JP4787355B2 - ステッチパルス溶接制御装置およびステッチパルス溶接装置 - Google Patents

ステッチパルス溶接制御装置およびステッチパルス溶接装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4787355B2
JP4787355B2 JP2009286325A JP2009286325A JP4787355B2 JP 4787355 B2 JP4787355 B2 JP 4787355B2 JP 2009286325 A JP2009286325 A JP 2009286325A JP 2009286325 A JP2009286325 A JP 2009286325A JP 4787355 B2 JP4787355 B2 JP 4787355B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
robot
average
stitch pulse
efficiency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009286325A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011125899A (ja
Inventor
憲人 高橋
周吾 廣田
忠杰 劉
督士 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihen Corp
Original Assignee
Daihen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihen Corp filed Critical Daihen Corp
Priority to JP2009286325A priority Critical patent/JP4787355B2/ja
Priority to CN201010598096.8A priority patent/CN102101209B/zh
Publication of JP2011125899A publication Critical patent/JP2011125899A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4787355B2 publication Critical patent/JP4787355B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、ステッチパルス溶接制御装置およびステッチパルス溶接装置に関する。
図8は、従来の溶接装置の一例を示す図である。同図における溶接装置Xは、溶接ロボット91、ロボット制御装置92、および、溶接電源93を備えている。溶接ロボット91は、アーク溶接トーチ94を備えており、ロボット制御装置92の制御に従ってアーク溶接作業を行う。ロボット制御装置92は、ティーチペンダント95によって使用者から入力された指示と、予め設定されたプログラムとに従って溶接ロボット91を動作させる。溶接電源93は、ロボット制御装置92からの信号を受け、アーク溶接トーチ94に消耗電極の供給を行うとともに、消耗電極と溶接母材との間に溶接電圧を供給する。溶接電圧が供給されると、消耗電極と溶接母材との間にアークが生じ、消耗電極と溶接母材が溶融する。
溶接装置Xは、いわゆるステッチパルス溶接法を用いて溶接を行う。ステッチパルス溶接法とは、溶接時の入熱と冷却をコントロールすることにより、母材に与える熱影響を抑えやすい溶接法である。具体的には、溶接ロボット91を停止させてアークを発生させる工程と、アークを発生させずに溶接ロボット91を移動させる工程と、を繰り返し行う溶接法である(たとえば特許文献1参照)。なお、アークを完全に止めると再度発生させるまでに時間がかかる点を考慮し、アークの発生を完全には止めない方法も提案されている(たとえば特許文献2参照)。
しかしながら、このようなステッチパルス溶接法を用いた溶接装置Xでは、溶接ロボット91が移動と停止とを繰り返すため、溶接装置Xの使用者に溶接作業の進行速度が分かりにくいという問題があった。工場等の生産ラインにおいて溶接作業を行う場合、生産効率の向上などを図るために溶接作業の進行速度は必要な情報である。このため、溶接装置Xの使用者は溶接条件を変更するたびに、たとえば溶接ロボット91の平均移動速度を煩雑な計算を行って算出する必要があり、不便であった。
特開平6−55268号公報 特開平11−267839号公報
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、ステッチパルス溶接の作業効率を使用者が容易に確認可能なステッチパルス溶接制御装置およびステッチパルス溶接装置を提供することをその課題とする。
