以下、発明を実施するための最良の形態としての本発明の実施形態に係る情報記録装置及び方法、並びにコンピュータプログラムについて順に説明する。
(情報記録装置の実施形態)
本発明の情報記録装置に係る実施形態は、トラッキングエラー信号の絶対値が所定の第1閾値以上であるか否かを(言い換えれば、トラッキングエラー信号に乱れが生じているか否かを)判定する第1判定手段と、前記トラッキングエラー信号の絶対値が前記第1閾値以上であると判定された場合の、情報記録媒体の回転角を検出角として検出する検出手段と、同一の検出角において、前記トラッキングエラー信号の絶対値が前記第1閾値以上であるという判定がなされるか否かを判定する第2判定手段とを備える。
本発明の情報記録装置に係る実施形態によれば、第1判定手段の動作により、トラッキング制御を行う際に用いられるトラッキングエラー信号の絶対値が、所定の第1閾値以上であるか否かが判定される。そして、第1判定手段の動作によりトラッキングエラー信号の絶対値が第1閾値以上であると判定された場合には、検出手段の動作により、該判定がなされた場合の、情報記録媒体の回転角が検出角として検出される。
その後、第2判定手段の動作により、同一の検出角において、トラッキングエラー信号の絶対値が第1閾値以上であるという判定がなされるか否かが判定される。より具体的には、一度検出角として検出された回転角において、情報記録媒体が1回転した後に、トラッキングエラー信号の絶対値が第1閾値以上であるという判定が再度なされるか否かが判定される。
その結果、同一の検出角において、トラッキングエラー信号の絶対値が第1閾値以上であるという判定がなされていると判定された場合には、情報記録媒体が回転する毎に、情報記録媒体上のある回転角の記録エリアに形成されている、屈折率の意図しない変化が生じている光透過膜を介してレーザ光が照射されていると判断することができる。これにより、該トラッキングエラー信号が、情報記録媒体上の所定の記録エリアに形成されている屈折率の意図しない変化が生じている光透過膜(例えば、ゲル状の光透過膜やエアバブル等)に起因して生成されているものであると認識することができる。
他方、同一の検出角において、トラッキングエラー信号の絶対値が第1閾値以上であるという判定がなされていないと判定された場合には、検出角におけるトラッキングエラー信号は、たまたま外乱等の影響を受けて第1閾値以上の値を有することになったと判断することができる。これにより、該トラッキングエラー信号が、情報記録装置に桑和ある衝撃等の外乱に起因して生成されているものであると認識することができる。
このように、本実施形態によれば、トラッキングエラー信号の乱れ(即ち、トラッキングエラー信号の絶対値が第1閾値以上になること)の原因を好適に識別することができる。より具体的には、トラッキングエラー信号の乱れが、屈折率の意図しない変化に起因するものであるのか又は外乱に起因するものであるのかを好適に識別することができる。そして、トラッキングエラー信号の乱れの原因を好適に識別することができるがゆえに、後述するように、原因に応じた好適なトラッキング制御を行うことができる。
尚、上述の説明では、例えばある記録トラック中において1つの検出角が検出された場合について説明している。しかしながら、ある記録トラック中において2つ以上の検出角が検出された場合(即ち、ある記録トラックの第1の回転角と第2の回転角との夫々において、トラッキングエラー信号の絶対値が第1閾値以上であると判定された場合)には、夫々の検出角に対して、他の検出角とは独立して、第2判定手段による判定が並行してなされることが好ましい。
本発明の情報記録装置に係る実施形態の一の態様は、前記情報記録媒体は、スパイラル状の又は同心円状の記録トラックを備えており、前記第2判定手段は、前記トラッキングエラー信号の絶対値が前記第1閾値以上であると判定された前記記録トラックに隣接する前記記録トラック上の前記検出角において、前記トラッキングエラー信号の絶対値が前記第1閾値以上であるという判定がなされるか否かを判定する。
この態様によれば、一度検出角として検出された回転角において、情報記録媒体が1回転する毎に、トラッキングエラー信号の絶対値が第1閾値以上であるという判定がなされるか否かが判定される。つまり、第1記録トラック上のある回転角が検出角として検出された場合には、該第1記録トラックに隣接する第2記録トラック上の検出角において、トラッキングエラー信号の絶対値が第1閾値以上であるという判定がなされるか否かが判定される。その後、第n記録トラック(但し、nは2以上の整数)に隣接する第n+1記録トラック上の検出角において、トラッキングエラー信号の絶対値が第1閾値以上であるという判定がなされるか否かが、nを適宜インクリメントしつつ判定される。
これにより、トラッキングエラー信号の乱れが、屈折率の意図しない変化に起因するものであるのか又は外乱に起因するものであるのかを好適に識別することができる。
本発明の情報記録装置に係る実施形態の他の態様は、前記検出角において、前記トラッキングエラー信号の絶対値が前記第1閾値以上であると判定された場合に、検出フラグを有効値(例えば、フラグ“1”)に設定する第1フラグ手段と、前記検出角において、前記トラッキングエラー信号の絶対値が前記第1閾値以上でないと判定された場合に、前記検出フラグを無効値(例えば、フラグ“0”)に設定する第2フラグ手段とを更に備え、前記第2判定手段は、前記検出フラグが前記有効値に設定されている場合に、前記トラッキングエラー信号の絶対値が前記第1閾値以上であるという判定がなされるか否かを判定する。
この態様によれば、第2判定手段による判定を、検出フラグを利用して好適に行うことができる。
このとき、第1制御手段は、前記トラッキングエラー信号が前記第1閾値以上であると判定された後に前記情報記録媒体がl回転(但し、lは1以上の整数)するまでの前記検出角において、前記トラッキングエラー信号の絶対値が前記第1閾値以上であると判定された場合に、前記第1カウント値をインクリメントするように前記第1インクリメント手段を制御するように構成してもよい。
本発明の情報記録装置に係る実施形態の他の態様は、前記第1判定手段は、情報記録媒体上のディフェクトの有無を示すディフェクト検出信号がローレベルの場合に、前記トラッキングエラー信号の絶対値が前記第1閾値以上であるか否かを判定する。
この態様によれば、トラッキングエラー信号の乱れの原因が、屈折率の意図しない変化に起因するものであるのか、外乱に起因するものであるのか又は情報記録媒体上の傷やほこり等のディフェクトに起因するものであるのかを好適に識別することができる。より具体的には、ディフェクト検出信号がハイレベルである場合には、トラッキングエラー信号の乱れの原因がディフェクトに起因するものであると識別し、ディフェクト検出信号がローレベルである場合には、上述した手法で、トラッキングエラー信号の乱れの原因が屈折率の意図しない変化に起因するものであるのか又は外乱に起因するものであるのかを識別することができる。
本発明の情報記録装置に係る実施形態の他の態様は、前記第1閾値は、前記トラッキングエラー信号が取り得る最大値と前記トラッキングエラー信号の残留成分の最大値との平均値、及び前記トラッキングエラー信号が取り得る最小値と前記トラッキングエラー信号の残留成分の最小値との平均値の少なくとも一方である。
この態様によれば、第1判定手段による判定を好適にないしは高精度に行うことができる。
本発明の情報記録装置に係る実施形態の他の態様は、前記第1閾値は、前記トラッキングエラー信号を複数のサンプリング区間に分割した場合の、複数のサンプリング区間の夫々における最大値のうち少なくとも2番目以降に最大となる値と前記トラッキングエラー信号の残留成分を複数のサンプリング区間に分割した場合の、複数のサンプリング区間の夫々における最大値のうち少なくとも2番目以降に最大となる値との平均値、及び前記複数のサンプリング区間の夫々における最小値のうち少なくとも2番目以降に最小となる値と前記複数のサンプリング区間の夫々における最小値のうち少なくとも2番目以降に最小となる値との平均値の少なくとも一方である。
この態様によれば、第1判定手段による判定をより好適にないしはより高精度に行うことができる。
本発明の情報記録装置に係る実施形態の他の態様は、前同一の検出角において、前記トラッキングエラー信号の絶対値が前記第1閾値以上であるという判定がなされていると前記第2判定手段により判定された場合、前記検出角付近におけるトラッキングサーボをホールドするホールド手段を更に備える。
この態様によれば、屈折率の意図しない変化に起因するトラッキングエラー信号の乱れに影響を受けることなく、屈折率の意図しない変化が生じている記録エリアにおいても好適にトラッキング制御を行うことができる。
上述の如くホールド手段を備える情報記録装置の態様では、前記ホールド手段は、前記検出角付近において前記トラッキングエラー信号の絶対値が前記第1閾値以上であると判定された場合に、前記トラッキングサーボをホールドするように構成してもよい。
このように構成すれば、屈折率の意図しない変化に起因するトラッキングエラー信号の乱れに影響を受けることなく、屈折率の意図しない変化が生じている記録エリアにおいても好適にトラッキング制御を行うことができる。
上述の如くホールド手段を備える情報記録装置の態様では、前記第2判定手段により、同一の検出角において、前記トラッキングエラー信号の絶対値が前記第1閾値以上でないという判定がなされていると判定された場合に、前記トラッキングサーボのホールドを停止する停止手段を更に備えるように構成してもよい。
このように構成すれば、屈折率の意図しない変化が生じている記録エリアにおいて好適にトラッキング制御を行うことができると共に、屈折率の意図しない変化が生じていない記録エリアにおいても好適にトラッキング制御を行うことができる。
上述の如く停止手段を備える情報記録装置の態様では、カウンタ値をインクリメントするインクリメント手段と、前記検出角付近において、前記トラッキングエラー信号の絶対値が前記第1閾値以上でないと判定された場合に、前記カウント値をインクリメントするように前記インクリメント手段を制御する制御手段と、前記検出角付近において、前記トラッキングエラー信号の絶対値が前記第1閾値以上であると判定された場合に、前記カウント値を初期値に設定する設定手段とを更に備え、前記停止手段は、前記カウント値が所定の第2閾値以上である場合に、前記トラッキングサーボのホールドを停止するように構成してもよい。
