2のソース端子Sは、グランドされている。よって、FETスイッチSW2のゲート端子Gに球送り制御信号δが入力されると(5ボルト状態)、FETスイッチSW2のドレイン端子Dとソース端子Sとが導通し、球送りソレノイド151には直流電源DC2から供給される12ボルトの直流電圧E2が印加される。これにより、球送りソレノイド151がオン(励磁)され、送出部材152の金属片156が球送りソレノイド151の磁界によって引っ張られ、送出部材152が上方へ回動し、球P1がホルダ部154に収容可能な状態となる(図8(a)参照)。なお、ダイオードD3によって、球送りソレノイド151のオンからオフへの切り替え時に発生するサージ電圧を抑制している。
一方、FETスイッチSW2のゲート端子Gに球送り制御信号δが入力されていないときは(ゼロボルト状態)、FETスイッチSW2のドレイン端子Dとソース端子Sとの導通は遮断され、球送りソレノイド151には直流電圧E2が印加されない。これにより、送出部材152は自重により下方へ回動し、ホルダ部154に収容されていた球P1は下側へ送り出され、発射ソレノイド142の前面に配置される(図8(c)参照)。
次に、図12を参照して、発射許可信号SG3、発射制御信号α,γと発射ソレノイド142に印加される電圧E1との関係、および球送り制御信号β,δと球送りソレノイド151に印加される直流電圧E2との関係について説明する。図12は、発射許可信号SG3、発射制御信号α,γと発射ソレノイド142に印加される電圧E1との関係および球送り制御信号β,δと球送りソレノイド151に印加される直流電圧E2との関係を示したタイミングチャートである。なお、本実施の形態においては、発射制御信号αの出力時間S1を12ms、球送り制御信号βの出力時間S2を74ms、発射制御信号αおよび球送り制御信号βの出力周期S3を602msとしている。発射制御信号αおよび球送り制御信号βの出力周期S3を602msとすることにより、発射ソレノイド142による球の発射を一分間に99.67発以下としている。
図12(a)から図12(c)に示すように、遊技者が操作ハンドル51に触れると、タッチセンサ51aがオンとなる。打ち止めスイッチ51bがオフであれば(t1時からt4時の間)、信号変換回路241から主制御装置110の入出力ポート205に入力される発射許可信号SG3がオン状態(5ボルト状態)となる。
すると、発射制御信号αが主制御装置110の入出力ポート205から発射制御装置112の発射ソレノイド制御部305へ出力周期S3毎に、出力時間S1ずつ出力される(ゼロボルト状態となる、図12(b)参照)。発射ソレノイド制御部305へ出力された発射制御信号αは、シュミットトリガインバータIC1(図11参照)によって反転され、発射制御信号γとなる(図12(c)参照)。
発射制御信号γは、FETスイッチSW1のゲート端子Gに入力される(図11参照)。これによって、FETスイッチSW1のゲート端子Gはオン状態となり(5ボルト状態)、出力時間S1の間、FETスイッチSW1のドレイン端子Dとソース端子Sとが導通される(図11参照)。
図12(d)に示すようにFETスイッチSW1のドレイン端子Dとソース端子Sとが導通されると、コンデンサCD2に蓄えられた電荷が電圧E1として、発射ソレノイド142に印加される(図11参照)。これにより、発射ソレノイド142のプランジャ142aが突出し、発射ソレノイド142の前面に配置された発射レール143上の球を遊技領域へ向けて発射する(図6参照)。なお、出力時間S1経過後は、発射制御信号αはオフ状態となるので(5ボルト状態)、発射制御信号γもオフ状態となる(ゼロボルト状態)。そして、発射制御信号γがオフ状態となることによって、FETスイッチSW1のゲート端子Gもオフ状態となり(ゼロボルト状態)、FETスイッチSW1のドレイン端子Dとソース端子Sとの導通は遮断される(図11参照)。これにより、発射ソレノイド142のプランジャ142aは、発射ソレノイド142内部に設けられたバネ(図示せず)によって、突出状態から初期状態に戻される(図6参照)。
発射ソレノイド142に印加される電圧E1は、t1,t2,t3の各時に最大値であるEcとなり、コンデンサCD2に蓄えられた電荷の減少に伴い、発射ソレノイド142に印加される電圧E1は減少する(図12(d)参照)。なお、コンデンサCD2に印加される電圧Ecは、発射ソレノイド142に印加される電圧E1のt1,t2,t3の各時における最大電圧値である。
遊技者が操作ハンドル51から手を離すと発射許可信号SG3がオフ状態となり(図12(a)のt4時以降、遊技者が操作ハンドル51に触れている場合で、打ち止めスイッチ51bがオンである場合も含む)、主制御装置110の入出力ポート205からは発射制御信号αは出力されず、発射ソレノイド142にも電圧E1は印加されない。よって、発射ソレノイド142のプランジャ142aは突出されず、初期状態のままである(図6参照)。
図12(e)及び図12(f)に示すように、発射許可信号SG3がオン状態のときには、球送り制御信号βが主制御装置110の入出力ポート205から発射制御装置112の球送りソレノイド制御部306へ出力周期S3毎に、出力時間S2ずつ出力される(ゼロボルト状態となる)。球送りソレノイド制御部306へ出力された球送り制御信号βは、シュミットトリガインバータIC2(図11参照)によって反転され、球送り制御信号δとなる(図12(f)参照)。
球送り制御信号δは、FETスイッチSW2のゲート端子Gに入力される(図11参照)。これによって、FETスイッチSW2のゲート端子Gはオン状態となり(5ボルト状態)、出力時間S2の間、FETスイッチSW2のドレイン端子Dとソース端子Sとが導通される(図11参照)。
図12(g)に示すように、FETスイッチSW2のドレイン端子Dとソース端子Sとが導通されると、直流電源DC2によって直流電圧E2(12ボルト)が、球送りソレノイド154に印加される(図11参照)。これにより、球送りソレノイド154がオン状態となり(励磁状態)、送出部材152の金属片156が球送りソレノイド154の磁界によって引っ張られる。これにより、送出部材152が上方へ回動し、球をホルダ部154へ収容可能な状態となる(図8(a)参照)。なお、出力時間S2経過後は、球送り制御信号βはオフ状態となるので(5ボルト状態)、球送り制御信号δもオフ状態となる(ゼロボルト状態)。そして、球送り制御信号δがオフ状態となることによって、FETスイッチSW2のゲート端子Gもオフ状態となり(ゼロボルト状態)、FETスイッチSW2のドレイン端子Dとソース端子Sとの導通は遮断される(図11参照)。これにより、送出部材152は自重により下方へ回動し、ホルダ部154に収容されていた球は発射レール143へ送られ、発射ソレノイド142の前面に配置される(図8(c)参照)。
このように、球送り機構144は、ホルダ部154に球を受ける(収容する)ことが可能な期間(球受け期間)と、ホルダ部154に受けた球を発射ソレノイド142へ送ることが可能な期間(球送り期間)とが交互に切り替わる。
図12(h)に示すように、案内機構145(図7(a)参照)は、発射許可信号SG3がオン状態であって、球送り制御信号βが5vに立ち下がってから440m秒経過していない場合には(回収期間S4の期間内である場合には)、案内モータ162が一方向(図7(a)時計回り方向)への回転駆動を開始する。これにより、案内機構145は、通常状態から回収状態(図7(a)に示す状態から図7(b)に示す状態)へ移行する。なお、案内機構145は、通常状態から回収状態への移行を開始してから終了するまでに3m秒かかるものとする。
案内機構145が回収状態への移行を完了してから74m秒間、案内機構145は回収状態のままが維持され、回収状態への移行が終了してから74m秒経過すると、案内モータ162は、他方向への回転駆動を開始する。これにより、案内機構145は、回収状態から通常状態へ移行する。なお、案内機構145は、回収状態から通常状態への移行を開始してから完了するまでに3m秒かかるものとする。
このように、案内機構145は、通常状態から回収状態の移行を開始した後、回収状態から通常状態へ復帰を終了する一連の球回収処理を実行するのに80m秒を要する。
案内機構145が一連の球回収処理を実行した結果、球が回収通路148c(図8(e)参照)を通過し、その球の通過を回収センサ167(図8(e)参照)が検知した場合には、球の回収が完了したと判断されるので、それ以降の球回収処理が中止される。
一方、案内機構145が一連の球回収処理を実行したときに回収センサ167が球を検知しなかった場合には、再度、一連の球回収処理が実行される。
この場合、新たに通常状態から回収状態への移行を開始しようとする時点で、球送り制御信号βが5vに立ち下がってから440m秒経過していない場合には(回収期間S4の期間内である場合には)、案内モータ162は一方向(図7(a)時計回り方向)への回転駆動を開始する。これに対し、球送り制御信号βが5vに立ち下がってから440m秒経過している場合には(回収期間S4の期間外である場合には)、新たな球回収処理を開始せず、通常状態のままが維持され、次に球送り制御信号βが0vに立ち下がってから再度5vに立ち上がった後、球回収処理を再開する。
なお、図12(h)では、t2時からt3時までの間に案内機構145による一連の球回収処理を1度実行し、球の回収が完了した場合のタイミングチャートを実線で示し、1度の球回収処理で球の回収が完了せず、球回収処理を再実行した場合のタイミングチャートを破線で示している。
また、本実施の形態では、案内機構145は、球送り制御信号βが0vに立ち下がってから、10m秒のインターバルを空けた後に案内モータ162を駆動し、通常状態から回収状態への移行を開始している。
即ち、送出部材152が下方へ回動すると、ホルダ部154に収容された球が転動し、発射レール143へ送られる。この球が発射レール143へ送られる前に案内機構145の通常状態から回収状態への移行を開始させると、発射レール143側へ転動しようとする球が回収側誘導部166と干渉する。
これに対し、案内機構145は、球送り制御信号βが0vに立ち下がってから10m秒のインターバルを空けた後に案内モータ162を駆動させる。ホルダ部154に収容された球が発射レール143へ送られた後、案内機構145は通常状態から回収状態への移行を開始するので、球と回収側誘導部166との干渉を回避できる。
発射許可信号SG3がオフ状態のときには(図12(a)のt4以降)、主制御装置110の入出力ポート205からは球送り制御信号βは出力されず、球送りソレノイド151にも直流電圧E2(12ボルト)は印加されない。よって、送出部材152は上方へ回動されず、自重により下方へ回動したままの状態(図8(c)に示す状態)となる。
また、案内機構145は、発射許可信号SG3がオフ状態のときには球回収処理の実行が行われず、通常状態(図8(c)に示す状態)のまま維持される(図12(h)のt4以降)。
なお、発射制御装置112には、発射ソレノイド151及び球送りソレノイド152の出力周期を管理する発射制御タイマ(図示せず)が設けられている。払出制御装置111は、発射制御タイマのデータを取得し、その取得したデータに基づいて案内機構146(案内モータ162)に関する制御を行っている。
ここで、発射ソレノイド142が球の発射を開始するタイミングと球送りソレノイド151が球の球送りを開始するタイミングとは同時であるが、発射ソレノイド142が球を発射するタイミングと、球送りソレノイド151によって発射ソレノイド142の前面へ球が配置されるタイミングとは同時とはならない。この理由について説明する。
球送りソレノイド151の動作を制御する球送り制御信号βの出力時間S2は74msであり、発射ソレノイド142の動作を制御する発射制御信号αの出力時間S1である12msに比べて長く設定されている。これは、球送りソレノイド151が球の球送りを開始して、球送り機構144のホルダ部154に収容された球が下方へ送り出されるまでの時間は、発射ソレノイド142が球の発射を完了するまでの時間と比較して長い時間が必要であることを意味している。この時間差によって、発射ソレノイド142が球の発射を開始するタイミングと同時のタイミングで球送りソレノイド151が球送りを開始した球は、予め発射ソレノイド142の前面に配置されている球の発射を発射ソレノイド142が完了した後に、発射ソレノイド142の前面に配置されることとなる。よって、発射ソレノイド142が球の発射を開始するタイミングと、球送りソレノイド151が球送りを開始するタイミングが同時であっても、発射ソレノイド142の球の発射と、発射ソレノイド142の前面への球の配置とは同時にはならず、発射ソレノイド142による球の発射と球送りソレノイド151による球送りとは交互に行われる。
なお、案内機構145による球の回収処理は、球送りソレノイド151がオフとなった状態(球送り制御信号βが5vに立ち上がった状態)であって、最後に球送り制御信号βが5(v)に立ち上がってから(球送りソレノイド151がオフになってから)440m秒経過していない場合に実行される。
即ち、球送りソレノイド151がオンとなっている間、送出部材152は上方へ回動した状態となり、ホルダ部154へ球を収容することが可能になる。換言すると、球送りソレノイド151がオンとなっている間に球がホルダ部154に収容されないと、次に球送りソレノイド151がオフとなって送出部材152が下方へ回動したときに発射レール143に球を送ることができず、その結果、発射ソレノイド142による球の発射間隔が空く、といった不具合が発生する(図6参照)。
これに対し、案内機構145の回収状態から通常状態への移行を新たに開始しようとする時点において、最後に球送りソレノイド151がオフとなってから回収期間S4が経過している場合(回収期間S4の期間外である場合)には、次に球送りソレノイド151がオンとなるまでの残余時間が短く、回収処理が終了し通常状態に復帰した時点において、球をホルダ部154へ案内するために必要な時間を確保することできないと判断し、案内機構145による球の回収処理を中止する。
即ち、上記したように、一連の球回収処理を実行するのに80m秒かかる。球送りソレノイド151は、602m秒周期でオフ状態からオンへ切り替わり、オン状態から74m秒経過後にオン状態からオフへ切り替わることから、球送りソレノイド151がオフになった時点(球送り制御信号が5vに立ち上がった時点)で、次に球送りソレノイド151がオンとなるまで(次に球送り制御信号βが0vに立ち下がるまで)の残余時間が528m秒となる。そこから更に440m秒経過すると、残余時間が88m秒となり、この時点で新たに球の回収処理を開始すると、回収処理が終了した時点で、次に球送りソレノイド151がオンとなるまでの残余時間が8m秒となる。本実施の形態では、球送りソレノイド151がオンに切り替わったとき(球送り制御信号βが5vに立ち下がったとき)球をホルダ部154(図8(a)参照)に確実に収容するためには、案内機構145が通常状態を少なくとも8m秒以上維持する必要があると想定し、球送り制御信号βが最後に5vに立ち上がってから440m秒経過している場合には、新たな球回収処理の開始を中止している。
これにより、球を案内してホルダ部154へ収容させるための時間を確保することができる。よって、次に球送りソレノイド151がオンとなってから再度オフとなるまでの間に球をホルダ部154へ確実に収容できる。
このように、新たに球回収処理を開始する時点、即ち、案内機構145の通常状態から回収状態への移行を開始しようとする時点において、最後に球送り制御信号βが0vから5vに立ち上がってから440m秒が経過している(回収期間S4の期間外である)場合には、新たな回収処理の開始を中止する。よって、球回収処理を実行することに起因して発射ソレノイド142による球の発射間隔が空く、といった不具合の発生を防止することができる。
また、案内機構145を通常状態から回収状態へ移行し、回収状態から通常状態へ復帰させる一連の球回収処理を行った後、回収センサ167が球を検知せず、球の回収ができなかった場合には、再度、球の回収処理を実行するので、回収すべき球の回収を確実に行うことができる。
次に、図13を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図13は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図13(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図13(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された花びら形状の1種類の副図柄とにより構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にお守り、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。ここで、高確率状態とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動(確変)の時をいう。また、通常状態(低確率状態)とは、確変でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。
図13(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出やキャラクタを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmには、左・中・右の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、前述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配列されている。このため、各図柄列には、10個の主図柄と10個の副図柄の計20個の第3図柄が設定され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。この主表示領域Dmには、5つの有効ライン、即ち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、更に左右方向に3つの予告領域Ds1〜Ds3に等区分されている。ここで、左右の予告領域Ds1,Ds3は、ソレノイド(図示せず)で電気的に開閉される両開き式の不透明な扉で通常覆われており、時としてソレノイドが励磁されて扉が手前側に開放されることにより遊技者に視認可能となる表示領域となっている。中央の予告領域Ds2は、扉で覆い隠されずに常に視認できる表示領域となっている。
図13(b)に示すように、実際の表示画面では、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄と副図柄とが合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左右の扉が閉鎖された状態となっており、左右の予告領域Ds1,Ds3が覆い隠されて表示画面が視認できない状態となっている。変動表示の途中において、左右のいずれか一方、または両方の扉が開放されると、左右の予告領域Ds1,Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の予告領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。なお、第3図柄表示装置81の表示画面は、原則として上下の表示領域Dm,Dsに区分されているが、各表示領域Dm,Dsを跨いでより大きく第3図柄やキャラクタ等を表示して表示演出を行うことができる。
次に、主制御装置110に設けられるカウンタ等について説明する。まず、図14を参照して、各種カウンタの概要について説明する。図14は、各種カウンタの概要を示す図である。主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
図14に示すように、特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図20参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図32参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、特別図柄の保留球を記憶するための4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、特別図柄の特別図柄保留球実行エリアが設けられている。特別図柄保留球格納エリア203aの各エリアには、始動口(第1始動口64、第2始動口640)への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2の各値がそれぞれ格納される。
また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかのスルーゲート67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
ここで、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1(図10参照)の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図20参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図32参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が始動口に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される特別図柄大当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この特別図柄大当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。なお、特別図柄の高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルと、特別図柄の低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が始動口に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となり、その大当たり種別を示す表示態様が大当たり図柄として第1図柄表示装置37に表示される。本実施形態では、大当たり種別は、「大当たりA」と「大当たりB」との2種類が設定されており、第1当たり種別カウンタC2によって、「大当たりA」又は「大当たりB」のいずれか1つが決定される。そして、その大当たり種別を示す表示態様が大当たり図柄として第1図柄表示装置37に表示される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は1個であり、その乱数値である「7」は、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/300」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は10個あり、その値である「0〜9」は、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が10なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/30」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図示しない大当たり種別選択テーブルに設定される、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜59」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」、乱数値が「60〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、2種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB)が決定されるように構成されている。尚、第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、特別図柄の大当たり種別を決定するための乱数値は、特別図柄大当たり種別テーブル202bにより設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図23参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202dは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかのスルーゲート67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される普通当たり乱数テーブル202cによって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、普通当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この普通当たり乱数テーブル202cは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。さらに、普通図柄の当たりの種別は、通常当たりと長時間当たりとが設定されており、それぞれ第2当たり乱数カウンタC4の値が設定されている。
ここで、普通図柄の通常当たりは、通常遊技状態(低確率遊技状態)、大当たり遊技状態では、0.2秒の開放時間で電動役物640aが開放状態に作動される動作が、1回実行される当たりである。また、時短中、確変期間においては、2秒間の開放時間で電動役物640aが開放状態に作動される動作が、2回繰り返される当たりである。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜20」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示され、第2始動口640が「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2始動口640が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通当たり乱数テーブル202cに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球がスルーゲート67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2始動口640に付随する電動役物640aが「2秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、電動役物640aの開放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、第2始動口640へ球が入球し易い状態となる。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第2始動口640が「2秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図20参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図32参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
次に、図15及び図16を参照して、主制御装置110におけるROM202及びRAM203について説明する。図15(a)は、主制御装置110におけるROM202の内容の一部を模式的に表した模式図であり、図15(b)は、主制御装置110におけるRAM203の内容の一部を模式的に示した模式図である。図16(a)は、主制御装置110における特別図柄大当たり乱数テーブル202aの内容を模式的に示した模式図であり、図16(b)は、主制御装置110における大当たり種別選択テーブル202bの内容を示した模式図であり、図16(c)は、主制御装置110における普通当たり乱数テーブル202cの内容を模式的に示した模式図である。
図15(a)に示すように、ROM202の作業エリアには、上記した特別図柄大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別選択テーブル202b、普通あたり乱数テーブル203c及び変動パターン選択テーブル202dの他、倍率決定テーブル202eと、オフセット電圧決定テーブル202fとが設けられている。
倍率決定テーブルメモリ202eは、入出力ポート205に入力された可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍する倍率を決定するものである。操作つまみ122aの可変抵抗器VR2に発生している直流電圧が主制御装置110内のMPU201に読み込まれると、その直流電圧に応じて、MPU201は、可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍する倍率を倍率決定テーブル202eによって決定する。
ここで、図17を参照して、倍率決定テーブル202eについて説明する。図17は、倍率決定テーブル202eの内容を示した図である。倍率決定テーブル202eは、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍する比率を、可変抵抗器VR2に発生している電圧に応じてMPU201によって決定するためのテーブルである。
倍率決定テーブル202eには、可変抵抗器VR2に発生している電圧の変化(ゼロボルトから5ボルトまで)に応じて、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している直流電圧を正の実数倍する倍率がゼロ倍から2.0倍まで設定されている。
例えば、可変抵抗器VR2に発生している直流電圧が、例えばゼロボルトであれば、MPU201は、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍する倍率を「ゼロ」に決定する。操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍する倍率が「ゼロ」に決定されると、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧は、ゼロ倍される。即ち、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍した電圧はゼロボルトとなる。
また、可変抵抗器VR2に発生している直流電圧が、例えば5.0ボルトであれば、MPU201は、該立ち上げ処理のS1402の処理で、操作ハンドル51に内蔵された可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍する倍率を「2.0」に決定する。操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍する倍率が「2.0」に決定されると、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧は、2.0倍される。
なお、入出力ポート205から発射制御装置400へ出力される発射印加電圧Eαは、ゼロボルトから5.0ボルトの設定であるので、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍すると5.0ボルトを超える場合には、正の実数倍する倍率に拘らず、MPU201は、発射印加電圧Eαを5.0ボルトに設定して入出力ポート205から発射制御装置400へ出力する。
次に、図18を参照して、オフセット電圧決定テーブル202fについて説明する。図18は、オフセット電圧決定テーブル202fの内容を示した図である。オフセット電圧決定テーブル202fは、入出力ポート205に入力された可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍した電圧に加える直流電圧(以下、「オフセット電圧」と称す)を決定するものである。操作つまみ122bの可変抵抗器VR3に発生している直流電圧が主制御装置110内のMPU201に読み込まれると、その直流電圧に応じて、MPU201は、可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍した電圧に加えるオフセット電圧をオフセット電圧決定テーブル202fによって決定する(図15参照)。
図18に示すように、オフセット電圧決定テーブル202fは、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍した電圧に加えるオフセット電圧を、可変抵抗器VR3に発生している電圧に応じてMPU201によって決定するためのテーブルである。
オフセット電圧決定テーブル202fに記憶されたオフセット電圧決定テーブルには、可変抵抗器VR3に発生している電圧の変化(ゼロボルトから5ボルトまで)に応じて、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍した電圧に加えるオフセット電圧が−2.8ボルトから+2.8ボルトまで設定されている。