本発明の第1の側面によって提供されるステッチパルス溶接制御装置は、消耗電極と母材との間に、溶接電流を絶対値の平均値が第1の値であるように流す第1の工程と、上記溶接電流を絶対値の平均値が上記第1の値より小さい第2の値であるように流す第2の工程と、を交互に繰り返す制御を行う電流制御手段と、上記電流制御手段が上記第1の工程の制御を行うときに、上記消耗電極を保持する溶接ロボットを停止させる制御を行い、上記電流制御手段が上記第2の工程の制御を行うときに上記溶接ロボットを移動させる制御を行う、ロボット制御手段と、上記ロボット制御手段に接続され、使用者の用に供する操作手段と、を備えたステッチパルス溶接制御装置であって、上記第1の工程における溶接効率と、上記第2の工程における溶接効率とを用い、上記溶接ロボットが一定距離を移動する間の平均溶接効率を導出する演算手段を備えており、上記平均溶接効率を表示可能であるとともに、上記平均溶接効率は、上記溶接ロボットが上記一定距離を移動する間における上記溶接ロボットの平均移動速度であることを特徴とする。
このような構成によれば、使用者は、表示された平均溶接効率からステッチパルス溶接の作業効率を容易に確認可能である。このため、本発明のステッチパルス溶接制御装置を用いて溶接を行えば、たとえば溶接作業の完了時間を比較的容易に算出することが可能であり、作業の円滑化を図ることが可能となる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記平均溶接効率が、上記操作手段に表示される。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記一定距離は、上記母材に対する溶接を始めてから完了するまでの間に上記溶接ロボットが移動する距離である。
本発明の別の好ましい実施の形態においては、上記一定距離は、上記消耗電極の上記母材に対する溶接方向における移動状態に反映される1または複数の溶接条件値が一定である間に上記溶接ロボットが移動する距離である。
本発明の別の好ましい実施の形態においては、上記一定距離内には、上記消耗電極の上記母材に対する溶接方向における移動状態に反映される1または複数の溶接条件値のいずれかが異なる複数の区間が設けられている。
本発明のより好ましい実施の形態においては、上記演算手段は、上記第1の工程における溶接効率と、上記第2の工程における溶接効率とを用い、上記溶接ロボットが上記複数の区間のそれぞれを移動する間の複数の区間平均溶接効率を導出し、上記複数の区間平均溶接効率を表示可能である。
本発明の第2の側面によって提供されるステッチパルス溶接装置は、本発明の第1の側面によって提供されるステッチパルス溶接制御装置と、上記ロボット制御手段によって制御される上記溶接ロボットと、を備えている。
このような構成によれば、使用者は、表示された平均溶接効率からステッチパルス溶接の作業効率を容易に確認可能である。このため、本発明のステッチパルス溶接装置を用いて溶接を行えば、たとえば溶接作業の完了時間を比較的容易に算出することが可能であり、作業の円滑化を図ることが可能となる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本発明にかかるステッチパルス溶接装置の一例を示す構成図である。 図1に示したステッチパルス溶接制御装置の詳細な構成を示す図である。 第1実施形態にかかるステッチパルス溶接装置の各信号等のタイミングチャートを示す図である。 図1に示したステッチパルス溶接装置による溶接の様子を示す図である。 図1に示したステッチパルス溶接装置による溶接ビードの様子を示す図である。 図1に示すティーチペンダントの画面の一例を示す図である。 本発明にかかるステッチパルス溶接装置の別の制御パターンを示す図である。 従来の溶接システムの一例の構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明のステッチパルス溶接装置の一例の構成を示す図である。
図1に示されたステッチパルス溶接装置Aは、溶接ロボット1と、溶接ロボット1の制御を行うステッチパルス溶接制御装置2とを備えている。溶接ロボット1は、溶接母材Wに対してたとえばアーク溶接を自動で行うものである。溶接ロボット1は、ベース部材11、複数のアーム12、複数のモータ13、溶接トーチ14、ワイヤ送給装置16、およびコイルライナ19を備えている。
ベース部材11は、フロア等の適当な箇所に固定される。各アーム12は、ベース部材11に軸を介して連結されている。