このように構成すれば、カウント値を利用することで、トラッキングサーボのホールドを行うのか又はトラッキングサーボのホールドを停止するのかを好適に切り替えることができる。
(情報記録方法の実施形態)
本発明の情報記録方法に係る実施形態は、トラッキングエラー信号の絶対値が所定の第1閾値以上であるか否かを判定する第1判定工程と、前記トラッキングエラー信号の絶対値が前記第1閾値以上であると判定された場合の、情報記録媒体の回転角を検出角として検出する検出工程と、前記トラッキングエラー信号の絶対値が前記第1閾値以上であるという判定が、前記情報記録媒体の回転に同期して且つ同一の検出角において連続的になされているか否かを判定する第2判定工程とを備える。
本発明の情報記録方法に係る実施形態によれば、上述した本発明の情報記録装置に係る実施形態と同様の各種利益を享受することができる。
尚、上述した本発明の情報記録装置に係る実施形態における各種態様に対応して、本発明の情報記録方法に係る実施形態も各種態様を採ることが可能である。
(情報再生装置の実施形態)
本発明の情報再生装置に係る実施形態は、トラッキングエラー信号の絶対値が所定の第1閾値以上であるか否かを(言い換えれば、トラッキングエラー信号に乱れが生じているか否かを)判定する第1判定手段と、前記トラッキングエラー信号の絶対値が前記第1閾値以上であると判定された場合の、情報記録媒体の回転角を検出角として検出する検出手段と、前記情報記録媒体の回転に同期して且つ同一の検出角において連続的に、前記トラッキングエラー信号の絶対値が前記第1閾値以上であるという判定がなされるか否かを判定する第2判定手段とを備える。
本発明の情報再生装置に係る実施形態によれば、上述した本発明の情報記録装置に係る実施形態と同様の各種利益を享受することができる。
尚、上述した本発明の情報記録装置に係る実施形態における各種態様に対応して、本発明の情報再生装置に係る実施形態も各種態様を採ることが可能である。
(情報再生方法の実施形態)
本発明の情報再生方法に係る実施形態は、トラッキングエラー信号の絶対値が所定の第1閾値以上であるか否かを判定する第1判定工程と、前記トラッキングエラー信号の絶対値が前記第1閾値以上であると判定された場合の、情報記録媒体の回転角を検出角として検出する検出工程と、前記トラッキングエラー信号の絶対値が前記第1閾値以上であるという判定が、前記情報記録媒体の回転に同期して且つ同一の検出角において連続的になされているか否かを判定する第2判定工程とを備える。
本発明の情報再生方法に係る実施形態によれば、上述した本発明の情報記録装置に係る実施形態と同様の各種利益を享受することができる。
尚、上述した本発明の情報記録装置に係る実施形態における各種態様に対応して、本発明の情報再生方法に係る実施形態も各種態様を採ることが可能である。
(コンピュータプログラムの実施形態)
本発明のコンピュータプログラムに係る第1実施形態は、上述した本発明の情報記録装置に係る実施形態(但し、その各種態様を含む)に備えられたコンピュータを制御する記録制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記第1判定手段、前記検出手段及び前記第2判定手段のうち少なくとも一部として機能させる。
本発明のコンピュータプログラムに係る第1実施形態によれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の情報記録装置に係る実施形態を比較的簡単に実現できる。
尚、上述した本発明の情報記録装置に係る実施形態における各種態様に対応して、本発明のコンピュータプログラムに係る第1実施形態も各種態様を採ることが可能である。
本発明のコンピュータプログラムに係る第2実施形態は、上述した本発明の情報再生装置に係る実施形態(但し、その各種態様を含む)に備えられたコンピュータを制御する再生制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記第1判定手段、前記検出手段及び前記第2判定手段のうち少なくとも一部として機能させる。
本発明のコンピュータプログラムに係る第2実施形態によれば、当該コンピュータプログラムを格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンピュータプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれば、上述した本発明の情報再生装置に係る実施形態を比較的簡単に実現できる。
尚、上述した本発明の情報再生装置に係る実施形態における各種態様に対応して、本発明のコンピュータプログラムに係る第2実施形態も各種態様を採ることが可能である。
上記課題を解決するために、本発明のコンピュータ読取可能な媒体内のコンピュータプログラム製品に係る第1実施形態は、上述した本発明の情報記録装置に係る実施形態(但し、その各種態様を含む)に備えられたコンピュータにより実行可能なプログラム命令を明白に具現化し、該コンピュータを、上述した情報再生装置に係る実施形態における前記第1判定手段、前記検出手段及び前記第2判定手段のうち少なくとも一部として機能させる。
本発明のコンピュータプログラム製品に係る第1実施形態によれば、当該コンピュータプログラム製品を格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラム製品をコンピュータに読み込めば、或いは、例えば伝送波である当該コンピュータプログラム製品を、通信手段を介してコンピュータにダウンロードすれば、上述した本発明の情報記録装置に係る実施形態を比較的容易に実施可能となる。更に具体的には、当該コンピュータプログラム製品は、上述した本発明の情報記録装置に係る実施形態として機能させるコンピュータ読取可能なコード(或いはコンピュータ読取可能な命令)から構成されてよい。
尚、上述した本発明の情報記録装置に係る実施形態における各種態様に対応して、本発明のコンピュータプログラム製品に係る第1実施形態も各種態様を採ることが可能である。
上記課題を解決するために、本発明のコンピュータ読取可能な媒体内のコンピュータプログラム製品に係る第1実施形態は、上述した本発明の情報記録装置に係る実施形態(但し、その各種態様を含む)に備えられたコンピュータにより実行可能なプログラム命令を明白に具現化し、該コンピュータを、上述した情報再生装置に係る実施形態における前記第1判定手段、前記検出手段及び前記第2判定手段のうち少なくとも一部として機能させる。
本発明のコンピュータプログラム製品に係る第2実施形態によれば、当該コンピュータプログラム製品を格納するROM、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク等の記録媒体から、当該コンピュータプログラム製品をコンピュータに読み込めば、或いは、例えば伝送波である当該コンピュータプログラム製品を、通信手段を介してコンピュータにダウンロードすれば、上述した本発明の情報再生装置に係る実施形態を比較的容易に実施可能となる。更に具体的には、当該コンピュータプログラム製品は、上述した本発明の情報再生装置に係る実施形態として機能させるコンピュータ読取可能なコード(或いはコンピュータ読取可能な命令)から構成されてよい。
尚、上述した本発明の情報再生装置に係る実施形態における各種態様に対応して、本発明のコンピュータプログラム製品に係る第2実施形態も各種態様を採ることが可能である。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
以上説明したように、本発明の情報記録装置に係る実施形態によれば、第1判定手段と、検出手段と、第2判定手段とを備える。本発明の情報記録方法に係る実施形態によれば、第1判定工程と、検出工程と、第2判定工程とを備える。本発明の情報再生装置に係る実施形態によれば、第1判定手段と、検出手段と、第2判定手段とを備える。本発明の情報再生方法に係る実施形態によれば、第1判定工程と、検出工程と、第2判定工程とを備える。従って、トラッキングエラー信号の乱れの原因を好適に識別することができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(基本構成)
初めに、図1を参照して、本発明の情報記録装置及び情報再生装置の実施例である情報記録再生装置の基本構成について説明を進める。ここに、図1は、本実施例に係る情報記録再生装置の基本構成を概念的に示すブロック図である。尚、本実施例に係る情報記録再生装置1は、光ディスク100にデータを記録する機能と、光ディスク100に記録されたデータを再生する機能との双方を備える。
図1に示すように、本実施例に係る情報記録再生装置1は、スピンドルモータ11と、光ピックアップ12と、ドライバ13と、記録回路14と、FG発生回路15と、RF(Radio Frequency)アンプ16と、DSP(Digital Signal Processor)17と、デコーダ18と、マイコン19と、カウンタ回路20と、フラグ回路21と、メモリ22とを備えている。
スピンドルモータ11は光ディスク100を回転及び停止させるもので、光ディスク100へのアクセス時に動作する。より詳細には、スピンドルモータ11は、ドライバ13から出力されるスピンドルサーボを受けつつ所定速度で光ディスク100を回転及び停止させるように構成されている。
光ピックアップ12は、光ディスク100へのデータの記録及び光ディスク100に記録されたデータの再生を行うために、例えば半導体レーザ装置と対物レンズ等から構成される。より詳細には、光ディスク100にデータを記録する場合には、光ピックアップ12は、光ディスク100に対してレーザ光LBを、相対的に大きな第1のパワーで且つドライバ13から出力されるストラテジ信号に基づいて変調しながら照射する。他方、光ディスク100に記録されたデータを再生する場合には、光ピックアップ12は、光ディスク100に対してレーザ光LBを、相対的に小さな第2のパワーで照射する。
