JP4786213B2 - 寝台装置及びmri装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像診断装置に用いられる寝台装置及びMRI装置に関する。
被検体を撮影して画像診断を行う画像診断装置には、MRI(Magnetic・Resonance・Imaging)装置、X線CT(Conputed・Tomography)装置、PET(Positron・Emission・Tomography)装置、X線診断装置などがある。
これらMRI装置、X線CT装置、PET装置などの画像診断装置は、撮影を行うための開口部が形成された架台を有し、その開口部に被検体を挿入して撮影が行われる。また、循環器用のX線診断装置は、C字形の端部に対向して配置されたX線発生器及びX線検出器を備えた撮影部を有し、X発生器及とX線検出器の間(開口部)に被検体を挿入して撮影が行われる。
そして、画像診断装置への被検体の挿入は、架台開口部の近傍に配置される寝台装置の天板に被検体を載置し、この天板上の被検体を画像診断装置の開口部に移動することによって行われる。
ところで、MRI装置を用いた撮影の場合、開口部に被検体を移動した後、天板上の被検体を巾方向に移動させることができる寝台装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。そして、被検体内部の水素原子核を励起するために高周波磁場を照射し、被検体から放出される核磁気共鳴信号を受信するRFコイルを用いて撮影を行う場合、天板及びRFコイル上に載置された被検体に動いてもらうか、装置の操作者が被検体を動かしてRFコイルとの位置合わせを行っている。
また、被検体の全身または全身に近い広領域の撮影用に、上下2段の天板を配置した寝台装置がある。この寝台装置の上段の天板に被検体を載置し、上下2段の天板を揃えて天板の長手方向に水平移動して被検体を撮影位置に設定し、被検体を所望の位置に設定できない場合、更に上段の天板を手動で押し込んで設定している。そして、RFコイルを用いて撮影を行う場合、操作者が天板上に載置されたRFコイルを動かして被検体との位置合わせを行っていた。
特開2001−252260号公報
しかしながら、天板を巾方向に移動可能な寝台装置の場合、架台の開口部入口及び架台内に設けられたフレーム及びそのフレームに連結され天板移動用レールから構成される大掛かりで重いユニットも同時にバランスよく駆動して移動させることになるので、駆動系への負担が大きく且つ高精度なスライドガイドを必要とする問題があり、また連続して動作させることができず天板の位置設定に手間と時間が掛かる問題があり、また長手方向と巾方向に移動する2系統の機構が必要になり装置構成を複雑にする問題がある。
また、上下2段の天板を延ばす寝台装置の場合、上段の天板の移動を手動で行うので手間が掛かる問題があり、仮に上段の天板も下段用と同様の駆動、ケーブルなどの機構を設けようとすると、2箇所に下段及び上段用の2系統の機構が必要になり装置の構成を複雑にする問題がある。
更に、RFコイルを用いた撮影の場合、被検体或いは重量のあるRFコイルを操作者が動かして位置合わせをする必要があるので、労力と手間が掛かる問題がある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、1系統の機構で容易に天板を移動することができる寝台装置及びMRI装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の側面に係る寝台装置は、被検体が載置される天板と、前記天板の下側に
配置され、前記天板を支持するミドルフレームと、前記ミドルフレームの下側に配置され
、前記ミドルフレームを支持する寝台支持部と、前記天板及び前記ミドルフレームを共に
長手方向に移動し、前記ミドルフレームとは別に前記天板を巾方向に移動する移動手段と
を備え、前記移動手段は、前記寝台支持部に配置され前記天板及び前記ミドルフレームを
駆動する第1及び第2の駆動手段と、この第1及び第2の駆動手段からの駆動力を前記天
板及び前記ミドルフレームに伝達する第1及び第2の伝達手段とを備えたことを特徴とす
る。
本発明の第2の側面に係る寝台装置は、被検体が載置される天板と、前記天板の下方に
配置されたミドルフレームと、前記天板及び前記ミドルフレームを支持する寝台支持部と
、前記天板及び前記ミドルフレームを移動するための駆動力を供給する第1の駆動手段と
、前記天板及び前記ミドルフレームを移動するための駆動力を供給する第2の駆動手段と
、前記第1及び第2の駆動手段からの同じ大きさで同じ方向の駆動力を伝達して前記天板
及び前記ミドルフレームを長手方向に移動し、前記第1及び第2の駆動手段からの同じ大
きさで互いに逆方向の駆動力を伝達して前記天板だけを長手方向に移動する伝達手段とを
備えたことを特徴とする。
本発明によれば、同一系統の駆動天板及びミドルフレームを長手方向に水平移動し、更に移動した任意の位置において天板を巾方向に水平移動して天板の位置を容易に設定できる。
また、天板及びミドルフレームを長手方向に水平移動し、更に移動した任意の位置から天板を長手方向に水平移動して天板の位置を容易に設定できる。
本発明は、画像を形成するための撮影手段を有する架台を備えた画像診断装置として、例えばX線CT装置、MRI装置、PET装置、X線画像診断装置などに用いることができるが、ここではMRI装置に用いた場合について説明する。
以下、本発明による寝台装置の実施例1を、図1乃至図11を参照して説明する。
図1は、本発明による寝台装置の実施例1の構成を示したブロック図である。この寝台装置10は、被検体を載置する寝台部1と、この寝台部1を水平方向及び上下方向に移動する機構部2と、寝台部1の位置を設定入力する操作部8と、機構部2を制御するシステム制御部9とを備えている。
寝台部1は、水平移動する寝台本体11と、この寝台本体11を支持する寝台支持部12とを備え、寝台本体11は、被検体を載置する天板5と、天板5を支持するミドルフレーム6とを備えている。
図2は、寝台装置10の寝台本体11及び天板5及びミドルフレーム6の構成を示した図である。図2(a)は寝台装置10を上方から見た図であり、図2(b)は寝台装置10の側面図である。以下の説明においては、図2(a)及び(b)に示した寝台装置10の左側の方を前方、右側の方を後方、図2(a)に示した上側の方を右方、下側の方を左方と呼ぶことにする。
天板5は、被検体を載置する長方形の天板本体51と、天板本体51を巾方向に移動させるための前後のスライドガイド52と、天板5を前後左右に移動するための駆動力を天板本体51に伝達する4つの天板固定部53(53a乃至53d)から構成される。
天板本体51の上面には被検体が載置され、その下面の前後端部に平行に離間して2つのスライドガイド52が配置されている。このスライドガイド52によって、天板5がミドルフレーム6上を巾方向に円滑に移動することができる。
