JP4779923B2 - 筒内噴射式内燃機関 - Google Patents

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Description

この発明は、燃料噴射弁から気筒内に燃料を1サイクル当たり複数回に分割して直接噴射供給する筒内噴射式内燃機関に関する。
一般に、自動車のエンジン等として利用される内燃機関には、燃料噴射弁から気筒内に燃料を直接噴射するようにした筒内噴射式内燃機関がある。
このような筒内噴射式内燃機関では、内燃機関の低温状態での運転時に燃料噴射弁から噴射された噴射燃料がピストンヘッドに付着して気化が滞り、スモークの発生原因又は未燃焼の炭化水素(HC)の発生原因となり、さらにはシリンダ壁に衝突してピストンリングを介してオイルパンに流れ込み、潤滑オイルを希釈させる原因となることがある。
そこで、このような筒内噴射式内燃機関では、低温状態での運転時に、内燃機関に課される負荷等の機関運転条件に応じて要求される燃料の量(要求燃料噴射量)を燃料噴射弁で気筒内へ一度に噴射するのではなく、例えば要求燃料噴射量の燃料を吸気行程の前期と後期とに分割して燃料噴射弁から噴射するようにした所謂分割噴射を行なうことにより燃料噴射弁から噴射した噴射燃料を良好に拡散させ霧化させる手段が採られている。
このような、1気筒毎に1サイクル当たり複数の噴射段に分割して燃料噴射弁から燃料を気筒内へ直接噴射する筒内噴射式内燃機関では、分割されたときの1回当たりの噴射量が少なくなって微少噴射領域で燃料噴射弁を使用することになると、燃料噴射弁の固体差や経年変化により、1回当たりの燃料の微少噴射量を誤差なく一定に保つことが困難となる。
例えば、通電している時間だけ燃料の噴射動作を行うよう構成した燃料噴射弁では、分割されたときの1回当たりの噴射量を通電時間によって制御するときに、固体差や経年変化によって通電時間と燃料噴射量との対応関係にバラツキがあり、特に、微少噴射領域で噴射するときの微少な所定噴射量の燃料を安定して噴射することが難しい。
このため、従来の燃料噴射弁(インジェクタ)では、微少噴射領域における1回当たりの微少燃料噴射量のバラツキを抑制するため、燃料噴射弁制御用の最小通電時間を学習して設定すると共に、さらに適正に補正する手段が提案されている。
例えば、従来の燃料噴射弁では、必要燃料噴射量設定手段で設定された所定の安定燃焼を得るのに必要な1サイクル当たりの燃料噴射量に基づいて、燃焼状態制御手段によって少なくとも最小噴射量となる噴射段の通電時間を調整して所定の安定燃焼が得られるよう制御することにより複数の噴射段に分割して燃料噴射を行う。
このとき従来の燃料噴射弁では、学習手段により、燃焼状態制御手段で駆動制御して所定の安定燃焼が得られた時の最小噴射量となる噴射段の通電時間を、必要燃料噴射量設定手段により設定された必要燃料噴射量から割り出したその時の噴射段の噴射量に対応する通電時間の学習値として記憶更新して、その後の燃焼状態制御手段による制御に利用する。
さらに、この従来の燃料噴射弁では、排気浄化装置が目詰まりして排圧が上昇した状態となったときに学習精度が低下することを抑制し、燃費悪化の抑制をするため、学習手段が、排圧パラメータが所定値以上である時に学習値の記憶更新を抑制するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、内燃機関の運転状態に応じて要求される要求燃料噴射量が少なくなると、所定複数回の分割噴射を行うに際して一回に噴射する燃料噴射量が燃料噴射弁において制御可能な限界となる最小噴射量よりも少なくなることがある。
このため、従来の筒内噴射式内燃機関では、その電子制御装置が分割噴射を実行するのに際し、その分割して噴射される燃料の量が燃料噴射弁の最小噴射量を下回ると判断したときに減筒運転を実行する。
この電子制御装置による減筒運転では、一部の気筒での燃料噴射を停止するのに合わせて稼動気筒での要求燃料噴射量を増大させ、この増大された要求燃料噴射量と等しい量の燃料が分割して噴射されるように燃料噴射弁を制御するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−293486号公報 特開2002−276402号公報
前述のような従来の筒内噴射式内燃機関では、所定複数回の分割噴射を行う際に1回当たりの燃料の微少噴射量を誤差なく所定量に保つよう燃料噴射弁を制御していた。
しかし、燃料噴射弁には、その性能上、一回に噴射する燃料噴射量を一定の噴射量に制御可能な限界である最小噴射量がある。
すなわち、従来の筒内噴射式内燃機関では、燃料噴射弁により所定複数回の分割噴射を行う際に、分割して噴射される燃料の量が燃料噴射弁の最小噴射量を下回ると、一回に噴射する燃料の噴射量を適切に制御できないため一回に噴射する燃料の噴射量が変動してしまう。
このため、従来の筒内噴射式内燃機関では、分割噴射を行う際に、燃料噴射弁を制御して、燃料噴射弁の最小噴射量を下回る適正で微少な燃料の噴射量だけを燃料噴射弁から一回毎に気筒内へ噴射させる動作を所定の分割回数だけ繰り返して行わせることにより、内燃機関の機関運転条件に応じて要求される適正な燃料の量(要求燃料噴射量)を供給する手段がなかった。
