JP4944304B2 - エアフィルタ用濾材、エアフィルタユニット、及びその製造方法、並びにその包装体 - Google Patents

エアフィルタ用濾材、エアフィルタユニット、及びその製造方法、並びにその包装体 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体や液晶の生産施設などのクリーンルームなどにおいて、主に該クリーンルーム内に流入する外気中に含まれる粉塵を除去するエアフィルタ用濾材であり、主として中性能フィルタやHEPAフィルタ(高性能フィルタ)の前段や、該クリーンルーム内のガス状汚染物質を除去するケミカルフィルタの前段で用いる、アウトガス発生の少ない粗塵除去用のエアフィルタ用濾材及びエアフィルタユニット、及びその製造方法、並びにその包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体や液晶の生産施設、または半導体や液晶の周辺技術関連で用いるクリーンルーム等においては、該生産施設内または該クリーンルーム内の空気や雰囲気に対して高い清浄度が要求される。しかし、これら空気や雰囲気中には粉塵や有機系ガス状汚染物質や無機系ガス状汚染物質が含まれているのみならず、クリーンルーム構成部材や作業員等からも粉塵や有機系ガス状汚染物質や無機系ガス状汚染物質が発生するため、このような粉塵やガス状汚染物質を除去するフィルタシステムが図1に例示するように設置されている。外気空気は外調機1の粗塵除去用のプレフィルタ2、中性能フィルタ3、エアワッシャー4、HEPAフィルタ(高性能フィルタ)6の順に通過した後、さらに循環系のHEPAフィルタ8を通過して、空気中の塵埃が除去される。また、クリーンルーム内に流入するガス状汚染物質は必要に応じて循環系に設置されたケミカルフィルタ7によって除去される。特に、外気中にガス状汚染物質が多く含まれる場合は、外調機1のHEPAフィルタ6と中性能フィルタ3の間に更にケミカルフィルタ5が設置されている。
【0003】
前記ガス状汚染物質には、有機系ガス状汚染物質や、無機系ガス状汚染物質が含まれるが、特に有機系ガス状汚染物質は、半導体基板であるシリコンウェハ表面上に付着すると、シリコンウェハ表面上に形成される絶縁酸化膜の絶縁耐圧が低下したり、空気中に浮遊する微粒子が静電吸着し易くなり、絶縁破壊が起こり易くなる等、半導体や液晶の製造に悪影響を及ぼす。これら、有機系ガス状汚染物質のウェハ表面への吸着を防止するには、クリーンルーム雰囲気中の該有機物質の濃度をできるだけ低いレベルで管理しなければならない。このような管理濃度は次のようにして求めることができる。すなわち、1999年版SIA(Semiconductor Industry Association)ロードマップによれば、西暦2000年のウェハ表面上での有機物質管理レベルは6.6×1013Catoms/cmと言われている。これをトルエン換算すると14.4μg/mとなる。これらウェハ表面上での管理レベルの値と、一般に知られている付着確率から、下記の算出式1によりクリーンルーム空気中での管理レベルの推定値を算出すると、総有機物質は41.7μg/mの管理濃度となる。
算出式1:N=As/(v・t・γ)
N;空気中の汚染物質濃度(空気中の管理濃度)(μg/m
As;ウェハ表面の汚染物質濃度(ウェハ表面上での管理レベル)
(μg/m
v;クリーンルーム空気の流速(0.4m/sec)
t;ウェハの空気中暴露時間(86400sec)
γ;付着確率 (芳香族炭化水素類の付着確率1×10-
【0004】
このような汚染物質を吸着除去するケミカルフィルタには、例えば活性炭、活性炭繊維、ゼオライト、イオン交換樹脂、その他化学吸着材等の吸着材が利用されており、これら吸着材が単独で用いられたり、ネット状物や不織布等の基材に吸着材等が担持されている。そして該ケミカルフィルタは前記フィルタシステム中の循環系に設置され、また必要に応じて外調機にも設置されている。
【0005】
しかし、ガス状汚染物質の中でも有機系のガス状汚染物質は、外気中のみならず、ケミカルフィルタの下流位置に配置されるHEPAフィルタ自体からも発生していることが判ってきた。しかもHEPAフィルタはクリーンルームでは多用され、濾材の使用面積が非常に多いため、特にHEPAフィルタからの発生ガスの防止が課題とされてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これに対して、HEPAフィルタの上流位置の外調機に主として配置される粗塵除去用のプレフィルタについては、HEPAフィルタと比較して濾材の使用面積が少なく、またケミカルフィルタの上流位置に配置される場合はプレフィルタよりの発生ガスがケミカルフィルタによって除去されるため大きな問題とは考えられていなかった。しかし、本発明者によって、熱接着性の有機質繊維によって繊維間が熱接着された粗塵除去用のプレフィルタであっても多量の有機系のガス状汚染物質が発生していることが新たに判り、その原因を追求したところ、以下のことに気が付いた。すなわち粗塵除去用のプレフィルタは、その下流に位置する中性能フィルタや、HEPAフィルタや、ケミカルフィルタが空気中の塵埃によって、すぐに目詰まりするのを防ぐため設置されるが、特に低い圧力損失で多量の塵埃を保持できるよう、嵩高なマット状の不織布が使用されている。このような嵩高な不織布は繊維を3次元的に配向させた後、繊維間を接着して作られているが、その接着のために接着剤を使用すると有機質のガス状汚染物質が著しく発生するため接着剤ではなく、熱接着性の有機質繊維によって繊維間が熱接着されている。しかし、これら接着性の有機質繊維から、特に有機質のガス状汚染物質が多く発生することを見出した。しかも、クリーンルーム内の管理基準は年々厳しくなる一方であり、上記のように粗塵除去用のプレフィルタから有機系のガス状汚染物質が多量に発生すると、クリーンルーム内に有機質のガス状汚染物質が多量に進入したり、その後段にケミカルフィルタが設置されている場合はケミカルフィルタの寿命を縮めてしまい、クリーンルーム等のフィルタシステムの運転経費が大きくかかってしまうという問題があることを見出した。そこで、有機質のガス状汚染物質の発生量が少ない粗塵除去用のプレフィルタとしてのエアフィルタ用濾材や、そのエアフィルタ用濾材を成型してフィルタ枠に装着したエアフィルタユニットを検討することを課題とした。
【0007】
