JP2006171270A - コンタクトレンズの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンタクトレンズの機械加工の簡略化を図る。
【解決手段】ブロック状のレンズ素材2に対し、ベースカーブ面BCとフロントカーブ面の両方を機械加工で形成するコンタクトレンズの製造方法において、重合容器1の中に原料を充填して重合させブロック状のレンズ素材2を得る重合工程と、重合工程の後に、重合容器1の外面を初期の加工基準面としながら、重合容器1に入った状態のままレンズ素材2を機械加工する機械加工工程と、を含む。但し、重合工程の前に、重合容器1の内壁に、プラズマ処理、コロナ放電処理などの接着性付与処理を施しておく。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブロック状のレンズ素材に対しベースカーブ面とフロントカーブ面の両方を機械加工で形成する、いわゆるレースカット法によるコンタクトレンズの製造方法に関する。
コンタクトレンズの製造方法には種々のものがある。
主なものでは、例えば、棒状の成形体から切り出して得たボタン状のレンズ素材または成形により得たボタン状のレンズ素材の両面を旋盤により切削・研磨してコンタクトレンズを製造するレースカット法、重合工程をレンズ形状のキャビティを有した成形型の中で行うことにより所望のレンズ形状のコンタクトレンズを製造するモールド法、重合性モノマーを回転する型の中に流し込み遠心力で原料が薄く広がるのを利用してコンタクトレンズを製造するスピンキャスト法、等が挙げられる。
また最近では、レンズの片方の光学面をモールド法で成形し、その後、機械加工で他方の光学面を形成する片面モールド法と呼ばれる製造法が知られている。更にその場合の他方の光学面の機械加工の際に、少なくとも片方の光学面の成形型を残したまま、レンズ素材を機械加工して、コンタクトレンズを得る方法も知られている(特許文献1、2、3、4参照)。
また、モールド法において、成形型の成形面にコロナ放電を施したり、予め成形型に凹凸を形成しておくことで、レンズ素材と成形型の付着性を高める技術も知られている(特許文献4、5参照)。
ところで、モールド法は、レンズの光学面を直接形成する製法であるため、大量生産に有利な方法と言えるが、レンズの種類等に応じて精密な成形型を多種類かつ多数用意する必要があるため、多くのレンズ種を有するハードコンタクトレンズ等の製法には適さず、一般にはレンズ種の少ないソフトコンタクトレンズの製法として用いられている。従って生産量によっては、逆に経済性や作業性に問題が生じることがある。また、重合収縮によりレンズ素材の周端部に隙間を生じたり、凹面型と凸面型の組み合わせ部分にレンズ素材が侵入して、レンズ周端部にバリが発生する等の問題もある。
一方、レースカット法は、ブロック状のレンズ素材から機械的にレンズを切り出すため、大量生産にはあまり有利な製法とは言えないが、精度の高いレンズ、多種のレンズの製法としては優れており、また、近年の加工機械の精度向上に伴い、より高品質のレンズが得られるようになってきている。
本発明は、レースカット法によるコンタクトレンズの製造方法に関するもので、その前提となる従来のレースカット法では、通常、図6に示すような工程順に、ラフカットボタン2Fまでの加工を進めている。まず、(a)に示すように、原料モノマー混合液2Aを、金属、ガラス、またはプラスチック等の円筒形状をした重合容器1内に注入して重合させる。
次に(b)に示すように、得られたレンズ素材2を、矢印A方向に容器底部を打ち抜くことで重合容器1から取り出し、(c)以降の機械加工工程へと供給する。機械加工工程では、まず(c)に示すように、矢印で示す位置でレンズ素材2をチャッキングしながら切削することにより、面の不整を取り除いて、(d)に示すような加工面21を作る。次いで、その加工面21を基準面としてチャッキングしながら、(e)の形状のようなラフカットボタン2Fを得る。以降、公知の機械加工工程(切削・研磨などの工程)を経て、角膜に接触するベースカーブ面BCと、その反対側のフロントカーブ面を有するコンタクトレンズを得る。
特開昭60−73836号公報 特開平8−25378号公報 特開平11−320699号公報 特開平2−18012号公報 特開平4−226716号公報
このように、従来のレースカット法では、いったん重合容器1からレンズ素材2を取り出し、それからレンズ素材2に対して機械加工を行っていたので、曲がりやバリ等を取り除いて加工の基準面を作ることから機械加工を始めなければならず、加工が面倒であった。
本発明は、上記事情を考慮し、ブロック状のレンズ素材に対し、全て機械加工でベースカーブ面とフロントカーブ面を形成してコンタクトレンズを得るに際し、加工の簡略化により効率の良い手順で製造工程を進められるようにしたコンタクトレンズの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、前記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、レースカット法によりコンタクトレンズを製造するに際し、重合容器ごと中のレンズ素材を機械加工することにより、加工初期の基準面を重合容器自体の外面に求めることができ、それにより、曲がりやバリ等を取り除いて最初の基準面を作り出す加工を省略できることを見出した。
