JP4787884B2 - コンタクトレンズの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成形型内に注入された重合性材料を重合せしめることによって得たレンズブランクを切削加工するコンタクトレンズの製造方法に関するものである。
従来から、コンタクトレンズの製造方法の1つとして、所謂レースカッティング法が用いられている。かかるレースカッティング法においては、レンズ材料となる重合性材料を重合成形して、レンズ寸法よりもやや大きなボタン状のレンズブランクを製造した後に、かかるレンズブランクを切削加工することによって、目的とするコンタクトレンズを得るようにされている。
ところで、レンズブランクを得る方法として、従来では、先ず重合性材料を重合成形して、適当な長さ寸法を有する棒材を形成し、かかる棒材をスライスすることによって1つのコンタクトレンズを与えるボタン状のレンズブランクを得る方法が用いられていた。例えば、特許文献1に記載の方法が、それである。
ところが、特許文献1に記載の如き製造方法では、得られたレンズブランクからレンズ形状を削り出すに際して、各レンズブランクに対して施される切削量が大きい。それ故、レンズブランクの多くの部分が無駄に廃棄されることとなって、製造コストが嵩むという問題があった。
そこで、例えば特許文献2には、目的とするレンズ形状に近い形状の成形キャビティを有する成形型を用いて、かかる成形キャビティ内に重合性材料を隙間無く充填せしめて重合成形することによって、1つのコンタクトレンズを与えるボタン状のレンズブランクを直接に成形する製造方法が提案されている。このようにすれば、目的とするレンズ形状に近い形状を有するレンズブランクが得られることから、レンズ形状を削り出すために必要とされる切削量を抑えることが出来て、重合性材料の無駄を軽減することが出来る。
ところが、重合性材料を成形キャビティ内に隙間無く充填しようとすると、余分な重合性材料が溢れ出ることから、やはり重合性材料の無駄を生じていた。更に、重合性材料が成形キャビティ内に隙間無く充填せしめられていると、重合成形に際して、重合収縮が重合性材料の全体に生じてしまい、形成されるレンズブランクの形状安定性が確保され難いという問題があった。
なお、レンズブランクの形状安定性を確保するためには、重合性材料の液面を空気に面した自由表面とした状態で成形型内に注入せしめることが考えられる。このようにすれば、空気に面する重合性材料の液面部分の重合が他の部位よりも遅らされることから、液面の部分で収縮を吸収して、変形を抑えることが出来る。しかしながら、重合性材料の液面を自由表面とすると、図11に示すように、成形型120に注入された重合性材料122の液面にメニスカス124が発生してしまう。その結果、重合成形されたレンズブランクに不要な湾曲面が形成されることとなり、かかる湾曲面を削り落とす必要が生じる。それ故、やはり重合性材料に大きな無駄を生じるという問題を有しており、重合性材料に自由表面を与える方法を採用することは困難であった。
米国特許第3651192号明細書 特公平5−88647号公報
ここにおいて、本発明は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、製造コストの低減を図りうると共に、優れた形状安定性を有するレンズブランクを得ることの出来る、新規なコンタクトレンズの製造方法を提供することにある。
以下、前述の如き課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、本発明の第一の態様は、成形型の成形キャビティ内に重合性材料を注入して重合せしめることによりレンズブランクを成形し、該レンズブランクを切削加工することによって目的とするコンタクトレンズを得るコンタクトレンズの製造方法において、前記重合性材料を前記成形キャビティ内に自由表面を有する状態で注入した後に、鉛直方向に延びる回転中心軸に対して前記成形型の底面を外側に向けた状態で該成形型を該回転中心軸回りに回転せしめつつ重合成形することによって前記レンズブランクを成形することを、特徴とする。
本発明に従う製造方法によれば、成形型が回転せしめられることによって、成形型内に注入された重合性材料のメニスカスによって生じる盛り上がり部分に対して、成形型の底面側に向かう遠心力が及ぼされる。これにより、盛り上がり部分を形成する重合性材料が成形型の底面側に流動せしめられて、不要な盛り上がり部分の形成を抑えることが出来る。そして、盛り上がり部分の重合性材料が底面側に流動せしめられることによって、液面部分を平坦に形成することが出来ると共に、形成されるレンズブランクの実質的な厚さ寸法をより大きく得ることが出来る。従って、所定の厚さ寸法のレンズブランクを得ようとする場合に注入するレンズブランクの量を少なくすることが出来て、特に高価な材料を使用するコンタクトレンズの分野において、効果的な製造コストの低減を図ることが出来る。