例えば、可変抵抗器VR3に発生している直流電圧がゼロボルトであれば、MPU201は、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍した電圧に加えるオフセット電圧を「−2.8ボルト」に決定する。操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍した電圧に加えるオフセット電圧が「−2.8ボルト」に決定されると、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍した電圧に「−2.8ボルト」が加えられる。
また、可変抵抗器VR3に発生している直流電圧が2.5ボルトであれば、MPU201は、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍した電圧に加えるオフセット電圧を「ゼロボルト」に決定する。操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍した電圧に加えるオフセット電圧が「ゼロボルト」に決定されると、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍した電圧に「ゼロボルト」が加えられる。即ち、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍した電圧に何も加えられない。
更に、可変抵抗器VR3に発生している直流電圧5.0ボルトであれば、MPU201は、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍した電圧に加えるオフセット電圧を「2.8ボルト」に決定する。操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍した電圧に加えるオフセット電圧が「2.8ボルト」に決定されると、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍した電圧に「2.8ボルト」が加えられる。
なお、前述した通り、入出力ポート205から発射制御装置112へ出力される発射印加電圧Eαは、ゼロボルトから5.0ボルトの設定であるので、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍した電圧にオフセット電圧を加えると5.0ボルトを超える場合には、オフセット電圧に拘らず、MPU201は、発射印加電圧Eαを5.0ボルトに設定して入出力ポート205から発射制御装置112へ出力する。
図15(b)に示すように、主制御装置110におけるRAM203は、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、時短中カウンタ203eと、確変フラグ203fと、残回収球数カウンタ203gと、アウト球カウンタ203hと、回収フラグ203iと、未回収フラグ203jと、倍率メモリ203kと、オフセット電圧メモリ203lと、その他メモリエリア203zとを有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、特別図柄に対する1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が始動口(第1始動口64、第2始動口640)へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかのスルーゲート67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、始動口(第1始動口64又は第2始動口640)の入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、始動口へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図21のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図21のS206,図23のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ203bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図25のS704参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図24のS605参照)。
球が左右何れかのスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図25のS705)。一方、球が左右何れかのスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図25のS703:No)。
時短中カウンタ203eは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203eの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、特別図柄の大当たりと判定される度に、その大当たり種別に応じた値が設定される。即ち、特別図柄の大当たりになった場合には、時短中カウンタ203eの値が幾つであるかに関わらず、大当たり種別に応じた値が新たに設定される。
確変フラグ203fは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すフラグである。確変フラグ203fがオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変フラグ203fがオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。
残回収球数カウンタ203gは、払出装置133(図3参照)から払い出された球から、消費税相当分として回収すべき球の残数を示すカウンタである。この残回収球数カウンタ203gは、回収センサ167(図8(e)参照)によって、1の球が回収通路148c(図8(e)参照)を通過したことを検知される毎に、残回収球数カウンタ203gの値が1減算される(図29のS1024)。そして、残回収球数カウンタ203gの値が0となると、回収すべき球数の回収が全て完了したものとし、新たな貸球払出要求信号SG4を受信するまでの間、球回収処理を停止する。
アウト球カウンタ203hは、遊技領域に発射された球の個数を記憶するカウンタである。本実施の形態では、遊技領域に向けて発射された後に遊技領域から排出されたアウト球の数が一定数以上(本実施の形態では13個以上)に到達した場合に、案内モータ162を駆動して案内部材161を回動させ、球を1個回収する回収処理を実行するように払出制御装置111に対して指示する。
ここで、発射ソレノイド142が励磁された回数に基づいて遊技領域に発射された球数をカウントする場合には、遊技に使用されずに戻り球として返却された球数を、発射ソレノイド142が励磁された回数から差し引く必要がある。
これに対し、本実施の形態では、アウト球数を遊技領域に発射された球数としてカウントするので、上記のような戻り球を考慮する必要がない分、球の回収に関する制御を簡素化してコスト削減を図ることができる。
なお、アウト球数は、遊技機の稼働状況を表す外部情報として従来から主制御装置110のRAM203内でカウントされている。アウト口66や一般入賞口63等(図1参照)を通じて遊技領域から排出されたアウト球は集約され、その集約されたすべてのアウト球が図示しない排出通路を通過する。排出通路には、その排出通路を通過した球を検知するアウト球検知センサ(図示せず)を設けられており、アウト球カウンタ203hは、そのアウト球検知センサに検知された球数をカウントする。よって、アウト球を検知するための新たな装置を設ける必要がないので、コストの抑制を図ることができる。また、本実施の形態では、パチンコ機10の稼働状況を表す外部情報は、アウト球数に消費税相当分として回収された球数を加えたものを当該情報として出力する。
回収フラグ203iは、球の回収の実行を示すフラグであり、球を回収する必要があるときには、回収フラグ203iはオンとなり(図28、S1008、図29、S1027)、払出制御装置111に球回収コマンドを送信した(図28、S1011)後、回収フラグ203iはオフとなる(図28、S1012)。
未回収フラグ203jは、球の回収が完了したか否かを示すフラグであり、主記憶装置110が払出制御装置111へ球回収コマンドを送信したとき(図28のS1011)に未回収フラグ203jはオンとなり(図28のS1013)、主記憶装置110が払出制御装置111から球回収完了コマンドを受信したとき(図29のS1022:Yes)に、未回収フラグ203jはオフとなる(図29のS1023)。
倍率メモリ203kは、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍する倍率がMPU201によって決定されると、その決定された倍率を記憶するメモリである。操作つまみ122aの可変抵抗器VR2に直流電圧が発生し、その発生した直流電圧が、立ち上げ処理のS1213の処理(図31参照)で主制御装置110内のMPU201に読み込まれると、その読み込まれた直流電圧に応じて、MPU201は、立ち上げ処理のS1214の処理で、可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍する倍率を倍率決定テーブル202e(図17参照)によって決定する。この決定された正の実数倍する倍率が倍率メモリ203kに記憶される。
オフセット電圧メモリ203lは、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍した電圧に加えるオフセット電圧がMPU201によって決定されると、その決定されたオフセット電圧を記憶するメモリである。操作つまみ122bの可変抵抗器VR3に直流電圧が発生し、その発生した直流電圧が、立ち上げ処理のS1215の処理(図31参照)で主制御装置110に読み込まれると、その読み込まれた直流電圧に応じて、MPU201は、立ち上げ処理のS1216の処理で、可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍した電圧に加えるオフセット電圧をオフセット電圧決定テーブル202f(図18参照)によって決定する。この決定されたオフセット電圧がオフセット電圧メモリ203lに記憶される。
次に、図19を参照して、音声ランプ制御処理におけるROM222及びRAM223について説明する。図19(a)は、音声ランプ制御装置におけるROM222の内容の一部を模式的に示した模式図であり、図19(b)は、音声ランプ制御装置におけるRAM223の内容の一部を模式的に示した模式図である。
図19(a)に示すように、音声ランプ制御装置113のROM222には、変動パターン選択テーブル222aが格納されている。
図19(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、特別図柄保留球数カウンタ223a、普通図柄保留球数カウンタ223b、変動開始フラグ223c、停止種別選択フラグ223d、その他メモリエリア223zが少なくとも設けられている。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図31参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)を制御するものである。
<主制御装置110の制御処理について>
次に、図20から図32のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図20は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C2、C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、その後、始動口(第1始動口64、第2始動口640)への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図21から図23を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、スルーゲート67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図24及び図25を参照して後述する。
スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御装置112に電圧を出力する発射制御処理を実行し(S108)、発射制御信号α及び球送り制御信号βの出力を行う制御信号処理(S109)を実行する。尚、発射制御処理(S108)、及び、制御信号処理(S109)の詳細は、図26及び図27を参照して後述する。
制御信号処理(S109)を実行した後は、球を回収する必要がある場合に払出制御装置111に球回収処理を実行させる球回収制御処理(S110)を実行し、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S111)、タイマ割込処理を終了する。なお、球回収制御処理(S110)の詳細は、図28及び図29を参照して後述する。
次に、図21を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図21は、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図20参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。S207の処理が実行された後には、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図22を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S210)。停止図柄の設定は、図22を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たり種別が決定される。
尚、本実施形態では、「大当たりA」になる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、「大当たりB」になる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S211)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S211:Yes)、大当たり設定処理を実行する(S212)。
S211の処理において、今回の抽選結果が大当たりでなければ(S211:No)、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S213)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S213:Yes)、時短中カウンタ203eの値を1減算して(S214)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば(S213:No)、S214の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図22を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図22は、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図20参照)の特別図柄変動処理(図21参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理(S208)では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2の各値を取得する(S301)。
次に、現在、遊技状態が確変期間中(高確率遊技状態)であるか判別する(S302)。なお、確変期間であるか否かの判断は、図示を省略した確変フラグ203fがオンであるか判別することにより実行される。この確変フラグ203fは、特定図柄に基づく大当たり遊技が終了したことに基づいて、オンに設定される。一方、特定図柄に基づく大当たり遊技の開始に基づいて、オフに設定される。
確変中であると判別された場合は(S302:Yes)、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるので、S303の処理に移行する。S303の処理では、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている10の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜9」の10個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であると判別した場合には(S302:No)、S304の処理を実行する。S304の処理では、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「7」の1個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
S305の処理では、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別に応じて第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、テーブル等により予め規定されている。
なお、変動パターンにおいて、主制御装置110では、当否判定結果を報知する第3図柄の変動時間を決定し、音声ランプ制御装置113に対して通知する。音声ランプ制御装置113では、その変動時間と当否判定結果に従い、実際に第3図柄表示装置81に表示する変動表示態様の内容(変動パターン)を決定する。主制御装置110では、外れリーチの表示態様であっても、音声ランプ制御装置113では、リーチ表示態様としない外れの表示態様に同じ変動時間であれば切り替えることもできるように構成されている。これにより、多様な表示態様を表示させることができ、演出を多様化することができる。
S305の処理において、特別図柄の外れである判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、特別図柄保留球格納エリア203aまたは特別図柄2保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS1の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示する変動時間(変動パターン)を設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S308の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動時間を決定する。
次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、S307又はS309の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図23参照)のS1101の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S311の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図23を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図23は、主制御装置110のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図18参照)の中で実行され、始動口(第1始動口64、第2始動口640)への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が始動口に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、始動口への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が始動口に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、始動口への入賞がないか(S401:No)、或いは、始動口への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S403:No)、本処理を終了する。一方、始動口への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す特別図柄の保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図32参照)の外部出力処理(S1101)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223aに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S406)、この処理を終了する。尚、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図24を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図24は、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図20参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第2始動口640に付随する電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S606)。S606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定する(S608)。尚、時短中カウンタ203eは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203eの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203eの値が1以上である場合は(S608:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S609)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S609:Yes)、S611の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。
これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特定入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第2始動口640に付随する電動役物640aが開放されて、特定入賞口65aに入球させようとした球が、第1始動口64に入ることをできるだけ抑制するためである。尚、特定入賞口65aは、第1始動口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第2始動口640に球が入ることを抑制していても、第1始動口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1始動口64及び第2始動口640についての保留球数は最大(4回)になる。
S609の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S609:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなく、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S610)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する。
S608の処理において、時短中カウンタ203eの値が0である場合は(S608:No)、S611の処理へ移行する。S611の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S611)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜20」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,21〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する。
次に、S610またはS611の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S612)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S612:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S613)。このS613の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S614)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S614:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S615)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S615:Yes)、S617の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第2始動口640に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物640aの開放回数および開放時間が設定される。
S615の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S615:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第2始動口640に付随する電動役物640aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S616)、S619の処理へ移行する。S614の処理において、時短中カウンタ203eの値が0である場合は(S614:No)、S617の処理へ移行する。S617の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S617)、S619の処理へ移行する。
S615の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S615:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第2始動口640に付随する電動役物640aの開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S616)、S619の処理へ移行する。S614の処理において、時短中カウンタ203eの値が0である場合は(S614:No)、S617の処理へ移行する。S617の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、電動役物640aの開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S617)、S619の処理へ移行する。
S612の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S612:No)、外れ時の表示態様を設定する(S618)。このS618の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S619の処理へ移行する。
S619の処理では、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S619)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S619:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S620)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば(S619:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S621)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第2始動口640の開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2始動口640へ球が入球し易い状態となる。
S602の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S622)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S620の処理またはS621の処理によって予め設定された時間である。
S622の処理において、変動時間が経過していなければ(S622:No)、本処理を終了する。一方、S622の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S622:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S623)。S623の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S618の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S623の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図32参照)の第2図柄表示更新処理(S1107参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S613の処理またはS618の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S624)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S624:Yes)、第2始動口64に付随する電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S625)、本処理を終了する。S625の処理によって、電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図32参照)の電動役物作動処理(S1305参照)において電動役物640aの開閉処理が実行された場合に、その電動役物640aの開閉制御が開始され、S616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物640aの開閉制御が継続される。一方、S624の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S624:No)、S625の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図25を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図25は、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図20参照)の中で実行され、スルーゲート67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球がスルーゲート67を通過したか否かを判定する(S701)。ここでは、スルーゲート67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球がスルーゲート67を通過したと判定されると(S701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
球がスルーゲート67を通過していないか(S701:No)、或いは、球がスルーゲート67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S703:No)、S706の処理へ移行する。一方、球がスルーゲート67を通過し(S701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S704)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S705)。尚、S705の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図26を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される発射制御処理(S108)について説明する。図26は、主制御装置110内のMPU201により実行される発射制御処理を示したフローチャートである。発射制御処理(S108)は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを行う。
