JP6243649B2 - 酸化チタン粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化チタン粒子及びその製造方法、並びに酸化チタン粒子を含むスラリー、分散体、組成物及び誘電体原料に関する。
酸化チタンの工業的応用分野は極めて広く、化粧品、紫外線遮蔽材、シリコーンゴムヘの添加剤を代表とし、近年では、光触媒、太陽電池、誘電体原料、Liイオン電池用電極材原料など用途は多岐に亘っている。なお、「酸化チタン」は、日本工業規格(JIS)には二酸化チタンと記載されているが、一般名として酸化チタンが広く使用されているので本明細書では酸化チタンと略称する。
最近、酸化チタンは特に高性能の誘電体原料、例えばBaTiO3の原料として注目されている。BaTiO3は加熱下で次の反応によって得られる。
BaCO3+TiO2 →BaTiO3+CO2
上記の反応は固相反応であり、その際先ず高温でBaCO3が分解してBaOが生成し、BaOがTiO2粒子中を拡散固溶してBaTiO3になると言われている。従ってBaTiO3粒子の大きさはTiO2粒子の大きさに支配されることになる。近年では、積層セラミックコンデンサーの小型化に伴って、誘電層の薄層化が課題となっており、そのためにはBaTiO3粒子の微粒化及び均一化が不可欠となっている。従って、当該均一化のためには、BaTiO3の原料であるTiO2の微粒化及び均一化が必要である。
酸化チタンの製造法は、大別して四塩化チタンや硫酸チタンを加水分解する液相法と、四塩化チタンを酸素又は水蒸気と高温で反応させる気相法がある。
液相法は、比較的温和な条件下で酸化チタンを製造することができるという利点があるが、酸化チタンがゾル又はスラリーの状態で得られるため、この状態で使用する場合、用途が限定されるという問題がある。
また、当該ゾル又はスラリーを酸化チタン粒子として使用するためには乾燥させる必要があり、乾燥後は一般に凝集が激しくなる。このように凝集の激しい酸化チタン粒子は、粒径が不均一になるという問題がある。また、当該酸化チタン粒子を溶媒に分散させたときの分散性が悪いという問題もある。分散性が悪いと、上記のBaTiO3の生成のために原料を混合する際に、酸化チタン粒子と他の原料とが十分に混合せず、原料成分に偏在が生じ、反応時に不均一成長を引き起こして、強度低下等の性能低下、品質のばらつき等が生じる。また、分散性を高めるために酸化チタンを解砕・粉砕する場合、粉砕等の処理に由来する摩耗物の混入や粒度分布の不均一化等の問題を引き起こすことがある。
一方、気相法によると、酸化チタンは粉末として得られ、また気相法では溶媒を使用しないため、液相法で挙げた問題が生じることは少ない。しかしながら、気相法によると、原料に四塩化チタンを使うため、得られる酸化チタン粒子にClが含まれてしまうという問題がある。
例えば、このClを含む酸化チタン粒子をBaTiO3の原料として用いる場合、このClを含む酸化チタン粒子とBaCO3とを混合して加熱する際にBaOが生成し、ClがこのBaOと反応してBaCl2が生成する。生成したBaCl2は溶融してフラックスの作用をし、TiO2粒子やBaTiO3粒子の凝集を引き起す。また溶融したフラックスは局在化し易く、その局在化した部分では凝集が多くなり、他の部分との間で品質にバラツキが生ずる。粒子が凝集するとBaTiO3粒子の結晶が成長して異常粒子となり、BaTiO3の誘電特性を低下させることになる。上記の問題は、酸化チタン中のClの存在状態にかかわらず起きる可能性があるため、粒子表面及び粒子内部のどちらのClも減らす必要がある。
特許文献1には、Cl等のハロゲン含有量の少ない酸化チタン粒子を気相法により得ることを目的として、ハロゲン化チタンガスを気相中で加水分解又は酸化反応させて得られる粗酸化チタン粒子を、アルコール及び水蒸気を含有する混合ガスに接触させることを特徴とする低ハロゲン酸化チタン粒子の製造方法が記載されている。
WO09/017212号
上記のとおり、Cl含有量が少なく、均一性及び分散性に優れる酸化チタン粒子が望まれている。しかしながら、液相法により得られる酸化チタン粒子は均一性及び分散性に劣る。また気相法により得られる酸化チタン粒子は、Cl含有量が多い。なお、特許文献1により得られる酸化チタン粒子も、Cl含有量が十分に低減されない。
本発明は、上記の問題点を解決すべくなされたものであり、本発明の課題は、Cl含有量が低く、かつ均一性及び分散性に優れる酸化チタン粒子及びその製造方法、並びに当該酸化チタンを含むスラリー、分散体、組成物及び誘電体原料を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究した結果、四塩化チタン及び不活性ガスを特定量含有するガス及び特定の酸化性ガスを含有するガスを反応させて粗酸化チタン粒子を製造する第1工程と、該粉末を乾式脱塩法で脱塩する第2工程と、を経ることにより、Cl含有量が少なく、かつ均一性及び分散性に優れた酸化チタン粒子を製造し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[13]を提供するものである。
[1]四塩化チタン及び不活性ガスを含有するガスG1と、酸素及び水蒸気の少なくとも1種並びに不活性ガスを含有するガスG2とを、反応管に導入して反応させ、粗酸化チタン粒子を製造する第1工程と、該粗酸化チタン粒子を乾式脱塩素法で脱塩素する第2工程と、を有し、第1工程の反応管に導入する不活性ガスの総量(ガスG1とガスG2中の不活性ガスの合計量)が、四塩化チタン1モルに対して1モル以上50モル以下であり、ガスG2中の不活性ガス量が、ガスG1中の不活性ガス1モルに対し、5モル以上である、酸化チタン粒子の製造方法。
[2]第1工程において、ガスG1及びガスG2を、温度が900℃以上1,200℃未満である反応管内に導入して反応させる、[1]に記載の酸化チタン粒子の製造方法。
[3]第1工程において、四塩化チタン1モルに対し、ガスG2中における酸素及び水蒸気の総量が1モル以上50モル以下となるように、ガスG1及びガスG2を反応管に導入する、[1]又は[2]に記載の酸化チタン粒子の製造方法。
[4]第1工程において、四塩化チタン1モルに対し、ガスG1中における不活性ガス量が3モル未満となるように、ガスG1及びガスG2を反応管に導入する、[1]〜[3]のいずれかに記載の酸化チタン粒子の製造方法。
[5]全Cl含有量aが200質量ppm以下であり、レーザー回折・散乱分析法により測定したD90/D50をXとし、窒素吸着によるBET法により測定したBET比表面積をY(m2/g)とした場合、X/Yが0.060以下である酸化チタン粒子。
[6]酸化チタン粒子中における全Cl含有量a(質量ppm)から、硝酸銀電位差滴定法により測定した酸化チタン粒子の表面Cl含有量b(質量ppm)を差し引いて得られる、酸化チタン粒子の内部Cl含有量cが、200質量ppm以下である、請求項5に記載の酸化チタン粒子。
[7]BET比表面積Yが20〜200m2/gである、[5]又は[6]に記載の酸化チタン粒子。
[8]酸化チタンの含有量が99.9質量%以上である[5]〜[7]のいずれかに記載の酸化チタン粒子。
[9]Na,Al,S,Fe,Ni,Cr,Nb及びZrの含有量がそれぞれ10質量ppm以下、Si及びCの含有量がそれぞれ100質量ppm以下、である[5]〜[8]のいずれかに記載の酸化チタン粒子。
[10][5]〜[9]のいずれかに記載の酸化チタン粒子を含むスラリー。
[11][5]〜[9]のいずれかに記載の酸化チタン粒子を含む分散体。
[12][5]〜[9]のいずれかに記載の酸化チタン粒子を含む組成物。
[13][5]〜[9]のいずれかに記載の酸化チタン粒子から得られた誘電体原料。
本発明によれば、全Cl含有量aが少なく、かつ均一性及び分散性に優れた酸化チタン粒子及びその製造方法、並びに当該酸化チタンを含むスラリー、分散体、組成物及び誘電体原料を提供することができる。
本発明の酸化チタン粒子の製造方法における第1工程の好適例を説明する模式図である。
[酸化チタン粒子]
本発明の酸化チタン粒子は、全Cl含有量aが200質量ppm以下であり、レーザー回折・散乱分析法により測定したD90/D50をXとし、窒素吸着によるBET法により測定したBET比表面積をY(m2/g)とした場合、X/Yが0.060以下である酸化チタン粒子である。本発明の酸化チタン粒子は、全Cl含有量aが少なく、かつ均一性及び分散性に優れる。かかる本発明の酸化チタン粒子は、後述する本発明の酸化チタン粒子の製造方法により、好適に製造することができる。
本発明の酸化チタン粒子は、全Cl含有量aが200質量ppm以下である。
全Cl含有量aとは、酸化チタン粒子中におけるClの総含有量のことであり、酸化チタンにフッ化水素酸を加えてマイクロウェーブ照射することにより溶解し、その溶液に硝酸銀溶液を滴下して、電位差を測定する硝酸銀電位差滴定法により測定された値のことをいう。
全Cl含有量aが200質量ppmを超えると、当該酸化チタン粒子をBaTiO3等の原料に用いた場合、焼成時にフラックスの原因となる。溶融したフラックスは局在化し易く、その局在化した部分では凝集が多くなり、他の部分との間で品質にバラツキが生ずる。また、粒子が凝集するとBaTiO3粒子の結晶が成長して異常粒子となり、BaTiO3の誘電特性を低下させることにもなる。当該観点から、酸化チタン粒子中における全Cl含有量aは、好ましくは180質量ppm以下、より好ましくは150質量ppm以下、更に好ましくは120質量ppm以下、より更に好ましくは100質量ppm以下、より更に好ましくは40ppm以下である。なお、40ppmは、本測定方法における測定限界値である。
