JP4777749B2 - 低交流損失酸化物超電導導体の製造方法 - Google Patents

低交流損失酸化物超電導導体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、交流通電時の損失低減を図った構造の酸化物超電導導体の製造方法に関し、特に基材上に酸化物超電導層を有する形式の酸化物超電導導体について、酸化物超電導層を複数に分割した構造を採用して交流損失の低減を図る技術の改良に関する。
超電導線は直流通電用途と交流通電用途があり、モータや変圧器などの交流応用機器に超電導線を利用する場合は、第2種超電導体と称されるものを利用するので超電導体への磁束の侵入を一部許すことになり、交流損失が必然的に発生する。この交流損失を低減するための技術として、従来から実用化されている金属系超電導線材あるいは化合物系酸化物超電導線においては、押出工程や引抜工程あるいは圧延工程において多芯構造として超電導線を細線化し、微細な超電導フィラメントを形成するとともに、多芯化の際に超電導フィラメント間に高抵抗のバリア層などを配置して超電導フィラメント間の高抵抗化を行ってきた。(非特許文献1参照)
J. Yoo, J. Ko, H, Kim, and H. Chung, "Fabrication Twisted Mutifilamenttary BSCCO2223 Tapes by Using HighResistive Sheath for AC Application, " IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 9 (2):2163-2166 (June 1999).
従来から使用されてきた金属系あるいは化合物系の超電導体に代えて、より臨界温度の高い酸化物超電導体の研究開発が進められており、この開発の一環として本発明者らは、基材上に酸化物超電導層を設けてなる酸化物超電導導体において、モータや変圧器などの交流応用用途の線材開発を進めている。
従来の金属系酸化物超電導体は金属加工が可能であり、塑性加工によるマルチフィラメント化が可能であったが、酸化物超電導体はセラミックスの1種であって極めて脆く、塑性加工は望めないので、全く別の手法により細線化を行う必要がある。
従来、基材上に酸化物超電導層を設けてなる酸化物超電導導体に対して細線化を行う手法の一例として、図9に示す如くテープ状の基材100の上面に形成した酸化物超電導層101に対してその上面側からその長さ方向に沿ってレーザ光線を照射し、酸化物超電導層101の長さ方向に沿う分割溝102を酸化物超電導層101の幅方向に複数形成することにより、酸化物超電導層101を複数の分割超電導層103に分断形成することで細線化する方法が知られている。
例えば、超電導体をその幅方向に2分割すると、超電導体に侵入する磁束の移動量が減少することが知られており、これに応じて交流損失が低減することが知られている。
例えば、交流損失の近似式として、以下の(1)式が知られている。
W(交流損失)=(α/γ)×Bm γ ×(w/n) …(1)式
この近似式において、αとγはピンパラメータ、Jc=αBγ−1 (Irie-Yamafujiモデル)、α=1.644×10、γ=0.57、Bmは磁界振幅を表し、等価中心到達磁界より十分大きい範囲であるとする。また、nは超電導体の分割数を示している。
即ち、この近似式から、超電導体の分割数にW(交流損失)の値が関係しており、例えば超電導体の分割数を2とすると交流損失は1/2になり、超電導体の分割数を4とすると交流損失は1/4になると言われている。
このような背景から本発明者らは、図9に示す構造の酸化物超電導層101を基材100上に形成して実際に2つの分割超電導層103に分断するとともに、この分割構造の酸化物超電導導体の抵抗値を測定することにより、分割構造とした効果を調査する試験を行ってみた。
図10は、基材上に分割していない状態の酸化物超電導層を形成し、その表面にその幅方向に沿って4つの測定端子(T1、T2、T3、T4)を定間隔で取り付け、直流4端子法にて抵抗測定を行った場合の試験結果を示す。4つの端子において外側の2つの端子T1、T4は電流測定用の端子に相当し、内側の2つの端子T2、T3は電圧測定用の端子に相当する。
図10のグラフの横軸は上述の構造の酸化物超電導層を冷却した際の温度を示し、縦軸は抵抗値を示すが、80Kから90Kの間の温度域にて抵抗値が急激に減少し、超電導状態に遷移したことがわかるとともに、80K未満の温度域においては抵抗値のプロットがランダムにばらつき、超電導状態に遷移した後のノイズ検出状態を示している。
図11は、酸化物超電導層101に対し、端子T2と端子T3の間の部分において、酸化物超電導層101の長さ方向に沿ってレーザにより分割溝102を1本形成し、酸化物超電導層101を2つに分割した試料について、抵抗値の温度依存性を測定した結果を示す。