天板固定部53は、天板本体51の下面に垂直に配置された四角柱の天板固定部53a乃至53dから構成される。そして、天板固定部53aは、天板本体51の前方の端部近傍であって巾方向の中央より左方に配置され、天板固定部53cは、天板本体51の巾方向の中心線に対して天板固定部53aに対称な位置に配置されている。また、天板固定部53bは、天板本体51の後方の端部近傍であって天板固定部53cの後方に配置され、天板固定部53dは、天板本体51の天板固定部53aの後方であって天板固定部53bよりも後方に配置されている。
寝台本体11のミドルフレーム6は、天板本体51と寝台支持部12の間に配置され、ミドルフレーム本体61、天板本体51を支持するレール62、ローラ63、及び4つの長穴64(64a乃至64d)から構成される。
ミドルフレーム本体61は、天板本体51の短辺よりも少し長い短辺と、天板本体51の長辺とほぼ同じ長さの長辺とからなる長方形を形成している。
レール62は、ミドルフレーム本体61の上面に配置され、天板本体51のスライドガイド52に係合して、天板本体51を巾方向に水平移動が可能となるように支持し、ミドルフレーム6上における天板本体51の長手方向への水平移動を阻止している。
ローラ63は、ミドルフレーム本体61の下面の長辺側両端部の全体に亘って、一定の間隔で複数配置されている。このローラ63によって、ミドルフレーム本体61は長手方向に寝台支持部12上を円滑に移動することができる。
長穴64は、ミドルフレーム本体61の巾方向に形成された長穴64a乃至64dから構成され、長穴64a乃至64dに対応した天板5の天板固定部53a乃至53dが遊貫して通っている。
なお、MRI装置本体100を用いて被検体のMRI撮影を行う場合、被検体内部の水素原子核を励起するために高周波磁場を照射し、被検体から放出される核磁気共鳴信号を受信するRFコイル101をミドルフレーム6上の任意の位置に設置できるようになっている。
寝台支持部12は、ミドルフレーム6の下側に配置され、ミドルフレーム6とほぼ同じ長方形の上面を形成している。そして、ミドルフレーム6を長手方向へ水平移動可能に支持し、巾方向への水平移動を阻止している。
図1の機構部2は、寝台部1の寝台本体11を水平移動する水平移動機構部4と、水平移動機構部4の動作から寝台本体11の位置を検出する位置検出器3と、寝台部1の寝台支持部12を上下移動する上下移動機構部7とを備えている。
図3は、水平移動機構部4の構成を示した図である。図3(a)は寝台装置10の前後を切断して上方から見た水平移動機構部4の構成図であり、図3(b)は水平移動機構部4の左側から見た側面図である。
水平移動機構部4は、寝台本体11を駆動する動力源としての2つのモータ41(41a,41b)と、このモータ41の駆動力を2つのワイヤ45(45a,45b)に伝達する2つの駆動プーリ42(42a,42b)と、2つのワイヤ45の方向を変換する4つのアイドルプーリ43(43a乃至43d)と、2つのワイヤ45からの駆動力をミドルフレーム6に伝達するための4つのガイドプーリ44(44a乃至44d)とを備え、2つのワイヤ45からの駆動力は4つの天板固定部53a乃至53dを介して天板本体51にも伝達される。
モータ41は、寝台支持部12内部の前方端部近傍に設けられたモータ41a及び41bから構成される。このモータ41a及び41bは、寝台支持部12の巾方向の中心線を軸とした線対称の位置にモータ41a及び41bの回転軸が互いに対向して、且つ寝台支持部12の短辺に平行にして配置され固定されている。そして、システム制御部9によりモータ41a及び41bの回転数、回転速度などが制御される。
駆動プーリ42は、ワイヤ45a及び45bに噛み合う歯車であり、同数の歯を備えた駆動プーリ42a及び42bにより構成され、モータ41a及び41bの回転軸に固定されている。
アイドルプーリ43は、駆動プーリ42a及び42bからの駆動力をガイドプーリ44a乃至44d及び天板固定部53a乃至53dに伝達するために設けられ、駆動プーリ42aの上方であって前寄り及び後寄りに配置されるアイドルプーリ43a及び43bと、駆動プーリ42bの上方であって前寄り及び後寄りに配置されるアイドルプーリ43c及び43dとから構成される。また、アイドルプーリ43a乃至43dの回転軸は、寝台支持台12の短辺に平行に且つ水平に配置され、各回転軸の一端が寝台支持部12の上面よりも上方に固定されている。
ガイドプーリ44は、各回転軸の端部がミドルフレーム本体61の下面に垂直に固定されているガイドプーリ44a乃至44eから構成される。このガイドプーリ44a乃至44dから構成され、ガイドプーリ44a及び44cは、図3(a)に示すようにミドルフレーム本体61の前方の端部近傍であって、ミドルフレーム本体61の巾方向における中央部と長穴64aの間及び中央部と長穴64cの間に配置されている。
また、ガイドプーリ44b及び44dは、ミドルフレーム本体61の後方の端部近傍の長穴64bの右方及び長穴64dの左方であって、ミドルフレーム本体61の巾方向における中央部近傍に配置される。更にガイドプーリ44bは、ガイドプーリ44に巻回されたワイヤ45が干渉しないようにガイドプーリ44dの上方に配置されている。
ワイヤ45は、駆動プーリ42a及び42bに係合するワイヤ45a及び45bから構成される。ワイヤ45aは、天板固定部53aの下端部に一端が保持され、ガイドプーリ44a、アイドルプーリ43a、駆動プーリ42a、アイドルプーリ43b、及びガイドプーリ44bを巻回して、他端部が天板固定部53bの下端部に保持されている。
また、ワイヤ45bは、天板固定部53cの下端部に一端が保持され、ガイドプーリ44c、アイドルプーリ43c、駆動プーリ42b、アイドルプーリ43d、及びガイドプーリ44dを巻回して、他端部が天板固定部53dの下端部に保持されている。
そして、ワイヤ45a及び45bは、図3(a)に示すように、ガイドプーリ44bと天板固定部53b間、及びガイドプーリ44cとガイドプーリ44d間で立体に交差している。
位置検出器3は、駆動プーリ42a及び42bに設けられ、エンコーダなどを用いて駆動プーリ42a及び42bの回転数を検出してシステム制御部9に出力する。システム制御部9は、位置検出器3からの出力信号に基づいて水平移動機構部4のモータ41a及び41bを制御して天板5及びミドルフレーム6の位置を設定する。
このように構成された水平移動機構部4は、寝台本体11を長手方向に水平移動することができる。また、水平移動機構部4は、寝台本体11を移動した任意の位置で天板本体51を巾方向に水平移動することができる。更に、水平移動機構部4は、寝台本体11を長手方向に水平移動すると共に、天板本体51を巾方向に水平移動することができる。
図4は、寝台装置10の左側面から見た上下移動機構部7の構成を示した図である。この上下移動機構部7は、寝台部1の寝台支持部12と床面との間に配置され、寝台部1を上下移動するリンク機構71と、リンク機構71を油圧シリンダ72を介して駆動する油圧ユニット73と、リンク機構71及び油圧ユニット73を支持する長方形のリンクベース74とを備えている。
