JP4788940B2 - 燃料電池用セパレータ、その製造方法及び燃料電池 - Google Patents

燃料電池用セパレータ、その製造方法及び燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池用セパレータ、その製造方法及び燃料電池に関する。更に詳述すれば、導電性と強度とのバランスに優れた燃料電池用セパレータ、その製造方法及び燃料電池に関するものである。
家庭用定置型用途及び自動車搭載用途等に利用される燃料電池が注目されている。この燃料電池は、化学エネルギーを熱エネルギーに変換することなく直接電気エネルギーとして利用するものであり、通常水素及び酸素の反応によって電気を取出す電池をいう。こうした燃料電池には、リン酸型燃料電池、固体電解質型燃料電池及び固体高分子型燃料電池(PEFC)等いくつかの方式のものがあるが、その中で固体高分子型燃料電池、リン酸型燃料電池では導電性成形品であるセパレータが使用されている。そのためその成形品には、10×10-2Ωcm以下の高い電気導電性が要求される他、組立時や車載用燃料電池運転時における割れを起こさない程度の強度が要求される。
したがって、高い導電性を有し、かつ機械的強度に優れる燃料電池用セパレータが求められている。
この要求を満たすため、これまで、燃料電池用セパレータとして、黒鉛粉末と樹脂の混合物を成形したもの(例えば特許文献1参照)等が提案されている。
しかしながら、このものは全体的に均質であり、中心部分も周辺部分も一定比率の黒鉛粉末と樹脂とを有しており、全体に導電性を上げるとすると、周辺部分の強度が低下しやすく、全体的に強度を上げようとすると、中心部分については導電性が不足し、満足する導電性及び強度を得ることができないという問題がある。
他方この問題を解決するため、中心部分と周辺部分に異なる組成を用いて成形する技術が開示されている(例えば特許文献2参照)が、この方法によると異種の組成に起因する成形品の各部分の間に物性、特に膨張率等の差異が生じ、中心部分と周辺部分の接合部位の間でクラックが発生しやすいという問題があった。
特開2001−216976号公報 特開2001−250566号公報
本発明の課題は、導電性及び機械強度に対する要求性能を満足し、かつガス不透過性に優れる燃料電池用セパレータ、その製造方法及び燃料電池を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、導電材と熱硬化性樹脂とを主成分として含む導電性組成物を成形してなる燃料電池用セパレータにおいて、人造黒鉛、天然黒鉛及びカーボンブラックから選択される平均粒子径の異なる導電材を含有する導電性組成物を用いてなり、前記導電性組成物が中心部分から周辺部分にかけて平均粒子径が小さい導電材が多くなるように段階的に変化してなることを特徴とする燃料電池用セパレータを提供するものである。
また本発明は、型内の中心部分に人造黒鉛、天然黒鉛及びカーボンブラックから選択される平均粒子径の大きな導電材に富む導電性組成物を配置し、前記導電性組成物を配置した位置から同心円状に周辺部分に向かって段階的に平均粒子径の小さい導電材に富む導電性組成物を順次配置し、次いで成形する燃料電池用セパレータの製造方法を提供するものである。さらに本発明は、前記燃料電池用セパレータを用いてなる燃料電池を提供するものである。
本発明の燃料電池用セパレータは、導電性及び機械的強度に優れる。また本発明の製造方法は、かかるセパレータを低コストで生産性よく得ることができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
燃料電池用セパレータは、単位セルを複数積層して構成する燃料電池において、隣接する単位セル間に設けられ、電極との間で燃料ガス流路、酸化ガス流路を形成し、燃料ガスと酸化ガスとを隔てる作用を有するものであり、ガス流路用の溝等が形成されている。
本発明の燃料電池用セパレータは、導電材と熱硬化性樹脂とを含む組成物を所定の形状に成形したものであり、そのまま加工せずに使用するか、又は必要によりこれに溝加工、穴あけ加工等を施した後に使用されるものである。
本発明の燃料電池用セパレータは、中心部分の導電性を高くして、周辺部分に向かうにしたがって導電性を段階的に低くしてなるものである。
こうすることにより、成形品の中心部分、すなわち発電部位の導電性が高くなり、燃料電池としての発電特性が向上するだけでなく、周辺部分の強度が高い燃料電池用セパレータを得ることができる。
