JP4783094B2 - プラズマ処理用環状部品、プラズマ処理装置、及び外側環状部材 - Google Patents

プラズマ処理用環状部品、プラズマ処理装置、及び外側環状部材 Download PDF

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本発明は、プラズマ処理用環状部品、プラズマ処理装置、及び外側環状部材に関し、特に処理室内においてプラズマ処理が施される基板の外周を囲うプラズマ処理用環状部品に関する。
通常、基板としての円板状のウエハにプラズマ処理を施すプラズマ処理装置は、ウエハを収容する処理室と、該処理室内に処理ガスを供給するシャワーヘッドと、処理室内に配されてウエハを載置する載置台とを備える。載置台は高周波電源に接続され、処理室内に高周波電力を印加する電極として機能する。このプラズマ処理装置では、処理室内に供給された処理ガスに高周波電力を印加して該処理ガスをプラズマ化してイオンやラジカルを発生させ、該イオンやラジカルによってウエハにプラズマ処理を施す。
また、プラズマ処理装置は、処理室内において載置台に載置されたウエハの外周を囲うように配設される環状のフォーカスリングを備える。フォーカスリングは二重円構造であり、内側に配される環状のインナーフォーカスリング部材と、該インナーフォーカスリング部材の外周を囲うように配される環状のアウターフォーカスリング部材とからなる。インナーフォーカスリング部材はシリコン等の導電性材料からなり、アウターフォーカスリング部材は石英等の絶縁性材料からなる。インナーフォーカスリング部材はプラズマをウエハに集中させ、アウターフォーカスリング部材はプラズマをウエハ上に閉じ込めるインシュレータとして機能する。
プラズマ処理中においてアウターフォーカスリング部材はプラズマからの入熱に起因して温度が上昇するが、温度が安定しないとアウターフォーカスリング部材近傍のラジカル密度が不均一になり、ウエハの外縁部におけるラジカル密度も不均一になる。その結果、ウエハの中央部と外縁部とにおいてプラズマ処理の効果に差が生じ、ウエハに均一なプラズマ処理を施すことが困難である。特に近年、ウエハの大口径化に伴いアウターフォーカスリング部材も大型化しているため、アウターフォーカスリング部材の温度上昇は緩慢であり、温度が所定の値に達して安定するまでの時間が長くなっている。その結果、ウエハに均一なプラズマ処理を施すことが困難になり、ウエハの歩留まりが悪化するという問題が顕在化している。
そこで、近年、ヒータを内蔵するアウターフォーカスリング部材が開発されている(例えば、特許文献1参照。)。このアウターフォーカスリング部材によれば、ヒータを制御することによってアウターフォーカスリング部材の温度を早期に安定させることができ、ウエハに均一なプラズマ処理を施すことができる。
一般に、プラズマ処理装置では生産ロットに先立って処理室内の雰囲気を安定させるために生産ロットと同じレシピでダミーウエハの処理が行われるが、該ダミーウエハの処理では、温度が上昇していないアウターフォーカスリング部材の表面に処理ガスの反応生成物であるデポジットが堆積する。該堆積したデポジットは続く生産ロットにおいて徐々に剥離し、パーティクルとしてウエハに付着してウエハの歩留まりを悪化させる。そのため、アウターフォーカスリング部材に堆積したデポジットを除去するためのクリーニングのサイクルを短くする必要がある。
ところで、堆積したデポジットは該デポジットが付着している部材を高温にすることによって一気に除去することができ、さらには当該部材を高温に維持することによってデポジットが堆積されにくい状態を維持できることがプラズマ処理装置であるCVD(Chemical Vapor Deposition)処理装置の技術分野において知られている。そこで、上述した特許文献1のアウターフォーカスリング部材を用い、ヒータを制御することによってアウターフォーカスリング部材を高温にすれば、アウターフォーカスリング部材に堆積したデポジットを除去することができ、さらに、以降において、デポジットが堆積されにくい状態を維持でき、以降においてウエハへのパーティクルの付着を防止することができると共に、クリーニングのサイクルを長くすることができると考えられる。
特開2000−36490号公報
しかしながら、アウターフォーカスリング部材はプラズマ処理中、イオン等の衝突によって消耗するために定期的に交換する必要がある。ところが、特許文献1のアウターフォーカスリング部材はヒータを内蔵しているために高価であり、これを用いるとランニングコストが上昇する。また、ヒータの配線作業が必要となるため、交換作業が繁雑となってメンテナンス性が悪化し、さらには、載置台にヒータ用の配線を設ける必要がある。したがって、特許文献1のアウターフォーカスリング部材は容易に用いることができない。
本発明の目的は、ウエハの歩留まりの悪化を防止し且つクリーニングのサイクルを長くすることができると共に、容易に用いることができるプラズマ処理用環状部品、プラズマ処理装置、及び外側環状部材を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載のプラズマ処理用環状部品は、プラズマ処理が施される基板の外周を囲うように配置された内側環状部材と、該内側環状部材の外周を囲うように配置された外側環状部材とを備えるプラズマ処理用環状部品であって、前記外側環状部材はプラズマが生成されるプラズマ生成空間側を指向する第1の面及び前記プラズマ生成空間側とは反対側を指向する第2の面を有し、該第2の面には熱容量を低減する少なくとも1つの環状の溝が形成され、前記外側環状部材は、前記第2の面における前記環状の溝を除いた表面積の1%以下の面積を介して当該外側環状部材を載置する構成部材における載置面と接触していることを特徴とする。
請求項2記載のプラズマ処理用環状部品は、請求項1記載のプラズマ処理用環状部品において、前記第1の面と前記溝の底部との間における厚さは1.5mm〜2.0mmであることを特徴とする。
