JP4778557B2 - ベルトリトラクタ - Google Patents

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Description

本発明は、特にアダプティブセーフティベルトシステムにおける使用のために適しているベルトリトラクタ(ベルト巻取り器)に関する。
フロントシートのためのクラシカルな3点保持式のベルトシステムは通常、自動車のBピラーの範囲でシートの下方に位置する下側の保持点(アンカポイント)を有している。シートベルトはこの保持点から車両乗員の骨盤を介して、センタコンソールに設けられたベルトバックルにまで貫通案内される。シートベルトはさらに乗員の胸部を介してBピラーに位置する乗員の頸部の高さにある変向点にまで案内され、その後にこのシートベルトはBピラーの内側でほぼ平行に、ロックシステムを備えたベルトリールにまで案内される。このロックシステムは種々様々に形成されていてよい。
ベルトテンショナのようなプリクラッシュ付加システムは、乗員の制動時間および相対的な制動距離を増大させるためにクラッシュの前にシートベルトをピンと張った状態に引き締めることができる。ベルトテンショナシステムは通常、ベルトバックル(Gurtschloss)またはベルトリール(Gurtrolle)に設けられている。技術的な実施態様は2つのグループに分けることができる:すなわち、リバーシブルな、つまり再生使用可能なシステムと、再生使用不可能なシステムである。再生使用不可能なシステムは1回だけしか使用可能でない。この場合、再生使用不可能なシステムの最も広く普及した形はパイロ(火薬)技術的に駆動される。ベルトテンショナのレリーズ時にシートベルトは引き付けられるので、車両乗員は最適な着座位置へ引き込まれ、その後にシートベルトは身体にぴたりと密着する。
クラッシュ発生時において、目下のシステムの場合には、ロックシステムが所定のメカニズム、つまり機械式にたとえばつめ装置、遠心力装置または慣性装置によって、あるいは電子式に制御ユニットによって、たとえば加速度センサの相応する信号に反応して接続される。
セーフティベルトシステムが原因となって生ぜしめられる負傷を防止するために、通常ではさらにベルト力制限器、つまりフォースリミッタが設けられている。このフォースリミッタは、シートベルトにより車両乗員へ加えられる力作用を、たとえば予め規定されたベルト力が超えられるとトーションバーを変形させることによって制限する。ロックシステムのレリーズ後にセーフティベルトシステムにおける動力伝達経路がトーションバーを介して案内される。このトーションバーは上で述べたように、予め規定されたベルト負荷が超えられると変形し、したがってシートベルトにより車両乗員に加えられた力作用を制限する。
したがって、目下知られているたいていのセーフティベルトシステムでは、所定のベルト力レベルが規定されており、このベルト力レベルが超えられると、トーションバーの変形が可能となり、ひいてはベルト力制限が可能となる。幾つかのシステムでは、2種類のベルト力レベルの間での1回だけの機械的な切換が可能となる。しかし、全てのシステムにおいては、トーションバーを変形させるためのベルト力レベルを既にシステムの構築時に、たとえばトーションバーの相応する設計によって設定することが必要となる。この場合、通常では、車両乗員の大きさおよび体重に合わせた平均値および/または経験値、着座位置、走行状況もしくはクラッシュ状況等に応じて設定が行われる。
その結果、たとえば極めて小柄な体重の軽い車両乗員の場合にはクラッシュ時にトーションバーの十分な変形のためのベルト力レベルが達成されなくなる可能性が存在する。このことは増大する負傷危険を招く恐れがある。それに対して、極めて大柄の体重の重い車両乗員の場合には、ベルトシステムの、ベルト力制限によって生ぜしめられた不十分な制動作用が生じる恐れがあるので、当該乗員がクラッシュ時に場合によってはエアバック内へ過度に大きく没入してしまう危険がある。
さらに、前記システムは、別のパラメータの変化、たとえば車両乗員の誤位置(「アウト・オブ・ポジション」)または固有の走行状況もしくは固有のクラッシュ状況に反応することができない。このような固有の走行状況もしくは固有のクラッシュ状況は、たとえば特定の走行速度、特定のクラッシュ衝撃ならびにその都度の周辺状況によって特徴付けられていてよい。
したがって、シートベルトから車両乗員へ加えられた力作用およびクラッシュ時における車両乗員の運動が、乗員固有のパラメータ、車両固有のパラメータおよび状況に関連した固有のパラメータに関連してクラッシュ時間に対して個別に制御され得るようなアダプティブセーフティベルトシステムが求められている。
本発明の根底を成す課題は、このようなアダプティブセーフティベルトシステムにおける使用のために適した、コンパクトに形成されたベルトリトラクタを提供することである。
この課題を解決するために、本発明によるベルトリトラクタは、回転可能なベルトリールと、該ベルトリールに相対回動不能に結合可能な回転部材と、アクチュエータとを有している。回転部材は、たとえばベルトリールのシャフトに永続的に相対回動不能に結合されていてよいので、回転部材は常にベルトリールと共に、共通の回転軸線を中心にして回転する。しかし、これに対して択一的に、必要な場合にのみ、つまりベルトリールの回転運動の制動が望まれている場合にのみ、回転部材をベルトリールに相対回動不能に結合する適当なメカニズム、たとえばつめ機構を設けることも可能である。さらに、回転部材はベルトリールと一体に形成されていてもよく、その場合、回転部材はベルトリールの側壁として働くことができる。本発明によるベルトリトラクタのアクチュエータは操作力を発生させて、少なくとも1つの摩擦エレメントに作用し、これにより該摩擦エレメントをベルトリールの回転運動の制動のために、ベルトリールに相対回動不能に結合可能な回転部材に係合させるようになっている。アクチュエータが摩擦エレメントと回転部材とを介してベルトリールにブレーキ力を加えることにより、ベルトリールに巻き取られたシートベルトの、ベルトリールからの繰出しが阻止される。アクチュエータと回転部材との間には、アクチュエータにより形成された操作力の自己倍力のための自己倍力機構が配置されている。このような自己倍力機構によって、所望のブレーキ作用を得るためにアクチュエータにより加えられるべき操作力を著しく減少させることができる。これにより、コンパクトに形成された軽量のアクチュエータを使用することができる。したがって、本発明によるベルトリトラクタは、最新の自動車においては通常、極めて制限されてのみ提供されている組込みスペース、たとえば自動車のBピラーまたはCピラーに収納され得るようにするために十分に小さな体積を有している。
本発明によるベルトリトラクタのアクチュエータは有利には電子制御ユニットに接続されている。この電子制御ユニットは、アクチュエータを、乗員固有、車両固有および/または状況固有の少なくとも1つのパラメータに関連して開ループ式および/または閉ループ式に制御して、これによりベルトリールの回転運動の相応する制動を生ぜしめるために調整されている。乗員固有、車両固有および/または状況固有のパラメータは、相応するセンサ、たとえばクラッシュセンサ、距離センサおよびコンタクトセンサ、レーダセンサ、周辺認識センサ、着座位置認識センサ、シート位置認識センサ、加速度センサ、遠心力センサ、乗員体重および/または乗員位置を検出するためのセンサ等を用いて求められ得る。この場合、当然ながら、もともと自動車に存在する、たとえばブレーキシステムの制御のために働くセンサを使用することができる。これらのセンサは、たとえばバスシステムを介して電子制御ユニットに接続され得る。アクチュエータが乗員固有、車両固有および/または状況固有のパラメータに関連して制御されることにより、ベルトリールの回転運動の制動、ひいてはベルトリールからのシートベルトの繰出し運動の制動は同じくこれらのパラメータに関連して行われる。これにより、シートベルトを介して車両乗員に作用する力を、センサにより求められた乗員固有、車両固有および/または状況固有のパラメータに個々に適合させることが可能となる。したがって、本発明によるベルトリトラクタを備えたセーフティベルトシステムは、コンベンショナルなシステムに比べて改善されたパッシブな安全性を保証する。
本発明によるベルトリトラクタの有利な実施態様では、自己倍力機構が、第1の支持体部分と第2の支持体部分とを有している。第1の支持体部は少なくとも1つの第1の力増幅エレメントもしくは第1の倍力エレメントを支持しており、第2の支持体部分は少なくとも1つの第2の力増幅エレメントもしくは第2の倍力エレメントを支持している。第1の支持体部分と第2の支持体部分とは、有利にはアクチュエータにより形成された操作力に基づき、互いに相対的に回動可能である。言い換えれば、アクチュエータは、該アクチュエータにより形成された操作力が第1の支持体部分と第2の支持体部分との互いに相対的な回動を生ぜしめるように自己倍力機構と協働するわけである。第1の支持体部分および/または第2の支持体部分の回転軸線を中心にして回転対称的に配置されている多数の第1の倍力エレメントおよび多数の第2の倍力エレメントが設けられていると有利である。第1の支持体部分および/または第2の支持体部分は、回転部材の回転軸線を中心にして回転可能であってよい。したがって、回転部材が、上で説明したようにベルトリールのシャフトに相対回動不能に結合されていると、ベルトリール、回転部材ならびに第1の支持体部分および/または第2の支持体部分は有利には互いに同軸的に配置されている。
第1の倍力エレメントは、たとえば楔形の構成部分の形に形成されていてよく、そして楔ピッチ角度もしくは楔勾配角度αを有する斜めの楔面を有していると有利である。この斜めの楔面は第2の倍力エレメントにスライド式またはローリング式に支持されている。たとえば、第1の倍力エレメントは第1の支持体部分に取り付けられている。しかし、前記斜めの楔面は直接に第1の支持体部分に、または第1の支持体部分に結合された、ただしそれ自体楔形には形成されていない構成部分に形成されていてもよい。第2の倍力エレメントは、第1の倍力エレメントの斜めの楔面を支持するために、同じく第1の倍力エレメントの楔面に向かい合って位置する斜めの楔面またはピンを有していてよい。
