JP4776951B2 - 溶接性に優れた溶接用亜鉛系合金めっき鋼材 - Google Patents

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Description

本発明は、主に、建築、自動車などの溶接構造部材に使用される亜鉛系合金めっき鋼材に関し、特に、このような亜鉛系合金めっき鋼材を種々の方法で溶接する際に、溶接熱影響部における液体金属脆化割れ(以下、亜鉛めっき割れということもある)の発生を抑制できる溶接性に優れた溶接用亜鉛系合金めっき鋼材に関する。
Znめっき鋼材は、建築や自動車の構造部材における耐食性向上の観点から幅広く用いられ、最近ではZnめっき中にAl、MgまたはSiを添加したZn−Al−Mg系合金めっき、Zn−Al−Mg−Si系合金めっきなどの亜鉛系合金めっきを鋼材表面に施した耐食性に優れた亜鉛系合金めっき鋼材が特許文献1および特許文献2で知られている。これら亜鉛系合金めっき鋼材は、種々の溶接法により溶接して溶接鋼構造物として使用される場合が多い。
しかし、これら亜鉛系合金めっき鋼材を溶接する際に、鋼材の溶接熱影響部(以下、溶接HAZ部という。)では、溶接入熱により溶融された亜鉛系合金めっきが鋼材表面に溶融状態のまま残留しやすく、かつ、鋼材組織は結晶粒が成長、粗大化した組織となりやすい。このような状態で鋼材に引張応力が働いた場合には、鋼材の溶接HAZ部組織によっては、溶融めっきが鋼材表面の結晶粒界に侵入して粒界が脆化した領域、つまり脆化域が形成され、割れが発生する場合がある。特に被溶接部材が著しく拘束された状態での溶接時に溶接HAZ部の脆化域で割れが発生することがある。
一方、従来から、鋼材を溶接して得られた溶接構造物を高温溶融亜鉛合金めっき浴中でめっき処理する際にも、溶接構造物の溶接部、特に溶接止端部(溶接ビード(溶接金属)と鋼材との境界)近傍に残留した引張応力(以下、残留引張応力という)やめっき浴中で発生する熱歪みなどが作用し同様な割れが発生することが知られていた。
これらのように、高温で或る種の液体金属が或る種の固体金属表面に接触し、かつ固体金属表面にある大きさの引張応力が作用する場合に、固体金属表面に脆化域が形成され、割れが発生する現象を液体金属脆化割れ:LME(Liquid Metal Embrittlement)と称され、例えば、非特許文献1で知られている。
従来、溶接継ぎ手を高温溶融めっき浴中でめっきする際に発生する液体金属脆化割れ(LME)を抑制するための手法としては、鋼材の成分規定による組織制御が試みられており、LME炭素当量式がJIS(例えば、JIS G3219−1995)で規格化されている。
また、特許文献3では、Zn−Al合金めっきが施される鋼材に対して鋼材の各成分を限定するとともに、特にBに対しては0.0002%以下の厳しい制約を設けている。
しかし、上記LME炭素当量式は、溶接継ぎ手を高温溶融めっき浴でめっき処理する際の液体金属脆化割れ(LME)を対象とし、その割れが発生する温度域はめっき浴の温度:450℃(めっき金属の融点)程度であり、亜鉛系合金めっき鋼材を溶接する際のピーク温度:1500℃に比べて非常に低い温度条件で発生する液体金属脆化割れ(LME)を対象とする。これに対して、亜鉛系合金めっき鋼材を溶接する際に発生する液体金属脆化割れ(LME)は、1500℃程度の鋼材が溶融する高温域から450℃程度のめっき金属の融点までの広い温度域で発生するため、従来のLME炭素当量式を溶接用の亜鉛系合金めっき鋼材に適用しても、溶接時の液体金属脆化割れ(LME)を充分に抑制することは困難であった。
また、従来、プレス成形性が要求される極低炭素のIF(Interstitial Free)鋼材のろう付けにおいて、はんだ脆性による上記液体金属脆化割れの発生が知られており、その対策として、例えば、特許文献4では、Cが0.0005〜0.03%と低くいIF鋼に対して、Tiを0.01〜0.2%添加してNを固定するとともに、Bを0.0002〜0.003%添加することにより溶融金属の粒界への進入を防ぎ、割れ発生を抑制している。
この方法は、成形性が要求される低強度で極低炭素のIF鋼を対象とし、また、その割れが発生する温度域がはんだ付けのピーク温度:900〜1000℃(はんだの融点に相当)程度である場合を前提とするものである。一方、IF鋼より強度が高く(引張強度:350MPa以上程度)、高炭素(C:0.01〜0.3%程度)である高張力鋼を母材とした亜鉛系合金めっき鋼材を、ピーク温度が1500℃(鋼材の融点に相当)程度の条件で溶接する場合には、900℃より低い温度域でも液体金属脆化割れは発生するため、上記の方法を高張力鋼の溶接に適用しても液体金属脆化割れを充分に抑制することは困難である。