請求項3記載のプラズマ処理用環状部品は、請求項1又は2記載のプラズマ処理用環状部品において、前記外側環状部材は、少なくとも石英、カーボン、シリコン及びセラミックス材料のいずれか1つによって形成されていることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項4記載のプラズマ処理用環状部品は、プラズマ処理が施される基板の外周を囲うように配される内側環状部材と、該内側環状部材の外周を囲うように配される外側環状部材とを備えるプラズマ処理用環状部品であって、前記外側環状部材は積層された少なくとも2つの環状板からなり、前記積層された環状板のうちプラズマが生成されるプラズマ生成空間側に配置された環状板は、該プラズマ生成空間側に配置された環状板におけるプラズマ生成空間側とは反対側を指向する第2の面の表面積の1%以下の面積を介して前記積層された環状板のうち前記プラズマ生成空間側とは反対側に配置された環状板と接触していることを特徴とする。
請求項5記載のプラズマ処理用環状部品は、請求項4記載のプラズマ処理用環状部品において、前記プラズマ生成空間側に配置された環状板の厚さは1.5mm〜2.0mmであることを特徴とする。
請求項6記載のプラズマ処理用環状部品は、請求項4又は5記載のプラズマ処理用環状部品において、前記外側環状部材は、少なくとも石英、カーボン、シリコン及びセラミックス材料のいずれか1つによって形成されていることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項7記載のプラズマ処理装置は、基板にプラズマ処理を施す処理室と、該処理室において前記基板の外周を囲うように配置されたプラズマ処理用環状部品とを備えるプラズマ処理装置であって、前記プラズマ処理用環状部品は、前記基板の外周を囲うように配置された内側環状部材と、該内側環状部材の外周を囲うように配置された外側環状部材とを有し、前記外側環状部材はプラズマが生成されるプラズマ生成空間側を指向する第1の面及び前記プラズマ生成空間側とは反対側を指向する第2の面を有し、該第2の面には熱容量を低減する少なくとも1つの環状の溝が形成され、前記外側環状部材は、前記第2の面における前記環状の溝を除いた表面積の1%以下の面積を介して当該外側環状部材を載置する構成部材における載置面と接触していることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項8記載のプラズマ処理装置は、基板にプラズマ処理を施す処理室と、該処理室において前記基板を囲うように配置されたプラズマ処理用環状部品とを備えるプラズマ処理装置であって、前記プラズマ処理用環状部品は、前記基板の外周を囲うように配置された内側環状部材と、該内側環状部材の外周を囲うように配置された外側環状部材とを有し、前記外側環状部材は積層された少なくとも2つの環状板からなり、前記積層された環状板のうちプラズマが生成されるプラズマ生成空間側に配置された環状板は、該プラズマ生成空間側に配置された環状板におけるプラズマ生成空間側とは反対側を指向する第2の面の表面積の1%以下の面積を介して前記積層された環状板のうち前記プラズマ生成空間側とは反対側に配置された環状板と接触していることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項9記載の外側環状部材は、プラズマ処理が施される基板の外周を囲うように配置された内側環状部材の外周を囲うように配置された外側環状部材であって、プラズマが生成されるプラズマ生成空間側を指向する第1の面及び前記プラズマ生成空間側とは反対側を指向する第2の面を有し、該第2の面には熱容量を低減する少なくとも1つの環状の溝が形成され、前記第2の面における前記環状の溝を除いた表面積の1%以下の面積を介して当該外側環状部材を載置する構成部材における載置面と接触していることを特徴とする。
上記目的を達成するために、請求項10記載の外側環状部材は、プラズマ処理が施される基板の外周を囲うように配置された内側環状部材の外周を囲うように配置された外側環状部材であって、積層された少なくとも2つの環状板からなり、前記積層された環状板のうちプラズマが生成されるプラズマ生成空間側に配置された環状板は、該プラズマ生成空間側に配置された環状板におけるプラズマ生成空間側とは反対側を指向する第2の面の表面積の1%以下の面積を介して前記積層された環状板のうち前記プラズマ生成空間側とは反対側に配置された環状板と接触していることを特徴とする。
請求項1記載のプラズマ処理用環状部品、請求項7記載のプラズマ処理装置、及び請求項9記載の外側環状部材によれば、外側環状部材のプラズマ生成空間側とは反対側を指向する第2の面には熱容量を低減する少なくとも1つの環状の溝が形成されるので、外側環状部材の熱容量を小さくすることができ、プラズマからの入熱によって外側環状部材の温度を急速に上昇させ且つ容易に高温を維持することができ、生産ロットの極初期の段階において外側環状部材に付着した堆積物を除去することができ、さらに、堆積物が堆積されにくい状態を維持できる。これにより、基板の歩留まりの悪化を防止し且つプラズマ処理用環状部品のクリーニングのサイクルを長くすることができる。また、外側環状部材では第2の面において環状の溝が形成されるのみであるため、加工が容易であり、安価であってランニングコストを抑制し、交換も容易であってメンテナンス性の悪化を防止する。したがって、当該プラズマ処理用環状部品を容易に用いることができる。また、外側環状部材は、第2の面における環状の溝を除いた表面積の1%以下の面積を介して当該外側環状部材を載置する構成部材における載置面と接触しているので、外側環状部材から、当該外側環状部材を載置する構成部材への熱移動を抑制して外側環状部材の高温を維持することができる。これによっても、外側環状部材に付着した堆積物を除去することができ、さらに、堆積物が堆積されにくい状態を維持できる。
