JP4785746B2 - 貯蔵安定性を有する複合エマルジョンの製造方法 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、水/油/水(W/O/W)型の安定な複合エマルジョンを調製する方法に関し、外側の相および内側の水相には、薬剤活性(または有効)成分が含まれていてよく、また、その含油相には、乳化剤として作用する非イオン性界面活性剤が含まれている。この複合エマルジョンは、水相を、多孔質膜を介して油相に導入すること、次いで、油中水(W/O)エマルジョンを冷却して、上述のW/O/Wダブルエマルジョンを形成することによって調製し、特に動物医療の目的で用いる。
複合エマルジョンは、2つのタイプで主に存在し得るエマルジョンから成るエマルジョン、即ち、W/O/WエマルジョンおよびO/W/Oエマルジョンである。これらの系は、多くの利用分野において大変興味深い。これらは、初めに、最も内側の相での活性物質の保護を可能にし、次に、互いに反応する2種の活性物質の受け入れを可能にして、同じ製剤から成る2つの相になる。更に、生物への投与の後に、最も内側の相の活性成分の遅延(または持続)効果を観察することができる。
しかしながら、現在のところ、薬物および化粧品において、わずかな複合エマルジョンしか存在しない。なぜなら、これらの製剤およびこれらの安定性に関して、依然として存在する問題および乳化現象は、未だに完全に説明されていないからである。原理は、multiple W/O/W emulsions, theoretical study(Terrise, I.; M. Seillerら(1992)、Congr. Int. Technol. Pharm., 6th 4:第328-35頁)に示されている。
動物医療では、1または複数の病原体に対する免疫性を与えるために、ワクチンが必要とされており、ワクチンには、活性成分が、できる限り細かく分配された形で存在していて、特に長期にわたって動物の内部に広がる。
複合エマルジョンは、ワクチン製剤での使用に関して、興味深いエマルジョン系を示す。これらは、連続する最も外側の相に相当する液体の比較的小さい滴を、最も内側の相に含んで成るエマルジョンである。そのようなワクチンを処方する1つの方法は、複合W/O/Wエマルジョンである。このとき、活性成分は、水性の最も内側の相において、例えば、ある粒子寸法を有する不溶性プロテインの形で存在する。油相を追加することによって、体内での摂取が遅れ、従って、効果が長くなる(または持続する)。更に、油は、ある場合には、アジュバント(または補助剤)として作用し、言い換えると、ワクチンの抗原の効果を高めることができる。
複合エマルジョンの形の製剤は、化粧品の分野においても既知である。ドイツ特許公開公報(DE−A1)第19630176号の明細書には、成分の組成、および転相によるそのようなダブルエマルジョンの調製が記載されている。
米国特許(US−B1)第6251407号の明細書には、ワクチンの調製に用いることができる、油、乳化剤、水相および薬剤活性成分から成る組成物が記載されている。該明細書において、個々の構成要素は、より詳細には以下のように記載されている:用いる油は、ポリグリコール化グリセリドから成る、いわゆる自己乳化油である。水相は、抗原である活性成分を含んで成る。
欧州特許公開公報(EP−A)第489181号または第481982号によるダブルエマルジョンは、水性の、活性成分を含む相を油性相内で「攪拌」すること、続いて転相して、温度勾配によってダブルエマルジョンを形成すること、続いて、攪拌によって均質化することによって調製する。
上記の場合のように、このとき製造されるW/O/Wエマルジョンの不利点は、攪拌槽型反応器の幾何学的構造が異なることにより、完成したエマルジョンにおいて、液滴分布が不均一で広いこと、および液滴分布の再現性が乏しいことである。更に、この方法は、不連続的な操作においてのみ実行できる。