近年、特に、自動車分野などでは、亜鉛系合金めっき鋼板として、自動車の軽量化及び燃費向上、ひいては地球環境を配慮して、従来の成形性を重視した低炭IF鋼板に替えて、より引張強度が高く、C等の合金元素の含有量が高い高強度鋼を母材とし、かつその母材表面に従来のZnめっきよりも耐食性が高いZn−Al系、Zn−Al−Mg系、Zn−Al−Mg−Si系などの亜鉛系合金めっきを施した鋼板が適用されるようになり、それに伴って従来は問題にならなかった鋼材溶接時の液体金属脆化割れの発生が顕在化するようになってきた。
また、従来の自動車、建築分野においては、普通鋼材を溶接後、その溶接構造物を高温亜鉛めっき浴中でめっき処理する、後付けめっき処理が主流であったが、近年、工程省略、製造コスト削減の観点からめっき鋼材またはその成形部材を溶接する、プレめっき鋼材の溶接施工が適用されるようになり、溶接時に発生するめっき割れを抑制するための技術に対する産業上の意義が大きくなってきた。
さらに特許文献5では、Zn−Al−Mg系合金めっきの施された板厚0.8mmの冷延鋼板を対象に鋼板中にBを2〜100ppm添加することによってアーク溶接時の液体金属脆化割れの抑制が可能であるとしている。この方法は、下地鋼中に固溶したBはα結晶粒界に偏析し粒界強度を高め、溶接時に溶融したZn−Al−Mg系合金めっき中に鋼成分が溶出し、溶融金属脆化割れ発生を防止するのであり、有効なB固溶量を確保するためにNの添加量を低減し、好ましくは、Ti、Nb、V、Zr等でN固溶量を低減するものである。
しかしながら、本願発明者らの検討によれば、特許文献5に開示された方法は、鋼板成分から強度レベルが400MPa未満の低強度の薄鋼板を対象とし、このような低強度薄鋼板の溶接時には固溶Bによる効果は得られるものの、引張強さが400MPaを超えるような高強度材ではBの過剰添加によって液体金属脆化割れが助長される場合があることが判明した。
また、低強度鋼板では主として溶接止端部で発生していた液体金属脆化割れが、鋼板強度の増加に伴って溶接熱影響部での液体金属脆化割れ発生が増加することも判った。
特開平10−226865号公報 特開2000−64061号公報 特開平05−156406号公報 特開昭60−92453号公報 特開2003−3238号公報 Journal of Institute of Metals (1914) p.108. (A.K.Huntington)
本発明は、上述したような従来技術の問題点を踏まえ、例えば、母材の引張り強さが490MPa以上の強度レベルで、板厚が0.8〜9mmの亜鉛系合金めっき鋼材を種々の方法で溶接する際に、特に溶接熱影響部で亜鉛系合金めっきに起因して発生する液体金属脆化割れを安定して抑制でき、信頼性の高い溶接継手を得るための溶接性に優れた溶接用亜鉛系合金めっき鋼材を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その要旨は次の通りである。
(1)亜鉛系合金めっき層を鋼材表面に設けた、引張強さ490MPa以上の溶接用亜鉛系合金めっき鋼材であって、前記鋼材が、質量%で、
C:0.01〜0.3%、
Si:0.01〜2.0%、
Mn:0.1〜3.0%、
S:0.015%以下、
Al:0.001〜0.5%、
N:0.0005〜0.006%、
さらに、Nb、V、および、Zrのうちの1種または2種以上を合計量で0.01〜0.60%を含有し、下記(1)式で示される液体金属脆化の感度指数E値が0.24を超え、かつB含有量が3ppm以上、−102×E+61ppm以下を満足し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする溶接性に優れた溶接用亜鉛系合金めっき鋼材。
E値=[%C]+[%Si]/17+[%Mn]/7.5+[%Ni]/17
+[%Nb]/2+[%V]/1.5+[%Zr]/2 ・・・(1)
ここで、E値は液体金属脆化の感度指数を示し、[%C]、[%Si]、[%Mn]、[%Ni]、[%Nb]、[%V]、[%Zr]は、鋼材中のC、Si、Mn、Ni、Nb、V、Zrの各含有量(質量%)を示す。