請求項2記載のプラズマ処理用環状部品によれば、外側環状部材における第1の面と溝の底部との間における厚さは1.5mm〜2.0mmであるので、外側環状部材の熱容量を適切に小さくすることができるとともに、外側環状部材の剛性を確保することができ、該外側環状部材の破損を防止することができる。
請求項3記載のプラズマ処理用環状部品によれば、外側環状部材は、少なくとも石英、カーボン、シリコン及びセラミックス材料のいずれか1つによって形成されているので、安価に製造することができ、もって、当該プラズマ処理用環状部品をより容易に用いることができる。
請求項4記載のプラズマ処理用環状部品、請求項8記載のプラズマ処理装置、及び請求
項10記載の外側環状部材によれば、外側環状部材は積層された少なくとも2つの環状板からなるので、プラズマ生成空間側に配された環状板の熱容量を小さくすることができ、プラズマからの入熱によって当該環状板の温度を急速に上昇させ且つ容易に高温を維持することができ、生産ロットの極初期の段階において当該環状板に付着した堆積物を除去することができ、さらに、堆積物が堆積されにくい状態を維持できる。これにより、基板の歩留まりの悪化を防止し且つプラズマ処理用環状部品のクリーニングのサイクルを長くすることができる。また、外側環状部材では複数の環状板が積層されるのみであるため、構成が簡素であり、安価であってランニングコストを抑制し、交換も容易であってメンテナンス性の悪化を防止する。したがって、当該プラズマ処理用環状部品を容易に用いることができる。また、積層された環状板のうちプラズマが生成されるプラズマ生成空間側に配置された環状板は、該プラズマ生成空間側に配置された環状板におけるプラズマ生成空間側とは反対側を指向する第2の面の表面積の1%以下の面積を介して積層された環状板のうちプラズマ生成空間側とは反対側に配置された環状板と接触しているので、プラズマ生成空間側に配置された環状板からプラズマ生成空間側とは反対側に配置された環状板への熱移動を抑制してプラズマ生成空間側に配置された環状板の高温を維持することができる。また、これによっても、プラズマ生成空間側に配置された環状板に付着した堆積物を除去することができ、さらに、堆積物が堆積されにくい状態を維持できる。
請求項5記載のプラズマ処理用環状部品によれば、プラズマ生成空間側に配置された環状板の厚さは1.5mm〜2.0mmであるので、当該環状板の熱容量を適切に小さくすることができるとともに当該環状板の剛性を確保することができ、当該環状板の破損を防止することができる。
請求項6記載のプラズマ処理用環状部品によれば、外側環状部材は、少なくとも石英、カーボン、シリコン及びセラミックス材料のいずれか1つによって形成されているので、安価に製造することができ、もって、当該プラズマ処理用環状部品をより容易に用いることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
まず、本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ処理用環状部品が適用されるプラズマ処理装置について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ処理用環状部品としてのフォーカスリングが適用されるプラズマ処理装置の概略構成を示す断面図である。
図1において、半導体デバイス用のウエハW(以下、単に「ウエハW」という。)にプラズマ処理、例えば、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching)処理を施すエッチング処理装置として構成されるプラズマ処理装置10は、金属、例えば、アルミニウム又はステンレス鋼からなる、処理室としてのチャンバ11を備える。
該チャンバ11内には、直径が例えば300mmのウエハWを載置し、且つ該載置されたウエハWと共にチャンバ11内を上下降する載置台(ウエハステージ)としての下部電極12と、該下部電極12と対向するようにチャンバ11の天井部に配され、且つチャンバ11内に後述する処理ガスを供給するシャワーヘッド13が配置されている。
下部電極12には下部高周波電源14が下部整合器15を介して接続され、下部高周波電源14は所定の高周波電力を下部電極12に印加する。また、下部整合器15は、下部電極12からの高周波電力の反射を低減して該高周波電力の下部電極12への入射効率を最大にする。
下部電極12の上部には、ウエハWを静電吸着力で吸着するためのESC16が配置されている。ESC16は電極膜が積層されて形成されるESC電極板17を内蔵し、該ESC電極板17には直流電源18が電気的に接続されている。ESC16は、直流電源18からESC電極板17に印加された直流電圧により発生するクーロン力又はジョンソン・ラーベック(Johnsen-Rahbek)力によってウエハWをその上面に吸着保持する。
ESC16に載置されたウエハWの周囲には、該ウエハWの外周を囲うように円環状のフォーカスリング19(プラズマ処理用環状部品)が配されている。該フォーカスリング19は、載置されたウエハWの外周を囲うように配されている円環状のインナーフォーカスリング部材20と、該インナーフォーカスリング部材20の外周を囲うように配される円環状のアウターフォーカスリング部材21とを備える。また、インナーフォーカスリング部材20は下部電極12上に載置され、アウターフォーカスリング部材21は下部電極12を囲うように配置されるESCカバー部材22上に載置される。インナーフォーカスリング部材20はシリコン等の導電性材料からなり、アウターフォーカスリング部材21は石英等の絶縁性材料からなる。インナーフォーカスリング部材20は下部電極12及びシャワーヘッド13の間の処理空間S(プラズマ生成空間)において発生するプラズマをウエハWに収束させる。アウターフォーカスリング部材21はプラズマをウエハW上に閉じ込めるインシュレータとして機能する。なお、アウターフォーカスリング部材21の形状については詳細に後述する。