また、光ピックアップ12は、受光領域がA、B、C及びDの4つに分割された4分割受光回路を備えている。受光したレーザ光LBの反射光に基づいて、4つの受光領域の夫々において受光される反射光の強度の総和(即ち、A+B+C+D)であるRF信号をRFアンプ16に供給したり、4つの受光領域のうちA及びDの夫々において受光される反射光の強度の和と4つの受光領域のうちB及びCの夫々において受光される反射光の強度の和との差分であるトラッキングエラー信号TEをドライバ13に供給する。
ドライバ13は、マイコン19の制御の下に、スピンドルモータ11に対してスピンドルサーボ制御信号を供給し、スピンドルモータ11を動作させる。また、ドライバ13は、マイコン19の制御の下に、トラッキングエラー信号TEに基づいてトラッキングサーボ制御信号を生成し、該トラッキングサーボ制御信号を光ピックアップ12に対して供給することで、光ピックアップ12のトラッキング制御を行う。また、ドライバ13は、マイコン19の制御の下に、フォーカスエラー信号に基づいてフォーカスサーボ制御信号を生成し、該フォーカスサーボ制御信号を光ピックアップ12に対して供給することで、光ピックアップ12のフォーカス制御を行う。また、ドライバ13は、記録回路14から供給される記録信号に基づいて、光ピックアップ12から照射されるレーザ光LBの波形を規定するレーザ駆動信号を光ピックアップ12に対して供給することで、光ピックアップ12内に設けられた半導体レーザ装置を駆動する。
記録回路14は、情報記録再生装置1の外部より供給される映像データや音声データやその他の各種データに対して、変調処理や、符号化処理や、誤り訂正符号付加処理等を行い、記録信号を生成する。生成された記録信号は、ドライバ13に出力され、ドライバ13は、該記録信号に基づいて、光ピックアップ12内に設けられた半導体レーザ装置を駆動する。
FG発生回路15は、光ディスク100が一定角回転する毎に、周期検出信号(以下、“FG信号”と称する)を生成し、DSP17へ出力する。より具体的には、FG発生回路15は、光ディスク100が例えば10度回転する毎に周期検出信号を生成するように構成してもよい。このとき、所定の基準位置に対する光ディスク100の回転角に応じた識別符号を付してFG信号を生成することが好ましい。例えば、光ディスク100の回転角が0度から10度である場合には、#1の識別符号を付したFG信号を生成し、光ディスク100の回転角が10度から20度である場合には、#2の識別符号を付したFG信号を生成し、光ディスク100の回転角が10×(r−1)度から10×r度である場合には、#rの識別符号を付したFG信号を生成することが好ましい。この場合、周期検出信号が36回検出された時点で、光ディスク100が1回転したと認識される。
RFアンプ16は、光ピックアップ12の出力信号、即ち、レーザ光LBの反射光を増幅し、該増幅した信号をDSP17に対して出力する。
DSP17は、マイコン19の制御の下に、RFアンプ16より出力される信号や、FG発生回路15より出力される信号に対して、デジタル信号処理を施す。デジタル信号処理を行う際には、後述するマイコン19内の各機能ブロックと適宜データのやり取りを行う。
デコーダ18は、DSP17においてデジタル信号処理が施された信号(特に、RFアンプ16より出力される信号)に対して、デコード処理を行うことで、映像データや音声データやその他の各種データ等を生成する。生成された映像データや音声データやその他の各種データ等は、例えばディスプレイやスピーカー等の外部出力機器に出力され、映像や音声として再生される。
マイコン19は、ドライバ13や、記録回路14や、DSP17や、デコーダ18やカウンタ回路20や、フラグ回路21や、メモリ22等と、データバスを介して接続され、これらに指示を行うことで、情報記録再生装置1全体の制御を行う。通常、マイコン19が動作するためのソフトウェア又はファームウェアは、メモリ22に格納されている。
本実施例に係る情報記録再生装置1では特に、マイコン19内に、第1判定回路191と、回転角検出回路192と、第2判定回路193と、ホールド回路194と、停止回路195とを、プログラムの動作により実現される機能ブロックとして備えている。
第1判定回路192は、本発明における「第1判定手段」の一具体例を構成しており、トラッキングエラー信号TEが、予め定められた或いは適宜定められる閾値TEth以上であるか否かを判定可能に構成される。判定結果は、検出回路192及び第2判定回路193へ出力される。
回転角検出回路192は、本発明における「検出手段」の一具体例を構成しており、FG発生回路15より出力されるFG信号に基づいて、光ディスク100の回転角を検出可能に構成されている。特に、回転角検出回路192は、第1判定回路191により、トラッキングエラー信号TEが、予め定められた或いは適宜定められる閾値以上であると判定された場合の光ディスク100の回転角を検出角として検出可能に構成されている。検出角は、第2判定回路193へ出力される。
第2判定回路193は、本発明における「第2判定回路」の一具体例を構成しており、光ディスク100が1回転する毎に1度通る検出角において、トラッキングエラー信号TEが、予め定められた或いは適宜定められる閾値TEth以上であるとの判定が第1判定回路192においてなされているか否かを判定可能に構成されている。第2判定回路193による判定結果は、ホールド回路194及び停止回路195に出力される。
ホールド回路194は、本発明における「ホールド手段」の一具体例を構成しており、同一の検出角において、トラッキングエラー信号TEが、予め定められた或いは適宜定められる閾値以上であるとの判定が第1判定回路192においてなされていると、第2判定回路193により判定された場合に、検出角付近においてトラッキングサーボをホールドする旨の指示をドライバ13へ出力可能に構成される。即ち、ホールド回路194によりトラッキングサーボをホールドする旨の指示がドライバ13になされ、該ドライバ13は、トラッキングサーボをホールドしながらトラッキング制御を行う。
停止回路195は、本発明における「停止手段」の一具体例を構成しており、トラッキングサーボのホールドを停止する旨の指示をドライバ13へ出力可能に構成される。即ち、ホールド回路194によりトラッキングサーボをホールドする旨の指示がドライバ13になされている際に、停止回路195からトラッキングサーボのホールドを停止する旨の指示がドライバ13になされた場合、該ドライバ13は、トラッキングサーボのホールドを停止し、通常のトラッキング制御を行う。
尚、上述した第1判定回路191と、回転角検出回路192と、第2判定回路193と、ホールド回路194と、停止回路195とのより具体的な動作については、後に詳述する(図3から図10参照)。
カウンタ回路20は、本発明における「インクリメント手段」、「制御手段」及び「設定手段」の一具体例を構成しており、カウント値のインクリメント、デクリメント及びリセットを実行可能に構成されている。
フラグ回路21は、本発明における「第1フラグ手段」及び「第2フラグ手段」の一具体例を構成しており、フラグ値を変更可能に構成されている。
メモリ22は、情報記録再生装置1におけるデータ処理全般において使用される。より具体的には、メモリ22は、情報記録再生装置1が動作するために必要な各種プログラム(即ち、ファームウェア)が格納されるROM領域と、データの一時格納用バッファや、ファームウェアプログラム等の動作に必要な変数が格納されるRAM領域などから構成される。
ここで、本実施例に係る情報記録再生装置1にローディングされる光ディスク100について、図2及び図3を参照して、説明する。ここに、図2は、本実施例に係る情報記録再生装置1にローディングされる光ディスク100を概念的に示す断面図であり、図3は、本実施例に係る光ディスク100の光透過膜の一部の屈折率が意図せず変化した状態を概念的に示す断面図である。
図2に示すように、光ディスク100は、基盤110の上に、スピンコーティング法等を用いて有機色素膜や相変化膜等の記録膜120が形成され、該記録膜120の上に、スピンコーティング法等を用いて光透過膜130が形成されている。
光透過膜130の厚さは、光ディスク100の一具体例であるCDであれば概ね1.2mmであり、光ディスク100の一具体例であるDVDであれば概ね0.6mmであり、光ディスク100の一具体例であるBlu−ray Discであれば概ね0.1mmである。
図3(a)に示すように、光ディスク100の製造工程における条件によっては、光透過膜130中に、概ね数十μm程度の大きさのエアバブル140が形成されることがある。エアバブル140が形成されている部分と、エアバブル140が形成されていない部分とでは、レーザ光LBに対する屈折率等が異なる。つまり、エアバブル140が形成されている部分と、エアバブル140が形成されていない部分とでは、その物理的な厚さは同一であるが、光学的な厚さ(即ち、光学距離)が異なる。このエアバブル140を介して記録膜120にレーザ光LBが照射されると、屈折率等の変化に起因して、レーザ光LBが記録トラックの中央付近に好適に照射されているにもかかわらず、トラッキングエラー信号TEに乱れが生ずる。その一方で、RF信号のDC成分であるPE(Pull-in Error)信号には乱れが生じない。これは、特に開口数が相対的に大きい対物レンズを用いることにより、対物レンズと光ディスク100の表面との距離が相対的に小さくなるBlu−ray Discにおいて顕著になる。