溶接トーチ14は、溶接ロボット1の最も先端側に設けられた手首部12aの先端部に設けられている。溶接トーチ14は、消耗電極としてのたとえば直径1mm程度の溶接ワイヤ15を、溶接母材W近傍の所定の位置に導くものである。溶接トーチ14には、Arなどのシールドガスを供給するためのシールドガスノズル(図示略)が備えられている。モータ13は、アーム12の両端または一端に設けられている(一部図示略)。モータ13は、ステッチパルス溶接制御装置2により回転駆動する。この回転駆動により、複数のアーム12の移動が制御され、溶接トーチ14が上下前後左右に自在に移動できるようになっている。
モータ13には、図示しないエンコーダが設けられている。このエンコーダの出力は、ステッチパルス溶接制御装置2に与えられる。この出力値により、ステッチパルス溶接制御装置2では、溶接トーチ14の現在位置を認識するようになっている。
ワイヤ送給装置16は、溶接ロボット1における上部に設けられている。ワイヤ送給装置16は、溶接トーチ14に対して、溶接ワイヤ15を送り出すためのものである。ワイヤ送給装置16は、送給モータ161、ワイヤリール(図示略)、およびワイヤプッシュ手段(図示略)、を備えている。送給モータ161を駆動源として、上記ワイヤプッシュ手段が、上記ワイヤリールに巻かれた溶接ワイヤ15を溶接トーチ14へと送り出す。
コイルライナ19は、その一端がワイヤ送給装置16に、その他端が溶接トーチ14に、それぞれ接続されている。コイルライナ19は、チューブ状に形成されており、その内部には、溶接ワイヤ15が挿通されている。コイルライナ19は、ワイヤ送給装置16から送り出された溶接ワイヤ15を、溶接トーチ14に導くものである。送り出された溶接ワイヤ15は、溶接トーチ14から外部に突出して消耗電極として機能する。
図2は、図1に示したステッチパルス溶接制御装置2のより詳細な構成を示す図である。ステッチパルス溶接制御装置2は、溶接電源装置3、ロボット制御手段4、演算手段5、および、ティーチペンダント6を備えている。
溶接電源装置3は、図2に示すように、電流制御手段31と、送給制御手段32とを備えている。電流制御手段31および送給制御手段32は、それぞれロボット制御手段4との間に通信回路を有している。
電流制御手段31は、たとえば複数のトランジスタ素子からなるインバータ制御回路を有している。このインバータ制御回路は、外部から入力される商用電源(たとえば3相200V)に対して精密な溶接電流波形制御を行う。電流制御手段31は、溶接トーチ14の先端に設けられたコンタクトチップを介して、溶接ワイヤ15と溶接母材Wとの間に溶接電圧Vwを印加し、溶接電流Iwを流す。これにより、溶接ワイヤ15の先端と溶接母材Wとの間にアークaが発生する。このアークaによりもたらされる熱で溶接ワイヤ15が溶融する。そして、溶接母材Wに対して溶接が施されるようになっている。
送給制御手段32は、溶接ワイヤ15の送給を行うための送給制御信号Fcを送給モータ161に出力する回路である。送給制御信号Fcは、溶接ワイヤ15を送給速度Wsで供給させる指示を与える信号である。
ロボット制御手段4は、マイクロコンピュータを有する駆動回路41および駆動回路41に接続された記憶回路42を備えている。記憶回路42には、溶接ロボット1の各種の動作が設定された作業プログラムが記憶されている。図2に示すように、ロボット制御手段4は、溶接ロボット1、溶接電源装置3、演算手段5、および、ティーチペンダント6と通信可能である。駆動回路41は、後述のロボット移動速度VRを設定する。ロボット制御手段4は、上記作業プログラム、上記エンコーダからの座標情報、およびロボット移動速度VR等に基づいて、溶接ロボット1に対して動作制御信号Mcを与える。この動作制御信号Mcにより、各モータ13は回転駆動し、溶接トーチ14を溶接母材Wの所定の溶接開始位置に移動させたり、溶接母材Wの面内方向に沿って移動させたりする。さらに、駆動回路41は、溶接電源装置3に駆動信号Dcを与える。また、ロボット制御手段4は、演算手段5に溶接ロボット1の移動に関する演算用パラメータEpを与える。
記憶回路42に記憶された作業プログラムには、溶接ロボット1の制御に必要な複数の溶接条件の値について予め適切な組み合わせが登録されている。溶接条件の値の各組み合わせには、たとえば整数で番号が付けられており、識別可能となっている。
演算手段5は、たとえばマイクロコンピュータであり、演算回路51を備えている。演算回路51は、演算用パラメータEpから、溶接ロボット1の作業効率を表す平均溶接効率Rvを算出する回路である。この演算手段5はティーチペンダント6と通信可能であり、平均溶接効率Rvをティーチペンダント6に送信する。