下部電極12の下方には、該下部電極12の下部から下方に向けて延設された支持体23が配置されている。該支持体23は下部電極12を支持し、不図示のボールネジを回転させることによって下部電極12を昇降させる。また、支持体23は、それぞれの周囲がカバー24,25によって覆われてチャンバ11内の雰囲気から遮断される。
チャンバ11の側壁にはウエハWの搬出入口26と排気口27とが設けられる。ウエハWは、プラズマ処理装置10に隣接して配されているLLM(ロードロックモジュール)(図示しない)が備える搬送アーム(図示しない)によって搬出入口26を介してチャンバ11内へ搬出入される。排気口27は、APC(Automatic Pressure Control)バルブ、DP(Dry Pump)、TMP(Turbo Molecular Pump)等(全て図示しない)からなる排気系に接続され、チャンバ11内の空気等を外部へ排出する。
このプラズマ処理装置10では、チャンバ11内へウエハWが搬入される場合、下部電極12が搬出入口26と同じ高さまで下降し、ウエハWにプラズマ処理が施される場合、下部電極12がウエハWの処理位置まで上昇する。なお、図1は、チャンバ11内へウエハWが搬入される場合における搬出入口26と下部電極12との位置関係を示す。
また、シャワーヘッド13は処理空間Sに面した多数のガス通気孔28を有する円板状の上部電極板(CEL)29と、該上部電極板29の上方に配置され且つ上部電極板29を着脱可能に支持する電極板支持体30とを有する。また、上部電極板29の処理空間Sに対向する面のうち外周部に該当する面は、チャンバ11内の天井部に配された円環状部材である、シールドリング35の内周部によって覆われる。シールドリング35は、例えば、石英等からなり、上部電極板29の外周部に配置された該上部電極29をチャンバ11の天井部に締結するスクリューねじ(図示しない)をプラズマから保護する。
上部電極板29には、上部高周波電源31が上部整合器32を介して接続されており、上部高周波電源31は、所定の高周波電力を上部電極板29に印加する。また、上部整合器32は、上部電極板29からの高周波電力の反射を低減して該高周波電力の上部電極板29への入射効率を最大にする。
電極板支持体30の内部にはバッファ室33が設けられ、このバッファ室33には処理ガス導入管(図示しない)が接続されている。バッファ室33には、処理ガス導入管から、例えば、四フッ化炭素(CF),酸素ガス(O),アルゴンガス(Ar)の組み合わせからなる処理ガスが導入され、該導入された処理ガスはガス通気孔28を介して処理空間Sに供給される。
このプラズマ処理装置10のチャンバ11内では、上述したように、下部電極12及び上部電極板29に高周波電力が印加され、該印加された高周波電力によって処理空間Sにおいて処理ガスから高密度のプラズマが発生し、イオンやラジカルが生成される。これら生成されたラジカルやイオンは、フォーカスリング19によってウエハWの表面に収束され、ウエハWの表面を物理的又は化学的にエッチングする。
このプラズマ処理装置10では、ウエハの生産ロットに先立ってダミーウエハのプラズマ処理が行われる。このダミーウエハのプラズマ処理では、ダミーウエハをチャンバ11内に搬入し、設定されたレシピに応じてチャンバ11内に導入した処理ガスからプラズマを発生させてダミーウエハにプラズマ処理を施すことによってチャンバ11内の雰囲気を安定させるが、このとき、処理ガスとダミーウエハの表面に存在する物質との化学反応等によって反応生成物が発生する一方、アウターフォーカスリング部材21はプラズマから十分に熱を受け取っていないため、アウターフォーカスリング部材21の温度が低く、発生した反応生成物はアウターフォーカスリング部材21の表面にデポジットとして多量に付着する。この付着したデポジットは剥離してウエハにパーティクルとして付着し、ウエハの歩留まりを悪化させるため、生産ロットの極初期の段階において除去し、さらに、以降においてデポジットが堆積されにくい状態を維持する必要がある。なお、ダミーウエハのプラズマ処理におけるレシピは生産ロットにおけるプラズマ処理のレシピと同じであっても異なっていてもよい。
ここで、上述したようにCVD処理装置の技術分野においてデポジットが付着している部材を高温にすることによってデポジットを除去し、さらに、デポジットが堆積されにくい状態を維持することが可能であることが知られている。そこで、本発明者は、エッチング処理装置においても同様の知見が得られるかを確認すべく、プラズマ処理装置10においてアウターフォーカスリング部材21の代わりに従来のアウターフォーカスリング部材を用いて、プラズマ処理時間(高周波電力印加経過時間)の経過とアウターフォーカスリング部材に付着するデポジットの量との関係を観察した。その結果、ダミーウエハのプラズマ処理によって多量に付着したデポジットの量が、高周波電力印加経過時間の増加と共に減少し、25時間後にはほとんど無くなっていることを発見した。
プラズマ処理においてアウターフォーカスリングはプラズマからの入熱によって温度が上昇するため、高周波電力印加経過時間が長いほどアウターフォーカスリングの温度が高温である時間が長くなる。すなわち、アウターフォーカスリングが高温である時間が長いほど、アウターフォーカスリングに付着したデポジットの量は減少することが分かった。これにより、本発明者はエッチング処理装置においてもデポジットが付着している部材(アウターフォーカスリング)を高温にすることによってデポジットを除去し、さらに、デポジットが堆積されにくい状態を維持できることが可能であるという知見を得た。また、アウターフォーカスリングを高温にすることによってデポジットを除去することが可能であることから、アウターフォーカスリングの温度を急速に上昇させれば、デポジットを急速に除去できると類推するに至った。