図26に示すように、発射制御処理(S108)では、まず発射制御装置112内の信号変換回路241から出力される発射許可信号SG3の入力があるか否かを判別し(S801)、発射許可信号SG3の入力がなければ(S801:No)、操作ハンドル51から手が離れているか、或いは、打ち止めスイッチ51bが押されていると判断されるので、本処理をを終了する。
一方、発射許可信号SG3が入力されていれば(S801:Yes)、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を読み込み(S802)、ROM203の倍率メモリ203kに記憶された正の実数倍する倍率に基づいて、読み込んだ可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍する(S803)。
S803の処理実行後、ROM203のオフセット電圧メモリ203lに記憶されたオフセット電圧に基づいて、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍した電圧にオフセット電圧を加え(S804)、そのオフセット電圧を加えた電圧を発射印加電圧Eαとして発射制御装置112に出力し(S805)、この発射制御処理(S108)を終了する。
この発射制御処理(S108)により、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍し、その正の実数倍した電圧にオフセット電圧を加えて発射印加電圧Eαとし、その発射印加電圧Eαを発射制御装置112に出力することができる。
次に、図27を参照して、制御信号処理(S109)について説明する。図27は、主制御装置110内のMPU201により実行される制御信号処理を示したフローチャートである。制御信号処理(S109)は、MPU201が発射制御装置112の発射ソレノイド制御部305へ発射制御信号αを入出力ポート205から出力し、発射制御装置112の球送りソレノイド制御部306へ球送り制御信号βを入出力ポート205から出力する(図11参照)。
図27に示すように、制御信号処理(S109)では、まず、発射制御装置112から出力される発射許可信号SG3の入力があるか否かを判別し(S901)、発射許可信号SG3が入力されていれば(S901:Yes)、発射制御信号αはゼロボルトであるか否か、即ち、発射制御信号αが出力されているか否かを判別する(S902)。
発射制御信号αがゼロボルトでなければ、即ち、発射制御信号αが出力されていなければ(S902:No)、発射制御信号αがゼロボルトに立ち下がった時、即ち、発射制御信号αが出力された時から602m秒以上経過したか否かが判別される(S903)。
発射制御信号αがゼロボルトに立ち下がった時、即ち、発射制御信号αが出力された時から602m秒以上経過していれば(S903:Yes)、発射制御信号αおよび球送り制御信号βを立ち下げる周期、即ち、発射制御信号αおよび球送り制御信号βを出力する周期となっているので、発射制御信号αをゼロボルトにして(S904)、球送り制御信号βをゼロボルトにする(S905)。このS904およびS905の処理によって、発射制御信号αおよび球送り制御信号βが発射制御装置112へ出力される。S905の処理後、S908の処理に移行する。
一方、発射制御信号αがゼロボルトに立ち下がった時、即ち、発射制御信号αが出力された時から602m秒以上経過していなければ(S903:No)、発射制御信号αおよび球送り制御信号βを立ち下げる周期、即ち、発射制御信号αおよび球送り制御信号βを出力する周期ではないので、現在の発射制御信号αおよび球送り制御信号βの出力状態を保ったまま、次の処理であるS908の処理に移行する。
S901の処理で発射許可信号SG3が入力されていない場合(S901:No)およびS902の処理で発射制御信号αがゼロボルト、即ち、発射制御信号αが出力されている場合には(S902:Yes)、発射制御信号αがゼロボルトに立ち下がった時、即ち、発射制御信号αが出力された時から12m秒以上経過したか否かが判定される(S906)。
なお、発射許可信号SG3が入力されていない場合(S901:No)にも、発射制御信号αがゼロボルトに立ち下がった時、即ち、発射制御信号αが出力された時から12m秒以上経過したか否かが判定されるのは(S906)、発射制御信号αがゼロボルトに立ち下がった時から12m秒以上経過していないときに、発射許可信号SG3の入力が無くなっても、発射制御信号αの出力時間である12m秒の間は、発射制御信号αをゼロボルトに保つ、即ち、発射制御信号αの出力を継続するためである。このS901とS906の処理により、発射制御信号αがゼロボルトに立ち下がった時から12m秒以上経過していないときに、遊技者が操作ハンドル51から手を離しても(発射許可信号SG3の入力が無くなっても)、発射制御信号αは出力時間である12m秒の間、正常に出力される(ゼロボルトに保たれる)。
発射制御信号αがゼロボルトに立ち下がった時(発射制御信号αが出力された時)から12m秒以上経過していれば(S906:Yes)、発射制御信号αの出力時間S1である12m秒を経過しているので、発射制御信号αを5ボルトにする(S907)。このS907の処理により、発射制御信号αの出力が停止される。S907の処理後、S908の処理に移行する。
一方、発射制御信号αがゼロボルトに立ち下がった時(発射制御信号αが出力された時)から12m秒以上経過していなければ(S906:No)、発射制御信号αの出力時間S1内であるので、発射制御信号αの出力状態を保ったまま、次の処理であるS908の処理に移行する。
S908の処理では、球送り制御信号βはゼロボルトであるか否か、即ち、球送り制御信号βが出力されているか否かを判別する。球送り制御信号βがゼロボルトでない、即ち、球送り制御信号βが出力されていれば(S908:Yes)、球送り制御信号βがゼロボルトに立ち下がった時、即ち、球送り制御信号βが出力された時から74m秒以上経過したか否かが判定される(S909)。
なお、発射許可信号SG3が入力されていない場合(S901:No)にも、S906からS908の処理が実行され、球送り制御信号βがゼロボルトに立ち下がった時、即ち、球送り制御信号βが出力された時から74m秒以上経過したか否かが判定されるので、球送り制御信号βがゼロボルトに立ち下がった時から74m秒以上経過していないときに、発射許可信号SG3の入力が無くなっても、球送り制御信号βの出力時間である74m秒の間は、球送り制御信号βをゼロボルトに保つ、即ち、球送り制御信号βの出力を継続することができる。よって、球送り制御信号βがゼロボルトに立ち下がった時から74m秒以上経過していないときに、遊技者が操作ハンドル51から手を離しても(発射許可信号SG3の入力が無くなっても)、球送り制御信号βは出力時間である74m秒の間、正常に出力される(ゼロボルトに保たれる)。
球送り制御信号βがゼロボルトに立ち下がった時、即ち、球送り制御信号βが出力された時から74m秒以上経過していれば(S909:Yes)、球送り制御信号βの出力時間である74m秒が経過していると判断されるので、球送り制御信号βを5ボルトにする(S910)。このS910の処理により、発射制御信号αの出力が停止される。S910の処理後、この制御信号処理(S109)を終了する。
なお、主記憶装置110は、入出力ポート205(図11参照)のオン・オフ状態を確認することを通して、発射制御信号αおよび球送り発射信号βの電圧状態を判別する。
S908の処理で球送り制御信号βがゼロボルトでない場合、即ち、球送り制御信号βが出力されていない場合(S908:No)および球送り制御信号βがゼロボルトに立ち下がった時、即ち、球送り制御信号βが出力された時から74m秒以上経過していない場合には(S909:No)、現在の球送り制御信号βの出力状態を保ったまま、この制御信号処理(S109)を終了する。
この制御信号処理(S109)によって、発射制御信号αおよび球送り制御信号βが入出力ポート205(図9参照)から発射制御装置112へ出力される。この発射制御信号αにより、発射ソレノイド142は、遊技領域へ向けて球を発射する。また、出力された球送り制御信号βにより、球送りソレノイド151は、発射ソレノイド142のプランジャ142aの先端を覆うキャップ142b(図6参照)の前面(発射レール143上)に球を配置する。
次に、図28のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される球回収制御処理(S110)を説明する。図28は、主制御装置110内のMPU201により実行される球回収制御処理を示すフローチャートである。球回収制御処理(S110)は、タイマ割込処理(図20参照)の中で実行される処理であり、一定の条件を充足した場合に、払出制御装置111に対して球回収処理を実行させる。
なお、本実施の形態では、消費税率が8%であるものとし、13個の球が遊技領域に発射される毎に1個の球を消費税相当分として回収する処理を実行する。貸し出された球数(遊技者が支払った遊技料金)に相当する球数の回収が全て完了するまで実行され、回収すべき球数の回収が全て完了すると、新たな貸球払出要求を受信するまで球回収処理は停止される。
図28に示すように、球回収制御処理(S110)では、まず、カードユニット600より球貸し要求信号を払出制御装置111が受信したことを示す貸球払出要求信号SG4を新たに受信していれば(S1001:Yes)、その貸球要求数に基づいて残回収球数カウンタ203gの値を更新し(S1002)、S1003の処理へ移行する。一方、新たな貸球払出要求を受信していなければ(S1001:No)、S1002の処理をスキップし、S1003の処理へ移行する。
なお、球貸し要求信号は、払出制御装置111に対して遊技料金に応じた球数の払い出しを指示するものであり、球貸し要求信号を受信した払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて遊技料金に応じた球数の払出を実行する。このとき、球貸し要求信号を受信した払出制御装置111は、主制御装置110に対して貸球払出要求信号SG4を送信し、主制御装置110は、その貸球払出要求信号SG4に基づいて払い出された球数に関する情報を受信する。
ここで、S1002の処理では、貸球要求数に基づいて決定された、消費税相当分として回収すべき球数が例えば10個であった場合に、残回収球数カウンタ203gの値に10が加算される。即ち、新たな貸球払出要求信号SG4を受信する直前において残回収球数カウンタ203gの値が0であれば、残回収球数カウンタ203gに設定される値は10となる。一方、新たな貸球払出要求信号SG4を受信する直前において残回収球数カウンタ203gの値が1以上であれば、残回収球数カウンタ203gに設定される値は、直前の残回収球数カウンタ203gの値に10を加算したものとなる。
S1003の処理では、回収が完了していない球の有無を示す未回収フラグ203jがオンであるか否かを判定し、未回収フラグ203jがオフであれば(S1003:No)、未完了状態である球はなく、払出制御装置111における球回収処理が実行されていないと判断されるので、S1004の処理へ移行する。
一方、未回収フラグ203jがオンであれば(S1003:Yes)、払出制御装置111における球回収処理が実行中であると判断されるので、S1014に移行する。なお、S1014については図29を参照して後述するが、球の回収が完了したことを示す球回収完了コマンドを、払出制御装置から受信した否かを監視する球回収監視処理を実行する。
S1004の処理では、アウト球カウンタ203hの値が13以上であるか否かを判定する。アウト球カウンタ203hの値が13以上であれば(S1004:Yes)、アウト球数、即ち、遊技領域に発射された球数が13個以上に到達していると判断される。この場合、次いで、残回収球数カウンタ203gの値が0であるか否かを判定する(S1005)。一方、S1004の処理において、アウト球カウンタ203hの値が13未満であれば(S1004:No)、遊技領域に発射された球数が13個に到達していないと判断されるので、S1010の処理に移行する。
S1005の処理において、残回収球数カウンタ203gの値が0であれば(S1005:Yes)、球の貸出しに伴って遊技者が支払った遊技料金に対し、消費税相当分として回収すべき球数の回収が全て完了しており、これ以上の球の回収は不要であると判断される。この場合、アウト球カウンタ203hの値をリセットし(S1006)、S1010の処理へ移行する。
一方、S1005の処理において、残回収球数カウンタ203gの値が0でなければ(S1005:No)、球の貸出しに伴って遊技者が支払った遊技料金に対し、消費税相当分として回収すべき球数の全ての回収が完了していないと判断される。この場合、次いで、球送り制御信号βが最後に5vに立ち上がってから440m秒経過したか否かを判定する(S1007)。
S1007の処理において、球送り制御信号βが最後に5vに立ち上がってから440m秒以上が経過している場合(S1007:Yes)には、この時点で払出制御装置111が球回収処理を開始すると、球回収処理終了後に球を送出部材152のホルダ部154収容するために必要な時間を確保できないと判断される。よって、この場合には、S1008及びS1009の処理をスキップしてS1010の処理へ移行する。
一方、S1007の処理において、送り制御信号βが最後に5vに立ち上がってから440m秒以上が経過していない場合(S1007:No)、この時点で払出制御装置111が球回収処理を実行したとしても、球回収処理終了後に球をホルダ部154(図8(a)参照)に収容する時間を確保できると判断される。よって、この場合には、回収フラグ203iをオンにし(S1008)、アウト球カウンタ203hの値から13を減算し(S1009)、S1010の処理へ移行する。
S1010の処理では、回収フラグ203iがオンであるか否かを判定する。回収フラグ203iがオンであれば(S1010:Yes)、球を回収するタイミングであると判断されるので、払出発射制御装置111に対し、案内モータ162を作動させて球回収処理を実行させるための球回収コマンドを送信し(S1011)、回収フラグ203iをオフにする。次に、未回収フラグ203jをオンにし(S1013)、S1014の球回収監視処理を実行した後、本処理を終了する。なお、S1014の処理については、図29を参照して後述する。
一方、回収フラグ203iがオンでなければ(S1010:No)、球を回収するタイミングではないと判断されるので、本処理を終了する。
このように、球回収制御処理(S110)では、球回収処理を開始しようとする時点で球送り制御信号βが最後に5vに立ち上がってからの経過時間を確認する。球送り制御信号βが最後に5vに立ち上がってから440m秒経過していない場合には、球回収処理を実行したとしても、球回収処理終了後に球をホルダ部154へ確実に収容するための時間を確保できると判断する。よってこの場合には、球の回収処理を払出制御装置111に実行させる球回収コマンドを送信する。
一方、球送り制御信号βが最後に5vに立ち上がってから440m秒経過している場合には、球回収処理を実行したとすると、球回収処理終了後に球をホルダ部154へ確実に収容させるのに必要な時間を確保できないと判断される。よってこの場合には、球回収コマンドの送信を中止し、球送り制御信号βが0vに立ち下がった後に再び球送り制御信号βが5vに立ち上がってから、球回収コマンドを払出制御装置111に送信する。
即ち、発射ソレノイド142による球の発射を、その間隔を空けることなく行うためには、球送りソレノイド151がオフ状態からオンとなって送出部材152が上方へ回動し、74m秒経過後に球送りソレノイド151がオン状態からオフとなって送出部材151が下方へ回動するまでの間に、球がホルダ部154へ収容されるように構成する必要がある。そのためには、ホルダ部154へ収容する球を、球送りソレノイド151がオフ状態からオンとなる時点で、ホルダ部154に近い位置に配置することが望ましい。
そこで、球回収制御処理(S110)では、球送り制御信号βが最後に5vに立ち上がってから440m秒経過している場合には、球回収コマンドを払出制御装置111に送信することを回避する。これにより、次に球送り制御信号が0vに立ち上がるまでの時間を利用し、球を導入口148bから開閉部材148(図6参照)の裏面側へ流入させて送出部材152の近傍に配置させることができる。
これにより、球送りソレノイド151がオフ状態からオンとなって送出部材152を上方へ回動させたときに、球を円滑にホルダ部154へ収容させることができるので、球を確実に発射レール143(図6参照)上に送り、キャップ142b(図6参照)の前面に球を配置することができ、その結果、球の発射間隔が空くことを回避できる。
なお、S1009の処理は、S1003の処理において未回収フラグ203jがオンでない場合(S1003:No)に実行される処理であり、未回収フラグ203jがオンである場合(即ち、回収すべき球の回収が完了していない場合)には、アウト球カウンタ203hの値、即ち、遊技領域に発射された球数が13に到達したとしても、アウト球カウンタ203hの値は引き続き加算され続ける。
よって、何らかの不具合により球が回収されないまま遊技が継続され、遊技領域に発射された球数に対して回収すべき球数が増えていった場合であっても、不具合が解消されて球回収処理が実行可能な状態へ復帰したときには、アウト球カウンタ203hの値が13を下回るか(S1004:No)、或いは、残回収球数カウンタ203の値が0になるまで(S1005:Yes)、球回収処理を連続して実行することができる。よって、回収すべき複数個の数を不足なく回収することができる。
また、アウト球カウンタ203hは、遊技領域から排出された球が通過するアウト球検知センサ(図示せず)に検知された球数をカウントする。従って、球が遊技領域へ向けて発射されてからアウト球検知センサに検知されるまでにタイムラグがあり、アウト球カウンタ203hの値が13個に到達した時点で、遊技領域に発射され、かつ、アウト球検知センサに検知されていない球数がいくつか存在する。
これに関し、遊技領域に発射された球数が13に到達したとしても、アウト球カウンタ203hの値は引き続き加算され続け、S1008の処理において新たに回収フラグ203iがオンとなったときには、S1009の処理においてアウト球カウンタ203hの値が13減算される。よって、遊技領域に発射された球数に応じた球回収処理を確実に行うことができる。
次に、図29を参照して、球回収制御処理(S110)の中で実行される球回収監視処理(S1014)について説明する。図29は、主制御装置110内のMPU201により実行される球回収監視処理を示したフローチャートである。この球回収監視処理(S1014)は、タイマ割込処理(図20参照)の球回収制御処理(図28参照)の中で実行される処理であり、払出制御装置111に対して指示した球回収処理が完了したか否かを監視する。
図29に示すように、球回収監視処理(S1014)では、まず、回収通路148cを球が通過したことを回収センサ167が球を検知した(図8(e)参照)場合に、払出制御装置111から送信される球回収完了コマンドを受信したか否かを判定する(S1021)。
S1021の処理において、球回収完了コマンドを受信した場合には(S1021:Yes)、払出制御装置111における球回収処理が完了したと判断される。この場合、未回収フラグ203jをオフにし(S1022)、残回収球数カウンタ203gの値を1減算し(S1023)、本処理を終了する。
このように、球回収処理が払出制御装置111内で行われるのに対し、回収すべき球数の残数が主制御装置110で管理され、球の回収を行う必要がある場合には主制御装置110から払出制御装置111に球回収コマンドを送信し、球の回収が完了したときに払出制御装置110から主制御装置110に球回収完了コマンドが送信される。よって、消費税率の変更等が行われた場合であっても、主制御装置110の変更を実行するのみで、消費税の変更に対応することができる。
一方、S1021の処理において、球回収完了コマンドを受信していない場合には(S1021:No)、次いで、未回収フラグ203jのオン状態が10秒以上継続しているか否かを判定する(S1024)。
S1024の処理において、未回収フラグ203jのオン状態が10秒以上継続していない場合には(S1024:No)、次に、球回収コマンドを最後に送信してから90m秒経過したか否かを判定する(S1025)。
S1025の処理において、球回収コマンドを最後に送信してから90m秒経過していない場合には(S1025:No)、案内機構145による球回収処理が実行中であるか、回収センサ169による球の検知を待機する時間として球回収処理後に設けた10m秒のインターバル期間中であると判断される。この場合には、本処理を終了する。
一方、球回収コマンドを最後に送信してから90m秒経過した場合には(S1025:Yes)、案内機構145による一連の球回収処理が終了し、その後のインターバル期間が経過したと判断される。この場合には、続いて、球送り制御信号βが5vに立ち上がってから436m秒経過したか否かの判定を行う(S1026)。
ここで、球送り制御信号βが0vに立ち下がってから74m秒経過後に5vに立ち上がり、送出部材152は、上方へ回動してホルダ部154に球が収容可能な状態(図8(a)に示す状態)となってから74m秒経過後に下方へ回動する(図8(c)又は図8(e)に示す状態)。従って、球送り制御信号βが0vに立ち下がっている74m秒の間に球をホルダ部154へ案内し収容させる必要がある。そのためには、球送り制御信号βが0vに立ち下がる直前に球を送出部材152の近傍、即ち、案内部材161の回収側送出部165上に待機させておき、球送り制御信号βが0vに立ち上がったらすぐに、球がホルダ部154へ案内されるような状態にしておくことが望ましい。
これに対し、上記したように、案内機構145による一連の球回収処理を実行するのに80m秒を要する。案内機構145が回収状態である間、球は送出部材152側への移動が規制され、回収通路148cへ案内される(図8(e)参照)。
よって、球送り制御信号βが5vに立ち上がってから436m秒経過しているときに一連の球回収処理を開始すると、その球回収処理が終了した後すぐに球送り制御信号βが0vに立ち下がるか、球回収処理が終了したときには球送り制御信号βが0vに立ち下がっていることになる。この場合、球送り制御信号βが0vに立ち下がった時点で球を送出部材152近傍に待機させることができず、球回収処理終了後に球を送出部材152へ案内したとしても、球送り制御信号βが5vに立ち上がって送出部材152が下方へ回動するまでの間に球をホルダ部154へ収容させることができなくなるおそれがある。
そこで、S1026の処理において、球送り制御信号βが5vに立ち上がってから436m秒経過していない場合には(S1026:No)、その時点で一連の球回収処理を実行したとしても、回収処理終了後に球を案内してホルダ部154へ収容するための時間が確保できると判断されるので、回収フラグ203iをオンにし(S1027)、本処理を終了する。この場合、回収フラグ203iをオンにすることで、球回収制御処理(S110)において再度、払出制御装置111に対して球回収コマンドが送信される(図28のS1010、S1011参照)。
一方、球送り制御信号βが5vに立ち上がってから436m秒経過している場合には(S1027:Yes)、その時点で一連の球回収処理を実行すると、球回収処理終了後に球を案内してホルダ部154へ収容するための時間が確保できなくなると判断されるので、S1027の処理をスキップし、本処理を終了する。この場合、球送りソレノイド151がオンになった後、再度オフされるまで、払出制御装置111に対する球回収コマンドの送信が停止され、案内機構145は通常状態(図7(a)に示す状態)が維持される。
S1024の処理において、未回収フラグ203jのオン状態が10秒以上継続している場合には(S1024:Yes)、次いで、発射許可信号SG3のオン状態が10秒以上継続しているか否かの判定を行う(S1028)。
S1028の処理において、発射制御信号SG3のオン状態が10秒以上継続している場合には(S1028:Yes)、遊技者によって操作ハンドル51(図1参照)が操作されて球が継続して遊技領域に発射されているにも関わらず、球の回収が確認できない(払出制御装置111からの球回収完了コマンドが受信できない)ことから、回収センサ167の異常など、何らかの不具合が発生している可能性が高いと判断できるので、エラー報知コマンドを設定する(S1029)。このS1029の処理においてエラー報知コマンドが設定されると、そのエラー報知コマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、エラー報知コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81等にエラー画面の表示やスピーカからの警告音の発生等を行うための処理を実行し、図示しないリセットスイッチが操作されると、エラー報知コマンドの設定が解除される。
一方、S1028の処理において、発射制御信号SG3のオン状態が10秒以上継続していなければ、操作ハンドル51から遊技者の手が離れているか、打ち止めスイッチ51bがオンであると判断される。この場合、球の回収が確認できない理由として、操作ハンドル51が遊技者によって操作されていない、或いは、打ち止めスイッチ51bが遊技者によって押され発射ソレノイド142による球の発射が行われてないことが想定される。よって、何らかの不具合が発生している可能性は低いと判断されるので、そのまま本処理を終了する。
このように、パチンコ機10では、カードユニット600から球貸し要求があった場合に、主制御装置110が消費税相当分として回収すべき球数を把握し、遊技領域へ発射される球が一定数に到達する毎に、払出制御装置111に対して球回収処理を実行するように指示する。これにより、消費税率の変更等が行われた場合であっても、主制御装置110の変更を実行するのみで、消費税の変更に対応することができる。
即ち、一般的に、パチンコ機10は、枠体と遊技盤13とを別で販売することが多い。枠体には、前面枠14や、払出制御装置111等の遊技盤13が変更されても共通して使用することができる部品が配置されている。よって、本実施形態の構成では、消費税率に変更があっても、枠体を変更する必要がなく、新たに枠体を購入し直すホール側の負担を抑制できる。
なお、遊技が継続して行われていない状態が一定時間以上継続した場合(例えば、発射許可信号SG3のオフ状態が5分以上継続した場合)に、遊技者がパチンコ機10から移動したものとみなし、残回収球数カウンタ203gがリセットされるように構成してもよい。これにより、新たな遊技者が当該パチンコ機10で遊技を行うに際し、直前の遊技者から回収すべき球が、新たな遊技者から回収されることを防止でき、新たな遊技者に不利益が及ぶことを抑制できる。
また、貸球払出要求信号SG4を連続して受信しているにもかかわらず、一定時間以上遊技が行われない場合(発射許可信号SG3のオフ状態が継続している場合等)には、遊技者による不正行為が行われている可能性も考慮されるので、その状態をホール側が把握できるようにしてもよい。
次に、図30を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を説明する。図30は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。
図30に示すように、NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1101)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図31を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図31は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。なお、この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。
図31に示すように、立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1201)。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行し(S1202)、RAM203のアクセスを許可する(S1203)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S1204)、オンされていれば(S1204:Yes)、処理をS1210へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1204:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1205)、記憶されていなければ(S1205:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理を1210へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1205:Yes)、RAM判定値を算出し(S1206)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1207:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1210へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1210の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1211,S1212)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1211,S1212)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1211,S1212)を実行する。RAMの初期化処理(S1211,S1212)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1211)、その後、RAM203の初期値を設定し(S1213)、S1213の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1204:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1205:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1207:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1208)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1209)、S1213の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1213の処理では、操作つまみ122aの可変抵抗器VR2に発生している直流電圧を読み込み、次いで、読み込んだ可変抵抗器VR2に発生している直流電圧を用いて、倍率決定テーブル202a(図17参照)に記憶された倍率決定テーブルから、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍する倍率を決定し、倍率メモリ203aに記憶する(S1214)。
S1214の処理実行後、操作つまみ122bの可変抵抗器VR3に発生している直流電圧を読み込み(S1215)、読み込んだ可変抵抗器VR3に発生している直流電圧を用いて、オフセット電圧決定テーブル202b(図18参照)に記憶されたオフセット電圧決定テーブルから、操作ハンドル51の可変抵抗器VR1に発生している電圧を正の実数倍した電圧に加えるオフセット電圧を決定し、オフセット電圧メモリ203bに記憶する(S1216)。S1216の処理後、割込みを許可し(S1217)、後述するメイン処理(図32参照)に移行する。
次に、図32を参照して、立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図32は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1101〜S1107の各処理が実行され、その残余時間でS1110,S1111のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
