本発明を説明するにあたり、名称の意味合いを説明しておく。
「特別遊技状態抽選手段」とは、大当たり乱数カウンタC1等をいう。
「特別遊技状態の種類」としては、通常大当たりの他に、確率変動付大当たり及び/又は時間短縮付大当たり等を含む。
「特別遊技状態種別抽選手段」とは、大当たり乱数カウンタC2等をいう。
「第1の可変入賞装置」とは、開口部(実施の形態における主大入賞口400)と入賞可動部(実施の形態におけるシャッタ62)をいう。
「第2の可変入賞装置」とは、開口部(実施の形態における副大入賞口401)と入賞可動部(実施の形態における嘴452A)をいう。
「複数の入球が予測できる第1の所定時間」とは、遊技球の単位時間当たりの最大発射数と、遊技盤上の釘調整状態とに基づいて定まる入賞率の下で、複数の入球が予測できる時間をいう。
「少なくとも1個の遊技球が入球可能で且つ上記第1の所定時間よりも短い第2の所定時間」とは、遊技球の単位時間当たりの最大発射数と、遊技盤上の釘調整状態とに基づいて定まる入賞率の下で、少なくとも1個の遊技球が入球可能な最低時間をいう。
「演出可動部」とは、実施の形態における首452B、羽根452Cをいう。
「第1表示手段」とは、装飾図柄表示装置42等をいう。
「第2表示手段」とは、特別図柄表示ランプ38a,38b等をいう。
「特別遊技状態告知態様」とは、「7、7、7」等、停止図柄が所定の図柄で揃っている状態で大当たりした場合をいう。
「特別遊技状態非告知態様」とは、「7、4、2」等、停止図柄が所定の図柄で揃っていない状態で大当たりした場合をいう。
「開閉部材」とは、実施の形態における一対の開閉羽根430をいう。
「通常状態」とは、特別遊技状態等の特別な状態を除いた状態をいう。
本発明に係る手段1の遊技機は、
始動口への遊技球の入球を契機に、通常遊技よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態の何れかに移行するか否かを決定する特別遊技状態抽選手段と、
始動口への遊技球の入球を契機に、上記特別遊技状態の種類を決定する特別遊技状態種別抽選手段と、
上記特別遊技状態となった場合に開口部を開閉可能に動作させて遊技球を入球可能とさせる入賞可動部を有する可変入賞装置と、
を有するとともに、
上記複数種類の特別遊技状態中に実行される特別遊技の1つとして、少なくとも、上記入賞可動部の動作によって通常遊技中に閉止されていた可変入賞装置が複数の入球が予測できる第1の所定時間開放される第1の特別遊技と、入賞可動部の動作によって通常遊技中に閉止されていた可変入賞装置が少なくとも1個の遊技球が入球可能で且つ上記第1の所定時間よりも短い第2の所定時間開放される第2の特別遊技とを備え、
上記特別遊技状態抽選手段により特別遊技状態へ移行することが決定され、且つ、上記特別遊技状態種別抽選手段により何れかの特別遊技終了後に通常遊技よりも有利な価値の付与を伴うことが決定された場合における遊技態様として、少なくとも、第2の特別遊技が実行されその後に有利な価値が付与された遊技状態に移行する遊技態様を備えた遊技機において、
上記可変入賞装置として、上記第1の特別遊技で使用される第1の可変入賞装置と、上記第2の特別遊技で使用される第2の可変入賞装置とが設けられ、
且つ、上記第2の可変入賞装置の存在を認識し難くさせる為の1以上の演出可動部が設けられていることを特徴とする。
特別遊技状態に移行したときには、必ず大入賞口(可変入賞装置の入賞可動部)を開口させなければならないという既存のルールが存在するために、例えば、確変付き特別遊技状態又は時短付き特別遊技状態へ移行する場合には、可変入賞装置を僅かな時間だけでも開口させなければならない。しかし、上記構成の如く、複数の可変入賞口が存在し、且つ、複数存在する可変入賞装置のうちのひとつ(第2の可変入賞装置)が第2の所定時間作動しても、遊技者は、その他の可変入賞装置(第1の可変入賞装置)などの注視するポイントが多いため、遊技者には第2の特別遊技へ移行したことが認識し難くなる。
さらに、該可変入賞装置は複数の可動部で構成されているため、通常遊技状態において入賞可動部以外の可動部(演出可動部)を頻繁に作動させておけば、第2の特別遊技へ移行時、第2の可変入賞装置の入賞可動部が開口しても、複数ある可動部のうちのひとつが作動したに過ぎないと遊技者が認識し、この第2の特別遊技へ移行したことを遊技者に悟られるのを一層抑制することができ、従来の突然確変状態及び突然時短状態への演出よりも格段に演出効果が高くなる。さらに遊技球が第2の可変入賞装置の入賞可動部へ入球し難い状態であっても、この第2の可変入賞装置の入賞可動部は遊技者に認知され難い状態であるため、遊技球が入球しなくても遊技者に損失感を与えることを抑制することができる。
手段2:手段1の遊技機であって、
上記第2の可変入賞装置の周囲に、上記1以上の演出可動部が設けられることを特徴とする。
上記の如く、上記第2の可変入賞装置の周囲に上記1以上の演出可動部を設けることによって、上記第2の可変入賞装置の入賞可動部と上記複数の可動部との区別がより一層行い難くなり、遊技者は、入賞可動部の作動による第2の特別遊技へ移行したことを認知され難くなる効果をもたらす。また、第2の可変入賞装置の入賞可動部の作動のタイミングと合わせて上記複数の可動部を作動させることで、遊技者は、これら可動部を1つの大きな役物として認識し、第2の可変入賞口が設けられていることを認知し難くなる効果を有する。
手段3:手段1及び手段2の遊技機であって、
上記特別遊技状態抽選手段を有すると共に遊技全体の制御を行う主制御装置と、上記主制御装置とデータ通信可能に接続されたサブ制御装置とを備え、
上記主制御装置は、第1の可変入賞装置の入賞可動部を制御する第1の可変入賞装置制御手段と、第2の可変入賞装置の入賞可動部を制御する第2の可変入賞装置制御手段とを有し、
上記サブ制御装置は、上記1以上の演出可動部を制御する可動部制御手段を有し、
上記可動部制御手段は、上記サブ制御装置へ送られる主制御装置からの遊技の演出に係る信号に基づいて制御を行うことを特徴とする。
上記の如く、サブ制御手段内の第2の可変入賞装置制御手段によって演出可動部を制御するように構成されているので、主制御手段の制御負担を軽減することができる。さらに、サブ制御手段に上記可動部制御手段を有することで、主制御手段からサブ制御手段へ送られる様々な演出に関する命令を利用して可動部を作動させることが可能となる。例えば、上記特別遊技状態抽選手段等の決定に基づいた変動図柄の変動態様を示す変動パターンコマンド、変動図柄を停止させる図柄確定コマンド等を利用して、図柄変動態様に略同期して上記複数の可動部を多種多様に作動させることができる。すると、上記複数の可動部が大当たり時以外の通常遊技状態において頻繁に作動することとなり、たとえ大当たり時(第2の特別遊技への移行)時に第2の可変入賞装置を作動させたとしても、遊技者は、単に通常遊技状態における可動部の作動の一種であると認識し、大当たりが発生したと悟られにくくなる。
手段4:手段1〜手段3の遊技機であって、
複数の図柄を変動表示する第1表示手段を備え、
上記サブ制御手段は、上記主制御手段から送られる上記特別遊技状態抽選手段で決定した遊技状態を表す情報を含む信号に基づき、上記第1表示手段で表示される図柄を自立的に決定する図柄表示制御手段を備え、
上記第1表示手段の図柄確定時の表示態様として、上記第1の特別遊技が実行及びその後に有利な価値が付与された遊技状態に移行することを遊技者に告知する特別遊技状態告知態様と、上記第2の特別遊技が実行及びその後に有利な価値が付与された遊技状態に移行することを遊技者に告知しない特別遊技状態非告知態様とを有すると共に、図柄表示制御手段は、上記表示態様で表示されるように第1表示手段の表示制御を行うことを特徴とする。
「表示態様を自立的に決定する」とは、主制御手段が表示態様を決定するのではなく、サブ制御手段が受信した信号を元に表示態様を独自に決定することをいう。
遊技者は、遊技中のほとんどの時間を、上記第1表示手段、例えば装飾図柄表示装置42等の演出用の表示装置で表示される変動図柄等を見ている。すなわち、遊技者が特別遊技状態へ移行したか否かを判断するのは、この装飾図柄表示装置42で表示される図柄の種類等によって判断することが一般的である。例えば、装飾図柄表示装置42上で「7、7、7」等図柄が揃った場合、遊技者は「確率変動付き大当たり」という特別遊技状態に移行したことを判断できるのである。
前述のように、移行する特別遊技状態の内容と装飾図柄表示装置42へ表示される図柄との関係を、上記サブ制御手段が有する表示制御手段が決定している。
このサブ制御手段が有する表示制御手段において、移行する特別遊技状態の内容と表示される図柄の関係(例えば「7,7,7」が停止図柄ならば「確率変動付き大当たり」であり、「1、4、2」が停止図柄であれば「外れ」等)を変更すると、遊技者は所定の特別遊技状態遊技状態へ移行したか否かを判断することができなくなる。例えば、主制御基板で「確率変動付き大当たり」が発生したことをサブ制御基板へ通知された場合、サブ制御基板で、従来ならば「7、7、7」と表示すべきところを「1、4、5」のように停止図柄が揃っていない状態としておけば、遊技者は、大当たりであるにも関わらず「外れ」と認識することとなる。
このような表示態様を上記特別遊技状態非告知態様とし、反対に「7、7、7」等停止図柄が揃っている場合は大当たりを表すという従来どおりの表示態様を特別遊技状態告知態様とする。
上記特別状態非告知態様であれば、遊技状態が「確率変動付き大当たり」へ移行したとしても、図柄表示上は「外れ」の表示となっているため、遊技者は「外れ」と認識し、続く遊技状態が実際は「確率変動状態」であっても、遊技者は既に「外れ」と認識している、すなわち、続く遊技状態を通常状態であると認識する。すると、確率変動状態からでしか発生することがない大当たり演出を、通常状態から発生したかのように見せる特殊な演出が可能となり、一般的に言う「突然確変」等を効果的に演出することができ、さらに、手段1と併用することで、手段1における第2の可変入賞装置の動作による特別遊技状態へ移行した事象の隠蔽効果と相俟って、格段に優れた効果をもたらす。
手段5:手段4の遊技機において、
上記遊技盤面が、一側が主遊技球通路に、他側が副遊技球通路になるように、正面視で左右非対象に構成され、且つ、前記第2の可変入賞装置が前記副遊技球通路に設けられていることを特徴とする遊技機。
このように、第2の可変入賞装置を、本来、遊技球の通過が少ない副遊技球通路に設けることによって、特別遊技状態非告知態様における確率変動のスタートであっても、主可変入賞装置を開くことなく、特別遊技状態開始時の可変入賞装置(大入賞口)の開口というルールを、本来遊技球の通過が少ない側の遊技球通路において入賞を許容する第2の可変入賞装置でもって実現できるので、第1表示手段を、外れの抽選状態と同様に機能させることと相まって、遊技者に確率変動付大当たりがスタートしたということを遊技者に悟られ難くなる。
手段6:手段5の遊技機において、
上記演出可動部の少なくとも1つの可動部はリーチ状態となった場合に作動することを特徴とする。
上記構成の如く少なくとも1つの可動部はリーチ状態となった場合に作動するような構成であれば、一般にリーチ状態は頻出するということから、遊技中は頻繁に演出可動部が作動することになる。したがって、複数ある可動部のうちの1つの可動部である第2の可変入賞装置の入賞可動部が作動したとしても、第2の可変入賞装置の入賞可動部の可動であるということを遊技者は認識し難くなるので、上記作用効果が一層発揮される。但し、リーチ状態となった場合に限定するものではなく、リーチ予告状態等で作動しても良い。
手段7:手段5又は手段6の遊技機において、
前記主遊技球通路にスルーゲートが設けられている。
このように、主遊技球通路にスルーゲートが設けられていることにより、この左側の盤面が主遊技球通路であることの認識が強く意識され、且つ、スルーゲートへの遊技球通過に注意が向けられ、特別遊技状態非告知態様に際して副遊技球通路において第2の可変入賞装置の入賞可動部が開口しても、この特別遊技状態が開始したことを認識され難くなる。
手段8:手段5〜手段7の遊技機において、
前記主遊技球通路では、案内釘が主役物の端部にまで延長されていることを特徴とする。
このように、案内釘が主役物の端部にまで延長されていることで、前記主遊技球通路における入賞率が高くなり、前記主遊技球通路への遊技球の打ち込みが多くなって、副遊技球通路において第2の可変入賞装置が機能しても認知され難い。
手段9:手段5〜手段8の遊技機において、
前記主遊技球通路の方が副遊技球通路よりも案内釘の数が多いことを特徴とする。
このように、前記主遊技球通路の方が副遊技球通路よりも案内釘の数が多いことによって、前記主遊技球通路における入賞率が高くなり、左側の盤面が前記主遊技球通路であることの認識が出て、常に注意が注がれることになり、特別遊技状態非告知態様に副遊技球通路において第2の可変入賞装置が機能しても認知され難い。
手段10:手段5〜手段9の遊技機において、
前記主役物の上端には副遊技球通路側に遊技球が運ばれるのを防止する突起体が設けられている。
このように、副遊技球通路側に遊技球が運ばれるのを防止する突起体を設けることによって、特別遊技状態非告知態様において、打ち込まれた遊技球の殆どを前記主遊技球通路の方に強制的に誘導して、前記主遊技球通路の方における入賞率を高めることができる。
手段11:手段4〜手段10の遊技機において、
特別遊技状態非告知態様における第2の特別遊技実行後の有利な価値が付与された遊技状態において、上記第1表示手段の表示態様が通常時と異なるように構成されていることを特徴とする。
このように、特別遊技状態非告知態様における第2の特別遊技実行後の有利な価値が付与された遊技状態(確率変動状態や時間短縮状態等)において、第1表示手段の表示態様が通常時と異なるように構成されていれば、第2の可変入賞装置の入賞可動部の作動時には特別遊技が発生したことを遊技者に認識され難いが、その後の確率変動状態や時間短縮状態等の有利な価値が付与された遊技状態に移行したことは遊技者に確実に認知される。
尚、表示態様が通常時と異なるとは、例えば、通常時とキャラクタを変えたり、通常時と背景色を変えたりすることにより達成される。
手段12:手段4〜手段11の遊技機において、
上記始動口には、遊技球を案内する開放位置と遊技球が入りにくくなる閉塞位置を採りうる開閉部材が設けられており、前記特別遊技状態非告知態様において、第2の特別遊技が実行されその後に有利な価値が付与された遊技状態における開閉部材は、通常時より開閉部材への入球確率が高くなるようにその開閉動作を行なうことを特徴とする。
特別遊技状態非告知態様における開閉部材の開閉動作が、通常時より開閉部材への入球確率が高くなるようにその開閉動作を行なえば、開閉部材の開閉動作が変化する。したがって、第2の可変入賞装置の入賞可動部の作動時には特別遊技状態が発生したことを遊技者に認識され難いが、その後の確率変動状態や時間短縮状態等の有利な価値が付与された遊技状態に移行したことは遊技者に確実に認知される。
手段13:手段4〜手段10の遊技機において、
特別遊技状態非告知態様における第2の特別遊技実行後の有利な価値が付与された遊技状態において、上記第1表示手段の表示態様が通常時と同様となるように構成されていることを特徴とする。
このように、特別遊技状態非告知態様における第2の特別遊技実行後の有利な価値が付与された遊技状態(確率変動状態や時間短縮状態等)において、第1表示手段の表示態様が通常時と同様(背景色等が変化しない、或いはキャラクタが同一である等)となるように構成されていれば、特別遊技終了後の確率変動状態や時間短縮状態等の有利な価値が付与された遊技状態であっても第1表示手段の表示態様が変化しないので、確率変動状態や時間短縮状態等の有利な価値が付与された遊技状態にあることを遊技者に認知され難い。
手段14:手段4〜手段10及び手段13の遊技機において、
上記始動口には、遊技球を案内する開放位置と遊技球が入りにくくなる閉塞位置を採りうる開閉部材が設けられており、特別遊技状態非告知態様において、当該開閉部材の開閉動作が通常時と同様となるように構成されていることを特徴とする。
このように、特別遊技状態非告知態様において、開閉部材の開閉動作が通常時と同様となるように構成されていれば、特別遊技が発生した後の確率変動状態や時間短縮状態等の有利な価値が付与された遊技状態にあることを遊技者に認知され難い。
手段15:手段14の遊技機において、
上記始動口の上方に配置された波状のステージと、
該ステージの下方に配置された風車と、
上記始動口に対し、通常時には遊技球の入球を抑制する一方、第2の特別遊技が終了して有利な価値が付与された遊技状態に移行した後においては遊技球の入球を促進させるように上記風車の位置を制御する風車制御機構と、
を有することを特徴とする。
このように、風車と、この風車を制御する風車制御機構を設け、ステージから落下してきた遊技球を、通常時には遊技球の始動口への入球を制限し、確率変動状態及び/又は時間短縮状態等の有利な価値が付与された遊技状態へ移行した後においては、その入球を促進することによって、本来、確率変動付特別遊技状態が発生した場合に享受できた利益、例えば、開閉部材の稼動による入賞等が、前記非告知態様を導入した結果として稼動させられなくなったことによって得られなくなるのを、このように風車を制御することによって、遊技者に気付かれることなく、別の形態で享受できることになり、非告知態様を導入したことによって不利益が生じないようにすることができる。
手段16:手段15の遊技機において、
前記波状のステージには、遊技球をガイドする凹部が設けられており、