これに対して択一的に、第1の倍力エレメントと、第2の倍力エレメントとが、ボール/ランプ機構(Kugel/Rmpen-Anordnung)を形成していてもよい。このようなボール/ランプ機構では、第1の倍力エレメントの斜めの楔面が、有利には楔ピッチ角度もしくは楔勾配角度αを有する適当な面によって形成される。この面は第1の支持体部分または第1の支持体部分に結合された構成部分に設けられている。斜めの楔面はボールまたはローラを案内するための軌道を形成するので、これらの斜めの楔面は、第2の倍力エレメントを形成するボールまたはローラに転がり式もしくはローリング式に支持される。有利には、ボール/ランプ機構が多数の斜めの楔面を有している。これらの楔面は1つまたは複数のボールリングを形成するために第1の支持体部分の回転軸線を中心にして回転対称的に第1の支持体部分または該第1の支持体部分に結合された構成部分に当て付けられている。このような回転対称的な配置では、ボールか、または円錐形に形成されたローラが第2の倍力エレメントとして使用されると好都合である。
第1の支持体部分および第2の支持体部分が、アクチュエータにより形成された操作力に基づいて互いに相対的に回動させられると、第1の倍力エレメントの斜めの楔面が、たとえば第1の倍力エレメントの斜めの楔面に向かい合って位置する、第2の倍力エレメントの斜めの楔面に乗り上げる。これにより、第1の倍力エレメントの斜めの楔面の楔ピッチ角度もしくは楔勾配角度αに関連した自己倍力作用が得られる。
本発明によるベルトリトラクタのさらに別の択一的な実施態様では、第1の倍力エレメントが、第1の支持体部分に設けられたねじ山の形に形成されている。第2の倍力エレメントは第1の支持体部分に設けられた前記ねじ山と協働するスピンドルであると有利である。このスピンドルは、たとえば中空円筒状に形成されていてよく、そしてベルトリールのシャフトによって貫通され得る。第1の支持体部分と第2の支持体部分とが互いに相対的に回動させられると、第1の支持体部分に設けられたねじ山とスピンドルとの協働によって、スピンドルピッチに関連した自己倍力作用が得られる。
楔ピッチ角度もしくは楔勾配角度αまたはスピンドルピッチは、アクチュエータにより自己倍力機構に導入されたインプット力が、前記少なくとも1つの摩擦エレメントと回転部材との間の変化する摩擦係数とは無関係に、回転部材の回転方向に関して常時ポジティブ(正)となるように設定されていてよい。これに関連してこのような機構は押圧機構であると云える。なぜならば、自己倍力の程度は楔ピッチ角度もしくは楔勾配角度αもしくはスピンドルピッチの選択によって、摩擦係数変化とは無関係に当該装置のあらゆる運転状態において、所望の摩擦力を得るために斜めの楔面もしくはスピンドルに押圧力が加えられなければならないような大きさでしか設定されていないからである。押圧力はこの場合、アクチュエータによって付与される。
しかしこれに対して択一的に、楔ピッチ角度もしくは楔勾配角度αまたはスピンドルピッチは、アクチュエータにより自己倍力機構に導入されたインプット力が、前記少なくとも1つの摩擦エレメントと回転部材との間の摩擦係数の変化とは無関係に、回転部材の回転方向に関して常時ネガティブ(負)となるように設定されていてもよい。上で説明した押圧機構とは異なり、常時ネガティブなインプット力の場合には、引張機構であると云える。すなわち、当該装置のいかなる運転状態においても、所望の摩擦力を得るためには、斜めの楔面もしくはスピンドルに引張力が加えられなければならないわけである。このような引張機構は、押圧機構に比べて小さな楔ピッチ角度もしくは楔勾配角度αもしくは押圧機構に比べて小さなスピンドルピッチを選択することによって実現され得る。
しかし、本発明によるベルトリトラクタのさらに別の特に有利な実施態様では、第1の倍力エレメントと第2の倍力エレメントとにより形成された機構が、最適の(通常、最も頻繁に出現する)運転状態において、押圧機構と引張機構との間の移行点の近傍に位置するように楔勾配角度αもしくはスピンドルピッチが選択されている。移行点の近傍では、アクチュエータにより付与され得るインプット力はほぼゼロとなる。たとえば温度に関連した摩擦係数の変化によって、押圧機構が生じるか、または引張機構が生じる。
第2の支持体部分が位置固定に形成されていると有利である。それに対して、第1の支持体部分は、該第1の支持体部分を第2の支持体部分に対して相対的に回動させるためにアクチュエータに結合可能であると有利である。したがって、このような装置では、第1の倍力エレメントが第2の倍力エレメントに対して相対的に運動させられる。第1の支持体部分は本発明によるベルトリトラクタの運転状態とは無関係に常時直接に、または伝動装置を介して間接的に、第1の支持体部分に結合されていてよい。しかし、アクチュエータを必要な場合にのみ、つまりクラッシュ発生時にのみ、直接にまたは伝動装置を介して間接的に第1の支持体部分に結合する適当なメカニズムを設けることも考えられる。
アクチュエータの構成に関して、本発明によるベルトリトラクタでは種々の変化形が考えられる。第1の実施態様では、アクチュエータが、回転する電気機械の形に形成されている。このようなアクチュエータは、たとえば伝動装置に結合可能であってよい。可能となる伝動装置は、たとえば歯車伝動装置またはこれに対して択一的に、より高い変速比を得るためにはウォーム伝動装置である。この伝動装置によって、たとえば歯車またはウォームに結合されたモータシャフトの回転運動を、たとえば第1の支持体部分へ伝達し、これにより第1の支持体部分を第2の支持体部分に対して相対的に回動させることができる。第1の支持体部分は有利には歯列、たとえば外歯列を備えており、この歯列は、アクチュエータに結合された歯車またはアクチュエータに結合されたウォームと協働する。
本発明によるベルトリトラクタのさらに別の択一的な実施態様では、アクチュエータが、直接駆動装置、つまりダイレクトドライブの形に形成されている。「ダイレクトドライブ」とは、伝動装置の介在なしに自己倍力機構を介して前記少なくとも1つの摩擦エレメントに作用する駆動装置を意味する。このようなダイレクトドライブは、たとえばステータコイルと、磁性材料を有する可動子もしくはロータとを備えたリニアモータによって実現され得る。有利には、ステータコイルは、回動させたい構成部分、つまりたとえば第1の支持体部分の回転軸線を中心にして環状に配置されていて、第2の支持体部分の、回転部材に対してほぼ平行な区分に位置固定されている。ステータは、たとえば第1の支持体部分に固定されていてよいので、ダイレクトドライブが作動させられると、第1の支持体部分は伝動装置の中間接続なしに回転運動にもたらされる。すなわち、第1の支持体部分を第2の支持体部分に対して相対的に回動させることができる。
さらに、アクチュエータを圧電式の駆動装置の形に形成することが可能である。なぜならば、ベルトリールの回転運動の所望の制動を保証するために、このような駆動装置により形成された作動力を自己倍力機構によって十分に増幅させることができるからである。全ての有利なアクチュエータは、良好な制御可能性および特に高い動的特性によりすぐれている。これにより、各アクチュエータにより形成された操作力をクラッシュ発生時に、乗員固有のパラメータ、車両固有のパラメータおよび/または状況固有のパラメータに特に良好に適合させることができる。
本発明によるベルトリトラクタのさらに別の有利な実施態様では、アクチュエータが、ベルトリールに関して半径方向外側に位置してベルトリールにほぼ隣接して位置決めされている。これに関連して「ほぼ隣接して」という表現は、アクチュエータがベルトリールに直接に隣接して位置決めされていてよいことを意味する。しかし、これに対して択一的に、別の構成部分、たとえばアクチュエータを支持するためのハウジング部分がベルトリールとアクチュエータとの間に配置されていてもよい。
さらに、アクチュエータを、回転部材に関して半径方向外側に位置して該回転部材にほぼ隣接して位置決めすることが可能である。たとえば、アクチュエータは、第2の支持体部分の、ベルトリールのシャフトに対してほぼ平行に回転部材を巡るように延びる区分に固定されていてよい。「ほぼ隣接して」とは、やはりアクチュエータが回転部材に直接に隣接して位置決めされていてよいことを意味する。しかし別の構成部分、たとえばアクチュエータを支持するための第2の支持体部分の上で述べた区分が回転部材とアクチュエータとの間に設けられていてもよい。
さらに、アクチュエータは、回転部材の、ベルトリールとは反対の側に該回転部材にほぼ隣接して位置決めされていてよい。上で述べたように、「ほぼ隣接して」とは、アクチュエータがたしかに回転部材に直接に隣接して位置決めされていてよいことを意味するが、しかし回転部材とアクチュエータとの間に別の構成部分が配置されていることも考えられる。アクチュエータの位置を変えることにより、本発明によるベルトリトラクタを、種々の自動車タイプにおける固有の組込み要件に特に良好に適合させることができる。
第1の支持体部分がその回転軸線の方向に移動可能に支承されていると有利である。その結果、アクチュエータが操作されると、第1の支持体部分は第1の倍力エレメントと第2の倍力エレメントとにより第1の支持体部分に導入された、第1の支持体部分の回転軸線に対して平行に向けられた力によって軸方向で回転部材の方向に移動させられる。第1の支持体部分を支承するためには、たとえば滑り軸受けを使用することができる。これに対して択一的に、第1の支持体部分の軸方向運動を、第1の支持体部分に形成されたねじ山と、位置固定のスピンドルとの協働によって案内することもできる。第1の支持体部分は、回転部材に面した該回転部材に対してほぼ平行に延びる面に少なくとも1つの第1の摩擦エレメントを支持していてよい。この第1の摩擦エレメントは、第1の支持体部分の移動時に軸方向で回転部材に圧着され、これにより、ベルトリールと回転部材との間に相対回動不能の結合が形成されるやいなや、ベルトリールの回転運動の制動を生ぜしめる。もちろん、たとえば回転部材の回転軸線を中心にして回転対称的に配置された複数の摩擦エレメントが第1の支持体部分に固定されていてもよい。