(2)前記鋼材が、質量%で、さらに、Ti:0.001〜0.5%を含有し、下記(2)式で示される液体金属脆化の感度指数E値が0.24を超えることを特徴とする上記(1)に記載の溶接性に優れた溶接用亜鉛系合金めっき鋼材。
E値=[%C]+[%Si]/17+[%Mn]/7.5+[%Ni]/17
+[%Ti]/4.5+[%Nb]/2+[%V]/1.5+[%Zr]/2
・・・(2)
ここで、E値は液体金属脆化の感度指数を示し、[%C]、[%Si]、[%Mn]、[%Ni]、[%Ti]、[%Nb]、[%V]、[%Zr]は、鋼材中のC、Si、Mn、Ni、Ti、Nb、V、Zrの各含有量(質量%)を示す。
(3)前記亜鉛系合金めっきが、Zn−Al系合金めっき、Zn−Al−Mg系合金めっき、および、Zn−Al−Mg−Si系合金めっきのうちの何れか1種であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の溶接性に優れた溶接用亜鉛系合金めっき鋼材。
(4)前記Zn−Al系合金めっきが、質量%で、Al:0.18〜5%を含有し、さらに、Mg:0.01〜0.5%、La:0.001〜0.5%、および、Ce:0.001〜0.5%のうちのいずれか1種または2種以上を含有し、残部がZnおよび不可避的不純物であることを特徴とする上記(3)に記載の溶接性に優れた溶接用亜鉛系合金めっき鋼材。
(5)前記Zn−Al−Mg系合金めっきが、質量%で、Al:2〜19%、Mg:0.5〜10%を含有し、残部がZnおよび不可避的不純物であることを特徴とする上記(3)記載の溶接性に優れた溶接用亜鉛系合金めっき鋼材。
(6)前記Zn−Al−Mg−Si系合金めっきが、質量%で、Al:2〜19%、Mg:1〜10%、Si:0.01〜2%を含有し、残部がZnおよび不可避的不純物であることを特徴とする上記(3)に記載の溶接性に優れた溶接用亜鉛系合金めっき鋼材。
本発明によれば、建築、自動車などの溶接構造部材として使用される亜鉛系合金めっき鋼材を種々の方法で溶接する際に、溶接熱影響部における液体金属脆化割れを抑制でき、溶接部品質に優れた亜鉛系合金めっき鋼材による溶接構造物を提供することが可能となる。
一般に、鋼材を溶接した後の溶接部は、鋼材および溶接材料が溶融して形成された溶接金属が凝固した後、さらに、室温までの冷却過程で熱収縮が進行する。このため、溶接部に外力が加わっていない状態でも溶接部の溶接金属および母材熱影響部が熱収縮する過程では、その周囲から拘束されることにより引っ張り応力が発生する。
Zn−Al系、Zn−Al−Mg系、Zn−Al−Mg−Si系などの特定成分系の亜鉛系合金めっきを施した鋼材を溶接する場合に、特に熱影響部で溶融めっきを起因として発生する液体金属脆化割れは、溶接後に蒸発せずに溶接熱影響部表面に残存した溶融状態の亜鉛系合金めっきが、溶接熱影響部で発生する引っ張り応力を引き金として、結晶粒界に浸入して起きるものと考えられる。
溶接後の溶接金属および母材熱影響部の熱収縮に伴って発生する引っ張り応力の大きさは、溶接金属および母材熱影響を拘束する鋼材の温度に依存する高温強度により変化する。例えば、溶接後、900℃程度の高温状態で生じる引張応力は比較的小さいのに対し、さらに冷却され、亜鉛系合金めっきの融点に相当する400〜500℃程度の低温域では鋼材の高温強度の回復並びに熱収縮量の増加により大きな引っ張り応力が働く。
一般に、鋼材の高温強度は通常その冷間強度に依存するため、被溶接鋼材の引っ張り強度が高くなるほど溶接部の熱収縮に伴って発生する引張応力は大きくなる。
また、溶接部の熱収縮に伴う引っ張り応力の大きさは、溶接部の拘束状態によっても変化し、特に、板厚が増加すると溶接部近傍の変形抵抗が増すため引張応力の増加につながる。また、溶接変形抑制のために治具などで溶接部近傍を機械的に拘束して溶接する場合や、電縫鋼管製造プロセスにおける管状成形後の端部突合せ溶接などの加工反力が大きい継ぎ手形状で溶接する場合などでは、熱収縮に伴う引っ張り応力が増大する。
亜鉛系合金めっき鋼材の溶接時の液体金属脆化割れ発生は、上記原因に加えて、特に熱影響部の組織や結晶粒界の大きさなどに影響を受ける。本発明者らの検討によれば、母材の引張強さが490MPa以上の亜鉛系合金めっき高強度鋼材の溶接時には、溶接熱影響部は粒界フェライトが少ないオーステナイト主体の組織になり、液体金属脆化割れ発生が顕著となることを確認した。これは、溶接熱影響部がオーステナイト粒界主体の組織となると、粒界フェライトが多く存在する組織に比べて、溶融した亜鉛系合金めっきが組織粒界へ浸入する経路が短くなり、溶融めっきの浸入深さの増大による液体金属割れ発生が助長させるためと考えられる。
