JP4788868B2 - アーステスター及びその接地抵抗測定方法 - Google Patents
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前記内部抵抗に並列に接続され、前記第1、第2信号線に電力を供給する前記回線電源の交流成分を遮断するためのフィルタ回路と、該フィルタ回路を介して入力したアナログ信号をデジタル信号に変換する測定部と、該測定部で得られた信号を演算処理する判定部とを有し、前記回線電源からの電力供給により、前記内部抵抗に並列接続された前記フィルタ回路の抵抗を測定し、前記回線電源の基準電圧値及び前記信号線の対地間抵抗を求める制御手段と、前記第1、第2信号線と前記内部抵抗とを前記第1、第2切替手段を介して接続するようにオン動作する第1、第2操作ボタンと、前記第1、第2操作ボタンのオン動作による前記第1、第2切替手段の逐次操作に基づいて、前記回線電源の第1、第2基準電圧値を表示し、第1、第2信号線の対地間抵抗値を所定周期で更新表示する表示パネルとを含み、
前記制御手段は、
前記第1、第2操作ボタンの各々のオン動作に基づき、前記第1、第2信号線と前記内部抵抗とを前記第1、第2切替手段を介して接続し、前記回線電源の第1基準電圧値を計測して前記表示パネルに表示させ、続いて前記第1、第2操作ボタンに対応する前記第1、第2切替手段の一方のみをアース側接続端子に接続する切換動作によって前記第1、第2信号線の対地間抵抗値を計測して前記表示パネルに表示することを特徴とする。
第1操作ボタンのオン動作に基づいて、前記第1、第2信号線と前記内部抵抗とを前記第1、第2切替手段を介して接続し、前記回線電源からの電力供給により、前記内部抵抗に並列接続されたフィルタ回路の抵抗の電圧を測定し、この測定電圧に基づいて前記回線電源の第1基準電圧値を定める第1基準電圧値測定工程と、
続いて、前記第1切替手段のみをアース側接続端子に接続する切換動作によって形成される第1閉回路に、前記回線電源の電力供給により流れる第1観測電流を測定する第1観測電流測定工程と、
前記第1基準電圧値、前記第1観測電流、及び前記第1閉回路の各部の抵抗値に基づいて前記第1信号線の対地間抵抗を測定する対地間第1抵抗測定工程と、
該対地間第1抵抗測定工程の終了後、前記第2操作ボタンのオン動作に基づいて、前記第1、第2信号線と前記内部抵抗とを前記第1、第2切替手段を介して接続し、前記回線電源からの電力供給により、前記内部抵抗に並列接続された前記フィルタ回路の抵抗の電圧を測定し、この測定電圧に基づいて前記回線電源の第2基準電圧値を定める第2基準電圧値として得る第2基準電圧値測定工程と、
続いて、前記第2切替手段のみをアース側接続端子に接続する切換動作によって形成される第2閉回路に、前記回線電源の電力供給により流れる第2観測電流を測定する第2観測電流測定工程と、
前記第2基準電圧値、前記第2観測電流、及び前記第2閉回路の各部の抵抗値に基づいて前記第2信号線の対地間抵抗を測定する対地間第2抵抗測定工程とを備えたことを特徴とする。
さらに、2本の信号線に設ける電源からの電力の供給により2本の信号線の対地間抵抗を測定することから、活線状態での対地間抵抗の測定が可能であり、運行ダイヤの確保などのために活線状態での測定が望まれる鉄道信号設備などの設備に対しての適用が可能であり、その分、適用範囲が広いものになる。
図1及び図7において、アーステスター1は、鉄道信号系の電源ケーブルなどの内部に交流100Vの電源(以下、回線電源50という。)を有する2本の信号線(第1、第2信号線という)L1、L2の対地間抵抗Rx1,Rx2を測定するようにしている。アーステスター1は、図3に示すように、幅Hが約61mm、長さMが約101mm、厚さHが約28mmの筐体2と、後述する入力手段3、制御手段4などを含み、筐体2内に収納される配線基板(図示省略)と、筐体2の表面部に設けられた測定入力端子(以下、第1測定端子5、第2測定端子6、接地用端子7という。)のそれぞれと第1、第2信号線L1、L2及び大地Gのそれぞれとの接続に用いられる第1、第2、第3ケーブル8,9,10と、から大略構成されている。筐体2の表面部の中央部には、測定結果等を表示する表示パネル11が設けられており、その下部側には第1、第2操作ボタン12,13が設けられている。
なお、アーステスター1の表面部に付される前記「B(X)」及び「C(X)」において、「B」は+極、「C」は−極を示し、「X」は交流を示している。
入力手段3は、直列接続された第1スイッチS1(第1切替手段)、内部抵抗Rs及び第2スイッチS2(第2切替手段)を備えている。第1スイッチS1、内部抵抗Rs及び第2スイッチS2は、回線電源50と並列になるように、第1、第2信号線L1、L2間に介装されている。