また、重合容器の内壁に、該重合容器中で重合されるレンズ素材との接着性付与処理を予め施しておくことにより、重合後に得られるレンズ素材と重合容器の間の剥離を防ぐことができ、それにより、以降の機械加工中にレンズ素材が容器から飛び出したり、脱落することなく、レンズ素材を容器と一緒に機械加工できることを見出した。
そこで、請求項1の発明のコンタクトレンズの製造方法は、ブロック状のレンズ素材に対し、ベースカーブ面とフロントカーブ面の両方を機械加工で形成するコンタクトレンズの製造方法において、機械加工が可能なプラスチック製の重合容器の中に原料を充填して重合させることにより、前記ブロック状のレンズ素材を得る重合工程と、前記重合工程の後に、前記重合容器の外面を初期の加工基準面としながら、前記重合容器に入った状態のまま前記レンズ素材を機械加工する機械加工工程と、を含むことを特徴としている。
この場合、重合容器は、レースカット用のレンズ素材を作り出すためのものであって、モールド法に使用する成形型のような光学面の成形面を持っている必要はない。従って、内面の精度は問わないが、外面を後の機械加工の加工基準面として利用する関係上、外面の所定部位の面精度は出しておく必要がある。
ところで、請求項1の発明のように、重合容器ごとレンズ素材を機械加工しようとした場合、重合容器とその中のレンズ素材との接着性が問題となる。重合後に得られるレンズ素材と重合容器との間に、例えば、重合収縮による剥離が生じていたり、剥離が生じていなくても両者の接着が弱かったりした場合、重合容器を加工機械にセットして加工している間に、中のレンズ素材が重合容器から飛び出したり、脱落したりする可能性がある。
そこで、請求項2の発明は、請求項1に記載のコンタクトレンズの製造方法であって、前記重合工程の前に、前記重合容器の内壁に、予め前記レンズ素材との接着性を得るための接着性付与処理を施しておくことを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項2に記載のコンタクトレンズの製造方法であって、前記接着性付与処理が、プラズマ処理、コロナ放電処理、または、これらを組み合わせた処理であることを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項2または3に記載のコンタクトレンズの製造方法であって、前記レンズ素材との接着性付与処理を、最終的に得られるコンタクトレンズの表面と直接接触することのない前記重合容器の内壁部分に施すことを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のコンタクトレンズの製造方法であって、前記重合容器を構成するプラスチックがポリオレフィン樹脂であることを特徴としている。
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載のコンタクトレンズの製造方法であって、前記重合容器に入った状態のまま前記レンズ素材を機械加工する機械加工工程の後、該機械加工工程にて加工した前記レンズ素材上の加工面を加工基準面としながら前記重合容器を全て切削除去し、以降、前記レンズ素材上の加工面を加工基準面として利用しながら、最終的に前記ベースカーブ面及びフロントカーブ面を機械加工により形成することを特徴としている。
請求項7〜14の発明は、複合コンタクトレンズを製造するための方法であって、請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載のコンタクトレンズの製造方法において、前記重合工程において前記重合容器の中で、中心部に第1の素材を配し周辺部に前記第1の素材と異なる第2の素材を配したブロック状の複合レンズ素材を作り出し、その複合レンズ素材に対して、重合容器の外面を初期の加工基準面としながら重合容器に入った状態のまま機械加工する前記機械加工工程を実施すると共に、その後の機械加工の際の一部の工程において、前記第1の素材よりなる中心部または第2の素材よりなる周辺部を保持して機械加工を行うことで、中心部と周辺部で素材の異なる複合コンタクトレンズを製造することを特徴としている。
請求項8の発明は、請求項7に記載のコンタクトレンズの製造方法であって、前記中心部を構成する第1の素材と前記周辺部を構成する第2の素材が、互いに硬さの異なる素材よりなり、前記機械加工工程の後の機械加工の際の一部の工程において、前記第1の素材と第2の素材のうち硬い方の素材よりなる部分を保持して機械加工を行うことを特徴としている。
請求項9の発明は、請求項7または8に記載のコンタクトレンズの製造方法であって、前記重合工程の中の第1工程で、前記重合容器の中に前記第2の素材の原料モノマー混合液を注入して重合させると共に、重合後の第2の素材の中央部に柱状孔を形成し、次の第2工程で、前記柱状孔の中に前記第1の素材の原料モノマー混合液を注入して重合させ、それら第1工程と第2工程を順番に経ることにより、中心部が第1の素材よりなり、周辺部が第2の素材よりなる複合コンタクトレンズ用のレンズ素材を製造することを特徴としている。
請求項10の発明は、請求項7または8に記載のコンタクトレンズの製造方法であって、前記重合工程の中の第1工程で、前記重合容器の中に、前記第2の素材の原料モノマー混合液を注入すると共に、前記原料モノマー混合液の中心部に、柱状突起を有した雄型を配置し、その状態で前記第2の素材の原料モノマー混合液を重合させ、重合後に前記雄型を取り外すことで、中心部に柱状孔を有した第2の素材を得、次の第2工程で、前記柱状孔の中に前記第1の素材の原料モノマー混合液を注入して重合させ、それら第1工程と第2工程を順番に経ることにより、中央部が第1の素材よりなり、周辺部が第2の素材よりなる複合コンタクトレンズ用のレンズ素材を製造することを特徴としている。