さらに、膜による複合エマルジョンの製造方法が既知である。これは、詳細には、文献(Joscelyne, S. M.およびG. Tragardh(2000)による、Membrane emulsification - a literature review、J. Membr. Sci.169(1):107−117頁)に記載されている。ここでは、水相を、例えば、膜を介して相の1つに導入する。液滴の寸法は、膜の孔の直径の2〜10倍に相当する。膜の孔の半径による粒子寸法の制限から限界が生じる。しかしながら、活性成分粒子が非常に大きい場合、膜の孔の直径が、エマルジョン内での活性成分の混合に不利な影響を与えることが見出されている。
欧州特許公開公報(EP−A1)第564738号には、エマルジョンを調製するための膜法が記載されており、膜乳化によって第1エマルジョンを生じ、攪拌によってダブルエマルジョンの生成をもたらすか、または両方を膜乳化によって生成する。該方法は、安定化剤およびゲル形成剤を有効に使用することによって特徴づけられ、ダブルエマルジョンの形での低脂肪スプレッドを順次調製するのに役立つ。このときの最終的なエマルジョンの滴は、10〜16μmの平均直径を有する。
これらの明細書に記載されている方法の全ては、1つの応用分野にのみ適しており、従って、更なる利用分野に容易に転用することができない。
本発明の目的は、1)W/O/W型の安定なダブルエマルジョンを形成することであって、外側の相および/または内側の水相は、薬剤活性成分を、例えば、抗原の形で含んで成り、その含油相は、乳化剤として作用する界面活性剤を含んで成る。
本発明において、油相の液滴寸法は、特に、平均直径が3μm、内側の水相の液滴寸法は、平均直径が0.3μmを超えてはならない。加えて、本方法は、常套の方法に比べて、特に、より狭い粒子寸法分布、および従ってより高い再現性を有する必要がある。
異成分から成り、そして部分的に凝集した形で存在する活性成分粒子は、例えば、用いる膜によっては分離されず、または、その寸法によって分けることでは粉砕(もしくは破壊)されないという問題も生ずる。
驚くべきことに、本発明において、課題を達成し、上述の、貯蔵時に安定な、W/O/W型の複合エマルジョンを、以下の方法によって形成できるということを見出した。本発明の主題は、
a) 水相に活性成分を入れて攪拌すること、
b) 該水相を、大きな孔を有する多孔質膜を介して油相に通す(または導く)ことにより、該水相を乳化すること、
c) a)における水相、もしくはb)における油相、または両相に乳化剤が添加されていて、少なくとも0.3K/minの冷却速度で混合物を冷却することにより、b)からのエマルジョンを転相すること
である。
単一のエマルジョンは、原則として、例えば、既知の攪拌方法によって形成する。液滴の寸法(数平均)は、典型的には10〜30μmの間であり、転相温度は、通常、60〜90℃である。
本発明の方法において、好ましくは、多孔質無機膜、特にAl、ZrO、TiOおよびこれら酸化物の混合物、特に好ましくはAlから成る、特に好ましくはセラミック膜を用いる。
膜の孔寸法(またはポアサイズ)は、平均で、好ましくは0.2μm〜5μm、特に好ましくは0.3μm〜3μmである。
連続相に適する成分は、例えば、概して油であり、不連続相に関しては、例えば、水溶液、特に、連続相と混合することのできない液体である。油相として、好ましくは、鉱油、白油または植物油を用いる。
他の本質的な成分は乳化剤であり、組成に依って、水相a)および/または含油相b)に初めに導入し、好ましい方法では、油相b)に非イオン性乳化剤の形で存在する。
工程a)の乳化に関しては30℃〜35℃の温度範囲、転相に関しては30K、少なくとも15Kの温度勾配で、特に好ましくは方法を実施する。
該方法を用いて、供給材料および操作条件の適切な選択によって、非常に狭い粒子寸法分布および1μm〜3μmの平均粒子直径(油相)を得ることができることを見出した。
水相、即ち、特に不連続相に、初めに導入される活性成分は、好ましくは動物用(または家畜用もしくは獣医学目的)の、例えば薬剤活性成分であってよく、特に、ワクチン製剤のための抗原であってよい。
活性成分は、群:抗原(例えば、ウィルス、微生物、特に、バクテリアおよび寄生虫等);ならびにペプチド鎖を含んで成る調製物;から好ましくは選択する。この調製物は、タンパク質または糖タンパク質、特に、微生物から得られたタンパク質または糖タンパク質、遺伝子操作によって作製された合成ペプチドまたはタンパク質またはペプチドであってよい。