図32に示すように、メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図20参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1301)。具体的には、タイマ割込処理(図20参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図21参照)や始動入賞処理(図23参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理で設定された入賞コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1302)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出発射制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1303)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口65a等を開放又は閉鎖するための大当たり制御処理(S1304)を実行する。大当たり制御処理(S1304)では、大当たり状態のラウンド毎に可変入賞装置65の特定入賞口65a(図2参照)を開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件(閉鎖条件)が成立すると、特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1304)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
大当たり制御処理(S1304)が終了すると、第2始動口640に付随する電動役物640a(図2参照)の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1305)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図24)のS625の処理によって電動役物640aの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物640aの開閉制御を開始する。なお、この電動役物640aの開閉処理は、普通図柄変動処理におけるS616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1306)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図22参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4m秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図22参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1307)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図24参照)のS620の処理またはS621の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理のS623の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理のS613の処理またはS618の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1308)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1308:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1309)、既に所定時間が経過していれば(S1309:Yes)、処理をS1301へ移行し、上述したS1301以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1309:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1310,S1311)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1310)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1302の処理と同一の方法によって実行する(S1311)。
ここで、S1301〜S1307の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1308の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1308:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図30のNMI割込処理が実行されたということなので、S1312以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1312)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1313)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1314)、RAM203のアクセスを禁止して(S1315)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1308の処理は、S1301〜S1307で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1310とS1311の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1201)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1301の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
<第1実施形態における払出制御装置の制御処理について>
次に、図33から図41を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行される各制御処理を説明する。まず、図33を参照して、払出制御装置111のMPU211により実行される立ち上げ処理について説明する。図33は、払出制御装置111のMPU211により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は、電源投入時のリセットにより起動される。
図33に示すように、立ち上げ処理は、電源投入時のリセットにより起動されるものであり、立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1401)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、RAMアクセスを許可すると共に(S1402)、外部割込ベクタの設定を行う(S1403)。
その後は、MPU211内のRAM213に関してデータバックアップの処理を実行する。具体的には、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1404)、記憶されていなければ(S1404:No)、バックアップデータは記憶されていないので、処理をS1411へ移行する。
一方、RAM213に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1404:Yes)、RAM判定値を算出し(S1405)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1405:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1411へ移行する。
図34のS1517の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM213の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM213の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1411,S1412のRAMの初期化処理では、RAM213の全ての領域を0クリアした後(S1411)、RAM213の初期値を設定する(S1412)。その後、MPU211の周辺デバイスの初期設定を行い(S1409)、割込みを許可して(S1410)、メイン処理へ移行する。
一方、電源断の発生情報が設定されており(S1404:Yes)、且つ、RAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1406:Yes)、RAM213にバックアップされたデータを保持したまま、電源遮断の発生情報をクリアすると共に(S1407)、賞球の払い出しを待機させるために、払出許可フラグ213dをオフする(S1408)。その後、MPU211の周辺デバイスの初期設定を行い(S1409)、割込みを許可して(S1410)、メイン処理へ移行する。
次に、図34のフローチャートを参照して、払出制御装置111のMPU211により実行されるメイン処理を説明する。図34は、払出制御装置111内のMPU211により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。
図34に示すように、メイン処理は、まず、主制御装置110からの賞球コマンドや払出復帰コマンド、払出初期化コマンドを受信し、それらコマンドの種別を判定するコマンド判定処理を行う(S1501)。コマンド判定処理では、主制御装置110から送信された正常なコマンドを受信すると、払出許可フラグ213dがオンされ、賞球や貸出球の払い出しが許可される。なお、コマンド判定処理については図3において後述する。
即ち、コマンド判定処理(S1501)の実行後、払出許可フラグ213dの状態が判別され(S1502)、払出許可フラグ213dがオフであれば(S1502:No)、未だ主制御装置110は立ち上がった状態にないので、かかる場合には、コマンド判定処理(S1501)において払出許可フラグ213dがオンされるまで、コマンド判定処理(S1501)を繰り返し実行する。
一方、S1502の処理において、払出許可フラグ213dがオンされていれば(S1502:Yes)、既に主制御装置110は立ち上がった状態にあるので、かかる場合には、状態復帰スイッチ120をチェックし、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S1503)。
その後、下皿50(図1参照)の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S1504)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿50の満タン状態を判別し、下皿50が満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿50が満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S1505)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には、払出制御装置111に設けた7セグメントLED121により報知する(S1506)。なお、状態報知処理については、図37を参照して後述する。
次に、賞球の払出処理を実行する賞球制御処理を実行し(S1507)、その後、貸球を払い出すために貸球制御処理を実行する(S1508)。なお、賞球制御処理および貸球制御処理については、図39及び図40を参照して詳述する。
S1508の実行後、遊技に使用される球数が一定数(本実施の形態では13個)に到達した場合に、球を回収通路148cへ案内して消費税相当分の球を回収する遊技時回収制御処理を実行し(S1509)、次いで、S1510の処理へ移行する。なお、遊技時球回収制御処理については、図41を参照して詳述する。
S1510の処理では、球詰まり状態であることを条件にバイブモータ134(図3参照)の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後は、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1511)、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1511:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていないので、かかる場合には、処理をS1501へ移行して、S1501からS1510のメイン処理を繰り返し実行する。
一方、S1511の処理において、電源断の発生情報が記憶されていれば(S1511:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図30のNMI割込処理が実行されたということである。よって、かかる場合には、各割込処理の発生の禁止をし(S1512)、主制御装置110から送信されるコマンドの受信漏れを防止するために、再度コマンド判定処理を実行する(S1513)。そして、RAM判定値を算出してRAM213に保存し(S1514)、RAM213のアクセスを禁止して(S1515)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、例えば、RAM判定値は、RAM213のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1511の処理は、払出制御装置111のメイン処理の1サイクルが終わるタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断前の状態から復帰する場合には、処理を立ち上げ処理の終了後、S1501の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、メイン処理を開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU211が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1401)において、スタックポインタを所定値(初期値)に設定することで、処理をS1501から開始することができる。従って、払出制御装置111の制御負担を軽減することができると共に、払出制御装置111が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。また、各処理が終わったタイミングで電源断の処理が実行されるので、RAM213にバックアップする情報量を少なくすることができる。
次に、図35を参照して、払出制御装置111のメイン処理の中で実施されるコマンド判定処理(S1501)について説明する。図35は、払出制御装置111内のMPU211により実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。コマンド判定処理(S1501)は、受信したコマンドが正常なコマンドであるかを判定すると共に、正常なコマンドである場合には、そのコマンドに応じた処理を実行するものである。
図35に示すように、コマンド判定処理(S1501)では、まず、新たな受信コマンドがあるかを調べ(S1601)、新たな受信コマンドが無ければ(S1601:No)、この処理を終了する。新たな受信コマンドがあれば(S1601:Yes)、その受信コマンドは、1バイト目のデータか、2バイト目のデータかを判断する(S1602)。最上位ビットがセットされていれば1バイト目のデータであるので(S1602:Yes)、かかる場合には、上位コマンド記憶バッファ213bの値が0であるかを調べる(S1603)。
コマンドを2バイト受信すると、上位コマンド記憶バッファ213bの値は0クリアされるので、正常であれば1バイト目のデータ受信時には、上位コマンド記憶バッファ213bの値は0となっている。よって、上位コマンド記憶バッファ213bの値が0でなければ(S1603:No)、何らかの異常が発生しているので、払出エラーフラグ213cをオンし(S1604)、処理をS1605へ移行する。一方、上位コマンド記憶バッファ213bの値が0であれば(S1603:Yes)、S1604の処理をスキップして、処理をS1605へ移行する。S1605の処理では、受信した1バイト目のデータを、上位コマンド記憶バッファ213bへ書き込んで、これを記憶する(S1605)。
S1602の処理において、受信したコマンドが1バイト目のデータでなく、2バイト目のデータであれば(S1602:No)、受信したコマンドである2バイト目のデータと、S1605の処理で上位コマンド記憶バッファ213bに記憶した値とを、即ち1バイト目のデータとを加算する(S1606)。加算の結果がFFHであれば(S1607:Yes)、受信したコマンドは正常であるので、上位コマンド記憶バッファ213bの値がF0H以上であるかを調べる(S1608)。
上位コマンド記憶バッファ213bの値がF0H以上であれば(S1608:Yes)、受信したコマンドは賞球コマンドであるので、かかる場合には、賞球払出個数設定処理を実行する(S1609)。一方、上位コマンド記憶バッファ213bの値がF0H以上でなければ(S1608:No)、受信したコマンドは、払出復帰コマンド又は払出初期化コマンドであるので、かかる場合には、状態設定処理を実行する(S1610)。賞球払出個数設定処理または状態設定処理の実行後は、処理をS1601へ移行し、前述した処理を繰り返す。なお、賞球払出個数設定処理(S1609)及び状態設定処理(S1610)については後述する。
S1607の処理において、1バイト目のデータと2バイト目のデータとの加算の結果がFFHでなければ(S1607:No)、何らかの異常が発生している。よって、かかる場合には、払出エラーフラグ213cをオンして(S1611)、コマンドエラーの発生を示すと共に、上位コマンド記憶バッファ213bの値を0クリアして(S1612)、受信した2バイトのコマンドを無効化する。これにより、異常なコマンドの受信による払出制御装置111の誤動作を防止することができる。S1612の処理後は、処理をS1601へ移行して、前述した処理を受信しているコマンドがなくなるまで繰り返す。
次に、図36を参照して、コマンド判定処理(S1501)の中で実行される賞球払出個数設定処理(S1609)について説明する。図36は、払出制御装置111のMPU211により実行される賞球払出個数設定処理を示すフローチャートである。
図36に示すように、賞球払出個数設定処理(S1609)は、受信した賞球コマンドに応じて、総賞球個数メモリ213aの値を更新するものである。賞球払出個数設定処理(S1609)では、まず、受信した賞球コマンドの賞球数が1以上かつ15以下であるかを調べ(S1701)、賞球コマンドの賞球数が1以上かつ15以下でなければ(S1701:No)、誤った賞球コマンドを受信したことになる(図10参照)。よって、かかる場合には、受信したコマンドを無効化して、この処理を終了する。
一方、受信した賞球コマンドの賞球数が1以上かつ15以下であれば(S1701:Yes)、賞球コマンドで指示される賞球数を総賞球個数メモリ213aへ加算する(S1702)。加算された個数の賞球は、前述した賞球制御処理(S1609)によって払い出される。その後、上位コマンド記憶バッファ213bの値を0クリアして(S1703)、次のコマンドの受信に備えると共に、払出許可フラグ213dをオンして(S1704)、賞球の払い出しを許可する。更に、払出エラーフラグ213cをオフして(S1705)、この処理を終了する。
このように、正常なコマンドを受信することにより、払出エラーフラグ213cをオフするので、ノイズなどの影響によって、異常なコマンドを一時的に入力した場合にも、正常なコマンドを入力することにより、コマンドエラーの報知を解除して、遊技を正常に続行させることができる。
次に、図37を参照して、コマンド判定処理(S1501)の中で実行される状態設定処理(S1610)について説明する。図37は、払出制御装置111内のMPU211により実行される状態設定処理を示すフローチャートである。
図37に示すように、状態設定処理(S1610)では、払出復帰コマンドまたは払出初期化コマンドに応じた処理が実行される。状態設定処理(S1610)では、まず、受信したコマンドが払出復帰コマンドであれば(S1801:Yes)、S1806の処理へ移行する。そして、払出許可フラグ213dをオンして(S1806)、賞球の払い出しを許可し、上位コマンド記憶バッファ213bの値を0クリアして(S1807)、次のコマンドの受信に備え、更に、払出エラーフラグ213cをオフして(S1808)、この処理を終了する。
一方、受信したコマンドが払出初期化コマンドであれば(S1801:No、S1802:Yes)、払出許可フラグ213dの状態を調べる(S1803)。払出許可フラグ213dがオフであれば(S1803:No)、払出初期化コマンドの正常な受信であるので、かかる場合には、RAM213の作業領域を0クリアし(S1804)、その作業領域に初期化時の初期値を設定して(S1805)、RAM213の作業領域の初期化を実行する。
S1805の実行後は、払出復帰コマンドの受信時と同様に、払出許可フラグ213dをオンして(S1806)、賞球の払い出しを許可し、上位コマンド記憶バッファ213bの値を0クリアして(S1807)、次のコマンドの受信に備え、更に、払出エラーフラグ213cをオフして(S1808)、この処理を終了する。
また、受信したコマンドが払出初期化コマンドであっても(S1801:No、S1802:Yes)、払出許可フラグ213dがオンされていれば(S1803:Yes)、既に、いずれかの正常なコマンドを受信して、賞球の払出制御は可能な状態になっている。よって、かかる場合には、RAM213の作業領域の初期化を回避するべく、S1804からS1806の処理をスキップして、処理をS1807へ移行する。その後は、上位コマンド記憶バッファ213bの値を0クリアして(S1807)、次のコマンドの受信に備え、払出エラーフラグ213cをオフして(S1808)、この処理を終了する。
なお、受信したコマンドが払出復帰コマンドでも無く(S1801:No)、払出初期化コマンドでもなければ(S1802:No)、誤った賞球コマンドを受信したことになるので(図10参照)、かかる場合には、受信したコマンドを無効化して、この処理を終了する。
図38を参照して、払出制御装置111のメイン処理の中で実行される状態報知処理(S1506)について説明する。図38は、払出制御装置111内のMPU211により実行される状態報知処理を示すフローチャートである。
図38に示すように、状態報知処理(S1506)では、まず、払出エラーフラグ213cがオンであるか否かを判定し(S1901)、払出エラーフラグ213cがオンであれば(S1901:Yes)、7セグメントLED121に「C」の文字を表示して、コマンドエラーの発生を報知する(S1902)。一方、払出エラーフラグ213cがオンされていない場合(S1901:No)、或いは、S1902の処理後は、下皿50の満タン状態やタンクの球の貯留状態など、その他の払出制御装置111の状態を報知し(S1903)、この処理を終了する。
次に、図39を参照して、払出制御装置111のメイン処理の中で実行される賞球制御処理(S1507)について説明する。図39は、払出制御装置111のMPU211により実行される賞球制御処理を示すフローチャートである。
図39に示すように、賞球制御処理(S1507)は、賞球の払出不可状態(S2001:Yes)又は総賞球個数メモリ213aの値が0であれば(S2002:Yes)、そのまま本処理を終了し、メイン処理へ戻る。一方、賞球の払出不可状態でなく且つ、賞球数を記憶する総賞球個数メモリ213aの値が0でなければ(S2001:No,S2002:No)、払出モータ216を駆動させて賞球の払出を実行する(S2003)。
次に、払出モータ216の回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する(S2004)。払出モータ216の回転が正常であると判別した場合は(S2004:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチ(図示せず)の検出結果により判別し(S2005)、遊技球のカウントが正常であると判別した場合は(S2005:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する(S2006)。
一方、S2004の処理において、払出モータ216の回転が正常でないと判別した場合(S2004:No)、または、S2005の処理において遊技球のカウントが正常でないと判別した場合は(S2005:No)、払出モータ216を駆動させるリトライ処理や払出モータ216の停止処理を実行(S2008)し、本処理を終了し、メイン処理へ戻る。
S2006の処理において、賞球の払い出しが完了していれば(S2006:Yes)、払出モータ216の停止処理を実行し(S2007)、その後、メイン処理(図34参照)に戻る。一方、S2006の処理において、賞球の払い出しが完了していないと判別した場合は(S2006:No)、そのまま本処理を終了し、メイン処理に戻る。
次に、図40を参照して、払出制御装置111のメイン処理の中で実行される貸球制御処理(S1509)について説明する。図40は、払出制御装置111内のMPU211により実行される貸球制御処理を示すフローチャートである。
図40に示すように、貸球制御処理(S1509)では、貸球の払出不可状態であるか(S2101:Yes)、又は、貸球払出要求を受信していない場合には(S2102:No)、そのまま本処理を終了し、メイン処理(図34参照)へ戻る。一方、貸球の払出可能状態であり且つカードユニット600から貸球払出要求を受信していれば(S2101:No,S2102:Yes)、払出モータ216を駆動させて貸球の払出を実行する(S2103)。
次いで、払出モータ216の回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S2104)、払出モータ216の回転が正常であると判別した場合は(S2104:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチ(図示せず)の検出結果により判別する(S2105)。そして、遊技球のカウントが正常であると判別した場合は(S2105:Yes)、処理をS2106へと移行する。
また、S2104の処理において、払出モータ216の回転が正常でないと判別した場
合(S2104:No)、又は、S2153の処理において遊技球のカウントが正常で
ないと判別した場合は(S2105:No)、払出モータ216を駆動させるリトライ処
理を実行すると共に、払出モータ216の停止処理を実行し(S2108)、本処理を終
了してメイン処理(図34参照)に戻る。
S2106の処理では、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が貸球要求数に達して払い出しが完了したか否かを判別し、払い出しが完了していれば(S2106:Yes)、払出モータ216の停止処理を実行し(S2107)、本処理を終了してメイン処理(S34参照)へ戻る。一方、S2106の処理において、貸出要求数の払い出しが完了していないと判別した場合は(S2106:No)、そのまま本処理を終了し、メイン処理へ戻る。
次に、図41を参照して、払出制御装置111のメイン処理の中で実行される遊技時回収制御処理(S1509)について説明する。図41は、払出制御装置111のMPU211により実行される遊技時回収制御処理を示すフローチャートである。
図41に示すように、遊技時回収制御処理(S1509)では、まず、主制御装置110から球回収コマンドを受信したか否かについて判別する(S2201)。S2201の処理において、球回収コマンドを受信していれば(S2201:Yes)、遊技領域に発射された球数が13個以上に達し、球回収処理を実行する必要があると判断される。この場合、案内モータ162の駆動データを設定し(S2202)、S2203の処理へ移行する。
この案内モータ162の駆動データが設定されると、案内モータ162は正方向へ回転駆動して案内部材161が一方向へ回動する。これにより、案内機構145は通常状態(図7(a)に示す状態)から回収状態(図7(b)に示す状態)へ移行し、回収状態への移行が完了してから74m秒経過後に案内モータ162を負方向へ回転駆動して案内部材161を他方向へ回動し、案内機構145が回収状態から通常状態へ移行する。このように、案内機構145は、案内モータ162の駆動データが設定されることにより、一連の球回収処理を実行する。
一方、S2201の処理において、球回収コマンドを受信していなければ(S2201:No)、S2202の処理をスキップし、S2203の処理へ移行する。
S2203の処理では、回収センサ167が球を検知したか否かについて判定する。回収センサ167により球が検知された場合には(S2203:Yes)、回収通路148c(図8(e)参照)内を球が通過し、球が回収されたと判断される。よってこの場合、球回収完了コマンドを主制御装置110に送信し(S2204)、本処理を終了してメイン処理(図34参照)へ戻る。
一方、S2203の処理において、回収センサ167が球を検知していない場合には(S2203:No)、球が回収通路148cをまだ通過していないと判断されるので、S2204の処理をスキップし、本処理を終了してメイン処理へ戻る。
<音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図42から図45を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図42を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図42は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S2301)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S2416の電源断処理(図43参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S2302)。図43を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図43のS2413参照)、S2416の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S2416の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S2302:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS2416の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S2303)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S2306の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S2303:Yes)、S2304へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S2303:No)、S2308へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S2303:Yes)、S2304へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2416の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S2303:No)、S2308へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S2302:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S2416の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS2304へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S2304の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1405:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S2306)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S2305:No)、RAM223の異常を報知して(S2307)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S2308の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する。電源断フラグはS2416の電源断処理の実行時にオンされる(図43のS2415参照)。つまり、電源断フラグは、S2416の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS2308の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS2416の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S2308:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S2309)、RAM223の初期値を設定した後(S2310)、割込み許可を設定して(S2311)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS2308の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS2304からS2306の処理を経由してS2308の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S2308:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS2309をスキップして、処理をS2310へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S2310)、割込み許可を設定して(S2311)、メイン処理へ移行する。