すなわち、本発明は、クリーンルーム等で使用される粗塵除去用のエアフィルタ用濾材であり、主として中性能フィルタやHEPAフィルタやケミカルフィルタの前段で用いるアウトガス発生の少ない粗塵除去用のエアフィルタ用濾材及びエアフィルタユニット、及びその製造方法、並びにその包装体を提供することによって、該中性能フィルタや該HEPAフィルタのみならず該ケミカルフィルタの塵埃に対する負担を少なくして寿命を延ばしつつクリーンルーム等への汚染ガスの進入を軽減し、また該ケミカルフィルタの汚染ガス除去に関する負担を少なくして寿命を延ばし、クリーンルームなどのフィルタシステムの運転維持経費の削減に寄与することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段は、請求項1の発明では、低融点成分であるポリエチレンと高融点成分であるポリプロピレンとからなり、前記低融点成分を表面に有する熱接着性繊維が5重量%以上であり、平均繊度が3デシテックスを超え50デシテックス以下であり、面密度が50〜1000g/mである繊維ウェブを形成しコンベアー上に載置して、該繊維ウェブを該熱接着性繊維の低融点成分の融点以上の温度で連続的に加熱処理して繊維同士接着した後、さらに前記繊維ウェブをコンベアー上に載置して、80℃以上で、且つ該熱接着性繊維の低融点成分の融点より10℃以下の温度の気体中で連続的に加熱処理することによって、繊維同士接着した際に該熱接着性繊維の表面の低融点成分に生成したガス状汚染物質を除去することを特徴とするエアフィルタ用濾材の製造方法であり、該エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出して、次に該エアフィルタ用濾材に含まれる熱接着性繊維の面密度100g/mあたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量を算出すると1.0(pg/m・hr)以上4(μg/m・hr)以下である粗塵除去用のエアフィルタ用濾材を製造することができる。
また、請求項2の発明では、請求項1に記載の製造方法によって得られたエアフィルタ用濾材であって、前記エアフィルタ用濾材は質量法による粒子捕集平均効率が50〜99%であるエアフィルタ用濾材であり、該エアフィルタ用濾材の繊維が熱接着性繊維によって結合しており、且つ該エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を下記の(1)ダイナミックヘッドスペース法および下記の(2)発生ガス推測法により23℃において算出して、次に下記の算出法(3)により該エアフィルタ用濾材に含まれる熱接着性繊維の面密度100g/mあたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量を算出すると1.0(pg/m・hr)以上4(μg/m・hr)以下であることを特徴とする粗塵除去用のエアフィルタ用濾材であり、該エアフィルタ用濾材をフィルタ枠に装着したエアフィルタユニットをクリーンルーム等のフィルタシステムの外調機内に設置することによって、該フィルタシステム中に設置された中性能フィルタやHEPAフィルタやケミカルフィルタの塵埃に対する負担を少なくして寿命を延ばしつつクリーンルーム等への汚染ガスの進入を軽減し、また該ケミカルフィルタの汚染ガス除去に関する負担を少なくして寿命を延ばし、該フィルタシステムの運転維持経費の削減に寄与することができる。

(1)ダイナミックヘッドスペース法
試料を発生ガス捕集装置のチャンバー内に設置する。次に、清浄なヘリウムガスをチャンバー内に連続的に流通させながら所定の温度(60℃と80℃の2条件)で加熱して、試料から発生する汚染物質をヘリウムガス中に混入させ、次いで固体吸着材に捕集して、固体吸着材に捕集した汚染物質をガスクロマトグラフ質量分析計で分析する。
(2)発生ガス推測法
上記の60℃と80℃の2条件で測定して得られた有機物質の量すなわちトルエン換算の発生ガス量(μg)を次式のMに代入して、定数C1および定数C2の値を求め、次にこの定数C1および定数C2の値を用いて23℃でのMの値を算出する。
ln(M/A・h)=−C1/T+C2
M;トルエン換算の発生ガス量(μg)
A;測定試料面積(m
h;捕集に要した時間(hr)
T;試験温度(絶対温度K)
C1およびC2;定数
(3)エアフィルタ用濾材に含まれる熱接着性繊維の面密度100g/mあたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量の算出法
上記の発生ガス推測法で得られたM、A、hの値と上記の試料に含まれる熱接着性繊維の面密度Dの値を次式に代入して総有機物質の量Mを算出する。
=(M/A・h)×(100/D
;換算後の総有機物質の量(μg/m・hr)
M;トルエン換算の発生ガス量(μg)
A;測定試料面積(m
h;捕集に要した時間(hr)
;試料に含まれる熱接着性繊維の面密度(g/m
【0009】
また、請求項の発明では、請求項に記載のエアフィルタ用濾材がフィルタ枠に装着されていることを特徴とするエアフィルタユニットである。
【0010】
また、請求項の発明では、エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、エアフィルタユニットの間口面積の単位面積あたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量が1.0(pg/m・hr)以上100(μg/m・hr)以下であることを特徴とする請求項に記載のエアフィルタユニットであり、該エアフィルタユニットをクリーンルーム等のフィルタシステムの外調機内に設置することにより、該フィルタシステム中に設置された中性能フィルタやHEPAフィルタやケミカルフィルタの塵埃に対する負担を少なくして寿命を延ばしつつクリーンルーム等への汚染ガスの進入を特に軽減し、また該ケミカルフィルタの汚染ガス除去に関する負担を特に少なくして寿命を延ばし、該フィルタシステムの運転維持経費の削減に寄与することができる。
【0014】
また、請求項の発明では、請求項2に記載のエアフィルタ用濾材が、通気性を有しないシート状物によって包装されてなる包装体であって、該シート状物から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該シート状物の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、該総有機物質の量が、該エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該エアフィルタ用濾材の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、総有機物質の量より少ないことを特徴とするエアフィルタ用濾材包装体であり、該エアフィルタ用濾材を使用するまでに、該エアフィルタ用濾材にガス状汚染物質が付着するのを防ぐことができる。尚、該エアフィルタ用濾材の単位面積とは、該エアフィルタ用濾材を使用する場合の通風面の見かけの表面の単位面積(1m)のことをいう。