前記風車制御機構が、前記凹部の中心の仮想延長線上で、且つ、前記始動口の横側上方に前記風車の支持軸を配置し、通常時は前記支持軸の先端側を、前記始動口に近づく方向に傾斜変位させて遊技球の始動口への入球を抑制し、特別遊技状態非告知態様における第2の特別遊技後の有利な価値が付与された遊技状態においては、前記支持軸の先端側を始動口から遠ざかる方向に傾斜変位させて遊技球の入球を促進するように構成されていることを特徴とする。
これによって、風車の支持軸の先端側を傾斜変位させる僅かの変化だけで遊技球の始動口への入球を制御できるので、遊技者に非告知態様にあることを悟られない状態で、大当たりによる利益享受が実現できる。
手段17:手段15又は手段16の遊技機において、
前記風車制御機構は、前記風車により誘導された遊技球をより確率高く始動口に入球させるように始動口の命釘の横側方に設けた誘導釘を含むことを特徴とする。
このように、始動口の命釘の横側方に誘導釘(案内釘)を設けることで、上述した風車による遊技球の始動口への入球に際しての制御をより確実なものとすることができる。
手段18:手段13〜手段17の遊技機において、
遊技者が遊技球発射ハンドルから手を離したことを検出する検出手段と、
特別遊技状態抽選の保留球が存在しているか否かを判定する保留球有無判定手段と、
特別遊技状態非告知態様であることを示す突然確変当たり状態フラグと、
特別遊技状態非告知態様であることを報知する報知手段と、
報知手段の駆動を制御する報知制御手段と、
を備え、
上記報知制御手段は、特別遊技状態非告知態様において、上記検出手段の検出結果及び保留球有無判定手段の判定結果により、遊技者が遊技球発射ハンドルから手を離したこと、及び保留球が無い状態であること、の2つの条件成立時に上記報知手段を駆動することを特徴とする。
手段13〜手段17の遊技機においては、第2の特別遊技実行後の有利な価値が付与された遊技状態中でも遊技者に認識しにくくする演出を施しているため、遊技者がそのまま認識しないまま遊技を終了してしまう(遊技機から離れてしまう・遊技場から去る)可能性がある。そこで、特別遊技状態非告知態様において、上記検出手段の検出結果及び保留球有無判定手段の判定結果により、遊技者が遊技球発射ハンドルから手を離したこと、及び保留球が無い状態であること、の2つの条件成立時に上記報知手段を駆動することにより、上記遊技者の不利益を防止することが可能となる。
手段19:手段13〜手段17の遊技機において、
特別遊技状態非告知態様における第2の特別遊技実行後の有利な価値が付与された遊技状態において、第1表示手段における図柄の変動が規定回数以上となった場合に、遊技者に有利な価値が付与された遊技状態であることを報知することを特徴とする。
上記構成の如く、第1表示手段における図柄の変動が規定回数以上となった場合に、遊技者に確率変動状態や時間短縮状態等の有利な価値が付与された遊技状態であることを報知すれば、手段10と同様の作用効果が発揮される。
手段20:手段13〜手段17の遊技機において、
遊技盤内には第2表示手段が設けられ、この第2表示手段は、上記特別遊技状態告知態様のみならず、特別遊技状態非告知態様のときであっても、特別遊技状態であることを報知するような構成であることを特徴とする。
一般に、第2表示手段は第1表示手段の如く遊技機に注視されるものではない。なぜなら、通常、第2表示手段はランプが点滅、或いは、異なる種類の色彩のランプが交互に点灯しているだけのものだからである。したがって、特別遊技状態非告知態様のときであっても、特別遊技状態であることを報知するような構成であっても、遊技者に悟られるおそれは少ない。また、遊技場における管理者(ホールの従業員等)は第2表示手段より特別遊技状態であることを確認できるので、利便性が向上する。
〔第1の形態〕
以下、本発明の最良の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、遊技機としてパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を挙げるが、本発明は、パチンコ機の入賞装置の他に、球体を用いて遊技盤上で遊技を行う遊技機一般の入賞装置を対象とすることができる。なお、実施形態は、本発明の主旨から逸脱しない限り適宜設計変更可能なものである。
(パチンコ機正面側の構成)
図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の斜視図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。以下に、外枠11と内枠12との構成を個別に説明する。
上記外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。このように構成することにより、パチンコ機の軽量化を図ることができるからである。
一方、上記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみてハンドル(後述する遊技球発射ハンドル18)設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。このような構成とするのは、内枠12の開閉軸線がハンドル設置箇所側(図1のパチンコ機10の右側)で上下方向にあるとすると、内枠12を開放する際に遊技球発射ハンドル18の頭部等が隣なりのパチンコ機やカードユニット(球貸しユニット)に干渉することになり、内枠12を十分に開放できないからである。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
また、内枠12は、大別すると、その最下部に取り付けられた下皿ユニット13と、この下皿ユニット13よりも上側の範囲で内枠12の左側の上下方向の開閉軸線を軸心にして開閉自在に取り付けられた前面枠セット14と、図示しない樹脂ベースと、この樹脂ベースの後側に取り付けられる後述の遊技盤30とを備えている。これらの各構成を以下に詳細に説明する。
上記下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22と音出力口24が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。上記球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。上記遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、発射ソレノイドを備えた遊技球発射装置によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。上記音出力口24は、下皿ユニット13内あるいは背面に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように、その右側が下皿15に片待ち支持されている。
なお、下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。特に、下皿15を形成する表面層と下皿奥方の前面パネル部分とを難燃性のABS樹脂にて成形している。このため、この部分は燃えにくくなっている。
一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が前面枠セット14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。従来のパチンコ機では前面枠セットの下方に内枠に対し開閉可能な前飾り枠が設けられ、該前飾り枠に上皿が設けられていたのであるが、本実施の形態では前飾り枠が省略され、前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。また、上皿19の左下方には、装飾図柄表示装置42の背景を変える等の操作を遊技者が行なうための演出ボタン79が設けられている。
加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり遊技状態時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、通常の大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する構成である。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
次に、図3を用いて遊技盤30の構成を説明する。図3は遊技盤30の構成を示す正面図であり、図4は主大入賞口400付近を模式的に示す図である。遊技盤30は、一般入賞口31、上始動口32aと下始動口32b(作動チャッカ32bで構成)とから成る第1の始動口32、第2の始動口412(スルーゲートで構成)、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置41、装飾図柄表示装置42等を備えている。これらの一般入賞口31、第1の始動口32、第2の始動口412、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。また、下始動口32bの入り口には、図4に示すように一対の開閉羽根60(図3における開閉羽根430)が設けられており、遊技球を案内する開放位置と、下始動口32b内に遊技球が入りにくくなる閉塞位置を採りうる。開閉羽根60は、遊技盤30の裏面側に配設されたソレノイドSL1(図10参照)によって駆動される。また、下始動口32bの下方には、主大入賞口400が配置されている。主大入賞口400は常時はシャッタ62が閉塞されており、特別遊技状態となると開放される。シャッタ62は遊技盤30の裏面側に配設されたソレノイドSL2(図10参照)によって駆動される。
前述の一般入賞口31、主大入賞口400および第1の始動口32に遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ等)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、各種部材(役物)が配設されている。
上記特別図柄表示装置38は、第1の始動口32への入賞をトリガとして識別情報としての特別図柄を変動表示し、上記装飾図柄表示装置42は特別図柄の変動表示に対応した装飾図柄を変動表示し、上記普通図柄表示装置41は第2の始動口412の通過をトリガとして普通図柄を変動表示する。
上記特別図柄表示装置38は2色のLED38a,38bで構成されており、後述する主制御装置261により表示内容が制御される。各LED38a,38bは、例えば赤色と青色との可変表示がなされるようになっている。
上記装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。装飾図柄表示装置42には、例えば上、中、及び下の3箇所に識別情報としての図柄が表示される。これら図柄がスクロールされて装飾図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、装飾図柄表示装置42(液晶表示装置)は例えば10インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備えている。
上記普通図柄表示装置41は、普通図柄用のランプ41a,41bを備えている。この実施例では、普通図柄用のランプ41aは、例えば、装飾図柄表示装置42の表示面の左方に設けられ、その外観形状は「○」形状となっている一方、普通図柄用のランプ41bは、ランプ41aの下側に隣接して設けられ、その外観形状は「×」形状となっている。普通図柄表示装置41は、遊技球が第2の始動口412を通過する毎に例えばランプ41a、41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、具体的には、ランプ41a,41bが交互に光り、ランプ41aで停止した場合に第1の始動口32の下始動口32bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口412を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ801aにて点灯表示されるようになっている。なお、ランプ41a,41bは、装飾図柄表示装置42の一部で変動表示される複数個の表示部としても良い。
上記主大入賞口400は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。より詳しくは、特別図柄表示装置38が特定の表示態様となったこと(装飾図柄表示装置42の停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなったこと)を条件に特別遊技状態が発生する。そして、主大入賞口400が所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、所定時間(例えば30秒:第1の所定時間に相当)の経過又は所定個数(例えば9個)の入賞を1ラウンドとして、主大入賞口400が所定回数繰り返し開放される。なお、上記所定時間(例えば30秒)は、遊技球の単位時間当たりの最大発射数と、遊技盤上の釘調整状態とに基づいて定まる入賞率の下で、複数の入球が予測できる時間として設定されたものである。遊技球が第1の始動口32を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ800aにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ800aは、装飾図柄表示装置42の一部で変動表示される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。なお、レールユニット50はフッ素樹脂を添加して成形されているので、遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)か内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図3の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図3の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。
内レール51および外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球を図示しないファール球通路に導くための役目をなす。
尚、遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される遊技領城が従来よりもはるかに大きく構成されている。
(本発明の特徴的部分の構成)
上記遊技盤30の遊技盤面が、左側が主遊技球通路410に、右側が副遊技球通路411になるように、正面視で左右非対象(主役物451、副役物452(第2の可変入賞装置及び演出可動部に相当:詳細は後述)、案内釘450の配置など)に構成されている。更に、前記主大入賞口400とは別の副大入賞口401が前記副遊技球通路411に設けられ、且つ、前記主遊技球通路410にスルーゲートである第2の始動口412が設けられているのである。
前記主遊技球通路410では、案内釘450が主役物451の端部にまで延長され、前記主遊技球通路410の方が副遊技球通路411よりも案内釘450の数が多くなっている。
案内釘450の配置は、具体的には、主遊技球通路410において、上下略中間位置で、左方に寄った位置に設けられた風車413から、一対の開閉羽根430を備えた可変入賞装置32の始動口32aの命釘414に向かって、7本の案内釘450が連続配置され、ついで、遊技球の通過を許す間隔を隔てて、6本が連続配置され、ついで、遊技球の通過を許す間隔を隔て、さらに、4本が連続配置され、再び遊技球の通過を許す間隔を隔て、2本が連続配置され、更に、遊技球の通過を許す間隔を隔て、且つ、前記命釘414との間にも遊技球の通過を許す間隔を隔てて1本が配置されている。これら一連の案内釘450の列を、ここでは上列案内釘群450Aとする。
上述した一連の案内釘450に平行で、その下方に遊技球通路415を形成するように案内釘450が配置され、斜め下方に所定の間隔で配置された3つの一般入賞口31に対する案内をしている。
具体的には、上記風車413の下方に、遊技球通路415を隔てて、3本の案内釘が配置され、遊技球の上段の一般入賞口31への通過を許す間隔を隔てて、続いて6本が連続配置され、その後、中段の一般入賞口31への入賞を許す間隔を隔て、ついで、7本が連続配置され、再び、下段の一般入賞口31への入賞を許す間隔を隔て、更に、3本が連続配置され、更に、主大入賞口400への入賞を許す間隔を隔て、同様に、3本が連続配置されて、再び主大入賞口400への入賞を許す間隔が、可変入賞装置32との間に隔てられている配置とされている。これら一連の案内釘450の列を、ここでは下列案内釘群450Bとする。そして、この下列案内釘群450Bの最下端の3本の下方に、遊技球通路417を隔てて、2本の案内釘450が配置され、その斜め横下方に、遊技球の通過を許す間隔を隔て、1本ずつの案内釘450が配置されており、主大入賞400への案内の役目を果たしている。
これに対し、副遊技球通路411においては、上記上列案内釘群450Aに相当するものとして、可変入賞装置32の始動口32aの命釘414から、右斜め上方に向けて、上列案内釘群450Cとして、遊技球を通過させる所定の間隔を隔て、順に、1本、2本、4本、2本が配置されているのみである。また、下列案内釘群450Dとしても、同様に、下方から上方に向けて、且つ、遊技球通路416を形成して、3本、5本、5本が配置されているのみである。このような案内釘450の配置であるので、副遊技球通路411に打ち込まれた遊技球は、主として通路420を通って、アウト口に案内されることになる。
