JP4779772B2 - カラーフィルターおよびこれを用いた液晶表示装置 - Google Patents
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Description
このようなセルギャップを維持する方法としては、例えば、上記液晶層中にスペーサーとしてガラス、アルミナ又はプラスチック等からなる一定サイズの球状又は棒状粒子のビーズをランダムに多数散在させる方法が知られている。
このような方法は、位置を問わず上記液晶層中にビーズをランダムに散在させることにより上記セルギャップを維持できるため、液晶表示装置の製造工程を簡略できるという利点を有することから、現在、広く用いられるに至っている。
しかしながら、このような方法により上記セルギャップを維持した場合、カラーフィルターの全面にビーズが散布されることになるため、着色層上にもビーズが散布されてしまい、上記スペーサーが無色透明な場合、遮光状態では輝点となり、また上記スペーサーが黒色の場合、透過状態で黒点となってしまうという問題があった。
また、上記隔壁部は、上記透明電極層であり、かつ上記遮光部が形成された範囲内に形成されていることから、上記スペーサー部が形成されることにより表示品質が低下することがなく、本発明のカラーフィルターを液晶表示装置に用いた際に、着色層の輝度低下等が生じることが少ないものとすることができる。
このようなことから、本発明によれば、スペーサー部が表示品質を損なわない領域に高精度で形成され、表示品質に優れたカラーフィルターを提供することができる。
また、上記液晶配向制御用突起部が形成されていることにより、本発明のカラーフィルターをMVA方式の液晶表示装置に好適に用いられるものにできるからである。
以下、本発明のカラーフィルターおよび液晶表示装置について詳しく説明する。
まず、本発明のカラーフィルターについて説明する。本発明のカラーフィルターは、基材と、上記基材上にパターン状に形成された遮光部と、上記基材の上記遮光部により区画された開口部を覆うように形成された着色層と、上記遮光部および上記着色層を覆うように形成された透明電極層と、上記透明電極層上であり、かつ、上記遮光部が形成された範囲内に形成された枠状の隔壁部と、上記隔壁部の内側に形成され、ビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部と、を有することを特徴とするものである。
したがって、本発明によれば、セルギャップを調整するためのスペーサー部が、表示品質を損なわない領域に高精度で形成され、表示品質に優れたカラーフィルターを提供することができる。
まず、本発明に用いられる隔壁部について説明する。本発明に用いられる隔壁部は、後述するスペーサー部を形成する位置を決定する機能を有するものであり、枠状の形状を有し、後述する透明電極層上であって、かつ、後述する遮光部が形成された範囲内に形成されたものである。
本発明のカラーフィルターは、このような隔壁部の内側にスペーサー部が形成された構成を有することから、表示品質を損なわない領域に高精度で形成され、表示品質に優れたカラーフィルターを提供することができるのである。
以下、このような隔壁部について詳細に説明する。
このような形状としては、例えば、隔壁部を上面からみた外周の形状が、円形状であってもよく、多角形状であってもよい。なかでも本発明においては、本発明のカラーフィルターが、後述する液晶配向制御用突起部が形成されたものである場合においては、上記隔壁部の形状が、上記液晶配向制御用突起部の長手方向と平行な辺を少なくとも1辺有する多角形の枠状であることが好ましい。その理由は次の通りである。すなわち、上記液晶配向制御用突起部は、そのパターンに沿って液晶分子を配列する機能を有するものであるところ、上記隔壁部の形状が、上記液晶配向制御用突起部の長手方向と平行である辺を少なくとも1辺有する多角形の枠状であることにより、上記液晶配向制御用突起部の作用により制御された液晶分子の配列が、上記隔壁部の存在によって損なわれてしまうことを防止できるからである。
なお、液晶配向制御用突起部に用いられる材料については、後述する「7.カラーフィルター」の項において詳しく説明するのでここでの説明は省略する。
また、フッ素を含有する隔壁部は、例えば、樹脂材料を用いて形成された隔壁部に、フッ化炭素(CF4)、窒化フッ素(NF3)、フッ化硫黄(SF6)、C2Cl3F3、C2F6、C3F6等フッ素化合物を導入ガスとしてプラズマを照射する方法により容易に形成することができるからである。上記プラズマの照射方法としては、例えば、大気圧プラズマ照射法を好適に用いることができる。
