JP4785746B2 - 貯蔵安定性を有する複合エマルジョンの製造方法 - Google Patents
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Description
a) 水相に活性成分を入れて攪拌すること、
b) 該水相を、大きな孔を有する多孔質膜を介して油相に通す(または導く)ことにより、該水相を乳化すること、
c) a)における水相、もしくはb)における油相、または両相に乳化剤が添加されていて、少なくとも0.3K/minの冷却速度で混合物を冷却することにより、b)からのエマルジョンを転相すること
である。
該方法を用いて、供給材料および操作条件の適切な選択によって、非常に狭い粒子寸法分布および1μm〜3μmの平均粒子直径(油相)を得ることができることを見出した。
ホウ酸、リン酸、N−2−(アセタミド)−2−アミノエタンスルホン酸、N−2−(アセタミド)−2−イミノアセト酢酸、アラニン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、アンモニア、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸、3−[4−(2−ヒドロキシエチル)1−ピペラジニル]−プロパンスルホン酸、ヒスチジン、イミダゾール、乳酸、2−モルホリノエタンスルホン酸、2−モルホリノプロパンスルホン酸、ピペラジン−1,4−ビス(2−エタンスルホン酸)、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−2−アミノエタンスルホン酸、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、トリエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、クエン酸。
材料:
A. 50mM ヘペス(HEPES)緩衝液 pH8.32 50.00%
B. モンタニド(Montanide)ISA 206 49.95%
C. トリエチルアミン(TEA) 0.05%
以下のデバイスを用いた:
2つのガラス容器(各2l):1、2
蠕動ポンプ(Vender SF1500):3
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)ポンプ:4
膜モジュール:5
膜(Inorcermic、孔寸法1.0μm):6
3方弁:7
ホース、ホース接続
熱交換器:8
生成物容器(2lのガラス容器):9
以下の装置を、図1のスキームに従って実験室規模で使用した:
TEAを含んで成る油相1およびヘペス緩衝液から成る水相2を、33℃に加熱した。この温度に達した後、1.0μmの孔直径を有する、モジュールと称されるケース5に設置されているセラミック膜を介して、2つの相を互いに接触させて、水相の全てが油相と混合するまで、ポンプ3および4によって循環させた。いわゆる膜乳化の後、生じたW/Oエマルジョンを、バルブ7を介して、熱交換器8を通して、転相を行う間に、4℃まで冷却した。冷却速度は、2.5K/minであった。生じた複合W/O/Wエマルジョンを、生成物容器9に集めた。該エマルジョンは、滴直径2.3μmの液滴を有した。
全ての実験パラメータは、表1に示す。
A. 50mM ヘペス(HEPES)緩衝液 pH8.32 48.50%
B. MKS濃縮物(一価) 1.50%
C. モンタニド(Montanide)ISA 206 49.95%
D. トリエチルアミン(TEA) 0.05%
以下のデバイスを用いた:
比較例1
膜(Inorcermic、孔寸法1.0μm):6
MKS濃縮物を含むヘペス緩衝液から成る水相、およびTEAを含んで成る油相を33℃まで加熱した。33℃に到達したら、1.0μmの孔直径を有するセラミック膜を介して2つの相を互いに接触させ、全ての水相が油相と混合するまで循環させた。生じたW/Oエマルジョンを、転相が起こる間に、熱交換器を通して4℃まで冷却した。冷却速度は、2.5K/minであった。生じた複合W/O/Wエマルジョンは、2.0μmの液滴直径を有する液滴を有した。好ましい実験パラメータは、実施例1および表1に対応している。
材料:
A. 50mM ヘペス(HEPES)緩衝液 pH8.32 45.50%
B. MKS濃縮物(一価) 4.50%
C. モンタニド(Montanide)ISA 206 49.95%
D. トリエチルアミン(TEA) 0.05%
以下のデバイスを用いた:
比較例 1
膜(Inorcermic、孔寸法3.0μm):6