本発明者らは、母材の引張り強さが490MPa級以上の強度レベルで、板厚が0.8〜9mmのような、母材の引張強さが高くかつ板厚が比較的厚い亜鉛系合金めっき鋼材を溶接する場合でも、溶接熱影響部の液体金属脆化割れを安定して抑制するための方法について鋭意検討した。その結果、母材の引張り強さを決定する鋼材成分に応じて鋼材中に含有させるB含有量を制御することにより、溶接熱影響部組織のオーステナイト粒界に偏析し、かつ溶融めっきの浸入を抑制するための有効B固溶量を維持し、液体金属割れ発生を抑制できることを知見した。
本発明は、上記知見を基に、鋼材の引張り強さおよび溶接熱影響部の組織を決定する母材成分を基に指標化(後述する液体金属脆化の感度指数:E値)し、この指標に応じて鋼板中のB含有量を制御することにより、幅広い強度レベル、板圧の鋼材において、溶接熱影響部の結晶粒界に偏析する有効B固溶量を適正化し、溶接時の液体金属脆化を安定して抑制することを技術思想とするものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
従来から、B添加により約900℃以上のオーステナイト温度域でBの粒界偏析・濃化により低融点溶融金属の粒界侵入の抑制効果があることが知られている。このBの粒界偏析は、オーステナイト−フェライト二相域以上の温度で起こり、粒界の空孔・欠陥にBが浸入することにより界面エネルギーが低下し、溶融しためっき成分の粒界侵入・拡散の抵抗となるが、温度低下に応じてBの粒界偏析は起き難くなる。
また、Bは焼き入れ性を高め、オーステナイト粒界を安定化させる作用があるため、他の焼入性元素と同様に粒界フェライトの生成を抑制することも知られている。
例えば、母材の引張り強さが490MPa級以上の強度レベルの鋼材成分は、C、Mnとともに、後述するNb、V、Zrなどの焼入れ性を高める強化元素を所定量以上添加する必要がある。発明者らは、このような焼入れ性が高い母材成分組成を有する亜鉛系合金めっき鋼材を溶接すると、熱影響部は、粒界フェライトは少なく、オーステナイト粒界主体の組織となり、液体金属脆化割れ発生が顕著となることを確認した。
本発明者らは、鋼材中の焼入れ性成分およびBの含有量が少ない場合は、図3(a)に示すように、溶接部で特に応力集中部となる溶接止端部11で液体金属脆化割れが発生するのに対し、鋼材中の焼入れ性成分およびBの含有量が多い場合は、図3(b)に示すように、溶接時ニ相域温度12となる比較的低温領域で液体金属脆化が発生することを確認した。これは、鋼材の焼入れ性が高い場合にさらにB含有量を増加すると、溶接熱影響部の組織がオーステナイト粒界主体の組織となり、粒界フェライトが多く存在する場合に比べて、溶融めっきの粒界へ浸入深さを増大することを助長するため、熱収縮による引張応力が比較的低く、かつ低温領域でも液体金属割れが発生するものと考えられる。
さらに、母材の焼入れ性が高い、引張強度が400MPa〜590MPa級の亜鉛系合金めっき鋼材を溶接し、母材の焼入れ性または引張強度が異なる条件での鋼材中のB含有量と溶接熱影響部の液体金属割れとの関係について検討した。
表1および表2に実験で使用した鋼材の種類、鋼材の主要成分、および、溶接材料の種類を示す。
490Mpa級以上の高張力鋼材には、強度確保のためにNb、V、Zrの1種以上を添加した。また、溶接材料は400MPa級鋼および490MPa級鋼用としてYGW12を用い、540MPa級鋼および590MPa級鋼用としてYGW23を用いた。
亜鉛系合金めっき鋼材は、表1に示した鋼材表面にZn−11%Al−3%Mg系合金めっきが片面当たりのめっき付着量:90g/m2で施されたものを使用した。
溶接方法はパルスMAG溶接とし、溶接電流:180A、アーク電圧:21V、溶接速度:30cm/minに設定した。
Figure 0004776951
Figure 0004776951
図1に溶接部の液体金属脆化割れの評価方法を示す模式図を示す。
板厚9mmの厚手鋼材7の上に評価対象となる亜鉛系合金めっき鋼板1を重ね合わせた後、亜鉛系合金めっき鋼板1の4辺6(a)〜6(d)を重ね隅肉溶接する。その後、さらに、亜鉛系合金めっき鋼材1上に丸鋼2を配置し、丸鋼2端部の円周を隅肉溶接することにより円周隅肉溶接ビード3を形成する。なお、厚手鋼材7の上に亜鉛系合金めっき鋼材1を溶接するのは、丸鋼2端部の円周を隅肉溶接する際の拘束条件を厳しくするためである。