表面Cl含有量bとは、酸化チタン粒子の表面におけるCl含有量のことであり、同様の観点から、好ましくは200質量ppm以下、より好ましくは180質量ppm以下、更に好ましくは150質量ppm以下、より更に好ましくは120質量ppm以下、より更に好ましくは100質量ppm以下である。
本発明において、表面Cl含有量bとは、酸化チタンを水に分散させてその溶液に硝酸銀溶液を滴下し、電位差を測定する硝酸銀電位差滴定法により測定された値のことをいう。
本測定方法における定量下限は40ppmであり、測定された値が定量下限よりも低い場合を0ppm以上40ppm未満であるとする。
また、粒子内部にClを含有する酸化チタン粒子を原料としてBaTiO3層等を製造すると、当該Clが経時的に当該層の表面まで拡散し、当該層が形成された基材を腐食、変質させるといった不都合が生じる。また、この酸化チタン粒子の内部に存在するClは、水洗や乾燥等の簡単な脱Cl処理では除去しにくい。そのため、酸化チタン粒子表面だけでなく、粒子内部にもClが存在しないことが望ましい。
当該観点から、内部Cl含有量cとは、酸化チタン粒子の内部におけるCl含有量cであり、好ましくは200質量ppm以下であり、より好ましくは120質量ppm以下、更に好ましくは100質量ppm以下である。
なお、本発明において、内部Cl含有量cとは、上記の(酸化チタン粒子中におけるClの総含有量である)全Cl含有量aから、(粒子表面におけるClの含有量である)表面Cl含有量bを差し引いた値のことをいう。
本発明の酸化チタン粒子は、Na,Al,S,Fe,Ni,Cr,Nb及びZrの含有量がそれぞれ10質量ppm以下であることが好ましい。また、本発明の酸化チタン粒子は、Si及びCの含有量がそれぞれ100質量ppm以下であることが好ましい。このように不純物が少ないと、当該酸化チタン粒子を原料として誘電体を得たときに、不純物の存在により誘電特性が悪くなることが抑制される。また、当該酸化チタン粒子を光触媒又は太陽電池の用途に用いたときに、Feによる着色による透明性の低下が防止又は抑制され、また、Al、S等に起因する格子欠陥による光触媒又は太陽電池としての機能の低下が防止又は抑制される。
本発明の酸化チタン粒子は、酸化チタンの含有量が99.9質量%以上であることが好ましく、これにより純度が高くなり、上記のような不純物による影響が小さい。なお、これら不純物および酸化チタンの含有量は、実施例の項に記載された測定方法による。
本発明の酸化チタン粒子は、レーザー回折・散乱分析法により測定したD90/D50をXとし、窒素吸着によるBET法により測定したBET比表面積をY(m2/g)とした場合、X/Yが0.060以下である。
一般に、BET比表面積Yが大きい粒子ほど、表面エネルギーが高くなって凝集し易くなるため、粒径が不均一になり、X(D90/D50)の値が大きくなり易い。この値X(D90/D50)をBET比表面積Yで除した値X/Yは、BET比表面積の影響を除いた均一性の指標とすることができ、このX/Yの値が小さいほど、均一性に優れているといえる。
均一性を向上させる観点から、このX/Yの値は、好ましくは0.055以下、より好ましくは0.050以下、更に好ましくは0.045以下、より更に好ましくは0.040以下、より更に好ましくは0.035以下である。
なお、粒子の粒度分布の測定法には、「超微粒子ハンドブック」齋藤進六監修,フジ・テクノシステム,p93,(1990)によると、沈降法、顕微鏡法、レーザー回折・散乱分析法(光散乱法)、直接計数法等があるが、このうち沈降法、直接計数法は測定可能な粒径が数百nm以上であり、粒径が100nm以下の微粒子の粒度分布を測定するには不適である。また、顕微鏡法も対象試料のサンプリングや試料の前処理によって測定値が変動することもあり、好ましい測定法とはいえない。これに対し、レーザー回折・散乱分析法(光散乱法)は数nm〜数μmの範囲で粒径を測定することができ、微粒子の測定に適している。レーザー回折・散乱分析法(光散乱法)による粒度分布の測定手順について以下に説明する。
酸化チタン粒子0.05gに純水100ml及び10%ヘキサメタリン酸ソーダ水溶液100μlを加えたスラリーに、3分間超音波照射(50KHz、100W)する。このスラリーをレーザー回折式粒度分布測定装置(島津SALD 2000J)にかけて、粒度分布を測定する。当該測定に基づいて、D50(体積積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径(μm))、D90(体積積算粒度分布における積算粒度で90%の粒径(μm))、X(D90/D50)が求められる。