本実施の形態におけるアウターフォーカスリング部材21は、これに対応して、以下に説明する急速に温度が上昇可能な構造を有する。
図2は、図1におけるフォーカスリング周辺の拡大断面図である。
図2において、アウターフォーカスリング部材21は石英からなる円環状の平板部材であり、処理空間S側を指向するプラズマ暴露面21a(第1の面)と、処理空間S側とは反対側を指向する面であって、ESCカバー部材22に接触するカバー部材接触面21b(第2の面)とを有する。また、アウターフォーカスリング部材21のカバー部材接触面21bには、アウターフォーカスリング部材21と同心円状の環状のリング溝34が形成されている。リング溝34は断面形状が矩形の溝であり、ざぐり加工によって成形される。
アウターフォーカスリング部材21では、上述したリング溝34が形成されることによって薄肉部と、該薄肉部の外側、内側をそれぞれ囲う2つの厚肉部とが形成される。薄肉部の厚さ、すなわち、リング溝34の底部34aとプラズマ暴露面21aとの間の厚さ(図中t)は1.5〜2.0mmに設定される。また、厚肉部の厚さ、すわなち、プラズマ暴露面21aとカバー部材接触面21bとの間の厚さは約3.5mmに設定される。アウターフォーカスリング部材21は薄肉部を有するため、従来のアウターフォーカスリングに比べて体積が小さくなり、その結果、熱容量が小さくなる。
アウターフォーカスリング部材21は石英の無垢材から切削加工によって成形されるため、表面が円滑ではなく適度に荒れており、切削加工に起因して生じた微細な突起形状によって覆われている。したがって、例えば、カバー部材接触面21bはESCカバー部材22と面接触ではなく、多数の突起を介して接触する多数の点接触によって接触する。これにより、カバー部材接触面21bとESCカバー部材22との実質的な接触面積はカバー部材接触面21bの表面積の約1%に留まるため、アウターフォーカスリング部材21からESCカバー部材22への熱移動は殆ど発生しない。
本実施の形態に係るプラズマ処理用環状部品としてのフォーカスリング19によれば、アウターフォーカスリング部材21のカバー部材接触面21bにはアウターフォーカスリング部材21と同心円状の環状のリング溝34が形成されるので、アウターフォーカスリング部材21において薄肉部が形成される。これにより、アウターフォーカスリング部材21は従来のアウターフォーカスリングに比べて体積が小さくなり、その結果、熱容量が小さくなる。熱容量が小さいとプラズマ処理中におけるプラズマからの入熱によって急速に温度を上昇させ且つ容易に高温を維持することができ、アウターフォーカスリング部材21は付着したデポジットを急速に除去することができると共に、デポジットが堆積されにくい状態を維持することができる。したがって、生産ロットの極初期の段階においてアウターフォーカスリング部材21に付着したデポジットを除去することができると共に、以降においてアウターフォーカスリング部材21へのデポジットの堆積を防止することができる。これにより、ウエハの歩留まりの悪化を防止し且つフォーカスリング19のクリーニングのサイクルを長くすることができる。
また、アウターフォーカスリング部材21ではカバー部材接触面21bにおいてリング溝34が形成されるのみであるため、加工が容易であり、アウターフォーカスリング部材21は安価に製造することができ、もってランニングコストを抑制し、さらには、交換も容易であるので、メンテナンス性の悪化を防止することができる。したがって、フォーカスリング19をプラズマ処理装置10に容易に用いることができる。
熱容量低減の観点からはアウターフォーカスリング部材21の厚みは薄いほど好ましいが、極度に厚みを薄くする、例えば、厚さを1mmに設定するとアウターフォーカスリング部材21の破損が発生するおそれがある。ここで、上述したフォーカスリング19によれば、アウターフォーカスリング部材21におけるプラズマ暴露面21aとリング溝34の底部34aとの間の厚さは1.5mm〜2.0mmである。したがって、アウターフォーカスリング部材21の剛性を確保することができ、該アウターフォーカスリング部材21の破損を防止することができる。
また、上述したフォーカスリング19では、アウターフォーカスリング部材21が石英によって形成されたが、形成材料はこれに限られず、少なくとも、石英、カーボン、シリコン及びセラミックス材料(イットリア(Y)やシリカ)等のいずれか1つによって形成されてもよい。いずれの材料も容易に入手できるため、フォーカスリング19を安価に製造することができ、もって、フォーカスリング19をより容易に用いることができる。
上述したフォーカスリング19では、アウターフォーカスリング部材21のカバー部材接触面21bに形成される溝が1重の溝であったが、溝の本数はこれに限られず、アウターフォーカスリング部材21の熱容量を適切に設定できる本数、例えば、2本であってもよい(図4(A)参照)。また、溝の断面形状も矩形に限られず、他の形状に設定してもよく、例えば、強度確保の観点からは円弧状であるのが好ましい。
また、上述したフォーカスリング19では、薄肉部の内側、外側にそれぞれ厚肉部が形成されるので、イオン等の衝突によってアウターフォーカスリング部材21が消耗しても、アウターフォーカスリング部材21の内周部、外周部に鋭利形状が発生せず、作業者が鋭利形状に触れて怪我するのを防止することができる。また、断面2次モーメントを確保することができ、もってアウターフォーカスリング部材21の剛性を向上することができる。
さらに、フォーカスリング19では、アウターフォーカスリング部材21はカバー部材接触面21bにリング溝34を有するので、アウターフォーカスリング部材21をESCカバー部材22に載置する際、プラズマ暴露面21aとカバー部材接触面21bとを間違えることがなく、アウターフォーカスリング部材21の誤装着を防止することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係るプラズマ処理用環状部品が適用されるプラズマ処理装置について説明する。
