JP4778644B2 - 立旋盤 - Google Patents
立旋盤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4778644B2 JP4778644B2 JP2001261901A JP2001261901A JP4778644B2 JP 4778644 B2 JP4778644 B2 JP 4778644B2 JP 2001261901 A JP2001261901 A JP 2001261901A JP 2001261901 A JP2001261901 A JP 2001261901A JP 4778644 B2 JP4778644 B2 JP 4778644B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cross rail
- saddle
- ram
- rail portion
- linear guide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Turning (AREA)
- Machine Tool Units (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、立旋盤に関し、特に、フレネルレンズ成形金型等の精密加工に使用される精密立旋盤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
旋削加工を行う工作機械として立旋盤があり、立旋盤は、水平配置の回転テーブルと、前記回転テーブルの径方向に延在するクロスレールと、前記クロスレール部に、前記回転テーブルの径方向に移動(X軸方向に移動)可能に設けられたサドルと、前記サドルに垂直方向(Z軸方向)に設けられたラムと、前記ラムの下端部に固定装着されてバイト工具を保持する工具ホルダとを有している。
【0003】
上述したような立旋盤では、回転テーブル上に被削材が固定され、回転テーブルの回転の下に、サドルのZ軸方向の移動によって切り込みを行い、サドルのX軸方向の移動によってバイト工具のX軸位置を変更して回転テーブルの回転中心周りの旋削加工を行うことができる。
【0004 】
従来の立旋盤では、クロスレールの前面(垂直片面)にリニアガイド部が設けられ、リニアガイド部にサドルが係合し、リニアガイド部に案内されてサドルがX軸方向に軸送りされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような立旋盤では、サドルおよびサドルに設けられているラムの重量がクロスレールの前面側に偏荷重として作用し、クロスレールに捩り変形が発生する。クロスレールの捩り変形はサドルのX軸方向の移動の運動精度を悪化させる原因になり、加工精度の低下を招くことになる。このため、従来の立旋盤では、フレネルレンズ成形金型の旋削加工等、高度の加工精度を必要とする超精密旋削加工を行うことができない。
【0006】
この発明は、上述の如き問題点を解消するためになされたもので、クロスレールに捩り変形が発生することを回避し、サドルのX軸方向の移動の運動精度が高く、旋削加工を高精度に行うことができる立旋盤を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明による立旋盤は、水平配置の回転テーブルと、前記回転テーブルの径方向に延在するクロスレール部と、前記クロスレール部に、前記回転テーブルの径方向に移動可能に設けられたサドルと、前記サドルに垂直方向に設けられたラムと、前記ラムの下端部に固定装着された工具ホルダとを有する立旋盤において、前記クロスレール部と、前記クロスレール部を支持するコラムと、前記コラムを支持する基台とは片持ち構造で、前記クロスレール部と前記コラムとは一体鋳造されており、前記クロスレール部の先端部は、前記クロスレール部の先端部を保持する支持位置と、前記クロスレール部の先端部から離れた退避位置とに旋回可能なクロスレールサポート装置の水平アームによって選択的に保持されており、前記クロスレール部は上面部に互いに平行な2本のリニアガイド部を有しており、前記2本のリニアガイド部間が中空部になっており、前記サドルは前記中空部を跨ぐ状態で前記2本のリニアガイド部の上に乗せられ、両側を前記2本のリニアガイド部により支持されており、前記サドルには、このサドルを水平方向へ駆動するためのX軸送りねじ棒に螺合するボールナットが平行ばね部材によって取り付けられており、前記中空部内で前記2本のリニアガイド部よりも下側へ延在するラムガイド部材を前記サドルの下側に取り付けられており、前記ラムは前記ラムガイド部材にガイドされて前記中空部を通って垂直方向に延在しており、前記回転テーブル上にリニアテーブルが往復動可能に設けられており、前記工具ホルダは水平軸線周りに回転可能に支持された工具ホルダ軸の一端に固定装着されている。