図3(b)に示すように、光ディスク100の製造工程における条件或いは光ディスク100を製造した後の環境等によっては、光透過膜130の一部が、ゲル状部150となることがある。或いは、図3(c)に示すように、光ディスク100の製造工程における条件或いは光ディスク100を製造した後の環境等によっては、光透過膜130の一部が、ゲル状部150となり、該ゲル状部150が光ディスク100の表面から突き出た形状を有することがある。ゲル状部150が形成されている部分と、ゲル状部150が形成されていない部分とでは、レーザ光LBに対する屈折率等が異なる。つまり、ゲル状部150が形成されている部分と、ゲル状部150が形成されていない部分とでは、その物理的な厚さは同一であるが、光学的な厚さ(即ち、光学距離)が異なる。従って、エアバブル140が形成された場合と同様に、このゲル状部150を介して記録膜120にレーザ光LBが照射されると、屈折率等の変化に起因して、レーザ光LBが記録トラックの中央付近に好適に照射されているにもかかわらず、トラッキングエラー信号TEに乱れが生ずる。その一方で、RF信号のDC成分であるPE(Pull-in Error)信号には乱れが生じない。これは、特に開口数が相対的に大きい対物レンズを用いることにより、対物レンズと光ディスク100の表面との距離が相対的に小さくなるBlu−ray Discにおいて顕著になる。
このように、光透過膜130の一部の屈折率等が意図せず変化する事態は、上述のエアバブル140やゲル状部150以外の要因によっても発生するおそれがある。そして、光透過膜130の一部の屈折率等が意図せず変化してしまった場合には、PE信号に乱れが生じないにもかかわらずトラッキングエラー信号TEに乱れが生ずることから、好適なトラッキング制御を行うことが困難或いは不可能になり得る。
そこで、本実施例に係る情報記録再生装置1は、エアバブル140やゲル状部150等の屈折率等が意図せず変化してしまった部分を好適に検出し、該屈折率の意図しない変化に起因するトラッキングエラー信号TEの乱れに影響を受けることなく、好適にトラッキング制御を行う。以下、このような情報記録再生装置1の動作についてより詳細に説明を進める。
(動作原理)
続いて、図4から図13を参照して、本実施例に係る情報記録再生装置1の動作原理について説明する。
(1)記録動作
初めに、図4を参照して、本実施例に係る情報記録再生装置1の記録動作の流れについて説明する。ここに、図4は、本実施例に係る情報記録再生装置1の記録動作の流れを概念的に示すフローチャートである。
図4に示すように、初めに、情報記録再生装置1に光ディスク100がローディングされる(ステップS101)。
続いて、主として第1判定回路191、回転角検出回路192及び第2判定回路193等の動作により、屈折率の意図しない変化に起因したトラッキングエラー信号TEの乱れが検出される(ステップS102)。そして、屈折率の意図しない変化トラッキングエラー信号TEの乱れが検出された場合には、主としてホールド回路194及び停止回路195等の動作により、屈折率の意図しない変化に起因したトラッキングエラー信号TEの乱れが生じている位置で、トラッキングサーボがホールドされる(ステップS103)。
尚、屈折率の意図しない変化に起因したトラッキングエラー信号TEの乱れの検出動作及び屈折率の意図しない変化に起因したトラッキングエラー信号TEの乱れが生じている位置で、トラッキングサーボのホールド動作については後に詳述する(夫々、図5から図8及び図9から図13参照)。
この際、光ディスク100に対するデータの記録動作或いは再生動作も同時に行われている(ステップS104)。
その後、記録動作或いは再生動作を終了するか否かが判定される(ステップS105)。例えば、ユーザにより記録動作或いは再生動作を終了する旨の指示がなされたか否か、光ディスク100に記録すべきデータを全て記録し終えたか否か、又は光ディスク100に記録されたデータを全て再生し終えたか否かが判定される。
ステップS105における判定の結果、記録動作或いは再生動作を終了すると判定された場合には(ステップS105:Yes)、記録動作或いは再生動作を終了する。この際、必要に応じてファイナライズ処理やイジェクト処理を行うように構成してもよい。
他方、ステップS105における判定の結果、記録動作或いは再生動作を終了しないと判定された場合には(ステップS105:No)、再度ステップS102ないしはステップS104へ戻り、記録動作を継続する。
(2)屈折率の意図しない変化に起因したトラッキングエラー信号TEの乱れの検出動作
続いて、図5から図8を参照して、本実施例に係る情報記録再生装置1の記録動作のうちの「屈折率の意図しない変化に起因したトラッキングエラー信号TEの乱れの検出動作」の流れについて説明する。尚、ここでは、図5を参照しながら検出動作の流れを説明すると共に、適宜図6から図8を参照しながらより詳細な説明を加える。ここに、図5は、本実施例に係る情報記録再生装置1の記録動作のうちの「屈折率の意図しない変化に起因したトラッキングエラー信号TEの乱れの検出動作」の流れを概念的に示すフローチャートである。
図5に示すように、初めに、フラグ回路21の動作により、フラグflgが “0”に設定される(ステップS201)。
続いて、トラッキングエラー信号TEの乱れを検出する際に用いられる閾値TEthが設定される(ステップS202)。ここで設定される閾値TEthは、トラッキングエラー信号TEの許容範囲を示すものであり、該許容範囲の上限閾値TEth(max)と下限閾値TEth(min)とが設定される。具体的には、トラッキングエラー信号TEが上限閾値TEth(max)未満であり且つ下限閾値TEth(min)を超えていれば、トラッキングエラー信号に乱れは生じていないと判定される。他方、トラッキングエラー信号TEが上限閾値TEth(max)以上であるか又は下限閾値TEth(min)以下であれば、トラッキングエラー信号に乱れが生じていると判定される。この判定は、第1判定回路191の動作により行われる。
尚、本実施例において、「トラッキングエラー信号TEが閾値TEth以上である」状態は、トラッキングエラー信号TEが上限閾値TEth(max)以上であるか又は下限閾値TEth(min)以下である状態を示すものとする。他方、「トラッキングエラー信号TEが閾値TEth以上でない」状態は、トラッキングエラー信号TEが上限閾値TEth(max)以上でなく且つ下限閾値TEth(min)以下でない状態を示すものとする。
ここで、閾値TEth(即ち、上限閾値TEth(max)及び下限閾値TEth(min))の設定方法について、図6を参照して説明する。ここに、図6は、トラッキングエラー信号TEの閾値TEthを概念的に示すグラフである。
図6に示すように、トラッキングエラー信号TEには、トラッキングサーボで追従することができないほどの高周波な信号成分が含まれている。この高周波の信号成分は、残留成分と称される。例えば、光ディスク100を1回転することで得られるトラッキングエラー信号TEの残留成分の最大値をTEn(max)、残留成分の最小値をTEn(min)とする。
また、トラッキングエラー信号TEの最大値をTE(max)、トラッキングエラー信号TEの最小値をTE(min)とする。この最大値TE(max)及び最小値TE(min)は、トラッキングサーボをオープンにした状態で、光ディスク100を少なくとも1回転以上させたときに得られるトラッキングエラー信号TEの最大値及び最小値に相当する。
本実施例では、上限閾値TEth(max)は、トラッキングエラー信号TEの最大値TE(max)と残留成分の最大値TEn(max)との平均値に設定される。つまり、TEth(max)=(TE(max)+TEn(max))/2となる。
同様に、下限閾値TEth(min)は、トラッキングエラー信号TEの最小値TE(min)と残留成分の最小値TEn(min)との平均値に設定される。つまり、TEth(min)=(TE(min)+TEn(min))/2となる。
もちろんこの閾値TEthの設定方法は一具体例であって、他の設定方法によって閾値を定めるように構成してもよい。要は、トラッキングエラー信号TEに乱れが生じているか否かを判定可能な閾値が設定されれば足りる。
再び図5において、マイコン19の制御の下に、続いて所定期間前から現在までの間に(より具体的には、光ディスク100が半回転する間に、光ディスク100がN度回転する間に等)、ディフェクトが検出されているか否かが判定される(ステップS203)。ディフェクトの検出は、ディフェクト検出信号に基づいて行われる。ディフェクト検出信号は、RF信号のDC成分であるPE信号がある一定値未満になった場合にハイレベルとなり、RF信号のDC成分であるPE信号がある一定値以上になった場合にローレベルとなる。そして、ディフェクト検出信号がハイレベルであるときに、ディフェクトが検出されているものと認識される。
ステップS203における判定の結果、ディフェクトが検出されていると判定された場合には(ステップS203:Yes)、ディフェクトが検出されたときのトラッキング制御を行いながら、ステップS201へ戻る。より具体的には、ディフェクトが検出された場合には、後述するトラッキングサーボのホールド動作を行うことが好ましい。
他方、ステップS203における判定の結果、ディフェクトが検出されていないと判定された場合には(ステップS203:No)、続いて、第1判定回路191の動作により、トラッキングエラー信号TEが、閾値TEth以上であるか否か(即ち、上限閾値TEth(max)以上であるか又は下限閾値TEth(min)以下であるか否か)が判定される(ステップS204)。つまり、トラッキングエラー信号TEに乱れが生じているか否かが判定される。
ステップS204における判定の結果、トラッキングエラー信号TEが、上限閾値TEth(max)以上でなく且つ下限閾値TEth(min)以下でないと判定された場合には(ステップS204:No)、トラッキングエラー信号TEに乱れは生じていないと考えられる。従って、ステップS203へ戻り、ステップS203及びステップS204の処理を継続する。
他方、ステップS204における判定の結果、トラッキングエラー信号TEが、上限閾値TEth(max)以上であるか又は下限閾値TEth(min)以下であると判定された場合には(ステップS204:Yes)、トラッキングエラー信号TEに乱れが生じていると考えられる。
このとき、回転角検出回路192の動作により、トラッキングエラー信号TEが上限閾値TEth(max)以上であるか又は下限閾値TEth(min)以下であると判定された時点での光ディスク100の回転角FGadrが検出される(ステップS205)。ここで検出される回転角FGadrは、FG発生回路15より出力されるFG信号そのものであってもよいし、或いは、実際の回転角を示す数値であってもよい。