レーザにより分割するには、図12に示すように酸化物超電導体105の上面側からほぼ直角に(法線方向に)レーザを照射し、レーザが酸化物超電導層を貫通して基材に到達するようにレーザーパワーを設定してから酸化物超電導体をその長さ方向に移動させる方法(導体移動方向の矢印参照)とした。
図11の測定結果に示すように1本の分割溝102により2分割した構造の酸化物超電導層101の温度を低下させてゆくと、80K〜90Kの間の温度域において抵抗値がそれより高い温度域よりも1段低下するものの、抵抗値が低下した後においても低下前の抵抗値と同じオーダーの抵抗値が観測された。即ち、図10に示すような抵抗値のノイズ検出状態ではなく、低い抵抗値ではあるが、ほぼ一定の抵抗値が60K〜80Kの温度範囲において観察された。
これは、以下の理由によるものと本発明者は推定している。
図12に示すように水平に設置した酸化物超電導導体105に対して鉛直下向きにレーザ光線106を照射し、酸化物超電導導体105の酸化物超電導層を分断した結果、得られた酸化物超電導導体105をEPMAにて断面観察した結果の拡大図を図13に示す。
図13に示す如くレーザで酸化物超電導層を溶断した部分において、基材表面側に突出した溶融凝固部分を確認することができた。図13は基材の長さ方向に沿う縦断面を示し、図13の白色部分は基材を示し、白色部分から上方に突き出ている溶融凝固部分の左右両側に酸化物超電導層が存在するが、図13では酸化物超電導層は黒い背景部分に隠されており、レーザ溶断部分に沿って溶融凝固部分が突出形成されている。これは、図12に示すように酸化物超電導層にレーザを照射して酸化物超電導層を溶断しようとした場合、酸化物超電導層は厚み1μm程度であるが、基材は100μm程度あるので、レーザは基材を部分的に確実に溶断するので、レーザにより溶融された基材の一部がドロスとなって除去されずに細線化溝内に残留し、この溶融凝固物が突出形成される状態になるので、分割したはずの左右両側の酸化物超電導層がこの溶融凝固物で橋渡しされた構造となり、この部分が電流パスとなって低抵抗値発生の起源となるものと推定される。
例えば、Ni合金のハステロイ(ヘインズ社商品名)の基体の上に、GdZrの組成の下部中間層(略称:GZO)とCeOの上部中間層とYBaCuの組成の酸化物超電導層(略称:YBCO)を積層してなる構造の酸化物超電導導体を利用した場合に、図13に示すような溶融凝固物の突起物が生じると、この突起物にはNiが多量に含まれるので、端子T2と端子T3との間には、図14に示す等価回路の如くYBCO−CeO−GZO−ハステロイ基体−GZO−CeO−YBCOのループの抵抗直列回路にNiを主成分とする溶融凝固物の抵抗が並列に挿入された形の回路構成となり、このNiを主成分とする溶融凝固物の抵抗が図11に示される抵抗値を発生させてしまう原因となっているものと推定できる。
従って単に酸化物超電導層をレーザによりスクライビングしようとしても、低交流損失の酸化物超電導体を製造することはできないという課題があった。
また、レーザスクライビングに代えて、カッターを用いて物理的に細線化溝を形成し、酸化物超電導層を分割してフィラメント導体とすることも考えられるが、カッターの切り裂き精度には問題があり、酸化物超電導層のみを切断して基材までも切断しないように、しかも、長尺の酸化物超電導導体の全長にわたり均一な幅の細線化溝を並列形成して横断抵抗値の高いフィラメント導体に分断するのは容易ではない問題がある。また、カッターによる切断は物理的な負荷を伴う作業であるので、基材や酸化物超電導層に物理的なダメージを与えるおそれがあり、超電導特性の劣化につながる問題がある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、基材上に酸化物超電導層を設けた構造の酸化物超電導導体に対してレーザにより酸化物超電導層を複数のフィラメント導体に分断した構造を採用した場合であっても、分断した個々のフィラメント導体どうしの絶縁性を高めることができ、低交流損失の酸化物超電導体を得ることができる製造方法の提供を目的とする。
本発明は、基材上に酸化物超電導層または基材上に酸化物超電導層及び安定化層が設けられてなる酸化物超電導導体に対し、前記酸化物超電導体表面に対して斜め方向からレーザを前記基材の長さ方向に沿って照射して前記酸化物超電導層をその幅方向に複数に分断する細線化溝を前記基材に達するように形成し、前記細線化溝の内側に付着した溶融凝固物を加熱し酸化して高抵抗化することを特徴とする。
酸化物超電導層の斜め方向からレーザを照射することにより、酸化物超電導層と基材の溶融物を細線化溝から外部へ排出することが容易となる。例えば、レーザを斜め方向から酸化物超電導層に向けて照射すると、レーザの運動エネルギーが酸化物超電導層に対するレーザの入射方向と反対側に反射して向くこととなり、レーザの運動エネルギーが酸化物超電導層に向かって衝突し、そこから反射して逃げる方向に溶融物を移動させるか吹き飛ばすことができるので、細線化溝内への溶融凝固物の残留分を削減できる。