ティーチペンダント6は、本発明における操作手段であり、いわゆる可搬式操作盤である。このティーチペンダント6は、ステッチパルス溶接制御装置2の各種動作を設定するための入力部61と、平均溶接効率表示部62と、を備えている。図2に示すように、ティーチペンダント6は、駆動回路41と通信可能なように接続されており、駆動回路41を介して、あるいは、直接に記憶回路42とも通信可能となっている。さらに、ティーチペンダント6は、演算手段5と通信可能なように接続されており、演算手段5から送信された平均溶接効率Rvを平均溶接効率表示部62に表示する。図6にはティーチペンダント6に表示される画面の一例を示している。また、ティーチペンダント6には、駆動回路41に溶接開始を指示するための溶接開始指示ボタン(図示せず)が設けられている。
入力部61は、たとえば液晶タッチパネルであり、予め決められた複数の項目について使用者が任意の数値を入力し、また、幾つかの項目については複数の選択肢から任意の選択肢を選択するように構成されている。入力部61で入力される項目には、たとえば、「条件ファイルID」、「パルス出力時間」および「移動ピッチ」がある。さらに、入力部61では、入力した「移動ピッチ」の値に応じて「直流出力時間」が表示される。「条件ファイルID」の項目は、記憶回路42の作業プログラムに登録された複数の溶接条件の組み合わせを選択するための項目である。入力部61に形成されたボタン61aを押すことで、入力部61の画面は切り替え可能であり、切り替えられた画面で、選択された複数の溶接条件のそれぞれの値を確認および調整可能である。ティーチペンダント6は、上述した「パルス出力時間」および「移動ピッチ」といった駆動回路41による制御に必要な情報と、溶接開始信号とを含む入力信号Ucを駆動回路41に伝達する。駆動回路41は、複数の溶接条件について調整されている場合には、調整後の値を用いて溶接ロボット1の制御を行う。
なお、入力部61で確認および調整可能な溶接条件値は、たとえば、溶接電流Iw、送給速度Ws、および、後述する移動速度Vrである。溶接電流Iwについては、後述する電流値I1,I2を別個に確認および調整可能となっている。送給速度Wsについても、後述する送給速度Ws1,Ws2を別個に確認および調整可能となっている。
平均溶接効率表示部62は、たとえば液晶パネルであり、演算手段5から送信されてきた平均溶接効率Rvを表示する。なお、平均溶接効率表示部62が、入力部61の一部として構成されていても構わない。
ロボット制御手段4および演算手段5は、たとえば、一つの筐体に収容されている。さらに、ロボット制御手段4および演算手段5を収容する筐体は、ティーチペンダント6とたとえば一本のケーブルにより接続されている。また、ロボット制御手段4および演算手段5が別々のマイクロコンピュータである場合に限定されず、ロボット制御手段4および演算手段5が統合された機能を果たすマイクロコンピュータを用いてもよい。
次に、ステッチパルス溶接装置Aによる溶接方法の一例について、図3〜図5を参照しつつ説明を行う。
図3(a)は、溶接ロボット1の移動速度VRの変化状態を示し、図3(b)は、溶接ワイヤ15の送給速度Wsの変化状態を示し、図3(c)は、溶接電流Iwの変化状態を示す。移動速度VRは、溶接母材Wの面内方向のうちの所定の溶接進行方向(図5に示す溶接進行方向Dr)に沿った溶接トーチ14の移動速度である。図4は、ステッチパルス溶接法による溶接作業を説明するための図である。図4に示すように、溶接ワイヤ15は溶接トーチ14の先端から突出している。シールドガスGは、溶接開始時から溶接終了時まで常に一定の流量で溶接トーチ14から噴出される。図5は、ステッチパルス溶接により形成される溶接ビードを説明するための図である。
まず、ティーチペンダント6から駆動回路41に入力信号Ucが伝達されると、駆動回路41は、電流制御手段31および送給制御手段32に駆動信号Dcを与える。送給制御手段32は、駆動信号Dcを受信すると、送給制御信号Fcを送給モータ161に出力する。電流制御手段31は、駆動信号Dcを受信すると、溶接ワイヤ15と溶接母材Wとの間に溶接電圧Vwを印加する。これにより、アークaが点弧される。そして、図3に示すように、溶滴移行期間T1とアーク継続期間T2とを繰り返すことにより溶接を行う。溶滴移行期間T1においては、図4(a)に示すように、溶融池Yを形成する。一方、アーク継続期間T2においては、図4(b),(c)に示すように、溶滴移行をほとんどさせることなく、且つ、アークaを維持しつつ溶接トーチ14を移動させる。以下具体的に説明する。
駆動回路41は、溶滴移行期間T1が、入力部61の「パルス出力時間」の項目において入力された値t1の間だけ継続するように制御を行う。パルス出力時間t1は、たとえば、0.4〜1.0secの範囲に設定される。この溶滴移行期間T1において、駆動回路41は、図3(a)に示すように、ロボット移動速度VRを0に設定する。このため溶接トーチ14は溶接母材Wに対して停止している。
