JP4780635B2 - 酸化チタン分散体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、結晶性セラミック粉体などの電子材料、紫外線遮蔽材料、塗料、化粧料、ディスプレイ用反射防止膜、湿式太陽電池用電極材料及び光触媒などに使用することが可能であり、分散性に優れ、高純度で、かつ中性の酸化チタン分散体に関するものである。
酸化チタン粉末は白色顔料として古くから使用されており、近年は化粧品などの紫外線遮材料、光触媒、コンデンサ、サーミスタの構成材料、あるいはチタン酸バリウムの原料等電子材料に用いられる焼結材料に広く利用されている。
酸化チタンは可視光付近の波長領域において大きな屈折率を示すため、可視光領域では殆ど光吸収は起こらない。このことから、化粧品、医薬あるいは塗料等の紫外線遮蔽が要求されるような材料や、液晶ディスプレイ表示部やプラスティックレンズなどの反射防止膜として利用されている。反射防止膜は通常、フッ素樹脂やシリコン系樹脂などの低屈折率の樹脂などで形成される層と、高屈折率層を交互に積層したもので、酸化チタンはこの反射防止膜の高屈折率層材料として使用されている。さらに、最近需要が増加しているプラズマディスプレイにおいては、その輝度を向上させるため、基盤用隔壁に用いられるガラス板に酸化チタンを被覆して反射率の改善を図ったり、ガラス板にルチル型酸化チタン粉末を配合して屈折率の改善を図ったりしている。
また、酸化チタンにそのバンドギャップ以上のエネルギーを持つ光を照射することによって酸化チタンが励起され、伝導帯に電子が、価電帯に正孔が生じるが、この電子による還元力また正孔による酸化力を利用した光触媒の用途開発が盛んに行われている。この酸化チタン光触媒の用途は多岐にわたっており、水の分解による水素の発生、排ガス処理、空気清浄、防臭、殺菌、抗菌、水処理、照明機器等の汚れ防止等、数多くの用途開発が行われている。
また、酸化チタンにルテニウム錯体等の色素を吸着させることによって高いエネルギー変換効率が得られることから、色素増感型太陽電池の電極材料としても注目されている。色素増感型太陽電池は、酸化インジウム−酸化錫化合物、フッ素ドープ酸化錫などの導電性ガラス板上に形成した酸化チタン膜に色素を吸着させて電極とし、対極としての導電性ガラス板を重ねた後、導電性ガラス板間にヨウ素−ヨウ素化合物等を含有する電解液を含浸させて形成される。この酸化チタンを使用した色素増感型太陽電池は、シリコンを電極とする太陽電池よりも安価であり、また大規模な設備を必要としないことから低コストの太陽電池として注目されている。
酸化チタンは、その結晶構造からルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型に分類されるが、このうち、ルチル型酸化チタンは、紫外線遮蔽効果や高屈折率などの光学特性や高誘電特性などの電気特性において優れた性能を発揮することが知られている。また、アナターゼ型酸化チタンは、その触媒活性の高さから光触媒材料として使用されている。
このように酸化チタンの用途は多岐に渡るが、顔料、塗料あるいは焼結材料などに酸化チタン粉末を使用する場合、水あるいは有機溶剤等に懸濁し分散させて使用する場合が多く、その場合酸化チタン粉末の溶媒への分散性が問題となる。具体的には、酸化チタン粉末を溶媒に分散させた後、酸化チタン粉末が凝集して沈殿してしまう。特に1μm以下の超微粉酸化チタンを分散させた場合、含有する酸化チタンの濃度を高めると、その分散体の粘度が高くなってしまうという問題があった。
電子材料用酸化チタンにおいては、例えば誘電体物質であるチタン酸バリウムは、酸化チタンと炭酸バリウム等のバリウム化合物を原料として調製される。この際、酸化チタンは溶媒中に懸濁し分散し、バリウム化合物と混合した後焼結する。調製されるチタン酸バリウムの粒度は、原料である酸化チタンの粒度に主に依存する。したがって、より微粒子のチタン酸バリウムを調製するためには、原料である酸化チタンもより微粒子である必要があり、近年の電子材料の超小型化に対応するため、1μm以下の超微粒子酸化チタンが要求されている。しかしながら、酸化チタンを微細化するに伴い、溶媒への分散性が悪くなり、溶媒に懸濁した際に微粒子同士の凝集が生じてしまう。このため、上記のようにチタン酸バリウムを調製した際、微粒子の酸化チタン粉末を使用したにも関わらず、酸化チタン粉末の凝集により逆に粒径が大きくなってしまうという問題があった。さらに、焼結した際に均一に反応せず、生成物を分子レベルで見たときにチタンとバリウムの分散が不均一であり、結果として電子材料としての特性に悪影響を与えてしまうという問題もあった。