さらに、本製造方法によれば、重合性材料の液面が自由表面とされて、空気と面することから、液面部分の重合が他の部位よりも遅くされる。これにより、重合性材料の収縮による変形を液面部分で吸収することが出来て、重合性材料の全体的な収縮を抑えて、より優れた形状安定性を得ることも出来る。
すなわち、従来では、メニスカスの発生を抑えるために成形キャビティ内に重合性材料を自由表面を与えることなく充填すると、重合性材料の全体的な収縮が生じてしまい、形状安定性を確保することが困難であった。一方、重合性材料の収縮を抑えるために自由表面を与えようとすると、メニスカスに起因する無駄な盛り上がり部分が形成されてしまい、製造コストの増加が問題となった。そこにおいて、本発明によれば、成形型を回転させつつ重合成形を行うという従来に無い新規な方法を採用することによって、これら形状安定性の確保と製造コストの軽減という両立困難であった要請を同時に満たすことが可能とされたのである。
なお、本発明の製造方法において、成形型の底面の具体的な形状は何等限定されるものではないが、予めレンズ形状乃至はそれに近い形状が与えられた成形型を用い、レンズブランクにかかる底面形状を転写する態様が好適に採用される。このようにすれば、遠心力の作用によって重合性材料が成形型の底面に押さえ付けられることから、成形型の底面形状をより安定して転写することが出来る。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係るコンタクトレンズの製造方法において、複数の前記成形型を用いて、それぞれの前記成形キャビティ内に前記重合性材料を注入して、それら複数の成形型を同一の前記回転中心軸回りで同時に回転せしめつつ重合成形することを、特徴とする。本態様によれば、複数のレンズブランクを一度に成形することが出来て、より優れた製造効率を得ることが出来る。
本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に係るコンタクトレンズの製造方法において、前記成形型として樹脂、ガラス、金属の何れかで形成されたものを用いることを、特徴とする。本態様によれば、成形型を安価に得ることが出来ると共に、成形型内に注入された重合性材料の重合を安定して生ぜしめることが出来る。
本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の態様に係るコンタクトレンズの製造方法において、前記成形型として一方に開口する開口部を有する成形型を用いて、前記重合性材料を該開口部から注入し、覆蓋部材によって前記成形キャビティ内に空隙を有する状態で該開口部を密封状態に覆蓋した後に該重合性材料を重合成形することを、特徴とする。
本態様によれば、成形型を回転させるに際して、成形型内に注入された重合性材料が漏れ出すことを防止することが出来る。かかる覆蓋部材の具体的な構造としては、適宜の構造が採用可能であって、例えば、開口部を塞ぐ栓部材を用いたり、膜状の部材で開口部を覆うなどの構造が好適に採用され得る。
本発明の第五の態様は、前記第四の態様に係るコンタクトレンズの製造方法において、前記成形型として熱可塑性樹脂で形成されたものを用いると共に、該成形型の前記開口部に前記覆蓋部材としてのアルミニウム箔を熱溶着することによって該開口部を密封状態に覆蓋することを、特徴とする。本態様によれば、成形型の開口部を、取り扱いが容易な薄肉のシート材料により十分な気密性と液密性をもって封止することが出来る。また、アルミニウム泊を使用することにより、重合時に発生するキャビティ内の空隙の熱膨張等を吸収する効果がある。
本発明の第六の態様は、前記第一乃至第五の何れか一つの態様に係るコンタクトレンズの製造方法において、前記重合性材料を脱酸素雰囲気中で重合成形することを、特徴とする。
本態様によれば、酸素による重合阻害の影響を低減することが出来て、重合処理を効率良く行うことが出来る。なお、脱酸素雰囲気としては、例えば、重合を阻害しない気体が好適に用いられる。例えば、窒素ガス、アルゴンガス等が好適に採用され得る。なお、特に前述の第四及び第五の態様のように、成形キャビティが密閉状態とされる場合には、脱酸素雰囲気中で成形キャビティを密封したり、成形キャビティ内に形成される空隙内の空気を重合を阻害しない気体に置換する脱酸素処理を施す態様等が好適に採用され得る。
本発明の第七の態様は、前記第一乃至第六の何れか一つの態様に係るコンタクトレンズの製造方法において、前記成形型に対して前記重合性材料に及ぼされる重力よりも遠心力が大きくなる回転速度を与えると共に、該成形型を該重合性材料に及ぼされる重力と遠心力との合力方向に傾斜せしめた状態で回転せしめることを、特徴とする。
