JP4780259B2 - 偏心した保護性の眼の着用体 - Google Patents

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    • A61F9/02Goggles

Description

【0001】
【発明の分野】
本発明は保護用の眼の着用体、特に偏心した光軸を有する保護用の又は非補正の眼の着用体に関するものである。
【0002】
【発明の背景】
保護性の眼の着用体(サングラスやゴーグルのような)を頻繁に用いることに対する大きな障害は、保護性のレンズが視野を歪ませることである。この歪みは、レンズの不所望なジオプトルパワー又はプリズム効果により生ずるものと考えられており、特に眼のまわりで側頭部に向けて湾曲し(「巻き込み」)及び/又は頬骨に向けて内向きに湾曲する(広角傾斜)ように設計された保護性レンズにおいて重要である。巻き込み及び広角傾斜は審美的に喜ばしく且つ眼を物理的に保護するが、これら巻き込み及び広角傾斜は眼の垂直視線をレンズ面に角度を以て入射させてしまう。この関係により着用者を混乱させる光学的な歪みを生じ、競技者、パイロット及び外科医のような人々に大きな問題を与えてしまう。この歪みは、通常の仕事を行う場合にも障害となってしまう。
【0003】
保護性の眼の着用体における光学歪みを解消するため、従来技術において多くの努力が払われている。初めに、レンズは光学中心巻き込み光学的中心線を有しないコンセトリックな面で構成されていたが、これらのレンズは固有のマイナスのパワー(不所望であると考えられていた)及び視線に沿う周辺の過剰なプリズマテックな歪みを有していた。後者のレンズは平坦レンズ(零パワー)で構成され、レンズ開口の幾何学中心に位置する光学中心に心立てされる。しかし、平坦レンズは視線に沿うベースアウトプリズム効果を導入し、周辺の光学性能が著しく劣っている。
【0004】
レイトンの米国特許第1741536号(1,929年にBausch and Lomb に発行された)は、レンズの前側面及び後側面がズレた中心を有する異なる半径の2個の球により規定されている保護ゴーグルを開示している。球の中心を通る光軸は視線から平行に離間している。この光学形態は、レンズの厚さが光学中心から縁に向けて徐々に薄くなるテーパレンズを構成している。視線を光軸に平行に維持することにより、眼に対してレンズを巻き込むことに起因する歪みを低減している。
【0005】
1980年に、Foster Grant Companyから双眼レンズのアイガードの保護性眼の着用体が販売され、この眼の着用体は、巻き込み及び広角傾斜の両方を有するテーパ形成された球面レンズを眼の前面に保持している。各レンズの光軸は垂直視線から水平方向及び垂直方向に離間すると共に視線に平行に維持されている。この同一の概念は、多数年後にOakley,Incに発行された米国特許第5648832号及び5689323号として再び請求された。この光軸と垂直視線との間の関係は、巻き込み及び広角傾斜により生ずる光学歪みを最小にするのに部分的に成功したことが判明したが、これらのレンズはヨークド要求及び輻輳要求を生ずる周辺の不所望な光学性能を依然として有している。
【0006】
米国特許第4271538号及び4964714号は安全眼鏡において同様な光学的中心線を開示しており、その光学的中心線は垂直視線から平行に水平方向及び垂直方向に離間している。一方、4271538号の特許明細書は、この関係は右眼と左眼との間のプリズマテックな非平衡を生じ、眼に輻輳要求を課すことが記載している。Foster Grant及びOakleyの眼の着用体と同様に、これらのレンズもヨークド要求及び輻輳要求を生ずる眼と眼との間のプリズマテックな非平衡と共に不所望な周辺性能を発生している。
【0007】
近視及び遠視のような通常の屈折誤差の補正において、補正レンズの光軸は垂直視線から僅かに傾いている。広角傾斜を有するレンズにおいては僅かに下向きの偏心が一般的に用いられて、レンズの光軸が眼の回転中心を通るように維持されている。5〜10°の広角傾斜を有するレンズにおいて、例えば光軸は垂直視線から下側に約3mmシフトしている。補正レンズの僅かな偏心は、眼のミスアラインメント(フォリアス(phorias)及びトロプアス(tropias)のような)を補償するために必要である。
【0008】
偏心レンズは、レンズブランクの幾何学中心から離れてレンズブランクを切り出すことにより製造することができる。一方、射出成形したレンズブランクの周辺はしばしば光学的な不規則性を含み、これらの不規則性はレンズブランクの端の部分から切り出されたレンズに含まれてしまう。偏心が大きい場合、レンズの寸法を小さくし、レンズブランクからレンズを切り出すことができるようにする必要がある。或いは、より大きなレンズブランクを用いることもできるが、この方法では、大きな(且つ比較的高価な)レンズブランクを非効率に用いることになってしまう。この問題は、レンズブランクの大きさの増殖的増加により製造コストが増大する大量生産されるレンズブランクにおいては特に重要である。
【0009】
本発明の一実施例の目的は、保護用の非補正レンズの光学歪みを最小にすることにある。
【0010】
本発明の別の実施例の目的は、偏心レンズの一層有効な製造方法を提供することにある。
【0011】
発明の概要
上述した課題は、正面視の視線と平行なラインから離れるように十分な角度で角度的に偏移した光軸を有し、正面視の視線に沿う方向のプリズマテック歪み及び視野の周辺のプリズマテック歪みを最小にする本発明により解決される。このレンズは、レンズが正面視の視線に対して傾いて装着される保護用の非補正の眼の着用体に特に適合する。レンズの光軸は、低マイナスパワーレンズが傾斜する方向とほぼ反対の方向に角度的に偏移し、これによりレンズの光学歪みを最小にできることが判明した。この設計は、非補正レンズの光学的中心線はできるだけ正面視の視線と平行に維持する必要があるとする従来技術の長年の教示(1,929年のレイトンの特許以来)に反するものである。この設計は、このようなレンズを有する眼の着用体において、非点収差のぼけと共にヨークド要求及び輻輳要求の両方が低減されることが判明している。
【0012】
本発明は、非補正平坦レンズを顔に向くように傾けるとレンズの傾斜する方向にプリズム効果の偏移が生ずると言う本発明者の認識の利点を伴う。例えば、レンズが広角傾斜するように装着され、レンズの下側エッジが顔に近づくように装着された場合、ベースダウンのプリズム効果が導入される。本発明によれば、低パワーレンズの光軸を当該傾斜により導入されたプリズム効果の方向とほぼ反対の方向に上向きに偏移させ、傾斜によるプリズム効果を相殺する。同様に、横方向の巻き込みをもって装着されたレンズは、ベースアウトプリズム効果を導入することが判明し、このプリズム効果は、本発明においては低パワーレンズの光軸をほぼ鼻に向く方向に角度的に偏移させることにより相殺される。従って、広角傾斜し及び横方向に巻き込まれるように装着されるレンズは、上に向く方向及び鼻に向く方向の両方に偏移した光軸を有し、傾斜により導入されたプリズム効果を最小にすることができる。レンズの他の方向の傾きに対する補償は、同様にレンズの内向きの傾斜からほぼ離れるように光軸を偏移させることにより行うことができる。
【0013】
低パワーレンズは、所定のベース曲率のコンセントリックレンズのパワーに至るまでのいかなるマイナスパワー量をも有することができる。低パワーレンズは、例えば−0.005ジオプトル以上のマイナスパワーを有することができ、例えば−0.01l以上又は−0.02以上、並びに特に−0.01〜−0.12ジオプトルの範囲、例えば−0.04〜−0.09ジオプトルの範囲のマイナスパワーを有することができる。このような低マイナスパワーを用いることは、平坦レンズ(レンズ力を有しない)は着用者の視野を歪ませない保護用の眼の着用体に不可欠であるとする従来技術の教示に対して反するものである。この従来技術の教示内容に反する考えを採用することにより、本発明は多数の利点を達成する。低パワーレンズはテーパが小さく、零パワーレンズよりも一層薄くすることができる。テーパが小さくなることにより、プラノレンズの過剰な非平行面により導入される周辺のプリズム効果が対応して減少する。レンズが一層薄くなることにより、プラノレンズよりも物理的な安定性が一層良好になり、光学品質が改良され、一層軽量になり、光の透過性も一層均一になる。低マイナスレンズの生理学的な利点は、高い視認要求及び/又は緊張した活動に拘束される競技者及び他の人々の調和した姿勢に一層良好に適合する。
【0014】
本発明の適応性により、横方向の巻き込み、広角傾斜、パワー、中心厚さ、及びレンズ面曲率につい種々の範囲の値を有する種々のレンズに適用することができる。この理由は、傾斜により導入されるプリズム効果(「傾斜によるプリズム効果」)はこれら多数の因子を変更することにより軽減できるからである。大きな広角傾斜を有するレンズは、頂点と正面視の視線との間の距離が大きく、対応して傾斜によるプリズム効果が増大する可能性がある。このプリズム効果は、正面視の視線と光軸との間の角度偏移を増大し、レンズのマイナスパワーを増大し、或いはレンズのベース曲率を小さくするような1つ又はそれ以上のパラメータを組合せることにより低減することができる。
【0015】