本発明は上述した点に鑑み、筒内噴射式内燃機関で分割噴射を行う際に、燃料噴射弁を制御して、一回の噴射のときに燃料噴射弁の最小噴射量を下回る微少な噴射量の燃料を気筒内へ噴射させる動作を、所定の分割回数だけ繰り返して行わせることにより、トータルとして内燃機関の機関運転条件に応じて要求される適正な燃料の量(要求燃料噴射量)を供給可能とした筒内噴射式内燃機関を新たに提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の筒内噴射式内燃機関は、制御装置によって制御される燃料噴射弁から、1サイクル当たり複数回に分割して燃料を気筒内に直接噴射可能に構成した燃料供給装置、を備えた筒内噴射式内燃機関において、制御装置は、少なくとも燃料噴射弁により要求燃料噴射量を分割噴射する時の1回当たりの噴射量が燃料噴射弁で制御可能な最小噴射量以下であり、かつ要求燃料噴射量が、一定の間隔での分割噴射によって実際に噴射されたトータルの噴射量と要求燃料噴射量との間で比例関係が維持できない非線形性限界の閾値以上である場合に、要求燃料噴射量に相当するトータルの噴射量を分割噴射回数で除算して求めた、分割された1回分の噴射量を燃料噴射弁により一定の間隔で燃料噴射タイミングから点火プラグが点火するまでの間に分割噴射するトータル噴射量制御を行うことを特徴とする。
上述のように構成することにより、分割噴射を行う際に、燃料噴射弁で制御可能な最小噴射量以下で、かつ要求燃料噴射量が、一定の間隔での分割噴射によって実際に噴射されたトータルの噴射量と要求燃料噴射量との間で比例関係が維持できない非線形性限界の閾値以上となる微少な燃料の噴射量で、所定の分割回数だけ微少な噴射量の燃料を気筒内へ噴射させる動作を繰り返して行わせることにより、トータルとして適正な要求燃料噴射量を燃料噴射タイミングから点火プラグが点火するまでの間に気筒内へ供給できる。
本発明の請求項2に記載の筒内噴射式内燃機関は、制御装置によって制御される燃料噴射弁から、1サイクル当たり複数回に分割して燃料を気筒内に直接噴射可能に構成した燃料供給装置、を備えた筒内噴射式内燃機関において、制御装置は、少なくとも燃料噴射弁により要求燃料噴射量を分割噴射する時の1回当たりの噴射量が前記燃料噴射弁で制御可能な最小噴射量以下であり、かつ要求燃料噴射量が、第1回目の噴射と第2回目の噴射との間隔と、第2回目の噴射と第3回目の噴射との間隔とを異ならせることで噴射間隔を相違させたパターンによる分割噴射によって実際に噴射されたトータルの噴射量と要求燃料噴射量との間で比例関係が維持できない非線形性限界の閾値以上である場合に、要求燃料噴射量に相当するトータルの噴射量を分割噴射回数で除算して求めた、分割された1回分の噴射量を燃料噴射弁によりパターンで燃料噴射タイミングから点火プラグが点火するまでの間に分割噴射するトータル噴射量制御を行うことを特徴とする。
上述のように構成することにより、分割噴射を行う際に、燃料噴射弁で制御可能な最小噴射量以下で、かつ要求燃料噴射量が、第1回目の噴射と第2回目の噴射との間隔と、第2回目の噴射と第3回目の噴射との間隔とを異ならせることで噴射間隔を相違させたパターンによる分割噴射によって実際に噴射されたトータルの噴射量と要求燃料噴射量との間で比例関係が維持できない非線形性限界の閾値以上となるより微少な燃料の噴射量で、所定の分割回数だけより微少な噴射量の燃料を気筒内へ噴射させる動作を繰り返して行わせることにより、トータルとして適正な要求燃料噴射量を燃料噴射タイミングから点火プラグが点火するまでの間に気筒内へ供給できる。
本発明の筒内噴射式内燃機関によれば、分割噴射を行う際に、一回の噴射動作での微少な燃料の噴射量が燃料噴射弁の最小噴射量を下回る場合であっても、所定の分割回数だけ微少な噴射量の燃料を気筒内へ噴射させる動作を繰り返して行わせることにより、トータルとして内燃機関の機関運転条件に応じて要求される適正な燃料の量(要求燃料噴射量)を気筒内へ供給できるという効果がある。
本発明の筒内噴射式内燃機関に関する実施の形態について、図1乃至図6により説明する。
図1は、筒内噴射式内燃機関が備える単一の気筒の要部を取り出して示す断面概略構成図であり、1は筒内噴射式内燃機関全体を示す。
この筒内噴射式内燃機関1は、燃料供給装置2と、複数の気筒30a〜30d(例えば、4気筒)を備えた内燃機関本体3と、内燃機関本体3に接続される吸気経路5と、この内燃機関本体3に接続される排気経路6と、筒内噴射式内燃機関1の運転を制御する制御装置であるECU(Electronic Control Unit)7とを有する。
このECU7は、入力信号や出力信号の入出力を行う入出力部(I/O)71と、処理部72と、燃料噴射量マップなどの各種マップなどを格納する記憶部73とを有する。処理部72は、メモリおよびCPU(Central Processing Unit)により構成されている。なお、記憶部73は、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、ROM(Read Only Memory)のような読み出しのみが可能なメモリ、あるいはRAM(Random Access Memory)のような読み書きが可能なメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