また、前記下列案内釘群450Dの延長線上に、第2の可変入賞装置の開口部分が位置するように設けられている。
一方、前記主役物451の上端には副遊技球通路側411に遊技球が運ばれるのを防止する突起体453が設けられている。
この突起体453は、ここでは、遊技盤30の上端の遊技球の副遊技球通路側411側への飛球コースを遮るように配置された案内釘群450Eと相まって、副遊技球通路側411に遊技球が運ばれるのを防止している。上記突起体453としては、他に、別の副役物の意匠を配置することで実現してもよい。
尚、図3における412はスルーゲートである。
上記第2の可変入賞装置を含む副役物452は、前記副大入賞口401とこの副大入賞口401の開閉動作を行う嘴452A(大入賞口401及び嘴452Aで第2の可変入賞装置が構成される)、その他の可動部(首452B、羽根452C:演出可動部に相当)で構成されており、鳥をイメージした立体的な意匠により構成されている。
図5は副役物452の正面図であり、図6は副役物452の斜視図である。副役物452は、嘴452A、首452B、羽根452C、及び胴体452Dで構成された鳥をイメージしたキャラクタ部と、副役物全体を装飾するための装飾部材452Eとで構成されている。嘴452Aが前記副大入賞口401の開閉動作の役割を備え、開閉可動な構造となっている。また、首452B、及び羽根452Cも所定の条件の下で可動する構造となっている。但し、胴体452Dは装飾用として特に可動しない構造となっている。嘴452AはソレノイドSL3によって駆動され、このソレノイドSL3は主制御装置261によって制御されている(図10参照)。首452BはソレノイドSL4によって駆動され、羽根452CはソレノイドSL5によって駆動され、これらソレノイドSL4,SL5はサブ制御装置262によって制御されている(図10参照)。このように入賞口の役割を持たない首452B、羽根452Cを駆動するソレノイドSL4,SL5の制御をサブ制御装置262で行うことによって主制御装置261の処理負担を軽減させている。
次に、副役物452の構造の詳細を、図7及び図8を用いて説明する。
先ず、嘴452Aに係る構造について説明する。嘴452Aを駆動するソレノイドSL3は、ソレノイドSL3の駆動軸899(図8参照)の伸張・縮退に応じてA方向又はB方向に揺動する連結部材SL3−1を具備している。駆動軸899の先端には、図8に示すように、下方に延びる舌片900が固定されている。この舌片900はソレノイドSL3の励磁、消磁状態に応じて左右方向(図8(a)中のN1方向、N2方向)に動く構造であり、また舌片900の作動領域内には、連結部材SL3−1に設けられた被押圧部901が存在する。連結部材SL3−1は軸902を中心に回動する構造であり、連結部材SL3−1の両側面には円筒状の出っ張り部903が一体形成されている。この出っ張り部903の前面側には、案内溝SL3−2が形成されている。
嘴452Aの裏側には軸孔452A−2が形成されており、この軸孔452A−2に装飾部材452Eの支軸(図示しない)が嵌り込み、嘴452Aが装飾部材452Eに回動自在に軸支されている。さらに、嘴452Aの裏側には操作軸452A−1が突設されており、この操作軸452A−1は上記案内溝SL3−2内に摺動可能に遊嵌されている。
上記構成であれば、ソレノイドSL3が励磁されると、駆動軸899が縮退し、これに伴い舌片900は図8(a)の状態からN1方向に動く。そうすると、舌片900により連結部材SL3−1の被押圧部901が押圧され、連結部材SL3−1が軸902を中心にA方向(図8(a)参照)に回動し、図8(b)の状態となる。このように、連結部材SL3−1が回動して案内溝SL3−2が上側に移動すると、これに伴って操作軸452A−1がC方向(図7参照)に回動されることで、嘴452Aは上記支軸を中心にして回動し、開放状態となる。
逆に、ソレノイドSL3が消磁されると、駆動軸899が伸張し、これに伴い舌片900は図8(b)の状態からN2方向に動く。そうすると、舌片900による被押圧部901の押圧状態が解除され、連結部材SL3−1が軸902を中心にB方向(図8(a)参照)に回動し、図8(a)の状態となる。このように、連結部材SL3−1が回動して案内溝SL3−2が下側に移動すると、これに伴って操作軸452A−1がD方向(図7参照)に回動されることで、嘴452Aは上記支軸を中心にして回動し、閉鎖状態になる。
次に羽根452Cに係る構造について説明する。羽根452Cの裏側には軸孔452C−2が形成されており、この軸孔452C−2に装飾部材452Eの支軸(図示しない)が嵌り込み、羽根452Cが装飾部材452Eに回動自在に軸支されている。一方、羽根452Cを駆動するソレノイドSL5は、ソレノイドSL5の駆動軸(図示しない)の伸張・縮退に応じてE方向及びF方向に上下動する伝達部材SL5−1を具備している。この伝達部材SL5−1の先端は、羽根452Cの裏側に設けられた案内孔452C−1に遊嵌されている。
上記構造により、ソレノイドSL5が励磁されると、伝達部材SL5−1はE方向に駆動され、これにより、上記支軸を中心に羽根452CがG方向に回動される。逆に、ソレノイドSL5が消磁されると、伝達部材SL5−1がF方向に駆動され、これにより、上記支軸を中心に羽根452CがH方向に回動される。
次いで、首452Bに係る構造について説明する。まず、首452Bを駆動するソレノイドSL4は、ソレノイドSL4の駆動軸(図示しない)の伸張・縮退に応じてI方向又はJ方向に移動する可動部材452Iを具備している。この可動部材452Iには係止片452I−1が形成されている。また、首452Bは、鳥の首部分をイメージして形成された平板452B−1で構成されており、この平板452B−1の裏面には、回転軸452B−2が突設されている。この回転軸452B−2は、伝達板452Gの一端に形成されている孔452G−2に挿入されて、固定具452Hにより固着されている。一方、伝達板452Gの他端には突起452G−1が形成されている。この突起452G−1は係止片452I−1に係止されている。
上記構造により、ソレノイドSL4の励消磁状態に応じて伝達部材452IはI方向又はJ方向に移動し、それに伴い伝達板452Gが連動して動き、平板452B−1がK方向又はL方向に回動する。
また、上記可動部分以外の部材である装飾部材452Dは、嘴452A及び羽根452Cを覆うように装飾部材452Eに固設されて鳥の胴体部分を表現する役目をし、また、ガイド部材452Fは嘴452Aに入球した遊技球を所定の場所へ誘導するための部材であり、装飾部材452Eの背面に配設される。
(副役物452の動作)
副役物452の全体的な動きについて、図9を用いて説明する。また、電気的な制御の詳細は後述する。図9は、サブ制御装置が受信するコマンドと、各可動部の動作を表したタイミングチャートである。
副役物452の可動部は、嘴452A、首452B及び羽根452Cであることは前述した。ここで嘴452Aの動くタイミングは、突然確変大当たりが発生した時のみである。これに対して、首452B及び羽根452Cは、装飾図柄が変動表示されている期間、装飾図柄すべてが停止した時、通常の確変大当たりが発生した時及び突然確変大当たりが発生した時に動作するようになっている。
具体的には、嘴452Aは、突然確変大当たりが発生するのと略同時に、極僅かな時間(例えば0.5秒)開放させて遊技球の入賞を許可し、今度は極僅かな時間(例えば1秒)閉鎖し、再度極僅かな時間(例えば0.5秒:第2の所定時間に相当)開放させて、一連の突然確変大当たりに対する副大入賞口の開閉動作を終了させる。なお、上記極僅かな時間(例えば0.5秒:第2の所定時間に相当)は、遊技球の単位時間当たりの最大発射数と、遊技盤上の釘調整状態とに基づいて定まる入賞率の下で、少なくとも1個の遊技球が入球可能な最低時間として設定されたものである。
一方、装飾図柄の変動表示期間中における、首452B及び羽根452Cを動作させるタイミングとしては、装飾図柄が変動表示され、例えば、装飾図柄の各段が停止(図11の図柄行Z1、Z2及びZ3の各々が停止、或いはZ3のみ停止)した時と略同時に首452Bを左右に動作させたり、羽根452Cの開閉動作をさせたりする。なお、首452Bと羽根452Cの動作パターンは、装飾図柄の変動表示の変動パターン(例えば、前述の図柄行Z1等の停止するタイミング、リーチ予告演出に合わせた変動図柄の停止のタイミング等)に夫々予め対応付けられており、これにより首452B及び羽根452Cは、多様な装飾図柄の変動表示の演出に応じた動作を行うようになっている。装飾図柄の変動表示の変動パターンと、首452B及び羽根452Cの動作パターンとの対応付けについては後述する。
(副役物452の作用)
上記構成の遊技機において、確率変動付大当たり時に上記装飾図柄表示装置42によって表示される表示態様として、確率変動付大当たり状態であることを遊技者に告知する大当たり告知態様(装飾図柄表示装置42の有効ライン上に同一の数字、例えば、7、7、7が揃っている状態である)と、確率変動付大当たり状態であることを遊技者に告知しない大当たり非告知態様(即ち特別遊技状態非告知態様。装飾図柄表示装置42の有効ライン上に同一の数字、例えば、7、4、2等で所定の図柄で揃っていない状態)を設けている。このように、大当たり非告知態様が設けられていることから、遊技者に対して意外性を発揮でき、遊技自体が単調になるのを抑制することができる。さらに大当たり非告知態様での大当たりにおいて、遊技球が副大入賞口へ入賞し難い状態であっても、この非告知態様を呈しているため、入賞し難い状態であることを遊技者に認知されないまま遊技が進行するので、遊技者に与える損失感を軽減することができる。上記効果によって、他機種に対する優位性が十分に発揮されるので、遊技場における遊技機の稼働率が飛躍的に向上する。
一方、通常時の遊技において、首452B及び羽根452Cを、装飾図柄の変動表示における変動パターンに略同期して動作させ、すなわち、突然確変大当たり状態でなくとも首452B及び羽根452Cを頻繁に作動させることによって、遊技者は、嘴452A、首452B及び羽根452Cの可動部を備えた大きな1つの役物(すなわち副役物452)として認識するようになり、さらに、突然確変大当たり状態で嘴452Aを第2の所定時間動作させる、或いは、嘴452Aと一緒に首452B及び羽根452Cを動作させることによって、単なる通常遊技時における役物の演出動作の1パターンとしてしか遊技者は認識せず、嘴452Aが突然確変大当たりにおける副大入賞口を開閉する入賞可動部の役目を果たしていることを悟られにくくする効果を発揮することができる。この結果、突然確変大当たりにおける副大入賞口の開閉が悟られにくくなる。
更に、上記のように遊技盤面の構成が、左右非対称に構成され、一方側、ここでは正面視で左側が、一般入賞口31を3ヶ所設けて、これらに遊技球を誘導する多数の案内釘450、誘導釘が配置された主遊技通路410に構成され、他側方、即ち、右側の副遊技球通路側411が一般入賞口のない構成の遊技機の場合に、その遊技球の飛球しない(突起体453で阻止)、又は飛球し難い、即ち、換言すると、ゲーム中に、常に注目されていないところの副遊技球通路側411に副大入賞口401を設けることによって、この副大入賞口401が、遊技球の入賞を許容するために開放させる変化を見せても、より遊技者に感知され難くて済むのである。
(パチンコ機の電気的構成及び各種制御処理)
次に、図10を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。パチンコ機10は、電源装置313と、電源監視装置540と、主制御装置261と、サブ制御装置262と、払出制御装置311と、表示制御装置45等を備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。尚、電源監視装置540と主制御装置261とは、封印ユニットで封印されている。
次いで、主制御装置261の構成について説明する。主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU501が搭載されている。MPU501には、該MPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアが備えられている。
なお、MPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図19参照)が即座に実行される。
主制御装置261のMPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、電源監視装置540内のRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置41、特別図柄保留表示装置800、普通図柄保留表示装置801や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。なお、特別図柄表示装置38は上記したように特別図柄表示ランプ38a,38bで構成されており、普通図柄表示装置41は上記したように普通図柄表示ランプ41a,41bで構成されており、特別図柄保留表示装置800は上記したように特別図柄に関する保留球の個数を表示する保留ランプ800aで構成されており、普通図柄保留表示装置801は上記したように普通図柄に関する保留球の個数を表示する保留ランプ801aで構成されている。
払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU511は、そのMPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのエリアが備えられている。
なお、主制御装置261のMPU501と同様、MPU511のNMI端子にも、停電時の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御装置311のMPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、払出モータ358aがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射ソレノイドによる遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射ソレノイドは、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311からカードユニットとの接続状態であることを示す接続信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル18に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射制御装置312は発射許可信号を主制御装置261に出力する。発射許可信号を入力した主制御装置261は、発射ソレノイド制御信号を発射制御装置312に出力する。これにより発射制御装置312は発射ソレノイド制御信号に応じて発射ソレノイドを駆動し、その結果、遊技球発射ハンドルの操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
サブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドに基づいて装飾図柄の変動表示に応じた演出用スピーカ810等の鳴動制御及び演出用ランプ811の点灯(点滅)制御、並びに、主制御装置261からのコマンドに基づいて表示制御装置45へのコマンドを編集して表示制御装置45に送信する機能を果たすものである。サブ制御装置262のMPU550には、そのMPU550により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM551と、ワークメモリ等として使用されるRAM552とを備えている。MPU550には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン553を介して入出力ポート554が接続されている。入出力ポート554には、スピーカ、ランプ、装飾図柄表示装置42における変動表示中において所定の表示演出を実行させるための演出用ボタン79、及び主制御装置261がそれぞれ接続されている。演出用ボタン79としては、例えば所定のキャラクタが順次出現する態様によって大当たり状態の可能性が大きいことを予告するステップアップ予告等の表示演出用ボタン等が挙げられる。なお、演出用ボタン79が押されると、所定の演出実行のための演出指定コマンドが生成されて、装飾図柄表示装置42に送信されようになっている。
表示制御装置45は、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置45は、ワークRAM等として使用されるRAM523を有するMPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529とを備えている。
MPU521は、サブ制御装置262から送信されてくる図柄表示コマンド(停止図柄コマンド、変動パターンコマンド、確定コマンド等)を入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し、又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行って画像コントローラ526の制御(具体的には画像コントローラ526に対する内部コマンドの生成)を実施する。プログラムROM522は、MPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値を記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。RAM523は、MPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