本発明は、少なくともベース4レンズ、例えばベース6〜9レンズ、及び特有の実施例におけるベース6レンズのような高ベースレンズに特に良好に適合する。約1〜3mm(例えば、1.5〜2.25mm)の中心厚さ、約−0.01〜−0.12(特に約−0.04〜−0.09)のパワー、3〜20°の広角、及び5〜30°の横方向の巻き込みを有するレンズは、双眼の眼の着用体に用いるのに特に好適である。特有の実施例において、約1.6mmの中心厚さ及び約−0.045ジオプトルのパワーを有する6ベースレンズとし、レンズの傾斜した向きは約15°の横方向巻き込み及び約12.5°の広角傾斜を含み、光軸と正面視の視線(正面視の視線に平行なライン)との間の角度偏移は約22〜23°の鼻に向く方向の偏移及び18〜19°の上に向く方向の偏移とする。
【0016】
本発明によるレンズは球面、円筒面、トロイダル、楕円、又は当該技術分野において知られている他の形態とすることができる。一方、特に開示した実施例はほぼ球面の前側面が第1の中心を有する第1の球にほぼ整合すると共に、ほぼ球面の後側面が第2の中心を有する第2の球にほぼ整合する球面レンズとする。第1の球の半径は第2の球の半径よりも大きくし、レンズ厚さが低パワーレンズの光学的中心(レンズ上に存在し又はレンズ外に存在する)から離れるにしたがって薄くなるようにし、光軸は第1及び第2の球の中心及びレンズの光学的中心を通る。この光軸は正面視の視線と平行なラインから離れるように鼻に向く方向及び上に向く方向に角度的に回転し(横方向の巻き込み及び広角傾斜を補償するため)、十分な範囲にわたって傾斜により導入されたプリズム効果を相殺する(例えば、少なくとも25%、50%、75%又は100%)。この角度偏移により、改良された光学性能のブロードなスペクトラルを有し、減少した(最良の実施例においては機能視線沿いほぼ零まで)プリズム効果を含み、正面視の視線方向及び周辺の両方の非点収差のぼけが軽減され、ヨークド要求及び輻輳要求の減少したレンズが実現される。
【0017】
本発明の別の独立した概念は、レンズのAラインがレンズの赤道に対して零でない鋭角をなすようにレンズブランクからレンズを切り出すことであり、これによりレンズは垂直方向に沿って対称的に薄くなる。特有の実施例において、レンズブランクの光学的中心はレンズの赤道に沿ってレンズブランクの光学的中心から離れるようにレンズの赤道に沿って変位する。他の実施例においては、光学的中心はレンズの垂直メジアンの方向に沿って変位し、光学的中心は赤道に沿って位置せず、特に赤道又は垂直メジアンのいずれの上にも位置しない。特に有益な実施例において、光学的中心はレンズブランク上に全く存在しない。光学的中心は赤道と一致するラインに沿って変位させることででき、ある条件のもとではレンズブランクの幾何学中心を通り赤道に対して零でない鋭角で延在するライン上に光学的中心が位置するように赤道から垂直方向に変位することもより有益である。
【0018】
本発明はこれらの及び他のレンズブランクを用いるレンズの製造方法を含み、光学的に補正された保護レンズは傾いた向きでフレームに装着される。レンズはレンズブランクから適切な位置で切り出され、正面視の視線に沿うプリズマテックな歪みの少なくとも一部(好適には、ほぼ全部)が相殺されると共に傾いた向きにより導入される周辺のプリズマテックな歪みの大部分が相殺されるように正面視の視線から水平方向及び垂直方向に変位すると共に正面視の視線に対して角度的に十分に偏移する。つまり、レンズの輪郭線は赤道に対して意図的に変位され、レンズのAラインが赤道に対して零でない角度をなすようにレンズブランクの赤道及び垂直メリジアンに対して水平方向及び垂直方向の両方において角度的に偏移する。レンズの形状と関連する光学的中心の位置が変化するようにレンズが光学的中心のまわりで回転することにより、レンズの光学的特性及び幾何学的特性が保持される。この方法により、レンズブランクを一層有効に用いることができ、多くのレンズブランクに固有の射出成形のゲートの不規則性及び周辺のプラスチック歪みを回避するためのレンズの位置決めの自由度が増大する。
【0019】
本発明の前述した目的及び他の目的並びに作用効果は、図面に基づいて説明する以下の本発明の実施例から明らかにする。
【0020】
詳細な説明
本発明は光学的に偏心した保護用の目の着用体、例えば巻き込み及び広角傾斜の両方を有し、例えば着用者の視野全体にわたって光学的にバランスした視覚性能を発揮する非補正用の保護のための眼の着用体に関するものである。このバランスした光学性能は、レンズの光軸が真っ直ぐ前方に延在する垂直視線(NLOS)を含む機能視線(FLOS)のような視線から離れるように傾いた偏心レンズにより達成される。
【0021】
視線,ジオメトリック中心及び頂点
本発明は、図1〜3に示す人間の頭部及び身体の数個の仮想基準面を理解することにより説明する。中間面(図2のMP)は、身体の中央を前側から後側に縦断し頭部を右半部及び左半部に分割する特有の面である。前側面(図2のFP)は中間面と直交し身体を横方向に縦断し身体を前側部分及び後側部分に分割する一連の面のうちの1つの面である。
前側面及び中央面は互いに直交する。
【0022】
記録面(図1〜3におけるLP)は、目の前後軸と直交し眼球の回転中心を含む横断垂直面として規定される特有の前側面である。記録面(LP)は固定視軸Z(図1)と直交し、この固定視軸は頭部が前方を真っ直ぐ見る第1の位置において目の前方に直線的に延在する。記録面は水平方向回転軸x及び垂直方向回転軸yにより規定される面内に位置する。理論的垂直視線(NLOS)は、身体及び頭部に直立し、記録面(LP)及び他の前側面(FP)と直交し、中間面MPに平行な第1の位置における眼球の回転中心CRを通るz軸に沿う。
【0023】
垂直視線は、図1に示すz軸に沿って眼球から前方に突出する固定されたラインであり、この視線は個人毎に変わるものとは理解されていない。しかし、垂直視線は個人毎に(水平方向及び垂直方向の両方に)変化する。この理由は、目の着用体の着用方位を決定する頭部及び顔の形態(目と目との間の距離、並びに鼻前額縫合線の中央のような)が変化するからである。さらに、垂直視線は、顔の非対称性により、個人の右目及び左目間で垂直方向に変化する。従って、この「垂直」視線は、オーダーセンの頭部形態のような頭部の形態や現在の精密なカナディアン頭部形態に基づいて決定され、視線の統計的に平均の位置が決定される。しかし、NLOSは、FLOSを見出すために本明細書において後述する技術を用いて機能視線(FLOS)の特別な場合として決定することができる。
【0024】
レンズのジオメトリック中心(図4のGC)は、前側から見た各フレームレンズの開口と外接する矩形のジオメトリック中心として規定される。ジオメトリック中心の位置は、各矩形の対角線の交点又はそれぞれAライン及びBラインと称する水平方向寸法及び垂直方向寸法の直交二等分線の交点に容易に位置決めすることができる。
【0025】
レンズの頂点は、レンズの着用者の頭部の位置、フレームにより保持されるレンズの向き及び着用者の頭部に対するフレームの整合性の目安となる。従来の光学的な考えとして、図2及び3に示すように、頂点は、理論的なNLOSと直交する垂直面(VP)(前側面)と接するレンズの最先端点であると理解されていた。頂点は、図3に示すように、目の着用体が真っ直ぐ前方を見る者の頭部に保持されている場合に、目の着用体が垂直面に近づくにしたがって垂直前側面VPと初めに接触する各レンズの点である。レンズが大きく前方に傾いている場合(高い視角の広い傾き)、頂点はレンズ面の仮想連続面上でレンズよりも上方にあり、或いは横方向に大きく傾いたレンズの場合頂点はレンズ面の仮想連続面上でレンズに対して鼻に近づくことになる。
【0026】
機能視線の定義
視線及び頂点は、図5及び図6に示すように、人の行動に応じてしばしば変化する。図5は典型的な頂点(APX)の位置を示し、この頂点の位置はNLOSと直交し垂直面が右側のレンズ及び左側のレンズの各々の最も前方の位置と接する位置である。一方、図6は機能的頂点面(FA)と面FAに対してレンズの最も前方の点との交点に機能的頂点(FAPX)を有する機能的頂点を図示する。面FAは機能視線(FLOS)と直交する。機能視線は、目及び頭部が特有の視覚的機能又は仕事(例えば、荒野の走行、バレーボール、手術、又はドライブ)を行うための好適な位置に向いている場合に眼の固定軸線に沿うラインである。荒野を走行する場合、例えば眼はx軸(図1)の回りで回転し、瞳の中心を通る視覚的な固定軸はy−z面内でz軸よりも約15°下側になる。
【0027】
眼の下向きの回転に加えて、図6に示すように、頭部も前方に傾く(例えば、さらに約15°)。全体としての視覚的変移は、眼の回転と頭部の下向きの傾きとの和となり(頭部の傾き及び眼の回転が同一の方向にある場合)、この場合全体として約30°である。機能的頂点FAPXは、機能視線FLOSと直交する面FAと接すると共にこの面がレンズに近づき機能視線FLOSと直交する場合にレンズの最前方点(又は、レンズの仮想延長点)と接する各レンズ(又はレンズの仮想延長上の)上の点である。
【0028】
機能視線及び対応する機能頂点を決定するいくつかの試みが存在する。行動している人間の集団の行っている仕事及び彼らが着用している眼の着用体のレンズにマークした各視線を観察することにより、機能視線の行動様式を知ることができる。或いは、行動する人間に赤外線瞳位置検出器を着用させて、瞳位置を遠隔的に決定することができる。さらに、頭部及び身体位置のビデオ分析を行うことができる。機能視線は個別に決定でき(顧客用の個別のレンズを作る場合)、或いは活動している人間の集団について機能視線の平均位置を決定することができる。この場合、ある動作を行うために設計されたレンズを当該動作を行う人間が着用し、視覚的性能及び着用者の装着感に基づいて光軸の位置に再調整することができる。