この筒内噴射式内燃機関1では、燃料供給装置2により燃料タンク22内に貯留されている燃料(例えばガソリン)を各気筒30a〜30dに供給する。この燃料供給装置2は、燃料噴射弁(インジェクタ)21と、燃料タンク22と、フィードポンプである送給燃料ポンプ23と、高圧ポンプ24と、デリバリパイプ75と、燃料供給配管(図示せず)とを備える。
また、この筒内噴射式内燃機関1を装着した車両には、燃料供給装置2を操作する指令を入力するためのアクセルペダルを設け、このアクセルペダルの踏み込み量に対応したアクセル開度を検出して、検出信号をECU7へ伝達するアクセルペダルセンサ74を設ける。
この燃料供給装置2では、内燃機関本体3の気筒30a〜30dごとに、図1及び図2に示すように、燃料噴射弁21を配置する。各燃料噴射弁21は、例えば各燃焼室部Aの外周近くの所定位置に、燃料噴射弁21の軸方向がピストンの摺動方向に対して傾斜するように配置する。
各燃料噴射弁21は、共通のデリバリパイプ75を介して高圧ポンプ24に接続されている。このデリバリパイプ75には、パイプ内の燃料圧を検出する燃圧センサ76を設ける。この燃圧センサ76は、検出した燃料圧の検出信号をECU7へ送信するよう構成する。
図1に示すように、この燃料供給装置2では、燃料タンク22内に貯留されている燃料(例えば、ガソリン)を送給燃料ポンプ23により加圧して燃料配管内に送り込むことにより高圧ポンプ24に圧送する。
この高圧ポンプ24は、例えば図1に示すように、バルブ装置36のインテークカムシャフト43の回転力により駆動されるよう構成する。この高圧ポンプ24は、ECU7からの高圧ポンプ制御信号で制御されて、高圧ポンプ24内に流入した燃料をさらに加圧し、デリバリパイプ75を介して燃料噴射弁21に圧送する。
この燃料噴射弁21に圧送された燃料は、図2に示すように、燃料噴射弁21が開動作されたときに内燃機関本体3の燃焼室部A内に直接噴射される。図1に示すように、このときの燃料噴射弁21の燃料噴射量(筒内噴射式内燃機関1に供給する燃料の供給量)や噴射タイミング等に関する燃料噴射制御は、アクセルペダルセンサ74により検出されたアクセル開度等の指令信号に基づいて、制御装置であるECU7で制御する。
この筒内噴射式内燃機関1の内燃機関本体3は、シリンダブロック31と、このシリンダブロック31に締結して一体化したシリンダヘッド32と、気筒30a〜30dごとに設けられるピストン33及びコンロッド34と、クランクシャフト35と、気筒30a〜30dごとに設けられる点火プラグ36と、バルブ装置4とを有する。
図1及び図2に示すように、この内燃機関本体3の各気筒30a〜30dには、それぞれピストン33と、シリンダブロック31の燃焼室と、シリンダヘッド32とにより囲まれた燃焼室部Aが構成される。
シリンダヘッド32には、各気筒30a〜30dの燃焼室部Aに対応して、吸気経路5に接続する吸気ポート37と、排気経路6に接続する排気ポート38とを形成する。
図1に示すように、各気筒30a〜30dに装着されるピストン33は、コンロッド34に回転自在に支受されている。コンロッド34は、クランクシャフト35に回転自在に支受されている。
すなわち、内燃機関本体3は、各気筒30a〜30dの筒内である燃焼室部A内で吸入空気と燃料の混合ガスを燃焼させることによりピストン33をシリンダブロック31内で往復運動させ、この往復運動をクランクシャフト35の回転運動に変換して出力するよう構成する。
なお、シリンダブロック31には、ノック発生検出手段であるノックセンサNを配置する。このノックセンサNは、例えば振動により電圧が変化する圧電素子によって構成し、内燃機関本体3でノックが発生したときの振動により変化した電圧に基づいてノックを検出し、ECU7に出力する。
内燃機関本体3の各気筒30a〜30dには、点火プラグ36を配置する。この点火プラグ36は、点火時期調整手段として機能するECU7からの点火信号を受けて点火し、各気筒30a〜30dの燃焼室部A内の混合ガスを着火させる。点火プラグ36の点火タイミング等に関わる点火制御は、制御装置であるECU7で行う。
また、内燃機関本体3には、クランクシャフト35の角度であるクランク角度(CA)を検出してECU7に出力する、機関回転数検出手段として機能するクランク角度センサ39を配置する。なお、ECU7は、このクランク角度センサ39により検出されたクランク角度から筒内噴射式内燃機関1の機関回転数の算出や各気筒30a〜30dにおける気筒の判別を行う。
この内燃機関本体3には、吸気バルブ41と排気バルブ42とに開閉動作を行わせるためのバルブ装置4を設ける。このバルブ装置4は、気筒30a〜30dごとに設けられる吸気バルブ41及び排気バルブ42と、インテークカムシャフト43と、エキゾーストカムシャフト44と、図示しない吸気バルブタイミング機構とを有する。