【0015】
また、請求項の発明では、請求項3または4に記載のエアフィルタユニットが、通気性を有しないシート状物によって包装されてなる包装体であって、該シート状物から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該シート状物の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、該総有機物質の量が、該エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該エアフィルタ用濾材の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、総有機物質の量より少ないことを特徴とするエアフィルタユニット包装体であり、該エアフィルタ用ユニットを使用するまでに、該エアフィルタ用ユニットにガス状汚染物質が付着するのを防ぐことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるエアフィルタ用濾材、エアフィルタユニット、及びその製造方法、並びにその包装体の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
本発明のエアフィルタ用濾材は、後述する本発明のエアフィルタ用濾材の製造方法によって得られた、質量法による粒子捕集平均効率が50〜99%であるエアフィルタ用濾材であって、該エアフィルタ用濾材の繊維が熱接着性繊維によって結合しており、且つ該エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出して、次に該エアフィルタ用濾材に含まれる熱接着性繊維の面密度100g/mあたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量を算出すると1.0(pg/m・hr)以上4(μg/m・hr)以下であることを特徴とする粗塵除去用のエアフィルタ用濾材である。
【0018】
また、本発明のエアフィルタ用濾材がフィルタ枠に装着されている本発明のエアフィルタユニットは、図1に例示するように、半導体や液晶の生産施設などのクリーンルーム9などにおいて、該クリーンルーム内に流入する外気中に含まれる粉塵を除去するHEPAフィルタ(高性能フィルタ)6の前段や、該外気中のガス状汚染物質を除去するケミカルフィルタ5の前段で用いるアウトガス発生の少ない粗塵除去用のプレフィルタとして主に用いられ、主として外調機に設置されるプレフィルタ2として用いられるエアフィルタユニットである。
【0019】
上記エアフィルタユニットは質量法によって測定評価される濾過性能を有する粗塵用のエアフィルタ用濾材をジグザグ状の形状にプリーツ加工して通風面積を増やしてからフィルタ枠に装着したり、又は平板のままでフィルタ枠に装着したものであり、外気中の粗塵を捕捉して、その後段に配置する中性能フィルタやHEPAフィルタの濾過寿命を長く保つことを主目的とする。尚、中性能フィルタは主として比色法によって測定評価される濾過性能を有するエアフィルタ用濾材を、例えばプリーツ折りに加工するなど通風面積を増やしてからフィルタ枠に装着したものであり、外気中の微塵を捕捉して、その後段に配置する主として計数法によって測定評価される濾過性能を有するHEPAフィルタの濾過寿命を長く保つことを主目的としている。
【0020】
本発明のエアフィルタ用濾材は粗塵用のエアフィルタ用濾材であり、ASHRAE 52.1−1992に準じた試験方法において、質量法による粒子捕集平均効率が50〜99%であり、好ましくは粒子捕集平均効率が70〜95%である。粒子捕集平均効率が50%未満である場合は粗塵除去が不十分であり、下流位置に配置される中性能フィルタやHEPAフィルタやケミカルフィルタの寿命を延ばすよりも、むしろ設置の費用が掛かり過ぎるため使用できない。また、粒子捕集平均効率が99%を超える場合は、濾材の開孔径が細かくなり過ぎるため、すぐに濾材前後の圧力損失が限界に達して寿命が短くなり粗塵用のフィルタとして使用できない。また、本発明のエアフィルタ用濾材の圧力損失は面風速が1m/secのとき100Pa以下であることが好ましい。
【0021】
本発明のエアフィルタ用濾材の構造は不織布が好ましく、例えば乾式法、エアレイ法、スパンボンド法等によって得ることができる。このうち乾式法による不織布は、厚み方向に繊維が配向しているので、厚みが大きく、且つ厚みがつぶれ難いため、嵩高な構造を必要とする粗塵用のエアフィルタ用濾材として特に適している。
【0022】
本発明のエアフィルタ用濾材の繊維は、不織布の製造で一般的に用いられる合成繊維、半合成繊維、無機繊維、天然繊維等である。また、熱接着性繊維には、例えば他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる単一樹脂成分からなる繊維や、他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる低融点成分を繊維表面に有する複合繊維がある。このような複合繊維には、その横断面形状が例えば、低融点成分を繊維表面に有する芯鞘型やサイドバイサイド型等の複合繊維があり、またその材質は例えば、共重合ポリエステル/ポリエステル、共重合ポリプロピレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリアミド、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエステル、ポリエチレン/ポリエステルなどの繊維形成性重合体の組み合わせからなる複合繊維がある。また、該熱接着性繊維の全体の繊維に占める割合は好ましくは100〜5重量%であり、更に好ましくは100〜50重量%であり、最も好ましくは100〜75重量%である。熱接着性繊維の割合が5重量%未満であると熱接着による結合力が弱く、エアフィルタ用濾材として使用しても、風圧で容易に厚みがつぶれてしまい、不具合を生じる場合がある。また、本発明のエアフィルタ用濾材の繊維の平均繊度は、3〜50デシテックスが好ましく、10〜30デシテックスが更に好ましい。
