JP4784741B2 - 車輌の駆動力制御装置 - Google Patents
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Description
前記トラクション制御が行われていないときには、前記駆動源制御手段及び前記変速比制御手段は前記目標駆動力に基づいてそれぞれ前記駆動源の駆動力及び前記トランスミッションの変速比を制御し、
前記トラクション制御が行われているときには、前記駆動源制御手段はトラクション制御用目標駆動力を前記目標駆動力よりも小さい値に演算し、該トラクション制御用目標駆動力に基づいて前記駆動源の駆動力を制御するが、前記変速比制御手段は前記トランスミッションの変速比の変更を抑制するための変速比制御用目標駆動力を前記目標駆動力よりも小さく且つ前記トラクション制御用目標駆動力よりも大きい値に演算し、該変速比制御用目標駆動力に基づいて前記トランスミッションの変速比を制御することを特徴とする車輌の駆動力制御装置によって達成される。
何れかの駆動輪の駆動スリップ量が基準値よりも高いときには、前記トランスミッションの出力回転数及び前記トランスミッションの現在の変速比に基づいて、前記現在の変速比にて達成可能な前記駆動装置の駆動力の値に第二の修正目標駆動力を設定し、駆動輪の駆動スリップ量が前記基準値以下であるときには、前記目標駆動力及び路面の摩擦係数に基づいて演算される暫定変速比制御用目標駆動力を演算し、前記トランスミッションの現在の変速比にて達成可能な前記駆動装置の駆動力の下限値及び前記暫定変速比制御用目標駆動力のうちの大きい方の値に第二の修正目標駆動力を設定することにより、前記目標駆動力と前記トラクション制御用目標駆動力との間の値であって前記トランスミッションの変速比の変更を防止する値に第二の修正目標駆動力を演算し、
前記第一及び第二の修正目標駆動力のうちの大きい方の値を前記変速比制御用目標駆動力として演算するよう構成される(請求項2の構成)。
また上記請求項2の構成によれば、トラクション制御が行われている状況に於いて駆動輪の駆動スリップ量が基準値以下であるときには、目標駆動力及び路面の摩擦係数に基づいて暫定変速比制御用目標駆動力が演算され、トランスミッションの現在の変速比にて達成可能な駆動装置の駆動力の下限値及び暫定変速比制御用目標駆動力のうちの大きい方の値が第二の修正目標駆動力に設定される。従って目標駆動力及び路面の摩擦係数に応じて変速比制御用目標駆動力をトランスミッションの変速比の変更を抑制する値に最適に設定することができると共に、トランスミッションの変速比が不必要にアップシフト側へ変更されることを確実に防止することができる。
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至8の構成に於いて、変速比制御手段はトラクション制御が行われていないときには目標駆動力及び車速に対応する状態量に基づいてトランスミッションの変速比を制御し、トラクション制御が行われているときには変速比制御用目標駆動力及び車速に対応する状態量に基づいてトランスミッションの変速比を制御するよう構成される(好ましい態様1)。
F_t=MIN(Fp_t_now_trc,Fp_t_now_vsc) ……(1)
Fp_t_now_trcf=(1‐K1)/(1‐K1Z-1)Fp_t_now_trc ……(2)
Fp_t_future_trc1=MAX(Fp_t_now_trcf,Fp_t_now_trc) ……(3)
Fp_t_now_vscf=(1‐K2)/(1‐K2Z-1)Fp_t_now_vsc ……(4)
Fp_t_future_vsc=MAX(Fp_t_now_vscf,Fp_t_now_vsc) ……(5)
Fp_current_tiref=(1‐K3)/(1‐K3Z-1)Fp_current_tire ……(6)
Fp_current_tire=MAX(Fp_current_tiref,Fp_current_tire) ……(7)
Fp_t_future_trc2=MAX(Fp_t_low,Fp_t_m) ……(8)