なお、S2309のクリア処理をスキップするのは、S2304からS2306の処理を経由してS2308の処理へ至った場合には、S2304の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図43を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図43は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS2401の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S2401)、1m秒以上経過していなければ(S2401:No)、S2402〜S2410の処理を行わずにS2411の処理へ移行する。S2401の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S2402〜S2410が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S2411のコマンド判定処理や、S2412の変動表示設定処理や、図示を省略した各種カウンタ値を更新する処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S2411の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S2412処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S2401の処理で1m秒以上経過していれば(S2401:Yes)、まず、S2403〜S2414の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S2402)。次いで、表示ランプ24の点灯態様の設定や後述するS2408の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S2403)、その後電源投入報知処理を実行する(S2404)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS2405の処理へ移行する。
S2405の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S2406)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223bの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S2407)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S2408)、その後音編集・出力処理を実行する(S2409)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S2409の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S2410)、S2411の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS2408のランプ編集処理が実行される。なお、S2409の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S2411の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S2411)。このコマンド判定処理の詳細については、図44を参照して後述する。このコマンド判定処理が実行された後には、変動表示設定処理が実行される(S2412)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図45を参照して後述する。
S2412の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S2413)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
S2413の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S2413:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S2415)、電源断処理を実行する(S2416)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S2417)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S2413の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2413:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S2414)、RAM223が破壊されていなければ(S2414:No)、S2401の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S2418:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図44を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2411)について説明する。図44は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S2411)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S2411)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図43参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
図44に示すように、コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S2501)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S2501:Yes)、変動開始フラグ223dをオンに設定し(S2502)、受信した変動パターンコマンドに基づいて変動パターンを抽出して(S2503)、メイン処理に戻る。
S2501の処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S2501:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S2504)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S2504:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S2505)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S2506)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図45参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S2504:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S2507)。
保留球数コマンドを受信した場合には(S2507:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203c(図15(b)参照)の値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(S2508)。また、S2508の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S2508の処理の終了後は、メイン処理へ戻る。
一方、S2507の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S2507:No)、次いで、その他のコマンドを受信したか否かを判定し、その受信した結果に応じた処理を実行して(S2509)、本処理を終了する。例えば、その他のコマンドが表示制御処理114で用いるコマンドであれば、そのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行い、主制御装置110からエラー報知コマンドを受信した場合には、エラー画面の表示や警告音の発生を行う。
次に、図45を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S2412)について説明する。図45は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S2412)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図43参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
図45に示すように、変動表示設定処理(S2412)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S2601)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2601:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S2605の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合(S2601:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S2602)、次いで、変動パターンコマンドから選択した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S2603)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2604)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。また、ここで選択された各予告内容についても通知される。
S2605の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2605:No)、この処理を終了する。一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S2605:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフし(S2606)、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得し、主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S2607)、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2608)。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別に応じた停止図柄が、第3図柄表示装置81で停止表示されるように、変動演出の停止表示が制御される。S2608の処理が実行された後には、この処理を終了する。
以上説明したように、本実施の形態におけるパチンコ機10では、貸出要求に基づいて遊技球を払い出す場合に、遊技に使用された球数が一定数(本実施の形態では13個)に到達する毎に消費税相当分として球を1個回収し、遊技料金に対する消費税相当分の球数の回収が完了した場合に、球回収処理を終了する。このように、遊技領域に発射された球数に基づいて球が回収されるので、消費税率が上昇して回収すべき球数が多くなった場合であっても、球貸し時に遊技者に払い出される球数を一定にすることができる。よって、球貸し時に回収すべき球数を差し引いた上で球を払い出す場合と比べて、遊技者が感じる割高感を小さくすることができ、遊技者に与える不快感を軽減できる。
また、球1個あたり消費税込み価格4円貸し出す場合には、消費税の税率が上昇するほど球の実質価格(税抜価格)が値下がり、ホール側の負担が大きくなる。その結果、ホール側は、出玉率を下げる等により利益を確保する必要があり、遊技者に対して厳しい運用を強いることとなる。これに対し、本実施の形態では、投入金額に対する消費税相当分の球数を回収するので、ホール側の負担を軽減できる。
さらに、本実施の形態では、遊技領域に発射されたアウト球をカウントし、アウト球カウンタ203hの値が13個に到達した場合に、球を1個回収している。よって、発射ソレノイド142(図7参照)がオンとなった回数をカウントする場合と比べて、戻り球の検知が不要となる分、球の回収処理に関する制御を簡素化してコストの削減を図ることができる。
本実施の形態では、遊技中に球が1球ずつ回収するので、一度に多くの球を回収する場合と比べて、球の回収により遊技に与える影響を小さくすることができる。
これに加え、アウト球数の把握は、パチンコ機10の稼働状況を表すものとして従来から行われているので、遊技領域に発射された球数を把握するためのセンサ等を新たに設ける場合と比べて、コストの削減を図ることができる。
また、パチンコ機10で遊技を行うにあたり、遊技者は球を上皿17(図1参照)に入れる。上皿17に入った球は、導入口148bから球発射ユニット140(図5参照)内へ案内され、発射ソレノイド142(図7(a)参照)により遊技領域へ向けて発射される。案内機構145は、球発射ユニット140の台座部材147及び開閉部材148に覆設されており(図5参照)、遊技者からは目視できない位置であって、球発射ユニット140内に流入する球が必ず通過する位置に配設されている。このように、当該パチンコ機10で遊技を行う限りにおいて、案内機構145による球回収処理を避けて球を遊技領域に向けて発射することができないように構成されているので、球の回収を免れつつ遊技を行おうとする不正行為を行いにくくして未回収球の発生を抑制できる。
本実施の形態では、カードユニット600から球貸し要求があった場合に、主制御装置110が消費税相当分として回収すべき球数を把握し、遊技領域へ発射される球が一定数に到達する毎に、払出制御装置111に対して球の回収処理を実行するように指示する。これにより、消費税率の変更等が行われた場合であっても、主制御装置110の変更を実行するのみで、消費税の変更に対応することができる。さらに、球の発射に係る制御(発射制御処理(S108)及び制御信号処理(S109))を主制御装置110で行っているので、球の回収に関する制御(球回収制御処理(S110))についても同様に主制御装置110で行うことで、球の回収に関する制御を簡素化してコストの抑制を図ることができる。
また、消費税率の変更等が行われた場合に、変更されるのは球を回収するタイミング(遊技領域に発射された球数にいくつになった場合に球を回収するか)を変更するのみであり、払出制御装置111内で実行される球回収処理に変更はない。即ち、消費税率の変更等があった場合であっても、払出制御装置111内に設けた案内機構145は引き続き使用できるので、消費税率の変更等に伴うコストの抑制を図ることができる。
また、パチンコ機10では、貸出要求に応じた遊技球の払い出しに関する制御と、遊技球の回収に関する制御とが別々に行われるので、制御を簡素化して負担を軽減することができる。
本実施の形態では、消費税相当分の球を回収するにあたり、球送り機構144に送られる手前(払出装置133から払い出されてから送出部材152へ送られるまでの流路上における上流側)に案内機構145を設け、開閉部材148の裏面側に流入した球を送出部材152へ案内する通常状態から、回収通路148cへ案内する回収状態へ移行させることにより行い、回収状態に移行してから74m秒経過すると、回収状態から通常状態へ復帰する。こうした通常状態から回収状態への移行、及び、回収状態から通常状態への移行を一連とする、案内機構145による球回収処理は、主制御装置110から払出制御装置111に対して球送りコマンドが送信された場合に開始される。
この点に関し、主制御装置110は、球送り制御信号βが5vに立ち上がってから(球送りソレノイド151がオン状態からオフに切り替わってから)440m秒経過していない場合に限り、球回収コマンドを払出制御装置112に送信し、球回収処理を開始するように指示する。
即ち、球回収制御処理(S110)では、発送り制御信号βが次に0vに立ち上がり、球送りソレノイド151がオフ状態からオンとなって送出部材152が上方へ回動するまでの残余時間が十分に残っていない場合(本実施の形態では、最後に球送り制御信号βが5vに立ち上がってから440m秒経過した場合)には、球回収コマンドを払出制御装置111に送信することを回避する。これにより、次に球送り制御信号が0vに立ち上がるまでの時間を最低限確保できるので、その時間を利用して、上皿17内に球が入っている場合には、その球を導入口148bから開閉部材148(図6参照)の裏面側へ流入させて送出部材152付近に配置させることができる。
よって、球送りソレノイド151がオフ状態からオンとなって送出部材152が上方へ回動したときに、球を円滑にホルダ部154へ収容させることができるので、球を確実に発射レール143(図6参照)上に送り、キャップ142b(図6参照)の前面に球を配置することができ、その結果、球の発射間隔が空くことを回避できる。
ここで、球回収処理が実行されているときに球の発射間隔が空くと、遊技者が行っている遊技に悪影響を与えるおそれがあり、球回収処理が実行されていると遊技者に認知されやすくなる。これに対し、球回収処理が実行されているか否かに関係なく、球の発射間隔を維持し、球の発射間隔が空くことを回避することで、遊技者が行っている遊技に悪影響を与えることを回避でき、球回収処理が実行されていることが遊技者に認知されることを抑制できる。その結果、遊技者は心地よく遊技を行うことができる。
なお、本実施の形態では、消費税率が8%であり、球を1個あたり4円、貸出1回あたりの遊技料金が500円である場合について説明したが、消費税率や球1個あたりの貸出金額、投入金額等については自由に設定できる。具体的には、消費税率をT(%)、球1個あたりの貸出金額A円、貸出1回あたりの投入金額をBとすると、1回の貸出にあたり回収すべき球数(X)は、X=(B*T)/(A*100)であり、遊技が(100/T)回(小数点以下切り上げ)行われる毎に球を1個回収する。
例えば、消費税率10%、球1個あたりの貸出金額が4円、貸出1回あたりの投入金額が1000円の場合、1回の貸出にあたり回収すべき球数は、25個であり、遊技が10回行われるごとに1個の球を回収する。また、消費税率が8%、球1個あたりの貸出金額が1円、貸出1回あたりの投入金額が100円の場合、1回の貸出にあたり回収すべき球数は8個であり、遊技が13回行われるごとに球を1個回収する。
なお、本実施形態では、カードユニット600からの貸球払出要求信号SG4は、払出制御装置111が受信して、受信したことを主制御装置110に対して出力する構成としたが、それに限らず、カードユニット600からの信号を直接に、主制御装置110が受信して、払出制御装置111に対して払出を指示する構成としてもよいし、カードユニット600からの信号を直接、主制御装置110と払出制御装置111との両方に入力するように構成してもよい。
<第2実施形態について>
次に、図46から図55を参照して、第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、貸球払出要求があった場合に、投入された遊技料金に相当する球数をすべて遊技者に払い出し、遊技領域に発射された球の数が一定数に到達する毎に、払い出された球の中から消費税相当分の球を1つずつ回収する場合について説明した。これに対し、第2実施の形態では、貸球払出要求があった場合に、払い出される球の一部を払出装置2133内に貯留しておき、遊技領域に発射された球が一定数到達する毎に、貯留された球の中から消費税相当分の球を1つずつ回収し、回収すべき球数の回収が全て完了した後、貯留されている残りの球を遊技者に返却する。なお、上記した各実施の形態と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略する。
まず、図46を参照して、第2実施の形態における払出装置2133について説明する。図46は、第2実施の形態における払出装置2133の一部を拡大した拡大断面図であり、払出装置2133のうち、払出モータ216(図47参照)よりも下方に位置する部分を模式的に図示している。また、図46(a)には、球が共通通路2162から第1分岐通路2163へ案内される状態が、図46(b)には、球が共通通路2162から第2分岐通路2164へ球が案内される状態が図示され、案内モータ2167b及び回収モータ2168bが破線で模式的に図示されている。
図46に示すように、払出装置2133には、払出モータ216(図47参照)から払い出された球が通過する払出通路2161が形成されている。その払出通路2161は、払出モータ216の下流側に位置する共通通路2162と、その共通通路2162から分岐する第1分岐通路2163及び第2分岐通路2164と、その第2分岐通路2164から分岐する第3分岐通路2165及び第4分岐通路2166とから構成されている。さらに、払出通路2161には、共通通路2162と第1分岐通路2163及び第2分岐通路2164との間に案内機構2167が配設され、第2分岐通路2164と第3分岐通路2165及び第4分岐通路2166との間に回収機構2168が配設されている。
なお、共通通路2162には、払出モータ216から払い出された球の通過を検知する公知の払出センサ(図示せず)が設けられており、払出モータ216を駆動した場合に、払出センサを監視し、球が払出センサによって正常に検知されているかを確認する。払出センサによって検知された球数は、払出制御装置111のMPU211のRAM203に設けられた公知の払出カウンタ(図示せず)によってカウントされる。
第1分岐通路2163は、払出装置2133の外部に連通する通路であり、第1分岐通路2162を通過した球は払出装置2133の外部へ放出され、遊技者に払い出される。
第2分岐通路2164は、貸球払出要求に基づいて球を貸し出す際に、払出装置2133から払い出される球の一部を貯留しておくための通路であり、少なくとも15個以上の球が第2分岐通路2164内に貯留可能に構成されている。
案内機構2167は、共通通路2162を通過した球を第1分岐通路2163又は第2分岐通路2165のいずれか一方へ案内するものであり、湾曲形成された案内部材2167aと、その案内部材2167aに回転駆動力を付与する案内モータ2167bとを備えている。
案内部材2167aは、払出通路2161に回転可能に軸支されている。案内部材2167aは、共通通路2162を通過した球を第1分岐通路2163に案内し、払出装置2133の外部へ球を放出する放出状態(図46(a)に示す状態)では、案内部材2167aの一側端部(図46(a)右側端部)を上方へ、他側端部(図46(a)左側端部)を第1分岐通路2163側へ向けた状態で静止する。
その一方、共通通路2162を通過した球を第2分岐通路2164に案内し、第2分岐通路2164内に球を貯留する貯留状態(図46(b)に示す状態)では、案内部材2167aの他側端部(図46(b)左側端部)を上方へ、一側端部(図46(b)右側端部)を第2分岐通路2164側へ向けた状態で静止する。
案内機構2167が放出状態にある場合では、共通通路2162と案内部材2167aの一側端部との間に形成される隙間寸法が、球の直径よりも小さくなっている。よって、共通通路2162を通過した球が誤って第2分岐通路2164に流入することを回避できる。同様に、案内機構2167が貯留状態にある場合では、共通通路2162と案内部材2167aの他側端部との間に形成される隙間寸法が、球の直径よりも小さくなっている。よって、共通通路2162を通過した球が誤って第1分岐通路2163に流入することを回避できる。
案内機構2167を図46(a)に示す放出状態から図46(b)に示す貯留状態へ移行させる場合には、案内モータ2167bを正方向(図46(a)時計回り方向)へ駆動させて案内部材2167aを正方向へ90度回動させる。一方、案内機構2167を貯留状態から放出状態へ復帰させる場合には、案内モータ2167bを負方向(図46(b)反時計回り方向)へ駆動させて案内部材2167aを負方向へ90度回動させる。このとき、案内部材2167aが回動する過程において、案内部材2167aの一側端部が常に第3分岐通路2165に向けられ、案内部材2167aの他側端部が第4分岐通路2166へ向けられ、それら案内部材2167aの一側端部および他側端部が共通通路2162へ向けられないように構成されている。
これにより、案内機構2167が放出状態から貯留状態へ、或いは、貯留状態から放出状態へ移行する過程において、共通通路2162を通過した球が案内部材2167aの一側端部および他側端部に衝突することを防止できると共に、共通通路2162と案内部材2167aとの間に球が挟まれることを回避できる。
第3分岐通路2165は、消費税相当分として回収した球を通過させるための通路であり、第3分岐通路2165を通過した球は図示しない球排出路へ案内される。また、第3分岐通路2165内には、その第3分岐通路2165を球が通過したことを検知する回収センサ2169が設けられている。
第4分岐通路2166は、第2分岐通路2164と第1分岐通路2163とを連通させるための通路であり、第2分岐通路2164から第4分岐通路2166を通過する球は、第1分岐通路2163へ合流し、払出装置2133の外部へ放出され、遊技者に払い出される。
回収機構2168は、第2分岐通路2164内に貯留された球を第3分岐通路2165又は第4分岐通路2166のいずれか一方へ案内するためのものであり、払出通路2161に回転可能に軸支される回収部材2168aと、その回収部材2168aに回転駆動力を付与する回収モータ2168bとを備えている。
回収部材2168aは、その外周面に球を収容可能に凹設された収容部が、周方向等間隔に3つ形成されている。回収モータ2168bは、1ステップ毎に回収部材2168aを正方向(図46(a)時計回り方向)又は負方向(図46(a)反時計回り方向)へ回転するステッピングモータから構成されている。
回収機構2168は、回収部材2168aの外周面に凹設された3つの収容部がそれぞれ、第2分岐通路2164、第3分岐通路2165又は第4分岐通路2166のいずれかへ向けられた状態で回収部材2168aが静止する。回収モータ2168bは、回収部材2168aを正方向または負方向へ回転させるときには、回収部材2168aが120度ずつ回転するように回収モータ2168bが制御されている。具体的には、回収モータ2168bは1ステップ毎に正方向または負方向へ3度回転するように構成されており、40ステップ分回転させることにより、回収部材2168aが120度回転する。
よって、第2分岐通路2164へ向けられた一の収容部に球が収容され、その状態で回収モータ2168bを正方向へ回転駆動させると、回収部材2168aは正方向(図46(a)時計回り方向)へ120度回転し、一の収容部が第3分岐通路2165へ向けられた状態で静止する。これにより、一の収容部に収容された球は、第3分岐通路2165へ案内され、消費税相当分として回収される。
一方、第2分岐通路2164へ向けられた一の収容部に球が収容された状態で、回収モータ2168bを負方向へ回転駆動させると、回収部材2168aが負方向(図46(a)反時計回り方向)へ120度回転し、一の収容部が第4分岐通路2166へ向けられた状態で静止する。これにより、一の収容部に収容された球は、第4分岐通路2166へ案内されて第1分岐通路2163に流入した後、払出装置2133の外部へ放出される。
なお、本実施の形態では、貸球払出要求に基づいて球を払い出す際に、案内モータ2167bを駆動させて案内機構2167を放出状態から貯留状態へ(図46(a)に示す状態から図46(b)に示す状態へ)移行させる。よって、払出モータ216から払い出されて共通通路2162を通過した球は、案内部材2167aによって第2分岐通路2163へ案内され、第2分岐通路2163内に貯留される。この案内機構2167の貯留状態は、3秒間継続され、その間、共通通路2162を流下する球は全て第2分岐通路2164へ案内される。これにより、第2分岐通路2164内には、遊技者が支払った遊技料金に対して消費税相当分として回収すべき球数以上の球が貯留される。
案内機構2167が貯留状態へ移行してから3秒経過後、案内モータ2167bが負方向へ回転駆動して案内部材2167aが負方向へ90度回動し、案内機構2167は、貯留状態から放出状態へ復帰する。これにより、払出モータ216から払い出された共通通路2162を通過した球は、案内部材2167aによって第1分岐通路2162へ案内され、払出装置2133の外部へ放出される。
第2分岐通路2164内に貯留された球は、遊技領域へ発射された球(アウト球の数)が13球以上に到達する毎に1球ずつ、回収機構2168によって第3分岐通路2165に案内されて消費税相当分として回収され、回収すべき球の回収が全て完了すると、第2分岐通路2164に貯留された残りの球が第4分岐通路2166へ案内されて第1分岐通路2163に合流し、遊技者に払い戻される。
<第2実施形態における電気的構成について>
次に、図47及び図48を参照して、第2実施におけるパチンコ機の電気的構成について説明する。図47は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。図48は、払出制御装置111内におけるRAM213の内容の一部を模式的に示した模式図である。なお、ここでは、第1実施の形態に対する相違点について説明し、第1実施の形態と同一の構成については、その詳細な説明は省略する。
図47に示すように、第2実施の形態におけるパチンコ機は、第1実施の形態におけるパチンコ機に対し、案内モータ2167b、回収モータ2168b、回収センサ2169及び球抜き検知センサ2170が、払出制御装置111のMPU211にバスライン214を介して接続された入出力ポート215に接続されている。
球抜き検知センサ2170は、球抜きレバー52(図1参照)が操作されたことを検知するセンサであり、球抜きレバー52が操作されたことが球抜き検知センサ2170に検知されると、球抜き操作がされたことを示す信号(球抜き要求)が主制御装置110に送信される。
図48に示すように、第2実施の形態における払出制御装置111のMPU211のRAM213には、第1実施の形態に対し、仮回収タイマ213e、残カウンタ213f、返却フラグ213g、返却タイマ213h、返却カウンタ213i及び球抜き時回収フラグ213jが追加されている。その他の構成については、第1実施の形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
仮回収タイマ213eは、案内機構2167が放出状態から貯留状態(図46(b)に示す状態)へ移行してから放出状態(図46(a)に示す状態)へ復帰するまでの時間を管理する。貸球払出要求を受信したとき、仮回収タイマ213eには初期値として3秒が設定され、カウントダウンが開始されて仮回収タイマ213eの数値が0になると、案内機構2167は貯留状態から放出状態へ復帰する。
残カウンタ213fは、主記憶装置110のRAM203にある残回収球数カウンタ203gの値を払出制御装置111内において記憶するためものであり、主記憶装置110から送信される残回収球数カウンタ213gの値が残カウンタ213fに記憶される。払出制御装置111は、残カウンタ213fが1以上のときに主記憶装置110から球回収コマンドを受信すると、第2分岐通路2164に貯留された球の中から球が1つずつ回収される。