次に、本発明に用いられるスペーサー部について説明する。上記スペーサー部は、ビーズおよび樹脂を含有し、上述した隔壁部の内側に形成されているものであって、本発明のカラーフィルターが液晶表示装置に用いられる際、カラーフィルターと液晶駆動側基板とのギャップを一定に保つためのスペーサーとして機能するものである。
以下、このようなスペーサー部について説明する。
次に、本発明に用いられる透明電極層について説明する。本発明に用いられる透明電極層は、後述する遮光部および着色層を覆うように形成されるものである。
次に、本発明に用いられる着色層について説明する。本発明に用いられる着色層は、後述する基材上であって、遮光部により区画された開口部内に形成されるものである。
本発明に用いられる着色層は、通常、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3色で形成される。また上記着色層における着色パターン形状は、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の公知の配列とすることができ、着色面積は任意に設定することができる。
なお、本発明に用いられる着色層の具体的態様については、一般的なカラーフィルターに用いられるものと同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
次に、本発明に用いられる遮光部について説明する。本発明に用いられる遮光部は、後述する基材上にパターン状に形成されるものであって、一般的なカラーフィルターに遮光部として用いられるものと同様とすることができる。
次に、本発明に用いられる基材について説明する。本発明に用いられる基材としては、通常カラーフィルターに用いられるものであれば特に限定されるものではなく、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。
本発明のカラーフィルターは、上記基材、遮光部、着色層、透明電極層、隔壁部およびスペーサー部を有するものであれば特に限定されるものではなく、必要に応じて他の構成を有するものであっても良い。このような他の構成としては、本発明のカラーフィルターの用途等に応じて任意の構成を採用することができる。なかでも本発明においては、上記他の構成として、本発明のカラーフィルターを液晶表示装置に用いた場合に、液晶分子の配列状態を制御する液晶配向制御用突起部が形成されていることが好ましい。このような液晶配向制御用突起部が形成されていることにより、本発明のカラーフィルターをMVA方式の液晶表示装置に好適に用いられるものにすることができるからである。
また、本発明においては、このような液晶配向制御用突起部と上記隔壁部との構成材料を同一とすることにより、単一の工程で上記液晶配向制御用突起部と上記隔壁部とを形成することができるという利点を有するからである。
次に、本発明のカラーフィルターの製造方法について説明する。本発明のカラーフィルターの製造方法としては、上記構成を備えるカラーフィルターを製造できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、上記基材上に上記遮光部が形成されたカラーフィルター用基板を用い、上記遮光部の開口部内に着色層を形成する着色層形成工程と、上記着色層および遮光部を覆うように透明電極層を形成する透明電極層形成工程と、上記透明電極層上であり、かつ、上記遮光部が形成された範囲内に上記隔壁部を形成する隔壁部形成工程と、上記隔壁部の内側に上記スペーサー部を形成するスペーサー部形成工程とを用いる方法を挙げることができる。
また、上記透明電極層形成工程において透明電極層を形成する方法としては、例えば、例えばスパッタリング法、真空蒸着法等を挙げることができる。
また、上記隔壁部形成工程において隔壁部を形成する方法としては、通常、フォトリソ法が用いられる。
さらに、上記スペーサー部形成工程においてスペーサー部を形成する方法としては、例えば、上記樹脂およびビーズを、適宜溶媒等と共に混合してスペーサー部形成ビーズ分散液を作製し、インクジェット法によりこのスペーサー部形成用ビーズ分散液を塗布して硬化させる方法が用いられる。
次に、本発明の液晶表示装置について説明する。本発明のカラーフィルターは、上記本発明に係るカラーフィルターを用いたことを特徴とするものである。
このような例において本発明の液晶表示装置30は、上記カラーフィルター10として上記本発明に係るカラーフィルターが用いられていることを特徴とするものである。
このようなことから、本発明によれば表示品質に優れた液晶表示装置を得ることができる。
以下、本発明の液晶表示装置について説明する。
また、上記駆動側基板についても同様に、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて、一般的に液晶表示装置に用いられている駆動側基板として公知の構成を有するもの適宜選択して採用することができる。