液体金属脆化割れ8は、隅肉溶接ビード3のクレータ部(終端部)4における溶接部断面5を観察し、溶接熱影響部10の表面から割れが伸展している板厚方向の長さを割れ深さ9と定義し、測定した割れ深さの大きさで評価した。
また、本発明者は、亜鉛系合金めっき鋼材の溶接時の液体金属脆化割れ発生を安定して抑制するための鋼材中B含有量の適正化を検討するにあたり、溶接熱影響部の組織および液体金属脆化割れに対する鋼材中のBを除く焼入れ成分の影響度を、式(1)に示す液体金属脆化の感度指数:E値と定義し、評価した。
E値=[%C]+[%Si]/17+[%Mn]/7.5+[%Ni]/17
+[%Nb]/2+[%V]/1.5+[%Zr]/2 ・・・(1)
ここで、E値は液体金属脆化の感度指数を示し、[%C]、[%Si]、[%Mn]、[%Ni]、[%Nb]、[%V]、[%Zr]は、鋼材中のC、Si、Mn、Ni、Nb、V、Zrの各含有量(質量%)を示す。
上記(1)式は、一般に知られている炭素当量Ceqの式をベースに強度向上のための析出強化元素であるNb、VおよびZrを加えたものである。各添加量に係る係数は実験的に定めることができる。
図2に上記(1)で示されるE値およびB含有量と、溶接部の液体金属脆化割れ発生との関係を示す。
図3に示すように、溶接熱影響部10で発生した液体金属脆化割れ8は、溶接部の応力集中部となる溶接止端部11で発生した液体金属脆化割れ8(図3(a)、参照)と、比較的加熱温度が低いニ相域加熱領域12で発生した液体金属脆化割れ8(図3(b)、参照)の2種類が観察された。
図中、溶接熱影響部の液体金属脆化割れの評価は、溶接止端部で発生した液体金属脆化割れが板厚に対する割れ深さの割合で5%を超えるものを×で示し、ニ相域加熱領域で発生した液体金属脆化割れが板厚に対する割れ深さの割合で5%を超えるものを△で示し、溶接止端部およびニ相域加熱領域で発生した液体金属脆化割れがいずれも板厚に対する割れ深さの割合で5%以下の場合を○で示した。
鋼材中のB含有量が3ppm未満の場合は、Bの粒界偏析や粒界強化の作用効果が十分に得られないため、上記(1)で示される液体金属脆化の感度指数:E値に関わらず溶接止端部で液体金属脆化割れが発生する。従って、Bの粒界偏析や粒界強化の作用効果を十分に活用し、液体金属脆化割れを抑制するために鋼材中のB含有量を3ppm以上とする必要がある。
上記鋼材中のBによる効果は、上記(1)で示される液体金属脆化の感度指数:E値が0.24以下の鋼材、つまり、比較的焼入れ性が低く、強度レベルが低い鋼材からなる亜鉛系合金めっき鋼材では、鋼材中のB含有量が増加するとともに高まるため、溶接熱影響部の液体金属脆化割れを抑制するためには、B含有量の上限を特に限定する必要はない。
一方、上記E値が0.24を超える鋼材、つまり、比較的焼入れ性が高く、引張り強さが490MPa以上程度に相当する強度レベルが高い鋼材からなる亜鉛系合金めっき鋼材では、鋼材中のB含有量が高過ぎる場合には、溶接熱影響部において溶接止端部に比べて比較的引張応力が低く、加熱温度が低い、ニ相域加熱領域でも、溶接熱影響部の組織に起因して液体金属脆化割れが発生する場合がある(図2中の△)。このような溶接熱影響部のニ相域加熱領域で発生する液体金属脆化割れを抑制するためには、図2から鋼材中のB含有量の上限を、上記(1)式で示される液体金属脆化の感度指数:E値との関係から、−102×E+61ppmに制限することにより抑制することが可能となる。
本発明は、上記知見および技術思想を踏まえて、本発明の溶接用亜鉛系合金めっき鋼材の母材成分およびその含有量の範囲を以下の通りとする。なお、以下の%およびppmは、特に説明がない限り質量%および質量ppmを示すものとする。
C:本発明では、Cは引張強さを確保するために必要であると共に、溶接後の溶接部の熱収縮により生じる引っ張り応力に対して、溶接熱影響部の焼入れ向上し、応力集中部の塑性歪の低減による割れ防止のために必須な元素である。B添加との組み合わせにより溶接部の割れ発生を充分防止でき、かつ良好な靱性を確保できるC含有量として、その下限を0.01%とした。なお、Cの過剰の添加は溶接HAZ部を硬化させ曲げ性能低下や遅れ割れの発生につながるのみならず、Fe−C−B析出物を形成しやすくなりBのめっき脆化抑制効果を低減してしまうためC含有量の上限を0.3%とした。