【0008】
この発明による立旋盤によれば、サドルが2本のリニアガイド部間の中空部を跨いで両側を2本のリニアガイド部より支持され、ラムはその中空部内で2本のリニアガイド部よりも下側へ延在するラムガイド部材にガイドされて垂下しているから、サドルやラムの重量が2本のリニアガイド部に均等に作用し、サドル・ラム重量によってクロスレールに偏荷重が及ぶことがなく、クロスレールに捩り変形が発生することがない。
【009 】
この発明による立旋盤では、前記サドルのリニアガイドを有限形V−Vころがり案内で構成することができる。有限形V−Vころがり案内とは、移動方向に所定長さを有するV形断面のころ保持ケージによって複数個の針状ころを等間隔に配置したものを、互いに係合する両者(クロスレール部とサドル)のV形断面リニアガイドレール間に挟み込んだものであり、高剛性、低摩擦で、循環形ころがり案内に比して、微小うねりが少ない高い運動精度が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図を参照してこの発明の実施の形態を詳細に説明する。
(全体構成)
立旋盤は、図1〜図3に示されているように、基台10と、基台10上に垂直軸線周りに回転可能に設けられた回転テーブル30と、コラム部61とコラム部61の上端部より水平に回転テーブル30の径方向に延在する片持ちのクロスレール部62とを有する上部構造体60と、クロスレール部62に当該クロスレール部62の延在方向(X軸方向)に移動可能に設けられたサドル90と、サドル90に垂直方向(Z軸方向)に移動可能に設けられたラム120と、ラム120の下端部に水平軸線(B軸)周りに回転可能に設けられて工具を保持する工具ホルダ151を含むスイベルヘッド150と、垂直軸線周りに旋回可能に設けられてクロスレール部62の先端部を選択的に保持するクロスレールサポート装置180と、回転テーブル30上に着脱可能に装着されるリニアテーブルユニット210とを有している。上部構造体60には、工具ホルダ151に取り付けられたバイト工具の刃先位置を検出する顕微鏡63が取り付けられている。
【0011】
(回転テーブル)
図4に示されているように、回転テーブル30は油静圧軸受11によって基台10に垂直軸線周りに回転可能に支持されている。油静圧軸受11は、基台10の上部に固定されたリング部材12を有し、リング部材12の内周面と回転テーブル30の下底部に固定されたリング部材31の外周面との間にラジアル静圧ポケット13を画定している。
【0012 】
また、油静圧軸受11は、リング部材12の上面と回転テーブル30の下底面との間に上部スラスト静圧ポケット14を画定していると共に、リング部材12の下面とリング部材31の下底部に固定されたリング部材32の上面との間に下部スラスト静圧ポケット15を画定している。
【0013 】
上部スラスト静圧ポケット14と下部スラスト静圧ポケット15は対向型油静圧軸受をなし、テーブル回転時には両静圧ポケット14、15に油圧供給を行い、テーブルクランプ時には片側の静圧ポケット14或いは15にのみ油圧供給を行い、静圧軸受部の油圧によって回転テーブル30を基台10上に回転不能に固定(クランプ)する。これにより、油静圧軸受11は、回転テーブル30を任意の回転角位置にクランプする回転テーブルクランプ手段としても機能する。
【0014 】
基台10はころがり軸受部材16によって垂直なテーブル回転駆動軸33を回転可能に支持している。テーブル回転駆動軸33の上部にはキー35によって回転駆動円盤34がトルク伝達関係で嵌合していると共に固定具36によって固定されている。回転駆動円盤34と回転テーブル30とは両者に嵌合した複数本(4本程度)のトルク伝達ピン37(図では1本のみ示す)によって連結されている。
【0015 】
テーブル回転駆動軸33の下端部にはキー38によってタイミングプーリ39がトルク伝達関係で嵌合していると共に固定具40によって固定されている。基台10の近傍にはモータ台41が熱対策のために別置きされており、モータ台41にテーブル駆動用モータ42が載置されている。テーブル駆動用モータ42の出力軸43には駆動側のタイミングプーリ44が固定されている。タイミングプーリ44と39との間には無端のタイミングベルト45が掛け渡されている。
【0016 】
この伝動構造により、テーブル駆動用モータ42によってテーブル回転駆動軸33およびこれと一体の回転駆動円盤34が回転し、その回転力がトルク伝達ピン37によって回転テーブル30がテーブル回転駆動軸33を回転中心として回転する。
【0017 】