その後、第2判定回路193の動作により、フラグflgが“1”に設定されているか否かが判定される(ステップS206)。言い換えれば、ステップS205において検出された回転角FGadrにおいて、トラッキングエラー信号TEが上限閾値TEth(max)以上であるか又は下限閾値TEth(min)以下であると初めて判定されたか否かが判定される。ステップS205において検出された回転角FGadrにおいて、トラッキングエラー信号TEが上限閾値TEth(max)以上であるか又は下限閾値TEth(min)以下であると初めて判定された場合には、フラグflgは“0”に設定されている。他方、ステップS205において検出された回転角FGadrにおいて、トラッキングエラー信号TEが上限閾値TEth(max)以上であるか又は下限閾値TEth(min)以下であると前回も判定された場合には、フラグflgは“1”に設定されている。
ステップS206における判定の結果、フラグflgが“0”に設定されていると判定された場合には(ステップS206:Yes)、フラグ回路21の動作によりフラグflgが“1”に設定される(ステップS208)。その後、ステップS205において検出された回転角FGadrがメモリ21中の変数FG1に格納される(ステップS209)。その後、ステップS203へ戻り、処理を継続する。
他方、ステップS206における判定の結果、カウンタcnt1が“0”に設定されていない(即ち、“1”に設定されている)と判定された場合には(ステップS206:No)、第2判定回路193の動作により、ステップS205において検出された回転角FGadrが、メモリ21中の変数FG1の値と同じであるか否かが判定される(ステップS207)。つまり、前回検出された回転角FGadrと、光ディスク100が概ね1回転した後に検出された回転角FGadrとが同一であるか否かが判定される。更に言い換えれば、トラッキングエラー信号TEが上限閾値TEth(max)以上であるか又は下限閾値TEth(min)以下であると判定されたときの回転角FGadrと、該判定されたときの記録トラックに隣接する記録トラックにおいてトラッキングエラー信号TEが上限閾値TEth(max)以上であるか又は下限閾値TEth(min)以下であると再度判定されたときの回転角FGadrとが同一であるか否かが判定される。
ステップS207における判定の結果、ステップS205において検出された回転角FGadrが、メモリ21中の変数FG1の値と同じであると判定された場合には(ステップS207:Yes)、ステップS204において検出されたトラッキングエラー信号TEの乱れは、同一の回転角において少なくとも2回連続して検出されたものであると判断することができる。従って、ステップS204において検出されたトラッキングエラー信号TEの乱れは、エアバブル140やゲル状部150等が形成されることで生ずる屈折率の意図しない変化に起因したものであると推定される。言い換えれば、回転角FGadrがメモリ21中の変数FG1と同一である位置において、エアバブル140やゲル状部150等が形成されることで生ずる屈折率の意図しない変化が生じていると認識することができる。このため、屈折率の意図しない変化に起因したトラッキングエラー信号の乱れ位置でのサーボホールド動作へと進む。
他方、ステップS207における判定の結果、ステップS205において検出された回転角FGadrが、メモリ21中の変数FG1の値と同じでないと判定された場合には(ステップS207:No)、ステップS204において検出されたトラッキングエラー信号TEの乱れは、同一の回転角において検出されたものではないと判断することができる。従って、ステップS204において検出されたトラッキングエラー信号TEの乱れは、エアバブル140やゲル状部150等が形成されることで生ずる屈折率の意図しない変化に起因したものではなく、外乱に起因するものであると考えられる。言い換えれば、回転角FGadrがメモリ21中の変数FG1と同一である位置において、偶発的に外乱が生じたと認識することができる。このため、ステップS201へ戻ってフラグflgが“0”に設定された後、ステップS201以降の処理が継続される。
続いて、屈折率の意図しない変化に起因したトラッキングエラー信号TEの乱れの検出動作時の、情報記録再生装置1中で用いられる各種信号の変化の態様を、図7を参照してより詳細に説明する。ここに、図7は、「屈折率の意図しない変化に起因したトラッキングエラー信号TEの乱れの検出動作」時の、本実施例に係る情報記録再生装置1中で用いられる各種制御信号を時間軸に沿って概念的に示すタイミングチャートである。
図7の最上部にトラッキングエラー信号TE、並びに上限閾値TEth(max)及び下限閾値TEth(min)を示す。トラッキングエラー信号TEが、上限閾値以上TEth(max)以上又は下限閾値TEth(min)未満となった場合には、屈折率変化検出信号がハイレベルとなる。屈折率変化検出信号は、ステップS204における判定の結果を示す信号であって、第1判定回路191の出力に相当する。
図7では、Aのタイミングで屈折率変化検出信号がハイレベルになっている。屈折率変化検出信号がハイレベルとなったときは、回転角検出回路192により、回転角FGadrが検出される。図7中では、屈折率変化検出信号がハイレベルになったときのFG信号には#8の識別符号が付されている。従って、回転角FGadrは70度から80度となる。また、フラグflgが“1”に設定される。
以降は、回転角FGadrが概ね70度から80度となるタイミングで、屈折率変化検出ウインドウがオープン状態となる。屈折率変化検出ウインドウがオープン状態となっている間に屈折率変化検出信号がハイレベルになっていれば、フラグflgが“1”に設定されたままで、トラッキングサーボのホールド動作が行われる。他方、屈折率変化検出ウインドウがオープン状態となっている間に屈折率変化検出信号がローレベルになっていれば、フラグflgが“0”に設定される。このように、屈折率変化検出ウインドウは、同一の回転角FGadrにおいて、屈折率変化検出信号がハイレベルになるかを判定するために用いられる。
また、屈折率変化検出ウインドウは、光ディスク100の回転角FGadrが概ね70度から80度となるタイミングに加えて、例えば光ディスク100の回転角FGadrが概ね60度から70度となるタイミング及び80度から90度となるタイミングでもオープン状態となるように構成してもよい。言い換えれば、光ディスク100の回転角FGadrがメモリFG1中の変数FG1の値と同一となるタイミングに加えて、光ディスク100の回転角FGadrがメモリFG1中の変数FG1の値と近似するないしは近接するタイミングにも屈折率変化検出ウインドウをオープン状態とするように構成してもよい。
その後、光ディスク100が1回転して、回転角FGadrが再度70度から80度となるBのタイミングでは、屈折率変化検出信号がローレベルになっている。従って、Aのタイミングで検出されたトラッキングエラー信号TEの乱れは、屈折率の意図しない変化に起因するものではなく、例えば外乱に起因するものであると考えられる。このため、フラグflgが“0”に設定され、更に屈折率変化検出ウインドウは、常にオープン状態とされる。
その後、光ディスク100が数回転したCのタイミングで、再度屈折率変化検出信号がハイレベルとなる。このときの回転角FGadrは40度から50度となる。このため、屈折率変化検出ウインドウは、回転角が40度から50度となるタイミングでオープン状態となる。また、フラグが“1”に設定される。
その後、光ディスク100が1回転して、回転角FGadrが再度40度から50度となるDのタイミングでも、屈折率変化検出信号がハイレベルとなっている。従って、この時点でトラッキングサーボのホールド動作が開始される。言い換えれば、Dのタイミングでのトラッキングエラー信号に対して、ホールド動作が行われる。また、フラグは、“1”に設定され続ける。
その後、光ディスク100が1回転して、回転角FGadrが再度40度から50度となるEのタイミングでも、屈折率変化検出信号がハイレベルとなっている。従って、この時点でトラッキングサーボのホールド動作が開始される。言い換えれば、Dのタイミングでのトラッキングエラー信号に対して、ホールド動作が行われる。また、フラグは、“1”に設定され続ける。
尚、図5において示したフローチャートは、トラッキングエラー信号TEが上限閾値以上TEth(max)以上又は下限閾値TEth(min)未満になったときに、光ディスク100の回転角FGadrがメモリ21中の変数FG1の値と同一であるか否かを判定している。しかしながら、視点を代えて、光ディスク100の回転角FGadrがメモリ21中の変数FG1の値と同一となるときに(即ち、光ディスク100が1回転するタイミングにあわせて)、トラッキングエラー信号TEが上限閾値以上TEth(max)以上又は下限閾値TEth(min)未満となるか否かを判定するように構成してもよい。この場合の動作について、図8を参照して説明する。ここに、図8は、本実施例に係る情報記録再生装置1の記録動作のうちの「屈折率の意図しない変化に起因するトラッキングエラー信号TEの乱れの検出動作」の他の流れを概念的に示すフローチャートである。
図8に示すように、ステップS201からステップS205までの動作は、図4に示す動作例と同様に行われる。
ステップS205における動作に続いて、フラグ回路21の動作により、フラグflgが“1”に設定され(ステップS209)、ステップS205において検出された回転角FGadrがメモリ21中の変数FG1に格納される(ステップS209)。
続いて、マイコン19の制御の下に、所定期間前から現在までの間に、ディフェクトが検出されているか否かが判定される(ステップS213)。
ステップS213における判定の結果、ディフェクトが検出されていると判定された場合には(ステップS213:Yes)、ディフェクトが検出されたときのトラッキング制御を行いながら、ステップS201へ戻る。