Si:Siは母材の脱酸のために必要であり、その含有量の下限値を0.01%とした。また、Siは固溶強化の作用があり下記のMnとともに母材強度の調整に用いる。なお、過剰のSi添加は熱間圧延時の酸化スケールの増加、延性低下につながるためその含有量の上限は2.0%とした。
また、熱延鋼板にめっきする場合には問題ないが、冷延鋼板にめっきする場合にはめっき付着性が劣化するためSi量は0.1%以下にすることがより好ましい。
Mn:Mnは鋼材の熱間脆性の原因となる鋼中の不可避的不純物のSをMnSとして固定して無害化するためその含有量の下限値を0.1%とした。一方、Mnの過剰の添加は溶接HAZ部を硬化させ曲げ性能低下や遅れ割れの発生につながるためその含有量の上限を3.0%とした。
S:Sは鋼材の熱間加工性を低下させる元素であるから少ないほど好ましく、上限値を0.015%とした。
また、Sは、溶接時のめっき脆化割れ抑制の観点からは、低S化することにより脆化抑制効果が認められるため、その含有量の上限を0.003%とするのが好ましい。
Al:Alは鋼の脱酸元素であるとともに、鋼中のNを固定する作用を有するために、Bが窒化物として析出するのを防ぎ溶融亜鉛系合金めっきの液体金属脆化割れを抑制する効果もある。これらの効果を得るために0.001%以上添加する必要がある。一方、過剰にAlを添加すると粗大な非金属介在物を生成して鋼材の靭性等の性能を低下させるので上限値は0.5%とした。
B:Bは上述のように溶接時に加熱され、オーステナイト域またはオーステナイト-フェライト2相域以上の温度なる溶接熱影響部において、粒界に偏析・濃化または粒界の空孔・欠陥に浸入して界面エネルギーを低下して溶融状態の亜鉛系合金めっきの粒界への浸入・拡散を抑制する作用効果がある。
また、溶接部の冷却過程では、Bは焼入れ性向上元素であり、ベーナイトあるいはマルテンサイト組織の形成を促進し、組織の微細化および、溶接部の熱収縮による引っ張り応力の発生に対して、特に溶接熱影響部の粒界に偏析固溶し、粒界強化により応力、塑性歪の低減効果も得られる。上述した図2に示すように、3ppm以上で液体金属脆化の抑制効果が得られる。一方で、上記(1)式で示される液体金属脆化の感度指数:E値が0.24を超える鋼材では、過剰なB添加は逆に液体金属脆化を助長し、安定して液体金属脆化するために、E値との関係からB含有量の上限を−102E+61ppmと規定した。
N:Nは鋼材の強度を上昇させる一方で、多大なNの添加は鋼材の靭性を低下させるとともに、BをBNなどの窒化物として析出させ、Bのめっき脆化抑制効果も損ねてしまう。そこで、上限値を0.006%とした。Nは少ないほど好ましいが0.0005%以下にすることはコストの増加を招くため下限値を0.0005%とした。
Nb、V、Zr:何れも析出強化により鋼材の強度を確保すると共に、Nを窒化物として固定し、液体金属脆化抑制に有効な固溶B量を確保する作用示す。本発明では、鋼材の引張強度を490MPa以上を確保するためにNb、V、および、Zrのうちの1種又は2種以上を合計量で0.01%以上含有させる。しかし、この合計量が0.60質量%を超える過剰な含有は、製造コストの上昇を招くことは勿論、鋼材の靭性を劣化させるため、合計含有量の上限を0.60%とした。
以上の鋼材中の基本成分を規定することにより、本発明が目的とする母材の引張り強さが490MPa級以上の強度レベルで、板厚が0.8〜9mmの亜鉛系合金めっき鋼材を種々の方法で溶接する際に、溶接部の液体金属脆化割れを安定して抑制する効果は十分に得られる。さらに、これらの効果を高めるためには、上記成分規定に加えて、鋼材中にTiを適正量含有させることが好ましい。
Ti:Tiは、鋼中のNを窒化物として固定し、BがBNなどの窒化物として析出するのを防ぐ作用がある。この作用を発揮し、溶融亜鉛系合金めっきの液体金属脆化割れをさらに抑制するためには、0.001%以上添加することが好ましい。また、Tiは鋼材の焼入れ性を向上させる作用も有するため、上記(1)式にTi含有量の項を追加した下記(2)式で示される液体金属脆化の感度指数E値が0.24を超えるように鋼材成分を調整することが好ましい。一方、Tiは0.5%を超えて添加しても割れ抑制効果が飽和し、いたずらに合金添加コストが上昇するだけであるのでその含有量の上限値を0.5%とした。
E値=[%C]+[%Si]/17+[%Mn]/7.5+[%Ni]/17