リンク機構71は、4つのアーム75(75a,75b)及び76(76a,76b)と、アーム75及び76の回動軸77と、油圧シリンダ72を支持する2つの支持軸78(78a,78b)と、アーム75及び76の端部を保持する4つのガイド79(79a乃至79d)とを備えている。
アーム75は、同じ長さのアーム75a及び75bから構成され、リンクベース74の巾方向の両端部に夫々一端が回動可能に保持され、夫々他端が寝台支持部12の下面の巾方向の両端部に設けられたガイド79のガイド79a及び79bに水平方向にスライド可能に保持されている。
アーム76は、アーム75a及び75bと同じ長さで、その中央部で交差するアーム76a及び76bから構成される。そして、アーム76a及び76bの一端は、アーム75a及び75bの一端の上方に位置し、寝台支持部12の下面に回動可能に保持されている。また、アーム76a及び76bの他端は、アーム75a及び75bの他端の下方に位置し、リンクベース74上に配置されたガイド79のガイド79c及び79dに水平方向にスライド可能に保持されている。
回動軸77は、アーム75a及び76aの交差部分に形成された穴に一端が遊嵌し、他端がアーム75b及び76bの交差部分に形成された穴に遊嵌して保持されている。
支持軸78は、水平に配置された支持軸78a及び78bから構成され、アーム76aのアーム75aとの交差部分の上方に支持軸78aの一端が固定され、他端がアーム76bのアーム75bとの交差部分の上方に固定されている。
また、支持軸78の支持軸78bは、アーム75aのアーム76aとの交差部分の下方に一端が固定され、他端がアーム75bのアーム76bとの交差部分の下方に固定されている。
油圧シリンダ72は、リンク機構71の支持軸78a及び78bの中央部に一端及び他端が伸縮自在に保持されている。
油圧ユニット73は、油圧シリンダ72へ圧油を送る油圧ポンプ、切換弁(図示せず)などを備え、油圧シリンダ72の長さを調整する。
このように構成された上下移動機構部7は、システム制御部9の制御により、油圧ユニット73に油圧シリンダ72を伸縮させてリンク機構71の支持軸78a及び支持軸78bを駆動し、その駆動力によりアーム75及び76の夫々一端部及び回動軸77を軸として回動すると共に、他端がガイド79をスライドして、寝台部1を上下方向に移動する。
図1の操作部8は、図示しないキーボードなどの入力デバイスや表示パネルなどを有し、寝台部1を所望の位置へ設定するための入力などが行われる。
システム制御部4は、図示しないCPUや記憶回路などを有し、操作部8からの入力信号に基づいて、機構部2の移動に関する制御などシステム全体の制御を行なう。
次に、図5乃至図11を参照して、寝台本体11の動作、及び寝台本体11を水平移動する水平移動機構部4の動作について説明する。
図5は、寝台本体11の前後方向への移動動作を示した図である。操作部8からの寝台本体位置設定操作により、システム制御部9は、水平移動機構部4を制御して寝台本体11をMRI装置100の画像診断装置支持部及び寝台支持部12上を矢印L1方向或いはL4方向へ水平移動させて設定する。なお、L1方向へは水平移動機構部4のガイドプーリ44bがアイドルプーリ43d近傍に達するまで寝台本体11を移動することができる。
システム制御部9からの制御により、水平移動機構部4は、モータ41a及び41bを矢印R1方向に同時に同じ速度で回転させることにより、寝台本体11を図3に示したホームポジションからL1方向へ水平移動して、例えば図5に示した画像診断装置支持部上の所定位置に設定することができる。また、モータ41a及び41bを矢印R2方向に同時に同じ速度で回転させることにより、寝台本体11をL4方向へ水平移動して元のホームポジションに設定することができる。
図6(a)は、寝台本体11をL1方向へ移動する際の水平移動機構部4の駆動力の大きさと方向を示した図である。モータ41a及び41bをR1方向に同時に同じ速度で回転させることにより、駆動プーリ42aを介してアイドルプーリ43bとガイドプーリ44b間、及び駆動プーリ42bを介してアイドルプーリ43dとガイドプーリ44d間のワイヤ45a及び45bに、夫々矢印で示すWLの張力が作用したとする。
ワイヤ45aへの張力WLにより、ガイドプーリ44bにWL及びこのWLと同じ大きさで天板固定部53b方向のWUの駆動力が作用し、天板固定部53bにWL及びWUと同じ大きさで逆方向のWDの駆動力が作用する。また、ワイヤ45bへの張力WLにより、ガイドプーリ44dにWL及びWDの駆動力が作用し、天板固定部53dにWL及びWUの駆動力が作用する。
そして、ガイドプーリ44b及び44dを保持するミドルフレーム6の左右方向に作用する駆動力はWU及びWDになるので、互いに釣り合っている。一方、天板固定部53b及び53dを保持する天板5の左右方向に作用する駆動力はWD及びWUになるので、互いに釣り合い、天板5は左右方向に移動しない。
従って、ガイドプーリ44b及び44dに作用する駆動力の総和はL1方向に対して2WLになるので、ミドルフレーム6が2WLの駆動力で寝台支持部12上をL1方向に移動する。一方、天板固定部53b及び53dに作用する駆動力の総和はL1方向に対して2WLになるので、天板5にもミドルフレーム6と同様にL1方向に2WLの駆動力が作用し、天板5はミドルフレーム6と一体となってL1方向へ移動する。
図6(b)は、寝台本体11をL4方向へ移動する際の水平移動機構部4の駆動力の大きさと方向を示した図である。モータ41a及び41bをR2方向に同時に同じ速度で回転させることにより、駆動プーリ42aを介してアイドルプーリ43aとガイドプーリ44a間、及び駆動プーリ42bを介してアイドルプーリ43cとガイドプーリ44c間のワイヤ45a及び45bに、夫々矢印で示すWRの張力が作用したとする。
ワイヤ45aへの張力WRにより、ガイドプーリ44aにWR及びWDの駆動力が作用し、天板固定部53aにWR及びWUの駆動力が作用する。また、ワイヤ45bへの張力WLにより、ガイドプーリ44cにWR及びWUの駆動力が作用し、天板固定部53cにWR及びWDの駆動力が作用する。
そして、ガイドプーリ44a及び44cを保持するミドルフレーム6の左右方向に作用する駆動力はWD及びWUになるので、互いに釣り合っている。一方、天板固定部53a及び53cを保持する天板5の左右方向に作用する駆動力はWU及びWDになるので、互いに釣り合い、天板5は左右方向に移動しない。
従って、ガイドプーリ44a及び44cに作用する駆動力の総和はL4方向に対して2WRになるので、ミドルフレーム6が2WRの駆動力で寝台支持部12上をL4方向に移動する。一方、天板固定部53a及び53cに作用する駆動力の総和はL4方向に対して2WRになるので、天板5にもミドルフレーム6と同様にL4方向に2WRの駆動力が作用し、天板5はミドルフレーム6と一体となってL4方向へ移動する。
