JP4788281B2 - カラーフィルタおよび液晶表示装置 - Google Patents
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Description
まず、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、基材、および上記基材上にパターン状に複数形成された着色層を少なくとも有するカラーフィルタ用基板と、上記カラーフィルタ用基板上に形成され、ビーズおよびバインダを含有するスペーサ部とを有するカラーフィルタであって、上記スペーサ部は、上記ビーズが上記バインダにより覆われた形状とされていることを特徴とするものである。
以下、本発明のカラーフィルタの各構成ごとに詳しく説明する。
まず、本発明に用いられるスペーサ部について説明する。本発明に用いられるスペーサ部は、後述するカラーフィルタ用基板上に形成されるものであり、ビーズおよびバインダを含有するものである。また上記スペーサ部は、上記ビーズがバインダによって覆われた形状とされる。
次に、本発明に用いられるカラーフィルタ用基板について説明する。本発明に用いられるカラーフィルタ用基板は、基材、および上記基材上にパターン状に、複数形成された着色層を少なくとも有するものである。
以下、上記カラーフィルタ用基板に用いられる着色層、基材、およびカラーフィルタ用基板表面の撥液化処理についてそれぞれ説明する。
まず、本発明に用いられる着色層について説明する。本発明に用いられる着色層は、後述する基材上に、パターン状に、かつ複数形成されるものであれば特に限定されるものではない。隣り合う着色層と着色層との間には、間隙が設けられていてもよく、また隣接する着色層どうしが重なりあうように、形成されていてもよい。また上述したように、隣接する着色層どうしの間に、遮光部が設けられていてもよい。
次に、本発明に用いられる基材について説明する。本発明に用いられる基材としては、通常カラーフィルタに用いられるものであれば特に限定されるものではなく、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。
次に、本発明に好適に用いられるカラーフィルタ用基板表面の撥液化処理について説明する。本発明においては、カラーフィルタ用基板の表面が、表面張力が40mN/mの液体との接触角が30°以上、中でも表面張力が40mN/mの液体との接触角が、50°以上とすることが好ましく、特に表面張力が40mN/mの液体との接触角が、70°以上となるように撥液化処理されていることが好ましい。これにより、上記スペーサ部を形成する際、スペーサ部形成用塗工液が濡れ広がってしまうことを防止することができ、均一な高さでスペーサ部が形成されたものとすることが可能となるからである。なお、上記液体との接触角は、上記表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得られるものである。
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、上記基材および着色層を有するカラーフィルタ用基板と、上記スペーサ部とを有するものであれば特に限定されるものではない。例えば上述したように、上記カラーフィルタ用基板に、遮光部やオーバーコート層、配向膜、液晶配向制御用突起状部材等が形成されているもの等であってもよい。
次に、本発明の液晶表示装置について説明する。本発明の液晶表示装置は、上述したカラーフィルタを有するものである。本発明においては、上記カラーフィルタを有するものであれば、その構成は特に限定されるものではなく、一般的な液晶表示装置と同様とすることができる。具体的には、上記カラーフィルタと、対向して配置される液晶駆動側基板と、その対向基板との間に封入された液晶とを有するもの等とすることができる。
(カラーフィルタ用基板の準備)
ガラス基板からなる基材と、上記基材上にパターン状に形成されて遮光部と、上記遮光部により区画された開口部に形成された着色層と、上記遮光部及び着色層を覆うように形成された保護層とを有するカラーフィルタ用基板を準備した。
(撥液層形成用塗工液の準備)
下記材料を24時間常温にて攪拌し、加水分解共重合溶液を作製した。
・フルオロアルキルシラン(TSL8233 GE東芝シリコーン製)
:15.8wt%
・テトラメトキシシラン(TSL8114 GE東芝シリコーン製):52.8wt%
・0.1N塩酸 :31.6wt%
次に上記加水分解共重合溶液とイソプロピルアルコールと1,3ブタンジオールを重量比1:10:5で混合し、10分攪拌し、撥液層形成用塗工液とした。