【0023】
本発明のエアフィルタ用濾材は上記の熱接着性繊維によって、熱接着性繊維同士、又は熱接着性繊維と他の繊維が、該熱接着性繊維の融点以上の温度で加熱処理されることにより結合している。この加熱接着処理には、例えば熱風吹き出し型乾燥機を用いるか、エアスルー型の乾燥機を用いる方法がある。
【0024】
本発明のエアフィルタ用濾材の面密度は50〜1000g/mが好ましく、平板で用いる場合は面密度が100〜1000g/mが好ましく、150〜600g/mが更に好ましい。またプリーツ加工や袋形状に加工する場合は50〜300g/mの面密度が好ましく、100〜200g/mが更に好ましい。また、本発明のエアフィルタ用濾材の厚さは、5〜50mmであることが好ましく、10〜30mmが更に好ましい。5mm以下である場合は塵埃の保持容量が少なくなり濾過寿命が短くなってしまう。また、50mm以上の場合は圧力損失が高くなり過ぎるため、やはり濾過寿命が短くなってしまう。
【0025】
本発明のエアフィルタ用濾材は、エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出して、次に該エアフィルタ用濾材に含まれる熱接着性繊維の面密度100g/mあたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量を算出すると1.0(pg/m・hr)以上4(μg/m・hr)以下である、好ましくは該総有機物質の量が1.0(pg/m・hr)以上2(μg/m・hr)以下である、更に好ましくは該総有機物質の量が1.0(pg/m・hr)以上1(μg/m・hr)以下である。このように、エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量を少なくするには、前記熱接着性繊維によって、熱接着性繊維同士、又は熱接着性繊維と他の繊維が、該熱接着性繊維の融点以上の温度で加熱処理されることにより結合しているエアフィルタ用素材をさらに80℃以上で、且つ該熱接着性繊維の融点より10℃以下の温度の気体中で加熱処理することによって得ることができる。
【0026】
本発明では、有機質ガス状汚染物質の定量には、ダイナミックヘッドスペース法によって、加熱状態で促進試験を行ない、発生ガス量を定量した後、その値を発生ガス推測法によって、室温時の値に換算した値を使用している。
【0027】
次に、ダイナミックヘッドスペース法を説明する。図2はこの方法に用いる発生ガス捕集装置(ジーエルサイエンス(株)製 MSTD−258M)の説明図である。まず、測定したい素材を直径7cmの円形に切り、試料14を作成する。試料14をチャンバー10内の中央のガス吹き出し口13の上に設置する。次に、清浄なヘリウムガス11をチャンバー内に流速120ml/minで連続的に流通させながら所定の温度(60℃または80℃)で加熱する。ヘリウムガス11は試料14と接触する際、試料14から発生する汚染物質がヘリウムガス中に混入するので、気体濃度が平衡になった後、捕集速度100ml/minで固体吸着材12(成分;2,6-diphenylene oxide)に捕集する。次いで、固体吸着材12に捕集した物質をガスクロマトグラフ質量分析計で分析する。((株)島津製作所製 QP−5050を使用)加熱の温度は60℃と80℃の2条件で測定する。
【0028】
次に、発生ガス推測法とは、高温下で発生ガスの促進試験を行ない、実験式を用いて、室温での結果を推測する方法であり、以下、発生ガス推測法について具体的に説明する。実際のクリーンルームの室温23℃での発生ガスは極微量なので実測では分析感度の点で長時間の測定が必要になるなど、現実的には測定困難なため、前述のダイナミックヘッドスペース法により、試験条件を例えば60℃、80℃の高温下に設定して、試料から発生する有機物質の量を定性定量的に測定した結果から下記の式を用いて室温23℃での結果を推測する。(株)住化分析センターの竹田らによれば、試験温度と発生ガスの関係については、経験則として下記の式が成り立つことがわかっている。(平成11年第17回コンタミネーションコントロール研究大会予稿集などに記載)
ln(M/A・h)=−C1/T+C2
M;トルエン換算の発生ガス量(μg)
A;測定試料面積(m2
h;捕集に要した時間(h)
T;試験温度(絶対温度K)
C1およびC2;定数
【0029】
また、本発明のエアフィルタ用濾材は上記のエアフィルタ用濾材と同じもの又は異なるものが複数積層していても構わない。また、上記のエアフィルタ用濾材と他の通気性を有するシート状物が積層していても構わない。このような通気性を有するシート状物には、例えば織物、編物、ネット、不織布、ろ紙等があるが、ガス状汚染物質を多く発生しないものが好ましい。
【0030】
本発明のエアフィルタユニットは、本発明のエアフィルタ用濾材がフィルタ枠に装着されていることを特徴とするエアフィルタユニットである。このようなエアフィルタユニットの形態には、エアフィルタ用濾材が平板状にカットされてフィルター枠に装着されている平板型、エアフィルタ用濾材がプリーツ折の型、エアフィルタ用濾材が袋形状の型等がある。プリーツ折の型の場合、エアフィルタ用濾材の面積はユニットの間口面積あたり最大6倍程度まで、また袋形状の型の場合、エアフィルタ用濾材の面積は最大20倍程度まで増加できる。また、エアフィルタユニットに用いる枠体としては、有機質ガス状汚染物質の発生が少ない合成樹脂の板や、該汚染物質の発生がほとんど無いアルミ等の金属であることが好ましい。
【0031】
本発明のエアフィルタユニットは、前述のような本発明のエアフィルタ用濾材を用いているため、要求される塵埃に関する濾過性能に応じて適宜使用面積を変えたとしても、該エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、エアフィルタユニットの間口面積の単位面積あたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量が1.0(pg/m・hr)以上100(μg/m・hr)以下である、好ましくは該総有機物物質の量が1.0(pg/m・hr)以上50(μg/m・hr)以下である、更に好ましくは該総有機物質の量が1.0(pg/m・hr)以上25(μg/m・hr)以下であるエアフィルタユニットとすることができる。
【0032】