本発明により得られた酸化物超電導導体は、酸化物超電導層が複数に分割されていることにより、印加磁界方向の投影幅が減少し、交流通電時の損失が減少する。これは、超電導層の内部に磁束が侵入し、交流通電時に磁束が動こうとした場合に、酸化物超電導層内での磁束の移動距離が酸化物超電導層を分割していない構造よりも小さくなることに起因する。
本発明により得られた酸化物超電導導体は、細線化溝により酸化物超電導層が複数のフィラメント導体に分割されるので、交流損失の低減を図ることができるとともに、細線化溝に高抵抗酸化物が存在するので、細線化溝を介して分割されたフィラメント導体どうしが仮に高抵抗酸化物を介して橋渡しされた構造となっても隣接するフィラメント導体どうしの間の抵抗値が上昇し、超電導状態のフィラメント導体どうしの交流通電時の電気的な結合性を抑制することができ、酸化物超電導導体の全体として低交流損失化できる。


本発明は、前記酸化物超電導層に対して前記レーザを照射するとともに、前記レーザ照射部分に対してパージガスを吹き付け、レーザによる溶融物を前記パージガスにより部分的に吹き飛ばしつつ前記細線化溝を形成し、前記酸化物超電導層を分断することを特徴とする。
酸化物超電導層の斜め方向からレーザを照射するとともに、パージガスをレーザ照射部分に吹き付けることにより、酸化物超電導層と基材の溶融物を細線化溝から外部へ吹き飛ばして排出することを確実に行うことができる。これにより、細線化溝内への溶融凝固物の残留分を大幅に削減できる。例えば、レーザを照射してその運動エネルギーの反力を利用して溶融物を細線化溝から外部に飛ばす作用の力が弱い場合、パージガスを吹き付けて溶融物を吹き飛ばす作用を加えることで効果的に溶融物を細線化溝から除去することができる。
本発明は、前記酸化物超電導導体として、基材とその基材上に形成された結晶配向制御用の中間層とその中間層上に形成された酸化物超電導層とその酸化物超電導層上に形成された導電性金属材料からなる安定化層とを具備したものを用い、前記細線化溝を前記安定化層から前記基材の上部に達するように形成することを特徴とする。
本発明は、前記酸化物超電導体表面に対して斜め方向からレーザを照射する際、照射角度を超電導体表面の法線方向から0゜〜45゜の範囲とすることを特徴とする。
この角度でレーザを照射することにより細線化溝から確実に溶融物を除去することができる。
本発明は、前記溶融凝固物を酸素含有雰囲気中にて酸化する場合、400℃〜800℃の範囲で熱処理することを特徴とする。
この温度範囲で熱処理することにより、溶融凝固物を確実に酸化することができ、高抵抗化できるとともに、酸化物超電導層を損傷させない範囲での加熱酸化ができる。即ち、フィラメント導体を構成する酸化物超電導層は高温に加熱するとその結晶構造が損傷を受け、超電導特性の劣化に繋がるので、酸化物超電導層の結晶構造を阻害しない程度に加熱して溶融凝固物を酸化できることが望ましい。
本発明構造と方法を実施することにより、交流通電時の損失が少なく、超電導特性の良好な酸化物超電導導体を得ることができる。
以下に本発明について実施の形態に基づいて説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は本発明に係る第1の実施の形態の酸化物超電導導体の断面図、図2は同酸化物超電導導体の部分拡大断面図、図3は同酸化物超電導導体の部分斜視図である。
本実施の形態の酸化物超電導導体Aは、耐熱金属製のテープ状の長尺の基体1の上に、この基体1の長さと同程度であって、基体1の幅よりも小さい幅で基体1よりも薄いフィラメント導体2が、基体1の幅方向に沿って複数、所定の間隔で並設され、各フィラメント導体2の間には基体1のほぼ全長にわたり、各フィラメント導体2を分割する細線化溝3が形成されている。
本実施の形態において前記フィラメント導体2は、基体1上に形成された配向制御用の下部中間層4と、その上に積層された上部中間層5と、その上に積層された酸化物超電導層6と、その上に積層されたAgなどの良導電性金属材料からなる安定化層7とから構成された4層構造とされている。なお、この実施形態の構造において、基体1上に配向制御用の下部中間層4と、その上に積層された上部中間層5とを備えた積層構造を基材14と称することとする。
前記基体1は、耐熱合金製の金属材料から、例えば、Ni合金のハステロイ(ヘインズ社商品名)から、あるいは、Ni−W合金などからなり、厚さ50μm〜1mm程度(例えば100μm)に形成されている。前記ハステロイはNi基の耐熱・耐食性の合金として知られているもので、添加するMo、Cr、Fe、Coなどの成分の違いからハステロイB、C、X、Gなどの種類があるが、いずれのハステロイにおいても耐熱性と耐食性に優れているので本発明の基体として使用することができる。前記基体1は超電導導体Aを巻線ボビン等に巻回して超電導コイルや超電導磁石を製造する場合のためにそれ自身が可撓性を有する材料からなることが望ましい。