図7は、天板5の左右方向への移動動作を示した図である。操作部8からの天板設定操作により、システム制御部9は、水平移動機構部4を制御して天板5を矢印L2或いはL3方向へ水平移動させて設定する。なお、L2方向へは天板5の天板固定部53c及び53dがミドルフレーム6の長穴64c及び64dの内側の端部近傍の位置になるまで天板5を移動でき、L3方向へは天板5の天板固定部53a及び53bがミドルフレーム6の長穴64a及び64bの内側の端部近傍に達するまで天板5を移動できる。
水平移動機構部4は、システム制御部9からの制御により、モータ41aをR1方向に及びモータ41bをR2方向に同時に同じ速度で回転させることにより、天板5を図3に示したホームポジションからL2方向へ水平移動し、例えば図7に示した位置に設定する。また、モータ41aをR2方向に及びモータ41bをR1方向に同時に同じ速度で回転させることにより、天板5をL3方向へ水平移動して設定する。
なお、天板5は、ホームポジションからだけではなく寝台本体11がL1方向へ移動した任意の位置においてもL2及びL3方向へ移動できる。
また、MRI装置100を用いて被検体の撮影を行う場合、被検体を載置した天板5をL2或いはL3方向へ移動して、ミドルフレーム6上に設置したRFコイル101にとの位置合わせを行うことができる。
図8(a)は、天板5をL2方向へ移動する際の水平移動機構部4の駆動力の大きさと方向を示した図である。モータ41aをR1方向に及びモータ41bをR2方向に同時に同じ速度で回転させることにより、駆動プーリ42aを介してアイドルプーリ43bとガイドプーリ44b間、及び駆動プーリ42bを介してアイドルプーリ43cとガイドプーリ44c間のワイヤ45a及び45bに、夫々矢印で示すWL及びWRの張力が作用したとする。
ワイヤ45aへの張力WLにより、ガイドプーリ44bにWL及びWUの駆動力が作用し、天板固定部53bにWL及びWDの駆動力が作用する。また、ワイヤ45bへの張力WRにより、ガイドプーリ44cにWR及びWUの駆動力が作用し、天板固定部53cにWR及びWDの駆動力が作用する。
そして、ガイドプーリ44b及び44cに作用する駆動力の総和はL3方向に対して2WUになるので、ミドルフレーム6に2WLの駆動力が作用するが、巾方向への駆動力なので阻止されて移動しない。一方、天板固定部53b及び53cに作用する駆動力の総和はL2方向に対して2WDになるので、天板5は2WDの駆動力でミドルフレーム6上をL2方向に移動する。
図8(b)は、天板5をL3方向へ移動する際の水平移動機構部4の駆動力の大きさと方向を示した図である。モータ41aをR2方向に及びモータ41bをR1方向に同時に同じ速度で回転させることにより、駆動プーリ42aを介してアイドルプーリ43aとガイドプーリ44a間、及び駆動プーリ42bを介してアイドルプーリ43dとガイドプーリ44d間のワイヤ45a及び45bに、夫々矢印で示すWR及びWLの張力が作用したとする。
ワイヤ45aへの張力WRにより、ガイドプーリ44aにWR及びWDの駆動力が作用し、天板固定部53aにWR及びWUの駆動力が作用する。また、ワイヤ45bへの張力WLにより、ガイドプーリ44dにWL及びWDの駆動力が作用し、天板固定部53dにWL及びWUの駆動力が作用する。
そして、ガイドプーリ44a及び44dに作用する駆動力の総和はL3方向に対して2WDになるので、ガイドプーリ44を保持するミドルフレーム6に2WDの駆動力が作用するが、ミドルフレーム6は巾方向への駆動力は阻止されるので移動しない。一方、天板固定部53a及び53dに作用する駆動力の総和はL3方向に対して2WUになるので、天板5は2WUの駆動力でミドルフレーム6上をL3方向に移動する。
図9は、天板5及びミドルフレーム6を前後に移動させると共に、天板5を左右移動させる場合の動作を示した図である。操作部8からの天板及びミドルフレーム同時設定操作により、システム制御部9は、水平移動機構部4を制御して天板5及びミドルフレーム6をMRI装置100の画像診断装置支持部及び寝台支持部12上をL1及びL2、或いはL1及びL3、或いはL4及びL3、或いはL4及びL2方向へ水平移動して設定する。
水平移動機構部4は、システム制御部9からの制御により、モータ41aをR1方向に回転すると共に、モータ41bをモータ41aも小さい回転速度でR1或いはR2方向へ差動回転させることにより、天板5及びミドルフレーム6を図3に示した位置からL1及びL2方向へ水平移動して図9に示した位置に設定する。また、モータ41bをR1方向に回転すると共に、モータ41aをモータ41bも小さい回転速度でR1或いはR2方向へ差動回転させることにより、天板5及びミドルフレーム6をL1及びL3方向へ水平移動して設定する。
更に、モータ41aをR2方向に回転すると共に、モータ41bをモータ41aも小さい回転速度でR1或いはR2方向へ差動回転させることにより、天板5及びミドルフレーム6をL4及びL3方向へ水平移動して設定する。更にまた、モータ41bをR2方向に回転すると共に、モータ41aをモータ41bも小さい回転速度でR1或いはR2方向へ差動回転させることにより、天板5及びミドルフレーム6をL4及びL2方向へ水平移動して設定する。
図10(a)は、天板5及びミドルフレーム6をL1方向へ移動させると共に、天板5をL2方向へ移動させる場合の水平移動機構部4の駆動力の大きさと方向を示した図である。モータ41aをR1方向に回転させると共に、モータ41bをモータ41aも小さい回転速度でR1方向へ差動回転させることにより、駆動プーリ42aを介してアイドルプーリ43bとガイドプーリ44b間のワイヤ45aに、矢印方向に示すWLの張力が作用し、及び駆動プーリ42bを介してアイドルプーリ43dとガイドプーリ44d間のワイヤ45bに、WLの半分の大きさで同じ方向のWL2の張力が作用したとする。
ワイヤ45aへの張力WLにより、ガイドプーリ44bにWL及びWUの駆動力が作用し、天板固定部53bにWL及びWDの駆動力が作用する。また、ワイヤ45bへの張力WL2により、ガイドプーリ44dにWL2及びこのWL2と同じ大きさで天板固定部53d方向のWD2の駆動力が作用し、天板固定部53dにWL2及び前記WD2と同じ大きさで逆方向のWU2の駆動力が作用する。
そして、ガイドプーリ44b及び44dに作用する駆動力の総和は、L1及びL3方向に対して1.5WL及び0.5WUになるので、ミドルフレーム6はL3方向(巾方向)への駆動力は阻止されて、寝台支持部12上を1.5WLの駆動力でL1方向へ移動する。同時に、天板固定部53b及び53dに作用する駆動力の総和は、L1及びL2方向に対して1.5WL及び0.5WDになるので、天板5はミドルフレーム6と一体となってL1方向に移動すると共に、ミドルフレーム6上を0.5WDの駆動力でL2方向に移動する。