次に、本発明の請求項に係るエアフィルタユニットをクリーンルームに使用した場合の効果を示す。例えば、エアフィルタユニットをケミカルフィルタを有する外調機に設置して、その時のユニット間口を通過する風速を2.5m/secに設定したとすると、エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、エアフィルタユニットの間口面積の単位面積あたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量が100(μg/m・hr)である場合、空気中の汚染物質濃度は100μg/m・hr÷2.5m/sec=1.1×10−2μg/mとなり、前述の管理基準値の41.7μg/mを十分に満足できる。また、本発明のエアフィルタユニットを、ケミカルフィルタの前に設置する場合はエアフィルタ用濾材から発生する有機物質は、該ケミカルフィルタによって除去されるので、クリーンルーム中の空気中の汚染物質濃度は実質的に0μg/mであるが、後述の実施例で示すように、本発明によるエアフィルタ用濾材からの発生ガス量は、従来タイプのエアフィルタ用濾材からの発生ガス量と比較して、極めて少なく、ケミカルフィルタへの負担を格段に軽減して、ケミカルフィルタの寿命を大きく延ばすことができる。尚、このように本発明のエアフィルタ用濾材またはエアフィルタユニットからの発生ガスは従来タイプより極めて少ないため、例えばケミカルフィルタ等を配置しなくても良いような管理基準のあまり厳しくない室内用途にも用いることができる。
【0033】
本発明のエアフィルタ用濾材の製造方法は、低融点成分であるポリエチレンと高融点成分であるポリプロピレンとからなり、前記低融点成分を表面に有する熱接着性繊維が5重量%以上であり、平均繊度が3デシテックスを超え50デシテックス以下であり、面密度が50〜1000g/mである繊維ウェブを形成しコンベアー上に載置して、該繊維ウェブを該熱接着性繊維の低融点成分の融点以上の温度で連続的に加熱処理して繊維同士接着した後、さらに前記繊維ウェブをコンベアー上に載置して、80℃以上で、且つ該熱接着性繊維の低融点成分の融点より10℃以下の温度の気体中で連続的に加熱処理することによって、繊維同士接着した際に該熱接着性繊維の表面の低融点成分に生成したガス状汚染物質を除去することを特徴とするエアフィルタ用濾材の製造方法である。
【0034】
上記繊維ウェブの形成法は不織布の製法に準じて行えばよく、例えば乾式法、エアレイ法、スパンボンド法等を用いることができる。このうち乾式法では、熱接着性繊維を他の繊維と均一に混合することもでき、又厚み方向に繊維が配向し易いので、厚みを出し易く、且つ厚みがつぶれ難くなり、嵩高な構造を必要とする粗塵用のエアフィルタ用濾材を製造するのに特に適している。
【0035】
本発明のエアフィルタ用濾材の製造方法で用いる繊維は、不織布の製造で一般的に用いられる合成繊維、半合成繊維、無機繊維、天然繊維等である。また、熱接着性繊維には、例えば他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる単一樹脂成分からなる繊維や、他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる低融点成分を繊維表面に有する複合繊維を用いることができる。このような複合繊維には、その横断面形状が例えば、低融点成分を繊維表面に有する芯鞘型やサイドバイサイド型等の複合繊維があり、またその材質は例えば、共重合ポリエステル/ポリエステル、共重合ポリプロピレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリアミド、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエステル、ポリエチレン/ポリエステルなどの繊維形成性重合体の組み合わせからなる複合繊維がある。また、該熱接着性繊維の配合比率は100〜5重量%であり、好ましくは100〜50重量%であり、更に好ましくは100〜75重量%である。熱接着性繊維の配合比率が5重量%未満であると熱接着力が弱く、エアフィルタ用濾材として使用しても、風圧で容易に厚みがつぶれてしまい、不具合を生じてしまう。
【0036】
上記繊維ウェブの形成に際しては、繊維ウェブに用いる繊維の平均繊度は、3〜50デシテックスが好ましく、10〜30デシテックスが更に好ましい。また、繊維ウェブの面密度は50〜1000g/mが好ましく、本発明の製造方法で得られるエアフィルター用濾材を平板で用いる場合は面密度が100〜1000g/mが好ましく、150〜600g/mが更に好ましい。また本発明の製造方法で得られるエアフィルター用濾材をプリーツ加工や袋形状に加工する場合は50〜300g/mの面密度が好ましく、100〜200g/mが更に好ましい。
【0037】
本発明のエアフィルタ用濾材の製造方法では、次に上記繊維ウェブを該繊維ウェブに含まれている熱接着性繊維の低融点成分の融点以上の温度で加熱接着処理を行う。この加熱接着処理は、例えば熱風吹き出し型乾燥機を用いて、コンベアー上にある繊維ウェブの上から熱風を静かに吹きつけ、風圧で厚みがあまりつぶれないようにして、熱接着繊維同士接着するか、または熱接着繊維と他の繊維とを接着する方法や、エアースルー型の乾燥機を用いて、網状コンベアー上にある繊維ウェブの上から該コンベア−の下へ熱風を通して接着する方法などがある。
【0038】
しかし、上記の加熱接着処理を行うだけでは、上記熱接着性繊維の表面にガス状汚染物質となる有機物質が生成してしまい、上記融点以上の温度から室温まで徐々に温度が降下しても、その間の加熱状態においては生成した該有機物質が除去されないことが判った。そこで本発明による製造方法では、上記の加熱接着処理の次に、加熱接着処理した繊維ウェブを80℃以上の温度で、且つ熱接着性繊維の低融点成分の融点より10℃以下、より好ましくは20℃以下の気体中で加熱処理を行う。この2回目の加熱処理は、例えば上記熱風吹き出し型乾燥機を用いて、上記と同様に、コンベアー上にある繊維ウェブの上から熱風を吹きつける方法によって行うことができる。そして、この2回目の加熱処理によって該熱接着性繊維の表面に生成した該有機物質を除去することができる。この加熱除去処理に要する時間は5分間以上が好ましい。また、この加熱除去処理温度が80℃未満であるならば、該有機物質を十分に除去することができない。また、上記低融点成分の融点よりも低い温度であり、該融点との差が10℃未満である場合には、熱接着性繊維の表面から該有機物質を除去するどころか、かえって熱接着性繊維の表面に新たにガス状汚染物質となる有機物質を生成してしまい、有機物質の発生量が少ないエアフィルタ用濾材を得ることはできない。尚、熱接着性繊維の低融点成分の融点近くの温度で加熱することによって、熱接着性繊維の表面にガス状汚染物質となる有機物質が生成する理由としては、該融点成分の一部が分解することによるか、低融点成分に含まれていた繊維の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤が繊維表面に溶出することが考えられる。また、十分に接着するため熱接着性繊維の溶融時間を長く保っていることなどが考えられる。