また、プラズマディスプレイ、光触媒、色素増感型太陽電池用電極などの用途で酸化チタン膜を形成する場合、酸化チタン膜の表面は凹凸が少なく平滑であることが要求されるため、酸化チタンの凝集を防止する必要がある。このため、pHが中性領域である酸化チタンゾルあるいは水溶液を酸化チタン膜形成用として使用することができず、そのpHを酸性側に調整しなければならず、酸化チタン膜を形成する際の基材または用途に制限があった。紫外線遮断材料として酸化チタン分散体を使用する場合、酸化チタン粒子の凝集により紫外線遮断特性が低下するという問題もあった。
上記のような酸化チタン粉末の分散性に関する問題を解決するために、シリカ、アルミナ等の元来分散性の高い疎水性物質を酸化チタン粉末表面にコーティングすることが試みられており、例えば特開平5−286721号公報では、アルミニウム塩基性塩水溶液を酸でpHを10.5〜12.0に調節し、これに二酸化チタン分散体を混合し、次いでこれを酸で中和して二酸化チタン粉末表面に酸化アルミニウム水和物を均一に析出させる方法が開示されている。
また、異物質によるコーティングをすることなく、高濃度に添加しても均一分散が可能な酸化チタン分散体として、例えば特開2001−220141号公報、特開2001−262005公報では、ペルオクソチタン酸含有分散媒に酸化チタン粉末を均一分散してなることを特徴とする酸化チタン分散体が開示されている。
特開平5−286721号公報 特開2001−220141号公報 特開2001−262005号公報
特許文献1に記載の酸化チタン粉末の分散性を向上させる方法は、酸化チタン粒子表面を異物質によりコーティングするため、酸化チタン本来の特性が変化してしまい、特に光触媒や電子材料にはその特性に悪影響を及ぼすため適応は難しいものである。また、特許文献2および3に記載のペルオクソチタン酸含有分散媒に酸化チタン粉末を均一分散する方法は、異物質によるコーティングをすることなく分散性の高い酸化チタン分散体が得られるものであるが、より分散性が高い酸化チタン分散体が要求されている。さらに、特許文献2および3に記載の酸化チタン分散体は、分散後、粘度が上昇するという問題があり、改善の余地が残されているものである。
したがって、本発明の目的は、高純度の酸化チタン粉末を高濃度に添加しても均一分散が可能であり、低粘度であり、pHが中性領域の酸化チタン分散体およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、酸化チタン粉末と、アミン系分散剤及びカルボキシル基含有高分子分散剤から選ばれる1種もしくは2種以上の分散剤と、水溶媒又は有機溶媒とからなる酸化チタン分散体前駆体を湿式解砕処理してなる酸化チタン分散体とすることにより、高純度の酸化チタン粉末を高濃度に添加しても高分散性、低粘度であり、さらには中性領域で分散媒への分散ができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の酸化チタン分散体の製造方法は、酸化チタン粉末とアミン系分散剤及び/又はカルボキシル基含有高分子分散剤と、水溶媒又は有機溶媒とからなる酸化チタン分散体前駆体をボールミルにより分散処理した後、ジェットミルあるいはビーズミルにより湿式解砕処理することを特徴とするものである。
本発明の酸化チタン分散体は、酸化チタンを高濃度に添加した場合であっても高分散性、低粘度で、かつ中性であるため、紫外線遮断材料、プラズマディスプレイ、光触媒、色素増感型太陽電池用電極などの酸化チタン膜形成用として、あるいはチタン酸バリウムのような結晶性セラミック粉体の材料として有効である。また、本発明の酸化チタン分散体の製造方法によれば、高分散性、低粘度であり、中性の酸化チタン分散体を製造することができる。
本発明で用いられる酸化チタン粉末は、種々の方法によって製造することができる。例
えば、
(1)四塩化チタンを気相中で酸素と接触させて酸化させる気相反応法、
(2)燃焼して水を生成する水素ガスなどの可燃性ガスと酸素とを燃焼バーナーに供給し て火炎を形成し、この中に四塩化チタンを導入する火炎加水分解法、
(3)硫酸チタニル、硫酸チタンなどの含チタン水溶液を加水分解させる方法、
(4)チタンアルコキシドなどの有機チタン化合物を加水分解させる方法、
(5)三塩化チタンあるいは四塩化チタンなどのハロゲン化チタン水溶液を中和又は加水 分解させる方法、