回転テーブル30には、テーブル上面に開口した多数の真空吸着孔(図示省略)が開口しており、テーブル上面に被削材(ワーク)、付加ステージとしてのリニアテーブルユニット210を真空圧によって吸着保持する真空吸着チャックを構成されている。真空吸着チャックに対する真空圧の供給は、テーブル回転駆動軸33の中空孔46、テーブル回転駆動軸33の上端部と回転テーブル30との間に設けられた回転継手47によって行うことができる。
【0018 】
(上部構造体)
図4に示されているように、上部構造体60はコラム部61とクロスレール部62とを一体に有する一体鋳造品によって構成されており、コラム部61の下端部を基台10と一体鋳造の側部延出部17上にボルト64によって剛固に締結固定され、オープンサイドコラム型の立旋盤の形態をなしている。
【0019 】
上部構造体60がコラム部61とクロスレール部62とを一体に有する一体鋳造品であることにより、高い剛性が得られ、コラム部61の下端部が基台10と一体鋳造の側部延出部17上に固定されていることにより、高い取付(組み付け)位置精度が得られる。
【0020】
(サドル)
図4〜図9に示されているように、クロスレール部62は、上面部に互いに平行な2本のリニアガイド部65、66を有し、この2本のリニアガイド部65、66間が中空部67になっている。サドル90は中空部67を跨いで両側を2本のリニアガイド部65、66により支持されている。リニアガイド部65、66におけるサドル90のリニアガイドは有限形V−Vころがり案内68で構成されている。この構造により、サドル・ラム重量によってクロスレール部62に偏荷重が及ぶことがなく、クロスレール部62に捩り変形が発生することがない。
【0021 】
これにより、サドル90のX軸移動の運動精度がよくなり、フレネルレンズ成形金型の旋削加工等、高度の加工精度を必要とする超精密旋削加工を行うことが可能になる。
【0022 】
有限形V−Vころがり案内68は、移動方向に所定長さを有するV形断面のころ保持ケージ69によって複数個の針状ころ70を等間隔に配置したものを、互いに係合するクロスレール部62とサドル90のV形断面リニアガイドレール62A、90A間に挟み込んだものである。
【0023】
有限形V−Vころがり案内68の適用により、サドル90のX軸方向の移動に関して、高剛性、低摩擦で、循環形ころがり案内に比して、微小うねりが少ない高い運動精度が得られ、このことによっても、フレネルレンズ成形金型の旋削加工等、高度の加工精度を必要とする超精密旋削加工を行うことが可能になる。
【0024】
クロスレール部62上には両端を軸受ブラット71、72によって回転可能に支持されたボールねじによるX軸送りねじ棒73が設けられている。サドル90にはボールナット91が平行ばね部材92によって取り付けられている。ボールナット91はX軸送りねじ棒73に螺合している。X軸送りねじ棒73は、クロスレール部62上に搭載されたX軸サーボモータ74と連結され、X軸サーボモータ74によって回転駆動される。これにより、サドル90はX軸サーボモータ74によってX軸方向に移動する。
【0025 】
平行ばね部材92は、軸送り方向には厚肉によって高剛性を示し、上下左右の薄肉ブリッジ部93によってぶれ動きに対して弾性変形する一種の可撓性カップリングであり、ボールねじの曲がりやX軸送りねじ棒73とボールナット91との芯違いを吸収し、ボールねじの回転により発生する揺動を低減する。
【0026 】
(ラム)
図8に示されているように、サドル90の下底部にはボルト95によって四角筒状のラムガイド部材94が吊り下げ固定されている。ラムガイド部材94は、左右のリニアガイド部(X軸V−V案内面)65、66間の中空部67内に位置しており、内部にラム120を収容している。
【0027 】
ラム120の両側にはZ軸ガイドレール121、122が各々固定されており、ラムガイド部材94の内部にはZ軸ガイドレール121、122の各々に係合する循環形ころがり案内等によるリニアガイド部材96、97が固定されている。これにより、ラム120はリニアガイド部材96、97に案内されてZ軸方向に移動する。
【0028】
サドル90は軸受部材98によってボールねじによるZ軸送りねじ棒99を回転可能に支持している。ラム120にはボールナット123が取り付けられており、ボールナット123はZ軸送りねじ棒99に螺合している。Z軸送りねじ棒99は、サドル90上に搭載されたZ軸サーボモータ100と連結され、Z軸サーボモータ100によって回転駆動される。これにより、ラム120はZ軸サーボモータ100によってZ軸方向に移動する。
【0029 】