前記配向制御用の下部中間層4は、基体1が金属材料であるのに対してその上にセラミック系材料の酸化物超電導層6を配置する構造となることから、金属材料とセラミック系材料の熱膨張係数の緩和、結晶の格子定数の差異を緩和し、更に酸化物超電導層6の結晶配向性を制御するなどの目的から、基体1上に形成される。この下部中間層4は、イオンビームアシスト法などの公知の成膜法を用いて金属材料製の基体1上に良好な結晶配向性でもって形成することが望ましい。下部中間層4は酸化物超電導層6の結晶構造に近い結晶構造を有してその上に酸化物超電導層6を成膜する場合の下地層として機能させるために設ける層となる。
この下部中間層4としてGdZrなる組成であって、厚さ数分の一μm程度ものを適用することができるが、これに限るものではなく、他のセラミック系の材料を用いても良い。
前記上部中間層5は、その上に直に形成される酸化物超電導層6の下地層となり、膜状に形成する酸化物超電導層6の結晶配向性に大きな影響を与えるので、先の下部中間層4よりも更に結晶配向性の良好なものとすることが好ましい。この上部中間層5としてCeOなる組成の厚さ数分の一μmのものを例示することができるが、これに限るものではない。先のハステロイ基体上にGdZrなる組成の下部中間層4を積層し、その上にCeOなる組成の上部中間層5を積層して基材14とする構造は、極めて配向性の高い酸化物超電導層6の下地層を得られる技術として知られていて、イオンビームアシスト法を用いて下部中間層4の結晶配向性として結晶軸の配向度10〜20゜程度の配向性を得ると、その上にパルスレーザ蒸着法を用いて上部中間層5の結晶配向性として結晶軸の配向度10゜以下、例えば5゜前後の優れた結晶配向性のものを高速成膜することができ、それに応じてその上に形成される酸化物超電導層6も高配向で臨界電流密度の高いものが得られるので好ましい。
本実施の形態において下部中間層4と上部中間層5の組み合わせ構造の基材14を用いたのは、上述の如くGdZrなる組成の下部中間層4の上にCeOなる組成の上部中間層5を成膜することにより、CeOなる組成の上部中間層5の結晶配向性を特に単結晶並に良好にすることができることによる。しかし、好ましい中間層の組み合わせはこの例の組み合わせに限るものではなく、MgO層とYSZ(イットリウム安定化ジルコニア)とCeOの積層構造、YとYSZとCeOの積層構造なども結晶配向制御用の積層構造として知られているので、これらのいずれかを用いても良い。勿論、その他の一般に知られている酸化物超電導層としての配向制御用の下地層を単層構造あるいは複層構造で用いた基材としても良いのは勿論である。
前記上部中間層5の上には厚さ数μmの酸化物超電導層6が積層されている。この酸化物超電導層6は成膜時に先の上部中間層5の結晶配向性に揃う形でエピタキシャル成長されて成膜されたもので、自身の結晶配向性が良好であり、優れた超電導特性が得られるように形成されている。この酸化物超電導層6は通常知られている組成の酸化物超電導体からなるものを広く適用することができる。例えば、希土類酸化物系の超電導体としてREBaCu7−X系のもの(REはYを含む希土類元素の1種以上からなる)が知られているのでこの系のものを用いることができるが、勿論Bi系あるいはTl系などの他の酸化物系超電導体からなるものを用いても良い。なお、酸化物超電導体を交流用途として利用する場合の通電電流や臨界電流密度などを考慮すると、現在の技術ではYBaCu7−X系のものを適用することが好ましい。
前記安定化層7は、酸化物超電導層6に通電時に常伝導の芽が生じたり、侵入した磁束が移動して発熱しようとした場合などに通電パスとなり、常伝導転移を防止する目的で形成するので、電気抵抗の低い良導電性の金属材料層を超電導層6に接する形で積層することが好ましい。この観点から、安定化層7の構成材料にはAgまたはAg合金を用いることが好ましい。また、その厚さは数10μm程度とすることが好ましい。
前記基体1上のフィラメント導体2は隣接するものが相互に離間して細線化溝3を介して形成されているが、この細線化溝3は、安定化層7と酸化物超電導層6と上部中間層5と下部中間層4を貫通し、基体1の上部側まで達して基体1の上面に図2に示す凹部1aを形成する深さに形成されている。また、細線化溝3の内部側には溶融凝固物からなる不定形の高抵抗酸化物8が細線化溝3の底部と内側面を覆うように形成されている。この高抵抗酸化物8は、後述するレーザ照射により安定化層7と酸化物超電導層6と上部中間層5と下部中間層4と基体1の上部を溶断した場合に生成させた溶融物を凝固させた後に酸化させることにより形成されたものである。
この高抵抗酸化物8は、基体をハステロイあるいはNi−W合金から形成した場合に多量のNiを含有するのでNiを主体とする合金の溶融凝固酸化物となっている。また、安定化層7と酸化物超電導層6と上部中間層5と下部中間層4の各層を構成する元素を一部含有している。ここで基体1は100μm程度以上の厚さがあり、その上に形成される上部中間層5と下部中間層4は厚さ数分の1μm程度、酸化物超電導層6は厚さ数μm程度、安定化層7は数μm程度であるので、レーザにより溶断した場合にレーザによる溶融される基体1の構成材料が主体となる。