このようにして測定された粒度分布におけるD90の値が小さければ、親水性溶媒に対して良好な分散性を示していると判断され、D90の値は、好ましくは8μm以下より好ましくは5μm以下、更に好ましくは3.5μm以下、より更に好ましくは1μm以下である。
本発明の酸化チタン粒子における上記値X(D90/D50)は、酸化チタン粒子の均一性の向上の観点から、6.00以下、より好ましくは5.50以下、更に好ましくは5.00以下、より更に好ましくは2.00以下、より更に好ましくは1.50以下、より更に好ましくは1.40以下である。
また、本発明の酸化チタン粒子における上記BET比表面積Y(m2/g)は、不純物が少なくかつ均一性及び分散性に優れる酸化チタン粒子を得る観点から、好ましくは20〜200m2/g、より好ましくは20〜190m2/g、更に好ましくは20〜150m2/g、より更に好ましくは20〜100m2/g、より更に好ましくは20〜50m2/gである。
本発明の酸化チタン粒子におけるルチル化率は、幅広く制御できるが、紫外線遮蔽性や光触媒活性においては、一般に、ルチル型が好ましく、好ましくは3〜95%、より好ましくは6〜95%、更に好ましくは30〜95%、より更に好ましくは50〜95%、最も好ましくは50〜90%である。
ここで、ルチル化率とは、酸化チタン中におけるルチル型酸化チタンの含有量のことをいう。
[スラリー、分散体、組成物及び誘電体原料]
本発明のスラリー、分散体、組成物及び誘電体原料は、前述の酸化チタン粒子を含む。本発明のスラリー、分散体、組成物及び誘電体原料は、光触媒用途や太陽電池用途、誘電体用途等に好適である。
[酸化チタン粒子の製造方法]
本発明の酸化チタン粒子の製造方法は、四塩化チタン及び不活性ガスを含有するガスG1と、酸素及び水蒸気の少なくとも1種並びに不活性ガスを含有するガスG2とを、反応管に導入して反応させ、粗酸化チタン粒子を製造する第1工程と、該粗酸化チタン粒子を乾式脱塩素法で脱塩素する第2工程と、を有し、第1工程の反応管に導入する不活性ガスの総量が、四塩化チタン1モルに対して1モル以上50モル以下であり、ガスG2中の不活性ガス量が、ガスG1中の不活性ガス1モルに対し、5モル以上である、酸化チタン粒子の製造方法である。
本発明によると、全Cl含有量aが低く、かつ均一性及び分散性に優れる酸化チタン粒子を得ることができる。
すなわち、気相法により酸化チタン粒子を製造する場合、酸化チタン粒子中の全Cl含有量aを少なくしようとして反応を十分に行うと、粒子の焼結や凝集が進み、比表面積が低下し、また、粒径の均一性及び粒子の分散性が低下する。一方、反応が十分ではないと、酸化チタン粒子中の全Cl含有量aが多くなる。
本発明者らは、第1工程の反応管に導入する不活性ガスの総量を、四塩化チタン1モルに対して1モル以上50モル以下とし、かつガスG2中の不活性ガス量をガスG1中の不活性ガス1モルに対し、5モル以上とすることにより、Cl含有量が低く、かつ均一性及び分散性に優れる酸化チタン粒子を得ることができることを見出し、本発明に至った。
<第1工程>
第1工程では、四塩化チタン及び不活性ガスを含有するガスG1と、酸素及び水蒸気の少なくとも1種並びに不活性ガスを含有するガスG2とを、反応管に導入して反応させ、粗酸化チタン粒子を製造する。
この第1工程において、反応管に導入する不活性ガスの総量、即ち、ガスG1中の不活性ガスとガスG2中の不活性ガスとの合計量は、四塩化チタン1モルに対して1モル以上50モル以下であり、かつ、ガスG2中の不活性ガス量が、ガスG1中の不活性ガス1モルに対し、5モル以上である。これにより、全Cl含有量aの低減と、粒径の均一性及び粒子の分散性の向上という、相反する効果を得ることができる。
(反応管に導入する不活性ガスの総量)
反応管に導入する不活性ガスの総量は、上記のとおり、四塩化チタン1モルに対して1モル以上50モル以下である。不活性ガスの総量が当該範囲より少ない場合、反応ゾーンにおける酸化チタン粒子密度が高まり、凝集、焼結し易くなる。ここで、「反応ゾーン」とは、原料合流部から、冷却空気の導入によって反応を終了させるまでの領域のことをいう。
一方、不活性ガスが前記範囲よりも多い場合、原料の反応性が低下し、四塩化チタンの酸化反応が完結せず、酸化チタン粒子内部の内部Cl含有量cが増え、結果的に全Cl含有量aが増える。よって、全Cl含有量aの少ない酸化チタン粒子を製造するには、四塩化チタンの酸化反応を完結させ、かつ凝集、焼結を抑制するような反応条件が必要であり、反応管内に導入する不活性ガスの総量は、四塩化チタンガス1モルに対し、好ましくは1モル以上30モル以下、より好ましくは1モル以上20モル以下、更に好ましくは1モル以上10モル以下、より更に好ましくは1モル以上5モル以下である。
