JP4780307B2 - 加圧接合装置 - Google Patents

加圧接合装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4780307B2
JP4780307B2 JP2006071768A JP2006071768A JP4780307B2 JP 4780307 B2 JP4780307 B2 JP 4780307B2 JP 2006071768 A JP2006071768 A JP 2006071768A JP 2006071768 A JP2006071768 A JP 2006071768A JP 4780307 B2 JP4780307 B2 JP 4780307B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric element
element forming
forming member
pressure bonding
bonding apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006071768A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007245519A (ja
Inventor
潤也 等々力
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2006071768A priority Critical patent/JP4780307B2/ja
Publication of JP2007245519A publication Critical patent/JP2007245519A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4780307B2 publication Critical patent/JP4780307B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

本発明は、複数の圧電素子が一体的に形成される圧電素子形成部材と有する圧電素子ユニットの製造に用いられる加圧接合装置、すなわち、圧電素子形成部材と固定基板とを位置決めした状態で接合する加圧接合装置に関する。
圧電素子の変位を利用した装置としては、例えば、インク等の液滴をノズル開口から吐出させる液体噴射ヘッドが挙げられる。具体的には、ノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室に供給された液体に圧力を付与することでノズル開口から液滴として吐出させている。そして、このような液体噴射ヘッド等に利用される圧電素子としては、例えば、個別電極と共通電極とが圧電材料を挟んで交互に積層形成されたものがある。具体的には、例えば、電極と圧電材料とを交互に積層した圧電振動板(圧電素子形成部材)の非振動領域を固定基板に接合すると共に、圧電振動板の振動領域を櫛歯状に切り分けることによって複数の圧電振動子(圧電素子)を有する圧電振動子ユニット(圧電素子ユニット)として構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。そして、このような圧電素子ユニットは、各圧電素子の先端面を振動板に当接させた状態で固定されて使用される。
ここで、このような圧電素子ユニットは、一般的に、加圧接合装置によって圧電素子形成部材と固定基板とを相対的に位置決めした状態で接合することによって形成される。具体的には、加圧接合装置の基台上に固定基板と圧電素子形成部材とを接着剤を介して位置決め固定し、圧電素子形成部材を固定基板側に押圧した状態で加熱することで接着剤を硬化させて両者を接合している。このように固定基板と圧電素子形成部材とを接合する際には、接着剤を加熱によって硬化させているため、例えば、固定基板、圧電素子形成部材を固定するための治具等、加圧接合装置を構成する各部材がこの熱によって変形する場合がある。そして、このような加圧装置を構成する各部材の変形等に伴って、例えば、図10に示すように、圧電素子ユニット100を構成する圧電素子形成部材130と接合基板140とが、圧電素子形成部材130の先端部側の端面130aが凸又は凹となるように変形した状態で接合されてしまう虞がある。そして、このように圧電素子形成部材が変形した状態で固定基板に接合された結果、圧電素子形成部材を櫛歯状に切り分けることによって形成される圧電素子の先端面の高さにばらつきが生じ、圧電素子ユニットを液体噴射ヘッド等に搭載する際に、全ての圧電素子の先端面を振動板に当接させることができず、例えば、ドット抜け等の吐出不良が発生してしまう虞がある。
特開平11−129474号公報(第3〜4頁、第1〜2図)