ここで細線化溝3は酸化物超電導層6を完全に分断していれば良く、その下側の基体1まで到達する必然性はないが、後述する如くレーザによる溶断により酸化物超電導導体を製造する場合にレーザの出力を微調整しても酸化物超電導層6の底面まで正確に溶断することは難しく、仮に溶断不足を生じて細線化溝3の底部側に酸化物超電導層6を一部残してしまうと、隣接する酸化物超電導層6どうしが電気的に容易に接合してしまうので、レーザ溶断時に基体1側にまで到達するように細線化溝3を形成することが望ましいことから、細線化溝3は基体1側にまで到達していることが望ましい。
本実施形態の酸化物超電導導体Aは、基体1の幅よりも幅狭のフィラメント導体2が基体1の長さ方向に複数相互に離間して形成されてなり、隣接するフィラメント導体2間の細線化溝3には高抵抗酸化物8が設けられているので、細線化溝3を介して左右に隣接するフィラメント導体2どうしの間の絶縁性が高く、高抵抗化されているので、モータや変圧器などの交流応用機器に本実施形態の酸化物超電導導体Aを適用した場合、フィラメント導体2の細線化により交流使用時に発生する交流損失を抑制することができる。また、本実施形態の酸化物超電導導体Aは、複数の細線化溝3によって複数のフィラメント導体2に分割されているので、先の(1)式、W(交流損失)=(α/γ)×Bm γ ×(w/n)に沿う分割数nで分割した場合の本来の効果が充分に発揮され、これによっても交流損失が低減される。
図4は本発明の第2の実施の形態の酸化物超電導導体Bを示すもので、この例の如く基体1上の中間層9を1層構造とした基材14を作製し、その上に直接酸化物超電導層6を積層し、更に安定化層7を積層した構造を採用しても良い。
前述の如く中間層9を1層構造とした場合に、中間層9を構成するのは、先に説明したGdZr層、CeO層、MgO層、YSZ層などのいずれを用いても良いが、いずれの層においても結晶配向性を良好に制御したものが望ましい。
次に本実施の形態の酸化物超電導導体Aを製造する方法の一例について説明する。
前記構造の酸化物超電導導体Aを製造するには、まず、図5に示す如く長尺の基体1の上に下部中間層10、上部中間層11、酸化物超電導層12、安定化層13を順次成膜して積層体を構成する。
下部中間層10を製造するにはイオンビームアシストスパッタ法などの配向制御成膜技術を用いて成膜する。また、これに続けてパルスレーザー蒸着法などの成膜法を用いて上部中間層11、酸化物超電導層12を形成し、その上にメッキ法などの方法により安定化層13を形成する。基体1上に全ての膜を成膜したならば、膜の最上層に位置する安定化層13の斜め上方からレーザ光線を照射して細線化溝を形成する。
図6に基体1に対してレーザ光線を照射し始めた際の正面状態を示し、図7に基体1とレーザ光線の照射方向の相対関係を示す。
レーザ光線は図6と図7に示すように基体1に対して上方側からであって、基体1を図7に示すように側面視した場合に、その斜め上方側から基体1の法線Hに対して入射角度φで入射し、かつ、基体1は水平面に対して角度θ上向きとした状態で移動させるものとする。
図7ではレーザ光線を照射する方向Rを鉛直下向きとして、基体1を角度θだけ若干上向きに走行させた状態を示している。また、照射方向Rに沿って下向きに窒素ガスなどのパージガスをレーザの照射地点近傍に吹き付ける。このパージガスの吹き付け速度は、例えば20L/MIN程度とすることができる。パージガスとしてはArガス、Nガスなどの不活性ガスを用いることが好ましい。
図7の如くレーザ照射するとともに、パージガスを吹き付けることにより、基体1の長さ方向に沿って細線化溝を形成して安定化層13、酸化物超電導層12、上部中間層11、下部中間層10を貫通し、基体1の上部に達するようなレーザ強度と基体1の移動速度にて加工し、細線化溝を基体1の長さ方向全長に形成することで酸化物超電導層12を複数のフィラメント導体に分断することができる。
ここで、レーザ強度と酸化物超電導導体の移動強度を調整し、細線化溝が基体1の上部にまで確実に到達するような加工を行うことにより、酸化物超電導層12を確実に細線化溝を介して分断することができる。ここで酸化物超電導層12の底部まで確実に分断すればよいので基体1までレーザ光線が到達する必然性はないが、酸化物超電導層12の底部をわずかでも残すと、その部分が橋渡しとなって酸化物超電導層12を複数のフィラメント導体2に分割した効果が薄れるので、レーザ光線を基体1の上部側まで到達させることでより確実に酸化物超電導層12を分断できる。また、レーザ光線により細分化溝を形成してゆく過程において、酸化物超電導導体を傾斜させて溶融物を細分化溝に沿って流下させて排除する作用と、レーザ光線の運動エネルギーによる移動強制作用と吹き付けるパージガスの吹き飛ばし作用により溶融物(ドロス)を可能な限り排除することはできるが、細線化溝に少しの溶融物(ドロス)が残留する。
この溶融残留物は溶融凝固物になり、そのまま残しておくと、Niを多量に含む導電物であるので、細線化溝内の溶融凝固物を介して隣接するフィラメント導体どうしを橋渡しして導通させてしまう恐れがある。このため本発明では、レーザによる細線化溝の形成後において、酸化雰囲気中において熱処理を施してこの溶融凝固物を酸化物にする。