本態様によれば、重合性材料に及ぼされる重力と遠心力との合力を成形型の底面に向かう方向により近づけて及ぼすことが出来ることから、得られるレンズブランクの厚さ寸法の偏りを軽減することが出来て、より優れた形状安定性を得ることが出来る。特に、成形型の底面形状を重合性材料に転写する場合には、重合性材料に対して及ぼされる重力と遠心力との合力を成形型の底面に対する押付方向により近づけて及ぼすことが出来ることから、底面形状をより安定して転写することが出来る。
また、本態様において、本発明の効果をより有効に得るためには、重合性材料に及ぼされる遠心力が重力の2倍以上となるように設定することが好ましく、より好ましくは重力の10倍以上の遠心力が重合性材料に及ぼされるように設定される。
なお、本態様における成形型の傾斜方向は、重力と遠心力との合力の方向と略一致せしめられることが好ましいが、必ずしも合力の方向と完全に一致せしめられた態様に限定されるものではなく、かかる合力の方向に近づけられた態様も含む。要するに、遠心力を利用することによって重力よりも大きな作用力が、成形キャビティ内の重合性材料に対して及ぼされて、メニスカスの影響で寸法が小さくなる成形キャビティの中心軸上での重合性材料の深さ寸法を、重力だけが作用している状態下より大きく出来るように、成形型の傾斜方向が、鉛直方向から、重力と遠心力との合力の方向に向けて傾斜設定されていれば良い。より具体的には、重力と遠心力との合力方向に対して、成形キャビティの中心軸方向の相対傾斜角度:αが、|α|≦6度となるように設定されることが好ましく、より好ましくは、それに加えて、重力と遠心力との合力方向に対する成形キャビティ中心軸の相対傾斜角度が、鉛直方向に対する成形キャビティ中心軸の相対傾斜角度よりも小さくなるように設定される。
本態様の第八の態様は、前記第一乃至第七の何れか一つの態様に係るコンタクトレンズの製造方法において、前記成形型の回転速度および傾斜角度を、下式に基づいて決定することを、特徴とする。
Figure 0004787884
但し、上式中、θは遠心力の作用方向に対する成形型中心軸の傾斜角度、aは回転速度、rは回転半径、gは重力加速度を示す。
本態様によれば、重合性材料の液面におけるメニスカスの発生を有利に抑えることの出来る成形型の回転速度乃至は傾斜角度を、容易に得ることが出来る。そして、決定された回転速度乃至は傾斜角度に従って重合成形することによって、重合性材料を成形型の傾斜角度方向と略同じ方向に流動せしめて、成形型の底面に対して押し付けるように出来ることから、より優れた形状安定性を得ることが出来る。
本製造方法において好適に用いられる重合成形装置を示す斜視図。 同装置に取り付けられる成形型を示す縦断面図。 同成形型の底面図。 図1に示す重合成形装置のワークホルダおよび成形型を示す正面図。 図4の上面図。 成形型内の重合性材料の流動状態を説明するための断面説明図。 本製造方法において製造されるレンズブランクの縦断面図。 同レンズブランクの切削加工を説明するための説明図。 成形型の傾斜角度の決定方法を説明するための説明図。 異なる態様の成形型を示す説明図。 従来構造における成形型に注入された重合性材料の状態を説明するための断面説明図。
符号の説明
10 重合成形装置
12 本体部
16 ワークホルダ
18 ワーク
20 開口部
26 内底面
28 アルミシール
30 成形キャビティ
32 重合性モノマー
48 駆動軸部材
49 中心軸
62 空隙
64 液面
66 レンズブランク
72 コンタクトレンズ
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1に、本発明のコンタクトレンズの製造方法に好適に用いられる、一実施形態としてのレンズブランクの重合成形装置10を示す。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、上下方向とは、図1中の上下方向をいうものとする。
重合成形装置10は、円筒状の本体部12の上端部に、水平方向に延びる梁14が回転可能に配設されていると共に、かかる梁14の両端部に、ワークホルダ16,16が固定されて構成されている。そして、各ワークホルダ16,16にそれぞれ、成形型としてのワーク18が複数(本実施形態においては、1つのワークホルダ16について最大5つ)保持可能とされている。
図2および図3に、成形型としてのワーク18を示す。ワーク18は、適当な合成樹脂材やガラス、金属などで形成されており、射出成形等の従来から公知の成形法で製造されることによって形成されている。なお、ワーク18を形成する合成樹脂材としては、熱可塑性樹脂材料等が好適に採用可能であり、具体的には、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ナイロン、ポリアセタール、フッ素樹脂等が、何れも採用可能である。本実施形態においては、ポリプロピレンをモールド成形したものが用いられている。