前記の「段階的に変化してなり」とは、導電材と熱硬化性樹脂との重量比が異なる少なくとも2種の導電性組成物を用いて燃料電池用セパレータの導電性を段階的に変えること(方法A)、又は導電性の異なる少なくとも2種の導電材を含む導電性組成物を用いて燃料電池用セパレータの導電性を段階的に変えること(方法B)を意味する。
導電性を段階的に変化させる回数については、特に制限はないが、導電性組成物の数が多くなると取り扱い性及び作業効率が低下することから、用いる導電性組成物の数で2〜5であることが好ましい。
以下前記方法Aについて説明する。
導電材と熱硬化性樹脂との重量比が異なる少なくとも2種の導電性組成物を用いて、導電性組成物を成形したときに、中心部分に近い側の成形部分の体積抵抗率をρi、前記成形部分の外側に隣接する成形部分の体積抵抗率をρoとしたとき、体積抵抗率の比ρo/ρiが1を越えて1.5未満であることを特徴とする。
これは、体積抵抗率の差を小さくすることにより、クラック発生によるガス透過を防止するためである。
その比が1.5を超えると、部分間での熱膨張率の差によりクラックが発生しやすくなり、その結果ガスの透過など電池性能の大きな低下を起こすという懸念がある。
本発明で使用する導電材の平均粒子径は、1〜500μmの範囲であれば使用することができる。しかしながら、平均粒子径が1μmに満たないと導電性組成物の流動性が低下してしまい、その結果成形性が低下する傾向にある。また平均粒子径が500μmを越えると強度の低下が著しいため好適ではない。そのような傾向を考慮すると、より好ましい平均粒子径は3〜450μmの範囲である。
前記セパレータにおいて、導電材と熱硬化性樹脂との重量比は、95/5〜50/50の範囲内であることが好ましい。このうち強度及び導電性双方の性能維持の点から、導電材と熱硬化性樹脂との重量比が90/10〜60/40であることが特に好ましい。
本発明で使用する導電材の種類については特に制限はないが、例えば炭素材料、金属、金属化合物などの粉粒体等を挙げることができ、これらの導電材性粉粒体の1種あるいは2種以上を組み合わせて使用できる。
かかる炭素材料としては、例えば人造黒鉛、天然黒鉛、ガラス状カーボン、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどが挙げられる。これらの粒子状、粉末状物を単独で、もしくは併用して用いることができる。これらの粒子、粉末の形状に特に制限はなく粒子状、箔状、鱗片状、板状、針状、球状、無定形等の何れであってもよい。また黒鉛を化学処理して得られる膨張黒鉛も使用できる。導電性を考慮すれば、より少量で高度の導電性を有するセパレータが得られるという点で、人造黒鉛、天然黒鉛、カーボンブラックが好ましい。
また、前記の金属、金属化合物としては、例えばアルミニウム、亜鉛、鉄、銅、金、ステンレス、パラジウム、チタンなど、更には、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等のホウ化物などが挙げられる。これらの金属、金属化合物を単独で、もしくは2種以上組み合わせて用いることができる。これらの粒子、粉末の形状に特に制限はなく粒子状、箔状、鱗片状、板状、針状、球状、無定形等の何れであってもよい。更に、これらの金属、金属化合物が非導電性あるいは半導電性材料の導電材表面に被覆されたものも使用可能である。
また、本発明の目的を逸脱しない範囲内で、前記導電材料に非導電材あるいは半導電性の材料を混合して使用してもよい。
非導電材としては、例えば炭酸カルシウム、シライカ、カオリン、クレー、タルク、マイカ、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラスパウダー、ハイドロタルサイト、ウオラストナイト等の無機フィラーが挙げられ、更に、半導電性材料としては、例えば酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン等が挙げられる。
本発明に使用する熱硬化性樹脂としては、例えばレゾールタイプのフェノール樹脂、ノボラックタイプのフェノール樹脂に代表されるフェノール系樹脂、フルフリルアルコール樹脂、フルフリルアルコールフルフラール樹脂、フルフリルアルコールフェノール樹脂などのフラン系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ピレン−フェナントレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ビニルエステル樹脂などが挙げられる。これらの熱硬化性樹脂のうち、耐腐食性の点で、ビニルエステル樹脂が好ましい。