本実施の形態は、その構成や作用が上述した第1の実施の形態と基本的に同じであり、フォーカスリングの構造のみが上述した第1の実施の形態と異なる。したがって、重複した構成、作用については説明を省略し、以下に異なる構成、作用についての説明を行う。
図3は、本実施の形態に係るプラズマ処理用環状部品としてのフォーカスリングが適用されたプラズマ処理装置における該フォーカスリング周辺の拡大断面図である。
図3において、該フォーカスリング36は、インナーフォーカスリング部材20と、該インナーフォーカスリング部材20の外周を囲うように配されるアウターフォーカスリング部材37とを備える。アウターフォーカスリング部材37は、積層された2つの円環状板部材である、下側アウターフォーカスリングプレート39と、上側アウターフォーカスリングプレート40とから成る。下側アウターフォーカスリングプレート39及び上側アウターフォーカスリングプレート40はいずれも、絶縁性材料、例えば石英からなるので、アウターフォーカスリング部材37もプラズマをウエハW上に閉じ込めるインシュレータとして機能する。
アウターフォーカスリング部材37では、下側アウターフォーカスリングプレート39がESCカバー部材22上に載置され、上側アウターフォーカスリングプレート40が下側アウターフォーカスリングプレート39に載置されるため、上側アウターフォーカスリングプレート40の表面40a(第1の面)は処理空間Sを指向する。したがって、ダミーウエハのプラズマ処理においてデポジットの大半が上側アウターフォーカスリングプレート40の表面40aに付着する。
下側アウターフォーカスリングプレート39及び上側アウターフォーカスリングプレート40ともそれぞれ厚さは内周部から外周部付近まで一定であり、具体的には、上側アウターフォーカスリングプレート40の厚さは1.5mm〜2.0mmである。したがって、上側アウターフォーカスリングプレート40は、厚さが3.5mmの従来のアウターフォーカスリングに比べて体積が小さくなり、その結果、熱容量が小さくなる。
上側アウターフォーカスリングプレート40も石英の無垢材から切削加工によって成形されるため、表面が円滑ではなく適度に荒れており、切削加工に起因して生じた微細な突起形状によって覆われている。したがって、例えば、上側アウターフォーカスリングプレート40は下側アウターフォーカスリングプレート39と面接触ではなく、多数の突起を介して接触する多数の点接触によって接触する。これにより、上側アウターフォーカスリングプレート40と下側アウターフォーカスリングプレート39との実質的な接触面積は上側アウターフォーカスリングプレート40における処理空間S側とは反対側を指向する裏面40b(第2の面)の表面積の約1%に留まるため、上側アウターフォーカスリングプレート40から下側アウターフォーカスリングプレート39への熱移動は殆ど発生しない。
本実施の形態に係るプラズマ処理用環状部品としてのフォーカスリング36によれば、アウターフォーカスリング部材37は積層された2つの円環状板部材である下側アウターフォーカスリングプレート39及び上側アウターフォーカスリングプレート40からなるので、上側アウターフォーカスリングプレート40の厚さを従来のアウターフォーカスリングよりも薄くすることができる。したがって、上側アウターフォーカスリングプレート40は、従来のフォーカスリングに比べて体積が小さくなり、その結果、熱容量が小さくなる。熱容量が小さいとプラズマ処理中におけるプラズマからの入熱によって急速に温度を上昇させ且つ容易に高温を維持することができ、上側アウターフォーカスリングプレート40は付着したデポジットを急速に除去することができると共に、デポジットが堆積されにくい状態を維持することができる。したがって、生産ロットの極初期の段階において上側アウターフォーカスリングプレート40に付着したデポジットを除去することができると共に、以降において上側アウターフォーカスリングプレート40へのデポジットの堆積を防止することができる。これにより、ウエハの歩留まりの悪化を防止し且つフォーカスリング36のクリーニングのサイクルを長くすることができる。
また、アウターフォーカスリング部材37では下側アウターフォーカスリングプレート39及び上側アウターフォーカスリングプレート40が積層されるのみであるため、構成が簡素であり、アウターフォーカスリング部材37は安価に製造することができ、もってランニングコストを抑制し、さらには、交換も容易であるので、メンテナンス性の悪化を防止することができる。したがって、フォーカスリング36をプラズマ処理装置10に容易に用いることができる。
熱容量低減の観点からは上側アウターフォーカスリングプレート40の厚みも薄いほど好ましいが、例えば、厚さを1mmに設定すると上側アウターフォーカスリングプレート40の破損が発生するおそれがある。ここで、上述したフォーカスリング36によれば、上側アウターフォーカスリングプレート40の厚さは1.5mm〜2.0mmである。したがって、上側アウターフォーカスリングプレート40の剛性を確保することができ、該上側アウターフォーカスリングプレート40の破損を防止することができる。
また、上述したフォーカスリング36では、アウターフォーカスリング部材37が石英によって形成されたが、形成材料はこれに限られず、少なくとも、石英、カーボン、シリコン及びセラミックス材料等のいずれか1つによって形成されてもよいのは、第1の実施の形態におけるフォーカスリング19と同じである。