すなわち、第1スイッチS1は、第1測定端子5に接続された第1固定接点(以下、第1スイッチ第1固定接点20という。)と、内部抵抗Rsの一端側に接続される端子(以下、第1スイッチ内部抵抗側端子21という。)と、第3ケーブル10及び後述する線材30を介して接地側端子K3に接続される第2固定接点(以下、第1スイッチ第2固定接点22という。)と、第1スイッチ内部抵抗側端子21に基端側が接続され且つ先端側が揺動可能とされて第1スイッチ内部抵抗側端子21と第1スイッチ第1、第2固定接点20,22との切替接続を行なう可動接触子(以下、第1スイッチ可動接触子23という。)と、から大略構成されている。
第1スイッチS1は、第1ケーブル8が第1信号線L1中の第1信号線側端子B(X)及び第1測定端子5に接続されることにより、第1信号線L1に接続されるようになっている。また、線材30の略中間部分に第3ケーブル10の一端部が接続されるようになっており、当該部分が接地用端子7になっている。
第2スイッチS2は、第2ケーブル9が第2信号線L2中の第2信号線側端子C(X)及び第2測定端子6に接続されることにより、第2信号線L2に接続されるようになっている。
第1スイッチ第2固定接点22と第2スイッチ第2固定接点27とは線材30を介して接続されており、上述したように線材30の略中間部が接地用端子7が設けられている。
前記入力手段3は、さらに、制御手段4の入力端子M1、M2に接続されるフィルタ回路31を備えている。
制御手段4は、図2及び図3に示すように、フィルタ回路31を介して入力されたアナログ信号電圧を所定の精度でディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換回路を具備した測定部32と、測定部32で得られた前記信号電圧を後述する方法で演算処理する判定部33で構成されている。
論理部34は、図示しないROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有し、ROMには当該アーステスター1の動作に必要なプログラムが、予め所定の方法で格納されていて、RAMには当該アーステスター1の処理に必要なデータ(内部抵抗Rs、抵抗R5、R7の値、処理途上で得られる後述する電流や電圧など(電気量)の値など)が格納される。論理部34により、測定部32で得られた電圧と、図3に示す第1、第2操作ボタン12,13の操作情報を用いて、アーステスター1の処理がなされる。
第2操作ボタン13は、第2信号線L2の対地間抵抗Rx2を計測する際等に押し作動されるようになっている。また、第1操作ボタン12の場合と同様に、第2操作ボタン13が押し作動されている間、所定周期で第2信号線L2の対地間抵抗Rx2が計測されると共に、1秒間隔で表示パネル11ヘの表示内容が更新されるようになっている。
フィルタ回路31は、入力端子F1、F2の間に接続されたコンデンサC1、C3及び抵抗R5、R7で構成され、抵抗R7の両端には保護ダイオードD2が接続されている。保護ダイオードD2の両端は端子J1、J2に接続され、端子J1、J2は、図1に示した制御手段4の入力端子M1、M2にそれぞれ接続されている。又、端子J1と、判定部33の制御電源との間には保護ダイオードD1が接続されている。
なお、前記抵抗R1、R2、R3、R4、R5、R7、コンデンサC1、C3の値は当該アーステスター1が使用される信号線(例えば第1、第2信号線L1、L2)の特性に応じて適宜、決定する。
また、第1信号線L2の対地間抵抗Rx2を測定する場合には、図6の回路構成とされる。この場合、回線電源50 → 第1スイッチS1 → 内部抵抗Rs〔及びフィルタ回路31〕 → 第2スイッチS2 → 接地側端子K3 → 第2信号線L2の対地間抵抗Rx2 → 第2信号線L2 → 回線電源50で形成される閉回路(以下、第2閉回路42という。)で電流が流れることになる。
={Rx1(1+Rs/Rx2)+Rs}・I … (1)
E0:回線電圧(回線電源50の電圧)
E0={Rx1+Rs}・I … (2)
となる。
本実施の形態では、抵抗Rsは予めその値が定められており、電圧E0は、後述するように電流Iの算出の前に計測される。また、電流Iについては、内部抵抗Rsに並列接続される抵抗R5、R7のうち抵抗R7に印加される電圧を算出し、この算出電圧値、抵抗R5、R7及び内部抵抗Rsの各値から求めるようにしている。