他方、ステップS213における判定の結果、ディフェクトが検出されていないと判定された場合には(ステップS213:No)、続いて、現在の光ディスク100の回転角FGadrが検出される(ステップS215)。
その後、第2判定回路193の動作により、ステップS215において検出された現在の光ディスク100の回転角FGadrが、メモリ21中の変数FG1の値と同じであるか否かが判定される(ステップS218)。
ステップS218における判定の結果、ステップS215において検出された現在の光ディスク100の回転角FGadrが、メモリ21中の変数FG1の値と同じでないと判定された場合には(ステップS218:No)、ステップS213へ戻り、ディフェクト検出を行いながら、光ディスク100の回転角FGadrが、メモリ21中の変数FG1の値と同じになるまで、光ディスク100を回転させる。
他方、ステップS218における判定の結果、ステップS215において検出された現在の光ディスク100の回転角FGadrが、メモリ21中の変数FG1の値と同じであると判定された場合には(ステップS218:Yes)、第1判定回路191の動作により、該回転角FGadrにおいて生成されるトラッキングエラー信号TEが、閾値TEth以上であるか否か(即ち、上限閾値TEth(max)以上であるか又は下限閾値TEth(min)以下であるか否か)が判定される(ステップS214)。つまり、トラッキングエラー信号TEに乱れが生じているか否かが判定される。
ステップS214の判定の結果、トラッキングエラー信号TEが、上限閾値TEth(max)以上でなく且つ下限閾値TEth(min)以下でないと判定された場合には(ステップS214:No)、ステップS204及びステップS214の夫々において検出されたトラッキングエラー信号TEの乱れは、同一の回転角において検出されたものではないと判断することができる。従って、ステップS204及びステップS214において検出されたトラッキングエラー信号TEの乱れは、屈折率の意図しない変化に起因するものではなく、外乱に起因するものであると考えられる。このため、ステップS201へ戻ってフラグflgを“0”に設定した後、ステップS201以降の処理が継続される。
他方、ステップS214の判定の結果、トラッキングエラー信号TEが、上限閾値TEth(max)以上であるか又は下限閾値TEth(min)以下であると判定された場合には(ステップS214:Yes)、ステップS204及びステップS214の夫々において検出されたトラッキングエラー信号TEの乱れは、同一の検出角において検出されたものであると判断することができる。従って、ステップS204及びステップS214の夫々において検出されたトラッキングエラー信号TEの乱れは、屈折率の意図しない変化に起因するものであると考えられる。このため、屈折率の意図しない変化に起因するトラッキングエラー信号の乱れ位置でのサーボホールド動作へと進む。
このように、図8に示す動作は、図7の「屈折率変化検出ウインドウ」を利用する動作に相当する。また、図8に示す動作と図5に示す動作とを適宜組み合わせた動作を情報記録再生装置1が行ってもよいことは言うまでもない。
(3)屈折率の意図しない変化に起因するトラッキングエラー信号の乱れ位置でのトラッキングサーボのホールド動作
続いて、図9から図11を参照して、本実施例に係る情報記録再生装置1の記録動作のうちの「屈折率の意図しない変化に起因するトラッキングエラー信号TEの乱れが生ずる位置でのトラッキングサーボのホールド動作」の流れについて説明する。尚、ここでは、図9を参照しながらホールド動作の流れを説明すると共に、適宜図10から図11を参照しながらより詳細な説明を加える。ここに、図9は、本実施例に係る情報記録再生装置1の記録動作のうちの「屈折率の意図しない変化に起因するトラッキングエラー信号TEの乱れが生ずる位置でのトラッキングサーボのホールド動作」の流れを概念的に示すフローチャートである。
図9に示すように、初めに、カウンタ回路20の動作により、カウンタcntが初期値としての“0”に設定される(ステップS301)。
続いて、第2判定回路193の動作により、現在の光ディスク100の回転角FGadrが、メモリ21中の変数FG1の値と同一であるか否かが判定される(ステップS302)。
ステップS302における判定の結果、現在の光ディスク100の回転角FGadrが、メモリ21中の変数FG1の値と同一でないと判定された場合には(ステップS302:No)、再度ステップS301へ戻り、光ディスク100の回転角FGadrがメモリ21中の変数FG1の値と同一になるまで、光ディスク100を回転させる。
他方、ステップS302における判定の結果、現在の光ディスク100の回転角FGadrが、メモリ21中の変数FG1の値と同一であると判定された場合には(ステップS302:Yes)、続いて、第1判定回路191の動作により、トラッキングエラー信号TEが、上限閾値TEth(max)以上であるか又は下限閾値TEth(min)以下であるか否かが判定される(ステップS303)。つまり、光ディスク100の回転角FGadrがメモリ21中の変数FG1の値と同一であるときに検出されるトラッキングエラー信号TEに乱れが生じているか否かが判定される。
ステップS303における判定の結果、トラッキングエラー信号TEが、上限閾値TEth(max)以上であるか又は下限閾値TEth(min)以下であると判定された場合には(ステップS303:Yes)、トラッキングエラー信号TEが上限閾値TEth(max)以上であるか又は下限閾値TEth(min)以下であり、且つ光ディスク100の回転角FGadrがメモリ21中の変数FG1の値と同一である期間、ホールド回路194の動作により、トラッキングサーボのホールド動作が行われる(ステップS304)。そして、トラッキングエラー信号TEが上限閾値TEth(max)未満であり且つ下限閾値TEth(min)を超えるか、又は光ディスク100の回転角FGadrがメモリ21中の変数FG1の値と同一でなくなった場合には、停止回路195の動作により、トラッキングサーボのホールド動作が停止され、通常のトラッキングサーボの動作が行われる。
ここで、図10を参照して、トラッキングサーボのホールド動作について説明する。ここに、図10は、「屈折率の意図しない変化に起因するトラッキングエラー信号TEの乱れが生ずる位置でのサーボホールド動作」時の、本実施例に係る情報記録再生装置1中で用いられるトラッキングエラー信号TE及びトラッキングサーボ制御信号の夫々を時間軸に沿って概念的に示すタイミングチャートである。
図10の上側のグラフに示すように、屈折率の意図しない変化に起因してトラッキングエラー信号TEが乱れたとする。このとき、トラッキングエラー信号TEが閾値TEth以上となる場合(即ち、図10の上側のグラフのうちの太線にて示す部分)に、トラッキングサーボのホールド動作が行われる。
本実施例におけるトラッキングサーボのホールド動作とは、トラッキングエラー信号TEの実際の数値に係わらず、トラッキングエラー信号TEが“0”であるとみなして、又は、トラッキングエラー信号TEがトラッキングエラー信号TEの乱れ検出前のトラッキングエラー信号TEのDC成分であるとみなして、トラッキング制御を行うことを意味する。このホールド動作は、実際にはレーザ光LBが記録トラックの中央付近に照射されているにも係わらず、トラッキングエラー信号TEに乱れが生じてしまう場合に行われる。従って、上述した屈折率の意図しない変化に起因したトラッキングエラー信号TEが乱れている場合に、ホールド動作を行うことで、いわば誤ったトラッキングエラー信号TEに基づいてトラッキング制御が行われる不都合を防ぐことができる。
但し、ホールド動作が行われるまでに、誤ったトラッキングエラー信号TE(即ち、図10の上側のグラフのうちの点線にて示す部分)に基づいて一定時間トラッキング制御が行われてしまっている。従って、係るトラッキング制御によって光ピックアップ12が移動した距離だけ、逆の方向に光ピックアップ12を移動させる必要がある。言い換えれば、誤ったトラッキングエラー信号TEに基づいて移動した光ピックアップ12を、記録トラックの中央付近にレーザ光を照射することができる位置(言い換えれば、初期位置)に戻す必要がある。この場合、図10の下側のグラフに示すように、ホールド動作が行われるまでのトラッキングサーボ制御信号による光ピックアップ12のトラッキング量を相殺することができるトラッキングサーボ制御信号が、ホールド動作が行われた後に、ホールド回路194の制御を受けるドライバ13より光ピックアップ12に供給される。
再び図9において、ステップS303における判定の結果、トラッキングエラー信号TEが、上限閾値TEth(max)以上でなく且つ下限閾値TEth(min)以下でないと判定された場合には(ステップS303:No)、続いて、カウンタ回路20の動作により、カウンタcntが“1”だけインクリメントされる(ステップS305)。
その後、例えば停止回路195の動作により、カウンタcntが2以上であるか否かが判定される(ステップS306)。
ステップS306における判定の結果、カウンタcntが2以上でないと判定された場合には(ステップS306:No)、再びステップS302へ戻り、ステップS302以下の処理を継続する。
他方、ステップS306における判定の結果、カウンタcntが2以上であると判定された場合には(ステップS306:Yes)、連続して2回以上、光ディスク100の回転角FGadrがメモリ21中の変数FG1の値と同一である場合に、トラッキングエラー信号TEに乱れが生じていない。より具体的には、回転角がメモリ21中の変数FG1の値と同一である第1のトラック上の記録エリアにおいてトラッキングエラー信号TEに乱れが生じておらず、且つ回転角がメモリ21中の変数FG1の値と同一である、第1の記録トラックに隣接する第2のトラック上の記録エリアにおいてトラッキングエラー信号TEに乱れが生じていない。つまり、連続して2回転以上、屈折率の意図しない変化を認識することができなかったと考えられる。これにより、回転角FGadrがメモリ21中の変数FG1の値と同一である位置には、既に屈折率の意図しない変化が生じていないと考えられる。このため、トラッキングサーボのホールド動作を終了して、図5のステップS102ないしはステップS104へ戻り、処理を継続する。