本発明はこのような事情に鑑み、圧電素子形成部材の変形を抑えて圧電素子形成部材と固定基板と良好に接合することができる加圧接合装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、個別電極と共通電極とが圧電材料層を挟んで交互に複数積層されてなりその先端部側が複数のスリットによって櫛歯状に切り分けられて圧電素子の列が形成されると共にこの列の両側に位置決め部が形成される圧電素子形成部材と該圧電素子形成部材の基端部側が接合される固定基板とを具備する圧電素子ユニットを形成する際に用いられて、前記圧電素子形成部材と前記固定基板とを位置決め接合する加圧接合装置であって、前記固定基板を保持すると共に基台上に着脱自在に戴置される固定治具と、前記固定基板の面方向に移動自在に設けられ前記圧電素子の列方向における前記圧電素子形成部材の両端面にその先端部側から係合する係合部を有すると共に前記圧電素子形成部材の前記位置決め部となる部分の先端部側の端面に当接する突出部を有する係合部材と、前記圧電素子形成部材の基端部側の端面に当接して当該圧電素子形成部材を前記係合部材側に押圧する押圧部材とを具備して当該圧電素子形成部材を所定位置に位置決めした状態で前記基台上に保持する保持治具と、前記基台に立設されるスライド軸に上下方向に移動可能に固定されるスライド部材と、該スライド部材に設けられるスリット状のガイド孔に挿通されて先端部が前記基台側に突出した状態で上下方向移動可能に当該スライド部材に係合保持されるコマ部材と、前記スライド部材に固定され前記コマ部材の先端面を前記圧電素子形成部材に当接させた状態で前記コマ部材を前記圧電素子形成部材側に押圧する付勢部材とを具備する加圧部材とを有することを特徴とする加圧接合装置にある。
かかる第1の態様では、係合部材及び押圧部材からなる保持治具によって圧電素子形成部材を良好に保持して、圧電素子形成部材と固定基板とを接合することができる。このため、圧電素子形成部材と固定基板とを接合するための接着剤を硬化させる際の熱により、圧電素子形成部材が変形した状態で固定基板に接合されてしまうのを防止することができる。すなわち、圧電素子形成部材を、その先端部側の端面が略平坦な状態のまま固定基板に接合することができる。
本発明の第2の態様は、少なくとも前記コマ部材、前記スライド部材及び前記基台が同一材料からなることを特徴とする第1の態様の加圧接合装置にある。
かかる第2の態様では、接着材を硬化させる際の熱によるコマ部材等、各部材の変形を抑えることができるため、圧電素子形成部材の変形がより確実に抑えられる。
本発明の第3の態様は、少なくとも前記コマ部材、前記スライド部材及び前記基台が鋼材で形成されていることを特徴とする第2の態様の加圧接合装置にある。
かかる第3の態様では、線膨張係数の比較的低い材料でコマ部材等の各部材を形成することで熱による各部材の変形が小さく抑えられ、圧電素子形成部材の変形がより確実に抑えられる。
本発明の第4の態様は、前記押圧部材が、前記圧電素子形成部材の基端部側の端面の全面に当接することを特徴とする第1〜3の何れかの態様の加圧接合装置にある。
かかる第4の態様では、押圧部材によって圧電素子形成部材が支持されることで、圧電素子形成部材の変形がより確実に抑えられる。また、押圧部材が圧電素子形成部材の基端部側に当接するため、圧電素子に欠け等が発生することがない。
本発明の第5の態様は、前記コマ部材の長手方向に所定間隔で並設された複数の前記付勢部材を具備し、これら複数の付勢部材によって前記コマ部材を押圧することを特徴とする第1〜4の何れかの態様の加圧接合装置にある。
かかる第5の態様では、圧電素子形成部材の表面状態に拘わらず、圧電素子形成部材をコマ部材によって良好に加圧することができる。
本発明の第6の態様は、前記付勢部材の先端部の形状が球状であり、当該付勢部材が前記コマ部材と点接触することを特徴とする第1〜5の何れかの態様の加圧接合装置にある。
かかる第6の態様では、圧電素子形成部材の表面状態に拘わらず、圧電素子形成部材をコマ部材によってさらに良好に加圧することができる。
本発明の第7の態様は、前記付勢部材がボールプランジャであることを特徴とする第6の態様の加圧接合装置にある。
かかる第7の態様では、圧電素子形成部材の表面状態に拘わらず、圧電素子形成部材をコマ部材を所定の圧力でさらに良好に加圧することができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る加圧接合装置を用いて製造した圧電素子ユニットの概略斜視図であり、図2は、図1のA−A′断面図である。図1及び図2に示すように、圧電素子ユニット10は、複数の圧電素子11がその幅方向に並設された列12を有する圧電素子形成部材13と、圧電素子形成部材13の先端部側が自由端となるようにその基端部側が接着剤20によって接着される固定基板14とを有する。