【0029】
本明細書で用いられているように、「視線」は垂直視線及び機能視線の特有なケースを含む。機能視線、機能の可視的な要求が真っ直ぐな前方の位置にある場合、垂直視線ともなる。「鼻の方向」とは一般的に鼻に向く方向であり、「側頭方向」とは一般的に側頭に向く方向とする。「上方向」とは一般的に上に向く方向であり、「下方向」とは一般的に下に向く方向とする。
【0030】
プリズマテックひずみ
像がレンズの光軸の方向又はレンズ面に垂直な方向ではない凝視方向に沿って見られる場合、レンズは像の線形変位又は短縮を生ずる。また、像が光軸に平行であるが光軸から変位した凝視方向に沿って見られる場合、レンズは角度変位すなわちプリズマテック歪みを発生し、これは偏心レンズを規定する。レンズ上で凝視方向が表面と交差するにも係わらず凝視方向が光軸と平行でない場合、同様にプリズマテック偏移が誘導される。凝視方向がレンズの光軸と一致しない場合、レンズは典型的に短縮偏移とプリズマテック偏移との組合せである全偏移を発生する。
【0031】
一般的に、プリズマテック偏移の量は、プリズムジオプトル(pd)として測定され、ペレンタイスの規則を用いて計算される。
プリズム(pd)=δ/f=δP
ここで、Pはジオプトル(D)として測定したレンズ力であり、fはメートルで測定したレンズの焦点距離であり、δはcmで表す偏心であり、偏心は正面視の視線に対して光心が移動する方向及び大きさである。偏心は水平方向、垂直方向又は斜めの方向とすることができるが、一般的には水平方向偏移及び垂直方向偏移の用語で評価される。非プラノレンズの眼に対する水平方向の偏心は、一般的に水平方向のプリズマテック偏移を発生する。正のレンズ力を有する正レンズの鼻方向の偏心は「ベース−イン」プリズムと称されているプリズマテック偏移を発生する。同様に、正レンズの上向きの偏心は、「ベース−アウト」プリズムと称されているプリズマテック偏移を発生する。マイナスレンズの鼻方向及び上向きの偏心は、ベースアウト及びベースインプリズムをそれぞれ発生する。
【0032】
眼の着用体の水平方向のプリズム効果を補償するため、眼はプリズマテック偏移にほぼ等しい角度だけ水平方向に回転する必要がある両方の眼のプリズマテック偏移が同一の方向及び大きさを有する場合、NLOSは偏移するが、眼は所謂「ヨークド(yoked)」アラインメントするように移動する。このプリズマテック偏移が大きさ又は方向において相違する場合、複視(二重写り)を回避するため眼の近づく方向の(集束)又は互いに離れる方向の(発散)の相対的な移動が必要である。プリズマテック偏移の差は、個別のプリズマテック偏移を組合せることにより得られる全プリズマテック偏移として定められる分離的な又は輻輳的な要求を生ずる。この輻輳要求は眼の集束又は発散のいずれかを必要とし、いずれの場合にも輻輳要求と称せられる。特に、競技会の活動のような視覚性を要求する活動のために、ヨークド要求及び輻輳要求を小さくして正確な空間的な認識及びタイミング予測を可能とすると共に眼の疲労を回避する必要がある。一方、ヨークド要求及び輻輳要求が低い場合、眼の着用体の着用者は一層気持ちのよいものとなる。
【0033】
両眼のプリズマテック偏移に起因する輻輳は、プリズマテック偏移の大きさ及び方向の両方に依存する。例えば、図7に示す眼の着用体は右側レンズ40及び左側レンズ42を有する。これらのレンズ40,42は同一のレンズ力すなわち焦点距離を有する負のレンズ力のレンズである。各レンズは、各レンズの前側面A及び後側面Pの曲率中心を通るラインと一致する光軸OA上の光心OCを有する。各レンズの光心は正面視の視線LOSから側頭方向に偏移し、各眼に対してベース−イン(BI)プリズムを導入している。このベース−インプリズムは前方の遠くの物体からの光線Rを発散させるので、物体は実際の位置よりも一層遠くに見られる。図8は同様な状況を示し、各レンズの光心OCは鼻の方向に偏心し、各眼に対してベースアウトプリズムが導入され、物体を実際の位置よりも一層近くに見えている。調査解析によれば、競技者は一般的に競技をしていない者よりも一層敏感であり、導入される水平方向及び垂直方向のプリズム効果について僅かな誤差しか許容することができない。
【0034】
図9は右側レンズがベース−インプリズムを導入し左側レンズがベース−アウトプリズムを導入する状態を示す。真っ直ぐ前方の物体からの光線は視野の右側に偏移するように現れ、眼を右方向に偏移させる。各眼に導入されるプリズムの量が同一の場合、両方の眼は一緒に右方向に「ヨークド」回転する。各眼に対するプリズムが等しくない場合、眼に付加的な輻輳要求が課せられ、一方の眼又は両方の眼が近づき(集束)又は互いに離れる相対的な移動が生ずる。この輻輳はしばしば不完全であり、複視が生じたり知覚の程度が低下するおそれがある。たとえ輻輳が完全なものであっても、着用者に対して整合しない眼の動作の歪みを導入おそれもある。
【0035】
垂直方向のプリズム効果は、一般的にベースアップ(BU)プリズムとベースダウン(BD)プリズムとに分割される。BO及びBIについて検討した同一の課題が垂直方向プリズム効果にも適用されるが、通常これら課題は着用者はあまり許容されない。
【0036】
水平方向のプリズム効果の量はレンズに沿って変化し、周辺部において非平衡が顕著になり、この場合一方の眼がレンズの鼻に近い部分を通して注視し、他方の眼はレンズの側頭部分を通して見る。垂直方向プリズム効果の量も同様にレンズに沿って変化し、眼がレンズの上側又は下側の部分を通して見る場合に生ずるこの偏移により、視野の全体にわたって補償するのが困難な視覚的な認識の不正確性を生じてしまい、正確な視覚的入力を要求する休養やスポーツ活動において問題となる。
【0037】
高ベース湾曲保護性レンズ又は非補正レンズのプリズム
規約により、レンズの前側面の曲率はベース曲率と称され、530/Rとして規定される。ここで、Rはその面のmmで表した曲率半径である。曲率中心C1前側面の)及びC2(後側面の)を通るラインは、光心OCにおいてレンズ(又は、レンズの仮想延長部)と交差する光軸OAを規定する。レンズ(又は、その仮想延長部)は光軸OAに沿って厚さCTを有し、光心から外側に向けて又は光心に向けて対称的に傾斜する。後側面の曲率半径R2は、中心厚さCT及びベース曲率半径R1との組合せにおいて予め定めたレンズ力を有するように選択する。選択したレンズ力Pの半径R2は、レンズ力の標準式を用いて容易に計算することができる。
【数2】
Figure 0004780259
ここで、nはレンズ材料の屈折率である。
【0038】
本発明の低パワーレンズにおいて、内側面の半径はレンズの外側面の半径よりも小さくし、レンズはメニスカスの形状とする。R2はR1と共に小さくなるので、このレンズは一層マイナスのパワーを有する。R2=R1−CTの場合、レンズのベース曲率及び中心厚さにより決定されるパワーにおいて当該レンズの前側面及び後側面はコンセントリックになる。例えば、6ベース又は9ベースレンズにおいて、前側面及び後側面は、これらの中心厚さのレンズの場合以下のパワーにおいてコンセントリックになる。
【0039】
【表1】
Figure 0004780259
内側半径(R2)が連続的に小さくなると、レンズは順次一層マイナスになり、後側面は一層強い凹面となる。本発明の低いマイナスパワーレンズの場合、CTはレンズの最も厚い部分である。より強いマイナスパワーレンズの場合、CTはレンズの残りの部分と同一の厚さとなるか(R2=R1−CT)、或いはCTはレンズの最も薄い部分となる(R2<R1−CT)。
【0040】
従来の眼の着用体に用いられるハイベースレンズはそれ自身の不所望な光学効果を発生する。この理由は、レンズの曲率が非点収差のボケと共にヨークド要求及び輻輳要求を伴うプリズム効果を導入するからである。この強く湾曲したレンズは、従来の眼の着用体で用いられる強く巻き込まれ視界の広いことによる傾きにより、さらに光学的な歪みが生じ、レンズ全体にわたって変化する傾きによりプリズム効果が生じてしまう。本発明は、レンズにマイナスのパワーを導入すると共に例えば曲率中心C1(レンズの前側面の)に対して光軸を回転して光軸を正面視の視線から偏移させることにより、このような歪みを最小にする。光軸は、レンズの顔に近づく傾斜と反対の方向に偏移させる。
【0041】
レンズは曲率中心C2(レンズの後側面の)の回りで回転させることもできるが、これはコンセントリックレンズ以外のレンズについて頂点位置を偏移させることになり、目的を達成するためにあまり有効な方法ではない。レンズは理想的にはC1のまわりで回転させるが、例えばC2のような光軸に沿う点のまわり回転させることもでき、或いは回転角が所定のパワー及びベース曲率の最適位置の5°以内好ましくは1°以内となるように光軸から僅かに離れるように回転することができる。一方、この偏移した光軸は球面設計の場合においては中心C1及びC2を通るが、非球面設計及び他の設計の場合には中心C1とC2との間の位置又は中心C1又はC2のうちの一方の中心の近くを通る(例えば、十分な距離以内を通り偏移した光軸を用いることにより本発明に基づいて光学的な精度を緩和する)。
【0042】