MKS濃縮物を含むヘペス緩衝液から成る水相、およびTEAを含んで成る油相を33℃まで加熱した。33℃に到達したら、3.0μmの孔直径を有するセラミック膜を介して2つの相を互いに接触させ、全ての水相が油相と混合するまで循環させた。生じたW/Oエマルジョンを、転相が起こる間、熱交換器を通して4℃まで冷却した。冷却速度は、2.3K/minであった。生じた複合W/O/Wエマルジョンは、2.0μmの液滴直径を有する液滴を有した。
全ての実験パラメータは、表1に示す。
材料:
A. 50mM ヘペス(HEPES)緩衝液 pH8.32 45.50%
B. MKS濃縮物(一価) 4.50%
C. モンタニド(Montanide)ISA 206 49.95%
D. トリエチルアミン(TEA) 0.05%
以下のデバイスを用いた:
比較例1
膜(Inorcermic、孔寸法3.0μm):6
全ての実験装置を、121℃で30分間、予め蒸気滅菌し、絶対的な無菌条件の下、実験を行った。実験の更なる過程は、実施例3に対応している。冷却速度は、1.3K/minであった。用いた膜は、3μmの孔直径を有した。生じた複合W/O/Wエマルジョンは、3μmの滴直径を有する液滴を有した。その後の動物への注入により、常套の方法を用いて調製したワクチンの効果を基準にして、100%の効果を与えた。
全ての実験パラメータは、表1に示す。
尚、本発明は以下の態様を含む:
(態様1)
1または複数の活性成分を含んで成る、貯蔵時に安定な、水/油/水(W/O/W)型の複合エマルジョンの調製方法であって、
a) 水相に活性成分を入れて攪拌する工程、
b) 水相を、大きな孔を有する多孔質膜を介して油相に通すことにより、水相を乳化する工程、
c) 少なくとも0.3K/minの冷却速度で混合物を冷却することにより、b)からのエマルジョンを転相する工程
を含む方法であって、a)における水相、もしくはb)における油相、または両相に乳化剤が添加されている方法。
(態様項2)
用いる膜は、多孔質無機膜、好ましくはセラミック膜、特に好ましくは、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムまたは酸化チタンの膜、好ましくは酸化アルミニウムの膜であることを特徴とする、態様1に記載の方法。
(態様3)
用いる膜の孔寸法は、0.2〜5μm、好ましくは0.3〜3μmであることを特徴とする、態様1または2に記載の方法。
(態様4)
油相に用いる油は、鉱油、白油および植物油の群から選択される物質であることを特徴とする、態様1〜3のいずれかに記載の方法。
(態様5)
用いる乳化剤は、初めに油相に導入されている非イオン性乳化剤であることを特徴とする、態様1〜4のいずれかに記載の方法。
(態様6)
工程a)において、乳化を30〜35℃の温度で実施することを特徴とする、態様1〜5のいずれかに記載の方法。
(態様7)
工程c)の転相を、少なくとも1K/minの冷却速度で実施することを特徴とする、態様1〜6のいずれかに記載の方法。
(態様8)
膜間圧力差は、0.5×10 5 Pa〜25×10 5 Pa、好ましくは0.15×10 5 Pa〜5×10 5 Paであることを特徴とする、態様1〜7のいずれかに記載の方法。
(態様9)
全工程において、方法を連続的に実施することを特徴とする、態様1〜8のいずれかに記載の方法。
(態様10)
活性成分は、薬剤活性成分、好ましくは動物用のための薬剤活性成分、特に好ましくは、ワクチン製剤のための抗原であることを特徴とする、態様1〜9のいずれかに記載の方法。
(態様11)
活性成分は、
抗原、好ましくはウィルスおよび微生物、特にバクテリアおよび寄生虫、ならびに、
ペプチド鎖を含んで成る調製物、好ましくはタンパク質および糖タンパク質、特に好ましくは、微生物から得られたタンパク質および糖タンパク質、遺伝子操作によって調製された合成ペプチドおよびタンパク質およびペプチド
を含んで成る群から選択することを特徴とする、態様10に記載の方法。
(態様12)
態様1〜11のいずれかに記載の方法から得ることができる、W/O/W型の複合エマルジョン。
(態様13)
人間または動物医療用ワクチンとしての、態様12に記載のエマルジョンの使用。
Claims (1)
- 1または複数の活性成分を含んで成る、貯蔵時に安定な、水/油/水(W/O/W)型の複合エマルジョンの調製方法であって、
a) 水相に活性成分を入れて攪拌する工程、
b) 水相を、大きな孔を有する多孔質膜を介して油相に通すことにより、水相を乳化する工程、
c) 少なくとも0.3K/minの冷却速度で混合物を冷却することにより、b)からのエマルジョンを転相する工程
を含む方法であって、a)における水相、もしくはb)における油相、または両相に乳化剤が添加されている方法。
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