圧電素子形成部材13は、圧電材料層15と、共通電極又は個別電極となる電極層16、17とを交互に積層することにより形成され、例えば、ワイヤソー等によって複数の切り込み部18を形成することにより櫛歯状に切り分けられて圧電素子11の列12が形成されている。また、圧電素子11の列12の両外側には、各圧電素子11よりも広い幅を有する位置決め部19が設けられている。この位置決め部19は、圧電素子ユニット10を液体噴射ヘッドに組み込む際に、圧電素子ユニット10を高精度に位置決めするために設けられていて、圧電素子11と同様の圧電材料層15と電極層16、17を有するが外部電極と接続しないため駆動することのないダミー素子である。一方、固定基板14は、例えば、ステンレス鋼(SUS)等からなる板状部材からなり、圧電素子形成部材13の振動領域である先端部側が自由端となるように、圧電素子形成部材13の非振動領域である基端部側が接着剤20によって接着されている。
そして、このような圧電素子ユニット10は、例えば、液体噴射ヘッドに搭載される。以下に、その一例としてインクジェット式記録ヘッドについて説明する。なお、図3は、インクジェット式記録ヘッドの概略を示す断面図である。図3に示すように、流路形成基板30には圧力発生室31が形成されており、この圧力発生室31はその幅方向で複数並設されている。また、各圧力発生室31の長手方向一端部側には、各圧力発生室31にインクを供給するためのリザーバ32がインク供給口33を介して連通されている。また、流路形成基板30の圧力発生室31の開口面側は振動板34で封止され、他方面側にはノズル開口35が穿設されたノズルプレート36が接合されている。振動板34上には、図示しないインクカートリッジやメインタンクからのインク供給を受けるサブタンクなどのインク貯留部に接続されるインク供給路37を有するヘッドケース38が固定されており、且つこのヘッドケース38には、上述した圧電素子ユニット10が高精度に位置決めされて固定されている。すなわち、圧電素子ユニット10は、各圧電素子11の先端面が振動板34上の各圧力発生室32に対応する領域に設けられた各アイランド部39に当接した状態で固定されている。
このように構成されたインクジェット式記録ヘッドでは、インク貯留部に連通されるインク供給路を介してリザーバ32にインクが供給され、インク供給口33を介して各圧力発生室31に分配される。実際には、圧電素子11に電圧を印加することにより圧電素子11を収縮させる。これにより、振動板34が圧電素子11と共に引き上げられて圧力発生室31の容積が広げられ、圧力発生室31内にインクが引き込まれる。そして、ノズル開口35に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路からの記録信号に従い、圧電素子11に印加していた電圧を解除すると、圧電素子11が伸張されて元の状態に戻る。これにより、振動板34も変位して元の状態に戻るため圧力発生室31が収縮され、内部圧力が高まりノズル開口35からインク滴が吐出される。
そして、このようにインクジェット式記録ヘッド等の液体噴射ヘッドでは、圧電素子11の極めて微小な変形(伸縮)を利用してノズル開口35からインク滴を吐出させているため、液体噴射ヘッド等に用いられる圧電素子ユニット10は、極めて高精度に形成する必要がある。すなわち、固定基板14と圧電素子形成部材13とを高精度に接合する必要がある。
以下、固定基板14と圧電素子形成部材13とを接合に用いる本発明の加圧接合装置について説明する。図4は、加圧接合装置の概略斜視図であり、図5は、加圧接合装置の正面方向の一部断面図であり、図6は、図4のB−B′断面図である。図示するように、本発明に係る加圧接合装置40は、装置本体41上に設けられる基台42を有し、基台42上には固定基板14を保持する固定治具43が着脱自在に戴置されている。本実施形態に係る固定治具43には、複数、例えば、4つの固定基板14が保持される。すなわち、本実施形態に係る加圧接合装置40は、4つの圧電素子ユニット10を同時に形成することができるようになっている。
また、装置本体41上には、圧電素子形成部材13を所定位置に位置決めした状態で基台上に保持する保持治具44が設けられている。本実施形態に係る保持治具44は固定基板14の面方向に移動自在に設けられ、圧電素子形成部材13の先端部側に配されて圧電素子形成部材13が係合保持される係合部材45と、圧電素子形成部材13の基端部側に配されて圧電素子形成部材13を係合部材45側に押圧する押圧部材46とで構成されている。
係合部材45は、圧電素子形成部材13の先端部側に係合する係合部47を有し、圧電素子形成部材13の先端部側の端面に対向する領域には、係合部47の内側に突出し圧電素子形成部材13の先端部側の端面に当接する突出部48が設けられている。この突出部48は、圧電素子形成部材13の両端部近傍に対応する部分、すなわち、圧電素子形成部材13の位置決め部19が形成される部分に対応して設けられている。これにより、圧電素子形成部材13の圧電素子11が形成される領域に、係合部材45が当接することがなく、圧電素子11の先端部の欠けや割れ等の発生が防止される。一方、押圧部材46は、圧電素子形成部材13の基端部側の端面に対向して設けられて圧電素子形成部材13の端面に当接する当接部49を有し、この当接部49は、本実施形態では、圧電素子形成部材13の基端部側の端面と同一又はそれ以上の面積で形成されている。すなわち、押圧部材46の当接部49は、圧電素子形成部材13の基端部側の端面のほぼ全面に接触する大きさを有する。これにより、圧電素子形成部材13と固定基板14を接合する際に、圧電素子形成部材13がこの押圧部材46(当接部49)によって確実に支持され圧電素子形成部材13の変形が防止される。