本発明による偏移した視線は、この課題を解決するため図10に示す従来の努力とは異なるものであり、図10は回転中心CRを有する眼の前面において広角的な傾きを以て装着されたプラノレンズ(零のレンズ力)を通る垂直断面図である。この広角的な傾きは、レンズの下側縁部54を顔に近づくように移動させ、これによりレンズにベースダウンプリズム効果が導入される。この課題を解決するため、従来技術では、レンズの光軸(OA)をLOSから平行に離間した位置にシフトさせている(図10)。この構成は、LOSに沿うプリズマテックな歪みを最小にするが、周辺の光学性能を改善するためには不適切であった。
【0043】
この課題を解決するため、本発明では、(図11に示すように)平行に維持する関係を放棄し、その代わりに光軸を一方の曲率中心(C1のような)の回りでLOS(この軸はFLOSであるが、図面を明瞭にするためNLOSとして示す)から離れる上向き方向56に角度ωvだけ回転させる。この方向56は、顔に近づくように傾いている縁部54から離れるように選択する。プリズム効果を最小にする角度ωvの大きさは、レンズの性能及びLOSに対する位置に応じて変化するが、光軸OAの方向56の最小の回転は、広角による傾きにより導入されるプリズム効果を無効にする量とする。絶対的な最小歪みに対する最適な角度を決定する式は、本明細書において後述する。
【0044】
本発明は、レンズ50,60の対を通る水平方向断面図である図12に示すように、レンズの横方向の巻き込みにより導入される傾きによるプリズム効果を低減する眼の着用体及び方法を含む。レンズ50は鼻に近い側のエッジ52及び側頭部側のエッジ58を有し、このレンズ側頭部側のエッジ58において横方向の巻き込みを有する。レンズ60は鼻に近い側のエッジ62及び側頭部側のエッジ68を有し、このレンズ側頭部側のエッジ68において横方向の巻き込みを有する。各レンズの光軸をLOS(同様に、図面を明瞭にするためNLOSとして示す)に平行に偏移させる代りに、光軸OAを横方向に巻き込まれた方向と反対の鼻に近づく方向に角度ωh だけLOSから離れる方向に回転させる。プリズム効果及び他の光学的な歪みを最小にする特有の最適な角度ωhは、多数の因子に依存し、特有の例として図示する。一方、光軸OAの鼻に近づきLOSから離れる方向の偏移は、横方向の巻き込みにより導入されるプリズム効果を最小にすることから始める。
【0045】
図13は、レンズが横方向の巻き込み及び広角的な傾きの両方を有する双眼レンズの眼の着用体70を示す。図13は、光軸OAが垂直視線(NLOS)に平行に維持されている従来の眼の着用体の右側及び左側レンズ50,60の光学中心の位置であるOCR1及びOCL1も図示する。光学中心OCR2及びOCL2は、横方向の巻き込み及び広角傾斜により導入される光学歪みを最小にするため鼻に近づく方向及び上方向に角度回転した後の右側及び左側レンズの光学中心を示す。
【0046】
図14は、さらに図13に示す眼の着用体70の左側レンズ60を示すことによりOAの大幅な偏移を図示し、このレンズはフレームから分離されているがフレームに装着されたレンズによる広角傾斜及び横方向の巻き込みが形成されている。レンズ60は球面にほぼ整合している(例えば、眼科レンズの分野において理解されている球面性を決定するレンズクロック(lens clock)により測定した)前側面及び後側面を有する。レンズの前側面は中心C1を有する第1の球にほぼ整合し、後側面は中心C2を有する第2の球にほぼ整合する。理論的NLOSはレンズの中心を通るように図示し、このNLOSは眼の理論的回転中心CRを通って延在する。
【0047】
図13の光学中心の従来技術の位置も図14に図示し、図14においてOCはNLOSから水平方向に(δh)及び垂直方向に(δv)離間する。本発明は、この配置構成から顕著に相異し、OCL1はX−Y面内において角度ωhだけ移動(すなわち、因子ωhを有する)して横方向の巻き込みにより導入された光学歪みを補償する。このOCL1はZ軸方向に角度ωvだけ移動し、このOCL1は新たな位置を占めて広角傾斜により導入された光学歪みを補償する。この新たな位置において、OCL2は、第1の球の中心C1 及び第2の球の新たな中心C2b(ここで、C2bはX軸上のオリジナルの位置C2aからωh及びωvと反対の角度だけ回転している)を通る光軸OA2上に存在する。この特有の実施例において、OA2はNLOSと角度ω(因子ωh及びωvによる結果としての角度)で交差し、この角度ωについては本明細書において後述する。一方、最終的な効果は、本例の光軸がNLOS(又は他のFLOS)に対して角度を以てレンズから移動し、レンズの巻き込み及び傾斜により導入された光学歪みをオフセットすることである。
【0048】
最適角度ωと関連するファクタを図15と関連して図示し、この図15は左側レンズの水平方向断面或は左側又は右側レンズの垂直断面として図示している。右側レンズの水平方向断面は図15の鏡像となる。レンズ100は、中心C1を有する第1の球にほぼ整合する前側面102及び中心C2を有する第2の球にほぼ整合する後側面104を有し、面104は面102から光軸に沿って当該レンズの中心間厚(CT)に対応する距離だけ変位する。このCTは、低マイナスパワーレンズにおいて最も厚い部分であり、当該レンズの最も薄い部分はより大きなマイナスのパワーを呈する。OAはこの光軸OAがFLOSに対して角度ωだけ傾斜するように、例えば機能視線FLOSのような着用者のLOSに対して適切に位置する。角度ωは、着用者がFLOSに沿って見た場合レンズのプリズマテック偏移が最小になるように最適に選択する。この最適な角度ωは、例えば以下の関係により見出すことができる。
【数3】
Figure 0004780259
ここで、δ2はFLOSと頂点ラインALとの間の距離とし、R2は後側面の曲率半径とし、θはFLOSと前側面(θ1)又は後側面(θ4)との間の角度とし、kはレンズの前側面及び後側面の曲率中心間の距離とする。
【0049】
この式は、図15に示す好適実施例の理想的レンズにおける以下の光学的関係を分析することにより一層良好に理解することができる。FLOSはこのFLOSと平行な頂点ラインALから距離δ2だけ変位し、ALは曲率中心C1及びレンズの頂点を通る。FLOSはラインP上の点P2においてレンズ100の後側面104を通り、このラインは曲率中心C1を通ると共に光軸OAと角度ω+αをなす。ここで、
【数4】
Figure 0004780259
広角傾斜は、頂点面(図5において図示されている)と、レンズ面とFLOSとの交点におけるレンズ面に対する接線との間の角度として規定することができる。図15において、FLOSがNLOSと一致する場合、点P1及びP2における接線面は平行であり、広角傾斜角は以下のいずれかの式により与えられる。
tan-1(δ1/R1)又は
tan-1(δ2/R2
ここで、δ1v及びδ2vは前側面及び後側面にそれぞれ関するFLOSと頂点ライン(AL)との垂直方向の間隔である。図15がレンズの水平方向断面を示しFLOSがNLOSと一致する場合、横方向の巻き込み角は同様に規定され、以下の式で与えられる。
tan-1(δ1h/R1)又は
tan-1(δ2h/R2
ここで、δ1h及びδ2hは前側面及び後側面にそれぞれ関するFLOSと頂点ラインとの水平方向の間隔である。
【0050】
レンズ100に低いパワーを与えると共に、FLOSに対してレンズを大幅に傾斜させ偏心させることにより、優れた光学性能を得ることができる。低いパワーレンズは零パワーレンズに比べてレンズのテーパが小さくなり、テーパが小さくなることにより、テーパの大きなレンズ面の関係を変更することにより視野全体に導入される光学歪みが減少する。マイナスパワーの増大は角度ωを増大することにより達成でき、角度ωの増大はレンズのベース曲率を小さくすることにより達成でき、レンズの最適性能を維持することができる。これらの補完された変数の効果を以下の実施例に示す。
【0051】
実施例1
以下の光学特性を有するA6ベースレンズを作成した。ここで、ラメータは図15に示すパラメータである。
1=87.17mm
2=86.00mm
CT=1.60mm
P=−0.045D
約12.5°の広角傾斜
約15°の巻き込み
水平方向 垂直方向
δ 23.35mm 19.05mm
ω 22.60° 18.00°
δ及びωは共に水平方向の鼻に近づく方向及び垂直方向の上向きに変位する。このレンズについて、NLOSに対する側頭部方向及び鼻に近づく方向のかすめ角(gaze angle) が45°の場合のNLOSに沿って計算したプリズム効果及び非点収差は、レンズの頂点に光学中心を有する(OAがAPXを通る図10に示すような)同様な6ベース、−0.45パワーのレンズ並びにOCが頂点に位置する6ベース零パワー(平坦)レンズの予測されたプリズム効果及び非点収差に匹敵していた。これらの前述したプリズマテック偏移はヨークド要求及び輻輳要求を与える。
【0052】
【表2】
Figure 0004780259
【0053】
これらの結果は、本発明による光軸が回転した低パワーレンズはNLOSに沿うプリズム効果を大幅に除去することができ、(零パワーの非回転レンズにおいては0.010pdであるが、低パワーの回転したレンズの場合0.000pdとなる)、45°における周辺の輻輳要求も大幅に減じ(0.274から0.176pdBOに)、45°における周辺のヨークド要求も大幅に減少(0.546から0.400まで)することを示している。
【0054】
実施例2
以下の光学特性を有する9ベースレンズを作成した。ここで、パラメータは図15に示すパラメータである。
1=58.9mm
2=57.9mm
CT=1.5mm
P=−0.075D
約10°の広角傾斜
約18°の巻き込み