画像コントローラ526は、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)で構成されている。VDPは、装飾図柄装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路であり、ICチップ化されているため、「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は描画処理専用のソフトウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。画像コントローラ526は、MPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して、出力ポート529を介して装飾図柄表示装置42に出力して表示させる。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き換えることにより装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM525には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。特に、ビットマップ形式の図柄画像データにはそれぞれ図柄コード(図柄番号)が付与されており、コマンドレベルでは各図柄画像を図柄コードだけで管理可能としている。なお、キャラクタROM525を複数設け、各キャラクタROM525に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM522に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM525に記憶する構成とすることも可能である。
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541を備えている。この電源部541は、電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を、電源監視装置540、サブ制御装置262、払出制御装置311、表示制御装置45等に対して供給する。なお、主制御装置261に対しては、電源監視装置540を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。また、発射制御装置312に対しては、主制御装置261を介して動作電圧(12ボルト及び5ボルトの電圧)が供給される。
停電監視装置540は、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、リセット信号を出力するリセット回路544とを備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置261のMPU501及び払出制御装置311のMPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチが押下された場合に、主制御装置261及び払出制御装置311へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。主制御装置261及び払出制御装置311は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアする。
リセット回路544は、主制御装置261、払出制御装置311、サブ制御装置262、及び表示制御装置45を初期化するため、リセット信号を出力する回路である。なお、リセット回路544からのリセット信号は、主制御装置261に対しては直接与えられるが、払出制御装置311、サブ制御装置262、及び表示制御装置45に対しては、電源装置313を介して与えられるようになっている。
ここで、特別図柄表示装置38、普通図柄表示装置41、及び装飾図柄表示装置42の表示内容について説明する。なお、本実施形態のパチンコ機10においては、大当たりの発生を遊技者に示すための図柄として特別図柄表示装置38で表示される特別図柄と、装飾図柄表示装置42で表示される装飾図柄との2種類が設けられている。装飾図柄は、特別図柄と同期して変動が行われる図柄であり、特別図柄の変動開始と同時に(又はほぼ同時期に)変動を開始し、また特別図柄の変動停止と同時に(またはほぼ同時期に)変動を停止するものである。この装飾図柄は、遊技者に多種多様な表示演出を行って飽きにくい遊技性を備えるために設けられている。
先ず、特別図柄表示装置38の表示内容について説明する。特別図柄の変動表示は、特別図柄表示ランプ38a,38bの色変化(赤色・青色の変化)や点滅等の点灯パターンの変化により表現される。この特別図柄の変動表示は遊技球の始動口32への入賞に基づいて開始され、一定時間後に特別図柄の変動表示が同時に停止する。その停止後に、特別図柄が揃っている場合、即ち、特別図柄表示ランプ38a,38bが同一色の点灯状態となっているときは大当たりとなり、変動表示の停止時に特別図柄が揃っていなければ、即ち、特別図柄表示ランプ38a,38bが異色の点灯状態となっているときは、外れとなり、始動口32への入賞に基づいて再度の変動表示が行われる。遊技球が始動口32に入賞した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が特別図柄保留表示装置800の保留ランプ800aにて点灯表示されるようになっている。
次いで、装飾図柄表示装置42の表示内容について説明する。装飾図柄表示装置42の表示画面には、例えば、図11に示すように、上段・中段・下段に区分けされた3つの表示領域に3つの装飾図柄列Z1〜Z3が表示される。これら装飾図柄列Z1〜Z3は、右から左にスクロール表示される。装飾図柄は、例えばキャラクタ付きの「1」〜「9」の数字からなる主図柄と、主図柄より小さい副図柄とにより構成され、これら各主図柄および副図柄によって装飾図柄の図柄列が形成される。装飾図柄で形成される各図柄列では、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されている。始動口32への入賞すなわち始動入賞が発生すると、装飾図柄の変動表示が行われ、変動パターンに応じた一定時間の経過後に変動表示が停止し、装飾図柄表示装置42には縦3×横3の9個の装飾図柄が表示結果として表示される。大当たり抽選に当選した変動表示においては、9個の装飾図柄のうち水平あるいは斜めの一直線上に同一の主図柄(キャラクタ付きの数字の図柄)が3つ揃って停止するように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に大当たりの発生が示される。一方、大当たり抽選に外れた変動表示においては、9個の装飾図柄のうち水平あるいは斜めのいずれにも同一の主図柄が3つ揃って停止しないように表示制御装置45により制御が行われ、遊技者に外れの発生が示される。
次いで、普通図柄表示装置41の表示内容について説明する。普通図柄の変動表示は、普通図柄表示ランプ41a(外観が○形状)と、普通図柄表示ランプ41b(外観が×形状)とが交互に点灯することにより表現される。この普通図柄の変動表示は遊技球が第2の始動口34を通過することを条件として開始され、一定時間後に普通図柄の変動表示が停止する。そして、表示ランプ41aで停止した場合に第1の始動口32が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が普通図柄保留表示装置800の保留ランプ800aにて点灯表示されるようになっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。本実施の形態では、主制御装置261内のMPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり抽選や特別図柄表示装置38の図柄表示の設定などを行うこととしている。具体的には、図12に示すように、特別図柄に関連するカウンタ群と、普通図柄に関連するカウンタ群とを備えている。先ず、特別図柄に関連するカウンタ群について説明する。特別図柄に関連するカウンタ群としては、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、特別図柄表示装置38の大当たり図柄の選択に使用する大当たり図柄カウンタC2と、特別図柄表示装置38が外れ変動する際の停止パターンの選択(装飾図柄の変動においてはリーチとするか完全外れとするかのリーチ抽選に相当する)に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する種別を決定する変動種別カウンタCS1〜CS3とを備えている。
ここで、変動パターンとは、変動表示の特徴が共通するものを区分した場合における各パターン(形態)を意味している。
上記カウンタC1〜C3,CINI1,CS1〜CS3、は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア700が設けられており、これらの各エリアには、始動口32への遊技球の入賞タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
次いで、各カウンタの具体的な内容について詳述する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動口32に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,577,631,683,733」である。なお、高確率時とは、特別図柄の組合せが予め定められた確率変動図柄である特定図柄の組合せ(本実施形態においては特定図柄表示ランプ38a,38bが共に青色又は赤色で点灯する場合)によって大当たりになり付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確変の時をいい、通常時(低確率時)とはそのような確変状態でない場合(本実施形態においては特別図柄表示ランプ38aが青色で点灯する場合)をいう。
大当たり図柄カウンタC2は、大当たりの際、特別図柄表示装置38における特別図柄の変動停止時の図柄を決定するものであり、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり9)に達した後0に戻る構成となっている。例えば、大当たり図柄カウンタC2の値が「0」、「4」、「5」、「6」の場合の停止図柄は、特別図柄表示ランプ38aが青色で停止し、この場合の停止図柄の組み合わせは非特定図柄(通常の大当たり図柄)を意味する。なお、この大当たり図柄は、装飾図柄では偶数で一致する図柄となる。
大当たり図柄カウンタC2の値が「1」、「2」、「3」、「7」は告知態様確変当たり(通常の確変当たり)であり、この場合の停止図柄は、特別図柄表示ランプ38a,38bが共に青色で停止する。一方、大当たり図柄カウンタC2の値が「8」、「9」は非告知態様確変当たり(突然確変当たり)であり、この場合の停止図柄は、特別図柄表示ランプ38a,38bが共に赤色で停止する。なお、告知態様確変当たりの場合は、装飾図柄では奇数で一致する図柄となる一方、非告知態様確変当たりの場合は、装飾図柄では外れと同様に図柄が揃わない。
大当たり図柄カウンタC2は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動口32に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、特別図柄の変動表示は、2つの表示ランプ38a,38bで表現するように構成されているので、特別図柄の場合にはリーチという概念はなく、リーチに相当する停止パターンを停止パターン選択カウンタC3によって、決定することとしている。一方、装飾図柄の場合は、3つの装飾図柄が停止するので、リーチが存在する。従って、装飾図柄の場合は、リーチ抽選を、停止パターン選択カウンタC3によって決定している。即ち、装飾図柄の場合では、リーチ発生した後に最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしている。例えば、停止パターン選択カウンタC3=0〜201が完全外れに該当し、停止パターン選択カウンタC3=202〜208が前後外れリーチに該当し、停止パターン選択カウンタC3=209〜238が前後外れ以外リーチに該当する。
ここで、リーチとは、装飾図柄表示装置42の表示画面に表示される装飾図柄が変動表示を開始した後、先に停留する図柄の組合せが同一図柄(複数の有効ラインがある装飾図柄においてはいずれかの有効ライン上で同一図柄)であって大当たりの条件を満たしており、変動表示が続いている図柄の表示結果如何によっては大当たりとなることを遊技者に示唆して大当たりの図柄の組合せを遊技者に期待させる表示であり、興趣演出の1種である。興趣演出とは、変動表示の途中で装飾図柄表示装置42の表示画面にリーチに代表される所定の図柄を現出させたり、スピーカから特定の音声を出力したり、或いは、振動用のモータによって遊技球発射ハンドル18を振動させる等、通常とは異なる態様を変動表示に伴わせて変動表示後の表示結果が大当たりとなることを遊技者に期待させる演出である。
なお、停止パターン選択カウンタC3は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が始動口32に入賞したタイミングでRAM503の保留球格納エリア700に格納される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS3は、例えば0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後0に戻る構成となっている。
変動種別カウンタCS1によって、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等のリーチの種別のような大まかな図柄変動態様が決定され、変動種別カウンタCS2によって、例えばノーマルリーチA、ノーマルリーチB等のようにさらに細かな図柄変動態様が決定され、変動種別カウンタCS2によって、例えばすべり停止変動の場合の変動時間の加減算が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1〜CS3を組み合わせることで、変動パターンの多種多様性を容易に実現できる。
カウンタCS1〜CS3は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、特別図柄表示装置38による特別図柄及び装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してカウンタCS1〜CS3のバッファ値が取得される。
次いで、普通図柄に関連するカウンタ群について説明する。普通図柄に関連するカウンタ群としては、当たりの抽選に使用する当たり乱数カウンタC4と、当たり乱数カウンタC4の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI2とを備えている。
上記当たり乱数カウンタC4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア701が設けられており、これらの各エリアには、第2の始動口34への遊技球の通過に合わせて、当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
次いで、上記当たり乱数カウンタC4,初期値乱数CINI2の具体的な内容について詳述する。当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。そして、当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の当たり初期値乱数カウンタCINI2の値が当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINI2は、当たり乱数カンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。当たり乱数カウンタC4は定期的に(本実施の形態ではタイマ割込毎に1回)更新され、遊技球が第2の始動口34を通過したタイミングでRAM503の保留球格納エリア701に格納される。当たり乱数カウンタC4の当たりとなる乱数の値の数は149で、その値は「5〜153」である。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、不規則性を重視すれば、大当たり乱数カウンタC1、停止パターン選択カウンタC3、当たり乱数カウンタC4、変動種別カウンタCS1〜CS3の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