上記撥液層形成用塗工液を上述したカラーフィルタ用基板の保護層上にダイコート法により塗布し、150℃10分乾燥させた。これにより厚さ15nmの撥液層を得た。上記撥液層の表面張力が40mN/mの液体との接触角は70°であった。上記液体との接触角は接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)によって測定した。
上記撥液層上に下記の組成を有するスペーサ部形成用塗工液を、1滴ずつ(15pl)、間隔510μmで塗布し、ホットプレートで80℃で10分乾燥させ、その後オーブンにて230℃で30分熱した。その結果直径40μmの円形状のドットが形成され、そのドットの中には平均5個のビーズが含有されたスペーサ部を得た。
[スペーサ部形成用塗工液]
熱硬化型樹脂:アクリル樹脂(主成分グリシジルメタクリレート):18.5wt%
希釈溶剤:ブチルカルビトールアセテート :80.0wt%
ビーズ:積水化学製ミクロパール 平均粒径4μm :1.5wt%
スペーサ部の断面SEM画像から、スペーサ部の形状を評価した。形成されたスペーサ部は、ビーズの表面積の1/2以上がバインダによって覆われていた。これにより、後工程でのブラシ洗浄にてビーズの剥離は皆無であった。
上記実施例1に記載されたスペーサ部形成用塗工液の組成比を下記の示すように変更した以外は、実施例1と同様の工程にてスペーサ部を形成した。
[スペーサ部形成用塗工液]
熱硬化型樹脂:アクリル樹脂(主成分グリシジルメタクリレート):5.0wt%
希釈溶剤:ブチルカルビトールアセテート :93.5wt%
ビーズ:積水化学製ミクロパール 平均粒径4μm :1.5wt%
スペーサ部の断面SEM画像から、スペーサ部の形状を評価した。形成されたスペーサ部は、ビーズの表面積の1/4のみがバインダによって覆われていた。これにより、後工程でのブラシ洗浄にてビーズが全数剥離した。
上記実施例1に記載された撥液層形成用塗工液の組成比を下記の示すように変更した以外は、実施例1と同様の工程にてスペーサ部を形成した。
[撥液層形成用塗工液]
下記材料を24時間常温にて攪拌し、加水分解共重合溶液を作製した。
・アルキルシラン(LS-890 信越シリコーン製) …15.8wt%
・テトラメトキシシラン(TSL8114 GE東芝シリコーン製) …52.8wt%
・0.1N塩酸 …31.4wt%
次に上記加水分解共重合溶液とイソプロピルアルコールと1,3ブタンジオールを重量比1:10:5で混合し、10分攪拌し、撥液層形成用塗工液とした。
上記撥液層形成用塗工液を用いて形成したパターニング用層の水との接触角は、41°であった。上記水との接触角は、接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)によって測定した。
スペーサ部の断面SEM画像から、スペーサ部の形状を評価した。スペーサ部のバインダは、ビーズとカラーフィルタ基板表面との隣接部からビーズ径の4%の高さまでのみを覆う形状となった。
上記のスペーサ部の形状では、後工程でのブラシ洗浄にてビーズが全数剥離した。
2 …着色層
3 …カラーフィルタ用基板
4 …スペーサ部
5 …ビーズ
6 …バインダ
Claims (4)
- 基材、および前記基材上にパターン状に複数形成された着色層を少なくとも有するカラーフィルタ用基板と、前記カラーフィルタ用基板上に形成され、ビーズおよびバインダを含有するスペーサ部とを有するカラーフィルタであって、
前記スペーサ部は、前記スペーサ部表面に、前記ビーズがその表面積の1/2以上連続して露出しないように、前記ビーズが前記バインダにより覆われた形状とされており、
前記スペーサ部は、前記着色層どうしの境界領域上に形成され、
前記バインダは、熱硬化性樹脂であり、かつスペーサ部中に75質量%〜95質量%の範囲内で含有されていることを特徴とするカラーフィルタ。 - 前記スペーサ部は、インクジェット法により形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
- 前記カラーフィルタ用基板表面が撥液化処理されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタ。
- 請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルタを有することを特徴とする液晶表示装置。
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