まず、第1、第2信号線側端子B(X),C(X)、大地Gに接続された接地側端子K3と、対応する測定入力端子(以下、第1測定端子5、第2測定端子6、接地用端子7)とを第1〜第3ケーブル10で接続する。次に、第1操作ボタン12を押す。第1操作ボタン12の押し作動により、第1、第2スイッチS1,S2は、図4及び図7に示すように、第1、第2切替手段信号線接続状態に設定され、これにより、回線電圧測定用閉回路40が形成される。
続いて、第2操作ボタン13が押されると、第1操作ボタン12の押し作動の場合と同様に、第1、第2スイッチS1,S2は、図4及び図7に示すように、第1、第2スイッチ信号線接続状態に設定され、これにより、回線電圧測定用閉回路40が形成される。回線電圧測定用閉回路40が形成された状態で、制御手段4は、回線電源50の電圧を求めて、第2基準電圧値とする。この第2基準電圧値は、表示パネル11に表示される。
なお、装置電源37の電圧が極めて小さくなると、本アーステスター1では測定できないが、測定対象が活線状態になっていないことを示す表示を行なうことにより、この測定し得ない原因が明確になり便利なものになっている。
Claims (2)
- 鉄道信号設備用の信号ケーブルにおける活線状態での信号線の対地間抵抗を、操作ボタンの逐次操作によって測定する、持ち運び可能なアーステスターであって、
第1、第2信号線間に接続された回線電源と並列になるように前記第1、第2信号線の間に、直列接続された第1切替手段、内部抵抗、及び第2切替手段を介装し、
前記内部抵抗に並列に接続され、前記第1、第2信号線に電力を供給する前記回線電源の交流成分を遮断するためのフィルタ回路と、
該フィルタ回路を介して入力したアナログ信号をデジタル信号に変換する測定部と、該測定部で得られた信号を演算処理する判定部とを有し、前記回線電源からの電力供給により、前記内部抵抗に並列接続された前記フィルタ回路の抵抗の電圧を測定し、前記回線電源の基準電圧値及び前記信号線の対地間抵抗を求める制御手段と、
前記第1、第2信号線と前記内部抵抗とを前記第1、第2切替手段を介して接続するようにオン動作する第1、第2操作ボタンと、
前記第1、第2操作ボタンのオン動作による前記第1、第2切替手段の逐次操作に基づいて、前記回線電源の第1、第2基準電圧値を表示し、第1、第2信号線の対地間抵抗値を所定周期で更新表示する表示パネルとを含み、
前記制御手段は、
前記第1、第2操作ボタンの各々のオン動作に基づき、前記第1、第2信号線と前記内部抵抗とを前記第1、第2切替手段を介して接続し、前記回線電源の第1、第2基準電圧値を計測して前記表示パネルに表示させ、続いて前記第1、第2操作ボタンに対応する前記第1、第2切替手段の一方のみをアース側接続端子に接続する切換動作によって前記第1、第2信号線の対地間抵抗値を計測して前記表示パネルに表示することを特徴とするアーステスター。 - 鉄道信号設備用の信号ケーブルにおける活線状態での信号線の対地間抵抗を、操作ボタンの逐次操作によって測定するアーステスターの接地抵抗測定方法であって、
第1、第2信号線間に接続された回線電源と並列になるように前記第1、第2信号線の間に、直列接続された第1切替手段、内部抵抗、及び第2切替手段を介装し、
第1操作ボタンのオン動作に基づいて、前記第1、第2信号線と前記内部抵抗とを前記第1、第2切替手段を介して接続し、前記回線電源からの電力供給により、前記内部抵抗に並列接続されたフィルタ回路の抵抗の電圧を測定し、この測定電圧に基づいて前記回線電源の第1基準電圧値を定める第1基準電圧値測定工程と、
続いて、前記第1切替手段のみをアース側接続端子に接続する切換動作によって形成される第1閉回路に、前記回線電源の電力供給により流れる第1観測電流を測定する第1観測電流測定工程と、
前記第1基準電圧値、前記第1観測電流、及び前記第1閉回路の各部の抵抗値に基づいて前記第1信号線の対地間抵抗を測定する対地間第1抵抗測定工程と、
該対地間第1抵抗測定工程の終了後、前記第2操作ボタンのオン動作に基づいて、前記第1、第2信号線と前記内部抵抗とを前記第1、第2切替手段を介して接続し、前記回線電源からの電力供給により、前記内部抵抗に並列接続された前記フィルタ回路の抵抗の電圧を測定し、この測定電圧に基づいて前記回線電源の第2基準電圧値を定める第2基準電圧値として得る第2基準電圧値測定工程と、
続いて、前記第2切替手段のみをアース側接続端子に接続する切換動作によって形成される第2閉回路に、前記回線電源の電力供給により流れる第2観測電流を測定する第2観測電流測定工程と、
前記第2基準電圧値、前記第2観測電流、及び前記第2閉回路の各部の抵抗値に基づいて前記第2信号線の対地間抵抗を測定する対地間第2抵抗測定工程とを備えたことを特徴とするアーステスターの接地抵抗測定方法。
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