次に、図13から図19のフローチャートを参照して、主制御装置261内のMPU501により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2ミリ秒(以下「ms」で表す)周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図17はタイマ割込処理を示したフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置261のMPU501により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S601)。即ち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチを除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。次に、乱数初期値カウンタCINI1及び当たり初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S602)。具体的には、初期値乱数カウンタCINI1及び当たり初期値乱数カウンタCINI2をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ738,250)に達した際0にクリアする。そして、各カウンタCIN1,CIN2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域B4,B9に格納する。
更に、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3及び当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S603)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3及び当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、738,9,238,250)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域B1〜B4に格納する。次いで、始動口32への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S604)。その後、発射制御装置312に、発射ソレノイド制御信号や球送りソレノイド制御信号等を出力して発射制御処理を実行する(S605)。
図18のフローチャートを参照して、この始動入賞処理を説明する。まず、遊技球が始動口32に入賞(始動入賞)したか否かを作動口スイッチの検出情報により判別する(S701)。遊技球が始動口32に入賞したと判別されると(S701:Yes)、特別図柄表示装置42の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S702)。始動口32への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S702:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S703)、更に、前記ステップS703で更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM503の保留球格納エリア700の空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S704)。一方、始動口32への入賞がないか(S701:No)、或いは、始動口32への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S702:No)、S703及びS704の各処理をスキップして、始動入賞処理を終了する。始動入賞処理の終了後は、MPU501は本タイマ割込処理を一旦終了する。
図19はNMI割込処理を示したフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置261のMPU501により実行される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電監視装置540内の停電監視回路542から停電信号SG1が主制御装置261内のMPU501のNMI端子に出力され、MPU501は実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始する。本実施の形態におけるNMI割込処理を具体的説明すると、MPU501は電源遮断の発生情報の設定(具体的には停電フラグを論理「1」に設定)する(S801)。この停電フラグが論理「1」であるときは電源遮断(停電)状態であることを示し、停電フラグが論理「0」であるときは電源遮断(停電)でない通常状態であることを示す。なお、以下の説明において、「電源遮断の発生情報」とは停電フラグを意味するものである。
なお、図19のNMI割込処理のプログラムは、主制御装置261のROM502に記憶されている。停電信号SG1が出力された後の所定時間は、主制御装置261の処理が実行可能となるように電源装置313から停電監視装置540を介してバックアップ電源供給がなされており、この所定時間内にNMI割込処理が実行されるようになっている。
そして、NMI割込処理が行われた後は、通常処理に戻り、後述するように通常処理中において、最終処理プログラムまで処理の実行を行った後、電源断の発生情報を確認して、電源断の発生情報が設定されている場合は、停電処理に移行する。このようにして、停電時にはNMI割込処理を停電フラグの設定のみとし、通常処理をその最終処理プログラムまで実行した後に電源断の発生情報の設定を確認して停電処理に移行することにより、処理の圧縮、制御の簡略化を実現できる。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置311でも同様に実行され、また、停電信号SG1が出力された後所定時間は、払出制御装置311の処理が実行可能となるように電源部から電源供給がなされるのも同様である。
図13は主制御装置261内のMPU501により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。メイン処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。次いで、払出制御装置311及びサブ制御装置262が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(例えば1秒程度)を実行する(S102)。そして、ウェイト後は、RAM503のアクセスを許可する(S103)。
その後は、RAM消去スイッチがオンされているか否かを判別(具体的には電源監視装置からのRAM消去信号を入力したか否かで判別)し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS113へ移行する。一方、RAM消去スイッチがオンされていなければ(S104:No)、更にRAM503に電源断の発生情報の設定がなされているか否かを判別し(S105)、設定されていなければ(S105:No)、この場合にも、処理をS113へ移行する。電源断の発生情報が設定されている場合は(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、RAMに格納されているデータ(RAMにデータと称する)は破壊されているので、かかる場合にも処理をS113へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりRAMデータの有効性を判断するようにしても良い。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチを押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチが押されていれば、RAMの初期化処理(S113)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりRAMデータの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理等(S113〜S117)に移行する。即ち、S113からのRAMの初期化処理等では、RAM503の使用領域を0にクリアし,RAM503の初期値を設定する(S113)。次いで、払出制御装置311に対して払出初期化コマンドを送信し(S114)、次いで、電源投入時のコマンドを送信し(S115)、カウンタ及びタイマの初期設定を行う(S116)。その後、割込みを許可して(S117),後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチがオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が設定されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、処理をS108へ移行して、電源断の発生情報をクリア(停電フラグを「0」に設定)する。次に、払出制御装置311に対して払出復帰コマンドを送信し(S109)、次いで、サブ側の制御装置を電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復帰時のコマンドを送信し(S110)、カウンタ及びタイマの初期設定を行う(S111)。その後、割込みを許可して(S112),後述する通常処理に移行する。
次に、図14のフローチャートを参照して通常処理を説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S210の各処理が実行され、その残余時間処理内で停電フラグを監視し電源断の処理(S212〜S216)を実行する構成となっている。
通常処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置等に送信する(S201)。具体的には、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得遊技球数に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド(ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の図柄変動態様に関するコマンド)、装飾図柄の停止図柄コード情報指定コマンド(特定当たり指定、非特定当たり指定、外れ指定の何れかのコマンドであり、以下、「装飾停止図柄コード情報指定コマンド」と略称し、また場合によっては停止図柄コマンドとも称する)、演出コマンド(演出時間加算指定コマンド等が含まれる)演出停止コマンド(図柄確定コマンドとも称する)等をサブ制御装置262に送信する。
次に、変動種別カウンタCS1〜CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1〜CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。次いで、払出制御装置311より受信した賞球計数信号や払出異常信号や下皿満タン信号を読み込み(S203)、特別図柄表示装置38による特別図柄の変動表示を行うための特別図柄変動処理を実行する(S204)。なお、この特別図柄変動処理により、大当たり判定や特別図柄の変動パターンの設定に加えて、装飾図柄の表示演出のための変動パターンコマンド、装飾停止図柄コード情報指定コマンド、及び演出時間加算指定コマンドの決定なども行われる。なお、特別図柄変動処理の詳細は図15を参照して後述する。
特別図柄変動処理の終了後は、非告知態様確変当たり以外の大当たり(通常の大当たり、告知態様確変付大当たり)状態である場合において主大入賞口400を開放又は閉鎖するための主大入賞口開閉処理を実行する(S205)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に主大入賞口400を開放し、主大入賞口400の最大開放時間が経過したか、又は主大入賞口400に遊技球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると主大入賞口400を閉鎖する。これを所定ラウンド数繰り返し実行する。なお、本パチンコ機では、主大入賞口400の連続開放のための特定領域(Vゾーン)は設けられておらず、従って、大当たり状態時には、所定ラウンド数の途中で終了することはなく、必ず所定ラウンド数全てが実行されるようになっている。
なお、非告知態様確変当たりの場合は、主大入賞口400の開放処理は行わず、それに代わって、副大入賞口401の開放処理が行われる(S206)。
次いで、ステップS207では、普通図柄表示装置41による普通図柄の表示制御を実行する。簡単に説明すると、遊技球が第2の始動口412を通過したことを条件に、その都度、当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、普通図柄表示装置41の表示ランプ41a,41bにて普通図柄の変動表示が実施される。そして、当たり乱数カウンタC4の値により普通図柄の抽選が実施され、普通図柄の当たり状態(「○」表示された状態)になると、第1の始動口32が所定時間開放される(S208)。
次いで、電源断の発生情報の設定がなされているか否かを判別し(S209)、設定されていれば(S209:Yes)、処理をS213へ移行し、割込み禁止を設定し(S213)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置に対して送信し(S214)、その後、制御信号の出力を停止する(S215)。次いで、RAM判定値を算出し、保存する(S216)。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後は、RAM503のアクセスを禁止して(S217)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
電源断の発生情報の設定がなされていない場合は(S209:No)、処理はステップS210に移り、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S210)、既に所定時間が経過していれば(S210:Yes)、処理はステップS201に戻る。
一方、前回の通常処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S210:No)、所定時間に至るまでの、即ち次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、初期値乱数カウンタCINI1、及び当たり初期値乱数カウンタCINI2並びに、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新を繰り返し実行する(S211,S212)。まず、初期値乱数カウンタCINI1及び当たり初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S211)。具体的には、カウンタCINI1,CINI2をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738、250)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、カウンタCINI1,CINI2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域B4,B9にそれぞれ格納する。次に、カウンタ変動種別カウンタCS1〜CS3の更新を実行する(S212)。具体的には、変動種別カウンタCS1〜CS3をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1〜CS3の更新値をRAM503の該当するバッファ領域B5,B6,B7にそれぞれ格納する。
このようにして、S201〜S210の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して初期値乱数カウンタCINI1及び当たり初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、初期値乱数カウンタCINI1(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)及び当たり初期値乱数カウンタCINI2(即ち、当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1〜CS3についてもランダムに更新することができる。
次に、図15のフローチャートを参照して、特別図柄変動処理(S204)を説明する。特別図柄変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S401)。大当たり中としては、大当たりの際に装飾図柄表示装置42で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S401:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S401:No)、特別図柄表示装置38による特別図柄の変動表示中であるか否かを判別し(S402)、特別図柄の変動表示中でなければ(S402:No)、特別図柄表示装置38の作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S403)。作動保留球数Nが0であれば(S403:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S403:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S404)、保留球格納エリア700に格納されたデータをシフト処理する(S405)。このデータシフト処理は、保留球格納エリア700の保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具体に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、特別図柄の変動開始処理を実行する(S406)。なお、変動開始処理については図16を参照して後述する。
