以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の電子機器の一実施形態であるパーソナルコンピュータを示すブロック図である。このパーソナルコンピュータ1は、本体ユニット2と、表示部3と、操作入力部4とを備えている。
表示部3は、液晶表示デバイス等であり、本体ユニット2のインターフェース21に接続される。また、操作入力部4は、キーボードやマウス等であり、本体ユニット2のインターフェース22に接続される。
本体ユニット2は、中央処理装置(CPU)11及び記憶部12を備え、これらをバス13で接続している。また、本体ユニット2は、無線LAN14、有線LAN15、DVD装置16、ハードディスク装置17、モデム18、PCカードスロット19、オーディオコントローラ及び入出力ポート20、及び各インターフェース21、22等を備えている。
CPU11は、各種のアプリケーションを記憶部12及びハードディスク装置17等から読み出して実行し、これらのアプリケーションにより各デバイスを選択的に動作させて、様々な処理を実行する。
例えば、Windows(マイクロソフト社)の「Excel」のアプリケーションを読み出して、このアプリケーションを実行し、「Excel」の画面を表示部3に表示し、「Excel」の処理を行う。また、Windows(マイクロソフト社)の「Word」のアプリケーションを読み出して実行し、「Word」の画面を表示部3に表示し、「Word」の処理を行う。更に、「MPEG3」のアプリケーションを読み出して、このアプリケーションを実行し、オーディオコントローラ及び入出力ポート20を動作させて、音声をオーディオコントローラ及び入出力ポート20を通じて出力する。また、DVD並びにCDのアプリケーションを読み出して、このアプリケーションを実行し、表示部3やオーディオコントローラ及び入出力ポート20を動作させて、画像を表示部3に表示したり、音声をオーディオコントローラ及び入出力ポート20を通じて出力する。更に、インターネットブラウザのアプリケーションを読み出して実行し、無線LAN14、有線LAN15、及びモデム18の1つを動作させ、データをいずれかのデバイスを通じて送受する。同様に、電子メール等のアプリケーションを読み出して実行するときにも、インターネットブラウザと同様の各デバイスの1つを動作させ、データをいずれかのデバイスを通じて送受する。
パーソナルコンピュータ1においては、複数のアプリケーションを同時に開いて、これらのアプリケーションを選択的に動作させたり、あるいは幾つかのアプリケーションを同時に実行することができる。
この様な使用状況において、従来は、同時に開かれた各アプリケーションに必要な複数のデバイスの動作状態が設定されていても、これを放置したままであったので、電力が無駄に消費されていた。例えば、インターネットブラウザのための無線LAN14、有線LAN15、及びモデム18の1つを動作させながらも、インターネットブラウザを使用せずに、「Word」の画面を表示部3に表示させて使用している様な使用状況では、インターネットブラウザのために動作中となっている該1つのデバイスの電力が無駄に消費されていた。
そこで、本実施形態では、同時に複数のデバイスの動作状態が設定されているような使用状況のときに、省電力が可能なデバイスを探し出して、このデバイスの動作停止又は動作変更を促す旨を表示部3の画面に表示している。ユーザは、この画面を見て、省電力が可能なデバイスがあることを知り、入力操作部4を入力操作して、このデバイスを入力指示する。これに応答して該デバイスの動作停止又は動作変更がなされ、このデバイスの消費電力が節減もしくは低減され、省電力がなされる。
すなわち、パーソナルコンピュータ1の使用中にユーザの意思により有効な省電力を行うことができる。
パーソナルコンピュータ1では、その様な省電力を行うために、使用状態検出部31、機能停止変更部32、使用状態抽出部33、及び動作状態検出部34を設けている。これらは、CPU11によりそれぞれのプログラムを実行したり、専用のハードウェアを設けて、具現化される。また、記憶部12には、デバイス動作状態確認テーブル35、第1及び第2デバイス状態情報テーブル36、37、優先度重み付けテーブル38、第1及び第2使用状態情報テーブル39、40、省電力提案テーブル41、デバイス待機電流テーブル42、デバイス状態退避テーブル44、及び使用状態判定テーブル45を設定している。
デバイス動作状態確認テーブル35は、パーソナルコンピュータ1の各デバイスの動作状態を確認するための処理を記録したものである。
図2は、デバイス動作状態確認テーブル35の内容を例示している。図2に示す様にデバイス動作状態確認テーブル35には、各デバイスの名称(もしくは識別子等)として「輝度(0−5)」、「LCD(0−3)」、「WLAN」、「LAN」、「MODEM」、「Audio」が記録され、これらのデバイスの名称に対応してデバイスの動作状態を確認するためのそれぞれの処理が記録されている。例えば、「輝度(0−5)」は、表示部3のバックライトを示しており、このバックライトの動作状態(輝度)を確認するための処理として、「ECの設定検出」及び「消費電流値検出」が記録されている。また、「LCD(0−3)」は、表示部3の液晶表示装置を示しており、この液晶表示装置の動作状態を確認するための処理として、「OSから設定レジスタ確認」が記録されている。
尚、「輝度(0−5)」は、表示部3のバックライトを示している。「LCD(0−3)」は、表示部3の液晶表示装置を示している。「WLAN」は、無線LAN14を示している。「LAN」は、有線LAN15を示している。「MODEM」は、モデム18を示している。「Audio」は、オーディオコントローラ及び入出力ポート20を示している。また、デバイス動作状態確認テーブル35において、黒○印は選択処理を示し、×印は非選択処理を示す。
第1及び第2デバイス状態情報テーブル36、37は、基本的に同じ構成であり、複数のデバイスの動作状態を示している。第1デバイス状態情報テーブル36に第2デバイス状態情報テーブル37の内容がコピーされて、第1デバイス状態情報テーブル36が更新されることもある。