Fp_t_future_trc=MAX(Fp_t_future_trc1,Fp_t_future_trc2) ……(9)
Fp_t_future=MAX(Fp_t_future_trc,Fp_t_future_vsc,Fp_t_future_tire)
……(10)
車輌の挙動が安定しておりトラクション制御も挙動制御も不要であり車輌が高横力旋回状態にはないときには、フラグF_FP_NOW及びF_FP_FUTUREはOFFであり、調停後の目標駆動力Fp_now及び調停後の修正目標駆動力Fp_futureが運転者要求目標駆動力Fp_dvmに設定されるので、目標エンジン出力トルクTet及びトランスミッション16の目標変速段Stは運転者要求目標駆動力Fp_dvmに基づいて演算され、これにより従来の駆動力制御装置の場合と同様、エンジン10の出力及びトランスミッション16の変速比は運転者の駆動要求に応じて制御される。
駆動輪の駆動スリップが過大でありトラクション制御は必要であるが、車輌の走行運動は安定的であり挙動制御は不要である場合には、制駆動力分配後の目標駆動力Fp_t_nowがトラクション制御の目標駆動力Fp_t_now_trcに基づいて設定され、トラクション制御の目標駆動力Fp_t_now_trcに基づいてトラクション制御の第一の修正目標駆動力Fp_t_future_trc1が演算されると共に、運転者の駆動要求及び路面の摩擦係数μに基づいてトランスミッション16の変速段の変更を防止するトラクション制御の第二の修正目標駆動力Fp_t_future_trc2が演算される。
駆動輪の駆動力は過剰ではなくトラクション制御は不要であるが、車輌の走行運動は不安定であり車輌の駆動力の低減制御による挙動制御は必要である場合には、制駆動力分配後の目標駆動力Fp_t_nowが挙動制御の目標駆動力Fp_t_now_vscに基づいて設定され、挙動制御の目標駆動力Fp_t_now_vscに基づいて挙動制御の修正目標駆動力Fp_t_future_vscが演算され、フラグF_FP_NOW及びF_FP_FUTUREがONに設定され、調停後の目標駆動力Fp_now及び調停後の修正目標駆動力Fp_futureがそれぞれ挙動制御の目標駆動力Fp_t_now_vsc、挙動制御の修正目標駆動力Fp_t_future_vscに設定される。
駆動輪の駆動力は過剰であり車輌の走行運動も不安定であることによりトラクション制御及び挙動制御の何れも必要である場合には、制駆動力分配後の目標駆動力Fp_t_nowがトラクション制御の目標駆動力Fp_t_now_trc及び挙動制御の目標駆動力Fp_t_now_vscのうちの小さい方の値に設定され、修正目標駆動力Fp_t_futureがトラクション制御の目標駆動力Fp_t_now_trc、挙動制御の修正目標駆動力Fp_t_future_vsc、高横力旋回制御の修正目標駆動力Fp_t_future_tireのうちの最も大きい値に設定され、フラグF_FP_NOW及びF_FP_FUTUREがONに設定され、調停後の目標駆動力Fp_now及び調停後の修正目標駆動力Fp_futureがそれぞれ目標駆動力Fp_t_now、修正目標駆動力Fp_t_futureに設定される。
16 トランスミッション
26 制動装置
32 統合制御電子制御装置
34 アクセルぺダル
36 ブレーキぺダル
40 駆動力制御電子制御装置
42 制動力制御電子制御装置
64 エンジン制御装置
66 自動変速機制御装置
68i 車輪速度センサ
70 車輌状態量検出センサ
72 制動力制御装置
74 制動操作量検出センサ
76 回転数センサ
78 μセンサ
Claims (8)
- 駆動源及びトランスミッションを含む駆動装置と、少なくとも乗員の駆動操作量に基づいて前記駆動装置の目標駆動力を演算する手段と、前記駆動源の駆動力を制御する駆動源制御手段と、前記トランスミッションの変速比を制御する変速比制御手段と、少なくとも前記駆動装置の駆動力を制御することにより駆動輪の駆動スリップを抑制するトラクション制御を行うトラクション制御手段とを有する車輌の駆動力制御装置に於いて、