これらの樹脂を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記燃料電池用セパレータの製造方法としては、型内の中心部分に導電材の重量割合の高い導電性組成物を配置し、前記導電性組成物を配置した位置から同心円状に周辺部分に向って段階的に導電材の重量割合の低い導電性組成物を順次配置し、次いで成形する方法が挙げられる。この場合、前記のとおり、中心部分に近い側の成形部分の体積抵抗率をρi、隣接する成形部分の体積抵抗率をρoとしたとき、体積抵抗率の比ρo/ρiが1を越えて1.5未満であるように、導電性組成物の配合割合を調整することが必要である。
次に、前記方法Bについて説明する。
すなわち各導電性組成物中の導電材の重量割合が大きく変わらず、中心部分の導電性が高く、周辺部分に向かうにしたがって導電性を段階的に低くしたセパレータの形態について詳細に説明する。この場合、導電材と熱硬化性樹脂との重量割合を大きく変えないため、クラックの発生等の問題が生じないので、体積抵抗率の比は特に制限されない。
まず一つの形態として、
1)平均粒子径の異なる導電材を含有する導電性組成物を用い、その導電性組成物が中心部分から周辺部分にかけて平均粒子径が小さい導電材が多くなるように変化する、一連の導電性組成物を用いることにより、それら導電材の重量割合が大きく変わらず、成形品の中心部分と周辺部分との導電性が段階的に変化したセパレータが挙げられる。
前記の導電材の平均粒子径は、1〜500μmまでの範囲で、要求性能に応じて適宜の粒子径を有するものを用いることが好ましい。中心部分の導電性をより高くするためには、平均粒子径が500μmの導電材を多く用いることが好ましい。成形性等を考慮すると、前記範囲のうち、平均粒子径は5〜400μmであることが特に好ましい。
もう一つの形態として、
2)または、アスペクト比の異なる導電材を含有する導電性組成物を用い、前記導電性組成物が中心部分から周辺部分にかけてアスペクト比が小さい導電材が多くなるように変化する、一連の導電性組成物を用いることにより、それら導電材の重量割合が大きく変わらず、成形品の中心部分と周辺部分との導電性が段階的に変化したセパレータが挙げられる。
前記方法2)において、アスペクト比の異なる導電材を、要求性能に応じて適宜用いることができる。アスペクト比は1〜20の範囲であるが、成形性等を考慮すると、アスペクト比の範囲は1〜15であることが好ましい。このような導電材に富んだ導電性組成物を、中心部分にアスペクト比が小さく、周辺部になるほどアスペクト比が大きくなるよう段階的に配置し、成形することにより、成形品の中心部分すなわち発電部位の導電性が高くなり、燃料電池としての発電特性が向上するだけでなく、周辺部分の強度が高いセパレータを製造することができる。
ここで用いられるアスペクト比とは、粒子の長径の短径に対する比(長径/短径)を表す。
さらにもう一つの形態として、
3)比重の異なる導電材を含有する導電性組成物を用い、前記導電性組成物が中心部分から周辺部分にかけて比重が小さい導電材が多くなるように変化する、一連の導電性組成物を用いることにより、それら導電材の重量割合が大きく変わらず、成形品の中心部分と周辺部分との導電性が段階的に変化したセパレータが挙げられる。
黒鉛の比重は、2.05から2.26までの範囲で、性能に応じて適宜の比重を有するものを用いることができる。しかし、比重が小さい黒鉛を使用すると成形品のその部分の機械強度が低下する恐れがあるため、使用する黒鉛の比重の範囲は、2.10から2.26までが好ましい。
次に、本発明の燃料電池用セパレータの製造方法について説明する。
すなわち、型内の中心部分に高い導電性を有する導電材に富む導電性組成物を配置し、前記導電性組成物を配置した位置から同心円状に周辺部分に向って段階的に低い導電性を有する導電材に富む導電性組成物を順次配置し、次いで成形する燃料電池用セパレータの製造方法であり、前記導電材の種類を変えることによって、中心部分と周辺部分の導電性を調整するものである。
かかる燃料電池用セパレータの製造方法として好ましいものとして、例えば前記導電性組成物として平均粒子径が異なる導電材を含有する少なくとも2種の導電性組成物を用い、前記型の中心部分から周辺部分にかけて1μmから500μmまでの範囲において平均粒子径が大きい方から小さい方に変化した導電材を含む導電性組成物を配置し成形する方法、
2)前記導電性組成物としてアスペクト比の異なる導電材を含有する少なくとも2種の導電性組成物を用い、前記型の中心部分から周辺部分にかけて1から20までの範囲においてアスペクト比が大きい方から小さい方に変化した導電材を含む導電性組成物を配置し成形する方法、