【0039】
本発明のエアフィルタ用濾材の製造方法では、上記の加熱接着処理を行った後に引き続いて上記の加熱除去処理を行うことができるが、加熱接着処理を行った後に一旦繊維ウェブを室温近くまで冷却してから加熱除去処理を行うこともできる。
【0040】
このようにして得られるエアフィルタ用濾材の厚さは、5〜50mmであることが好ましく、10〜30mmが更に好ましい。5mm以下である場合は塵埃の保持容量が少なくなり濾過寿命が短くなってしまう。また、50mm以上の場合は圧力損失が高くなり過ぎるため、やはり濾過寿命が短くなってしまう。
【0041】
本発明のエアフィルタ用濾材の製造方法では、上記のように加熱除去処理を行うことによって、エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出して、次に該エアフィルタ用濾材に含まれる熱接着性繊維の面密度100g/mあたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量を算出すると1.0(pg/m・hr)以上4(μg/m・hr)以下である、好ましくは該総有機物質の量が1.0(pg/m・hr)以上2(μg/m・hr)以下である、更に好ましくは該総有機物質の量が1.0(pg/m・hr)以上1(μg/m・hr)以下であるエアフィルタ用濾材を得ることができる。
【0042】
本発明のエアフィルタユニットの製造方法は、本発明のエアフィルタ用濾材の製造方法によって得られたエアフィルタ用濾材をフィルタ枠に装着してエアフィルタユニットとすることを特徴とするエアフィルタユニットの製造方法である。
【0043】
本発明のエアフィルタユニットの製造方法は、本発明のエアフィルタ用濾材の製造方法によって得られたエアフィルタ用濾材を平板状にカットした後フィルタ枠に装着することにより、平板型の本発明のエアフィルタユニットとすることができる。また、例えば得られたエアフィルタ用濾材をプリーツ状に多数折り曲げてからフィルタ枠に装着することによって、プリーツ折型の本発明のエアフィルタユニットとすることができる。エアフィルタユニットの形態には、プリーツ折の型の外に、濾材を袋形状に成型してフィルタ枠に装着した袋形状型等がある。このようにして、エアフィルタ用濾材の面積はユニットの間口面積あたり最大6倍程度まで、また袋形状に加工するとエアフィルタ用濾材の面積は最大20倍程度まで増加することができる。また、エアフィルタユニットに用いる枠体としては、有機質ガス状汚染物質の発生が少ない合成樹脂の板や、該汚染物質の発生がほとんど無いアルミ等の金属を用いることが好ましい。また、本発明のエアフィルタ用濾材の製造方法で得られたエアフィルタ用濾材を、要求される塵埃に関する濾過性能に応じて適宜使用面積を定めて用いることにより、エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、エアフィルタユニットの間口面積の単位面積あたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量が1.0(pg/m・hr)以上100(μg/m・hr)以下である、好ましくは該総有機物物質の量が1.0(pg/m・hr)以上50(μg/m・hr)以下である、更に好ましくは該総有機物質の量が1.0(pg/m・hr)以上25(μg/m・hr)以下であるエアフィルタユニットを得ることができる。
【0044】
本発明のエアフィルタ用濾材包装体は、本発明のエアフィルタ用濾材の製造方法によって得られた、質量法による粒子捕集平均効率が50〜99%である粗塵除去用のエアフィルタ用濾材が、通気性を有しないシート状物によって包装されてなる包装体であって、該シート状物から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該シート状物の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、該総有機物質の量が、該エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該エアフィルタ用濾材の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、総有機物質の量より少ないことを特徴とするエアフィルタ用濾材包装体であり、該エアフィルタ用濾材を使用するまでに、該エアフィルタ用濾材にガス状汚染物質が付着するのを防ぐことができる。尚、該エアフィルタ用濾材の単位面積とは、該エアフィルタ用濾材を使用する場合の通風面の見かけの表面の単位面積(1m)のことをいう。
【0045】
また、本発明のエアフィルタユニット包装体は、フィルタ枠に本発明のエアフィルタ用濾材の製造方法によって得られた、質量法による粒子捕集平均効率が50〜99%である粗塵除去用のエアフィルタ用濾材が装着されたエアフィルタユニットが、通気性を有しないシート状物によって包装されてなる包装体であって、該シート状物から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該シート状物の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、該総有機物質の量が、該エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該エアフィルタ用濾材の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、総有機物質の量より少ないことを特徴とするエアフィルタユニット包装体であり、該エアフィルタユニットを使用するまでに、該エアフィルタユニットにガス状汚染物質が付着するのを防ぐことができる。このような包装体としては、例えば、該エアフィルタユニットのエアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)が、4(μg/m・hr)である場合、該シート状物から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)が4(μg/m・hr)未満の該シート状物によって、該エアフィルタユニットが包装されているエアフィルタユニット包装体がある。