また、固定治具43が固定される基台42の両端部には、一対のスライド軸50が立設されており、この一対のスライド軸50には、圧電素子形成部材13を固定基板14側に押圧するための加圧部材51がスライド可能に固定されている。この加圧部材51は、スライド軸50に上下方向に移動可能に固定されるスライド部材52と、スライド部材52に設けられるスリット状のガイド孔53に挿通されて先端部が基台42側に突出した状態でこのスライド部材52に係合保持されるコマ部材54と、スライド部材52に固定されてコマ部材54の先端面を圧電素子形成部材13に当接させた状態でコマ部材54を圧電素子形成部材13側に押圧する付勢部材55とを具備する。
ここで、本実施形態に係るスライド部材52は、スライド軸50に上下方向に移動可能に固定される支持板56と、この支持板56の下面側に固定されてコマ部材54が挿通されるガイド孔53が設けられたガイド板57と、支持板56の上面側に設けられて支持板56と共に付勢部材55を固定する固定板58とで構成されている。
コマ部材54は、各固定治具43に固定された各固定基板14に対応して設けられており、例えば、本実施形態では、4つのコマ部材54が設けられている。すなわち、ガイド板57には、各固定基板14に対応して4つのガイド孔53が設けられており、各コマ部材54は、各ガイド孔53に挿通されてガイド板57に係合保持されている。具体的には、各コマ部材54は、基端部(上端部)側にフランジ部59を有し、ガイド孔53に挿通されるとその先端部がガイド板57の下側(基台側)に突出した状態で、フランジ部59がガイド板57の表面に係止されるようになっている。このようにコマ部材54が挿通されるガイド孔53は、コマ部材54との間に、例えば、20μm程度の若干のクリアランスが確保される大きさで形成されており、各コマ部材54は、図7に示すように、上下方向の移動が許容されていると共に、前後方向(図中左右方向)への多少の傾斜が許容されている。なお、コマ部材54の固定治具43側の先端面には、弾性材料からなる弾性層60が設けられている。この弾性層60は、コマ部材54を圧電素子形成部材13に良好に当接させるために設けたものであり、その材質は、特に限定されないが、例えば、本実施形態では、厚さ約0.2mm、硬度Hs50のシリコーンゴムを用いている。この弾性膜60を設けることで、圧電素子形成部材13を傷付けるリスクを僅かにすることができる。
付勢部材55は、各コマ部材54に対応してそれぞれ独立して設けられている。また、付勢部材55は、各コマ部材54に対してそれぞれ複数設けられていることが好ましく、例えば、本実施形態では、各コマ部材54に対してそれぞれ2つの付勢部材55が所定間隔で設けられている。また、付勢部材55のコマ部材54と接触する先端部は、コマ部材54と点接触する形状となっていることが好ましい。例えば、本実施形態に係る付勢部材55は、筒状体61内に挿入された球状体62が、例えば、コイルばね等からなる弾性部材63によって付勢され筒状体61の先端部の開口から若干突出した状態で保持されてなる。すなわち、本実施形態に係る付勢部材55はいわゆるボールプランジャであり、その先端(球状体62)はコマ部材54に点接触するようになっている。
また、この付勢部材55とコマ部材54との間にも、例えば、コイルばね等からなる弾性部材64が介装されている。コマ部材54が圧電素子形成部材13に当接されていない状態では、コマ部材54と付勢部材55との間には所定の間隔が確保されており、コマ部材54はこの弾性部材64のみで付勢されている。この弾性部材64は、コマ部材54を下方に向かって加圧する役割と共にコマ部材54の必要以上の傾斜を抑える役割も果たしている。
このようなコマ部材54、スライド部材52及び基台42は、同一材料で形成されていることが好ましく、特に、線膨張係数が比較的小さい材料、例えば、鋼材等によって形成されていることが好ましい。本実施形態では、これらコマ部材54等の材料として、炭素鋼(S45C)を用いている。このようにコマ部材54等を同一材料で形成することで、各部材は、固定基板14と圧電素子形成部材13とを接合する際の熱による変形が比較的小さく抑えられる。これにより、例えば、固定基板14と圧電素子形成部材13との相対位置のずれ等を小さく抑えることができる。特に、線膨張係数が比較的小さい、例えば、S45C等の鋼材を用いれば、各部材の熱による変形がさらに小さく抑えられるため、上記相対位置のずれ等の発生をより確実に小さく抑えることができる。
以下、このような加圧接合装置40を用いた圧電素子ユニット10の製造手順について図8及び図9を参照して詳細に説明する。なお、図8は、圧電素子ユニットの製造工程を示す平面図であり、図9は、圧電素子ユニットの製造工程を示す断面図である。