優先度重み付けテーブル38は、複数のデバイスに対する重み付けを示している。
図3は、第1及び第2デバイス状態情報テーブル36、37と優先度重み付けテーブル38の内容を例示している。図3に示す様に第1及び第2デバイス状態情報テーブル36、37のいずれも、優先度重み付けテーブル38との対で用いられる。第1及び第2デバイス状態情報テーブル36、37には、各デバイスの名称(もしくは識別子等)として「輝度(0−5)」、「LCD(0−3)」、「WLAN」、「LAN」、「MODEM」、「Audio」が記録され、これらのデバイスの名称に対応して動作状態が記録されている。例えば、「輝度(0−5)」(表示部3のバックライト)の動作状態として0〜5のいずれかの整数値が記録されており、値「0」が消灯を示し、値「1」が最小輝度を示し、値「5」が最大輝度を示す。また、「LCD(0−3)」(表示部3の液晶表示装置)の動作状態として0〜3のいずれかの整数値が記録されており、値「0」が表示オフを示し、値「1」が最小表示色16ビットを示し、値「2」が表示色24ビットを示し、値「3」が最大表示色32ビットを示す。更に、「WLAN」(無線LAN14)の動作状態、「LAN」(有線LAN15)の動作状態、「MODEM」(モデム18)の動作状態、及び「Audio」(オーディオコントローラ及び入出力ポート20)の動作状態として動作を示す「オン」又は停止を示す「オフ」が記録されている。
優先度重み付けテーブル38には、各デバイスの名称に対応して値1〜5が記録されている。図4の図表に示す様に値「1」が最も高い優先度を示し、値「3」が標準的な優先度を示し、値「5」が最も低い優先度を示す。
第1及び第2使用状態情報テーブル39、40は、基本的に同じ構成であり、複数のアプリケーションの使用状態を示している。第1使用状態情報テーブル39に第2使用状態情報テーブル40の内容がコピーされて、第1使用状態情報テーブル39が更新されることもある。
図5は、第1及び第2使用状態情報テーブル39、40の内容を例示している。図5に示す様に第1及び第2使用状態情報テーブル39、40には、アプリケーションの名称(もしくは識別子等)として「Excel」、「Word」、「MPEG3」、「DVD」、「CD」、「インターネットブラウザ」、「電子メーラー」が記録され、これらのアプリケーションの名称に対応して「稼動」又は「非稼動」が記録されている。例えば、アプリケーションの名称「Excel」に対応して「稼動」が記録されているので、このアプリケーションが使用中であることになる。また、アプリケーションの名称「Word」に対応して「非稼動」が記録されているので、このアプリケーションが使用中ではないことになる。
尚、「Excel」は、Windows(マイクロソフト社)の「Excel」のアプリケーションを示している。「Word」は、Windows(マイクロソフト社)の「Word」のアプリケーションを示している。「MPEG3」は、音声を再生出力するためのアプリケーションを示している。「DVD」は、画像及び音声をDVDから読み出して再生するためのアプリケーションを示している。「CD」は、音声をCDから読み出して再生するためのアプリケーションを示している。「インターネットブラウザ」は、データを閲覧するためのアプリケーションを示している。「電子メーラー」は、電子メールの作成及び送受等を行うためのアプリケーションを示している。
省電力提案テーブル41は、アプリケーション毎に、アプリケーションの使用状態における各デバイスの標準的な動作状態を記録したものである。
図6は、省電力提案テーブル41の内容を例示している。図6に示す様に省電力提案テーブル41の左側の列(縦方向)には、「Excel」、「Word」、「MPEG3」、「DVD」、「CD」、「インターネットブラウザ」、「電子メーラー」というアプリケーションの名称(もしくは識別子等)が記録され、該省電力提案テーブル41の上側の行(横方向)には、「輝度(0−5)」、「LCD(0−3)」、「WLAN」、「LAN」、「MODEM」、「Audio」というデバイスの名称(もしくは識別子)が記録されている。
この省電力提案テーブル41を参照することにより、アプリケーション毎に、アプリケーションの使用状態における各デバイスの標準的な動作状態を導くことができる。例えば、アプリケーションの名称「Excel」の行には、「輝度(0−5)」(表示部3のバックライト)の標準的な動作状態として値「5」が記録され、「LCD(0−3)」(表示部3の液晶表示装置)の標準的な動作状態として値「1」が記録されている。更に、「WLAN」(無線LAN14)の標準的な動作状態、「LAN」(有線LAN15)の標準的な動作状態、「MODEM」(モデム18)の標準的な動作状態、及び「Audio」(オーディオコントローラ及び入出力ポート20)の標準的な動作状態として「オフ」が記録されている。従って、「Excel」のアプリケーションを使用しているときには、「輝度(0−5)」(表示部3のバックライト)の標準的な動作状態が値「5」(最大輝度)であり、「LCD(0−3)」(表示部3の液晶表示装置)の標準的な動作状態が値「1」(最小表示色16ビット)であり、その他の各デバイスの標準的な動作状態が「オフ」ということになる。
また、アプリケーションの名称「インターネットブラウザ」については、「WLAN通信」、「LAN通信」、及び「MODEM通信」という3行に分かれ、例えば「WLAN通信」の行には、「輝度(0−5)」(表示部3のバックライト)の標準的な動作状態として値「5」が記録され、「LCD(0−3)」(表示部3の液晶表示装置)の標準的な動作状態として値「2」が記録され、「WLAN」(無線LAN14)の標準的な動作状態として「オン」が記録されている。更に、「LAN」(有線LAN15)の標準的な動作状態、「MODEM」(モデム18)の標準的な動作状態、及び「Audio」(オーディオコントローラ及び入出力ポート20)の標準的な動作状態として「オフ」が記録されている。従って、「インターネットブラウザ」のアプリケーションを使用しているときには、「輝度(0−5)」(表示部3のバックライト)の標準的な動作状態が値「5」(最大輝度)であり、「LCD(0−3)」(表示部3の液晶表示装置)の標準的な動作状態が値「2」(表示色24ビット)であり、「WLAN」(無線LAN14)の標準的な動作状態が「オン」であり、他の各デバイスの動作状態が「オフ」ということになる。