また、球抜きレバー52(図1参照)が操作されたときに、残カウンタ213fが1以上であれば、第2分岐通路2164に貯留されている球を回収し、残カウンタ213fの値が0であれば、第2分岐通路2164に貯留されている球を遊技者に返却する。
返却フラグ213gは、第2分岐通路2164に貯留されている球を返却する必要があるか否かを示すフラグであり、返却フラグ213gがオンであれば、回収モータ2168b(図46(a)参照)を負方向へ回転させて第2分岐通路2164に貯留されている球を第4分岐通路2166へ案内する。
返却タイマ213hは、返却フラグ213gがオンとなって回収モータ2168bを負方向へ繰り返し駆動回転する場合に、駆動回転を開始してから3秒後に回収モータ2168bの駆動回転が停止するように、回収モータ2168bの駆動時間を管理するためのものである。本実施の形態では、返却フラグ213gがオン状態になると、返却タイマ213hには初期値として3秒が設定されてカウントダウンが開始され、3秒の間、回収モータ2168bが負方向へ回転駆動を繰り返す。このとき、第2分岐通路2164に貯留されていた球は、第4分岐通路2166へ案内される。返却タイマ213hの数値が0になると、即ち、返却フラグ213gがオン状態になってから3秒経過すると、返却フラグ213gはオフへ切り替わり、回収モータ2168bの負方向への回転駆動が停止する。
なお、本実施の形態において、返却フラグ213がオンとなってから回収モータ2168bを負方向へ回転駆動させる時間を3秒間としたのは、貸球払出要求があった場合に案内機構2167の貯留状態が維持される時間が3秒であることに起因する。従って、返却タイマ213hに初期値として設定される時間は、第2分岐通路2164内に貯留されている球を全て第4通路2166へ案内するために必要な時間を設定すればよく、その設定時間は任意である。
球抜き時回収フラグ213jは、球抜き要求を検知した場合に、第2分岐通路2164内に貯留された球を回収する必要があるか否かを示すフラグである。球抜き要求がなされたときに、支払われた遊技料金に対して消費税相当分として回収すべき球の全ての回収が完了しておらず、第2分岐通路2164内に球が貯留されている場合には、球抜き回収フラグ213jがオンとなって第2分岐通路2164内の球が回収され、回収すべき球の全ての回収が完了すると、球抜き時回収フラグ213jがオフとなる。
以上説明したように、払出通路2161には、共通通路2162とその共通通路2162から分岐する第1分岐通路2163及び第2分岐通路2164が設けられている。共通通路2162を通過した球は、案内機構2167によって第1分岐通路2163又は第2分岐通路2164のいずれか一方へ案内される。
案内機構2167は、案内モータ2167bを回転駆動させることで、案内部材2167aを回転させることができ、案内部材2167aを回転させることで、共通通路2162を通過した球を第1分岐通路2163へ案内して払出装置2133の外部へ放出する放出状態、又は、共通通路2162を通過した球を第2分岐通路2164へ案内して第2分岐通路2164内に貯留する貯留状態へと切り替えることができる。よって、案内機構2167によって、払出装置2133内に貯留しておく球と遊技者に払い出す球との振り分けを素早く、かつ、簡単に行うことができる。
また、払出モータ216から払い出された球を第2分岐通路2164内に貯留しておき、その第2分岐通路2164に貯留された球を回収機構2168によって第3分岐通路2165へ案内し、球が回収される。このようにして、遊技者が支払った遊技料金に対し消費税相当分として回収すべき球数分の球を確実に回収される。
貸球払出要求に基づいて球を貸し出す際、案内機構2167は、放出状態から貯留状態へ移行し、貯留状態のまま3秒間維持された後に放出状態へ復帰する。これにより、案内機構2167が貯留状態を維持している間、払出モータ216から払い出された球は、第2分岐通路2164に案内され、回収すべき球数以上の球が第2分岐通路2164内に貯留される。
回収機構2168は、遊技領域に発射された球数(アウト球数)が13個以上に到達した場合に、第2貯留通路2164の貯留された球の中から球を1個回収する。よって、球回収処理を実行されていることが遊技者に認知されにくく、遊技者が行っている遊技へ影響を及ぼすことなく球回収処理を行うことができるので、遊技者は心地良く遊技を行うことができる。
第2分岐通路2164から第3分岐通路2165へ案内された球は、回収センサ2169に検知され、回収センサ2169が球を検知すると、球の回収が完了したと判断される。残回収球数カウンタ203gの値が0となったとき、即ち、回収すべき全ての球の回収が完了したときには、第2貯留通路2164内に貯留されている残りの球を、回収機構2168によって第4貯留通路2166へ案内する。これにより、第4貯留通路2166に案内された球は、第1貯留通路2163に合流し、遊技者に払い出される。
この場合、第2分岐通路2164に貯留された球数や第4分岐通路2166を通過した球数をカウントする必要がなく、それらの球数をカウントするセンサやカウンタを設けるこをが不要となるので、コストの低減を図ることができる。
本実施の形態では、第2分岐通路2164から第3分岐通路2165と第4分岐通路2166が分岐して形成され、第2分岐通路2164に貯留された球は、回収機構2168によって第3分岐通路2165又は第4分岐通路2166のいずれか一方へ振り分けられる。この場合、第2分岐通路2164に貯留された球を回収するための機構と返却するための機構とを別々に設ける場合と比べて、部品点数を少なくして部品コストを抑制することができる。また、部品点数を少なくできる分、部品の配置に必要なスペースを小さくすることができる。
<第2実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図49を参照して、主記憶装置110のMPU201により実行される球回収制御処理2(S120)について説明する。図49は、主制御装置110内のMPU201により実行される球回収制御処理2を示したフローチャートである。この球回収制御処理2(S120)は、メイン処理(図32参照)の中で実行される処理であり、上記第1実施の形態における球回収制御処理(S108)の代わりに実行される。なお、S1001〜S1010,S1012及びS1013の処理については、第1実施の形態における球回収制御処理(S110、図28参照)と同様なので、その説明を省略する。
図49に示すように、球回収制御処理2(S120)では、カードユニット600から貸球払出要求があったことを示す貸球払出要求信号SG4を払出制御装置111から新たに受信していれば(S1001:Yes)、その貸球要求数に基づいて残回収球数カウンタ203gの値を更新し(S1002)、S1031の処理へ移行する。一方、新たな貸球払出要求信号SG4を受信していなければ(S1001:No)、S1002の処理をスキップし、S1031の処理へ移行する。
S1031の処理では、球抜き要求を検知したか(球抜きレバー52が操作されたか)否かを判定する。なお、払出制御装置111において実行される球抜き時回収処理(S1534、図55参照)では、消費税相当分として回収すべき全ての球が完了していない場合に、未回収分の球を第2分岐通路2164に貯留されている球の中から回収する。例えば、消費税相当分として回収すべき球が全部で10個である場合に、球抜き要求があった時点で、回収済の球数(第3分岐通路2165へ案内された球数)が7個であった場合には、残りの3個を第2分岐通路2164に貯留された球の中から回収し、その後、第2分岐通路2164に貯留されている残りの球を遊技者へ返却する。
即ち、球抜き要求があった時点で、球回収処理が払出制御装置111において実行され、支払われた遊技料金に対して回収すべき球数を全て回収する。従って、球抜き要求を受信した場合において(S1031:Yes)、未回収フラグ203jがオンであれば(S1032:Yes)、未回収フラグ203jをオフにし(S1033)、球回収球数カウンタ203gの値をリセットする(S1034)。また、未回収フラグ203jがオンでなければ、S1033の処理をスキップした上で、S1034の処理を実行する。S1034の処理後は、S1003〜S1010の処理を実行する。
S1010の処理において、回収フラグ203iがオンでなければ(S1010:No)、本処理を終了し、回収フラグ203iがオンであれば(S1010:Yes)、払出制御装置111に対して球回収コマンド及び残回収球数カウンタ203gの値を送信する(S1011)。S1011の処理を実行した後、回収フラグ203iをオフにし(S1012)、未回収フラグ203jをオンにして(S1013)、S1040の処理へ移行する。
次に、図50を参照して、この球回収制御処理2(S120)の中で実行される球回収監視処理2(S1040)について説明する。図50は、主制御装置110内のMPU201により実行される球回収監視処理2を示したフローチャートである。なお、S1021〜S1024,S1027〜S1029の処理は、第1実施の形態における球回収監視処理(S1014、図29参照)において実行される処理と同一なので、その説明を省略する。
図50に示すように、球回収監視処理2(S1040)では、まず、払出制御装置111から球回収完了コマンドを受信したか否かを判定し(S1021)、球回収完了コマンドを受信していない場合には(S1021:No)、S1024の処理を行う。
S1024の処理において、未回収フラグ203jのオン状態が10秒以上継続していなければ(S1024:No)、S1027の処理を実行し、本処理を終了する。また、S1024の処理において、未回収フラグ203203jのオン状態が10秒以上継続していれば(S1024:No)、S1028及びS1029の処理を実行する。
S1021の処理において、球回収完了コマンドを受信した場合には(S1021:Yes)、S1022及びS1023の処理を実行した後、残回収球数カウンタ203gの値が0であるか否かの判定を行う(S1041)。
S1041の処理において、残回収球数カウンタ203gの値が0であれば(S1041:Yes)、遊技料金に対して消費税相当分として回収すべき全ての球の回収が完了したと判断される。この場合、第2分岐通路2164に貯留された球を返却させるため、払出制御装置111に対して返却コマンドを送信し(S1042)、本処理を終了する。一方、残回収球数カウンタ203gの値が0でなければ(S1041:No)、S1042の処理をスキップし、本処理を終了する。
このように、球回収監視処理2(S1040)では、回収すべき球数の回収がすべて完了した場合には、払出制御装置111に対し、第2分岐通路2164に貯留された球を払出装置2133の外部へ払い出す指示を行う。
<第2実施形態における払出制御装置の制御処理について>
次に、図51のフローチャートを参照して、払出制御装置111のMPU211により実行されるメイン処理2を説明する。図51は、払出制御装置111内のMPU211により実行されるメイン処理2を示したフローチャートである。なお、S1501〜S1507,S1510〜S1515の処理は、第1実施の形態におけるメイン処理(図34参照)において実行される処理と同一なので、その説明を省略する。
図51に示すように、メイン処理2では、貸球制御処理(S1507)及び遊技時回収制御処理(S1508)の代わりに、貸球制御処理2(S1531)及び遊技時回収制御処理2(S1532)を実行すると共に、バイブモータ制御(S1510)の前に、返却処理(S1533)及び球抜き時回収処理(S1534)が追加されている。以下の図52〜55において、それら貸球制御処理2(S1531)、遊技時回収制御処理2(S1532)、返却処理(S1533)及び球抜き時回収処理(S1534)について説明する。
次に、図52のフローチャートを参照して、払出制御装置111のメイン処理2の中で実行される貸球制御処理2について説明する。図52は、払出制御装置111内のMPU211により実行される貸球制御処理2を示すフローチャートである。なお、S2101〜S2108の処理は、第1実施の形態における貸球制御処理(S1531、図40参照)において実行される処理と同一なので、その説明を省略する。
図52に示すように、貸球制御処理2(S1531)では、S2103の処理を行った後に、新たな貸球の払い出しが開始された場合には(S2121:Yes)、仮回収タイマ213eの設定を行い(S2122)、案内モータ2167bを正方向へ90度回転駆動させるデータを設定し(S2123)、S2124の処理へ移行する。
S2123の処理において、案内モータ2167bの駆動データが設定されると、案内モータ2167bは正方向へ回転駆動して案内部材2167aが一方向へ回動する。これにより、案内機構2167は放出状態(図46(a)に示す状態)から貯留状態(図46(b)に示す状態)へ移行する。
なお、本実施の形態では、案内モータ2167bの正方向への回転駆動が終了した後、回収タイマ213eに初期値として3秒が設定される。一方、新たな貸球の払い出しが開始されない場合には(S2121:No)、S2124の処理へ移行する。
S2124の処理では、仮回収タイマ213eが0であるか否か、即ち、案内機構2167が貯留状態(払出装置2133の共通通路2162を通過した球が、案内部材2167aによって第2分岐通路2164へ案内され、第2分岐通路2164内に貯留される状態、図46(b)参照)であるか否かの判定を行う。
S2124の処理において、仮回収タイマ213eが0であれば(S2124:Yes)、案内機構2167が放出状態(払出装置2133の共通通路2162を通過する球が、案内部材2167aによって第1分岐通路2164へ案内され、払出装置2133の外部へ放出される状態、図46(a)参照)であると判断される。この場合、S2104の処理へ移行する。
一方、S2124の処理において、仮回収タイマ213eが0でなければ(S2124:No)、貸球の払い出しが開始されてから3秒経過しておらず、案内機構2167が回収状態であると判断されるので、次いで、貸球の払い出しが正常であるか否かの判定を行う(S2125)。その結果、貸球の払い出しが正常でなければ(S2125:Yes)、S2104の処理へ移行し、貸球の払い出しが正常であれば、次いで、仮回収タイマ213eを更新し(S2126)、S2127の処理へ移行する。
S2127では、仮回収タイマ213eが0であるか否かの判定を行い、仮回収タイマ213eが0であれば(S2127:Yes)、新たな貸球の払い出しが開始されてから3秒経過し、案内機構2167を貯留状態から放出状態へ移行するタイミングであると判断される。よってこの場合には、案内モータ2167bを負方向へ90度回転駆動させるデータを設定し(S2128)、S2104の処理へ移行する。
S2128の処理において、案内モータ2167bの駆動データが設定されると、案内モータ2167bは負方向へ回転駆動して案内部材2167aが他方向へ回動する。これにより、案内機構2167は貯留状態(図46(b)に示す状態)から放出状態(図46(a)に示す状態)へ移行する。
一方、仮回収タイマ213eが0でなければ、新たな貸球の払い出しが開始されてから3秒が経過しておらず、引き続き、共通通路2162から流下する球を第2分岐通路2164に貯留する必要があるので、S2128の処理をスキップして、S2104の処理へ移行する。
次に、図53のフローチャートを参照して、払出制御装置111のメイン処理2の中で実行される遊技時回収制御処理2(S1532)について説明する。図52は、払出制御装置111内のMPU211により実行される遊技時回収制御処理2を示すフローチャートである。なお、S2201,S2203及びS2204の処理は、第1実施の形態における遊技時回収制御処理(S1509、図41参照)において実行される処理と同一なので、その説明を省略する。
図53に示すように、遊技時回収制御処理2(S1532)では、球回収コマンドを受信した場合に(S2201:Yes)、主記憶装置110から送信された残回収球数カウンタ203gの値に基づいて残カウンタ213fの値を更新し(S2221)、回収モータ2168bを正方向へ120度回転駆動させるデータを設定する(S2222)。これにより、回収部材2168aが正方向へ120度回転駆動し、第2分岐通路2164に貯留された球が第3分岐通路2165へ案内される(図46(b)参照)。一方、S2201の処理において、球回収コマンドを受信していなければ(S2201:No)、S2222をスキップしてS2223の処理へ移行する。
S2223の処理では、回収モータ2168bを回転駆動させてから2秒経過するまでの間に、球の回収が完了したか否かを判定する。回収モータ2168bを回転駆動させてから2秒経過していれば(S2223:Yes)、回収モータ2168bを回転駆動させてから2秒間、回収センサ2169によって球が検知されず、球の回収が完了していないと判断される。よってこの場合には、再度、回収モータ2168bを正方向へ回転駆動させ(S2224)、S2225の処理へ移行する。一方、S2223の処理において、回収モータ2168bを回転駆動させてから2秒経過していなければ(S2223:No)、S2224の処理をスキップしてS2225の処理へ移行する。
S2225の処理では、回収センサ2169が球を検知したか否かを判定する。S2225の処理において、回収センサ2169が球を検知した場合には(S2225:Yes)、球が第3分岐通路2165(図46(b)参照)を通過し、球の回収が完了したと判断される。よってこの場合には、S2204の処理を実行し、残カウンタ213fの値を1減算して(S2226)、本処理を終了し、メイン処理2へ戻る。一方、S2225の処理において、回収センサ2169が球を検知していなければ(S2225:No)、そのまま本処理を終了し、メイン処理2へ戻る。
このように、遊技時回収制御処理2では、球回収コマンドを受信した場合に、回収モータ2168bを正方向へ回転駆動させ、回収センサ2169によって球が検知されるまで、2秒経過する毎に回収モータ2168bの正方向への回転駆動を行う。これにより、球が回収されるまで回収機構2168による球回収処理を反復して実行できる。また、回収センサ2169によって球が検知されたときには、主制御装置110に球回収完了コマンドが送信され、主制御装置110は払出制御装置111における球回収処理が完了したことを把握することができる。
次に、図54のフローチャートを参照して、払出制御装置111のメイン処理2の中で実行される返却処理(S1533)について説明する。図54は、払出制御装置111内のMPU211により実行される返却処理を示すフローチャートである。返却処理(S1533)では、主制御装置110から返却コマンドを受信したときに、回収モータ2168bを負方向への回転駆動を3秒間行う。これにより、第2分岐通路2164に貯留された球が第4分岐通路2166へ案内されて第1分岐通路2163へ合流し、払出装置2133の外部へ放出される。
図54に示すように、返却処理(S1533)では、まず、主制御装置110から返却コマンドを受信したか否かの判定を行い(S3101)、返却コマンドを受信していなければ(S3101:No)、S3105の処理へ移行する。
一方、返却コマンドを受信していれば(S3101:Yes)、返却フラグ213gをオンにし(S3102)、その後、球の払い出し(賞球および貸球の払い出し)が不可となるように設定する(S3103)。S3102の処理後は、返却タイマ213hを設定し(S3104)、S3105の処理へ移行する。なお、S3104の処理では、返却タイマ213hに初期値として3秒を設定する。
S3105の処理では、返却フラグ213gがオンであるか否かを判定し、返却フラグ213gがオフであれば(S3105:No)、そのまま本処理を終了し、メイン処理2へ戻る。一方、S3105の処理において、返却フラグ213gがオンであれば(S3105:Yes)、次いで、返却タイマ213hが0であるか否かを判定する(S3106)。
S3106の処理において、返却タイマ213hが0でなければ(S3106:No)、返却コマンドを受信してから3秒経過しておらず、引き続き、球の返却処理(第2分岐通路2164に貯留された球を第4分岐通路2166へ案内する処理)を行う必要があると判断される。この場合には、回収モータ2168bを負方向へ120度回転駆動させるデータを設定し(S3107)、返却カウンタ213iに1を加算する(S3108)。その後、返却タイマ213hを更新して(S3109)、本処理を終了し、メイン処理2へ戻る。
一方、S3106の処理において、返却タイマ213hが0であれば(S3106:Yes)、返却コマンドを受信してから3秒経過したと判断される。この場合、返却フラグ213gをオフにし(S3110)、球の払出不可設定を解除する(S3111)。その後、返却カウンタ213iをリセットして(S3112)、本処理を終了する。
次に、図55のフローチャートを参照して、払出制御装置111のメイン処理2の中で実行される球抜き時回収処理(S1533)について説明する。図55は、払出制御装置111内のMPU211により実行される球抜き時回収処理を示すフローチャートである。球抜き時回収処理(S1534)では、球抜き要求があった場合に、遊技者が支払った遊技料金に対する消費税相当分の全ての球の回収が完了していれば、第2分岐通路2164に貯留された球を遊技者に返却し、全ての球の回収が完了していなければ、回収すべき残りの球を第2分岐通路2164に貯留された球の中から回収した上で、残りの球を遊技者に返却する。
図55に示すように、球抜き時回収処理(1534)では、まず、球抜き要求があったか否かの判定を行い(S3201)、球抜き要求を検知していなければ(S3201:No)、S3205の処理へ移行する。一方、球抜き要求があれば(S3201:Yes)、次に、消費税相当分として回収すべき球数の全てが完了したか否かを判定するため、残カウンタ213fの値が0であるか否かを判定する(S3202)。
S3202の処理において、残カウンタ213fの値が0でなければ(S3202:No)、回収すべき球数の全てが完了していないと判断される。この場合、球抜き時回収フラグ213jをオンにし(S3203)、回収モータ2168bを正方向へ120度回転駆動するためのデータを設定する(S3204)。これにより、第2分岐通路2164内に貯留されている球が1個、第3分岐通路2165へ案内される。
一方、残カウンタ213fの値が0であれば(S3202:Yes)、回収すべき球数の全ての回収が完了しており、第2分岐通路2164に貯留されていた球がすべて遊技者に返却されていると判断される。よって、この場合には、このまま本処理を終了し、メイン処理へ戻る。
S3205の処理では、球抜き時回収フラグ213jがオンであるか否かを判定する。球抜き時回収フラグ213jがオフであれば(S3205:No)、球を回収する必要がないので、そのまま本処理を終了し、メイン処理へ戻る。一方、球抜き時回収フラグ213jがオンであれば(S3205:Yes)、次いで、球が回収されたかを判断するため、回収センサ2169が球を検知したか否かを判定する(S3206)。
S3206の処理において、回収センサ2169が球を検知していなければ(S3206:No)、次いで、回収モータ2168bを回転駆動してから2秒経過したか否かを判定する(S3207)。
S3207の処理において、回収モータ2168bが回転駆動してから2秒経過していれば(S3207:Yes)、回収機構2168による球回収処理を実行したものの球の回収が完了していないと判断される。よって、この場合には、再度、球回収処理を実行するために回収モータ2168bを正方向へ120度回転駆動させるデータを設定して(S3208)、本処理を終了する。一方、回収モータ2168bを回転駆動させてから2秒経過していない場合には、回収センサ2169による球が検知されるのを待機している状態なので、S3208の処理をスキップし、本処理を終了する。
S3206の処理において、回収センサ2169が球を検知した場合には(S3206:Yes)、球が第3分岐通路2165へ案内され、球が回収されたと判断される。よって、この場合には、残カウンタ213fの値を1減算し(S3209)、次いで、残カウンタ213fの値が0か否かについて判定する(S3210)。
S3210の処理において、残カウンタ213fの値が0でなければ(S3210:No)、回収すべき球数の全ての球の回収が完了しておらず、第2分岐通路2164に貯留された球を更に回収する必要があると判断される。よってこの場合には、第2分岐通路2164に貯留された球を回収するため、再度回収モータ2168bを正方向へ120度回転駆動させるためのデータを設定し、本処理を終了する。
一方、S3210の処理において、残カウンタ213fの値が0であれば(S3210:Yes)、回収すべき球数の全ての球の回収が完了したと判断される。よってこの場合には、球抜き時回収フラグ213jをオフにする(S3211)。次いで、第2分岐通路2164に貯留された球を返却するための処理として、返却フラグ213gをオンにし(S3213)、球の払出不可および返却タイマ213hの設定を行った後(S3214,S3215)、本処理を終了してメイン処理2へ戻る。なお、S3213〜S3215の処理は、返却処理(S1532)のS3102〜S3104の処理と同一である。この場合、回収すべき全ての球の回収が完了した場合には、返却フラグ213gがオンとなった状態でメイン処理2に戻るため、返却処理(S1534)において第2分割通路2164に貯留された球を遊技者に払い出すための処理が実行される。
以上説明したように、本実施の形態では、貸球払出要求を受信した際に、払出モータ216から払い出される球を予め回収して第2分岐通路2164に貯留するので、遊技者が払い出された球を遊技領域に発射せずに台を移動する場合のように、遊技料金に対して回収すべき消費税相当分の球の全ての回収が不能となることを回避できる。
第2分岐通路2164に貯留された球は、遊技領域に発射された球が一定数(本実施の形態では13球)に達した場合に、回収機構2168によって第3分岐通路2165へ案内されて回収され、回収すべき球数の回収が全て完了すると、第2分岐通路2164に貯留された残りの球が回収機構2168によって第4分岐通路2166へ案内されて第1分岐通路2163に合流し、遊技者に払い出される。
この場合において、貸球払出要求がなされて球を第2分岐通路2164内に貯留するときには、案内機構2167の貯留状態が一定時間(本実施の形態では3秒間)維持され、一定時間経過後に貯留状態から放出状態へ復帰するように構成されている。よって、球を貯留する段階において第2分岐通路2164内に貯留された球数の把握が不要とすることができるので、球の回収に関する制御を簡素化して球の回収処理に関するコストの抑制を図ることができる。
なお、本実施の形態では、案内機構2167の貯留状態が維持される時間を3秒間としたが、これに限られるものではない。即ち、案内機構2167の貯留状態が維持される時間は、遊技者が支払った遊技料金に対して消費税相当分として回収すべき球数以上であって、第2分岐通路2164内の貯留可能な球数以内の球を貯留可能な時間を考慮して設定されるものであり、払出モータの性能や払出装置の構造等に基づき、適宜変更することはもちろん可能である。
本実施の形態では、第2分岐通路2164内に貯留しておき、遊技領域に発射された球数が一定数以上に到達すると第2分岐通路2164に貯留された球の中から消費税相当分として回収すべき球を1つずつ回収する。よって、遊技者に払い出された球の中から球を回収する場合のように、発射ソレノイド142(図6参照)による球の発射間隔が空くことを回避するための構成が不要となるので、制御を簡素化して球の発射に関する制御を簡素化することができる。
次に、第3実施の形態について説明する。第2実施の形態では、貸球払出要求があった場合に、遊技者に払い出す前の球の一部を貯留し、回収すべき球数の全ての球の回収が完了した場合、又は、球抜き要求を検知した場合に、貯留された球を遊技者に返却する場合について説明した。これに対し、第3実施の形態では、貸球払出要求があった場合に13個の球を払い出した後、1個の球を回収して残りの球を払い出さずに貯留し、球抜き要求を検知した場合には貯留された球を遊技者に返却する。なお、上記した各実施の形態と同一の部分については同一の符号を付し、その説明を省略する。
まず、図56を参照して、第3実施の形態における払出装置3133について説明する。図56は、第3実施の形態における払出装置3133の一部を拡大した拡大断面図であり、払出装置3133のうち、払出モータ216(図57参照)よりも下方に位置する部分を模式的に図示している。
図56に示すように、払出装置3133には、払出モータ216(図57参照)から払い出された球が通過する払出通路3161が形成されている。その払出通路3161は、払出モータ216の下流側に位置する共通通路3162と、その共通通路3162から分岐する第1分岐通路3163及び第2分岐通路3164とから構成されている。さらに、払出通路3161には、共通通路3162と第1分岐通路3163及び第2分岐通路3164との間に回収機構2168が配設されている。
共通通路3162には、払出モータ216から払い出された複数の球が貯留可能に構成されている。なお、貸球操作部40(図1参照)には、遊技者に払い出されずに貯留された球数を確認するための球数表示部(図示せず)が設けられている。これにより、遊技者は、払い出されずに貯留されている球数を把握することができる。
第1分岐通路3163は、払出装置3133の外部に連通する通路であり、第1分岐通路3163を通過した球は、払出装置3133の外部へ放出される。本実施の形態では、払出装置3133の外部へ放出された球が上皿17(図1参照)へ払い出された後に、球発射ユニット140(図5参照)へ案内されるが、これに限られるものではなく、払出装置3133の外部へ放出された球が直接、球発射ユニット140へ案内されるように構成してもよい。この場合、球抜きレバー52(図1参照)の操作により貯留された球を返却する際には、貯留されていた球が第1分岐通路3163から下皿50へ案内されるように構成される。
第2分岐通路3164は、消費税相当分として回収した球を通過させるための通路であり、第2分岐通路3164を通過した球は図示しない球排出路へ案内される。また、第2分岐通路3164内には、その第2分岐通路3164を球が通過したことを検知する回収センサ2169が設けられている。
回収機構2168は、回収部材2168aの外周面に凹設された3つの収容部がそれぞれ、共通通路3162、第1分岐通路3163又は第2分岐通路3164のいずれかへ向けられた状態で回収部材2168aが静止する。回収モータ2168bは、回収部材2168aを正方向または負方向へ回転させるときには、回収部材2168aが120度ずつ回転するように回収モータ2168bが制御されている。具体的には、回収モータ2168bは1ステップ毎に正方向または負方向へ3度回転するように構成されており、40ステップ分回転させることにより、回収部材2168aが120度回転する。
よって、共通通路3162へ向けられた一の収容部に球が収容され、その状態で回収モータ2168bを正方向へ回転駆動させると、回収部材2168aは正方向(図56時計回り方向)へ120度回転し、一の収容部が第2分岐通路3164へ向けられた状態で静止する。これにより、一の収容部に収容された球は、第2分岐通路3164へ振り分けられ、消費税相当分として回収される。
一方、共通通路3162へ向けられた一の収容部に球が収容された状態で、回収モータ2168bを負方向へ回転駆動させると、回収部材2168aが負方向(図56反時計回り方向)へ120度回転し、一の収容部が第1分岐通路3163へ向けられた状態で静止する。これにより、一の収容部に収容された球は、第1分岐通路3163へ振り分けられて払出装置3133の外部へ放出される。
本実施の形態では、貸球払出要求を受信した場合に、13個の球を第1分岐通路3163へ振り分けて払出装置3133の外部へ放出した後、1個の球を第2分岐通路3164へ振り分けて回収し、他の球は遊技者に払い出されずに貯留される。回収機構2168は、発射制御信号α(図56参照)が5vから0vに立ち下がり、発射ソレノイド142(図6参照)がオンになる毎に、回収モータ2168bを回転駆動させて回収部材2168aを負方向へ120度回転させる。即ち、共通通路3162に貯留された球が、発射ソレノイド142がオンになる度に1個ずつ第1分岐通路3161へ振り分けられ、遊技者に払い出されるように構成されている。
また、本実施の形態では、回収モータ2168bが負方向へ120度回転した回数をカウントすることを通して、遊技者に払い出された球数をカウントし、回収モータ2168bが負方向への回動駆動を13回行う毎に1回、回収モータ2168bが正方向へ回転駆動して回収部材2168aを正方向へ120度回転するように構成されている。即ち、遊技者に払い出された球数が13個に到達する毎に、共通通路3162に貯留されている球の中から1個の球が第2分岐通路3164へ振り分けられ、球が回収されるように構成されている。
<第3実施形態における電気的構成について>