図8(a)に示すように、まず、固定基板14が所定位置に固定された固定治具43を基台42上に位置決め固定する。なお、上述したように本実施形態では、固定治具43には4つの固定基板14が保持されている。この固定治具43の位置決め方法は、特に限定されず、例えば、本実施形態では、基台42上に基準となる基準ピン(図示なし)を設けておき、固定治具43をこの基準ピンに当接させることによって位置決めしている。このとき、圧電素子形成部材13を位置決め保持するための保持治具44、すなわち、係合部材45及び押圧部材46は、各固定基板14に対応して基台42の外側に位置している。
次に、図8(b)に示すように、係合部材45を固定基板14に対向する領域の所定位置に移動して固定した後、係合部材45の係合部47に係合されるように圧電素子形成部材13を固定基板14上に載置する。このとき、固定基板14又は圧電素子形成部材13の何れか一方に接着剤を塗布しておき、固定基板14上に接着剤を介して圧電素子形成部材13を載置する。
次いで、図8(c)に示すように、押圧部材46を移動させ、押圧部材46の当接部49を圧電素子形成部材13の基端部側の端面に当接させて係合部材45側に所定の圧力で押圧する。そして、圧電素子形成部材13の先端部側の端面を係合部材45の突出部48に当接させる。すなわち、圧電素子形成部材13を押圧部材46によって押圧して、この押圧部材46の当接部49と係合部材45の突出部48との間に圧電素子形成部材13を挟み込むことで圧電素子形成部材13を所定位置に位置決めして保持する。このとき、突出部48を、圧電素子形成部材13の位置決め部19に当接させ、圧電素子11の先端は突出部48に当接させないようにしているため、圧電素子形成部材13の位置決め精度は確保することができ、且つ圧電素子11の先端を傷つけることがない。
次に、図9に示すように、例えば、駆動モータを用いた駆動装置、油圧ポンプあるいは電磁ポンプ等で構成される加圧手段(図示なし)によって加圧部材51(スライド部材52)を所定位置まで下降させ、コマ部材54によって各圧電素子形成部材13を固定基板14側に所定圧力で加圧する。すなわち、コマ部材54が付勢部材55の先端部の球状体62に当接するまでスライド部材52を下降させて固定すると、コマ部材54が付勢部材55及び弾性部材64によって圧電素子形成部材13側に付勢され、その結果、圧電素子形成部材13はコマ部材54によって固定基板14側に所定圧力で加圧された状態で保持される。そして、このように圧電素子形成部材13を固定基板14側に加圧したまま、例えば、150℃〜200℃程度の温度下で接着剤20(図2参照)を加熱硬化させる。
ここで、上述したようにコマ部材54は若干の傾斜が許容されていると共に、点接触する複数の付勢部材55によって付勢されている。このため、例えば、圧電素子形成部材13の表面が若干傾斜している場合等であっても、コマ部材54によって圧電素子形成部材13全体を略均一な圧力で加圧することができる。したがって、本発明に係る加圧接合装置40によって圧電素子形成部材13と固定基板14とを接合することにより、両者を高精度に位置決めした状態で常に良好に接合することができる。
その後は、図示しないが圧電素子形成部材13と固定基板14との接合体を加圧接合装置40から取り外し、例えば、ワイヤソー等によって圧電素子形成部材13の先端部側を櫛歯状に切り分けることによって図1に示すような圧電素子ユニット10を製造する。
そして、このように本発明に係る加圧接合装置40を用いて圧電素子ユニット10を製造することにより、圧電素子ユニット10をインクジェット式記録ヘッドに組み込む際、各圧電素子11の先端部を振動板34のアイランド部39に確実に当接させることができ、例えば、ドット抜け等の印刷不良が発生するのを防止することができる(図3参照)。
特に本実施形態では、上述したように圧電素子形成部材13の先端面側の端面には、係合部材45の突出部48のみが当接するようにし、圧電素子11が形成される領域に欠けや割れ等が発生するのを防止している。また、圧電素子形成部材13の基端部側の端面には、その略全面に押圧部材46の当接部49を当接させ、圧電素子形成部材13の変形(図10参照)、特に、圧電素子形成部材13の先端側が凹となる変形を防止している。さらに、コマ部材54、スライド部材52及び基台42を同一材料(S45C)で形成し、接着剤20を硬化させる際の熱によるこれら各部材の変形を抑えている。したがって、本実施形態に係る加圧接合装置40を用いて圧電素子ユニット10を製造すれば、圧電素子形成部材13の変形、すなわち、その先端部側の凹凸量をさらに小さく抑えることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、勿論、本発明はこの実施形態に限定されるものでないことは言うまでもない。例えば、本実施形態では、スライド部材が、支持板、ガイド板及び固定板からなるものを例示したが、これに限定されるものではない。すなわち、スライド部材は、コマ部材及び付勢部材を所定の条件で保持できるものであればよく、例えば、支持板とガイド板とが一体的に形成されていてもよい。また、例えば、本実施形態では、係合部材及び押圧部材が、各圧電素子形成部材に対応してそれぞれ独立して設けられた構成を例示したが、勿論、係合部材及び押圧部材は、それぞれ、複数の圧電素子形成部材に対応して一体的に形成されていてもよい。