尚、省電力提案テーブル41における最後の列には、パーソナルコンピュータ1の放置状態における各デバイスの標準的な動作状態が記録されている。この放置状態における各デバイスの標準的な動作状態は、周知のオートパワーオフでの動作状態に相当する。
この様な構成において、動作状態検出部34は、デバイス動作状態確認テーブル35を参照して、デバイス毎に、デバイスの動作状態を確認するための処理を検索し、この処理を実行して、デバイスの動作状態を確認し、この確認したデバイスの動作状態を第1もしくは第2デバイス状態情報テーブル36、37に書き込む。例えば、デバイス動作状態確認テーブル35を参照して、「輝度(0−5)」(表示部3のバックライト)の動作状態を確認するための処理である「消費電流値検出」を検索し、この処理を実行して、「輝度(0−5)」(表示部3のバックライト)の動作状態として値「5」を確認し、この値「5」を第1もしくは第2デバイス状態情報テーブル36、37に書き込む。また、「LCD(0−3)」(表示部3の液晶表示装置)の動作状態を確認するための処理である「OSから設定レジスタの確認」を検索し、この処理を実行して、「LCD(0−3)」(表示部3の液晶表示装置)の動作状態として値「3」を確認し、この値「3」を第1もしくは第2デバイス状態情報テーブル36、37に書き込む。
デバイス動作状態確認テーブル35においてデバイスの動作状態を確認するための「消費電流値検出」が記録されている場合は、記憶部12のデバイス待機電流テーブル42から該デバイスの待機電流を読み出すと共に、該デバイスの消費電流を検出し、この消費電流が待機電流を超えているか否かを判定し、この消費電流が待機電流を超えていれば、該デバイスが「オン」であるとみなして、この「オン」を第2デバイス状態情報テーブル37に書き込み、またこの消費電流が待機電流以下であれば、該デバイスが「オフ」であるとみなして、この「オフ」を第2デバイス状態情報テーブル37に書き込む。
優先度重み付けテーブル38の優先度の値は、操作入力部4の入力操作により設定される。例えば、優先度重み付けテーブル38を表示部3の画面に表示した状態で、操作入力部4の入力操作により優先度重み付けテーブル38に優先度を示すそれぞれの値を書き込む。これにより、優先度重み付けテーブル38の内容が設定されて記憶される。従って、優先度重み付けテーブル38の内容は、ユーザにより決められて設定されることになる。
尚、優先度重み付けテーブル38には優先度の値としてデフォルト値「3」が予め書き込まれている。
使用状態検出部31は、アプリケーション毎に、アプリケーションの使用状態を確認し、アプリケーションが使用状態であれば、「稼動」を該アプリケーションの名称に対応付けて第1もしくは第2使用状態情報テーブル39、40に記録し、またアプリケーションが使用状態でなければ、「非稼動」を該アプリケーションの名称に対応付けて第1もしくは第2使用状態情報テーブル39、40に書き込む。
使用状態抽出部33は、第1使用状態情報テーブル39の各アプリケーションの使用状態を参照し、「稼動」となっているアプリケーション、つまり使用中のアプリケーションを検索する。そして、使用状態抽出部33は、省電力提案テーブル41における該使用中のアプリケーションの行を参照して、このアプリケーションの使用状態における各デバイスの標準的な動作状態を検索する。
更に、使用状態抽出部33は、このアプリケーションの使用状態における各デバイスの標準的な動作状態と第1デバイス状態情報テーブル36における各デバイスの現在の動作状態とを比較参照し、デバイス毎に、標準的な動作状態の消費電力よりも現在の動作状態の消費電力が大きなデバイス、すなわち現在の動作状態を標準的な動作状態に合わせることにより消費電力を低減させることが可能なデバイスを求める。
例えば、第1使用状態情報テーブル39を参照すると、「Excel」のアプリケーションが使用中であって、省電力提案テーブル41を参照すると、このアプリケーションの使用状態における「輝度(0−5)」(表示部3のバックライト)の標準的な動作状態が値「5」(最大輝度)であり、「LCD(0−3)」(表示部3の液晶表示装置)の標準的な動作状態が値「1」(最小表示色16ビット)であり、その他の各デバイスの標準的な動作状態が「オフ」である。また、第1デバイス状態情報テーブル36を参照すると、「輝度(0−5)」(表示部3のバックライト)の動作状態が値「5」であり、「LCD(0−3)」(表示部3の液晶表示装置)の動作状態が値「3」であり、「WLAN」(無線LAN14)の動作状態が「オフ」であり、その他の各デバイスの動作状態が「オン」である。
従って、省電力提案テーブル41における「Excel」の行と第1デバイス状態情報テーブル36間で、「輝度(0−5)」(表示部3のバックライト)の動作状態及び「WLAN」(無線LAN14)の動作状態が一致し、他の各デバイスの動作状態が異なる。そして、該他の各デバイスのいずれについても、標準的な動作状態の消費電力よりも現在の動作状態の消費電力が大きくなっている。
仮に、この「Excel」のアプリケーションのみが使用中であるならば、該他の各デバイスの現在の動作状態を省電力提案テーブル41における「Excel」の行のそれぞれの標準的な動作状態に合わせれば、該他の各デバイスの消費電力が低減し、省電力を行うことができる。
また、複数のアプリケーションが同時に使用中であるならば、省電力提案テーブル41を参照して、デバイス毎に、該各アプリケーションの使用状態におけるデバイスの標準的な動作状態として、デバイスの消費電力が最大となる標準的な動作状態を選択する。そして、各デバイスの消費電力が最大となるそれぞれの標準的な動作状態と第1デバイス状態情報テーブル36における各デバイスの現在の動作状態とを比較参照し、デバイス毎に、標準的な動作状態の消費電力よりも現在の動作状態の消費電力が大きなデバイス、すなわち現在の動作状態を標準的な動作状態に合わせることにより消費電力を低減させることが可能なデバイスを求める。