S402の処理において、特別図柄の変動表示中である場合には(S402:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S407)。特別図柄の変動時間はその特別図柄の変動パターンに応じて決められており、変動時間が経過していない場合は(S407:No)、特別図柄の表示図柄を更新し(S408)、本処理を終了する。ここで、「特別図柄の表示図柄を更新」とは、特別図柄表示ランプ38a,38bを現在の点灯状態と異なる点灯状態に変化させることを意味する。例えば、特別図柄表示ランプ38a,38bの点灯色を変化させる場合が該当する。変動時間が経過した場合は(S407:Yes)、特別図柄の停止図柄を表示図柄に設定する(S409)。ここで、「特別図柄の停止図柄を表示図柄に設定」とは、特別図柄表示ランプ38a,38bを停止図柄(特定当たり、非特定当たり、外れにそれぞれ対応するランプの点灯色)で点灯状態とすることを意味する。次いで、演出パターン停止コマンドを設定して(S410)、本処理を終了する。
次に、図16のフローチャートを参照して、変動開始処理を説明する。変動開始処理(S406)では、まず、保留球格納エリア700の実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S501)。大当たりか否かは大当たり乱数カウンタ値とその時々の態様との関係に基づいて判別される。前述した通り通常の低確率時には大当たり乱数カウンタC1の数値0〜738のうち「373,727」が当たり値であり、高確率時には「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,577,631,683,733」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S501:Yes)、保留球格納エリア700の実行エリアに格納されている大当たり図柄カウンタC2の値に対応する図柄、即ち大当たり図柄を大当たり図柄カウンタC2の値と図柄との対応関係を表す図示しないテーブルに基づいて求め、その図柄(特定図柄、又は非特定図柄の何れか)を停止図柄に設定する(S502)。次いで、変動種別カウンタCS1,CS2のカウント値を確認にして大当たり演出パターンを決定する(S503)。
次に、変動種別カウンタCS3の値を確認して演出時間加算を決定する(S504)。次に、ステップS503で決定された大当たり演出パターンにより、演出パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンドとも称する)を設定し(S505)、ステップS502で設定された停止図柄により、装飾停止図柄コード情報コマンドを設定し(S506)、ステップS504で演出時間加算を決定したときは演出時間加算指定コマンドを設定する(S506)。このようにして、ステップS501〜S507により、大当たりの場合における、演出パターン指定コマンド、装飾停止図柄コード情報コマンド、演出時間加算指定コマンドがそれぞれ設定される。
S501の処理で大当たりではないと判別された場合には(S501:No)、外れ図柄を停止図柄に設定する(S508)。外れ演出パターンを決定する(S509)。そして、ステップS504〜S507の処理により、大当たりでない場合における、演出パターン指定コマンド、装飾停止図柄コード情報コマンド、演出時間加算指定コマンドがそれぞれ設定される。
なお、非告知態様確変当たり(突然確変当たり)の場合は、上記したように特別図柄は確変当たりの停止図柄であるが、装飾図柄の停止図柄は外れの場合の停止図柄となる。従って、上記ステップS506の装飾停止図柄コード情報コマンドとしては、外れを指定する内容のコマンドとされる。つまり、通常の大当たり、告知態様確変当たり(通常の確変当たり)の場合は、上記ステップS506の装飾停止図柄コード情報コマンドとしては、それぞれ非特定(通常当たり)指定、特定(確変当たり)指定を内容とするコマンドとされるが、非告知態様確変当たりの場合は、外れの場合と同様の停止図柄とするために、外れ指定を内容とするコマンドとされる。非告知態様確変当たりか否かは、大当たり図柄カウンタC2の値に基づいて判別される。即ち、上記のしたように大当たり図柄カウンタC2の数値0〜9のうち、「0,4,5,6」が通常の大当たり値であり、「1,2,3,7」が告知態様確変当たり値であり、「8,9」が非告知態様確変当たり値であるので、大当たり図柄カウンタC2の値に基づいて非告知態様確変当たりか否かを判別することができる。
尚、非告知態様確変当たりの場合には、外れの場合と同様の停止図柄となるように外れ指定を内容とするコマンドに限定するものではなく、例えば、「1,2,3」のような非告知態様確変当たり専用図柄を指定するコマンドを使用するようにしても良い。
ここで、図27に基づき、突然確変当たりの処理を行うまでの全体的な流れを述べる。まず大当たりが発生したかを判断する。大当たりが発生していない場合は(S1600:No)、大当たり処理は行わず、通常処理を引き続き行う。大当たりが発生している場合は(S1600:Yes)、その大当たりが確率変動当たりかを判断する。確率変動当たりではない場合は(S1602:No)、通常当たり処理を行う(S1603)。確率変動当たりの場合は(S1602:Yes)、さらに大当たり非告知態様であるかを判断する。大当たり非告知態様でない場合は(S1604:No)、確率変動当たりを遊技者に認識させるために通常確変処理を行う(S1605)。大当たり非告知態様の場合は(S1604:Yes)、ソレノイドをONして副大入賞口401を開く(S1606)。副大入賞口401の開放時間が1秒経過したか判断され(S1607)、1秒経過したらソレノイドをOFFして副大入賞口401を閉じる(S1608)。その後、装飾図柄表示装置42の特別表示処理を行ない(S1609)、更に一対の開閉羽根430を備えた可変入賞装置32の特別処理を行なう(S1610)。
具体的には、装飾図柄表示装置42の特別表示処理とは、例えば、通常時とキャラクタを変えたり、通常時と背景色を変えたりすることであり、本最良の形態では、通常時は背景色を青色とする一方、確率変動時は背景色を紫色とするような構成である。また、可変入賞装置32の特別処理とは、一対の開閉羽根430が開放する時間や回数を変えたり、開閉羽根430の開放するか否かの抽選時間を変えたりすること等であり、本最良の形態では、通常時は30秒間に1回、開閉羽根430を開放するか否かの抽選を行い、当選した場合には0.5秒間だけ開閉羽根430の開放(回数は1回だけ)する一方、確率変動時は2秒間に1回、開閉羽根430を開放するか否かの抽選を行い、当選した場合には1.0秒の間隔で1.0秒間だけ開閉羽根430の開放(回数は3回)するような構成である。
次に、図20及び図21を参照して、サブ制御装置262のMPU550により実行される各処理について説明する。図20は、サブ制御装置262のメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
サブ制御装置262のメイン処理は、まず電源投入に伴う初期設定処理を実行し(S911)、I/Oやタイマの初期化、及び、タイマ割込等の各割込の設定を行う。次いで、電源断処理が全て完了しているか否か、即ち、ランプが全て消灯されているか、スピーカが消音されているか等が判別される(S912)。電源断処理が全て完了している場合(S912:Yes)は、処理はS914に移行する。電源断処理が全て完了していない場合(S912:No)は、RAM552が破壊されているおそれがあるので、RAM552が破壊されているか否かを判定する(S913)。具体的には、RAM552にはRAM破壊チェックデータが予め設定されており、このRAM破壊チェックデータによって判定するようになっている。RAM552が破壊されていないと判定されたときは(S913:No)、処理はステップS917に移る。一方、RAM552が破壊されていると判定されたときは(S913:Yes)、RAM552の各領域について読み書きチェックを行い(S914)、この読み書きチェックの結果に基づきRAM552が正常に機能するか否かを判別する(S915)。RAM552が正常でない場合(S915:No)は、所定のランプを点灯させてRAMの異常を報知する(S921)。
一方、RAM552が正常であれば(S915:Yes)、RAM552にRAM破壊チェックデータを設定する(S916)。次いで、電源断後の電源投入か否かが判断され(S917)、電源断後の電源投入でない場合(S917:No)は、RAM522の未初期化領域以外の領域をクリアする(S918)。これにより、主制御装置261から送信されたコマンドのうち電源コマンド以外は全てクリアされる。次いで、タイマ割込や主制御装置261からのコマンドの受信処理等の割込みを許可状態とする(S919)。次いで、RAM522の初期値設定を行い(S920)、その後、後述する通常処理に移行する。一方、ステップS917で電源断後の電源投入であれば、処理はステップS919に移る。
次いで、図21を参照して、サブ制御装置262の通常処理について説明する。先ず1ms以上経過したか否かが判断される(S1031)。1ms経過前であれば(S1031:No)、装飾図柄に関連する、外れ図柄や大当たり図柄、予告図柄等の生成のための乱数を更新する(S1040)。具体的には、大当たり装飾図柄(特定図柄用)カウンタ、大当たり装飾図柄(非特定図柄用)カウンタ、リーチ装飾図柄カウンタ、完全外れ装飾図柄カウンタ、予告図柄等の演出用図柄カウンタ等が設けられており、これら装飾図柄に関連するカウンタの値を更新する。なお、これらのカウンタの値はランダムに更新する。即ち、MPU550に内蔵のRレジスタの値を用いることにより、これらのカウンタの値をランダムに更新する。即ち、これらのカウンタの更新時には、前回値にRレジスタの下位2ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に「6」が減算されて今回値が決定される。
乱数の更新処理(S1040)後は、主制御装置261からのコマンド受信し、各コマンドに対応した処理を行う(S1041)。ここで、主制御装置261からのコマンドが、装飾図柄の表示に関連するコマンドの場合は、そのコマンドを基に表示制御装置45へのコマンドを編集し、その編集したコマンドを表示制御装置45に送信する。具体的に説明すると、主制御装置261からの表示コマンドとしては、変動パターン指定コマンド(停止パターン選択カウンタC3と変動種別カウンタCS1,CS2とに基づき生成されたコマンドであって、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の図柄変動態様を指定するコマンド)、装飾停止図柄コード情報コマンド(特定当たり指定、非特定当たり指定、外れ指定の何れかのコマンドである)、演出コマンド(変動種別カウンタCS3に基づき生成された変動時間の変更等コマンド)、及び全停止コマンド(装飾図柄停止のコマンド、いわゆる確定コマンド)等が該当する。一方、サブ制御装置262は、主制御装置261からの変動パターン指定コマンドはそのまま表示制御装置45に送信するが、装飾停止図柄コード情報コマンドは特定当たり指定、非特定当たり指定、外れ指定それぞれの具体的な装飾図柄(停止図柄)を決定したコマンドに編集する。この編集に当たっては、MPU550内の装飾図柄カウンタにより停止図柄が決定されるようになっている。また、主制御装置261からの演出コマンドは、変動時間の変更等に加えて、各種演出の指定をも含むコマンドに編集する。そして、サブ制御装置262は、これらのコマンドを表示制御装置45に送信する。これにより、表示制御装置45では、受信したコマンドを解析し、そのコマンドに応じて装飾図柄の画像生成を行い、装飾図柄表示装置42に出力することにより、装飾図柄表示装置42では所定の演出表示で変動表示が実行されることになる。
その後、RAM552が破壊されているか否かを確認し(S1042)、破壊されていなければ(S1042:No)、処理はステップS1031に戻る。破壊されていれば(S1042:Yes)、無限ループ処理となる。
一方、ステップS1031において、1ms以上経過していれば(S1031:Yes)、装飾図柄表示装置42の演出パターンに対応したランプ点灯パターンを演出用ランプ811に出力し、演出用ランプ811を点灯する(S1032)。なお、ランプ点灯パターンの作成は、具体的には後述するステップS1037の処理により行われる。次いで、電源投入コマンドにより、所定ランプを30秒間点灯させ、報知する(S1033)。次いで、装飾図柄のタイトルと静止画の切替を行うための客待ち演出コマンドを生成して表示制御装置45に送信する(S1034)。次いで、特別図柄の保留個数を装飾図柄表示装置42で表示する場合は、その保留個数表示更新時にはそのためのコマンドを生成して表示制御装置45に送信する(S1035)。
次いで、演出ボタン79の入力操作を確認し、入力操作があったときは、その演出ボタン79に応じた所定の演出が装飾図柄表示装置42において表示演出されるように演出コマンドを生成して、表示制御装置45に送信する(S1036)。次いで、装飾図柄表示装置42の演出パターンに対応したランプ点灯パターンを編集し(S1037)、装飾図柄表示装置42の演出パターンに対応したスピーカ810の鳴動パターンを編集し、その鳴動パターンをスピーカ810に出力する(S1038)。
次いで、装飾図柄表示装置42の表示演出を実行するための種々の時間管理を行う(S1038)。その後、ステップS1040、S1041、S1042を経て、ステップS1031に戻る。
このようにして、サブ制御装置262では、装飾図柄の変動表示に応じた演出用スピーカ810の鳴動制御及び演出用ランプ811の点灯(点滅)制御、並びに、主制御装置261からのコマンドに基づいて表示制御装置45へのコマンドを編集して表示制御装置45に送信する
次いで、表示制御装置45における表示制御について説明する。図22は表示制御装置45内のMPU521により実行される表示制御処理を示すフローチャートである。MPU521は、図22に示す手順に従ってサブ制御装置262から提供される各種コマンドを処理しつつ装飾図柄表示装置42の表示制御を実行する。
先ず、サブ制御装置262から表示コマンドを受信したか否かを判別する(S1151)。受信していない場合(S1151:No)は、何らかのコマンドを受信するまで待機する。そして、表示コマンドを受信すると(S1151:Yes)、その表示コマンドの内容をRAM523に格納する(S1152)。次いで、RAM523に格納された情報に基づき、画像コントローラ526に対する内部コマンドを生成する等の各種の演算処理を開始する(S1153)。これにより、画像コントローラ526は、MPU521からの指令(内部コマンド)に応じて描画処理を開始する。なお、表示コマンドを一旦受信するとその後に確定コマンドを受信するまでの間、MPU521と画像コントローラ526との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。その間、MPU521は、画像コントローラ526の制御と図22に示すコマンド受信処理とを並行して行う。
その後、サブ制御装置262から確定コマンドを受信したか否かを判別する(S1154)。そして、確定コマンドを受信したことを条件に、ステップS1155に進み、画像コントローラ526に対して停止図柄での確定表示を指示する。これにより、画像コントローラ526は変動していた図柄を停止図柄で確定表示させる。こうして、図柄の変動開始から変動停止(確定表示)までの1ラウンドの表示処理が行われる。表示制御装置45は、図柄の変動開始時及び変動停止時にサブ制御装置262によるコントロールを受けるが、その間の図柄の継続的な変動については、表示制御装置45内のMPU521及び画像コントローラ526による自立的な画像制御によって担保されている。
次に、図23を参照して、払出制御装置311内のMPU511により実行される払出制御について説明する。図23は、払出制御装置311のメイン処理を示したフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットにより起動される。
先ず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1201)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込み態様を設定する。次に、RAMアクセスを許可すると共に(S1202)、外部割込ベクタの設定を行う(S1203)。
その後は、RAM513に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1204)、記憶されていなければ(S1204:No)、処理をS1210へ移行する。RAM513に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1204:Yes)、RAM判定値を算出し(S1205)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1206:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、RAM513に保存されているデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1210へ移行する。なお、前述した通り、RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりRAM513に保存されているデータの有効性を判断するようにしても良い。