図1は、第1工程の好適な実施形態を示す模式図である。
先ず、反応管1内にガスG1及びガスG2を導入する。このとき、反応管1内へのガスG1及びガスG2の導入後の反応管1内温度が所定温度範囲内になるように、反応管1を予め加熱しておくことが好ましい。この反応管1内で原料ガス(ガスG1及びガスG2)を所定時間滞留させる。この反応管1内が、反応ゾーンZとなる。
次いで、冷却媒体3として上記ガス又は水を反応管1と冷却管2の間に導入して、原料ガスを急冷し、反応生成物である粗酸化チタン粒子4を冷却媒体3と共に冷却管2から流出させる。これにより、粗酸化チタン粒子4を好適に製造することができる。得られた粗酸化チタン粒子は、第2工程5に送られる。
(ガスG1)
ガスG1は、四塩化チタン及び不活性ガスを含有する。
ガスG1中において、四塩化チタン1モルに対する不活性ガスの含有量は、得られる酸化チタン粒子の粒径を小さく抑える観点から、好ましくは0.1モル以上、より好ましくは0.5モル以上、更に好ましくは1モル以上、より更に好ましくは1.5モル以上、より更に好ましくは2モル以上である。また、反応を促進させる観点から、好ましくは50モル以下、より好ましくは20モル以下、更に好ましくは10モル以下、より更に好ましくは5モル以下、より更に好ましくは3モル以下である。
この不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられるが、経済的な観点から窒素が好ましい。ガスG1中における上記四塩化チタン及び上記不活性ガスの合計含有量は、全Cl含有量aが低く、かつ均一性及び分散性に優れる酸化チタン粒子を得る観点から、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上、より更に好ましくは99モル%以上である。
(ガスG2)
ガスG2は、酸素及び水蒸気の少なくとも1種並びに不活性ガスを含有する。
ガスG2中において、酸素及び水蒸気の総量1モルに対する不活性ガスの含有量は、好ましくは0.1モル以上50モル以下である。50モル以下であると、反応管内の原料濃度が高いため、反応が促進され、全Cl含有量aおよび内部Cl含有量cを低減させることができる。また、0.1モル以上であると、内部Cl含有量cおよび全Cl含有量aの少ない酸化チタン粒子を得ることができる。当該観点から、酸素及び水蒸気の総量1モルに対する不活性ガスの含有量は、より好ましくは0.1モル以上30モル以下、更に好ましくは0.1モル以上20モル以下、より更に好ましくは0.1モル以上10モル以下、より更に好ましくは0.1モル以上5モル以下である。
この不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられるが、経済的な観点から窒素が好ましい。ガスG2中の不活性ガスは、ガスG1中の不活性ガスと同じでも異なっていてもよいが、経済的な観点から共に窒素であることが好ましい。
このガスG2は、酸素及び水蒸気の少なくとも1種を含有していればよいが、Cl含有量が少なく、かつ均一性・分散性に優れた酸化チタン粒子を得る観点から、両方を含有することが好ましい。
同様の観点から、酸素1モルに対して、水蒸気は、好ましくは1モル以上、より好ましくは4モル以上、更に好ましくは10モル以上、より更に好ましくは30モル以上、より更に好ましくは40モル以上であり、また、好ましくは150モル以下、より好ましくは100モル以下、更に好ましくは80モル以下、より更に好ましくは70モル以下、より更に好ましくは60モル以下である。
ガスG2中における上記酸素、水蒸気及び不活性ガスの合計含有量は、全Cl含有量aが低く、かつ均一性及び分散性に優れる酸化チタン粒子を得る観点から、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上、より更に好ましくは99モル%以上である。
(不活性ガスのガスG1及びガスG2への配分)
酸化反応の進行を妨げることを防止し、かつ内部Cl含有量c及び全Cl含有量aの少ない酸化チタン粒子を得る観点から、ガスG2に導入する不活性ガス量は、ガスG1に導入する不活性ガス1モルに対して、5モル以上であり、好ましくは10モル以上、より好ましくは20モル以上、更に好ましくは30モル以上であり、また、好ましくは100モル以下、より好ましくは80モル以下、更に好ましくは70モル以下、より更に好ましくは60モル以下である。
(四塩化チタンと酸素及び水蒸気の総量との割合)