請求項11の発明は、請求項10に記載のコンタクトレンズの製造方法であって、前記雄型を、前記重合容器の開口部を密栓する蓋の内面に一体に形成したことを特徴としている。
請求項12の発明は、請求項10または11に記載のコンタクトレンズの製造方法であって、前記重合容器の内面を、重合後の前記第2の素材と強く接着する高接着の成形面として構成すると共に、前記雄型の少なくとも前記柱状突起の表面を、重合後の前記第2の素材と接着しにくい低接着の成形面として構成したことを特徴としている。
請求項13の発明は、請求項7または8に記載のコンタクトレンズの製造方法であって、前記複合レンズ素材の中心部を構成する素材として、柱状突起を有した前記第1の素材を用意し、前記重合工程において、前記重合容器の中心部に前記柱状突起が位置するように前記第1の素材をセットし、その状態で、重要容器の中の前記柱状突起の周囲で、前記第2の素材の原料モノマー混合液を重合させて前記第1の素材の柱状突起と一体化させることにより、中心部が第1の素材よりなり、周辺部が第2の素材よりなる複合コンタクトレンズ用のレンズ素材を製造することを特徴としている。
請求項14の発明は、請求項13に記載のコンタクトレンズの製造方法であって、前記重合容器の内面を、重合後の前記第2の素材と強く接着する高接着の成形面として構成すると共に、前記第1の素材の少なくとも前記柱状突起の表面を、重合後の前記第2の素材と接着しにくい低接着の成形面として構成したことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、重合容器自体の外面(例えば、底面や側面)を初期の加工基準面としながら、重合容器ごと中のレンズ素材を機械加工するので、従来のレースカット法のように、重合容器からレンズ素材をいちいち取り出し、しかも、そのレンズ素材に対して、曲がりやバリ等を取り除いて最初の基準面を作り出す加工を省略することができる。従って、製造工程を簡略化することができて、効率良くコンタクトレンズを製造することができる。
請求項2の発明によれば、重合工程の前に、予め重合容器の内壁にレンズ素材との接着性を得るための接着性付与処理を施しておくので、重合後のレンズ素材と重合容器との間の剥離を防ぐことができ、両者間の接着性を高めることができる。従って、後の機械加工中にレンズ素材が重合容器から飛び出したり、脱落したりする事故を防ぐことができ、確実にレンズ素材を重合容器と一緒に機械加工することができて、効率良くコンタクトレンズを製造できる。
請求項3の発明によれば、前記接着性付与処理として、プラズマ処理、コロナ放電処理、または、これらを組み合わせた処理を行うので、重合容器へ与えるダメージもなく、また、レンズ素材への異成分の混入のおそれもなく、接着性を向上させることができる。
請求項4の発明によれば、前記レンズ素材との接着性付与処理を、最終的に得られるコンタクトレンズの表面と直接接触することのない重合容器の内壁部分に施すので、最終的に得られるコンタクトレンズの表面には、接着の影響が全く出ない。
請求項5の発明によれば、レンズ素材の重合容器をポリオレフィン樹脂で構成したので、切削性と耐溶剤性に優れており、コンタクトレンズ製造の効率化に寄与することができる。
請求項6の発明によれば、重合容器に入った状態のままレンズ素材を機械加工した後、その加工で得たレンズ素材上の加工面を新たな加工基準面としながら重合容器を全て切削除去し、最終的に、レンズ素材上の加工面を加工基準面としながらベースカーブ面とフロントカーブ面を機械加工により形成するので、効率良くレースカット法によりコンタクトレンズを製造することができる。
請求項7の発明は、重合工程により得た複合レンズ素材を機械加工して複合コンタクトレンズを製造する方法であって、この方法によれば、中心部を第1の素材、周辺部を第2の素材で構成した複合レンズ素材を得た後の機械加工の一部の工程において、中心部または周辺部を保持して機械加工を行うので、把持に適した素材部分を保持しながら安定した機械加工を行うことができる。
特に、請求項8の発明によれば、硬質の素材部分を保持しながら機械加工を行うので、保持圧(チャッキング圧)による加工面の湾曲等を軽減できる。
また、請求項9〜請求項14の発明によれば、中心部の第1の素材と周辺部の第2の素材の接合力の高い複合コンタクトレンズを効率よく製作することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
本発明のコンタクトレンズの製造方法は、重合工程で得たブロック状のレンズ素材に対し、ベースカーブ面とフロントカーブ面の両方を機械加工で形成するレースカット法による製造方法に係るものであり、重合工程と、その後に行う機械加工工程とよりなる。但し、重合工程の前には、重合容器の内壁に予め、レンズ素材との接着性を得るための接着性付与処理を施しておく。
まず、第1実施形態の製造方法を図1に基づいて説明する。