などが挙げられる。この中でも、上記(1)の気相法、あるいは(2)の火炎加水分解法の乾式法による酸化チタンの製造方法は、低コストであり、所望の粒径の酸化チタンが得られる点で好ましい。また、これら乾式法では高純度の酸化チタン粉末が得られ、上記(3)〜(4)に記載した液相法による酸化チタン粉末のように不純物元素の混入や残存がない。具体的には、Fe、Al、Si及びNaの含有量が100ppm未満であり、Clの含有量が700ppm以下である。このように、乾式法により得られた酸化チタン粉末は高純度で不純物元素の混入や残存がないため、電子材料、紫外線遮蔽材料、プラズマディスプレイ、光触媒、及び色素増感型太陽電池電極用として利用した際、酸化チタン本来の特性が変化せずに優れた効果を得ることができる。
以下、前記(1)の気相法による酸化チタン粉末を使用した酸化チタン分散体の製造方法について詳しく説明する。
(酸化チタン粉末の製造)
先ず、反応炉に予熱した四塩化チタンガスを供給する。四塩化チタンガスは必要に応じて窒素ガスで希釈して供給する。四塩化チタンガスの導入と同時に、予熱した水素ガス、酸素ガスおよび水蒸気を反応炉に導入し、酸化反応を行う。上記四塩化チタンガス、水素ガス、酸素ガス及び水蒸気を反応炉に供給する際は、予め450〜950℃に予熱して供給して反応させる。予熱温度が高いほどルチル化率の高い酸化チタン粉末が得られ、具体的には、ルチル化率10%以下のアナターゼ型酸化チタンを製造する場合は予熱温度を450〜600℃の低温に設定することが好ましく、またルチル化率90%以上のルチル型酸化チタンを製造する場合は予熱温度を750〜950℃の高温に設定することが好ましい。
酸化反応の反応温度は通常450〜950℃である。酸化反応温度を450〜700℃の比較的低温で酸化反応すると、ルチル化率の低いアナターゼ型酸化チタン粉末を製造することができる。また、酸化反応温度を750〜950℃の比較的高温で酸化反応すると、ルチル化率の高いルチル型酸化チタン粉末を製造することができる。このように、酸化反応する際の反応温度は、製造する酸化チタン粉末の結晶構造によって適宜決定することができる。
水蒸気の供給量は、四塩化チタンをすべて酸化する化学当量以上とする。水蒸気の供給量が、四塩化チタンを全て酸化する化学当量未満であると、酸化チタンの生成反応が均一に行われないため、生成した酸化チタン粉末の結晶制御ができなくなる。ここで、四塩化チタンをすべて酸化する化学当量とは、四塩化チタンを水蒸気のみで反応させる場合の水蒸気の化学当量を意味し、四塩化チタンガス1モルに対して水蒸気(水)2モルである。また、水蒸気の供給量を増加することによって四塩化チタンの加水分解が促進され、生成する酸化チタン粉末が微細化し比表面積が増加する。水蒸気の供給量比は、標準状態として四塩化チタン1lに対し10〜2000lであることが好ましく、この範囲内で水蒸気供給量を調整することによって、得られる酸化チタン粉末の粒径や比表面積を制御することができる。
酸素ガスの供給量についても、四塩化チタンを全て酸化する化学当量以上、すなわち四塩化チタン1モルに対し酸素ガス1モル以上であることが好ましい。また、酸素ガス供給量を増加することによって、ルチル化率の高い酸化チタンを得ることができる。酸素ガスの供給量比は、標準状態として四塩化チタンガス1lに対し10〜500lであることが好ましく、この範囲内で酸素ガス供給量を調整することによって、得られる酸化チタン粉末のルチル化率を制御することができる。
水素ガス供給量比は、標準状態で四塩化チタンガス1lに対し、10〜500lであることが好ましい。
上記各原料ガスの供給量は、反応スケール或いは各ガスを供給するノズル径により異なるため適宜設定する必要があるが、反応部での各ガス、特に四塩化チタンガスの供給速度は、反応部の燃焼炎において乱気流になるように設定することが望ましい。また、供給する上記各成分ガスをアルゴンや窒素などの不活性ガスで希釈し反応炉に供給することもできる。
上記のように各成分ガスを反応させ生成させた酸化チタン粉末を冷却部に導入し、空気などの冷却ガスを接触させて冷却する。冷却は、生成粒子の凝集を防ぐため、少なくとも酸化チタンが焼成する温度以下、具体的には300℃以下、好ましくは200℃程度まで冷却する。
上記のようにして得られた酸化チタン粉末は、粉末に含まれる塩化水素等の塩素分を除去する。塩素分の除去は、真空加熱、酸素あるいは窒素雰囲気中での加熱、スチーム処理加熱処理、あるいはアルコールとの接触処理により除去することができる。その後、必要に応じて分級、あるいは篩別を行い、酸化チタン粉末を得る。このようにして得られた酸化チタン粉末を粉砕処理、あるいは解砕処理することも好ましい。粉砕あるいは解砕処理は、振動ミル、ボールミル、ディスクミル、ターボミル、タワーミル、ペイントシェイカー、雷壊機、振動解砕機等を用いて行われる。