本発明によるベルトリトラクタのさらに別の特に有利な実施態様では、回転部材が、その回転軸線の方向に移動可能に支承されている。たとえば、回転部材が相対回動不能に結合可能となるベルトリールのシャフトがフローティング式に、つまり浮動式に支承されていてよい。このような配置形式では、第1の支持体部分に取り付けられた第1の摩擦エレメントがアクチュエータの操作時に回転部材に圧着されると、回転部材が第1の支持体部分と一緒に軸方向に移動させられる。
第2の支持体部分の、回転部材に面した、該回転部材に対してほぼ平行に延びる面に、少なくとも1つの第2の摩擦エレメントが設けられていてよい。このような配置形式では、アクチュエータが操作されると、ひいては第1の支持体部分が軸方向に移動させられると、軸方向移動可能に支承された回転部材が同じく軸方向に移動させられて、前記少なくとも1つの第2の摩擦エレメントに圧着される。もちろん、たとえば回転部材の回転軸線を中心にして回転対称的に第2の支持体部分に設けられた複数の第2の摩擦エレメントが設けられていてもよい。
第1の支持体部分と第2の支持体部分との間の間隔を調節するために、本発明によるベルトリトラクタの有利な実施態様では、戻しばねが設けられている。この戻しばねは、第1の端部と第2の端部とを有しており、この場合、戻しばねの両端部は第1の支持体部分もしくは第2の支持体部分に支持されていると有利である。
軸方向移動可能に支承された回転部材の、第1の支持体部分および第2の支持体部分に対して相対的な休止位置を位置固定するためには、少なくとも1つのスペースエレメントが設けられていてよい。たとえば、第1のスペースエレメントが第1のばねから成っていて、第1の支持体部分と回転部材との間の間隔を規定している。同じくばねの形に形成された第2のスペースエレメントは、回転部材と第2の支持体部分との間の間隔を規定するために設けられていてよい。
戻しばねとスペースエレメントとによって、アクチュエータが操作されていない状態で回転部材が前記少なくとも1つの摩擦エレメントを擦過することが阻止される。言い換えれば、戻しばねとスペースエレメントとは、回転部材と前記少なくとも1つの摩擦エレメントとの間の所望のエアギャップの調節を可能にする。アクチュエータが操作されると、前記少なくとも1つのスペースエレメントは押し縮められるので、第1の支持体部分および場合によっては回転部材を戻しばねのばね力に抗して軸方向に移動させることができ、これにより前記少なくとも1つの摩擦エレメントを回転部材に当て付けることができる。
本発明によるベルトリトラクタのさらに別の有利な実施態様では、自己倍力機構がばねエレメントを有しており、該ばねエレメントが、第1の支持体部分の周方向に向けられた力を第1の支持体部分に加えるために調整されている。このようなばねエレメントは、たとえばコイルばねの形に形成されていてよい。このコイルばねの端部は第1の支持体部分もしくは位置固定の構成部分、たとえば第2の支持体部分に固定されている。このようなばねエレメントによって、アクチュエータの操作時に導入された垂直力と、回転部材に生じる摩擦力とから合成される力をその方向および量に関して変化させることができる。基本的に、この合成力の方向および量は楔ピッチ角度もしくは楔勾配角度αもしくはスピンドルピッチおよび前記少なくとも1つの摩擦エレメントの摩擦係数に関連している。自己倍力機構の最適な作用を得るためには、前記合成力が、楔勾配角度αにより規定された斜めの楔面もしくはスピンドルピッチにより規定された斜めのスピンドル面に対して直角に向けられていることが望ましい。ばねエレメントによって、前記合成力の方向ならびに量に影響を与えることができるので、前記ばねエレメントは楔ピッチ角度もしくは楔勾配角度αもしくはスピンドルピッチならびに前記少なくとも1つの摩擦エレメントの摩擦係数の、前記合成力への作用に関して最適な値からの偏差の補償を可能にする。これにより、本発明によるベルトリトラクタの製造時には、楔ピッチ角度もしくは楔勾配角度αもしくはスピンドルピッチおよび前記少なくとも1つの摩擦エレメントの摩擦係数に関して、より高い公差を設定することができる。
これに対して付加的にまたは択一的に、少なくとも1つの摩擦エレメントが、磁性の材料から成っていてよい。これにより、アクチュエータの操作時に生じる垂直力と、前記少なくとも1つの摩擦エレメントに生じる摩擦力とから合成される力の方向および量に影響が与えられる。さらに、前記合成力の量または方向を変化させるために、第1の支持体部分を磁化しかつ/またはたとえばポット形磁石の形に形成された磁石を設けることも可能である。この磁石は有利には、回転部材を前記少なくとも1つの摩擦エレメントの方向に押しやるために、回転部材および/または第1の支持体部分に磁力を加える。軸方向における第1の支持体部分および/または回転部材の移動を生ぜしめる磁力を発生させることにより、さらに回転部材に付加的な垂直力を発生させることができる。この付加的な垂直力はクラッシュ発生時に制動作用の増幅を生ぜしめ、さらに、ブレーキ装置の迅速な応答を生ぜしめる。さらに、磁性の装置ならびに非線形のばね特性線を有するばねエレメントを用いて、前記合成力の非線形のバリエーションが可能となる。
以下に、添付の概略的な図面につき、本発明によるベルトリトラクタの種々の実施例を詳しく説明する。
図1は、本発明によるベルトリトラクタの第1実施例の一部を示す縦断面図であり、
図2は、本発明によるベルトリトラクタの図1に示した第1実施例において使用される楔機構を示す平面図であり、
図3は、図2に示した楔機構の第1の楔体における力バランスを示す概略図であり、
図4は、本発明によるベルトリトラクタの、楔機構のための収容部を備えた第2実施例の一部を示す縦断面図であり、
図5は、本発明によるベルトリトラクタの、ウォーム伝動装置を備えた第3実施例の一部を示す縦断面図であり、
図6は、本発明によるベルトリトラクタの、図5に示した第3実施例のウォーム伝動装置の重要なコンポーネントを示す平面図であり、
図7は、本発明によるベルトリトラクタの、択一的な別の楔機構を備えた第4実施例の一部を示す縦断面図であり、
図8は、図7に示した本発明によるベルトリトラクタの第4実施例の一部を示す斜視図であり、
図9は、本発明によるベルトリトラクタの、図7に示した第4実施例の変化形の一部を示す縦断面図であり、
図10は、本発明によるベルトリトラクタのブレーキディスクの休止位置を第1の支持体部分に対して相対的に位置固定するための装置の種々の実施態様(A)、(B)、(C)を示す断面図であり、
図11は、本発明によるベルトリトラクタの第5実施例の一部を示す縦断面図であり、
図12は、本発明によるベルトリトラクタの、別の択一的な楔機構を備えた第6実施例の一部を示す縦断面図であり、
図13は、図12に示した本発明によるベルトリトラクタの第6実施例の一部を示す斜視図であり、
図14は、本発明によるベルトリトラクタの第7実施例の一部を示す縦断面図であり、
図15は、ブレーキディスクの、ベルトリールとは反対の側にアクチュエータが位置決めされている、本発明によるベルトリトラクタの第8実施例の一部を示す縦断面図であり、
図16は、本発明によるベルトリトラクタの、ダイレクトドライブを備えた第9実施例の一部を示す縦断面図であり、
図17は、本発明によるベルトリトラクタの、同じくダイレクトドライブを備えた第10実施例の一部を示す縦断面図であり、
図18は、本発明によるベルトリトラクタの、スピンドル機構を備えた第11実施例の一部を示す縦断面図であり、
図19は、本発明によるベルトリトラクタの、ボール/ランプ機構を備えた第12実施例の一部を示す縦断面図であり、
図20は、本発明によるベルトリトラクタの、コイルばねを備えた第13実施例の一部を示す縦断面図である。
図1には、ベルトリトラクタ10の第1実施例が示されている。図1には、ベルトリトラクタ10の、回転軸線Aの片側に位置する区分だけが縦断面図で図示されている。ベルトリトラクタ10は、フローティング式(浮動式)に支承されたシャフト12に相対回動不能に配置されたベルトリール14を有しており、このベルトリール14にはシートベルト16が巻き付けられている。ベルトリール14にシートベルト16を巻き取るか、もしくはベルトリール14からシートベルト16を繰り出すために、シャフト12はベルトリール14と共に回転軸線Aを中心にして回転可能である。ベルトリール14に対して同軸的にブレーキディスク18が設けられており、このブレーキディスク18はシャフト12に相対回動不能に配置されており、ひいてはベルトリール14と一緒に回転軸線Aを中心にして回転可能である。
第1の支持体部分20が設けられており、この第1の支持体部分20は、ブレーキディスク18に対してほぼ平行に延びる第1の区分20´を有している。この第1の区分20´の、ブレーキディスク18に面した側は第1の摩擦エレメント22を支持している。第1の区分20´に対してほぼ直角にブレーキディスク18の外周を取り囲むように第1の支持体部分20の第2の区分20´´が延びている。第1の支持体部分20は、図1には図示されていない軸受けによって回転軸線Aに沿って移動可能にかつ回転軸線Aを中心にして回転可能に支承されている。
第1の支持体部分20の第2の区分20´´の外周面は外歯列24を備えている。この外歯列24は歯車28の外歯列26と協働する。歯車28は電動モータ32のモータシャフト30に相対回動不能に結合されており、この場合、電動モータ32はベルトリール14に関して半径方向外側に位置するように位置決めされていて、ベルトリール14に被さった位置固定のハウジング部分34に取り付けられている。
電動モータ32を制御するためには、図1には図示されていない電子制御ユニットが設けられている。この電子制御ユニットは、乗員固有のパラメータ、車両固有のパラメータおよび/または状況固有のパラメータを検出するためのセンサ(やはり図示されていない)、たとえばクラッシュセンサ、加速度センサ、遠心力センサ、乗員体重を検出するためのセンサおよび/または乗員位置を検出するためのセンサ等に接続されている。
第1の支持体部分20の第2の区分20´´の内周面にわたって、多数の第1の楔体38が分配されており、これらの第1の楔体38は第1の支持体部分20の第2の区分20´´に固定されている。第1の楔体38の数に相当する数の第2の楔体40が設けられており、これらの第2の楔体40は、ハウジング部分34に結合された位置固定の第2の支持体部分42の、ブレーキディスク18とは反対の側の外面に取り付けられている。第1の楔体38と第2の楔体40とは、両楔体に設けられた斜めの楔面46,48が互いに向かい合って位置しかつ回転軸線Aに対してほぼ直角に延びるように向けられている。