酸素及び水蒸気の反応管への総導入量は、四塩化チタンの反応管への導入量1モルに対して、好ましくは1モル以上50モル以下、より好ましくは1モル以上20モル以下である。酸素及び水蒸気の導入量を増やすと、酸化チタンの核発生数が増加し微粒子は得られやすくなるが、50モルを越えても核発生数を増加させる効果はほとんど無い。酸素及び水蒸気の導入量が50モルを越えても酸化チタンの特性に影響は無いが、経済的な観点から上限が設定される。一方、1モル以上であると、酸素欠陥が少なく着色のない酸化チタンを得ることができる。
(ガスG1とガスG2との割合)
ガスG2の反応管への導入量は、ガスG1の反応管への導入量1モルに対して、好ましくは1モル以上50モル以下、より好ましくは1モル以上20モル以下である。ガスG2のガス量を増やすと、酸化チタンの核発生数が増加し微粒子は得られやすくなるが、50モルを越えても核発生数を増加させる効果はほとんど無い。ガスG2が50モルを越えても酸化チタンの特性に影響は無いが、経済的な観点から上限が設定される。一方、1モル以上であると、酸素欠陥が少なく着色のない酸化チタンを得ることができる。
(反応温度及び反応時間)
ガスG1及びガスG2を導入する反応管内の温度は、好ましくは900℃以上1,200℃未満、より好ましくは900℃以上1,100℃未満である。反応管内温度を高くすることによって、混合と同時に反応が完結し、均一核発生が増進され、かつ、反応ゾーンを小さくすることができる。反応管内温度が900℃以上であると、反応が十分に進み、酸化チタン粒子の内部Cl含有量cが少なくなる。一方、反応管内温度が1,200℃未満であると、粒子成長が抑制され、微粒子が得られる。
原料ガスが反応管に導入されると、急冷を施さないかぎり酸化チタン粒子が粒成長してしまい、また、粒子の焼結が進行してしまう。そこで、900℃以上1,200℃未満の高温滞留時間は、好ましくは0.1秒以下、より好ましくは0.03秒以下、更に好ましくは0.02秒以下である。
急冷の手段としては、例えば、反応混合物に多量の冷却空気や窒素等のガスを導入する方法、あるいは水を噴霧する方法等が好適に採用される。
<第2工程>
第2工程では、第1工程で得られた粗酸化チタン粒子を、乾式脱塩素法で脱塩素する。
ここで、「乾式脱塩素法」とは、円筒形回転式加熱炉、熱風循環式加熱炉、流動乾燥炉、撹拌乾燥炉等の加熱装置を用いて水蒸気の存在下で粗酸化チタン粒子を加熱し、Clを除去する方法である。この加熱装置は、好ましくは円筒形回転式加熱炉である。
なお、脱塩素法には湿式脱塩素法もあるが、必ず乾燥工程を伴うため、酸化チタン粒子が凝集し、分散性が低くなる。
粗酸化チタン粒子の加熱による脱塩素は、水蒸気と粗酸化チタン粒子との質量比(=水蒸気の質量/粗酸化チタン粒子の質量。以下同様)が0.01以上になるように酸化チタン粒子に水蒸気を接触させながら加熱することが好ましく、より好ましくは0.03以上、更に好ましくは0.1以上である。
脱塩素は、酸化チタン表面のClが粒子近傍の水あるいは隣接する粒子の表面水酸基と置換反応することにより進行する。酸化チタン粒子表面のClが、水と置換された場合には粒成長せずに脱塩素化されるが、隣接する粒子の表面水酸基と置換された場合は脱塩素と同時に粒成長することとなる。すなわち、粒成長を抑制しつつ脱塩素化を図るためには、水蒸気と酸化チタンの質量比も重要であり、水蒸気と酸化チタンの質量比が0.01以上であれば粒成長を抑制する効果が認められる。
加熱温度は、好ましくは200℃以上550℃以下、より好ましくは400℃以上550℃以下である。550℃以下であると酸化チタン粒子の焼結が抑制され、粒成長が抑制される。加熱温度が200℃以上であると、脱塩素の効率が高くなる。
酸化チタンと接触させる水蒸気は、空気と混合して使用することが好ましい。空気は酸化チタンから分離したClを効率良く系外に移動させる役割を有する。また、水蒸気を含んだ空気は200℃以上1,000℃以下に加熱しておくことが好ましい。
以下、実施例及び比較例について具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
なお、酸化チタン粒子についての物性の測定方法は以下のとおりである。
(1)ルチル化率
酸化チタン粒子中におけるルチル型酸化チタンの含有量(ルチル化率)は、粉末X線回折法により測定した。
すなわち、乾燥させた酸化チタン粒子について、測定装置としてPANalytical社製「X’pertPRO」を用い、銅ターゲットを用い、Cu−Kα1線を用いて、管電圧45kV、管電流40mA、測定範囲2θ=10〜80deg、サンプリング幅0.0167deg、走査速度0.0192deg/sの条件でX線回折測定を行った。
ルチル型結晶に対応する最大ピークのピーク高さ(Hr)、ブルッカイト型結晶に対応する最大ピークのピーク高さ(Hb)、及びアナターゼ型結晶に対応する最大ピークのピーク高さ(Ha)を求め、以下の計算式により、酸化チタン粒子中におけるルチル型酸化チタンの含有量(ルチル化率)を求めた。