続いて、屈折率の意図しない変化に起因するトラッキングエラー信号TEの乱れ位置でのトラッキングサーボのホールド動作時の、情報記録再生装置1中で用いられる各種信号の変化の態様を、図11を参照してより詳細に説明する。ここに、図11は、「屈折率の意図しない変化に起因するトラッキングエラー信号TEの乱れ位置でのトラッキングサーボのホールド動作」時の、本実施例に係る情報記録再生装置1中で用いられる各種制御信号を時間軸に沿って概念的に示すタイミングチャートである。
図11の最上部にトラッキングエラー信号TE、並びに上限閾値TEth(max)及び下限閾値TEth(min)を示す。トラッキングエラー信号TEが、上限閾値以上TEth(max)以上又は下限閾値TEth(min)未満となり、且つ光ディスク100の回転角FGadrがメモリ21中の変数FG1(図10では、概ね50度)と同一となった場合には、ホールド信号がハイレベルとなり、トラッキングサーボのホールド動作が行われる。
例えば、光ディスク100の回転角FGadrが40度から50度となるAのタイミングで、トラッキングエラー信号TEが、上限閾値以上TEth(max)以上又は下限閾値TEth(min)未満となっている。このため、Aのタイミングでホールド信号がハイレベルとなり、トラッキングサーボのホールド動作が行われる。
また、光ディスク100の回転角FGadrが40度から50度となるタイミングに加えて、光ディスク100の回転角FGadrが概ね30度から40度となるタイミング及び50度から60度となるタイミングでもホールド動作を行うように構成してもよい。言い換えれば、光ディスク100の回転角FGadrがメモリFG1中の変数FG1の値と同一となるタイミングに加えて、光ディスク100の回転角FGadrがメモリFG1中の変数FG1の値と近似するないしは近接するタイミングにもホールド動作を行うように構成してもよい。
その後、光ディスク100が1回転して、回転角FGadrが再度40度から50度となるBのタイミングでも、トラッキングエラー信号TEが、上限閾値以上TEth(max)以上又は下限閾値TEth(min)未満となっている。このため、Bのタイミングでホールド信号がハイレベルとなり、トラッキングサーボのホールド動作が行われる。
その後、光ディスク100が1回転して、回転角FGadrが再度40度から50度となるCのタイミングでも、トラッキングエラー信号TEが、上限閾値以上TEth(max)以上又は下限閾値TEth(min)未満となっている。このため、Cのタイミングでホールド信号がハイレベルとなり、トラッキングサーボのホールド動作が行われる。
その後、光ディスク100が1回転して、回転角FGadrが再度40度から50度となるDのタイミングでは、トラッキングエラー信号TEは、上限閾値以上TEth(max)以上ではなく且つ下限閾値TEth(min)未満ではない。このため、Dのタイミングでは、ホールド信号はローレベルのままであり、トラッキングサーボのホールド動作は行われない。また、カウンタcntが、“1”だけインクリメントされて、カウンタcntは“1”となる。
その後、光ディスク100が1回転して、回転角FGadrが再度40度から50度となるEのタイミングでは、トラッキングエラー信号TEは、上限閾値以上TEth(max)以上ではなく且つ下限閾値TEth(min)未満ではない。このため、Eのタイミングでは、ホールド信号はローレベルのままであり、トラッキングサーボのホールド動作は行われない。また、カウンタcntが、“1”だけインクリメントされて、カウンタcntは“2”となる。
ここで、カウンタcntが“2”以上となっているため、この時点で、トラッキングサーボのホールド動作は停止され、通常のトラッキング制御が開始される。また、屈折率の意図しない変化に起因するトラッキングエラー信号TEの乱れの検出動作が再度開始される。
以上説明したように、本実施例に係る情報記録再生装置1によれば、トラッキングエラー信号TEの乱れの原因を好適に識別することができる。より具体的には、ディフェクト検出信号がハイレベルとなっていれば、トラッキングエラー信号TEの乱れが、ディフェクトに起因するものであると識別することができる。ディフェクト検出信号がローレベルであり、且つ光ディスク100の1回転以内にトラッキングエラー信号TEの乱れが数多くあれば(例えば、3つ以上)、トラッキングエラー信号TEの乱れが、外乱に起因するものであると識別することができる。そして、上述の検出動作により、トラッキングエラー信号TEの乱れが、屈折率の意図しない変化に起因するものであると識別することができる。
そして、トラッキングエラー信号TEの乱れの原因を好適に識別することができるがゆえに、原因に応じた好適なトラッキング制御を行うことができる。より具体的には、トラッキングエラー信号TEの乱れがディフェクトに起因するものであると識別した場合には、トラッキングサーボのホールド動作が行われる。トラッキングエラー信号TEの乱れが外乱に起因するものであると識別した場合には、通常のトラッキング制御(言い換えれば、ホールド動作を行わないトラッキングサーボ)が行われる。そして、トラッキングエラー信号TEの乱れがエアバブルに起因するものであると識別した場合には、トラッキングサーボのホールド動作が行われる。従って、トラッキングエラー信号TEの乱れの原因によらず、好適なトラッキング制御を行うことができる。その結果、所望の記録トラックに好適にレーザ光を照射することができ、所望の記録トラックに隣接する記録トラックにトラッキングが外れてしまうという不都合を抑制ないしは防止することができる。
加えて、屈折率の意図しない変化に起因するトラッキングエラー信号TEの乱れが生じている場合には、相対的に迅速にトラッキングサーボのホールド動作に進むことができる。このため、誤ったトラッキング制御が行われる期間を相対的に短くすることができるため、より好適にトラッキング制御を行うことができる。特に、記録動作を行っている際には、記録可能なパワーのレーザ光LBが記録膜120に対して照射されていることから、誤ったトラッキング制御が行われる期間を相対的に短くすることで、誤った位置にデータが記録される不都合を極力排除することができる。
加えて、マイコン19上で動作するファームウェア等のプログラムを更新することにより、本実施例に係る情報記録再生装置1を実現することができる。言い換えれば、各種ICチップ等の物理的な回路ないしはセンサ等の物理的な構成要素を新たに追加することなく、本実施例に係る情報記録再生装置1を実現することができる。従って、情報記録再生装置1の回路構成を大幅に変更する必要がなくなるため、本実施例に係る情報記録装置1を導入するために必要なコストを低減することができる。
尚、上述の説明は、屈折率の意図しない変化を1箇所検出したら、該検出された1箇所の屈折率の意図しない変化に対応してトラッキングサーボのホールド動作を行うように構成している。しかしながら、屈折率の意図しない変化を1箇所検出した場合であっても、該検出された1箇所の屈折率の意図しない変化に対応してトラッキングサーボのホールド動作を行うと共に、他の箇所における屈折率の意図しない変化の存在を検出するように構成してもよい。つまり、複数のホールド動作と複数の検出動作とが、同時並行して排他的に行われるように構成してもよい。特に、光ディスク100の記録トラック1周につき2箇所以上、屈折率の意図しない変化が生じている場合には、複数のホールド動作と複数の検出動作とが、同時並行して排他的に行われる頻度が高くなると考えられる。この場合、屈折率の意図しない変化が生じている位置(具体的には、エアバブル140が存在する位置における光ディスク100の回転角)を示す変数を、FG1、FG2、・・・、FGx(但し、xは2以上)のように複数用意することが好ましい。そして、FG1、FG2、・・・、及びFGxの夫々の変数に対して、上述した検出動作が排他的に(言い換えれば、他の変数を考慮することなく)行われると共に、上述したホールド動作が排他的に(言い換えれば、他の変数を考慮することなく)行われる。これにより、光ディスク100の記録トラック1周につき二箇所以上、が存在している場合等であっても、上述した各種利益を好適に享受することができる。
この場合の、情報記録再生装置1中で用いられる各種信号の変化の態様を、図12及び図13を参照してより詳細に説明する。ここに、図12は、複数の「屈折率の意図しない変化に起因したトラッキングエラー信号TEの乱れの検出動作」が同時並行して行われる時の、本実施例に係る情報記録再生装置1中で用いられる各種制御信号を時間軸に沿って概念的に示すタイミングチャートであり、図13は、複数野「屈折率の意図しない変化に起因するトラッキングエラー信号TEの乱れ位置でのトラッキングサーボのホールド動作」が同時並行して行われる時の、本実施例に係る情報記録再生装置1中で用いられる各種制御信号を時間軸に沿って概念的に示すタイミングチャートである。
検出動作を示す図12では、Aのタイミングで屈折率変化検出信号がハイレベルになっている。屈折率変化検出信号がハイレベルとなったときは、回転角検出回路192により、回転角FGadrが検出される。図12中では、屈折率変化検出信号がハイレベルになったときのFG信号には#8の識別符号が付されている。従って、回転角FGadrは70度から80度となる。また、第1フラグflg1が“1”に設定される。また、第1変数FG1は、70度から80度(或いは、#8)となる。
その後、光ディスク100が1回転して、回転角FGadrが再度70度から80度となるBのタイミングでは、屈折率変化検出信号がローレベルになっている。従って、Aのタイミングで検出されたトラッキングエラー信号TEの乱れは、屈折率の意図しない変化に起因するものではなく、例えば外乱に起因するものであると考えられる。このため、第1フラグflg1が“0”に設定される。また、第1変数FG1は、リセットされる。
その後、光ディスク100が数回転したC1のタイミングで、再度屈折率変化検出信号がハイレベルとなる。このときの回転角FGadrは30度から40度となる。このため、第1フラグflg1が“1”に設定される。また、第1変数FG1は、30度から40度(或いは、#4)となる。