第2の支持体部分42の、ブレーキディスク18に対してほぼ平行に延びる第1の区分42´の、ブレーキディスク18に面した側は、第2の摩擦エレメント22´を支持している。第1の支持体部分20の第1の区分20´と、第2の支持部分42の第1の区分42´との間の間隔を調節するためには、戻しばね44が設けられている。この戻しばね44の端部は第1の支持体20の第1の区分20´もしくは第2の支持体部分42の第1の区分42´に対してほぼ直角に延びる第2の区分42´´に支持されている。
自動車における使用のために規定されたベルトリトラクタ10はさらに、図1にはやはり図示されていないベルトテンショナを有している。このベルトテンショナは、走行アシストシステムおよび/または相応するセンサが危険状況または間近に迫ったクラッシュを検出した場合に、車両乗員の身体におけるシートベルトの緩みを補償するためにシートベルト16をピンと張った状態に引き締める。電動モータ32を制御するために使用される電子制御ユニットは、ベルトテンショナを制御するためにも使用され得る。しかし、これに対して択一的に、ベルトテンショナを別個の専用の電子制御ユニットによって制御することも可能である。ベルトテンショナのための操作メカニズムとしては、プリロードもしくは予荷重をかけられたばねを備えた機械的なシステムまたはシートベルトの引き締めをパイロ技術的な推進装薬によって行うパイロ技術的なシステムが挙げられる。これに対して択一的に、ベルトテンショナを操作するための高動的な電動モータを使用することもできる。この場合には、電動モータ32または付加的な電動モータを使用することができる。
以下に、ベルトリトラクタ10の機能を説明する。ベルトリトラクタ10の標準運転においては、シャフト12と、このシャフト12に相対回動不能に結合されたベルトリール14とを回転軸線Aを中心にして回転させることによりシートベルト16がベルトリール14に巻き取られるか、もしくはベルトリール14から繰り出される。同じくシャフト12に相対回動不能に配置されているブレーキディスク18はシャフト12の回転時に同じく回転軸線Aを中心にして回転させられる。
走行アシストシステムまたは相応するセンサ、たとえばクラッシュセンサが、危険状況または間近に迫ったクラッシュを検知すると、電子制御ユニットはベルトテンショナを制御し、その後にベルトテンショナの操作メカニズムにより、回転軸線Aを中心としたシャフト12の回転、ひいてはベルトリール14およびブレーキディスク18の回転が生ぜしめられる。これにより、シートベルト16はベルトリール14に巻き取られ、シートベルト16は車両乗員の身体に引き締められる。
クラッシュ自体の際には、まず、ベルトテンショナにより生ぜしめられた、シャフト12とベルトリール14とブレーキディスク18との回転運動が、シートベルト16に作用する力に基づいて停止させられる。シャフト12とベルトリール14とブレーキディスク18との、逆方向における回転を阻止し、ひいてはベルトリール14からのシートベルト16の繰出しを阻止するためには、電動モータ32が電子制御ユニットにより操作されるので、時計回り方向でのモータシャフト30の回転が歯車28を介して第1の支持体部分20に伝達される。したがって、第1の支持体部分20は時計回り方向で回転軸線Aを中心にして第2の支持体部分42に対して相対的に回動される。このことは、第1の支持体部分20の第2の区分20´´に固定された第1の楔体38の斜めの楔面46が、第2の支持体部分42に固定された第2の楔体40の斜めの楔面48に乗り上げるか、もしくは第2の楔体40の斜めの楔面48に沿って摺動することをもたらす。これにより、第1の支持体部分20は戻しばね44のばね力に抗して軸方向でブレーキディスク18に向かって、すなわち図1で見て左側へ向かって移動させられるので、第1の摩擦エレメント22はブレーキディスク18に当て付けられる。
第1の楔体38および第2の楔体40の作用を分かり易く示すために、図2には第1の楔体38および第2の楔体40を有する楔機構の平面図が図示されている。第1の楔体38と第2の楔体40とは、第1の楔体38の斜めの楔面46が第2の楔体40の斜めの楔面48に向かい合って位置するように配置されている。両楔面46,48のピッチもしくは勾配Pはそれぞれ楔ピッチ角度もしくは楔勾配角度αによって規定される。したがって、第1の楔体38と第2の楔体40との協働により生ぜしめられる、第1の支持体部分20の軸方向移動量sは式
s=P・ψ/(2・π)
により決定される。この場合、ψは回転軸線Aを中心とした第1の支持体部分20の回転角度である。
図2に示した楔機構は第1の楔体38と第2の楔体40とを有しているが、しかし第2の楔体40を別の適当な装置、たとえば第1の楔体38のスライド式またはローリング式の支持を可能にするピンによって代えることもできる。さらに、図2に示した楔機構の代わりに、あとでさらに詳しく説明するように、ボール/ランプ(斜面)機構を使用することもできる。
第1の摩擦エレメント22がブレーキディスク18に当て付けられると、ブレーキディスク18はシャフト12のフローティング式の支承に基づいて第1の支持体部分20と一緒に第2の支持体部分42の方向に、つまり図1で見て左側へ向かって移動させられ、これによりブレーキディスク18はほぼ遅延なしに第2の摩擦エレメント22´にも当て付けられる。
図1に示したベルトリトラクタ10では、第1の支持体部分20と、第2の支持体部分42と、第1の楔体38と、第2の楔体40とが、自己倍力機構を形成する。すなわち、電動モータ32により歯車28を介して導入された操作力は、外部から導入されなければならない別の力なしに自発的に増幅され、すなわち自己倍力される。このような自己倍力作用を説明するために、図3には、電動モータ32の操作時に生ぜしめられた、第1の楔体38における力バランスが図示されている。この場合、FEinは、電動モータ32を介して第1の楔体38に導入されたインプット力であり、Fは、第1の楔体38の斜めの楔面46が第2の楔体40の斜めの楔面48に沿って摺動する際に生ぜしめられる、第2の楔体40の斜めの楔面48によって支持されなければならない受け力であり、この受け力は、インプット力FEinとは逆向きの力FLYと、ブレーキディスク18に対して直角に位置する押圧力FLXとに分割され得る。Fは、ブレーキディスク18における、押圧力FLXとは逆向きの垂直力であり、Fは、第1の楔体38もしくは摩擦エレメント22,22´において生じる摩擦力である。
この力バランスによれば、速度vによって行われる、ブレーキディスク18と第1の摩擦エレメント22もしくは第2の摩擦エレメント22´との間での相対運動の際に生ぜしめられる摩擦力Fもしくはブレーキディスク18の、自己倍力機構が位置している方の側における摩擦モーメントは、式
Ein=−F・[1−(tanα/μ)]
に相応して、楔勾配角度α、第1の摩擦エレメント22および第2の摩擦エレメント22´とブレーキディスク18との間の摩擦値もしくは摩擦係数μならびにインプット力FEinに関連している。
原則的に楔ピッチ角度もしくは楔勾配角度αは、電動モータ32により導入されたインプット力FEinが、場合によっては外部影響因子、たとえば温度に基づいて変化する摩擦係数μとは無関係に、ブレーキディスク18の回転方向に関して常にポジティブ(正)になるように設定されていてよい(押圧楔機構)。しかし、これに対して択一的に、楔勾配角度αは、電動モータ32により導入されたインプット力FeEinが摩擦係数μとは無関係に、ブレーキディスク18の回転方向に関して常にネガティブ(負)になるように設定されていてもよい(引張楔機構)。さらに、楔勾配角度αは、第1の楔体38と第2の楔体40とが、最適な(通常では最も頻繁に生じる)運転状態において押圧機構と引張機構との間の移行点の近傍に位置するように設定されていてもよい。
電動モータ32により導入されたインプット力FEinは電子制御ユニットによって、ブレーキディスク18に所望の摩擦力Fが生じ、かつシャフト12の回転運動、ひいてはベルトリール14の回転運動の相応する制動が生ぜしめられるように制御される。摩擦力Fのための目標値を求めるためには、相応するセンサにより検出された乗員固有のパラメータ、車両固有のパラメータおよび/または状況固有のパラメータが利用される。これにより、ベルトリール14の回転運動の制動が、ひいてはベルトリール14からのシートベルト16の繰出し運動の制動が、同じくこれらのパラメータに関連して行われる。言い換えれば、電動モータ32により加えられたインプット力FEinを乗員固有、車両固有および/または状況固有のパラメータに関連して相応して制御することによって、シートベルト16を介して車両乗員に作用する力を、これらの状況固有、車両固有および/または状況固有のパラメータに個別に適合させることが可能となる。この場合、電子制御ユニットは、必要に応じて、インプット力FEinの量をも、力経過、たとえばインプット力FEinの時間に関連した経過をも制御するために調整されている。
上記式から判るように、インプット力FEinから生ぜしめられた摩擦力Fは摩擦係数μに関連している。この摩擦係数μは第1の摩擦エレメント22および第2の摩擦エレメント22´に作用する負荷ならびに外部影響因子、たとえば温度に関連して、事情によっては比較的大きく変化し得る。摩擦力Fの、摩擦係数変化により生ぜしめられた望ましくない変化を出力制御するためには、図1に示したベルトリトラクタ10が、摩擦力Fの連続的な測定を可能にするセンサを有していてよい。電子制御ユニットは、このセンサにより求められた信号を評価して、たとえば摩擦力Fの目標値と、センサにより求められた実際値との間の比較に基づいて、電動モータ32を介して導入されるインプット力FEinの相応する適合を行い、これにより摩擦力Fの実際値は所望の目標値に近付けられる。