ルチル化率(%)={Hr/(Ha+Hb+Hr)}×100
(2)BET比表面積Y
酸化チタン粒子のBET比表面積Y(m2/g)は、島津製作所製比表面積測定装置(機種はフローソーブII,2300)で測定した。
(3)全Cl含有量a
硝酸銀電位差滴定法により、酸化チタン粒子中の全Cl含有量aを測定した。
すなわち、酸化チタン粒子を秤量した。次いで、この酸化チタン粒子にフッ化水素酸を加えてマイクロウェーブ照射することにより溶解し、その溶液に硝酸銀溶液を滴下して、電位差を測定することにより、溶液中の塩素の質量を求めた。そして、酸化チタン粒子の質量と、溶液中の塩素の質量とから、酸化チタン粒子中の全Cl含有量aを算出した。
(4)表面Cl含有量b
硝酸銀電位差滴定法により、酸化チタン粒子中の表面Cl含有量bを測定した。
すなわち、酸化チタン粒子を秤量した。次いで、この酸化チタン粒子を水に分散させてその溶液に硝酸銀溶液を滴下し、電位差を測定することにより、溶液中の塩素の質量を求めた。そして、酸化チタン粒子の質量と、溶液中の塩素の質量とから、酸化チタン粒子中の表面Cl含有量bを算出した。
(5)内部Cl含有量c
上記(3)及び(4)により得られた全Cl含有量aから表面Cl含有量bを差し引くことにより、内部Cl含有量cを算出した。
(6)D50、D90、X(D90/D50)、及びX/Y
酸化チタン粒子0.05gに純水100ml及び10%ヘキサメタリン酸ソーダ水溶液100μlを加えたスラリーに、3分間超音波照射(50KHz、100W)した。このスラリーを島津製作所製レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD(登録商標)―2000J)にかけて、粒度分布を測定した。当該測定に基づいて、D50(体積積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径(μm))、D90(体積積算粒度分布における積算粒度で90%の粒径(μm))、X(D90/D50)を求めた。また、このXの値と、前記のBET比表面積Yとから、X/Yを算出した。
(7)酸化チタン粒子中における酸化チタンの含有量
酸化チタン粒子中における酸化チタンの含有量は、「100−不純物濃度の総和(質量%)」より求めた。
(8)その他の不純物の含有量
不純物測定方法は、以下に示すとおりである。
Fe:原子吸光法(日立ハイテクノロジーズ社製原子吸光計Z−2300型)
Al,Si:蛍光X線分析法(XRF)(理学電機工業社製サイマルテックス10)
C,S:高周波誘導炉燃焼・赤外線吸収法
Na、Ni、Cr、Nb,Zr:誘導結合プラズマ-質量分析法
実施例1
<第1工程>
8.3Nm3/hr(Nは標準状態を意味する。以下同じ。)のガス状四塩化チタン(四塩化チタンの純度≧99.99質量%)を0.5Nm3/hrの窒素ガスで希釈して得た四塩化チタン希釈ガス(ガスG1)と、0.5Nm3/hrの酸素と36Nm3/hrの水蒸気に18Nm3/hrの不活性ガスを混合して得た酸化性ガス(ガスG2)とを、石英ガラス製反応器に導入した。900℃以上1,200℃未満の高温滞留時間を0.02秒となるように冷却空気を反応管に導入後、ポリテトラフルオロエチレン製バグフィルターにて粗酸化チタン粒子を捕集した。各種ガスの使用量を表1に示す。
<第2工程>
得られた粗酸化チタン粒子を円筒形回転式加熱炉に通し、水蒸気と粗酸化チタンとの質量比(水蒸気の質量/粗酸化チタン粒子の質量)が0.7、加熱温度510℃で脱Clして、酸化チタン粒子を得て、各種物性を測定した。その測定結果を表3に示す。
実施例2〜3、参考例1〜4、比較例1〜2
第1工程のガス量、高温滞留時間を表1又は表2に示すとおりにしたこと以外は実施例1と同様にして、第1工程を実施した。
次いで、第2工程の水と粗酸化チタンの質量比、加熱温度を表1又は表2に示す通りにしたこと以外は、実施例1と同様にして、第2工程を実施した。測定結果を表3又は表4に示す。
比較例3
特開2007−314418号公報に記載されている製造条件により酸化チタン粒子を得た。詳細を以下に示す。
11.8Nm3/hrのガス状四塩化チタンを8Nm3/hrの不活性ガスで希釈した四塩化チタン希釈ガスを900℃で予熱し、8Nm3/hrの酸素と32Nm3/hrの水蒸気を混合した酸化性ガスを800℃で予熱し、石英ガラス製反応器に導入した。800℃以上1,000℃未満の高温滞留時間を0.01秒となるように冷却空気を反応管に導入後、ポリテトラフルオロエチレン製バグフィルターにて微粒子状酸化チタン粒子を捕集した。
得られた酸化チタンを円筒形回転式加熱炉に通し、水と酸化チタンの質量比を0.02、加熱温度450℃で脱Clし、酸化チタン粒子を得た。得られた酸化チタン粒子の全Cl含有量aは200質量ppmを超えており、X/Yは0.060より大きい。