図10(b)は、天板5及びミドルフレーム6をL4方向へ移動させると共に、天板5をL3方向へ移動させる場合の水平移動機構部4の駆動力の大きさと方向を示した図である。モータ41aをR2方向に回転させると共に、モータ41bをモータ41aも小さい回転速度でR2方向へ差動回転させることにより、駆動プーリ42aを介してアイドルプーリ43aとガイドプーリ44a間のワイヤ45aに、WRの張力が作用し、及び駆動プーリ42bを介してアイドルプーリ43cとガイドプーリ44cの間のワイヤ45bに、WRの半分の大きさで同じ方向のWR2の張力が作用したとする。
ワイヤ45aへの張力WRにより、ガイドプーリ44aにWR及びWDの駆動力が作用し、天板固定部53aにWR及びWUの駆動力が作用する。また、ワイヤ45bへの張力WR2により、ガイドプーリ44cにWR2及びWU2の駆動力が作用し、天板固定部53cにWR2及びWD2の駆動力が作用する。
そして、ガイドプーリ44a及び44cに作用する駆動力の総和は、L4及びL2方向に対して1.5WR及び0.5WDになるので、ミドルフレーム6はL2方向(巾方向)への駆動力は阻止されて、寝台支持部12上を1.5WRの駆動力でL4方向へ移動する。同時に、天板固定部53a及び53cに作用する駆動力の総和は、L4及びL3方向に対して1.5WR及び0.5WUになるので、天板5はミドルフレーム6と一体となってL4方向に移動すると共に、ミドルフレーム6上を0.5WUの駆動力でL3方向に移動する。
図11(a)は、天板5及びミドルフレーム6をL1方向へ移動させると共に、天板5をL3方向へ移動させる場合の水平移動機構部4の駆動力の大きさと方向を示した図である。モータ41bをR1方向に回転させると共に、モータ41aをモータ41bも小さい回転速度でR1方向へ差動回転させることにより、駆動プーリ42bを介してアイドルプーリ43dとガイドプーリ44d間のワイヤ45bに、WLの張力が作用し、及び駆動プーリ42aを介してアイドルプーリ43bとガイドプーリ44b間のワイヤ45aに、WL2の張力が作用したとする。
ワイヤ45bへの張力WLにより、ガイドプーリ44dにWL及びWDの駆動力が作用し、天板固定部53dにWL及びWUの駆動力が作用する。また、ワイヤ45aへの張力WL2により、ガイドプーリ44bにWL2及びWU2の駆動力が作用し、天板固定部53bにWL2及びWD2の駆動力が作用する。
そして、ガイドプーリ44d及び44bに作用する駆動力の総和は、L1及びL2方向に対して1.5WL及び0.5WDになるので、ミドルフレーム6はL2方向への駆動力は阻止されて、寝台支持部12上を1.5WLの駆動力でL1方向へ移動する。同時に、天板固定部53d及び53bに作用する駆動力の総和は、L1及びL3方向に対して1.5WL及び0.5WUになるので、天板5はミドルフレーム6と一体となってL1方向に移動すると共に、ミドルフレーム6上を0.5WUの駆動力でL3方向に移動する。
図11(b)は、天板5及びミドルフレーム6をL4方向へ移動させると共に、天板5をL2方向へ移動させる水平移動機構部4の駆動力の大きさと方向を示した図である。モータ41bをR2方向に回転させると共に、モータ41aをモータ41bも小さい回転速度でR2方向へ差動回転させることにより、駆動プーリ42bを介してアイドルプーリ43cとガイドプーリ44c間のワイヤ45bに、WRの張力が作用し、及び駆動プーリ42aを介してアイドルプーリ43aとガイドプーリ44a間のワイヤ45aに、WR2の張力が作用したとする。
ワイヤ45bへの張力WRにより、ガイドプーリ44cにWR及びWUの駆動力が作用し、天板固定部53cにWR及びWDの駆動力が作用する。また、ワイヤ45aへの張力WR2により、ガイドプーリ44aにWR2及びWD2の駆動力が作用し、天板固定部53aにWR2及びWU2の駆動力が作用する。
そして、ガイドプーリ44c及び44aに作用する駆動力の総和は、L4及びL3方向に対して1.5WR及び0.5WUになるので、ミドルフレーム6はL3方向への駆動力は阻止されて、寝台支持部12上を1.5WRの駆動力でL4方向へ移動する。同時に、天板固定部53c及び53aに作用する駆動力の総和は、L4及びL2方向に対して1.5WR及び0.5WDになるので、天板5はミドルフレーム6と一体となってL4方向に移動すると共に、ミドルフレーム6上を0.5WDの駆動力でL2方向に移動する。
以上述べた本発明の実施例1によれば、簡単な構成からなる一系統の水平移動機構部4を用いて天板5及びミドルフレーム6を長手方向に移動し、更に長手方向の任意の位置で天板5だけを巾方向に移動して位置を設定することができる。
また、天板5及びミドルフレーム6を長手方向に移動すると共に、天板5を巾方向に移動して位置を設定することができる。
更に、RFコイルを用いたMRI装置の撮影の場合、ミドルフレーム上の任意の位置にRFコイル101を設置し、被検体を載置した天板5を巾方向に移動してRFコイル101との位置合わせを行うことができる。
このように、駆動系への負担を軽減し且つ高精度な部品を必要としない構成部品を用いて、労力や手間を掛けることなく短い時間で天板の位置の設定や、被検体とRFコイルとの位置合わせを行うことができる。
以下、本発明による寝台装置の実施例2を、図12乃至図18を参照して説明する。図12に示した実施例2が図1における実施例1と異なる点は、図12の寝台本体11aの天板5aが寝台支持部12a上に支持される構成とした点と、寝台本体11aとは別に天板5aを長手方向に水平移動できるようにした水平移動機構部4aとした点である。
図13は、実施例2の寝台部1aの構成を示した図である。図13(a)は寝台装置10aを上方から見た図であり、図13(b)は寝台装置10aの側面図である。そして、図13に示した寝台本体11aは、ホームポジションに設定されている。
寝台部1aの寝台本体11aは、被検体を載置する天板5aと、天板5aを水平移動させるためのミドルフレーム6aとを備えている。
天板5aは、被検体を載置する長方形の天板本体81と、天板5aを前後に移動するための駆動力を天板本体81に伝達する天板固定部82と、天板本体81を寝台支持部12a上で支持する複数のローラ83から構成される。
天板本体81の上面には被検体が載置され、その下面の長手方向の中央より後方で巾方向の中央部近傍に天板固定部82の上端面が固定されている。その天板固定部82は、水平移動機構部4aのワイヤの一部分に下端部が保持されている。
複数のローラ83は、天板本体81の下面の長辺側両端部全体に亘って一定間隔で配置されている。このローラ83によって、天板5aは寝台支持部12a上を長手方向に円滑に移動することができる。
ミドルフレーム6aは、天板5aと寝台支持部12aの間に配置され、ミドルフレーム本体91と、ミドルフレーム本体91を支持する複数のローラ92と、ミドルフレーム本体91に設けられた長穴93から構成される。
ミドルフレーム本体91は、天板5aの長辺と同じ長さの長辺と、天板5aの巾方向の両端に配置された複数のローラ83の間隔よりも短い短辺からなる長方形を形成している。