図4に示したベルトリトラクタ10の第2実施例は、第2の支持体部分42の構造の点で、図1に示した装置とは異なっている。図4に示した第2実施例では、第2の支持体部分42が、ブレーキディスク18に対してほぼ平行に向けられた第1の区分42´と、この第1の区分42´に対してほぼ直角に延びる第2の区分42´´とを有している。さらに第3の区分42´´´が設けられており、この第3の区分42´´´は第2の区分42´´に結合されていて、第1の区分42´と同様にブレーキディスク18に対してほぼ平行に向けられている。したがって、第2の支持体部分42の第2の区分42´´と第3の区分42´´´とは、第1の楔体38と第2の楔体40とのためのほぼL字形の収容部を形成しているので、この楔機構は環境影響因子に対して特に良好に保護されている。
第1の支持体部分20と第2の支持体部分42との間の間隔を調節するための戻しばね44の端部は、図4に示したベルトリトラクタ10では、第1の支持体部分20の第1の区分20´の、ブレーキディスク18に面した側の面もしくはこの面に向かい合って位置する、第2の支持体部分42の第3の区分42´´´の面に支持されている。
その他の点で、図4に示したベルトリトラクタ10の構造および機能形式は、図1に示した装置の構造および機能形式に相当している。
図5には、ベルトリトラクタ10の第3実施例が示されている。図5に示したベルトリトラクタ10はまず次の点で図4に示した装置とは異なっている。すなわち、電動モータ32はもはやベルトリール14に関して半径方向外側に位置するように位置決めされているのではなく、90゜だけ旋回させられていて、したがってベルトリール14に対して軸方向にずらされてかつ第1の支持体部分20に関して半径方向外側に位置するように配置されている。図5に示したベルトリトラクタ10では、図1および図4に示したハウジング部分34を不要にすることができる。
モータシャフト30の回転運動を第1の支持体部分20に伝達するためには、モータシャフト30が、保持部51に支承されたウォーム52に結合されている。図6から最も良く判るように、ウォーム52は相応する外歯列54と協働する。この外歯列54は第1の支持体部分20の第2の区分20´´の外周面に形成されている。図1〜図4に示した歯車伝動装置に比べて、このようなウォーム伝動装置を用いると、より高い変速比が得られる。
その他の点で、図5に示したベルトリトラクタ10の構造および機能形式は、図4に示した装置の構造および機能形式に相当している。
図7および図8には、ベルトリトラクタ10の第4実施例が示されている。このベルトリトラクタ10は、主として楔機構の点で図4に示した装置とは異なっている。図8から最も良好に判るように、ベルトリトラクタ10の第1の支持体部分20は多数のスリット56を有している。これらのスリット56は第1の支持体部分20の第2の区分20´´の全周にわたって分配されて第1の支持体部分20の第2の区分20´´に形成されている。
第2の支持体部分42はブレーキディスク18に対してほぼ平行な第1の区分42´と、この第1の区分42´に対してほぼ直角に延びる第2の区分42´´とを有している。第2の支持体部分42の第2の区分42´´からは、第2の区分42´´の全周にわたって分配されて配置された複数の第3の区分42´´´が第2の区分42´´に対してほぼ直角に延びていて、第1の支持体部分20の第2の区分20´´に形成されたスリット56を貫通している。
スリット56は、第2の支持体部分42の各第3の区分42´´´と協働する側面がブレーキディスク18に対して相対的に角度αだけ傾けられて、これによって斜めの楔面46を形成するように形成されている。第2の支持体部分42の第3の区分42´´´はブレーキディスク18に対して相対的に同じく角度αだけ傾けられている。したがって、第2の支持体部分42の各第3の区分42´´´の、各スリット56により形成された斜めの楔面46に向かい合って位置する面が、斜めの楔面48を形成している。
第1の支持体部分20と第2の支持体部分42との間の間隔を調節するための戻しばね44の端部は、第1の支持体部分20の第1の区分20´の、ブレーキディスク18に面した側もしくは位置固定の第2の支持体部分42の第1の区分42´の、ブレーキディスク18に面した側に支持されている。
電動モータ32が操作され、ひいては第1の支持体部分20が時計回り方向で位置固定の第2の支持体部分42に対して相対的に回転させられると、スリット56により形成された斜めの楔面46は第2の支持体部分42の各第3の区分42´´´の斜めの楔面48に乗り上げ、つまり各第3の区分42´´´の斜めの楔面48沿って摺動する。その結果、上で述べたように、第1の支持体部分20は戻しばね44のばね力に抗して軸方向でブレーキディスク18へ向かって、つまり図7で見て左側へ向かって移動させられるので、第1の摩擦エレメント22はブレーキディスク18に当て付けられる。
その他の点で、図7および図8に示したベルトリトラクタ10の構造および機能形式は、図4に示した装置の構造および機能形式に相当する。
図9には、図7および図8に示したベルトリトラクタ10の第4実施例の変化形が示されている。この変化形は付加的に、第1の支持体部分20および第2の支持体部分42に対して相対的なブレーキディスク18の休止位置を固定するための、それぞればねの形に形成された第1のスペースエレメント58および第2のスペースエレメント60を備えている。第1のスペースエレメント58の端部は第1の支持体部分20の第1の区分20´の、ブレーキディスク18に面した側もしくはこれに向かい合って位置する、ブレーキディスク18の対応する側に支持されている。第2のスペースエレメント60の端部は第2の支持体部分42の第1の区分42´の、ブレーキディスク18に面した側もしくはこれに向かい合って位置するブレーキディスク18の対応する側に支持されている。場合によっては、ベルトリトラクタ10は唯一つのスペースエレメント58;60しか有していなくともよい。
第1のスペースエレメント58および第2のスペースエレメント60によって、ブレーキディスク18を第1の支持体部分20および第2の支持体部分42に対して相対的に、ひいては第1の支持体部分20および第2の支持体部分42に固定された第1の摩擦エレメント22および第2の摩擦エレメント22´に対して相対的に、構造的に比較的簡単に位置決めすることができる。したがって、第1のスペースエレメント58および第2のスペースエレメント60は場合によっては戻しばね44と一緒に、摩擦エレメント22,22´とブレーキディスク18との間の所望のエアギャップを調節するために働く。
図9に示したように、第1のスペースエレメント58は第1の支持体部分20の第1の区分20´の、ブレーキディスク18に面した側と、これに向かい合って位置するブレーキディスク18の側との間に延びていてよい。しかし、これに対して択一的に、図10a、図10bおよび図10cに示したように、シャフト12に第1のスペースエレメント58を収容するための円筒状の孔62が形成されていてもよい。その場合、第1のスペースエレメント58の端部は第1の支持体部分20の第1の区分20´の、ブレーキディスク18に面した側もしくはこれに向かい合って位置する、シャフト12に形成された孔62の端面に支持されている。
第1のスペースエレメント58の端部と、第1の支持体部分20の第1の区分20´との間の摩擦を減少させるためには、第1のスペースエレメント58が、図10bに示したように、ボール64を介して第1の支持体部分20の第1の区分20´の、ブレーキディスク18に面した側に支持されていてよい。図10cに示したように、ボール64に代えて、より容易に案内され得るピン66を使用することもできる。
図11に示したベルトリトラクタ10の第5実施例では、第2の支持体部分42が、図7〜図9に示した装置の場合と同様に、第2の支持体部分42の第2の区分42´´に対して直角に延びる複数の第3の区分42´´´を有している。しかし、これらの第3の区分42´´´は第2の支持体部分42の第2の区分42´´の外周面にわたり分配されているのではなく、第2の支持体部分42の第2の区分42´´の内周面にわたり分配されて第2の区分42´´に固定されている。言い換えれば、第2の支持体部分42の第3の区分42´´´は第2の支持体部分42の第2の区分42´´から半径方向でシャフト12に向かって延び、このときに対応するスリット56を貫通している。このスリット56は第1の支持体部分20の第2の区分20´´に形成されている。
図7〜図9に示した装置の場合と同様に、スリット56は、第2の支持体部分42の各第3の区分42´´´と協働する側面がブレーキディスク18に対して相対的に角度αだけ傾けられ、ひいては斜めの楔面46を形成するように形成されている。第2の支持体部分42の第3の区分42´´´はブレーキディスク18に対して相対的に同じく角度αだけ傾けられている。したがって、第2の支持体部分42の各第3の区分42´´´の、各スリット56により形成された傾けられた楔面46に向かい合って位置する面が、斜めの楔面48を形成している。
第2の支持体部分42の第2の区分42´´は第1の支持体部分20の第2の区分20´´に対して平行に、第1の支持体部分20の第2の区分20´´に形成されたスリット56をカバーするために十分となる長さにわたって延びている。これにより、ブレーキディスク18と、摩擦エレメント22,22´と、第1の支持体部分20と第2の支持体部分42との間に配置された別のコンポーネントとは、周辺環境影響因子に対して特に良好に保護されている。
その他の点で、図11に示したベルトリトラクタ10の構造および機能形式は、図7〜図9に示した装置の構造および機能形式に相当している。
図12に示したベルトリトラクタ10の第6実施例では、ハウジング構成部分34がもはやベルトリール14に被さっておらず、ベルトリール14の外周面の一部にわたってしか延びていない。しかしハウジング構成部分34は引き続き、電動モータ32を固定するために働く。もちろん、図12に示したベルトリトラクタ10の実施例には、たとえば図1または図4に示したような別形式のハウジング構成部分34を装備させることもできる。