上述したフォーカスリング36のアウターフォーカスリング部材37では2つの円環状板部材が積層されたが、円環状板部材の積層数はこれに限られず、上側アウターフォーカスリングプレートの熱容量を適切に設定でき、且つ上側アウターフォーカスリングプレートの剛性を確保できる積層数、例えば、3層であってもよい(図4(B)参照)。
上述した各実施の形態において本発明のプラズマ処理用円環状部品はフォーカスリングに適用されたが、本発明のプラズマ処理用円環状部品は他のプラズマ処理用部品に適用してもよく、例えば、シールドリング(図7に示すプラズマ処理装置70におけるシールドリング71を参照。)に適用してもよい。また、他のプラズマ処理用部品の形状は円環状に限られず、いかなる形であってもよい。
また、上述した各実施の形態におけるプラズマ処理装置はエッチング処理装置であったが、本発明のプラズマ処理装置は処理室内に配置される円環状部品を備えるプラズマ処理装置であれば適用することができ、例えば、CVD処理装置に適用してもよい。
上述した各実施の形態におけるプラズマ処理装置おいてプラズマ処理が施される基板は半導体デバイス用のウエハに限られず、LCD(Liquid Crystal Display)やFPD(Flat Panel Display)等に用いる各種基板や、フォトマスク、CD基板、プリント基板等であってもよい。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
実施例1
プラズマ処理装置10に組み込むフォーカスリングとして、上述した第2の実施の形態におけるフォーカスリング36を準備した。アウターフォーカスリング部材37における上側アウターフォーカスリングプレート40の厚さは1.7mmに設定した。
その後、CF/Ar/COからなる処理ガスを供給してウエハにプラズマ処理を施す第1ステップ、C/CO/Arからなる処理ガスを供給してウエハにプラズマ処理を施す第2ステップ、Ar/Oからなる処理ガスを供給してウエハにプラズマ処理を施す第3ステップ、及びCHF/Ar/Oからなる処理ガスを供給してウエハにプラズマ処理を施す第4ステップからなる所定のプラズマ処理を実行し、所定の高周波電力印加経過時間毎に当該時間においてプラズマ処理が施されたウエハの表面に付着した粒径が0.20μm以上のパーティクルの数を計測した。そして、得られた高周波電力印加経過時間とパーティクル計測数との関係を図5のグラフに示した。
比較例1
プラズマ処理装置10に組み込むフォーカスリングとして、厚さが3.5mmである従来のフォーカスリングを準備した。
その後、上述した実施例1と同じプラズマ処理を実行し、実施例1と同様に、所定の高周波電力印加経過時間毎に当該時間においてプラズマ処理が施されたウエハの表面に付着した粒径が0.20μm以上のパーティクルの数を計測した。そして、得られた高周波電力印加経過時間とパーティクル計測数との関係を図6のグラフに示した。
図5及び図6のグラフを比較したところ、比較例1では高周波電力印加経過時間が約15時間の時点で、パーティクル計測数がフォーカスリングのクリーニングを行うか否かの閾値である50個を超えたのに対して、実施例1では高周波電力印加経過時間が約48時間の時点で、パーティクル計測数が上記閾値を超えたことが分かった。
これは、比較例1ではプラズマ処理においてフォーカスリングに付着したデポジットが高周波電力印加経過時間が短い時点ではほとんど除去されず、該付着したデポジットの付着力が高周波電力印加経過時間の経過に伴う熱履歴によって弱まり、約15時間経過したところで、デポジットが一気に剥離したのに対して、実施例1ではプラズマ処理において上側アウターフォーカスリングプレート40に付着したデポジットが、上側アウターフォーカスリングプレート40の温度が急速に上昇することによって高周波電力印加経過時間が短い時点でほとんど除去され、その後の高周波電力印加経過時間の増加に伴う熱履歴によってデポジットが堆積されにくい状態が維持されるので、残存しているデポジットの量が少なく、また堆積するデポジットの量も増えることがなく、パーティクルがほとんど発生しなかったためと考えられた。
また、上述した実施例1の上側アウターフォーカスリングプレート40の他に、厚さが2.5mmの上側アウターフォーカスリングプレート40(実施例2)を準備し、それぞれをプラズマ処理装置10に組み込み、上述した実施例1におけるプラズマ処理を1ロット分行った。そして、その時点で実施例1及び実施例2の上側アウターフォーカスリングプレート40におけるデポジットの付着状況を目視で確認したところ実施例2に比べ実施例1の上側アウターフォーカスリングプレート40に付着しているデポジットの量が明らかに少なかったことが分かった。
これにより、アウターフォーカスリングの熱容量を小さくするほど、高周波電力印加経過時間が短い時点でデポジットを急速に除去できると共に、以降においてデポジットが堆積されにくい状態を容易に維持できることが分かった。
本発明の第1の実施の形態に係るプラズマ処理用環状部品としてのフォーカスリングが適用されるプラズマ処理装置の概略構成を示す断面図である。 図1におけるフォーカスリング周辺の拡大断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るプラズマ処理用環状部品としてのフォーカスリングが適用されたプラズマ処理装置における該フォーカスリング周辺の拡大断面図である。 各実施の形態に係るプラズマ処理用環状部品としてのフォーカスリングの変形例を示す拡大断面図であり、(A)は本発明の第1の実施の形態における変形例を示す拡大断面図であり、(B)は本発明の第2の実施の形態における変形例を示す拡大断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るプラズマ処理用環状部品としてのフォーカスリングを用いた場合における高周波電力印加経過時間とパーティクル計測数との関係を示すグラフである。 従来のフォーカスリングを用いた場合における高周波電力印加経過時間とパーティクル計測数との関係を示すグラフである。 本発明の他の実施の形態に係るプラズマ処理用環状部品として記載されたシールドリングが適用されたプラズマ処理装置の概略構成を示す断面図である。