ワーク18は、円形断面を有する筒状部19の一方に開口部20が形成されたカップ形状とされている。筒状部19の内径寸法は、ワーク18の軸方向で略一定とされており、目的とするコンタクトレンズの径寸法よりも大きくされている。また、筒状部19の外形寸法は、開口部20に向けて僅かに拡径せしめられている。更に、特に本実施形態においては、開口部20の全周に亘って、径方向外方に広がるフランジ状部22が形成されていると共に、フランジ状部22の外周縁部には、ワーク18の軸方向外方に向けて立ち上がる立上壁部23が全周に亘って形成されている。
また、特に本実施形態においては、筒状部19における開口部20と反対側の底部24は、ワーク18の内方に向かって突出するドーム形状とされており、これにより、筒状部19の内底面26は、内方に突出すると共に、目的とするコンタクトレンズのベースカーブに等しい乃至はそれに近い曲率を有する球殻形状の湾曲面とされている。
かかるワーク18の開口部20は、覆蓋部材で密閉状態に覆蓋される。本実施形態においては、覆蓋部材としてアルミニウム箔としてのアルミシール28が用いられている。アルミシール28は開口部20よりも大きな径寸法を有する略円形の膜状とされており、ポリプロピレンが被覆されることによって、ワーク18に対して熱溶着が可能とされている。そして、アルミシール28が開口部20を覆った状態で、その外周縁部が開口部20の外周縁部のフランジ状部22に熱溶着されるようになっている。これにより、開口部20が密閉状態に覆蓋されて、ワーク18内に成形キャビティ30が形成されるようになっている。そして、後述するように、かかる成形キャビティ30内に、重合性材料としての重合性モノマー32が収容されることとなる。
このような構造とされたワーク18は、図4及び図5に示すように、ワークホルダ16に保持されるようになっている。ワークホルダ16は、矩形の薄板形状を有する底板34の短軸方向の両端部に一対のガイド部材36,36が固定的に取り付けられた構造とされている。底板34の長手方向の長さ寸法は、ワーク18の外形寸法の5倍よりもやや大きくされている。一方、ガイド部材36は、略L字の断面形状をもってストレートに延びる形状とされており、底板34と同じ長手方向寸法を有している。更に、ガイド部材36には、ワーク18における立上壁部23の立上寸法よりもやや大きな突出寸法(図5中、上下方向の寸法)を有する案内面38が全長に亘って形成されていると共に、底板34と反対側の突出先端部には、底板34の内方に向けて突出する係止突部40が全長に亘って形成されている。ここにおいて、ガイド部材36,36の案内面38,38の対向面間距離:d1 は、ワーク18におけるフランジ状部22の外径寸法よりも僅かに大きくされている。また、ガイド部材36,36の係止突部40,40の対向面間距離:d2 は、ワーク18におけるフランジ状部22の外形寸法よりも小さく、筒状部19の外径寸法よりも僅かに大きくされている。また、底板34の下端部におけるガイド部材36,36の間には、ガイド部材36,36と同じ方向に突出する板状のワークストッパ42が固定的に設けられている。
このような構造とされたワークホルダ16に対して、本実施形態では最大で5つのワーク18が上方から差し入れられて保持されるようになっている。具体的には、ワークホルダ16における底板34と係止突部40,40の間に、ワーク18のフランジ状部22が上方から差し入れられる。ここにおいて、ワーク18は、筒状部19が係止突部40,40の間から突出せしめられた状態でワークホルダ16に差し込まれる。そして、ワーク18は案内面38,38で案内されつつ、重力によってワークホルダ16の下方へ案内される。そして、最下段に位置するワーク18の立上壁部23の外周面がワークストッパ42に係止されると共に、それより上段に位置せしめられるワーク18は、その立上壁部23が、下方に位置せしめられたワーク18の立上壁部23で係止されることによって支持される。
ここにおいて、ワークホルダ16に保持された各ワーク18は、フランジ状部22が係止突部40,40によって抜け出し不能に係止されると共に、立上壁部23が案内面38,38で係止されることによって、実質的に横方向(図4中、左右方向)の変位が制限されている。
このような構造とされたワークホルダ16,16は、底板34のガイド部材36,36が取り付けられた面と反対側の面の上端部が、梁14の長手方向両端部に、それぞれ固定的に取り付けられている。
かかる梁14の長手方向中間部分には、軸挿通穴44が形成されていると共に、軸挿通穴44の径方向外側には、軸挿通穴44の径方向で対向する一対のピン挿通穴46,46が形成されている。そして、これら軸挿通穴44およびピン挿通穴46,46が、本体部12の上端部に配設された駆動軸部材48の差込軸50およびピン52,52に外挿状態で差し込まれることによって、梁14が駆動軸部材48に対して固定的に取り付けられている。なお、梁14における軸挿通穴44の両側には、肉抜き穴54、54が形成されている。