(酸化チタン分散体の製造)
上記のようにして得られた酸化チタン粉末と、分散剤とを分散媒に分散させ、酸化チタン分散体前駆体を調製し、該前駆体を湿式解砕処理することにより酸化チタン分散体を製造する。
分散媒は水、あるいは有機溶媒を使用することができる。有機溶媒としては、アルコール類、エーテル類、アセトン類が好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、ジメトキシ−2−プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、2−メチル−1−プロパノール、イソブタノール、2−(エチルアミノ)エタノール、2−エチル−1−ブタノール、3−エチル−3−ペンタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−メトキシエタノール、2−メトキシメトキシエタノール、1−オクタデカノール、n−オクタノール、2,3−エポキシ−1−プロパノール、シクロヘキサノール、ジメチルブタノール、ジメチルプロパノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、2,4−ジメチル−3−ペンタノール、1,3−ジメトキシ−2−プロパノール、ジメトキシプロパノール、1−デカノール、1−ドデカノール、トリメチルブタノール、3,5,5−トリメチルヘキサノール、ノナノール、フェニルエタノール、2−メチル−2−プロパノール、t−ブタノール、メチルプロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、t−ペンチルアルコール、メチルシクロヘキサノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−3−ペンタノール、3−メトキシブタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、アニリノエタノール、アミノエタノール、アミノプロパノール、アミノブタノール、2−(ブチルアミノ)エタノール、2−(メチルアミノ)エタノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジフェニルエタンジオール、エチレングリコール、グリセリン、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−クロロ−1,3−プロパンジオール、cis−1,2−シクロヘキサンジオール、cis−1,4−シクロヘキサンジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、テルピネオール、ブタンジオール、ブテンオール、ブトキシプロパンジオール、プロパンジオール、ヘキサンジオール、ヘキシレングリコール、ペンタンジオール、テルピネオール、ジエチルエーテル、アセトン、重合度2のポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングルコール、ポリオキシエチレングリコールモノエステルなどが挙げられる。アルコール類を使用することが好ましくエタノール系のアルコール類を使用することが特に好ましい。
分散剤は、アミン系分散剤及びカルボキシル基含有高分子分散剤から選ばれる1種もしくは2種以上である。
アミン系分散剤としては、アルキルアミンおよびポリカルボン酸のアミン塩のうち少なくとも1種の分散剤が好ましい。例えば、ポリエステル酸、ポリエーテルエステル酸、脂肪酸、脂肪酸アミド、ポリカルボン酸、アルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、およびこれらの誘導体等をアミン化したものが挙げられる。アミン塩としては、アミドアミン塩、脂肪族アミン塩、芳香族アミン塩、アルカノールアミン塩、多価アミン塩等がある。具体的には、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリプロピルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン等が挙げられる。
カルボキシル基含有高分子分散剤としては、ポリカルボン酸及びその塩の少なくとも1種が好ましい。例えば、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸アンモニウム、ポリカルボン酸ナトリウムなどが挙げられる。具体的には、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム共重合体、ポリマレイン酸、ポリマレイン酸アンモニウム、ポリマレイン酸ナトリウム等が挙げられる。
