JP4454952B2 - エアフィルタ用濾材、エアフィルタユニット、及びその製造方法、並びにその包装体 - Google Patents

エアフィルタ用濾材、エアフィルタユニット、及びその製造方法、並びにその包装体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体や液晶の生産施設などのクリーンルームなどにおいて、クリーンルーム内に流入する外気や、クリーンルーム内の空気中に含まれる粉塵を除去する有機質繊維からなるエアフィルタ用濾材であり、計数法による粒子捕集効率が90%以上のフィルタやHEPAフィルタやULPAフィルタなどの高性能フィルタとして用いる、アウトガス発生の少ないエアフィルタ用濾材及びエアフィルタユニット、及びその製造方法、並びにその包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体や液晶の生産施設、または半導体や液晶の周辺技術関連で用いるクリーンルームなどでは、該生産施設内または該クリーンルーム内の空気や雰囲気に対して高い清浄度が要求される。しかし、これら空気や雰囲気中には粉塵や有機系ガス状汚染物質や無機系ガス状汚染物質が含まれているのみならず、クリーンルーム構成部材や作業員などからも粉塵や有機系ガス状汚染物質や無機系ガス状汚染物質が発生するため、このような粉塵やガス状汚染物質を除去するフィルタシステムが図1に例示するように設置されている。外気空気は外調機1の粗塵除去用のプレフィルタ2、中性能フィルタ3、エアワッシャー4、HEPAフィルタ6の順に通過した後、さらに循環系のHEPAフィルタ8やULPAフィルタ8’を通過して、空気中の塵埃が除去される。また、クリーンルーム内に流入するガス状汚染物質は必要に応じて循環系に設置されたケミカルフィルタ7によって除去される。特に、外気中にガス状汚染物質が多く含まれる場合は、外調機1のHEPAフィルタ6と中性能フィルタ3の間に更にケミカルフィルタ5が設置されている。
【0003】
前記ガス状汚染物質には、有機系ガス状汚染物質や、無機系ガス状汚染物質が含まれるが、特に有機系ガス状汚染物質は、半導体基板であるシリコンウェハ表面上に付着すると、シリコンウェハ表面上に形成される絶縁酸化膜の絶縁耐圧が低下したり、空気中に浮遊する微粒子が静電吸着し易くなり、絶縁破壊が起こり易くなるなど、半導体や液晶の製造に悪影響を及ぼす。これら、有機系ガス状汚染物質のウェハ表面への吸着を防止するには、クリーンルーム雰囲気中の該有機物質の濃度をできるだけ低いレベルで管理しなければならない。このような管理濃度は次のようにして求めることができる。すなわち、1999年版SIA(Semiconductor Industry Association)ロードマップによれば、西暦2000年のウェハ表面上での有機物質管理レベルは6.6×1013Catoms/cmと言われている。これをトルエン換算すると14.4μg/mとなる。これらウェハ表面上での管理レベルの値と、一般に知られている付着確率から、下記の算出式1によりクリーンルーム空気中での管理レベルの推定値を算出すると、総有機物質は41.7μg/mの管理濃度となる。
算出式1:N=As/(v・t・γ)
N;空気中の汚染物質濃度(空気中の管理濃度)(μg/m
As;ウェハ表面の汚染物質濃度(ウェハ表面上での管理レベル)
(μg/m
v;クリーンルーム空気の流速(0.4m/sec)
t;ウェハの空気中暴露時間(86400sec)
γ;付着確率 (芳香族炭化水素類の付着確率1×10-
【0004】
このような汚染物質を吸着除去するケミカルフィルタには、例えば活性炭、活性炭繊維、ゼオライト、イオン交換樹脂、その他化学吸着材などの吸着材が利用されており、これら吸着材が単独で用いられたり、ネット状物や不織布などの基材に吸着材などが担持されている。そして該ケミカルフィルタは前記フィルタシステム中の循環系に設置され、また必要に応じて外調機にも設置されている。
【0005】
しかし、ガス状汚染物質の中でも有機系のガス状汚染物質は、外気中のみならず、ケミカルフィルタの下流位置に配置される計数法による粒子捕集効率が90%以上のフィルタやHEPAフィルタやULPAフィルタ(以下、計数法による粒子捕集効率が90%以上のフィルタとHEPAフィルタとULPAフィルタとを総称して高性能フィルタということがある)自体からも発生していることが判ってきた。しかもこのような高性能フィルタはクリーンルームでは多用され、濾材の使用面積が非常に多いため、高性能フィルタからの発生ガスの防止が課題とされてきた。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−104417号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、高性能フィルタとして従来より使用されてきたガラス繊維製フィルターはホウ素を含むことが多いが、半導体工業などでは、このホウ素が無機系ガス状汚染物質となり悪い影響を与えるため問題となっていた。また、一方、ガラス繊維を使用しない高性能フィルターとして、ポリテトラフルオロエチレンの微孔膜を利用したフィルターが知られているが、このフィルターは高価であった。また、ガラス繊維製フィルターは焼却による廃棄ができず、ポリテトラフルオロエチレンの微孔膜を利用したフィルターは焼却時に有害ガスが発生するなど環境に悪い影響を与えるという問題があった。そこで、有機質繊維からなる高性能フィルターとしてメルトブロー法などにより得られる平均繊維径数μmのポリプロピレン繊維からなるフィルターを検討したが、このような不織布は高性能フィルタとしては繊維が太いため、高い面密度が必要であり、その結果、通風時に圧力損失が高くなり、濾過寿命も短くなってしまった。そこで、繊維径を細くして、低い面密度でも高い粒子捕集効率が得られるようにして、更にプリーツ加工などのユニット加工を容易にするため、熱接着性繊維によって繊維同士を接着固定した高性能フィルタを検討した。そして、その接着のために接着剤を使用すると有機質のガス状汚染物質の発生が著しいため、接着剤は使用せず、繊維の固定には熱接着性の有機質繊維を用いるようにした。しかし、これらのメルトブロー法による極細繊維や熱接着性の有機質繊維は、繊維形成時や熱溶融時の繊維の分解生成物や、酸化防止剤などの添加剤を多く含むため有機系のガス状汚染物質が多くなることを見出した。
【0008】