サドル90には2個のバランスシリンダ装置101、102(図5参照)が取り付けられており、バランスシリンダ装置101、102の各々のピストンロッド103がラム120の上端部に連結されている。これにより、ラム120は2個のバランスシリンダ装置101、102によって吊り下げられ、2個のバランスシリンダ装置101、102の個別動作によってラム120の進直性を保証することができる。
【0030】
(スイベルヘッドおよび工具ホルダ)
図8〜図13に示されているように、ラム120の下端部にスイベルヘッドハウジング152が固定されている。スイベルヘッドハウジング152は、空気静圧軸受153によって工具ホルダ軸154を水平軸線(B軸)周りに回転可能に支持しており、工具ホルダ軸154の一端部に工具ホルダ151が固定装着されている。これにより、工具ホルダ151はB軸に対して回転可能である。
【0031 】
空気静圧軸受153は、工具ホルダ軸154の中間部に形成された中間フランジ部155の両側に固定配置された2個のフランジ付き軸受ブッシュ156、157を有し、この軸受ブッシュ156、157の各々にラジアル空気静圧部158、159、スラスト空気静圧部160、161が形成されている。
【0032 】
スラスト空気静圧部160と161は中間フランジ部155を挟んで相対向しており、B軸回転時(工具ホルダ回転時)には両スラスト空気静圧部160、161に空気圧供給を行い、B軸クランプ時には片側のスラスト空気静圧部160あるいは161にのみ空気圧供給を行い、静圧軸受部の空気圧によって工具ホルダ151を任意の回転角位置にクランプする工具ホルダクランプ手段としても機能する。
【0033 】
工具ホルダ軸154にはウォームホイール162が固定装着されている。スイベルヘッドハウジング152にはB軸サーボモータ163が搭載されており、B軸サーボモータ163の出力軸164にはウォーム165が取り付けられている。ウォーム165はウォームホイール162と噛合しており、B軸サーボモータ163によって工具ホルダ151が任意の回転角位置に回転駆動される。
【0034】
工具ホルダ151には4個の工具取付部166が放射線状に設けられ、工具ホルダ151はタレットディスクをなし、4種類のバイト工具Tが同時に装着され得るようになっている。工具取付部166は各々、調整ねじ167によって動かされるくさび部材168によってバイト工具TのY軸方向取付位置を微調整することができ、ロックねじ169によって任意のY軸方向取付位置にバイト工具Tを固定できる。また、各工具取付部166にはバイト工具Tの長さ方向位置を微調整する調整ねじ170が設けられている。
【0035 】
調整ねじ167と170とによってバイト工具Tの刃先位置を微調整することができ、この刃先位置微調整は、顕微鏡63によってバイト工具Tの刃先位置を目視確認しながら高精度に行うことができる。
【0036】
(クロスレールサポート装置)
クロスレールサポート装置180は、図1〜図3に示されているように、基台10の近傍に配置されたポスト支持体181に垂直軸線周りに回動可能に設けられた垂直ポスト182と、垂直ポスト182の上端部に設けられた水平アーム183とを有し、水平アーム183の先端に高さ調整部材184が取り付けられている。
【0037 】
水平アーム183は、図3において、符合Aで示されているように、立旋盤本体(回転テーブル30やクロスレール部62)より離れた待避位置と、符合Bで示されているように、高さ調整部材184がクロスレール部62の先端部に固定された補助ブラケット104に係合してこれを下側より支持する支持位置との間に旋回可能になっている。
【0038 】
これにより、水平アーム183が支持位置Bに回動移動されることにより、クロスレール部62の先端部が保持され、回転テーブル30に対するワークの搬入、搬出の作業性がよい等のオープンサイドコラム型の特徴を活かしたまま、実加工時にはクロスレール部62の見かけ上の剛性を向上できる。
【0039 】
高さ調整部材184は流体圧式、電動式の精密ジャッキのようものであり、外部信号によって高さ寸法を微調整できる。
【0040 】
(リニアテーブルユニット)
リニアテーブルユニット210は、平削り加工時に、回転テーブル30上に付加されるものであり、図14〜図16に示されているように、回転テーブル30上に取り外し可能に固定される固定ベース211を有している。固定ベース211には互いに平行な2本のリニアガイド部212、213が形成されており、リニアガイド部212、213上にリニアテーブル214が往復動可能に設けられている。
【0041 】
リニアガイド部212、213におけるリニアテーブル214のリニアガイドは有限形V−Vころがり案内215で構成されている。有限形V−Vころがり案内215は、前述の有限形V−Vころがり案内68と同様に、移動方向に所定長さを有するV形断面のころ保持ケージ216によって複数個の針状ころ(図示省略)を等間隔に配置したものを、互いに係合する固定ベース211とリニアテーブル214のV形断面リニアガイドレール211A、214A間に挟み込んだものである。