これらアミン系分散剤やカルボキシル基含有高分子分散剤は、溶剤成分に溶解させた溶液状態のものを使用することもでき、また市販されているものも使用することができる。また、これらアミン系分散剤及び/又はカルボキシル基含有高分子分散剤の添加量は、酸化チタン分散体の用途、および分散剤の種類に応じて適宜調製すればよいが、酸化チタン粉末に対し0.2質量%以上であることがこのましい。分散剤の添加量が酸化チタン粉末に対し0.2質量%未満の場合、酸化チタン分散体の分散性を向上させるのに充分な効果が得られない。
酸化チタン粉末と分散剤とを分散媒中に分散させて酸化チタン分散体前駆体を得る方法としては、酸化チタン粉末と分散剤とを分散媒中に添加し分散させる方法、分散剤の水溶液あるいは有機溶液中に酸化チタン粉末を添加し分散させる方法、などが挙げることができる。
本発明の酸化チタン分散体前駆体は、より高い分散性を得るために、酸化チタン分散体中に存在する酸化チタン粉末の凝集を緩和することを目的として湿式解砕処理を行う。この湿式解砕処理は、酸化チタン分散体中の酸化チタン粉末の凝集を緩和することができるものであれば、せん断作用や摩砕作用を利用した解砕装置、攪拌式の解砕装置などの公知の湿式解砕装置を使用することができる。具体的には、ジェットミル、ビーズミル、ロールミル、ハンマーミル、振動ミル、流星型ボールミル、サンドミル、三本ロールミル等の解砕装置を使用することができる。解砕処理をより効果的かつ効率的に行うためには、ジェットミル解砕機又はビーズミル解砕機を使用することが好ましく、特にジェットミルを使用して湿式解砕処理すると、より効率的に解砕処理することができる。また、湿式解砕処理を行う前に、酸化チタン分散体前駆体をボールミルにより分散処理することによって、酸化チタン粉末の凝集をより緩和することができ、酸化チタン分散体の分散性をより高めることができる。さらに、湿式解砕処理をジェットミルで行う場合、上記分散処理後に、篩別等により特定の粒径以上の粗粉を分級し除去しておくことが好ましい。
すなわち、ボールミルにより分散処理を行った後、篩分等により特定粒径以上の粗粉を分級除去し、さらにジェットミル等により湿式解砕処理を行うことによって、酸化チタン粉末を高濃度に分散させた場合であっても、分散性に優れた酸化チタン分散体を効率的に製造することが可能となる。
また、本発明の酸化チタン分散体中の酸化チタン粉末の濃度は、酸化チタン分散体の用途により適宜設定すればよいが、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、特に好ましくは40質量%以下になるように調製すればよい。本発明の酸化チタン分散体は、このように高濃度の酸化チタン含有量であっても、分散性が高く、低粘度で、かつ中性の酸化チタン分散体を得ることができる。このため、従来では達成出来なかったこのような高濃度の酸化チタン分散体を得ることが可能である。
本発明の酸化チタン分散体のpHは用途によって任意に調整することができるが、本発明ではpH5〜9、好ましくはpH6〜8、より好ましくは6.5〜7.5である。元来酸化チタン粒子表面は水酸基を含有しているため、中性領域での分散性は低いものである。そのため、前述したように従来の酸化チタンゾルは、pHを酸性に調整して分散性を改善している。したがって、従来の酸化チタンゾルを基材に塗布して酸化チタン膜を形成し、光触媒や紫外線遮蔽材料を製造するような場合、酸性で腐食するような基材を使用することはできず、その用途に制限があった。本発明の酸化チタン分散体は、中性領域においても極めて高い分散性を示すため、プラズマディスプレイ、光触媒、色素増感型太陽電池用電極、あるいは紫外線遮蔽材料用途として極めて有効である。
以上のように、本発明の酸化チタン分散体は、高純度の酸化チタン粉末が高濃度でかつ高分散しているので、プラズマディスプレイ、光触媒、色素増感型太陽電池用電極、顔料、塗料や化粧料などの紫外線遮蔽材料などの酸化チタン膜形成用として、あるいはチタン酸バリウムなどの結晶性セラミック粉体の原料など、溶媒に分散して使用するあらゆる用途に利用可能である。本発明の酸化チタン分散体から酸化チタン膜を形成するには、公知の方法で行えばよく、例えば、該酸化チタン分散体を充填した噴霧器で基材に所望の量となるように吹き付け、その後常温で乾燥、あるいは加熱処理する方法が使用できる。