例えば、第1使用状態情報テーブル39を参照すると、「Excel」のアプリケーション及び「電子メーラー」のアプリケーションが使用中になっている。そして、「電子メーラー」のアプリケーションにより「LAN」(有線LAN15)が動作状態に設定されているものとする。省電力提案テーブル41を参照して、デバイス毎に、「Excel」及び「電子メーラー」(「LAN」)の使用状態におけるデバイスの標準的な動作状態として、デバイスの消費電力が最大となる標準的な動作状態を選択すると、「輝度(0−5)」(表示部3のバックライト)の動作状態の値「5」、「LCD(0−3)」(表示部3の液晶表示装置)の動作状態の値「1」、及び「LAN」(有線LAN15)の動作状態の「オン」が選択される。また、「WLAN」(無線LAN14)の動作状態の「オフ」、「MODEM」(モデム18)の動作状態の「オフ」、及び「Audio」(オーディオコントローラ及び入出力ポート20)の動作状態の「オフ」が選択される。
従って、省電力提案テーブル41における「Excel」もしくは「電子メーラー」(「LAN」)の行と第1デバイス状態情報テーブル36間で、「輝度(0−5)」(表示部3のバックライト)の動作状態が一致する。また、「LCD(0−3)」(表示部3の液晶表示装置)の動作状態が異なる。更に、「LAN」(有線LAN15)の動作状態及び「WLAN」(無線LAN14)の動作状態が一致する。また、「MODEM」(モデム18)の動作状態及び「Audio」(オーディオコントローラ及び入出力ポート20)の動作状態が異なる。
この場合は、「LCD(0−3)」(表示部3の液晶表示装置)の動作状態を第1デバイス状態情報テーブル36における値「3」から省電力提案テーブル41における値「1」に変更すれば、このデバイスの消費電力が低減する。また、「MODEM」(モデム18)の動作状態及び「Audio」(オーディオコントローラ及び入出力ポート20)の動作状態を第1デバイス状態情報テーブル36における値「オン」から省電力提案テーブル41における値「オフ」に変更すれば、これらのデバイスの消費電力が低減する。
こうして使用状態抽出部33は、標準的な動作状態に合わせることにより消費電力が低減するデバイスを求めると、このデバイスの停止又は動作状態の変更による省電力モードの実施を促す旨のメッセージを表示部3の画面に表示する。
複数のデバイスがあれば、優先度重み付けテーブル38における該各デバイスの優先度を参照し、該各デバイスの優先度に従った順序で、該各デバイスの省電力を促す。
例えば、「Excel」のアプリケーション及び「電子メーラー」のアプリケーションが使用中になっており、標準的な動作状態に合わせることにより消費電力が低減するデバイスが「LCD(0−3)」(表示部3の液晶表示装置)、「MODEM」(モデム18)、及び「Audio」(オーディオコントローラ及び入出力ポート20)であれば、優先度重み付けテーブル38における該各デバイスの優先度に従って該各デバイスの省電力を促す。
ユーザは、この表示部3の画面のメッセージを見て、省電力モードの設定が可能なことを知り、更に「LCD(0−3)」(表示部3の液晶表示装置)の動作状態、「MODEM」(モデム18)の動作状態、及び「Audio」(オーディオコントローラ及び入出力ポート20)の動作状態の変更により省電力が実施可能なことを知る。そして、ユーザは、入力操作部4を入力操作して、省電力モードの設定を指示し、更に停止又は動作状態の変更を望むデバイスを入力指示する。例えば、表示部3の液晶表示装置の動作状態を維持し、オーディオコントローラ及び入出力ポート20を停止させても良いと判断したならば、「Audio」(オーディオコントローラ及び入出力ポート20)を入力指示する。
図8(a)は、優先度重み付けテーブル38を例示している。図8(a)の優先度重み付けテーブル38には、「輝度(0−5)」(表示部3のバックライト)、「LCD(0−3)」(表示部3の液晶表示装置)、「WLAN」(無線LAN14)、「LAN」(有線LAN15)、「MODEM」(モデム18)、及び「Audio」(オーディオコントローラ及び入出力ポート20)別に、それらの優先度の値1〜5が記録されている。ここでは、いずれの優先度もデフォルト値「3」となっている。先に述べた様に操作入力部4の入力操作により、例えば図8(b)に示す様に優先度重み付けテーブル38の優先度を変更することができる。そして、省電力可能なデバイスが「LAN」(有線LAN15)、「WLAN」(無線LAN14)、「MODEM」(モデム18)、及び「Audio」(オーディオコントローラ及び入出力ポート20)であるならば、表示部3の画面には、図7(a)に示す様に該各デバイスの名称がそれらの優先度に従って順次表示され、該各デバイスの名称に対応するそれぞれのチェックボックス3aが表示され、OKボタン3b及びキャンセルボタン3cが表示される。ユーザは、この画面において停止又は動作状態の変更を望むデバイスの名称が表示されていれば、操作入力部4を入力操作して、図7(b)に示す様に該デバイスの名称に対応するチェックボックス3aをチェックして、OKボタン3bを押す。これにより、停止又は動作状態の変更を望むデバイスが指示される。
機能停止変更部32は、停止又は動作状態の変更を望むデバイスが指示されると、省電力提案テーブル41における使用中のアプリケーションの行を参照して、このアプリケーションの使用状態における該デバイスの標準的な動作状態を検索し、このデバイスを該標準的な動作状態に切り替えて、このデバイスの停止又は動作状態の変更を行う。このとき、複数のアプリケーションが同時に使用中であるならば、省電力提案テーブル41を参照して、該各アプリケーションの使用状態における該デバイスの消費電力が最大となる標準的な動作状態を選択し、このデバイスを該最大となる標準の動作状態に切り替えて、このデバイスの停止又は動作状態の変更を行う。例えば、オーディオコントローラ及び入出力ポート20をオンからオフに切り替えて、オーディオコントローラ及び入出力ポート20を停止させる。これにより、オーディオコントローラ及び入出力ポート20の消費電力が低減され、省電力がなされる。