【0046】
本発明で用いられるシート状物としては、アルミ箔等の金属箔、ポリエステル樹脂等の樹脂フィルム、アルミ蒸着樹脂フィルム等があり、通気性を有しないシート状のものが適している。また、包装体の形態としては、対象となるエアフィルタ用濾材やエアフィルタユニットをシート状物で包みこんだ形態や、シート状物からなる袋に対象となるエアフィルタ用濾材やエアフィルタユニットを入れて、袋の口を止める形態など、該エアフィルタ用濾材や該エアフィルタユニットが直接外気に触れないようにすればよい。また、必ずしも密封している必要はないが、密封すれば該エアフィルタ用濾材や該エアフィルタユニットに大気中のガス状汚染物質が付着するのをより効果的に防ぐことができる。また、該シート状物の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、該総有機物質の量(トルエン換算重量)が、該エアフィルタ用濾材の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、総有機物質の量(トルエン換算重量)より少ないので、該シート状物によって包装されている該エアフィルタ用濾材や該エアフィルタユニットに対して、該シート状物から発生するガス状汚染物質が付着することがないか、又は付着することがあっても、その量は極めて少ない。
【0047】
以下、本発明の実施例につき説明するが、これは発明の理解を容易とするための好適例に過ぎず、本願発明はこれら実施例の内容に限定されるものではない。
【0048】
(実施例1)
芯成分が融点160℃のポリプロピレン、鞘成分が融点130℃のポリエチレンからなる、繊度が20デシテックス、繊維長が76mmの複合繊維である熱接着性繊維100%からなる繊維原料を開繊した後、カード機にかけてウェブを形成した。このウェブに145℃の乾燥機で3分間加熱接着処理を行ない、鞘成分のポリエチレンを溶融して、そのウェブの繊維交点で繊維接着を行ない、その後空冷して面密度200g/m、厚さ20mmのエアフィルタ用素材を作製した。次に、このエアフィルタ用素材に、110℃の乾燥機で10分間加熱除去処理を行ない、面密度200g/m、厚さ20mmのエアフィルタ用濾材を得た。このエアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出して、次に該エアフィルタ用濾材に含まれる熱接着性繊維の面密度100g/mあたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量を算出すると0.15(μg/m・hr)であった。次に、このエアフィルタ用濾材を50cm×50cmの大きさにカットした後、内側の寸法が50cm×50cmのアルミ製のフィルタ枠に装着して、エアフィルタユニットを得た。このエアフィルタユニットは、ASHRAE 52.1−1992に準じた試験方法によると風速2.5m/secの試験条件で、質量法による粒子捕集平均効率が80%であり、圧力損失が面風速が1m/secのとき15Paであり、粗塵用フィルタとしての性能を満足するものであって、クリーンルーム用フィルタシステムの外調機に取り付けるプレフィルタとして好適であった。
【0049】
(実施例2)
エアフィルタ用素材に100℃で5分間加熱除去処理を行なったこと以外は実施例1と同様にしてエアフィルタ用濾材を得た。このエアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を実施例1と同様にして算出すると、0.48(μg/m・hr)であった。
【0050】
(比較例1)
エアフィルタ用素材に加熱除去処理を行なわなかったこと以外は実施例1と同様にしてエアフィルタ用濾材を得た。このエアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を実施例1と同様にして算出すると、5.13(μg/m・hr)であった。
【0051】
(比較例2)
エアフィルタ用素材に150℃で3分間加熱除去処理を行なったこと以外は実施例1と同様にしてエアフィルタ用濾材を得た。このエアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を実施例1と同様にして算出すると、12.8(μg/m・hr)であった。
【0052】
以上のように、実施例1では、本発明による加熱除去処理を行うことによって得られたエアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出して、次に該エアフィルタ用濾材に含まれる熱接着性繊維の面密度100g/mあたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量を算出すると0.15(μg/m・hr)である。また実施例2では、0.48(μg/m・hr)である。これに対して、加熱接着処理しか行わなかった従来タイプの比較例1では5.13(μg/m・hr)である。このように本発明のエアフィルタ用濾材は該総有機物質の発生量が従来タイプのエアフィルタ用濾材の約30分の1及び約10分の1と極めて少なく、クリーンルーム等への汚染ガスの進入を大幅に軽減し、また下流にケミカルフィルタが配置される場合はケミカルフィルタへの負担を格段に軽減して、ケミカルフィルタの寿命を大きく延ばすことができる。また、比較例2において、総有機物質の量が多くなった理由としては、ポリエチレンの融点130℃以上の温度での加熱除去処理であったため、熱接着性繊維表面のガス状汚染物質となる有機物質が除去されるよりは、むしろ熱接着性繊維表面にガス状汚染物質となる有機物質が新たに生成したためと考えられる。
【0053】
【発明の効果】
本発明によるエアフィルタ用濾材、エアフィルタユニット、及びその製造方法によって、アウトガス発生量の少ないエアフィルタ用濾材を提供することができ、このエアフィルタ用濾材又はエアフィルタユニットをクリーンルームなどで使用される中性能フィルタやHEPAフィルタやケミカルフィルタの前段で用いることにより、該中性能フィルタや該HEPAフィルタのみならず該ケミカルフィルタの塵埃に対する負担を少なくして寿命を延ばしつつクリーンルーム等への汚染ガスの進入を軽減し、また該ケミカルフィルタの汚染ガス除去に関する負担を少なくして寿命を延ばし、クリーンルームなどのフィルタシステムの運転維持経費の削減に寄与することができる。また、本発明によるエアフィルタ用濾材包装体により、エアフィルタ用濾材を使用するまでに、該エアフィルタ用濾材にガス状汚染物質が付着するのを防ぐことができる。更にまた、本発明によるエアフィルタユニット包装体により、エアフィルタユニットを使用するまでに、該エアフィルタユニットにガス状汚染物質が付着するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クリーンルームなどのフィルタシステム