ステップS1210からのRAMの初期化処理では、RAM513の使用領域を0にクリアし(S1210)、RAM513の初期値を設定する(S1211)。その後、MPU511周辺デバイスの初期設定を行うと共に(S1208)、割込みを許可して(S1209)、後述する払出制御処理に移行する。
一方、電源断の発生情報が設定されており(S1204:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1206:Yes)、復電時の処理(電源遮断復旧時の処理)を実行する。即ち、RAM513の初期値を設定し(S1207)、MPU511周辺デバイスの初期設定を行うと共に(S1208)、割込みを許可して(S1209)、後述する払出制御処理に移行する。
次に、図24のフローチャートを参照して、払出制御処理を説明する。この払出制御処理は、払出制御装置311のメイン処理に続いて実行される。払出制御処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、総賞球個数として記憶する(S1301)。ここで、主制御装置261からのコマンドが、正規コマンドであれば全て払出を許可する。なお、主制御装置261からのコマンドが、賞球コマンド、払出復帰コマンド、払出初期化コマンドであればそれに応じた処理を行う。
次いで、主制御装置261から送信される払出許可コマンドを受信しているか否かが判定される(S1302:No)。そして、払出許可コマンドを受信すると(S1302:Yes)、状態復帰スイッチ321をチェックした結果、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S1303)。
その後、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S1304)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S1305)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた7セグメントLEDにより報知する(S1306)。
次に、S1307、S1308、S1315の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく且つS1301の処理で記憶した総賞球個数が0でなければ(S1307:No,S1308:No)、図25に示す賞球制御処理を開始する(S1315)。一方、賞球の払出不可状態(S1307:Yes)または総賞球個数が0であれば(S1308:Yes)、貸球払出の処理に移行する。なお、賞球制御処理は後述する。
S1309、S1310、S1316の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S1309:No,S1310:Yes)、図26に示す貸球制御処理を開始する(S1316)。なお、貸球制御処理は後述する。
一方、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していなければ(S1309:No,S1310:No)、または、貸球の払出不可状態であれば(S1309:Yes)、球詰まり状態解除のためバイブレータの制御(バイブモータ制御)を実行する(S1311)。その後は、停電発生か否かを判定し(S1312)、停電発生でなければ(S1312:No)、処理はステップS1301に戻る。停電発生であれば(S1312:Yes)、電源断の発生情報を設定し(S1313)、RAM判定値を作成し(S1314)、その後はリセット信号の入力待ちのため無限ループに移る。
次いで、図25に示す賞球制御処理を説明する。賞球制御処理では、まず、払出モータ358aを正方向回転駆動させて賞球の払出を実行する(S1401)。払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1402)、正常でなければ(S1402:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1403)、その後、図23の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1402:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1404)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1404:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1405)、その後、図24の払出制御処理に戻る。
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1404:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別し(S1406)、払出が完了していれば(S1406:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1407)、その後、図20の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1406:No)、そのまま、図24の払出制御処理に戻る。
次いで、図26に示す貸球制御処理を説明する。貸球制御処理では、まず、払出モータ358aを正方向回転駆動させて貸球の払出を実行する(S1501)。払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別し(S1502)、正常でなければ(S1502:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1503)、その後、図24の払出制御処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば(S1502:Yes)、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する(S1504)。遊技球のカウントが正常でなければ(S1504:No)、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し(S1505)、その後、図24の払出制御処理に戻る。
更に、遊技球のカウントが正常であれば(S1504:Yes)、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別し(S1506)、払出が完了していれば(S1506:Yes)、払出モータ358aの停止処理を実行し(S1507)、その後、図24の払出制御処理に戻る。一方、払出が完了していなければ(S1506:No)、そのまま、図24の払出制御処理に戻る。
(副役物452の制御に関する機能構成)
本発明に係る副役物452を制御するために必要な構成を、図29を用いて説明する。図29は、主制御装置261及びサブ制御装置262の機能ブロック図である。主制御装置261にはソレノイドSL3が接続されており、ソレノイドSL3は上記副大入賞口の入賞可動部の役目を持つ嘴452Aを駆動させる。また、このソレノイドSL3は嘴ソレノイド制御部1200によって制御される。サブ制御装置262には、ソレノイドSL4及びソレノイドSL5が接続され、ソレノイドSL4は首452Bを、ソレノイドSL5は羽根452Cを夫々駆動させる役割を持つ。このソレノイドSL4及びソレノイドSL5は、可動部ソレノイド制御部1202によって制御される。副役物452の駆動処理のメイン部分である受信コマンド判定処理部1201は、主制御装置261から送られてくる所定のコマンド(本実施例では、変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、図柄確定コマンド及び大当たりオープニングコマンド)を受信したときに、受信した各コマンドに対応する首452B及び羽根452Cの動作パターンを動作パターンテーブル群(詳細は後述する)から選択し、この選択された動作パターンに従って上記首452B、羽根452Cを動作させる(すなわち、ソレノイドSL4及びソレノイドSL5を励消磁させる)。
上記の動作パターンテーブル群とは、4つのテーブルT1〜T4(首パターンテーブルT1、羽根パターンテーブルT2、首動作パターンテーブルT3、羽根動作パターンテーブルT4)のことである。
首パターンテーブルT1は、図30(1)に示すように、主制御装置261から送信された変動パターンコマンドによって指定される変動パターン番号夫々に対して、首動作パターン番号がそれぞれ割り当てられており、変動パターンコマンドが保持している変動パターン番号をキーにして一意に首タイプ番号が決定される構造となっている。同様に、羽根パターンテーブルT2は、図30(2)に示すように、主制御装置261から送信された変動パターンコマンドによって指定される変動パターン番号夫々に対して、羽根動作パターン番号がそれぞれ割り当てられており、変動パターンコマンドが保持している変動パターン番号をキーにして一意に羽根タイプ番号が決定される構造となっている。例えば、送られてきた変動パターンコマンドの変動パターン番号が001であった場合、首パターンテーブルT1によって首動作パターンとして「首タイプ1」が、羽根パターンテーブルT2によって羽根動作パターンとして「羽根タイプ5」が選択される。
首動作パターンテーブルT3は、図30(3)のように、首動作パターンの具体的な動作内容が各動作パターンに一意に対応するように格納されている。上記の例では、「首タイプ1」の動作内容はソレノイドSL4を「励磁1秒消磁0.5秒×1回」、すなわち「ソレノイドSL4を開放(励磁)状態で1秒間継続し、その後、閉鎖(消磁)状態を0.5秒間継続する。この一連の処理を1回行う」という意味である。
同様に、羽根動作パターンテーブルT4は、図30(4)に示すように、羽根動作パターンの具体的な動作内容が各動作パターンに一意に対応するように格納されている。また、変動パターンコマンド以外のコマンドに対するソレノイドSL4及びソレノイドSL5の動作内容は、首動作パターンテーブルT3及び羽根動作パターンテーブルT4に格納されている(例えば、突然確変大当たり時のソレノイドSL4の動作内容は、首タイプ126)。
サブ制御装置262内の受信コマンド判定処理部1201は、前述の首452B及び羽根452Cの動作パターン番号を決定する機能を持ち、決定した番号は、動作パターンアドレス保持部1203に保存しておく。この保存された各動作パターン番号は、前述の可動部ソレノイド制御部1202が参照し、各ソレノイドを制御する仕組みになっている。
また、サブ制御装置262内の可動部演出抽選カウンタC10は、受信コマンド判定処理部1201が図柄確定コマンドを受信した時のみ抽選を行い、図柄確定コマンドによって装飾図柄の変動表示が停止した時に首452B及び羽根452Cを動作させるか否かをランダムに決定させる機能を有する。本実施例においては、例えば、可動部演出抽選カウンタC10は0〜58の範囲をとるループカウンタとし、「7、13、29、41」を当選値とする。この可動部演出抽選カウンタC10による抽選によって演出するか否かを決定することによって、演出可動部の動作が画一的なものとならないように抑制する効果を奏する。
上記各機能を踏まえて、具体的な処理の流れを以下に説明する。
図31は、上記受信コマンド判定処理部1201の処理の流れを示すものである。先ず、ステップS2100において、主制御装置261から送信されてきたコマンドを受信し、この受信コマンドの内容を判定する。そして、受信コマンドが変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、図柄確定コマンド及び大当たりオープニングコマンドの何れかである場合には、首452B及び羽根452Cを動作させるための動作パターンを決定すべく、当該受信コマンドに応じた所定の処理を施す(S2101、S2102、S2103、S2104)。ここで、上記変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、図柄確定コマンド及び大当たりオープニングコマンドは主制御装置261から時系列に送信されてくる。すなわち、これらのコマンドは、装飾図柄の変動表示開始から始まり、変動表示の停止および大当たりの発生という遊技の流れに対応したコマンドであるため、必ずこの順番に送信される。この性質を踏まえて各受信したコマンドに対応した上記所定の処理を以下に説明する。
受信コマンド判定処理部1201は、変動パターンコマンドを受信した場合、変動パターンコマンド処理(S2101)を行う。変動パターンコマンドは、装飾図柄の変動表示における表示態様を指定するものであり、変動パターンコマンド処理(S2101)は、この複数ある変動パターンに対応した演出可動部の動作パターンを決定する処理である。
また、停止図柄コマンドを受信した場合、停止図柄コマンド処理(S2102)を行う。停止図柄コマンド処理(S2102)は、前記変動パターンコマンド処理(S2101)で決定した副役物の動作パターンに従って演出可動部の動作を開始させるトリガの役目を担っている。
次に、図柄確定コマンドを受信した場合、図柄確定コマンド処理(S2103)を行う。図柄確定コマンドは、装飾図柄の変動表示を停止させるコマンドであり、図柄確定コマンド処理(S2103)では、このコマンドの受信を契機に、すなわち、変動表示が停止したタイミングで演出可動部を動作させるための処理を行う。さらに、本実施例では、演出可動部の動作が画一的にならないようにする為、図柄確定コマンドを受信しても常に演出可動部を動作させるのではなく、演出可動部演出抽選カウンタC10を利用して、演出可動部を動作させるか否かを決定する。この抽選に当選した時のみ、演出可動部を動作させることとする。
次に、大当たりオープニングコマンドを受信した場合、大当たり処理(S2104)を行う。大当たりオープニングコマンドとは、大当たりが発生した時に、装飾図柄表示装置42へ特別遊技状態であることを表す表示演出を行うのが一般的であるが、この表示演出の開始を示すのが本コマンドである。よって、大当たり処理(S2104)は、突然確変大当たりが発生した時にも副役物を動作させるための処理である。これは、突然確変大当たりが発生している、すなわち、嘴452A(副大入賞口の入賞可動部)の開閉処理が行われていることを遊技者になるべく悟られないようにするのが目的である。
次いで、上記各コマンド処理の詳細について説明する。
図32は変動パターンコマンド処理(S2101)の内容を表すフローチャートである。まず、変動パターンコマンドが持つ変動パターン番号に対応する首452Bの動作パターン番号(首タイプ番号)を首パターンテーブルT1から選択する(S2200)。選択した首タイプ番号を格納しているアドレスを、動作パターンアドレス保持部1202へ保存しておく(S2201)。同様に、変動パターン番号に対応する羽根452Cの動作パターン番号(羽根タイプ番号)を羽根パターンテーブルT2から選択する(S2202)。選択した羽根タイプ番号を格納しているアドレスを、動作パターンアドレス保持部1202へ保存する(S2203)。一連の処理によって、主制御装置261から送信された変動パターンに対応した演出可動部の動作パターン番号が決定されることとなる。この保存された動作パターン番号は、後述する演出可動部ソレノイド制御部1202が利用する。
図33は、停止図柄コマンド処理(S2102)の内容を表すフローチャートである。前述したように、停止図柄コマンドを受信したタイミングで演出可動部の動作を開始させるため、停止図柄コマンド処理(S2102)は、実際にソレノイドSL4、ソレノイドSL5を駆動制御する演出可動部ソレノイド制御部1202に対して、ソレノイドの制御開始を命令するだけである(S2300)。
図34は、図柄確定コマンド処理(S2103)の内容を表すフローチャートである。まず、演出可動部演出抽選カウンタC10の値を参照し、副役物を動作させるか否かを判定する(S2400)。抽選に外れた場合は(S2400:No)、処理を終了する。すなわち、装飾図柄の変動表示が停止しても副役物を動かさないことである。一方、抽選に当選した場合(S2400:Yes)、図柄確定コマンド用の首パターン番号(首タイプ番号)を、首動作パターンテーブルT3から取得する(S2401)。取得した首タイプ番号を動作パターンアドレス保持部1202へ保存する(S2402)。同様に、羽根動作パターン番号(羽根タイプ番号)を羽根動作パターンテーブルT4から取得し(S2403)、羽根タイプ番号を動作パターンアドレス保持部1202へ保存する(S2404)。各動作パターン番号が決定後、最後に演出可動部ソレノイド制御部1202へ副役物の動作を開始させる命令を送信して(S2405)、一連の処理は終了する。
図35は、大当たり処理(S2104)の内容を表すフローチャートである。突然確変当たり用の首動作パターン番号(首タイプ番号)を、首動作パターンテーブルT3から取得する(S2500)。取得した首タイプ番号を動作パターンアドレス保持部1202へ保存する(S2501)。同様に、羽根動作パターン番号(羽根タイプ番号)を羽根動作パターンテーブルT4から取得し(S2502)、羽根タイプ番号を動作パターンアドレス保持部1202へ保存する(S2503)。各動作パターン番号が決定後、最後に演出可動部ソレノイド制御部1202へ演出可動部の動作を開始させる命令を送信して(S2504)、一連の処理は終了する。
上記の各受信コマンド別の処理は、演出可動部を動作させるための動作パターン番号を決定する事が主な役割であるが、実際に演出可動部を動作させる制御は、以下に説明する演出可動部ソレノイド制御部1202が行う。
図36は、演出可動部ソレノイド制御部1202の機能ブロック図である。演出可動部ソレノイド制御部1202は、上記各受信コマンド別の処理部から送られてきたコマンドを受信し副役物の動作パターンを解析する動作パターン読取部1300と、ソレノイドSL4を駆動制御するためのソレノイドSL4制御部1301と、ソレノイドSL5を駆動制御するためのソレノイドSL5制御部1302と、ソレノイドSL4の励磁及び消磁の時間間隔を計測するタイマTM1と、ソレノイドSL5の励磁及び消磁の時間間隔を計測するタイマTM2と、ソレノイドSL4の開閉動作の回数をカウントするカウンタC20と、ソレノイドSL5の開閉動作の回数をカウントするカウンタC21を有する。
上記構成に基づいて、図37に示す、演出可動部ソレノイド制御部1202の処理フローを説明する。
まず、動作パターンアドレス保持部1202に保存されている首タイプ番号を読取る(S2600)。この首タイプ番号を用いて、首動作パターンテーブルT3から実際にソレノイドSL4を駆動させる内容(例えば、励磁1s消磁0.5s×2回)を読取る(S2601)。この読取った内容を解析し、ソレノイドSL4制御部1301、タイマTM1及びカウンタC20を用いて、ソレノイドSL4を励磁及び消磁させて制御する(S2602)。同様に、動作パターンアドレス保持部1202に格納されている羽根タイプ番号を読取る(S2603)。この番号を用いて、羽根動作パターンテーブルT4から実際にソレノイドSL5を駆動させる内容を読取る(S2604)。この読取った内容を解析し、ソレノイドSL5制御部1302、タイマTM2及びカウンタC21を用いて、ソレノイドSL5を励磁及び消磁させて制御する(S2605)。このように、ソレノイドSL4が励消磁されることによって首452Bが動作し、ソレノイドSL5が励消磁されることによって羽根452Bが動作するのである。以上がサブ制御装置262における、首452B及び羽根452Cの演出可動部としての動作制御の流れである。
主制御装置261に設けられている副大入賞口、すなわち嘴452Aの制御について説明する。図29に示すように、嘴452Aを動作させるソレノイドSL3は、主制御装置261にある嘴ソレノイド制御部1200が制御する。
図38を参照して、嘴452Aの制御処理を説明する。図38は嘴ソレノイド制御部1200の処理フローチャートである。本実施例において、嘴452Aは突然確変大当たり時のみ動作させるため、大当たり図柄カウンタC2の値(実際はバッファB2)を参照して、突然確変大当たりが発生したかどうか判定する(S2700)。すなわち、本実施例においては、大当たり図柄カウンタC2が「8」、「9」のときにソレノイドSL3を制御することである。この突然確変大当たりが発生すれば、ソレノイドSL3を所定の駆動処理を行う(S2701)。例えば、ソレノイドSL3を0.5秒間だけ励磁し(すなわち嘴452Aは開放状態)、その後1.0秒間消磁(すなわち嘴452Aは閉鎖状態)し、再度0.5秒間励磁する(一般的には特別遊技状態における2ラウンド分の遊技を行う)。このような処理によって突然確変大当たりに対する副大入賞口の開閉処理を行う。
また、上記の処理方法に限らず、この主制御装置261での副大入賞口の処理方法を、前述した図28の処理によって実施しても問題はない。
上記のような処理を行うことによって、遊技者は、嘴452A、首452B及び羽根452Cの可動部を備えた1つの役物(すなわち副役物452)として認識するようになり、突然確変大当たり状態で副大入賞口である嘴452Aを第2の所定時間動作させても単なる役物の演出動作の1パターンと認識し、嘴452Aが突然確変大当たりにおける副大入賞口を開閉する入賞可動部の役目を果たしていることを悟られにくくする効果を発揮することができる。この結果、突然確変大当たりにおける副大入賞口の開閉が悟られにくくなる。
〔第2の形態〕
突然確変当たりの処理が若干異なる他は、上記第1の形態と同様の構成である。具体的には、図28に示すように、S1609において通常表示処理を行い、更にS1610において一対の開閉羽根430を備えた可変入賞装置32の通常処理を行なうものであり、その他のステップ(S1600〜1608)は上記第1の形態と同様である。
具体的には、装飾図柄表示装置42の通常表示処理とは、例えば、通常時(特別遊技状態等を除く状態)とキャラクタや背景色等を全く変化させないような処理をいう。また、可変入賞装置32の通常処理とは、30秒間に1回、開閉羽根430を開放するか否かの抽選を行い、当選した場合には0.5秒間だけ開閉羽根430の開放(回数は1回だけ)するような処理をいう。このような処理を行うことによって、遊技者は大当たり非告知態様のときは、大当たりが発生したことのみならず、大当たり発生後の確率変動状態にあることをも遊技者に認知され難くなる。
〔第3の形態〕
上記第2の実施の形態では、確率変動当たりを遊技者に認識しにくくする演出を施しているので、遊技者がそのまま認識しないまま遊技を終了してしまう(遊技機から離れてしまう・遊技場から去る)可能性があり、遊技者の利益が損なわれる虞がある。そこで、第2の形態では、かかる遊技者の利益を損なわないために、突然確変当たり状態中に限り、「大当たり抽選の保留球が無い状態」かつ「遊技者が遊技球発射ハンドルから手を離す」条件を満たした場合に、スピーカから突然確変当たり状態を報知する(音声で告知など)ことを特徴とするものである。
以下に具体的な内容を説明する。
図39は主制御装置261及びサブ制御装置262の機能ブロック図であり、この図39は主として報知処理を実行するための機能的構成を示しており、報知処理実行機能に関連しない構成は省略して描いている。主制御装置261は、大当たり抽選の保留球が存在しているか否かを判定する保留球有無判定部1000と、報知処理を実行するか否かを判定する報知処理判定部1002と、報知コマンドを生成する報知コマンド生成部1004とを有する。報知処理判定部1002には、保留球有無判定部1000の判定出力信号、及びタッチセンサ1001からの検出出力信号がそれぞれ与えられる。また、報知処理制御部1002には、突然確変当たり状態フラグF10が接続されており、突然確変当たり状態フラグF10の論理値によって突然確変当たり状態中か否かを判断できるようになっている。なお、突然確変当たり状態フラグF10が論理「1」に設定されといるときは、突然確変当たり状態中であることを示し、突然確変当たり状態フラグF10が論理「0」に設定されといるときは、突然確変当たり状態中でないこと示す。
上記保留球有無判定部1000は、4つの保留球格納エリア700のデータの格納状態の有無によって保留球が無い状態か否かを判定し、保留球が無い場合にはハイレベルの信号を出力し、保留球が有る場合にはローレベルの信号を出力するようになっている。タッチセンサ1001は、遊技者が遊技球発射ハンドルに手を触れている状態のときにローレベルの信号を出力し、遊技者が遊技球発射ハンドルから手を離した状態のときにハイレベルの信号を出力するようになっている。
一方、サブ制御装置262は、主制御装置261から送信されたコマンドを受信してこの受信したコマンドの内容を解析するコマンド解析部1004と、受信したコマンドが報知コマンドであるときスピーカ810を鳴動させる音響出力制御を行う音響出力制御部1005とを有する。
次いで、図40及び図41を参照して、報知処理を説明する。図40は報知処理1を示すフローチャートであり、図41は報知処理2を示すフローチャートである。図40の報知処理1は主制御装置261においてなされる処理であり、図41の報知処理2はサブ制御装置262においてなされる処理である。
図40を参照して、主制御装置261においてなされる報知処理1について説明する。先ず、遊技者が遊技球発射ハンドルから手を離したか否かが判断される(ステップS2000)。具体的には、タッチセンサ1001からの出力がハイレベルに変化したか否かが判断される。タッチセンサ1001からの出力がハイレベルになると、遊技者が遊技球発射ハンドルから手を離したものとして、処理はステップS2001に移り、保留球が無い状態か否かが判断される。保留球が無い状態か否かの判断は、保留球有無判定部1000からの出力がハイレベルに変化したか否かで判断される。保留球が無い状態の場合(S2001:Yes)は、突然確変当たり状態フラグF10の論理値により、突然確変当たり状態中か否かが判断される(S2002)。突然確変当たり状態フラグF10が論理「1」のときは、突然確変当たり状態中であるので、処理はステップS2003に移り、報知コマンドを生成し、この報知コマンドをサブ制御装置262に送信し、その後処理は終了する。なお、ステップS2000において遊技者が遊技球発射ハンドルから手を離していない場合(S2000:No)、ステップS2001において保留球を有する場合(S2001:No)、ステップS2002において突然確変当たり状態中でない場合(S2002:No)は、それぞれ処理を終了する。
次いで、図41を参照して、サブ制御装置262においてなされる報知処理2について説明する。報知コマンドが入力されたか否かが判断される(S2010)。即ち、主制御装置261からのコマンドを受信すると、コマンド解析部1004は、その内容を解析する。そして、受信コマンドが報知コマンドであるときは、コマンド解析部1004は音響出力制御部1005に報知コマンドを与える。これにより、処理はステップS2011に移り、スピーカ鳴動処理が実行される。即ち、音響出力制御部1005は報知コマンドに応じた音声信号をスピーカ810に出力し、これにより、スピーカ810は突然確変当たり状態であることを音声出力する。なお、ステップS2010において受信コマンドが報知コマンドでないときは、そのコマンドに応じた処理が実行される(S2012)。
こうして、突然確変当たり状態中に限り、「大当たり抽選の保留球が無い状態」かつ「遊技者が遊技球発射ハンドルから手を離す」条件を満たした場合に、スピーカから突然確変当たり状態中であることが報知される。これにより、遊技機から一旦離れた遊技者は、遊技機に戻り遊技を再開するので、突然確変当たり状態の利益を享受することが可能となる。
尚、報知するときの条件はこの限りではなく、例えば、突然確変大当たり状態の後に所定数(例えば、50回)だけ装飾図柄が変動した場合に告知しても良い。また、報知するか否かも抽選によって行なっても良い。
〔第4の形態〕
ここでは、図42から図46に基づき、大当たり非告知態様と、通常時及び告知態様とにおける遊技球の制御について述べる。図42は第3の形態の要部正面図、図43は第3の形態に用いる風車回動機構の平面図、図44は第3の形態の要部正面図、図45は第3の形態に用いる風車回動機構の平面図、図46は第3の形態の変形例を示す要部正面図である。
この遊技球の制御は、本来、確率変動時に享受できた利益、例えば、開閉羽根の稼動による入賞等が、前記可変入賞装置32の通常処理を導入した結果として稼動させられなくなったことによって得られなくなるのを、遊技者に気付かれることなく、別の形態で享受できることにある。即ち、上記第2の形態における遊技者の不利益を補填するのである。
従って、始動口32への遊技球の入賞を契機に、確率変動付大当たりと、通常大当たりと、外れとの抽選が実行される抽選手段(大当たり乱数カウンタC1、大当たり図柄カウンタC2に相当)と、上記抽選手段による抽選結果を表示する表示装置42と、上記確率変動付大当たり及び上記通常大当たりとなった場合に開放される主大入賞口とを備えている構成、上記確率変動付大当たり時に上記表示装置42によって表示される表示態様として、確率変動付大当たり状態であることを遊技者に告知する大当たり告知態様と、上記確率変動付大当たり状態であることを遊技者に告知しない大当たり非告知態様とからなると共に、上記大入賞口として、上記大当たり非告知態様となった場合に限り微少時間だけ遊技球が入球可能な副大入賞口401と、この副主入賞口401が入球可能に作動している場合を除き大入賞口としての機能をつかさどる主大入賞口400とを備えている構成については、格別かわるものではない。
ここでは、図42から図45に示す通り、始動口の上方に波状のステージ460を設けてあること、且つ、該ステージの460下方に風車461を設けてあること、及び、前記始動口、ここでは、上始動口32aに対し、通常時には遊技球の入球を阻止し、確率変動付大当たりにおける非告知態様においては入球させるように遊技球を誘導する風車464を備えた風車制御機構462を設けてある。そして、前記波状のステージ460には、遊技球をガイドする凹部463が、波状の中央の頂点の両側の波底に夫々設けられている。
更に、上記風車制御機構462は、前記凹部463の中心の仮想延長線470上で、且つ、前記上始動口32aの横側上方に前記風車464の支持軸464A(風車464と支持軸464Aは相対回転自在の嵌合連結)を配置し、通常時は前記支持軸464Aの先端側を、前記始動口32aに近づく方向に傾斜変位させて(図44参照)、遊技球の始動口32aへの入球を抑制し、大当たり非告知態様においては前記支持軸464Aの先端側を始動口から遠ざかる方向に傾斜変位させて(図42参照)、遊技球の入球を促進するように構成されている。
また、前記風車制御機構462は、図43及び図45に示すように、前記風者464を傾斜させるためのソレノイド465を備えており、このソレノイド465によって、前記支持軸464Aが、その軸心に直行する、遊技盤30の面に平行な軸心X1の周りに回動操作される。これらの図面では、説明の理解を助けるために、前記支持軸464Aの傾斜を大きく描いているが、現実には、20°以下のものである。
更に、前記波状のステージ460の凹部463と前記風車制御機構462との関係は、その風車464の回転軸芯が、前記凹部の中心の仮想延長線上となるように配置されているが、上述の如く、始動口32aへの入賞を誘導する大当たり非告知態様と、逆に入賞を抑制するその他の態様とで、少なくとも2位置に傾斜変位するよう操作されるので、図42においては、その風車464の回転軸芯は、前記仮想線延長線上から、図42に示す正面視で左右外側に夫々ズレている状態と、図44に示す左右内側にズレている状態とになる。
更に、前記風車制御機構462は、前記風車464により誘導された遊技球をより確率高く始動口に入球させるように始動口32aの命釘465の横側方に所要の間隔を隔てて夫々設けた誘導釘466を含む。
この誘導釘466については、上記説明では1本を配置しているが、上記風車464の配置関係によって、例えば、図46に示す如く、風車464の位置が、始動口32aの命釘465よりも大きく離れている場合には、複数本(例えば、4、5本)の誘導釘466を連続及び所定の間隔で並べるようにして、より確実な誘導を行えるようにしても良い。
尚、図42、図44、図46における441及び442は、それぞれワープ通路440Aのワープ入口及びワープ出口を示す。
(作用)
上述の如く、既存の遊技盤面構造である波状のステージを利用し、風車制御機構462をその下方に配置したことによって、大当たり非告知態様が抽選手段C2により出力されると、この結果を受けて、ソレノイド465が作動し、前記風車464の支持軸464Aが、図25のように、風車464(正面視で右側に配置されたもの)を右方に傾斜させ、その回転軸芯は、図24に示される如く、凹部463のセンターから外方に変位し、上方の凹部463からその中心線に沿うようにガイドされながら落下した遊技球は、確実に風車464の正面視における回転軸芯の左側部に衝突し、風車464を左回転させて、始動口32aの方に誘導される。
この際、風車464を離れた遊技球は、その下方に設けられた誘導釘466に衝突し、これによって、更に確実に始動口32aの命釘465間に誘導される。
また、通常時は、図45に示すように、その風車464(正面視で、右側に配置されたもの)は、その支持軸464Aの軸心が、上部の凹部463の中心線から内側に向けて傾斜され、図44に示すように、上方から落下した遊技球は、風車464の正面視で右半分の側に衝突下し、風車464を右回転外側に遊技球を誘導することになり、通常時には、始動口32aへの異常に確率の高い入賞がないようにすることができる。これによって、大当たり非告知態様の進行を密かに図ることが出来ながら、大当たりがあったことによって受けるべき利益を、始動口32aへの入賞率を高くすることで還元できるのである。
(その他の事項)
(1)上記第1〜第4の形態では突然確率変動機能と突然でない通常の確率変動機能を有する遊技機について説明したが、突然確率変動機能のみを有する遊技機についても上記第1〜第4の形態を適用することができる。また、突然確率変動機能に代えて、突然時間短縮機能を有する遊技機についても上記第1〜第4の形態を適用することができる。さらに、突然確率変動機能と突然時間短縮機能を有する遊技機についても上記第1〜第4の形態を適用することができる。なお、突然時間短縮機能についても、上記突然確率変動機能の場合と同様に、突然時間短縮機能のみを有していてもよく、また、突然時間短縮機能能と突然でない通常の時間短縮機能能とを有する場合であってもよい。
(2)上記第1〜第4の形態では副役物(第2の可変入賞装置及び1以上の演出可動部)が盤面上に1つだけ設けられていたが、1つだけでなく複数設けてもよい。このように構成すれば、遊技者の注視するポイントが多くなり、第2の特別遊技(突然確変状態や突然時短状態等)へ移行したことを遊技者により一層悟られにくくなるからである。