さらに、上記液晶層に用いられる液晶化合物についても、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて特定の配列形態を実現することが可能な液晶化合物を適宜選択して用いることができる。
(カラーフィルター用基板の準備)
ガラス基板からなる基材と、上記基材上にパターン状に形成されて遮光部と、上記遮光部により区画された開口部に形成された着色層と、上記遮光部及び着色層を覆うように形成された透明電極層とを有するカラーフィルター用基板を準備した。
上記カラーフィルター用基板の透明電極層上に液晶配向制御用突起部及び隔壁部形成用の光硬化型樹脂物を含む塗工液をダイコート法により塗布し、次に、ホットプレート上で乾燥させ、続いて、液晶配向制御用突起部及び隔壁部に相当する部分が遮光された露光用フォトマスクを用いて、紫外線照射をし、更にアルカリ水溶液にて紫外線が照射された部分を溶解し、その後熱風循環式オーブンで熱硬化し、膜厚が約1.2μmの上記液晶配向制御用突起部及び隔壁部を得た。このとき、上記隔壁部は上記透明電極層上であり、かつ、上記遮光部が形成されている範囲内に形成した。なお、上記隔壁部は図4に示すパターンとなり、その内部面積は約500μm2(22.5μm×22.5μmの正方形)であった。
上記隔壁部内に以下の組成を有するビーズ分散液を、1滴ずつ(15pl)塗布し、ホットプレートで80℃、10分乾燥させ、その後オーブンにて230℃、30分熱した。その結果、上記隔壁内に平均5個のビーズが含有されたスペーサー部を得た。
・熱硬化型樹脂:アクリル樹脂
(主成分グリシジルメタクリレート) 3.0wt%
・希釈溶剤 :ブチルカルビトールアセテート、マロン酸ジメチル、トリアセチンの混合 95.8wt%
・ビーズ :ミクロパール(積水化学社製:平均粒径3.5μm)
1.2wt%
上記実施例1と同様の工程にて、液晶配向制御用突起部及び隔壁部を有するカラーフィルター用基板を準備し、続いて、上記隔壁部表面に下記の条件で大気圧プラズマ照射することにより、撥液化処理を行った。
・導入ガス :CF4‥‥15l/min
:N2‥‥‥25l/min
・電極−基板間距離 :2mm
・電源出力 :160V − 5A
(カラーフィルター用基板の準備)
ガラス基板からなる基材と、上記基材上にパターン状に形成された遮光部と、上記遮光部により区画された開口部に形成された着色層と、上記遮光部及び着色層を覆うように形成された透明電極層とを有するカラーフィルター用基板を準備した。
上記カラーフィルター用基板の透明電極層上に液晶配向制御用突起部のみを実施例1と同様の工程にて形成した。
実施例1と同様のスペーサ形成用ビーズ分散液を1滴(15pl)ずつ、上記透明電極層上の上記遮光部が形成されている範囲内であり、かつ、上記液晶配向制御用突起部の屈曲点の内角側に塗布したところ、ビーズが着色層上に濡れ拡がってしまった。
2 …遮光部
3 …着色層
4 …透明電極層
5 …隔壁部
6 …スペーサー部
7 …ビーズ
8 …樹脂
10 …カラーフィルター
30 …液晶表示装置
31 …カラーフィルター側基板
32 …駆動側基板
33 …液晶層
Claims (5)
- 基材と、前記基材上にパターン状に形成された遮光部と、前記基材の前記遮光部により区画された開口部を覆うように形成された着色層と、前記遮光部および前記着色層を覆うように形成された透明電極層と、前記透明電極層上であり、かつ、前記遮光部が形成された範囲内に形成された枠状の隔壁部と、前記隔壁部の内側に形成され、ビーズおよび樹脂を含有するスペーサー部と、を有するカラーフィルターであって、
前記透明電極層上に液晶配向制御用突起部が形成されており、前記隔壁部の形状が、上記液晶配向制御用突起部の長手方向と平行な辺を少なくとも1辺有する多角形の枠状であることを特徴とするカラーフィルター。 - 前記隔壁部が、前記液晶配向制御用突起部と同一の材料からなることを特徴とする、請求項1に記載のカラーフィルター。
- 前記隔壁部と、前記液晶配向制御用突起部とが一体に形成されていることを特徴とする、請求項2に記載のカラーフィルター。
- 前記隔壁部の表面にフッ素が含有されていることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルター。
- 請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルターを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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