JP4781826B2 - エアフィルタ用ろ材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体や液晶を製造するクリーンルームの外気処理系施設において使用するエアフィルタ用ろ材及びその製造方法に関する。
従来から、半導体や液晶の製造は、例えば、図1に示すようなクリーンルーム施設1のクリーンルーム12内において行われている。このようなクリーンルーム施設1には、外気処理系施設2として、外調機3と内調機4が接続されている。通常、外調機3には、空気の流入側から、約5μm以上の比較的大きな粒子を除去するプレ(粗塵)フィルタ5と、約1μm以上の粒子を除去するための中性能フィルタ6と、ガス状汚染物質を除去するためのケミカルフィルタ7が設置されている。また、内調機4には、空気の流入側から、ケミカルフィルタ8と、約1μm以下の粒子を除去するためのHEPAフィルタ等の高性能フィルタ9と、クリーンルーム施設1に空気を送風するブロア10が設置されている。クリーンルーム施設1に供給された空気は、クリーンルーム12の天井部12aに設けたケミカルフィルタ13、ファン14、高性能フィルタ15を通過してクリーンルーム12内に供給される。また、クリーンルーム外室11の循環路にもケミカルフィルタ16が設置されている。
近年、このようなクリーンルームに対しては、粒子状汚染物質による汚染に加え、有機物質のガス、酸性・アルカリ性のガス、ボロン・リン等のドーパントのガス、そして金属のガス等のガス状汚染物質による汚染が深刻な問題となっている。例えば、有機物質のガスは、半導体基板に形成される酸化膜厚に異常を与えるため、酸化膜厚が薄膜化する傾向にある現状下では、致命的な汚染物質となっている。
ガス状汚染物質は、例えば、活性炭、活性炭繊維、ゼオライト、イオン交換樹脂、その他化学吸着材等を利用したケミカルフィルタで除去することができる。しかしながら、クリーンルーム施設に設置するフィルタ自体がガス状汚染物質を発生しないことが望まれている。例えば、空気の最終処理フィルタとなる高性能エアフィルタは、早い段階から発ガス量の少ないフィルタの開発が進められてきた。また、プレフィルタや中性能フィルタについても、発ガス量の少ないフィルタが望まれている。
しかしながら、これまでのところ、有機物質の発ガス量が十分に低減されているプレフィルタ用ろ材はなかった。
ろ材からの有機物質の発ガス量を低くするためには、例えば、発ガスの原因となる低融点成分を含む熱接着繊維の配合量を少なくし、発ガスしにくい高融点成分からなる非熱接着繊維の配合量を多くしたろ材を用いることが考えられる。しかしながら、ろ材に配合される非熱接着繊維が多くなると、繊維間の接着が弱くなるので、ろ材の強度が低くなり、繊維が飛散するという問題を生じる。また、一般に、熱接着繊維からなる不織布は強度的に弱いので、これをエアフィルタ用ろ材として用いる場合、通常、不織布を構成する熱接着繊維に織布(ネット)等からなる基体が接着されることで補強されるが、不織布に配合される熱接着繊維が少なくなると、繊維と基体との接着力が弱くなるので、繊維から基体が剥離しやすいという問題も生じる。
そこで、本発明は、ろ材層と補強層が剥離することなく、ろ材から発生する有機物質の発ガス量を著しく低減させたエアフィルタ用ろ材及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明のエアフィルタ用ろ材は、請求項1記載の通り、ろ材層に、非熱接着繊維からなる基体の表面を被覆するように前記非熱接着繊維の融点よりも低い融点のバインダ樹脂を付着してなる補強層を加熱接着してなるエアフィルタ用ろ材であって、ろ材層が熱接着繊維からなる不織布であり、前記熱接着繊維の熱接着成分の融点が加熱接着する温度よりも30℃以上低いものであることを特徴とする。
また、請求項2記載のエアフィルタ用ろ材は、請求項1記載のエアフィルタ用ろ材において、前記不織布がさらに非熱接着繊維を含むことを特徴とする。