この方法では、最初に機械加工が可能なプラスチック製の重合容器1を用意する。但し、レンズ素材2の原料モノマーによる変形を生じない耐溶剤性に優れたプラスチック製容器を利用するのが好ましく、特にポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂製の重合容器を利用するのが好ましい。
この場合の重合容器1は、レースカット用のレンズ素材を作り出すためのものであって、モールド法に使用する成形型のように、光学面の成形面を持っている必要はない。従って、内面の精度は問わないが、外面を後の機械加工の加工基準面として利用する関係上、外面の所定部位の面精度は出しておく必要がある。重合容器1の形状は、機械切削に適した形であればよく、例えば、切削機械のための把持部分として、容器側面や容器底面にに凹凸部を設けたり、凹凸の曲率を設けたりしてあってもよい。
次に、この重合容器1の内壁に接着性付与処理を施す。この処理は、重合されるレンズ素材2との接着性が高められるものであれば、特に制限はなく、例えば、フレーム処理(焼炎処理)、プライマー処理、紫外線照射処理、電気的表面処理等が挙げられる。これらの中でも、電気的表面処理方法である大気中でのコロナ放電処理または減圧チャンバ内でのプラズマ処理は、接着性向上の効果、重合容器1へのダメージの少なさ、及びレンズ素材2への異成分の混入の少なさ等の観点から特に好ましい。プラズマ処理とコロナ放電処理を組み合わせて行ってもよい。なお、この場合の接着性付与処理は、最終的に得られるコンタクトレンズの表面と直接接触することのない重合容器1の内壁部分に施す。本実施形態では、全てのコンタクトレンズ表面を機械加工によって作り出すことになるので、自ずからこのようになる。
次に、図1(a)に示すように、上記の接着性付与処理を施したプラスチック製の重合容器1の中に、レンズ素材の原料モノマー類2Aを注入し、重合容器1の上面を、図示しない蓋やシート等で密封する。なお、ここで用いられるレンズ素材の原料モノマー類2Aは、公知のものを含め、特に制限はない。
次に、原料モノマー類2Aの重合を行うが、重合の方法としては、例えば、段階的あるいは連続的な熱的加熱により重合を行う加熱重合、紫外線または可視光線などの光開始剤の活性化の吸収に応じた波長の光線を照射して重合を行う光重合、加熱重合と光重合とを組み合わせて重合を行う方法などが挙げられる。なお、このとき、重合を行う槽内、または室内を、窒素またはアルゴン等の不活性ガス雰囲気とし、且つ、大気圧または加圧状態で重合させてもよい。なお、重合は、例えば、アルコール、ジメチルスルホキシド等の適当な希釈剤の存在下でも行うことができる。
以上の重合工程によりブロック状のレンズ素材2を得ることができたら、次に、そのレンズ素材2を、重合容器1から取り出さずに、そのままの形で機械加工工程に供給する。
機械加工工程では、各図中の矢印の位置で把持(チャッキング)して加工を行う。まず最初に、(b)に示すように、切削機械で重合容器1の底部側の外周を把持し、重合容器1の外周面を加工基準面としながら、(c)に示すように、レンズ素材2の上側(密封した側)に、ベースカーブ加工工程時用の把持代21を形成する。
次に、(d)に示すように、この把持代21をベースカーブ加工機械により把持した状態で、この把持代21の外周面を加工基準面としながら、重合容器1を全部切削除去すると共に、ベースカーブ加工、側面加工を行い、(e)のようなベースカーブ面BCを有したラフカットボタン2Fを得る。次に、図示しないが、ベースカーブ面BCをフロントカーブ加工用の治具に保持させ、該治具をフロントカーブ加工機械に把持させて、フロントカーブ面を機械加工して所望のコンタクトレンズを得る。
このように、重合容器1自体の外面を初期の加工基準面としながら、重合容器1ごと中のレンズ素材2を機械加工するので、従来のレースカット法のように、重合容器1からレンズ素材をいちいち取り出し、しかも、そのレンズ素材に対して、曲がりやバリ等を取り除いて最初の基準面を作り出す面倒な加工を省略することができる。従って、製造工程を簡略化することができて、効率良くコンタクトレンズを製造することができるようになる。
特に、レンズ素材2自体は冷却切削等により機械切削が可能であるにも拘わらず、切削機械で把持できるだけの硬さを有していないようなレンズ素材2の場合であっても、切削機械に把持可能なプラスチック製重合容器1中で該レンズ素材2を重合させ、これを重合容器2と一緒に加工することにより、煩雑な前加工等を施すことなく、加工が可能となる。
また、重合工程の前に、予め重合容器1の内壁にレンズ素材2との接着性を得るための接着性付与処理を施しておくので、重合後のレンズ素材2と重合容器1との間の剥離を防ぐことができ、両者間の接着性を高めることができる。従って、後の機械加工中にレンズ素材2が重合容器1から飛び出したり、脱落したりする事故を防ぐことができ、確実にレンズ素材2を重合容器1と一緒に機械加工することができて、効率良くコンタクトレンズを製造できる。
上記第1実施形態は、単一素材によりコンタクトレンズを製造する場合の例であったが、本発明は複合レンズ素材からコンタクトレンズを製造する場合にも適用できる。次の第2実施形態はその場合の例であり、図2を参照しながら説明する。
この第2実施形態の製造方法では、まず、図2(a)に示すように、重合工程において重合容器1中で、中心部に第1の素材14を配し、その周辺部に第1の素材14とは異なる第2の素材12を配したブロック状の複合レンズ素材16を作り出す。なお、後の機械加工工程を考慮して、中心部の第1の素材14の縦断面はT字形にして、上端に径大の頭部を設けてある。