水平方向 垂直方向
δ 18.5mm 10.0mm
ω 16° 8.5°
【0055】
このレンズの方位を用い左側レンズ及び右側レンズを含む目の着用体の光学性能のパラメータは表3に示す計算及び測定値である。性能パラメータは、頂点を通りNLOSに平行な(且つNLOSから鼻の方向に18.5mm離間している)光軸を有する平坦レンズ及び低いパワーレンズを有する目の着用体と比較して説明する。これらの計算を行なうための正確な光線追跡の手法は周知であり、例えばWarren Smith, 「Modern Optical Engineering」(1966)に記載されている。
【0056】
目の着用体の輻輳要求は、鼻及び側頭部方向の視角におけるプラズマティック偏移から計算する。装着された目の着用体において、右眼がNLOSに対して鼻方向に45°の角度で見る場合、左の眼は側頭部方向に約45°の角度で見る。これらの以前に述べたプレズマティックの偏移はヨークド要求及び輻輳要求を与える。
【0057】
【表3】
Figure 0004780259
【0058】
表3は、通常の(偏心した平坦の、P=0,ω=0)目の着用体のNLOS方向のプラズマティック偏移が微小量であることを示しており、表3のベース9の目の着用体の場合NLOSに沿うプラズマティック偏移は約0.006BIである。一方、これらの平坦レンズはレンズの周辺部において大きなプリズマテック偏移を発生している。これらのレンズを介してNLOSから45°鼻に向く方向及び45°側頭部に向く方向で見る場合、個々のレンズのプリズマテック偏移は大きく(それぞれ約1.37pdBO及び0.95pdBI)、しかも0.417BOの大きな輻輳要求を発生している。
【0059】
偏心した目の着用体は、NLOSが光学的中心線に平行な場合においてもプリズマテック偏移を発生する。この偏心したマイナスの目の着用体(P=−0.075D、δ=18.5mm、ω=0°)はNLOSに沿う約0.15BOのプリズマテック偏移を呈する。NLOSに対して鼻方向に45°側頭部方向に45°の角で見る場合、プリズマテック偏移はそれぞれ約0.89BO及び0.42BIである。鼻に向く方向及び側頭部に向く方向の限界角におけるプリズマテック偏移の大きさは平坦な目の着用体の偏移よりも小さく、輻輳要求は大きいがそれ程顕著なものではない。偏心したマイナスの目の着用体は、NLOSから離れたかすめ角で低いレベルのプリズマテック偏移で単眼で見る必要のある用途に対して特に良好に適合する。
【0060】
光軸OAの鼻に向く方向の回転(ω=16°)と光軸OAの鼻に向く方向のδ=18.5mmの偏心とを組み合すことにより、この回転偏心した目の着用体はNLOSに沿うプリズマテックな偏移は生じない。NLOSから45°鼻及び側頭部に向く角度で見る場合、プリズマテック偏移は約0.69BO及び0.50BIである。これらのプリズマテックな偏移は他の目の着用体の偏移よりも一層小さく、しかも極めて小さな0.18BOの輻輳要求及び0.50pdのヨークド要求を呈している。
【0061】
表3は計算した非点収差の値も含む。0.12D以下の非点収差の値は、一般的な許容できるものであると考えられる。例えば、ANSIサングラスの基準(ANSIZ80.3)によれば、規定されていない目の着用体のNLOSに沿う0.12Dの非点収差は許容されている。表3は、本発明による低いマイナスの光軸OAの回転した目の着用体の非点収差のボケは、傾いた偏心した平坦な目の着用体又は偏心したマイナスの目の着用体よりも一層小さなものである。
【0062】
比較のため、回転し及び偏心した低いマイナスの目の着用体をP=0のレンズと比較する。ただし、ベース曲率及びδは変化する。等しい回転量及び回転の向きであって、所定のベース曲率及び偏心の場合、回転し偏心したマイナスの目の着用体はLOS方向に零のプリズム効果を呈し、零のレンズ力の回転偏した目の着用体は以下のLOSに沿うプリズム値を有する。
6ベース:0.28ベースイン;δh=23.35mm
7ベース:0.285ベースイン;δh=23.35mm
8ベース:0.25ベースイン;δh=18.5mm
9ベース:0.291ベースイン;δh=18.5mm
この目の着用体が装着された場合、着用者がNLPOSに沿って遠くの物体を見るとき、これらのレンズは0.5pdと0.58pdとの間の発散を必要とする。このプリズムマティックな歪みの量及び方向は、多くの着用者に対して潜在的に極めて歪んだものとなる。平坦な偏心した非回転レンズは、NLOSに沿うベースアウトプリズム効果を発生する。本発明の偏心し光軸OAが回転したレンズは、FLOS(NLOSを含む)方向のプリズム効果をほぼ零に(例えば、0.1pd又は0.05pd以下)低減することができ、FLOS方向のプリズム効果を零にすることができる。
【0063】
実施例3
光軸OAが回転したレンズの設計についての一般的な試み
この光軸OAが回転した(角度的に偏移した)レンズを設計する一般的な手法は、特に図14及び図15を参照して本実施例で説明する。これら図14及び図15においてALはレンズの頂点を通りC1から延在する頂点ラインである。
初めに、LOS(FLOS又は特にNLOSのような)が光軸OAに平行であって、水平方向にδhだけ偏移し垂直方向にδvだけ偏移するようにレンズ100を配置する。次に、光軸を水平方向に角度ωhだけ鼻に向く方向に回転すると共に、垂直方向に角度ωvだけ上を向く方向に回転し(横方向の巻き込み及び広角傾斜を有するレンズとして)、光軸OAをLOSから離れるように傾斜させる。この光軸の回転は、図16Aに記載した球上でレンズの外形(又はレンズブランク)を移動することにより行なうことができる。OAの回転角は水平方向及び垂直方向の構成要素として与えられるが、この偏移は変位の水平成分及び垂直成分を追跡することなく単一の大きな鼻方向においても得られる。
【0064】
図15はレンズの前側面及び後側面102,104と交差する光軸OAを有する代表的なレンズを図示する。一方、本発明の目の着用体のレンズにおいて、レンズのOAは、レンズが切り出されるレンズブランク又はフレームに挿入されるようにカットされたレンズのいずれかを通る必要はない。レンズのNLOSからの偏心及び傾斜は光軸を基準にして測定される。光学中心はカットされたレンズ又はレンズブランクに存在しないが、レンズの前側表面の曲率を光軸と交差するまで延在させることにより容易に位置決めされる。
【0065】
本発明の上述した実施例はベース6及びベース9の目の着用体と関連するが、本発明はこれらのベース曲率に限定されるものではない。一般的に、レンズは、頂点位置及びレンズのベース曲率に基づき目の着用体について選択する。頂点位置及びベース曲率は通常フレームにより決定され、外観は眼の保護のために選択することができる。レンズの後側面R2の曲率及び中心厚さCTは、微小なパワーが生ずるように、例えばマイナスのパワーが生ずるように変化させる。ポリカーボネートのようなレンズ材料の場合、中心厚さCTはレンズが強く丈夫になるように一般的に1mm以上の厚さとするが、他の又は別の材料及び製造方法を用いて一層薄いレンズとすることができる。
【0066】
次に、レンズの光軸がFLOSに平行で機能頂点を通過するように偏心させる。次に、レンズを前側面(C1)の曲率中心のまわりで角度ωだけ回転させる。次に、FLOSに沿うプリズマテックな偏移を計算し、測定を行なって整合させる。角度ωは、LOSに沿う全偏移が最小に近づくように、好ましくはLOSに沿う偏移が0.12プリズムジオプトルとなり45°の鼻方向及び側頭部方向における偏移が0.9プリズムジオプトルとなるように、より好適には正面視の視線に沿う偏移が0.1以下のプリズムジオプトルとなるように、より好適には正面視の視線方向のプリズム偏移がほぼ0プリズムジオプトルとなるように調整する。レンズの輻輳要求は0.4プリズムジオプトル以下とすることが適切であり、理想的には0.3又は0.2プリズムジオプトル以下とする。
【0067】
いくつかの数学的方法を用いて全偏移を計算することができ、最も効率的なものは、以下に概略するように、既知の眼の位置を用いてスタートし見ようとする物体の正確な位置を決定することによりこの課題を逆に解く必要がある。図15を参照するに、視角はFLOSに対するかすめ方向として固定され、図15においては零度にされている。このかすめ方向は点P2においてレンズの後側面104と交差する。光軸OAと直交するラインに沿うB2からP2までの距離は 2 により与えられ、光軸OAに沿うA 2 からB 2 までの距離はz 2 により与えられ、これは後側面に対するサジッタル深さであり、φ2は後側面の法線と光軸OAとの間の角度であり、σ 3はかすめ方向と光軸OAとの間の角度(この角度は、FLOS=NLOSの場合ωと同一である)である。後側面の法線に対するかすめ方向は以下の角度θ4により与えられる。
θ4=φ2σ 3
後側面で屈折する前の後側面の法線に対するかすめ方向はスネルの法則を用いて角度θ3(図15において図示せず)により与えられ、nはレンズ材料の屈折率である。
【数5】
Figure 0004780259
後側面で屈折する前の光軸に対するかすめ方向は角度σ 2(図15において図示せず)により与えられる。
σ 2=φ2−θ3
【0068】
次に、屈折した光線のレンズの前側面102との交点P1を計算する。ここで、距離y1はP1とB1における光軸との間の光軸OAと直交するラインに沿う距離であり、Z1は前側面に対するP1のサジッタル深さである。
【数6】
Figure 0004780259