複数のローラ92は、ミドルフレーム本体91の下面の長辺側両端部全体に亘って一定の間隔で配置されている。このローラ92によって、ミドルフレーム6aは寝台支持部12a上を長手方向に円滑に移動することができる。
長穴93は、ミドルフレーム本体91の裏面の巾方向の中央部より少し左方の長手方向にあって、ミドルフレーム本体91の長手方向の中央部より前方で、且つ天板5aの天板固定部82から前方の距離D1の位置に一端部を形成し、ミドルフレーム本体91の後方の端部近傍に他端部を形成している。そして、長穴93には、天板5aの天板固定部83が遊貫して通っている。
なお、MRI装置100を用いて被検体の撮影を行う場合には、RFコイル101をミドルフレーム6a上の任意の位置に設置できるようになっている。
寝台支持部12aは、ミドルフレーム6aの下側に配置され、天板5aとほぼ同じ長方形の上面を形成している。そして、天板5a及びミドルフレーム6aを長手方向へ水平移動可能に支持している。
図14は、実施例2の水平移動機構部4aの構成を示した図である。図14(a)は寝台装置10aの前後を切断して上方から見た水平移動機構部4aの構成図であり、図14(b)は水平移動機構部4aの左側から見た側面図である。
水平移動機構部4aは、寝台本体11aを駆動する動力源としての2つのモータ21(21a,21b)と、このモータ21の駆動力をワイヤ25に伝達する2つの駆動プーリ22(22a,22b)と、ワイヤ25の方向を変換する4つのアイドルプーリ23(23a乃至23d)と、ワイヤ25からの駆動力をミドルフレーム6aに伝達するための5つのガイドプーリ24(24a乃至24e)とを備え、ワイヤ25からの駆動力は天板固定部82から天板5aにも伝達される。
モータ21は、寝台支持部12a内部の前方の端部近傍に配置されるモータ21a及び21bから構成されている。このモータ21a及び21bは、寝台支持部12aの巾方向の中心線を軸とした線対称の位置にその回転軸が互いに対向して、且つ寝台支持部12aの短辺に平行にして配置され固定されている。
駆動プーリ22は、ワイヤ25に噛み合う歯車であり、同数の歯を備えた駆動プーリ22a及び22bにより構成され、モータ21a及び21bの回転軸の端部に固定されている。
アイドルプーリ23は、駆動プーリ22aの上方であって前寄り及び後寄りに配置されるアイドルプーリ23a及び23bと、駆動プーリ22bの上方であって前寄り及び後寄りに配置されるアイドルプーリ23c及び23dとから構成される。そして、アイドルプーリ23a乃至23dの回転軸が寝台支持部12aの短辺に平行に且つ水平に配置され、各回転軸の一端が寝台支持部12aの上面の上方に固定されている。
ガイドプーリ24は、各回転軸の端部がミドルフレーム本体91の下面に垂直に固定されている同径のガイドプーリ24a乃至24eから構成され、ミドルフレーム本体91と寝台支持部12aの間に配置されている。そして、ガイドプーリ24aはミドルフレーム本体91の前方の端部近傍で且つ巾方向の中央部より左方に配置され、ガイドプーリ24bはガイドプーリ24aの後方のミドルフレーム本体91端部近傍で、且つアイドルプーリ23bの後方の距離D2の位置に配置されている。
また、ガイドプーリ24c及び24dは、ガイドプーリ24a及び24bに対してミドルフレーム本体91の巾方向の中心線を軸とする線対称の位置に、ガイドプーリ24a及び24bからガイドプーリ1個分の間隔をとって配置されている。
更に、ガイドプーリ24eは、ミドルフレーム本体91の巾方向の中央部で且つ長穴93の一端部よりも少し前方に配置されている。
ワイヤ25は、駆動プーリ22a及22bに係合する環状を形成し、駆動プーリ22a、アイドルプーリ23b、ガイドプーリ24b、ガイドプーリ24e、ガイドプーリ24d、アイドルプーリ23d、駆動プーリ22b、アイドルプーリ23c、ガイドプーリ24c、ガイドプーリ24a、アイドルプーリ23aの順に巻回されている。
このように構成された水平移動機構部4aは、寝台本体11aを長手方向に水平移動することができる。また、水平移動機構部4aは、寝台本体11aを移動した任意の位置で更に天板5aだけを長手方向に水平移動することができる。
次に、図15乃至図18を参照して、実施例2の寝台本体11aの動作及び水平移動機構部4aの動作を説明する。
図15は、寝台本体11aの動作を示した図である。操作部8からの寝台本体位置設定操作により、システム制御部9は、水平移動機構部4aを制御して寝台本体11aをL1或いはL4方向へ水平移動させて設定する。
システム制御部9からの制御により、水平移動機構部4aは、モータ21a及び21bを矢印R1方向に同時に同じ速度で回転させることにより、寝台本体11aを図14に示したホームポジションからL1方向へ水平移動して図15に示した位置に設定する。また、モータ21a及び21bを矢印R2方向に同時に同じ速度で回転させることにより、寝台本体11aをL4方向へ水平移動して設定する。
なお、L1方向へは寝台本体11aをホームポジションから距離D2まで移動することができる。
図16(a)は、寝台本体11aをL1方向へ移動する場合の水平移動機構部4aの駆動力の大きさと方向を示した図である。モータ21a及び21bをR1方向に同時に同じ速度で回転させることにより、駆動プーリ22aを介してアイドルプーリ23bとガイドプーリ24b間、及び駆動プーリ22bを介してアイドルプーリ23dとガイドプーリ24d間のワイヤ25に、夫々にWLの張力が作用したとする。
ワイヤ25への各張力WLにより、ガイドプーリ24b及び24dに夫々2WLが作用し、ガイドプーリ24eに2WRの駆動力が作用する。そして、ガイドプーリ24b、24d、及び24eに作用する駆動力の総和はL1方向に対して2WLになるので、各ガイドプーリ24を保持するミドルフレーム6aが2WLの駆動力で寝台支持部12a上をL1方向に移動する。
一方、ガイドプーリ24aとガイドプーリ24b間、及びガイドプーリ24cとガイドプーリ24d間に作用する2つの張力WLは、ワイヤ25に対して互いに逆方向に作用しているので相殺され、ガイドプーリ24a乃至24eを介してワイヤ25は移動しないので、ワイヤ25に固定されている天板固定部82も移動しない。
従って、天板固定部82を保持している天板5aは、単独では移動せず、ミドルフレーム6aと一体となって寝台支持部12a上をL1方向へ移動する。
図16(b)は、寝台本体11aをL4方向へ移動する場合の水平移動機構部4aの駆動力の大きさと方向を示した図である。モータ21a及び21bをR2方向に同時に同じ回転速度で回転駆動させることにより、駆動プーリ22aを介してアイドルプーリ23aとガイドプーリ24a間、及び駆動プーリ22bを介してアイドルプーリ23cとガイドプーリ24c間のワイヤ25に、夫々にWRの張力が作用したとする。