また、請求項3記載のエアフィルタ用ろ材は、請求項2記載のエアフィルタ用ろ材において、前記不織布が熱接着繊維80〜40質量%と、非熱接着繊維20〜60質量%からなることを特徴とする。
また、請求項4記載のエアフィルタ用ろ材は、請求項1乃至3のいずれかに記載のエアフィルタ用ろ材において、前記熱接着繊維がさらに非熱接着成分を含み、前記非熱接着成分の融点が加熱接着する温度よりも30℃以上高いものであることを特徴とする。
本発明のエアフィルタ用ろ材の製造方法は、請求項5記載の通り、ろ材層に、非熱接着繊維からなる基体の表面を被覆するように前記非熱接着繊維の融点よりも低い融点のバインダ樹脂を付着してなる補強層を加熱接着してなるエアフィルタ用ろ材の製造方法であって、ろ材層に熱接着繊維からなる不織布を用いて、この熱接着繊維の熱接着成分の融点よりも30℃以上高い温度で加熱して、ろ材層に補強層を接着するようにしたことを特徴とする。
また、請求項6記載のエアフィルタ用ろ材の製造方法は、請求項5記載のエアフィルタ用ろ材の製造方法において、前記不織布がさらに非熱接着繊維を含むことを特徴とする。
また、請求項7記載のエアフィルタ用ろ材の製造方法は、請求項6記載のエアフィルタ用ろ材の製造方法において、前記不織布が熱接着繊維80〜40質量%と、非熱接着繊維20〜60質量%からなることを特徴とする。
また、請求項8記載のエアフィルタ用ろ材の製造方法は、請求項5乃至7のいずれかに記載のエアフィルタ用ろ材の製造方法において、前記熱接着繊維がさらに非熱接着成分を含み、前記非熱接着成分の融点が加熱接着する温度よりも30℃以上高いものであることを特徴とする。
本発明のエアフィルタ用ろ材は、ろ材層とする不織布を構成する熱接着成分の融点が加熱接着する温度よりも30℃以上低いものであるので、ろ材層と補強層を加熱接着した際に、熱接着成分からの有機物質ガスの発生が促進され、有機物質を効率的に除去することができる。従って、使用時におけるエアフィルタ用ろ材からの有機物質の発ガス量を著しく低減することができる。
前記不織布がさらに非熱接着繊維を含む場合は、不織布に含まれる有機物質ガスが発生しやすい熱接着繊維の含有量を相対的に少なくして、エアフィルタ用ろ材からの有機物質の発ガス量を低減することができる。
前記熱接着繊維がさらに非熱接着成分を含み、この非熱接着成分の融点が加熱接着する温度よりも30℃以上高いものである場合は、加熱接着した際に、熱接着繊維からの有機物質の発ガス量を低減することができる。
また、補強層が非熱接着繊維からなる基体の表面を被覆するように、この非熱接着繊維の融点よりも低い融点のバインダ樹脂を付着してなるため、加熱接着によって、補強層を構成する繊維の表面を被覆するように付着したバインダ樹脂からの有機物質ガスの発生が促進され、有機物質を効率的に除去することができる。
本発明のエアフィルタ用ろ材が、基板表面吸着・加熱脱着法による評価において、シリコンウェーハの単位面積当たりに吸着された総有機物質量が0.01ng/cm2以下のものである場合は、エアフィルタ用ろ材から発生する総有機物質量が少ないので、例えば、下流側に設置されるケミカルフィルタの寿命を長くすることができる。
また、本発明のエアフィルタ用ろ材の製造方法によれば、ろ材層と補強層を接着するための1回の加熱によって、有機物質の発ガス量を著しく低減させたエアフィルタ用ろ材を製造することができる。
本発明のエアフィルタ用ろ材は、ろ材層に補強層を加熱接着してなるものであって、ろ材層が熱接着繊維からなる不織布であり、この熱接着繊維の熱接着成分の融点が加熱接着する温度よりも30℃以上低いものである。
熱接着繊維としては、ろ材層と補強層を加熱接着する温度よりも30℃以上低い融点をもつ熱接着成分からなる単一繊維を用いることができる。具体的には、熱接着繊維としては、熱接着成分がポリエステル,ポリアミド,ポリプロピレン,ポリエチレン等からなる単一繊維の中から加熱接着温度を考慮して適宜用いることができる。この熱接着繊維は、熱接着成分の融点がろ材層と補強層を加熱接着する温度よりも30℃以上低いものであるので、ろ材層と補強層を加熱接着した際に、熱接着成分からの有機物質ガスの発生が促進され、そこに含まれる有機物質が効率的に除去される。尚、ろ材層と補強層の加熱接着温度は特に限定されるものではないが、例えば、140〜150℃が挙げられる。
