JP4783158B2 - シール一体型薄板の製造方法 - Google Patents
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Description
図19は従来の技術の基本構成を説明する図であり、固定型101と可動型102の間に金属製の薄板103の縁を挟み、ゲート104を通じて溶融シール材105を射出することで、薄板103の縁の表裏面にシール材105の成形層106を形成する。
成形層106の厚さのばらつきは、縁に曲がりやうねりをもつ薄板103にシール材105を射出したことによって発生するものである。従って、薄板103の曲がりやうねりにより、シール層の厚さが不均一となるため、薄板に、所定の絶縁性や耐腐食性をもたせることができない。そのため、薄板の縁に発生する反り、うねり、曲がり、ひずみなどを矯正又は除去することができる技術が望まれる。
溶融樹脂で薄板の縁を高圧で押し付けるので、薄板の縁にある反り、うねり、曲がり、ひずみなどを矯正することができる。
この結果、均一な厚さの上成形層をもつシール材の成形層を得ることが可能となる。
この結果、全体として均一な厚さの成形層を有する薄板を得ることができる。
図1〜図7において、射出成形方法によって薄板の縁にシール材を一体形成するシール一体型薄板の製造方法について説明する。
ここで、矩形断面とは、キャビティの断面形状であって、その形状が矩形であるものをいう。
第3型13は、薄板15の下面15bに当り、薄板15の下面15bを支持する受面28を備える。
1.セパレータ:
寸法:400mm×200mm×厚さ1.5mm
材料:SUS304
2.シール材料:樹脂材料(詳しくは、液状ゴム、更に詳しくは、シリコーンゴム)
(3−1)射出圧力:
一次射出工程 20〜200MPa(80MPa 好適)
二次射出工程 10〜100MPa (50MPa 好適)
(3−2)射出速度:
一次射出工程 10〜150mm/秒(50mm/秒 好適)
二次射出工程 5〜100mm/秒(30mm/秒 好適)
(3−3)射出時間:
一次射出工程 1秒
二次射出工程 1秒
(3−4)金型温度:373〜473K(100〜200℃)
すなわち、一次射出工程において、第1型11と第3型13とで薄板15の縁を挟み、上部キャビティ19にシール材用樹脂材料を射出する。
すなわち、型交換工程において、第3型13を第2型12に交換する。
すなわち、二次射出工程において、第1型11と第2型12とで薄板15の縁を挟み、下部キャビティ25にシール材用樹脂材料を射出する。
また、一次射出工程での射出圧力を高圧に設定し、後述する二次射出工程の射出圧力より高圧に設定した。
なお、溝断面の数は1つでも差し支えない。
第1型11と対向する位置にある第2型12を第3型13に交換することで、薄板にシール材の成形層を成形する1サイクルが完了する。
射出成形によって、薄板15の上面15aに上成形層41が成形される。詳細には、薄板15の上面15aの縁部に、上部キャビティ(図7の符号19)の上矩形断面(図7の符号17)に対応する上平坦部36が形成され、溝断面(図7の符号18)に対応する凸部37・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)が形成される。
具体的には、凸部37・・・が形成されるように、溝断面(図7の符号18)で上部キャビティ平面上に図示せぬ環状の溝部を形成するものである。
また、57・・・は、燃料電池における冷却媒体の導入口となる穴部である。
図6に戻って、一次射出工程において、上部キャビティ19の上矩形断面17に2つの溝断面18、18を加えると共に、一次射出工程の射出圧力を、二次射出工程の射出圧力より高圧に設定したので、一次射出工程において、樹脂材料の流動性を高めることができる。また、二次射出工程に較べて、一次射出工程の圧力が高いので、上部キャビティ19の圧力は高くなり、薄板15の縁を溶融樹脂によって高圧で押し付けることができる。
この結果、全体として均一な厚さの上成形層41、下成形層42を有する薄板15を得ることができる。
図8と異なる点は、内側に形成した第1環状凸部38の形状を変化させたこと、第2環状凸部39の一部を削除したこと、角凸部(図8の符号51)を削除したこと、及び辺凸部(図8の符号53)を削除したことにある。
実際の凸部37の形状は、最終的には、シール部の機能を満足させると共に、経験、シミュレーションの結果、及びトライアルにより決定することができる。
(b)において、第1環状凸部38と第2環状凸部39の間に分岐させた2本の直線の凸部71、72で連結することを示す。
(c)において、第1環状凸部38と第2環状凸部39の間に閉じた円状の凸部73を介在させることを示す。
(a)は、薄板15に形成する凸部の断面形状をかまぼこ状の形状75、75に形成することを示す。
(b)は、薄板15に形成する凸部の断面形状を矩形状76、76に形成することを示す。
上記に示す他、凸部の断面形状は、台形状、楕円状などでも良く、任意の断面形状が選択可能である。
図14は図1の別実施例図であり、上成形層を成形する型となる第1型11Bと、下成形層を成形する型となる第2型12B及び第3型13Bとからなるシール成形型10Bを準備する。
第3型13Bは、薄板15の下面15bを当て、薄板15の下面15bを支持する受面28Bを備える。
上部キャビティ19Bの上矩形断面17Bに少なくとも2つの溝断面18B、18Bを加えることで、後述する下矩形断面35Bのみを備える第2型12Bよりも、第1型11Bにおける樹脂材料の流動性を高めるようにした。
図4と異なる点は、下部キャビティ25Bに臨ませて第2型12Bに第2ゲート22Bを設けたことであり、その他の点に変わるところはない。
具体的には、第2ゲート22Bから下部キャビティ25Bに所定の条件で溶融樹脂を射出する。
なお、本実施例において、断面凸部37Bの個数は2つであるが、これに限定されることはなく、任意の個数に設定可能である。
Claims (2)
- 薄板の縁に一体形成するシール材の上成形層に対応する上部キャビティを有する第1型と、前記シール材の下成形層に対応する下部キャビティを有する第2型と、この第2型から前記下部キャビティを除いた形態の第3型とを準備する型準備工程と、
前記第1型と前記第3型とで前記薄板の縁を挟み、前記上部キャビティにシール材用樹脂材料を射出する一次射出工程と、
前記第3型を前記第2型に交換する型交換工程と、
前記第1型と前記第2型とで前記薄板の縁を挟み、前記下部キャビティにシール材用樹脂材料を前記一次射出工程の射出圧力より低圧に射出する二次射出工程を備えたことを特徴とするシール一体型薄板の製造方法。 - 薄板の縁に一体形成するシール材の上成形層に対応する上部キャビティを有する第1型と、前記シール材の下成形層に対応する下部キャビティを有する第2型と、この第2型から前記下部キャビティを除いた形態の第3型とを準備し、前記上部キャビティの上矩形断面に少なくとも1つの溝断面を形成し、この溝断面で前記上部キャビティ平面上に環状の溝部を形成し、前記薄板の角部に対応する前記上部キャビティ平面上の所定範囲に溝部を設け、前記下部キャビティに下矩形断面を設ける型準備工程と、
前記第1型と前記第3型とで前記薄板の縁を挟み、前記上部キャビティにシール材用樹脂材料を射出する一次射出工程と、
前記第3型を前記第2型に交換する型交換工程と、
前記第1型と前記第2型とで前記薄板の縁を挟み、前記下部キャビティにシール材用樹脂材料を前記一次射出工程の射出圧力より低圧に射出する二次射出工程と、
を備えたことを特徴とするシール一体型薄板の製造方法。
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