また、機能停止変更部32は、オーディオコントローラ及び入出力ポート20の動作状態の詳細、例えばボリュームやトーン調整等を記憶部12のデバイス状態退避テーブル44に記憶して退避させる。
尚、他のデバイスの動作状態の詳細としては、表示部3のバックライトの輝度、表示部3の液晶表示装置の表示色、無線LAN14の無線出力等がある。
この様に現在の動作状態を省電力提案テーブル41における使用中のアプリケーションの行の標準的な動作状態に合わせることにより省電力が可能なデバイスの名称を表示し、ユーザの入力指示に応答して該デバイスを停止させたり、その動作状態を変更している。これにより、使用中のアプリケーションにより動作させられるデバイスの動作状態を適宜に保持しながらも、未使用のアプリケーションにより動作させられるはずのデバイスを停止させるかその動作状態を変更して、省電力を行うことができる。
一方、未使用のアプリケーションが再び使用される様になったときには、使用状態検出部31により第2使用状態情報テーブル40における該アプリケーションの使用状態が「非稼動」から「稼動」に書き換えられる。
使用状態抽出部33は、第2使用状態情報テーブル40における該アプリケーションの使用状態が「非稼動」から「稼動」に書き換えられると、省電力提案テーブル41における使用中となった該アプリケーションの行を参照して、このアプリケーションの使用状態における各デバイスを検索し、デバイス状態退避テーブル44を参照して、該各デバイスのうちに停止又は動作状態の変更がなされたデバイスがあるか否かを確認して求める。機能停止変更部32は、この求めたデバイスの動作状態の詳細をデバイス状態退避テーブル44から読み出して、このデバイスの動作状態の詳細を設定する。
この様に使用中となったアプリケーションがあれば、このアプリケーションの使用状態における各デバイスを検索して、停止又は動作状態の変更がなされたデバイスを確認して求め、この求めたデバイスの動作状態の詳細をデバイス状態退避テーブル44から読み出して設定している。これにより、格別な操作を行わなくても、使用中となったアプリケーションに必要なデバイスを自動的に復帰させてその動作状態を設定することができる。
次に、図9のフローチャートに従って、パーソナルコンピュータ1における省電力の処理過程を整理して説明する。
まず、パーソナルコンピュータ1の電源がオンにされて、パーソナルコンピュータ1が起動される(ステップS101)。そして、ユーザにより操作入力部4が操作されて、所望のアプリケーションが起動され、このアプリケーションによる処理が行われる。このとき、このアプリケーションに必要な各デバイスの動作状態が設定される。
この様なパーソナルコンピュータ1の使用状況において、動作状態検出部34は、デバイス動作状態確認テーブル35を参照し、デバイス毎に、デバイスの動作状態を確認するための処理を検索して実行し、デバイスの動作状態を確認し(ステップS102)、この確認したデバイスの動作状態を第1デバイス状態情報テーブル36に書き込む(ステップS103)。
また、使用状態検出部31は、アプリケーション毎に、アプリケーションの使用状態を確認し(ステップS104)、アプリケーションが使用状態であれば、「稼動」を該アプリケーションの名称に対応付けて第1使用状態情報テーブル39に記録し、またアプリケーションが使用状態でなければ、「非稼動」を該アプリケーションの名称に対応付けて第1使用状態情報テーブル39に書き込む(ステップS105)。
次に、CPU11は、タイマー(図示せず)を起動して、一定時間の計時を開始する(ステップS106)。
この一定時間の間に、使用状態検出部31は、アプリケーション毎に、アプリケーションの使用状態を確認し(ステップS107)、アプリケーションが使用状態であれば、「稼動」を該アプリケーションの名称に対応付けて第2使用状態情報テーブル40に記録し、またアプリケーションが使用状態でなければ、「非稼動」を該アプリケーションの名称に対応付けて第2使用状態情報テーブル40に記録する(ステップS108)。これにより、アプリケーションの現在の使用状態が第2使用状態情報テーブル40に記録される。そして、使用状態抽出部33は、第1使用状態情報テーブル39の内容と第2使用状態情報テーブル40の内容が一致するか異なるか、つまり各アプリケーションの使用状態が変更されているか否かを判定する(ステップS109)。
使用状態抽出部33は、第1使用状態情報テーブル39の内容と第2使用状態情報テーブル40の内容が異なり、各アプリケーションの使用状態が変更されていると判定すると(ステップS109で「No」)、省電力提案テーブル41における該各使用中のアプリケーションの行を参照して、これらのアプリケーションの使用状態における各デバイスを検索し、該各デバイスのうちに省電力のために停止又は動作状態の変更が既になされたデバイスがあるか否かを判定する(ステップS110)。
これまでの処理では、省電力のために停止又は動作状態の変更が既になされたデバイスがないので、この様なデバイスがないと判定されて(ステップS110で「No」)、ステップS111に移る。
また、第1使用状態情報テーブル39の内容と第2使用状態情報テーブル40の内容が一致し、各アプリケーションの使用状態が変更されていないと判定されても(ステップS110で「Yes」)、ステップS111に移る。
この一定時間の計時が終了しなければ(ステップS111で「No」)、ステップS107〜110が繰り返し行われ、この一定時間の計時が終了すると(ステップS111で「Yes」)、次のステップ112に移る。
次に、動作状態検出部34は、デバイス動作状態確認テーブル35を参照し、デバイス毎に、デバイスの動作状態を確認するための処理を検索し実行して、デバイスの動作状態を確認し(ステップS112)、この確認したデバイスの動作状態を第1デバイス状態情報テーブル36に書き込んで、第1デバイス状態情報テーブル36を更新する(ステップS113)。この第1デバイス状態情報テーブル36の更新は、各アプリケーションの使用状態が変更されると(ステップS109で「No」)、各デバイスの動作状態も変更されている可能性があるためである。