また、上記のようにして得られた酸化チタン分散体をペルオクソチタン酸溶液と混合させると、より分散性が高く、かつ粘度の低い薄膜形成用酸化チタン分散体を得ることができる。特に、光触媒薄膜形成用として使用する場合、上記酸化チタン分散体をペルオクソチタン酸溶液と混合させるとより有効である。上記湿式解砕処理の前に、酸化チタン分散体とペルオクソチタン酸溶液を混合させることも可能であるが、得られる酸化チタン分散体の粘度をより低く保つためには、湿式解砕処理を施した本発明の酸化チタン分散体とペルオクソチタン酸溶液とを混合することが好ましい。
このようなペルオクソチタン酸溶液の溶媒としては特に制限されないが、例えば水及びエタノール、メタノールなどのアルコール類が上げられる。ペルオクソチタン酸水溶液を使用する場合は、市販のペルオクソチタン酸水溶液をそのまま使用することができる。使用するペルオクソチタン酸溶液の濃度は、酸化チタン粉末の添加濃度、酸化チタン分散体の用途等によって適宜決定される。また、酸化チタン分散体とペルオクソチタン酸溶液の配合比率も、酸化チタン粉末の添加濃度や、酸化チタン分散体の用途によって適宜決定すればよい。
以下、本発明の酸化チタン分散体を製造する具体的なプロセスの一例を示す。
先ず、液状の四塩化チタンを予め450〜950℃に加熱し、気化させ、必要に応じて窒素ガスで希釈して反応炉に導入する。四塩化チタンの導入と同時に、予め450〜950℃に予熱した酸素ガス、水素ガス及び水蒸気を必要に応じて窒素ガスで希釈して反応炉に導入し酸化反応を行う。酸化反応温度は酸化チタンが生成する温度以上であれば、生成する酸化チタンに要求されるルチル化率に応じて温度調整すればよく、具体的には450〜950℃の温度領域で行えばよい。生成した酸化チタン粉末を冷却部に導入し、空気等の冷却ガスを酸化チタン粉末に接触させ、酸化チタン粉末を300℃以下に冷却する。その後、生成した酸化チタン粉末を捕集し、酸化チタン粉末中に残存する塩素分を、真空加熱、空気あるいは窒素ガス雰囲気中での加熱、スチーム処理などの加熱処理、あるいはアルコールとの接触により除去する。このようにして得られた酸化チタン粉末を、必要に応じて分級処理してもよい。さらに、得られた酸化チタン粉末を粉砕処理あるいは解砕処理することも好ましい。粉砕あるいは解砕処理方法としては、振動ミル、ボールミル、ディスクミル、ターボミル、タワーミル、ペイントシェイカー、雷壊機、振動解砕機等が用いられる。
このようにして得られた酸化チタン粉末を、アミン系分散剤及び/またはカルボキシル基含有高分子分散剤の1種もしくは2種以上を含む水溶液あるいはアルコール等の有機溶媒溶液中に添加し、ボールミルにより分散させる。ボールミルによる分散処理条件は、酸化チタン粉末の凝集状態に応じて、酸化チタン粉末の凝集が緩和できるように任意に設定することができる。具体的には、分散処理する際の酸化チタン分散体前駆体の温度は10〜40℃であることが好ましく、より好ましくは20〜30℃である。また、分散処理時間は1〜20時間の範囲内であればよい。
このようにボールミルにより分散処理し、さらに篩別により45μm以上の粗粉を除去した後、湿式ジェットミルを使用して解砕処理する。ジェットミル解砕条件は、酸化チタン分散体前駆体中の酸化チタン粉末の凝集状態に応じて、凝集が充分に緩和されるよう適宜設定することができる。具体的には、ジェットミルに投入する酸化チタン分散体前駆体の温度は、10〜40℃であることが好ましく、より好ましくは20〜30℃である。また、酸化チタン分散体は、供給圧力100〜250MPa、好ましくは100〜150MPaに設定し、流速200〜290m/s、好ましくは200〜250m/sで供給すればよい。また、ジェットミルによる解砕処理回数は、酸化チタン分散体前駆体の凝集状態に応じ、凝集を充分緩和できるよう設定すればよい。具体的には、1〜5回解砕処理を行うことによって、充分凝集を緩和することができる。
本発明の酸化チタン分散体の粒度分布は、D10(積算粒度10%の粒径(μm)、以下D10と述べることがある)が0.11μm以下、D50(積算粒度50%の粒径(μm)、以下D50と述べることがある)が0.15μm以下、D90(積算粒度90%の粒径(μm)、以下D90と述べることがある)が0.3μm以下であり、好ましくは、D10が0.1μm以下、D50が0.13μm以下、D90が0.17μm以下である。
以下、実施例を挙げて本発明の効果をより具体的に説明する。なお、本明細書において、酸化チタン分散体中の酸化チタン粉末の平均粒径、比表面積、不純物濃度、ルチル化率および粒度分布は以下の方法で測定した。