しかも、クリーンルーム内の管理基準は年々厳しくなる一方であり、上記のように高性能フィルタから有機系のガス状汚染物質が多量に発生すると、クリーンルーム内に有機質のガス状汚染物質が多量に進入したり、循環系にケミカルフィルタが設置されている場合はケミカルフィルタの寿命を縮めてしまい、クリーンルームなどのフィルタシステムの運転経費が大きくかかってしまうという問題があることを見出した。そこで、有機質のガス状汚染物質の発生量が少ない高性能フィルタとしてのエアフィルタ用濾材や、そのエアフィルタ用濾材を成型してフィルタ枠に装着したエアフィルタユニットを検討することを課題とした。
【0009】
すなわち、本発明は、クリーンルームなどで使用される高性能フィルタ用のエアフィルタ用濾材であり、計数法による粒子捕集効率が90%以上のフィルタやHEPAフィルタやULPAフィルタなどの高性能フィルタとして用いる、アウトガス発生の少ないエアフィルタ用濾材及びエアフィルタユニット、及びその製造方法、並びにその包装体を提供することよって、クリーンルームなどへの塵埃の進入を防ぐと共に、クリーンルームなどへの汚染ガスの進入を軽減し、またケミカルフィルタの汚染ガス除去に関する負担を少なくして寿命を延ばし、クリーンルームなどのフィルタシステムの運転維持経費の削減に寄与することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段は、請求項1の発明では、メルトブロー法による平均繊維径1μm未満の極細有機繊維を少なくとも5重量%以上含み、且つ平均繊維径5〜100μmの熱接着性繊維を含む繊維ウェブをコンベアー上に載置して、該熱接着性繊維の融点以上の温度で連続的に加熱処理して繊維同士接着した後、さらに前記繊維ウェブをコンベアー上に載置して、80℃以上で、且つ該熱接着性繊維の融点より10℃以下の温度で連続的に加熱処理することを特徴とするエアフィルタ用濾材の製造方法による。
【0011】
請求項2の発明では、請求項1に記載の製造方法によって得られたエアフィルタ用濾材であって、前記エアフィルタ用濾材は計数法による粒子捕集効率が90%以上のエアフィルタ用濾材であり、該エアフィルタ用濾材はメルトブロー法による繊維を少なくとも5重量%以上含み、且つ該エアフィルタ用濾材に含まれる繊維が熱接着性繊維によって結合しており、該エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出して、次に該エアフィルタ用濾材に含まれる熱接着性繊維とメルトブロー法による繊維合計の繊維の面密度100g/m あたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量を算出すると、1.0(pg/m ・hr)以上10(μg/m ・hr)以下であることを特徴とする高性能フィルタ用のエアフィルタ用濾材による。
【0012】
請求項3の発明では、前記エアフィルタ用濾材の計数法による粒子捕集効率が98%以上であることを特徴とする請求項に記載のエアフィルタ用濾材による。
【0013】
請求項4の発明では、前記エアフィルタ用濾材の計数法による粒子捕集効率が99.97%以上であることを特徴とする請求項2または3に記載のエアフィルタ用濾材による。
【0014】
請求項5の発明では、請求項2〜4の何れかに記載のエアフィルタ用濾材がフィルタ枠に装着されていることを特徴とするエアフィルタユニットによる。
【0015】
請求項6の発明では、エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、エアフィルタユニットの間口面積の単位面積あたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量が1.0(pg/m ・hr)以上1000(μg/m ・hr)以下であることを特徴とする請求項5に記載のエアフィルタユニットによる。
【0018】
請求項の発明では、請求項2〜4の何れかに記載のエアフィルタ用濾材が、通気性を有しないシート状物によって包装されてなる包装体であって、該シート状物から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該シート状物の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、該総有機物質の量が、該エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該エアフィルタ用濾材の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、総有機物質の量より少ないことを特徴とするエアフィルタ用濾材包装体による。なお、該エアフィルタ用濾材の単位面積とは、該エアフィルタ用濾材を使用する場合の通風面の見かけの表面の単位面積(1m)のことをいう。
【0019】
請求項の発明では、請求項5または6に記載のエアフィルタユニットが、通気性を有しないシート状物によって包装されてなる包装体であって、該シート状物から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該シート状物の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、該総有機物質の量が、該エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該エアフィルタ用濾材の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、総有機物質の量より少ないことを特徴とするエアフィルタユニット包装体による。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるエアフィルタ用濾材、エアフィルタユニット及びその製造方法、並びにその包装体の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
本発明のエアフィルタ用濾材は、後述する本発明のエアフィルタ用濾材の製造方法によって得られた計数法による粒子捕集効率が90%以上のエアフィルタ用濾材であって、該エアフィルタ用濾材はメルトブロー法による繊維を少なくとも5重量%以上含み、且つ該エアフィルタ用濾材に含まれる繊維が熱接着性繊維によって結合しており、該エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出して、次に該エアフィルタ用濾材に含まれる熱接着性繊維とメルトブロー法による繊維合計の繊維の面密度100g/mあたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量を算出すると、1.0(pg/m・hr)以上10(μg/m・hr)以下であることを特徴とする高性能フィルタ用のエアフィルタ用濾材である。