上述のウィルスおよび/または微生物は、完全に失活しているか、生きているか、または減弱していてよい。
記載の抗原に相当するウィルスは、好ましくは:狂犬病ウィルス、オーエスキー病ウィルス、インフルエンザウィルス、口蹄疫ウィルス、およびエイズウィルスである。
記載した抗原である微生物またはバクテリア型は、好ましくは:大腸菌、ならびに、菌株パスツレラ、フルンケル症(または、せつ症:Furunculosis)、ビブリオ病、ブドウ球菌および連鎖球菌である。
記載の寄生生物は、好ましくは、菌株トリパノソーマ、プラスモジウムおよびリーシュマニアである。
膜間圧力差(膜透過圧)は、不連続の水相の活性成分濃度に依って、好ましくは、0.5×10Pa〜25×10Pa、好ましくは、0.5×10Pa〜5×10Paである。
方法を、原則として連続または回分式で実施することができる。
方法を、全工程において好ましくは連続して実施する。
連続相は、0.5〜5m/sの間、特に好ましくは1〜3m/sの間で好ましくは流れる。不連続相の分散相流(またはフラックス)は、膜を介して、特に、50〜1500l/(m・h)、好ましくは800〜1200l/(m・h)である。
不連続相は、本発明の基礎を形成し、好ましくは弱酸および弱塩基、弱酸および強塩基、または強酸および弱塩基の組み合わせである、好ましくは電解液から成る。
電解液は、以下の化合物の1または複数を好ましくは含んで成る:
ホウ酸、リン酸、N−2−(アセタミド)−2−アミノエタンスルホン酸、N−2−(アセタミド)−2−イミノアセト酢酸、アラニン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、アンモニア、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸、3−[4−(2−ヒドロキシエチル)1−ピペラジニル]−プロパンスルホン酸、ヒスチジン、イミダゾール、乳酸、2−モルホリノエタンスルホン酸、2−モルホリノプロパンスルホン酸、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−2−アミノエタンスルホン酸、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、トリエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、クエン酸。
方法を、原則として無菌状態で操作することができる。
異なった成分を含む複数の異なる不連続相を、複数の異なる膜を通して、油相の異なる箇所にて計量供給するように、方法を変更することもできる。これは、個々の活性成分が、相互に非相溶性、または互いに反応性を有する場合に、特に有利である。
方法の有利な第2の効果は、膜を、一方では乳化膜として、また、一方では濾別手段として使用することであり、例えば、膜の孔より大きい直径を有し、且つ所望の生成物の性質に悪影響を及ぼし得る望ましくない凝集物、不純物または過度に大きい活性成分粒子を分離する。
上述の望ましくない第2の成分の分離は、1のプロセス工程において、同様に、多段階プロセスにおいて実現することができる。
膜乳化の後の膜濾過(または濾別)は、生成物の濃縮および/または脱塩に役立つこともできる。
記載の発明は、動物の健康においては、上述の調製方法による、ワクチンの処方に特に適しており、同様に、人間の医療においては、薬剤活性成分の処方に特に適していて、好ましい提示(presentation)および調整可能な放出制御(またはコントロールドリリース)特性によって特徴づけられる。
以下の実施例は、本発明の有利な態様に関する。数値は、調製物の全体重量を基準にして、全て重量パーセントである。数値は、別途特に示さない限り、調製物の全体重量を基準にして、全て重量パーセントである。
実施例1
材料:
A. 50mM ヘペス(HEPES)緩衝液 pH8.32 50.00%