バルブ装置4の吸気バルブ41は、吸気ポート37と燃焼室部Aとの間の開口部分に配置され、インテークカムシャフト43が回転することにより開閉動作が行われるように構成する。また、バルブ装置4の排気バルブ42は、排気ポート38と燃焼室部Aとの間の開口部分に配置され、エキゾーストカムシャフト44が回転することにより開閉動作が行われるように構成する。
バルブ装置4のインテークカムシャフト43およびエキゾーストカムシャフト44は、タイミングチェーンを介してクランクシャフト35に連結し、このクランクシャフト35の回転に連動して回転するよう構成する。
図示しないが、バルブ装置4の吸気バルブタイミング機構は、インテークカムシャフト43とクランクシャフト35との間の位置に配置する。この吸気バルブタイミング機構は、連続可変バルブタイミング機構として構成し、インテークカムシャフト43の位相を連続的に変化させる。
なお、このバルブ装置4では、吸気バルブタイミング機構により、吸気バルブ41の開閉時期を調整するが、これに限定されるものではなく、例えば排気バルブ42の開閉時期を調整する排気バルブタイミング機構を設けても良い。
また、内燃機関本体3には、動弁機構として、運転状態に応じて吸気バルブ41と排気バルブ42とを最適な開閉タイミングに制御する吸気・排気可変動弁機構(VVT:Variable Valve Timing−intelligent)を設けても良い。
この吸気・排気可変動弁機構は、図示しないが、インテークカムシャフト43とエキゾーストカムシャフト44との軸端部にVVTコントローラを装着し、オイルコントロールバルブからの油圧をこのVVTコントローラの進角室及び遅角室に作用させることによりカムスプロケットに対するカムシャフトの位相を変更し、吸気バルブ41と排気バルブ42の開閉時期を進角または遅角に設定する。
また、バルブ装置4には、インテークカムシャフト43の回転位置を検出してECU7に出力するためのインテークカムポジションセンサ46を設ける。
内燃機関本体3の吸気経路5は、外部から空気を吸気し、この吸入された空気を内燃機関本体3の各気筒30a〜30dの筒内である燃焼室部A内に導入する。この吸気経路5は、エアクリーナ51と、エアフロメータ52と、スロットルバルブ53と、エアクリーナ51から各気筒30a〜30dの吸気ポート37までを連通する吸気通路54とを有する。
この吸気経路5では、エアクリーナ51により粉塵が除去された空気を吸気通路54および吸気ポート37を介して、各気筒30a〜30dの各燃焼室部Aに導入する。この吸気経路5に設けるエアフロメータ52は、吸入空気量検出手段であり吸気経路5から吸入され各気筒30a〜30dに導入される吸入空気量を検出し、ECU7に出力する。
この吸気経路5に設ける、燃焼室部Aに供給する吸入空気量を調整制御する空気量調整手段として機能するスロットルバルブ53は、各気筒30a〜30dの燃焼室部Aに導入する吸入空気量を調整する。この空気量調整手段として機能するスロットルバルブ53は、ステッピングモータなどのアクチュエータ53aにより駆動されるよう構成する。この空気量調整手段として機能するスロットルバルブ53のバルブ開度の制御、すなわちバルブ開度制御は、ECU7がアクチュエータ53aによってスロットルバルブ53のバルブ開度を調整することにより行われる。
また、内燃機関本体3に接続される排気経路6は、排気ガス浄化触媒61と、図示しない消音装置と、各気筒30a〜30dの排気ポート38から排気ガス浄化触媒61を介して消音装置までを連通する排気通路62と、A/Fセンサ63と、O2センサ64とを有する。
排気経路6に設けられる排気ガス浄化触媒61は、排気通路62を介して吸入された排気ガスに含まれる有害物質、例えば窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)を浄化するものである。排気ガス浄化触媒61で有害物質が浄化された排気ガスは、排気通路および図示しない消音装置を通って外部に排気される。
排気経路6に設けられるA/Fセンサ63は、排気ガスの空燃比にほぼ比例する出力特性を有する空燃比センサ(空燃比検出手段)で構成する。このA/Fセンサ63は、排気通路62のうち排気ガス浄化触媒61の上流側に配置する。
このA/Fセンサ63は、各燃焼室部Aから排気経路6に排気された排気ガスのうち、排気ガス浄化触媒61に吸入される前の排気ガスの排気ガス空燃比を検出し、ECU7に出力する。なお、A/Fセンサ63は、O2センサで構成してもよい。
また、ECU7は、筒内噴射式内燃機関の運転時の制御において、A/Fセンサ63により検出された排気ガス空燃比に基づいて、吸入された空気と燃料とからなる混合ガスの空燃比、すなわち筒内噴射式内燃機関1の空燃比を算出する。
排気経路6に設けられるO2センサ64は、排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサ(酸素濃度検出手段)で構成する。このO2センサ64は、排気通路62のうち排気ガス浄化触媒61の下流側に配置する。このO2センサ64は、各燃焼室部Aから排気経路6に排気された排気ガスのうち、排気ガス浄化触媒61を通過した後の排気ガスの酸素濃度を検出し、ECU7に出力する。