ここで、第1の素材14及び第2の素材12としては、例えば、互いに硬さの違う素材を挙げることができる。一例として本例では、前者を硬質の素材とし、後者をそれよりも軟質の素材としてある。なお、逆に設定してもよいし、その他の物理的特性の違う組み合わせにしてもよい。
次に、得られたブロック状の複合レンズ素材16を重合容器1から取り出さずに、そのままの形で機械加工工程に供給する。機械加工工程では、まず最初に、(b)に示すように、切削機械で重合容器1の底部側の外周を把持し、重合容器1の外周面を加工基準面としながら、(c)に示すようにレンズ素材2の上側(密封した側)の第1の素材14上に把持代21を形成し、その把持代21を加工基準にしながら、ベース加工、側面加工を行い、(d)のようなラフカットボタン16Fを得る。
次に、図示しないが、ベースカーブ面BCをフロントカーブ加工用の治具に保持させ、該治具をフロントカーブ加工機械に把持させて、フロントカーブ面を機械加工し、所望のコンタクトレンズを得る。なお、切削の際には、冷却切削を実施してもよい。
このように、複合レンズ素材16に対しても、重合容器1自体の外面を初期の加工基準面としながら、重合容器1ごと中の複合レンズ素材16を機械加工することができる。従って、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。特にこの実施形態の場合、第1の素材14よりなる部分(中心部)を保持して機械加工を行うことができるので、第1の素材14を硬質の素材としてある場合、特に保持圧(チャッキング圧)による加工面の湾曲等を軽減する効果も得られる。
ところで、上述の複合レンズ素材16を作り出す方法としては、いくつかの方法を適宜に選択することができる。以下にその例を、図3〜図5を用いて説明する。
第1例を図3に示す。
この方法では、まず、(a)に示すように、上記の接着性付与処理を施した重合容器1の中に、周辺部を構成する第2の素材の原料モノマー混合液12Aを注入して重合させ、次いで(b)に示すように、重合後の第2の素材12の中心に機械加工で円孔13を設ける。そして、(c)に示すように、その円孔13の内部に、中央部を構成する第1の素材を与えるモノマー混合液14Aを注入して重合させることにより、中心部に第1の素材14を配し、周辺部に第2の素材12を配した複合レンズ素材16を得る。なお、重合の際には、上述した各種の重合方法を適宜選択して行う。
第2例を図4に示す。
この方法では、まず(a)、(b)に示すように、上記の接着性付与処理を施した重合容器1の中に、周辺部を構成する第2の素材12の原料モノマー混合液12Aを注入する。また、それと前後して、下面中央部に円柱状の突起18sを有し且つ第2の素材12の重合後には第2の素材12と接着しない(つまり、上述した接着性付与処理を施していない)ポリオレフィン樹脂製の蓋(雄型)18を用いて、突起18s部分が重合容器1の内側の中央に位置するようにして重合容器1の上端開口を密栓する。
これを上述した各種の重合方法を適宜選択して重合させた後、(c)に示すように蓋18を外す。これにより、第2の素材12の中心に縦方向に延びる円孔13を形成することができる。
次に、(d)に示すように、その円孔13の内部に、中央部を構成する第1の素材を与えるモノマー混合液14Aを注入して重合させることにより、中心部に第1の素材14を配し、周辺部に第2の素材12を配した複合レンズ素材16を得ることができる。
この場合、接着性向上のための表面処理を施した重合容器1の中に第2の素材の原料モノマー混合液12Aを注入すると共に、重要容器1の上端を、接着性向上のための表面処理を施さない円柱状の突起18sを下面に持つ蓋18(つまり、接着性向上処理が未処理の蓋)で密栓し、その状態で重合させるのであるが、こうすることにより、次の効果を得られる。
すなわち、まず反対例として、アルミシール等で重合容器1の上面開口部を単純に密栓した場合には、重合後に円孔13を機械加工で形成し、その円孔13に中心部を構成する第1の素材14のモノマー混合液14Aを注入すると、周辺部の第2の素材12の重合時の収縮による内部応力のために、円孔13内の円柱状部分の形状が変形し、それにより、想定した形状の周辺部と中心部を持つ複合コンタクトレンズを作ることが難しくなる。
これに対し、上述例のように接着性向上のための表面処理をした重合容器1と、未処理(非接着性を持つように構成したとも言える)の突起18sを持つ蓋18とを組み合わせて重合した場合には、重合容器1側に第2の素材12が接着し、突起18s部分には接着しないことにより、重合により収縮で生じる内部応力が緩和される。このため、次の工程で、円孔13に第1の素材のモノマー混合液14Aを後から注入して重合させても、円孔13内で形成される円柱状部分が変形しない効果が得られる。また、第2の素材12が突起18s部分には接着しないので、蓋18を抜く際に、第2の素材12が重合容器1から外れることなく、円柱状の突起18sを持つ蓋18を、容易に抜くことができる。
第3例を図5に示す。