+[%Ti]/4.5+[%Nb]/2+[%V]/1.5+[%Zr]/2
・・・(2)
ここで、E値は液体金属脆化の感度指数を示し、[%C]、[%Si]、[%Mn]、[%Ni]、[%Ti]、[%Nb]、[%V]、[%Zr]は、鋼材中のC、Si、Mn、Ni、Ti、Nb、V、Zrの各含有量(質量%)を示す。
また、本発明において、上記成分を含有する鋼材の表面に施される亜鉛系合金めっきとしては、特許文献1に記載されているようなZn−Al−Mg系、特許文献2に記載されているようなZn−Al−Mg−Si系、或いはZn−Al系の亜鉛系合金めっきをいう。因みに、Zn−Al系合金めっきでは、Al:0.18〜5%を含有し、さらに、Mg:0.01〜0.5%、La:0.001〜0.5%、および、Ce:0.001〜0.5%のうちのいずれか1種または2種以上を含有し、残部がZnからなり、Zn−Al−Mg系合金めっきでは、Al:2〜19%、Mg:0.5〜10%、残部Znからなるめっきからなり、Zn−Al−Mg−Si系合金めっきでは、Al:2〜19%、Mg:0.5〜10%、Si:0.01〜2%、残部Znからなるめっきからなる。本発明は、これらの亜鉛系合金めっきのうちの何れか1種のめっきが施された亜鉛系合金めっき鋼材を溶接して溶接構造物とする際に上述した顕著な効果を発揮する。
なお、上記の本発明の実施形態の説明では、溶接方法としてアーク溶接を主体に説明したが、これらの溶接方法に限定するものではない。例えば、レーザ溶接、スポット溶接、プロジェクション溶接、電縫溶接でも溶接熱サイクルを受け、溶接部近傍には引っ張り応力が働くため、溶接部の液体金属脆化割れが生じる可能性があり、本願発明の適用により同様に溶接時の液体金属脆化防止効果が得られる。
表3に示す成分を含有する母材鋼材に、目付量片面90g/m2 のMg:3%、Al:11%、Si:0.3%、残部Znからなる亜鉛系合金めっきを施した鋼材をアーク溶接し前記評価方法と同様に溶接部の割れの評価を行った。なお、上記Zn−Al−Mg−Si合金めっきは従来の単なるZnめっきに比較して極めて優れた耐食性を示すことが知られている。
溶接はパルスMAGアーク溶接で溶接電流180A、溶接電圧21V、溶接速度30cm/min とし、溶接ワイヤには表2に示すYGW23(590MPa級鋼用)を使用した。液体金属脆化の検査は、図1に示すように円周隅肉溶接ビード3のクレータ部(終端部)4における溶接部断面5を観察し、溶接ビードまたは溶接熱影響部の表面から割れが伸展している板厚方向の長さ8を割れ深さと定義し、母材板厚に対する割れ深さの比を求めた。この検査では、実際の溶接継手に比べて拘束応力の極めて高い状態であり、割れの発生し易い状況を再現している。
なお、割れの発生部位として、溶接熱影響部10の中で、溶接止端部11で発生した液体金属脆化割れ8(図3(a)、参照)と、ニ相域加熱領域12で発生した液体金属脆化割れ8(図3(b)、参照)の2種類が観察されるため、各々の部位での割れ深さを区別して板厚に対する割れ深さの割合で評価した。
表3に鋼材中の主要な成分、鋼材の液体金属脆化の感度指数:E値と、溶接熱影響部の液体金属脆化割れの評価結果を示す。
Figure 0004776951
記号1〜7は鋼材中の成分およびE値が本発明で規定する範囲内にある本発明例である。いずれの鋼材もE値が0.24以上を満足し、引張強さが490MPa以上と比較的高い強度鋼材であるが、鋼材中にE値との関係で適正なB量を含有し、その他成分も本発明範囲内であるため溶接止端部及び二相領域ともに液体金属脆化に起因する割れ発生は5%以下と低く、実用上問題のないレベルであった。特に、鋼材中に基本成分に加えてTiを適量含有する記号2、4、6、7は液体金属脆化割れが皆無であった。
一方、記号8〜11は鋼材成分が本発明の成分範囲およびE値から外れた比較例である。
記号8は鋼材中のB量が本発明で規定する範囲より少ないため、図3(a)に示す溶接止端部に液体金属脆化割れが生じた。また、E値が0.21と低いため引張強さが490MPa未満であった。
記号9は鋼材中のC含有量が低く、溶接熱影響部の焼入れ性が十分でないため、特に応力集中部となる溶接止端部の引張応力を十分に低減できず、溶接止端部に液体金属脆化割れが発生した。また、E値が0.06と極めて低いため引張強さが490MPa未満であった。