熱接着繊維としては、前記熱接着成分にさらに非熱接着成分を含む、例えば、芯鞘型やサイドバイサイド型の複合繊維を用いることもできる。複合繊維中の非熱接着成分は、その融点がろ材層と補強層を加熱接着する温度よりも30℃以上高いものであることが好ましい。具体的には、複合繊維としては、非熱接着成分/熱接着成分が共重合ポリエステル/ポリエステル,ポリプロピレン/ポリエステル,共重合ポリプロピレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリアミド、ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリエチレン/ポリエステル等からなるものの中から加熱接着温度を考慮して適宜用いることができる。
ろ材層中の熱接着繊維が、熱接着成分にさらに非熱接着成分を含み、この非熱接着成分の融点が加熱接着する温度よりも30℃以上高いものであることによって、加熱接着した際に、熱接着繊維からの有機物質の発ガス量を低減することができる。
ろ材層となる不織布は、さらに非熱接着繊維を含むものであることが好ましい。非熱接着繊維を含むことによって、有機物質ガスが発生しやすい熱接着繊維の含有量を相対的に少なくして、エアフィルタ用ろ材からの有機物質の発ガス量を低減することができる。
非熱接着繊維は、ろ材層と補強層を加熱接着する温度よりも高い融点をもつ非熱接着成分からなる繊維を用いることができる。具体的には、非熱接着繊維としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなる繊維の中から加熱接着温度を考慮して適宜用いることができる。
不織布が非熱接着繊維を含む場合は、熱接着繊維80〜40質量%と非熱接着繊維20〜60質量%からなる不織布であることが好ましい。熱接着繊維の配合量が80質量%を超えると、エアフィルタ用ろ材からの有機物質の発ガス量が多くなるという問題がある。また、熱接着繊維の配合量が40質量%未満であると、ろ材層となる不織布を構成する繊維間の接着が弱くなり、ろ材層から繊維が飛散したり、ろ材層と補強層の間で剥離が起こる等の問題を生じるおそれがある。尚、不織布は、例えば、繊維間が熱接着により接着されたサーマルボンド不織布であり、乾式法、エアレイ法、スパンボンド法等によって形成することができる。
補強層は、非熱接着繊維からなる不織布、織布(ネット)等の基体を用い、この基体の表面を被覆するように、非熱接着繊維の融点よりも低い融点のバインダ樹脂を付着したものである。
基体を構成する非熱接着繊維としては、ろ材層と補強層を加熱接着する温度よりも10℃以上高い融点をもつ非熱接着成分からなる繊維を用いることができる。具体的には、ポリエステル、ポリプロピレン、及びこれらの共重合体、ポリアミド、ポリエチレン等からなるものの中から加熱接着温度を考慮して適宜用いることができる。非熱接着繊維の融点よりも低い融点のバインダ樹脂の基体への付着は、できる限り過不足なく付着させることが望ましいため、補強層の基体となる樹脂を押し出して成形する際に、同時にバインダ樹脂を押し出すことのできる多層インフレーション法を用いることが望ましいが、これに限定されるわけではなく、例えば、含浸法や噴霧法、添着法等によってバインダ樹脂で基体を構成する繊維の表面を被覆するように付着することで行うようにしてもよい。バインダ樹脂としては、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリエチレン、ポリエステル等の中から基体を構成する非熱接着繊維の融点よりも低い融点をもつものを適宜選択して用いることができる。バインダ樹脂は、その融点が加熱接着の温度よりも30℃以上低いものを用いることが好ましい。