(平均粒径)
電子顕微鏡(SEM)により酸化チタン粉末を観察し、インターセプト法により測定した。(解析数200個)
(比表面積)
BET法により測定した。
(粒度分布)
レーザー光散乱回折法粒度測定機(LA−700:堀場製作所製)を用い、酸化チタン分散体に超音波をかけて3分間分散させ、粒度を測定し体積統計値の粒度分布を求めた。なお、なお、粒度分布はD90(積算粒度90%の粒径(μm))、D50(積算粒度50%の粒径(μm))、D10(積算粒度10%の粒径(μm))を求めた。
(不純物濃度)
酸化チタン中のFe、Al、Si及びNa成分はプラズマ発光分光分析法により定量分析した。また、酸化チタン中のCl成分については硝酸銀滴定法により測定した。
(ルチル化率)
ASTM D 3720−84に準拠してX線回折パターンにおける、ルチル型結晶酸化チタンの最強干渉線(面指数110)のピーク面積Irと、アナターゼ型結晶酸化チタンの最強干渉線(面指数101)のピーク面積Iaを求め、次式により算出して求めた。
ルチル化率(重量%)=100−100/(1+1.2×Ir/Ia)
式中、IrおよびIaはX線回折スペクトルの該当回折線におけるベースラインから突出した部分の面積であり、その算出方法は公知の方法で行えばよく、例えばコンピューター計算、近似三角形化などの方法により求められる。
四塩化チタンを気相中で酸素と接触させる気相法により、表1中の酸化チタン粉末aを製造した。酸化チタン粉末aを、ポリアクリル酸アンモニウム水溶液中に添加し、攪拌して分散させ、ボールミル解砕機を用いて常温で8時間分散処理し、次いで、篩分により45μm以上の粗粉を除去した。得られた酸化チタン分散体前駆体は、酸化チタン粉末濃度15質量%であり、分散剤であるポリアクリル酸アンモニウムは酸化チタン粉末分散量に対し5質量%になるように調製した。
このようにして得られた酸化チタン分散体前駆体を、湿式ジェットミルを用いて解砕処理した。湿式ジェットミル解砕機は、吉田機械興業株式会社製のナノマイザーを使用し、常温で、酸化チタン分散体の供給圧力150PMa、供給速度250m/sで行った。このジェットミル解砕処理を5回繰り返し実施例1の酸化チタン分散体を得た。この酸化チタン分散体の粒度分布測定結果を表2に示す
参考例1
実施例1で使用した酸化チタン粉末aを、実施例1同様にポリアクリル酸アンモニウム水溶液中に添加し、攪拌して分散させた後、ボールミル解砕機による分散処理を行わずに、篩分により45μm以上の粗粉を除去して得られた酸化チタン分散体前駆体を、実施例1と同様に湿式ジェットミル解砕処理を行い、酸化チタン濃度15質量%の酸化チタン分散体を得た。分散剤であるポリアクリル酸アンモニウムは酸化チタン粉末分散量に対し5質量%になるように調製した。参考例1の酸化チタン分散体の粒度分布の測定結果を表2に併記する。
比較例1
実施例1および参考例1で使用した酸化チタン粉末aを、ポリアクリル酸アンモニウム水溶液中に添加し、攪拌して分散させ、比較例1の酸化チタン分散体とした。実施例1で行ったボールミルによる分散処理、篩分および湿式ジェットミルによる解砕処理は行わなかった。比較例1の酸化チタン分散体の粒度分布測定結果を表2に併記した
実施例2
実施例1で使用した酸化チタン粉末aを、ポリアクリル酸アンモニウムのエタノール溶液に添加し、攪拌して分散させた以外は、実施例1同様にボールミルによる分散処理、篩分および湿式ジェットミルによる解砕処理を行い、実施例の酸化チタンのエタノール分散体を得た。得られた分散体の酸化チタン濃度は15質量%であった。実施例の酸化チタン分散体の粒度分布測定結果を表3に示した。
比較例2
実施例で使用した酸化チタン粉末aを、ポリアクリル酸アンモニウムのエタノール溶液に添加し、攪拌して分散させて比較例2の酸化チタン分散体とした。実施例で行ったボールミルによる分散処理、篩分および湿式ジェットミルによる解砕処理は行わなかった。比較例2の酸化チタン分散体の酸化チタン濃度は15質量%であった。比較例2の酸化チタン分散体の粒度分布測定結果を表3に併記した
実施例3
四塩化チタンを酸化の気相中で酸素と接触させる気相法により、表1中の酸化チタン粉末bを製造した。酸化チタン粉末bを、分散剤として酸価16KOHmg/g、アミン価17KOHmg/gのポリエーテルエステル酸のアミン塩を溶解させた1−メトキシ−2−プロパノール中に添加して攪拌し、さらにボールミル解砕機を用いて常温で16時間分散処理し、次いで篩分により45ミクロン以上の粗粉を除去して、酸化チタン粉末濃度30質量%の酸化チタン分散体前駆体を得た。ポリエーテルエステル酸のアミン塩は、その有効成分が酸化チタン粉末に対し5質量%になるように添加した。得られた酸化チタン分散体前駆体を、実施例1同様に湿式ジェットミル解砕処理し、実施例の酸化チタン分散体を得た。実施例の酸化チタン分散体の粒度分布の測定結果を表4に示した