駆動軸部材48は、円板形状を有する円板部56と同一中心軸上で上方に突出する差込軸50が一体的に形成されていると共に、差込軸50の径方向外側には、差込軸50の径方向で対向する一対のピン52,52が円板部56の上端面から上方に突出せしめられて一体的に形成されている。そして、前述のように、これら差込軸50およびピン52,52が、梁14の軸挿通穴44およびピン挿通穴46,46に差し込まれるようになっている。
なお、梁14の両側面における長手方向中間部分の下端部には、下方に開口する切欠58が形成されている。そして、かかる切欠58の上端縁部が駆動軸部材48における円板部56の上面で支持されるようになっており、これにより、梁14が、駆動軸部材48で支持されるようになっている。
かかる駆動軸部材48は、本体部12の上端縁部に形成されて、水平方向に広がる板状部60の上方に配設されている。そして、本体部12に内蔵された図示しないモータの出力軸が、板状部60を貫通して本体部12の上方に突出せしめられると共に、かかる出力軸に対して、駆動軸部材48が取り付けられている。ここにおいて、モータの出力軸は鉛直方向に配設されており、駆動軸部材48の中心軸49の延出方向が鉛直方向となるようにされている。そして、かかる駆動軸部材48の中心軸49が、ワークホルダ16に保持されたワーク18の回転中心軸とされる。なお、本体部12に内蔵されるモータは、図示しない制御装置によって、回転速度が制御可能とされている。
これにより、梁14はその長軸方向が水平方向に配設されており、梁14に取り付けられたワークホルダ16,16は、その長軸方向が鉛直方向となるように配設される。更に、ワークホルダ16,16に保持されたワーク18は、筒状部19の軸が水平方向で、底部24を中心軸49に対して外側に向けた状態に保持される。そして、本体部12に内蔵されたモータが通電されて、駆動軸部材48が回転せしめられることによって、梁14およびワークホルダ16を介して、ワーク18が中心軸49を中心に回転せしめられるようにされている。なお、本実施形態における重合成形装置10は、最大10個のワーク18を保持することが可能とされており、これら複数のワーク18が、同一の中心軸49を中心に回転せしめられることとなる。
このような重合成形装置10を用いてレンズブランクを成形する際には、先ず、図2に示したように、重合性材料としての重合性モノマー32をワーク18の開口部20から注入する。重合性モノマー32としては、光透過性等の光学的特性を備えた各種の樹脂材料が採用され、例えば、不飽和二重結合を有するモノマーの1種もしくは2種以上が配合されてなる混合物、具体的には、シリコン、フッ素で置換されても良い(メタ)アクリル誘導体、スチレン誘導体など、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)やポリメチルメタクリレート(PMMA)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、シリコーン共重合体、フルオロシリコーンアクリレート、フルオロカーボン重合体、シリコーンゴム等が挙げられる。また、そのような樹脂材料には、必要に応じて、適当な染料や架橋剤、および重合開始剤、例えば熱重合開始剤、光重合開始剤や増感剤などの添加剤が配合されて、液状のモノマー組成物とされる。本実施形態においては、重合性モノマー32として、熱重合開始剤を用いた加熱による熱重合のものが採用されているが、光重合開始剤を用いた紫外線照射による光重合のものなども、好適に採用され得る。
そして、重合性モノマー32を注入した後に、開口部20にアルミシール28を覆蓋せしめ、アルミシール28の外周部分を、全周に亘って、開口部20の外周部分のフランジ状部22に対して熱溶着する。ここにおいて、アルミシール28の熱溶着条件は、使用するアルミシール28の厚さ寸法やワーク18の材質等を考慮して適宜に設定可能であるが、例えば、溶着温度は150℃〜230℃の範囲内、溶着荷重は300N〜500Nの範囲内で設定されることが好ましく、本実施形態においては、溶着温度は180℃、溶着荷重は400Nとされている。
これにより、ワーク18の開口部20がアルミシール28で密封状態に覆蓋されて、内底面26とアルミシール28の間に成形キャビティ30が形成されると共に、かかる成形キャビティ30内に、重合性モノマー32が漏出不能に注入されることとなる。ここにおいて、成形キャビティ30内に注入される重合性モノマー32の量は、成形キャビティ30の容積よりも少量とされており、成形キャビティ30内には、空隙62が形成される。そして、重合性モノマー32の液面64は、空隙62に面して変形可能な自由表面とされる。