同時に、使用状態検出部31は、第2使用状態情報テーブル40の内容を第1使用状態情報テーブル39にコピーして、第1使用状態情報テーブル39を更新する。
従って、第1デバイス状態情報テーブル36には各デバイスの現在の動作状態が記録され、第1使用状態情報テーブル39には各アプリケーションの現在の使用状態が記録される。
この後、使用状態抽出部33は、第1使用状態情報テーブル39の各アプリケーションの使用状態を参照し、「稼動」となっているアプリケーション、つまり使用中のアプリケーションを検索する。また、使用状態抽出部33は、省電力提案テーブル41における該使用中のアプリケーションの行を参照して、このアプリケーションの使用状態における各デバイスの標準的な動作状態を検索する(ステップS114)。
そして、使用状態抽出部33は、このアプリケーションの使用状態における各デバイスの標準的な動作状態と第1デバイス状態情報テーブル36における各デバイスの現在の動作状態とを比較参照し、デバイス毎に、標準的な動作状態の消費電力よりも現在の動作状態の消費電力が大きいか否かを判定し、現在の動作状態を標準的な動作状態に合わせることにより消費電力の低減が可能なデバイスを求める(ステップS115)。
先に述べた様に複数のアプリケーションが同時に使用中であるならば、省電力提案テーブル41を参照して、デバイス毎に、該各アプリケーションの使用状態におけるデバイスの標準的な動作状態として、デバイスの消費電力が最大となる標準的な動作状態を選択する。そして、各デバイスの消費電力が最大となるそれぞれの標準的な動作状態と第1デバイス状態情報テーブル36における各デバイスの現在の動作状態とを比較参照し、デバイス毎に、標準的な動作状態の消費電力よりも現在の動作状態の消費電力が大きなデバイス、すなわち現在の動作状態を標準的な動作状態に合わせることにより消費電力の低減が可能なデバイスを求める。
このとき、現在の動作状態を標準的な動作状態に合わせることにより消費電力の低減が可能なデバイスがなければ(ステップS115で「No」)、ステップS106に戻る。
また、該当するデバイスがあれば(ステップS115で「Yes」)、使用状態抽出部33は、省電力モードを促す旨のメッセージを表示部3の画面に表示する(ステップS116)。
このとき、ユーザが入力操作部4を入力操作して、省電力モードの設定を指示すると(ステップS117で「Yes」)、使用状態抽出部33は、現在の動作状態を標準的な動作状態に合わせることにより消費電力の低減が可能なデバイスの名称を表示部3の画面に表示する。また、該当する複数のデバイスがあれば、先に述べた様に優先度重み付けテーブル38における該各デバイスの優先度を参照し、例えば図7(a)に示す様に該各デバイスの優先度に従った順序で、該各デバイスの名称を表示する(ステップS118)。
更に、ユーザは、入力操作部4を入力操作して、表示部3の画面上で停止又は動作状態の変更を望むデバイスを入力指示する。例えば、図7(b)に示す様に「WLAN」(無線LAN14)及び「Audio」(オーディオコントローラ及び入出力ポート20)に対応するそれぞれのチェックボックス3aをチェックして、OKボタン3bを押し、これにより停止又は動作状態の変更を望む該各デバイスを指示する。
機能停止変更部32は、停止又は動作状態の変更を望む該各デバイスが指示されると、該各デバイスの動作状態の詳細を記憶部12のデバイス状態退避テーブル44に記憶して退避させる(ステップS119)。そして、機能停止変更部32は、省電力提案テーブル41における使用中のアプリケーションの行を参照して、このアプリケーションの使用状態における該各デバイスの標準的な動作状態を検索し、これらのデバイスをそれぞれの標準的な動作状態に切り替えて、これらのデバイスの停止又は動作状態の変更を行う。複数のアプリケーションが同時に使用中であるならば、省電力提案テーブル41を参照して、該各アプリケーションの使用状態における該各デバイスの消費電力が最大となる標準的な動作状態を選択し、これらのデバイスをそれぞれの消費電力が最大となる標準の動作状態に切り替えて、これらのデバイスの停止又は動作状態の変更を行い、省電力を実施する(ステップS120)。例えば、「WLAN」(無線LAN14)及び「Audio」(オーディオコントローラ及び入出力ポート20)を停止させ、省電力を実施する。この後、ステップS106に戻る。
また、ユーザにより省電力モードの設定が指示されなければ(ステップS117で「No」)、省電力のためのデバイスの停止や動作変更を行わずに(ステップS121)、ステップS106に戻る。
次に、ステップS106に戻ると、タイマー(図示せず)が起動されて、一定時間の計時が開始される。使用状態検出部31は、アプリケーション毎に、アプリケーションの使用状態を確認し(ステップS107)、各アプリケーションの「稼動」又は「非稼動」、つまり各アプリケーションの現在の使用状態を第2使用状態情報テーブル40に記録する(ステップS108)。そして、使用状態抽出部33は、第1使用状態情報テーブル39の内容と第2使用状態情報テーブル40の内容が一致するか異なるか、つまり各アプリケーションの使用状態が変更されているか否かを判定する(ステップS109)。
第1使用状態情報テーブル39の内容と第2使用状態情報テーブル40の内容が一致し、各アプリケーションの使用状態が変更されていなければ(ステップS110で「Yes」)、一定時間の計時が終了するまで、ステップS107〜110が繰り返し行われ、この一定時間の計時が終了してから(ステップS111で「Yes」)、次のステップ112に移る。
また、第1使用状態情報テーブル39の内容と第2使用状態情報テーブル40の内容が異なり、各アプリケーションの使用状態が変更されていれば(ステップS109で「No」)、使用状態抽出部33は、第1及び第2使用状態情報テーブル39、40の内容を比較参照して、各使用中のアプリケーションを求め、省電力提案テーブル41における該各使用中のアプリケーションの行を参照して、これらのアプリケーションの使用状態における各デバイスを検索し、デバイス状態退避テーブル44を参照して、該各デバイスのうちに停止又は動作状態の変更がなされたデバイスがあるか否かを判定する(ステップS110)。機能停止変更部32は、省電力のために停止又は動作状態の変更がなされたデバイスがあれば(ステップS110で「Yes」)、このデバイスの動作状態の詳細をデバイス状態退避テーブル44から読み出して、このデバイスの動作状態の詳細を設定する(ステップS122)。これにより、格別な操作を行わなくても、使用中となったアプリケーションに必要なデバイスを自動的に復帰させてその動作状態を設定することができる。
こうしてデバイスの動作状態が復帰されると、使用状態検出部31は、第2使用状態情報テーブル40の内容を第1使用状態情報テーブル39にコピーして、第1使用状態情報テーブル39を更新する(ステップS123)。これにより、第1使用状態情報テーブル39に各アプリケーションの現在の使用状況が記録される。
更に、デバイスの動作状態を復帰させたことから、動作状態検出部34は、デバイス動作状態確認テーブル35を参照し、デバイス毎に、デバイスの動作状態を確認するための処理を検索して実行し、この確認したデバイスの動作状態を第1デバイス状態情報テーブル36に書き込む(ステップS124、S125)。これにより、第1デバイス状態情報テーブル36に各デバイスの現在の動作状態が記録される。この後、ステップS106に戻る。
この様に第1使用状態情報テーブル39から各使用中のアプリケーションを検索し、省電力提案テーブル41における該使用中のアプリケーションの行を参照して、このアプリケーションの使用状態における各デバイスの標準的な動作状態を検索し、このアプリケーションの使用状態における各デバイスの標準的な動作状態と第1デバイス状態情報テーブル36における各デバイスの現在の動作状態とを比較参照して、現在の動作状態を標準的な動作状態に合わせることにより消費電力の低減が可能なデバイスを求め、該当するデバイスがあれば、省電力モードを促す旨のメッセージを表示し、ユーザによる指示に応答して該当するデバイスの停止又は動作変更を行って、省電力を実施している。
また、アプリケーションの使用状態が変更されると、第1及び第2使用状態情報テーブル39、40の内容を比較参照して、各使用中のアプリケーションを求め、省電力提案テーブル41における該各使用中のアプリケーションの行を参照して、これらのアプリケーションの使用状態における各デバイスを検索し、デバイス状態退避テーブル44を参照して、該各デバイスのうちに停止又は動作状態の変更がなされたデバイスがあれば、この動作状態の詳細を読み出して、このデバイスの動作状態の詳細を設定している。これにより、格別な操作を行わなくても、必要なデバイスを自動的に復帰させてその動作状態を設定することができる。
次に、図10のフローチャートに従って、動作状態検出部34によるデバイスの消費電力に基づく動作状態の確認処理を述べる。この処理例は、図9のステップS102、S112、S125、S126に適用することができる。
まず、動作状態検出部34は、デバイス動作状態確認テーブル35を参照し、デバイス毎に、デバイスの動作状態を確認するための処理である「消費電流値検出」を読み出して、デバイスに対する電力供給ラインの抵抗の電圧降下(V1−V2)を検出し、この電圧降下及び該抵抗の抵抗値(R)から該デバイスの平均消費電流を求める(ステップS201)。
そして、動作状態検出部34は、デバイス毎に、デバイスの待機電流をデバイス待機電流テーブル42から読み出して、デバイスの平均消費電流が該デバイスの待機電流よりも大きいか否かを判定する(ステップS202)。このとき、デバイスの平均消費電流が該デバイスの待機電流よりも大きければ(ステップS202で「Yes」)、このデバイスが動作状態であると判定する(ステップS203)。
また、デバイスの平均消費電流が該デバイスの待機電流よりも大きくなければ(ステップS202で「No」)、動作状態検出部34は、デバイスの平均消費電流が該デバイスの待機電流よりも小さいか否かを判定する(ステップS204)。そして、デバイスの平均消費電流が該デバイスの待機電流よりも小さければ(ステップS204で「Yes」)、このデバイスが停止していると判定する(ステップS205)。
更に、デバイスの平均消費電流が該デバイスの待機電流よりも小さくなければ(ステップS204で「No」)、デバイスの平均消費電流が該デバイスの待機電流に等しいことから、このデバイスが待機状態にあると判定する(ステップS206)。
こうして判定したデバイスの動作状態は、第1もしくは第2デバイス状態情報テーブル36、37に書き込まれる。すなわち、デバイスの消費電流が待機電流よりも大きければ、「オン」が書き込まれ、デバイスの消費電流が待機電流よりも小さいか等しければ、「オフ」が書き込まれる。
次に、図11のフローチャートに従って、使用状態検出部31によるアプリケーションの使用状態を確認するための処理例を述べる。この処理例は、図9のステップS102、S104、S107に適用することができる。
まず、使用状態検出部31は、例えばWindows(マイクロソフト社)のウィンドゥを監視する機能を通じて、アプリケーションのウィンドゥの1つのみが開かれているか否かを判定する(ステップS301)。そして、アプリケーションのウィンドゥの1つのみが開かれているならば(ステップS301で「Yes」)、このアプリケーションが使用状態であると判定する(ステップS302)。
また、複数のアプリケーションのウィンドゥが開かれているならば(ステップS301で「No」)、使用状態検出部31は、ウィンドゥの監視機能を通じて、操作入力部4の操作入力に応答動作している1つのアプリケーションがあるか否かを判定する(ステップS303)。そして、該当する1つのアプリケーションがあれば(ステップS303で「Yes」)、このアプリケーショが使用状態であると判定する(ステップS304)。