ECU7には、筒内噴射式内燃機関1を制御して運転するため、車両の各所に取り付けられたセンサから、各種入力信号が入力される。このECU7に入力される入力信号には、例えば、クランクシャフト35に取り付けられたクランク角度センサ39により検出されたクランク角度、エアフロメータ52により検出された吸入空気量、アクセル開度センサ74により検出されたアクセル開度、A/Fセンサ63により検出された排気ガス空燃比、O2センサ64により検出された酸素濃度、車両の走行速度を検出するため車輪の回転軸に設けられた車速センサ(図示せず)から出力された車速を示す信号(車速信号)、ノッキング(ノック振動)を検知するノックセンサから出力された信号、デリバリパイプ75内の燃料圧を検出した燃圧センサ76の検出信号等がある。
このECU7は、筒内噴射式内燃機関1の運転制御のため、上述した入力信号および記憶部73に格納されている吸入空気量およびアクセル開度に基づいた燃料噴射量マップ等の各種マップ、後述するトータルの燃料噴射時間τと実際に噴射されたトータルの噴射燃料量qとの図3に示す内容に関わるデータマップ、及び後述するトータルの燃料噴射時間τと実際に噴射されたトータルの噴射燃料量qとの図4に示す内容に関わるデータマップ等に基づいて各種出力信号を出力する。
このECU7が筒内噴射式内燃機関1の運転制御のため出力する出力信号には、例えば、燃料噴射弁21の燃料噴射制御を行う噴射信号、点火プラグ36の点火制御を行う点火信号、スロットルバルブ53のバルブ開度制御を行うバルブ開度信号などがある。
この筒内噴射式内燃機関では、ECU7に制御されて次のような運転動作を行う。
この筒内噴射式内燃機関では、燃料タンク22内の燃料を送給燃料ポンプ23から高圧ポンプ24に供給して高圧に加圧してからデリバリパイプ75に圧送する。
このようにしてデリバリパイプ75に送られた高圧の燃料は、各燃料噴射弁21に分配供給され、この燃料噴射弁21の開弁動作時に噴孔部から燃焼室部A内に噴射される。
この燃焼室部Aでは、噴射された燃料と、吸気経路5を通じて供給された吸入空気とが混合されて燃焼される。そして、燃焼後の排気は、燃焼室部Aから排気経路6に排出される。
このような筒内噴射式内燃機関の運転動作時に、ECU7は、燃料噴射弁21から実際に噴射される燃料の量を制御するため、燃料噴射時間である燃料噴射弁21の開弁時間と、燃料噴射圧であるデリバリパイプ75内の燃料圧とに応じて決定する。
このため、ECU7は、機関運転状態に基づいてデリバリパイプ75内の燃料圧の目標値である燃料噴射圧の目標値を設定すると共に、燃圧センサ76の検出信号に基づいて燃料圧の実際値を検出する。
そして、ECU7は、この実際の燃料圧がその目標値と一致するように、高圧ポンプ24の吐出量をフィードバック制御する。すなわちECU7は、高圧ポンプ24の吐出量を制御することによって、燃料噴射圧を機関運転状態に応じて制御する。
また、ECU7は、機関運転状態(例えば、通常はエンジン負荷Neとエンジン回転数KLとを利用するが、ここでは機関回転速度及びアクセル開度並びに機関冷却水温等)に基づいて燃料噴射量の要求値(要求燃料噴射量qt)を算出する。
そして、ECU7は、要求燃料噴射量qtと燃料噴射圧とに基づいて燃料噴射時間を算出し、この燃料噴射時間に基づいて各気筒の燃料噴射弁21を開閉制御する。
次に、この筒内噴射式内燃機関において、ECU7が実行する、燃料噴射制御に関わる燃料の分割(マルチ)噴射について説明する。
この筒内噴射式内燃機関をECU7が制御して比較的に高速高負荷領域で運転する際に分割噴射の噴射調量を実行する場合に、複数回に分割して行なわれる各燃料噴射での燃料噴射時間τ(燃料噴射量)が、燃料噴射弁21において制御可能な最小通電時間(最小噴射時間)τminよりも長い(最小噴射量よりも多い)と判断されるときには、従来から行われている、1回の燃料噴射時に燃料噴射弁21から噴射する噴射量を所要量に制御して噴射する動作を、所定回数繰り返す分割噴射の制御を実行する。
また、筒内噴射式内燃機関をECU7が制御して比較的に低速低負荷運転領域で運転する際に分割噴射を実行する場合に、複数回に分割して行なわれる各燃料噴射での燃料噴射時間τ(燃料噴射量)が、燃料噴射弁21において制御可能な最小通電時間(最小噴射時間)τminよりも短い(最小噴射量よりも少ない)と判断されたときには、トータル噴射量で制御して噴射する噴射調量を行う、トータル噴射量制御方式の分割噴射の制御を実行する。
このトータル噴射量制御方式の分割噴射の制御では、燃料噴射弁21が複数回に分割して分割噴射したときのトータル噴射量を安定した噴射量に制御できる条件の範囲内で、ECU7が、機関運転状態に基づいて算出された燃料噴射量の要求値である要求燃料噴射量qtを分割噴射回数で除算して得た、1回当たりの燃料の噴射量を燃料噴射弁21から噴射させる動作を分割した回数だけ繰り返す。