【0042】
有限形V−Vころがり案内215の適用により、リニアテーブル214の移動(Y軸方向の移動)に関して、高剛性、低摩擦で、循環形ころがり案内に比して、微小うねりが少ない高い運動精度が得られる。
【0043】
固定ベース211上には両端を軸受ブラット217、218によって回転可能に支持されたボールねじによる送りねじ棒219が設けられている。リニアテーブル214には平行ばね部材220によってボールナット221が取り付けられている。ボールナット221は送りねじ棒219に螺合している。送りねじ棒219は、固定ベース211上に搭載されたサーボモータ222と連結され、サーボモータ222によって回転駆動される。これにより、リニアテーブル214はサーボモータ222によって移動する。
【0044 】
平行ばね部材220は、前述した平行ばね部材92と同等のものであり、軸送り方向には厚肉によって高剛性を示し、上下左右の薄肉ブリッジ部223によってぶれ動きに対して弾性変形する一種の可撓性カップリングであり、ボールねじの曲がりや送りねじ棒219とボールナット221との芯違いを吸収し、ボールねじの回転により発生する揺動を低減する。
【0045 】
リニアテーブル214の上面には多数の真空吸着孔224が開口しており、テーブル上面に被削材(ワーク)を真空圧によって吸着保持する真空吸着チャックを構成されている。
【0046 】
(立旋盤の使用例)
つぎに、上述の構成による立旋盤の使用例として、フレネルレンズ成形金型を旋削により製作する工程について説明する。
(1)工具ホルダ151の工具取付部166に取り付けられているバイト工具Tの長さ(工具長)を顕微鏡63を使用して測定する。
【0047】
(2)被削材の旋回中心(回転テーブル30の回転中心)と工具ホルダ151の工具取付部166に取り付けられているバイト工具Tとの位置合わせを行う。
【0048 】
(3)クロスレールサポート装置180の水平アーム183を待避位置Aに位置させた状態で、フレネルレンズ成形金型の素材(被削材)を回転テーブル30上に搬入し、回転テーブル30の真空吸着チャックによって被削材を規定位置に固定する。
【0049 】
(4)クロスレールサポート装置180の水平アーム183を支持位置Bに位置に移動させ、高さ調整部材184によってクロスレール部62の先端部を保持する。この場合、サドル90のX軸位置がクロスレール部62の先端側であるほど、高さ調整部材184を伸長させてクロスレールサポート装置180のクロスレール部62の支持を強くすることもできる。
【0050】
(5)アンクランプ状態で、B軸サーボモータ163によって工具ホルダ151の回転角を調整し、バイト工具Tの角度をフレネルレンズのレンズ面(フレネル面)傾斜角に合わせ、工具ホルダ軸154(B軸)をクランプし、テーブル駆動用モータ42によって回転テーブル30を所定の回転速度で回転駆動し、X軸サーボモータ74によってサドル90のX軸位置を設定し、Z軸サーボモータ100によってラム120をZ軸送り(切り込み送り)し、フレネルレンズ成形金型の旋削を開始する。
【0051】
(6)フレネルレンズのレンズ面(フレネル面)傾斜角はフレネルレンズ成形金型の径方向位置により変化するから、サドル90のX軸位置に応じて(5)の場合と同様に、B軸サーボモータ163によって工具ホルダ151の回転角を調整し、バイト工具Tの角度をフレネルレンズのレンズ面(フレネル面)傾斜角に合わせて変化させ、Z軸サーボモータ100によってラム120をZ軸送り(切り込み送り)し、フレネルレンズ成形金型の旋削を遂行する。このフレネルレンズ成形金型の旋削は、テーブル旋回中央から外側へ向けて行う。
【0052】
(リニアテーブルユニットを付加した立旋盤の使用例)
リニア形状のフレネルレンズ成形金型やフロントガラス導光板成形金型の製作等、平削り加工を行う場合は、図1、図14に示されているように、リニアテーブルユニット210の固定ベース211を回転テーブル30上に固定し、回転テーブル30を回転させてリニアテーブルユニット210のリニアテーブル214の移動方向、すなわち、リニアガイド部212、213がX軸方向と直交するY軸方向になるように調整する。
【0053 】
この調整が完了すれば、油静圧軸受11の片側の静圧ポケット14或いは15にのみ油圧供給を行い、静圧軸受部の油圧によって回転テーブル30を基台10上に回転不能にクランプする。
【0054 】
被削材は、リニアテーブルユニット210のリニアテーブル214上に設置し、リニアテーブル214の真空吸着チャックによって被削材をリニアテーブル214上に吸着保持する。