その後、光ディスク100が1回転する前のC2のタイミングで、再度屈折率変化検出信号がハイレベルとなっている。このときの回転角FGadrは50度から60度となる。このため、屈折率の意図しない変化が生じている位置を検出するための系が、もう一つ作成される。具体的には、第2フラグflg2が“1”に設定される。また、第2変数FG2は、50度から60度(或いは、#6)となる。
その後、光ディスク100が回転して、回転角FGadrが再度30度から40度となるD1のタイミングでも、屈折率変化検出信号がハイレベルとなっている。従って、今後は、回転角FGadrが30度から40度となるタイミングで、トラッキングサーボのホールド動作が行われる。また、第1フラグflg1は、“1”に設定され続ける。
その後、光ディスク100が回転して、回転角FGadrが再度50度から60度となるD2のタイミングでも、屈折率変化検出信号がハイレベルとなっている。従って、今後は、回転角FGadrが50度から60度となるタイミングで、トラッキングサーボのホールド動作が行われる。また、第2フラグflg2は、“1”に設定され続ける。
その後、光ディスク100が回転して、回転角FGadrが再度30度から40度となるE1のタイミングでも、屈折率変化検出信号がハイレベルとなっている。従って、回転角FGadrが30度から40度となるタイミングでの、トラッキングサーボのホールド動作が継続されると共に、第1フラグflg1は、“1”に設定され続ける。
その後、光ディスク100が回転して、回転角FGadrが再度50度から60度となるE2のタイミングでも、屈折率変化検出信号がハイレベルとなっている。従って、回転角FGadrが50度から60度となるタイミングでの、トラッキングサーボのホールド動作は継続されると共に、第2フラグflg2は、“1”に設定され続ける。
その後、光ディスク100が回転して、回転角FGadrが再度30度から40度となるF1のタイミングでも、屈折率変化検出信号がハイレベルとなっている。従って、回転角FGadrが30度から40度となるタイミングでの、トラッキングサーボのホールド動作が継続されると共に、第1フラグflg1は、“1”に設定され続ける。
その後、光ディスク100が回転して、回転角FGadrが再度50度から60度となるF2のタイミングでは、屈折率変化検出信号がローレベルとなっている。従って、第2フラグflg2は、“0”に設定されると共に、ホールド動作を停止するか否かの判定が行われる(図9参照)。
続いて、ホールド動作を示す図13に示すように、光ディスク100の回転角FGadrが30度から40度となるA1のタイミングで、トラッキングエラー信号TEが、上限閾値以上TEth(max)以上又は下限閾値TEth(min)未満となっている。このため、A1のタイミングで第1のホールド信号1がハイレベルとなり、トラッキングサーボのホールド動作が行われる。また、第1のカウンタcnt1は、“0”に設定されている。
同様に、光ディスク100の回転角FGadrが50度から60度となるA2のタイミングでも、トラッキングエラー信号TEが、上限閾値以上TEth(max)以上又は下限閾値TEth(min)未満となっている。このため、A2のタイミングで第2のホールド信号#2がハイレベルとなり、トラッキングサーボのホールド動作が行われる。また、第2のカウンタcnt2は、“0”に設定されている。
その後、光ディスク100が回転して、回転角FGadrが再度30度から40度となるB1のタイミングでも、トラッキングエラー信号TEが、上限閾値以上TEth(max)以上又は下限閾値TEth(min)未満となっている。このため、B1のタイミングで第1のホールド信号#1がハイレベルとなり、トラッキングサーボのホールド動作が行われる。
その後、光ディスク100が回転して、回転角FGadrが再度50度から60度となるB2のタイミングでも、トラッキングエラー信号TEが、上限閾値以上TEth(max)以上又は下限閾値TEth(min)未満となっている。このため、B2のタイミングで第2のホールド信号#2がハイレベルとなり、トラッキングサーボのホールド動作が行われる。
その後、光ディスク100が回転して、回転角FGadrが再度30度から40度となるC1のタイミングでも、トラッキングエラー信号TEが、上限閾値以上TEth(max)以上又は下限閾値TEth(min)未満となっている。このため、C1のタイミングで第1のホールド信号#1がハイレベルとなり、トラッキングサーボのホールド動作が行われる。
他方、光ディスク100が回転して、回転角FGadrが再度50度から60度となるC2のタイミングでは、トラッキングエラー信号TEが、上限閾値以上TEth(max)以上でなく且つ下限閾値TEth(min)未満でない。このため、C2のタイミングでは、第2のホールド信号#2はローレベルとなり、トラッキングサーボのホールド動作は行われない。また、第2のカウンタcnt2が、“1”だけインクリメントされて、第2のカウンタcnt2は“1”となる。
その後、光ディスク100が回転して、回転角FGadrが再度30度から40度となるD1のタイミングでは、トラッキングエラー信号TEが、上限閾値以上TEth(max)以上でなく且つ下限閾値TEth(min)未満でない。このため、D1のタイミングでは、第1のホールド信号#1はローレベルとなり、トラッキングサーボのホールド動作は行われない。また、第1のカウンタcnt1が、“1”だけインクリメントされて、第1のカウンタcnt1は“1”となる。
他方、光ディスク100が回転して、回転角FGadrが再度50度から60度となるD2のタイミングでは、トラッキングエラー信号TEが、上限閾値以上TEth(max)以上でなく且つ下限閾値TEth(min)以上となっている。このため、C2のタイミングでは、第2のホールド信号#2はローレベルとなり、トラッキングサーボのホールド動作は行われない。また、第2のカウンタcnt2が、“1”だけインクリメントされて、第2のカウンタcnt2は“2”となる。従って、回転角FGadrが50度から60度となるタイミングでの、トラッキングサーボのホールド動作は終了する。
このようにして、複数のホールド動作と複数の検出動作とが、同時並行して排他的に行われる。
尚、安定的なトラッキング動作ないしは記録動作を維持するという観点からは、同時並行して行われる検出動作の数やホールド動作の数を示すx(即ち、同一記録トラック上において検出することができる、屈折率の意図しない変化が生じている位置の個数)には上限を設けることが好ましい。例えば、x≦2であることが好ましい。もちろん、2以上の数をxの上限としてもよい。屈折率の意図しない変化が生じている位置の個数が、xの上限を超える場合には、トラッキングエラー信号TEの乱れが外乱によるものと判断し、トラッキングサーボのホールド動作を行わないことが望ましい。
更に、上述の実施例では、屈折率の意図しない変化に起因してトラッキングエラー信号TEが乱れた位置においてトラッキングサーボのホールド動作を行うように構成しているが、ホールド動作を行うことに代えて、トラッキングサーボのゲインを調整する(具体的には、例えばゲインを落とす)ように構成してもよい。
また、閾値TEthを設定する際には、トラッキングエラー信号TEの残留成分にも屈折率の意図しない変化の影響が出現し得ることを考慮して、上述の手法に代えて、以下に示す手法で閾値TEthを設定するように構成してもよい。ここで、閾値TEthを設定する他の手法について、図14を参照して説明する。ここに、図14は、トラッキングエラー信号TEの他の閾値TEthを概念的に示すグラフである。
図14に示すように、トラッキングエラー信号TEの残留成分(好ましくは、光ディスク100を1回転して得られるトラッキングエラー信号TEの残留成分)を、時間軸に沿って複数の区間(区間#1から区間#8)に分割する。そして、各区間の最大値及び最小値を抽出する。
この手法では、上限閾値TEth(max)は、各区間の最大値のうち3番目に大きい最大値TEn(max3)とトラッキングエラー信号TEの最大値TE(max)との平均値に設定される。つまり、TEth(max)=(TE(max)+TEn(max3))/2となる。
また、上限閾値TEth(min)は、各区間の最小値のうち3番目に小さい最小値TEn(min3)とトラッキングエラー信号TEの最小値TE(min)との平均値に設定される。つまり、TEth(min)=(TE(min)+TEn(min3))/2となる。
というのも、各区間の最大値のうち1番目に大きい最大値TEn(max1)や2番目に大きい最大値TEn(max2)は、屈折率の意図しない変化に起因したものである可能性も否定できない。同様に、各区間の最小値のうち1番目に小さい最小値TEn(min1)や2番目に小さい最小値TEn(min2)も、屈折率の意図しない変化に起因したものである可能性も否定できない。従って、閾値TEthを設定する際に屈折率の意図しない変化の影響が及ばないように、各区間の最大値のうち3番目に大きい最大値TEn(max3)や各区間の最小値のうち3番目に小さい最小値TEn(min3)を用いて閾値TEthを設定することが好ましい。
もちろん、各区間の最大値のうちX(但し、Xは2以上の整数)番目に大きい最大値TEn(maxX)や各区間の最小値のうちY(但し、Yは2以上の整数)番目に小さい最小値TEn(minY)を用いて閾値TEthを設定するように構成してもよい。
また、上述の実施例では、情報記録媒体の一例として光ディスク100及び情報記録再生装置の一例として光ディスク100に係るレコーダ或いはプレーヤについて説明したが、本発明は、光ディスク及びそのレコーダに限られるものではなく、他の高密度記録或いは高転送レート対応の各種情報記録媒体並びにそのレコーダ或いはプレーヤにも適用可能である。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う情報記録装置及び方法、情報再生装置及び方法、並びに記録制御用の又は再生制御用のコンピュータプログラムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。