次に、図57及び図58を参照して、第3実施におけるパチンコ機の電気的構成について説明する。図57は、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。図58は、払出制御装置111内におけるRAM213の内容の一部を模式的に示した模式図である。なお、ここでは、第2実施の形態に対する相違点について説明し、第2実施の形態と同一の構成については、その詳細な説明は省略する。
図57に示すように、第3実施の形態におけるパチンコ機は、第1実施の形態におけるパチンコ機に対し、案内モータ2167bが省略されると共に、払出制御装置111から主制御装置110へ貸球払出要求信号SG4を入力するための構成が省略されている。その他の構成については、第2実施の形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
図58に示すように、第3実施の形態における払出制御装置111のMPU211のRAM213には、第2実施の形態に対し、仮回収タイマ213eが省略され、回収中フラグ213k、貸球払出フラグ213l、払出カウンタ213mが追加されている。その他の構成については、第2実施の形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
回収中フラグ213kは、球回収処理が実行中であるか否かを示すフラグである。回収中フラグ213kがオンに切り替わると、回収モータ2168b(図56参照)を負方向へ回転させて共通通路3162に貯留されている球を第2分岐通路3164へ案内し、回収センサ2169(図56参照)に球が検知されると回収フラグ213kがオフとなる。
貸球払出フラグ213lは、貸球払出要求信号SG4の受信に伴い、球を払出装置3133の外部へ払い出す必要があるか否かを示すフラグである。貸球払出フラグ213lは、貸球払出要求を受信した場合にオンとなり、回収機構2168によって13個の球が第1分岐通路3163へ振り分けられた場合に、1個の球が第2分岐通路3164へ振り分けた後、オフとなる。
払出カウンタ213mは、貸球払出要求信号SG4の受信に伴って球が払出装置3133の外部へ払い出されている場合に、外部へ払い出された球数をカウントするためのカウンタであり、回収モータ2168bが負方向へ120度回転駆動した場合に払出カウンタ213mの値に1が加算される。
以上説明したように、払出通路3161には、共通通路3162とその共通通路3162から分岐する第1分岐通路3163及び第2分岐通路3164が設けられている。共通通路3162には球が貯留されており、その貯留された球が回収機構2168によって回収機構2168によって第1分岐通路3163又は第2分岐通路3164のいずれか一方へ振り分けられる。
本実施の形態では、貸球払出要求を受信した場合に全ての球が貯留され、発射ソレノイド142(図6参照)がオンになる毎に1個ずつ第1分岐通路3161へ振り分けられ、遊技者に払い出されるように構成されている。回収モータ2168bが負方向へ120度回転した回数をカウントすることを通して、遊技者に払い出された球数をカウントし、回収モータ2168bが負方向への回動駆動を13回行う毎に1回、回収モータ2168bが正方向へ回転駆動して回収部材2168aを正方向へ120度回転するように構成されている。よって、回収すべき球数分の球を確実に回収することができる。
ここで、本実施の形態では、回収モータ2168bが負方向へ120度回転駆動する毎に、払出制御装置111のMPU211のRAM213内に設けられた返却カウンタ213iの値に1が加算され、返却カウンタ213iの値が13に到達すると、回転モータ2168bが正方向へ120度回転駆動するように構成されている。
この場合、払出制御装置111内で球回収処理を完結することができる。即ち、アウト球が13個に到達する度に球を1個回収する場合、アウト球のカウントは主制御装置110で行っているので、アウト球の数が13個に到達する毎に、主制御装置110から払出制御装置111へ球を回収するためのコマンドを送信する必要がある。また、アウト球数を払出制御装置111でカウントするための装置等を新たに設ける場合にはコストが増加する。
これに対し、本実施の形態では、返却カウンタ213iの値が13に到達する毎に球を1個回収する構成とすることにより、コストの増加を抑えつつ、主制御装置110と払出制御装置111との間でやりとりを行うことなく払出制御装置111内で球回収処理を完結できるので、球回収処理に関する負荷を軽減できる。
また、貯留されている球数は、球数表示部(図示せず)に表示されるので、遊技者は、貯留されている球数を正確に把握することができる。なお、球数表示部に表示される球数は、貸球や賞球の払出要求があった場合に、払い出される貸球や賞球の球数分だけ増加し、回収モータ2168bが正方向または負方向へ回転する毎に1ずつ減少する。
本実施の形態では、球貸し時に13個の球が払い出されるので、遊技者は正常に貸球の払い出しが実行されていることを確認できる。
なお、本実施の形態では、回収すべき球数の全ての回収が終了した場合であっても貯留されている球を遊技者に払い出さず、球抜きレバー52(図1参照)が操作された場合にのみ、貯留された球数の全てが払い出されるように構成されている。しかしながら、これに限られるものではなく、回収すべき球数の全ての回収が完了した場合に、貯留されている球を遊技者に払い出してもよい。
<第3実施形態における払出制御装置の制御処理について>
次に、図59のフローチャートを参照して、払出制御装置111のMPU211により実行されるメイン処理3を説明する。図59は、払出制御装置111内のMPU211により実行されるメイン処理3を示したフローチャートである。なお、メイン処理3は、第1実施の形態におけるメイン処理の代わりに実行される処理であり、遊技時回収制御処理(S1509)の代わりに球回収制御処理3(S1541)を実行する点を除き、第1実施の形態におけるメイン処理と同一である。
図59に示すように、球回収制御処理3(S1541)は、遊技の進行状況に応じて球の回収または払出を行うための処理である。なお、球回収制御処理3(S1541)の詳細については図60を参照して後述するが、球回収制御処理3(S1541)で実行される処理には、第1実施の形態において球回収制御処理(S110、図28参照)で実行された処理に相当する処理が含まれる。それに伴い、本実施の形態において主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理では、第1実施の形態において主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理で実行されていた球回収制御処理(S110)が省略される。また、本実施の形態の主制御装置110におけるRAM203には、第1実施の形態の主制御装置110におけるRAM203から、残回収球数カウンタ203g、アウト球カウンタ203h、回収フラグ203i及び未回収フラグ203jが省略されている。
次に、図60のフローチャートを参照し、払出制御装置111のメイン処理3の中で実行される球回収制御処理3(S1541)について説明する。図60は、払出制御装置111内のMPU211により実行される球回収制御処理3を示すフローチャートである。
図60に示すように、球回収制御処理3(S1541)では、カードユニット600から貸球払出要求があったことを示す貸球払出要求信号SG4を払出制御装置111から新たに受信していれば(S3301:Yes)、その貸球要求数に基づいて残カウンタ213fの値を更新し(S3302)、貸球払出フラグ213lをオンにして(S3304)、S3304の処理へ移行する。なお、S3302の処理において、残カウンタ213fの値に加算される数値は、遊技料金に対して回収すべき球数から1減算したものとなる。これは、後述する貸球払出時振分処理(S3306)において、球貸し時に球を1個回収するためである。
一方、S3301の処理において、新たな貸球払出要求信号SG4を受信していなければ(S3301:No)、S3302及びS3303の処理をスキップし、S3304の処理へ移行する。
S3304の処理では、貸球払出要求の受信に伴い球を払出装置3133の外部へ払い出す必要があるか否かを判断するため、貸球払出フラグ213lがオンであるか否かを判定する。S3304の処理において、貸球払出フラグ213lがオンであれば(S3304:Yes)、次いで、球抜き要求の受信に伴う球回収処理が実行されているか否かを判断するため、球抜き時回収フラグ213jがオンであるか否かの判定を行う(S3305)。
ここで、本実施の形態では、球貸し要求を受信した(貸球払出要求を受信した)際に、球抜き要求の受信に伴う球回収処理が実行されている場合には、その球抜き要求に伴う球回収処理が完了するまで貸球払出要求の受信に伴う球の払出処理(13個の球を払出装置3133の外部へ払出、遊技者に払い出す処理)の実行を停止する。この場合、球抜き要求を受信した時点で、その時点において回収すべき球数の全ての回収処理を一旦完了させた上で、新たな貸球払出要求の受信に伴う新たな球回収処理を開始させることができる。即ち、球抜き要求の受信に伴う球回収処理と新たな貸球払出要求の受信に伴う新たな球回収処理とを並行して実行することを回避できるので、球回収処理を簡素化して球回収処理に伴う負荷の軽減を図ることができる。
S3305の処理において、球抜き時回収フラグ213jがオフであれば、球抜き要求の受信に伴う球回収処理が実行されていないと判断されるので、13個の球を払出装置3133の外部へ払い出す貸球払出時振分処理を実行する(S3306)。なお、この貸球払出時振分処理(S3306)については、図61を参照して後述する。
一方、S3304の処理において、払出フラグ213lがオフであれば(S3304:No)、貸球払出要求の受信に伴う球の払出処理を実行する必要がないと判断される。よって、この場合には、S3305及びS3306の処理をスキップしてS3307の処理へ移行する。
また、S3305の処理において、球抜き時回収フラグ213jがオンであれば(S3305:Yes),球抜き要求の受信に伴う球回収処理が実行中であり、その球抜き要求の受信に伴う球回収処理が完了するまで貸球払出要求の受信に伴う球の払出処理を停止すべきであると判断される。よってこの場合には、S3306の処理をスキップしてS3307の処理へ移行する。
S3307の処理では、球抜き要求を検知した場合に貯留された球を第1分岐通路3163又は第2分岐通路3164へ振り分ける球抜き時振分処理を実行する。なお、この球抜き時振分処理(S3307)の詳細については図62を参照して後述する。
S3307の処理を実行した後、発射ソレノイド142がオンされたか否かについて判定し(S3308)、発射ソレノイド142がオンされた場合には(S3308:Yes)、貯留された球を遊技者に払い出す発射時振分処理(S3309)を実行する。一方、S3308の処理において、発射ソレノイド142がオフである場合には(S3308:No)、S3309の処理をスキップしてS3310の処理へ移行する。なお、発射時振分処理(S3309)の詳細については、図63及び図64を参照して後述する。
S3310の処理では、回収中フラグ203kがオンであるか否かを判定する。回収中フラグ203kがオンであれば(S3310:Yes)、回収センサ2169(図56参照)により球が検知されたか否かを判定し、それに基づいた処理を実行する遊技時回収制御処理3(S3311)を実行する。一方、S3310の処理において、回収中フラグ203kがオフであれば(S3310:No)、S3311の処理をスキップして本処理を終了する。なお、遊技時回収制御処理3(S3311)の詳細については、図65を参照して後述する。
このように、本実施の形態で実行される球回収制御処理3では、主制御装置110とのやりとりを省略し、払出制御装置111内で球回収処理を完結させることができるので、球回収処理に関する負荷を軽減できる。
次に、図61のフローチャートを参照し、払出制御処理111の球回収制御処理3(S1541)の中で実行される貸球払出時振分処理(S3306)について説明する。図61は、払出制御装置111内のMPU211により実行される貸球払出時振分処理を示すフローチャートである。この貸球払出時振分処理(S3306)では、貯留されている球を第1分岐通路3163へ振り分けて払出装置3133の外部へ払い出す処理を実行し、払い出した球数が13個に到達した場合には、貯留されている球の中から1個の球を第2分岐通路3164へ振り分けて回収する処理を行う。
図61に示すように、貸球払出時振分処理(S3306)では、まず回収モータ2168bを負方向へ120度回転駆動するデータを設定し(S3401)、貯留されている球の中からの1個の球を第1分岐通路3163へ振り分け、払出装置3133の外部へ払い出す。S3401の処理後、払出カウンタ213kの値を1加算し(S3402)、次いで、払出装置3133の外部へ払い出した球数が13個に到達したか否かを判断するため、払出カウンタ213kの値が13であるか否かを判定する(S3403)。
S3403の処理において、払出カウンタ213kの値が13であれば(S3404:Yes)、13個の球が第1分岐通路3163へ振り分けられ、払出装置3133の外部へ払い出されたと判断される。よってこの場合には、貯留された球の中から1個の球を第2分岐通路3164へ振り分け、回収するために、回収モータ2168bを正方向へ回転駆動するデータを設定する(S3404)。その後、貸球払出要求の受信に伴う球回収処理を終了するため、貸球払出フラグ213lをオフにする(S3405)。その後、払出カウンタ213mの値をリセットして(S3406)、本処理を終了する。
一方、S3403の処理において、払出カウンタ213kの値が13でなければ(S3403:No)、第1分岐通路3163へ振り分けられ、払出装置3133の外部へ払い出された球数が13個に到達しておらず、更に球を第1分岐通路3163へ振り分け、払出装置3133の外部へ払い出す必要があると判断される。よってこの場合には、このまま本処理を終了する。
なお、S3404の処理後、回収センサ2169によって球が検知されたか否かを判断する処理を行い、球が検知されない場合には回収モータ2168bを正方向へ回転駆動するデータを再度設定してもよく、例えば10秒以上、球が検知されない場合には、エラー報知コマンドの設定等を行ってもよい。
次に、図62のフローチャートを参照し、払出制御装置111の球回収制御処理3(S1541)の中で実行される球抜き時振分処理(S3307)について説明する。図62は、払出制御装置111内のMPU211により実行される球抜き時振分処理を示すフローチャートである。
図62に示すように、球抜き時振分処理(S3307)では、まず、球抜き要求を検知したか(球抜きレバー52が操作されたか)否かを判定する(S3501)。
S3501の処理において、球抜き要求を検知していない場合には(S3501:No)、球抜きレバー52が操作されず、遊技が継続して行われていると判断されるので、S3510の処理へ移行する。一方、S3501の処理において、球抜き要求を検知した場合には(S3501:Yes)、次いで、回収すべき球数の回収が完了したか否かを判断するため、残カウンタ213fの値が0であるか否かを判定する(S3502)。
S3502の処理において、残カウンタ213fの値が0であれば(S3502:Yes)、球抜きレバー52が操作された時点において、回収すべき球数の回収が完了しており、貯留されている球をすべて返却してもよいと判断される。よってこの場合には、返却フラグ213gをオンにし(S3503)、球の払出不可および返却タイマ213hを設定した(S3504,S3505)後、S3510の処理へ移行する。
なお、本実施の形態では、返却タイマ213の初期設定値が10秒に設定されるものとする。しかしながら、この初期設定値はほんの一例であり、他の数値を採用してもよい。また、貯留されている球数が0となるまで回収モータ2168bが負方向への回転駆動を継続して行うように構成してもよい。
S3502の処理において、残カウンタ213fの値が0でなければ(S3502:No)、回収すべき球数の全ての回収が完了しておらず、貯留された球の中から球を回収する必要があると判断される。この場合、次いで、球回収処理が実行中であるか否かを判断するため、回収中フラグ213kがオンであるか否かを判定する(S3506)。
S3506の処理において、回収中フラグ213kがオンであれば(S3506:Yes)、球回収処理が実行中であって回収センサ2169が第2分岐通路3164(図56参照)を通過する球を検知していない状態であると判断される。この場合、本処理である球抜き時振分処理(S3307)内において遊技料金に対して回収すべき球数のうち回収が完了していない残りの球の回収を全て行うため、回収中フラグ213kをオフにし(S3507)、球抜き時振分処理(S3307)以外での球回収処理を中止する。これにより、球回収処理を簡素化して負荷を軽減できると共に、回収する球数に過不足が発生することを防止できる。S3507の処理が終了した後、S3508の処理を実行する。
一方、S3506の処理において、回収中フラグ213kがオフであれば(S3506:No)、球回収処理が実行中でないと判断されるので、S3507の処理をスキップしてS3508の処理へ移行する。
S3508の処理では、返却する前に貯留された球の中から消費税相当分として球を回収する必要があることを示す球抜き時回収フラグ213jをオンにし、次いで、貯留された球を第2分岐通路2164へ振り分けて回収するため、回収モータ2168bを正方向へ120度回転駆動するデータを設定し(S3509)、S3510の処理へ移行する。
S3510の処理では、貯留されている球の中から球を回収すべき球があるか否かを判断するため、球抜き時回収フラグ213jがオンであるか否かを判定する。S3510の処理において、球抜き時回収フラグ213jがオフであれば(S3510:No)、回収す5べき球はないと判断されるので、S3521の処理へスキップする。
一方、球抜き時回収フラグ213jがオンであれば(S3510:Yes)、次いで、球が回収されたか否かを判断するため、回収センサ2169が球を検知したか否かを判定する(S3511)。
一方、S3511の処理において、回収センサ2169が球を検知していなければ(S3511:No)、球が第2分岐通路3164を通過しておらず、球が回収されていないと判断されるので、次いで、回収モータ2168bが最後に正方向へ120度回転駆動してから2秒経過したか否かを判定する(S3512)。
S3512の処理において、回収モータ2168bが最後に正方向へ120度回転駆動してから2秒経過している場合には(S3512:Yes)、球が第2分岐通路3164へ振り分けられず、球の回収ができていないと判断される。よって、この場合には、再度、共通通路3162に貯留された球を第2分岐通路3164へ振り分けて回収するため、回収モータ2168bを正方向へ120度回転駆動させるためのデータを設定し(S3513)、S3521の処理へ移行する。
S3512の処理において、回収モータ2168bが最後に正方向へ120度回転駆動してから2秒経過していない場合(S3512:No)には、回収部材2168a(図56参照)によって共通通路3162から第2分岐通路3164へ振り分けられた球が回収センサ2169によって検知されるのを待機している状態であると判断される。よってこの場合には、S3513の処理をスキップしてS3521の処理へ移行する。
なお、S3512の処理において、回収モータ2168bが最後に正方向へ120度回転駆動してから2秒経過している場合であって(S3512:Yes)、かつ、回収モータ2168bが最後に正方向へ120度回転駆動してから、例えば10秒経過している場合には、エラー状態であるか否かを判断するための処理として、第2実施の形態における球回収監視処理(S1040、図50参照)内で実行されたS1028及びS1029の処理を実行してもよい。
S3511の処理において、回収センサ2169が球を検知した場合には(S3511:Yes)、球が第2分岐通路3164を通過し、球が回収されたと判断される。よってこの場合には、残カウンタ213fを1減算し(S3514)、次いで、回収すべき球数の回収が全て完了したか否かを判断するため、残カウンタ213fの値が0であるか否かを判定する(S3515)。
S3515の処理において、残カウンタ213fの値が0でなければ(S3515:No)、回収すべき球数分の球の回収が完了しておらず、共通通路3162に貯留されている球を回収する必要があると判断される。よってこの場合には、再度、回収モータ2168bを正方向へ120度回転駆動するデータを設定し(S3516)、貯留されている球を第2分岐通路3164へ振り分けるための処理を実行する。このS3516の処理を実行した後は、S3521の処理へ移行する。
一方、S3515の処理において、残カウンタ213fの値が0であれば(S3515:Yes)、回収すべき球数分の球の回収が完了したと判断される。よってこの場合には、球抜き時回収フラグ213jをオフにする(S3517)。また、貯留されている球を返却するための処理として、返却フラグ213gをオンにし(S3518)、球の払出不可および返却タイマ213hを設定し(S3519,S3520)、S3521の処理へ移行する。
S3521の処理では、貯留されている球を返却するか否かを判断するため、返却フラグ213gがオンであるか否かを判定し、返却フラグ213gがオンであれば(S3521:Yes)、貯留されている球を返却する必要があると判断される。よってこの場合には、貯留されている球を返却するための処理である返却処理(S3522)を実行し、その後、本処理を終了する。なお、返却処理2(S3522)については、図63を参照して後述する。
一方、返却フラグ213gがオフであれば(S3521:No)、貯留されている球を返却する必要はないと判断されるので、S3522の処理をスキップして本処理を終了する。
このように、球抜き処理を検知した場合、回収すべき球数の全ての回収が完了していない場合には、貯留されている球の中から球を回収して回収すべき球数の全ての回収を実行し、回収すべき球数の全ての回収が完了していれば、貯留されている球を全て返却する。
従って、消費税相当分として回収すべき球数を確実に回収できる。
次に、図63のフローチャートを参照して、払出制御装置111の球抜き時振分処理(S3307)の中で実行される返却処理2(S3522)について説明する。図63は、払出制御装置111内のMPU211により実行される返却処理2を示すフローチャートである。返却処理2(S3522)では、返却フラグ213gがオンである場合に、回収モータ2168bを負方向への回転駆動を10秒間行う。これにより、貯留されていた球が回収機構2168によって第1分岐通路3163へ振り分けられ、払出装置3133の外部へ放出される。
図63に示すように、返却処理2(S3522)では、まず、主制御装置110から返
返却タイマ213hが0であるか否かを判定する(S3106)。
S3106の処理において、返却タイマ213hが0でなければ(S3106:No)、返却フラグ213gがオンとなってから10秒経過していないと判断されるので、次いで、貸球払出要求の受信に基づく球の払出処理が実行されているか否かを判断するため、貸球払出フラグ213lがオンであるか否かを判定する(S3120)。
ここで、本実施の形態では、球抜き要求の受信に基づき、貯留された球を第1分岐通路3163へ振り分けて払出装置3133の外部への払い出しを実行しているときに、貸球払出要求を受信した場合には、遊技者が球抜き操作を行ったパチンコ機10において引き続き遊技を行うと判断できる。よってこの場合には貯留された球の返却を中止する。これにより、球抜き要求の受信に基づいて行う返却処理2(S3522)と貸球払出要求に受信に基づいて行う貸球払出時振分処理(S3306)とが並行して実行されることを回避できる。よって、払出制御処理111にかかる負荷を軽減できる。
S3120の処理において、貸球払出フラグ213lがオフであれば(S3120:No)、貸球払出要求に基づく球の払い出しは実行されていないと判断される。よってこの場合には、球の返却処理(貯留された球を第1分岐通路3163へ振り分ける処理)を引き続き行う必要があると判断される。従って、回収モータ2168bを負方向へ120度回転駆動させるデータを設定し(S3107)、返却カウンタ213iに1を加算する(S3108)。その後、返却タイマ213hを更新して(S3109)、本処理を終了する。
一方、S3106の処理において、返却タイマ213hが0であれば(S3106:Yes)、返却フラグ213gがオンとなってから10秒経過したと判断される。この場合、返却フラグ213gをオフにし(S3110)、球の払出不可設定を解除する(S3111)。その後、返却カウンタ213iをリセットして(S3112)、本処理を終了する。また、S3107の処理において、貸球払出フラグ213lがオンであれば(S3107:Yes)、新たな貸球払出要求を受信し、それに伴う球の払出処理が実行されていると判断される。よってこの場合には、返却処理2を中止するため、返却フラグ213gをオフにし(S3110)、球の払出不可設定を解除する(S3111)。その後、返却カウンタ213iをリセットして(S3112)、本処理を終了する。
このように、返却処理2では、返却タイマ213hの値が0になるまで(本実施の形態では返却フラグ213gがオンになってから10秒経過するまで)の間、回収モータ2168bを負方向へ回転駆動させ、貯留されている球を払出装置3133の外部へ払い出して遊技者に返却する。また、貸球払出要求を受信した場合には、貯留されている球の返却を中止し、返却処理2(S3522)と貸球払出要求の受信に基づいて行われる貸球払出時振分処理(S3306)とが並行して実行されることを回避できる。よって、払出制御装置111にかかる負荷を軽減できる。
次に、図64のフローチャートを参照して、払出制御装置111の球回収制御処理3の中で実行される発射時振分処理(S3309)について説明する。図64は、払出制御装置111内のMPU211により実行される発射時振分処理を示すフローチャートである。発射時振分処理(S3309)では、発射ソレノイド142がオンとなる毎に共通通路3162に貯留されている球を第1分岐通路3163へ振り分けて払出装置3133の外部へ払い出し、外部へ払い出した球数が13個に到達する毎に、貯留されている球を第2分岐通路3164へ振り分けて回収する。
図64に示すように、発射ソレノイド142がオンとなった場合(S3308:Yes,図60参照)に実行される発射時振分処理(S3309)では、発射ソレノイド142がオンになったのに伴い、貯留された球を第1分岐通路3163へ振り分けて遊技者へ払い出すため、回収モータ2168bを負方向へ回転駆動するデータを設定し(S3601)、返却カウンタ213iを1加算する(S3602)。S3602の処理終了後、球の回収を新たに開始するタイミングであるか否かを判断するため、返却カウンタ213iの値が13以上であるか否かを判定する(S3603)。
S3603の処理において、返却カウンタ213iの値が13未満であれば(S3603:No)、新たに球を回収するタイミングではないと判断されるので、そのまま本処理を終了する。
一方、返却カウンタ213iの値が13以上であれば(S3603:Yes)、遊技者に払い出された球数が13個以上に到達し、貯留されている球の中から消費税相当分として球を1つ回収する必要があると判断される。この場合には、次いで、回収すべき球数の回収がすべて完了しているか否かを判断するため、残カウンタ213fの値が0であるか否かを判定する(S3604)。
S3604の処理において、残カウンタ213fの値が0であれば(S3604:Yes)、回収すべき球数の回収がすべて完了しており、球を回収する必要がないと判断される。よってこの場合には、返却カウンタ213iをリセットし(S3605)、本処理を終了する。
一方、残カウンタ213fの値が0でなければ(S3604:No)、回収すべき球数の回収が完了しておらず、貯留された球の中から球を回収する必要があると判断される。この場合、次いで、球抜きレバー52(図1参照)が操作され、上記した球抜き時振分処理(S3307、図62参照)における球回収処理が実行されているか否かを判断するため、球抜き時回収フラグ213jがオンであるか否かを判定する(S3606)。
S3606の処理において、球抜き時回収フラグ213jがオンであれば(S3606:Yes)、球抜きレバー52が操作され、球抜き時振分処理(S3307)において球回収処理が実行されていると判断される。この場合、本処理である発射時振分処理(S3309)での球回収処理を回避するため、このまま本処理を終了する。
一方、球抜き時回収フラグ213jがオフであれば(S3606:No)、球抜きレバー52が操作されておらず、球抜き時振分処理(S3307)において球回収処理が実行されていないと判断される。よってこの場合には、球回収処理を実行していることを示す回収中フラグ213kをオンにする(S3607)。次いで、貯留されている球を第2分岐通路3164へ振り分けて回収する球回収処理を実行するため、回収モータ2168bを正方向へ120度回転駆動するデータを設定する(S3608)。さらに返却カウンタ213iの値を13減算し(S3609)、本処理を終了する。
このように、発射時振分処理(S3309)では、発射ソレノイド142がオンされる毎に貯留されている球を遊技者に払い出し、払い出した球が13個に到達する毎に貯留されている球を1個回収する。よって、回収すべき球数分の球を確実に回収できる。
また、球抜き時振分処理(S3307)において球回収処理が実行されている場合には、本処理である発射時振分処理(S3309)における球回収処理が回避されるので、球回収処理にかかる制御を簡素化して処理の実行時にかかる負荷を軽減できる。
次に、図65のフローチャートを参照して、払出制御装置111の球回収制御処理3の中で実行される遊技時回収制御処理3(S3311)について説明する。図65は、払出制御装置111内のMPU211により実行される遊技時回収制御処理3を示すフローチャートである。この遊技時回収制御処理3(S3311)では、回収中フラグ213kがオンである場合に(S3310:Yes、図60参照)、回収センサ2169によって球が検知されたか否かを確認する。
図65に示すように、遊技時回収制御処理3(S3311)において、回収センサ2169が球を検知していなければ(S3701:No)、球が第2分岐通路3164を通過しておらず、球が回収されていないと判断されるので、次に、回収モータ2168bが最後に正方向へ120度回転駆動してから2秒経過したか否かを判定する(S3702)。
S3702の処理において、回収モータ2168bが最後に正方向へ120度回転駆動してから2秒経過している場合には(S3702:Yes)、球が第2分岐通路3164へ振り分けられず、球の回収ができていないと判断される。よって、この場合には、再度、共通通路3162に貯留された球を第2分岐通路3164へ振り分けて回収するため、回収モータ2168bを正方向へ120度回転駆動させるためのデータを設定し(S3703)、本処理を終了する。
一方、S3702の処理において、回収モータ2168bが最後に正方向へ120度回転駆動してから2秒経過していない場合(S3702:No)には、回収部材2168a(図56参照)によって共通通路3162から第2分岐通路3164へ振り分けられた球が回収センサ2169によって検知されるのを待機している状態であると判断される。よってこの場合には、S3703の処理をスキップして本処理を終了する。
なお、S3702の処理において、回収モータ2168bが最後に正方向へ120度回転駆動してから2秒経過している場合であって(S3702:Yes)、かつ、回収モータ2168bが最後に正方向へ120度回転駆動してから、例えば10秒経過している場合には、エラー状態であるか否かを判断するための処理として、第2実施の形態における球回収監視処理(S1040、図50参照)内で実行されたS1028及びS1029の処理を実行してもよい。
S3701の処理において、回収センサ2169が球を検知した場合には(S3701:Yes)、第2分岐通路3164を球が通過し、球が回収されたと判断される。よって、この場合には、回収中フラグ213kをオフにし(S3704)、残カウンタ213fの値を1減算して(S3705)本処理を終了する。
このように、遊技時回収制御処理3(S3311)では、回収モータ2168bを正方向へ120度回転駆動させたことにより、球が第2分岐通路3164を通過し、球が回収されたか否かの判断を、回収センサ2169によって球が検知されたか否かにより判定する。そして、最後に回収モータ2168bを正方向へ回転駆動してから2秒経過していない場合には、再度、回収モータ2168bを正方向へ回転駆動させ、貯留されている球を第2分岐通路3164へ振り分ける処理を実行する。即ち、球の回収が確認されるまで反復して球回収処理が実行されるので、球の回収を確実に行うことができる。
以上説明したように、本実施の形態では、貸球払出要求を受信した場合に一旦すべての球を貯留し、発射ソレノイド142がオンされる毎に貯留された球が第1分岐通路3163へ振り分けられて払出装置3133の外部へ放出される。払出装置3133の外部へ払い出された球は、球発射ユニット140(図5参照)へ案内され、発射ソレノイド142により遊技領域へ発射される。
払出装置3133の外部へ放出される球数は、払出制御装置111のRAM213に設けられた返却カウンタ213iによりカウントされ、返却カウンタ213iの値が13以上に到達する毎に1個の球を回収する。