この方法では、まず(a)に示すように、下面に円柱状の突起14sを中心に有する第1の素材14を用意する。次に、(b)に示すように、上述した接着性付与処理を施したプラスチック製の重合容器1の中央に円柱状の突起14sを位置させながら、第1の素材14を重合容器1に設置する。それと前後して、円柱状の突起14sの周囲の空間に、コンタクトレンズの周辺部を構成する第2の素材12の原料モノマー混合液12Aを注入する。そして、上記の重合方法のうちのいずれかを適宜選択することで、原料モノマー混合液12Aを重合させる。こうすることにより、(c)に示すように、中心部に第1の素材14を配し周辺部に第2の素材12を配した複合レンズ素材16を得ることができる。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1では、処理装置として、京都電子計測(株)製「PA−100AT」を用い、出力:50W、真空度:0.6Torr、反応ガス:Ar、処理時間:120秒間の条件にて、内径15mm、深さ15mmの円筒形のポリプロピレン製の重合容器にプラズマ処理を施した。
この重合容器1に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート99.5重量%、エチレングリコールジメタクリレート0.5重量%、重合開始剤として2,2'−アゾビスイソブチロニトリルを、0.1重量%添加したモノマー混合液を注入し、アルミシールで密封した。
これを熱風循環式乾燥器中に入れ、50℃で48時間保持、50℃から110℃まで12時間で昇温、110℃で12時間保持し、重合を完結させ、室温まで自然冷却してソフトコンタクトレンズ素材を得た。得られたレンズ素材と重合容器の間には剥離は見られなかった。
得られたレンズ素材を、重合容器から取り出さずに、まず、切削機械で重合容器の底部側を把持し、重合物の上側(シール側)にベースカーブ加工工程時の把持代を形成した。次に、この把持代をベースカーブ加工機械に把持させ、ベースカーブ面を機械加工して、ラフカットボタン2Fを得た。
次に、ベースカーブ面BCをフロントカーブ加工用の治具に保持させ、該治具をフロントカーブ加工機械に把持させ、フロントカーブ面FCを機械加工し、所望のコンタクトレンズを得た。加工中にレンズ素材が重合容器から飛び出したり、脱落したりすることなく、コンタクトレンズ形状に加工できた。
実施例2では、処理装置として、TANTEC社製「HV−2010」を用いて、
設定電圧:24kV、
設定出力:51W、
処理時間:5秒間
の条件にて、大気下、先端6mmのボール電極で内径15mm、深さ15mmの円筒形のポリプロピレン製重合容器の内側にコロナ放電処理を施した。
この重合容器に実施例1のモノマー混合液を注入し、実施例1と同様にしてレンズ素材を得た。得られたレンズ素材と重合容器の間には剥離は見られなかった。
得られたレンズ素材を、重合容器から取り出さずに、そのまま切削機械に把持させ、実施例1と同様に切削加工したところ、加工中にレンズ素材が容器から飛び出したり、脱落したりすることなく、コンタクトレンズ形状に加工できた。
実施例3では、モノマー混合液2Aを、メチルメタクリレート30重量%、トリス(トリメチルシロキシ)−γ−メタクリロキシプロピルシラン30重量%、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート28重量%、メタクリル酸10重量%、エチレングリコールジメタクリレート2重量%、及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.3重量%から成る酸素透過性ハードコンタクトレンズ素材の組成に変更した他は実施例1と同様にしてレンズ素材を得た。得られたレンズ素材と重合容器の間には剥離は見られなかった。
得られたレンズ素材を、重合容器から取り出さずに、そのまま切削機械に把持させ、実施例1と同様に切削加工したところ、加工中にレンズ素材が容器から飛び出したり、脱落したりすることなく、コンタクトレンズ形状に加工できた。
実施例4では、実施例2と同様の処理を施したポリプロピレン製重合容器1に実施例3のモノマー混合液を注入し、他は実施例1と同様にしてハードコンタクトレンズ素材を得た。得られたレンズ素材2と重合容器の間には剥離は見られなかった。
得られたレンズ素材を、重合容器から取り出さずに、そのまま切削機械に把持させ、実施例1と同様に切削加工したところ、加工中にレンズ素材が容器から飛び出したり、脱落したりすることなく、コンタクトレンズ形状に加工できた。
実施例5では、実施例2と同様の処理を施したポリプロピレン製重合容器に、2−ヒドロキシエチルメタクリレート44重量%、2−メトキシエチルアクリレート35重量%、メチルメタクリレート20重量%、エチレングリコールジメタクリレート1重量%及び2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.1重量%から成るモノマー混合液を注入し、アルミシールで密封した。これを熱風循環式乾燥器中に入れ、40℃で48時間保持、50℃から110℃まで12時間で昇温、110℃で12時間保持し、重合を完結させ、室温まで自然冷却して重合物が軟質のソフトコンタクトレンズ素材を得た後、更に得られた該重合物の上部にメチルメタクリレート100重量%、2,2'−アゾビスイソブチロニトリルを、0.1重量%添加したモノマー混合液を注入し、再度アルミシールで密封した。これを熱風循環式乾燥器中に入れ、再度重合を行い、軟質のソフトコンタクトレンズ素材の上部を硬質重合物で覆った。得られたレンズ素材と重合容器の間には剥離は見られなかった。