このように、補強層が非熱接着繊維からなる基体の表面を被覆するようにバインダ樹脂を付着させたものであるので、加熱接着により、バインダ樹脂によってろ材層と補強層を強固に接着することができる。この場合、バインダ樹脂は、補強層を構成する繊維の表面を被覆するように付着しているため、バインダ樹脂から有機物質ガスが発生しやすいことから、有機物質を効率的に除去することができる。従って、エアフィルタ用ろ材から発生する有機物質の発ガス量を著しく低減することができる。
本発明のエアフィルタ用ろ材は、例えば、プレフィルタ用ろ材として用いることが好ましい。プレフィルタ用ろ材としては、例えば、JIS B 9908に準拠した試験方法による粒子捕集平均効率が50〜99%、圧力損失が面風速1m/sにおいて100Pa以下であるものが好ましい。また、本発明のエアフィルタ用ろ材をプレフィルタ用ろ材として用いる場合は、ろ材層となる不織布を構成する熱接着繊維は、平均繊度が1〜100デシテックスであるものが好ましい。この不織布がさらに非熱接着繊維を含む場合、非熱接着繊維は、加熱による平均繊度の変化が少ないので、平均繊度が1〜50デシテックスであるものが好ましい。また、補強層となる基体は、平均繊度が100〜1000デシテックスであるものが好ましい。不織布を構成する熱接着繊維や非熱接着繊維は、その繊維長が31〜76mmであるものが好ましい。
プレフィルタ用ろ材は、面密度が50〜1000g/m2(ろ材層が45〜900g/m2、補強層が5〜100g/m2)であるものが好ましい。
また、プレフィルタ用ろ材を平板状態で用いる場合は、面密度は100〜1000g/m2(ろ材層が95〜900g/m2、補強層が5〜100g/m2)であることが好まし
く、150〜600g/m2(ろ材層が145〜550g/m2、補強層が5〜50g/m2)であることがさらに好ましい。
また、プレフィルタ用ろ材をプリーツ加工や袋形状に加工して用いる場合は、面密度は50〜300g/m2(ろ材層が45〜200g/m2、補強層が5〜100g/m2)で
あることが好ましく、100〜200g/m2(ろ材層が95〜150g/m2、補強層が5〜50g/m2)であることがさらに好ましい。
また、プレフィルタ用ろ材の厚さ(ろ材層と補強層の合計厚さ)は、5〜50mmであることが好ましく、15〜25mmであることがさらに好ましい。プレフィルタ用ろ材の厚さが5mm未満である場合は、塵埃の保持容量が少なくなり、寿命が短くなるという問題があり、50mmを超えると、圧力損失が高くなりすぎるため、やはり寿命が短くなるという問題があるからである。
次に、本発明の実施例を、参考例、比較例及び従来例とともに説明する。尚、本発明のエアフィルタ用ろ材は、以下の例に限定して解釈されるものではない。
(実施例1)
非熱接着成分(芯成分):融点255℃のポリエステル/熱接着成分(鞘成分):融点110℃のポリエステルからなる、平均繊度17デシテックス、繊維長76mmの芯鞘型の熱接着繊維100質量%をろ材層となる不織布の繊維原料とし、これを開繊した後、カード機にかけて面密度250g/m2、厚さ20mmの不織布を形成し、ろ材層とした。
融点150〜170℃のポリプロピレンからなる非熱接着繊維の織布(ネット)を押し出して成形する際に、同時に融点100℃のEVAからなるバインダ樹脂を押し出すことで基体を構成する非熱接着繊維の表面を被覆するようにバインダ樹脂を付着させることのできる多層インフレーション法により、面密度13g/m2、厚さ0.4mmの補強層を形成した。
次に、ろ材層と補強層を積層して、140℃の乾燥機で3分間加熱することで、ろ材層と補強層を加熱接着し、その後、空冷して面密度260g/m2、厚さ20mmのプレフィルタ用ろ材を作製した。
(実施例2)
実施例1と同様の熱接着繊維80質量%と融点255℃のポリエステルからなる平均繊度33デシテックス、繊維長76mmの非熱接着繊維20質量%をろ材層となる不織布の繊維原料としたこと以外は、実施例1と同様にして、面密度260g/m2、厚さ20mmのプレフィルタ用ろ材を作製した。
(実施例3)
実施例1と同様の熱接着繊維60質量%と実施例2と同様の非熱接着繊維40質量%をろ材層となる不織布の繊維原料としたこと以外は、実施例1と同様にして、面密度260g/m2、厚さ20mmのプレフィルタ用ろ材を作製した。
(実施例4)
実施例1と同様の熱接着繊維50質量%と実施例2と同様の非熱接着繊維50質量%をろ材層となる不織布の繊維原料としたこと以外は、実施例1と同様にして、面密度260g/m2、厚さ20mmのプレフィルタ用ろ材を作製した。
(実施例5)
実施例1と同様の熱接着繊維40質量%と実施例2と同様の非熱接着繊維60質量%をろ材層となる不織布の繊維原料としたこと以外は、実施例1と同様にして、面密度260g/m2、厚さ20mmのプレフィルタ用ろ材を作製した。
(実施例6)
実施例1と同様の熱接着繊維20質量%と実施例2と同様の非熱接着繊維80質量%をろ材層となる不織布の繊維原料としたこと以外は、実施例1と同様にして、面密度260g/m2、厚さ20mmのプレフィルタ用ろ材を作製した。
参考例
非熱接着成分(芯成分):融点160℃のポリプロピレン/熱接着成分(鞘成分):融点110℃のポリエステルからなる、平均繊度17デシテックス、繊維長76mmの芯鞘型の熱接着繊維60質量%と、実施例2と同様の非熱接着繊維40質量%をろ材層となる不織布の繊維原料として、実施例1と同様にして、面密度250g/m2、厚さ19.5mmの不織布を形成し、ろ材層とした。
非熱接着成分(芯成分):融点160℃のポリプロピレン/熱接着成分(鞘成分):融点110℃のポリエステルからなる、平均繊度650デシテックス、面密度50g/2、厚さ0.5mmの熱接着繊維で構成される不織布からなる基体を補強層とした。
次に、ろ材層と補強層を積層して、140℃の乾燥機で3分間加熱することで、ろ材層と補強層を加熱接着し、その後、空冷して面密度300g/m2、厚さ20mmのプレフィルタ用ろ材を作製した。
(比較例)
実施例2と同様の非熱接着繊維100質量%をろ材層となる不織布の繊維原料としたこと以外は、実施例1と同様にして、面密度260g/m2、厚さ20mmのプレフィルタ用ろ材を作製した。
(従来例1)
非熱接着成分(芯成分):融点160℃のポリプロピレン/熱接着成分(鞘成分):融点130℃のポリエチレンからなる、平均繊度30デシテックス、繊維長64mmの芯鞘型の熱接着繊維100質量%をろ材層となる不織布の繊維原料とし、これを開繊した後、カード機にかけて面密度200g/m2、厚さ20mmの不織布を形成し、ろ材層とした。
非熱接着成分(芯成分):融点160℃のポリプロピレン/熱接着成分(鞘成分):融点130℃のポリエチレンからなる、平均繊度670デシテックス、面密度50g/m2、厚さ0.5mmの熱接着繊維で構成される不織布からなる基体を補強層とした。
次に、ろ材層と補強層を積層して、145℃の乾燥機で3分間加熱することで、ろ材層と補強層を加熱接着して、面密度250g/m2、厚さ20mmのプレフィルタ用ろ材を作製した。
(従来例2)
従来例1と同様の熱接着繊維60質量%と、実施例2と同様の非熱接着繊維40質量%をろ材層となる不織布の繊維原料としたこと以外は、従来例1と同様にして、面密度260g/m2、厚さ20mmのプレフィルタ用ろ材を作製した。
次に、本発明の実施例、参考例、比較例、従来例について、以下のようにして総有機物質量、接着性、繊維飛散性、総合評価を行った。結果を表1に示す。
総有機物質量:
総有機物質量として、次に示す基板表面吸着・加熱脱着法により測定されるシリコンウェーハの単位面積当たりに吸着された総有機物質量を示した。総有機物質量が従来例1の1/5未満のものを◎、1/5以上1未満のものを○、1以上のものを×とした。
エアフィルタ用ろ材から発生する総有機物質量の測定には、クリーンルームの構成材料から発生する汚染物質の測定方法として、一般的に使用されている基板表面吸着・加熱脱着法を用いた。図2を参照して、基板表面吸着・加熱脱着法によるエアフィルタ用ろ材から発生する総有機物質量の測定方法について説明する。
図2(a)は、エアフィルタ用ろ材から発生する有機物質等のガス状汚染物質をシリコンウェーハに吸着させるために用いる試験用ダクト30を示す図である。図2(a)に示すように、ステンレス製の試験用ダクト30は、空気が、ファン32によりケミカルフィルタ33と高性能フィルタ34を通過することで清浄化され、上流側サンプリング室35に流入し、上流側サンプリング室35から試験用エアフィルタ用ろ材を用いたフィルタユニット31を通じて、下流側サンプリング室36を流通し、流出口37から外部に流出するようになっている。試験用エアフィルタ用ろ材を用いたフィルタユニット31は、縦610mm×横610mm×奥行20mmのものを用いた。下流側サンプリング室36には、室温空気が風速0.35m/sで通風するようにした。
試験用ダクト30に予め空気を24時間通風し、通風を開始してから24時間後に、試験用ダクト30を開放して、上流側サンプリング室35にサンプル用シリコンウェーハ38を設置するとともに、下流側サンプリング室36にサンプル用シリコンウェーハ39を設置した。尚、シリコンウェーハ38,39の支持には、加熱により清浄化した石英製の支持部材を用いた。その後、通風を再開し、シリコンウェーハ38,39をサンプリング室35,36にて24時間暴露し、通風を開始してから48時間経過後に取り出して分析用のサンプルとした。
次に、サンプル用シリコンウェーハに吸着された汚染物質を、以下のようにして、シリコンウェーハアナライザ(GLサイエンス(株)社製SWA256)と、ガスクロマトグラフ質量分析計(Agilent Technology(株)社製 HP−5973)を用いて測定した。
図2(b)に示すように、シリコンウェーハアナライザの石英チャンバ40内に分析用サンプル41(サンプル用シリコンウェーハ)を設置し、石英チャンバ40内にヘリウムガスを供給しながら、初期温度(40℃以下)から設定温度400℃まで毎分20℃から30℃の昇温速度で加熱し、設定温度400℃で15分間保持した。これにより、分析用サンプル41のシリコンウェーハ表面に吸着されていた汚染物質を、ウェーハ表面から加熱により脱離させて、捕集管に送り込み、捕集管に吸着させた。この捕集管に吸着された汚染物質をガスクロマトグラフ質量分析計に導き、分析用サンプル41に吸着されていた総有機物質量を測定した。尚、総有機物質量を測定するための検量線は、イコサン(C2042)から導いたものを用いた。また、上流側サンプリング室35に設置した分析用サンプルであるシリコンウェーハ38から測定した値をブランクとし、下流側サンプリング室36に設置した分析用サンプルであるシリコンウェーハ39から測定した値から、ブランクを引いた値を総有機物質量とした。
接着性:
接着性は、各エアフィルタ用ろ材をロール状に巻き取った場合に、ろ材層と補強層の状態を目視で確認し、従来例1と比較して両者の剥離の程度が小さいものを○とし、同程度のものを△とし、大きいものを×とした。
繊維飛散性:
繊維飛散性は、各エアフィルタ用ろ材をはさみで切断し、従来例1と比較してその切り口からの繊維の飛散の程度が小さいものを○とし、同程度のものを△とし、大きいものを×とした。
総合評価:
総合評価は、総有機物質量と接着性と繊維飛散性が全て○以上であるものを◎とし、総有機物質量が○以上で接着性と繊維飛散性のいずれかが△のものを○とし、総有機物質量と接着性と繊維飛散性のいずれかが×のものを×とした。結果を表1に示す。
Figure 0004781826
表1に示すとおり、実施例1〜6は、従来例1、2と比べて、著しく総有機物質量が低減されていることが確認できた。即ち、実施例1〜6のエアフィルタ用ろ材から発生する総有機物質量は、従来例1と比較して、1/5未満に低減されていることが確認できた。これに対し、参考例のように、ろ材層の熱接着繊維の非熱接着成分の融点が、加熱接着する温度よりも30℃未満の範囲で高い場合は、従来例1よりも総有機物質量は低減しているものの、実施例1〜6よりも多かった。また、参考例のように、補強層が熱接着繊維からなる基体である場合は、バインダ樹脂を非熱接着繊維からなる基体に付着した補強層を用いた場合と比べて、加熱によって有機物質ガスが発生しにくいので有機物質を効率的に除去することができず、さらにエアフィルタ用ろ材中に有機物質ガスが発生しやすい熱接着成分を多く含むため、総有機物質量が多かった。