さらに、図3(b)に示すように、送給速度Wsは一定の値Ws1である。さらに、同図(c)に示すように、溶接電流Iwは、絶対値の平均値が電流値I1である交流パルス電流Iw1となっている。溶滴移行期間T1においては、定電圧制御がなされている。定電圧制御では、溶接ワイヤ15の材質、直径、溶接ワイヤ15の突出長さ、電極極性等の溶接条件が決定されれば、交流パルス電流Iw1と送給速度Ws1とは1対1で定まる。交流パルス電流Iw1と送給速度Ws1との適切な組み合わせは予め複数パターン作業プログラムに記憶されており、上述したように「条件ファイルID」の項目で適切な組合せを選択することが出来る。なお、送給速度Ws1は、たとえば650〜1000cm/minであり、電流値I1は、たとえば90Aである。
アーク継続期間T2においては、駆動回路41は、図3(a)に示すように、ロボット移動速度VRを一定の移動速度Vrに設定する。このため溶接トーチ14は溶接母材Wに対して移動する。アーク継続期間T2の間に、溶接トーチ14が移動ピッチMpだけ移動するように、駆動回路41は溶接ロボット1の制御を行う。駆動回路41は、移動ピッチMpの値が、入力部61の「移動ピッチ」の項目で入力された値と同じとなるように溶接トーチ14の移動処理を行う。
さらに、アーク継続期間T2においては、定電流制御が行われる。このとき、溶接電流Iwは、電流値I2である定電流Iw2である。この電流値I2は、たとえば15〜20Aである。また、送給速度Wsは、溶滴移行期間T1における値よりも小さな値Ws2であり、たとえば、70cm/minである。
電流値I2は電流値I1に比べて小さな値であるため、図4(b)に示すように、アーク継続期間T2におけるアークaは、溶滴移行期間T1におけるアークaよりも小さくなっている。このため、アーク継続期間T2では、溶滴移行が行われずに、図4(c)に示すように、溶融池Yが冷却され、溶融池Yが凝固した後の溶接痕Y’が形成される。アーク継続期間T2は、たとえば0.2〜0.3secである。
図4(d)は、アーク継続期間T2が完了し、溶滴移行期間T1が再開されるときの様子を示している。図4(d)に示すように、溶接痕Y’の前端部に新たに溶融池Yが形成されて溶接が行われるようになる。このように、ステッチパルス溶接装置Aは、溶滴移行期間T1とアーク継続期間T2とを交互に繰り返すことにより、溶接痕であるウロコが重ね合わさるように溶接ビードが形成される。
図5は、溶接施工後に形成される溶接ビードを説明するための図である。同図に示すように、最初のアーク開始点P1において溶接痕Scが形成され、溶接進行方向Drに向けて移動ピッチMpだけ離間したパルス出力開始点P2においても同様の溶接痕Scが形成される。パルス出力開始点P3,P4、さらにそれ以降においても溶接痕Scが順次形成されていく。このように、溶接痕Scであるウロコが重なり合うように形成された結果、ウロコ状の溶接ビードLpが形成されるのである。
以上の溶接作業を行うと同時に、あるいは、以上の溶接作業を行う前に、平均溶接効率表示部62に平均溶接効率Rvが表示される。以下、演算回路51による平均溶接効率Rvの算出作業に関する説明を行う。
平均溶接効率Rvは、たとえば、溶滴移行期間T1およびアーク継続期間T2を合わせた期間における溶接トーチ14の平均移動速度である。上述したように、演算回路51は駆動回路41から送信された、演算用パラメータEpから平均溶接効率Rvの算出を行う。
演算用パラメータEpは、たとえば、移動ピッチMp、移動速度Vr、および、パルス出力時間t1である。移動ピッチMpおよびパルス出力時間t1は、いずれも入力部61において入力された値である。移動速度Vrは、記憶回路42の作業プログラムに記録された値か、その値に対して入力部61を用いて使用者が調整を加えた値である。このため、使用者が入力部61に溶接に必要な情報を入力し終えた時点で、演算用パラメータEpは一通りに決定される。
演算回路51は、まず、アーク継続期間T2が続く時間t2を算出する。具体的には移動ピッチMpを移動速度Vrで割ることによって算出する。この値t2は、演算回路51が続けて行う演算処理に用いられるだけではなく、ティーチペンダント6に送信され、「直流出力時間」の項目に表示される。
演算回路51は、次に、溶滴移行期間T1およびアーク継続期間T2を合わせた期間の長さを算出する。具体的にはパルス出力時間t1に上の処理で算出した値t2を加えることによって算出する。
演算回路51は、次に、溶滴移行期間T1およびアーク継続期間T2を合わせた期間における平均移動速度を算出する。具体的には、移動ピッチMpを上の処理で算出した値(t1+t2)で割ることによって算出する。ここで算出された値が、平均溶接効率表示部62に平均溶接効率Rvとして表示される。