【0022】
また、本発明のエアフィルタ用濾材がフィルタ枠に装着されている本発明のエアフィルタユニットは、図1に例示するように、半導体や液晶の生産施設などのクリーンルーム9などにおいて、クリーンルーム内に流入する外気や、クリーンルーム内の空気中に含まれる粉塵を除去する、計数法による粒子捕集効率が90%以上のフィルタやHEPAフィルタやULPAフィルタなどの高性能フィルタとして用いられるエアフィルタユニットである。
【0023】
上記エアフィルタユニットは計数法による粒子捕集効率が90%以上の高性能フィルタ用のエアフィルタ用濾材を、ジグザグ状の形状にプリーツ加工して通風面積を増やしてからフィルタ枠に装着したり、又は袋状に加工して通風面積を増やしてからフィルタ枠に装着したものであり、外気中又は室内空気中の微塵を捕捉して、クリーンルームなどの塵埃濃度を低く保つことを主目的とする。
【0024】
本発明のエアフィルタ用濾材は高性能フィルタ用のエアフィルタ用濾材であり、JISB9908形式1の試験法において、計数法による0.3μmの粒子に対する粒子捕集効率(以下、単に計数法による粒子捕集効率ということがある。)が90%以上の性能であって、好ましくは計数法による粒子捕集効率が98%以上の性能を有し、更に好ましくは計数法による粒子捕集効率が99.97%以上の性能を有する。計数法による粒子捕集効率が90%以下である場合は微塵除去が不十分であり、高性能フィルタとして使用することができない。
【0025】
本発明のエアフィルタ用濾材の構造はメルトブロー法を含む方法によって形成された不織布であり、乾式法、エアレイ法、スパンボンド法など他の不織布の製法とメルトブロー法とを組み合わせた方法によって得られる不織布である。このようにメルトブロー法を含む方法によって形成された不織布であるため、繊維は極細繊維を含み、微塵に対する捕集効率が高い。また、例えばメルトブロー法とエアレイ法を組み合わせて得られる不織布としては、乾式法で用いるカード機などで開繊した短繊維ウェブを空気流で送るエアレイ法により、その短繊維ウェブをメルトブローの繊維ウェブ形成中に混入させて得られる不織布がある。このような不織布であれば、微塵に対する捕集効率が高く、厚みも高いので、濾過寿命の長い高性能エアフィルタ用濾材として好適である。すなわち、メルトブロー法とエアレイ法を組み合わせることで、短繊維が厚み方向に多数配向するので、厚みが出易くなり嵩高となり、且つ厚みがつぶれ難くなるのである。このように本発明のエアフィルタ用濾材は、メルトブロー法による繊維の重量が不織布全体の5重量%以上であり、30重量%以上が好ましく、50重量%以上が更に好ましい。5重量%未満の場合は高性能フィルタとしての微塵に対する捕集効率を十分に得ることができない。
【0026】
本発明のエアフィルタ用濾材の繊維は、不織布の製造で一般的に用いられる合成繊維、半合成繊維、無機繊維、天然繊維などである。例えば、メルトブロー法による極細繊維には、ポリプロピレン系、ポリエチレン系などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂などの繊維形成性重合体から形成された繊維が使用されるが、細い繊維が得やすいポリプロピレン系樹脂から形成された繊維がとくに好ましい。また、熱接着性繊維には、例えば他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる単一樹脂成分からなる繊維や、他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる低融点成分を繊維表面に有する複合繊維がある。このような複合繊維には、その横断面形状が例えば、低融点成分を繊維表面に有する芯鞘型やサイドバイサイド型などの複合繊維があり、またその材質は例えば、共重合ポリエステル/ポリエステル、共重合ポリプロピレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリアミド、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエステル、ポリエチレン/ポリエステルなどの繊維形成性重合体の組み合わせからなる複合繊維がある。また、該熱接着性繊維の全体の繊維に占める割合は好ましくは5重量%以上であり、更に好ましくは10重量%以上であり、最も好ましくは20重量%以上である。熱接着性繊維の割合が5重量%未満であると熱接着による結合力が弱く、エアフィルタ用濾材として使用しても、風圧で容易に厚みがつぶれてしまい、不具合を生じる場合がある。また、本発明のエアフィルタ用濾材の繊維はメルトブロー法による繊維の場合、幾何算術平均繊維径は0.05〜1μmが好ましく、0.1〜0.6μmがより好ましく、メルトブロー法以外の繊維の場合、幾何算術平均繊維径は5〜100μmが好ましく、10〜50μmが更に好ましい。
【0027】
本発明のエアフィルタ用濾材は上記の熱接着性繊維によって、熱接着性繊維同士、又は熱接着性繊維と他の繊維とが、該熱接着性繊維の融点以上の温度で加熱処理されることにより結合している。(以下、接着による結合を目的とした加熱処理を加熱接着処理ということがある。)この加熱接着処理には、例えば熱風吹き出し型乾燥機を用いる方法や、エアスルー型の乾燥機を用いる方法がある。
【0028】
本発明のエアフィルタ用濾材の面密度は50〜300g/mの面密度が好ましく、80〜200g/mが更に好ましい。また、本発明のエアフィルタ用濾材の厚さは、0.1〜50mmであることが好ましく、プリーツ加工する場合は0.1〜5mmであることが好ましく、0.5〜3mmが更に好ましい。
【0029】