3)前記導電性組成物として、比重の異なる黒鉛を含有する少なくとも2種の導電性組成物を用い、前記型の中心部分から周辺部分にかけて2.05から2.26までの範囲において比重が大きい方から小さい方に変化した導電材を含む導電性組成物を配置し成形する方法が挙げられる。
前記方法1)において、平均粒子径の異なる導電材を用いる場合には、中心部分に平均粒子径の大きい導電材に富む導電性組成物を配置し、周辺部分に向かうにつれて平均粒子径の小さい導電材が富むように変化させることを特徴とする。そのような導電性組成物を段階的に配置し、成形することで、中心部分の導電性が高く、かつ周辺部分の導電性がそれよりも低いセパレータを製造することができる。
前記方法3)において、黒鉛の比重が2.05から2.26までの範囲において、前記導電性組成物を中心部分から周辺部分に向うにつれて高い方から低い方に比重を有する導電材が富むように変化させることを特徴とする。比重の異なる黒鉛を段階的に配置させて成形することで、中心部分の導電性が高く、かつ周辺部分の導電性がそれよりも低いセパレータを製造することができる。
前記「富む」とは、所定の平均粒子径、アスペクト比、比重を有するものが50重量%以上含まれることを意味するが、このうち中心部分の導電性を高くし周辺部分の導電性を低くするために、60重量%以上であることが好ましい。
本発明の導電性組成物(A方法、B方法のものを含む)には、導電材と熱硬化性樹脂の他に、さらにスチレン、ジビニルベンゼン、(メタ)アクリル酸、t−ブチルスチレン、ビニルナフタレン等の反応性単量体、ジアシルパーオキサイドやパーオキシエステルなどの硬化開始剤、ナフテン酸コバルト等の硬化促進剤、ハイドロキノン、p−ベンゾキノン等の硬化遅延剤、またその他可塑剤、低収縮剤、チクソ剤、界面活性剤等を含んでいてもよい。
前記配合成分を適切な重量比に調整して混合、混練することにより、本発明に使用する導電性組成物を得ることができる。
前記混練は、ニーダー、加圧型ニーダー、二軸スクリュー式混練機など常用の混練機を使用して行うことができる。混練する際、温度の上昇を伴う場合においては、熱硬化性樹脂成分の変質を防止する目的で、その温度は10〜70℃の範囲に調節することが好ましい。
前記導電性組成物を同心円状に中心部分から周辺部分に向って段階的に配置する方法については特に制限はないが、前記導電性組成物を予備成形し、次いで得られた予備成形対を成形方法が好ましい。具体的には、
1)少なくとも2種類の導電性組成物を一定圧力で押し固め形状の安定した塊状物を作成し、成形するのに適当な大きさ、形状になるよう該塊状物を変形または分断して断片を作成し、その後各導電性組成物から得られた各断片を接合されるよう組み合わせて予備成形体を作成する方法、
2)同心円状に区切られた枠組みに少なくとも2種類の導電性組成物を適切な重量投入することにより配置する方法などが挙げられる。
これらの導電性組成物の配置は金型上で直接おこなっても良いし、金型以外の場所で適切に配置された予備成形体をそのまま金型に投入し成形をおこなっても良い。
成形する方法については、公知慣用の手法を用いることができ、例えばプレス成形、トランスファー成形、押し出し成形、射出成形等を挙げることができる。これらの成形法のうち、導電性組成物の流動性、及び成形品の寸法精度安定性を考慮すると、プレス成形、トランスファー成形が好ましい。
本発明の燃料電池は、電解質が電極で挟持され、更に外側に、前記セパレータが配設された基本構成単位である単セルのみから構成されるものでもよいし、この単セルを複数積層してなるものである。
ここで、燃料電池は、燃料を改質して得られた水素を主燃料として、この水素が酸素と反応した時の化学エネルギーを電力として取り出す発電方式を利用するものであり、本発明における燃料電池は、この発電を生ぜしめる単セルを単一あるいは直列に複数重ねたスタック構造とし、スタックの両端に設けた集電板で集電することにより形成されるものである。
固体高分子型燃料電池セルの構造の一例を図2に示す。燃料電池の基本構成単位である単セルは固体高分子電解質膜3、燃料極4、酸化剤極5からなる電解質膜電極接合体6の両面をセパレータ1で挟んだ構造を持つ。セパレータの表面に形成された流路7は燃料や酸化剤を電極に安定的に供給するのが好適である。また酸化剤極5に設置したセパレータの酸化剤極5の反対面に熱源として、水を導入することにより燃料電池から熱を取り出すことができる。このように構成された単セル2を複数、直列に積層したセルスタック(燃料電池スタック)の一例を図3に示す。