【0055】
リニアテーブルユニット210を使用した加工では、サドル90のX軸方向の移動と、リニアテーブル214のY軸方向の移動と、ラム120のZ軸方向の移動と、工具ホルダ軸154のB軸に対する回転により、バイト工具の角度を変更できる態様で、平削り加工を行うことができる。
【0056】
【発明の効果】
以上の説明から理解される如く、この発明による立旋盤によれば、サドルが2本のリニアガイド部間の中空部を跨いで両側を2本のリニアガイド部より支持され、ラムはその中空部内で2本のリニアガイド部よりも下側へ延在するラムガイド部材にガイドされて垂下しているから、サドルやラムの重量が2本のリニアガイド部に均等に作用し、サドル・ラム重量によってクロスレールに偏荷重が及ぶことがなく、クロスレールに捩り変形が発生することがなく、サドルの軸移動の運動精度がよくなり、フレネルレンズ成形金型の旋削加工等、高度の加工精度を必要とする超精密旋削加工を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による立旋盤の全体構成を示す正面図である。
【図2】この発明による立旋盤の全体構成を示す側面図である。
【図3】この発明による立旋盤の全体構成を示す平面図である。
【図4】この発明による立旋盤の基台、回転テーブル、上部構造体の組立図である。
【図5】この発明による立旋盤のクロスレール部分の平面図である。
【図6】この発明による立旋盤のサドル軸送り部の正面図である。
【図7】この発明による立旋盤のサドルのリニアガイド部分の斜視図である。
【図8】この発明による立旋盤のサドルおよびラム部分の縦断面図である。
【図9】この発明による立旋盤のラム下端部およびスイベルヘッド部分の正面図である。
【図10】この発明による立旋盤のスイベルヘッド部分の半断面図である。
【図11】この発明による立旋盤のスイベルヘッド部分の縦断面図である。
【図12】この発明による立旋盤の工具ホルダ部分の正面図である。
【図13】この発明による立旋盤の工具ホルダ部分の側面図である。
【図14】この発明による立旋盤で使用するリニアテーブルユニットの平面図である。
【図15】この発明による立旋盤で使用するリニアテーブルユニットの軸の送り部分の平面図である。
【図16】この発明による立旋盤で使用するリニアテーブルユニットの軸の送り部分の正面図である。
【符号の説明】
10 基台
30 回転テーブル
60 上部構造体
61 コラム部
62 クロスレール部
63 顕微鏡
65、66 リニアガイド部
67 中空部
68 有限形V−Vころがり案内
90 サドル
120 ラム
150 スイベルヘッド
151 工具ホルダ
180 クロスレールサポート装置
210 リニアテーブルユニット
211 固定ベース
214 リニアテーブル
Claims (2)
- 水平配置の回転テーブルと、前記回転テーブルの径方向に延在するクロスレール部と、前記クロスレール部に、前記回転テーブルの径方向に移動可能に設けられたサドルと、前記サドルに垂直方向に設けられたラムと、前記ラムの下端部に固定装着された工具ホルダとを有する立旋盤において、
前記クロスレール部と、前記クロスレール部を支持するコラムと、前記コラムを支持する基台とは片持ち構造で、前記クロスレール部と前記コラムとは一体鋳造されており、
前記クロスレール部の先端部は、前記クロスレール部の先端部を保持する支持位置と、前記クロスレール部の先端部から離れた退避位置とに旋回可能なクロスレールサポート装置の水平アームによって選択的に保持されており、
前記クロスレール部は上面部に互いに平行な2本のリニアガイド部を有しており、
前記2本のリニアガイド部間が中空部になっており、
前記サドルは前記中空部を跨ぐ状態で前記2本のリニアガイド部の上に乗せられ、両側を前記2本のリニアガイド部により支持されており、
前記サドルには、このサドルを水平方向へ駆動するためのX軸送りねじ棒に螺合するボールナットが平行ばね部材によって取り付けられており、
前記中空部内で前記2本のリニアガイド部よりも下側へ延在するラムガイド部材を前記サドルの下側に取り付けられており、
前記ラムは前記ラムガイド部材にガイドされて前記中空部を通って垂直方向に延在しており、
前記回転テーブル上にリニアテーブルが往復動可能に設けられており、
前記工具ホルダは水平軸線周りに回転可能に支持された工具ホルダ軸の一端に固定装着されている、
ことを特徴とする立旋盤。 - 請求項1に記載の立旋盤において、
前記サドルのリニアガイド部は、前記クロスレール部の上面に形成されたV形断面の溝と、前記サドルの下面に形成され、前記V形断面の溝に係合するV形断面のガイドレールとを備える有限形V−Vころがり案内である、