本発明のエアフィルタ用濾材は、該エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出して、次に該エアフィルタ用濾材に含まれる熱接着性繊維とメルトブロー法による繊維合計の繊維の面密度100g/mあたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量を算出すると、1.0(pg/m・hr)以上10(μg/m・hr)以下である、好ましくは該総有機物質の量が1.0(pg/m・hr)以上5(μg/m・hr)以下である、更に好ましくは該総有機物質の量が1.0(pg/m・hr)以上3(μg/m・hr)以下である。このように、エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量を少なくするには、前記熱接着性繊維によって、熱接着性繊維同士、又は熱接着性繊維と他の繊維とが、該熱接着性繊維の融点以上の温度で加熱接着処理されることにより結合しているエアフィルタ用素材をさらに80℃以上で、且つ該熱接着性繊維の融点より10℃以下の温度の気体中で加熱処理することによって得ることができる。(以下、総有機物質の量を少なくする目的の加熱処理を加熱除去処理ということがある。)この加熱除去処理には、例えば熱風吹き出し型乾燥機を用いる方法や、エアスルー型の乾燥機を用いる方法がある。また、この加熱除去処理は減圧下でも可能である。減圧下で加熱除去処理すれば、加熱温度を常圧時より低下させることができ、エアフィルタ用素材の熱変形などを防ぐことができる場合がある。
【0030】
本発明では、有機質ガス状汚染物質の定量には、ダイナミックヘッドスペース法によって、加熱状態で促進試験を行ない、発生ガス量を定量した後、その値を発生ガス推測法によって、室温時の値に換算した値を使用している。
【0031】
次に、ダイナミックヘッドスペース法を説明する。図2はこの方法に用いる発生ガス捕集装置(ジーエルサイエンス(株)製 MSTD−258M)の説明図である。まず、測定したい素材を直径7cmの円形に切り、試料14を作成する。試料14をチャンバー10内の中央のガス吹き出し口13の上に設置する。次に、清浄なヘリウムガス11をチャンバー内に流速120ml/minで連続的に流通させながら所定の温度(60℃または80℃)で加熱する。ヘリウムガス11は試料14と接触する際、試料14から発生する汚染物質がヘリウムガス中に混入するので、気体濃度が平衡になった後、捕集速度100ml/minで固体吸着材12(成分;2,6-diphenylene oxide)に捕集する。次いで、固体吸着材12に捕集した物質をガスクロマトグラフ質量分析計で分析する。((株)島津製作所製 QP−5050を使用)加熱の温度は60℃と80℃の2条件で測定する。
【0032】
次に、発生ガス推測法とは、高温下で発生ガスの促進試験を行ない、実験式を用いて、室温での結果を推測する方法であり、以下、発生ガス推測法について具体的に説明する。実際のクリーンルームの室温23℃での発生ガスは極微量なので実測では分析感度の点で長時間の測定が必要になるなど、現実的には測定困難なため、前述のダイナミックヘッドスペース法により、試験条件を例えば60℃、80℃の高温下に設定して、試料から発生する有機物質の量を定性定量的に測定した結果から下記の式を用いて室温23℃での結果を推測する。(株)住化分析センターの竹田らによれば、試験温度と発生ガスの関係については、経験則として下記の式が成り立つことがわかっている。(平成11年第17回コンタミネーションコントロール研究大会予稿集などに記載)
ln(M/A・h)=−C1/T+C2
M;トルエン換算の発生ガス量(μg)
A;測定試料面積(m2
h;捕集に要した時間(h)
T;試験温度(絶対温度K)
C1およびC2;定数
【0033】
また、本発明のエアフィルタ用濾材はコロナ放電加工などによりエレクトレット化処理がなされていることも可能である。また、本発明のエアフィルタ用濾材は上記のエアフィルタ用濾材と同じもの又は異なるものが複数積層していても構わない。また、上記のエアフィルタ用濾材と他の通気性を有するシート状物が積層していても構わない。このような通気性を有するシート状物には、例えば織物、編物、ネット、不織布、ろ紙などがあるが、ガス状汚染物質を多く発生しないものが好ましい。
【0034】
本発明のエアフィルタユニットは、本発明のエアフィルタ用濾材がフィルタ枠に装着されていることを特徴とするエアフィルタユニットである。このようなエアフィルタユニットの形態には、エアフィルタ用濾材がプリーツ折の型、エアフィルタ用濾材が袋形状の型などがある。プリーツ折の型の場合、エアフィルタ用濾材の面積はユニットの間口面積あたり最大100倍程度まで、また袋形状の型の場合、エアフィルタ用濾材の面積は最大30倍程度まで増加できる。また、エアフィルタユニットに用いる枠体としては、有機質ガス状汚染物質の発生が少ない合成樹脂の板や、該汚染物質の発生がほとんど無いアルミなどの金属であることが好ましい。
【0035】
本発明のエアフィルタユニットは、前述のような本発明のエアフィルタ用濾材を用いているため、要求される塵埃に関する濾過性能に応じて適宜使用面積を変えたとしても、該エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、エアフィルタユニットの間口面積の単位面積あたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量が1.0(pg/m・hr)以上1000(μg/m・hr)以下である、好ましくは該総有機物物質の量が1.0(pg/m・hr)以上750(μg/m・hr)以下である、更に好ましくは該総有機物質の量が1.0(pg/m・hr)以上500(μg/m・hr)以下であるエアフィルタユニットとすることができる。
【0036】
次に、一例として本発明の請求項に係るエアフィルタユニットをクリーンルームに使用した場合の効果を示す。例えば、ユニット間口を通過する風速を0.3m/secに設定したとすると、エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、エアフィルタユニットの間口面積の単位面積あたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量が1000(μg/m・hr)である場合、空気中の汚染物質濃度は1000μg/m・hr÷0.3m/sec=0.92μg/mとなり、前述の管理基準値の41.7μg/mを十分に満足できる。
【0037】
なお、本発明のエアフィルタユニットがクリーンルームの循環系で使用される場合は、エアフィルタ用濾材から発生する有機物質が循環系に設置されているケミカルフィルタによって除去される。しかし、本発明によるエアフィルタ用濾材からの発生ガス量は、従来タイプのエアフィルタ用濾材からの発生ガス量と比較して、極めて少なく、ケミカルフィルタへの負担を格段に軽減して、ケミカルフィルタの寿命を大きく延ばすことができる。このように、本発明によるエアフィルタ用濾材およびエアフィルタユニットによって、クリーンルームなどへの塵埃の進入を防ぐと共に、クリーンルームなどへの汚染ガスの進入を軽減し、また該ケミカルフィルタの汚染ガス除去に関する負担を少なくして寿命を延ばし、クリーンルームなどのフィルタシステムの運転維持経費の削減に寄与することができる。なお、本発明のエアフィルタ用濾材またはエアフィルタユニットからの発生ガスは従来タイプより極めて少ないため、例えばケミカルフィルタなどを配置しなくても良いような管理基準のあまり厳しくない室内用途にも用いることができる。