この燃料噴射弁21では、トータルの燃料噴射時間τと実際に噴射されたトータルの噴射燃料量qとの間に、図3に示すような関係があることが実験によって解った。
この図3に示す実験では、燃料噴射弁21から1回から5回に渡りトータルで所要の燃料噴射時間τとなるようにする噴射調量で燃料を噴射させる制御を行って、実際に噴射されたトータルの噴射燃料量qを測定した。
この図3に示す実験では、1回だけで全量の要求燃料噴射量qtを噴射させたときのデータをL1で示し、全量の要求燃料噴射量qtを2回に分割して噴射させたときのデータをL2で示し、全量の要求燃料噴射量qtを3回に分割して噴射させたときのデータをL3で示し、全量の要求燃料噴射量qtを4回に分割して噴射させたときのデータをL4で示し、全量の要求燃料噴射量qtを5回に分割して噴射させたときのデータをL5で示す。
この図3に示す実験結果から、筒内噴射式内燃機関では、単数又は複数回の噴射動作を行ったときに、トータルの燃料噴射時間τと、トータルの実際に噴射された噴射燃料量qとの間で、比例関係が維持できない非線形性限界(制御可能な最小噴射量の限界である最小噴射時間τmin)となる閾値があることが判明した。
この図3に示す実験結果から解るように、トータルの噴射量で非線形性限界(噴射量のトータルで制御可能な最小噴射量の限界である最小噴射時間τmin)となる閾値は、1回だけで全量の要求燃料噴射量qtを噴射させたときのデータL1でのトータル最小噴射時間τmin1から全量の要求燃料噴射量qtを5回に分割して噴射させたときのデータL5でのトータル最小噴射時間τmin5にかけて増加する傾向を示す。
しかし、全量の要求燃料噴射量qtを5回に分割して噴射させたときのデータL5に示すトータル最小噴射時間τmin5を5回に分割したときの1回の噴射時間τminは、1回だけで全量の要求燃料噴射量qtを噴射させたときのデータL1でのトータル最小噴射時間τmin1と比較して、十分に小さくできることが、図3から確認できる。
その理由は、次のようなものであると考えられる。まず、デリバリパイプ75内にある加圧された燃料は、燃料噴射弁21から燃料を噴射するときに減圧されるので、微視的に見ると圧力変動の振動状態(いわゆる、燃圧うねりの状態)にあると考えられる。
このような燃圧うねりの状態で、燃料噴射弁21から微少量の燃料噴射を行うと、デリバリパイプ75内で生じている圧力変動の誤差に起因して、噴射燃料量に大きな誤差を生じることになる。
さらに、燃料噴射弁21における燃料噴射動作に携わるインジェクタニードル挙動の変動も、噴射燃料量に大きな誤差を生じる要因であると考えられる。
よって、1回だけで全量の要求燃料噴射量qtを噴射させたときのデータL1での最小噴射時間τmin1が比較的大きな値となる。
しかし、複数回燃料噴射したときのトータルで全量の要求燃料噴射量qtを噴射するように噴射調量を行った場合には、各噴射動作時における燃圧うねりの状態の誤差(ばらつき)とインジェクタニードル挙動の変動の誤差(ばらつき)等が、相互にキャンセルしあって、トータルとしての誤差が軽減されるので、噴射量のトータルで制御可能な最小噴射量の限界である最小噴射時間τminX(トータルでの最小噴射量)が、1回で全量の要求燃料噴射量qtを噴射させたときのデータL1での最小噴射時間τmin1と比較して小さな値となると考えられる。
よって、複数回に分割して行なわれる各燃料噴射での燃料噴射時間τ(分割された1回の燃料噴射量)が、燃料噴射弁21において制御可能な最小通電時間(最小噴射時間)τmin(最小噴射量)以下の場合で、かつトータルの噴射量で非線形性限界(噴射量のトータルで制御可能な最小噴射量の限界である最小噴射時間τminX)となる閾値以上の範囲内にあるという条件の下において、燃料噴射弁21の燃料噴射量を制御するときには、トータル噴射量制御方式の分割噴射の制御が有効であることが解る。
すなわち、分割噴射時の1回の噴射量が、制御可能な最小通電時間(最小噴射時間τmin(最小噴射量)以下で、かつ分割噴射時のトータルの噴射量が、トータルでの最小噴射時間τminX以上である場合には、ECU7がトータルでの最小噴射時間τminXを分割噴射回数で除算して求めた、分割された1回分の噴射時間τminに噴射量を調量して噴射動作を行うトータル噴射量制御方式の分割噴射の制御を実行する。
このトータル噴射量制御方式の分割噴射の制御は、筒内噴射式内燃機関の冷間始動時であって、ECU7が制御して比較的に低速低負荷運転領域で運転する際に実施することによって、噴射燃料が燃焼室部Aの筒内壁面付着に起因するスモークの発生と潤滑オイルの希釈を抑制でき、排気ガス中に含まれる未燃焼炭化水素(HC)を低減させることができる。
その理由は、第1に、トータル噴射量制御方式の分割噴射の制御によって、燃焼室部A内に分割して噴射される燃料噴射量をトータルの噴射量が所定量となるように管理する制御を行うので、燃焼室部A内へ噴射される燃料の総量を正確に管理できるためである。
第2に、このトータル噴射量制御方式の分割噴射の制御では、所定の分割回数だけ微少な噴射量の燃料を気筒内へ噴射させる動作により、1回の噴射で燃焼室部A内へ必要な貫徹力まで弱めて噴射して噴射燃料が燃焼室部Aの筒内壁面に付着することを抑制し、この後に開いた吸気バルブ41側から空気が吸入されてから次回の噴射で燃料を燃焼室部A内へ必要な貫徹力まで弱めて噴射し、さらに空気が吸入されてから次回の噴射を行うという動作の繰り返しによって、噴射燃料を吸入空気と十分に混合できるためである。
次に、トータル噴射量制御方式の分割噴射の制御を行う際に、分割噴射の間隔を所定の噴射パターンに設定して、トータルの燃料噴射時間τと、実際に噴射されたトータルの噴射燃料量qとの、τ−qの線形関係の式 qt=aτt+b における係数a、bを変えて制御調量を実施する場合について、図4により説明する。
この図4に示すトータル噴射量制御方式の分割噴射の制御では、3回の分割噴射を行うときに、第1回目の噴射と第2回目の噴射との間隔と、第2回目の噴射と第3回目の噴射との間隔とを異ならしめるようにした所定の噴射パターンとなるように制御する。
この図4に示すトータル噴射量制御方式の分割噴射の制御では、第1回目の噴射から最終の第N回目の噴射までにおける各噴射間隔を相違させたパターン(相互の近接度の変動させるように間隔を設定したパターン又は不等間隔に設定したパターン)の内、トータルの噴射量で非線形性限界(噴射量のトータルで制御可能な最小噴射量の限界である最小噴射時間τminX)となる閾値を、より小さくできるパターンを実験等で予め求めて単数又は複数のパターン(例えば、図4に示す全量の要求燃料噴射量qtを3回に分割し、間隔を変えて噴射させたときのデータをL3A、と他の分割噴射間隔にしたときのデータをL3B)を用意しておき、τ−qの線形関係の式 qt=aτt+b における係数a、bを変えて制御調量を特定して実施できるように準備しておく。
そして、図4に示すトータル噴射量制御方式の分割噴射の制御では、予め用意したパターンの内から所要のパターンを選択し、このパターンに基づいて各分割噴射のタイミングを設定して制御する。
この図4に示すトータル噴射量制御方式の分割噴射の制御では、トータルの噴射量で非線形性限界(噴射量のトータルで制御可能な最小噴射量の限界である最小噴射時間τminX)となる閾値を、より小さくできるので、制御の性能を向上できる。
この図4に示すトータル噴射量制御方式の分割噴射の制御では、燃料噴射弁21から第1回目の燃料噴射を行うと、例えば図6に示すように、燃圧うねり(燃料の圧力振動)を生じる。
そこで、この図4に示すトータル噴射量制御方式の分割噴射の制御では、第1回目の燃料噴射によって生じる燃料の圧力振動上の圧力の最大点FAで、第2回目の燃料噴射を行うことにより、燃料の圧力振動の振幅を抑制して、トータルの噴射量で非線形性限界(噴射量のトータルで制御可能な最小噴射量の限界である最小噴射時間τminX)となる閾値をより小さくさせるようにする。
または、この図4に示すトータル噴射量制御方式の分割噴射の制御では、第1回目の燃料噴射によって生じる燃料の圧力振動上の平均値の圧力となった時点FBで、第2回目の燃料噴射を行うことにより、分割噴射を行う各タイミングにおいてデリバリパイプ75内の燃料の圧力が一定となるようにして、トータルの噴射量で非線形性限界(噴射量のトータルで制御可能な最小噴射量の限界である最小噴射時間τminX)となる閾値をより小さくさせるようにしても良い。
次に、この筒内噴射式内燃機関でECU7により、燃料噴射の制御を行う場合における具体的な処理手順の一例について、図5のフローチャートにより説明する。
この筒内噴射式内燃機関の燃料噴射の制御では、ECU7が、ステップS1で、機関運転状態(例えば機関回転速度及びアクセル開度並びに機関冷却水温等)に基づいて燃料噴射量の要求値である要求燃料噴射量qtを算出し、次のステップS2へ進む。
ステップS2では、ECU7が、筒内噴射式内燃機関において、分割噴射の処理を行う条件に適合するか否かを判断し、分割噴射の処理を行うと判断したときにステップS3へ進み、分割噴射の処理を行わないと判断したときにステップS4へ進む。
ステップS4では、ECU7が、分割噴射の処理を行わない場合であるから、要求燃料噴射量qtを、燃料噴射弁21から1回で噴射する処理を実行し、この制御ルーチンを終了する。
また、ステップS3へ進んだ場合には、複数回に分割して行なわれる各燃料噴射での燃料噴射時間τ(燃料噴射量)が、燃料噴射弁21において制御可能な最小通電時間(最小噴射時間)τminよりも短い(最小噴射量よりも少ない)か否かをECU7が判断し、分割噴射での1回の燃料噴射時間τが、最小通電時間τminよりも短いと判断(肯定判定)された場合にステップS5へ進み、長いと判断(否定判定)されたときにステップS6へ進む。
ステップS6では、ECU7が筒内噴射式内燃機関を制御して、従来から行われている、1回の燃料噴射時に燃料噴射弁21から噴射する噴射量を所要量に制御して噴射する動作を、所定回数繰り返す分割噴射の制御を実行し、この制御ルーチンを終了する。
また、ステップS5では、ECU7がトータル噴射量制御方式の分割噴射の制御を行う際に、分割噴射の間隔が異なる所定の噴射パターンに基づいて制御する条件に適合するか否かを判断し、所定の噴射パターンに基づいて制御しないと判断(否定判定)した場合にステップS7へ進み、所定の噴射パターンに基づいて制御すると判断(肯定判定)した場合にステップS8へ進む。
ステップS7では、トータル噴射量制御方式において、ECU7が図3に示すような一定の間隔で分割噴射の制御を実行し、この制御ルーチンを終了する。
また、ステップS8では、トータル噴射量制御方式において、ECU7が図4に示すような所定パターンに基づく異なる間隔で分割噴射の制御を実行し、この制御ルーチンを終了する。
上述した図5のフローチャートに示される一連の処理は、筒内噴射式内燃機関における各気筒の燃料噴射タイミングが到来する毎にECU7によって繰り返し実行される。
なお、前述した本実施の形態では、複数回に分割して行なわれる各燃料噴射での燃料噴射時間τ(燃料噴射量)が、燃料噴射弁21において制御可能な最小通電時間(最小噴射時間)τminよりも長い(最小噴射量よりも多い)と判断されるときに、従来から行われている1回の燃料噴射時に燃料噴射弁21から噴射する噴射量を所要量に制御して噴射する動作を、所定回数繰り返す分割噴射の制御を実行するものについて説明したが、このときに、トータル噴射量で制御して噴射する噴射調量を行う、図3で説明した等間隔で分割噴射する制御又は図4で説明した不等間隔で分割噴射する制御による、トータル噴射量制御方式の分割噴射の制御を実行するようにしても良いことは勿論である。
また、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、その他種々の構成を採り得ることは勿論である。
本発明の筒内噴射式内燃機関の実施の形態に係る、制御システムを備えた筒内噴射式内燃機関の要部を示す概略説明図である。 本発明の筒内噴射式内燃機関の実施の形態に係る、一つの気筒の要部を取り出して、燃料噴射を行う状態を示す要部断面概略構成図である。 本発明の筒内噴射式内燃機関の実施の形態に係る、等間隔で分割噴射した際のトータルの燃料噴射時間τと実際に噴射されたトータルの噴射燃料量qとの関係を示す線図である。 本発明の筒内噴射式内燃機関の実施の形態に係る、異なる間隔で分割噴射した際のトータルの燃料噴射時間τと実際に噴射されたトータルの噴射燃料量qとの関係を示す線図である。 本発明の筒内噴射式内燃機関の実施の形態に係る、燃料噴射の制御における具体的な処理手順を示すフローチャートである。 本発明の筒内噴射式内燃機関の実施の形態に係る、燃料噴射弁へ加圧された燃料を供給するデリバリパイプ内の圧力が、1回の燃料噴射で燃圧うねりを生じた状態を示す説明図である。
符号の説明
1 筒内噴射式内燃機関
2 燃料供給装置
3 内燃機関本体
7 ECU
21 燃料噴射弁
24 高圧ポンプ
30a〜30d 気筒
33 ピストン
72 処理部
73 記憶部
74 アクセルペダルセンサ
75 デリバリパイプ
76 燃圧センサ

Claims (2)

  1. 制御装置によって制御される燃料噴射弁から、1サイクル当たり複数回に分割して燃料を気筒内に直接噴射可能に構成した燃料供給装置、を備えた筒内噴射式内燃機関において、
    前記制御装置は、
    少なくとも前記燃料噴射弁により要求燃料噴射量を分割噴射する時の1回当たりの噴射量が前記燃料噴射弁で制御可能な最小噴射量以下であり、かつ前記要求燃料噴射量が、一定の間隔での分割噴射によって実際に噴射されたトータルの噴射量と前記要求燃料噴射量との間で比例関係が維持できない非線形性限界の閾値以上である場合に、
    前記要求燃料噴射量に相当するトータルの噴射量を分割噴射回数で除算して求めた、分割された1回分の噴射量を前記燃料噴射弁により前記一定の間隔で燃料噴射タイミングから点火プラグが点火するまでの間に分割噴射するトータル噴射量制御を行う
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関。
  2. 制御装置によって制御される燃料噴射弁から、1サイクル当たり複数回に分割して燃料を気筒内に直接噴射可能に構成した燃料供給装置、を備えた筒内噴射式内燃機関において、
    前記制御装置は、
    少なくとも前記燃料噴射弁により要求燃料噴射量を分割噴射する時の1回当たりの噴射量が前記燃料噴射弁で制御可能な最小噴射量以下であり、かつ前記要求燃料噴射量が、第1回目の噴射と第2回目の噴射との間隔と、第2回目の噴射と第3回目の噴射との間隔とを異ならせることで噴射間隔を相違させたパターンによる分割噴射によって実際に噴射されたトータルの噴射量と前記要求燃料噴射量との間で比例関係が維持できない非線形性限界の閾値以上である場合に、
    前記要求燃料噴射量に相当するトータルの噴射量を分割噴射回数で除算して求めた、分割された1回分の噴射量を前記燃料噴射弁により前記パターンで燃料噴射タイミングから点火プラグが点火するまでの間に分割噴射するトータル噴射量制御を行う
    ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関。
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