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態によれば、ティーチペンダント6に、溶接条件値を入力した結果、実際にどの程度の効率で溶接することになるのか、平均溶接効率Rvによって即座に知ることができる。平均溶接効率Rvがティーチペンダント6に表示されるため、使用者は容易に平均溶接効率Rvを知ることができる。このため、ステッチパルス溶接装置Aを用いて溶接を行えば、ある長さを溶接するのにかかる時間を容易に予想することが可能である。従って、使用者の負担が軽減され、さらに、溶接作業を複数行う場合には、予定を組みやすくなり作業の円滑化を図ることができる。またさらに、ティーチペンダント6に溶接条件値を入力する作業に必要な時間も短縮することができる。
本実施形態では、移動速度Vrおよび電流値I1が一定の値となっているが、より精密な溶接作業を行う場合、母材の状況に応じて移動速度Vrおよび電流値I1を変化させる場合がある。以下にその場合についての説明を、さらに図7を参照しつつ行う。また、このような場合、移動速度Vrは、本発明における溶接ワイヤ15の溶接母材Wに対する溶接方向における移動状態に反映される溶接条件値の1つである。
図7(a)には、溶接トーチ14の溶接スタート地点からの距離と、移動速度Vrの大きさとの関係を示している。図7(b)には、溶接トーチ14の溶接スタート地点からの距離と、電流値I1の大きさとの関係を示している。図7によると、区間L1〜L5において、移動速度Vrおよび電流値I1が異なった値となっている。また、区間L2,L3の間、区間L3,L4の間、および、区間L4,区間L5の間は移動速度Vrおよび電流値I1を変更するための過渡区間となっている。
このような構成の場合、演算回路51は、たとえば、区間L1〜L5ごとに平均移動速度を算出する。具体的には、区間L1における平均移動速度は、区間L1における移動速度Vrの値を用いて算出された平均溶接効率Rvの値である。他の区間においても同様である。区間L1〜L5の溶接条件値を入力する際に、区間L1〜L5の平均移動速度がそれぞれ表示される。
さらに、区間L1〜L5を通しての平均移動速度を算出し、ティーチペンダント6に表示する。このようにすることで、区間L1〜L5の全体を行うのに必要な時間をより容易に確認することが可能となり、作業の円滑化を図ることができる。
あるいは、平均溶接効率Rvが、溶接トーチ14が各区間L1〜L5を通過するのにかかる時間であってもよい。この場合、区間L1〜L5全体を通過するのに必要な時間もあわせて表示するのが望ましい。
らに、予め溶接を行う長さが決まっている場合には、その溶接を行う長さを溶接開始から溶接終了までにかかる時間で割って得られる平均移動速度を平均溶接効率Rvとしても構わない。
なお、上記の実施形態においては、移動速度Vrが変化する場合を示しているが、移動ピッチMpあるいはパルス出力時間t1が変化する場合もある。そのような場合、移動ピッチMpおよびパルス出力時間t1も、本発明における溶接ワイヤ15の溶接母材Wに対する溶接方向における移動状態に反映される溶接条件値である。
さらに、移動速度Vr、移動ピッチMp、および、パルス出力時間t1のうち少なくとも1つが変化する複数区間がある場合、その区間ごとに平均溶接効率Rvを表示するのが望ましい。また、さらに、それらの区間を通しての平均溶接効率も表示するのが望ましい。
本発明にかかるステッチパルス溶接制御装置およびステッチパルス溶接装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記では、溶接電流Iw1が交流のパルス電流である例を示したが、本発明はこれに限られず、溶接電流Iw1が直流パルスまたはパルスなしの直流であってもよい。もちろん、溶接電流Iw2についても同様のことがいえる。
A ステッチパルス溶接装置
1 溶接ロボット
11 ベース部材
12 アーム
12a 手首部
13 モータ
14 溶接トーチ
15 溶接ワイヤ(消耗電極)
16 ワイヤ送給装置
161 送給モータ
2 ステッチパルス溶接制御装置
3 溶接電源装置
31 電流制御手段
32 送給制御手段
4 ロボット制御手段
41 駆動回路
42 記憶回路
5 演算手段
51 演算回路
6 ティーチペンダント
61 入力部
62 平均溶接効率表示部
W 溶接母材(母材)
G シールドガス
P1 アーク開始点
P2,P3,P4 パルス出力開始点
Sc 溶接痕
Y 溶融池
Y’ 溶接痕
Dr 溶接進行方向
Dc 駆動信号
Ep 演算用パラメータ
Uc 入力信号
Ws 送給速度
Mc 動作制御信号
Fc 送給制御信号
VR ロボット移動速度
Vr 移動速度
Mp 移動ピッチ
Iw,Iw1,Iw2 溶接電流
I1 電流値(第1の値)
I2 電流値(第2の値)
Rv 平均溶接効率
Vw 溶接電圧
T1 溶滴移行期間
T2 アーク継続期間
t1 パルス出力時間