この場合、球回収処理を行うタイミングを払出制御装置111内で把握することができるので、球回収処理を払出制御装置111内のみで完結することができる。即ち、主制御装置110で球回収処理を行うタイミングを管理し、主制御装置110から送信されるコマンドに基づいて払出制御装置111において球回収処理を実行する場合と比べて、球回収処理に関する負荷を軽減できる。
以上、上記各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記第1及び第2実施の形態では、アウト球数を遊技領域に発射された球数とみなす場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、発射ソレノイド142により発射されて戻り球防止部材68を通過した球を検出するための通過検出センサを、戻り球防止部材68の下流側に配置し、その通過検出センサによって検出された球数を、遊技に使用した球数とみなしてもよい。この場合、通過検出センサによって検出される球数を、実際に遊技に使用した球数と一致させることができるので、回収すべき球数の回収ロスが発生することを抑制できる。また、発射ソレノイド142により発射された球数(発射ソレノイド142が励磁された回数)から、戻り球の数を差し引いた球数を、遊技に使用した球数とみなしてもよい。
上記第1実施の形態では、案内部材161が規制部164を備え、球を回収通路148cへ案内可能な回収状態では、案内部材161の誘導部163上で静止する球P2に続く球P3の移動を規制部164によって規制する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、規制部164を省略してもよい。この場合において、回収センサ167が短時間に続けて2個以上の球を検知したときに、回収通路148cを誤って2個以上の球が通過し回収されたと判断し、その誤って回収された過回収分の球を返却する処理が行われるような構成にしてもよい。
また、上記各実施の形態では、遊技領域に発射された球数が一定数に達した場合に、1度の回収処理において1つずつ球を回収する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、1度の回収処理において球を2つ以上回収してもよい。これにより、回収処理を実行する頻度を抑制できる。
上記第1実施の形態では、案内モータ162を正方向へ駆動回転して案内部材161を一方向へ回動した後、74m秒経過後に案内モータ162を負方向へ駆動回転して案内部材161を他方向へ回動する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、案内モータ162を正方向へ駆動回転して案内部材161を一方向へ回動した後、回収センサ167によって球が検知された後に、案内モータ162を負方向へ駆動回転して案内部材161を他方向へ回動させるように構成してもよい。
上記第1実施の形態では、球発射ユニット140のうち、送出部材152の上流側に案内機構145を設け、その案内機構145の案内部材161を回動させることによって球を回収通路148cへ案内し、球を回収する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の態様で球を回収してもよい。
例えば、上記第1実施の形態では、案内部材161の誘導部163が送出側誘導部165と回収側誘導部166とを備える場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、回収側誘導部166を省略してもよい。またこの場合、案内機構145を通常状態から回収状態へ移行する際に、ホルダ部154に収容された球と案内部材161との干渉を回避できるので、球送りソレノイド151をオン状態からオフへ切り替えるのと同時に、案内機構145の通常状態から回収状態への移行を行ってもよい。即ち、案内部材161とホルダ部154に収容されて発射レール143へ送られる球との干渉を防止するために、球送りソレノイド151がオン状態からオフ状態へ切り替わった後に、案内機構145を通常状態から回収状態への移行を開始するまでのインターバルを設ける必要がなく、そのインターバル期間を管理するための制御等を不要とすることができるので、球回収処理における負荷を軽減できる。
上記第1実施の形態では、案内部材161が誘導部163と規制部164とを備え、案内モータ162を駆動させることによって誘導部163と規制部164とが一体的に回動する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、誘導部163と規制部164とを別体にし、誘導部163と規制部164とがそれぞれ独立して変位するように構成してもよい。
また、発射レール143を回動可能またはスライド可能に構成し、球を回収する際には発射レール143を回動またはスライドさせることにより、球が回収口73へ案内されるように構成してもよい。この場合、発射レール143を回動またはスライドさせて球を回収する際に、球送りソレノイド151を増やすことが望ましい。即ち、発射ソレノイド151がオンされると同時に球送りソレノイド151がオンとなり、一定時間後にオン状態からオフにした後、次に発射ソレノイド151がオンされるまでの間に再度、球送りソレノイド151のオン・オフを行う。これにより、先に送出部材152から発射レール143に送られた球が回収された場合としても、次に発射ソレノイド142がオンされるまでに再度、球送りソレノイド151のオン・オフを行い、球を発射レール143上へ送ることができるので、球の発射間隔が空くことを回避できる。
上記第1実施の形態では、発射ソレノイド142と球送りソレノイド151とが同時にオン状態となり、発射ソレノイド142により球が発射されるのと同時に、球送りソレノイド151が上方へ回動しホルダ部154へ球を収容可能な状態となる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、発射ソレノイド142がオフ状態からオンになるタイミングと球送りソレノイド151がオフ状態からオンになるタイミングとをずらしてもよい。
なお、第1実施および第2実施の形態では、主制御装置110により消費税分の遊技球を回収するための処理が実行されるように構成したが、払出制御装置111や他の制御装置に実行させてもよいし、専用の制御装置を設けて実行させるように構成してもよい。
さらに、上記各実施の形態では、球の回収が消費税相当分の球を回収する目的で行われているが、他の目的で球の回収を行うことは当然可能である。例えば、球を複数個投入する毎に1回の遊技を行うように設定されている場合に、複数個の中から1つを遊技領域へ向けて発射し、残りの球が回収されるように構成してもよい。
上記第1実施および第2実施の形態では、回収すべき球数を主制御装置110で管理するため、球貸し要求があった場合には、払出制御装置111から主制御装置110に対して貸球払出要求信号SG4を送信していた。また、球の回収処理を行う場合には、主制御装置110から払出制御装置111に対して球回収コマンドを送信し、払出制御装置111での球の回収処理が完了したときには払出制御装置111から主制御装置110に対して球回収コマンドを送信していた。しかしながら、必ずしもこれに限られるものではなく、回収すべき球数や遊技領域に発射された球数を払出制御装置111で管理し、球の回収に係る処理を払出制御装置111内の制御だけで完結してもよい。また、主制御基板および払出制御基板を一の基板に統合し、その統合した基板で球の回収に係る処理を行ってもよい。
上記第1実施および第2実施の形態では、主制御基板と払出制御基板とで球の回収に係る処理を行っているが、必ずしもこれに限られるものではなく、主制御基板および払出制御基板とは別に、球の回収に係る処理を行う専用基板を設けてもよい。
上記第1実施の形態では、球送り制御信号βが5vに立ち上がってからの経過時間に基づいて、案内機構145による新たな球の回収処理を開始するか否かの判断を行う場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、球送り制御信号βが0vに立ち下がるまでの残余時間に基づいて、案内機構145による新たな球の回収処理を開始するか否かの判断を行ってもよい。
上記第3実施の形態では、貸球払出要求を受信した際に、13個の球を払い出すと共に1個の球を回収し、残りの球を貯留する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、貸球払出要求の受信時に払い出す球数を任意に設定してもよく、払い出す球数に応じて回収する球数を任意で設定してもよい。また、貸球払出要求の受信時には球を払い出さず全ての球を貯留してもよい。また、貸球払出要求の受信時において上皿17に一定数以上の球が入っていると判断した場合には貸球払出要求の受信時における球の払い出しを行わずに全ての球が貯留されるように設定してもよい。なお、この場合であっても、貯留されている球数は球数表示部(図示せず)に表示されるので、遊技者は貯留されている球数の変化を見て貸球の払い出しが正常に行われているか否かを確認できる。
なお、本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
上記実施形態では、音声ランプ制御装置113と、表示制御装置114とを別々に設けているが、代わりに、それぞれの装置113,114を一体化し、一つの装置として設けても良い。
また、上記実施形態では、まず、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へコマンドが送信され、音声ランプ制御装置113によりコマンドが受信されると、音声ランプ制御装置113において表示制御装置114へ送信すべきコマンドが決定され、その後、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へコマンドが送信されるように構成されている。これに対して、まず、主制御装置110から表示制御装置114へコマンドが送信し、表示制御装置114によりコマンドが受信されたら、表示制御装置114において音声ランプ制御装置113へ送信すべきコマンドを決定させ、その後、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113へコマンドを送信するように構成しても良い。
上記実施形態では、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に、音声ランプ制御装置113により背面画像変更コマンドや枠ボタン操作コマンドが生成され、表示制御装置114によってその背面画像変更コマンドや枠ボタン操作コマンドに基づき、第3図柄表示装置81に表示される背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信したコマンドの内容に基づいて、遊技機10の遊技状態を把握し、その遊技状態に応じて、例えば、遊技状態の変更にあわせて、背面画像変更コマンドや遊技状態コマンドを生成してもよい。これにより、表示制御装置114では、その背面画像変更コマンドや遊技状態コマンドに基づき、遊技状態に応じて背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更することができる。また、表示制御装置114が直接遊技機10の遊技状態を把握し、その遊技状態に応じて、背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更してもよい。
また、表示制御装置114は、表示データテーブル、転送データテーブル、追加データテーブルや合成データテーブルの規定に従って背面画像を変更してもよい。
また、上記実施形態では、振動センサの出力信号を音声ランプ制御装置113に入力し、音声ランプ制御装置113にて振動エラーが検出された場合、エラーコマンドを表示制御装置114へ送信することにより、表示制御装置114にて第3図柄表示装置81へ即座に警告画像を表示させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振動センサの出力信号を主制御装置110へ入力し、主制御装置110にて振動エラーを検出して、主制御装置110からそのエラーを通知するエラーコマンドを音声ランプ制御装置113および表示制御装置114のいずれかへ送信するようにしてもよい。そして、音声ランプ制御装置113に対してエラーコマンドが送信される場合は、音声ランプ制御装置113がそのエラーコマンドを受けて、表示制御装置114へ更にそのエラーを通知するエラーコマンドを送信するようにしてもよい。
上記実施形態では、主制御装置110が、音声ランプ制御装置113に対して通知する始動入賞時に取得した各種カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2)の情報を、保留球数コマンドに含める場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、別のコマンドによって、始動入賞時に取得した各種カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2)の情報を音声ランプ制御装置113に通知してもよい。
上記実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
上記実施形態において、球が入球した場合に特別図柄の大当たりの抽選が開始される第1始動口64と第2始動口640との2つが遊技盤13に配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1始動口64又は第2始動口640のいずれか1つ、又は、第1始動口64及び第2始動口640と独立して入球が検出されて大当たりの抽選が開始される3つ以上の始動口が遊技盤13に配設されていてもよい。
なお、複数の始動口を設ける場合、各始動口において保留があった場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する保留球数コマンドには、いずれの始動口による保留であるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの始動口により保留された変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、始動口毎にそれぞれ保留球数カウンタを用意しておき、保留球数コマンドを受信した場合、その保留球数コマンドに示された始動口に対する保留球数カウンタに保留球数を設定し、変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドに示された始動口に対する保留球数カウンタを1減らせば、始動口毎に保留球数をカウントすることができる。
上記実施形態では、主制御装置110において特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄保留球数カウンタ223bの値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記実施形態においては、第1始動口64及び第2始動口640への入賞およびスルーゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1始動口64及び第2始動口640への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
なお、上記各実施の形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。例えば、上記各実施の形態では、1つの大当たり毎のラウンド数が16である場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、1つの大当たり毎のラウンド数が16以外であってもよい。
なお、上記した、各実施形態及び変形例の一部または全部を組み合わせてもよい。また、制御処理については、構成の実施形態に適用して実施するように構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(発射間隔を一定間隔に保ちつつ、球送りされる前の球を回収する。)
遊技領域に一定間隔で球を発射可能な発射手段と、その発射手段に一定間隔で球を送ることが可能な球送り手段と、その球送り手段に送られる前の球が待機する待機部と、その待機部に待機する球を回収可能な回収手段と、その回収手段に球の回収を指示する回収指示手段と、を備え、前記球送り手段は、前記待機部から送られた球を受けることが可能な球受け期間と、球を前記発射手段へ送ることが可能な球送り期間とが交互に入れ替わるように構成され、前記回収指示手段は、少なくとも前記球送り手段が前記球送り期間であると判断した場合に、前記回収手段に球の回収を実行することを特徴とする遊技機A1。
ここで、貸球の払い出しを行う場合に、消費税等を考慮して貸球の払出個数を調整する技術が知られている。例えば、特開平11−70264号公報や特開2003−33554号公報には、遊技料金に対する消費税を外税で課税してホール側で徴収する場合に、遊技者に対して実際に払い出す貸球の払出個数を、遊技料金に相当する貸球数から消費税分に相当する球数を予め差し引いた数とする技術が開示されている。しかしながら、上述した従来の技術では、予め差し引く球数が多くなるほど、実際に遊技者に払い出される貸球の払出個数が少なくなるので、遊技者に不快感を与えるという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、回収手段は、待機部に待機する球を回収する。この場合、遊技者に払い出された球を回収するので、回収する球数に関係なく、球貸し時に遊技者に払い出される球数を一定にすることができる。よって、球回収に伴って遊技者に与える不快感を軽減できるという効果がある。
さらに、回収指示手段は、少なくとも球送り手段が球送り期間であると判断した場合に、回収手段に球の回収を指示する。即ち、球送り手段が球受け期間であるときには、待機部にある球が回収されることを回避できるので、待機部にある球を球送り手段へ確実に送ることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記球送り手段は、前記発射手段によって球が一定間隔で発射される状態下において、前記球送り期間が一定間隔で設定されることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、球送り手段は、発射手段によって球が一定間隔で発射される状態下では、球送り期間が一定間隔で設定され、回収手段は球送り手段が球送り期間である場合に、球の回収を実行する。即ち、球の回収が実行された場合であっても、球の発射間隔が一定なので、球が回収されたことを遊技者に認知されにくくすることができる。よって、遊技機A1の奏する効果に加え、遊技者は心地よく遊技を行うことができるという効果がある。
遊技機A1又はA2において、前記球送り手段が前記球送り期間に切り替わってからの経過時間、又は、前記球受け期間に切り替わるまでの残余時間を管理する球送り時間管理手段を備え、前記回収指示手段は、前記球送り時間管理手段に基づいて、前記球送り手段が前記球送り期間に切り替わってから所定時間以上経過したと判断した場合、又は、前記球受け期間に切り替わるまでの残余時間が所定時間以下になったと判断した場合に、前記回収手段への球の回収指示を停止することを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、回収指示手段は、球送り手段が球送り期間に切り替わってから所定時間以上経過したと判断した場合、又は、球受け期間に切り替わるまでの残余時間が所定時間以下になったと判断した場合に、回収手段への球の回収指示を停止するので、球送り手段が球送り期間から球受け期間へ切り替わったときに、球を待機部に待機させておくことができる。よって、球送り手段が球受け期間となったときに、球を球送り手段へ確実に送ることができるという効果がある。
遊技機A1からA3において、遊技領域に発射された球数をカウントする発射数カウント手段を備え、前記回収指示手段は、前記発射数カウント手段によりカウントされた球数が一定数に到達した場合に、前記回収手段に球の回収を指示することを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3の奏する効果に加え、回収指示手段は、発射数カウント手段によりカウントされた球数が一定数に到達した場合に、回収手段に球の回収を指示するので、球が回収されたことを遊技者に認知されにくくすることができるという効果がある。
遊技機A4において、前記発射数カウント手段は、遊技領域から排出されたアウト球をカウントすることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、発射数カウント手段は、遊技領域から排出されたアウト球をカウントするので、発射手段の発射回数から遊技領域へ到達できずに戻ってきた球数を差し引いて遊技領域へ発射された球数を算出する場合と比べて、遊技領域に発射された球数のカウント処理を簡素化できるという効果がある。
遊技機A1からA5において、前記回収手段により回収が必要な球数を記憶する回収球数記憶手段を備え、前記回収指示手段は、前記回収球数記憶手段の値が0となった場合に、前記回収手段への回収指示を停止することを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5に奏する効果に加え、回収球数記憶手段の値が0となったときに回収手段への回収指示を停止するので、必要数以上の球が回収されることを防止できるという効果がある。
遊技機A1からA6において、前記発射手段および前記球送り手段を覆設する覆設手段と、その覆設手段に開口形成される開口部を備え、前記待機部は、前記開口部を介して前記覆設手段の内部から外部に亘って形成され、前記回収手段は、前記覆設手段の内部に配設されていることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6の奏する効果に加え、回収手段が覆設手段の内部に配設されているので、回収手段に球を回収させることなく球を遊技領域に発射させようとする不正行為を防止しやすくすることができるという効果がある。
遊技機A1からA7において、前記回収手段は、前記待機部から分岐して形成される分岐流路と、前記待機部に待機する球を前記球送り手段または前記分岐流路のいずれか一方へ案内する案内手段と、を備え、前記回収指示手段から球の回収指示を受けた場合に、前記案内手段が前記待機部に待機する球を前記分岐流路に案内することを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7の奏する効果に加え、回収手段は、回収指示手段から球の回収指示を受けた場合に、案内手段が待機部に待機する球を分岐流路に案内するので、球の回収を円滑に行うことができるという効果がある。
遊技機A8において、前記案内手段は、前記回収手段が前記回収指示手段から球の回収指示を受けた場合に、一定数以上の球が前記待機部から前記分岐流路へ案内されることを規制する規制手段を備えていることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、前記案内手段は、回収手段から回収指示手段から球の回収指示を受けた場合に、一定数以上の球が待機部から分岐流路へ案内されることを規制する規制手段を備えているので、一定数以上の球が回収されることを防止できるという効果がある。
<特徴B群>(球貸し時に球を貯留、貯留された球を回収し、残りの球は返却する。)
球貸し時に、遊技者へ払い出される前の球を一部貯留する貯留手段を備え、前記貯留手段は、貯留された球を回収可能な回収手段と、遊技の進行状況に基づいて、前記回収手段に球の回収を指示する回収指示手段と、を備えていることを特徴とする遊技機B1。
ここで、貸球の払い出しを行う場合に、消費税等を考慮して貸球の払出個数を調整する技術が知られている。例えば、特開平11−70264号公報や特開2003−33554号公報には、遊技料金に対する消費税を外税で課税してホール側で徴収する場合に、遊技者に対して実際に払い出す貸球の払出個数を、遊技料金に相当する貸球数から消費税分に相当する球数を予め差し引いた数とする技術が開示されている。しかしながら、上述した従来の技術では、球貸し時に球の払出処理と球の回収処理とを同時に行う必要があり、それら払出処理および回収処理を実行する際の負荷が大きくなるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、回収指示手段は、遊技の進行状況に基づいて回収手段に回収を指示し、回収手段は貯留手段によって貯留された球を回収する。この場合、球の回収処理が、球貸し時における球の払出処理とは別の処理として実行されるので、球の回収処理および球の払出処理を実行する際の負荷を軽減できるという効果がある。
遊技機B1において、前記貯留手段は、貯留された球を遊技者に返却する返却手段と、その返却手段に球の返却を指示する返却指示手段と、を備えていることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、貯留手段が、貯留された球を遊技者に返却する返却手段と、その返却手段に球の返却を指示する返却指示手段とを備えているので、貯留手段に回収予定数以上の球数が貯留されたとしても、余剰分の球を遊技者に返却することができる。よって、遊技者に不利益が及ぶことを防止できるという効果がある。
遊技機B2において、前記回収手段により回収する球数を記憶する回収球数記憶手段を備え、前記返却指示手段は、前記回収球数記憶手段の値が0となった場合に、前記返却手段に球の返却を指示することを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、返却指示手段は、回収球数記憶手段の値が0となった場合に前記返却手段に球の返却を指示するので、回収球数に過不足が発生することを防止できるという効果がある。
遊技機B2又はB3において、遊技者に払い出された球を貯留可能な貯留部と、その貯留部から球を抜く際に操作される球抜き手段と、を備え、前記返却指示手段は、前記球抜き手段が操作された場合に、前記返却手段に球の返却を指示することを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B2又はB3の奏する効果に加え、返却指示手段は、球抜き手段が操作された場合に、返却手段に球の返却を指示するので、貯留手段に球が貯留されている球を球抜き手段の操作に応じて返却することができる。よって、遊技者に不利益が及ぶことを防止できるという効果がある。
遊技機B4において、前記回収手段により回収する球数を記憶する回収球数記憶手段を備え、前記回収手段は、前記球抜き手段が操作された場合、前記返却手段により球が返却される前に、前記回収球数記憶手段に記憶された球数分の球を前記貯留手段から回収することを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5は、遊技機B4の奏する効果に加え、回収手段は、球抜き手段が操作された場合、返却手段により球が返却される前に、回収球数記憶手段に記憶された球数分の球が貯留手段から回収されるので、球の回収ロスが発生することを防止できるという効果がある。
遊技機B2からB5において、前記貯留手段は、貯留された球を振り分ける振分手段を備え、前記回収手段は、前記回収指示手段から回収指示があった場合に、前記振分手段によって前記貯留手段に貯留された球を振り分けて球を回収し、前記返却手段は、前記返却指示手段から返却指示があった場合に、前記振分手段によって前記貯留手段に貯留された球を振り分けて球を返却することを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B2からB5の奏する効果に加え、回収手段による球の回収処理と返却手段による球の返却手段との双方を、振分手段によって行うことができる。よって、部品点数を減らしてコストの削減を図ることができると共に、部品を共通化して必要な配置スペースを小さくすることができるという効果がある。
<その他>
貸球の払い出しを行う場合に、消費税等を考慮して貸球の払出個数を調整する技術が知られている。
例えば、遊技料金に対する消費税を外税で課税してホール側で徴収する場合に、遊技者に対して実際に払い出す貸球の払出個数を、遊技料金に相当する貸球数から消費税分に相当する球数を予め差し引いた数とする技術が開示されている(例えば、特許文献1:特開平11−70264号公報、特許文献2:特開2003−33554号公報)。
しかしながら、上述した従来の技術では、球貸し時に球の払出処理と球の回収処理とを同時に行う必要があり、それら払出処理および回収処理を実行する際の負荷が大きくなるという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、払出処理および回収処理を実行する際の負荷を軽減できる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために、技術的思想1の遊技機は、球貸し時に、遊技者へ払い出される前の球を少なくとも一部貯留する貯留手段を備え、前記貯留手段は、貯留された球を回収可能な回収手段と、遊技の進行状況に基づいて、前記回収手段に球の回収を指示する回収指示手段と、を備えている。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記貯留手段は、貯留された球を遊技者に返却する返却手段と、その返却手段に球の返却を指示する返却指示手段と、を備えている。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記回収手段により回収する球数を記憶する回収球数記憶手段を備え、前記返却指示手段は、前記回収球数記憶手段の値が0となった場合に、前記返却手段に球の返却を指示する。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想2又は3に記載の遊技機において、遊技者に払い出さた球を貯留可能な貯留部と、その貯留部から球を抜く際に操作される球抜き手段と、を備え、前記返却指示手段は、前記球抜き手段が操作された場合に、前記返却手段に球の返却を指示する。
技術的思想5の遊技機は、技術的思想4記載の遊技機において、前記回収手段により回収する球数を記憶する回収球数記憶手段を備え、前記回収手段は、前記球抜き手段が操作された場合、前記返却手段により球が返却される前に、前記回収球数記憶手段に記憶された球数分の球を前記貯留手段から回収する。
技術的思想6の遊技機は、技術的思想2から5のいずれかに記載の遊技機において、前記貯留手段は、貯留された球を振り分ける振分手段を備え、前記回収手段は、前記回収指示手段から回収指示があった場合に、前記振分手段によって前記貯留手段に貯留された球を振り分けて球を回収し、前記返却手段は、前記返却指示手段から返却指示があった場合に、前記振分手段によって前記貯留手段に貯留された球を振り分けて球を返却する。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、回収指示手段は、遊技の進行状況に基づいて回収手段に回収を指示し、回収手段は貯留手段によって貯留された球を回収する。この場合、球の回収処理が、球貸し時における球の払出処理とは別の処理として実行されるので、球の回収処理および球の払出処理を実行する際の負荷を軽減できるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、遊技機B1の奏する効果に加え、貯留手段が、貯留された球を遊技者に返却する返却手段と、その返却手段に球の返却を指示する返却指示手段とを備えているので、貯留手段に回収予定数以上の球数が貯留されたとしても、余剰分の球を遊技者に返却することができる。よって、遊技者に不利益が及ぶことを防止できるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、返却指示手段は、回収球数記憶手段の値が0となった場合に前記返却手段に球の返却を指示するので、回収球数に過不足が発生することを防止できるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想2又は3に記載の遊技機の奏する効果に加え、返却指示手段は、球抜き手段が操作された場合に、返却手段に球の返却を指示するので、貯留手段に球が貯留されている球を球抜き手段の操作に応じて返却することができる。よって、遊技者に不利益が及ぶことを防止できるという効果がある。
技術的思想5記載の遊技機によれば、技術的思想4記載の遊技機の奏する効果に加え、回収手段は、球抜き手段が操作された場合、返却手段により球が返却される前に、回収球数記憶手段に記憶された球数分の球が貯留手段から回収されるので、球の回収ロスが発生することを防止できるという効果がある。
技術的思想6記載の遊技機によれば、技術的思想2から5のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、回収手段による球の回収処理と返却手段による球の返却手段との双方を、振分手段によって行うことができる。よって、部品点数を減らしてコストの削減を図ることができると共に、部品を共通化して必要な配置スペースを小さくすることができるという効果がある。