ガス量を表2に示し、酸化チタン粒子の物性の測定結果を表4に示す。
比較例4
特開2007−314418号公報に記載されている、表2に記載した製造条件に変えた以外は比較例3と同様にして酸化チタン粒子を得た。
ガス量を表2に示し、酸化チタン粒子の物性の測定結果を表4に示す。
比較例5
特開2011−57552に記載されている、表2に記載した製造条件に変えた以外は比較例3と同様にして酸化チタン粒子を得た。
ガス量を表2に示し、酸化チタン粒子の物性の測定結果を表4に示す。
比較例6
特開平10−251021に記載されている、表2に記載した製造条件に変えた以外は比較例3と同様にして酸化チタン粒子を得た。
ガス量を表2に示し、酸化チタン粒子の物性の測定結果を表4に示す。
比較例7
特開2003−277057に記載されている、表2に記載した製造条件に変えた以外は比較例3と同様にして酸化チタン粒子を得た。
ガス量を表2に示し、酸化チタン粒子の物性の測定結果を表4に示す。
Figure 0006243649

Figure 0006243649
Figure 0006243649
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本発明により、同等のBET比表面積を有する従来の酸化チタンに比べ、不純物が少なくかつ均一性・分散性に優れた気相法の酸化チタン粒子及びこれらの製造方法が提供される。本発明の酸化チタンは、光触媒用途や太陽電池用途、誘電体用途等に好適であり、粉体としても解砕工程等が不要もしくは極めて軽微な設備で済み、工業的に非常に大きな実用的価値を有するものである。
1 反応管
2 冷却管
3 冷却媒体(空気、窒素、水等)
4 粗酸化チタン粒子
5 第2工程
G1 ガスG1
G2 ガスG2
Z 反応ゾーン

Claims (13)

  1. 四塩化チタン及び不活性ガスを含有するガスG1と、酸素及び水蒸気の少なくとも1種並びに不活性ガスを含有するガスG2とを、反応管に導入して反応させ、粗酸化チタン粒子を製造する第1工程と、該粗酸化チタン粒子を乾式脱塩素法で脱塩素する第2工程と、を有し、
    第1工程の反応管に導入する不活性ガスの総量(ガスG1とガスG2中の不活性ガスの合計量)が、四塩化チタン1モルに対して1モル以上5モル以下であり、ガスG2中の不活性ガス量が、ガスG1中の不活性ガス1モルに対し、20モル以上である、酸化チタン粒子の製造方法。
  2. 第1工程において、ガスG1及びガスG2を、温度が900℃以上1,200℃未満である反応管内に導入して反応させる、請求項1に記載の酸化チタン粒子の製造方法。
  3. 第1工程において、四塩化チタン1モルに対し、ガスG2中における酸素及び水蒸気の総量が1モル以上50モル以下となるように、ガスG1及びガスG2を反応管に導入する、請求項1又は2に記載の酸化チタン粒子の製造方法。
  4. 第1工程において、四塩化チタン1モルに対し、ガスG1中における不活性ガス量が3モル未満となるように、ガスG1及びガスG2を反応管に導入する、請求項1〜3のいずれかに記載の酸化チタン粒子の製造方法。
  5. 全Cl含有量aが200質量ppm以下であり、
    レーザー回折・散乱分析法により測定したD90/D50をXとし、窒素吸着によるBET法により測定したBET比表面積をY(m/g)とした場合、X/Yが0.060以下であり、
    Xが1.50以下である気相法の酸化チタン粒子。
  6. 酸化チタン粒子中における全Cl含有量a(質量ppm)から、硝酸銀電位差滴定法により測定した酸化チタン粒子の表面Cl含有量b(質量ppm)を差し引いて得られる、酸化チタン粒子の内部Cl含有量cが、200質量ppm以下である、請求項5に記載の酸化チタン粒子。
  7. BET比表面積Yが20〜200m/gである、請求項5又は6に記載の酸化チタン粒子。
  8. 酸化チタンの含有量が99.9質量%以上である請求項5〜7のいずれかに記載の酸化チタン粒子。
  9. Na,Al,S,Fe,Ni,Cr,Nb及びZrの含有量がそれぞれ10質量ppm以下、Si及びCの含有量がそれぞれ100質量ppm以下、である請求項5〜8のいずれかに記載の酸化チタン粒子。
  10. 請求項5〜9のいずれかに記載の酸化チタン粒子を含むスラリー。
  11. 請求項5〜9のいずれかに記載の酸化チタン粒子を含む分散体。
  12. 請求項5〜9のいずれかに記載の酸化チタン粒子を含む組成物。
  13. 請求項5〜9のいずれかに記載の酸化チタン粒子から得られた誘電体原料。
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