参考例2
実施例で使用した酸化チタン粉末bを、酸価16KOHmg/g、アミン価17KOHmg/gのポリエーテルエステル酸のアミン塩を溶解させた1−メトキシ−2−プロパノール中に添加して攪拌し、湿式ビーズミルを用いて解砕処理した。湿式ビーズミル解砕は、ZrO2製ビーズを使用し、常温で、周速8m/sec、回転数2546rpmで行った。参考例2の酸化チタン分散体の酸化チタン濃度は30質量%であった。また、ポリエーテルエステル酸のアミン塩は、その有効成分が酸化チタン粉末に対し5質量%になるように添加した。参考例2の酸化チタン分散体の粒度分布の測定結果を表4に併記した。
比較例3
実施例で使用した酸化チタン粉末bを、酸価16KOHmg/g、アミン価17KOHmg/gのポリエーテルエステル酸のアミン塩を溶解させた1−メトキシ−2−プロパノール中に添加して攪拌し、酸化チタン濃度30質量%の、比較例3の酸化チタン分散体を得た。ポリエーテルエステル酸のアミン塩は、その有効成分が酸化チタン粉末に対し5質量%になるように添加した。実施例で実施したボールミルによる分散処理、および湿式ジェットミル解砕処理は行わなかった。比較例3の酸化チタン分散体の粒度分布測定結果を表4に併記した。
Figure 0004780635
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表2から明らかなように、本発明の酸化チタン分散体である実施例1の酸化チタン水分散体は、比較例1の酸化チタン水分散体よりもD50およびD90の値が小さく、粒度分布がシャープである。すなわち、本発明の酸化チタン水分散体は、酸化チタン粉末に異物質によるコーティングをすることなく、酸化チタン粉末の凝集が緩和され、分散性に優れていることがわかる。また、実施例1の酸化チタン分散体は、参考例1の酸化チタン分散体よりもさらに粒度分布がシャープであり、より分散性に優れることがわかる。すなわち、湿式ジェットミルによる解砕処理を施す前に、ボールミルによる分散処理を行うことによって、酸化チタン粉末がより高度に分散していることがわかる。
また、表3及び表4から明らかなように、本発明の酸化チタン分散体は、分散媒としてエタノール、1−メトキシ−2−プノパノール等のアルコール類を使用し、酸化チタンを高濃度に分散させた酸化チタンの有機溶剤分散体であっても、粒度分布が狭く、分散性に優れたものであることがわかる。

Claims (8)

  1. 酸化チタン粉末と、アミン系分散剤及び/又はカルボキシル基含有高分子分散剤と、水溶媒又は有機溶媒とからなる酸化チタン分散体前駆体をボールミルにより分散処理した後、ジェットミルあるいはビーズミルにより湿式解砕処理することを特徴とする酸化チタン分散体の製造方法。
  2. 前記酸化チタン粉末が、四塩化チタンの気相反応で得られたものであることを特徴とする請求項1に記載の酸化チタン分散体の製造方法。
  3. 前記酸化チタン粉末が、四塩化チタン、酸素、水素および水蒸気を気相状態下で反応して得られたものであることを特徴とする請求項1に記載の酸化チタン分散体の製造方法。
  4. 前記有機溶媒がアルコール類であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の酸化チタン分散体の製造方法。
  5. 前記アミン系分散剤がアルキルアミン及びポリカルボン酸のアミン塩の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の酸化チタン分散体の製造方法。
  6. 前記カルボキシル基含有高分子分散剤がポリカルボン酸及びその塩の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の酸化チタン分散体の製造方法。
  7. 前記酸化チタン粉末の平均粒径が15〜30nmである請求項1〜請求項のいずれかに記載の酸化チタン分散体の製造方法。
  8. 前記酸化チタン分散体前駆体をボールミルにより分散処理した後、ジェットミルあるいはビーズミルにより湿式解砕処理する前にさらに篩分により45μm以上の粗粒を除去する請求項1〜請求項のいずれかに記載の酸化チタン分散体の製造方法。
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