以上詳述した本発明の燃料電池は、例えば電気自動車用電源、ポータブル電源、非常用電源等の他、人工衛星、飛行機、宇宙船等各種の移動体電源として使用できる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、「部」とあるのは、特にことわりがない限り重量部を表わす。
後記実施例及び比較例で得られる平板状成形品について、曲げ強度及び体積抵抗率を測定した。これらの測定結果を、表2に示す。
<曲げ強度の測定評価> 後記実施例で得られた成形板を試験片として、JIS K6911の熱硬化性プラスチックの一般試験方法に準じて支点間距離80mmでの曲げ強度を測定した。また、成形板の中心部分及び周辺部分両方から試験片を採取し評価を行った。
<体積抵抗率の測定評価> 後記実施例で得られた成形板を試験片として、JIS R7222の黒鉛素材の物理特性測定方法に準じて、端子間距離5cmにおける成形品の体積抵抗率を測定した。また、成形板の中心部分及び周辺部分両方から試験片を採取し評価を行った。
参考例1 <ビニルエステル樹脂の調製>
窒素及び空気導入管を設けた1Lの4つ口フラスコに、エピクロン850[ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量189、大日本インキ化学工業(株)製]を567g、メタクリル酸250g、t−ブチルハイドロキノン0.25gを仕込み、窒素と空気とを1対1で混合したガス流通下で90℃まで昇温した。ここにトリスジメチルアミノフェノール1.6gを入れ、110℃に昇温して8時間反応させると、酸価が3以下になったので、反応を終了した。80℃付近まで冷却した後、反応容器より取り出し、ビニルエステル樹脂を得た。このビニルエステル樹脂の水酸基価は198であり、二重結合当量は281であった。なお、このビニルエステル樹脂の水酸基価に対応して、水酸基と反応するジフェニルメタンジイソシアネートを混合した。
実施例1、2及び参考例、及び比較例1、2
表−1に記載の配合組成に従って導電材とビニルエステル樹脂とを配合し、森山製作所製DS1−5型加圧ニーダーで20分間混合し、導電性組成物を作成した。その後、各導電性組成物を導電性の高い物を中心部分に配置し、これに対し同心円状に互いに密着できるように導電性の低い物を配置することにより予備成形体を作成した。その後この予備成形体を用いてプレス成形を行い、平板状成形品を得た。
以下実施例で使用される原料のうち、人造黒鉛及び針状黒鉛はそれぞれ、(株)エスイーシー製人造黒鉛SGS及びSGPグレードを分級して使用した。
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表−2の評価結果のとおり、本発明によれば適切な予備成形体を形成する(実施例1、2)ことによって、しなかった場合に比べて(比較例1、2)周辺部分の強度及び電極部分の性能が共に向上し、発電特性が高くなおかつわれ及びクラックを起こしにくいセパレーターを得ることができる。

本発明の燃料電池セパレータを示す斜視図である。 本発明の燃料電池セル構造を示す斜視図である。 本発明の燃料電池スタック構造を示す斜視図である。
符号の説明
1 セパレータ
2 燃料、酸化剤、冷却水流路
3 単セル
4 固体高分子型電解質膜
5 燃料極
6 酸化剤極
7 電解質膜電極接合体
8 燃料電池スタック


Claims (6)

  1. 導電材と熱硬化性樹脂とを主成分として含む導電性組成物を成形してなる燃料電池用セパレータにおいて、人造黒鉛、天然黒鉛及びカーボンブラックから選択される平均粒子径の異なる導電材を含有する導電性組成物を用いてなり、前記導電性組成物が中心部分から周辺部分にかけて平均粒子径が小さい導電材が多くなるように段階的に変化してなることを特徴とする燃料電池用セパレータ。
  2. 前記導電材が人造黒鉛又は天然黒鉛である請求項に記載の燃料電池用セパレータ。
  3. 請求項1又は2の何れかに記載の燃料電池用セパレータを用いてなる燃料電池。
  4. 型内の中心部分に人造黒鉛、天然黒鉛及びカーボンブラックから選択される平均粒子径の大きな導電材に富む導電性組成物を配置し、前記導電性組成物を配置した位置から同心円状に周辺部分に向かって段階的に平均粒子径の小さい導電材に富む導電性組成物を順次配置し、次いで成形する燃料電池用セパレータの製造方法。
  5. 前記導電材が人造黒鉛又は天然黒鉛である請求項4記載の燃料電池用セパレータの製造法。
  6. 前記導電性組成物を予備成形し、次いで得られた予備成形体を成形する請求項4または5に記載の燃料電池用セパレータの製造法。
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