圧電素子ユニットの一例を示す概略斜視図である。 圧電素子ユニットの一例を示す断面図である。 圧電素子ユニットが搭載された液体噴射ヘッドの概略を示す断面図である。 一実施形態に係る加圧接合装置の概略斜視図である。 一実施形態に係る加圧接合装置の一部断面図である。 一実施形態に係る加圧接合装置の断面図である。 コマ部材を説明する概略図である。 一実施形態に係る圧電素子ユニットの製造工程を示す平面図である。 一実施形態に係る圧電素子ユニットの製造工程を示す断面図である。 圧電素子形成部材の変形状態を示す概略図である。
符号の説明
10 圧電素子ユニット、 11 圧電素子、 13 圧電素子形成部材、 14 固定基板、 20 接着剤、 40 加圧接合装置、 41 装置本体、 42 基台、 43 固定治具、 44, 保持治具、 45 係合部材、 46 押圧部材、 47 係合部、 48 突出部、 49 当接部、 50 スライド軸、 51 加圧部材、 52 スライド部材、 53 ガイド孔、 54 コマ部材、 55 付勢部材、 56 支持板、 57 ガイド板、 58 固定板、 59 フランジ部、 60 弾性層、 61 筒状体、 62 球状体、 63,64 弾性部材

Claims (7)

  1. 個別電極と共通電極とが圧電材料層を挟んで交互に複数積層されてなりその先端部側が複数のスリットによって櫛歯状に切り分けられて圧電素子の列が形成されると共にこの列の両側に位置決め部が形成される圧電素子形成部材と該圧電素子形成部材の基端部側が接合される固定基板とを具備する圧電素子ユニットを形成する際に用いられて、前記圧電素子形成部材と前記固定基板とを位置決め接合する加圧接合装置であって、
    前記固定基板を保持すると共に基台上に着脱自在に戴置される固定治具と、
    前記固定基板の面方向に移動自在に設けられ前記圧電素子の列方向における前記圧電素子形成部材の両端面にその先端部側から係合する係合部を有すると共に前記圧電素子形成部材の前記位置決め部となる部分の先端部側の端面に当接する突出部を有する係合部材と、前記圧電素子形成部材の基端部側の端面に当接して当該圧電素子形成部材を前記係合部材側に押圧する押圧部材とを具備して当該圧電素子形成部材を所定位置に位置決めした状態で前記基台上に保持する保持治具と、
    前記基台に立設されるスライド軸に上下方向に移動可能に固定されるスライド部材と、該スライド部材に設けられるスリット状のガイド孔に挿通されて先端部が前記基台側に突出した状態で上下方向移動可能に当該スライド部材に係合保持されるコマ部材と、前記スライド部材に固定され前記コマ部材の先端面を前記圧電素子形成部材に当接させた状態で前記コマ部材を前記圧電素子形成部材側に押圧する付勢部材とを具備する加圧部材と
    を有することを特徴とする加圧接合装置。
  2. 少なくとも前記コマ部材、前記スライド部材及び前記基台が同一材料からなることを特徴とする請求項1に記載の加圧接合装置。
  3. 少なくとも前記コマ部材、前記スライド部材及び前記基台が鋼材で形成されていることを特徴とする請求項2に記載の加圧接合装置。
  4. 前記押圧部材が、前記圧電素子形成部材の基端部側の端面の全面に当接することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の加圧接合装置。
  5. 前記コマ部材の長手方向に所定間隔で並設された複数の前記付勢部材を具備し、これら複数の付勢部材によって前記コマ部材を押圧することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の加圧接合装置。
  6. 前記付勢部材の先端部の形状が球状であり、当該付勢部材が前記コマ部材と点接触することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の加圧接合装置。
  7. 前記付勢部材がボールプランジャであることを特徴とする請求項6に記載の加圧接合装置。
JP2006071768A 2006-03-15 2006-03-15 加圧接合装置 Expired - Fee Related JP4780307B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006071768A JP4780307B2 (ja) 2006-03-15 2006-03-15 加圧接合装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006071768A JP4780307B2 (ja) 2006-03-15 2006-03-15 加圧接合装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007245519A JP2007245519A (ja) 2007-09-27