また、操作入力部4の操作入力に応答動作している1つのアプリケーションがなければ(ステップS303で「No」)、使用状態検出部31は、ウィンドゥの監視機能を通じて、アプリケーションのウィンドゥ毎に、ウィンドゥがアクティブになっているか否かを判定し、アプリケーションのウィンドゥがアクティブになっていれば、このアプリケーションを使用状態であると判定し(ステップS305)、アプリケーションのウィンドゥがアクティブになっていなければ、このアプリケーションが使用状態でないと判定する(ステップS306)。
更に、使用状態検出部31は、使用状態のアプリケーションを検出すると、図12に示す様な記憶部12の使用状態判定テーブル45における該使用状態のアプリケーションの優先度を高くする。ここでは、使用状態判定テーブル45における各アプリケーションの優先度としてデフォルト値「3」が予め設定されており、このデフォルト値「3」を小さく更新して、アプリケーションの優先度を高くする。そして、使用状態検出部31は、使用状態判定テーブル45における最も優先度の高い少なくとも1つのアプリケーションを「稼動」とし、他のアプリケーションを「非稼動」として、第1もしくは第2使用状態情報テーブル39、40の内容を設定する。
次に、図13のフローチャートに従って、図9のステップS121の処理を詳しく説明する。
図9のステップS121の処理では、省電力を行わない。この場合、CPU11は、第1使用状態情報テーブル39を参照し、使用中のアプリケーションを検索して、この使用中のアプリケーションを除き、かつウィンドゥの監視機能を通じて、ウィンドゥが開かれていても使用されていないアプリケーションを検出して、このウィンドゥが開かれていても使用されていないアプリケーションの名称を表示部3の画面に表示する(ステップS401)。
このとき、CPU11は、ウィンドゥが開かれていても使用されていないアプリケーションがなければ(ステップS402で「No」)、ステップS403以降の処理を行わずに、図9のステップS106に戻る。
また、CPU11は、ウィンドゥが開かれていても使用されていないアプリケーションがあれば(ステップS402で「Yes」)、第1及び第2使用状態情報テーブル39、40における該アプリケーションの記憶部位をマスクする(ステップS403)。
更に、CPU11は、省電力提案テーブル41における該アプリケーションの行の各デバイスの動作状態を参照して、該アプリケーションにより動作されるはずの各デバイスを抽出し(ステップS404)、第1及び第2デバイス状態情報テーブル36、37における該各デバイスの記憶部位をマスクする(ステップS405)。
これにより、第1及び第2使用状態情報テーブル39、40における該アプリケーションの使用状態の書き込み及び読み出しが不可能なり、かつ第1及び第2デバイス状態情報テーブル36、37における該各デバイスの動作状態の書き込み及び読み出しが不可能になる。このため、以降の処理では、該アプリケーション及び該各デバイスについては省電力が行われなくなり、省電力のための入力操作が省略され、ユーザに対する負荷が軽減される。
ただし、パーソナルコンピュータ1の電源投入に際しては、第1及び第2使用状態情報テーブル39、40のマスク及び第1及び第2デバイス状態情報テーブル36、37のマスクを除去して、元の状態に戻す。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、多様に変形することができる。例えば、アプリケーション及びデバイスの種類及び数を任意に設定しても構わない。
また、図9のステップS122において、停止又は動作状態の変更がなされたデバイスの動作状態を復帰させる前に、このデバイスの動作状態を復帰させる旨を表示部3の画面に表示し、操作入力部4の入力操作により該デバイスの動作状態の復帰が指示されてから、該デバイスの動作状態を復帰させる様にしても構わない。
更に、図9のステップS118において、図7(a)に示す様に各デバイスの名称を表示して、幾つかのデバイスが選択されたならば、この選択内容を記憶しておき、次回の表示に際しては、図7(c)に示す様に該幾つかのデバイスを一括して選択可能なチェックボックス3dを表示しても良い。
また、本発明は、パーソナルコンピュータだけではなく、CPUやメモリ等を備え、コンピュータと同等もしくはそれに近い機能を有する携帯型の電子機器等にも適用することができる。
更に、本発明は、電子機器そのものだけではなく、電子機器の省電力設定方法をも包含する。この省電力設定方法は、プログラムをCPU等を含むコンピュータ等により実行して実施される。従って、本発明は、省電力設定方法を実施するためのプログラム、及びそのプログラムを記憶した記録媒体をも包含する。
プログラムは、磁気ディスク、光ディスク、コンピュータに内蔵のハードディスク等の記録媒体に記録されたり、通信ネットワークを通じて送受される。コンピュータやマイクロプロセッサ内蔵の端末装置等は、プログラムを記録媒体から読み出したり、プログラムをインターネット等の通信ネットワークを通じて受信し、このプログラムを実行して、本発明を実施することができる。
更に、コンピュータ等の端末装置及びネットワーク等からなるシステムにおいては、複数の処理をコンピュータ等の端末装置に分散して行い得る。従って、プログラムは、コンピュータ等の単一の端末装置だけではなく、システムにも適用し得る。このシステムは、テレビジョン、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、CRT、液晶ディスプレイ、プリンタ、サーバ等をネットワークを通じて接続したものである。ネットワークとしては、インターネット、LAN等がある。
記録媒体としては、マスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROMといった半導体記憶素子、ICカード、ハードディスク、フレキシブルディスク、あるいはMO、CD、MD、DVD等の光ディスク、磁気テープ等を挙げることができ、プログラムを記録することが可能であれば他の種類の記録媒体であっても良い。