ここで、b=(S1tan2 σ 2+R1)/(tan2 σ 2+1)
1=(y2/tanσ 2)+Z2
次に、以下の式を用いて前側面の法線と光軸OAとの間の角度としてφ1 を計算する。
【数7】
Figure 0004780259
前側面の法線に対するかすめ方向は角度θ2 (図15において図示せず)により与えられる。
θ2=φ1σ 2
前側面で屈折する前の前側面の法線に対するかすめ方向は、角度θ1 であり、スネルの法則及び前で定義した屈折率nを用いて与えられる。
θ1=sin-1(nsinθ2)
前側面で屈折する前の光軸OAに対するかすめ方向は角度σ 1により与えられる。
σ 1=φ1−θ1
最後に、全偏移εは角度σ 1σ 3との差により与えられる。これらの角度が度で与えられる場合、以下の式がεをプリズムジオプトルとして与える。
【数8】
Figure 0004780259
NLLOOSに沿うプリズマテック偏移が十分に小さくない場合、回転角ω又はレンズパワーは変化する。プリズマテック偏移がベースアウトの場合、回転角ωは増大し或はマイナスのパワーの大きさは減少する。プリズマテック偏移がベースインの場合、回転角ωは減少又はマイナスパワーの大きさは増大する。レンズパワー及び回転角は、NLOSに沿うプリズマテック偏移が減少するように選択することができる。例えば、回転角は30°以上、20°以上、15°以上、20°と40°との間、又は15°と30°との間に選択することができる。
【0069】
実施例4
この実施例は、ベース曲率と、レンズの中心厚さと、LOSに沿うプリズマテック偏移を最適に最小にするレンズの低マイナスパワーとの間の数個の最良な関係を示す。以下の表は、LOSに沿うプリズム偏移を零にする光軸の鼻方向の回転を以下のレンズに対する偏心の変化と共に示す。
6ベース:中心厚さ1.6mm、パワー−0.045D
7ベース:中心厚さ1.5mm、パワー−0.051D
8ベース:中心厚さ1.5mm、パワー−0.063D
9ベース:中心厚さ1.5mm、パワー−0.075D
【0070】
【表4】
Figure 0004780259
この表は、LOSに沿うプリズム偏移を中和するために必要な光軸OAのLOSから離れる方向の回転は偏心が増大するにしたがって増大し、この光軸の回転角はレンズのベース曲率が増大するにしたがって減少することを示している。
【0071】
実施例5
この実施例は、正面視の視線方向のプリズム偏移を零に維持するための光軸の鼻方向の回転を以下をレンズの中心厚さの変化と共に示す。
6ベース: 鼻方向の偏心23.35mm,パワー−0.045D
7ベース: 鼻方向の偏心23.35mm,パワー−0.051D
8ベース: 鼻方向の偏心18.5mm, パワー−0.063D
9ベース: 鼻方向の偏心18.5mm, パワー−0.075D
鼻方向の偏心は横方向の巻き込みの関数である。一般的に、レンズの後側面の曲率半径は、各ベース曲率毎にCTが増大するにしたがって減少して一定のパワーを維持すると共に正面視の視線に沿うプリズム偏移を零に維持する。
【0072】
【表5】
Figure 0004780259
【0073】
一般的に、レンズの中心厚さが増加するにしたがって、所定のベース曲率、パワー、及び偏心のレンズに対して角度ωは減少する。
【0074】
実施例6
この実施例は、変化するベース曲率及びパワーを有するレンズについて、CT=1.5mm,偏心=18.5mmを有するレンズのプリズム偏移を零に維持するために角度ωをいかに変化させるかを示す。
【0075】
【表6】
Figure 0004780259
これらの実施例は、所定のCT及びδに対してベース曲率が増大すると、所定の低パワーレンズについて角度ωが減少することを示す。レンズにより大きなマイナスパワーが形成されると、角度も増大する。
【0076】
実施例7
レンズブランクからのレンズの切り出し
本発明のレンズは正確な形状又は基礎形態に射出成形し、次に切り出すことができ、レンズは好ましくは射出成形されたレンズブランク(lens blank)から切り出す。球面レンズの場合、レンズブランクは、図16Aに示すように、球体120の殻から切り出したものと概念することができる。球体120の外側面及び内側面の曲率中心C1及びC2の位置及び曲率半径R1及びR2(図16B)はレンズブランクスから切り出されたレンズのパワーを決定する。曲率半径R1(球殻の外側面の)はレンズのベース曲率を決定する。光軸OAはC1及びC2を通り球体の極を通って突出するように図示する。一旦、所望の横方向の巻き込み量及び広角傾斜が決定されると、位置は、その特性を有するレンズを形成する球体上に位置決めすることができる。次に、球体の殻の部分の形状を有するレンズブランクを形成することができる。
【0077】
図16Aに示す実施例において、図示の位置における球体の形状に対応した形状を有するレンズブランク122が形成され、光軸はレンズブランク自身を通過しない。つまり、レンズブランクの光学中心はレンズブランク自身に存在せず、球体の極であるレンズブランクの仮想延長部上に存在する。レンズブランクから切り出されたレンズが光軸OAに対して所望の角度ωとなる選択したLOS(例えばNLOSののようなFLOS)を有し所定の低マイナスパワー及びベース曲率のレンズとなるようにレンズブランク122を適切に位置決めする。図16Aにおいて、レンズブランクは、極から前側面上で距離X,Y及びHだけ変位しているように図示されている。このベース6レンズの特有の開示した実施例において、レンズブランク122の幾何学中心GCは球の垂直メリジアンに沿ってY方向に距離54.5mm変位し、緯度線(赤道に平行)に沿ってX方向に距離42.0mmだけ変位する。従って、球のOCからのGCの全変位量は68.8mmの距離Hとなる。
【0078】
図17はレンズブランクから切り出されるレンズの位置を示す図16Aの二次元の図であり、レンズブランクのOAに対するNLOS及び幾何学中心GCの位置を示す。この図は、球の光軸OAとレンズブランクのGCとの間の大きな角度の偏移を示し、これら光軸と幾何学中心はC1(図17において図示せず)において角度ωだけ分離し、この角度ωは球面上で距離Hにより規定される球の表面上の角度を規定する。
【0079】
実施例8
レンズブランクの有効利用
本発明はレンズブランクを従来技術よりも一層有効に利用し、レンズブランクから切り出されたレンズの優れた光学性能を維持する方法も含む。従来技術の課題は、射出成形した右側レンズブランク130及び左側レンズブランク132を示す図18に示す。各レンズブランクは幾何学中心GCと、レンズブランクの中間エッジに向けて赤道に沿って変位した光学中心OCとを有する。従って、レンズブランクは赤道Eから垂直方向に対称的に(メリジアンMに沿って下方向に)傾斜する。
【0080】
射出成形したレンズブランクを用いることによる課題は、射出成形によりレンズの周囲に、特に硬化に先立ってプラスチックが注入される注入ゲートにおいてしばしば欠陥が生ずることである。これらの欠陥により導入される光学的不規則性は、レンズブランクの周辺の不規則な部分から離れた中央の位置でレンズブランク130,132からレンズ134,136を切り出すことにより回避することができる。レンズ134,136は、図18において、光学的な不規則性を回避するためレンズブランクの中央から切り出されるように示されている。
【0081】
図19は、レンズブランクの垂直方向下側にレンズをシフトすることにより垂直方向に光学的に偏心する場合に生ずる問題を示す。垂直方向の偏心量がレンズのB寸法に近づくと、レンズの周辺部分がレンズブランクに整合なくなってしまう。これは、より大きなレンズブランクを用いる高価な工程が必要になってしまう。たとえ、レンズがレンズブランクに整合する程十分に小さい場合であっても(この状態は図19に存在しない)、レンズはレンズブランクの光学的に不規則な周辺部分から切り出す必要がある。
【0082】
図20は、この実施例における問題が生ずることなく、図19に示す偏心と同程度に水平方向及び垂直方向に偏心させる本発明の解決方法を示す。図20は、図19のレンズの外形を光学中心のまわりで図19の矢印の方向に回転し、レンズ外形のAラインがEラインに対して零でない鋭角をなすことを示す。OCはレンズの上側縁部に位置するが、レンズ外形の本体は、回転することにより光学的な不規則性の無いレンズブランクの中央領域に存在する。この回転により、偏心したレンズのベースになるレンズブランクの直径を大きくすることなく、垂直方向及び/又は水平方向に大きく偏心したレンズをレンズブランクから切り出すことができる。
【0083】
つまり、レンズブランクの表面上で光軸により規定される軸のまわりでレンズを回転する場合、レンズの光学特性(パワー及び中心厚さのような)を変更することなくレンズを回転することができる。レンズが回転する角度βの大きさは、レンズの大きさ及び所望の垂直方向の偏心に応じて大きく変化することができる。図20の図示の実施例において、角度βは、例えば5〜90°、特には10〜80°、或いは10°又は20°以上で90°以下にすることができるが、この角度βはほぼ30〜40°とする。
【0084】
図21は、OCがレンズ上に存在しない程垂直方向に大きく偏心した本発明の方法の変形例を示し、この偏心はレンズ外形を図19に示す位置から図20に示す位置まで回転し、さらにレンズ外形をAラインと直交する方向に変位させることにより達成できる。図19を図20と比較することにより明らかなように、図21で達成される垂直方向の偏心の大きさは図19の回転しない方法により得ることはできない。垂直方向のメジアンMに沿ってレンズを単に変位させるだけで本発明の回転操作を行わない場合、レンズはレンズブランクから部分的に突出してしまう。つまり、レンズブランクの直径又は他の寸法を大きくすることなくレンズブランクからレンズを切り出すことが不可能になってしまう。