得られたレンズ素材を重合容器から取り出さずに、まず切削機械で重合容器底部側を把持し、重合物の上側硬質重合物にベースカーブ加工工程時の把持代を形成させた。次にこの把持代をベースカーブ加工機械に把持させ冷却エアーを吹きつけながらベースカーブを加工した後、ベースカーブ面をフロントカーブ加工用の治具に保持させ、該治具をフロントカーブ加工機械に把持させ冷却エアーを吹きつけながらフロントカーブを加工し、コンタクトレンズを得た。加工中にレンズ素材が容器から飛び出したり、脱落したりすることなく、コンタクトレンズ形状に加工できた。
実施例6では、実施例5と同様にして重合物が軟質のソフトコンタクトレンズ素材を得た後、得られたレンズ素材を重合容器から取り出さずに、切削機械で重合容器底部側を把持し、この重合物の中心部に軸方向に延びる空洞(円孔)を形成させた。この空洞内に実施例3のモノマー混合液を注入し、再度アルミシールで密封した後、熱風循環式乾燥器中に入れ、再度重合を行い、中心部のハードコンタクトレンズ素材を軟質のソフトコンタクトレンズ素材で取り囲んだ複合レンズ素材を得た。得られた複合レンズ素材と重合容器の間には剥離は見られなかった。
得られた複合レンズ素材を、重合容器から取り出さずに、そのまま切削機械に把持させ、実施例5と同様に切削加工したところ、加工中に複合レンズ素材が容器から飛び出したり、脱落したりすることなく、コンタクトレンズ形状に加工できた。
<比較例1>
重合容器に接着性付与処理を施さず、そのまま使用した他は実施例1と同様にしてレンズ素材を得た。
得られたレンズ素材の幾つかには、重合容器から剥離しているものが認められ、全てを加工に供することはできなかった。また、重合後にレンズ素材と重合容器の間に剥離を生じていないものについて機械的切削加工法による加工を試みたところ、重合容器を切削機械に把持させただけでレンズ素材と重合容器の間に剥離を生じるものや、加工中にレンズ素材が容器から脱落してしまい、レンズ形状に加工できないものが認められた。
<比較例2>
重合容器に接着性付与処理を施さず、そのまま使用した他は実施例3と同様にしてレンズ素材を得た。
得られたレンズ素材の幾つかには、重合容器から剥離しているものが認められ、全てを加工に供することはできなかった。また、重合後にレンズ素材と重合容器の間に剥離を生じていないものについて機械的切削加工法による加工を試みたところ、重合容器を切削機械に把持させただけでレンズ素材と重合容器の間に剥離を生じるものや、加工中にレンズ素材が容器から脱落してしまいレンズ形状に加工できないものが認められた。
<比較例3>
重合容器に接着性付与処理を施さず、そのまま使用した他は実施例5と同様にしてレンズ素材を得た。
得られたレンズ素材の幾つかには、重合容器から剥離しているものが認められ、全てを加工に供することはできなかった。また、重合後にレンズ素材と重合容器の間に剥離を生じていないものについて機械的切削加工法による加工を試みたところ、重合容器を切削機械に把持させただけでレンズ素材と重合容器の間に剥離を生じるものや、加工中にレンズ素材が容器から脱落してしまいレンズ形状に加工できないものが認められた。
<比較例4>
重合容器に接着性付与処理を施さず、そのまま使用した他は実施例6と同様にしてレンズ素材を得た。
得られたレンズ素材の幾つかには、重合容器から剥離しているものが認められ、全てを加工に供することはできなかった。また、重合後にレンズ素材と重合容器の間に剥離を生じていないものについて機械的切削加工法による加工を試みたところ、重合容器を切削機械に把持させただけでレンズ素材と重合容器の間に剥離を生じるものや、加工中にレンズ素材が容器から脱落してしまいレンズ形状に加工できないものが認められた。
本発明の第1実施形態の製造方法の工程説明図である。 本発明の第2実施形態の製造方法の工程説明図である。 前記第2実施形態における複合レンズ素材を得る第1例の方法の工程説明図である。 同第2例の方法の工程説明図である。 同第3例の方法の工程説明図である。 従来のコンタクトレンズ製造方法の工程説明図である。
符号の説明
1 重合容器
2 レンズ素材
2A 原料モノマー類
21 把持代
12 コンタクトレンズの周辺部を構成する第2の素材
12A 第2の素材の原料モノマー混合液
13 円孔
14 コンタクトレンズの中心部を構成する第1の素材
14A 第1の素材の原料モノマー混合液
14s 円柱状の突起
16 複合レンズ素材
18 蓋
18s 円柱状の突起
21 把持代

Claims (14)

  1. ブロック状のレンズ素材に対し、ベースカーブ面とフロントカーブ面の両方を機械加工で形成するコンタクトレンズの製造方法において、
    機械加工が可能なプラスチック製の重合容器の中に原料を充填して重合させることにより、前記ブロック状のレンズ素材を得る重合工程と、
    前記重合工程の後に、前記重合容器の外面を初期の加工基準面としながら、前記重合容器に入った状態のまま前記レンズ素材を機械加工する機械加工工程と、
    を含むことを特徴とするコンタクトレンズの製造方法。
  2. 請求項1に記載のコンタクトレンズの製造方法であって、
    前記重合工程の前に、
    前記重合容器の内壁に、予め前記レンズ素材との接着性を得るための接着性付与処理を施しておくことを特徴とするコンタクトレンズの製造方法。
  3. 請求項2に記載のコンタクトレンズの製造方法であって、
    前記接着性付与処理が、プラズマ処理、コロナ放電処理、または、これらを組み合わせた処理であることを特徴とするコンタクトレンズの製造方法。
  4. 請求項2または3に記載のコンタクトレンズの製造方法であって、