酸化雰囲気とは大気中あるいは酸素ガス雰囲気中を意味し、その雰囲気中において400〜800℃の範囲に必要な時間加熱する熱処理とする。この酸化処理によりNiを主体とする溶融凝固物はNiOを主体とする酸化物に酸化されるので、高抵抗化される。具体的に例えば、酸化処理しない場合に比べて2桁以上、例えば100倍以上高抵抗化することができる。これによって細線化溝内に溶融凝固物が残留した場合であっても、フィラメント導体は超電導電流の通電時に電気的に分割されている構造に類似するものとなり、交流損失を低減できる。また、溶融凝固物を高抵抗化することにより、酸化物超電導層12を複数のフィラメント導体2に分割する分割効果を充分に発揮することができ、交流通電時の損失低減をなし得る。ここで、加熱温度の下限を400℃としたのは、純Niは室温でも酸化するが、溶融凝固物には他の元素も含まれており、なおかつ、室温を含む低温域での熱酸化では酸化速度が十分ではなくなり、酸化させるために長時間を要するか、あるいは酸化むらなどを生じるおそれがあり、400℃よりも低い温度とすると長時間加熱しても酸化が不十分になるおそれがあるためであり、上限を800℃としたのは、これよりも高い温度で長い時間加熱すると酸化物超電導層を構成する元素(YBaCuOなどの元素)と中間層が界面で反応するおそれがあるためである。
ところで、先の実施形態においては、酸化物超電導導体を移動方向の前方斜め上方側に移動させつつレーザ光線を照射する方法を採用したが、これは溶融物を重力により後方側に移動させるために好ましい形態である。ただし、この例の如く酸化物超電導導体を移動させる必然性がある訳ではなく、基体を水平としてレーザ光線とパージガスの送風方向を斜め方向としても細線化溝から溶融物を除去することができる。また、レーザ光線を照射する方向は酸化物超電導導体の側面から見て基体法線Hに対して0〜45゜の範囲であることが望ましいが、この範囲に限るものではない。しかし、レーザは通常、レンズ系で焦点を絞って使用するものであり、傾斜させたレーザビームのスポット径は楕円化するので、エネルギー密度の低下、焦点距離の位置ずれというデメリットを考慮すると、45゜を超えると効果が薄れることとなる。
更に、図6に示す如く基体1を正面視した場合にレーザビームが垂直下向きになっていることが望ましいが、細線化溝を形成できる範囲であれば正面視レーザビームが傾斜していても良い。この正面視した場合のレーザビームの照射角度範囲としても、先の側面視した場合のレーザ照射の角度、0〜45゜を参考として設定することが好ましい。
更に、レーザによる加工は図6に示す如く複数のレーザビームを一度に照射できる構造のものを採用すれば、酸化物超電導導体の長さ方向に一度移動させることで複数のフィラメント導体に分割することができ、長尺の酸化物超電導導体の場合でも一度の走査で分割操作を実施できる。
次に、先の実施の形態において、基体1側までレーザが充分に到達するエネルギー密度範囲では、レーザスポット径の増大によりドロスの低減効果を発揮できる。しかし、レーザスポット径を増大してレーザ照射幅を拡げることは、酸化物超電導層を溶断する幅の増大、レーザビームの周辺直近の酸化物超電導層の特性劣化領域の増大などを引き起こすので、レーザスポット径の増大には限界があると思われる。また、レーザスポット径を小さくし過ぎると、前述の如く酸化物超電導導体を斜め上方に移動させてレーザビームとパージガスの吹きつけによりドロスを吹き飛ばす作用を生じさせたとしても、細線化溝のサイズが小さくなることによる毛管現象によりドロスを細線化溝が吸い上げて溜め込み、結果的にドロスを低減できない可能性を有する。
このような背景から、レーザスポット径は20μm以上、あるいは30μm以上の幅が望ましいと考えられる。レーザスポット径の上限は適用する酸化物超電導導体が幅広の物である場合は特に制限が無いが、幅数cm程度の導体の場合は分割数なども考慮して100μm程度とすることが望ましい。
以下に具体的な実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
幅10mm、長さ15mm、厚さ約100μmのハステロイ(ヘインズ社商品名)からなるテープ状の基体を複数用意し、これらの基体上に公知のイオンビームアシストスパッタ法に基づき、厚さ0.7μmのGdZr層を成膜し、更にパルスレーザ蒸着法により厚さ0.3μmのCeO層を積層し、基材を作製した。このCeO層の配向性を調べたところ、配向性の指標となるΔφ値で5゜以下になっていることを確認することができ、極めて高配向性を有するCeO層を形成できていることが判明した。
続いて各基材のCeO層上にパルスレーザ蒸着法により、厚さ2.4μmのYBaCu7−Xの組成の酸化物超電導層を積層し、更にメッキ法によりその上に厚さ20μmのAgの安定化層を形成し酸化物超電導導体を得た。