ことを特徴とする立旋盤。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001261901A JP4778644B2 (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | 立旋盤 |
TW091118824A TWI222908B (en) | 2001-08-30 | 2002-08-20 | Vertical lathe, tool head for vertical lathe, rotary table apparatus for machine tool |
US10/227,431 US6901830B2 (en) | 2001-08-30 | 2002-08-26 | Vertical lathe, tool head for vertical lathe, rotary table apparatus for machine tool |
KR10-2002-0051600A KR100501972B1 (ko) | 2001-08-30 | 2002-08-29 | 수직 선반 |
KR10-2005-0021117A KR100516581B1 (ko) | 2001-08-30 | 2005-03-14 | 공작 기계용 회전 테이블 장치 |
KR10-2005-0021112A KR100516592B1 (ko) | 2001-08-30 | 2005-03-14 | 수직 선반용 툴 헤드 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001261901A JP4778644B2 (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | 立旋盤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003071603A JP2003071603A (ja) | 2003-03-12 |
JP4778644B2 true JP4778644B2 (ja) | 2011-09-21 |
Family
ID=19088878
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001261901A Expired - Fee Related JP4778644B2 (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | 立旋盤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4778644B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1307019C (zh) * | 2004-10-11 | 2007-03-28 | 天水星火机床有限责任公司 | 透镜模板超精密车床结构 |
JP2010184269A (ja) * | 2009-02-12 | 2010-08-26 | Nippon Spindle Mfg Co Ltd | 回転型塑性加工装置 |
CN105195761B (zh) * | 2015-11-02 | 2018-03-02 | 苏州蓝王机床工具科技有限公司 | 正向全自动多头车床 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6175934A (ja) * | 1984-09-21 | 1986-04-18 | Nec Corp | 二重化システムにおける中央処理装置間通信方法 |
JP2994072B2 (ja) * | 1991-03-29 | 1999-12-27 | キヤノン株式会社 | 移動案内装置 |
JPH08206936A (ja) * | 1995-02-02 | 1996-08-13 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 立型ターニングセンタのクロスレール支持装置 |
JPH10222228A (ja) * | 1997-02-12 | 1998-08-21 | Toshiba Corp | 直動機構及び位置決め方法 |
JPH10286734A (ja) * | 1997-04-11 | 1998-10-27 | Toshiba Mach Co Ltd | 門形工作機械 |
JPH1119801A (ja) * | 1997-07-02 | 1999-01-26 | Toshiba Mach Co Ltd | 割り出しテーブルの旋回中心位置の測定方法および竪旋盤 |