比較例のように、ろ材層を非熱接着繊維のみで構成した場合は、総有機物質量は少ないものの、繊維が飛散し、ロール状に巻き取るとろ材層と補強層が剥離した。
また、従来例1、2のように、ろ材層中の熱接着繊維の熱接着成分の融点が、加熱接着する温度よりも30℃未満の範囲で低い場合は、実施例1〜6及び参考例よりも総有機物質量が多かった。従来例2のように、ろ材層が、熱接着繊維にさらに非熱接着繊維を含む不織布からなるものであっても、総有機物質量は実施例1〜6ほど低減されなかった。また、従来例2は、ロール状に巻き取るとろ材層と補強層が剥離した。
本発明は、半導体や液晶を製造するクリーンルームの外気処理系施設において使用するエアフィルタ用ろ材及びその製造方法に関し、ろ材層と補強層が剥離することなく、ろ材から発生する有機物質の発ガス量を著しく低減させたエアフィルタ用ろ材及びその製造方法を提供することができる点において、産業上の利用可能性を有する。
クリーンルーム施設と外気処理系施設の概略説明図 基板表面吸着・加熱脱着法によるエアフィルタ用ろ材から発生する総有機物質量の測定方法の説明図
符号の説明
1 クリーンルーム施設
2 外気処理系施設
3 外調機
4 内調機
5 プレフィルタ
6 中性能フィルタ
7 ケミカルフィルタ
8 ケミカルフィルタ
9 高性能フィルタ
10 ブロア
11 クリーンルーム外室
12 クリーンルーム
12a 天井部
13 ケミカルフィルタ
14 ファン
15 高性能フィルタ
16 ケミカルフィルタ
30 試験用ダクト
31 フィルタユニット
32 ファン
33 ケミカルフィルタ
34 高性能フィルタ
35 上流側サンプリング室
36 下流側サンプリング室
37 流出口
38 シリコンウェーハ
39 シリコンウェーハ
40 石英チャンバ
41 分析用サンプル(シリコンウェーハ)

Claims (8)

  1. ろ材層に、非熱接着繊維からなる基体の表面を被覆するように前記非熱接着繊維の融点よりも低い融点のバインダ樹脂を付着してなる補強層を加熱接着してなるエアフィルタ用ろ材であって、ろ材層が熱接着繊維からなる不織布であり、前記熱接着繊維の熱接着成分の融点が加熱接着する温度よりも30℃以上低いものであることを特徴とするエアフィルタ用ろ材。
  2. 前記不織布がさらに非熱接着繊維を含むことを特徴とする請求項1記載のエアフィルタ用ろ材。
  3. 前記不織布が熱接着繊維80〜40質量%と、非熱接着繊維20〜60質量%からなることを特徴とする請求項2記載のエアフィルタ用ろ材。
  4. 前記熱接着繊維がさらに非熱接着成分を含み、前記非熱接着成分の融点が加熱接着する温度よりも30℃以上高いものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエアフィルタ用ろ材。
  5. ろ材層に、非熱接着繊維からなる基体の表面を被覆するように前記非熱接着繊維の融点よりも低い融点のバインダ樹脂を付着してなる補強層を加熱接着してなるエアフィルタ用ろ材の製造方法であって、ろ材層に熱接着繊維からなる不織布を用いて、この熱接着繊維の熱接着成分の融点よりも30℃以上高い温度で加熱して、ろ材層に補強層を接着するようにしたことを特徴とするエアフィルタ用ろ材の製造方法。
  6. 前記不織布がさらに非熱接着繊維を含むことを特徴とする請求項5記載のエアフィルタ用ろ材の製造方法。
  7. 前記不織布が熱接着繊維80〜40質量%と、非熱接着繊維20〜60質量%からなることを特徴とする請求項6記載のエアフィルタ用ろ材の製造方法。
  8. 前記熱接着繊維がさらに非熱接着成分を含み、前記非熱接着成分の融点が加熱接着する温度よりも30℃以上高いものであることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載のエアフィルタ用ろ材の製造方法。
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