前記トラクション制御が行われていないときには、前記駆動源制御手段及び前記変速比制御手段は前記目標駆動力に基づいてそれぞれ前記駆動源の駆動力及び前記トランスミッションの変速比を制御し、
前記トラクション制御が行われているときには、前記駆動源制御手段はトラクション制御用目標駆動力を前記目標駆動力よりも小さい値に演算し、該トラクション制御用目標駆動力に基づいて前記駆動源の駆動力を制御するが、前記変速比制御手段は前記トランスミッションの変速比の変更を抑制するための変速比制御用目標駆動力を前記目標駆動力よりも小さく且つ前記トラクション制御用目標駆動力よりも大きい値に演算し、該変速比制御用目標駆動力に基づいて前記トランスミッションの変速比を制御することを特徴とする車輌の駆動力制御装置。 - 前記変速比制御手段は、前記目標駆動力に基づいて前記目標駆動力に比して小さい低下勾配にて低下変化する値に第一の修正目標駆動力を演算し、
何れかの駆動輪の駆動スリップ量が基準値よりも高いときには、前記トランスミッションの出力回転数及び前記トランスミッションの現在の変速比に基づいて、前記現在の変速比にて達成可能な前記駆動装置の駆動力の値に第二の修正目標駆動力を設定し、駆動輪の駆動スリップ量が前記基準値以下であるときには、前記目標駆動力及び路面の摩擦係数に基づいて暫定変速比制御用目標駆動力を演算し、前記トランスミッションの現在の変速比にて達成可能な前記駆動装置の駆動力の下限値及び前記暫定変速比制御用目標駆動力のうちの大きい方の値に第二の修正目標駆動力を設定することにより、前記目標駆動力と前記トラクション制御用目標駆動力との間の値であって前記トランスミッションの変速比の変更を防止する値に第二の修正目標駆動力を演算し、
前記第一及び第二の修正目標駆動力のうちの大きい方の値を前記変速比制御用目標駆動力として演算することを特徴とする請求項1に記載の車輌の駆動力制御装置。 - 前記トラクション制御が行われている状況に於いて何れかの駆動輪の駆動スリップ量が基準値よりも高いときには、前記変速比制御手段は前記トランスミッションの出力回転数及び前記トランスミッションの現在の変速比に基づいて前記トランスミッションの現在の変速比にて達成可能な前記駆動装置の駆動力の下限値を求め、前記下限値よりも大きい値に前記第二の修正目標駆動力を設定することを特徴とする請求項2に記載の車輌の駆動力制御装置。
- 前記トラクション制御が行われている状況に於いて何れかの駆動輪の駆動スリップ量が基準値よりも高いときには、前記変速比制御手段は前記トランスミッションの出力回転数及び前記トランスミッションの現在の変速比に基づいて前記トランスミッションの現在の変速比にて達成可能な前記駆動装置の駆動力の上限値及び下限値を求め、前記上限値と前記下限値との間の値に前記第二の修正目標駆動力を設定することを特徴とする請求項2に記載の車輌の駆動力制御装置。
- 前記トラクション制御が行われている状況に於いて何れかの駆動輪の駆動スリップ量が基準値よりも高いときには、前記変速比制御手段は前記トランスミッションの出力回転数及び前記トランスミッションの現在の変速比に基づいて前記トランスミッションの現在の変速比にて達成可能な前記駆動装置の駆動力の上限値及び下限値を求め、前記上限値及び前記下限値の平均値に前記第二の修正目標駆動力を設定することを特徴とする請求項2に記載の車輌の駆動力制御装置。
- 前記変速比制御手段は路面の摩擦係数が低いほど小さくなるよう前記暫定変速比制御用目標駆動力を演算することを特徴とする請求項2に記載の車輌の駆動力制御装置。
- 前記基準値は前記トラクション制御の開始判定の駆動スリップ量の基準値よりも大きいことを特徴とする請求項3乃至6の何れか一つに記載の車輌の駆動力制御装置。
- 前記トランスミッションは多段式の自動変速機を含んでいることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一つに記載の車輌の駆動力制御装置。
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