これらの酸化物超電導導体に対し、図7に示すように酸化物超電導導体を移動方向前方に向いて25゜あるいは35゜上向きとなるように基体を傾斜させたまま、鉛直下向きにレーザ光線を照射し、アルゴンガスのパージガスを20L/minの吹き付け速度でレーザ照射部分にレーザ照射角度と同じ角度で吹き付け、酸化物超電導導体を6mm/秒の速度で移動させながら基体に到達する幅約20μmの細線化溝を1本形成し、酸化物超電導層を2つのフィラメント導体に分割した。レーザ装置のレーザ周波数は10kHz、レーザエネルギーは4W、レーザスポット径は30μmに設定した。
レーザによる分割後、各酸化物超電導導体を酸素雰囲気中において700℃に10時間加熱するアニール処理を施し、細線化溝内に残留していると思われる溶融凝固物の酸化処理を行った。
前記酸化処理前の各試料と前記酸化処理後の各試料に対し、図11を元に先に説明した位置に端子T1、T2、T3、T4を取り付け、酸化処理前後の横断抵抗値を測定した。その結果を図8に示す。図8において、25゜と記載した試料と35゜と記載した試料がこれらに相当する。
また、比較のために、前記酸化物超電導導体を水平に保持しながら、鉛直下向きにレーザを上述の条件と同じ条件で照射して細線化溝を形成した試料も用意し、この試料についても同様に酸化処理前と酸化処理後の横断抵抗値を測定した。図8において、0゜の□印の結果と0゜の○印の結果が比較例に相当する。
また、図8に示した試験結果の数値を以下の表に列挙する。
「表1」
入射角度(゜) 抵抗値(Ω)(熱処理前) 抵抗値(Ω)(熱処理後)
0 0.01> 0.01>
0 0.01> 0.01>
25 0.01> 25
25 0.01> 66
35 0.01> 112
35 0.01> 210
図8に示す試験結果から明らかなように、25゜と記載した試料と35゜と記載した試料は、いずれも熱処理後において横断抵抗値が100倍〜1000倍近くまで上昇している。これに対して0゜の試料は熱処理前後において横断抵抗値が殆ど変化していない。
この試験結果から、本発明方法を実施して得られた本発明構造を採用した酸化物超電導導体はフィラメント導体どうしを高抵抗酸化物により分離できていることが判明した。
また、本発明で得られた高抵抗酸化物は、この実施例では表1に示す25〜210Ωのものであり、図8に示す例では10Ω以下で6.2Ωのものが得られたので、5〜210Ωあるいはそれ以上の高抵抗のものを意味するものとする。
「比較例」
先のレーザによる細線化溝の形成の他に、ウエットエッチング処理を施して溶融凝固物を生成しないようにして細線化溝を形成する方法を実施し、理想的な構造とした場合の抵抗値を測定した。先の実施例で用意した積層構造と同じ積層構造(ハステロイ基体+0.7μm厚のGdZr層+0.3μm厚のCeO層+2.4μm厚のYBaCu7−Xの酸化物超電導層+20μm厚のAg安定化層)であって、長さ3cm、幅1cmの酸化物超電導導体を用いた。
この積層構造の酸化物超電導導体に対し、カプトンテープのレジストと過酸化水素水とアンモニアの混合液及び1mol硝酸のエッチング液を用いたウエットエッチング処理にて酸化物超電導層の底部まで達する細線化溝(幅2mm)を形成し、同時のこのエッチング処理により、幅2.5mm、長さ1.5cmの2本の並列短冊状の導体を形成した。2本の並列導体はAgの安定化層とその下の酸化物超電導層とからなり、それらの下部においては上部中間層を介して橋渡しされた構造とされている。
前記の並列2本の導体間の横断抵抗を4端子法により測定したところ、約1000Ω(室温)となった。
以上の結果から、レーザによる溶融凝固物の酸化物が細線化溝内に完全に存在していない状態になれば、約1000Ωの横断抵抗値となり得るが、レーザにより溶断した場合、前記の試験例ではそこまでは到達しなかった。しかし、基体の材料選択及びレーザスクライビング条件、熱処理条件等の最適化を行えば、上述のエッチングの試験例よりも高抵抗にできる可能性はあると思われる。また、酸化物超電導導体は通常導体利用として長尺の状態で使用するので、長尺の酸化物超電導導体の全長にわたりエッチング処理を行うと製造工程が極めて煩雑となり、レジスト液やエッチング液の管理、レジストの露光工程の管理、設備費、製造費ともに高騰するものとなるので、エッチング処理を酸化物超電導導体に適用するには無理がある。これに対してレーザを利用して細線化溝を形成する形態ならば、どのような長い長尺の酸化物超電導導体に対しても酸化物超電導導体を移動しながらレーザを照射する処理で適用可能であり、かつ、上述のようなエッチング処理には劣るものの酸化処理前の状態よりは100倍以上高抵抗化できるので、実用上は充分に利用価値の高い方法と構造と考えることができる。
なお、ハステロイの抵抗率は室温で1.3×10−6Ωcm、Niの抵抗率は室温で6.8×10−8Ωcm、Crの抵抗率は室温で1.29×10−7Ωcm、Moの抵抗率は室温で5.2×10−8Ωcmであるのに対し、NiOの抵抗率は室温で1011Ωcm、Crの抵抗率は室温で10Ωcm、MoOの抵抗率は室温で2×10−6Ωcmであるので、本発明に係る酸化処理により高抵抗化できることは、これらの特性値比較からも歴然としており、レーザによる溶断と酸化処理の条件等を更に工夫することにより、前述のエッチング処理した比較例の試料で示された抵抗値よりも更に高抵抗化できる可能性を有している。