【0085】
図22は回転方法の別の変形例を示すものであり、垂直方向に偏心していないレンズをOCを中心に回転してレンズブランクの都合の良い部分からレンズを切り出し、例えばレンズブランクから切り出されたレンズの光学品質に悪影響を与えるレンズブランク中の欠陥Dを回避する例を示す。
【0086】
図23は、光学中心OCがレンズブランクの赤道上に必ずしも存在しない(赤道は、レンズブランクが垂直方向に傾斜する対称線を規定しない水平二等分線である)ことを示す。代りに、レンズブランクが上方向及び下方向に対称的に傾斜する対称軸は図23において軸AXであり、この軸はレンズブランクのGCを通り赤道Eに対して零でない鋭角をなす。
【0087】
図24は、OCがレンズブランク上に存在しないレンズブランクを示し、この状態は光軸と正面視の視線との間で大きな角度偏移を有する本明細書で記載したレンズの製造において一般的な状態である。このレンズ外形は、レンズブランクのGC上に中心を有する必要はなく、OCに対して回転することができる。この回転は、例えばOCから図24のレンズの鼻方向のエッジに至る固定したアームを仮想することにより可視化することができる。レンズ外形は、固定アームに対するレンズ外形の位置を変更することなく、OCのまわりで固定アームを回転することにより移動することができる。レンズ外形が回転した際のとり得る2個の位置を図24において破線で示し、この2個の位置により同一形状を有すると共にレンズのOCの位置が同一のレンズが形成される。
【0088】
図25は、OCがレンズブランクから離れている別のレンズブランクを示し、このレンズブランクにおいてOCは赤道Eから垂直方向に変位すると共に垂直メジアンMから水平方向にも変位する。
【0089】
巻き込み及び広角傾斜
図26は、FLOS(NLOSのような)と直交しFLOS/NLOSがレンズと交差する点を通る前側垂直面VPと、FLOS/NLOSがレンズの前側面と交差する点と接する接線である接線面TPとの間の角度αを測定することにより広角傾斜が決定されることを示す線図的垂直方向断面図である。9のベース曲率を有するレンズの場合、当該レンズの広角傾斜αは、例えば1〜30°の範囲とすることができ、或いは特に8〜14°の範囲とすることができる。傾斜の角度は、当該眼の着用体を装着した人間の頭及び顔の形状に応じて変えることができる。欧州人及び欧州系アメリカ人は、例えば頬はあまり突出せず、額が一層突出しており、アジア人及びアジア系アメリカ人よりも高い鼻を有し、一層大きな広角傾斜を許容することができる。例示的な広角傾斜を表7に示す。
【0090】
図27は、前側垂直面VPと接線面TPとの間の角度βを測定することにより横方向の巻き込みが決定されることを示す線図的水平方向断面図である。広角傾斜に関して、巻き込みの角度の例を表7に示す。
【0091】
【表7】
Figure 0004780259
【0092】
レンズは、これらの範囲外の巻き込みの角度角及び広角の角度を有することができる。表7に記載した角度は単に例示したものであり、本発明により、より小さい又はより大きい傾斜角を補償することができる。
【0093】
レンズは好ましくはポリカーボネートで作成するが、CR−39のような他の耐衝撃性材料で製造することもできる。
【0094】
レンズがその傾斜方向から離れるように偏移する場合、この偏移方向はレンズの傾斜方向と正確に反対方向となる必要はなく、上述した不所望な光学歪みを軽減できる方向とすることができる。
【0095】
略語
APX:頂点
AL:頂点ライン
CR:回転中心
CT:中心厚さ
DBC:中心間距離
FAPX:機能頂点
FA:機能頂点面
FLOS:機能視線
FP:前側面
GC:幾何学中心
LOS:正面視の視線
LP:リステイングの面
MP:メジアン面
NLOS:垂直視線
OA:光軸
OC:光学中心
TP:接線面
VP:垂直前側面
【0096】
本発明の原理を数個の実施例で図示し説明したが、本発明の原理から逸脱しない範囲においてその構成及び細部において変更可能であることは当業者にとって明らかである。特許請求の範囲内の全てのものについて本発明として請求する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 数個の眼を通る分解基準面を示す線図である。
【図2】 眼の前側に配置された大きな巻き込みを有するレンズが装着された人間の頭部の上面図である。
【図3】 図2に示す線図的頭部の側面図である。
【図4】 光学フレームに装着されたレンズを説明するために用いられる基準系の線図である。
【図5】 垂直視線が真っ直ぐ前方に進行する直立した人間の頭部に配置された眼の着用体の線図である。
【図6】 追跡走行のような特有の仕事を行うために頭部が下向きに傾斜し眼の位置が下側に位置する状態を示す図5と同様な線図である。
【図7】 右側及び左側のレンズにベースインプリズム効果により導入される光学歪みを示す水平方向の線図的断面図である。
【図8】 両方のレンズにベースインプリズム効果により導入される光学歪みを示す図7と同様な図である。
【図9】 右眼の前面のベースインプリズム効果及び左眼の前面のベースアウトプリズム効果の光学的効果を示す線図である。
【図10】 光学的中心線が垂直視線と平行な従来の問題を示す広角傾斜をもって装着されたレンズを通る線図的断面図である。
【図11】 低パワーレンズの光軸が正面視の視線から離れるように偏移した本発明の解決策を示す図10と同様な線図的断面図である。
【図12】 光軸が正面視の視線から水平方向(鼻に向く方向)に偏移して巻き込みにより導入された光学歪みを低減することを示す本発明の大きな巻き込みの低パワーレンズの水平方向断面図である。
【図13】 正面視の視線から鼻方向及び上方向の光軸の偏移を示す、双眼レンズの眼の着用体に装着された図12のレンズの正面図である。
【図14】 広角傾斜及び横方向の巻き込みをもって装着される分離されたレンズの斜視図であり、レンズの前側面の球の中心に対する正面視の視線からの光軸の偏移を示す。
【図15】 レンズの光学歪みを最適に低減するように偏移した光軸を有するレンズの水平方向及び垂直方向の幾何学的関係を示す線図である。
【図16】 図16Aは球上に位置するレンズブランクの線図であり、本発明に基づいてレンズブランクが切り出される状態及び前側面上に投影されたレンズブランクの変位を示す。
図16Bは図16Aと同様な図であり、球の上部が切り出された状態を示す。
【図17】 図16Aの球の2次元図である。
【図18】 レンズブランク上に投影されたレンズの輪郭線の正面図であり、従来技術においてレンズが水平方向に偏心するようにレンズブランクから切り出される位置を示す。
【図19】 図18と同様な図であり、図18に示す位置から垂直方向に偏心させるためにレンズブランクの下側半部に変位されたレンズの輪郭線を示す。
【図20】 レンズが図19に示す位置から回転し、レンズの光学中心が水平方向及び垂直方向に調整できレンズブランクの材料を一層有効に利用できる本発明の一概念の前側正面図である。
【図21】 レンズが図19に示す位置から回転し、レンズの光学中心が水平方向及び垂直方向に調整できレンズブランクの材料を一層有効に利用できる本発明の一概念の前側正面図である。
【図22】 レンズが図19に示す位置から回転し、レンズの光学中心が水平方向及び垂直方向に調整できレンズブランクの材料を一層有効に利用できる本発明の一概念の前側正面図である。
【図23】 図20〜図22と同様な図であり、赤道よりも上側に位置するレンズブランクの光学中心を示す。
【図24】 図20〜図22と同様な図であり、光学中心がレンズブランク上に存在しないレンズブランクを示す。
【図25】 図20〜図22と同様な図であり、光学中心がレンズブランク上に存在しないレンズブランクを示す。
【図26】 レンズの広角傾斜がいかに測定されるかを示す線図である。
【図27】 レンズの横方向の巻き込みがいかに測定されるかを示す線図である。

Claims (33)

  1. 眼の前面で顔面に沿って傾斜するように装着される低マイナスの非補正レンズにおいて、
    前記非補正レンズの光軸が、正面視の視線に平行で正面視の視線から水平方向及び垂直方向に変位したラインに対して所定角度だけ角度的に偏移し、正面視の視線及び前記光軸を含む平面内で、前記光軸を回転させて最小回転角で正面視の視線と平行になる回転の向きと、前記非補正レンズの両端を結ぶ直線を回転させて最小回転角で正面視の視線に直交する回転の向きとが互いに逆であり、これにより、プリズマテック歪みをほぼ最小にするように構成した低マイナスの非補正レンズ。
  2. 請求項1に記載のレンズにおいて、前記光軸が、正面視の視線に沿うレンズ周辺のプリズマテック歪みを最小にするように、正面視の視線の方向から所定角度だけ角度的に偏移しているレンズ。
  3. 請求項1に記載のレンズにおいて、前記光軸が、正面視の視線に沿うレンズ周辺の非点収差のぼけを最小にするように、正面視の視線の方向から所定角度だけ角度的に偏移しているレンズ。
  4. 請求項1に記載のレンズにおいて、前記光軸が正面視の視線の方向から所定角度だけ角度的に偏移し、光軸と正面視の視線とが互いに平行に離間しているレンズに比べて、ヨークドプリズム効果及び輻輳要求を低減するように構成したレンズ。