なお、後述する重合処理を効果的に実施するために、空隙62内は脱酸素状態とされていることが好ましい。かかる脱酸素状態を得るためには、例えば、ワーク18への重合性モノマー32の注入およびアルミシール28の熱溶着を、重合を阻害しないガス雰囲気下で行なう態様が好適に採用され得る。ここにおいて、重合を阻害しないガスとしては、例えば、窒素ガス、アルゴンガスなどが採用可能である。本実施形態においては、空隙62内に窒素ガスが充填されている。
そして、成形キャビティ30内に重合性モノマー32が注入されたワーク18を、ワークホルダ16の上方から差し込んで保持せしめる。前述のように、ワーク18は、筒状部19の軸が水平方向とされると共に、底部24を中心軸49に対して外側に向けた状態でワークホルダ16に保持される。また、本実施形態における重合成形装置10は、各ワークホルダ16について最大で5つのワーク18を保持せしめることが可能とされており、複数のワーク18を保持せしめる場合には、上述のようにして、各ワーク18のそれぞれに重合性モノマー32を注入して、開口部20をアルミシール28で密閉状態に覆蓋した後に、かかるワーク18をワークホルダ16の上方から順次差し込んで保持せしめる。
次に、本体部12に内蔵されたモータに通電することによって、駆動軸部材48を回転せしめ、梁14、ワークホルダ16を介して、複数(本実施形態においては、最大10個)のワーク18を同一の中心軸49回りで回転せしめる。ここにおいて、モータの回転速度は、ワーク18に注入された重合性モノマー32に及ぼされる遠心力が、重合性モノマー32に及ぼされる重力よりも大きくなる回転速度とされる。そして、ワーク18を回転せしめつつ、ワーク18に対して所定時間加熱処理を加えることによって、ワーク18内の重合性モノマー32に対して重合処理を行なう。なお、熱重合処理としては、加熱の初期段階から所定の高温(例えば、70℃〜100℃の適当な温度)で重合せしめても良いし、或いは、加熱の初期段階においてやや低温(例えば、30℃〜50℃の適当な温度)での予備重合を行なった後に、高温に切り換え乃至は段階的に高くして重合する等しても良い。例えば、本実施形態においては、50℃で2.5時間の予備重合を行なった後に、90℃で0.5時間の重合を行なうようにされている。
図6に、ワーク18が回転せしめられることによる重合性モノマー32及びその液面64の位置の変化を示す。先ず、ワーク18が回転せしめられる前の状態においては、図6(a)に示すように、成形キャビティ30内の重合性モノマー32には重力が及ぼされて、液面64は水平状態とされている。次に、ワーク18の回転が開始されると、重合性モノマー32は、図6(b)に示すように、遠心力の作用によって、中心軸49から離隔する方向、即ち、ワーク18の内底面26に向けて流動せしめられる。そして、ワーク18の回転速度が所定の速度に達すると、図6(c)に示すように、重合性モノマー32の全体が内底面26側に押し付けられるようにされて、液面64は略垂直状態とされる。ここにおいて、液面64は内底面26よりも中心軸49側に位置せしめられている。更に、遠心力の作用によって、液面64上においてメニスカスに起因する盛り上がり部分が内底面26側に流動せしめられることから、盛り上がり部分の発生が抑えられて、液面64は、略平坦な面とされる。そして、かかる図6(c)の状態で、重合性モノマー32の重合処理が行なわれる。
これにより、成形キャビティ30内において、目的とするレンズブランク66が成形される。図7に示すように、レンズブランク66は、液面64に対応する面が略平坦な平坦面68とされる一方、平坦面68と反対側の面は、ワーク18の内底面26の湾曲面形状が転写されて、目的とするコンタクトレンズ72(図8参照)のベースカーブに近い曲率をもって外方に凹となる凹状湾曲面70とされる。
次に、得られたレンズブランク66に対して切削加工を施すことによって、目的とするコンタクトレンズ72(図8参照)を得る。かかる切削加工は、従来公知の方法が適宜に採用可能であることから、詳細な説明は省略するが、例えば、図8に示すように、レンズブランク66の凹状湾曲面70を旋盤の加工主軸74に対して接着乃至は負圧吸引等によって固定することにより、レンズブランク66の中心軸75を加工主軸74の回転中心軸76に一致させて保持せしめる。そして、加工主軸74によってレンズブランク66を中心軸75回りに回転駆動させつつ、平坦面68に対して、位置および移動制御される切削バイト78による旋削加工を施すことによって、目的とするフロントカーブ面80を加工形成して、半加工状態のレンズブランク66を成形する。