Claims (7)

  1. 消耗電極と母材との間に、溶接電流を絶対値の平均値が第1の値であるように流す第1の工程と、上記溶接電流を絶対値の平均値が上記第1の値より小さい第2の値であるように流す第2の工程と、を交互に繰り返す制御を行う電流制御手段と、
    上記電流制御手段が上記第1の工程の制御を行うときに、上記消耗電極を保持する溶接ロボットを停止させる制御を行い、上記電流制御手段が上記第2の工程の制御を行うときに上記溶接ロボットを移動させる制御を行う、ロボット制御手段と、
    上記ロボット制御手段に接続され、使用者の用に供する操作手段と、
    を備えたステッチパルス溶接制御装置であって、
    上記第1の工程における溶接効率と、上記第2の工程における溶接効率とを用い、上記溶接ロボットが一定距離を移動する間の平均溶接効率を導出する演算手段を備えており、
    上記平均溶接効率を表示可能であるとともに、
    上記平均溶接効率は、上記溶接ロボットが上記一定距離を移動する間における上記溶接ロボットの平均移動速度であることを特徴とする、ステッチパルス溶接制御装置。
  2. 上記平均溶接効率が、上記操作手段に表示される、請求項1に記載のステッチパルス溶接制御装置。
  3. 上記一定距離は、上記母材に対する溶接を始めてから完了するまでの間に上記溶接ロボットが移動する距離である、請求項1または2に記載のステッチパルス溶接制御装置。
  4. 上記一定距離は、上記消耗電極の上記母材に対する溶接方向における移動状態に反映される1または複数の溶接条件値が一定である間に上記溶接ロボットが移動する距離である、請求項1または2に記載のステッチパルス溶接制御装置。
  5. 上記一定距離内には、上記消耗電極の上記母材に対する溶接方向における移動状態に反映される1または複数の溶接条件値のいずれかが異なる複数の区間が設けられている、請求項1ないしのいずれかに記載のステッチパルス溶接制御装置。
  6. 上記演算手段は、上記第1の工程における溶接効率と、上記第2の工程における溶接効率とを用い、上記溶接ロボットが上記複数の区間のそれぞれを移動する間の複数の区間平均溶接効率を導出し、
    上記複数の区間平均溶接効率を表示可能である、請求項5に記載のステッチパルス溶接制御装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載のステッチパルス溶接制御装置と、
    上記ロボット制御手段によって制御される上記溶接ロボットと、
    を備えている、ステッチパルス溶接装置。
JP2009286325A 2009-12-17 2009-12-17 ステッチパルス溶接制御装置およびステッチパルス溶接装置 Active JP4787355B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009286325A JP4787355B2 (ja) 2009-12-17 2009-12-17 ステッチパルス溶接制御装置およびステッチパルス溶接装置
CN201010598096.8A CN102101209B (zh) 2009-12-17 2010-12-15 针脚脉冲焊接控制装置以及针脚脉冲焊接装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009286325A JP4787355B2 (ja) 2009-12-17 2009-12-17 ステッチパルス溶接制御装置およびステッチパルス溶接装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011125899A JP2011125899A (ja) 2011-06-30
JP4787355B2 true JP4787355B2 (ja) 2011-10-05

Family

ID=44154372

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009286325A Active JP4787355B2 (ja) 2009-12-17 2009-12-17 ステッチパルス溶接制御装置およびステッチパルス溶接装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4787355B2 (ja)
CN (1) CN102101209B (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4995698B2 (ja) * 2007-11-12 2012-08-08 株式会社ダイヘン ステッチパルス溶接装置
CN103801831B (zh) * 2013-11-29 2015-10-28 金鸿灵 脉冲激光焊接装置及脉冲激光焊接方法
JP6606960B2 (ja) 2015-10-05 2019-11-20 トヨタ紡織株式会社 異材接合継手及び溶接接合方法
CN106239509A (zh) * 2016-08-18 2016-12-21 佛山智能装备技术研究院 一种精密机器人

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05233052A (ja) * 1992-02-20 1993-09-10 Tokico Ltd ロボットの教示装置
JP2001079683A (ja) * 1999-09-14 2001-03-27 Eizo Nakade 溶接で入熱された温度を利用し溶接施工を客観的に評価する手法
JP4700212B2 (ja) * 2001-03-30 2011-06-15 株式会社神戸製鋼所 溶接ロボット制御装置
JP4995697B2 (ja) * 2007-11-12 2012-08-08 株式会社ダイヘン ステッチパルス溶接装置
JP5001817B2 (ja) * 2007-12-21 2012-08-15 株式会社ダイヘン ステッチパルス溶接方法
JP2009166076A (ja) * 2008-01-15 2009-07-30 Kobe Steel Ltd 溶接ロボット

Also Published As

Publication number Publication date
CN102101209B (zh) 2015-04-29
CN102101209A (zh) 2011-06-22
JP2011125899A (ja) 2011-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7073067B2 (ja) パラメータ設定のリアルタイム絵文字表現を備えたユーザインターフェース
JP4787355B2 (ja) ステッチパルス溶接制御装置およびステッチパルス溶接装置
JPH0440113B2 (ja)
JP5502414B2 (ja) アーク溶接方法およびアーク溶接システム
TWI403380B (zh) 針腳脈衝焊接裝置
JP5102063B2 (ja) ステッチパルス溶接方法
TWI405636B (zh) 針腳脈衝焊接裝置
JP5483555B2 (ja) アーク溶接方法
TWI503197B (zh) Arc welding method
TWI440520B (zh) 針腳脈衝焊接方法
JP4045713B2 (ja) 自動機用溶接機
JP5990784B2 (ja) アーク溶接方法およびアーク溶接装置
JP4704502B1 (ja) アーク溶接方法
JP2011212707A (ja) アーク溶接方法
JP4848036B2 (ja) アーク溶接方法
CN110961767A (zh) 焊接装置以及焊接方法
JP5468841B2 (ja) アーク溶接方法およびアーク溶接システム
JP7162178B2 (ja) アーク溶接方法、アーク溶接システム、および溶接電源装置の制御装置
JP5133185B2 (ja) アーク溶接ロボット装置
JP2004148371A (ja) 溶接システム及び溶接方法
JP2004148368A (ja) 溶接装置及び溶接方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110412

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110608

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110712

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110714

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4787355

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140722

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250