  5. 請求項4に記載のレンズにおいて、当該レンズが広角傾斜をもって装着され、前記光軸が正面視の視線に対して上向きに所定角度だけ角度的に偏移しているレンズ。
  6. 請求項4に記載のレンズにおいて、当該レンズが顔面に沿って横方向に巻き込まれるように装着され、左眼用レンズの前記光軸は正面視の視線に対して右眼側に所定角度だけ角度的に偏移し、右眼用レンズの前記光軸は正面視の視線に対して左眼側に所定角度だけ角度的に偏移しているレンズ。
  7. 請求項1に記載のレンズにおいて、当該レンズが、広角傾斜及び横方向の巻き込みをもって装着され、前記光軸が正面視の視線に対して上向きに所定角度だけ角度的に偏移し、かつ左眼用レンズの前記光軸は正面視の視線に対して右眼側に所定角度だけ角度的に偏移し、右眼用レンズの前記光軸は正面視の視線に対して左眼側に所定角度だけ角度的に偏移しているレンズ。
  8. 請求項1に記載のレンズにおいて、当該レンズの低マイナスパワーを−0.005D以上としたレンズ。
  9. 請求項8に記載のレンズにおいて、当該レンズの低マイナスパワーを−0.01D以上としたレンズ。
  10. 請求項1に記載のレンズにおいて、前記光軸が前記正面視の視線から水平方向及び垂直方向に変位し、当該レンズが低マイナスパワーを有すると共に横方向の巻き込み及び広角傾斜をもって装着され、前記光軸が当該レンズの前側面の曲率中心を中心として上向きに所定角度だけ回転し、かつ左眼用レンズの前記光軸は前記曲率中心を中心として右向きに所定角度だけ回転し、右眼用レンズの前記光軸は前記曲率中心を中心として左向きに所定角度だけ回転して、垂直視線に沿うプリズマテック歪みを最小にするように構成したレンズ。
  11. 請求項10に記載のレンズにおいて、当該レンズを、前側面が第1の曲率中心を有する第1の球面にほぼ整合し後側面が第2の曲率中心を有する第2の球面とほぼ整合する球面レンズとし、前記光軸が、前記第1の曲率中心を中心として当該光軸を所定角度だけ回転することにより、レンズにおける正面視の視線に沿うプリズマテック歪みを最小にする十分な量だけ角度的に偏移したレンズ。
  12. 請求項10に記載のレンズにおいて、当該レンズが、−0.01〜−0.12のマイナスパワーを有するレンズ。
  13. 請求項10に記載のレンズにおいて、当該レンズが、−0.04〜−0.09のマイナスパワーを有するレンズ。
  14. 請求項10に記載のレンズにおいて、レンズの前側面が第1の曲率中心を有する第1の球の面とほぼ整合し、レンズの後側面が第2の曲率中心を有する第2の球の面とほぼ整合し、前記第1の球面の半径が第2の球面の半径よりも大きいレンズ。
  15. 請求項14に記載のレンズにおいて、当該レンズを高ベースレンズとしたレンズ。
  16. 請求項15記載のレンズにおいて、当該レンズを少なくともベース6レンズとしたレンズ。
  17. 請求項16記載のレンズにおいて、当該レンズを少なくともベース8レンズとしたレンズ。
  18. 請求項17記載のレンズにおいて、当該レンズを少なくともベース9レンズとしたレンズ。
  19. 請求項1記載のレンズにおいて、当該レンズを双眼の眼の着用体用のものとしたレンズ。
  20. 請求項1に記載のレンズにおいて、当該レンズがレンズブランクから切り出され、このレンズブランクの光学中心が当該レンズブランク上に存在しないレンズ。
  21. 請求項1に記載のレンズにおいて、当該レンズがレンズブランクから切り出され、このレンズブランクの光学中心が当該レンズブランク上に存在するが、当該レンズブランクから切り出されたレンズ上には存在しないレンズ。
  22. 請求項1に記載のレンズにおいて、当該レンズがレンズブランクから切り出され、このレンズブランクの光学中心が、当該レンズブランクから切り出されたレンズ上に存在するレンズ。
  23. 双眼レンズの、保護用の非補正性の眼の着用体に装着される高ベースレンズであって、当該レンズがフレームに装着される共に眼の前面において眼及び正面視の視線に対して傾斜して保持されるレンズにおいて、当該レンズが、
    第1の中心を有する第1の球面にほぼ整合するほぼ球面の前側面と、第2の中心を有する第2の球面にほぼ整合するほぼ球面の後側面とを具え、前記第1の球面の半径が前記第2の球面の半径よりも大きく、当該レンズの厚さがレンズの光心から離れるにしたがって薄くなり、当該レンズの光軸が前記第1及び第2の中心並びに当該レンズの光心を通り、当該レンズが低マイナスパワーを有し、当該レンズの光軸が、正面視の視線に平行で正面視の視線から水平方向及び垂直方向に変位したラインに対して所定角度だけ角度的に偏移し、正面視の視線及び前記光軸を含む平面内で、前記光軸を回転させて最小回転角で正面視の視線と平行になる回転の向きと、前記非補正レンズの両端を結ぶ直線を回転させて最小回転角で正面視の視線に直交する回転の向きとが互いに逆であるレンズ。
  24. 請求項23に記載のレンズにおいて、前記レンズの傾斜した向きが横方向の巻き込みを含み、左眼用レンズの前記光軸は正面視の視線に対して右眼側に所定角度だけ角度的に偏移し、右眼用レンズの前記光軸は正面視の視線に対して左眼側に所定角度だけ角度的に偏移しているレンズ。
  25. 請求項23に記載のレンズにおいて、前記レンズの傾斜した向きが広角傾斜を含み、前記光軸が、前記正面視の視線に対して上向きに所定角度だけ角度的に偏移しているレンズ。
  26. 請求項23に記載のレンズにおいて、前記レンズの傾斜した向きが横方向の巻き込み及び広角傾斜を含み、前記光軸が正面視の視線に対して上向きに所定角度だけ角度的に偏移し、かつ左眼用レンズの前記光軸は正面視の視線に対して右眼側に所定角度だけ角度的に偏移し、右眼用レンズの前記光軸は正面視の視線に対して左眼側に所定角度だけ角度的に偏移しているレンズ。
  27. 請求項24に記載のレンズにおいて、前記レンズの横方向の巻き込みを5〜30°とし、前記光軸が正面視の視線に対して10〜25°だけ角度的に偏移しているレンズ。
  28. 請求項25に記載のレンズにおいて、前記広角傾斜を3〜20°とし、前記光軸が正面視の視線に対して5〜20°だけ角度的に偏移しているレンズ。
  29. 請求項23に記載のレンズにおいて、当該レンズを、ほぼ1.6mmの中心厚さ及びほぼ−0.045ジオプトルのパワーを有する6ベースレンズとし、前記レンズの傾斜の向きがほぼ15°の横方向の巻き込み及びほぼ12°の広角傾斜を含み、前記光軸の角度的な偏移を、左眼用レンズの前記光軸は正面視の視線に対して右眼側に、右眼用レンズの前記光軸は正面視の視線に対して左眼側に22〜23°とし、かつ正面視の視線に対して上向きに18〜19°としたレンズ。
  30. 請求項23に記載のレンズにおいて、前記光軸が正面視の視線に対して角度ωだけ角度的に偏移し、ここで、δを正面視の視線と当該レンズの頂点ラインとの間の距離とし、R2をレンズの後側面の曲率半径とし、θを、視線が垂直視線と一致した場合の視線とレンズの前側面又は後側面の曲率半径との間の角度とし、kを前記第1の中心前記第2の中心との間の距離とした場合に、
    Figure 0004780259
    としたレンズ。
  31. 横方向の巻き込み及び広角傾斜を有する双眼の眼の着用体に装着される保護用の非補正レンズであって、
    当該レンズを、−0.02〜−0.12ジオプトルのパワー、1.0〜3.0mmの中心厚さ、6〜9のベース曲率、5〜30°の横方向の巻き込み、3〜20°の広角傾斜、並びに第1の中心を有する第1の球面にほぼ整合したほぼ球面の前側面、及び第2の中心を有する第2の球面にほぼ整合したほぼ球面の後側面を有する低パワーのマイナスレンズとし、レンズの光心から離れるにしたがってレンズの厚さが薄くなるように前記第1の球面の半径を前記第2の球面の半径よりも大きくし、前記レンズの光軸が前記第1及び第2の中心を通り、前記光軸が、正面視の視線に平行で正面視の視線から水平方向及び垂直方向に変位したラインに対して上向きに所定角度だけ角度的に偏移し、かつ左眼用レンズの前記光軸は正面視の視線に対して右眼側に所定角度だけ角度的に偏移し、右眼用レンズの前記光軸は正面視の視線に対して左眼側に所定角度だけ角度的に偏移し、これにより、光軸が垂直視線から平行に離間するレンズと比較して、レンズの傾斜により導入されるプリズマテック歪みを大幅に低減するように構成したレンズ。
  32. 請求項31に記載のレンズにおいて、当該レンズがベース6レンズであり、ほぼ1.6mmの中心厚さ、−0.045のパワー、ほぼ12°の広角傾斜、及びほぼ15°の横方向の巻き込みを有し、前記光軸の角度的な偏移を、左眼用レンズの前記光軸は正面視の視線に対して右眼側に、右眼用レンズの前記光軸は正面視の視線に対して左眼側に22〜23°とし、かつ正面視の視線に対して18〜19°上向きにしたレンズ。
  33. フレームに傾いた向きで装着される非補正レンズの製造方法において、
    当該レンズが選択した中心厚さ及びベース曲率の低パワーレンズとし、当該レンズをレンズブランクから切り出すに当たり、当該レンズの光軸が、正面視の視線に平行で正面視の視線から水平方向及び垂直方向に変位したラインに対して、前記傾いた向きによりレンズに導入されるプリズマテック歪みの少なくとも一部を低減するのに十分な角度で角度的に偏移している位置で切り出すレンズの製造方法。
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