JP2000205253A (ja) * | 1999-01-13 | 2000-07-25 | Toshiba Mach Co Ltd | 立て方向のv―vころがり案内装置 |
JP3914356B2 (ja) * | 1999-07-19 | 2007-05-16 | トーヨーエイテック株式会社 | 工作機械 |
-
2001
- 2001-08-30 JP JP2001261901A patent/JP4778644B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003071603A (ja) | 2003-03-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100516581B1 (ko) | 공작 기계용 회전 테이블 장치 | |
JP4763938B2 (ja) | 工作機械 | |
JP4312508B2 (ja) | 立旋盤 | |
CN210499508U (zh) | 一种带摇篮式五轴的型材加工中心 | |
JP3180327B2 (ja) | ガイドローラ付きカッター、ガイドローラ付き研削工具、切削装置、研削装置及び加工機械 | |
JP4778644B2 (ja) | 立旋盤 | |
JPS5852762B2 (ja) | クランク軸用フライス盤 | |
JP4643075B2 (ja) | 立旋盤 | |
JP4580597B2 (ja) | 立旋盤 | |
JP3819530B2 (ja) | 研削ホイール用超精密ツルーイング装置 | |
CN209954337U (zh) | 一种专用汽车零配件加工中心 | |
KR20110071178A (ko) | 수평방향 이송구조가 개선된 문형 공작기계 | |
CN115741263A (zh) | 一种碳化硅多功能高速滚圆磨床 | |
JPH0899302A (ja) | ガントリー型の工作機械 | |
CN114367843B (zh) | 一种车轮立车加工装置 | |
JP2003071607A (ja) | 立旋盤用工具ヘッド | |
KR100563950B1 (ko) | 복합가공테이블 및 이 테이블을 구비한 수직선반 | |
CN109623418B (zh) | 一种专用汽车零配件加工中心 | |
JPS6119529A (ja) | クランプ装置 | |
JP2003071666A (ja) | 工作機械の回転テーブル装置 | |
JPS6138834A (ja) | 多頭汎用工作機械 | |
CN216463961U (zh) | 一种长轴类零件外圆磨床尾座 | |
JP2005007548A (ja) | 立旋盤 | |
CN214237227U (zh) | 一种全自动金属制品高速精密加工装置 | |
KR20040082433A (ko) | 가공품-베어링 스핀들을 구비한 다축 머신닝센터 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080620 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100810 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100812 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101005 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101124 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110120 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110315 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110427 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110628 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110704 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4778644 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140708 Year of fee payment: 3 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |