JP3061540B2 - ディスク装置 - Google Patents

ディスク装置

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JP3061540B2
JP3061540B2 JP6285218A JP28521894A JP3061540B2 JP 3061540 B2 JP3061540 B2 JP 3061540B2 JP 6285218 A JP6285218 A JP 6285218A JP 28521894 A JP28521894 A JP 28521894A JP 3061540 B2 JP3061540 B2 JP 3061540B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディスク状の記憶媒体
に対し、各種の情報を光学的手段を用いて少なくとも再
生を行うディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】記憶媒体の1つにCD−ROM(コンパ
クトディスク リードオンリーメモリ)があり、コンピ
ュータ用の信号記録し、これを読み出し専用メモリに
し、電子ブックやフォトCDに用いられている。CD−
ROMは、透明プラスチックの片面にピットと称する凹
凸を記憶情報に応じて形成し、これを含む表面にアルミ
ニウムの薄膜を蒸着した鏡面に仕上げられている。この
ように、傷が付きやすい樹脂材が本体に用いられている
ため、外的な傷が生じやすい。一方、CD−ROMは、
回転中心に設けられた開口を装置側のターンテーブルに
嵌合させる構造のため、ディスクが偏心しやすい。この
偏心に応じて光ピックアップ(トラッキング・アクチュ
エータを搭載)のレーザビームをトラックに正確にトレ
ースさせるため、トラッキングサーボが行われている。
このトラッキングサーボの実行に際して、上記したよう
な傷が光ピックアップで検出されると、傷検出に応じて
フィードバック系が反応し、サーボ状態を変化させてし
まう。また、装置やディスクに与えられるショック(外
部振動)によってもサーボ状態が変化する。
【0003】従来、傷の検出はディスクからの反射光量
の減少をもとに判定しており、また、ショックの検出は
トラッキングエラー量の設定レベルを越えたことをもっ
て判定している。すなわち、図4(a)に示すように、
ディスク面からの反射光量(光ピックアップの出力光)
が傷判定レベル以下に減少した場合、信号処理系は傷を
判定し、制御系ではサーボ制御を中止し、補正出力を零
にし、或いは傷判定前の補正値を継続させて傷の影響を
低減する。また、ショックの場合、図4(b)のように
ショック判定レベルをトラッキングエラー量が越える
時、補正ゲインを大きくし、変動を抑制する制御を実行
する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術
では、傷と判断されないレベルで且つトラッキングエラ
ーが大きく変動する場合がある。この場合、実際には光
ピックアップがトラックセンタにあるにもかかわらず、
外乱が加わったと判定し、ゲインアップによる補正を実
行するため、これによって逆にレーザービームがトラッ
クセンタから離れてしまうという不具合がある。
【0005】本発明の第1の目的は、トラッキングエラ
ー信号またはフォーカスエラー信号の微分値により、傷
とショックの区別が可能になり、サーボ制御における補
正処理が最適に行われるようになるディスク装置を提供
することにある。
【0006】本発明の第2の目的は、トラッキングエラ
ー信号またはフォーカスエラー信号を加速度に変換した
結果に基づいて傷及びショックの判定を行うことができ
ると共に、トラックのセンタからのずれが少ない段階に
おいても傷及びショックの判定が可能になるディスク
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的は、ディ
スク状の記憶媒体に対し、そのトラックに対するトラッ
キングを行いながら少なくとも読み出し処理を行うと共
に、前記記憶媒体が有する傷或いは外部から与えられる
ショックに応じた補正制御を行う補正制御手段と、トラ
ッキングエラー信号またはフォーカスエラー信号を微分
する微分手段と、該微分手段による微分値を予め設定し
た第1のレベルと、この第1のレベルより低い値に設定
された第2のレベルとの比較により前記記憶媒体の傷の
有無を判定する判定手段とを備え、前記微分手段により
トラッキングエラー信号またはフォーカスエラー信号を
微分し、前記判定手段により、この微分値が前記第1の
レベル以上の時には前記記憶媒体上の傷であると判定
し、この微分値が前記第2のレベル以上で前記第1のレ
ベルよりも低い時には外部振動であると判定し、この微
分値が前記第2のレベルよりも低い時には傷も外部振動
もないと判定する第1の手段により達成される。
【0008】前記第1の目的は、第1の手段において、
前記微分手段による微分は、1階微分である第2の手段
により達成される。
【0009】前記第2の目的は、第1の手段において、
前記微分手段による微分は、2階微分である第3の手段
により達成される。
【0010】
【作用】前記手段によれば、トラッキングエラー信号ま
たはフォーカスエラー信号を微分することにより傷及び
ショックとも、その立ち上がりの状況に応じた微分波形
が得られる。したがって、トラッキングエラー量におけ
る傷とショックのピーク値が等しい場合でも、ショック
の微分値のピーク値は小さくなり、傷とショックでは大
きく異なる。これにより、傷とショックの区別が可能に
なり、サーボ制御における補正処理が最適に行われるよ
うになる。この場合の微分は、1階微分を行えば速度値
が得られ、2階微分を行えば加速度値が得られる。特
に、2階微分によれば、アクチュエータのトラックから
のずれが少ない場合にも有効に機能し、補正処理を迅速
に行うことができる。微分結果を用いて傷かショックか
を判定するためには、基準が必要になる。そこで、傷判
定に用いる第1のレベルを傷判定レベルとして設定し、
ショック判定に用いる第2のレベルをショック判定レベ
ルとして設定すれば、第1のレベルを越える微分値を有
する信号は傷であると判定し、第2のレベルから第1の
レベルの範囲に含む微分値を有する信号はショックであ
ると判定することができる。これにより、傷とショック
を明確に区別することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明によるディスク装置を示すブロック
図、図2(a),(b),(c)は本発明の原理を示す
説明図、図3はフローチャートである。
【0012】まず、図2(a),(b),(c)を参照
して本発明の原理を説明する。傷による見かけ上の速度
は、外部からのショック(外部振動)によって発生する
速度よりも大きい。本発明はこの点に着目したものであ
る。トラッキングエラーの値は常時監視されており、図
2(a)に示すように、ショックや傷があると、これに
応じてトラッキングエラー量が実線(ショック)あるい
は破線(傷)で示すように大きく変動する。予めトラッ
キングエラーの或るレベルにショック判定レベルを設定
しておけば、このショック判定レベルをエラー量が越え
たか否かにより、ショックの有無を判定することができ
る。一方、傷が有った場合も、図2(a)に示すよう
に、ショック判定レベルを越えると、ショック有りとし
て扱われてしまう。
【0013】そこで、図2(a)の実線あるいは破線で
示すトラッキングエラー量の全てに対して1階微分を施
すと、トラッキングエラー量はショック及び傷による速
度としてそれぞれ表され、図2(b)の破線は傷による
速度、実線はショックによる速度である。図2(b)に
示すように、変動が緩やかなトラッキングエラー量に対
しては微分値(この値は速度を示している)が小さくな
り、急激な変動に対する微分値は大きくなる。また、そ
の周波数にも相違がある。そして、前述したように、傷
による見かけ上の速度は、外部からのショック(外部振
動)によって発生する速度よりも大きいので、図2
(b)に示すように、傷による微分値(破線図示)は傷
判定レベルを越えるが、ショックによる微分値は傷判定
レベルを越えない。この違いから傷かショックかを区別
することができる。
【0014】更に、2階微分(微分を2回行う処理)を
施すと加速度が得られ、図2(c)に示すように、1階
微分の場合と同様、傷とショックを明確に区別すること
ができる。この2階微分によれば、レーザービームが目
標のトラックから余りずれていない場合でも、早期に傷
またはショックを検出でき、迅速にサーボ制御を行え、
省電力を図れ、また、サーボによって振動が繰り返され
る虞れもない。なお、図2(c)の破線は傷による加速
度、実線はショックによる加速度である。
【0015】なお、図2の(b)及び(c)の図におい
ては、傷判定レベル(第1のレベル)のみを示し、ショ
ック判定レベルを設定していないが、傷判定レベルより
低く、かつノイズレベル以上の値にショック判定レベル
(第2のレベル)が設定される。この場合、ショック判
定レベルから傷判定レベルまでにピーク値が存在する微
分波形がショックとして判定される。
【0016】次に、以上の原理に基づく本発明のディス
装置の構成について説明する。図1に示すように、目
標値(指令値)に帰還信号が加算される加算器1には、
位相補償回路2、低域ブースト3、ドライバ4、アクチ
ュエータ5、エラー検出回路6の各々が順次接続されて
いる。また、エラー検出回路6の出力端と加算器1の間
にはスイッチ(SW1)7及び加算器8からなる回路が
接続されている。位相補償回路2は発振等を防止する機
能を有する回路であり、ドライバ4はアクチュエータ5
を駆動するための回路である。また、アクチュエータ5
はレーザービームをトラックの幅方向に微小移動させる
ための機構を備えている。更に、エラー検出回路6の出
力端には、第1の微分回路9及び第2の微分回路10
(両回路によって微分手段を形成)が順次接続されてい
る。微分回路9の出力端には、通常判定レベル及び傷判
定レベルを設定するためのコンパレータ11,12が接
続され、同様に微分回路10の出力端には通常判定レベ
ル及び傷判定レベルを設定するためのコンパレータ1
3,14が接続されている。これらコンパレータの出力
端には傷/ショック検出回路15(コンパレータ11〜
14と共に判定手段を形成)が接続され、この傷/ショ
ック検出回路15には、反射光量(受信光量)が印加さ
れている。傷/ショック検出回路15は傷又はショック
の判定結果に基づいてスイッチ7のほか、スイッチ1
6,17のオン/オフを制御する。スイッチ16,17
は夫々エラー検出回路6の出力端に接続されており、ス
イッチ16の出力側にはゲインアップ回路18が接続さ
れ、更に、スイッチ17の出力側にはエラーホールド回
路19が接続されている。このエラーホールド回路19
の出力側には加算器20が接続され、該加算器20には
ゲインアップ回路18の出力信号が印加され、加算器2
0の出力信号は加算器8に印加される。
【0017】以上の構成によるディスク装置の動作につ
いて、図3のディスク装置の動作を示すフローチャート
を参照して説明する。トラッキング・アクチュエータが
ディスクの目標とするトラック上に位置している場合、
トラッキングエラーは無いのでエラー検出回路6には出
力信号は生じていない。トラッキング・アクチュエータ
が目標とするトラックから外れた場合、その位置ずれに
応じてエラー検出回路6には出力信号が発生する。この
出力信号はスイッチ7及び加算器8を介して加算器1に
帰還され、ずれを補正する方向の入力信号がドライバ4
に与えられ、ドライバ4はアクチュエータ5をトラック
中心に向くように駆動する。これが、通常処理である。
【0018】次に、通常処理以外のケースについて説明
する。まず、光ピックアップの出力に対し光量が検出さ
れる。前記図4(a)に示すように、光量低下が検出さ
れると(S301)、エラーホールド処理が実行される
(S302)。一方、光量低下が検出されない時、速度
異常を検出したか否かが判定される(S303)。この
判定は、エラー検出回路6の出力信号を微分回路9で微
分して得られた電圧に基づいて行われ、コンパレータ1
1の設定電圧を越えた時に生じるコンパレータ11の出
力電圧の有無をもって行われる。
【0019】S303でコンパレータ11の出力電圧有
が判定されると、次に、コンパレータ12に出力電圧の
状況に基づいて、傷/ショック検出回路15は傷または
ショックを判定する(S304)。前述したようにして
傷が判定された場合、傷/ショック検出回路15はスイ
ッチ17(スイッチ7,16は共にオフ)をオンにし、
ゲインホールド回路19を動作させる。ゲインホールド
回路19はエラー検出回路6の出力をホールドし、その
値を加算器20及び加算器8を介して加算器1に印加す
る。
【0020】一方、傷/ショック検出回路15が前述し
たようにしてショックを判定すると、傷/ショック検出
回路15はスイッチ16(スイッチ7及びスイッチ17
は共にオフ)をオンにさせ、ゲインアップ回路18を機
能させる。ゲインアップ回路18はエラー検出回路6の
出力信号に対しゲインを高めるように機能し、その値を
加算器20及び加算器8を介して加算器1へ印加する。
【0021】更に、S303でコンパレータ11の出力
無しが判定された場合、微分回路10側の状態、すなわ
ち加速度異常を検出したか否かを判定する(S30
6)。加速度異常無し(コンパレータ13に出力無し)
が判定された(これは速度異常無しの状態でもある)場
合、傷/ショック検出回路15はスイッチ7をオンに
し、エラー検出回路6の出力信号をそのまま加算器8を
通して加算器1に印加させ、通常処理を行う(S30
7)。
【0022】また、S306で加速度異常が判定された
場合、傷/ショック検出回路15はコンパレータ14の
出力状態をチエックし(S308)、出力有りを判定し
た場合には傷と見做し、スイッチ17をオンにさせ、エ
ラーホールド回路19を機能させる(S309)。ま
た、コンパレータ14の出力無しを判定した場合、ショ
ックであると見做してスイッチ16をオンにさせ、ゲイ
ンアップ回路18を機能させる(S310)。
【0023】なお、上記実施例においては、トラッキン
グエラー信号に対して微分を行うものとしたが、フォー
カスエラー信号に対して行ってもよく、この場合も上記
と同様の処理を行えばよい。また、上記実施例では、記
憶媒体としてCD−ROMを例にしたが、本発明はCD
−ROMに限定されるものではなく、CD、CD−I、
CDV等、CDに関する全ての製品に適用することがで
きる。
【0024】このように構成された前記実施例にあって
は、ディスク状の記憶媒体に対し、そのトラックに対す
るトラッキングを行いながら少なくとも読み出し処理を
行うと共に、前記記憶媒体が有する傷或いは外部から与
えられるショックに応じた補正制御を行う補正制御手段
(18,19)と、トラッキングエラー信号またはフォ
ーカスエラー信号を微分する微分手段(9,10)と、
微分手段(9,10)による微分値を予め設定した第1
のレベルと、この第1のレベルより低い値に設定された
第2のレベルとの比較により前記記憶媒体の傷の有無を
判定する傷/ショック検出回路15とを備え、微分手段
(9,10)によりトラッキングエラー信号またはフォ
ーカスエラー信号を微分し、傷/ショック検出回路15
により、この微分値が前記第1のレベル以上の時には前
記記憶媒体上の傷であると判定し、この微分値が前記第
2のレベル以上で前記第1のレベルよりも低い時には外
部振動であると判定し、この微分値が前記第2のレベル
よりも低い時には傷も外部振動もないと判定するため、
また、微分手段(9)のみによる微分は、1階微分であ
るため、トラッキングエラー信号またはフォーカスエラ
ー信号の微分値により、傷とショックの区別が可能にな
り、サーボ制御における補正処理が最適に行われるよう
になる。
【0025】また、前記実施例にあっては、微分手段
(9,10の双方)による微分は、2階微分であるた
め、トラッキングエラー信号またはフォーカスエラー信
号を加速度に変換した結果に基づいて傷及びショックの
判定を行うことができると共に、トラックのセンタから
のずれが少ない段階においても傷及びショックの判定が
可能になる。
【0026】
【発明の効果】請求項1,2記載の発明によれば、トラ
ッキングエラー信号またはフォーカスエラー信号の微分
値により、傷とショックの区別が可能になり、サーボ制
御における補正処理が最適に行われるようになる。
【0027】請求項3記載の発明によれば、トラッキン
グエラー信号またはフォーカスエラー信号を加速度に変
換した結果に基づいて傷及びショックの判定を行うこと
ができると共に、トラックのセンタからのずれが少ない
段階においても傷及びショックの判定が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるディスク装置を示すブロック図で
ある。
【図2】(a),(b),(c)は本発明の原理を示す
説明図である。
【図3】本発明によるディスク装置の動作を示すフロー
チャートである。
【図4】(a),(b)は従来の傷判定及びショック判
定に用いられる光量及びトラッキングエラー量の特性図
である。
【符号の説明】
4 ドライバ 5 アクチュエータ 6 エラー検出回路 7,16,17 スイッチ 9,10 微分回路 11,12,13,14 コンパレータ 15 傷/ショック検出回路 18 ゲインアップ回路 19 エラーホールド回路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−82334(JP,A) 特開 昭61−107542(JP,A) 特開 昭62−273663(JP,A) 特開 昭63−29326(JP,A) 特開 昭63−271776(JP,A) 特開 平3−183030(JP,A) 特開 平5−314481(JP,A) 実開 昭62−117720(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/00 G11B 7/085 G11B 7/09 G11B 7/095 G11B 19/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスク状の記憶媒体に対し、そのトラ
    ックに対するトラッキングを行いながら少なくとも読み
    出し処理を行うと共に、前記記憶媒体が有する傷或いは
    外部から与えられるショックに応じた補正制御を行う補
    正制御手段と、 トラッキングエラー信号またはフォーカスエラー信号を
    微分する微分手段と、該微分手段による微分値を予め設
    定した第1のレベルと、この第1のレベルより低い値に
    設定された第2のレベルとの比較により前記記憶媒体の
    傷の有無を判定する判定手段とを備え、 前記微分手段によりトラッキングエラー信号またはフォ
    ーカスエラー信号を微分し、前記判定手段により、この
    微分値が前記第1のレベル以上の時には前記記憶媒体上
    の傷であると判定し、この微分値が前記第2のレベル以
    上で前記第1のレベルよりも低い時には外部振動である
    と判定し、この微分値が前記第2のレベルよりも低い時
    には傷も外部振動もないと判定することを特徴とする
    ィスク装置。
  2. 【請求項2】 前記微分手段による微分は、1階微分で
    あることを特徴とする請求項1記載のディスク装置。
  3. 【請求項3】 前記微分手段による微分は、2階微分で
    あることを特徴とする請求項1記載のディスク装置。
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