記号10および11はE値が0.24以上を満足し、引張強度が490MPaと高いが、鋼材中のB含有量が本発明でE値との関係で規定する上限を超えたため図3(b)に示す溶接止端部から離れたニ相域加熱領域で液体金属脆化割れが生じた。
以上の実施例では溶接方法としてアーク溶接を用いたが、同様にレーザ溶接、スポット溶接、プロジェクション溶接、電縫溶接を用いた試験においても、溶接部の液体金属脆化割れは抑制できた。
亜鉛系合金めっき鋼板の溶接熱影響部に生じる液体金属脆化割れの評価方法を示す模式図。 液体金属脆化の感度指数:E値およびB含有量と、溶接部の液体金属脆化割れ発生との関係を示す図。 溶接熱影響部に生じた液体金属脆化割れを示す模式図。 (a)溶接止端部に発生する液体金属脆化割れ (b)溶接止端部から離れたニ相域加熱領域に発生する液体金属脆化割れ
符号の説明
1 亜鉛系合金めっき鋼板
2 丸鋼
3 円周隅肉溶接ビード
4 円周隅肉溶接ビードのクレータ部(終端部)
5 円周隅肉溶接ビードのクレータ部(終端部)における溶接部断面
6 亜鉛系合金めっき鋼板の周端部
7 拘束用の厚手鋼材
8 液体金属脆化割れ
9 液体金属脆化の割れ深さ(板厚方向)
10 溶接熱影響部
11 溶接止端部
12 ニ相域加熱領域

Claims (6)

  1. 亜鉛系合金めっき層を鋼材表面に設けた、引張強さ490MPa以上の溶接用亜鉛系合金めっき鋼材であって、前記鋼材が、質量%で、
    C:0.01〜0.3%、
    Si:0.01〜2.0%、
    Mn:0.1〜3.0%、
    S:0.015%以下、
    Al:0.001〜0.5%、
    N:0.0005〜0.006%、
    さらに、Nb、V、および、Zrのうちの1種または2種以上を合計量で0.01〜0.60%を含有し、下記(1)式で示される液体金属脆化の感度指数E値が0.24を超え、かつB含有量が3ppm以上、−102×E+61ppm以下を満足し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする溶接性に優れた溶接用亜鉛系合金めっき鋼材。
    E値=[%C]+[%Si]/17+[%Mn]/7.5+[%Ni]/17
    +[%Nb]/2+[%V]/1.5+[%Zr]/2 ・・・(1)
    ここで、E値は液体金属脆化の感度指数を示し、[%C]、[%Si]、[%Mn]、[%Ni]、[%Nb]、[%V]、[%Zr]は、鋼材中のC、Si、Mn、Ni、Nb、V、Zrの各含有量(質量%)を示す。
  2. 前記鋼材が、質量%で、さらに、Ti:0.001〜0.5%を含有し、下記(2)式で示される液体金属脆化の感度指数E値が0.24を超えることを特徴とする請求項1に記載の溶接性に優れた溶接用亜鉛系合金めっき鋼材。
    E値=[%C]+[%Si]/17+[%Mn]/7.5+[%Ni]/17
    +[%Ti]/4.5+[%Nb]/2+[%V]/1.5+[%Zr]/2
    ・・・(2)
    ここで、E値は液体金属脆化の感度指数を示し、[%C]、[%Si]、[%Mn]、[%Ni]、[%Ti]、[%Nb]、[%V]、[%Zr]は、鋼材中のC、Si、Mn、Ni、Ti、Nb、V、Zrの各含有量(質量%)を示す。
  3. 前記亜鉛系合金めっきが、Zn−Al系合金めっき、Zn−Al−Mg系合金めっき、および、Zn−Al−Mg−Si系合金めっきのうちの何れか1種であることを特徴とする請求項1または2記載の溶接性に優れた溶接用亜鉛系合金めっき鋼材。
  4. 前記Zn−Al系合金めっきが、質量%で、Al:0.18〜5%を含有し、さらに、Mg:0.01〜0.5%、La:0.001〜0.5%、および、Ce:0.001〜0.5%のうちのいずれか1種または2種以上を含有し、残部がZnおよび不可避的不純物であることを特徴とする請求項3に記載の溶接性に優れた溶接用亜鉛系合金めっき鋼材。
  5. 前記Zn−Al−Mg系合金めっきが、質量%で、Al:2〜19%、Mg:0.5〜10%を含有し、残部がZnおよび不可避的不純物であることを特徴とする請求項3記載の溶接性に優れた溶接用亜鉛系合金めっき鋼材。
  6. 前記Zn−Al−Mg−Si系合金めっきが、質量%で、Al:2〜19%、Mg:1〜10%、Si:0.01〜2%を含有し、残部がZnおよび不可避的不純物であることを特徴とする請求項3に記載の溶接性に優れた溶接用亜鉛系合金めっき鋼材。
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