図13に示した空間的な図面から最も良く判るように、第1の支持体部分20はブレーキディスク18に対してほぼ平行に配置された第1の区分20´と、第2の区分20´´とを有している。この第2の区分20´´は第1の区分20´に対してほぼ直角に延びている。第1の支持体部分20の第2の区分20´´からは、複数の第3の区分20´´´が第2の区分20´´の内周面から半径方向でシャフト12に向かって突出している。この場合、第1の支持体部分20の第3の区分20´´´はブレーキディスク18に対して相対的に角度α分だけ傾けられている。したがって、第1の支持体部分20のそれぞれ第3の区分20´´´の、第1の支持体部分20の第1の区分20´に向けられた面がそれぞれ1つの斜めの楔面46を形成する。
第2の支持体部分42は、ブレーキディスク18に対してほぼ平行に配置された第1の区分42´と、この第1の区分42´に対してほぼ直角に延びる第2の区分42´´とを有している。第2の区分42´´からは、複数の第3の区分42´´´が半径方向外側に向かって突出しており、この場合、第2の支持体部分42の第3の区分42´´´はやはりブレーキディスク18に対して相対的に角度αだけ傾けられている。したがって、第1の支持体部分20の各第3の区分20´´´には、第2の支持体部分42の相応する第3の区分42´´´が対応しているので、各斜めの楔面46は、第2の支持体部分42の各第3の区分42´´´に形成された、向かい合って位置する斜めの楔面48と協働する。
電動モータ32が操作されると、第1の支持体部分20は時計回り方向で第2の支持体部分42に対して相対的に回動させられるので、第1の支持体部分20の第3の区分42´´´に形成された斜めの楔面46は、第2の支持体部分42の対応する第3の区分42´´´に形成された斜めの楔面48に乗り上げるか、もしくはこの斜めの楔面48に沿って摺動する。これにより、第1の支持体部分20は軸方向でブレーキディスク18に向かって移動させられることになるので、第1の摩擦エレメント22はブレーキディスク18に当て付けられる。
その他の点において、図12および図13に示したベルトリトラクタ10の構造および機能形式は、図7〜図9に示した装置の構造および機能形式に相当している。
図14には、ベルトリトラクタ10の第7実施例が示されている。第7実施例は主として楔機構の位置決めの点で、図1に示した装置とは異なっている。図14に示したように、第1の支持体部分20は、ブレーキディスク18に対してほぼ平行に配置された第1の区分20´と、この第1の区分20´に対してほぼ直角にブレーキディスク18の外周を取り囲むように延びる第2の区分20´´とを有している。
第2の支持体部分42は、ブレーキディスク18に対してほぼ平行に配置された第1の区分42´と、この第1の区分42´からほぼ直角にブレーキディスク18の外周を取り囲むように延びる第2の区分42´´と、この第2の区分42´´から半径方向でシャフト12に向かって突出し、ひいては第1の区分42´とブレーキディスク18とに対してほぼ平行に配置されている第3の区分42´´´とを有している。第2の支持体部分42の第2の区分42´´には、第2の支持体部分42の周面に沿って延びるスリット68が形成されており、このスリット68は第1の支持体部分20の第1の区分20´によって貫通される。
第1の支持体部分20の第1の区分20´の、ブレーキディスク18とは反対の側には、第1の楔体38が配置されている。位置固定の第2の支持体部分42の第3の区分42´´´の、第1の支持体部分20の第1の区分20´に向かい合って位置する面には、第1の楔体38と協働する第2の楔体40が固定されている。したがって、第1の楔体38と第2の楔体40とから成る楔機構は、ベルトリトラクタ10のこれまで説明した実施例とは異なり、ベルトリール14の範囲に位置決めされているのではなく、ブレーキディスク18の、ベルトリール14とは反対の側に位置決めされている。
その他の点において、図14に示したベルトリトラクタ10の構造および機能形式は、図1に示した装置の構造および機能形式に相当している。
図15に示したベルトリトラクタ10の場合には、電動モータ32が、図14に示した装置の場合とは異なり、ベルトリール14に関して半径方向外側に位置するように位置決めされているのではなく、ブレーキディスク18の、ベルトリール14とは反対の側に配置されている。したがって、電動モータ32を固定するためのハウジング部分34を不要にすることができる。
第1の支持体部分20は、ブレーキディスク18に対してほぼ平行に配置された第1の区分20´と、この第1の区分20´からほぼ直角にかつ第1の楔体38と第2の楔体40とを有する楔機構に関して半径方向内側に位置して延びる第2の区分20´´とを有している。図15から判るように、第1の支持体部分20の第2の区分20´´はL字形の構成部分の一部である。このL字形の構成部分は第1の支持体部分20の第1の区分20´に固定されている。しかし、もちろん、第1の支持体部分20は全体的にワンピースに、つまり一体に形成されていてもよい。
第2の支持体部分42は、ブレーキディスク18に対してほぼ平行に配置された第1の区分42´と、この第1の区分42´からほぼ直角にブレーキディスク18の外周面を取り囲むように延びる第2の区分42´´と、この第2の区分42´´から半径方向でシャフト12に向かって突出した第3の区分42´´´とを有している。第2の支持体部分42の第1の区分42´は位置固定のハウジングエレメント69に固く取り付けられている。
第1の支持体部分20の第2の区分20´´の内周面には、内歯列70が形成されている。この内歯列70は歯車28に設けられた外歯列26と協働する。この歯車28はモータシャフト30を介して電動モータ32に結合されている。
その他の点において、図15に示したベルトリトラクタ10の構造および機能形式は、図14に示した装置の構造および機能形式に相当している。
図16には、ベルトリトラクタ10の第9実施例が示されている。このベルトリトラクタ10は電動モータ32の代わりにダイレクトドライブ72を有している。図15に示した装置の場合と同様に、第1の支持体部分20はブレーキディスク18に対してほぼ平行に配置された第1の区分20´と、この第1の区分20´に対して直角にかつ第1の楔体38と第2の楔体40とを有する楔機構に関して半径方向内側に位置して延びる第2の区分20´´とを有している。しかし、第1の支持体部分20の第2の区分20´´からは、ブレーキディスク18に対してほぼ平行に半径方向外側へ向かって第3の区分20´´´が延びている。図16から判るように、第1の支持体部分20の第2の区分20´´と第3の区分20´´´とは、ほぼU字形の構成部分の一部である。このU字形の構成部分は第1の支持体部分20の第1の区分20´に固定されている。しかし、もちろん、第1の支持体部分20は全体的にワンピースに、つまり一体に形成されていてもよい。
図15に示した装置の場合と同様に、第2の支持体部分42はブレーキディスク18に対してほぼ平行に配置されかつ位置固定のハウジングエレメント69に固く取り付けられた第1の区分42´と、この第1の区分42´に対してほぼ垂直にブレーキディスク18の外周を取り囲むように延びる第2の区分42´´とを有している。第2の支持体部分42の第2の区分42´´からは、半径方向でシャフト12に向かって第3の区分42´´´が突出している。
第1の支持体部分20の第3の区分20´´´の、ブレーキディスク18に面した側は、多数のロッド状の磁石74を支持しているので、第1の支持体部分20はダイレクトドライブ72のロ―タを形成している。第2の支持体部分42の第3の区分42´´´の、ブレーキディスク18とは反対の側には、環状のステータコイル巻線76が固定されている。
ダイレクトドライブ72が通電されると、第1の支持体部分20は直接に、つまり伝動装置の中間接続なしに、回転軸線Aを中心にした時計回り方向における回転運動にもたらされる。このときに、第1の支持体部分20に設けられた第1の楔体38の斜めの楔面46が、位置固定の第2の支持体部分42に設けられた第2の楔体40の斜めの楔面48に乗り上げるか、この斜めの楔面48に沿って摺動するので、第1の支持体部分20は軸方向でブレーキディスク18に向かって移動させられ、第1の摩擦エレメント22はブレーキディスク18に圧着される。
ダイレクトドライブ72の使用により、ダイレクトドライブ72により形成された駆動力を第1の支持体部分20へ伝達するための伝動装置の使用を不要にすることができる。さらに、ロッド状の磁石74と、第1の支持体部分20を軸方向でブレーキディスク18の方向に押しやる、ステータコイル巻線76との間の吸引力によって、ブレーキディスク18には付加的な垂直力が形成される。
その他の点において、図16に示したベルトリトラクタ10の構造および機能形式は、図15に示した装置の構造および機能形式に相当している。
図17には、ダイレクトドライブ72を備えたベルトリトラクタ10の第10実施例が図示されている。しかし、図16に示した装置とは異なり、第1の支持体部分20はディスク状に形成されていて、ブレーキディスク18とは反対の側に第1の楔体38をも、ダイレクトドライブ72の多数のロッド状の磁石74をも支持している。
位置固定の第2の支持体部分42は、ブレーキディスク18に対してほぼ平行に配置された第1の区分42´と、この第1の区分42´に対してほぼ直角にブレーキディスク18の外周面を取り囲むように延びる第2の区分42´´とを有している。第2の支持体部分42の第2の区分42´´からは、ブレーキディスク18に対してほぼ平行に配置された第3の区分42´´´が延びており、この第3の区分42´´´の、ブレーキディスク18に向けられた側は、第1の楔体38と協働する第2の楔体40と、ダイレクトドライブ72のステータコイル巻線76とを支持している。第2の支持体部分42の第3の区分42´´´は支承区分78に固く結合されている。この支承区分78はシャフト12の軸方向の延長部を形成しており、この場合、シャフト12は軸受け80を介して回転可能に第2の支持体部分42の支承区分78に支持されている。図17から判るように、第2の支持体部分42の第1の区分42´は、第2の支持体部分42の第2の区分42´´と第3の区分42´´´と支承区分78とに固く結合されている位置固定の構成部分によって形成されている。しかし、もちろん、第2の支持体部分42は全体的にワンピースに形成されていてもよい。
第1の支持体部分20の休止位置を第2の支持体部分42の第1の区分42´に対して相対的に位置固定するためには、戻しばね44が設けられている。この戻しばね44の端部は、第1の支持体部分20の、ブレーキディスク18に面した側もしくは第2の支持体部分42の第1の区分42´の、ブレーキディスク18に面した側に支持されている。したがって、戻しばね44と、軸受け80と、ばねの形に形成されかつ第2の支持体部分42の第1の区分42´とブレーキディスク18との間に配置されたスペースエレメント60とは、一緒になって、第1の支持体部分20および第2の支持体部分42に固定された摩擦エレメント22,22´とブレーキディスク18との間の所望のエアギャップを調節することを可能にする。
図17から判るように、ダイレクトドライブ72の、第1の楔体38と第2の楔体40とに関して半径方向内側に位置する配置により、特にコンパクトな装置を実現することができる。この装置では、ダイレクトドライブ72だけではなく、両楔体38,40、第1の支持体部分20、両摩擦エレメント22,22´ならびにブレーキディスク18も、環境影響因子に対して良好に保護されている。
ダイレクトドライブ72が通電されると、第1の支持体部分20は図16に示した装置の場合と同様に、第2の支持体部分42に対して相対的に回転軸線Aを中心にした回転運動にもたらされる。このときに、第1の支持体部分20に固定された第1の楔体38の斜めの楔面46は第2の支持体部分42の第3の区分42´´´に固定された第2の楔体40の斜めの楔面48に乗り上げるので、第1の支持体部分20は軸方向でブレーキディスク18に向かって移動させられ、第1の摩擦エレメント22はブレーキディスク18に圧着される。
その他の点において、図17に示したベルトリトラクタ10の構造および機能形式は、図16に示した装置の構造および機能形式に相当している。
図18には、ベルトリトラクタ10の第11実施例が示されている。このベルトリトラクタ10は、図1に示した装置とは特に自己倍力機構の構成の点で異なっている。図18に示したベルトリトラクタ10では、電動モータ32が、図1に示した装置の場合と同様に、ベルトリール14に関して半径方向外側に位置して配置されていて、ハウジング部分34に固定されている。このハウジング部分34は、位置固定の第2の支持体部分42の第1の区分42´の、ブレーキディスク18とは反対の側から、ベルトリール14の外周を取り囲むように延びている。第2の支持体部分42はさらに、第1の区分42´からほぼ直角に延びる第2の区分42´´と、ブレーキディスク18に対してほぼ平行に配置されたディスク状の第3の区分42´´´とを有している。
モータシャフト30を介して電動モータ32に結合された歯車28は、第2の支持体部分42の第2の区分42´´に形成された開口82を貫通していて、外歯列24と協働する。この外歯列24は第1の支持体部分20の、ブレーキディスク18に対してほぼ平行に延びる第1の区分20´の外周面に形成されている。第2の支持体部分42の第1の区分42´とブレーキディスク18との間に位置決めされた第1の支持体部分20はさらに、ほぼ中空円筒状に形成されかつ第1の区分20´に結合された第2の区分20´´を有している。第1の支持体部分20の第1の区分20´の、ブレーキディスク18に面した側は第1の摩擦エレメント22を支持している。第2の支持体部分42の第3の区分42´´´の、ブレーキディスク18に面した側には、第2の摩擦エレメント22´が設けられている。
第2の支持体部分42の第1の区分42´には、シャフト12により貫通された中空円筒状に形成されたスピンドル84が、やはり中空円筒状に形成された固定用区分86によって固く取り付けられている。このスピンドル84は、第1の支持体部分20の中空円筒状に形成された第2の区分20´´の内周面に設けられたねじ山88と協働する。
電動モータ32操作されると、第1の支持体部分20は時計回り方向で、位置固定の第2の支持体部分42に対して相対的に回動させられる。このときに、第1の支持体部分20の第2の区分20´´に形成されたねじ山88はスピンドル84と協働するので、第1の支持体部分20は軸方向でブレーキディスク18に向かって、つまり図18で見て右側へ向かって移動させられる。その結果、第1の摩擦エレメント22はブレーキディスク18に圧着される。第1の摩擦エレメント22がブレ―キディスク18に当て付けられると、ブレーキディスク18はシャフト12のフローティング式の支承に基づき、第1の支持体部分20と一緒に第2の摩擦エレメント22´の方向に、つまり図18で見て右側へ向かって移動させられるので、ブレーキディスク18は、ほとんど遅延なく第2の摩擦エレメント22´にも当て付けられる。
第1の支持体部分20の第2の区分20´´に形成されたねじ山88とスピンドル84との協働によって、上で説明した楔機構の場合と同様に、自己倍力作用が得られる。言い換えれば、電動モータ32により歯車28を介して導入されたインプット力は、外部から導入されなければならない別の力なしに自動的に増幅され、つまり「自己倍力」され、この場合、ねじ山88とスピンドル84との協働時に生じる力バランスについては、図3を参照することができる。
図19には、自己倍力機構の別の実施例が示されている。図19に示したベルトリトラクタ10の第12実施例では、第2の支持体部分42が、ブレーキディスク18に対してほぼ平行に配置された第1の区分42´と、この第1の区分42´からほぼ直角に、つまりシャフト12に対して平行に延びる第2の区分42´´と、ブレーキディスク18に対してほぼ平行に配置された第3の区分42´´´とを有している。第2の支持体部分42の第3の区分42´´´は支承区分78に固く結合されており、この支承区分78はシャフト12の軸方向の延長部を形成している。図19から判るように、第2の支持体部分42の第1の区分42´は位置固定の構成部分によって形成される。この位置固定の構成部分は、第2の支持体部分42の第2の区分42´´と第3の区分42´´´と支承区分78とを形成する構成部分に固く結合されている。しかし、もちろん、第2の支持体部分42は全体的にワンピースに、つまり一体に形成されていてもよい。
モータシャフト30を介して歯車28に結合されている電動モータ32は、第2の支持体部分42の第2の区分42´´の外周面に固定されている。歯車28は、第2の支持体部分42の第2の区分42´´に形成された開口82を貫通していて、外歯列24と協働する。この外歯列24は第1の支持体部分20の外周面に形成されている。ディスク状の第1の支持体部分20はブレーキディスク18に対してほぼ平行に配置されていて、ブレーキディスク18に面した側に第1の摩擦エレメント22を支持している。第2の支持体部分42の第1の区分42´の、ブレーキディスク18に面した側には、第2の摩擦エレメント22´が設けられている。
第1の支持体部分20の、ブレーキディスク18とは反対の側では、第1の支持体部分20と、第2の支持体部分42の第3の区分42´´´との間にボール/ランプ機構90が設けられている。ボール/ランプ機構90は第1の支承エレメント92と第2の支承エレメント94とを有しており、両支承エレメント92,94には、それぞれブレーキディスク18に対して相対的に傾けられた楔面96,96´,98,98´が形成されている。これらの楔面96,96´,98,98´は内側のボール軌道および外側のボール軌道を形成しており、これらのボール軌道内には、斜めの楔面96,96´,98,98´の転がり支持のためにボール100,100´が案内されている。
電動モータ32が操作されると、第1の支持体部分20は歯車28を介して第2の支持体部分42に対して相対的に時計回り方向の回転運動にもたらされる。その後に、斜めの楔面96,96´,98,98´とボール100,100´との協働によって、ボール/ランプ機構90はブレーキディスク18の方向における第1の支持体部分20の軸方向移動を生ぜしめるので、第1の摩擦エレメント22はブレ―キディスク18に圧着される。引き続き、ブレーキディスク18はシャフト12のフローティング式の支承に基づき、第1の支持体部分20と一緒に第2の摩擦エレメント22´の方向に、つまり図19で見て左側へ向かって移動させられるので、ブレーキディスク18は、ほとんど遅延なく第2の摩擦エレメント22´にも当て付けられる。
斜めの楔面96,96´,98,98´とボール100との協働に基づき、ボール/ランプ機構90は自己倍力作用を有している。すなわち、電動モータ32を介して導入された操作力は、上で説明した楔機構の場合と同様に、自動的に増幅され「自己倍力」される。この場合、ボール/ランプ機構90において生じる力バランスに関しては図3を参照することができる。
図19に示した装置とは異なり、図20に示したベルトリトラクタ10の第13実施例は付加的にコイルばね102を有している。このコイルばね102の端部は第2の支持体部分42の第3の区分42´´´もしくは第1の支持体部分20に固定されている。したがって、コイルばね102は、第1の支持体部分20の周方向に向けられた力を第1の支持体部分20に加えることができる。
コイルばね102により、電動モータ32の操作時に導入された、ブレーキディスク18に対する垂直力Fと、ブレーキディスク18において生じる摩擦力Fとから合成される力を、その方向および量に関して変えることができる。基本的に、この合成力の方向および量は斜めの楔面96,96´,98,98´のピッチ角度もしくは勾配角度および第1の支持体部分20と第2の支持体部分42とに固定された摩擦エレメント22,22´の摩擦係数に関連している。自己倍力機構の最適な作用を得るためには、前記合成力が、第1の支承エレメント92に形成された斜めの楔面96,96´に対して直角に向けられていることが望ましい。コイルばね102により前記合成力の方向および量に影響を与えることができるので、コイルばね102は、前記合成力への作用に関して最適な値からの前記勾配角度ならびに摩擦エレメント22,22´の摩擦係数の偏差を補償することを可能にする。
コイルばね102の使用に対して択一的な手段としては、摩擦エレメント22,22´を磁性材料から製造することもできる。これにより、電動モータ32の操作時に導入された、ブレーキディスク18に対する垂直力Fと、ブレーキディスク18において生じる摩擦力Fとから合成される力の方向および量に影響を与えることができる。さらに、前記合成力の量または方向の変化を生ぜしめるために第1の支持体部分20を磁性材料から製造することも可能である。磁性の摩擦エレメント22,22´および/または磁性の第1の支持体部分20の使用により、非線形のばね特性線を有するコイルばね102を用いる場合と同様に、前記合成力の非線形の変化が可能となる。さらに、磁性の摩擦エレメント22,22´および/または磁性の第1の支持体部分20により加えられた磁力によって、ブレーキディスク18における付加的な垂直力が形成される。この付加的な垂直力はクラッシュ時に制動作用の増幅を生ぜしめて、ブレーキ装置の迅速な応答を可能にする。
もちろん、図1、図4〜図9および図11〜図21に示した装置の上で詳しく説明した個々の特徴を、所望に応じて互いに組み合わせることができる。たとえば、図1に示したベルトリトラクタ10において、電動モータ32をダイレクトドライブにより代えることができる。さらに、図示の全てのベルトリトラクタ実施例に、所望に応じて戻しばね44ならびに第1のスペースエレメント58および第2のスペースエレメント60またはコイルばね102を装備させることができる。
図面に示した全てのベルトリトラクタ10においては、ブレーキディスク18がベルトリール14のシャフト12に相対回動不能に結合されている。しかし、このような構成とは異なり、ブレーキディスクをベルトリトラクタの標準運転においてベルトリールシャフトから分離し、クラッシュ発生時にのみ適当なメカニズム、たとえばつめ機構によってベルトリールシャフトに相対回動不能に結合することも可能である。ブレーキディスクはその場合、その休止位置においてエアギャップなしに摩擦エレメントに接触していてよい。
本発明によるベルトリトラクタの第1実施例の一部を示す縦断面図である。 本発明によるベルトリトラクタの図1に示した第1実施例において使用される楔機構を示す平面図である。 図2に示した楔機構の第1の楔体における力バランスを示す概略図である。 本発明によるベルトリトラクタの、楔機構のための収容部を備えた第2実施例の一部を示す縦断面図である。 本発明によるベルトリトラクタの、ウォーム伝動装置を備えた第3実施例の一部を示す縦断面図である。 本発明によるベルトリトラクタの、図5に示した第3実施例のウォーム伝動装置の重要なコンポーネントを示す平面図である。 本発明によるベルトリトラクタの、択一的な別の楔機構を備えた第4実施例の一部を示す縦断面図である。 図7に示した本発明によるベルトリトラクタの第4実施例の一部を示す斜視図である。 本発明によるベルトリトラクタの、図7に示した第4実施例の変化形の一部を示す縦断面図である。 本発明によるベルトリトラクタのブレーキディスクの休止位置を第1の支持体部分に対して相対的に位置固定するための装置の種々の実施態様(A)、(B)、(C)を示す断面図である。 本発明によるベルトリトラクタの第5実施例の一部を示す縦断面図である。 本発明によるベルトリトラクタの、別の択一的な楔機構を備えた第6実施例の一部を示す縦断面図である。 図12に示した本発明によるベルトリトラクタの第6実施例の一部を示す斜視図である。 本発明によるベルトリトラクタの第7実施例の一部を示す縦断面図である。 ブレーキディスクの、ベルトリールとは反対の側にアクチュエータが位置決めされている、本発明によるベルトリトラクタの第8実施例の一部を示す縦断面図である。 本発明によるベルトリトラクタの、ダイレクトドライブを備えた第9実施例の一部を示す縦断面図である。 本発明によるベルトリトラクタの、同じくダイレクトドライブを備えた第10実施例の一部を示す縦断面図である。 本発明によるベルトリトラクタの、スピンドル機構を備えた第11実施例の一部を示す縦断面図である。 本発明によるベルトリトラクタの、ボール/ランプ機構を備えた第12実施例の一部を示す縦断面図である。 本発明によるベルトリトラクタの、コイルばねを備えた第13実施例の一部を示す縦断面図である。

Claims (19)

  1. ベルトリトラクタ(10)において、回転可能なベルトリール(14)と、該ベルトリール(14)に相対回動不能に結合可能な回転部材(18)と、操作力を発生させるアクチュエータ(32;72)とが設けられており、該アクチュエータ(32;72)が、少なくとも1つの摩擦エレメント(22,22´)に作用して、該摩擦エレメント(22,22´)を、ベルトリール(14)の回転運動の制動のために、ベルトリール(14)に相対回動不能に結合可能な回転部材(18)に係合させるようになっており、アクチュエータ(32;72)と前記回転部材(18)との間に、アクチュエータ(32;72)により形成された操作力の自己倍力のための自己倍力機構が配置され、前記アクチュエータ(32)が、前記ベルトリール(14)に関して半径方向外側に位置して前記ベルトリール(14)に隣接して位置決めされていることを特徴とするベルトリトラクタ。
  2. アクチュエータ(32;72)が、電子制御ユニットに接続されており、該電子制御ユニットが、アクチュエータ(32;72)を、乗員固有、車両固有または状況固有の少なくとも1つのパラメータに関連して制御して、これにより該パラメータに適合された、ベルトリール(14)の回転運動の制動を生ぜしめるために調整されている、請求項1記載のベルトリトラクタ。
  3. 自己倍力機構が、力増幅のための少なくとも1つの第1の倍力エレメント(38;88;92)を支持している第1の支持体部分(20)と、力増幅のための少なくとも1つの第2の倍力エレメント(40;84;94;100,100´)を支持している第2の支持体部分(42)とを有しており、第1の支持体部分(20)と第2の支持体部分(42)とが、アクチュエータ(32;72)により形成された操作力に基づき、互いに相対的に回動可能である、請求項1または2記載のベルトリトラクタ。
  4. 第1の倍力エレメント(38;9)が、ピッチ角度もしくは勾配角度(α)を有する斜めの楔面(46;96,96´)を有しており、該楔面(46;96,96´)が、第2の倍力エレメント(40;94;100,100´)にスライド式またはローリング式に支持されている、請求項3記載のベルトリトラクタ。
  5. 前記回転部材(18)に対して相対的に傾けられた楔面(96、96’、98、98’)が形成され、且つ該楔面(96、96’、98、98’)にボール軌道が形成された第1の倍力エレメント(92)及び第2の倍力エレメント(94)と、前記楔面(96、96’、98、98’)の転がり支持のために前記ボール軌道内に案内されるボール(100、100’)とから構成された機構(90)をしている、請求項4記載のベルトリトラクタ。
  6. 第1の倍力エレメント(88)が、第1の支持体部分(20)に設けられたねじ山の形に形成されており、第2の倍力エレメント(84)が、第1の支持体部分(20)に設けられた前記ねじ山(88)と協働するスピンドルの形に形成されている、請求項3記載のベルトリトラクタ。
  7. 第2の支持体部分(42)が位置固定に形成されており、第1の支持体部分(20)が、該第1の支持体部分(20)を第2の支持体部分(42)に対して相対的に回動させるためにアクチュエータ(32;72)に結合可能である、請求項3から6までのいずれか1項記載のベルトリトラクタ。
  8. アクチュエータ(32)が、回転する電気機械の形に形成されていて、歯車伝動装置またはウォーム伝動装置(26,28;52,54)に結合可能である、請求項1から7までのいずれか1項記載のベルトリトラクタ。
  9. アクチュエータ(72)が、ダイレクトドライブの形または圧電式の駆動装置の形に形成されている、請求項1からまでのいずれか1項記載のベルトリトラクタ。
  10. アクチュエータ(32)が、回転部材(18)に関して半径方向外側に位置して該回転部材(18)にほぼ隣接して位置決めされている、請求項1からまでのいずれか1項記載のベルトリトラクタ。
  11. アクチュエータ(32;72)が、回転部材(18)の、ベルトリール(14)とは反対の側に該回転部材(18)にほぼ隣接して位置決めされている、請求項1からまでのいずれか1項記載のベルトリトラクタ。
  12. 第1の支持体部分(20)が、その回転軸線(A)の方向に移動可能に支承されていて、回転部材(18)に面した面に少なくとも1つの第1の摩擦エレメント(22)を支持している、請求項3から11までのいずれか1項記載のベルトリトラクタ。
  13. 回転部材(18)が、その回転軸線(A)の方向に移動可能に支承されている、請求項1から12までのいずれか1項記載のベルトリトラクタ。
  14. 第2の支持体部分(42)の、回転部材(18)に面した面に、少なくとも1つの第2の摩擦エレメント(22´)が設けられている、請求項3から13までのいずれか1項記載のベルトリトラクタ。
  15. 第1の支持体部分(20)と第2の支持体部分(42)との間の間隔を調節するために、戻しばね(44)が設けられている、請求項3から14までのいずれか1項記載のベルトリトラクタ。
  16. 第1の支持体部分(20)および第2の支持体部分(42)に対して相対的に回転部材(18)の休止位置を位置固定するために、少なくとも1つのスペースエレメント(58,60)が設けられている、請求項3から15までのいずれか1項記載のベルトリトラクタ。
  17. 自己倍力機構がばねエレメント(102)を有しており、該ばねエレメント(102)が、第1の支持体部分(20)の周方向に向けられた力を第1の支持体部分(20)に加えるために調整されている、請求項6から16までのいずれか1項記載のベルトリトラクタ。
  18. 少なくとも1つの摩擦パッド(22,22´)が磁性の材料から成っており、かつポット形磁石が設けられており、該ポット形磁石が、回転部材(18)を前記少なくとも1つの摩擦パッド(22,22´)の方向に押しやるために、回転部材(18)または第1の支持体部分(20)の少なくとも1つに磁力を加えるようになっている、請求項1から17までのいずれか1項記載のベルトリトラクタ。
  19. アダプティブセーフティベルトシステムにおける、請求項1から18までのいずれか1項記載のベルトリトラクタの使用。
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