B. モンタニド(Montanide)ISA 206 49.95%
C. トリエチルアミン(TEA) 0.05%
以下のデバイスを用いた:
2つのガラス容器(各2l):1、2
蠕動ポンプ(Vender SF1500):3
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)ポンプ:4
膜モジュール:5
膜(Inorcermic、孔寸法1.0μm):6
3方弁:7
ホース、ホース接続
熱交換器:8
生成物容器(2lのガラス容器):9
以下の装置を、図1のスキームに従って実験室規模で使用した:
TEAを含んで成る油相1およびヘペス緩衝液から成る水相2を、33℃に加熱した。この温度に達した後、1.0μmの孔直径を有する、モジュールと称されるケース5に設置されているセラミック膜を介して、2つの相を互いに接触させて、水相の全てが油相と混合するまで、ポンプ3および4によって循環させた。いわゆる膜乳化の後、生じたW/Oエマルジョンを、バルブ7を介して、熱交換器8を通して、転相を行う間に、4℃まで冷却した。冷却速度は、2.5K/minであった。生じた複合W/O/Wエマルジョンを、生成物容器9に集めた。該エマルジョンは、滴直径2.3μmの液滴を有した。
全ての実験パラメータは、表1に示す。
図2は、変更された装置を示し、多数(n)の活性成分を混合する。この装置では、連続相1は、ポンプ3を経て、複数の膜モジュール5を順々に通過する。この相は、熱処理してよい。所望の温度に達した後、種々の同様に加熱可能な不連続相2、7、9、nを、材料および孔寸法に関して異なっていてよい膜6、8、10、n+1に通して、種々の活性成分ならびに電解質によって乳化することができる。バルブ11を用いることにより、生成したW/Oエマルジョンは、再び熱処理して転相を引き起こす熱交換器12を通過することができる。生じたエマルジョンは、生成物容器13に集めることができる。
実施例2
A. 50mM ヘペス(HEPES)緩衝液 pH8.32 48.50%
B. MKS濃縮物(一価) 1.50%
C. モンタニド(Montanide)ISA 206 49.95%
D. トリエチルアミン(TEA) 0.05%
以下のデバイスを用いた:
比較例1
膜(Inorcermic、孔寸法1.0μm):6
MKS濃縮物を含むヘペス緩衝液から成る水相、およびTEAを含んで成る油相を33℃まで加熱した。33℃に到達したら、1.0μmの孔直径を有するセラミック膜を介して2つの相を互いに接触させ、全ての水相が油相と混合するまで循環させた。生じたW/Oエマルジョンを、転相が起こる間に、熱交換器を通して4℃まで冷却した。冷却速度は、2.5K/minであった。生じた複合W/O/Wエマルジョンは、2.0μmの液滴直径を有する液滴を有した。好ましい実験パラメータは、実施例1および表1に対応している。
実施例3
材料:
A. 50mM ヘペス(HEPES)緩衝液 pH8.32 45.50%
B. MKS濃縮物(一価) 4.50%
C. モンタニド(Montanide)ISA 206 49.95%
D. トリエチルアミン(TEA) 0.05%
以下のデバイスを用いた:
比較例 1
膜(Inorcermic、孔寸法3.0μm):6
MKS濃縮物を含むヘペス緩衝液から成る水相、およびTEAを含んで成る油相を33℃まで加熱した。33℃に到達したら、3.0μmの孔直径を有するセラミック膜を介して2つの相を互いに接触させ、全ての水相が油相と混合するまで循環させた。生じたW/Oエマルジョンを、転相が起こる間、熱交換器を通して4℃まで冷却した。冷却速度は、2.3K/minであった。生じた複合W/O/Wエマルジョンは、2.0μmの液滴直径を有する液滴を有した。
全ての実験パラメータは、表1に示す。
実施例4
材料:
A. 50mM ヘペス(HEPES)緩衝液 pH8.32 45.50%
B. MKS濃縮物(一価) 4.50%
C. モンタニド(Montanide)ISA 206 49.95%
D. トリエチルアミン(TEA) 0.05%
以下のデバイスを用いた:
比較例1
膜(Inorcermic、孔寸法3.0μm):6
全ての実験装置を、121℃で30分間、予め蒸気滅菌し、絶対的な無菌条件の下、実験を行った。実験の更なる過程は、実施例3に対応している。冷却速度は、1.3K/minであった。用いた膜は、3μmの孔直径を有した。生じた複合W/O/Wエマルジョンは、3μmの滴直径を有する液滴を有した。その後の動物への注入により、常套の方法を用いて調製したワクチンの効果を基準にして、100%の効果を与えた。
全ての実験パラメータは、表1に示す。
Figure 0004785746

尚、本発明は以下の態様を含む:
(態様1)
1または複数の活性成分を含んで成る、貯蔵時に安定な、水/油/水(W/O/W)型の複合エマルジョンの調製方法であって、
a) 水相に活性成分を入れて攪拌する工程、
b) 水相を、大きな孔を有する多孔質膜を介して油相に通すことにより、水相を乳化する工程、
c) 少なくとも0.3K/minの冷却速度で混合物を冷却することにより、b)からのエマルジョンを転相する工程
を含む方法であって、a)における水相、もしくはb)における油相、または両相に乳化剤が添加されている方法。
(態様項2)
用いる膜は、多孔質無機膜、好ましくはセラミック膜、特に好ましくは、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムまたは酸化チタンの膜、好ましくは酸化アルミニウムの膜であることを特徴とする、態様1に記載の方法。
(態様3)
用いる膜の孔寸法は、0.2〜5μm、好ましくは0.3〜3μmであることを特徴とする、態様1または2に記載の方法。
(態様4)
油相に用いる油は、鉱油、白油および植物油の群から選択される物質であることを特徴とする、態様1〜3のいずれかに記載の方法。
(態様5)
用いる乳化剤は、初めに油相に導入されている非イオン性乳化剤であることを特徴とする、態様1〜4のいずれかに記載の方法。
(態様6)
工程a)において、乳化を30〜35℃の温度で実施することを特徴とする、態様1〜5のいずれかに記載の方法。
(態様7)
工程c)の転相を、少なくとも1K/minの冷却速度で実施することを特徴とする、態様1〜6のいずれかに記載の方法。
(態様8)
膜間圧力差は、0.5×10 Pa〜25×10 Pa、好ましくは0.15×10 Pa〜5×10 Paであることを特徴とする、態様1〜7のいずれかに記載の方法。
(態様9)
全工程において、方法を連続的に実施することを特徴とする、態様1〜8のいずれかに記載の方法。
(態様10)
活性成分は、薬剤活性成分、好ましくは動物用のための薬剤活性成分、特に好ましくは、ワクチン製剤のための抗原であることを特徴とする、態様1〜9のいずれかに記載の方法。
(態様11)
活性成分は、
抗原、好ましくはウィルスおよび微生物、特にバクテリアおよび寄生虫、ならびに、
ペプチド鎖を含んで成る調製物、好ましくはタンパク質および糖タンパク質、特に好ましくは、微生物から得られたタンパク質および糖タンパク質、遺伝子操作によって調製された合成ペプチドおよびタンパク質およびペプチド
を含んで成る群から選択することを特徴とする、態様10に記載の方法。
(態様12)
態様1〜11のいずれかに記載の方法から得ることができる、W/O/W型の複合エマルジョン。
(態様13)
人間または動物医療用ワクチンとしての、態様12に記載のエマルジョンの使用。



図1は、実施例で用いる実験装置の概略図である。 図2は、方法を実施するための多段式装置の略図である。

Claims (1)

  1. 1または複数の活性成分を含んで成る、貯蔵時に安定な、水/油/水(W/O/W)型の複合エマルジョンの調製方法であって、
    a) 水相に活性成分を入れて攪拌する工程、
    b) 水相を、大きな孔を有する多孔質膜を介して油相に通すことにより、水相を乳化する工程、
    c) 少なくとも0.3K/minの冷却速度で混合物を冷却することにより、b)からのエマルジョンを転相する工程
    を含む方法であって、a)における水相、もしくはb)における油相、または両相に乳化剤が添加されている方法。
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