駆動プーリ22aからワイヤ25への張力WRにより、ガイドプーリ24aにWR及びWUの駆動力が作用し、またガイドプーリ24aを経由してガイドプーリ24cにWR及びWDの駆動力が作用する。また、駆動プーリ22bからワイヤ25への張力WRにより、ガイドプーリ24cにWR及びWDの駆動力が作用し、またガイドプーリ24cを経由してガイドプーリ24aにWR及びWUの駆動力が作用する。
これにより、ガイドプーリ24a及び24cに作用する駆動力の総和はL4方向に対して2WRになるので、ミドルフレーム6aが2WRの駆動力で寝台支持部12a上をL4方向に移動する。
一方、ガイドプーリ24aとガイドプーリ24b間及びガイドプーリ24cとガイドプーリ24d間に作用する2つの張力WRは、ワイヤ25に対して互いに逆方向に作用しているので相殺され、ガイドプーリ24a乃至24eを介してワイヤ25は移動しない。
従って、天板5aは、単独では移動せず、ミドルフレーム6aと一体となって寝台支持部12a上をL4方向へ移動する。
図17は、天板5aだけの移動動作を示した図である。操作部8からの天板位置設定操作により、システム制御部9は、水平移動機構部4aを制御して天板5aをMRI装置100の画像診断装置支持部及び寝台支持部12a上をL1或いはL4方向へ水平移動させて設定する。
システム制御部9からの制御により、水平移動機構部4aは、モータ21aをR1方向に、及びモータ21bをR1方向に同時に同じ速度で回転させることにより、天板5aだけを図15に示した任意の位置からL1方向へ水平移動して、図17に示した位置に設定する。また、モータ21aをR1方向に、及びモータ21bをR2方向に同時に同じ速度で回転させることにより、天板5aを更にL4方向へ水平移動して設定する。
なお、天板5aをL1方向に移動する場合、ミドルフレーム6aと一体となった位置から距離D1まで移動できる。従って、寝台本体11aをホームポジションからL1方向に距離D2まで移動し、更に天板5aを同方向に距離D1移動することにより、天板5aを最大で距離(D1+D2)の位置に設定することができる。
また、MRI装置100を用いて被検体の撮影を行う場合、被検体を載置した天板5aをL1或いはL4方向へ移動して、ミドルフレーム6a上に設置したRFコイル101にとの位置合わせを行うことができる。
図18(a)は、天板5aだけをL1方向へ移動する場合の水平移動機構部4aの駆動力の大きさと方向を示した図である。モータ21aをR2方向に及び21bをR1方向に同時に同じ速度で回転させることにより、駆動プーリ22aを介してアイドルプーリ23aとガイドプーリ24a間、及び駆動プーリ22bを介してアイドルプーリ23dとガイドプーリ24d間のワイヤ25に、WR及びWLの張力が作用したとする。
ワイヤ25への張力WR及びWLは、同じ方向と同じ大きさで作用しているので、ガイドプーリ24a乃至24eの駆動力は相殺され作用せず、ガイドプーリ24a乃至24eが回転して天板固定部82の位置のワイヤ25がL1方向に移動する。従って、天板5aだけが寝台支持部12a上をL1方向へ移動する。
図18(b)は、天板5aだけをL4方向へ移動する場合の水平移動機構部4aの駆動力の大きさと方向を示した図である。モータ21aをR1方向に及びモータ21bをR2方向に同時に同じ回転速度で回転駆動させることにより、駆動プーリ22aを介してアイドルプーリ23bとガイドプーリ24b間、及び、駆動プーリ22bを介してアイドルプーリ23cとガイドプーリ24c間のワイヤ25に、WL及びWRの駆動力が作用したとする。
ワイヤ25への張力WL及びWRは、同じ方向と同じ大きさで作用しているので、ガイドプーリ24a乃至24eの駆動力は相殺され作用せず、ガイドプーリ24a乃至24eが回転して天板固定部82の位置のワイヤ25がL4方向に移動する。従って、天板5aだけが寝台支持部12a上をL4方向へ移動する。
以上述べた本発明の実施例2によれば、簡単な構成からなる一系統の水平移動機構部4aを用いて天板5a及びミドルフレーム6aを長手方向に移動し、更に天板5aだけを長手方向に移動して位置を設定することができる。
また、RFコイルを用いたMRI装置の撮影の場合、ミドルフレーム6a上の任意の位置にRFコイル101を設置し、被検体を載置した天板5aを長手方向に移動してRFコイル101との位置合わせを行うことができる。
このように、駆動系への負担を軽減し且つ高精度な部品を必要としない構成部品を用いて、労力や手間を掛けることなく短い時間で天板の位置の設定を行うことができる。
なお、本発明は上記実施例1、2に限定されるものではなく、例えば1個のモータからの駆動力を2個の駆動プーリに伝達するための、例えば2個の駆動プーリを同じ大きさで同じ方向に回転させるギア及び同じ大きさで互いに逆方向に回転させる反転ギアと、ギアと反転ギアに切り換えるクラッチとを設けて、天板及びミドルフレームを移動するように実施してもよい。
本発明の実施例1に係る寝台装置の構成を示すブロック図。 本発明の実施例1に係る寝台部の構成を示す図。 本発明の実施例1に係る水平移動機構部の構成を示す図。 本発明の実施例1に係る上下移動機構部の構成を示す図。 本発明の実施例1に係る寝台本体の動作を示す図。 本発明の実施例1に係る寝台本体を移動する水平移動機構部の動作を説明するための図。 本発明の実施例1に係る天板の動作を示す図。 本発明の実施例1に係る天板を移動する水平移動機構部の動作を説明するための図。 本発明の実施例1に係る天板及びミドルフレームの動作を示す図。 本発明の実施例1に係る天板及びミドルフレームを移動する水平移動機構部の動作を説明するための図。 本発明の実施例1に係るミドルフレーム及び天板を移動する水平移動機構部の動作を説明する図 本発明の実施例2に係る寝台装置の構成を示すブロック図。 本発明の実施例2に係る寝台本体の構成を示す図。 本発明の実施例2に係る水平移動機構部の構成を示す図。 本発明の実施例2に係る寝台本体の動作を示す図。 本発明の実施例2に係る寝台本体を移動する水平移動機構部の動作を説明するための図。 本発明の実施例2に係る天板の動作を示す図。 本発明の実施例2に係る天板を移動する水平移動機構部の動作を説明するための図。
符号の説明
1 寝台部
2 機構部
4 水平移動機構部
5 天板
6 ミドルフレーム
7 上下移動機構部
8 操作部
9 システム制御部
10 寝台装置
11 寝台本体
12 寝台支持部

Claims (13)

  1. 被検体が載置される天板と、
    前記天板の下側に配置され、前記天板を支持するミドルフレームと、
    前記ミドルフレームの下側に配置され、前記ミドルフレームを支持する寝台支持部と、
    前記天板及び前記ミドルフレームを共に長手方向に移動し、前記ミドルフレームとは別
    に前記天板を巾方向に移動する移動手段とを備え、
    前記移動手段は、前記寝台支持部に配置され前記天板及び前記ミドルフレームを駆動す
    る第1及び第2の駆動手段と、この第1及び第2の駆動手段からの駆動力を前記天板及び
    前記ミドルフレームに伝達する第1及び第2の伝達手段とを備えたことを特徴とする寝台
    装置