符号の説明
W ウエハ
S 処理空間
10,70 プラズマ処理装置
11 チャンバ
12 下部電極
13 シャワーヘッド
16 ESC
19,36 フォーカスリング
20 インナーフォーカスリング部材
21,37 アウターフォーカスリング部材
21a プラズマ暴露面
21b カバー部材接触面
22 ESCカバー部材
29 上部電極板
34 リング溝
34a 底部
35,71 シールドリング
39 下側アウターフォーカスリングプレート
40 上側アウターフォーカスリングプレート
40a 表面

Claims (10)

  1. プラズマ処理が施される基板の外周を囲うように配置された内側環状部材と、該内側環状部材の外周を囲うように配置された外側環状部材とを備えるプラズマ処理用環状部品であって、
    前記外側環状部材はプラズマが生成されるプラズマ生成空間側を指向する第1の面及び前記プラズマ生成空間側とは反対側を指向する第2の面を有し、該第2の面には熱容量を低減する少なくとも1つの環状の溝が形成され、
    前記外側環状部材は、前記第2の面における前記環状の溝を除いた表面積の1%以下の面積を介して当該外側環状部材を載置する構成部材における載置面と接触していることを特徴とするプラズマ処理用環状部品。
  2. 前記第1の面と前記溝の底部との間における厚さは1.5mm〜2.0mmであることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理用環状部品。
  3. 前記外側環状部材は、少なくとも石英、カーボン、シリコン及びセラミックス材料のいずれか1つによって形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のプラズマ処理用環状部品。
  4. プラズマ処理が施される基板の外周を囲うように配される内側環状部材と、該内側環状部材の外周を囲うように配される外側環状部材とを備えるプラズマ処理用環状部品であって、
    前記外側環状部材は積層された少なくとも2つの環状板からなり、
    前記積層された環状板のうちプラズマが生成されるプラズマ生成空間側に配置された環状板は、該プラズマ生成空間側に配置された環状板におけるプラズマ生成空間側とは反対側を指向する第2の面の表面積の1%以下の面積を介して前記積層された環状板のうち前記プラズマ生成空間側とは反対側に配置された環状板と接触していることを特徴とするプラズマ処理用環状部品。
  5. 前記プラズマ生成空間側に配置された環状板の厚さは1.5mm〜2.0mmであることを特徴とする請求項4記載のプラズマ処理用環状部品。
  6. 前記外側環状部材は、少なくとも石英、カーボン、シリコン及びセラミックス材料のいずれか1つによって形成されていることを特徴とする請求項4又は5記載のプラズマ処理用環状部品。
  7. 基板にプラズマ処理を施す処理室と、該処理室において前記基板の外周を囲うように配置されたプラズマ処理用環状部品とを備えるプラズマ処理装置であって、
    前記プラズマ処理用環状部品は、前記基板の外周を囲うように配置された内側環状部材と、該内側環状部材の外周を囲うように配置された外側環状部材とを有し、
    前記外側環状部材はプラズマが生成されるプラズマ生成空間側を指向する第1の面及び前記プラズマ生成空間側とは反対側を指向する第2の面を有し、該第2の面には熱容量を低減する少なくとも1つの環状の溝が形成され、
    前記外側環状部材は、前記第2の面における前記環状の溝を除いた表面積の1%以下の面積を介して当該外側環状部材を載置する構成部材における載置面と接触していることを特徴とするプラズマ処理装置。
  8. 基板にプラズマ処理を施す処理室と、該処理室において前記基板を囲うように配置されたプラズマ処理用環状部品とを備えるプラズマ処理装置であって、
    前記プラズマ処理用環状部品は、前記基板の外周を囲うように配置された内側環状部材と、該内側環状部材の外周を囲うように配置された外側環状部材とを有し、
    前記外側環状部材は積層された少なくとも2つの環状板からなり、
    前記積層された環状板のうちプラズマが生成されるプラズマ生成空間側に配置された環状板は、該プラズマ生成空間側に配置された環状板におけるプラズマ生成空間側とは反対側を指向する第2の面の表面積の1%以下の面積を介して前記積層された環状板のうち前記プラズマ生成空間側とは反対側に配置された環状板と接触していることを特徴とするプラズマ処理装置。
  9. プラズマ処理が施される基板の外周を囲うように配置された内側環状部材の外周を囲うように配置された外側環状部材であって、
    プラズマが生成されるプラズマ生成空間側を指向する第1の面及び前記プラズマ生成空間側とは反対側を指向する第2の面を有し、該第2の面には熱容量を低減する少なくとも1つの環状の溝が形成され、
    前記第2の面における前記環状の溝を除いた表面積の1%以下の面積を介して当該外側環状部材を載置する構成部材における載置面と接触していることを特徴とする外側環状部材。
  10. プラズマ処理が施される基板の外周を囲うように配置された内側環状部材の外周を囲うように配置された外側環状部材であって、
    積層された少なくとも2つの環状板からなり、
    前記積層された環状板のうちプラズマが生成されるプラズマ生成空間側に配置された環状板は、該プラズマ生成空間側に配置された環状板におけるプラズマ生成空間側とは反対側を指向する第2の面の表面積の1%以下の面積を介して前記積層された環状板のうち前記プラズマ生成空間側とは反対側に配置された環状板と接触していることを特徴とする外側環状部材。
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