【0038】
本発明のエアフィルタ用濾材の製造方法は、メルトブロー法による平均繊維径1μm未満の極細有機繊維を少なくとも5重量%以上含み、且つ平均繊維径5〜100μmの熱接着性繊維を含む繊維ウェブをコンベアー上に載置して、該熱接着性繊維の融点以上の温度で連続的に加熱処理して繊維同士接着した後、さらに前記繊維ウェブをコンベアー上に載置して、80℃以上で、且つ該熱接着性繊維の融点より10℃以下の温度で連続的に加熱処理することを特徴とするエアフィルタ用濾材の製造方法である。
【0039】
上記繊維ウェブの形成法は不織布の製法のうちメルトブロー法と例えば乾式法、エアレイ法、スパンボンド法など他の不織布の製法とを組み合わせた方法を用いることができる。このように、メルトブロー法によれば、繊維を極細繊維とすることができ、微塵に対する捕集効率が向上する。また、乾式法で用いるカード機などで開繊した短繊維ウェブを空気流で送るエアレイ法により、その短繊維ウェブをメルトブローの繊維ウェブ形成中に混入させて、混合ウェブとすることもできる。このようなメルトブロー法とエアレイ法とを組み合わせた方法によれば、微塵に対する捕集効率を高くしながら、厚みも高く出せるので濾過寿命の長い高性能エアフィルタ用濾材を得ることができる。すなわち、エアレイ法を組み合わせることで、短繊維が厚み方向に多数配向するので、厚みが出易くなり嵩高となり、且つ厚みがつぶれ難くなるのである。
【0040】
本発明のエアフィルタ用濾材の製造方法で用いる繊維は、不織布の製造で一般的に用いられる合成繊維、半合成繊維、無機繊維、天然繊維などがある。例えば、メルトブロー法による極細繊維には、ポリプロピレン系、ポリエチレン系などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂などの繊維形成性重合体から形成された繊維を使用することができるが、細い繊維が得やすいポリプロピレン系樹脂から形成された繊維をとくに好ましく用いることができる。また、熱接着性繊維としては、例えば他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる単一樹脂成分からなる繊維や、他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる低融点成分を繊維表面に有する複合繊維がある。このような複合繊維には、その横断面形状が例えば、低融点成分を繊維表面に有する芯鞘型やサイドバイサイド型などの複合繊維があり、またその材質は例えば、共重合ポリエステル/ポリエステル、共重合ポリプロピレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリアミド、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエステル、ポリエチレン/ポリエステルなどの繊維形成性重合体の組み合わせからなる複合繊維がある。また、該熱接着性繊維の配合比率は5重量%以上が好ましく、更に好ましくは10重量%以上であり、最も好ましくは20重量%以上である。熱接着性繊維の配合比率が5重量%未満であると熱接着による結合力が弱く、エアフィルタ用濾材として使用しても、風圧で容易に厚みがつぶれてしまい、不具合を生じてしまう場合がある。
【0041】
上記繊維ウェブの形成に際しては、繊維ウェブに含まれるメルトブロー法による繊維の幾何算術平均繊維径を1μm未満とすることが必要であり、0.05〜1μmが好ましく、0.1〜0.6μmが更に好ましい。また、メルトブロー法以外の繊維の幾何算術平均繊維径は5〜100μmが好ましく、10〜50μmが更に好ましい。また、メルトブロー法以外の繊維のうち熱接着性繊維の幾何算術平均繊維径は5〜100μmであることが必要であり、10〜50μmが好ましい。また、繊維ウェブの面密度は50〜300g/mの面密度が好ましく、80〜200g/mが更に好ましい。また、メルトブロー法による繊維ウェブの面密度は繊維ウェブ全体の5重量%以上であり、30重量%以上が好ましく、50重量%以上が更に好ましい。5重量%未満の場合は高性能フィルタとしての微塵に対する捕集効率を十分に得ることができない。
【0042】
本発明のエアフィルタ用濾材の製造方法では、次に上記繊維ウェブに対して該繊維ウェブに含まれている熱接着性繊維の低融点成分の融点以上の温度で加熱接着処理を行う。この加熱接着処理は、例えば熱風吹き出し型乾燥機を用いて、コンベアー上にある繊維ウェブの上から熱風を静かに吹きつけ、風圧で厚みがあまりつぶれないようにして、熱接着繊維同士接着するか、または熱接着繊維と他の繊維とを接着する方法や、エアースルー型の乾燥機を用いて、網状コンベアー上にある繊維ウェブの上から該コンベア−の下へ熱風を通して接着する方法などがある。
【0043】
しかし、上記の加熱接着処理を行うだけでは、上記熱接着性繊維の表面にガス状汚染物質となる有機物質が生成してしまい、上記融点以上の温度から室温まで徐々に温度が降下しても、その間の加熱状態においては、生成した該有機物質が除去されないことが判った。そこで本発明による製造方法では、上記の加熱接着処理の次に、加熱接着処理した繊維ウェブに対して80℃以上の温度で、且つ熱接着性繊維の低融点成分の融点より10℃以下、より好ましくは20℃以下の気体中で加熱除去処理を行う。この加熱除去処理は、例えば上記熱風吹き出し型乾燥機を用いて、上記と同様に、コンベアー上にある繊維ウェブの上から熱風を吹きつける方法によって行うことができる。そして、この加熱除去処理によって該熱接着性繊維の表面に生成した該有機物質を除去することができる。また、メルトブロー法によって形成された繊維の表面に、ガス状汚染物質となる有機物質が生成された場合もこの有機物質を除去することができる。なお、加熱除去処理は減圧下でも可能である。減圧下で加熱除去処理すれば、加熱温度を常圧時より低下させることができ、エアフィルタ用素材の熱変形などを防ぐことができる場合がある。
【0044】