【図2】ダイナミックヘッドスペース法に用いる発生ガス捕集装置の説明図
【符号の説明】
1 外調機
2 プレフィルタ
3 中性能フィルタ
4 エアワッシャ−
5 ケミカルフィルタ
6 HEPAフィルタ
7 ケミカルフィルタ
8 HEPAフィルタ
9 クリーンルーム
10 チャンバー
11 ヘリウムガス
12 固体吸着剤
13 ガス吹出し口
14 試料

Claims (6)

  1. 低融点成分であるポリエチレンと高融点成分であるポリプロピレンとからなり、前記低融点成分を表面に有する熱接着性繊維が5重量%以上であり、平均繊度が3デシテックスを超え50デシテックス以下であり、面密度が50〜1000g/mである繊維ウェブを形成しコンベアー上に載置して、該繊維ウェブを該熱接着性繊維の低融点成分の融点以上の温度で連続的に加熱処理して繊維同士接着した後、さらに前記繊維ウェブをコンベアー上に載置して、80℃以上で、且つ該熱接着性繊維の低融点成分の融点より10℃以下の温度の気体中で連続的に加熱処理することによって、繊維同士接着した際に該熱接着性繊維の表面の低融点成分に生成したガス状汚染物質を除去することを特徴とするエアフィルタ用濾材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法によって得られたエアフィルタ用濾材であって、前記エアフィルタ用濾材は質量法による粒子捕集平均効率が50〜99%であるエアフィルタ用濾材であり、該エアフィルタ用濾材の繊維が熱接着性繊維によって結合しており、且つ該エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を下記の(1)ダイナミックヘッドスペース法および下記の(2)発生ガス推測法により23℃において算出して、次に下記の算出法(3)により該エアフィルタ用濾材に含まれる熱接着性繊維の面密度100g/mあたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量を算出すると1.0(pg/m・hr)以上4(μg/m・hr)以下であることを特徴とする粗塵除去用のエアフィルタ用濾材。

    (1)ダイナミックヘッドスペース法
    試料を発生ガス捕集装置のチャンバー内に設置する。次に、清浄なヘリウムガスをチャンバー内に連続的に流通させながら所定の温度(60℃と80℃の2条件)で加熱して、試料から発生する汚染物質をヘリウムガス中に混入させ、次いで固体吸着材に捕集して、固体吸着材に捕集した汚染物質をガスクロマトグラフ質量分析計で分析する。
    (2)発生ガス推測法
    上記の60℃と80℃の2条件で測定して得られた有機物質の量すなわちトルエン換算の発生ガス量(μg)を次式のMに代入して、定数C1および定数C2の値を求め、次にこの定数C1および定数C2の値を用いて23℃でのMの値を算出する。
    ln(M/A・h)=−C1/T+C2
    M;トルエン換算の発生ガス量(μg)
    A;測定試料面積(m
    h;捕集に要した時間(hr)
    T;試験温度(絶対温度K)
    C1およびC2;定数
    (3)エアフィルタ用濾材に含まれる熱接着性繊維の面密度100g/mあたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量の算出法
    上記の発生ガス推測法で得られたM、A、hの値と上記の試料に含まれる熱接着性繊維の面密度Dの値を次式に代入して総有機物質の量Mを算出する。
    =(M/A・h)×(100/D
    ;換算後の総有機物質の量(μg/m・hr)
    M;トルエン換算の発生ガス量(μg)
    A;測定試料面積(m
    h;捕集に要した時間(hr)
    ;試料に含まれる熱接着性繊維の面密度(g/m
  3. 請求項2に記載のエアフィルタ用濾材がフィルタ枠に装着されていることを特徴とするエアフィルタユニット。
  4. エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、エアフィルタユニットの間口面積の単位面積あたりから発生する、単位時間における、該総有機物質の量が1.0(pg/m・hr)以上100(μg/m・hr)以下であることを特徴とする請求項3に記載のエアフィルタユニット。
  5. 請求項2に記載のエアフィルタ用濾材が、通気性を有しないシート状物によって包装されてなる包装体であって、該シート状物から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該シート状物の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、該総有機物質の量が、該エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該エアフィルタ用濾材の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、総有機物質の量より少ないことを特徴とするエアフィルタ用濾材包装体。
  6. 請求項3または4に記載のエアフィルタユニットが、通気性を有しないシート状物によって包装されてなる包装体であって、該シート状物から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該シート状物の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、該総有機物質の量が、該エアフィルタ用濾材から発生する総有機物質の量(トルエン換算重量)を発生ガス推測法により23℃において算出すると、該エアフィルタ用濾材の単位面積あたり(1mあたり)から発生する、単位時間(1hr)における、総有機物質の量より少ないことを特徴とするエアフィルタユニット包装体。
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