JP4780307B2 true JP4780307B2 (ja) 2011-09-28

Family

ID=38590301

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006071768A Expired - Fee Related JP4780307B2 (ja) 2006-03-15 2006-03-15 加圧接合装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4780307B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001315345A (ja) * 2000-05-12 2001-11-13 Hitachi Koki Co Ltd インクジェットヘッドの製造方法
JP2003127356A (ja) * 2001-10-19 2003-05-08 Hitachi Koki Co Ltd インクジェットヘッド

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007245519A (ja) 2007-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7946682B2 (en) Plate member for a liquid jet head
JP2007216666A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2008284725A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JPH11320875A (ja) インクジェットヘッド及びその製造方法
JP4543850B2 (ja) インクジェットプリンタヘッドの製造方法
JP2006327024A (ja) アライメント治具及びその製造方法並びに液体噴射ヘッドユニットの製造方法
JP4438821B2 (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP4508595B2 (ja) 液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置
JP4780307B2 (ja) 加圧接合装置
JP4973854B2 (ja) 加圧接合装置及びそれを用いた圧電素子ユニットの製造方法
JP2009196354A (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法及び液体噴射装置
JP2004284176A (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法
JP4793564B2 (ja) 加圧接合装置
JP2004268397A (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法及び接合装置
JP4408582B2 (ja) インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
JP2010125640A (ja) 液体噴射ヘッドユニット及びその製造方法並びに液体噴射装置
JP4461323B2 (ja) インクジェットヘッド及びそれを用いた液滴吐出装置
JP4420585B2 (ja) インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置
JP2009148921A (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法
JP4675929B2 (ja) インクジェットヘッドの製造装置およびそれを用いるインクジェットヘッドの製造方法
JP2008279651A (ja) 液体噴射ヘッドユニット及び液体噴射装置
JPH09123466A (ja) インクジェットプリンタヘッドの製造方法
JP4872416B2 (ja) 圧電素子ユニット、及びこれを用いた液体噴射ヘッド
JP3900277B2 (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法
JP2012218194A (ja) 液体噴射ヘッド、及び液体噴射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090226

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110427

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110608

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110621

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees