JP4778288B2 - 圧力波発生装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧力波発生装置の製造方法及び圧力波発生装置に関し、特に超音波等を圧力波として発生させる圧力波発生装置の製造方法及び圧力波発生装置に関する。
従来、超音波等の圧力波を発生させる圧力波発生装置には、圧電素子等が用いられていた。圧電素子等の機械的な振動によって圧力波を発生する装置は、固有の共振周波数をもつため、広い周波数範囲で均一な音圧の音響信号を出力することが困難であった。さらに、この圧力波発生装置は、回路との集積化が難しく、単品でしか製造できないため、装置の小型化やアレイ構造にするなどの機能を付加することが困難であった。
このような問題点を解決するために、熱絶縁層上に発熱体薄膜を形成し、この発熱体薄膜を電気的に駆動する熱誘起式の圧力波発生装置が提案されている。特許文献1に、従来の熱誘起式の圧力波発生装置の一例が開示されている。さらに、この圧力波発生装置に対して、パッケージ等の後工程を考慮した実用的な装置が特許文献2に開示されている。
特許文献2に開示された装置を作製する際、シリコン基板上にSiC薄膜を用いて絶縁膜層を形成し、この絶縁膜層を主にドライエッチングで部分的に取り除く。すると、露出したシリコン基板の表面が荒れることがある。図8の断面模式図に、特許文献2に開示されるような従来の圧力波発生装置の製造工程が示されている。
まず、図8(a)に示すように、シリコン基板901にSiC薄膜をCVD(Chemical Vapor Deposition)やスパッタリングで成膜し、絶縁膜層902を形成する。その後、図8(b)に示すように、絶縁膜層902上にマスク903を形成し、絶縁膜層902のマスクされない部分をドライエッチングで除去して、ナノ結晶シリコンを作製するための開口窓904を形成する。このとき、ドライエッチングはSiもエッチングしてしまうので、開口窓904から露出したシリコン基板901の露出表面911は、初期の状態よりもわずかに表面の粗さが増加している。例えば、この段階におけるシリコン基板901の露出表面911の表面粗さRaは、200nm〜数μmである。
その後の陽極酸化工程を経て、シリコン基板901上にナノ結晶シリコンから構成されたナノ結晶層905が形成される。シリコン基板901の露出表面911の荒れは、このナノ結晶層905に引き継がれ、このナノ結晶層905の表面915も荒れたままとなる(図8(c))。そのため、図8(d)に示すように、ナノ結晶層905の表面915に発熱電極906を成膜すると、発熱電極906の厚さは不均一なり、その厚さにばらつきが生じる。
このような圧力波発生装置の音響発生効率を高めるためには、発熱電極906の厚さはできるだけ薄いことが望ましい。そのため、表面粗さの寄与分は発熱電極906の厚さに対して比較的大きな影響を与える。ナノ結晶層905の表面915の粗さにより、発熱電極906の断面積が小さくなった箇所では電流密度が高くなる。
これによって、エレクトロマイグレーション等によって断面積が小さい箇所における発熱電極906の抵抗値が上昇する。さらに、薄く厚さにばらつきがある発熱電極906に電圧を印加すると、発熱電極906の断面積が小さくなった箇所が断線の起点となりやすい。
また、ナノ結晶層905は多孔質であるため、さらにその表面915が粗くなる。例えば、ナノ結晶層905が多孔質であることによって生じる、ナノ結晶層905の表面915の表面粗さRaは、2nm〜3nmである。
特開平11−300274号公報 特開2004−216360号公報
このように、従来の圧力波発生装置では、ドライエッチングによってシリコン基板表面が荒れるため、厚さのばらつきによって発熱電極の抵抗値が上昇し、設計通りに動作することが困難になるという問題があった。特に、発熱電極の厚さは熱容量を低減するために薄いことが好ましいので、この厚さのばらつきは発熱電極の抵抗値に大きな影響を及ぼす。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、設計に近い性能で動作する高品質な圧力波発生装置及び圧力波発生装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる他の製造方法は、圧力波を発生させる圧力波発生装置を製造する方法であって、基板上に絶縁膜層を形成するステップと、当該形成された絶縁膜層をウェットエッチングによって開口させ、当該開口した開口窓から前記基板を露出させるステップと、当該露出した基板に多孔質層を形成するステップと、当該多孔質層上に発熱電極を形成するステップとを備え、前記絶縁膜層は、SiNxから構成され、前記ウェットエッチングは、熱リン酸を用いて行われるものである。
このような方法により、エッチングによって基板の表面が荒れるのを防止することができる。これによって、表面が荒れていない基板の表面上に、発熱電極が形成される多孔質層を形成することができるので、多孔質層の表面が荒れるのを防ぐことができる。それ故、発熱電極の断面積が均一となるので、電流密度が高くなる箇所が形成されるのを防ぐことができ、発熱電極の抵抗値が上昇するのを回避することができる。従って、発熱電極が所望の抵抗値となるので、設計に近い性能で動作する高品質な圧力波発生装置を作成することができる。
ここで、前記多孔質層は、発熱電極と接する面近傍の多孔度がその他の領域の多孔度よりも低いことが好ましい。また、前記多孔質層は、高多孔度層と、当該高多孔度層よりも低い多孔度を有し前記高多孔度層よりも基板表面側に形成された低多孔度層を有することが望ましい。前記基板に多孔質層を形成するステップでは、陽極酸化のために当該基板に流す電流の電流密度を変化させることによって、多孔度を変化させることが可能である。
本発明にかかる圧力波発生装置は、圧力波を発生させる圧力波発生装置であって、基板と、当該基板に形成された多孔質層と、当該多孔質層上に配設された発熱電極とを備え、前記多孔質層は、前記発熱電極と接する面近傍の多孔度がその他の領域の多孔度よりも低いものである。
このような構成では、多孔度が低い層に発熱電極を形成することができるので、発熱電極の厚さを均一に形成することができる。特に、発熱電極の厚さが薄い場合であっても、発熱電極の厚さを均一化し、発熱電極の厚さのばらつきを低減することができる。それ故、発熱電極の断面積が均一となるので、電流密度が高くなる箇所が形成されるのを防ぐことができ、発熱電極の抵抗値が部分的に上昇するのを回避することができる。従って、発熱電極が所望の抵抗値となるので、設計に近い性能で動作する高品質な圧力波発生装置を得ることができる。
ここで、前記多孔質層は、高多孔度層と、当該高多孔度層よりも低い多孔度を有し前記高多孔度層よりも基板表面側に形成された低多孔度層を有することが望ましい。また、低多孔度層は、前記高多孔度層よりも薄いことが望ましい。高多孔度層の熱伝導率、体積あたりの熱容量が低多孔度層に比べて小さいため、低多孔度層を設けることによって圧力波の発生効率が低減するが、低多孔度層を薄くすることによって圧力波の発生効率の低減を可能な限り抑制することができる。
本発明によれば、圧力波発生装置の製造段階において、多孔質層の表面を極力あらさないことによって、発熱電極を安定した厚さで形成できるので、設計に近い性能で動作する高い高品質な圧力波発生装置及び圧力波発生装置の製造方法を提供することができる。
発明の実施の形態1.
まず、図1を用いて、本発明に係る圧力波発生装置の構成について説明する。図1(a)は、本発明に係る圧力波発生装置の一構成例を示す上面模式図、図1(b)は、図1(a)におけるA−A'断面を示している。また、図1では、本発明に係る圧力波発生装置の主たる構成が示されている。
図1に示すように、本発明に係る圧力波発生装置1は、シリコン基板11、絶縁膜層12、ナノ結晶層13、発熱電極14、パッド151,152を有する。
シリコン基板11の表面粗さRaは、鏡面レベルであり、約0.2nm〜0.3nm程度であることが好ましい。ここで、表面粗さRaとは、中心線平均粗さのことであるが、これに限らず、最大高さRyや十点平均高さRz等、層の表面における微細な凹凸の度合いを示すものによっても評価可能である。
絶縁膜層12は、シリコン基板11上に形成され、詳細にはシリコン基板11の4辺の周辺部に形成されている。この絶縁膜層12は、高抵抗の材料が用いられた高抵抗層である。従って、絶縁膜層12は、この絶縁膜層12上にパッドを設けて超音波によるワイヤボンディングを行なった際にその超音波の逃げを防止する材質の層として機能する。
ナノ結晶層13は、絶縁膜層12で囲われている外周部分の内側に配設されている。このナノ結晶層13は、多孔質材料から構成された多孔質層の一例であり、高分子材料やガラス系材料から構成することも可能である。ナノ結晶層13の厚さは、10μm〜50μmである。
発熱電極14は、一例として帯状に形成され、詳細には、発熱電極14は、ナノ結晶層13が絶縁膜層12の窪み部分に形成されている。この発熱電極14は、ナノ結晶層13に比べて比較的薄く、例えば、約10nm〜30nm程度の厚さを有する。また、発熱電極14に電気的に接続されたパッド151,152は、絶縁膜層12の上面まで延在し、その外周部分まで延在している。
続いて、本発明に係る圧力波発生装置の製造方法について説明する。図2,3の断面模式図に、本発明に係る圧力波発生装置の製造工程が示されている。
図2(a)に示されるように、本発明に係る製造方法では、まず、シリコン基板11上にプロテクト層21を形成する。詳細には、シリコン基板11上に、スパッタリングによってAl薄膜等の金属薄膜を成膜してパターニングすることによってプロテクト層21を形成する。このとき、後の工程で形成される開口窓の部分が残るように、成膜された金属薄膜をパターニングする。
図2(b)に示されるように、プロテクト層21が形成されたシリコン基板11上に、スパッタリングによってSiC薄膜を成膜して絶縁膜層12を形成する。絶縁膜層12は、プロテクト層21上にも積層されている。図2(c)に示されるように絶縁膜層12に厚さ200nmのマスク22を形成する。そして、図2(d)に示されるように、CFとOからなる反応性ガスを用いて絶縁膜層12をドライエッチングする。このとき、SiCから構成された絶縁膜層12は除去されるが、Alから構成されたプロテクト層21はエッチングされない。このため、図3(e)に示されるように、絶縁膜層12に形成された開口窓120から、プロテクト層21が露出している。
プロテクト層21を露出させた後、図3(f)に示されるように、ウェットエッチングによってプロテクト層21を除去し、シリコン基板11表面を露出させる。その後、図3(g)に示されるように、陽極酸化装置を用いて、シリコン基板11の露出部分110表面を酸化してナノ結晶シリコンから構成されたナノ結晶層13を形成する。
図4に、陽極酸化装置の構成例を示す。この陽極酸化装置は、陽極酸化バス(エッチングバス)101内にHFやHF及びエタノールが入った電解液103が充填されている。陽極酸化バス101の底面には、円状の貫通穴が設けられている。この円状の貫通穴は、シリコン基板11よりも小さい直径を有する。陽極酸化バス101の外面であって当該貫通穴の周囲には、リング104が設けられている。そして、リング104を介してシリコン基板11が外側から圧接される。このように、シリコン基板11が貫通穴を塞いた状態においては、HFやHF及びエタノールが入った電解液103は、外側に漏れることはない。陽極酸化バス101の中であって、HFを含む電解液103の液面より下方に陰極102が設けられている。この陰極102は、例えば、Ptの網目電極が用いられる。また、陰極102は、ポテンショ/ガルバノスタット106に配線等を介して電気的に接続される。シリコン基板11の下面には、Alのオーミック電極が形成されており、このAl電極は、ポテンショ/ガルバノスタット106と配線等を介して電気的に接続される。ポテンショ/ガルバノスタット106から陰極102及びシリコン基板11に電流を流すと、所定の条件により、シリコン基板11の露出部分101表面からシリコンが部分的に溶解し、電解液103と接する側にナノ結晶層11が形成される。
その後、図3(h)に示すように、Al薄膜等の金属材料を用いて、ナノ結晶層13上に発熱体薄膜を成膜して発熱電極14を形成する。この発熱電極14の両端にパッド151,152を形成し、発熱電極14とパッド151,152を電気的に接触させる。これらパッド151,152それぞれに、ワイヤ(図示せず)をボンディングし、本発明に係る圧力波発生装置1が完成する。
以上のように、本発明に係る圧力波発生装置1の製造方法では、ナノ結晶層13が形成される位置のシリコン基板11表面にプロテクト層21を形成している。これによって、ドライエッチング工程において、露出したシリコン基板11の表面をプロテクト層21によって覆うことができる。そのため、このシリコン基板11表面がドライエッチングの反応性ガスによってアタックされるのを防止することが可能である。それ故、露出したシリコン基板11の表面が荒れるのを防止することができ、シリコン基板11の表面粗さを初期状態と同じレベルに保つことができる。具体的には、シリコン基板11の表面粗さを約0.2nm〜0.3nmにすることができる。
このように、ドライエッチングによって荒れていないシリコン基板11表面に、ナノ結晶層13が形成されているので、このナノ結晶層13表面が荒れるのを防止することができる。この表面が荒れていないナノ結晶層13上にさらに、発熱電極14が形成されるので、発熱電極14を平坦な表面上に形成することができる。従って、厚さが薄く均一な発熱電極14を形成することができる。
発明の実施の形態2.
実施形態1では、絶縁膜層12にSiCを用いたが、本実施形態1では絶縁膜層12にSiNxを用いている。
図5の断面模式図に、本実施形態2における圧力波発生装置の製造工程が示されている。図5(a)に示されるように、シリコン基板11上に、スパッタリングによって、SiNxを成膜して絶縁膜層32を形成する。次に、図5(b)に示されるように、この絶縁膜層32上にマスク22を形成する。このとき、マスク22は、例えば酸化膜を用いることができ、この場合にはフッ酸によってエッチングすることができる。その後、図5(c)に示されるように、熱リン酸を使ったウェットエッチングによって、絶縁膜層32に開口窓320を形成することができる。
このように、開口窓320を形成するのにウェットエッチングが用いられているので、除去されて露出するシリコン基板11にダメージに与えることがない。従って、理想的なシリコン基板11表面を得ることができる。具体的には、シリコン基板11の表面粗さを約0.2nm〜0.3nmにすることができる。これによって、発熱電極14の厚さをより確実に薄く、均一にすることができ、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、実施形態1と同様に、絶縁膜層12がSiNxから構成された本実施形態においても、シリコン基板11表面をより確実に保護する目的で、ナノ結晶層13が形成されるシリコン基板11上にプロテクト層21を形成してもよい。
発明の実施の形態3.
上述の通り、発明の実施の形態1や発明の実施の形態2による製造方法によって、ドライエッチングによるシリコン基板表面の荒れを抑制することができるが、さらに高品質の圧力波発生装置を製造するためには、さらなる改良が求められる。本実施形態3では、ナノ結晶層の構成を改良することによって、圧力波発生装置の高品質化を実現することができた。
まず、図6を用いて、本実施形態3に係る圧力波発生装置の構成について説明する。図6は、当該圧力波発生装置の断面図である。図6に示すように、本実施形態3におけるナノ結晶層13は、低多孔度層131、高多孔度層132を有する。その他の構成については、発明の実施の形態1と同様であるためその説明を省略する。
ナノ結晶層13は、厚さが10μm〜50μmである。低多孔度層131は、高多孔度層132よりもシリコン基板11の表面側に形成され、シリコン基板11の表面に露出している。低多孔度層131は、高多孔度層132よりも多孔度が低い多孔質層である。例えば、低多孔度層131の多孔度は10〜40%であり、高多孔度層132の多孔度は40〜90%である。高多孔度層132は、シリコン基板11の内側に形成された層である。
本願発明者らは、多孔度が低いほど、その表面粗さRaが小さいことを見出した。そこで、より表面粗さRaが小さな低多孔度層131の表面に発熱電極14を形成することとした。しかしながら、多孔度の高い材料の熱伝導率、体積あたりの熱容量は、多孔度の低い材料に比べて小さく、多孔度が高い方が圧力波の発生効率を高めることができるので、ナノ結晶層13の全体の多孔度を低くすると、圧力波の発生効率が低くなる。そこで、発熱電極14と接する面の近傍領域における多孔度を低くし、その他の領域における多孔度を高くすることとした。
例えば、従来の単層構造である多孔度約60%の高多孔度のナノ結晶層は、その表面粗さRaは約3nm程度である。これに対して、本発明の構造のナノ結晶層13では、高多孔度層132を多孔度約55%の多孔質材料、低多孔度層131を多孔度約20%の多孔質材料を用いて形成した場合には、ナノ結晶層13の表面粗さRaを、単層構造の高多孔度層の場合には表面粗さRaは約2nm〜3nm程度であったのを約1nm程度若しくは1nm以下にまで低減することができた。これは鏡面状態の約0.2〜0.3nmには及ばないものの、かなりの改善効果が期待できる。
このように、発熱電極14が形成されるナノ結晶層13表面の表面粗さRaを低減することができ、発熱電極14の厚さのばらつきを低減することができる。これにより、発熱電極14の厚さを薄く均一にすることができるので、発熱電極14において電流密度が高くなる箇所が部分的に形成されるのを防止することができ、発熱電極14の抵抗値が上昇するのを回避することができる。さらに、発熱電極14の耐電流性を向上させることができるので、エレクトロマイグレーション等によって発熱電極14が切断されるを確実に防ぐことができる。従って、設計に近い性能で動作する高く高品質な圧力波発生装置1を実現することができる。
特に、本発明に係る圧力波発生装置1における発熱電極14の厚さは、約10nm〜30nm程度であり、限界近くの薄さである。従って、発熱電極14がエレクトロマイグレーション等によって抵抗値が上昇した後に切断しやすいので、上記の効果は顕著な効果となる。
なお、上述の通り、多孔度が高い方が圧力波の発生効率を高めることができるので、低多孔度層131は、可能な限り薄い方が好ましい。例えば、低多孔度層131の厚さは100nm、高多孔度層132の厚さは20μmである。
ここで、図7を用いて、二層からなるナノ結晶層13の形成方法について説明する。ナノ結晶層13以外の構造の製造方法については、発明の実施の形態1、2において説明した方法と同等であるため、説明を省略する。
ナノ結晶層13を形成するにあたっては、図4に示されるような陽極酸化装置を用いる。図7(a)に示されるように、一部に開口を有する絶縁膜層12が形成されたシリコン基板11を陽極酸化装置に固定する。次に、ポテンショ/ガルバノスタット106から陰極102及びシリコン基板11に電流を流す。最初に、シリコン基板11に流す電流密度が低くなるように電流値を調整し、所定時間、シリコン基板11に電流を流す。電流密度が低いと溶け出すシリコンの量が少ないため、多孔度の低い層を形成することができる。図7(b)に示されるように、シリコン基板11の表面近傍に低多孔度層131が形成される。
所定時間経過後、シリコン基板11に流す電流密度を、低多孔度層131を形成するために流した電流の密度よりも高くなるように、印加する電圧を高めることにより調整する。このようにして電流密度が高くなるような電流を流してもシリコン基板11の表面近傍に形成された低多孔度層131の多孔度は殆ど変化せず、低多孔度層131の下方のシリコン基板11のシリコンが溶解し、低多孔度層131よりも多孔度の高い高多孔度層132が形成される。そして、所定時間、高電流密度となるような電流をシリコン基板11に流し、高多孔度層132を形成する。
本実施形態3におけるナノ結晶層13を2層構造としたが、これに限らず、3層構造等の多層構造とすることもできる。この場合にもまた、発熱電極14の厚さ・均一性の観点から、多孔度が低い層上に発熱電極14を形成し、さらに、圧力波の発生効率の観点から、多孔度が低い層の厚さを多孔度が高い層の厚さよりも薄くすることが好ましい。この場合にも、図7で説明したように、シリコン基板11に流す電流の密度を段階的に変化させることによって、多孔度が異なる3層以上の多層構造を形成することができる。具体的には、最初に低い電流密度となるような電流を所定時間シリコン基板11に流して1層目を形成し、その後電流密度が高くなるような電流を所定時間シリコン基板11に流して2層目を形成する。同様にしてさらに電流密度が高くなるような電流を所定時間シリコン基板11に流して3層目を形成する。以下、同様にして層数分だけ同様の処理を行う。
ナノ結晶層13は2層、3層等のように段階的な層構造でなくてもよい。例えば、シリコン基板11表面から内側に向かって徐々に多孔度が連続的に変化した構造とすることも可能である。この場合にも、図4に示されるような陽極酸化装置を用いて、シリコン基板11に流す電流の密度を連続的に変化させることによって、多孔度が変化した構造を形成することができる。具体的には、初期の段階では印加電圧を低くすることによって電流密度を低くし、連続的に印加電圧を高くすることによって電流密度を高く変化させる。
本発明に係る圧力波発生装置の一構成例を示す模式図である。 本発明に係る圧力波発生装置の製造工程の一例を示す断面模式図である。 本発明に係る圧力波発生装置の製造工程の一例を示す断面模式図である。 本発明に係る圧力波発生装置の製造に用いられる陽極酸化装置の模式図である。 本発明に係る圧力波発生装置の製造工程の一例を示す断面模式図である。 本発明に係る圧力波発生装置の一構成例を示す模式図である。 本発明に係る圧力波発生装置の製造工程の一例を示す断面模式図である。 従来の圧力波発生装置の製造工程の一例を示す断面模式図である。
符号の説明
1...圧力波発生装置、11...シリコン基板、110...露出部分、
12...絶縁膜層、120...開口窓、13...ナノ結晶層、
131...高多孔度層、132...低多孔度層、14...発熱電極、151,152...パッド
21...プロテクト層、22...マスク
32...絶縁膜層、320...開口窓

Claims (4)

  1. 圧力波を発生させる圧力波発生装置を製造する方法であって、
    基板上にSiNxから構成される絶縁膜層を形成するステップと、
    当該形成された絶縁膜層を熱リン酸を用いたウェットエッチングによって開口させ、当該開口した開口窓から前記基板を露出させるステップと、
    当該露出した基板に陽極酸化によって多孔質層を形成するステップと、
    当該多孔質層上に発熱電極を形成するステップと、を備える
    ことを特徴とする圧力波発生装置の製造方法。
  2. 前記多孔質層は、発熱電極と接する面近傍の多孔度がその他の領域の多孔度よりも低い
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧力波発生装置の製造方法。
  3. 前記多孔質層は、高多孔度層と、当該高多孔度層よりも低い多孔度を有し、前記高多孔度層よりも基板表面側に形成された低多孔度層を有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の圧力波発生装置の製造方法。
  4. 前記基板に多孔質層を形成するステップでは、
    陽極酸化のために当該基板に流す電流の電流密度を変化させることによって、多孔度を変化させる
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の圧力波発生装置の製造方法。
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