上記加熱除去処理に要する時間は5分間以上が好ましい。また、この加熱除去処理温度が80℃未満であるならば、該有機物質を十分に除去することができない。また、上記低融点成分の融点よりも低い温度であり、該融点との差が10℃未満である場合には、熱接着性繊維の表面やメルトブロー法によって形成された繊維の表面から該有機物質を除去するどころか、かえって熱接着性繊維などの表面に新たにガス状汚染物質となる有機物質を生成してしまい、有機物質の発生量が少ないエアフィルタ用濾材を得ることはできない。なお、熱接着性繊維の低融点成分の融点近くの温度で加熱することによって、熱接着性繊維の表面にガス状汚染物質となる有機物質が生成する理由としては、該融点成分の一部が分解することによるか、低融点成分に含まれていた繊維の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの添加剤が繊維表面に溶出することなどが考えられる。
【0045】
本発明のエアフィルタ用濾材の製造方法では、上記の加熱接着処理を行った後に引き続いて上記の加熱除去処理を行うことができるが、加熱接着処理を行った後に一旦繊維ウェブを室温近くまで冷却してから加熱除去処理を行うこともできる。
【0046】
このようにして得られるエアフィルタ用濾材の厚さは、0.1〜50mmであることが好ましく、プリーツ加工する場合は0.1〜5mmであることが好ましく、0.5〜3mmが更に好ましい。
【0047】
本発明のエアフィルタ用濾材の製造方法では、上記のように加熱除去処理を行うことによって、エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出して、次に該エアフィルタ用濾材に含まれる熱接着性繊維とメルトブロー法による繊維合計の繊維の面密度100g/mあたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量を算出すると、1.0(pg/m・hr)以上10(μg/m・hr)以下である、好ましくは該総有機物質の量が1.0(pg/m・hr)以上5(μg/m・hr)以下である、更に好ましくは該総有機物質の量が1.0(pg/m・hr)以上3(μg/m・hr)以下であるエアフィルタ用濾材を得ることができる。
【0048】
本発明のエアフィルタユニットの製造方法は、本発明のエアフィルタ用濾材の製造方法によって得られたエアフィルタ用濾材をフィルタ枠に装着してエアフィルタユニットとすることを特徴とするエアフィルタユニットの製造方法である。
【0049】
本発明のエアフィルタユニットの製造方法は、本発明のエアフィルタ用濾材の製造方法によって得られたエアフィルタ用濾材をプリーツ状に多数折り曲げてからフィルタ枠に装着することによって、プリーツ折型の本発明のエアフィルタユニットとすることができる。また、エアフィルタユニットの形態には、プリーツ折型の外に、濾材を袋形状に形成してフィルタ枠に装着した袋形状型なども可能である。このようにして、エアフィルタ用濾材の面積はユニットの間口面積あたり最大100倍程度まで、また袋形状に加工するとエアフィルタ用濾材の面積は最大30倍程度まで増加することができる。また、エアフィルタユニットに用いる枠体としては、有機質ガス状汚染物質の発生が少ない合成樹脂の板や、該汚染物質の発生がほとんど無いアルミなどの金属や、該汚染物質の発生の少ないシール剤を用いることが好ましい。また、本発明のエアフィルタ用濾材の製造方法で得られたエアフィルタ用濾材を、要求される塵埃に関する濾過性能に応じて適宜使用面積を定めて用いることにより、エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、エアフィルタユニットの間口面積の単位面積あたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量が1.0(pg/m・hr)以上1000(μg/m・hr)以下である、好ましくは該総有機物質の量が1.0(pg/m・hr)以上750(μg/m・hr)以下である、更に好ましくは該総有機物質の量が1.0(pg/m・hr)以上500(μg/m・hr)以下であるエアフィルタユニットを得ることができる。
【0050】
本発明のエアフィルタ用濾材包装体は、本発明のエアフィルタ用濾材の製造方法によって得られた計数法による粒子捕集効率が90%以上のエアフィルタ用濾材であって、該エアフィルタ用濾材はメルトブロー法による繊維を少なくとも5重量%以上含み、且つ該エアフィルタ用濾材に含まれる繊維が熱接着性繊維によって結合してなるエアフィルタ用濾材が、通気性を有しないシート状物によって包装されてなる包装体であって、該シート状物から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該シート状物の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、該総有機物質の量が、該エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該エアフィルタ用濾材の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、総有機物質の量より少ないことを特徴とするエアフィルタ用濾材包装体であり、該エアフィルタ用濾材を使用するまでに、該エアフィルタ用濾材にガス状汚染物質が付着するのを防ぐことができる。なお、該エアフィルタ用濾材の単位面積とは、該エアフィルタ用濾材を使用する場合の通風面の見かけの表面の単位面積(1m)のことをいう。
【0051】
また、本発明のエアフィルタユニット包装体は、本発明のエアフィルタ用濾材の製造方法によって得られた計数法による粒子捕集効率が90%以上のエアフィルタ用濾材であって、該エアフィルタ用濾材はメルトブロー法による繊維を少なくとも5重量%以上含み、且つ該エアフィルタ用濾材に含まれる繊維が熱接着性繊維によって結合してなるエアフィルタ用濾材が、フィルタ枠に装着されたエアフィルタユニットが、通気性を有しないシート状物によって包装されてなる包装体であって、該シート状物から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該シート状物の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、該総有機物質の量が、該エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該エアフィルタ用濾材の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、総有機物質の量より少ないことを特徴とするエアフィルタユニット包装体であり、該エアフィルタユニットを使用するまでに、該エアフィルタユニットにガス状汚染物質が付着するのを防ぐことができる。このような包装体としては、例えば、該エアフィルタユニットのエアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)が、10(μg/m・hr)である場合、該シート状物から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)が10(μg/m・hr)未満の該シート状物によって、該エアフィルタユニットが包装されているエアフィルタユニット包装体がある。
【0052】
上記のシート状物としては、アルミ箔などの金属箔、ポリエステル樹脂などの樹脂フィルム、アルミ蒸着樹脂フィルムなどがあり、通気性を有しないシート状のものが適している。また、包装体の形態としては、対象となるエアフィルタ用濾材やエアフィルタユニットをシート状物で包みこんだ形態や、シート状物からなる袋に対象となるエアフィルタ用濾材やエアフィルタユニットを入れて、袋の口を止める形態など、該エアフィルタ用濾材や該エアフィルタユニットが直接外気に触れないようにすればよい。また、必ずしも密封している必要はないが、密封すれば該エアフィルタ用濾材や該エアフィルタユニットに大気中のガス状汚染物質が付着するのをより効果的に防ぐことができる。また、該シート状物の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、該総有機物質の量(トルエン換算重量)が、該エアフィルタ用濾材の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、総有機物質の量(トルエン換算重量)より少ないので、該シート状物によって包装されている該エアフィルタ用濾材や該エアフィルタユニットに対して、該シート状物から発生するガス状汚染物質が付着することがないか、又は付着することがあっても、その量は極めて少ない。
【0053】
以下、本発明の実施例につき説明するが、これは発明の理解を容易とするための好適例に過ぎず、本願発明はこれら実施例の内容に限定されるものではない。
【0054】
(実施例1)
芯成分が融点160℃のポリプロピレン、鞘成分が融点130℃のポリエチレンからなる、幾何算術平均繊維径が16μm、繊維長が51mmの複合繊維である熱接着性繊維100%からなる繊維を開繊した後、空気流で送りながら、ポリプロピレンのメルトブローの幾何算術平均繊維径が0.5μmの極細有機繊維からなるウェブを形成中に混入させて、メルトブロー法とエアレイ法の組み合わせによる混合ウェブを形成した。この混合ウェブの混合比率は熱接着性繊維が43重量%、メルトブローによる繊維が57重量%であった。次に、この混合ウェブに145℃の乾燥機で3分間加熱接着処理を行ない、鞘成分のポリエチレンを溶融して、その混合ウェブの繊維交点で繊維接着を行ない、面密度105g/m、厚さ8mmのエアフィルタ用素材を作製した後、引き続きスリットを設けた110℃の加熱ロールの間に通して厚さを0.8mmに調整して、そのまま空冷した。次に、このエアフィルタ用素材に、110℃の乾燥機で10分間加熱除去処理を行ない、面密度105g/m、厚さ0.8mmのエアフィルタ用濾材を得た。このエアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出して、次に該エアフィルタ用濾材に含まれる熱接着性繊維とメルトブロー法による繊維合計の繊維の面密度100g/mあたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量を算出すると、1.12(μg/m・hr)であった。次に、このエアフィルタ用濾材15mを用いてプリーツ折りを行い、外寸法が610mm×610mmの間口で奥行きが290mmのフィルタ枠に装着して、特開平11−197423号公報の図1のような形状のエアフィルタユニットを得た。このエアフィルタユニットは、風量31.2m/minの試験条件で、計数法によるDOP0.3μm粒子の粒子捕集効率は99.98%であり、HEPAフィルタとしての性能を満足するものであった。また、エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、エアフィルタユニットの間口面積の単位面積あたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量は47.4(μg/m・hr)であり、クリーンルーム用フィルタシステムに取り付けるHEPAフィルタとして好適であった。
【0055】
(比較例1)
エアフィルタ用素材に加熱除去処理を行なわなかったこと以外は実施例1と同様にしてエアフィルタ用濾材を得た。このエアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を実施例1と同様にして算出すると、12.4(μg/m・hr)であり、クリーンルーム用フィルタシステムの外調機に取り付ける高性能フィルタとして、有機質のガス状汚染物質が多く不適であった。
【0056】
(比較例2)
エアフィルタ用素材に150℃で3分間加熱除去処理を行なったこと以外は実施例1と同様にしてエアフィルタ用濾材を得た。このエアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を実施例1と同様にして算出すると、該総有機物質の量が30.8(μg/m・hr)であり、クリーンルーム用フィルタシステムの外調機に取り付ける高性能フィルタとして、有機質のガス状汚染物質が多く不適であった。
【0057】
以上のように、実施例1では、本発明による加熱除去処理を行うことによって得られたエアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出して、次に該エアフィルタ用濾材に含まれる熱接着性繊維とメルトブロー法による繊維合計の繊維の面密度100g/mあたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量を算出すると、1.12(μg/m・hr)である。これに対して、加熱接着処理しか行わなかった従来タイプの比較例1では12.4(μg/m・hr)である。このように本発明のエアフィルタ用濾材は該総有機物質の発生量が従来タイプのエアフィルタ用濾材の約11分の1と極めて少ない。従って、本発明のエアフィルタ用濾材によって、クリーンルームなどへの塵埃の進入を防ぐと共に、クリーンルームなどへの汚染ガスの進入を軽減し、また該ケミカルフィルタの汚染ガス除去に関する負担を少なくして寿命を延ばし、クリーンルームなどのフィルタシステムの運転維持経費の削減に寄与することができる。また、比較例2において、総有機物質の量が多くなった理由としては、比較例2ではポリエチレンの融点130℃以上の温度での加熱除去処理であったため、エアフィルタ用濾材表面のガス状汚染物質となる有機物質が除去されるよりは、むしろエアフィルタ用濾材表面にガス状汚染物質となる有機物質が新たに生成したためと考えられる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によるエアフィルタ用濾材、エアフィルタユニット、及びその製造方法によって、アウトガス発生量の少ない、計数法による粒子捕集効率が90%以上のフィルタやHEPAフィルタやULPAフィルタなどの高性能フィルタ用のエアフィルタ用濾材を提供することができ、このエアフィルタ用濾材又はエアフィルタユニットをクリーンルームなどで使用することにより、クリーンルームなどへの塵埃の進入を防ぐと共に、クリーンルームなどへの汚染ガスの進入を軽減し、また該ケミカルフィルタの汚染ガス除去に関する負担を少なくして寿命を延ばし、クリーンルームなどのフィルタシステムの運転維持経費の削減に寄与することができる。また、本発明によるエアフィルタ用濾材包装体により、エアフィルタ用濾材を使用するまでに、該エアフィルタ用濾材にガス状汚染物質が付着するのを防ぐことができる。更にまた、本発明によるエアフィルタユニット包装体により、エアフィルタユニットを使用するまでに、該エアフィルタユニットにガス状汚染物質が付着するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クリーンルームなどのフィルタシステム
【図2】ダイナミックヘッドスペース法に用いる発生ガス捕集装置の説明図
【符号の説明】
1 外調機
2 プレフィルタ
3 中性能フィルタ
4 エアワッシャ−
5 ケミカルフィルタ
6 HEPAフィルタ
7 ケミカルフィルタ
8 HEPAフィルタ
8’ ULPAフィルタ
9 クリーンルーム
10 チャンバー
11 ヘリウムガス
12 固体吸着剤
13 ガス吹出し口
14 試料

Claims (8)

  1. メルトブロー法による平均繊維径1μm未満の極細有機繊維を少なくとも5重量%以上含み、且つ平均繊維径5〜100μmの熱接着性繊維を含む繊維ウェブをコンベアー上に載置して、該熱接着性繊維の融点以上の温度で連続的に加熱処理して繊維同士接着した後、さらに前記繊維ウェブをコンベアー上に載置して、80℃以上で、且つ該熱接着性繊維の融点より10℃以下の温度で連続的に加熱処理することを特徴とするエアフィルタ用濾材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法によって得られたエアフィルタ用濾材であって、前記エアフィルタ用濾材は計数法による粒子捕集効率が90%以上のエアフィルタ用濾材であり、該エアフィルタ用濾材はメルトブロー法による繊維を少なくとも5重量%以上含み、且つ該エアフィルタ用濾材に含まれる繊維が熱接着性繊維によって結合しており、該エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出して、次に該エアフィルタ用濾材に含まれる熱接着性繊維とメルトブロー法による繊維合計の繊維の面密度100g/mあたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量を算出すると、1.0(pg/m・hr)以上10(μg/m・hr)以下であることを特徴とする高性能フィルタ用のエアフィルタ用濾材。
  3. 前記エアフィルタ用濾材の計数法による粒子捕集効率が98%以上であることを特徴とする請求項に記載のエアフィルタ用濾材。
  4. 前記エアフィルタ用濾材の計数法による粒子捕集効率が99.97%以上であることを特徴とする請求項またはに記載のエアフィルタ用濾材。
  5. 請求項2〜4の何れかに記載のエアフィルタ用濾材がフィルタ枠に装着されていることを特徴とするエアフィルタユニット。
  6. エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、エアフィルタユニットの間口面積の単位面積あたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量が1.0(pg/m・hr)以上1000(μg/m・hr)以下であることを特徴とする請求項に記載のエアフィルタユニット。
  7. 請求項2〜4の何れかに記載のエアフィルタ用濾材が、通気性を有しないシート状物によって包装されてなる包装体であって、該シート状物から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該シート状物の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、該総有機物質の量が、該エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該エアフィルタ用濾材の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、総有機物質の量より少ないことを特徴とするエアフィルタ用濾材包装体。
  8. 請求項5または6に記載のエアフィルタユニットが、通気性を有しないシート状物によって包装されてなる包装体であって、該シート状物から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該シート状物の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、該総有機物質の量が、該エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該エアフィルタ用濾材の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、総有機物質の量より少ないことを特徴とするエアフィルタユニット包装体。
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