  2. 前記第1及び第2の駆動手段は、前記第1及び第2の伝達手段に対して同じ大きさ同じ
    方向で長手方向の駆動力を供給した場合、前記天板及び前記ミドルフレームを長手方向に
    移動することを特徴とする請求項に記載の寝台装置。
  3. 前記第1及び第2の駆動手段は、前記第1及び第2の伝達手段に対して互いに大きさが
    異なり同じ方向で長手方向の駆動力を供給した場合、前記天板及び前記ミドルフレームを
    長手方向に移動すると共に、前記天板を巾方向に移動することを特徴とする請求項に記
    載の寝台装置。
  4. 前記第1及び第2の駆動手段は、前記第1及び第2の伝達手段に対して長手方向のL1
    方向に駆動力を供給し、
    前記第1の伝達手段は、前記第1の駆動手段からの駆動力を前記天板に対して前記L1
    方向及び前記天板の巾方向のL2方向に伝達すると共に、前記ミドルフレームに対して前
    記L1方向及び前記L2方向とは逆方向のL3方向に伝達し、
    前記第2の伝達手段は、前記第2の駆動手段からの駆動力を前記天板に対して前記L1
    方向及び前記L3方向に伝達すると共に、前記ミドルフレームに対して前記L1及びL2
    方向に伝達することを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか1項に記載の寝台装置
  5. 前記第1及び第2の伝達手段は、前記第1及び第2の駆動手段から駆動力を供給される
    第1及び第2のワイヤと、前記第1及び第2のワイヤからの駆動力を前記ミドルフレーム
    に伝達する第1及び第2のプーリと、前記第1及び第2のワイヤからの駆動力を前記第1
    及び第2のプーリを介して前記天板に伝達する第1及び第2の天板固定部とを備えたこと
    を特徴とする請求項乃至請求項のいずれか1項に記載の寝台装置。
  6. 前記第1及び第2の駆動手段は、前記第1及び第2の伝達手段に対して同じ大きさで互
    いに逆方向で長手方向の駆動力を供給して前記天板を巾方向に移動することを特徴とする
    請求項に記載の寝台装置。
  7. 前記第1及び第2の駆動手段は、前記第1及び第2の伝達手段に対して互いに大きさが
    異なり逆方向であって前記天板及び前記ミドルフレームの長手方向に駆動力を供給して前
    記天板及び前記ミドルフレームを長手方向に移動すると共に、前記天板を巾方向に移動す
    ることを特徴とする請求項に記載の寝台装置。
  8. 前記第1の駆動手段は、前記第1の伝達手段に対して長手方向のL1方向に駆動力を供
    給し、前記第1の伝達手段は、前記第1の駆動手段からの駆動力を前記天板に対して前記
    L1方向及び前記天板の巾方向のL2方向に伝達すると共に、前記ミドルフレームに対し
    て前記L1方向及び前記L2方向の逆方向であるL3方向に伝達し、
    前記第2の駆動手段は、前記第2の伝達手段に対して前記L1とは逆のL4方向に駆動
    力を供給し、前記第2の伝達手段は、前記第2の駆動手段からの駆動力を前記天板に対し
    て前記L4方向及び前記L3方向に伝達すると共に、前記ミドルフレームに対して前記L
    4及びL2方向に伝達することを特徴とする請求項、請求項または請求項のいずれ
    か1項に記載の寝台装置。
  9. 被検体が載置される天板と、
    前記天板の下方に配置されたミドルフレームと、
    前記天板及び前記ミドルフレームを支持する寝台支持部と、
    前記天板及び前記ミドルフレームを移動するための駆動力を供給する第1の駆動手段と

    前記天板及び前記ミドルフレームを移動するための駆動力を供給する第2の駆動手段と

    前記第1及び第2の駆動手段からの同じ大きさで同じ方向の駆動力を伝達して前記天板
    及び前記ミドルフレームを長手方向に移動し、前記第1及び第2の駆動手段からの同じ大
    きさで互いに逆方向の駆動力を伝達して前記天板だけを長手方向に移動する伝達手段とを
    備えたことを特徴とする寝台装置。
  10. 前記伝達手段は、前記第1及び第2の駆動手段から駆動力を供給されるワイヤと、前記
    ワイヤからの駆動力を前記ミドルフレームに伝達する第1乃至第5のプーリと、前記ワイ
    ヤからの駆動力を前記天板に伝達する天板固定部とを備え、
    前記第1及び第2の駆動手段は、前記ワイヤに対して同じ大きさで長手方向のL1方向
    或いはこのL1方向とは逆方向のL4方向に駆動力を供給し、
    前記ワイヤは、前記第1及び第2の駆動手段からの前記L1方向或いはL4方向への駆
    動力を前記ワイヤに巻回された前記第1乃至第5のプーリを介して前記ミドルフレームに
    伝達すると共に、前記天板固定部を介して前記天板に伝達するようにしたことを特徴とす
    る請求項に記載の寝台装置。
  11. 前記伝達手段は、前記ワイヤを介して前記第1の駆動手段からの前記L1方向への駆動
    力を前記第1のプーリへ伝達し、前記第1のプーリを経由して前記第2のプーリに前記L
    4方向への駆動力を伝達し、前記第1及び第2のプーリを経由して前記第3のプーリに前
    記L1方向への駆動力を伝達すると共に、前記第2の駆動手段からの前記L1方向への駆
    動力を前記第3のプーリに伝達し、前記第3のプーリを経由して前記第2のプーリに前記
    L4方向への駆動力を伝達し、前記第3及び第2のプーリを経由して前記第1のプーリに
    前記L1方向への駆動力を伝達して前記天板及びミドルフレームを前記L1方向へ移動す
    るようにしたことを特徴とする請求項10に記載の寝台装置。
  12. 前記伝達手段は、前記ワイヤを介して前記第1の駆動手段からの前記L4方向への駆動
    力を前記第5のプーリに対して前記L4方向及び前記天板及び前記ミドルフレームの巾方
    向のL3方向に伝達し、前記第4のプーリに対して前記第5のプーリを経由して前記L4
    方向及び前記L3方向とは逆のL2方向に伝達すると共に、前記第2の駆動手段からの前
    記L4方向への駆動力を前記第4のプーリに対して前記L4方向及びL2方向に伝達し、
    前記第5のプーリに対して前記第4のプーリを経由して前記L4方向及びL3方向に伝達
    して前記天板及び前記ミドルフレームを前記L4方向へ移動するようにしたことを特徴と
    する請求項10に記載の寝台装置。
  13. 前記伝達手段は、前記ワイヤを介して前記第1の駆動手段からの前記L1方向或いはL
    4方向への駆動力を前記第1乃至第5のプーリに伝達すると共に、前記第2の駆動手段か
    らの前記L4或いはL1方向への駆動力を前記第1乃至第5のプーリに伝達して、前記天
    板を前記L1及びL4の一方へ移動するようにしたことを特徴とする請求項10に記載の
    寝台装置。
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