以下の表2に、本発明方法と従来のレーザ溶断による細線化溝形成の方法とエッチング処理による方法とカッターによる細線化溝の形成方法の比較評価を示す。
「表2」
後加工手法 フィラメント 製造速度 コスト 長尺化対応 物理的
導体間抵抗値 ダメージ
本発明 ○ ◎ ◎ ◎ ◎
従来レーザ × ◎ ◎ ◎ ◎
エッチング ◎ △ × △ ◎
カッター △ ◎ ◎ − ×
(−は切断ムラの危険あり)
表2の比較の如く本発明方法は、いずれの手法に比べても優れた方法であると判断できる。
「レーザスポット径調整試験」
前記実施例と同じ条件でレーザスポット径のみを変更して酸化物超電導体に細線化溝を形成し、酸化物超電導層を分割し、横断抵抗値を測定する試験を行った。熱処理は700℃にて10時間、酸素雰囲気中において行うものとした。その結果を図15に示す。
図15に示す結果から、レーザスポット径が10〜20μmの範囲では熱処理後においても横断抵抗値が向上しない試料が散見され、レーザスポット径が20μmを越える範囲から横断抵抗値の上昇が見られた。また、レーザスポット径が30μm以上の場合の試料はいずれにおいても高い横断抵抗値を示した。
この試験結果から見ると、前記構造の酸化物超電導導体を分割構造とする場合にレーザスポット径は30μm以上が望ましいと判断することができる。
図1は本発明に係る酸化物超電導導体の第1の実施形態を示す断面図。 図2は同酸化物超電導導体の部分拡大断面図。 図3は同酸化物超電導導体の部分斜視図。 図4は本発明に係る酸化物超電導導体の第2の実施形態を示す断面図。 図5は本発明方法を説明するためのもので、基体上に下部中間層と上部中間層と酸化物超電導層と安定化層を積層した状態を示す断面図。 図6は図5に示す積層構造の酸化物超電導導体に対してレーザを照射して細線化溝を形成している状態を示す正面図。 図7は図5に示す積層構造の酸化物超電導導体に対してレーザを照射して細線化溝を形成している状態を示す側面図。 図8は実施例において得られた構造の熱処理前と熱処理後における横断抵抗値の変化を示す測定図。 図9は従来の酸化物超電導導体に対して細線化溝を形成し、酸化物超電導層を分断した状態を示す斜視図。 図10は細線化溝を形成していない従来の酸化物超電導導体において横断抵抗値を測定した結果を示す図。 図11は細線化溝を形成した従来の酸化物超電導導体において横断抵抗値を測定した結果を示す図。 図12は従来の酸化物超電導導体に対してレーザを照射して細線化溝を形成している状態の一例を示す図。 図13は図12に示す方法により得られた酸化物超電導導体の一例の断面写真を示す図。 図14は図13に示す構造の酸化物超電導導体の等価回路図。 図15はレーザスポット径と横断抵抗値の関係を示す図。
符号の説明
A、B 酸化物超電導導体、
1 基体、
2 フィラメント導体、
3 細線化溝、
4、10 下部中間層、
5、11 上部中間層、
6、12 酸化物超電導層、
7、13 安定化層、
8 高抵抗酸化物、
9 中間層
14 基材





Claims (5)

  1. 基材上に酸化物超電導層または基材上に酸化物超電導層及び安定化層が設けられてなる酸化物超電導導体に対し、前記酸化物超電導体表面に対して斜め方向からレーザを前記基材の長さ方向に沿って照射して前記酸化物超電導層をその幅方向に複数に分断する細線化溝を前記基材に達するように形成し、前記細線化溝の内側に付着した溶融凝固物を加熱し酸化して高抵抗化することを特徴とする低交流損失酸化物超電導導体の製造方法。
  2. 前記酸化物超電導層に対して前記レーザを照射するとともに、前記レーザ照射部分に対してパージガスを吹き付け、レーザによる溶融物を前記パージガスにより部分的に吹き飛ばしつつ前記細線化溝を形成し、前記酸化物超電導層を前記細線化溝を介して分断することを特徴とする請求項に記載の低交流損失酸化物超電導導体の製造方法。
  3. 前記酸化物超電導体表面に対して斜め方向からレーザを照射する際、照射角度を超電導体表面の法線に対して0゜〜45゜の範囲とすることを特徴とする請求項1または2に記載の低交流損失酸化物超電導導体の製造方法。
  4. 前記溶融凝固物を酸素含有雰囲気中にて酸化する場合、400℃〜800℃の範囲で熱処理することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の低交流損失酸化物超電導導体の製造方法。
  5. 前記基材がNi合金からなり、前記酸化した溶融凝固物がNiOを含む酸化物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の低交流損失酸化物超電導導体の製造方法。
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