    前記レンズ素材との接着性付与処理を、最終的に得られるコンタクトレンズの表面と直接接触することのない前記重合容器の内壁部分に施すことを特徴とするコンタクトレンズの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のコンタクトレンズの製造方法であって、
    前記重合容器を構成するプラスチックがポリオレフィン樹脂であることを特徴とするコンタクトレンズの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のコンタクトレンズの製造方法であって、
    前記重合容器に入った状態のまま前記レンズ素材を機械加工する機械加工工程の後、
    該機械加工工程にて加工した前記レンズ素材上の加工面を加工基準面としながら前記重合容器を全て切削除去し、
    以降、前記レンズ素材上の加工面を加工基準面として利用しながら、最終的に前記ベースカーブ面及びフロントカーブ面を機械加工により形成することを特徴とするコンタクトレンズの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のコンタクトレンズの製造方法であって、
    前記重合工程において前記重合容器の中で、中心部に第1の素材を配し周辺部に前記第1の素材と異なる第2の素材を配したブロック状の複合レンズ素材を作り出し、
    その複合レンズ素材に対して、重合容器の外面を初期の加工基準面としながら重合容器に入った状態のまま機械加工する前記機械加工工程を実施すると共に、
    その後の機械加工の際の一部の工程において、前記第1の素材よりなる中心部または第2の素材よりなる周辺部を保持して機械加工を行うことで、中心部と周辺部で素材の異なる複合コンタクトレンズを製造することを特徴とするコンタクトレンズの製造方法。
  8. 請求項7に記載のコンタクトレンズの製造方法であって、
    前記中心部を構成する第1の素材と前記周辺部を構成する第2の素材が、互いに硬さの異なる素材よりなり、
    前記機械加工工程の後の機械加工の際の一部の工程において、前記第1の素材と第2の素材のうち硬い方の素材よりなる部分を保持して機械加工を行うことを特徴とするコンタクトレンズの製造方法。
  9. 請求項7または8に記載のコンタクトレンズの製造方法であって、
    前記重合工程の中の第1工程で、前記重合容器の中に前記第2の素材の原料モノマー混合液を注入して重合させると共に、重合後の第2の素材の中央部に柱状孔を形成し、
    次の第2工程で、前記柱状孔の中に前記第1の素材の原料モノマー混合液を注入して重合させ、
    それら第1工程と第2工程を順番に経ることにより、中心部が第1の素材よりなり、周辺部が第2の素材よりなる複合コンタクトレンズ用のレンズ素材を製造することを特徴とするコンタクトレンズの製造方法。
  10. 請求項7または8に記載のコンタクトレンズの製造方法であって、
    前記重合工程の中の第1工程で、前記重合容器の中に、前記第2の素材の原料モノマー混合液を注入すると共に、前記原料モノマー混合液の中心部に、柱状突起を有した雄型を配置し、その状態で前記第2の素材の原料モノマー混合液を重合させ、重合後に前記雄型を取り外すことで、中心部に柱状孔を有した第2の素材を得、
    次の第2工程で、前記柱状孔の中に前記第1の素材の原料モノマー混合液を注入して重合させ、
    それら第1工程と第2工程を順番に経ることにより、中央部が第1の素材よりなり、周辺部が第2の素材よりなる複合コンタクトレンズ用のレンズ素材を製造することを特徴とするコンタクトレンズの製造方法。
  11. 請求項10に記載のコンタクトレンズの製造方法であって、
    前記雄型を、前記重合容器の開口部を密栓する蓋の内面に一体に形成したことを特徴とするコンタクトレンズの製造方法。
  12. 請求項10または11に記載のコンタクトレンズの製造方法であって、
    前記重合容器の内面を、重合後の前記第2の素材と強く接着する高接着の成形面として構成すると共に、
    前記雄型の少なくとも前記柱状突起の表面を、重合後の前記第2の素材と接着しにくい低接着の成形面として構成したことを特徴とするコンタクトレンズの製造方法。
  13. 請求項7または8に記載のコンタクトレンズの製造方法であって、
    前記複合レンズ素材の中心部を構成する素材として、柱状突起を有した前記第1の素材を用意し、
    前記重合工程において、前記重合容器の中心部に前記柱状突起が位置するように前記第1の素材をセットし、その状態で、重要容器の中の前記柱状突起の周囲で、前記第2の素材の原料モノマー混合液を重合させて前記第1の素材の柱状突起と一体化させることにより、
    中心部が第1の素材よりなり、周辺部が第2の素材よりなる複合コンタクトレンズ用のレンズ素材を製造することを特徴とするコンタクトレンズの製造方法。
  14. 請求項13に記載のコンタクトレンズの製造方法であって、
    前記重合容器の内面を、重合後の前記第2の素材と強く接着する高接着の成形面として構成すると共に、前記第1の素材の少なくとも前記柱状突起の表面を、重合後の前記第2の素材と接着しにくい低接着の成形面として構成したことを特徴とするコンタクトレンズの製造方法。
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