一方、図示は省略するが、フロントカーブ面80が形成された半加工状態のレンズブランク66を加工主軸74から取り外した後に、フロントカーブ面80を旋盤の加工主軸に固定して、凹状湾曲面70に対して旋削加工を施すことによって、目的とするベースカーブ面82を加工成形する。これにより、目的とする形状のコンタクトレンズ72を得ることが出来る。なお、本実施形態においては、凹状湾曲面70に対しても切削加工を施すようにされているが、例えば、ワーク18の内底面26に、予めベースカーブ面82に対応する形状を与えて、かかる内底面形状を凹状湾曲面70に転写する場合には、凹状湾曲面70への切削加工は不要である。
このような製造方法によれば、遠心力の作用を用いてメニスカスに起因する盛り上がり部分の発生が抑えられることから、レンズブランク66の液面64に対応する面に、平坦面68を形成することが出来る。そして、かかる盛り上がり部分を形成する重合性モノマー32がワーク18の内底面26側に流動せしめられることによって、レンズブランク66の実質的な厚さ寸法をより大きく確保することが出来る。従って、所定の厚さ寸法のレンズブランク66を形成しようとする場合に、ワーク18に注入する重合性モノマー32の量を軽減することが出来て、製造コストの軽減が測られ得る。
それと共に、本製造方法においては、成形キャビティ30内に空隙62が形成されて、空隙62に面する重合性モノマー32の液面64が変形可能な自由表面とされている。従って、重合性モノマー32を熱重合せしめる際に、かかる液面64の部分の熱重合が、筒状部19の内周面や内底面26に面する部分に比して遅らされる。これにより、重合性モノマー32の重合収縮による変形を、液面64の部分で吸収することが出来て、より優れた形状安定性を得ることが出来る。
加えて、特に本実施形態における製造方法によれば、遠心力の作用によって重合性モノマー32に対して、ワーク18の内底面26に向かう力を及ぼしつつ重合成形することが可能とされていることから、重合性モノマー32を内底面26に押し付けるようにすることが出来て、内底面26の湾曲面形状を、より安定して転写することも可能とされている。
更にまた、ワーク18が静止状態から回転せしめられて、所定の回転速度に到達する過程において、重合性モノマー32が、その液面64が水平状態から鉛直状態(図6(a)から図6(c))に変化せしめられる。かかる過程において、重合性モノマー32を攪拌するかの如き作用を得ることが出来て、重合の均一化も図られ得る。これにより、得られるコンタクトレンズ72の屈折率の局所的な差異を抑えることも可能とされているのである。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。なお、以下の説明において、前述の実施形態と実質的に同様の部材および部位については、前述の実施形態と同様の符号を付することによって、詳細な説明を省略する。
例えば、前述の実施形態におけるワークホルダ16は、底板34の長軸方向が鉛直方向に配設されることによって、ワーク18の軸が水平方向となるようにされていたが、回転に際して流動せしめられる重合性モノマー32の流動方向などを考慮して、ワーク18の軸を水平方向に対して傾斜せしめた状態で回転せしめる等しても良い。
例えば、図9に示すように、重合性モノマー32に及ぼされる重力:F1 と遠心力:F2 を考慮して、これら重力:F1 と遠心力:F2 の合力:F3 の方向にワーク18の軸84を傾斜せしめる態様などが、好適に採用される。具体的には、図9におけるワーク18の軸84の水平方向からの傾斜角度:θ(deg)の好適な値は、aをワーク18の回転速度(回/s)、rを回転半径(m)、mを重合性モノマーの質量(kg)、gを重力加速度(9.8m/s2 )とすると、重力:F1 =mg、遠心力:F2 =mr(2πa)2 であることから、下記の数式2に基づいて決定することが出来る。ここにおいて、回転速度:aは、重力:F1 よりも遠心力:F2 が大きくなる速度に設定される。
Figure 0004787884
このようにすれば、重合性モノマー32が流動せしめられる方向を、ワーク18の軸方向に近づけることが出来る。これにより、重合性モノマー32を筒状部19の内周面に対して略平行方向に流動せしめることが出来ることから、筒状部19に接する重合性モノマー32の盛り上がりをより有効に抑えることが出来る。そして、重合性モノマー32の液面の広がり方向を内底面26の広がり方向と同じ方向に近づけることが出来て、得られるレンズブランク66の厚さ寸法の偏りを抑えることが出来る。更に、重合性モノマー32を内底面26に向けてより安定して流動せしめることが出来ることから、内底面26の形状をより安定して転写することが出来て、より優れた形状安定性を得ることが出来る。
但し、ワーク18の傾斜角度:θは、必ずしも合力:F3 の方向と完全に一致せしめられる必要はなく、合力:F3 の方向に近づけられていれば良い。即ち、完全に一致せずとも、重合性モノマー32の流動方向が内底面26に向かう方向に近づけられることによって、形状安定性の向上が図られ得る。
なお、ワーク18の傾斜角度:θが予め定められている場合に、上記数式2に基づいて、ワーク18の好ましい回転速度:aを得ることも可能である。かかる場合においても、決定された回転速度:aは、重力:F1 よりも遠心力:F2 を大きくする速度であることが好ましく、従って、予め定められる傾斜角度:θは、45°よりも小さく設定されることが好ましい。
また、成形型の具体的な形状は、前述のワーク18の如き形状に限定されない。例えば、ワークホルダ16に差込可能な範囲内で、筒状部19の内径寸法が異ならされた複数種類のワークを用いる等しても良い。また、図10(a)に示す成形型の異なる態様としてのワーク90のように、平坦な内底面92を備える成形型を用いても良いし、図10(b)に示す成形型の更に異なる態様としてのワーク94のように、外方に突出する球殻形状の湾曲面を有する内底面96を備えた成形型を用いること等も可能である。
更にまた、成形型の開口部を覆蓋する覆蓋部材の具体的な構造についても、前述の如きアルミシール28に限定されるものではない。例えば、ゴムなどの弾性材料からなる栓部材を、ワーク18の開口部20に嵌め込んで密栓する等しても良い。
また、前述の重合成形装置10についても、あくまでも例示であって、その具体的な構造が前述の如き態様に限定されるものではない。例えば、梁14およびワークホルダ16をより多数個設ける等しても良いし、梁14とワークホルダ16の取付部位において、ワークホルダ16の傾斜角度を調節設定する角度調節手段を設ける等しても良い。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
Figure 0004787884
なお、本発明の製造方法の有効性を検証するために、本製造方法に従って成形したレンズブランクの寸法測定結果を、表1に示す。なお、これらのレンズブランクは、成形型としてポリプロピレン製で、底面形状が内方に突出する湾曲面とされた円柱形状の成形キャビティを有する成形型を用い、成形型の傾斜角度を2.8°、回転半径を200mmとして回転速度300rpmで回転せしめ、かかる成形型に対して、50℃で2.5時間の予備重合後、90°で0.5時間の熱重合を行なうことによって得られたものである。
表1から明らかなように、本発明の製造方法に従って成形されたレンズブランクにおいては、外径寸法、高さ寸法の何れにおいても、ばらつきが小さく、優れた形状安定性が得られることが確認された。

Claims (8)

  1. 成形型の成形キャビティ内に重合性材料を注入して重合せしめることによりレンズブランクを成形し、該レンズブランクを切削加工することによって目的とするコンタクトレンズを得るコンタクトレンズの製造方法において、
    前記重合性材料を前記成形キャビティ内に自由表面を有する状態で注入した後に、鉛直方向に延びる回転中心軸に対して前記成形型の底面を外側に向けた状態で該成形型を該回転中心軸回りに回転せしめつつ重合成形することによって前記レンズブランクを成形することを特徴とするコンタクトレンズの製造方法。
  2. 複数の前記成形型を用いて、それぞれの前記成形キャビティ内に前記重合性材料を注入して、それら複数の成形型を同一の前記回転中心軸回りで同時に回転せしめつつ重合成形する請求項1に記載のコンタクトレンズの製造方法。
  3. 前記成形型として樹脂、ガラス、金属の何れかで形成されたものを用いる請求項1又は2に記載のコンタクトレンズの製造方法。
  4. 前記成形型として一方に開口する開口部を有する成形型を用いて、前記重合性材料を該開口部から注入し、覆蓋部材によって前記成形キャビティ内に空隙を有する状態で該開口部を密封状態に覆蓋した後に該重合性材料を重合成形する請求項1乃至3の何れか一項に記載のコンタクトレンズの製造方法。
  5. 前記成形型として熱可塑性樹脂で形成されたものを用いると共に、該成形型の前記開口部に前記覆蓋部材としてのアルミニウム箔を熱溶着することによって該開口部を密封状態に覆蓋する請求項4に記載のコンタクトレンズの製造方法。
  6. 前記重合性材料を脱酸素雰囲気中で重合成形する請求項1乃至5の何れか一項に記載のコンタクトレンズの製造方法。
  7. 前記成形型に対して前記重合性材料に及ぼされる重力よりも遠心力が大きくなる回転速度を与えると共に、該成形型を該重合性材料に及ぼされる重力と遠心力との合力方向に傾斜せしめた状態で回転せしめる請求項1乃至6の何れか一項に記載のコンタクトレンズの製造方法。
  8. 前記成形型の回転速度および傾斜角度を、下式に基づいて決定する請求項1乃至7の何れか一項に記載のコンタクトレンズの製造方法。
    Figure 0004787884
    但し、上式中、θは遠心力の作用方向に対する成形型中心軸の傾斜角度、aは回転速度、rは回転半径、gは重力加速度を示す。
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